D 0109:2007
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 分類······························································································································· 1
4 用語及び定義 ··················································································································· 2
附属書A(規定)引用規格 ···································································································· 37
索 引 ······························································································································· 38
D 0109:2007
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人自動車技
術会(JSAE)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会
の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS D 0109:1990は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
D 0109:2007
二輪自動車−用語
Motorcycles and mopeds-Vocabulary
序文
この規格は,1990年に第1版として発行された。第1版から15年が経過しており技術発展における
掲載内容の更新及び国内・国際規格等の記述の統一性を保つためにこの規格を改正する。
1
適用範囲
この規格は,二輪自動車(以下,自動車という。)に関する用語について規定する。
注記 二輪自動車とは,2個の車輪をもっている2軸自動車をいう。ただし,側車付二輪自動車を
含む。
2
引用規格
附属書Aに示す日本工業規格及び国際規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定
の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
3
分類
用語の分類は,次による。
a) 種類
1) 形状による分類
2) 用途による分類
b) 寸法,質量,荷重及び性能
1) 基礎となる用語
2) 寸法に関する用語
3) 質量及び荷重に関する用語
4) 性能に関する用語
c) 構造,装置及び部品
1) 原動機に関する用語
2) 動力伝達装置に関する用語
3) ブレーキ装置に関する用語
4) 走行装置に関する用語
5) 懸架装置及びかじ取り装置に関する用語
6) 電気装置に関する用語
7) フレームに関する用語
2
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8) 乗車装置に関する用語
9) ぎ(艤)装品に関する用語
4
用語及び定義
用語及び定義は,次による。用語の一部に( )を付けて示してあるものは,( )内を一般に省略す
る。
なお,対応英語及び慣用語を参考として示す。
注記1 用語の下に( )を付けて示してあるものは,読み方である。
注記2 この規格で規定している用語のうち,番号に*を付けてあるものは関連する日本工業規格の
用語で規定しているものと用語が同じでも意味が異なるものである。
注記3 対応英語欄に太字で示したものは,ISOで定めた用語である。また,特に区別しないもの
は,米英共通に用いているものである。
注記4 慣用語は,今後使用しない用語である。
注記5 寸法,質量及び荷重に関する用語は,特記しない限り,水平面において直進姿勢で鉛直に
静止した状態の自動車に対するものである。また,寸法に関する用語は特記しない限り,
用語番号2108で規定した空車状態のものについていう。
a) 種類
1) 形状による分類
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
1101
モペット
最高速度が50 km/h以下に設計されている二輪
又は三輪の自動車。その原動機が熱機関の場合
には,総行程容積又は相当する容量が50 cm3以
下のものに限る(図1参照)(ISO 3833)。
moped
1102
モータサイクル
モペットを除く,二輪又は三輪の自動車。ただ
し,三輪の自動車については,空車質量が400 kg
以下のものに限る(図2参照)(ISO 3833)。
motorcycle
1103
スクータ
シート前部が低く広くえぐられていて,足を置
く床板があり,比較的小さい車輪をもっている
自動車(図3参照)。
motor scooter
1104
側車付二輪(自動)
車
自動車の横に,一輪の側車を固着し,三輪で走
行する自動車。荷物又は人の輸送に用いられる。
motorcycle with
sidecar
図1−モペット
図2−モータサイクル
図3−スクータ
1101
1102
1103
3
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2) 用途による分類
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
1201
オンロード車
一般公道を走ることを目的とした自動車。
street motorcycle
1202
オンオフロード車
主として公道の走行を目的としているが,不整
地の走行もできるように作られた自動車。
dual-purpose
motorcycle
1203
オフロード車
不整地を走ることを目的とした自動車。
off road motorcycle
1204
ロードレーサ
競技車以外の車両が進入しないように閉鎖され
た舗装路上で,速さを競うことを目的とした自
動車(図4参照)。
road racer
1205
モトクロッサ
競技車以外の車両が進入しないように閉鎖され
た不整地で,速さを競うことを目的とした自動
車(図5参照)。
motocrosser
1206
トライヤル車
競技車以外の車両が進入しないように閉鎖され
た険路で,難度の高い操縦技術を競うことを目
的とした自動車(図6参照)。
trial motorcycle
1207
エンデューロ
主として,不整地の長距離走行で,スピードと
耐久性とを競うことを目的とした自動車。
公道を通過する場合には,最小限の保安部品
を備える。
enduro
b) 寸法,質量,荷重及び性能
1) 基礎となる用語
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
2101
車輪中心面
リム内側の両縁部の中心を通る平面 (ISO
6725)。
mid-plane of the
wheel
2102
車輪中心
車輪回転軸と車輪中心面との交点 (JIS D 0102)。 centre of the wheel,
wheel centre
2103*
縦中心面
鉛直な後輪の車輪中心面 (ISO 6725)。
longitudinal
median plane
2104
接地面
自動車をその上に支える水平面 (ISO 6725)。
supporting surface
2105
横鉛直面
縦中心面に直角な鉛直面 (ISO 6725)。
transverse vertical
planes
車両直角
面
2106
縦中心線
縦中心面と接地面との交線。
longitudinal median
line
車両中心
線
図4−ロードレーサ
図5−モトクロッサ
図6−トライヤル車
1204
1205
1206
4
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番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
2107*
乾燥状態
通常の運転に必要な最小限の装置及び装備を備
えた自動車の状態。
製造業者が取り付けた照明装置,並びに信号
装置を含む電気装置及び法令に規定された計器
とぎ装品を備えている。作動液(潤滑油,冷却
液,ブレーキ液,バッテリ液など)の全量を含
むが,燃料及び混合燃料は含まない。
注記1 タイヤの空気圧は,その自動車について
規定した値とする。
注記2 2サイクル機関の分離潤滑用の潤滑油
は,作動液とする。
dry condition
2108*
空車状態
乾燥状態に燃料(規定燃料容量の90 %以上)及
び製造業者によって通常備えられるぎ装品(工
具,キャリヤ,ウインドシールド,エンジンガ
ードなど)を加えた状態。
kerb condition,
curb condition
2109*
最大積載状態
空車状態の自動車に乗車定員及び許容される質
量の荷物を均等に積載した状態。
通常,自動車は,荷物積載用ではないため,
空車状態に乗車定員を積載した状態をいう。
fully laden
2) 寸法に関する用語
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
2201*
全長
縦中心面に直角で,自動車の前・後の各々に接
する二つの横鉛直面間の距離 (l1)(図7参照)
(ISO 6725)。
length,
overall length
2202*
全幅
縦中心面に平行で,自動車の両側に接する2平
面間の距離 (w)。ただし,リヤビューミラーは除
く(図7参照)(ISO 6725)。
width,
overall width
2203*
全高
接地面から自動車の最高部までの距離 (h1)。た
だし,リヤビューミラーは除く(図7参照)(ISO
6725)。
