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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 9609-1990 

電気ミキサ・電気ジューサ 

Electric blenders and electric juicers for household use 

1. 適用範囲 この規格は,電動機を用いた定格消費電力500W以下の家庭用の電気ミキサ(以下,ミキ

サという。),電気ジューサ(以下,ジューサという。)及び電気ジューサ・ミキサ(以下,ジューサ・ミキ

サという。)について規定する。 

なお,ミキサにおいては定格容量が1500ml未満のものとする。 

備考1. ジューサ・ミキサのミキサ部分はミキサ,ジューサ部分はジューサの規定を適用する。 

2. フッドミキサ,コーヒーミルなどは,この規格の適用外とする。 

3. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS A 9511 ポリスチレンフォーム保温材 

JIS C 1502 普通騒音計 

JIS C 3306 ビニルコード 

JIS C 8303 配線用差込接続器 

JIS C 8304 屋内用小形スイッチ類 

JIS K 2240 液化石油ガス(LPガス) 

JIS K 5400 塗料一般試験方法 

JIS K 7202 プラスチックのロックウェル硬さ試験方法 

JIS S 6006 鉛筆及び色鉛筆 

JIS Z 8731 騒音レベル測定方法 

JIS Z 8801 標準ふるい 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。 

(1) ミキサ カッタ(刃)が容器内に取り付けられていて,主として果実類と水などを回転するカッタで

粉砕,かくはん,混合する機能をもつもの。 

(2) ジューサ カッタと遠心分離かごが容器内に取り付けられていて,主として水分の多い果実類を回転

するカッタによってすりおろし,遠心分離かごによってジュースを分離する機能をもつもの。 

(3) ジューサ・ミキサ ミキサ及びジューサの機能をもつもの。 

備考 以下この規格において上記ミキサの機能をもつ部分をミキサ,ジューサの機能をもつ部分をジ

ューサという。 

(4) ジュース絞り率 ジューサにおいて,投入材料の含水量に対して採取したジュースの量の割合。 

(5) 定格容量 ミキサにおいて,製造業者によって機器に表示された容器の容量。 

3. 種類 種類は,次の3種類とする。これらの一例を図1に示す。 

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C 9609-1990  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(1) ミキサ 

(2) ジューサ 

(3) ジューサ・ミキサ 

図1 種類 

4. 定格電圧及び定格周波数 定格電圧は単相交流100V,定格周波数は50Hz,60Hz又は50Hz/60Hz共用

とする。 

5. 定格消費電力 定格消費電力は,定格周波数の定格電圧を加え,標準測定状態における消費電力であ

って製造業者によって機器に表示されたものとする。 

6. 標準測定状態 標準測定状態は,次のとおりとする。 

(1) ミキサの標準測定状態は,約20℃の水を表示された定格容量 (ml) だけ容器に入れてふたをして運転

した状態をいう。 

なお,速度調整装置をもつものは,ミキサ使用の最高速度の位置で運転する。 

(2) ジューサの標準測定状態は,JIS A 9511に規定するA類保温板3号で,縦が25mm,横が30mm,長

さが200mmのものを2時間水中に浸した後取り出し,これを食品投入口に入れ,荷重8Nの圧力をか

けて運転した状態をいう。 

なお,速度調整装置をもつものは,ジューサ使用の最高速度の位置で運転する。 

7. 性能 

7.1 

始動 始動は,10.2によって試験を行ったとき,電動機の回転子の位置に関係なく始動しなければ

ならない。 

7.2 

電圧変動 電圧変動は,10.3によって試験を行ったとき,支障なく運転が継続できなければならな

い。 

7.3 

消費電力 消費電力の許容差は,10.4によって試験を行ったとき,定格消費電力に対してミキサで

は表1の値に適合しなければならない。 

また,ジューサでは+20%以下でなければならない。 

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表1 消費電力の許容差 

定格消費電力 

許容差 

10を超え30以下 

±25 

30を超え100以下 

±20 

100を超え500以下 

±15 

7.4 

温度 各部の温度は,10.5によって試験を行ったとき,表2の値以下でなければならない。 

表2 温度 

単位℃ 

測定箇所 

温度 

巻線 

A種絶縁のもの 

100 

E種絶縁のもの 

115 

B種絶縁のもの 

125 (120)  

F種絶縁のもの 

150 (140)  

H種絶縁のもの 

170 (165)  

整流体 

セレン製のもの 

75 

ゲルマニウム製のもの 

60 

シリコン製のもの 

135 

持ち運び用の取っ手(使用中に人が

操作するものを除く。) 

