D 0107:2011
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 分類······························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
D 0107:2011
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人自動車技
術会(JSAE)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査
会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS D 0107:2005は改正さ
れ,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
D 0107:2011
自動車−ブレーキ用語−部品
Road vehicles-Braking equipments-Vocabulary
序文
この規格は,1975年に制定され,その後3回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は2005年に
行われたが,その後の技術の進展に応じた新規用語の追加に対応するために改正した。
なお,対応国際規格は,現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,自動車に用いられるブレーキ部品に関する用語について規定する。
注記 この規格は,自動車以外に用いるブレーキ部品の用語を規制しない。
2
分類
この規格で用いる用語の分類は,次による。
a) 常用ブレーキ
1) ブレーキペダル装置
2) アクチュエーション
2.1) ブレーキマスタシリンダ
2.2) ブレーキブースタ
2.3) エアブレーキバルブ
2.4) エアオーバハイドロリックブースタ
3) ファウンデーション
3.1) ディスクブレーキ
3.2) ドラムブレーキ
4) パワーソース
5) パイピング
5.1) 液圧ブレーキ用パイピング
5.2) エアブレーキ用パイピング
6) メカニカル制御バルブ
6.1) 液圧制御バルブ
6.2) エア制御バルブ
6.3) 連結車両用バルブ
7) ブレーキ警報装置
注記 “アクチュエーション”は,入力に応じた出力を得る装置に関する用語分類であり,また“フ
2
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ァウンデーション”は,“アクチュエーション”からの出力を制動力に変換する足回り装置に関
する用語分類である。
b) 補助ブレーキ
1) 機関の内部抵抗を利用するタイプ
2) 回転抵抗を利用するタイプ
c) パーキングブレーキ
d) 作業用補助制動装置
e) 自動制御装置
1) ABS
2) ブレーキアシストシステム
3) 電子制御ブレーキ装置
4) 横滑り防止装置
5) EVSC
6) 坂道発進補助装置
3
用語及び定義
用語及び定義は,次による。
注記1 用語に対して複数の分類分野での定義がある場合,又は特定の分類分野での定義を示す場合
は,該当する用語を“−”で示し,用語の後に丸括弧“( )”を用いて記載する。
注記2 参考のために,用語に対応する慣用語及び対応英語を示す。
注記3 この規格に掲載した全ての図は,概念説明用のもので,一例を示す。
a) 常用ブレーキ
1) ブレーキペダル装置
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
11101
ブレーキペダル
装置
運転者が制動を行うため,足で操作する装置
(図1参照)。
brake pedal unit
3
D 0107:2011
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図1−ブレーキペダル装置
2) アクチュエーション
2.1) ブレーキマスタシリンダ
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
12101
ブレーキマスタ
シリンダ
ブレーキペダルに加えられた力を機構を介し
て液圧に変換する構成部品。
主ブレーキシリ
ンダ
brake master
cylinder
12102
プライマリカッ
プ
ピストンの作動によって,液圧を発生するゴム
シール。
primary cup
12103
セカンダリカッ
プ
ピストンに装着され,ブレーキ液の外部への漏
れを防止するゴムシール。
secondary cup
12104
ダイアフラムガ
スケット
リザーバの内部を大気から遮断するダイアフ
ラム。
モイスチャシー
ル
diaphragm gasket
12105
リリーフポート
液圧を解除するポート
compensating port
12106
インレットバル
ブ(ブレーキマ
スタシリンダ
の−)
ピストンの作動によって,リザーバとの通路を
開閉するバルブ。
センタバルブ
inlet valve
12107
タンデムマスタ
シリンダ(コン
ベンショナル
−コンベンシ
ョナル形)
二系統のブレーキに液圧を与えるため,バルブ
構造をもたない液圧室を二つもつブレーキマ
スタシリンダ(図2参照)。
スプリットマス
タシリンダ
tandem brake
master cylinder
12108
プライマリピス
トン
プッシュロッド側のピストン。
primary piston
4
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
12109
セカンダリピス
トン
シリンダの先端側に位置するピストン。
secondary piston
12110
プレッシャカッ
プ
セカンダリピストンに装着され,プライマリピ
ストン側の液圧,又は両圧力室の液圧を保持す
るゴムシール。
pressure cup
12111
リザーバグロメ
ット
シリンダボデーに装着され,リザーバを保持
し,ブレーキ液の外部への漏れを防止するシー
ル。
リザーバシール
reservoir seal,
grommet
12112
タンデムマスタ
シリンダ(ポー
トレス−ポー
トレス形)
二系統のブレーキに液圧を与えるため,バルブ
構造をもつ液圧室を二つもつブレーキマスタ
シリンダ(図3参照)。
tandem brake
master cylinder
12113
タンデムマスタ
シリンダ(プラ
ンジャ−プラ
ンジャ形)
二系統のブレーキに液圧を与えるため,プライ
マリカップの内径をしゅう(摺)動する2個の
ピストンをもつ構造のブレーキマスタシリン
ダ(図4及び図7参照)。
ミニマスタ
mini master
cylinder
12114
スペーサ
液圧によるカップの損傷を防止する部品。
カッププロテク
タ
spacer
12115
プッシュロッド
(ブレーキマ
スタシリンダ
の−)
ブレーキペダルからの力を,ピストンに伝える
