C 9801-1:2015
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語,定義及び記号 ·········································································································· 2
3.1 一般用語及び定義 ·········································································································· 2
3.2 冷却システム ················································································································ 3
3.3 室及び区画 ··················································································································· 3
3.4 形態及び寸法 ················································································································ 6
3.5 性能特性 ······················································································································ 7
3.6 運転状態 ····················································································································· 10
3.7 記号 ··························································································································· 11
4 分類······························································································································ 11
5 表示······························································································································ 12
5.1 定格の情報 ·················································································································· 12
5.2 冷凍室の識別 ··············································································································· 12
5.3 負荷配置限界線 ············································································································ 13
5.3A その他の表示 ············································································································· 13
6 技術及び商品情報 ············································································································ 14
6.1 一般 ··························································································································· 14
6.2 寸法の決定 ·················································································································· 14
7 取扱説明書 ····················································································································· 15
附属書A(規定)試験室及び計測器 ························································································ 17
附属書B(規定)試験用冷却機器の準備及び一般測定手順 ··························································· 22
附属書C(規定)試験用負荷 ································································································· 26
附属書D(規定)平均庫内温度の算出 ····················································································· 27
附属書E(規定)識別記号の詳細 ··························································································· 41
附属書F(参考)試験報告書に含む事項 ··················································································· 43
附属書G(規定)ワイン貯蔵機器 ··························································································· 44
参考文献 ···························································································································· 50
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 51
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本電機工業会(JEMA)から,
工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経
済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 9801の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 9801-1 第1部:一般要求事項
JIS C 9801-2 第2部:性能要求事項
JIS C 9801-3 第3部:消費電力量及び内容積の算出
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日本工業規格 JIS
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家庭用電気冷蔵庫及び電気冷凍庫の特性及び
試験方法−第1部:一般要求事項
Household refrigerating appliances-Characteristics and test methods-
Part 1: General requirements
序文
この規格は,2015年に第1版として発行されたIEC 62552-1を基とし,我が国の特別な事情を勘案する
ため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。また,冷却機器の試験方法に関する共通事項とし
て,計測器の精度及び試験室の特性を附属書Aに,試験用冷却機器の準備及び一般測定手順を附属書Bに,
試験に使用する試験用負荷を附属書Cに,平均庫内温度の算出方法を附属書Dに,並びに試験報告書に含
む事項を附属書Fに示す。
1
適用範囲
この規格は,機器の内部を冷気自然対流によって冷却する又は冷気強制循環によって冷却する家庭用冷
却機器の基本特性,及びその特性を検査するための試験方法に関する一般的共通事項について規定する。
この規格で規定する試験は,冷却機器の基本設計及び動作を評価するための形式試験である。この規格
は,製品の抜取り若しくは適合性の評価,又は認証のための要件は規定しない。
この規格に関して特定の形式の冷却機器の性能を検証する必要があるときは,可能な限り,指定する全
ての試験を同一機器に適用する。試験は,特定の特性を調査するために個別に用いてもよい。
注記1 家庭用冷却機器に適用可能な安全要求事項はJIS C 9335-2-24を参照。家庭用電気冷蔵庫及び
電気冷凍庫に適用可能な騒音要求事項はJIS C 9607を参照。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 62552-1:2015,Household refrigerating appliances−Characteristics and test methods−Part 1:
General requirements(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 9801-2 家庭用電気冷蔵庫及び電気冷凍庫の特性及び試験方法−第2部:性能要求事項
注記 対応国際規格:IEC 62552-2:2015,Household refrigerating appliances−Characteristics and test
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methods−Part 2: Performance requirements(MOD)
JIS C 9801-3 家庭用電気冷蔵庫及び電気冷凍庫の特性及び試験方法−第3部:消費電力量及び内容積
の算出
注記 対応国際規格:IEC 62552-3:2015,Household refrigerating appliances−Characteristics and test
methods−Part 3: Energy consumption and volume(MOD)
3
用語,定義及び記号
この規格で用いる主な用語,定義及び記号は,次による。
3.1
一般用語及び定義
3.1.1
冷却機器(refrigerating appliance)
特定の温度に制御する一つ又は複数の室をもつ断熱したきょう体で,冷気自然対流又は冷気強制循環に
よって冷却する機器であって,家庭用として適切な大きさ及び装備を備えており,一つ又は複数のエネル
ギーを消費する装置によって冷却を得る機器。
注記 据付けの観点から,家庭用冷却機器には,据置形,可搬形,壁付形,組込形などの様々なタイ
プがある。
3.1.2
冷蔵庫(refrigerator)
食料品の貯蔵を意図した一つ以上の冷蔵室をもつ冷却機器。
3.1.3
冷凍冷蔵庫(refrigerator-freezer)
一つ以上の冷蔵室及び一つ以上のフリーザー室をもつ冷却機器。
3.1.4
自動霜取り方式冷却機器(frost-free refrigerating appliance)
全ての室が霜取り水の自動排水による自動霜取り機能をもち,一つ以上の室を自動霜取り方式によって
冷却する冷却機器。
3.1.5
冷凍庫(freezer)
冷凍室だけをもち,一つ以上の冷凍室がフリーザー室である冷却機器。
3.1.6
ワイン貯蔵機器(wine storage appliance)
全ての室がワイン貯蔵室の冷却機器。
注記 ワイン貯蔵室として附属書Gにおける全ての要求事項を満足できない室をもつ機器は,ワイン