注記 最大積載状態のときの寸法を示す場合も
ある。
height,
overall height
2204*
軸距
前輪及び後輪の車輪中心を通る横鉛直面間の距
離 (l2)(図7参照)(ISO 6725)。
wheel base,
wheel space
2205*
前オーバハング
前輪の車輪中心を通る横鉛直面から自動車の最
前部までの距離 (l3)(図7参照)(ISO 6725)。
注記 自動車に固着してあるものは,すべてこの
中に含める。
front overhang
2206*
後オーバハング
後輪の車輪中心を通る横鉛直面から自動車の最
後部までの距離 (l4)(図7参照)(ISO 6725)。
注記 番号標又はその取付け部品など自動車に
固着してあるものは,すべてこの中に含め
る。
rear overhang
5
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番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
2207*
最低地上高
前輪と後輪との間にある自動車の最下部と接地
面との距離 (h2)。ただし,前輪及び後輪は除く
(図7参照)(ISO 6725)。
注記1 フェンダの最下部は除く。
注記2 ペダル付きの自動車の場合には,一方の
ペダルを最低の位置とし,ペダルの最下
面と接地面との距離とする。
ground clearance
2208*
重心高さ
接地面から自動車の重心までの高さ。
注記 乗員及び積荷のあるときの寸法を示す場
合もある。
height of the
gravitational
centre,
height of the centre
of gravity
重心高
2209*
バッファクリヤラン
ス
最大積載状態において,車輪の懸架部のストロ
ーク可能な鉛直方向の余裕すき間 (h3)(図7参
照)。
residual vertical
wheel clearance
2210
シート高
接地面からシート上面までの高さ (h4)(図7参
照)。
注記 シートの上面が水平でない場合には,通常
の乗車姿勢のときの運転者とシートとの
接触部の中心の高さとする。
seat height
2211*
ランプ角
縦中心面に投影した自動車の輪郭において,前
輪及び後輪のタイヤの外周に接する2本の直線
の交点が,自動車の下側輪郭上にあるときの2
線がなす角の補角の最小値(α)(図8参照)(ISO
6725)。
注記 ペダル付きの自動車の場合には,ペダルの
位置は無視する。
ramp angle
2212*
アプローチ角
前輪タイヤの外周に接し,かつ縦中心面に直角
な平面と接地面との間の最大角で,自動車のい
かなる部分もこの平面の下部にないような角度
(β1)(図9参照)(ISO 6725)。
approach angle
2213*
デパーチャ角
後輪タイヤの外周に接し,かつ縦中心面に直角
な平面と接地面との間の最大角で,自動車のい
かなる部分もこの平面の下部にないような角度
(β2)(図9参照)(ISO 6725)。
departure angle
2214*
キャスタ
かじ取り車輪の車輪中心を通る鉛直線とステア
リングステムの中心線とを縦中心面に投影した
とき,その接地面上における距離 (l)(図10参
照)(ISO 6725)。
注記1 ステアリングステムの中心線の下方延
長が車輪中心を通る鉛直線の前方にあ
る場合を正(+),後方にある場合を負
(−)とする。
注記2 ISO 6725 (6.11)では,負(−)のキャスタ
を“trail”としている。
castor
トレール
6
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番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
2215
キャスタ角
縦中心面に投影されたステアリングステムの中
心線の鉛直線に対する傾き角度 (b)(図10参照)
(ISO 6725)。
注記 ステアリングステムの中心線の上部が下
部より後方にある場合を正(+),前方にある
場合を負(−)とする。
castor angle
2216
バンク角
タイヤのトレッドに接する平面と接地面との間
の最大角度。前輪と後輪とで角度が異なる場合
には小さい方の値を用いる。
自動車の一部がこのように決められた角度内
に突出する場合には,この部分の外表面とタイ
ヤとに接する平面の角度を用いる。ただし,ペ
ダルが付いたモペットでは,ペダルの位置は無
視する(図7参照)(ISO 6725)。
注記1 自動車には,左側(α1)及び右側(α2)のバ
ンク角がある。
注記2 ISO 6725では,タイヤで決まる最大角
によって接地点を求めている。
banking angle
2217*
(最大)かじ取り角 ハンドルバーを直進状態から右又は左に回転す
る場合に,かじ取り車輪の車輪中心面と接地面
との交線が旋回移動する最大回転角度。
steering angle
2218
ハンドル回転角
ステアリングステムの中心線に直角な平面上で
の,ハンドルバーの直進状態からの最大回転角
度。
steering angle
2219*
最小旋回半径
自動車を接地面に垂直に保持して(最大)かじ
取り角で徐行するとき,かじ取り車輪のタイヤ
の接地部の中心が描く軌跡の半径(図11参照)
(ISO 6725)。
注記1 右側及び左側の最小旋回半径がある。
注記2 外側になる車輪のタイヤによるもの(r1)
を外側車輪最小旋回半径,内側になるタ
イヤによるもの(r2)を内側車輪最小旋回
半径という。
注記3 ISO 6725では,車輪中心面と路面との
交線の内接円で示している。
minimum turning
radius
最小回転
半径
2220*
車体最小旋回半径
自動車を接地面に垂直に保持して(最大)かじ
取り角で徐行するとき,車体の部分が描く軌跡
の半径(図11参照)(ISO 6725)。
注記1 右側及び左側の車体最小旋回半径があ
る。
注記2 最も外側になる部分によるもの(r3)を外
側車体最小旋回半径,最も内側になる部
分によるもの(r4)を内側車体最小旋回半
径という。
minimum turning
clearance radius
2221
総行程容積
エンジンの各シリンダの行程容積の総和。行程
容積とシリンダ数との積 (JIS B 0108-2)。
Vst=NVs
ここに,N:シリンダ数
Vs:行程容積
engine swept
volume
総排気量
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番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
2222
燃料容量
燃料タンクに収容できる燃料の最大容量。ただ
し,補助タンクにつながるものは,その容量も
含む (JIS D 0102)。
fuel capacity
2223*
潤滑油容量
エンジン,変速機,減速歯車室などの潤滑系統
に収容できる潤滑油の基準容量。ただし,補助
タンクにつながるものは,その容量も含む。
lubricating oil
capacity
2224*
冷却水容量
エンジン,放熱器系統に収容できる冷却水の最
大容量。
cooling water
capacity
図7−寸法に関する用語
図8−ランプ角
図9−アプローチ角,デパーチャ角
2211
2212
2213
8
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3) 質量及び荷重に関する用語
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
2301
乾燥質量
乾燥状態の自動車の質量 (ISO 6726)。
vehicle dry mass
乾燥重量
2302
乾燥荷重
乾燥質量と標準重力加速度(9.806 65 m/s2)との
積。
vehicle dry weight
乾燥重量
2303*
空車質量
空車状態の自動車の質量 (ISO 6726)。
vehicle kerb mass,
vehicle curb mass
空車重量
2304*
空車荷重
空車質量と標準重力加速度との積。
vehicle kerb
weight,
vehicle curb weight
2305
全装備質量
空車状態に,製造業者によって準備された追加
及び選択のぎ装品をすべて装着した自動車の質
量 (ISO 6726)。
vehicle mass fully
equipped
2306
全装備荷重
全装備質量と標準重力加速度との積。
vehicle weight fully
equipped
2307*
自動車総質量
最大積載状態の自動車の質量 (ISO 6726)。
maximum
authorized total
mass
自動車総
重量
2308*
自動車総荷重
自動車総質量と標準重力加速度との積。
maximum
authorized total
weight
自動車総
重量
2309*
最大積載質量
自動車に積載することが許容されている乗車定
員及び積荷の最大の質量。
注記 自動車総質量から空車質量を差し引いた
値である。
maximum
authorized freight
mass
最大積載
量
図10−キャスタ,キャスタ角
図11−最小旋回半径,車体最小旋回半径
2214
2215
2219
2220
r3
r2
r4
r1
9
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番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
2310*
最大積載荷重
最大積載質量と標準重力加速度との積 (ISO
6726)。
注記 自動車総荷重から空車荷重を差し引いた
値である。
maximum
authorized
payload
最大積載
量
2311
軸荷重
車輪を通じて接地面にかかる,各車軸当たりの
荷重 (JIS D 0102)。
axle weight
2312
前軸荷重