ロッド。
push rod
12116
フローティング
カップ
セカンダリピストンに装着され,大気室からプ
ライマリ側の圧力室への液移動を防止するカ
ップ。
フリーカップ
floating cup
5
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2.2) ブレーキブースタ
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
12201
サーボユニット
ブレーキで,負圧又は圧縮空気によって,人力
を軽減する装置の総称。
ブースタ,
倍力装置,
マスターバック
servo unit
12202
ダイレクトアク
ティングバキ
ュームサーボ
ブレーキペダルに加えられた人力を,負圧を利
用して増加する構成部品(図5及び図7参照)。
ブースタ,
サーボ
direct acting
vacuum servo
12203
プッシュロッド
(ブレーキブ
ースタの−)
増加された力を,ブレーキマスタシリンダに伝
えるロッド。
push rod
12204
リアクションデ
ィスク
人力とサーボ力とを受け,人力に応じたサーボ
力を制御する部品。
reaction disc
12205
コントロールバ
ルブ(ブレーキ
ブースタの−)
負圧と大気との流入を制御するバルブ。
control valve
12206
バルブプランジ
ャ
踏力に応じた反力を受けて,負圧を制御する部
品。
エアバルブ
valve plunger
12207
パワーダイアフ
ラム
負圧と大気との差圧によって,力を発生する部
品。
diaphragm
12208
ベアリング
パワーピストンを案内する軸受。
bearing
12209
タンデムダイレ
クトアクティ
ングバキュー
ムサーボ
ペダルに伝えられた人力を,負圧を二つのパワ
ーピストンに利用して増加する構成部品(図6
参照)。
タンデムブース
タ,
タンデムサーボ
tandem direct
acting vacuum
servo
12210
センタプレート
二つのパワーピストン室を区切る壁板。
center plate
図2−タンデムマスタシリンダ(コンベンショナル−コンベンショナル形)
6
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図3−タンデムマスタシリンダ(ポートレス−ポートレス形)
図4−タンデムマスタシリンダ(プランジャ−プランジャ形)
7
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図5−ダイレクトアクティングバキュームサーボ
図6−タンデムダイレクトアクティングバキュームサーボ
8
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図7−タンデムマスタシリンダ(プランジャ−プランジャ形)及び
ダイレクトアクティングバキュームサーボ(BAS機能付き)
9
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2.3) エアブレーキバルブ
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
12301
メインエアバル
ブ
エアブレーキ系の主となるバルブ。
main air valve
12302
エアブレーキバ
ルブ
ブレーキペダルを踏むことによって,空気圧力
を制御するバルブ。
ブレーキバルブ
air brake valve
12303
プランジャ
ペダルの動きをピストンに伝える部品。
plunger
12304
ピストン(エアブ
レーキバルブ
の−)
プランジャによって作動し,フィードバルブを
開閉する部品。
piston
12305
フィードバルブ
ブレーキペダルの踏込み又は緩めることによ
って,空気圧力を供給又は排気するバルブ。
feed valve
12306
デュアルエアブ
レーキバルブ
ブレーキペダルを踏むことによって,それぞれ
独立した二系統の空気圧力を制御するバルブ
(図8参照)。
dual air brake
valve
12307
アッパフィード
バルブ
ブレーキペダルの踏込み又は緩めることによ
って,アッパ側出口への空気圧力を供給又は排
気するバルブ。
upper feed valve
12308
リレーピストン
(エアブレー
キバルブの−)
アッパ側吐出圧力によって,ロアーフィードバ
ルブを開閉するピストン。
relay piston
12309
ロアーフィード
バルブ
ブレーキペダルの踏込み又は緩めることによ
って,ロアー側出口への空気圧力を供給又は排
気するバルブ。
lower feed valve
図8−デュアルエアブレーキバルブ
10
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2.4) エアオーバハイドロリックブースタ
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
12401
エアオーバハイ
ドロリックブ
ースタ
エアブレーキバルブの吐き出した空気圧力に
応じて,ブレーキ液圧を増加する構成部品(図
9参照)。
エアマスタ
air over hydraulic
intensifier,
air over hydraulic
booster
図9−エアオーバハイドロリックブースタ
11
D 0107:2011
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3) ファウンデーション
3.1) ディスクブレーキ
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
13101
ディスクブレー
キ
ディスクの両面に摩擦材を押し付けて制動す
る摩擦ブレーキ(JIS D 0106参照)。
disc brake
13102
ディスク
制動作用をさせるために,ブレーキパッドが押
し付けられる円板状の部品。
注記 ソリッド(図10参照)及びベンチレー
テッド(図11参照)がある。
ロータ
disc,
disk
13103
キャリパアッセ
ンブリ
ディスク両面に摩擦材を押し付ける機能をも
つ部品。
注記 液圧式及びエア式がある。
液圧式には,フローティング(図12
参照)及び対向ピストン(図13参照)
がある。また,パーキングブレーキ機能
付き(図65参照)もある。
caliper assembly
13104
キャリパプレー
ト
フローティングキャリパで,加圧力をシリンダ
の反対側のパッドに伝える部品。
ヨーク
caliper plate,
yoke
13105
マウンティング
ブラケット
車体に取り付けて,シリンダボデー及びパッド
を支持する部品。
マウンティング
サポート,
トルクメンバ,
トルクブラケッ
ト,
キャリア
mounting bracket,
torque plate,
anchor plate,