貯蔵機器として分類されない。
3.1.7
ビルトイン機器(built-in appliance)
囲いに固定して,又は壁若しくは類似の場所に準備したくぼみに固定して使用することを意図した冷却
機器。
3.1.8
食料品(foodstuff)
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消費を意図した食品及び飲料。
3.1.9
定格(rated)
製造業者が付与した値(例えば,内容積,消費電力量及び使用条件)。
3.1.10
通常使用(normal use)
使用者が関係する動作を含めた,使用中に生じる様々な条件範囲に冷却機器が置かれた場合の運転。様々
な条件範囲とは,次による。
− 室温(JIS C 9801-2の箇条6の貯蔵試験で定義したものを含む。)
− 湿度レベル
− 扉を開けて食料品又は他の貯蔵品目を追加したり取り出したりするような,使用者が関係する動作。
動作は,日常的であったり,ほとんどなかったり又はそれらの組合せであったりする。
3.2
冷却システム
3.2.1
冷媒(refrigerant)
冷却システムの中に熱伝達用として用いる流体。通常,流体の相変化を伴い,流体の低圧力及び低温で
熱を吸収し,流体の高圧力及び高温で熱を放出する。
3.2.2
凝縮器(condenser)
気体冷媒を外部冷却媒体(通常は,機器の周囲の空気)に熱放出することによって液化する熱交換器。
3.2.3
冷却器(evaporator)
冷却する室から熱を吸収して,液体冷媒を気化する熱交換器。
3.3
室及び区画
3.3.1
室(compartment)
一つ又は複数の外扉を開けて直接空間を使用することができる冷却機器内の囲った空間。また,室は副
室に分割することもある。
注記1 3.3.6〜3.3.9及び3.3.13〜3.3.16で定義する室タイプの要求事項は,JIS C 9801-2の表2及び
JIS C 9801-3の表1を参照。
注記2 この規格全体において,他の方法で指定しない場合,“室”は文脈に適切なように室及び(又
は)副室を意味する。
注記3 冷却機器内に6面囲った空間がない場合であっても,独立した外扉を備えることで独立して
直接使用できる空間は,室とみなす。
例えば,冷凍室に上段と下段それぞれ外扉をもつ冷凍室の下段と上段の間に,機器内部の
仕切りがなく空間としては独立していない製品の場合も,外扉1枚につきそれぞれ室とみな
す。この場合,上段冷凍室及び下段冷凍室として取り扱う。
3.3.2
副室(sub-compartment)
室内の恒久的に囲った空間。この空間を設けた室とは異なるタイプの食品貯蔵空間である(すなわち,
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動作温度範囲が異なる。)。
3.3.3
便利機構(convenience feature)
指定した食料品に適した貯蔵条件が設けられた,きょう体又は容器(使用者が固定又は取外しが可能)。
便利機構の貯蔵条件は,配置されている室の貯蔵条件と異なってもよい。
注記 (対応国際規格の注記の内容は,定義文であるため移動した。)
3.3.4
切替室(variable temperature compartment)
二つ以上の異なる室タイプとしての使用を意図した室(例えば,冷蔵室にもなりフリーザー室にもなる
室)。各室タイプに該当した動作温度範囲が継続的に維持するように使用者が設定可能である。
注記 単一の室タイプとしての使用を意図した室は,それ以外の室タイプに見合っても切替室とはみ
なさない。例えば,ゼロスター室の要求事項を満足する可能性があるチラー室をいう。
3.3.5
フリーザー室(freezer compartment)
スリースター室又はフォースター室の要求事項を満たす室。
注記 場合によっては,ツースター区画及び/又は副室が,この室の中にある場合もある。
3.3.6
冷蔵室(fresh food compartment)
凍らせない生鮮食料品を貯蔵及び保存することを意図した室。
3.3.7
セラー室(cellar compartment)
冷蔵室の温度よりも高い温度で,食料品を貯蔵することを意図した室。
3.3.8
パントリ室(pantry compartment)
セラー室の温度よりも高い温度で,食料品を貯蔵することを意図した室。
3.3.9
チラー室(chill compartment)
非常に腐りやすい食料品を貯蔵することを意図した室。
3.3.10
貯氷室(ice-making compartment)
水を凍らせる及び氷を貯蔵することを意図した室。
注記 貯氷室はゼロスター室又は冷凍室に分類する。
3.3.11
製氷皿(ice mould)
自動的に水を満たし,自動的に氷を排出する自動製氷機の中にある皿。
3.3.12
製氷トレイ(ice cube tray)
手動で水を満たし,手動で氷を排出する形態の取外しが可能なトレイ。
注記 負荷冷却効率を測定するために,負荷として水の入った製氷トレイを使用する(JIS C 9801-3
の附属書G参照)。
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3.3.13
ゼロスター室(zero-star compartment)
温度が0 ℃以下で,冷凍又は水を凍らせる及び氷の貯蔵にも使用するが,非常に腐りやすい食品を保存
することを意図しない室。
3.3.14
ワイン貯蔵室(wine storage compartment)
ワインの貯蔵及び熟成を意図した室。
注記 ワイン貯蔵室のための温度要求事項は,附属書Gで規定する。
3.3.15
非冷凍室(unfrozen compartment)
次に示すタイプの室。
ゼロスター室,チラー室,冷蔵室,セラー室,ワイン貯蔵室又はパントリ室。
注記 ゼロスター室は0 ℃以下を保つが,この規格における消費電力量及び性能試験においては非冷
凍室として取り扱う。(対応国際規格の貯氷室に関する内容は削除した。)
3.3.16
冷凍室(frozen compartment)
次に示すタイプの室。
ワンスター室,ツースター室,スリースター室又はフォースター室。
注記 冷凍室は温度に従って分類する(3.3.16.1〜3.3.16.4参照)。
3.3.16.1
ワンスター室(one-star)
貯蔵温度が−6 ℃以下の冷凍室。
3.3.16.2
ツースター室(two-star)
貯蔵温度が−12 ℃以下の冷凍室。
3.3.16.3
スリースター室(three-star)
貯蔵温度が−18 ℃以下の冷凍室。
注記 場合によっては,ツースター区画及び/又は副室が,スリースター室の中にある場合もある。
3.3.16.4
フォースター室(four-star)
室の貯蔵温度がスリースター条件を満たし,最小限の冷凍能力がJIS C 9801-2の箇条8の要求事項を満
たす室。
注記 場合によっては,ツースター区画及び/又は副室が,フォースター室の中にある場合もある。
3.3.17
ツースター区画(two-star section)
スリースター室又はフォースター室の一部で,独立していない(すなわち,専用の個別に操作できる扉
又は蓋がなく),また,ツースターの必要条件を満たす区画。
なお,ツースター区画の上限は,室全体の内容積の20 %となる。
注記 (対応国際規格の注記の内容は,定義文であるため移動した。)
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3.3.18
野菜用引出し又は野菜容器(vegetable drawer or crisper)
主として果物及び野菜の乾燥を遅らせるために設けられた便利機構。
注記 野菜容器は,一般的に取外しが可能な便利機構とみなすが,試験においては通常そのまま残す。
3.4
形態及び寸法
3.4.1
上開き形(top-opening type)
室(一つ又は複数)の上方から出し入れする冷却機器のタイプ。
3.4.2
前開き形(upright type)
室(一つ又は複数)の前方から出し入れする冷却機器のタイプ。
3.4.3
外形寸法(overall dimensions)
扉又は蓋を閉じた状態で(凝縮器,固定したテーブルボード及び外付け操作盤を含み,扉のハンドル及
び調整脚を除く)冷却機器が占める空間(高さ,幅及び奥行き)の寸法(図5参照)。
3.4.4
据付寸法(space required in use)
通常使用に必要な,扉又は蓋を閉じた状態で冷却機器が占める,空気の自由な循環に必要な空間及び扉
のハンドルも含む空間(高さ,幅及び奥行き)の寸法(図5参照)。
3.4.5
据付必要寸法(overall space required in use)
通常使用に必要な,扉又は蓋を開いた状態で冷却機器が占める全体空間(高さ,幅及び奥行き)の寸法
(図5参照)。
3.4.6
内容積(volume)
JIS C 9801-3の附属書Hで規定する,室又は副室若しくは冷却機器の庫内壁面から内側の部分。
3.4.6A
定格内容積(rated volume)
JIS C 9801-3の附属書Hで規定する内容積の値に基づき,製造業者が付与する値。
3.4.6B
冷凍室の内容積
3.3.16で定義した全ての冷凍室の,JIS C 9801-3のH.2.2の方法によって算出された内容積の合計。
3.4.6C
冷蔵室の内容積
3.4.6Bで定義した冷凍室を除く全ての室の,JIS C 9801-3のH.2.2の方法によって算出された内容積の合
計。
3.4.6D
食品収納スペース
JIS C 9801-3の附属書JAで規定する製造業者によって指定された位置に,カタログ及び/又は取扱説明
書によって製造業者が指示している部品(棚板,容器,仕切り板,皿など)を設置した状態において食品
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を収納することができる空間。
3.4.7
棚(shelf)
食料品を置くことができる水平面。
注記 棚は,一つの部品で構成している場合,又は複数の部品を並べて取り付けて構成する場合があ
る。この棚は,固定又は取外しが可能である。
3.4.8
負荷配置限界(load limit)
貯蔵空間,かつ,食料品又は他の品の貯蔵を意図する限界表面。
注記 負荷配置限界は自然で明白な特徴又は標線の場合がある。
3.4.9
貯蔵計画(storage plan)
JIS C 9801-2に従って特定の性能を試験する場合における冷却機器内への試験用負荷の配置。
3.5
性能特性
3.5.1
消費電力量(energy consumption)
JIS C 9801-3に従って算出した,指定の期間又は指定の動作に対して冷却機器が使用する電力量(kWh)。
3.5.2
平均消費電力(average power consumption)
JIS C 9801-3に従って算出した,特定の試験条件又は動作における冷却機器の消費電力量を時間で除し
た平均値(W)。
3.5.3
貯蔵温度(storage temperature)
JIS C 9801-2の6.5に従って冷却機器が維持できる温度。
3.5.4
目標温度(target temperature)
JIS C 9801-3に従って消費電力量及び平均消費電力を算出するために使用する庫内温度の基準。
注記 目標温度は,室内(庫内)の空気温度である(附属書D参照)。
3.5.5
霜取り
3.5.5.1
自動霜取り(automatic defrost)
使用者が操作しなくても,冷却器に蓄積した霜の除去を全ての温度調節設定で自動的に開始,また通常
の動作に自動的に復帰,さらに霜取り水の排水を自動で行う霜取り動作。
3.5.5.2
手動霜取り(manual defrost)
自動霜取りでない霜取り動作。
3.5.5.3
オフサイクル霜取り(cyclic defrost)
機器内の室(通常は非冷凍室)を冷却する冷却器を自動的に霜取りし,また,霜取りを冷却システムの
各サイクルごとに行う自動霜取り。
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注記 オフサイクル霜取りは,霜取り制御サイクルには含まれない。
3.5.5.4
可変霜取り(variable defrost)
通常使用の下で連続する霜取りの間の時間間隔を,経過時間若しくは圧縮機の運転時間以外の,又はそ
れに加えて,ある運転条件(又は複数の条件)を評価することによって,実際の冷却器への着霜に合致す
るように調整し,消費電力量を最小限にすることを意図した自動霜取り。
注記 デマンド霜取り(直接,冷却器表面の霜を測定し,それに応じて霜取りをする。)は,可変霜取
りの形態である。
3.5.6
安定運転状態(stable operating conditions)
冷却機器の平均庫内温度及び消費電力量が,JIS C 9801-2又はJIS C 9801-3で要求する安定性要求事項
を満たす状態。
3.5.7
定常時(steady state)
JIS C 9801-3の附属書Bで規定した適合基準に見合う安定運転状態。
3.5.8