金属製のもの,陶磁器製のもの及

びガラス製のもの 

65 

その他のもの 

80 

使用中に人が操作する取っ手 

金属製のもの,陶磁器製のもの及

びガラス製のもの 

55 

その他のもの 

70 

スイッチなどのつまみ及び押しボタン 

金属製のもの,陶磁器製のもの及

びガラス製のもの 

60 

その他のもの 

75 

外郭 

65 

コード巻取機構内部の電線各層の表面 

天然ゴム混合物,ポリウレタンゴ

ム混合物,塩化ビニル混合物 

60 

クロロプレンゴム混合物 

75 

スチレンブタジエンゴム混合物 

耐熱塩化ビニル混合物 

ポリエチレン混合物 

ブチルゴム混合物 

80 

エチレンプロピレンゴム混合物 

クロロスルホン化ポリエチレンゴム 

90 

混合物 

架橋ポリエチレン混合物 

けい素ゴム混合物 

四ふっ化エチレン樹脂混合物 

備考1. 括弧内の数値は,電動機の巻線に適用する。 

2. 基準周囲温度は,30℃とする。 

7.5 

絶縁 

7.5.1 

絶縁抵抗 絶縁抵抗は,10.6(1)によって試験を行ったとき,1MΩ以上でなければならない。 

7.5.2 

耐電圧 耐電圧は,10.6の(2)によって試験を行ったとき,これに耐えなければならない。 

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7.5.3 

いっ(溢)水絶縁 いっ(溢)水絶縁は,ミキサにおいて容器の取外しができないものは,10.6

の(3)によって試験を行ったとき,絶縁抵抗は1MΩ以上でなければならない。 

7.6 

耐過速度性能 耐過速度性能は,10.7によって試験を行ったとき,各部に異常があってはならない。 

7.7 

スイッチ スイッチは,次の各項に適合しなければならない。 

(1) 開閉は,10.8.1によって試験を行ったとき,各部に支障のないこと。 

(2) 温度は,最大負荷電流が1A以上のものにあっては,10.8.2によって試験を行ったとき,接触子の温度

が表3の値以下であること。 

表3 接触子の温度 

単位℃

接触子の材料 

温度 

銅又は銅合金 

70 

銀又は銀合金 

95 

備考 基準周囲温度は,30℃とする。

7.8 

コードの折曲げ コードの折曲げは,コードを器体に直付けするものにあっては10.9.1及び10.9.2,

その他のものにあっては10.9.2によって試験を行ったときコードの短絡及びその他の危険を生じてはなら

ない。 

また,コードの素線の断線率は,20%以下でなければならない。 

7.9 

コードの巻取り コードの巻取機構をもつものにあっては,10.10によって試験を行ったとき,コー

ドの短絡及びその他の危険を生じることがなく,また,コードの素線の断線率は20%以下であり,かつ,

また,コードの巻取機構に実用上支障がないこと。 

7.10 機械的強度 機械的強度は,10.11によって試験を行ったとき,次に適合しなければならない。 

(1) 充電部が露出しないこと。ただし,試験後に付図1に示す試験指に10Nの力を加えて,開口部から押

し込んだとき,充電部に接触しないものはこの限りでない。 

(2) 電源に接続したとき,火災,感電の危険が生じるおそれがないこと。 

(3) 直流500ボルト絶縁抵抗計によって測定した充電部と地絡するおそれがある非充電金属部との間の絶

縁抵抗は0.1MΩ以上であること。 

7.11 切削性能 ミキサの切削性能は,10.12によって試験を行ったとき,ふるいの上にりんごの果実が残

ってはならない。 

7.12 容量 ミキサの容器の容量は,10.13によって試験を行ったとき,測定した水の量と定格容量との差

が,定格容量に対して±10%でなければならない。 

7.13 ジュース絞り性能 ジューサのジュース絞り性能は,10.14によって試験を行ったとき,ジュースの

絞り率は80%以上でなければならない。 

7.14 耐久性 耐久性は,次の各項に適合しなければならない。 

(1) ミキサは10.15(1),ジューサは10.15(2),ジューサ・ミキサは10.15(3)によって試験を行ったとき,各

部に緩みなど実用上及び安全上の支障がないこと。 

(2) 10.15(4)によって試験を行ったとき,これに耐えること。 

7.15 騒音 騒音は,10.16によって試験を行ったとき,2か所の測定値の平均がミキサは78dB以下,ジ

ューサは75dB以下でなければならない。 

7.16 安定性 安定性は,10.17によって試験を行ったとき,転倒してはならない。 

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8. 構造 

8.1 

構造一般 構造は,次の各項に適合しなければならない。 

(1) 通常の使用状態において危険が生じるおそれがないものであって,形状が正しく,組立てが良好で,

かつ,動作が円滑であること。 

(2) 各部の仕上がりは良好で,容易に腐食又はさびを生じることのない構造であること。 

(3) 食品に接する部分は,掃除のできる構造であること。 

(4) 通常の使用状態において充電部に水がかからない構造であること。 

(5) 各部は容易に機械的又は電気的な故障を起こさず,危険を生じない構造であること。 

(6) 次の各項の試験を行ったとき,感電,火災の危険を生じるおそれがあるものは,過負荷保護装置(温

度ヒューズを含む。)を取り付けてあること。ただし,危険を生じるおそれがないものにあっては,こ

の限りではない。 

この場合,過負荷保護装置は,通常の使用状態において動作しないこと。 

備考 危険を生じるおそれがないとは,直流500ボルト絶縁抵抗計によって測定した充電部と器体の

表面との間の絶縁抵抗は,0.1MΩ以上であり,試験中において,木台が燃焼するおそれがなく,

機器に発火,著しい発煙などの異常が生じることなく,付図1に示す試験指が接触する充電部