carrier
13106
パッド
ディスクに押し付けて,制動力を発生する摩擦
材。
pad
13107
スプラッシュガ
ード
泥水などが,ディスクブレーキ内に浸入するの
を防ぐ部品。
ディスクカバー,
ダストカバー,
ダストシールド
splash guard,
splash shield,
dust shield
13108
オペレーティン
グレバー
パーキングコントロールからの力をパッドに
伝えるレバー。
ハンドブレーキ
レバー,
パーキングレバ
ー
operating lever
13109
アジャスタ(ディ
スクブレーキ
の−)
パッドの摩耗に対して,オペレーティングレバ
ーの位置を一定に保つ部品。
adjuster
13110
スライドピン
シリンダボデーをマウンティングブラケット
に支持し,スライドさせるための部品。
slide pin bolt
13111
パッドピン
パッドをキャリパに支持し,スライドさせる部
品。
pad pin
13112
アンチラトルス
プリング
ばね下の振動によるパッドのラトル音を防止
する部品。
spring
13113
ベンチレーテッ
ドディスク
空胴を設け,冷却機能を向上させたディスク
(図11参照)。
ventilated disc,
vented disc
13114
パワーチャンバ
空気圧を機械的な力に換えて,ブレーキを作動
させる構成部品。
power chamber
12
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
13115
ブレーキチャン
バ
空気が流入するとダイアフラム又はピストン
に圧力を受け,その圧力に応じた力でプッシュ
ロッドを押し,ブレーキを作動させる構成部品
(図16参照)。
brake chamber
13116
スプリングブレ
ーキチャンバ
スプリングブレーキは,圧縮空気で押し付けら
れており,通常は作動しないが,ブレーキ系統
に故障が起きたり,空気圧が低下すると,内蔵
されたばねの力によってブレーキを自動的に
作動させるほか,手動で作用させることもでき
る構成部品(図67参照)。
spring brake
chamber
注記 エア用ディスクブレーキの代表的な構造を,図14及び図15に示す。
図10−ソリッドディスク
図11−ベンチレーテッドディスク
13
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図12−フローティングキャリパ
14
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図13−対向ピストンキャリパ
図14−エア用ディスクブレーキ
15
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図15−エア用キャリパアッセンブリ
図16−ブレーキチャンバ
16
D 0107:2011
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3.2) ドラムブレーキ
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
13201
ドラムブレーキ
ドラムの内面又は外面に摩擦材を押し付けて
制動する摩擦ブレーキ(JIS D 0106参照)。
drum brake
13202
ドラム
制動作用をさせるために,ブレーキシューが押
し付けられる円筒状の部品(図17参照)。
drum
13203
ドラムブレーキ
アッセンブリ
ドラムの内面又は外面に,摩擦材を押し付ける
機能をもつ構成部品。
注記 液圧用(図18参照)及びエア用がある。
エア式にはSカム式(図19参照)及び
ウェッジ式(図20参照)がある。
drum brake
assembly
13204
エキスパンダア
ッセンブリ
ブレーキチャンバで発生した空気圧,又はスプ
リングチャンバで発生した力を受け,ブレーキ
シューを押し広げる力に変換する構成部品(図
21参照)。
expander assembly
13205
ダストカバー
泥水などが,ドラムブレーキ内に浸入するのを
防ぐ部品。
dust cover
13206
ブレーキシュー
ブレーキライニングを保持する部品。
brake shoe
13207
ブレーキライニ
ング
ドラムに押し付けられて,制動力を発生する摩
擦材。
brake lining
13208
ブレーキシュー
アッセンブリ
ブレーキシューとブレーキライニングとで構
成された部品。
brake shoe
assembly
13209
アジャスタ(ドラ
ムブレーキの
−)
ブレーキライニングの摩耗に対して,ライニン
グとドラムとの隙間を調整する部品。
adjuster
13210
シューホールド
スプリング
ブレーキシューアッセンブリをバックプレー
トに押し付けているばね。
シューセットス
プリング,
シュークリップ
スプリング,
アンチラトルス
プリング
shoe hold spring
13211
アンカ
ブレーキシューを支持し,制動トルクを受ける
部品。
アンカープレー
ト,
アンカーブラケ
ット
anchor
13212
パーキングレバ
ー(ドラムブレ
ーキの−)
パーキングコントロールからの力をブレーキ
シューアッセンブリに伝えるレバー。
パーキングブレ
ーキシューレ
バー,
ハンドブレーキ
レバー
operating lever
13213
ホイールシリン
ダ
ブレーキマスタシリンダで発生した液圧を受
け,ブレーキシューを押し広げる力に変換する
構成部品(図22及び図23参照)。
ベビーシリンダ
wheel cylinder
注記 ドラムブレーキ用チャンバは,図16及び図67参照。
17
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図17−ドラム
図18−液圧用ドラムブレーキアッセンブリ
18
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図19−Sカム式ドラムブレーキアッセンブリ
図20−ウェッジ式ドラムブレーキアッセンブリ
19
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図21−エキスパンダアッセンブリ
20
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) ツーピストンタイプ
b) ワンピストンタイプ
図22−ホイールシリンダ
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D 0107:2011
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図23−ホイールパーキング付きホイールシリンダ
22
D 0107:2011
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4) パワーソース