周囲温度(ambient temperature)
試験中の冷却機器の周辺空間で測定する空気温度。
注記 各試験の周囲温度は,附属書Aに基づき測定する。その値は,特定の試験に適用可能であり,
JIS C 9801-2及びJIS C 9801-3に規定する。
3.5.9
制御イベント(control event)
運転状態の変化。
注記 運転状態の変化の例を,次に示す。ただし,これに限定しない。
a) 圧縮機における起動,停止又は回転数の変化
b) バッフル位置,ファン動作又はその他の組み込まれた制御若しくは機器の変化
c) 冷媒回路の状態変化
d) 霜取りヒータのオン及びオフ
e) 製氷機の動作
3.5.10
自動霜取り方式(frost-free)
一つ又は複数の冷却器表面に積層する霜の永久的形成を防止する自動霜取りのシステム。
3.5.11
温度制御装置(temperature control)
一つ又は複数の庫内温度を自動的に調整することを意図する装置。
注記 特に指定がない場合,二つの位置(例えば,開又は閉)の制御装置は温度制御装置として考え
ない。
3.5.12
温度調節装置(user-adjustable temperature control)
冷却機器内の一つ又は複数の庫内温度を変更することを意図した使用者が調整可能な温度制御装置。
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3.5.13
温度調節設定(temperature control setting)
この規格に従って測定する消費電力量又は性能試験のために選択する温度調節装置の設定。
3.5.14
冷却時間(cooling time)
JIS C 9801-2の箇条7で規定した,冷蔵室の中の負荷を冷却するために要する時間。
3.5.15
冷却能力(cooling capacity)
JIS C 9801-2の箇条7で規定した,冷蔵室の中の負荷を冷却することができる能力。
3.5.16
冷凍時間(freezing time)
JIS C 9801-2の箇条8で規定した,一定量の負荷を冷凍庫又はフリーザー室で冷凍する時間。
3.5.17
冷凍能力(freezing capacity)
JIS C 9801-2の箇条8で規定した,冷凍庫又はフリーザー室の負荷から冷却システムによって熱除去を
行う能力。
3.5.18
製氷能力(ice-making capacity)
JIS C 9801-2の箇条9に従って冷却機器が自動製氷機で生成する氷の量。
3.5.19
温度上昇時間(temperature rise time)
冷却システムの運転を中断した後,JIS C 9801-2の附属書Cに規定する試験を実施したとき,温度が規
定値上昇するために必要な時間。
3.5.20
安定負荷(ballast load)
冷凍能力試験の間に軽負荷を加えるとき,冷凍庫又はフリーザー室に配置する既に貯蔵温度になってい
る試験用負荷とM負荷との組合せ。(附属書C参照。)
3.5.21
軽負荷(light load)
周囲温度と等しい温度の試験用負荷とM負荷との組合せ。(附属書C参照。)これを冷凍能力試験時に
フリーザー室の中に配置する。
3.5.22
負荷冷却試験(processing load efficiency test)
規定の水負荷を冷却機器に投入して,これを冷却する(及び冷凍室で凍らせる)ときに必要となる電力
量を測定する試験。
注記 JIS C 9801-3の附属書G参照。
3.5.23
冷却負荷(processing load)
使用者によって消費する追加の消費電力量(Wh/d)と等価の水負荷。
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3.5.24
負荷冷却効率(load processing efficiency)
規定の冷却負荷を冷やすために冷却機器が消費する追加の消費電力量と冷却負荷を除去するための算出
した熱エネルギーとの比。
3.5.25
負荷冷却からの復帰期間(processing load recovery period)
負荷冷却試験用に規定した負荷を投入した後,安定運転状態に到達するために必要な時間。
3.6
運転状態
運転状態の概略を,図1に示す。
3.6.1
温度制御サイクル(temperature control cycle)
温度制御装置の動作によって行う温度の一定の繰返しのサイクル(オンオフなど)。
注記 温度制御サイクルの期間は,制御イベントと次のサイクルにおけるその繰返しとの間の時間で
ある。制御イベントを識別することができないところでは,温度制御サイクルの期間は,二つ
の連続した温度の最も高い点又は二つの連続した温度の最も低い点との間である。
3.6.2
霜取り制御サイクル(defrost control cycle)
ある自動霜取り開始前の安定運転状態の終了時点から開始して,次の自動霜取り開始前の安定運転状態
の終了時点までのサイクル。
注記1 自動霜取りの前の霜取り制御サイクルの開始点及び終了点は,次による。
a) オンオフサイクルを備えた冷却システムの場合,最後の規則的な温度制御サイクルの終
了時点(例えば,最後のオフ期間の終了時点)から開始する期間
b) オンオフサイクルを備えていない,ただし,温度制御サイクルを備えた冷却システムの
場合,温度制御サイクルの最高温度に関係する最後の電力,回転数及び冷却の変化
c) オンオフサイクルを備えておらず,また,通常温度制御サイクルも備えていない冷却シ
ステムの場合,安定温度運転の終了時点
注記2 オフサイクル霜取りは霜取り制御サイクルには含まれない。
3.6.3
霜取り運転(defrosting operation)
霜取り制御サイクルの開始から,霜取り後の冷却システムの冷却を開始するまでの動作。
3.6.4
霜取り及び復帰期間(defrost and recovery period)
霜取り制御サイクルの開始から,安定運転状態を達成するまでの期間。
注記 安定運転状態に到達しない製品では(例えば,霜取り運転の後,持続的に温度が低下する。),
霜取り及び復帰期間は,霜取り制御サイクルと等しくなる。
3.6.5
復帰期間(recovery period)
霜取り運転の終了から,霜取り及び復帰期間が終了するまでの期間。
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図1−選択した定義の説明図
3.7
記号
TMP 温度測定点
T
測定点の温度
t
時間
i
センサ位置を表す添え字
上記記号の説明を,表1に示す。
表1−記号の説明
室タイプ
瞬時温度
積分平均温度a)
(im)
瞬時平均温度b)
(a)
時間平均室内温度c)
(ma)
最高室内温度d)
冷蔵
Ti
Tim
Ta
Tma
−
冷凍(f)
Tfi
Tfim
Tfa
Tfma
T***,T**,T*
ゼロスター(z)
Tzi
Tzim
Tza
Tzma
−
パントリ(p)
Tpi
Tpim
Tpa
Tpma
−
セラー(c)
Tci
Tcim
Tca
Tcma
−
チラー(cc)
Tcci
Tccim
Tcca
Tccma
−
ワイン(w)
Twi
Twim
Twa
Twma
−
周囲(a)
Tai
Taim
Taa
Tama
−
注a) 積分平均温度は瞬時温度を積分して得られた値を時間で除した平均温度
b) 瞬時平均温度は測定した全ての瞬時温度の算術平均
c) 時間平均室内温度は瞬時平均温度の積分平均又は積分平均温度の瞬時算術平均(両方とも,同じ結果となる。)
d) 最高室内温度は試験期間中のM負荷の最高温度(JIS C 9801-2の表2参照)
4
分類
冷却機器は,四つの気候クラスのうちの一つ(又は二つ以上)に分類される。機器を使用する周囲温度
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及び必要な貯蔵温度(JIS C 9801-2の表2参照)を満たす周囲温度範囲は,表2に規定する。
なお,この規格で採用する気候クラスは,温帯(N)とする。
表2−気候クラスの周囲温度範囲
気候クラス
略記号
周囲温度範囲(℃)
亜寒帯(Extended temperate)
SN
10〜32
温帯(Temperate)
N
16〜32
亜熱帯(Subtropical)
ST
16〜38
熱帯(Tropical)
T
16〜43
5
表示
5.1
定格の情報
次の情報は,恒久的で読みやすい方法で製品に表示することが望ましい。
a) 冷却機器の種類(“冷蔵庫”など,適用可能な場合,用語“自動霜取り方式”を前に付けてよい。)
b) 製造番号及び/又は製造年月日(コード化してもよい。)
c) 全定格内容積並びに冷凍室及び冷蔵室の定格内容積
d) 動力源に関する情報
e) フォースター室をもつ機器は,定格冷凍能力(kg/12 h)
f)
[対応国際規格のf)は気候クラスに関する内容のため削除した。]
a)〜e)の情報は,冷却機器の通常使用の位置にあるときに読み取ることができればよい。5.3Aによるそ
の他の表示は,通常使用時に若しくは冷却機器が壁から離れているとき,又は工具なしでフラップ若しく
はグリルを取り外した後に,容易に読み取ることができればよい。製造業者は,望ましいと考える任意の
追加情報を表示してもよい。
(最終段落は,対応国際規格の地域に関する内容のため削除した。)
5.2
冷凍室の識別
識別に当たって,フォースター室は,外部又は内部にて前面から容易に視認できる記号(図2に示す記
号に従う。)によって識別する。
また,識別したフォースター室にツースターの区画がある場合,ツースターの識別記号(図3参照)を
表示し,この区画を明確に特定できるようにする。
この記号の詳細は,図E.1を参照する。
図2−フォースター室の識別記号
識別に当たって,ワンスター,ツースター又はスリースターの冷凍室又はきょう体は,外部又は内部に
て前面から容易に視認できる,図3に示す記号によって識別する。識別したスリースター室又はフォース
ター室にツースターの区画がある場合,ツースター区画を明確に識別するツースターの記号を表示する。
図2及び図3に示す記号は,二色以下を用いるか,又は二種類以下の対照的な表面仕上げを施す。大き
い星印の色(又は表面仕上げ)は,他の三つの星印の色と異なる色とする。この要求事項のために,白及
び黒は色とみなす。図2に示すフォースター室の識別記号と混同するような表示又は飾りが冷却機器上に
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ないことが望ましい。
ワンスター室 ツースター室
スリースター室
詳細は,図E.2を参照する。
(対応国際規格の説明文は,図中に織り込んだため削除する。)
図3−冷凍室のスター識別記号(フォースターを除く)
5.3
負荷配置限界線
負荷配置限界線は,冷凍庫の内容積及び独立した扉をもった,きょう体又は室の中のスリースター貯蔵
空間に関してだけ用いることができる。
スリースターの貯蔵に適した,きょう体又は室の空間内では,次のいずれかの条件を満たした場合,負
荷配置限界線は不要である。
− スリースター又はフォースターの貯蔵として不適であると認めた空間がない。
− 負荷配置限界が固有の構造(例えば,バスケット,容器,フラップ)で決定する。
− 負荷配置限界が自然負荷配置限界で決定し[JIS C 9801-2の図1 b)参照],また,負荷条件を特別に取
扱説明書に記載する。
その他の全ての場合で,スリースター又はフォースター貯蔵空間の限界は,図4に示す形状の一つ又は
複数の負荷配置限界線によって見やすく,かつ,消えない方法で表示する。
製造業者は,可能な限り負荷配置限界の外側又はツースター室若しくはツースター区画の外側に貯蔵空
間を設けないことが望ましい。
単位 mm
図4−負荷配置限界の表示
5.3A その他の表示
製造業者による宣言値などのその他の表示は,本体又は取扱説明書に記載する。
記載例を,次及び表2Aに示す。
霜取り制御装置のタイプの表示例
・ タイマ式
・ 圧縮機運転積算時間式
・ 可変式
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冷却機器が可変式の霜取り制御装置をもつ場合,最長霜取り間隔Δtd−max及び最短霜取り間隔Δtd−minを
記載する。例えば,Δtd−maxは96 h,Δtd−minは6 hとする。
冷却機器が自動制御の露付き防止ヒータをもつ場合,表2Aに従って,表中のPH1〜PH30を記載する。
表2A−自動制御の露付き防止ヒータの相対湿度に対する消費電力の記載例
相対湿度
(RH)
(%)
RH帯の
中間湿度
(%)
16 ℃での
消費電力
(W)
22 ℃での
消費電力
(W)
32 ℃での
消費電力
(W)
0〜10
5
PH1
PH11
PH21
10〜20
15
PH2
PH12
PH22
20〜30
25
PH3
PH13
PH23
30〜40
35
PH4
PH14
PH24
40〜50
45
PH5
PH15
PH25
50〜60
55
PH6
PH16
PH26
60〜70
65
PH7
PH17
PH27
70〜80
75
PH8
PH18
