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C 9910:2011 (IEC 62430:2009) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 2 

2 引用規格························································································································· 2 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 環境配慮設計の基本的枠組み ······························································································ 4 

4.1 一般 ···························································································································· 4 

4.2 ライフサイクル思考(life cycle thinking:LCT) ·································································· 4 

4.3 法的及び利害関係者の要求事項 ························································································ 5 

4.4 マネジメントシステムへの統合 ························································································ 5 

5 環境配慮設計プロセス ······································································································· 5 

5.1 一般 ···························································································································· 5 

5.2 法的及び利害関係者の環境要求事項の分析 ·········································································· 6 

5.3 環境側面及び対応する環境影響の特定及び評価 ···································································· 6 

5.4 設計及び開発 ················································································································ 6 

5.5 レビュー及び継続的改善 ································································································· 7 

5.6 環境配慮設計のための情報共有 ························································································ 7 

附属書A(参考)環境配慮設計の基本的枠組み ·········································································· 8 

附属書B(参考)環境配慮設計プロセス··················································································· 11 

附属書C(参考)環境配慮設計ツール ····················································································· 21 

参考文献 ···························································································································· 23 

C 9910:2011 (IEC 62430:2009) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本電機工業会(JEMA)及び財団

法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本

工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

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日本工業規格          JIS 

C 9910:2011 

(IEC 62430:2009) 

電気・電子製品の環境配慮設計 

Environmentally conscious design for electrical and electronic products 

序文 

この規格は,2009年に第1版として発行されたIEC 62430を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

IEC 62430は,IEC(国際電気標準会議)の技術委員会(TC 111)“電気・電子製品及びシステムに関す

る環境標準”によって準備され,2009年2月にIEC中央事務局から国際規格として発行された。 

あらゆる製品は,そのライフサイクル,つまり原材料の採取,製造,流通,使用,メンテナンス,使用

済段階に至る各段階の一部,又は全ての段階において,環境に影響を与えている。こうした影響は,軽微

なものから顕著なもの,短期間若しくは長期間,又は,地方,国,地域若しくはグローバルレベルのもの

(又はこれらの組合せ)まで幅広い。 

電気・電子製品は,広く社会で使われることから,環境影響に対する社会的な認識が高まっている。し

たがって,法的及び市場における顧客及び利害関係者から,電気・電子製品への環境配慮設計の活用が求

められている。 

環境配慮設計の目標は,製品のライフサイクル全体を考慮し,環境に与える有害な影響を削減すること

にある。これには,製品の環境側面と他の製品機能,例えば,使用用途,性能,コスト,市場性及び品質

とのバランス並びに法規制上の要求事項を踏まえ,環境負荷を低減するための最良の方法の選択が含まれ

る。この目標に向けて努力することによって,製品を開発する組織はもとより,顧客及びその他の利害関

係者も含めて様々な面での便益の享受が達成される。環境配慮設計は,単独で行われるものではなく,既

存の設計プロセスの一部として位置付けられる。ここでいう“設計”には,製品企画,開発及び意思決定,

並びに組織内の方針作成の過程に関連する活動が含まれる。 

製品及びその構成要素(材料,部品,サービスなど)は,国境を越えて流通していることから,グロー

バル市場におけるサプライチェーン上で多くの産業が共通の影響を受ける。このことが,国際規格を作成

することの必要性として認識され,実際に規格が作成されて発行するに至った。この規格は,組織におい

てライフサイクルを考慮したマネジメント活動を実施するために必要なアプローチ方法を提供する。 

この規格は,電気・電子製品の設計及び開発に携わる全ての人によって使用されることが意図されてい

る。これには,組織の形態,大きさ,場所,活動内容などに関係なく,サプライチェーン上の全ての当事

者が含まれ,あらゆる形態の電気・電子製品(新製品及び従来製品を改良した製品)に対して活用できる。

この規格で包含されていないニーズに対応するために,技術分野別文書が作成される場合がある。その場

合,電気・電子の技術分野に関する一貫性を確保するためにも,この規格を基礎文書とすることを推奨す

る。 

この規格は,IEC Guide 114及びTR Q 0007の内容も反映されており,環境配慮設計のプロセスに対す

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る要求事項を提供する。 

適用範囲 

この規格は,電気・電子製品及びそれらの組合せ並びにそれらを構成する材料及び部品(以下,“製品”

という。)の設計及び開発プロセスに,環境側面を導入するための要求事項及びその手順を規定する。 

注記1 この規格は,特定の製品分野において,当該製品固有の事項を加味した具体的な内容を規格

化すること及び指針を作成することを妨げない。そのような文書が作成される場合,電気・

電子の技術分野に関する一貫性を確保するためにも,この規格を基礎文書とすることを推奨

する。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 62430:2009,Environmentally conscious design for electrical and electronic products(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”

ことを示す。 

引用規格 

この規格には,引用規格が存在しない。情報提供用の参考文献を別に記載する。 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

設計及び開発(design and development) 

アイディア及び要求事項を取り入れ,それらを踏まえて製品化する活動。 

注記 設計及び開発のプロセスは,通常,商品企画から始まり,それを製品仕様に変化させ,試作品

の作成というあらかじめ定められた手順が続く。同時に,製品の生産又はサービスの提供を支

援するための文書が必要である。 

3.2 

環境(environment) 

大気,水,土地,天然資源,植物,動物,人間及びそれらの相互関係を含む組織の活動をとりまくもの。 

注記 ここでいう“とりまくもの”とは,組織内部からグローバルなシステムにまで及ぶ(JIS Q 14001: 

2004の3.5)。 

3.3 

環境側面(environmental aspect) 

環境と相互に作用する可能性のある,組織の活動又は製品の要素。 

注記 著しい環境側面は,著しい環境影響を与えるか又は与える可能性がある(JIS Q 14001:2004の

3.6修正)。 

3.4 

環境影響(environmental impact) 

有害か有益かを問わず,全体的に又は部分的に組織の環境側面から生じる,環境に対するあらゆる変化

(JIS Q 14001:2004の3.7)。 

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3.5 

環境パラメータ(environmental parameter) 

環境側面の中で定量化できる属性。 

例 環境パラメータには,使用される材料の形態又は量(質量,容積),電力消費量,排出物,リサイ

クル可能率などが含まれる。 

3.6 

環境配慮設計(environmentally conscious design:ECD) 

製品の環境負荷低減を目的として,設計及び開発プロセスに環境側面を統合するための体系的アプロー

チ。 

3.7 

環境配慮設計ツール(environmentally conscious design tool) 

環境配慮設計における一連のプロセスにおいて,定性的又は定量的な分析,比較及び/又は改善に向け

た解決方法を見出すことを容易にするツール。 

3.8 

ライフサイクル(life cycle) 

連続的で,かつ,相互に関連する製品システムの段階群,すなわち,原材料の取得,又は天然資源の産

出から最終処分までを含むもの(JIS Q 14040:2010の3.1)。 

3.9 

ライフサイクルアセスメント(life cycle assessment:LCA) 