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
14101
パワーソース
負圧又は正圧の生成及び蓄圧に関する装置。
power source
14102
バキュームポン
プ
機関などによって駆動され,サーボユニットに
必要な負圧を生成する構成部品(図24参照)。
vacuum pump
14103
バキュームタン
ク,
エアタンク
負圧又は圧縮空気を蓄積するタンク(図25参
照)。
vacuum tank,
air tank
14104
コンプレッサ
機関などによって駆動され,サーボユニットに
必要な圧縮空気を生成する構成部品(図26参
照)。
compressor
14105
プレッシャガバ
ナ
圧縮空気圧を感知して規定圧力範囲に保つた
め,コンプレッサの作動を調節する構成部品
(図27及び図28参照)。
pressure governor
14106
バキュームチェ
ックバルブ,
エアチェックバ
ルブ
負圧又は圧縮空気を保持するバルブ(図29及
び図30参照)。
vacuum check
valve,
air check valve
図24−バキュームポンプ
図25−バキュームタンク,エアタンク
図26−コンプレッサ
23
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図27−プレッシャガバナ(ピストン式)
図28−プレッシャガバナ(ダイアフラム式)
図29−バキュームチェックバルブ,エアチェックバルブ(継手式)
図30−バキュームチェックバルブ,エアチェックバルブ(ホース内蔵式)
24
D 0107:2011
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5) パイピング
5.1) 液圧ブレーキ用パイピング
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
15101
パイピング
(液圧ブレー
キの−)
ブレーキで,ブレーキ作動圧を伝達するための
圧力配管系統の総称(図31参照)。
ブレーキライン
brake piping,
brake lines
15102
ブレーキチュー
ブ
ブレーキの圧力配管系統に用いる圧力管で,管
端に継手用部品が組み込まれている部品。
ブレーキパイプ
brake pipe,
brake tube
15103
ブリッジチュー
ブ
ツーリーディングシューブレーキなどで,2個
のホイールシリンダの間をつなぐブレーキチ
ューブ。
ブリッジパイプ
bridge tube,
bridge pipe
15104
フレアナット
管の端を口広げに成形して行う管継手で,管の
端に組み込まれた継手用ナット。
チューブナット
flare nut,
brake pipe
connection,
filling nut
15105
チューブシート
機器類の継手部に圧入され,チューブのフレア
部の座となる部品。
tube seat
15106
ブレーキホース
ブレーキの作動液圧を伝達するため,両端に継
手部品をもつたわみ性があるホース。
フレキシブルホ
ース,
プレッシャホー
ス
brake hose,
flexible hose
15107
ホースクリップ
ブレーキホースを取り付けるために用いる金
具で,一般的にふたまたの板ばね。
ブレーキホース
ロックスプリ
ング
hose clip
15108
コネクタ
管と主に機器類との結合において,機器側に取
り付けられる継手部品。
継手,
ユニオン
connector,
union
15109
ブリーダ
パイピング中の空気を抜くバルブ。
ブリーダスクリ
ュ
bleed screw
25
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図31−パイピング
3
D
0
1
0
7
:
2
0
11
26
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.2) エアブレーキ用パイピング
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
15201
パイピング
(エアブレー
キの−)
エアブレーキに使用されるブレーキ作動空気
圧を伝達するための圧力配管系統の総称。
air brake piping
15202
エアホース
ブレーキの作動空気圧を伝達するための両端
に継手部品をもつたわみ性があるホース(図
32参照)。
air hose
15203
ユニオンボデー
エアホースを主に機器類に結合するためのエ
アホースの端部にある継手部品。それ自体では
締結機能をもたない。
union body
15204
ユニオンフィッ
ティング
エアホースと主に機器類とを結合するときに,
両者の間に入れる継手部品。
union fitting
15205
ユニオンナット
ユニオンボデーをもつエアホースに取り付け
られている継手用ナット。
union nut
15206
ユニオンガスケ
ット
ユニオンボデーと継手との間に挟み込む作動
空気漏れ防止のための薄板。
union gasket
15207
ニップル
エアホースを主に機器類に結合するためのエ
アホースの端部にある継手で,それ自体で締結
機能をもつ部品。
nipple
15208
ホースクランプ
ユニオンボデー又はニップルのエアホースか
らの抜け防止に,上からかしめる金具。
hose clamp
15209
ジャンパホース
トラクタからトレーラへ空気圧を伝達するた
め,両端に継手部品をもつホース(図33参照)。
jumper hose
15210
ホースカップリ
ング
トレーラとトラクタのエアパイピングとの接
続に用いる部品。
hose coupling,
coupling head
図32−エアホース
図33−ジャンパホース
27
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6) メカニカル制御バルブ
6.1) 液圧制御バルブ
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
16101
液圧制御バルブ
制動時の車輪ロックを防止するため,ブレーキ
マスタシリンダで発生した液圧を減圧し,ホイ
ールシリンダへ作用させるバルブ類。
hydraulic valve
16102
プロポーショニ
ングバルブ
インレット圧力に対し,アウトレット圧力を一
定の比率で減圧するバルブ(図34参照)。
Pバルブ,
P.C.V.,
レデューシング
バルブ
proportioning
valve
16103
コントロールス
プリング
プロポーショニングバルブの作動液圧を設定
するばね。
control spring
16104
プロポーショニ
ングアンドバ
イパスバルブ
一系統失陥時に,アウトレット液圧をインレッ
ト液圧と同圧にするプロポーショニングバル
ブ(図35参照)。
P.B.V.