PH28
80〜90
85
PH9
PH19
PH29
90〜100
95
PH10
PH20
PH30
6
技術及び商品情報
6.1
一般
一般技術及び商品情報を提供する場合,公表する全ての性能データ(及び関連する測定単位)は,この
規格に従う。
6.2
寸法の決定
長さはmm単位で測定する。
外形寸法は,水平になっている直方体[その中で冷却機器はハンドル及び調整脚を除き,凝縮器,固定
したテーブルボード,外付け操作盤及び完全な冷却機器を含む(図5参照)。]の高さ,幅及び奥行きとし
て測定する。
据付寸法はハンドルを含み,冷却機器が稼働中に機器周囲の冷却空気の自由な循環に必要な空間を加え
た高さ,幅及び奥行きとして測定する(図5参照)。
据付必要寸法はハンドルを含み,冷却機器が稼働中に機器周囲の冷却空気の自由な循環に必要な空間を
加え,さらに容器,棚,取り除くことが可能な蒸発皿,及び手動で空にするような水容器等を含む,全て
の部品の取外しを許容する最小角度の扉の開閉を行う空間をプラスした高さ,幅及び奥行きとして測定す
る(図5参照)。
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外形寸法
据付寸法
据付必要寸法
幅
図5−寸法(例:前開きタイプの上面図)
7
取扱説明書
全ての冷却機器には,日本語による,設置,使用,ユーザメンテナンス及び安全な廃棄に関する記載の
ある取扱説明書を添付することが望ましい。
取扱説明書には,該当する場合,次の事項を含めることが望ましい。
a) 設置要件(最適場所,水平度,動力源への接続,必要な場合は給水又は霜取り水のための接続)。
b) 据付寸法(扉又は蓋が閉じた状態),及び据付必要寸法(扉又は蓋が開いた状態)の略図。
c) ビルトイン機器は,収納部の寸法及び追加の換気要件。
d) 周囲温度範囲の制限値及び冷蔵庫が周囲温度範囲外で稼働する場合に,条件を満たす庫内温度を維持
できない場合があるという警告。
e) 操作説明(例えば,始動及び停止手順,各種制御装置の使用,温度制御装置,急速冷凍スイッチ,表
示ランプ,空気循環,霜取り制御,給水機及び製氷機)。
f)
次の最適な性能を得るために必要な配慮。
1) 冷却機器の負荷。特に,同じ室又はきょう体内に異なるスター評価の区画があるとき,及び負荷配
置限界線が存在しないとき。
2) 食品の入れ方。特に,お互いに悪影響を及ぼさないようにする必要性。
3) 該当する場合,貯蔵用の食品及び冷凍用の食品の入れ方。特に,冷凍する食品は貯蔵してある食品
と直接触れないようにするアドバイス,また,該当する場合,冷凍を毎日想定する場合は冷凍する
量を減らすことが必要になる場合があるというアドバイス。
4) チラー室がある冷却機器の場合,特定のタイプの新鮮な野菜及び果物は低温の影響を受けやすいた
め,この種類の室での貯蔵には適さないという趣旨の記載。
5) 最適な製氷を実現するための製氷トレイ(一つ又は複数)の配置。
g) 冷却機器のユーザメンテナンス及び清掃。
h) 手動霜取り製品のための霜取り及びこの処理の間の貯蔵食品に関する予防措置。
i)
冷却機器を停止して,一時的又は長期にわたって使用を中止するときに講じることが必要な措置(例
えば,中を空にする,清掃して乾かす,扉又は蓋を少し開けておく。)。
j)
ロック及び鍵が付いた扉又は蓋は,子供を内部に閉じ込めるのを防ぐため,鍵は子供の手の届かない
幅
幅
奥
行
き
空気の自由な循環に必要な空間
奥
行
き
奥
行
き
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高さなどにして,冷却機器の近くに置いてはならないという必要性。
k) 閉じ込めを防ぐため,廃棄時は扉のパッキンを取り外す必要性。
l)
冷却機器の廃棄時は販売店又は市町村に適正に引き渡し,リサイクルする必要性。
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附属書A
(規定)
試験室及び計測器
A.1 一般
この附属書は,JIS C 9801-2及びJIS C 9801-3に従って,冷却機器の性能試験及び消費電力量算出の試
験を実施するのに必要な計測器の精度及び試験室の特性を規定する。
A.2 測定の計測器,正確さ及び精度
A.2.1 一般
試験機関は,全ての計測器が正確に動作していること及び定期的に校正していることを保証する手順を
備えていることが望ましい。数値の丸めは,JIS C 9801-2及びJIS C 9801-3で規定するとおりに実施し,
それ以外では実施しない。
A.2.2 消費電力量
1日当たりの消費電力量の測定において,拡張不確かさ(k=2)1)は2 %未満又は8 Wh未満とする。1
日当たりの消費電力量は1 Wh単位又はそれより高い精度で記録する。電力量は少なくとも1分ごと,又
は各制御イベントごとに記録する。電力量に加えて,瞬時電力及び力率を記録することが望ましい。
注記 詳細は,ISO/IEC発行の“Guide 98-3:2008,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the
expression of uncertainty in measurement (GUM:1995)”参照。
注1) 正規分布の場合,拡張不確かさ(包含係数k=2)は,95 %の信頼度に相当する。
A.2.3 湿度
試験室の湿度は代表点で測定及び記録する。湿度範囲を規定する場合,計測器の精度は相対湿度で表し,
測定全体の不確かさは5 %以下とする。片側だけの限度を規定する場合,装置の精度は許容限度を十分満
たさなければならない。
A.2.4 長さ
長さの測定においては,拡張不確かさ(k=2)は,1 mm未満又は0.5 %未満とする。
全ての長さは1 mm単位で記録する。
A.2.5 質量
質量の測定においては,拡張不確かさ(k=2)は5 g未満とする。
A.2.6 温度
温度データは,1分以下の等しい測定間隔で記録する。
特に規定する場合を除き,測定の拡張不確かさ(k=2)は1.0 K以下とする。全ての温度測定値は0.1 K
単位又はそれより高い精度で記録する。
感温部は,M負荷(附属書C参照)又は質量が25 g±5 %で最大寸法が18 mmの黄銅又はすずめっき銅
製の測定用メタルの中心に挿入する。この規格の温度センサとは,測定用メタルを意味する。
測定用メタルは放射係数を低く保つために清潔にしておくことが望ましい。
温度センサからのリード線は,室への空気漏れを最小限に抑えるように配慮する。
A.2.7 時間
試験の動作継続時間の計算値は,各サンプリング周期で記録した時刻の差で表し,拡張不確かさ(k=2)
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は10秒以下又は0.1 %以下とする。各サンプリングで記録した時刻は,1秒又はより高い精度の分解能を
もたなければならない。各サンプリング間隔で発生するイベントを特定することは,この規格の要求事項
ではない。ただし,イベント記録装置を使って各サンプリング間隔のイベントの時間を特定することは,
特に製品が比較的短い制御周期の場合,データの品質を高める可能性がある。
A.2.8 電圧及び周波数
測定した電圧及び周波数においては,拡張不確かさ(k=2)は0.5%未満とする。電力量データは1分以
下の等しい測定間隔で記録する。
A.3 一般試験条件
A.3.1 一般
A.3.2.2及びA.3.3に規定する幾つかのパラメータは,試験中,目標値付近で一定とする。これらのパラ
メータの確認方法を,次に示す(図A.1参照)。
− 対象期間の平均値は,目標値の第1の許容範囲以内とする。目標値−Tol1<平均値<目標値+Tol1
− 対象期間の標準偏差は,第2の許容範囲未満とする。2σ<Tol2
時間
σ:
標準偏差
Tol1:目標値からの偏差
Tol2:標準偏差の2倍が第2の許容範囲(Tol2)未満,すなわち,測定データの95 %が許容範囲内という要求事項を
満たすことによって,パラメータの変動を抑制することが可能となる。対象のパラメータは正規分布と仮定す
る。これはサンプリング周波数とは関係がない。
図A.1−一定とするパラメータの確認
A.3.2 周囲温度
A.3.2.1 センサ
周囲温度は,黄銅又はすずめっき銅製の測定用メタルを使用して測定する(A.2.6及びA.4.5参照)。
A.3.2.2 温度安定性
各周囲温度センサの測定値Ta1及びTa2は,製品が安定運転状態に達するまでの全ての期間及びその後に
続く試験中は,次の事項に適合しなければならない。
a) 該当する場合,時間平均値はA.3.2.3に規定する試験周囲温度の±0.5 K以内とする。
平均値
目標値+Tol1
平均値+2σ
平均値−2σ
目標値−Tol1
確認基準
2σ<Tol2
|平均値−目標値|<Tol1
目標値
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b) 標準偏差の2倍は,0.5 K未満とする。
A.4.5に規定する鉛直方向の周囲温度勾配は,1 K/m以下とする。
A.3.2.3 温度値
試験の周囲温度条件は,次による。
a) JIS C 9801-2の箇条6に規定する貯蔵温度を確認する場合,+16 ℃及び+32 ℃とする。
(我が国は気候クラスNであるため,他の気候クラスを削除した。)
b) JIS C 9801-3の箇条6に規定する消費電力量を算出する場合,+16 ℃及び+32 ℃とする(全ての冷
却機器に適用する。)。
c) JIS C 9801-2の箇条7〜箇条9及び附属書Cに規定する温度上昇時間,冷凍能力,冷却能力及び自動
製氷能力を確認する場合,+25 ℃とする(全ての冷却機器に適用する。)。
d) JIS C 9801-2の附属書Aに規定するプルダウン試験を確認する場合,+43 ℃とする(全ての冷却機器
に適用する。)。
e) JIS C 9801-2の附属書Dに規定する結露試験を確認する場合,+25 ℃とする。
(我が国は気候クラスNであるため,他の気候クラスを削除した。)
A.3.3 電源
冷却機器は,電圧100 V,周波数50 Hz及び60 Hzで試験する。
(我が国の定格電圧及び定格周波数に限定したため,他の関連する記載を削除した。)
検査試験目的の場合,電源の全高調波ひずみは3 %以下とし,その値を附属書Fの試験報告書に記載す
る。また電力供給源も試験報告書に記載する。
各試験中,各サンプリング期間に記録した電圧は,次のa),b)を満たさなければならない。
a) 時間平均値は,試験電圧の±1 %とする。
b) 標準偏差の2倍は,時間平均値の1 %未満とする。
各試験中,記録した瞬時供給周波数は,次のc),d)を満たさなければならない。
c) 時間平均値は,試験周波数の±1 %とする。
d) 標準偏差の2倍は,時間平均値の1 %未満とする。
A.3.4 電気以外の動力源
(対応国際規格には,“電気以外の動力で駆動する冷却機器は,冷却機器に記載する条件で試験する。”
と規定しているが,この規格では,電気式に限定しているため適用しない。)
A.3.5 複数の動力源
(対応国際規格には,“複数の異なる動力で駆動する冷却機器は,冷却機器に記載する条件で試験するこ
とが望ましい。”と規定しているが,この規格では,電気式に限定しているため適用しない。)
A.3.6 湿度
特定の性能試験又は消費電力量試験で規定する場合を除き,相対湿度は75 %以下とする。
(我が国は気候クラスNであるため,他の気候クラスを削除した。)(我が国では消費電力量試験の湿度
条件を規定しているため,対応する国際規格の最終節を削除した。)
消費電力量を算出する場合は,次による。
− 周囲温度が32 ℃±0.5 ℃のときは,(70±5) %とする。
− 周囲温度が16 ℃±0.5 ℃のときは,(55±5) %とする。
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A.4 試験室の構成
A.4.1 一般
冷却機器は次に示す試験室に設置する。
A.4.2 木台
各冷却機器は,つや消しの黒塗りした堅固な木台上に置き,木台の下は空気が自由に循環できなければ
ならない。木台の仕様を満たすつり下がった床面は木台とみなす。木台又は床は,黒塗りする代わりに,
リノリウムのような低放射率の暗色,非光沢,滑らかで浸透性のない表面で覆われていてもよい。
木台底面は試験室の床面から0.05 m以上の高さとする。木台の各辺は,木台に設置する冷却機器の背面
を除き,側面は0.3 m以上とし,前面は0.05 m以上とする。
試験室の床が木製であり,かつ,床下に断熱があり,床面温度が試験室の低い方の温度勾配センサ(A.4.5
参照)の温度の1.5 ℃以内にある場合,床を高くする必要はない。この場合,試験の有効性を確認するた
めに,床面温度は,試験の間,代表点で記録する。
A.4.3 背面壁
冷却機器の背面壁は,つや消しの黒塗りした垂直の堅い擬似壁(木製)とする。この擬似壁は切れ目が
なく,冷却機器の各面から0.3 m以上とする。背面壁は,試験室の壁から0.03 m以上の隙間を空けるか,