製品システムのライフサイクルの全体を通したインプット,アウトプット及び潜在的な環境影響のまと

め,並びに評価(JIS Q 14040:2010の3.2)。 

3.10 

ライフサイクル段階(life cycle stage) 

ライフサイクルの要素 

注記1 “ライフサイクルフェーズ”という用語が,“ライフサイクル段階”と同義で使用される場合

がある。 

注記2 ライフサイクル段階の例としては,原材料の採取及び生産,製造,こん包及び流通,据付け

及び使用,保守及びアップグレード並びに使用済段階がある。 

3.11 

ライフサイクル思考(life cycle thinking:LCT) 

製品のライフサイクル段階全体を通じて,全ての関連する環境側面を考慮すること(IEC Guide 109:2003

修正)。 

3.12 

組織(organization) 

責任,権限及び相互関係が取り決められている人々及び施設の集まり(JIS Q 9000:2006の3.3.1)。 

例 会社,法人,事業所,企業,団体,慈善団体,個人業者,協会,若しくはこれらの一部又は組合

せ。 

3.13 

プロセス(process) 

インプットをアウトプットに変化させる,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記1 プロセスへのインプットは,一般に,他のプロセスのアウトプットになる。 

注記2 組織におけるプロセスは,一般に,価値を付加するために,管理された状況下で計画及び実

施する(JIS Q 9000:2006の3.4.1修正)。 

3.14 

製品(product) 

全ての製品又はサービス 

注記 これには相互に連結及び/又は相互に関連した製品又はサービスが含まれる(JIS Q 14040:2010

の3.9修正)。 

3.15 

製品カテゴリ(product category) 

環境側面が合理的に類似していると予測できる,技術的又は機能的に類似した製品の範囲。 

3.16 

利害関係者(stakeholder) 

組織又は活動に利害がある個人,グループ又は組織。 

注記 通常,利害関係者は,組織又は活動に影響を与えるか又は影響を受ける可能性がある(JIS Q 

14050:2003の1.5修正)。 

環境配慮設計の基本的枠組み 

注記 箇条4に関連する詳細情報は,附属書Aに記載されている。 

4.1 

一般 

箇条4では,組織によって実施される環境配慮設計の基本的枠組みを規定する。 

箇条5に,実際に,運用ベースで実施される環境配慮設計のプロセスを規定する。 

4.2 

ライフサイクル思考(life cycle thinking:LCT) 

環境配慮設計は,ライフサイクル思考の概念に基づいており,それは,製品の全てのライフサイクル段

階を通じて,各段階の環境側面を考慮し,著しい影響をもつと予測される側面について,設計及び開発プ

ロセスの中で検討されなければならない。 

ライフサイクル思考の主な要素は,次のとおりである。 

a) 製品のライフサイクル全体を考慮し,環境に与える有害な影響を最小限にする目標を立てる。 

b) 製品の著しい環境側面を特定し,定性的に評価し,可能な場合は定量化する。 

c) 環境側面とライフサイクル段階双方とのトレードオフを検討する。 

上記は,設計及び開発プロセスのできるだけ早い段階で実施する。その段階に,製品のライフサイクル

全体を通じた環境性能に影響を与える仕様変更及び設計改善を行うためのほとんどの機会が存在する。 

注記1 ライフサイクル思考の第一段階として,意図されている製品の機能を判断するとよい。その

後の設計及び開発段階で,活用されたビジネスモデルの影響を認識するとよい。 

注記2 組織の管理下にある製品のライフサイクル段階には,通常,原材料の加工,製造,流通,再

使用,保守,及び使用済段階が含まれる。 

注記3 製品がシステムの一部の場合,一つ又は複数のライフサイクル段階の中で,一つの製品の環

境パフォーマンスをそのシステム内の他の製品によって変更されることがある。 

注記4 環境配慮設計は,サプライチェーン上の全ての利害関係者の協力及び貢献を求める。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.3 