が露出せず,かつ,試験後において熱電温度計法によって測定した機器の外郭の温度は,150℃

以下であることをいう。 

(6.1) 試験品を厚さが10mm以上の平らな木台の上に置き,電動機の回転子を拘束した状態で定格周波数

の定格電圧を連続して30秒間試験品に加える。 

(6.2) 短時間定格の機器にあっては,試験品を厚さが10mm以上の平らな木台の上に置き,10.5の温度試

験に示す条件において,定格時間のいかんにかかわらず,定格周波数の定格電圧に等しい電圧を各

部の温度がほぼ一定となるまで(温度ヒューズ又は温度過昇防止装置として使用する自動スイッチ

が動作したときは,その時まで)連続して加えること。ただし,次に掲げるものは,この限りでは

ない。 

(a) 手持ち形のもの 

(b) 手動によってスイッチを入の状態に保持しなければならないもの 

(c) 手動によって連続的に負荷をかけるもの 

(d) タイムスイッチ付きのもの 

(7) スイッチのあるものは,その開閉操作又は開閉状態を文字,記号又は色によって見やすい箇所に表示

すること。ただし,表示することが困難なものにあっては,この限りではない。 

(8) ミキサの容器には定格容量を示す目盛が付けてあること。 

(9) 使用中著しい振動がなく,安全に運転できること。 

(10) 電動機は通常の運転状態において整流子とブラシとの間に著しく火花を発生しないこと。 

(11) 遠心分離かごその他の回転部の取外しができる構造のものは,容易に,かつ,確実に取付け及び取外

しができること。 

(12) ミキサは,容器に定格容量の目盛まで水を入れてふたをして1分間運転したとき,水があふれないこ

と。 

(13) ミキサは,容器内に定格容量以下の水(最低量はカッタが隠れるまでの量)を入れて表7の方法で運

転したとき,各部に異常を生じないこと。 

(14) コンデンサ,半導体素子,抵抗器などをもつ回路は,次の試験を行ったとき,その回路に接続された

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部品が燃焼しないこと。ただし,当該回路に接続されている一つの部品が燃焼した場合,他の部品が

燃焼するおそれがないものは,この限りではない。 

(a) 整流後の回路などに使用されているコンデンサ,半導体素子,変圧器,コイルその他これらに類す

るものは,端子相互間を短絡し又は開放すること。 

(b) 半導体素子(正特性サーミスタを除く。)にあっては,端子相互間を短絡し又は開放すること。 

(c) 抵抗器及び正特性サーミスタにあっては,端子間を開放すること。 

(d) (a), (b)及び(c)の試験において短絡又は開放したとき直流500ボルト絶縁抵抗計によって測定した充

電部と器体の表面との間の絶縁抵抗は,0.1MΩ以上であること。ただし,対地電圧及び線間電圧が

交流にあっては30V以下,直流にあっては45V以下の充電部並びに1kΩの抵抗を大地との間及び線

間に接続した場合に当該抵抗に流れる電流が1mA以下(商用周波数以上の周波数において,感電の

危険が生じるおそれがない場合は,1mA以下であることを要しない。)の充電部との絶縁抵抗にあ

っては,この限りではない。 

(15) 合成樹脂製の外郭(透光性又は透視性を必要とするもの,及び機能上可とう性,機械的強度などを必

要とするものを除く。)をもつものは,その外郭の外面の9cm2以上の正方形の平面部分(外郭に9cm2

以上の正方形の平面部分をもたないものは原厚のまま,一辺の長さが3cmの正方形に切り取った試験

片)を水平面に対して約45度に傾斜させた状態に置いて当該平面部分の中央部に,JIS K 2240で定め

る1種1号のガス又はこれと同等のガスをノズルの内径が0.5mmのガスバーナの空気口を閉じた状態

で燃焼させた長さ約20mmの炎の先端を垂直下から5秒間当て,炎を取り去ったとき,燃焼しないも

のであること。 

(16) 外郭として用いる絶縁物並びに器体の外面に露出している表示灯,ヒューズホルダ,その他これらに

類するもの及びそれらの保護カバーは,JIS K 7202に規定するロックウェル硬さHRR100の硬さに表

面をポリアミド加工した半径が10mmの球面をもつ質量が250gのおもりを20cmの高さから垂直に1

回落としたとき,又は付図2に示す衝撃試験機で0.5±0.05N・mの衝撃力を1回加えたとき,感電,火

災などの危険が生じるおそれがあるひび,割れ,その他の異常が生じないこと。ただし,器体の外面

に露出している表示灯,ヒューズホルダ,その他これらに類するもの,及びそれらの保護カバーであ

って,表面積が4cm2以下であり,かつ,器体の外郭の表面から10mm以上突出していないものは,こ

の限りではない。 

(17) 雑音の強さは,次に適合すること。この場合,ミキサは標準測定状態,ジューサは無負荷の状態とし,

定格周波数の定格電圧で運転する。 

(a) 雑音電力は,吸収クランプで測定したとき,周波数が30MHz以上300MHz以下の範囲において,

55dB以下であること。この場合において,デシベル (dB) は1pWを0dBとして算出した値とする。 

(b) 雑音端子電圧は,1線対地間を測定した場合,表4に掲げる値以下であること。この場合において,

デシベル (dB) は1μVを0dBとして算出した値とする。 

表4 雑音端子電圧 

周波数範囲 

雑音端子電圧 

dB 

526.5kHz以上5MHz以下 

56 

5MHzを超え30MHz以下 

60 

8.2 

充電部 充電部には,次の各項に適合しなければならない。 

(1) 充電部には,容易に取り外すことができる部分を取り外した状態で付図1の試験指が触れないこと。

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この場合,試験指に加える力は,底面は10N,外面及び開口部は30Nとする。 