proportioning and
bypass valve
16105
ダブルプロポー
ショニングバ
ルブ
二系統のブレーキ配管の各々の液圧を減圧す
るプロポーショニングバルブ(図36参照)。
D.P.V.,
デュアルプロポ
ーショニング
バルブ
double
proportioning
valve
16106
ブレンドプロポ
ーショニング
バルブ
減圧されたアウトレット液圧の比率が,途中で
変化するプロポーショニングバルブ(図37参
照)。
B.P.V.,
ウェイバルブ
blend
proportioning
valve
16107
チェックバルブ
インレット液圧に対し,アウトレット液圧を一
定の差に減圧するバルブ。
check valve
16108
減速度検知式プ
ロポーショニ
ングバルブ
車両質量に対応して生じる減速度に応答して,
アウトレット液圧が変化するプロポーショニ
ングバルブ(図38参照)。
D.S.P.V.,
Gバルブ
deceleration-
sensing and
proportioning
valve
16109
コントロールピ
ストン
プロポーショニングバルブの作動液圧を設定
するピストン。
control piston
16110
ボールバルブ
設定減速度によって作動し,液圧通路を遮断す
るバルブ。
カットバルブ,
慣性ボールバル
ブ
ball valve
16111
ロードセンシン
グプロポーシ
ョニングバル
ブ
車両質量に対応する車高変化に応答して,アウ
トレット液圧が変化するプロポーショニング
バルブ(図39参照)。
L.S.P.V.,
L.S.V.,
ロードコンシャ
スバルブ
load-sensing and
proportioning
valve
16112
ロードセンシン
グスプリング
車高変位に対応してプロポーショニングバル
ブの作動液圧を設定するばね。
load-sensing
spring
28
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図34−プロポーショニングバルブ
図35−プロポーショニングアンドバイパスバルブ
29
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図36−ダブルプロポーショニングバルブ
図37−ブレンドプロポーショニングバルブ
30
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図38−減速度検知式プロポーショニングバルブ
図39−ロードセンシングプロポーショニングバルブ
31
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.2) エア制御バルブ
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
16201
リレーバルブ
エアブレーキバルブによって制御された空気
圧に応じて,エアタンクの空気圧をチャンバに
供給する構成部品(図40参照)。
relay valve
16202
リレーピストン
(エア制御バ
ルブの−)
エアブレーキバルブからの空気圧を受けて,エ
キゾーストバルブ及びフィードバルブを作動
させる部品。
relay piston
16203
インレットバル
ブ(エア制御バ
ルブの−)
圧縮空気をチャンバに供給,排出するバルブ。
inlet valve
16204
クイックリリー
スバルブ
チャンバに供給された空気圧を作業終了後速
やかに逃がす構成部品(図41参照)。
クイックバルブ
quick release valve
16205
補助エアバルブ
エアブレーキ系の安全性を高めるために用い
るバルブ。
auxiliary air valve
16206
マルチサーキッ
トプロテクシ
ョンバルブ
エア系統失陥時に作動して残存系統を守るバ
ルブ(図42参照)。
multi circuit
protection valve
16207
セーフティバル
ブ
設定圧力以上になった場合,圧縮空気を大気中
に放出するバルブ(図43参照)。
safety valve
16208
スリーウェイバ
ルブ
入口,出口,排気孔があり,入口で圧縮空気を
止める場合,入口から出口へ通じる場合,及び
入口で圧縮空気を止め,出口と排気孔とが通じ
る場合の三つの操作を行うバルブ(図44参
照)。
三方バルブ
3 way valve
16209
ダブルチェック
バルブ
両端に入口,中央に出口をもち,入口のいずれ
から圧縮空気を流入させても反対側の入口を
封鎖して,中央の出口から圧縮空気が供給され
るようにしたバルブ(図45参照)。
double check valve
16210
リリーフバルブ
常用ブレーキ用空気を別用途に使用するとき,
規定圧力以上の場合にはその管路を開き,規定
圧力以下の場合には閉じて常用ブレーキ用空
気圧の低下を防止するバルブ(図46参照)。
プレッシャプロ
テクションバ
ルブ
relief valve
16211
エアリミッティ
ングバルブ
制動時の車輪のロックを防止するために,空気
圧を減圧するバルブ(図47参照)。
リミッタ
air limiting valve
32
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図40−リレーバルブ
図41−クイックリリースバルブ
33
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図42−マルチサーキットプロテクションバルブ
図43−セーフティバルブ
図44−スリーウェイバルブ
34
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図45−ダブルチェックバルブ
図46−リリーフバルブ
図47−エアリミッティングバルブ
35
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.3) 連結車両用バルブ
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
16301
連結車両用バル
ブ
連結車両用として用いるバルブ。
combination
vehicle air brake
connecting
valve
16302
リレーエマージ
ェンシバルブ