前車軸の軸荷重 (JIS D 0102)。
front axle weight
2313
後軸荷重
後車軸の軸荷重 (JIS D 0102)。
rear axle weight
2314*
荷重配分比
各車軸に配分される自動車の荷重の百分率。
注記 最大積載状態のときの比率を示す場合も
ある。
例 (前輪):(後輪)
47%:53%(空車状態)
weight ratio
重量配分
比
2315*
ばね上質量
自動車の質量のうち,懸架ばねに支持される質
量。
注記 動力伝達装置,懸架装置,ブレーキ装置,
かじ取り装置のように,その質量のうちの
幾らかがばね上質量を構成するものは,そ
の構造に従い相当質量として加算する。
sprung mass
2316*
ばね下質量
前車軸及び後車軸に取り付けられている部分の
質量。
注記 自動車の質量とばね上質量との差に当た
る。
unsprung mass
4) 性能に関する用語
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
2401
最大出力
使用する回転速度範囲内でエンジンが出すこと
ができる最大の軸出力 (JIS B 0108)。
注記 単位はkW。
peak power,
maximum power
2402
ネット軸出力
補助装置を備えたエンジンを,試験台上で運転
させたときに,クランク軸端末で得られる出力。
軸出力がギヤボックスを取り付けなければ測定
できない場合には,測定された出力に変速機構
による出力損失を加算する (JIS D 1000)。
net power
2403
最大トルク
使用する回転速度範囲内でエンジンが出すこと
ができる最大の軸トルク。
注記 単位はN・m。
maximum torque
2404
ネット軸トルク
ネット軸出力と同じ条件で得られるトルク (JIS
D 1000)。
net torque
2405
自動車(走行)性能
線図
自動車の走行速度に対する駆動力曲線,走行抵
抗曲線及び各変速段におけるエンジン回転速度
を一つの線図にまとめたもの (JIS D 0102)。
motorcycle
performance
diagram
2406*
車速線図
各変速段数において機関回転速度と自動車走行
速度との関係を表した線図 (JIS D 0102)。
speed diagram
2407
駆動力曲線
自動車の走行速度と各変速段における最大駆動
力との関係を表した曲線図 (JIS D 0102)。
driving force curve
10
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番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
2408*
走行抵抗曲線
自動車の走行速度と走行抵抗との関係を,各こ
う配ごとに表した曲線図 (JIS D 0102)。
running resistance
curve
2409
走行抵抗
自動車が走行する際に受ける抵抗 (JIS D 0102)。
注記 走行抵抗は,転がり抵抗,空気抵抗,こう
配抵抗からなる。
running resistance
2410*
転がり抵抗
自動車が水平路面上を転がり移動するときに受
ける抵抗を総括したもの (JIS D 0102)。
注記 転がり抵抗は,次の各種の抵抗からなる。
a) タイヤが路面を転がるときにタイヤ
を変形させる抵抗。
b) 自動車各部の摩擦抵抗。
c) 路面を変形させる抵抗。
rolling resistance
2411
空気抵抗
自動車が走行する場合の空気による抵抗 (JIS D
0102)。
注記 一般に空気抵抗(Ra)は,次の式で求める。
Ra=kAV2
ここに,k:空気抵抗係数
A:自動車の前面投影面積
V:空気に対する自動車の相対速
度
air resistance
2412
こう配抵抗
自動車が坂路を登るとき,重力の進行方向の分
力によって,自動車の重心に後向きに作用する
抵抗 (JIS D 0102)。
注記 こう配抵抗(Rg)は次の式で求める。
Rg=mg sinθ
ここに,m:自動車の質量
g:標準重力加速度
θ:こう配面が水平面となす角
hill climbing
resistance
2413*
前面投影面積
自動車の横鉛直面に自動車を投影してできる面
積。
frontal projected
area
2414
動力伝達効率
エンジンで発生した軸出力と,クラッチ,変速
機,減速機などの全動力伝達装置を通って駆動
輪に伝えられた出力との比 (%) (JIS D 0102)。
mechanical
efficiency of
power
transmission
伝達機械
効率
2415
駆動力
駆動輪接地点において,自動車の駆動に利用で
きるエンジンからの力 (JIS D 0102)。
driving force
2416
登坂能力
(とはんのうりょく)
自動車が最大積載状態において坂路を登ること
ができる能力であって,最大傾斜角の正接で表
したもの (JIS D 0102)。
hill climbing
ability,
gradability
2417*
加速能力
自動車が平地走行で加速するときの最大能力。
注記 一般に発進加速能力と追い抜き加速能力
が使われる。
accelerating ability
2418*
発進加速能力
自動車が停止状態から適宜変速して一定距離を
走行する時間から求められる加速能力。
accelerating ability
from standstill
2419*
追い抜き加速能力
自動車がある初速度から変速しないで一定速度
まで加速する時間から求められる加速能力。
passing ability
2420*
最高速度
空車質量の自動車が水平平たん路面において出
すことのできる最高の速度 (JIS D 1037)。
maximum speed
2421
燃料消費量
自動車がある走行距離の間に,又はある時間内
に消費する燃料の量 (JIS D 0102)。
fuel consumption
11
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
2422*
燃料消費率
単位出力・単位時間当たりに消費される燃料の
量。燃料に潤滑油が混合される場合には,潤滑
油の量を除外する (JIS D 1000)。
specific fuel
consumption
2423
潤滑油消費量
自動車がある走行距離の間に,又はある時間内
に消費する潤滑油の量 (JIS D 0102)。
lubricating oil
consumption
2424
(自動車の)潤滑油
消費率
自動車が単位走行距離又は単位時間当たりに消
費する潤滑油の量若しくは潤滑油の単位容量当
たりに走行できる距離 (JIS D 0102)。
rate of lubrication
oil consumption
2425*
変速比
変速機の入力軸の回転速度と出力軸の回転速度
との比であって,走行状態に応じて選択できる
もの (JIS D 0102)。
注記 副変速機を含める場合もある。
change gear ratio,
transmission gear
ratio
2426*
減速比
減速機において,入力軸の回転速度と出力軸の
回転速度との比 (JIS D 0102)。
reduction gear ratio
2427
1次減速比
原動機の出力軸の回転速度と変速機の入力軸の
回転速度との比。
primary reduction
gear ratio
2428
2次減速比
変速機の出力軸の回転速度と駆動車輪の回転速
度との比。
secondary reduction
gear ratio
2429
制動初速度
制動操作の開始直前の自動車の速度 (JIS D
1034)。
initial speed of
braking
2430
停止距離
運転者が制動操作装置の操作を始めてから,停
止するまでに自動車が走行した距離 (JIS D
1034)。
stopping distance
2431
制動距離
JIS D 1034で測定した値 (JIS D 0010)。
braking distance
2432*
平均飽和減速度
制動中,自動車の減速度がほぼ安定していると
みなせるときの値 (JIS D 1034)。
mean fully
developed
deceleration
2433
車速
自動車車体の重心位置の速度の水平成分。
horizontal velocity
2434
横加速度
自動車の重心位置の加速度ベクトルのx軸に垂
直で路面に平行な成分。
lateral acceleration
2435
最大横加速度
自動車−ライダ系が旋回運動を行っているとき
に得られる最大の横加速度。
maximum lateral
acceleration
2436
最大ロール角,
最大バンク角
自動車−ライダ系が旋回運動を行っているとき
の最大ロール角。
maximum roll
angle,
maximum bank
angle
c) 構造,装置及び部品
1) 原動機に関する用語
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3110
2サイクル機関
2行程で1サイクルを完結する内燃機関 (JIS B
0108-1)。
two-stroke engine,
two-cycle engine
3111
ピストン弁機関
ピストンの往復運動によってシリンダに設けた
吸気口,掃気口及び排気口の開閉を行う2サイ
クル機関。
piston valve engine
12
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3112
ロータリ弁機関
ピストンの往復運動によって掃気口及び排気口
の開閉を行い,ロータリ弁によって吸気口の開
閉を行う2サイクル機関。
rotary valve engine
3113
ロータリ弁
回転によって吸気口の開閉を行う円筒,円すい
又は円板状の弁。
rotary valve
3114
リード弁機関
ピストンの往復運動によって掃気口及び排気口