又は試験室内に設置した固定壁という形態にしてもよい。
A.4.4 側面壁
冷却機器がファン式強制凝縮器を備えている場合,凝縮器の排熱が隣接した製品に直接影響を与えない
ように遮蔽をする。前側に排熱する冷却機器の場合,側面壁を設置しなくてもよい。
製品が背面及び/又は側面に凝縮器を備えている場合,切れ目のない,及びつや消しの黒塗りした擬似
壁(木製)を冷却機器の側面に平行に設置し,冷却機器の側面から0.3 m以上離して木台に固定する。擬
似壁は冷却機器の上部から0.3m以上高くし,奥行きは0.3 m以上とする。例えば,機器側面に凝縮器を備
えている場合,凝縮器の直接ふく射から隣接した製品を遮蔽するため,側面壁は十分な奥行きがなければ
ならない。
消費電力量を算出する場合,側面壁を冷却機器の側面に平行に設置し,冷却機器の側面から0.05 m離し
て木台に固定する。側面壁の奥行きは製品奥行き寸法以上とする。
製品によっては,背面及び側面の凝縮器及びファン式強制凝縮器の両方を備える場合がある。この場合,
側面壁は十分な奥行きがなければならない。試験機関は,前側に排熱するファン式強制凝縮器を備える製
品でも側面壁を設置してもよい。
A.4.5 センサの位置
周囲温度センサは試験中,冷却機器の両側面TMPa1及びTMPa2の2点に配置する。木台からの温度セン
サの高さは0.9 m±0.1 m,又は冷却機器の高さ±0.1 mのいずれか低い方とする。背面壁からの距離は0.3 m
±0.1 mとする。温度センサの側面の距離は冷却機器から0.3 m±0.1 mとする。側面壁が周囲温度センサ
の位置より前側にまで延びる場合,又は外周の壁が側面壁を形成する場合,周囲温度センサは,必要な場
合,冷却機器の放射熱から遮蔽して,冷却機器側に配置する。ただし,消費電力量を算出する場合は,冷
却機器側に配置しない。周囲温度センサは,全ての壁又は設備とも25 mm以上の間隔を保つ。
温度勾配を確認するため,二つの追加のセンサを木台から0.05 m及び2 m離れた試験室の周囲条件の代
表的な位置に配置する。ただし,図A.2には図示していない。
周囲温度センサは,試験室で測定した周囲温度に対して5 Kより大きい放射熱の放出又は吸収から遮蔽
しなければならない。放射熱の放出又は吸収には,空調装置,外部窓又は試験中の他の冷却機器を含める。
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A.4.6 試験室の一般構成
冷却機器は,試験室で測定した周囲温度に対して5 Kより大きい放射熱の放出又は吸収から遮蔽しなけ
ればならない。放射熱の放出又は吸収には,空調装置,外部窓又は試験中の他の冷却機器を含める。
試験室内の空気循環は,規定周囲温度が規定許容差内に入る程度でなければならない。冷却機器の周囲
風速が0.25 m/sを超える場合は遮蔽する。試験室の運転中,冷却機器の設置後(冷却機器は必ずしも運転
する必要はない。),冷却機器の天井面を含むアクセス可能な全面の中心から0.3 m離れた地点の風速が,
この要求事項を満たさなければならない。
試験室内の空気循環は,冷却機器によって生じる通常の空気循環を妨げてはならない。
冷却機器が一つだけの場合の試験室の構成を,図A.2に示す。
単位 m
注a) 断熱床は,A.4.2参照。
b) 側面壁の寸法は,A.4.4参照。
c) 温度センサの高さは,A.4.5参照。
図A.2−冷却機器が一つだけの場合の試験室の構成
(空気循環を制限する擬似壁及び周囲温度センサ位置)
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附属書B
(規定)
試験用冷却機器の準備及び一般測定手順
B.1
一般
この附属書は,試験用冷却機器の準備,並びにJIS C 9801-2及びJIS C 9801-3の規定に従った冷却機器
の性能及び消費電力量算出の試験条件を規定する。
B.2
冷却機器の準備及びセットアップ
B.2.1 一般
JIS C 9801-2又はJIS C 9801-3で特に規定する場合を除き,測定用又は試験用冷却機器の準備は次の要
求事項を満たさなければならない。
B.2.2 新しい冷却機器の慣らし運転
検証試験として最初の平均消費電力を測定する前に,冷却機器を圧縮機運転時間で12時間以上運転する。
圧縮機のないタイプの冷却機器は消費電力量の測定前に12時間以上運転する。“慣らし運転”は任意の室
温で行ってよく,平均消費電力測定中の温度安定区間の一部であってもよい。
B.2.3 試験室への冷却機器の設置
B.2.3.1 一般
冷却機器は附属書Aに規定する計測器を備えた試験室に設置する。
B.2.3.2 背面の間隔
背面の間隔を算出するため,図B.1に示す次の寸法を定義する。
− 寸法A スペーサを含む冷却機器の最後尾の突起から試験室の壁又は背面壁までの距離。
− 寸法B 冷却機器背面から試験室の壁又は背面壁までの距離。冷却機器背面が鉛直であるか否かにか
かわらず,測定は冷却機器背面の最も低い点で行う。
冷却機器背面は局所的機構(凝縮器の積重ね,取付金具に伴う突起又は圧縮機)を除き,キャビネット
背面の最大平面とする。
冷却機器は次の規則に従って組み付け,試験室に設置する。
− 冷却機器は製造業者の取扱説明書に従って据え付ける(設置時に取り付ける,固定する,又は動作す
る,全てのスペーサを含む。)。
− 平面的に見て,冷却機器背面は試験室の壁又は背面壁と平行とする。
− 背面の間隔を規定していない場合,冷却機器は最後尾の突起が試験室の壁又は背面壁と接するように
設置する(寸法Aを0 mmとする。)。
− 背面の間隔を規定している場合,冷却機器背面から試験室の壁までの距離(寸法B)が51 mmより大
きい場合を除き,冷却機器を製造業者の背面の間隔の指示に従って設置する。ただし,規定が51 mm
より大きい場合,寸法Aを0 mm又は寸法Bを51 mmとなるように距離を調節する。
設置時に取り付ける,固定する,又は動作するスペーサによって,冷却機器背面から試験室の壁又は背
面壁までの距離(寸法B)が80 mm以上となる場合,スペーサを使用してはならない。背面のスペーサを
取り付けると,製造業者の取扱説明書の寸法と矛盾する場合,規定している最小間隔を使用する。スペー
サを取り付ける場合,上記の規定に従う。
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C 9801-1:2015
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チェスト形冷凍庫のような,蓋の開放のために冷却機器背面に空間が必要な冷却機器は,その間隔を規
定していない場合,開放時の蓋の最後尾の突起を冷却機器の最後尾の位置とみなす。
可搬形冷却機器,及びエネルギー源として熱を使った吸収プロセスによって冷却を行う,独立の吸収式
機器は,背面の間隔は製造業者の仕様書に従う。スペーサがない場合,最後尾の突起と壁との間の距離は
20 mm以下とする。
図B.1−背面の間隔を規定する場合でスペーサを備えていない冷却機器の例
B.2.3.3 ビルトイン機器
ビルトイン機器は取扱説明書及び次の要求事項に従って据え付ける。
背面の間隔はB.2.3.2による。
ビルトイン,調理台の下又は戸棚の間に設置することだけを意図した冷却機器は,つや消しの黒塗りし
た試験台に設置する。試験台は,厚さ15 mm〜25 mmの木製とする。製造業者が化粧扉を要求する場合,
これを取り付ける。
試験台の内側の寸法は製造業者の取扱説明書に従う。
寸法を範囲で規定している場合,最小値を使用する。このデータを規定していない場合,試験台の内側
寸法は次に従う。
− 内部奥行きは,冷却機器の全奥行きより20 mm〜22 mm大きくする。
− 内部幅は,冷却機器の全幅より4 mm〜6 mm大きくする。
− 内部高さは,冷却機器の全高さより2 mm〜4 mm大きくする。
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必要な場合,試験台は製造業者の取扱説明書に従って通気口を設ける。
冷却機器は製造業者の取扱説明書に従って試験台に設置する。
冷却機器の外郭と戸棚又は試験台との隙間に挿入する,スペーサなどの特別な手段(硬質,軟質は問わ
ない。)を冷却機器が備えている場合には適宜使用する。これらの特別な手段を備えていない場合,試験台
と冷却機器との隙間は空けておく。
気流から遮蔽するため,試験台の側面と背面との接合部は密着し,必要な場合には密封する。
B.2.4 複合機器
冷却機器以外の他の機器と結合する冷却機器は結合した状態で試験する。ただし,冷却機器以外の機器
は“オフ”又は動作停止を含む,使用者が選択可能な最も消費電力量が低くなる条件とする。
B.2.5 セットアップ
B.2.5.1 一般
冷却機器は,取扱説明書がこの規格の要求事項と矛盾する場合を除き,取扱説明書に従ってセットアッ
プする。全てのこん包材は取り外す。
冷却機器に附属する全ての引出し,ケース及び容器は正規の位置に配置するほか,次による。ただし,
JIS C 9801-2又はJIS C 9801-3の試験によって変更する場合は,次のa)〜d)より優先してもよい。
a) 冷凍室内の正規の位置に製氷トレイを配置する。冷凍室内に特定の区画をもたない製氷トレイは取り
外す。
b) 棚に便利機構を備えている場合の棚及び便利機構は,温度センサの配置及び結果に最も影響の少ない
と予想する位置に配置する。
c) 特定の位置を規定していない,トレイ,ケース又は容器は取り外す。
d) 温度センサの配置に対する棚の要求事項は附属書Dを参照する。
B.2.5.2 切替室
室が,複数の室タイプの動作範囲にわたる切替室である場合,消費電力量試験においては,最大の消費
電力量となる室タイプとして運転する。室タイプを定義する要求事項は,JIS C 9801-3の表1による。冷
却機器が切替室を備えている場合,最大の消費電力量となる室タイプに加えて,必要に応じて,他の室タ
イプでも試験する場合がある。ただし,切替室が,冷凍室及び非冷凍室(最大の消費電力量となる室)に
切替可能なとき,消費電力量試験では,切替室が冷凍室の場合及び非冷凍室(最大の消費電力量となる室)
の場合の二通りの温度設定で測定する。
B.2.5.3 使用者が調節可能な機能
使用者が調節可能な機能は次のように取り扱う。
a) 空間内に室タイプが複数あり,使用者が内容積のバランスを調節可能な場合,特に規定する場合を除
き,低温の空間の内容積が最大になるように調節する。
b) 例えば,急冷凍のような一定期間だけの動作温度変更用に使用者が操作するセレクタ又はスイッチを
冷却機器が備えている場合,特に規定する場合を除き,これらの機能が動作しないように設定する。
c) 継続使用を意図したディスプレイ,バターコンディショナ,ネットワーク接続又は二次的機能(例え
ば,スクリーン)用に,使用者が操作するスイッチを冷却機器が備えている場合,製造業者の出荷状
態とする。
d) 露付き防止ヒータ用に,使用者が操作する制御装置を冷却機器が備えている場合,JIS C 9801-2又は
JIS C 9801-3に規定するとおりに設定する。
e) 副室として分類しない便利機構の温度調節用に,使用者が操作するバッフル又は制御装置を冷却機器
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C 9801-1:2015
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が備える場合,温度性能試験で規定する場合を除き,消費電力量が最大になるように調節する。
f)
使用者が調節可能な指向性ダクト,吐出口又は戻り口を備えている場合,取扱説明書に従って調節す
るが,温度センサ位置に対して中心線から30°以内に向けてはならない。取扱説明書で指定していな
い場合,ダクトは全開にして,可能な限り中間又は中央の位置に近づけ,温度センサ位置に対して30°
以内に入らないように調節する。温度センサ位置に対して30°以内に入ってしまい,ダクトを中間又
は中央の位置に向けられない場合,気流が最も上向きになるように調節する。ただし,上記の対応が
不可能な場合にはダクトの向きを扉に向かうように調節する。ダクトが気流を広げる又は狭めるオプ
ションを備えている場合,最も広げる設定にする。オプションを取扱説明書で指定する場合,上記に
最も近いオプションを選択する。
g) 取扱説明書で指定する場合を除き,全ての手動制御の冷気循環ファンは,電力測定中はスイッチを“オ
ン”にする。
h) 冷却機器が温度調節装置を備えていない場合,製造業者の出荷状態で試験する。
i)
上記で冷却機器が使用可能な制御装置の設定を完全に規定していない場合,冷却機器の制御設定は,
各試験中,全ての室が試験の要求事項を満たすように選択することが望ましい。
B.2.6 自動製氷機
全ての試験で貯氷箱を正規の位置に配置する。
氷の運搬機構は全ての試験で,貯氷箱内の氷の有無にかかわらず動作させる。すなわち,氷の運搬に必
要となる全てのシュート及びスロートには,輸送又は自動製氷機を使用しない場合に取り付けるこん包,