法的及び利害関係者の要求事項 

環境配慮設計は,法的及び利害関係者の要求事項を踏まえることで実効性がある。そのような要求事項

を,関連する変更内容が環境配慮設計を実施する組織が理解するように,定期的に見直されなければなら

ない。 

法的及び利害関係者の要求事項には,次の事項を含む。 

a) 国内及び国際的な法規制がもたらす制限及び義務 

b) 技術規格及び自主的な協定 

c) 市場又は顧客のニーズ,動向及び期待 

d) 社会的な期待及び投資家の期待,例えば,技術革新 

4.4 

マネジメントシステムへの統合 

環境配慮設計,及びその環境に与える影響を最小限にするという目的は,組織の方針及び戦略に反映さ

せなければならない。組織に製品設計及び開発の機能を含むマネジメントシステムが存在している場合は,

環境配慮設計プロセスを,文書化されたシステム体系に統合しなければならない。 

環境への配慮は,組織のリスクマネジメントプロセス全体の中の一要素にすることができる。 

注記1 “リスクマネジメント”は,ISO Guide 73に定義されている。 

組織のマネジメントシステムの手順に従って,環境配慮設計のプロセスは,必要に応じて,及びあらか

じめ定められた間隔でレビューを行い,継続的な適合性,妥当性及び有効性を確認しなければならない。

このレビューの中に,関連する組織の方針及び戦略に対する変更の必要性及び環境配慮設計プロセスの改

善を含めなければならない。 

注記2 製品の設計及び開発における継続的改善の反復プロセスは,PDCA[Plan(計画),Do(実施),

Check(点検),Act(改善)]サイクルによって説明することができる。このアプローチは,

法的,技術的,組織的,経済的及び環境的要求事項の変更を管理する手段を提供する。 

注記3 環境配慮設計プロセス及びその目的に関するコミュニケーションが組織内で実施されること

によって,影響を受ける部門がその意図を理解して,協力及び協調を図ることができる。 

注記4 マネジメントシステムは,例えば,JIS Q 9001及びJIS Q 14001で規定されている。 

環境配慮設計プロセス 

注記 箇条5に関連する詳細情報は,附属書Bに記載されている。 

5.1 

一般 

環境配慮設計を実施する組織は,製品の設計及び開発プロセスの一環として,環境配慮設計プロセスを

確立し,それを文書化し,実施し,維持しなければならない。このプロセスには次の手順を含み,詳細は

5.2〜5.5で説明する。 

a) 法的及び利害関係者の環境要求事項の分析 

b) 環境側面及び関係する環境影響の特定及び評価 

c) 設計及び開発 

d) レビュー及び継続的改善 

組織は,上記の手順に従いながら,定められた活用範囲の中で責任及び権限を定め,文書化しなければ

ならない。 

注記 上記のプロセスa)〜d) は,次のようにPDCAサイクルに対応する。 

− ステップa) 及びb) は,Plan(計画)に対応する。 

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− ステップc) は,Do(実施)に対応する。 

− ステップd) は,Check(点検)及びAct(改善)に対応する。 

5.2 

法的及び利害関係者の環境要求事項の分析 

環境配慮設計の最初のステップとして,組織は,環境側面の特定(5.3参照)と同時に実施するため,共

通及び技術分野固有レベルの両方において,関連する法的及び利害関係者の要求事項を理解しなければな

らない。これらの要求事項は,製品開発の基本的な枠組みを設定する。 

組織は,適宜,次のことを確実にしなければならない。 

a) 該当する行政当局及び利害関係者からの,次の事項を含む活用可能な環境要求事項を特定する。 

− 製品の機能 

− ライフサイクル段階 

− 製品の環境側面 

− 関連する市場の地理的範囲 

− 組織の関連する活動 

b) 既存及び新規の要求事項に関する定期的なレビュー,及びその特定を行う。 

c) 影響を受ける製品の機能及びライフサイクル段階,組織の関連活動並びに責任及び権限,及び結果と

して実施する措置を特定し,要求事項を体系的に分析し,文書化する。 

d) 設計段階に活用する新規又は既存のものから変更した要求事項によって,製品への影響を評価し,必

要な是正措置を行う。 

注記1 共通の要求事項は,あらゆる形態の電気・電子の技術分野及び製品に活用することができ

る。 

注記2 技術分野固有の要求事項は,特定の製品カテゴリを対象とする。 

5.3 

環境側面及び対応する環境影響の特定及び評価 

組織は,環境側面及び対応する環境影響を特定するための手順を確立しなければならない。それは,次

の手順で構成する。 

a) 環境側面及び対応する環境影響の特定 製品の各ライフサイクル段階において,環境影響の原因とな

るインプット(原材料,エネルギー,その他の資源など),及びアウトプット(製品,半製品,不合格

品,廃棄物,排出物など)を特定する(図B.1参照)。 

特定されているプロセス,材料,部品又は構成要素に関連した定性的及び定量的な環境情報を利用

することができる。実行可能な場合,定量的な手法を推奨する。 

注記 環境側面の特定は,製品カテゴリに対しても行うことができる。 

b) 特定した環境側面に関係する環境影響の評価 

c) 著しい環境側面の決定 製品のライフサイクルにおいて全ての関連する環境側面を特定した後,関係

する環境影響に基づいた評価及び優先順位付けによって,著しい環境側面を決定する。組織は,これ

以降の環境配慮設計プロセスの手順において,製品又は製品カテゴリに対して決定したこれらの著し

い環境側面に適切に対処すべきである。単一の環境側面又は単一のライフサイクル段階についてだけ

し(恣)意的に扱うことは避けることが望ましい。 

環境側面の定性的又は定量的評価,及び優先順位付けを行うことができる。実行可能な場合,定量

的な手法を推奨する。 

5.4 

設計及び開発 

設計ソリューションの選択は,様々な環境側面と,製品の機能,技術的要求事項,品質,性能,ビジネ

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スリスク,経済的側面のようなその他の関連考慮事項とのバランスをとることが望ましい。遵法上(例 健

康及び安全,電磁両立性)何らかの特性が要求される場合も,環境への負荷を最小化する方法で対応しな

ければならない。これらの考慮事項は,新しい技術の研究開発にも活用する。 

次の手順について,設計及び開発の中で実施しなければならない。 

a) 製品の機能を規定する。 

b) 法的及び利害関係者の要求事項の分析,及び環境側面の評価から,著しい環境パラメータを定義する。 

c) これらのパラメータに対して,改善の戦略を特定する。 

d) 改善の戦略に基づき,環境負荷低減の目標(環境目標)を作成する。 

e) 環境負荷低減の目標(環境目標)に対応する製品仕様(環境製品仕様)を作成する。 

f) 

他の設計考慮事項を検討しながら,目標を達成するために必要な技術的解決手法を開発する。 

注記 環境配慮設計ツール(附属書C参照)及び他の関連する規格を利用してもよい。 

5.5 

レビュー及び継続的改善 

組織は,製品のライフサイクル全体にわたる著しい環境側面のレビュー及び継続的改善の手順を確立し,

実施し,維持しなければならない。 

組織は,著しい環境側面に影響を及ぼし得る状況が発生したとき,又は主要な設計段階が完了したとき

に設計レビューを実施し,製品仕様(環境製品仕様)を満たしているかどうかを評価しなければならない。

製品の環境目標を満たしていない場合,現在又は将来の設計活動において,改善の是正処置を実施しなけ

ればならない。 

注記 組織は,製品を市場に提供した後に,更にレビューを実施して,顧客及び他の利害関係者から

の情報のフィードバック及び追加的な環境関連の情報を考慮することができる。そのことによ

って,環境配慮設計プロセスの継続的改善を支援し,将来の製品開発における仕様決定の基礎

となる組織の方針及び手順の改定に組み込むことができる。 

設計レビューの記録は,そのレビューに伴い是正処理を実施した内容を含めて保持し,将来の製品開発

及び継続的改善の参考情報の一つとしなければならない。 

5.6 

環境配慮設計のための情報共有 

組織は,環境配慮設計プロセスの一部として,サプライチェーン上において,設計及び開発に関わる組

織に対して,その組織が,環境配慮設計の目的を達成する上で必要な製品又は製品カテゴリの情報を開示

しなければならない。 

情報交換の例は,次のとおりである。 

a) 製品,製造プロセス,及び製品が稼働するために使用される資源 

注記 使用される資源には,水,エネルギー及び材料がある。 

b) 製品によって生成される排出物 

c) 環境パフォーマンスを改善するための指針 

d) 使用済製品の処理方法 

e) 法的及び顧客の要求事項を満たしていることを示す自己宣言 

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附属書A 

(参考) 

環境配慮設計の基本的枠組み 

注記 附属書Aは,箇条4に関連した情報を提供する。 

A.1 一般(4.1) 

環境配慮設計は,ライフサイクル思考を基礎として,組織の設計及び開発プロセスの一部とすることが

望ましい(4.2参照)。図A.1は,組織における既存のマネジメントシステムに環境配慮設計がどのように

組み込まれ得るのかを示している(4.4参照)。 

図A.1−環境配慮設計プロセスの概要 

図A.1に示されているように,環境配慮設計プロセスは,Plan(計画),Do(実施),Check(点検)及

びAct(改善)のアプローチに対応する。 

A.2 ライフサイクル思考(4.2) 