(2) 極性が異なる充電部相互間,充電部と地絡するおそれがある非充電金属部との間及び充電部と人が触

れるおそれがある非金属部の表面との間の空間距離(沿面距離を含む。)は,器体の部分ごとにそれぞ

れ表5に適合すること。この場合において空間距離の測定は,器体の外面は30N,器体の内部は2N

の力をその距離が最も小さくなるように加えて行うものとする。ただし,整流後の回路などの構造上

やむを得ない部分であって,次の試験を行ったとき,これに適合する部分は,この限りではない。 

(2.1) 極性が異なる充電部相互間を短絡した場合,短絡回路に接続された部品が燃焼しないこと。ただし,

当該回路に接続されている一つの部品が燃焼した場合,他の部品が燃焼するおそれがないものは,

この限りではない。 

(2.2) 極性が異なる充電部相互間又は充電部と人が触れるおそれがある非充電金属部との間を接続した場

合,その非充電金属部又は露出する充電部が次のいずれかに適合すること。 

(a) 対地電圧及び線間電圧は,交流では30V以下,直流では45V以下であること。 

(b) 1kΩの抵抗を大地との間及び線間並びに非充電金属部と充電部との間に接続したとき,当該抵抗に

流れる電流は,商用周波数以上の周波数において感電の危険が生じるおそれがない場合を除き,1mA

以下であること。 

(2.3) (2.1)の試験の後に直流500ボルト絶縁抵抗計によって測定した充電部[対地電圧及び線間電圧が交

流では30V以下,直流では45V以下のもの,並びに1kΩの抵抗を大地との間及び線間に接続したと

き,いずれの場合にも当該抵抗に流れる電流が1mA以下(商用周波数以上の周波数において感電の

危険が生じるおそれがない場合は,1mA以下であることを要しない。)のものを除く。]と器体の表

面との間の絶縁抵抗は,0.1MΩ以上であること。 

表5 空間距離(沿面距離を含む。) 

単位mm 

器体の部分 

線間電圧又は対地電圧 

50V以下のもの 

50Vを超え 

150V以下のもの 

電源電線の

取付部 

製造業者が接続する端子部間 

− 

3.0 

製造業者が接続する端子部と地絡するおそれが

ある非充電金属部又は人が触れるおそれがある

非金属部の表面との間 

− 

2.5 

その他の部分 

極性が異なる充電

部間 

固定している部分であっ

て,じんあいが侵入しにく

く,かつ,金属粉が付着し

にくい箇所 

1.2 (1.0)  

1.5 (1.5)  

その他の箇所 

1.5 (1.2)  

2.5 (2.0)  

充電部と地絡する

おそれがある非充

電金属部又は人が

触れるおそれがあ

る非金属部の表面

との間 

固定している部分であっ

て,じんあいが侵入しにく

く,かつ,金属粉が付着し

にくい箇所 

1.2 (1.0) 

1.5 (1.5)  

その他の箇所 

1.2 (1.0)  

2.0 (1.5)  

電動機整流子(充電部)と非充電金属部間 

− 

1.6 

備考 括弧内の数値は,附属コンデンサの外部端子の空間距離に適用する。 

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(3) 充電部相互又は充電部と非充電部との接続部分は,通常の使用状態において緩みが生じず,かつ,温