カバー,又は他の障害物があってはならない。
B.2.7 試験前の条件
JIS C 9801-2又はJIS C 9801-3で特に規定する場合を除き,試験の開始時,室は内壁に霜がなく水分も
ない空の状態にする。扉,引出し及び蓋は閉じておく。
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附属書C
(規定)
試験用負荷
C.1 寸法及び許容値
試験に使用する試験用負荷は直方体とする。凍結前の寸法は,(50 mm±2.0 mm)×(100 mm±3.0 mm)
×(100 mm±3.0 mm)とする。質量はこん包を含んで,500 g±10 gとする。
取扱性向上のため,試験用負荷をテープで縛って100 mm×100 mmベースの積重ねを作成してもよい。
200 mmより高いスタックが必要な場合,1 kgのパック(200 mm×100 mm×50 mm)を縛って,設置寸法
が100 mm×100 mmとなるようなスタックを作成してもよい。
試験用負荷は定期的に検査する。包装材に目に見える穴又は亀裂があってはならない。負荷が上記許容
値を超えていた場合,新しい負荷に取り替える。
C.2 構成
試験用負荷は,次の成分で構成する。
a) 充塡物は,1 000 gにつき,次の成分で構成する。
− オキシエチルメチルセルローズ
230 g
− 水
764.2 g
− 塩化ナトリウム
5 g
− 6-クロロメタクレゾール
0.8 g
この充塡物の凝固点は−1 ℃である(この熱的特性は,赤身の牛肉にほとんど一致している。)。
b) [我が国では入手できず,試験用負荷a)を使用するため削除する。]
c) 包装材は,水分の透過を無視することが可能な特性のプラスチック又はその他の適切な材料でなけれ
ばならない。包装材は内部に充塡材を充塡後密封する。二つの層(容易にシール可能な120 μm厚の
高圧ポリエチレンの1層,及びその外部の12.5 μm厚のポリエチレンテレフタレートのシート)を結
合したラミネートシートを使用することが望ましい。
[対応国際規格のC.2 c)の最終段落全てを削除する。]
C.3 M負荷
500 gの負荷(50 mm×100 mm×100 mm)の幾つかは温度測定用のM負荷とする。これらは熱電対又は
他の温度測定装置を,充塡材と直接接触するように試験用負荷の幾何学的中心に挿入する。M負荷は外部
からの熱侵入が最小となるように配慮する。構成及び使用に関する制限は,C.1及びC.2による。
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附属書D
(規定)
平均庫内温度の算出
D.1 一般
この附属書では,全庫内温度の測定に必要なセンサ位置を規定する。また,様々な試験において,ある
点での平均空気温度の計算方法を規定する。この附属書の目的は,食料品を貯蔵する庫内温度の代表点を
選択することである。
D.2 センサの位置
D.2.1 一般
温度センサの規定位置は,最小間隔を規定する場合を除き,センサ(測定用メタル)の幾何学中心とす
る。ここで,間隔とは,測定用メタルの外表面からの距離を指す。
全ての温度センサの位置は,該当する場合,以降の段落に示すとおり,室の有効高さ及び有効幅に関し
て定義する。
室の有効高さはD.2.4.2に規定する。天井部又は底部が傾斜している場合,有効高さは平均の高さとみな
す。
制御装置及び吐出口ハウジングのような部品は,2 L未満の容積の機構又は突起と同様に無視する。
D.2.2 非冷凍室
D.2.4に規定する場合を除き,非冷凍室(例えば,冷蔵室,チラー室及びセラー室)の三つの温度センサ
は次のように配置する。
− 室の有効底部から50 mmの位置に配置
− 有効底部から測定して1/2×h(室の有効高さ)の位置に配置
− 有効底部から測定して3/4×h(室の有効高さ)の位置に配置
上記の位置は,図D.1〜図D.3及び図D.8 a)による。また,該当する場合はD.2.4による。
各センサの位置は他に規定する場合を除き,規定した高さにおける室の前面及び背面の中間とする。
冷却器を貯蔵空間と分けて構成し(副室),非冷凍室に備えた形を問わないボックス形冷却器の下のセン
サは,冷却器の重心の下に配置する。
D.2.3 冷凍室
D.2.4に規定する場合を除き,冷凍室の五つ又は七つの温度センサは次のように配置する。
− 室の有効天井部から50 mmの位置に二つ(前面及び背面)配置
− 有効底部から測定して1/2×h(室の有効高さ)の位置に配置
− 室の有効底部から50 mmの位置に二つ(前面及び背面)配置
− 冷凍室の有効高さが1 000 mmを超える場合,二つの追加のセンサを有効底部から測定して1/4×h(室
の有効高さ)及び3/4×h(室の有効高さ)の位置に配置
これらの位置は図D.3〜図D.8による。また該当する場合,D.2.4による。
D.2.4 同等の位置及び他の要求事項−全室タイプ
D.2.4.1 一般
全室タイプにおいて,特別な構成又は機能のためのセンサ配置変更及び他の要求事項を,次に示す。
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図D.1〜図D.8に示す位置にセンサを配置することが不可能な場合で,かつ,該当する場合,最初の選
択肢は,図D.9に示すようなミラーイメージを使用する。
ミラーイメージを使用しても温度センサを配置することが不可能な場合,温度センサは同等の結果を得
る(D.2.4.7を満たし)規定の位置に可能な限り近い位置に配置し,その理由を記録する。また,この配置
を試験報告書に記載する。
D.2.4.2 有効高さの計算
室の有効高さ(h)は図D.2に示すように,完全に囲んだ部分幅若しくは全幅の便利機構,又は副室(非
冷凍)を考慮して調整する。有効高さの式を,次に示す。
h=h1−a−b
ここに,
h: 有効高さ
h1: 室の全高さ(部分幅の副室又は便利機構は無視)
a: 有効天井部までの距離
w
w
h
1a
2a×
=
b: 有効底部までの距離
w
w
h
1b
2b×
=
h2a: 天井部の副室又は便利機構の高さ
h2b: 底部の副室又は便利機構の高さ
w: 室の全幅
w1a: 天井部の副室又は便利機構の幅
w1b: 底部の副室又は便利機構の幅
有効高さの調整は,室の天井部又は底部に備える副室若しくは便利機構が,規定の位置の場合にだけ適
用する。
有効高さを求めるとき,仕切り又は棚は無視する。
温度センサを配置するために内側の寸法を求める場合,露出したプレート形冷却器を備え,その冷却器
が高さ,幅又は奥行きの20 %より大きい場合,冷却器は室の壁全体を覆っているとみなす。
注記 プレート形冷却器とは,冷却器を棚,貯蔵空間又は副室と分けて構成していない,室の壁及び
天井に隣接している冷却器である。
側面の空間が40 mm未満の場合,固定した副室又は便利機構は,ライナ又は隣接する物体まで延びてい
るとみなす。
室の幅の80 %より大きな幅を備えた固定した副室又は便利機構は,全幅とみなす。
D.2.4.3 室の奥行き
温度センサは室の前面と背面との中間に配置する。室の前面とは扉ライナである。表面が平たん又は一
直線でない場合,測定点及びその周辺の表面の形状又は位置の等価平均を使用して,有効な前面及び背面
の位置を算出することが望ましい。
注記 ボックス形冷却器はD.2.2参照。奥行きが変化する室はD.2.4.4参照。
D.2.4.4 幅及び奥行きが変化する室
D.2.4.9に規定する便利機構を除き,室の幅又は奥行きが高さによって変化する場合,各温度センサの高
さにおける幅及び奥行きを使用してセンサ位置を決定する。
D.2.4.5 小さい室及び小さい副室
高さ150 mm以下であって,内容積が25 L以下の温度測定が必要な室,副室又は便利機構の場合,二つ
の温度センサを使用する。副室の底部から高さ50 mmの位置に,一つは左前方に,もう一つは右後方に,
d/4及びw/4の位置に配置する[図D.3 a)参照]。
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D.2.4.6 高さが低い室
有効高さ300 mm以下で,かつ,有効高さと有効奥行きとの比率,又は有効高さと有効幅との比率のい
ずれかが0.7未満の非冷凍室,副室又は便利機構の場合には,図D.3 b)に示す配置とする。
有効幅又は有効奥行きが700 mmより大きく,かつ,有効高さと有効奥行きとの比率,又は有効高さと
有効幅との比率のいずれかが0.6未満の場合にも,図D.3 b)に示す配置とする。
有効高さ200 mm以下で,かつ,内容積40 L以下の冷凍室の場合,温度センサは図D.3 b)に示す配置と
する。
注記 比率とは,有効高さを有効奥行きで除した値,又は有効高さを有効幅で除した値をいう。
D.2.4.7 棚以外の内装品との間隔
他に規定する場合を除き,温度センサと全ての内装品,壁又は機構との間隔も25 mm以上とする。間隔
とは,内装品,壁又は機構から最も近い温度センサ(測定用メタル)の外表面までの距離を意味する。
温度センサと全幅でない固定した副室又は便利機構との間隔が25 mm未満の場合,センサは副室又は便
利機構の表面から25 mmの間隔をもち,規定の高さを維持可能な場所に移動する。両側に空間をもつ便利
機構の隣に温度センサを配置する場合,大きい方の空間にセンサを配置する。空間の大きさが等しい場合,
有効高さの中心より上に位置するセンサは左側の空間に,有効高さの中心以下に位置するセンサは右側の
空間にセンサを配置する(図D.1及び図D.2参照)。
ライナ又は隣接する物体までの側面の空間が100 mm以上の場合,温度センサは固定した部分幅の副室
又は便利機構と並べた状態でだけ配置する。
D.2.4.8 棚及び温度センサの配置
棚の位置が調節可能な場合,棚はセンサから最小間隔25 mmに維持して,規定のセンサ位置の真下に配
置する。棚の調節範囲に限りがあり,温度センサから棚の裏表面までの間隔が25 mm未満の場合,この温
度センサは25 mmの間隔をとって棚の上に移動する。
最大の非冷凍室にある一つの棚が温度センサTMP1の下側及びTMP2の上側にあり,一つの棚がTMP2
の下側及びTMP3の上側にある場合,残りの棚は室全体で可能な限り均一に間隔を空ける。扉棚,引出し,
ケース又はバスケットのように特定の位置が定まっているが,位置を変えることのできる部品は,特定の
位置に置くものとするが,温度センサの影響を最小限とするように配置する。
通常使用において,取扱説明書などで特定の位置が定まっていない部品は,全ての試験で取り外す。
温度センサの中心から冷却棚の上側又は下側表面までの間隔が50 mm未満の場合,この温度センサは
50 mmの間隔をとって,該当する冷却棚の上に移動する。
D.2.4.9 便利機構及び温度センサの配置
便利機構が温度センサの配置の妨げになる場合,D.2.4.7の部分幅の室に関する規定及びD.2.4.8の棚に
関する規定を適用する。室内のセンサが便利機構内に位置する場合,便利機構の外側の最も近い位置に移
動する。
D.2.4.10 冷凍室のセンサ及び扉棚
奥行きのある扉棚がセンサTMP12若しくはTMP14の配置の妨げになる,又は取り囲む若しくは空間の間
隔が10 mm未満となる場合,センサの中心線は室の中に最大150 mm移動する。この場合,追加分は50 mm
となる。この要求事項を満たさない場合,センサの中心から壁まで30 mm及びセンサの中心から棚の床ま
で50 mmの間隔を維持して,元の位置に可能な限り近い棚の中に配置する。
D.2.4.11 引出し及びケース内の温度センサの配置
引出し又はケースが,室,副室又は便利機構を構成する場合,温度センサの配置のため,空間の天井部
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は,引出し又はケースを出し入れするとき,引出し又はケース上部の最も低い固定点とする。また,空間
の天井部は,支えることなく,引出し又はケースの中に設置することが可能な,最も背の高い食品の天辺
と同等とする。
温度センサが,引出し,ケース又はその周辺に必要となる場合,センサは引出し又はケース内に配置し,
引出し又はケースはライナの内側とみなす。
引出し及び/又はケースが,室内の全空間又はほとんどの空間を占めている場合,センサはD.2.2又は
D.2.3に従って,該当する場合,引出し又はケース内に配置する。堅固な引出し又はケースの場合,全ての
間隔を維持し(D.2.4.7参照),ケースの底部を棚とみなし(D.2.4.8参照),該当の引出し又はケース内に温
度センサを配置する(D.2.4参照)。
空間が小さくて規定の間隔を確保できない場合,室の天井との間隔を可能な限り小さくして,温度セン
サとケース底面との間隔を25 mmに確保することを優先する。
引出し及びケース内の温度センサの位置は,図D.8を参照する。
D.2.5 便利機構に関する考慮事項
この規格の試験の目的として,便利機構は,副室に適用する温度測定の要求事項を満たす必要はない。
ただし,次に示す合計内容積のいずれかの要求事項を満たさなければならない。