ライフサイクル思考は,環境配慮設計の実施に不可欠である。次の事項が,ライフサイクル思考の要素

となり得る。 

a) 包括的視野 組織は,設計及び開発プロセスにおいて,製品の単一のライフサイクル段階又は環境側

面にし(恣)意的に焦点を当てるのではなく,製品の全てのライフサイクル段階について,環境及び

その他のビジネス上の観点から検討し,環境パフォーマンスの総合的な改善の目標を維持する。 

b) ビジネス戦略 組織は,環境影響を低減する方法を検討するとき,製品の改善だけに焦点を当てるの

ではなく,より広いビジネスモデル(製品サービスシステム,使用済段階の選択肢など)にどのよう

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な変更ができるかを検討する。 

c) 使用済段階の検討 組織は,製品のライフサイクルを検討するとき,使用済段階の側面(製品寿命,

廃棄の理由,回収率,処分される重要な構成部品など),及び回収される可能性がある二次原料(“ゆ

りかご”から“ゆりかご”まで)を含める必要がある。 

d) 将来の開発 組織は,実行可能な限り,差し迫った法的要求事項の影響,関連する製品ファミリーへ

の変更及び技術の進歩,又は競合する機能があるデバイスの活用に関する見通し[例えば,ブラウン

管(CRT)と液晶ディスプレイ(LCD)との交換など]を考慮する。 

e) 実施のための戦略 組織は,有害な環境影響と,健康,安全,機能,パフォーマンス,市場性及びコ

ストのような他の関連要素とのバランスを考慮する。活用可能なライフサイクル段階で,環境配慮設

計によって実現できる目標(保守,アップグレード及び使用済管理の選択肢を含む。)を設定する。 

A.3 法的及び利害関係者の要求事項(4.3) 

環境配慮設計は,法的及び利害関係者の要求事項,技術の変化,市場の動向及び組織の方針及び手順に

基づいて実施する。 

これらの要求事項は,サプライチェーンにおいて,直接組織の影響下にはないが,製品に影響を及ぼし

得る可能性がある場合には,検討することを求める場合がある。 

組織は,定期的に内部及び外部の要求事項をレビューし,環境配慮設計プロセスに関連性のあるものを

組み込むことが望ましい。 

A.4 マネジメントシステムへの統合(4.4) 

経営者によって行われる判断は,環境配慮設計プログラムの枠組み及び目標,その活動が受ける支援の

水準(財源,人的資源及び活動に割り当てられる時間を含む。),並びにプログラムが達成しようとしてい

る有害な環境影響の最小化の度合いを決定する。内部及び外部の全ての利害関係者に対するトップマネジ

メントの支援が,組織の製品設計及び開発活動に著しい効果をもたらす上で必要となる。 

環境配慮設計プロセス及びその手順の有効な実施には,環境配慮設計を既存の品質又は環境マネジメン

トシステムのような組織のマネジメントシステムに統合することが最善である。組織に,製品設計及び開

発機能を含むマネジメントシステムがある場合,4.4では,環境配慮設計プロセスをそのマネジメントシス

テムに統合することを要求している。環境配慮設計プロセスをマネジメントシステムへ統合することは,

次のことをもたらす。 

− 既存のマネジメントシステムの一般的要素を活用する(例えば,システムのレビュー,コミュニケー

ションなど) 

− 高いレベルの目標及び方針を含めて,組織の基礎的な枠組みへの整合性を確保する 

環境側面を組織内の製品設計及び開発へ成功裏に統合することは,その作業を設計及び開発だけに限る

よりも,関連する全ての分野及びその強みを積極的に関わらせることによって促進される。そのねらいは,

関連する全ての業務部門が,設計及び開発プロセスの早い段階で,環境改善に貢献及びコミットメントを

するようにし,市場での発売から製品のレビュー時までのプロセス全体にわたって,その関与を維持でき

るようにすることにある。 

リスクアセスメントは,製品のライフサイクル段階において,有害な環境影響又は特定の法的若しくは

利害関係者の要求事項を満たさない可能性がある段階を特定するのに役立つ場合がある。リスクアセスメ

ントによるそのような対応は,環境配慮設計プロセスの改善をもたらし得る。リスクアセスメントの実施

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C 9910:2011 (IEC 62430:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

例には,環境側面に焦点を当てた故障モード影響解析(FMEA)がある。一般的に,組織によってあらか

じめ定義されたレベルを超える環境リスクが発生した場合には,組織は,組織内でのリスクマネジメント

の対策又は設計改善作業のいずれかを実施する。 

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11 

C 9910:2011 (IEC 62430:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(参考) 

環境配慮設計プロセス 

注記 附属書Bは,箇条5に関連した情報を提供する。 

B.1 環境配慮プロセスの概要(5.1) 

B.1.1 設計及び開発プロセスへの環境側面の統合 

表B.1は,設計及び開発プロセスに環境側面を統合するための一般的な手順の例を提供する。 

表B.1−環境配慮設計プロセスの例 

段階 

5.1の
a)〜d) 

作業 

考慮事項(質問) 

環境配慮設計ツール
の例(附属書C) 

1. 



a) 

製品の各ライフサイクル段階に関
連する様々な環境パラメータを特
定し,一覧表にする。 

製品の関連ライフサイク
ル段階にわたって,著しい
環境影響は何か。 

a) 

法的及び市場の要求事項並びに顧
客及びその他の利害関係者のニー
ズを特定し,これらを製品のライ
フサイクル全体にわたり,環境側
面に関連付ける。 

利害関係者は誰で,製品の
環境属性から何を期待し
ているか。 

ECDチェックリスト 

a) 

競合他社の製品又は現行機種に対
してベンチマークする。 

これらの製品の環境上の
強み及び弱みは何か。 

ECDベンチマーキン
グ 
 
環境調和型品質機能
展開(以下,環境QFD
という。) 

b) 

サプライチェーンの各部門から情
報を入手する。機密情報の場合,
組織は,機密保持の条件に合意す
る。 

ライフサイクル段階及び
関連する環境側面につい
てどのような情報が必要
か(例 材料の成分,構成
部品のエネルギー消費
量)。 

b) 

著しい環境側面及び関連パラメー
タを特定する。 
・製品のライフサイクル段階及び,

その各々の段階において,著し
い環境側面の活用を策定する。 

・製品のライフサイクルを考慮し,

予測できる環境への影響を分析
及び評価する。 

・分析及び評価の結果並びに利害

関係者の要求事項をまとめる。 

製品の環境属性を改善す
るためにどのような機会
があるか。 
 
顧客のニーズ,ベンチマー
キングの結果及び環境評
価の結果を,組織において
共通の製品改善作業にど
のように反映するか。 

ECDベンチマーキン
グ 
 
環境QFD 
 
LCTアセスメントツ
ール 

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C 9910:2011 (IEC 62430:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表B.1−環境配慮設計プロセスの例(続き) 

段階 

5.1の
a)〜d) 

作業 

考慮事項(質問) 

環境配慮設計ツール
の例(附属書C参照) 

2. 