度に耐えること。 

8.3 

電気絶縁物 絶縁物の厚さは,次の各項目に適合しなければならない。 

(1) 器体の外郭の材料が絶縁体を兼ねる場合にあっては,器体に組み込まれる部分を除き,絶縁物の厚さ

は,0.8mm(人が触れるおそれがないものにあっては,0.5mm)以上であって,かつ,ピンホールの

ないものであること。ただし,質量が250gで,JIS K 7202に規定するロックウェル硬さHRR100の

硬さに表面をポリアミド加工した半径が10mmの球面をもつおもりを20cmの高さから垂直に3回落

としたとき,又は付図2に示す衝撃試験機で0.5±0.05N・mの衝撃力を3回加えたとき,感電,火災な

どの危険が生じるおそれがあるひび,割れ,その他の異常が生じないものであって,かつ,ピンホー

ルのないものにあっては,この限りではない。 

(2) (1)以外のものであって外傷を受けるおそれがある部分に用いる絶縁物(8.2の規定に適合するために

使用するものに限る。以下8.3において同じ。)の厚さは,0.3mm以上であって,かつ,ピンホールの

ないものであること。ただし,次の(a)及び(b)の試験を行ったときこれに適合するものであって,かつ,

ピンホールのないものであっては,この限りではない。 

(a) 次の表6の左欄に掲げる絶縁物が使用される電圧の区分ごとにそれぞれ同表の右欄に掲げる交流電

圧を加えたとき,1分間これに耐えること。 

表6 絶縁物の耐電圧値 

単位V 

絶縁物が使用され

る電圧の区分 

交流電圧 

30以下 

500 

30を超え150以下 

1 000 

(b) JIS K 5400の8.4.1(試験機法)によって鉛筆引っかき試験を行ったとき,絶縁物の破れが試験板に

届かないこと。この場合において,鉛筆引っかき値はJIS S 6006に規定する濃度記号が8Hのもの

とする。 

(3) (1)以外のものであって外傷を受けるおそれがない部分に用いる絶縁物(電動機のコイル部とコイルの

立ち上がり引出線との間の部分を除く。)は,(2)(a)の試験を行ったときこれに適合するものであって,

かつ,ピンホールのないものであること。ただし,絶縁物の厚さが0.3mm以上であって,かつ,ピン

ホールのないものにあっては,この限りではない。 

8.4 

配線 配線は,次の各項に適合しなければならない。 

(1) コード,口出線,器具間を接続する電線及び機能上やむを得ず器体の外部に露出する電線(以下,電

源電線などという。)の貫通孔は,保護スプリング,保護ブッシングその他の適当な保護装置を使用し

てある場合を除き,電源電線などを損傷するおそれがないように面取りその他の適当な保護加工をし

てあること。ただし,貫通部が金属以外のもので,その部分が滑らかであり,かつ,電源電線などを

損傷するおそれがないものは,この限りではない。 

(2) 電源電線などは,器体の外方に向かって器体の自重の3倍の値(器体の自重の3倍の値が10kgを超え

るものは100N,器体の自重の3倍が3kg未満のものは30N)の張力を連続して15秒間加えたとき,

及び器体の内部に向かって電源電線などの器体側から5cmの箇所を保持して押し込んだとき,電源電

線などと内部端子との接続部に張力が加わらず,かつ,ブッシングが外れるおそれがないこと。 

(3) 器体の内部の配線は,次に適合すること。 

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(a) 2Nの力を電線に加えた場合に高温部に接触するおそれがあるものは,接触したときに異常が生じる

おそれがないこと。 

(b) 2Nの力を電線に加えたときに可動部に接触するおそれがないこと。ただし,危険が生じるおそれが

ない場合は,この限りではない。 

(c) 被覆をもつ電線を固定する場合,貫通孔を通す場合又は2Nの力を電線に加えたときに他の部分に

接触する場合は,被覆を損傷しないようにすること。ただし,危険が生じるおそれがない場合は,

この限りではない。 

(d) 接続器によって接続したものは,5Nの力を接続した部分に加えたとき外れないこと。ただし,2N

以上5N未満の力を加えて外れた場合に危険の生じるおそれがないものは,この限りではない。 

(4) 電線の取付部は,次の各項に適合すること。 

(a) 電線を確実に取り付けることができる構造であること。 

(b) 2本以上の電線を一つの取付部に締め付ける場合は,それぞれの電線の間にナット又は座金を用い

てあること。ただし,圧着端子その他の器具によって確実に取り付けることができるものは,この

限りではない。 

(c) コード取付端子のねじは,コード以外のものの取付けに兼用しないこと。ただし,コードを取り付

け又は取り外した場合に,コード以外のものが脱落するおそれがないものは,この限りではない。 

8.5 

部品 

8.5.1 

コード コードは,JIS C 3306に規定するビニルコード又はこれと同等以上のものとし,その公称

断面積は0.75mm2以上,長さ(有効長)は1.4m以上でなければならない。 

8.5.2 

差込接続器 コードに接続する差込接続器は,JIS C 8303に適合するもの,又はこれと同等以上の

ものでなければならない。 

8.5.3 

コード巻取機構 コード巻取機構をもつものは,コードの有効長さの所に赤色の印を設けなければ

ならない。 

8.5.4 

スイッチ 電動機の始動,停止に用いるスイッチは,7.7の性能を満足しなければならない。 

なお,電動機の始動,停止用以外のスイッチは,JIS C 8304に規定するもの,又はこれと同等以上のも

のでなければならない。 

9. 材料 材料は,次の各項に適合しなければならない。 

(1) 器体の材料は,通常の使用状態における温度に耐えること。 

(2) 主要部品は,金属その他の適当な材料で作られ,耐久性が大きいこと。 

(3) 電気絶縁物及び熱絶縁物は,これに接触又は近接する部分の温度に十分に耐え,かつ,吸湿性の少な

いものであること。ただし,吸湿性の熱絶縁物であって,通常の使用状態において危険が生じるおそ

れがないものは,この限りではない。 

(4) 器体の材料は,ニトロセルロース系セルロイドその他これに類する可燃性物質でないこと。 

(5) アークが達するおそれがある部分に使用する電気絶縁物は,アークによって有害な変形及び有害な絶

縁低下などの変質が生じないものであること。 

(6) 鉄及び鋼(ステンレス鋼を除く。)には,めっき,塗装,油焼きその他の適当なさび止めを施してある

こと。ただし,酸化することによって危険が生じるおそれがない部分に使用するものは,この限りで

はない。 

(7) 導電材料は,次に適合すること。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(a) 刃及び刃受けの部にあっては,銅又は銅合金であること。 