の開閉を行い,リード弁によって吸気口の開閉
を行う2サイクル機関。
reed valve engine
3115
リード弁
内外の圧力差によって,たわんで開閉する板状
吸気弁。
reed valve
3120
4サイクル機関
4行程で1サイクルを完結する内燃機関 (JIS B
0108-1)。
four-stroke engine,
four-cycle engine
3121
クランクケース
クランク軸主軸を内蔵し,クランク室を部分的
に囲っている部品。シリンダ,シリンダジャケ
ット(ケーシング)又はシリンダブロックを支
持する構造で,部品装着のための表面をもって
いる(図15参照)(JIS B 0109-1)。
crankcase
3122
オイルパン
クランク室の下部を囲い,潤滑油を蓄える部品。
クランク軸主軸受は内蔵していない(図15参照)
(JIS B 0109-1)。
oil pan,
oil sump
油だめ,
油受
3123
シリンダブロック
2個以上のシリンダが一体となっている部品。一
体で形成されているもの又はボルト結合されて
いるものがある(図15参照)(JIS B 0109-1)。
cylinder block
3124
シリンダヘッド
燃焼室を覆う部品。ガス交換用の装置(弁,弁
駆動装置,吸排気管路など)をもたない場合も
ある(図15参照)(JIS B 0109-1)。
cylinder head,
cylinder cover
3125
シリンダヘッドカバ
ー
弁などの可動部分を保護する部品(図15参照)
(JIS B 0109-1)。
valve mechanism
casing,
valve mechanism
cover,
cylinder head cover
3126
オーバヘッドバルブ
機関
吸気弁と排気弁がピストン上部のシリンダヘッ
ド内にあり,ピストンの動きの方向とほぼ同じ
方向に弁が開閉する4サイクル機関 (JIS B
0108-1)。
overhead-valve
engine
3127
オーバヘッドカムシ
ャフト機関
吸気弁,排気弁及びカム軸をシリンダヘッドに
もつ4サイクル機関 (JIS B 0108-1)。
overhead camshaft
engine
3128
シングルオーバヘッ
ドカムシャフト機
関
吸気弁,排気弁及び1本のカム軸をシリンダヘ
ッドにもつ4サイクル機関。
single overhead
camshaft engine
3129
ダブルオーバヘッド
カムシャフト機関
吸気弁,排気弁及び2本のカム軸をシリンダヘ
ッドにもつ4サイクル機関。
double overhead
camshaft engine
3131
直列形機関
1列のシリンダバンクをもつ内燃機関 (JIS B
0108-1)。
in-line engine,
straight-type engine
3132
V形機関
2列のシリンダバンクが互いにある角度をもち,
かつ,1本のクランク軸をもつ内燃機関 (JIS B
0108-1)。
vee-engine,
V-engine,
V-type engine
13
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3133
対向シリンダ機関
クランク軸の反対側に2列のシリンダバンクを
対向して配置した内燃機関 (JIS B 0108-1)。
opposed-cylinder
engine,
opposed cylinder
type engine,
opposed piston
engine
3134
ツインバンク機関
2列の平行なシリンダバンクと2本のクランク軸
とをもつ内燃機関 (JIS B 0108-1)。
twin-bank engine
3135
クランクバランサ
クランク軸と同期回転する軸につりあいおもり
を付け,不つりあい力又は不つりあい偶力をつ
りあわせて,振動を低減させる機構(図12参照)。
crank balancer
3140
吸気装置
新気をエンジン本体に供給する装置。
intake system,
inlet system
3141
空気清浄器
機関に導かれる新気を通過させ粒子を取り除く
装置 (JIS B 0109-4)。
air filter,
air cleaner
3142
吸気管
新気が吸気マニホルド又は機関のシリンダに導
かれるパイプ (JIS B 0109-4)。
inlet pipe
3150
燃料装置
燃料をエンジンに供給する装置及び燃料を貯蔵
する装置。気化器,燃料噴射装置を含む(図16
参照)(JIS D 0104)。
fuel system
3151
燃料タンク
燃料を納めておくタンク(図16参照)(JIS B
0110)。
fuel tank
3152
燃料タンクキャップ 燃料タンクの注入口に設けたキャップ。
tank cap,
filler cap
3153
燃料コック
燃料タンクから気化器などへ燃料を送るための
通路に設けた締切機能をもつ部品。
fuel cock
3154
気化器
エンジンの吸気量と混合比とを制御し,併せて
燃料を微粒化する装置 (JIS B 0110)。
carburetor,
carbureter,
carburettor,
carburetter
3155
燃料噴射装置
機関に燃料を噴射供給するための装置(図16参
照)(JIS B 0110)。
fuel injection
system,
fuel injection
equipment
噴射装置
3156
スロットルバルブ
エンジンの吸気量を制御する弁。
throttle valve,
throttling valve,
throttle butterfly
3157
スロットルグリップ エンジンの出力を制御して車速の調整を行うた
めに,ハンドルバーの右端に装着した回転する
握り部分(図13参照)。
throttle grip
3158
スロットルケーブル スロットルグリップなどの動きをスロットルバ
ルブに伝達するケーブル。
throttle cable
3160
排気装置
シリンダ内の燃焼ガスを外部に排出する装置。
exhaust system
3161
排気消音器
排気騒音を減衰させるための装置(図17参照)
(JIS B 0110)。
exhaust silencer,
silencer,
exhaust muffler,
muffler
排気マフ
ラ,
マフラ
14
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3162
排気管
過給機,排気マニホルド又は機関シリンダから
の排気を放出するパイプ(図17参照)(JIS B
0109-4)。
exhaust pipe
3163
スパークアレスタ
排気管の最後部に設け,火災及び火の粉排出を
防止するための装置(図14参照)。
spark arrester
3170
冷却装置
水又は空気によって,エンジンを適度な温度に
冷却する装置 (JIS D 0104)。
cooling system
3171
自然空冷
冷却ファンを用いないで冷却する空冷方式 (JIS
B 0110)。
air cooling without
blower
3172
強制空冷
冷却ファンによって冷却する空冷方式 (JIS B
0110)。
air cooling with
blower
3173
強制冷却
ポンプによって強制循環を行う冷却液体による
冷却 (JIS B 0109-5)。
force-feed cooling
3180
潤滑装置
潤滑油をエンジン各部に供給する装置及び貯蔵
装置 (JIS D 0104)。
lubricating system,
lubricating device
3181
はねかけ潤滑装置
機関の運動部分によって,はねあげられた潤滑
油の飛まつ(沫)によって潤滑する装置 (JIS B
0109-6)。
splash lubrication
3182
強制潤滑
オイルポンプで直接圧力を加えて注油する潤滑
(JIS B 0110)。
force-feed
lubrication,
forced lubrication
3183
燃料混合潤滑
潤滑油を燃料にある割合で混合して供給する潤
滑方式。十分な潤滑油が燃料から分離し,機関
の潤滑部分に付着させられる (JIS B 0109-6)。
oil-in-gasoline
lubrication,
petroll lubrication,
mixture method
lubrication
3184
独立分離潤滑装置
外に設けた潤滑油タンクから直接給油する強制
潤滑装置 (JIS B 0109-6)。
independent
lubrication,
separate oiling
system
3185
ウェットサンプ潤滑 エンジンの油受けにためた潤滑油による潤滑。
wet sump
lubrication
3186
ドライサンプ潤滑
クランク室の外に設けたタンクから潤滑油を供
給し循環させる潤滑。
dry sump
lubrication
3187
オイルフィルタ
潤滑油中の異物を除去し清浄にする装置(図15
参照) (JIS B 0110)。
oil filter
3188
オイル冷却器
潤滑油の温度を下げるための熱交換器 (JIS B
0110)。
oil cooler
油冷却器
3190
始動装置
機関に装着された始動制御装置及び始動装置で
構成される装置。この装置には,機関が自力で
回転するようになるまでの一連の補助装置を含
む (JIS B 0109-8)。
starting system,
starter,
starting equipment
起動装置
3191
キック始動装置
足げりによってクランク軸を回す始動装置 (JIS
B 0109-8)。
kick starting
system,
kick starting
3192
プライマリキック
変速装置がどの変速段にあっても,キック始動
が可能な始動装置。
primary kick
3193
キックスタータアー
ム
足げりによってクランク軸を回すためのアー
ム。
kick starter arm
15
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3194