概念設計 

(製品の

機能及び
ソリュー
ションの
特定) 

c) 

設計仕様において製品に対する環
境目標(パフォーマンス目標)及
び要求事項を確立する。 

環境パフォーマンス目標
を充足するための目標の
仕様はどうすべきか。 

c) 

製品の意図されている機能を分析
し,必要な場合,製品の環境目標
を達成するために修正できるよう
にする。 

何が製品の中核となる機
能か。 
何が製品に可能な新しい
機能か。 

c) 

設計の中で,製品に必要な機能を
達成するための(新しい技術を含
む。)ソリューションを組み立て
る。 

様々な製品コンセプトを
どのように生成するか。 

c) 

経済的,技術的,社会的,及び環
境的な基準に対して様々な選択肢
を評価する。 
環境パフォーマンス目標に対し
て,モデルソリューションを選択
及び評価する。 

最適な製品コンセプトを
どのように選択するか。 
環境パフォーマンス目標
は満たされているか。 

環境QFD 
 
ECDチェックリスト 
 
LCTアセスメントツ
ール 

詳細設計 

(製品の

構造,構
成部品及
び材料の
特定) 

c) 

製品の環境性能の要求事項を満た
すように製品の設計を詳細に実施
し,最適化する。 

設計支援ツール 

c) 

様々なライフサイクルプロセスを
考慮することによって,詳細な製
品設計を実施し,最適化する(例 
こん包及び輸送)。 

評価 

(製品が

環境及び
その他の
仕様を満
たしてい
ることを
確認) 

d) 

製品のライフサイクル全体にわた
って環境影響の評価を実施する。 

製品は,仕様として定めら
れた環境性能を満たして
いるか。 

ECDベンチマーキン
グ 
ECDチェックリス
ト,環境QFD 
LCTアセスメントツ
ール 

d) 

経済,技術,社会及び環境の各基
準に対して,試作品を評価及び試
験する。 

3. 




d) 

使用済段階を含めて,ライフサイ
クル全体を対象とする利害関係者
向けの製品情報を準備する。 

環境配慮設計に関連して
どのような附属文書及び
指示文書を準備している
か(例えば,使用者マニュ
アル,分解指示書,製品環
境宣言など)。 
附属文書に含める環境関
連のデータは何か。 

d) 

必要に応じて,結果及びフィード
バックをレビューし,点検する。 

製品の環境性能は達成さ
れたか。 

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C 9910:2011 (IEC 62430:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

B.1.2 環境配慮設計プロセスの文書化−知識マネジメント 

製品が,設定されている要求事項を満たしていることを確認するための手順及び記録は,次のとおりで

ある。 

− 活用される規格,ガイドライン及び法的な規制の要求事項の特定 

− 有害な環境影響を低減するために採用される顕著な設計及び開発要素の詳細,並びに生産プロセスで

の様々な選択肢を管理するために使用される手順の詳細 

− 製品のライフサイクル全体を通じての製品アセスメントの結果(環境パラメータの評価),経済,技術,

社会及び環境の各基準に対する様々な選択肢の評価,試験及び試作品の製作 

組織は,関連する法的及び利害関係者の要求事項の特定を確認するのに適した知識マネジメントシステ

ムを確立するために,既存のマネジメントシステムを活用してもよい。 

B.2 法的及び利害関係者の環境要求事項の分析(5.2) 

製品企画,設計及び開発に影響を与える法的及び利害関係者の環境への要求事項の情報源の例は,次の

とおりである。 

a) 製品,プロセス,又は国際貿易に影響する国内及び国際規制 

b) 国内及び国際的な技術標準並びに自主的な協定 

c) 顧客からの要求仕様 

d) 競合製品のベンチマークレポート 

e) エコラベル及びグリーン調達スキーム 

f) 

素材又は部品などの供給者からの技術文書 

g) 市場分析及び市場動向レポート 

h) 社会,投資家及びメディアの期待に関する研究 

組織が,環境への法的及び利害関係者の要求事項の特定及び分析の手順を確立するときに検討すべき事

項の例は,次のとおりである。 

1) スタッフの知識及び専門性 

2) 対象となる要求事項の範囲(例 技術的及び地理的範囲など) 

3) 組織の事業範囲において,更なる調査を必要とする製品カテゴリ 

4) 変更の頻度及びその頻度に合わせた監視作業 

5) 生産戦略及び組織の構造 

6) 内部及び外部の資源,適切な専門サービスの利用可能性 

7) 素材,部品などの供給者との協力,又は同業の団体(業界団体)との協力,及びそれらの能力 

8) 作業に利用可能な財源及び人的資源 

組織は,利用可能な専門能力,経験及びリスクアセスメントに基づいて,特定された要求事項に適切に

対応するために必要な措置を判断することができる。 

B.3 環境側面及び対応する環境影響の特定及び評価(5.3) 

B.3.1 製品のライフサイクルに関連した環境影響の例 

製品には,環境影響(例 大気,水,土壌の汚染,気候変動など)の要因となる,様々な環境側面(例 

消費される資源,生成される排出物など)が存在する可能性がある。 

製品の環境影響は,主に,使用及び消費されるインプット,採用されるプロセス,製品のライフサイク

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14 

C 9910:2011 (IEC 62430:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ルの全ての段階で生成されるアウトプットに関連している。サービスという種類の製品である場合は,輸

送用資源,スペア部品の使用及びサービス時のエネルギー消費を含む。環境影響は,主に,製品を使用す

る組織及び個人の行動によって影響される。図B.1は,製品のライフサイクルに関連する可能性がある環

境影響の一部を示している。 

図B.1−製品のライフサイクル段階におけるインプット,アウトプット及び環境影響の例 

アウトプット 

− 製品 
 
− 半製品 
 
− 不合格品 
 
− 大気への排出 
 ・温室効果ガス 
 ・オゾン層破壊物質 
 ・その他 
 

− 水中及び土壌への

排出 

 
− 廃棄物 
 

− 騒音及び振動のよ

うな物理的影響 

 
− その他の排出 

製品のライフサイクル 

原材料の採取及び生産 

製造 

こん包及び流通 

据付け/使用,保守及び 
アップグレード 

製品・部品の再使用,材料のリサ
イクル,材料・エネルギーの回収 

適切な処理/最終処分 

輸送 

輸送 

輸送 

輸送 

使用済段階 

輸送 

環境影響 

 
− 資源の枯渇 
− オゾン層の破壊 
− スモッグ発生 
− 富栄養化 
− 気候変動/地球温暖化 
− 生態系の変化 
− 酸性化 
− 生物的多様性の減少 
− 大気,水質及び土壌の汚染 
− その他 

インプット 

− 材料(購入部品及び

構成部品を含む。) 

 
− エネルギー 
 
− その他の資源 

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C 9910:2011 (IEC 62430:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

B.3.2 製品のライフサイクルにおける著しい環境側面及び環境影響を特定するためのツール 

ライフサイクル思考に基づいた製品の環境側面及び環境影響の評価に対して,一般に使用されるツール

はライフサイクルアセスメント(LCA)であり,それは影響の定量的情報を生成する。分析用の事前設定

パラメータに基づいて結果を生成し,それらのパラメータを組織が定性的に評価できるようにする,定性

的情報を生成するツールもある。 

表B.2は,製品のライフサイクル段階を通じて著しい環境側面を特定する,ライフサイクル思考のアプ

ローチの例を示している。 

著しい環境側面の特定は,組織が必ずしも自ら実施する必要がある作業ではない。例えば,そのような

情報は,業界団体及び他の信頼できる情報源を通じて,製品カテゴリごとに入手することもできる。 

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16 

C 9910:2011 (IEC 62430:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表B.2−製品の著しいライフサイクル段階及び環境側面を特定するための例 