(b) 導電材料であって(a)以外の部分にあっては,銅,銅合金,ステンレス鋼,又はこれらと同等以上の

電気的,熱的,及び機械的な安定性をもつものであること。ただし,弾性を必要とする部分,その

他構造上やむを得ない部分に使用するもので,危険を生じるおそれがないときは,この限りではな

い。 

(8) 電源電線用の端子ねじの材料は,銅,銅合金又はステンレス鋼であること。 

(9) 食品に接する部分の材料は,衛生上有害な化学的変化を起こし,又は有害な物質が溶出するおそれが

ないものであること。 

(10) 容器及び容器内の金属部の材料は,有機酸に対して容易に腐食しないこと。 

(11) 器体の部品にはポリ塩化ビフェニールを含有したものを使用しないこと。 

10. 試験方法 

10.1 構造試験 構造試験は,8.及び13.について調べる。 

10.2 始動試験 始動試験は,速度調整装置をミキサ及びジューサそれぞれの最低速度の位置に設定して,

次の状態で定格周波数の90Vの試験電圧を加える。 

(1) ミキサ使用では標準測定状態の負荷。 

(2) ジューサ使用では,ポリスチレンフォーム保温材を投入しないで運転する状態(以下,無負荷運転と

いう。)。 

10.3 電圧変動試験 電圧変動試験は,定格周波数の定格電圧で,標準測定状態で運転させ,電圧を110V

まで上げ,次に90Vまで下げて試験を行う。この場合,速度調整装置のあるものは,最高速度の位置に設

定して,それぞれの試験を行う。 

10.4 消費電力試験 定格周波数の定格電圧を加え,次によって消費電力を測定する。 

(1) ミキサは,標準測定状態で表7に示す運転方法によって運転したときの消費電力を測定する。 

(2) ジューサは,標準測定状態で消費電力の値がほぼ一定となったとき(短時間定格のものは,その表示

された時間に等しい時間が経過したとき。)の消費電力を測定する。 

10.5 温度試験 温度試験は,定格周波数の定格電圧を加え,次によって温度を測定する。なお,電動機

の巻線にあっては抵抗法によって,その他の箇所は熱電温度計法による。 

(1) ミキサは標準測定状態で表7に示す運転方法によって運転し測定する。この場合,速度調整装置のあ

るものは,最高速度及び最低速度の位置に設定して,それぞれの試験を行う。 

(2) ジューサは,標準測定状態でポリスチレンフォーム保温材を切削し,かす容器がほぼ一杯になったと

き停止してかすを捨てる。この際の停止時間は30秒とし,この操作を温度がほぼ一定になるまで繰り

返したとき(短時間定格のものは,その表示された時間に等しい時間経過するまで切削したとき。)の

温度を測定する。 

なお,標準測定状態におけるポリスチレンフォーム保温材が入らない投入口をもつものは,ポリス

チレンフォーム保温材を投入口に無理なく入る最大の大きさ(断面は長方形とする。)に切って試験を

行う。 

また,ジューサ使用で速度調整装置のあるものは,最高速度及び最低速度の位置に設定して,それ

ぞれの試験を行う。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表7 運転方法 

区分 

運転方法 

連続定格のもの 

4分間運転し,2分間停止する操作を,各部の温度

が,ほぼ一定となるまで繰り返す。 

短時間定格のもの 

4分間運転し,2分間停止する操作を,表示された

定格時間を5分又はその端数ごとに1回の割合で

算出した回数繰り返す。 

備考1. 運転を停止するごとに,水を取り替えなければならな

い。 

2. 消費電力の測定のときは,連続定格の運転方法は“温

度上昇が,ほぼ一定となるまで”を“消費電力が,ほ
ぼ一定となるまで”と読み替える。 

(3) コード巻取機構をもつものは,コードを30cm引き出した状態で,巻取機構内部のコードの各層の表

面の温度を測定する。 

10.6 絶縁試験 絶縁試験は,次のとおり行う。ただし,ジューサ・ミキサについては(1), (2)の試験は,

ミキサ又はジューサのいずれかで行う。 

(1) 絶縁抵抗試験 絶縁抵抗試験は,10.5の試験の前後において,直流500ボルト絶縁抵抗計によって充

電部と器体の表面との間の絶縁抵抗を測定する。 

(2) 耐電圧試験 耐電圧試験は,10.5の試験に引き続いて行う10.6(1)の試験の後,1 000V, 50Hz又は60Hz

の正弦波に近い交流電圧を充電部と器体の表面との間に1分間加える。ただし,多数個の場合で判定

に疑義を生じない場合は,1 200Vの交流電圧を1秒間加えることによってこれに代えることができる。 

(3) いっ(溢)水絶縁試験 いっ(溢)水絶縁試験は,容器内に十分水を満たし,これに容器の容量の10

分の1に等しい量の水を加えることによっていっ水させ,器体の外郭の表面に付着した水分をふきと

り,直流500ボルト絶縁抵抗計によって充電部と器体の表面との間の絶縁抵抗を測定する。 

10.7 耐過速度性能試験 耐過速度性能試験は,容器を取り外すことができるものは容器を取り外し,そ

の他のものは容器を取り付けたまま,定格周波数の定格電圧を試験品に加えて連続して1分間運転する。 

10.8 スイッチ試験 

10.8.1 開閉試験 スイッチの開閉試験は,表8に示す条件で行う。 

表8 開閉試験の条件 

項目 

電圧 

周波数 

電流 

力率 

開閉の速

さ 

回数 

定格電圧 

定格周

波数 

全負荷電

流 (2) 

0.75以上〜

0.8以下の

力率 

毎分約20

回(約3回)

(3) 

開閉5 000回

(1 000回)(3) 

2(1) 