電気始動
電動機による始動 (JIS B 0110)。
electric starting
3195
スタータ
エンジンを始動させるための,バッテリで作動
する直流電動機 (JIS D 0103)。
starting motor,
cranking motor,
starter
始動電動
機
3196
デコンプ
シリンダ圧縮圧力を低減し,始動装置の負担を
減少させるための操作,又はその装置 (JIS B
0109-8)。
decompressor,
decompression
(device)
3197
点火装置
エンジンの燃焼室内の混合気に点火する装置
(JIS D 0104)。
ignition system
3198
バッテリ点火
バッテリ及びイグニッションコイルを用いる点
火。
battery ignition,
battery-coil ignition
3199
マグネト点火
マグネトによる点火 (JIS B 0110)。
magneto ignition
3200
マグネト
マグネットを使用した点火機構をもつ高圧発電
機。ランプコイルをもつこともある (JIS D
0103)。
magneto
3201
フライホイールマグ
ネト
ロータがエンジンのクランク軸のフライホイー
ルを兼ねる構造のマグネト。
flywheel magneto
3202
エレクトロニックイ
グナイタ
トランジスタ,集積回路などの半導体などを用
いて,スパークプラグに電気火花を飛ばす点火
装置 (JIS D 0103)。
electronic igniter
3203
コンデンサ放電点火
装置
コンデンサに蓄えられた電荷を点火コイルの一
次側へ放電させ,二次側に高電圧を得る点火装
置 (JIS B 0110)。
注記 CDIと略称する。
capacitor discharge
ignition system,
condenser discharge
ignition system
図12−クランクバランサ
3135
16
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図13−スロットルグリップ,ハンドルグリップ
図14−スパークアレスタ
図15−エンジン各部の名称
図16−燃料関連部品名
図17−排気系部品名
2) 動力伝達装置に関する用語
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3300
動力伝達装置
原動機の動力を走行装置又は駆動以外に利用す
るための装置に伝達する装置の総称 (JIS D
0104)。
transmission system 伝導装置,
駆動装置
3163
3157
3632
3632
17
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3310
クラッチ
原動機の動力の伝達を断続させる装置。通常,
原動機と変速装置との間の設けられる (JIS D
0104)。
clutch
3311
手動クラッチ
運転者の握力で,操作するクラッチ。
hand operated
clutch
3312
クラッチレバー
握力をクラッチの操作力に変換するレバー(図
18参照)。
clutch lever
3313
クラッチケーブル
クラッチレバーの操作をクラッチに伝達するケ
ーブル。
clutch cable
3314
遠心クラッチ
原動機の回転速度の増減による遠心力の変化を
利用するクラッチ。
centrifugal clutch
3315
湿式多板ラッチ
2枚以上の摩擦板をもち,潤滑油で湿った状態で
使用するクラッチ。
multiplate wet
clutch
3316
乾式クラッチ
摩擦板が乾いた状態で使用するクラッチ。
dry clutch
3320
変速装置
原動機の動力を負荷に応じたトルク又は回転速
度に変換する装置 (JIS D 0104)。
transmission,
gear box
ミッション
3321
常時かみ合い式変速
機
主軸歯車と副軸歯車とは,各変速段とも常時か
み合っており,いずれかを選択して軸に固定す
ることによって動力を伝達する変速装置。
constant mesh
transmission
3322
ギヤシフトカム
変速装置の歯車選択を制御するカム(図19参
照)。
gear shift cam
3323
シフトフォーク
変速装置のしゅう動歯車を動かす,ふたまた状
の部品(図19参照)。
shifting fork
3324
足動変速
変速装置を足によって操作する変速方法。
foot change
3325
変速ペダル
足動変速のための操作ペダル(図19参照)。
change pedal,
gear shift pedal
3326
リターンシフト
最高速段又は最低速段に達したとき,戻り側だ
けが可能な変速方法。
return shift
3327
ロータリシフト
変速操作が最高速段から最低速段までループ状
につながっていて,循環操作及び往復操作が可
能な変速方法。
rotary shift
3328
CVT
変速を無段階に行うことができる装置。
continuously
variable
transmission
3331
1次減速機
原動機回転速度を,原動機と変速機との間で減
速する機構。
primary reduction
gear
3332
2次減速機
変速機出力軸回転速度を,変速機と駆動車輪と
の間で減速する機構。
secondary reduction
gear
3333
チェーンドライブ
チェーンを使用する駆動車輪への動力伝達。
chain drive
3334
ドライブスプロケッ
ト
チェーンドライブの駆動側スプロケット。
drive sprocket
駆動スプロ
ケット
3335
ドリブンスプロケッ
ト
チェーンドライブの被駆動側スプロケット。
driven sprocket
被駆動スプ
ロケット
3336
チェーンアジャスタ チェーンのたるみを調整するために,後車軸を
前後に移動させる部品(図20参照)。
chain adjuster
3337
チェーンテンショナ チェーンのたるみの変化を吸収するために,チ
ェーンに張力を与える装置。
chain tensioner
3338
シャフトドライブ
回転軸を使用する,駆動車輪への動力伝達。
shaft drive
3339
ベルトドライブ
ベルトを使用する,駆動車輪への動力伝達。
belt drive
18
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3340
ドライブプーリ
ベルトドライブの駆動側プーリ。
drive pulley
3341
ドリブンプーリ
ベルトドライブの被駆動側プーリ。
driven pulley
図18−クラッチレバー
図19−変速装置
図20−後輪駆動
3) ブレーキ装置に関する用語
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3400
ブレーキ装置
自動車を減速,停止又はある位置に保持するた
めに使用する一連の機構 (JIS D 0106)。
braking device
ブレーキ,
制動装置
3401
フロントブレーキ
前車軸に取り付けたブレーキ装置 (JIS D 0106)。 front brake
3402
リヤブレーキ
後車軸に取り付けたブレーキ装置 (JIS D 0106)。 rear brake
3403
ABS
制動中の自動車の1個以上の車輪のスリップを
自動的に制御する装置 (JIS D 0106)。
anti-lock device,
anti-lock braking
system
アンチロ
ックブ
レーキ
システ
ム
3404
前後連動ブレーキ
一つの操作系だけで,あらかじめ設定された適
切な配分で前後輪同時に制動するシステム。
combined brake
system
3312
クラッチレバー
3325
変速ペダル
3323
シフトフォーク
3322
ギヤシフトカム
3532
ホイールダンパ
3336
チェーンアジャスタ
19
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3410
ハンドブレーキ
運転者が手で操作するブレーキ装置(図22参照)
(JIS D 0106)。
hand operated brake
3411
ブレーキレバー
握力をブレーキ操作力に変換するレバー(図22
参照)。
brake lever
3412
ブレーキケーブル
握力又は踏力ブレーキ操作の作動部に伝達する
ケーブル。
brake cable
3420
フットブレーキ
運転者が足で操作するブレーキ装置(図21参照)
(JIS D 0106)。
foot brake
フートブ
レーキ,
足ブレー
キ
3421
ブレーキペダル
運転者が制動を行うため,足によって操作する
部品(図21参照)。
brake pedal
3422
ブレーキロッド
踏力をブレーキ装置の作動部に伝える機能をも
つ棒状の部品(図21参照)。
brake rod
3423
ブレーキカムレバー ブレーキ操作力をブレーキカムに伝える機能を
もつリンク機構部品(図21参照)。
注記 ブレーキアームともいう。
brake actuating
lever
3424
トルクリンク
ブレーキ装置の作動部が受けるブレーキトルク
を軸荷重として直接受け,作動部の回転を防止
する支持部材(図21参照)。
torque link
3430
ドラムブレーキ
ドラムの内面又は外面に摩擦材を押し付けて制
動する摩擦ブレーキ (JIS D 0106)。
drum brake
3431
(ブレーキ)ドラム 制動作用をさせるためにブレーキシューを押し
付ける円筒状の部品 (JIS D 0107)。
drum
3432
ブレーキシュー
ブレーキライニングを保持する部品 (JIS D
0107)。
brake shoe
3433
ブレーキライニング ドラムに押し付けて制動力を発生する摩擦材
(JIS D 0107)。
brake lining
3434
ブレーキカム
ドラムに押し付けるためにブレーキシューを動
かすカム。
brake cam
3435
ブレーキパネル