環境側面 

原材料調達 

製造 

こん包,輸送 

及び流通 

据付け及び 

保守 

使用 

使用済段階 

材料/エ
ネルギー
消費 

−どのような
種類の材料・エ
ネルギーを必
要とするか。 
−どの程度(量
的に)必要か。 

−製造に補助
的な材料・エネ
ルギーを必要
とするか。 
−どのような
種類のものが
どの程度(量的
に)必要か。 

−輸送にこん
包を必要とす
るか。 
−どのような
手段を使い,輸
送距離はどの
程度(長さ)か。 

−開こん(梱),
セットアップ,
清掃又は修理
に,材料・エネ
ルギーが必要
か。 
−どのような
種類のものが
どの程度(量的
に)必要か。 

−使用に材
料・エネルギー
が必要か。 
−どのような
種類のものが
どの程度(量的
に)必要か。 

−使用済製品の
再使用及びリサ
イクル,最終処
分する場合に材
料・エネルギー
が必要か。 
−どのような種
類のものがどの
程度(量的に)
必要か。 

排出物 

−生成される
何らかの排出
物はあるか。 
−排出物の種
類は何か。 
−どこへ/ど
の程度(量的
に)排出される
か。 

−製造中に生
成される何ら
かの排出物は
あるか。 
−排出物の種
類は何か。 
−どこへ/ど
の程度(量的
に)排出される
か。 

−輸送中に生
成される何ら
かの排出物は
あるか。 
−排出物の種
類は何か。 
−どこへ/ど
の程度(量的
に)排出される
か。 

−据付け及び
保守中に生成
される何らか
の排出物はあ
るか。 
−排出物の種
類は何か。 
−どこへ/ど
の程度(量的
に)排出される
か。 

−使用中に生
成される何ら
かの排出物は
あるか。 
−排出物の種
類は何か。 
−どこへ/ど
の程度(量的
に)排出される
か。 

−使用済製品の
再使用及びリサ
イクル,最終処
分する場合に生
成される何らか
の排出物はある
か。 
−排出物の種類
は何か。 
−どこへ/どの
程度(量的に)
排出されるか。 

物理的影
響(例  
騒音,電
磁又は電
離放射
線) 

−関連する何
らかの物理的
影響はあるか。 

−製造中に関
連する何らか
の物理的影響
はあるか。 

−輸送中に関
連する何らか
の物理的影響
はあるか。 

−据付け/保
守中に関連す
る何らかの物
理的影響はあ
るか。 

−使用中に関
連する何らか
の物理的影響
はあるか。 

−使用済製品の
再使用及びリサ
イクル,最終処
分する場合に関
連する何らかの
物理的影響はあ
るか。 

廃棄物の
生成 

−どの種類の
廃棄物が生成
されるか。 
−どのくらい
生成されるか。 

−製造中にど
の種類の廃棄
物が生成され
るか。 
−副産物はあ
るか。 
−どのくらい
生成されるか。 

−こん包,輸
送,流通の間に
どの種類の廃
棄物が生成さ
れるか。 
−どのくらい
生成されるか。 

−据付け/保
守中にどの種
類の廃棄物が
生成されるか。 
−どのくらい
生成されるか。 

−使用中にど
の種類の廃棄
物が生成され
るか。 
−どのくらい
生成されるか。 

−使用済製品の
最終処分する場
合にどの種類の
廃棄物が生成さ
れるか。 
−どのくらい生
成されるか。 

再使用,
リサイク
ル又は再
生の可能
性 

−材料/エネ
ルギーの再生
が可能か。 

−不合格品の
部品又は構成
要素の再使用
が可能か。 
−製造中に材
料/エネルギ
ーの再生が可
能か。 

−こん包の再
使用又はリサ
イクルが可能
か。 

−必要なサー
ビスを容易に
受けられるか。 
−部品又は構
成要素の再使
用が可能か。 
−製品のセッ
トアップ又は
保守に使用さ
れている材料
/エネルギー
の再生が可能
か。 

−使用されて
いる材料/使
用するための
エネルギーに
ついて,再生が
可能か。 

−容易に分解で
きるか。 
−部品/構成要
素の再使用が可
能か。又は,使
用済製品からの
材料のリサイク
ルが可能か。 
−廃棄物からエ
ネルギーの再生
が可能か。 

17 

C 9910:2011 (IEC 62430:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

組織は,製品の各ライフサイクル段階及び環境側面について,環境に著しい影響を起こす原因になる製

品の材料及び/又はプロセスを特定する必要がある。そのように特定された材料及び/又はプロセスは,

顕著な環境パラメータになる。同時に,環境配慮設計プロセスの中で,この特定を行うプロセスは,どの

ライフサイクル段階が最も顕著であるかを強調する。 

B.4 設計及び開発(5.4) 

製品の設計及び開発プロセスは,製品の機能の設定から始まる。製品設計用の環境パラメータは,特定

され,優先順位が付けられた著しい環境側面に基づいて定義される。 

組織は,製品の全てのライフサイクルを通じて,製品によって起こり得る有害な環境影響を低減する目

的で,様々な設計及び開発アプローチを評価することが望ましい。次に示す製品の設計及び開発のために

考慮すべき検討事項の例は,この点で役立つ可能性がある。 

a) 機能性 複数の機能,モジュール方式,自動化された制御及び最適化の機会を検討し,製品の特定の

用途のための性能及び環境性能を比較する。 

b) 材料効率 材料の最小限の使用,環境への影響の低い材料及び/又は再生された材料の使用などによ

って,環境影響を低減することができるかどうかを確認する。 

c) エネルギー効率 製品の(使用段階を含む。)ライフサイクル全体を通じた総エネルギー消費量を検討

する。環境影響を低減できるかどうか,例えば,エネルギー消費の削減,環境への影響の低いエネル

ギー源の使用などについて検討する。 

d) 材料組成 購入部品及び材料を含め,製品に含まれている物質を特定し,潜在的に有害性を伴う可能

性のある危険な物質を製品に使用することについて,低減又は使用の回避を検討する。 

e) 耐久性 製品寿命及びサービス性を検討し,新しい技術から生まれる環境改善を検討する。 

f) 

クリーナープロダクション及びその使用 クリーナープロダクション技術を使用し,危険な消耗品及

び補助材料の使用を回避する。 

g) こん包 こん包用の材料は,材料の効率的使用及び回収システムの観点から検討する。 

h) 輸送 製品の容量及び質量の効率化に関する判断を含めて,製品の製造及び流通中の輸送距離を検討

する。 

i) 