トレーラのブレーキ作用の迅速化及びトラク
タとの間の連結ホースが破損した場合,トレー
ラに自動的に二次ブレーキをかけるためのバ
ルブ(図48参照)。
relay emergency
valve
16303
トラクタプロテ
クションバル
ブ
連結車が分離するとき,トラクタの空気だめ管
とサービス管とを締め切って,トラクタのブレ
ーキ系統を保護するバルブ(図49参照)。
tractor protection
valve
16304
ハイドロリック
リレーバルブ
ブレーキマスタシリンダの液圧に応じて,空気
圧を調節するバルブ。
hydraulic relay
valve
16305
ハンドブレーキ
バルブ
トラクタに装着され,手動でトレーラ側の空気
圧を調節するバルブ(図50参照)。
hand brake valve
図48−リレーエマージェンシバルブ
36
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図49−トラクタプロテクションバルブ
図50−ハンドブレーキバルブ
37
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7) ブレーキ警報装置
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
17101
ブレーキ警報装
置
ブレーキ系の,ある状態が危険又は整備が必要
になったとき,運転者に警報する光学的又は聴
覚的装置(JIS D 0106参照)。
brake
alarm/warning
device
17102
負圧警報スイッ
チ
負圧の低下を感知する部品(図51参照)。
vacuum
alarm/warning
switch
17103
低圧警報スイッ
チ
圧縮空気圧の低下を検知する部品(図52参
照)。
low pressure
alarm/warning
switch
17104
液面警報スイッ
チ
リザーバ内のブレーキ液の減少を感知する部
品。
注記 リードスイッチ式(図53参照)及びマ
グネット式(図54参照)がある。
レベルセンサ
level
alarm/warning
switch
17105
電気式パッド摩
耗警報
ブレーキパッドの摩耗を検知する部品。
pad alarm/warning
device
図51−負圧警報スイッチ
図52−低圧警報スイッチ
図53−リードスイッチ式液面警報スイッチ
38
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図54−マグネット式液面警報スイッチ
39
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 補助ブレーキ
1) 機関の内部抵抗を利用するタイプ
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
21101
エキゾーストリ
ターダ
排気ガスの流れを阻止することによって機関
の内部抵抗を増して,自動車を減速する機構
(JIS D 0106参照)。
排気ブレーキ
exhaust retarder
21102
エンジンリター
ダ
バルブタイミングを変えることによって,機関
の内部抵抗を増して,自動車を減速する機構
(JIS D 0106参照)。
圧縮開放ブレー
キ
engine retarder
21103
インテークサイ
レンサ
エキゾーストリターダ作動時の吸気管から生
じる騒音を防止するため,吸気管に設ける構成
部品。
インテークシャ
ッタ
intake silencer
21104
エキゾーストシ
ャッタ
排気管内において,排気ガスの流れを阻止する
バルブ。
バタフライバル
ブ
exhaust shutter
21105
コントロールシ
リンダ
エキゾーストシャッタを開閉するシリンダ。
エアシリンダ,
パワーチャンバ
control cylinder
21106
電磁バルブ
圧縮空気又はバキュームを,コントロールシリ
ンダへ送るバルブ(図58参照)。
magnetic valve
注記 代表的な概念図及び構造を,図55〜図57に示す。
図55−エキゾーストリターダシステム図
40
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図56−エア式エキゾーストリターダ
図57−バキューム式エキゾーストリターダ
図58−電磁バルブ
41
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2) 回転抵抗を利用するタイプ
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
22101
流体式リターダ
流体中で羽根が回転するときに発生する抵抗
によって,自動車を減速する装置。
ハイドロリター
ダ
hydrodynamic
retarder
22102
電磁式リターダ
電磁コイルによって生じた磁場で,回転するリ
ターダドラムに発生する渦電流抵抗によって,
自動車を減速する装置(図60参照)。
エディーカレン
トリターダ
electro magnetic
retarder
22103
発電機式リター
ダ
発電機の回転抵抗によって,自動車を減速する
装置。
electric traction
motor retarder
22104
永久磁石式リタ
ーダ
永久磁石によって生じた磁場で,回転する金属
円盤に発生する渦電流抵抗によって,自動車を
減速する装置。
permanent-
magnetic
retarder
注記 代表的な概念図を,図59に示す。
図59−ドライブラインリターダシステム図
42
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図60−電磁式リターダ
c) パーキングブレーキ
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
31101
パーキングコン
トロール
パーキングブレーキにおいて,操作装置から作
動装置まで機械的手段で力を伝達する装置。
注記 機械式及びエア式がある。
機械式の入力には,サイド方式(図61
参照),ステッキ方式,ペダル方式(図
62参照)がある。
parking control
31102
パーキングペダ
ル