a) 室に固定した便利機構は,室の内容積の25 %を超えてはならない。
b) 室に固定した及び取外し可能な便利機構の合計は,室の内容積の40 %を超えてはならない。
室に固定した便利機構の内容積がこれらの制限を超える場合,上記の便利機構の内容積の要求事項を満
たすまで,次の規定に従って,十分な数の固定した便利機構を副室とみなす。したがって,それに応じて
分類及び試験を行う。
a) 2位置制御も含み個別の温度調節装置を備えた便利機構で寸法の大きい順とする。
b) 個別の温度調節装置を備えていない便利機構で寸法の大きい順とする。
上記の規定で,二つ以上の便利機構の順位が等しい場合,最初に選択する便利機構は,室の温度センサ
を配置する空間の中心から最も離れた便利機構とする。
便利機構の温度調節設定の詳細はB.2.5.3に示す。引出し及び/又はケースが,室内の全空間又はほとん
どの空間を占めている場合,これらは通常,便利機構とはみなさない。
D.3 平均庫内温度の算出
D.3.1 一般
各室ごとに各センサ位置での平均空気温度を求め,これらの温度から庫内温度を求める。
D.3.2 ある期間にわたるセンサの平均温度の算出
ある期間にわたるセンサの平均温度は積分によって求める。試験中,選択した期間について,より頻繁
なサンプリングを使用してもよい。例えば,短期間のイベントは,より高頻度のサンプリングが有効な場
合がある。データを異なるサンプリングレートと組み合わせる必要がある場合,関連するサンプリング期
間に比例して各データポイントに重みを付ける。
1分以下の等しい測定間隔で測定した場合,センサの平均温度は,関連するこれらの温度センサの全測
定値の算術平均とする。
D.3.3 庫内温度の算出
庫内温度は,該当する温度測定期間において求める。
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D.3.4 平均温度の計算
庫内温度は,室内の全温度センサの温度の算術平均とする。
単位 mm
図D.1−温度測定点−プレート形冷却器を備えた又は冷却器のない非冷凍室,
並びに有効高さ及び有効幅の例
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単位 mm
a) 部分幅の容器及び天井部に
チラー室を備えた一般的な例
b) 容器を備えた一般的な例
間隔を確保するため温度センサを再配置
注記1 凡例は,図D.1参照
注記2 複数の便利機構を備えた二つの複雑な例
図D.2−温度測定点−冷蔵室,チラー室及びセラー室−容器及び便利機構を備えた一般的な室の例
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単位 mm
a) 小さい副室(D.2.4.5参照)
b) 高さの低い室(D.2.4.6参照)
図D.3−温度測定点−小さい室及び高さが低い室
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単位 mm
a) タイプ1−圧縮機ステップなし
b) タイプ2−圧縮機ステップあり
図D.4−冷却棚を備えていない,高さ1 000 mm以下の前開き形冷凍室内の温度センサの位置
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単位 mm
a) タイプ1−圧縮機ステップなし
b) タイプ2−圧縮機ステップあり
図D.5−冷却棚を備えていない,高さ1 000 mmより大きい前開き形冷凍室内の温度センサの位置
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単位 mm
a) 冷却棚の間隔がセンサ配置に影響しない
b) 冷却棚の間隔がセンサ配置に影響する
◆ 移動したセンサ位置−
冷却棚の50 mm以内に配置しない。
センサの配置を許可しない
冷却棚の上下50 mm以内の範囲
図D.6−冷却棚を備えた,高さ1 000 mmより大きい前開き形冷凍室内の温度センサの位置
37
C 9801-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
a) タイプ1
b) タイプ2
図D.7−チェスト形冷凍庫内の温度センサの位置
38
C 9801-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
c) タイプ3
d) タイプ4
図D.7−チェスト形冷凍庫内の温度センサの位置(続き)
39
C 9801-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
a) 非冷凍室の引出しにおいて,間隔を維持するためTMP1を再配置した例
b) 冷凍室の引出し又はケース内側の温度センサの位置
c) 冷凍室の上段ケースの高さが75 mm未満のときの天井部の温度センサの配置
注記 室が小さい室,又は高さの低い室に該当する場合,試験点の数,配置はD.2.4.5又はD.2.4.6を参照。例えば,
上記a)が高さの低い室に該当した場合,TMP1は左上前方に配置し,TMP3は右下後方に配置する。
図D.8−引出し及びケース内の温度センサの位置
40
C 9801-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
図D.9−ミラーイメージを適用するときの冷凍室の温度センサの配置
41
C 9801-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書E
(規定)
識別記号の詳細
冷凍室の識別記号の詳細を,図E.1及び図E.2に示す。
単位 mm
寸法は参考とし,相似形であれば寸法を小さくしてもよい。ただし,記号の高さは5 mm以上とする。
図E.1−フォースター室の識別記号の詳細
42
C 9801-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
寸法は参考とし,相似形であれば寸法を小さくしてもよい。ただし,記号の高さは5 mm以上とする。
図E.2−冷凍室の識別記号の詳細(フォースター室を除く。)
43
C 9801-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書F
(参考)
試験報告書に含む事項
この規格の試験報告書は次の事項を含むことが望ましい。
JIS C 9801-2
− 箇条6 貯蔵試験
− 箇条7 冷却能力試験
− 箇条8 冷凍能力試験
− 箇条9 自動製氷能力試験
− 附属書A プルダウン試験
− 附属書B ワイン貯蔵機器及び室の貯蔵試験
− 附属書C 温度上昇試験
− 附属書D 結露試験
JIS C 9801-3
− 消費電力量の算出
− 内容積の算出
− 附属書JA 食品収納スペースの算出
44
C 9801-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書G
(規定)
ワイン貯蔵機器
G.1
目的
この附属書の目的は,ワイン貯蔵機器の用語,定義及び性能を規定する。
G.2
用語,定義及び記号
この附属書では次の用語,定義及び記号を適用する。
G.2.1
ワイン貯蔵室の温度(wine storage compartment temperature)
Twmaは,ワイン貯蔵温度Tw1m,Tw2m及びTw3mの算術平均値。
G.2.2
換気機器(ambient air exchange device)
冷却している室内の空気と周囲空気との交換を可能にする機器。これは製造業者が設定する,自動的に
制御する又は取扱説明書に従い使用者が手動で設定するかのいずれかである。
注記 霜取り水の排水用の穴は,換気機器とはみなさない。
G.3
要求事項
G.3.1 要求温度範囲
ワイン貯蔵機器について,あらかじめ設定した又は取扱説明書に従って手動で設定した貯蔵温度Twimは,
+5 ℃〜+20 ℃の範囲内とする。各室の温度Twmaは+12 ℃以下を提供しなければならない。
注記 +5 ℃〜+20 ℃の範囲は最大許容範囲を示し,目標値ではない。
G.3.2 最大温度変動
貯蔵温度は時間経過に伴って,家庭用冷却機器の気候クラスで規定した各申告周囲温度は,0.5 K未満の
単位で変動しなければならない(箇条4参照)。温度変動の定義はG.7による。
G.3.3 振動
振動が圧縮機からによるものか外部の振動源からによるものかにかかわらず,ワイン貯蔵機器は室への
振動伝達を抑制するように設計する。
G.4
一般試験条件
G.4.1 一般
特に規定する場合を除き,ワイン貯蔵機器にA.3を適用する。
G.4.2 低い周囲温度
規定する室の平均貯蔵温度に近い,又はそれより低い周囲温度での試験において,室を規定する温度に
近づける。このとき,取扱説明書に従って,可能な限り最高温度に設定する。
G.4.3 内装品
棚の位置が調節可能な場合,棚は室内で均等に広げる。
棚,バスケット及び容器は,取扱説明書に指定した位置に配置する。
45
C 9801-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
G.5
内容積の算出
G.5.1 奥行き
保護の目的で固定式カバーが背面に取り付けた冷却器を覆う場合,冷却器の空間の奥行きは,保護カバ
ーの最前部までの平均水平距離とする。
G.5.2 ワイン貯蔵室のボトル収容数の評価
ボトルの定格収容数の評価は,0.75 Lボトル又は図G.1で規定する寸法をもつ同等の代用品を使用する。
注記 ボトルの寸法はNF H35-124:2006-07による。
通常の使用状態での棚などの変形を確認するため,各ボトルが総質量1 200 g±50 gとなるように,水で
ボトルを満たす。
製造業者が示す取外しが可能な部分は,ワイン貯蔵室が熱的及び機械的に正しく機能するために必要な
ものであり,取扱説明書に従って正規の位置に配置する必要がある。ボトルは次の規則に従って,通常使
用でボトルを置くように指定した各空間に並べる。
− 壁,背面及び扉までの間隔は,取扱説明書に従う。
− 取扱説明書がない場合,適切な冷却を保証するために,棚の後部及び扉までの5 mmの間隔を限度と
して考慮する。
− 扉棚のボトルは扉のライナに接触してもよい。
− 保護のため,冷却器を固定手段で覆っている場合,ボトルがその保護手段に触れるまで並べる。
− ボトルは,逆さ及び交互に置いてもよい。
− ボトルは,製造業者が他に示していない場合,側壁に接触してよい。
− ボトルは,水平又は垂直に斜め設置のための固定手段を備えている場合,斜めに置いてもよい。
− 伸縮棚のような可動部品は,負荷をかけた状態であっても,動かせて使用可能な必要がある。
ワイン貯蔵室のボトル収容数の評価用に,ボトル位置を示したボトル負荷配置計画の略図を最終試験報
告書に記載しなければならない。
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C 9801-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
図G.1−ボトル収容数の評価用の標準ボトル
G.6
貯蔵温度の測定
温度Tw1m,Tw2m及びTw3mは,最大表面が水平になるように支持又はつるしたM負荷の幾何学的中心で
測定する。M負荷は,例えば,M負荷と同じ底面寸法の発泡スチロール(EPS)のブロックを使用して支
えてもよい。M負荷は,その他の面に直接接触してはならない。
貯蔵温度の測定では,温度測定点は図G.2に示すとおり,TMPw1,TMPw2及びTMPw3の位置に配置し,
ワイン貯蔵機器の背面内壁と閉じた扉ライナの内側との中間とする。
M負荷は熱伝導表面から25 mm以上離す。M負荷の瞬時温度Tw1,Tw2及びTw3を記録する。
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C 9801-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
温度測定点における温度Tw1m,Tw2m及びTw3mは,60秒以下の等しい間隔で測定した試験期間中のTw1,
Tw2及びTw3の積分時間平均とする。
貯蔵温度Twmaは,温度Tw1m,Tw2m及びTw3mの平均温度であって,その値は算術平均とする。
内装品が規定したTw1,Tw2及びTw3の測定の妨げになる場合,M負荷の幾何学中心が規定した点から25
mm以下となる位置で測定を行う。ワイン貯蔵室の内部配置が図G.2に示す配置に一致しない場合,温度
Tw1,Tw2及びTw3は,規定した位置に可能な限り近い位置で測定する。
換気機器があり,使用者がこれを操作可能な場合,取扱説明書に従って,その機器の通常使用状態に設
定する。
貯蔵温度は,25 ℃の周囲温度及び気候クラスで要求する最低及び最高周囲温度で試験する。各ワイン貯
蔵室温度Twmaは12 ℃以下で測定する。
温度は記録する。
48
C 9801-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
図G.2−温度測定点(負荷)