ブレーキシューを保持する円板状の部品(図21
参照)。
brake panel,
brake backing plate
3440
ディスクブレーキ
ディスクの両面にパッドを押し付けて制動する
摩擦ブレーキ (JIS D 0107)。
disc brake,
disk brake
3441
(ブレーキ)ディス
ク
制動作用をさせるためにパッドが押し付けられ
る円板状の部品 (JIS D 0107)。
disc,
disk
3442
ベンチレーテッドデ
ィスク
空洞を設け,冷却機能を向上させたディスク
(JIS D 0107)。
ventilated disc
3443
フローティングディ
スク
ハブに対し,浮動させ,熱ひずみの減少をねら
ったディスク。
floating disc
3444
キャリパ
ディスクの両面にパッドを押し付ける機能をも
つ装置。
caliper,
caliper assembly
3445
(ブレーキ)パッド ディスクに押し付けて制動力を発生する摩擦
材。
pad
3446
ブレーキマスタシリ
ンダ
ブレーキペダル又はブレーキレバーに加えられ
た力を機械的な機構を介して液圧に変換する装
置(図22参照)。
brake master
cylinder
3447
リザーバ
ブレーキ装置の作動液を蓄えておくタンク(図
22参照)。
reservoir
タンク,
液だめ
20
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3448
ブレーキホース
ブレーキの作動液圧を伝達するため両端に継手
部品をもつたわみ性があるホース(図22参照)
(JIS D 0107)。
brake hose
フレキシ
ブルホ
ース,
プレッシ
ャホー
ス
図21−フットブレーキ
図22−ハンドブレーキ
3435
3422
3420
3423
3421
342
3410
3411
3447
3446
3448
21
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4) 走行装置に関する用語
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3500
走行装置
自動車の走行に必要な車軸及び車輪の総称 (JIS
D 0104)。
vehicle drive system
3511
車軸
車体及び車輪を支えるハウジング,棒体など。
終減速装置から車輪に動力を伝える軸(ドライ
ブシャフトは除く)を含む(図23参照)(JIS D
0104)。
axle
3520
車輪
車軸を通じて車体を支え,回転運動によって自
動車を走行させるために必要な機能をもった輪
体(図23参照)(JIS D 0104)。
wheel,
wheel assembly
3521
ホイール
リム,スポーク(又はディスク部)及びハブの
結合体。
wheel
3522
スポークホイール
リムとハブとの間を円板状の部材で構成又は結
合したホイール(図23参照)。
spoke wheel
3523
ワイヤスポークホイ
ール
リムとハブとをワイヤスポークで結合したホイ
ール(図23参照)。
wire spoke wheel
3524
ディスクホイール
リムとハブとの間を円板状の部材で構成又は結
合下ホイール(図23参照)。
disc wheel,
disk wheel
3525
軽合金(製)ホイー
ル
リムが,軽合金でできているホイール。ただし,
ワイヤスポークホイールは除く。
light alloy wheel
3526
キャストホイール
リム,スポーク(又はディスク部)及びハブを
一体に鋳造したホイール(図23参照)。
cast wheel
3527
プレスホイール
リムとスポーク(又はディスク部)とをプレス
成形して,組立結合したホイール。
pressed wheel,
stamped wheel
3528
ハブ
ホイールの中心部を形成する部品又は部分(図
23参照)。
hub,
wheel hub
3529
リム
タイヤを装着し,保持する部品,又は部分。
rim
3530
スポーク
ホイールのハブとリムをつなぐ部品,又は部分。 spoke
3531
(空気入り)タイヤ リムに取り付け,リムと本体との間の中空部に
空気を充てんした車輪 (JIS D 0104)。
(英)pneumatic
tyre,
(英)tyre,
(米)tire
3532
ホイールダンパ
エンジンのトルク変動及びブレーキ時の衝撃を
緩和するために,駆動車輪に装着する部品(図
20参照)。
wheel damper
3533
スピードメータギヤ
ボックス
車輪の回転を減速してスピードメータに伝える
ための歯車装置。
speedometer gear
box
22
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図23−車輪・車軸
5) 懸架装置及びかじ取り装置に関する用語
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3600
懸架装置
車体又はフレームと走行装置との中間にあり,
路面からの衝撃を緩和する装置 (JIS D 0104)。
suspension system
3610
フロントフォーク
下部がふたまたに分岐し,左右両側から車軸を
保持する前輪懸架装置(図24,図25参照)。
front fork
3611
ステアリングステム フロントフォークに固定した,かじ取りのため
の回転軸(図25参照)。
steering stem
3612
テレスコピックフロ
ントフォーク
車軸を保持する筒形の部材とフレームに取り付
けた筒形の部材とをはめ合わせ,その軸方向に
しゅう動して緩衝作用を行うフロントフォーク
(図25参照)。
telescopic type
front fork
3613
正立フロントフォー
ク
インナチューブを車体側,アウタチューブを車
軸側に配置したテレスコピックフロントフォー
ク(図28参照)。
conventional
telescopic front
fork
3614
倒立フロントフォー
ク
アウタチューブを車体側,インナチューブを車
軸側に配置したテレスコピックフロントフォー
ク(図28参照)。
inverted front fork
3511
車軸
3511
3528
3523
3524
3522
3526
3520
23
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3615
ボトムリンクフロン
トフォーク
車軸と平行で,かつ,フロントフォークの下端
に設けた揺動軸と車軸とを結合する揺動部材に
よって懸架するフロントフォーク。
車軸が揺動軸の前方にあるリーディングアー
ム式と後方にあるトレーリングアーム式とがあ
る(図24参照)。
bottom link type
front fork
3616
フォークアッパホル
ダ
ヘッドパイプ上部に位置し,フロントフォーク
を最上部で固定する部品(図26参照)。
upper fork clamp
ハンドル
クラウ
ン,
トップブ
リッジ,
ステアリ
ングス
テムヘ
ッド
3621
リヤスイングアーム 回転軸が後車軸と平行でかつ前方にあり,後端
で後車軸を保持する揺動部材(図27,図30参照)。
rear swinging arm
3622
クッションユニット ばねと減衰装置とを組み合わせた緩衝装置(図
27,図30参照)。
suspension unit
3623
リンク式サスペンシ
ョン
フレームとリヤスイングアームの間にアームリ
レー,コネクティングロッドを配置し,リンク
機構の幾何学的な位置関係によって,クッショ
ンストローク特性を変化させることのできるサ
スペンション形式(図29参照)。
link type suspension
3624
アームリレー
リンク式サスペンションにおいて,リヤスイン
グアーム,クッション,コネクティングロッド,
フレームのうち3点を結ぶための部材(図29参
照)。
arm relay
3625
コネクティングロッ
ド
リンク式サスペンションにおいて,フレーム,
スイングアーム,アームリレーのうち2点を結
ぶための部材(図29参照)。
connecting rod
3626
ユニットスイング式
サスペンション
エンジンと動力伝達装置のハウジングも兼ねた
リヤスイングアームが一体となり揺動するサス
ペンション形式(図30参照)。
unit swing type
suspension
3630
かじ取り装置
自動車の進行方向を左右任意に転換するため,
力や変位を走行装置に伝達する装置 (JIS D
0104)。
steering system
3631
ハンドルバー
自動車を操縦するために,運転者が直接手で,
入力を加えるほぼ棒状の部分。
注記 ハンドルバーには,一体式と左右分割式と
がある。
handlebar
3632
ハンドルグリップ
ハンドルバー両端の握り部分(図13参照)。
handle grip
3633
ステアリングロック 盗難防止のためにかじ取り装置に設け,ハンド
ルバーの回転を固定する装置。
steering lock
3634
ステアリングダンパ 路面から直接伝わる衝撃やかじ取り装置の振動
を減衰するため,かじ取り装置とフレームとの
間に設けた緩衝装置。
steering damper
24
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図26−フォークアッパホルダ
3616
図24−ボトムリンクフロントフォーク
図25−テレスコピックフロントフォーク
3615
3612
3610
3616
3611
3612
3615
図27−後輪緩衝装置
3621
4015
3622
25
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図28−正立フロントフォーク,倒立フロントフォーク
3613
正立フロントフォーク
倒立フロントフォーク
3614
インナチューブ
アウタチューブ
アウタチューブ
インナチューブ
3613
3614
26