パーキングブレーキを働かせるために,人力を
加えるペダル。
フットパーキン
グペダル
pedal,
parking brake
pedal
31103
リリースノブ,
リリースボタン
パーキングブレーキを解除するために,人力を
加えるノブ。
グリップ
release knob,
actuating button
31104
リリースロッド
パーキングブレーキを解除するために,力を伝
えるロッド。
release rod,
pull rod
31105
リリースレバー
パーキングブレーキを解除するために,ラチェ
ットポールを作動させるレバー。
release lever
31106
コントロールケ
ーブル
ケーブルとそれを案内するアウターケーシン
グとで構成され,力を伝達する部品。
パーキングケー
ブル
control cable
31107
パーキングステ
ッキ
パーキングブレーキを働かせるために,人力を
加えるステッキ。
ステム,
ステッキ,
プランジャ
parking brake stick
31108
イコライザ
操作力を左右の車輪に均等に振り分ける部品。 バランスレバー,
コンペンセイタ
equalizer
43
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
31109
パーキングレバ
ー(パーキング
ブレーキの−)
パーキングブレーキを働かせるために,人力を
加えるレバー。
ハンドブレーキ
レバー,
サイドレバー
parking brake
lever
注記 代表的な概念図及び構造を,図63〜図67に示す。
図61−機械式パーキングコントロール(サイド方式)
44
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図62−機械式パーキングコントロール(ペダル方式)
図63−ドラムインパーキングブレーキ
45
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図64−ビルトインパーキングブレーキ
図65−エア式パーキングシステム図
46
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図66−ハンドブレーキバルブ
図67−エア用パーキングブレーキ(スプリングブレーキ)
47
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
d) 作業用補助制動装置
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
40101
作業用補助制動
装置
常用ブレーキの作動流体を配管内に封じ込め
て,一時的にパーキングブレーキの補助として
使用する装置。
ブレーキロック
brake lock
40102
操作力センサ
パーキングレバーの操作力を検出し,作業用補
助制動装置を作動準備状態にする検出装置。
センサ
control force
sensor
40103
作動準備スイッ
チ
パーキングレバーの作動状態を検出し,作業用
補助制動装置を作動準備状態にするスイッチ。
switch
40104
コントロールバ
ルブ(作業用補
助制動装置の
−)
作業用補助制動装置の作動中,配管内の作動流
体を封じ込め,その圧力を保持する機能をもつ
バルブ。
control valve
40105
作動準備ランプ
作業用補助制動装置が作動準備状態になった
ときに点灯し,知らせるためのランプ。
lamp
40106
圧力保持ランプ
コントロールバルブが,配管内の作動流体の圧
力が設定圧力に保持している間点灯し,作業用
補助制動装置が作動していることを知らせる
ためのランプ。
lamp
40107
圧力低下警報ブ
ザー
コントロールバルブで保持されている作動流
体の圧力が,設定圧力より低下したときに知ら
せるためのブザー。
buzzer
注記 代表的な概念図を,図68に示す。
48
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図68−作業用補助制動装置
49
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
e) 自動制御装置
1) ABS
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
51101
ABS
車輪の制動力を発生しているブレーキ圧を自
動的に調整し,車輪スリップを抑制する装置
(JIS D 0106参照)。
ABS,
anti-lock braking
system
51102
保持バルブ
マスタシリンダから各車輪のブレーキ装置へ
つなぐ管路を開閉するバルブ。
インレットバル
ブ
inlet valve,
hold valve,
isolation valve
51103
減圧バルブ
各車輪のブレーキ装置への管路から,リザーバ
へつなぐ管路を開閉するバルブ。
アウトレットバ
ルブ
outlet valve,
decay valve,
dump valve
51104
ABSモジュレー
タバルブ
給気及び排気ソレノイドバルブをもち,ECU
の制御によってブレーキ圧の吸気及び保持制
御を行うバルブ(フルエア用)。
ABS modulator
valve
51105
トラクションコ
ントロールバ
ルブ
運転者がブレーキペダルを操作していないと
きに制動力を発生させるために作動させるバ
ルブ(フルエア用,トラクションコントロール
機能付きの場合)。
ASRバルブ
traction control
valve
注記 代表的な概念図及び構造を,図69〜図71に示す。
図69−液圧式ABSシステム図
50
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図70−液圧用ABSユニット
図71−フルエア式ABSシステム図(トラクションコントロール機能付き)
51
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2) ブレーキアシストシステム
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
52101
ブレーキアシス
トシステム,
BAS
ブレーキ操作の速さ及び/又は強さによって