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C 9801-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注a) 可能な限り低い位置に配置した容器の上の棚
b) d1及びd2=内容積の測定に使用する基準線間の距離
図G.2−温度測定点(負荷)(続き)
一つの扉で閉じ,固定式又は調節可能な仕切りによって,独立した温度調節装置を備えた個別の室に分
割するワイン貯蔵機器は,調節は各室に対して実施する。
z<100 mmの場合TMPw2は使用しない。
hw<300 mmの場合にTMPw2だけを使用する。
G.7
温度変動の算出
温度変動の算出は,25 ℃の周囲温度並びに気候クラスで要求する最低及び最高周囲温度について,温度
Twmaは12 ℃又はこれよりも低い最も近い温度で実施する。
試験はG.6で規定する条件で実施する。
温度変動は各測定点TMPwiで評価する。M負荷の瞬時温度Tw1,Tw2及びTw3を記録する。
振幅は,冷却システムの2回の連続した停止の間の最高瞬時温度と最低瞬時温度との差として規定する。
冷却システムの連続した停止が確認できない場合,4時間の連続期間を考慮する。
全試験期間中,各測定点TMPwiにおける全温度振幅の平均は0.5 K以内とする。
G.8
最終試験報告書
ワイン貯蔵機器の最終試験報告書には次の試験結果を含める。
a) 消費電力量(JIS C 9801-3の箇条6参照)
b) 温度変動(JIS C 9801-2のB.5.2参照)
c) 室のボトル収容数(G.5.2参照)
d) ボトル収容数の評価用に,ボトル位置を示したボトル負荷配置計画の略図
G.9
銘板及び取扱説明書
G.9.1 技術及び商品情報
“この機器はワイン貯蔵専用”であるという情報をワイン貯蔵機器の技術及び製品情報として表示する。
この情報は,特にワイン貯蔵用として設計していないが,この目的で使用してもよい家庭用冷却機器,
及びワイン貯蔵室と他の室タイプとを組み合わせた家庭用冷却機器には適用しない。
G.9.2 取扱説明書
“この機器はワイン貯蔵専用”であるという情報をワイン貯蔵機器の取扱説明書に記載する。
この情報は,特にワイン貯蔵用として設計していないが,この目的で使用してもよい家庭用冷却機器,
及びワイン貯蔵室と他の室タイプとを組み合わせた家庭用冷却機器には適用しない。
申告した最低の気候クラスの温度に近いか,又はそれを超える温度設定が可能な室は,取扱説明書は低
い周囲温度における,最高となる温度設定を指定しなければならない。
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C 9801-1:2015
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参考文献
JIS C 9335-1 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第1部:通則
注記 対応国際規格:IEC 60335-1:2010,Household and similar electrical appliances−Safety−Part 1:
General requirements(MOD)
JIS C 9335-2-24 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第2-24部:冷却用機器,アイスクリーム
機器及び製氷機の個別要求事項
注記 対応国際規格:IEC 60335-2-24:2010,Household and similar electrical appliances−Safety−Part
2-24: Particular requirements for refrigerating appliances, ice-cream appliances and ice makers
(MOD)
JIS C 9607 電気冷蔵庫及び電気冷凍庫
IEC 60704-2-14,Household and similar electrical appliances−Test code for the determination of airborne
acoustical noise−Part 2-14: Particular requirements for refrigerators, frozen-food storage cabinets and food
freezers
IEC 82079-1,Preparation of instructions for use−Structuring, content and presentation−Part 1: General
principles and detailed requirements
ISO/IEC Guide 98-3:2008,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of uncertainty in
measurement (GUM:1995)
ISO 3055:1985,Kitchen equipment−Coordinating sizes
ISO 5149:1993,Mechanical refrigerating systems used for cooling and heating−Safety requirements
ISO 7000:2004,Graphical symbols for use on equipment−Index and synopsis
EN 153,Methods of measuring the energy consumption of electric mains operated household refrigerators, frozen
food storage cabinets, food freezers and their combinations, together with associated characteristics
AFNOR H35-124:2006-07,Bottling industry−Glass bottles−“Bordeaux traditional” 75 cl bottle
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C 9801-1:2015
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS C 9801-1:2015 家庭用電気冷蔵庫及び電気冷凍庫の特性及び試験方法−第1
部:一般要求事項
IEC 62552-1:2015,Household refrigerating appliances−Characteristics and test methods
−Part 1: General requirements
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1
適用範囲
1
JISとほぼ同じ 追加
測定方法が異なる。
製品規格であるJIS C 9607の騒音
測定方法に準拠した。
3.3.1
室
3.3.1
JISとほぼ同じ 追加
独立した扉を備える空間の扱いを明確にし
た。
壁で囲っていない空間に対する定
義を明確にした。
3.3.15
非冷凍室
3.3.15
JISとほぼ同じ 変更
貯氷室の定義から,貯氷室は冷凍室に分類で
きる。貯氷室を非冷凍室とする注記は誤解を
生むため,注記から貯氷室を削除した。
貯氷室を非冷凍室とする内容は不
適切。内容を明確にするとともに
IECへ修正提案している。
3.3.16.3
スリースター室
3.3.16.3 JISとほぼ同じ 追加
注記を追加
フォースター室にだけ注記がある
ため,誤解のないようにスリース
ター室にもツースター区画が存在
できることを明記した。
3.4.3
外形寸法
3.4.3
JISとほぼ同じ 変更
奥行きの規定を変更した。
家庭用品品質表示法に準拠した。
3.4.6A
定格内容積
−
−
追加
国際規格にはない定格内容積の定義を追加
家庭用品品質表示法に準拠した。
3.4.6B
冷凍室の内容積
−
−
追加
国際規格にはない冷凍室の内容積の定義を
追加
家庭用品品質表示法に準拠した。
3.4.6C
冷蔵室の内容積
−
−
追加
国際規格にはない冷蔵室の内容積の定義を
追加
家庭用品品質表示法に準拠した。
3.4.6D
食品収納スペース
−
−
追加
食品収納スペースの定義を追加した。
食品収納スペースの算出方法を明
確にした。
4
気候クラス
4
JISとほぼ同じ 変更
気候クラスをNに限定した。
国際規格では,気候クラスを選択
することになっているが,我が国
は温帯であるため,我が国の気候
クラスとしてNを採用した。
3
C
9
8
0
1
-1
:
2
0
1
5
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(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5.1 c)
定格の情報
5.1 c)
JISとほぼ同じ 変更
全体内容積を記載することになっているが,
我が国の要求事項に沿った内容に変更した。
家庭用品品質表示法に準拠するた
め,全定格内容積並びに冷凍室及
び冷蔵室の定格内容積に変更し
た。
5.1
定格の情報
5.1
JISとほぼ同じ 追加
5.3Aにその他の表示を追加したため,明確
化のために5.3Aによるを追加した。
明確化のために追加した。
5.3A
その他の表示
−
−
追加
製造業者による宣言値などの追加情報を
IECでは記載することになっていないが,
JISでは本体又は取扱説明書に表示する。
消費電力量を算出するための情報
として必要であるため,表示方法
を追加した。
6.2
寸法の決定
6.2
JISとほぼ同じ 変更
外形寸法の測定箇所を明確にした。
家庭用品品質表示法に準拠した。
附属書A
A.2.6
温度
A.2.6
JISとほぼ同じ 変更
温度測定の拡張不確かさを0.5 K以下から
1.0 K以下とした。
国際規格では拡張不確かさは0.5
K以下となっているが数値的根拠
が示されていない。そこで,現行
熱電対を使用した拡張不確かさを
検証した結果0.8 Kを得たため,
我が国は1.0 K以下とした。
A.3.6
湿度
A.3.6
JISとほぼ同じ 追加
消費電力量試験をする場合の湿度条件を追
加した。
試験室の湿度を日本の環境条件に
合わせた。
A.4.2
木台
A.4.2
JISとほぼ同じ 変更
冷却機器を載せる木台の前面は冷却機器よ
り0.05 m以上突き出すこととした。
木台の前面は試験に影響を及ぼさ
ないため,前面から突き出す寸法
を変更した。
A.4.4
側面壁
A.4.4
JISとほぼ同じ 変更
消費電力量を算出する場合,側面壁の固定方
法及び奥行き寸法を明確にした。
使用実態を考慮し,固定方法及び
奥行き寸法を変更した。
A.4.5
センサの位置
A.4.5
JISとほぼ同じ 変更
消費電力量を算出する場合の,周囲温度セン
サ,側面壁及び冷却機器の位置関係を明確に
した。
我が国では,消費電力量を算出す
る場合,側面壁を冷却機器の側面
から0.05 m離して木台に固定する
ため,周囲温度センサが冷却機器
側面からの排熱による影響を受け
ないようにした。
3
C
9
8
0
1
-1
:
2
0
1
5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
53
C 9801-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
附属書B
B.2.5.2
切替室
B.2.5.2
JISとほぼ同じ 追加
“ただし,切替室が,冷凍室及び非冷凍室(最
大の消費電力量となる室)に切替可能なと
き,消費電力量試験では,切替室が冷凍室の
場合及び非冷凍室(最大の消費電力量となる
室)の場合の二通りの温度設定で測定する。”
家庭用品品質表示法に準拠した。
B.2.5.3
使用者が調節可能な機
能
B.2.5.3
JISとほぼ同じ 変更
使用者が操作するスイッチを備えている場
合の設定を明確にした。
使用実態を考慮し,製造業者の出
荷状態とした。
附属書F
試験報告書に含む事項
附属書
F
JISとほぼ同じ 追加
JIS C 9801-3の食品収納スペースの算出を
試験報告書に含むことを追加した。
内容積とは異なる冷却機器の使用
実態を考慮した食品収納スペース
の算出方法を明記した,JIS C
9801-3 附属書JAを追加した。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 62552-1:2015,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
3
C
9
8
0
1
-1
:
2
0
1
5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。