再使用,再生及びリサイクル 使用する材料の種類を減らし,資源の回収及び材料のリサイクルを容

易にし,部分組立品及び構成部品を再使用する機会を検討する。 

j) 

使用済製品の管理 使用済みで回収した製品から,再生可能な資源の価値,廃棄処理プロセス及び要

求事項,組織に対するそれらの経済的影響を検討する。 

組織は,上記の設計及びビジネス面での検討事項に基づいて環境への影響を低減するための戦略を作成

し,指定されている著しい環境パラメータの性能を改善することが望ましい。 

次に,その戦略に基づく環境目標を作成する。目標の例としては,排出物削減x %,エネルギー効率改

善y %,質量削減z kgなどがある。 

環境目標その他の機能性などの検討事項を,技術的解決法につながる製品の仕様に反映する。 

製品仕様を満たす技術的解決方法を,次の段階の設計及び開発プロセスで特定する。 

組織は,機能性,品質,コスト,市場性のような他の製品パラメータに対する技術的解決法の影響を検

討し,最適な解決法をみつけるためにトレードオフの判断を行う。特定の属性が,規制(例 健康及び安

全,電磁両立性など)を満たすのに必要な場合,環境への影響を最小化する方法でそれらの要求事項を満

たすことを目標にすることが望ましい。こうした反復の手順が,徐々に詳しい設計解決法を導く。環境配

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C 9910:2011 (IEC 62430:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

慮設計ツール及び標準規格の使用が,この段階で役立ち得る。 

トレードオフについて,組織が検討する場合に,製品の設計及び開発に環境側面を含めた視点が有効で

ある。設計する場合の判断で起こり得るトレードオフの可能性を次に示す。 

1) 様々な環境側面の間のトレードオフ 例えば,製品の質量を削減して最適化することは,リサイクル

可能性についてマイナスの影響を及ぼす。各選択肢に関連する潜在的な環境影響を比較することが,

意志決定者の最適な解決方法の発見に役立つ。 

2) 環境,経済的及び社会的利点の間のトレードオフ これらは,有形(例 低コスト,廃棄物の削減),

無形(例 利便性)及び感性(例 イメージ)の場合がある。例えば,製品をより頑強にすることで

製品寿命を延ばすことは,結果として長期間の資源使用量を減らし,生成される廃棄物の量を低減す

ることから環境面ではよいことになるが,開発の初期コストは増加する。これは,経済的及び社会的

側面に影響を与える可能性がある。 

3) 環境,技術及び/又は品質の間のトレードオフ 例えば,特定の材料の使用に関する設計判断は,た

とえその材料が環境面では良くても,製品の信頼性及び耐久性の面でマイナスに影響する場合がある。 

製品設計及び開発プロセスは,製品及び組織によって異なる。図B.2は,環境側面を製品設計及び開発

プロセスに統合する場合の典型的な手順及びそのモデルを示している。環境側面を製品設計及び開発プロ

セスに統合するには様々な手法があり,多くの組織は,その手法とツールとの組合せを採用している。 

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C 9910:2011 (IEC 62430:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図B.2−設計及び開発プロセスへの環境側面の統合の例 

B.5 レビュー及び継続的改善(5.5) 

組織による製品設計は,主要な設計段階の完了時又は著しい環境側面に変更が生じたとき,レビューの

対象となる。レビューは,パフォーマンスを評価し,目標の達成度を確認及び評価し,改善の機会を特定

する。 

目標に対する評価及びアセスメントは,定性的又は定量的に実施できる。実施の例は次のとおりである。 

− 有害な環境影響の防止又は低減 

− 基準となる製品又は製品カテゴリと比較した環境パラメータの改善 

− 費用対効果及び利点 

設計及び開発についてのレビューの結果,及びその後の製品の環境パフォーマンスを継続的に改善して

いく活動について,記録して保持することを推奨する。 

B.6 環境配慮設計のための情報共有(5.6) 

国際的に調和された環境配慮設計プロセスは,そのプロセスにおける情報又は要求事項の共通の理解を

概念設計 

詳細設計 

試験/試作品 

設計仕様 

製造への 

移行 


画 




発 

 
 
 
製品に関連する法的及び利害関係者の要求事項を特定する。 
著しい環境側面を特定し,優先順位を決定する。 
 
 
 
優先順位が付けられた著しい環境側面を基準に,環境パラメータを定義す
る。 
環境パラメータの評価の基準を定義する。 
環境改善の可能性を特定し,定量化する(現行製品又はベンチマーク製品と
比較することによって可能)。 
 
環境パラメータの改善に対して目標を設定し,これらの環境目標を反映して
製品設計仕様を確立する。 
 
環境目標を満たす技術的解決方法を案出する。機能性,品質,経済性パラメ
ータのような他の要因に対して,その解決方法による影響をアセスメントす
る。製品の全体の性能を改善するため,適切なツール(例えば,チェックリ
スト又はコンピューター支援ECDツール)を選択して活用する。 
 
設計仕様によって設定される環境目標に対して詳細設計をチェックする。 
製品の環境性能を文書化する(最適な使用及び使用済製品の廃棄済処理に関
する情報を含む。)。 

環境配慮設計に寄与する活動 

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C 9910:2011 (IEC 62430:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

促進させる。これによって,製品のサプライチェーンにおける様々な利害関係者間の協力を支援し,ライ

フサイクル全体を対象とした環境側面の分析のための情報共有が図れる。さらに,この情報の共有は,様々

な組織が,環境への影響を最小化するという一つの目標をもって協力する場合に,解決方法の作成を促進

する(図B.3参照)。 

図B.3−環境配慮設計プロセスに対するサプライチェーンに基づいた情報の共有及び協力 

環境配慮設計 

内部プロセス 

材料生産者 

アウト 
プット 

イン 
プット 

環境配慮設計 

内部プロセス 

部品生産者 

アウト 
プット 

イン 
プット 

環境配慮設計 

内部プロセス 

製品生産者 

アウト 
プット 

イン 
プット 

● ● ● 

● ● ● 

サプライチェーン 

製品のライフサイクル情報の共有及び協力 

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C 9910:2011 (IEC 62430:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書C 
(参考) 

環境配慮設計ツール 

C.1 概要 

環境配慮設計プロセスでは,多くの共通した製品の設計及び開発ツールが利用できる。特定のツールの

特徴を表C.1にまとめており,その詳細をC.2で説明している。この規格では,組織がどのツールを使用

すべきかについての推奨はしていない。 

ここに提示されているツールは,次の基準に沿って選択されている。 

a) 幅広く入手可能で,一般に認識されている。 

b) 設計及び開発を実施する組織によって使用されることが意図されている。 

c) 国際的に広く理解され,受け入れられている(一部の地域だけで使われているものではない。)。 

d) 活用範囲が,環境側面の検討に当たって適切である。 

表C.1は,環境配慮設計プロセスの各段階における環境配慮設計ツールの活用について,その関係を例

示したものであり,網羅的なものではない。 

表C.1−環境配慮設計に活用できる環境配慮設計ツールa) の概要 

環境配慮設計ツールa) の例 

目的 

法的及び利害
関係者の要求

事項の分析 

5.2 

環境側面及び関
係する環境影響
の特定及び評価 

5.3 

設計及び開発 

 
 