制動力を自動的に助勢する機構・装置。助勢し
ない場合に比べ,同じブレーキ操作での制動力
は増加する(JIS D 0106参照)。
注記 メカ式(図7参照)及びESCを利用し
た電子制御式(図73参照)がある。
brake assist system
3) 電子制御ブレーキ装置
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
53101
電子制御ブレー
キ装置,
EBS
制動力を発生させる装置を電気信号によって
制御するブレーキ装置(JIS D 0106参照)。
electronic braking
system
53102
ブレーキシグナ
ルトランスミ
ッタ
2個の内蔵ストロークセンサとスイッチとで
構成される要求減速度検知回路,及び空気制御
回路があるブレーキバルブ。
BST,
FBM
brake signal
transmitter,
foot brake module
53103
EBS-ECU
電子制御ブレーキの制御装置で,ブレーキシグ
ナルトランスミッタからの要求減速度となる
ように,制動力を制御するユニット。
セントラルコン
トロールユニ
ット
EBS-ECU,
central control unit
53104
プロポーショナ
ルリレーバル
ブ
内蔵圧力センサ,ソレノイドバルブ及びリレー
バルブをもち,EBS-ECUの制御によってアク
スルのブレーキ圧を調整するバルブ。
PRV,
EPM-1ch
proportional relay
valve,
electro pneumatic
module 1
channel
53105
アクスルモジュ
レータ
制御装置並びに2個の独立した給気及び排気
ソレノイドバルブをもつ,EBS-ECUと通信し
ながら,アクスル又は各輪のブレーキ圧を調整
するバルブ。
AM,
EPM-2ch
axle modulator,
electro pneumatic
module 2
channel
53106
トレーラコント
ロールバルブ
内蔵圧力センサ,ソレノイドバルブ及びリレー
バルブをもち,EBS-ECUの制御によってトレ
ーラのカップリングヘッド圧を調整するバル
ブ。
TCV,
TCM
trailer control
valve,
trailer control
module
53107
バックアップバ
ルブ
電子制御ブレーキ装置の故障時に,空気制御に
よってブレーキ圧を調整するために,空気制御
ブレーキラインを開くバルブ。
BUV
back up valve
注記 代表的な概念図を,図72に示す。
52
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図72−フルエア式EBSシステム図
53
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4) 横滑り防止装置
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
54101
横滑り防止装置,
ESC
操だ(舵)角及び操だ方向に応じて,自動車又
は連結車の操縦性を自動的に補助する装置・機
構(JIS D 0106参照)。
注記 自動車の動的状態を加速度センサ及び
/又はヨーレートセンサによって検出
し制御する。
electronic stability
control,
stability control
system,
dynamic drive
control system
54102
差圧制御バルブ
マスタシリンダと各ブレーキ系統との差圧を
制御するバルブ。
regulator valve
54103
サクションバル
ブ
マスタシリンダから各系統のポンプ装置へつ
なぐ管路を開閉するバルブ。
suction valve
注記 代表的な概念図を,図73に示す。
図73−液圧式ESCシステム図
54
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5) EVSC
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
55101
EVSC
大型車における車両の安定性を向上させる装
置・機能であり,次のいずれか一方又は両方を
含むもの(JIS D 0106参照)。
a) 方向制御
b) 転覆制御
注記 自動車の動的状態を加速度センサ及び
/又はヨーレートセンサによって検出
し制御する。
electronic vehicle
stability control
注記 代表的な概念図を,図74及び図75に示す。
図74−EBSベースEVSCシステム図
55
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図75−ABSベースEVSCシステム図
56
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6) 坂道発進補助装置
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
56101
坂道発進補助装
置
ブレーキ系の作用が自動的に継続され,運転者
が自動車を動かそうとする信号が示されたと
きにブレーキを解除する装置(JIS D 0106参
照)。
注記 エア式及び液圧式がある。
エア式は,ブレーキバルブとエアマス
タの配管途中に設けられたコントロー
ルバルブとをコントロールユニットに
よって駆動し,ブレーキエア圧の保持及
び解除を行う。
液圧式は,マスタシリンダとホイール
シリンダ間の配管途中に設けられたコ
ントロールバルブをコントロールユニ
ットによって駆動し,ブレーキ液圧の保
持及び解除を行う。また,ESCを使用し
たシステムもある。
hill stopper,
hill holder,
hill start assist,
brake hold and
release aid
注記 代表的な概念図及び構造を,図76〜図78に示す。
図76−フルエア式坂道発進補助装置システム図
57
D 0107:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図77−液圧式坂道発進補助装置システム図
図78−エア用コントロールバルブ
参考文献 JIS D 0106 自動車−ブレーキ用語−種類,力学及び現象