定格電圧の

1.2倍の電圧 

定格周

波数 

回転部品を

拘束したと

きの電流 

回転部品を

拘束したと

きの力率 

毎分約4回

(約3回)

(3) 

CO 5回(4) 

注(1) 項目1の試験に合格した試験品について行う。 

(2) 標準測定状態のときの電流。ジューサ・ミキサは,ミキサ又はジュー

サのうち全負荷電流の大きい方で行う。 

(3) タイムスイッチについて適用する。 
(4) COは,閉路動作 (C) に続いて直ちに遮断動作 (O) を行うことを示

す。 

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10.8.2 温度試験 スイッチの温度試験は,10.8.1の試験の後,スイッチに,ミキサ又はジューサの定格周

波数の定格電圧を加え,全負荷電流に等しい電流を通じ,各部の温度がそれぞれほぼ一定となったとき熱

電対を使って接触子の温度を測定する。ただし,ジューサ・ミキサは,ミキサ又はジューサのうち全負荷

電流の大きい方で行う。 

10.9 コードの折曲げ試験 

10.9.1 器体とコードの接続部の折曲げ試験 器体とコードの接続部の折曲げ試験は,接続器を使用しない

で接続されるコードが器体を貫通する部分を,図2に示す試験装置の可動板の中心と一致させ,かつ,コ

ードが可動範囲の中央で折り曲げられずに鉛直になるように器体を取り付け,コードの先端に500gのおも

りをつるして,可動板を右方向に60°回転させて元に戻し(これを1回とする。),続いて左方向に60°回

転させてこれを元に戻す(これを1回とする。)。この操作を毎分約40回の速さで連続2 000回繰り返す。

この場合,コードが平形コードにあっては図2-1の矢印方向に,その他のものにあっては最も曲がりやす

い方向について行うものとする。 

ふたのあるコード収納部をもつものは,ふたを開いた状態で試験を行う。ただし,ふたを閉じても使用

できるものにあっては,ふたを閉め,そのふたからコードが出る点に貫通部が移ったものとして試験を行

う。 

図2 コードの折曲げ試験 

備考 回数の数え方は,①-②をもって1回,③-④をもって1回とする。 

10.9.2 コード付一体成形差込接続器のコード接続部の折曲げ試験 コード付一体成形差込接続器のコー

ド接続部の折曲げ試験は,コード付一体成形差込接続器を,図3に示す試験装置の可動板の中心とコード

接続部とを一致させ,かつ,コードが可動範囲の中央で折り曲がらずに鉛直になるように取り付け,コー

ドの先端に500gのおもりをつるして,可動板を右方向に60°回転させて元に戻し(これを1回とする。),

つづいて左方向に60°回転させてこれを元に戻す(これを1回とする。)。この操作を毎分約40回の速さ

で連続5 000回繰り返す。 

この場合,コードが平形コードにあっては図2-1の矢印方向に,その他のものにあっては,最も曲がり

やすい方向について行うものとする。 

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図3 コードの折曲げ試験 

備考 回数の数え方は,①-②をもって1回,③-④をもって1回とする。 

10.10 コード巻取り試験 コード巻取り試験は,器体を動かさないように固定し,コードを引出し制限印

のあるものはその印のところまで真っすぐ引き出し,再びこれを元に戻す操作を毎分約30mの速さで,連

続して1 000回繰り返す。ただし,コードの巻取りを自動的に行う機構をもつものは,コードの巻取りは

自動収納の速さで行う。 

また,手動式巻取機構のものは巻取り最終時に20N・cmの力が巻取機構に加わるようにして行う(図4

参照)。 

10.11 機械的強度試験 機械的強度試験は,水平で表面が平らなコンクリート床上に,厚さ約30mmの表

面の平らなラワン板を置き,ラワン板のほぼ中央部に,器体の底面がラワン板の面に平行になるように器

体をひもでつり下げ,70cmの高さから1回落下させる(図5参照)。 

なお,この試験は,器体の質量が4kg以下のものに適用する。 

備考1. 試験は,無通電で行う。 

2. 直付けのコードは,落下させる際,邪魔にならないよう器体上部に束ねておく。 

なお,コード収納式のものは,コードを収納した状態で行う。 

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図4 コード巻取り試験 

図5 機械的強度試験 

10.12 切削性能試験 ミキサの切削性能試験は,新鮮で大きさが中くらいのりんご(約300g)の皮をむき,

しんをとったものを24切りにし,指定量(質量)を容器に入れる。さらに,定格容量の目盛まで水を加え

て1分間連続運転した後,JIS Z 8801の呼び寸法2.36mmのふるいの中にあけ,水の中でふるう。この場

合,りんごの指定量は,次の計算式によって算出した質量 (g) とする。ただし,速度調整装置のあるもの

は,最高速度の位置に設定して行う。 

りんご片の量 (g) =定格容量 (ml) ×100

40 

(定格容量100ml当たり,りんご40g) 