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図29−リンク式サスペンション
図30−ユニットスイング式サスペンション
3623
アームリレー
3624
コネクティングロッド
3625
エンジン
リヤスイングアーム
3621
クッションユニット
3622
3626
27
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6) 電気装置に関する用語
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3700
電気装置
電気によって作動し,又は電気を供給する装
置の総称 (JIS D 0104)。
electric system
3710
充電−発電装
置
原動機の動力で発電,蓄電又は給電する電気
装置 (JIS D 0104)。
charging and
generating
system
3711
ゼネレータ
自動車の電気負荷に電気を供給し,また,バ
ッテリを充電するための発電機の総称 (JIS D
0103)。
注記 法令関係では,充電発電機という。
generator,
dynamo
ダイナモ
3712*
オルタネータ
交流を発電し,内蔵したダイオードによって
整流した直流を出力するゼネレータ (JIS D
0103)。
alternator,
AC generator
ACゼネレータ,
ACダイナモ
3720
照明装置
運転者の視界を確保する灯火及び番号標など
の照明のための装置 (JIS D 0104)。
lighting system
3721
ヘッドランプ
夜間走行中前方を照明するもので,道路上の
障害物などを確認する照明用ランプ。遠方照
射用の走行ビームと,対向車の運転者又は他
の道路使用者への不当なまぶ(眩)しさを抑
えたすれ違いビームとをもっているが,それ
ぞれが独立した専用のものもある (JIS D
0103)。
注記 法令関係では,走行用前照灯又はすれ
違い用前照灯という。
head lamp
3722
(フロント)ポ
ジションラ
ンプ
夜間に,前方に対して自動車の存在を知らせ
るための標識用ランプ (JIS D 0103)。
front position
lamp
3723
ライセンスプ
レートラン
プ
夜間に後部番号標を照射し,番号標の表示を
識別しやすくする照明用ランプ (JIS D
0103)。
注記 法令関係では,番号灯という。
license plate
lamp,
rear registration
plate lamp
3730
信号装置
自動車の存在及び挙動を,光又は音響によっ
て車外者に知らせる装置 (JIS D 0104)。
signalling device
3731
ターンシグナ
ルランプ
点滅によって,運転者が方向を右側又は左側
に変更する意志であることを,他の道路使用
者に知らせるための信号用ランプ (JIS D
0103)。
注記 法令関係では,方向指示器という。
turn signal lamp,
direction indicator
lamp
方向指示灯
3732
ストップラン
プ
運転者が常用ブレーキを操作していることを
他の道路使用者に知らせるための信号用ラン
プ (JIS D 0103)。
注記 法令関係では,制動灯という。
stop lamp
ブレーキランプ,
停止灯
3733*
テールランプ
夜間に,後方に対して自動車の存在を知らせ
るための標識用ランプ。
注記 法令関係では,尾灯という。
tail lamp,
rear position lamp
28
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3734
リフレックス
リフレクタ
外部からの光を,ほぼ入射した方向に反射す
る機能をもち,夜間に自動車の存在を知らせ
るための標識用部品 (JIS D 0103)。
注記 法令関係では,反射器という。
reflex reflector,
retro-reflecting
device
RR
3735
ターンシグナ
ルフラッシ
ャ
ターンシグナルランプを点滅させるためのフ
ラッシャ (JIS D 0103)。
turn signal flasher
方向指示灯点滅
器
3736
ホーン
主として自動車の前方の他の道路使用者に警
報するための音響信号器。電磁力によって振
動板を振動させ,その音を共鳴器で増強し,
ふく射する (JIS D 0103)。
注記 法令関係では,警音器という。
electric horn,
sound signalling
device
3740
計器
運転者に装置の作動状態を表示,警告又は記
録する装置 (JIS D 0104)。
meter,
instrument and
gauge
3741
スピードメー
タ
速度を指示する計器。アナログ式(渦電流式,
電気式など)及びデジタル式がある (JIS D
0103)。
注記 法令関係では,速度計という。
speedometer
3742
タコメータ
エンジン回転数を指示する計器。アナログ式
(渦電流式,電気式など)及びデジタル式が
ある (JIS D 0103)。
tachometer
回転計
3743
積算計
自動車の総走行距離を積算して指示する装
置。適宜,0(ゼロ)に戻す装置を備えたトリ
ップ用積算計もある (JIS D 0104)。
注記 法令関係では,走行距離計という。
odometer,
trip odometer
トータルメータ
3750
インジケータ
(ランプ)
各対象装置の作動状況,不完全状態又は異常
発生を知らせる灯火式表示装置 (JIS D
0103)。
indicator lamp
パイロットラン
プ
3751
ターンシグナ
ル(パイロッ
ト)インジケ
ータ
ターンシグナルランプの作動状態を知らせる
ための表示パイロットインジケータ (JIS D
0103)。
turn signal
indicator
ターンシグナル
パイロットラ
ンプ
3752
アッパビーム
(パイロッ
ト)インジケ
ータ
ヘッドランプの走行ビームが点灯状態にある
ことを知らせるパイロットインジケータ (JIS
D 0103)。
注記 法令関係では,走行用前照灯の点灯操
作状況を運転席の運転者に表示する装
置という。
upper beam
indicator,
high beam
indicator
アッパビームパ
イロットラン
プ
3753
ニュートラル
(パイロッ
ト)インジケ
ータ
変速装置の作動がニュートラルであることを
運転者に知らせるパイロットインジケータ
(JIS D 0103)。
neutral indicator
ニュートラルパ
イロットラン
プ
3754
ライティング
スイッチ
ヘッドランプ,ポジションランプ,テールラ
ンプなどの回路の開閉及び接続の切換えをす
るスイッチ (JIS D 0103)。
lighting switch
前照灯スイッチ,
ヘッドランプス
イッチ
29
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3755
ディマスイッ
チ
ヘッドランプの走行ビームとすれ違いビーム
との切換えをするスイッチ (JIS D 0103)。
dimmer switch,
headlamp beam
control switch
前照灯切換えス
イッチ,
ヘッドランプ切
換えスイッチ
3756
イグニッショ
ンスイッチ
キーによって操作し,イグニッションコイル
の回路などを開閉をするスイッチ (JIS D
0103)。
ignition switch
点火スイッチ
3757
スタータスイ
ッチ
スタータの回路を開閉するスイッチ (JIS D
0103)。
starting switch
始動スイッチ
3758
ターンシグナ
ルスイッチ
方向を変えようとする側のターンシグナルラ
ンプの回路を開閉するスイッチ (JIS D
0103)。
turn signal lamp
switch
方向指示灯スイ
ッチ
3759
ホーンボタン
ホーンの回路を開閉して,ホーンを鳴らすた
めのプッシュスイッチ (JIS D 0103)。
horn button
ホーンスイッチ
3760
エンジンスト
ップスイッ
チ
イグニッションスイッチの操作によらずエン
ジンを停止できるように,ハンドルグリップ
部に取り付けたスイッチ。
engine stop switch
3761
ニュートラル
スイッチ
変速装置のニュートラル位置を検出し,ニュ
ートラル(パイロット)インジケータランプ
の回路を開閉するスイッチ。
neutral switch
3762
ワイヤハーネ
ス
電線及びその接続用ターミナル,そのほかの
部品を一体に組み上げた配線部品 (JIS D
0103)。
wiring harness
ワイヤリングハ
ーネス
3763
イモビライザ
電子式のキーに内蔵されたトランスポンダか
ら出される暗号を車両本体内のコンピュータ
で照合し,正規のキーと判定されないとエン
ジンが掛からない盗難防止装置。
immobilizer
7) フレームに関する用語
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3800*
フレーム
原動機,かじ取り装置,懸架装置,各種機能
部品などを搭載する骨格部品 (JIS D 0104)。
frame
3801
ヘッドパイプ
フレームの最前部にあって,ステアリングス
テムを包んで保持する部材(図36参照)。
head tube
3802
パイプフレー
ム
管材を用いて作ったフレーム(図32,図33,
図34参照)。
tube frame
3803
プレスフレー
ム
金属板をプレス加工して作ったフレーム(図
35,図36参照)。
pressed frame
3804
鋳造フレーム
ダイカスト,重力鋳造部品を用いて作ったフ
レーム(図31参照)。
casting frame
3811
ダイヤモンド
形フレーム
原動機のケースをフレームの一部として利用
した形式のフレーム(図32参照)。
diamond type
frame
3812
クレードル形
フレーム
原動機全体を囲む揺りかご形状のフレーム
(図33,図34参照)。
cradle type frame