 

5.4 

レビュー及び 

継続的改善 

 
 

5.5 

環境配慮設計 

の情報共有 

 
 

5.6 

ECDベンチマーキング 

レ 

レ 

レ 

レ 

環境QFD 

レ 

レ 

レ 

ECDチェックリスト 

レ 

レ 

レ 

レ 

レ 

LCTアセスメントツール 

レ 

レ 

レ 

レ 

設計開発支援ツール 

レ 

レ 

注記 レは目的に対するツールの関連性を表す。 
注a) “環境配慮設計ツール”は,この規格の基礎として用いた国際規格では,単に"tool"と記載されている。 

C.2 環境配慮設計ツールの例 

C.2.1 ECDベンチマーキング 

ECDベンチマーキングは,ある製品の環境特性について,競合他社の同様の製品又は業界平均と比較す

る場合に使用する。 

ECDベンチマーキングは,法的及び利害関係者の要求事項の分析から始まり,環境側面及び関係する環

境影響の特定及び評価,レビュー及び継続的改善,環境配慮設計の情報共有へと進む環境配慮設計プロセ

スの各段階に活用できる。ECDベンチマーキングの結果を表すための共通の形式には,表,グラフ,レー

ダーチャートなどがある。 

C.2.2 環境QFD 

環境QFDは,利害関係者の環境要求事項を製品の環境パラメータに体系的に関連付けする場合に活用す

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C 9910:2011 (IEC 62430:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

るツールである。 

それは環境配慮設計プロセスの各段階に活用できる。例えば,顧客からの環境要求事項を製品設計のパ

ラメータ及び長期にわたる製品環境改善の目標値の設定に変換し,製品のライフサイクル全体を通じた環

境側面及びそれに関連する環境影響の特定及び評価を行うことについて,効果的に活用できる。 

C.2.3 ECDチェックリスト 

ECDチェックリストは,製品の各ライフサイクル段階で,環境パフォーマンスへの要求事項又はその影

響を評価し,記録するための簡易ツールである。 

例えば,様々なチェックリストを,使用する材料消費の最小化,エネルギー消費の低減,構成部品及び

組立部品の再使用及び/又は改修などのより広い活用を検討することに利用できる。チェックリストは環

境配慮設計プロセスのどの段階でも活用できるが,一般に,様々なトレードオフ問題への対応を考慮する

上で,環境配慮設計プロセスの初期段階での活用が最も効果的である。ECDチェックリストは,環境配慮

設計プロセスの手順が実施されていることを確認する場合にも活用できる。 

C.2.4 LCTアセスメントツール 

C.2.4.1 環境影響の簡易評価方法 

設計の初期段階における製品の環境影響評価は,簡易LCTアセスメントツールを活用して推定できる。

この評価プロセスにおいては,著しい環境側面だけを用いてアセスメントを実施する。 

C.2.4.2 環境影響の詳細評価方法 

製品によって引き起こされる環境影響の詳細評価は,JIS Q 14040シリーズ(ライフサイクルアセスメン

ト)で説明されている原則に従って実施される。 

LCTアセスメントを実施した結果は,採用されている仮定及び評価方法によって大きく変化するので,

実際には大きなばらつきがでやすい。したがって,製品が様々な人物又は組織によって評価される場合,

結果の比較をする場合には,採用された仮定及び選択された評価又は分析方法の検討を含めて実施する必

要がある。単純化の手法及び使われた数値が確実に特定されていることが,一貫性を保つことを容易にす

る。LCTアセスメントの結果は,環境側面及び関連する環境影響の特定及び評価,レビュー及び継続的改

善,並びにサプライチェーンに沿った環境情報の共有に活用できる。 

C.2.5 設計開発支援ツール 

設計開発支援ツールには,材料及び生産プロセスの選択を容易にするツール並びに選択肢の環境影響を

分析するためのツールなどがある。 

C.2.5.1 分解性及びリサイクル性アセスメントツール 

分解及びリサイクルが容易な製品の設計及び開発は,環境配慮設計プロセスにおいて環境側面の特定及

び評価による結果から生じる環境改善目標の一つとなり得る。製品のリサイクルが容易になるような設計

を行うために,分解性及びリサイクル性アセスメントツールを活用することが有効である。このツールは,

分解時間,リサイクル率,リサイクル費用などを推定し,材料,質量,分解作業及びリサイクル作業に関

する情報を使用することによって,製品のリサイクルが容易か困難かを定量的に評価する。このツールを

活用することによって,材料及び表面処理の方法,再使用及びリサイクル容易性のような設計及び開発に

おける様々な選択肢について,容易に評価に組み込むことができる。 

C.2.5.2 材料選択支援ツール 

材料選択は,環境配慮設計プロセスにおける重要な段階である。開発コストを抑制し,製品の機能を落

とさずに環境に配慮された材料を選択することは,コスト,資源効率性及び機能性能だけでなく,材料の

環境影響を評価するツールによって支援できる。 

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C 9910:2011 (IEC 62430:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考文献 

JIS Q 9000:2006 品質マネジメントシステム−基本及び用語 

注記 対応国際規格:ISO 9000,Quality management systems−Fundamentals and vocabulary(IDT) 

JIS Q 9001:2000 品質マネジメントシステム−要求事項 

注記 対応国際規格:ISO 9001,Quality management systems−Requirements(IDT) 

JIS Q 14001:2004 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引 

注記 対応国際規格:ISO 14001,Environmental management systems−Requirements with guidance for use

(IDT) 

JIS Q 14040:2010 環境マネジメント−ライフサイクルアセスメント−原則及び枠組み 

注記 対応国際規格:ISO 14040,Environmental management−Life cycle assessment−Principles and 

framework(IDT) 

JIS Q 14050:2003 環境マネジメント−用語 

注記 対応国際規格:ISO 14050,Environmental management−Vocabulary(IDT) 

JIS Q 14063:2007 環境マネジメント−環境コミュニケーション−指針及びその事例 

注記 対応国際規格:ISO 14063,Environmental management−Environmental communication−Guidelines 

and examples(IDT) 

TR Q 0007:2008 環境適合設計 

注記 対応国際規格:ISO/TR 14062,Environmental management−Integrating environmental aspects into 

product design and development(IDT) 

ISO Guide 64:2008,Guide for addressing environmental issues in product standards 

ISO Guide 73:2009,Risk management−Vocabulary 

IEC Guide 109:2003,Environmental aspects−Inclusion in electrotechnical product standards 

IEC Guide 114:2005,Environmentally conscious design−Integrating environmental aspects into design and 

development of electrotechnical products 

BREZET, H., VAN HEMEL, C., Ecodesign−A promising approach to sustainable production and consumption, 

United Nations Environmental Programme, Paris, 1997