3813
ダブルクレー
ドル形フレ
ーム
原動機前部の部材が並列な2本のパイプで構
成されたクレードル形フレーム(図33参照)。
double cradle type
frame
30
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3814
セミダブルク
レードル形
フレーム
原動機前部の部材が1本の管,原動機底部の
部材が並列な2本のパイプで構成されたクレ
ードル形フレーム(図34参照)。
semi-double
cradle type
frame
3815
バックボーン
形フレーム
原動機をつり下げる形式で,背骨状の部材で
構成したフレーム(図35参照)。
backbone type
frame
3816
アンダボーン
形フレーム
フレーム前部が下方にわん曲した背骨状の部
材で構成したフレーム。バックボーン形フレ
ームの変形(図36参照)。
underbone type
frame
3817
ツインチュー
ブフレーム
主要部に太いチューブ状の部材を用いたフレ
ーム。(図37参照)。
twin tube frame
図31−鋳造フレーム
3804
31
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図32−ダイヤモンド形フレーム
図33−ダブルクレードル形フレーム
図34−セミダブルクレードル形フレーム
図35−バックボーン形フレーム
3813
3811
3814
3815
32
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図36−アンダボーン形フレーム
図37−ツインチューブフレーム
8) 乗車装置に関する用語
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3900
乗車装置
乗車する者の姿勢を保持する装置。
seat equipments
3910
シート
乗車する者が着座する装置。附属装置を含む
(JIS D 0104)。
seat
3911
シートロック
自動車の開閉シート及び脱着シートの施錠装
置。
seat lock
3912
ライダシート
運転者用のシート。
rider seat
フロントシート,
メインシート
3913
パッセンジャ
シート
同乗者用のシート。
pillion
リヤシート,
ピリオンシート,
タンデムシート
3914
シングルシー
ト
一人乗り専用のシート(図38参照)。
single seat
サドル
3915
ダブルシート
二人乗り用の一体のシート(図39参照)。
double seat,
dual seat
3801
ヘッドパイプ
3816
3817
33
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3916
セパレートシ
ート
二人乗り用のシートで,ライダシートとパッ
センジャシートとに分離できるもの(図40参
照)。
separate seat
3917
開閉シート
簡単な操作で開閉可能なシート。前開き,後
開き及び横開きがある。
foldable seat
3918
脱着シート
簡単な操作で脱着可能なシート。
detachable seat
3919
固定シート
車体に固定され,簡単な操作で開閉,又は脱
着できない構造のシート。
firmly attached
seat
3920
パッセンジャ
グリップ
同乗者が姿勢を保持するための握り部分の総
称(図39参照)。
passenger grip
アシストグリッ
プ
3921
グラブバー
パッセンジャシートの横又は後方に設置した
パッセンジャグリップ(図39参照)。
glove bar
グラブレール,
リヤグリップ
3922
シートバンド
パッセンジャシートの前方でシート上に設置
したバンド状のパッセンジャグリップ(図39
参照)。
seat band
シートストラッ
プ
3923
フットレスト
運転者及び同乗者が乗車姿勢を保つために足
を置く部品(図41参照)。
foot rest,
foot peg
3924
シートヒータ
シートに内蔵され,運転者若しくはパッセン
ジャのでん(臀)部を暖める装置。
seat heater
3925
グリップヒー
タ
ハンドルバーのグリップ部に設置し,運転者
の手を暖める装置。
grip heater
図38−シングルシート
図39−ダブルシート
3915
3922
3921
3920
3914
3915
34
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図40−セパレートシート
図41−フットレスト,スタンド
9) ぎ(艤)装品に関する用語
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
4000
ぎ装品
居住性,装飾性を高め又は運行を補助する装
置,部品。空力付加装置を含む (JIS D 0104)。
equipment
3923
4011
4012
3916
3923
35
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
4011
メインスタン
ド
スタンドの両脚と前輪又は後輪の3点接地で,
自動車を直立に保持する駐車用の装置(図41
参照)。
main stand
4012
サイドスタン
ド
前輪と後輪とを接地したまま倒れないように
保持する簡便な駐車用の装置(図41参照)。
side stand,
prop stand
4013
サイドカバー
機能部品を覆うことなどを目的として,フレ
ーム中央の左右に装着するカバー。
side cover
4014
フェンダ
泥はね防止のために,車輪の一部を覆う部品
(図42参照)。
mudguard fender
4015
チェーンケー
ス
駆動チェーンの一部又は全部を覆う部品(図
27,図43参照)。
chain case
4016
レッグシール
ド
風,雨,泥水などから運転者の脚部を守るた
め,前面に設けた装備品。
leg shield
4017
エンジンガー
ド
主として,路面との接触によるエンジンの破
損を防ぐための部材。
engine guard
4018
リヤビューミ
ラー
ハンドルバーなどに取り付け,後方を確認す
る鏡。
rear-view mirror,
driving mirror
バックミラー
4019
ヘルメットホ
ルダ
ヘルメットをフレームなどに固定する部品。
helmet holder
4020
フェアリング
自動車の前部に取り付けて,風,雨などから
運転者を保護するとともに走行時の空気抵抗
を減少させるための装備品。
fairing,
cowling
4021
ウインドシー
ルド
自動車の前部に取り付けて,視野を妨げずに
風,雨などが運転者に直接当たるのを防ぐた
めの装備品。
(英)windscreen,
(米)windshield
風防
4022
電動ウインド
シールド
運転席に座ったまま,スイッチ操作によって
高さ及び角度の調整ができるウインドシール
ド(図44参照)。
electric remote
controlled
windshield
4023
ウインドシー
ルドワイパ
電気を動力源として自動車の窓ガラスをふ
(拭)く装置。間欠作動するものもある(JIS D
0103)(図45参照)。
注記 法令関係では,窓ふ(拭)き器という。
electric windshield
wiper
ワイパ
4024
サイドバッグ
荷物を入れるためにフレームの横に取り付け
たかばん又は箱。
side bag
4025
トランク
自動車の後部に取り付けたふた付きの荷物入
れ。
trunk
4026
バスケット
荷物を入れるために取り付けたかご。
basket
4027
キャリア
荷物を載せるために取り付けた荷台。
luggage carrier,
carrier
36
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図42−フェンダ
図43−チェーンケース
図44−電動ウインドシールド
図45−ウインドシールドワイパ
4022
4023
4014
4015
37
D 0109:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(規定)
引用規格
JIS B 0108-1 往復動内燃機関−用語−第1部:機関設計及び運転用語
JIS B 0108-2 往復動内燃機関−用語−第2部:機関保全用語
JIS B 0109-1 往復動内燃機関−要素及びシステム用語−第1部:機関構造及び外部カバー
JIS B 0109-4 往復動内燃機関−要素及びシステム用語−第4部:過給及び吸排気装置
JIS B 0109-5 往復動内燃機関−要素及びシステム用語−第5部:冷却装置
JIS B 0109-6 往復動内燃機関−要素及びシステム用語−第6部:潤滑装置
JIS B 0109-8 往復動内燃機関−要素及びシステム用語−第8部:始動装置
JIS B 0110 往復動内燃機関−特殊項目用語
JIS D 0010 二輪自動車−仕様書様式
JIS D 0102 自動車用語−自動車の寸法,質量,荷重及び性能
JIS D 0103 自動車部品−電気装置の機器・部品−名称
JIS D 0104 自動車の主要装置用語
JIS D 0106 自動車−ブレーキ用語−種類,力学及び現象
JIS D 0107 自動車−ブレーキ用語−部品
JIS D 0110 自動車のぎ装品用語
JIS D 1000 二輪自動車−エンジンネット軸出力試験方法
JIS D 1034 二輪自動車−ブレーキ試験方法
JIS D 1037 二輪自動車−最高速度試験方法
ISO 3833 Road vehicles−Types−Terms and definitions
ISO 6725 Road vehicles−Dimensions of two-wheeled mopeds and motorcycles−Terms and definitions
ISO 6726 Mopeds and motorcycles with two wheels−Masses−Vocabulary