10.13 容量試験 ミキサの容量試験は,水を容器の定格容量の目盛まで入れ,水を出して水の容量を測定

する。 

10.14ジュース絞り性能試験 ジューサのジュース絞り性能試験は,新鮮で大きさが中くらいのりんご(皮,

しん付きとする。)を約500g,押込力8〜10Nで押し込んでジュースを採取する操作を行い,次の計算式で

絞り率を算出する。 

ジュース絞り率 (%) =

100

1

×

×材料含水率

投入材料の質量

採取したジュースの質

ただし,りんごの材料含水率は,0.8として計算する。 

10.15 耐久性試験 耐久性試験は,次によって行う。 

(1) ミキサの耐久性試験は,次の二つの試験を行った後,引き続いて10.12の切削性能試験を行う。この

場合,速度調整装置のあるものは,最高速度の位置に設定して行う。 

(a) 定格周波数の定格電圧を加え,容器に定格容量の水を入れ,4分間運転,2分間休止する操作を運転

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15 

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時間の合計が55時間になるまで行う。この場合,水温が上がり故障の原因とならないように,必要

に応じて水を取り換えるものとする。 

(b) 定格容量ごとに計算式(1)によって算出した約20℃の水と定格容量ごとに計算式(2)で算出した個数

の冷蔵庫の角氷(約2.5cm立方)を容器に入れて30秒間運転,2分間休止する操作を50回繰り返

す。この場合,運転を停止するごとに氷と水を取り換えねばならない。 

水の量 (ml) =

50

4

)

ml

(

定格容量

 ················································· (1) 

角氷の個数(個)=定格容量 (ml) ×1001 ······································ (2) 

(2) ジューサの耐久性試験は,定格周波数の定格電圧を加え無負荷運転の状態で,4分間運転,2分間休止

する操作を運転時間の合計が55時間になるまで行った後,引き続いて10.14の試験を行う。 

(3) ジューサ・ミキサの耐久性試験は(1), (2)の試験を行う。ただし,運転時間はそれぞれ27.5時間とし,

合計時間を55時間とする。 

(4) ミキサにあっては(1),ジューサにあっては(2),そしてジューサ・ミキサにあっては(3)の各試験の後,

50Hz又は60Hzの正弦波に近い600Vの交流電圧を充電部と器体の表面との間に1分間加える。 

10.16 騒音試験 騒音試験は,次の条件において,定格周波数の定格電圧を加えてミキサにおいては標準

測定状態,ジューサにおいては無負荷状態で測定する。 

(1) 測定条件は,次による。 

(a) 暗騒音と合成音の騒音との差が10dB以上あるときに測定するのを原則とし,それ以下の場合は,

JIS Z 8731に規定する補正値によって補正する。 

(b) 騒音計の種類は,JIS C 1502に規定する普通騒音計又はこれと同等以上の機能をもつ騒音計とする。 

(2) 測定方法は,図6に示すように器体の正面及び側面から1m離れた所にマイクロホンを置き,騒音を

測定する。測定値は,その音の大小に関係なく,騒音計の聴感補正回路のA特性で測定する。 

図6 騒音試験 

(3) 注意事項は,次による。 

(a) マイクロホンに気流による風圧がかからないようにすること。 

(b) 電磁場の影響を受けないこと。 

(c) 器体の振動がマイクロホンに入らないよう,十分に注意すること。 

(d) ジューサは押込み棒を入れること。 

(e) マイクロホンの高さは,器体のほぼ中央の位置とする。 

10.17 安定性試験 安定性試験は,定格周波数の定格電圧を加え,次の条件で運転しながら器体を10度の

角度まで傾斜させる。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(1) ミキサにおいては標準測定状態 

(2) ジューサにおいては無負荷状態 

11. 検査 

11.1 形式検査 形式検査は,次の各項について,10.の試験方法及び目視などによって行い,7., 8., 9.及び

13.の規定に適合しなければならない。ただし,(8)〜(11)及び(15)の検査は,同一品で行わなくてもよい。 

(1) 構造(13.を含む) 

(2) 電圧変動 

(3) 始動 

(4) 消費電力 

(5) 温度 

(6) 絶縁 

(7) 耐過速度性能 

(8) スイッチ 

(9) コードの折曲げ 

(10) コードの巻取り 

(11) 機械的強度 

(12) 切削性能 

(13) 容量 

(14) ジュース絞り性能 

(15) 耐久性 

(16) 騒音 

(17) 安定性 

11.2 製品検査(5) 製品検査は,各製品ごとに次の各項について,10.の試験方法によって行い,それぞれ

7.の規定に適合しなければならない。ただし,検査は合理的な抜取方法によってもよい。 

注(5) 製品検査とは,既に形式検査に合格したものと同じ設計,製造に係る製品の受渡しに際して,

必要と認められる品質項目が満足するものであるかどうかを判定するための検査をいう。 

(1) 絶縁 

(a) 絶縁抵抗 

(b) 耐電圧 

(2) 消費電力 

12. 製品の呼び方 製品の呼び方は,種類による。 

13. 表示 

13.1 製品表示 製品には見やすい所に容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。 

(1) 種類 

(2) 定格容量 (ml) (ジューサは除く。) 

(3) 定格電圧 (V)  

(4) 定格消費電力 (W) (ジューサ・ミキサはミキサ及びジューサの各々の定格消費電力) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(5) 定格周波数 (Hz) (50Hz, 60Hz又は50Hz/60Hz共用である旨) 

(6) 短時間定格のものは定格時間 

(7) 製造業者名又はその略号 

(8) 製造年又はその略号 

(9) 製造番号又はロット番号 

13.2 包装表示 包装する場合には一包装ごとに見やすい所に容易に消えない方法で,次の事項を表示し

なければならない。 

(1) 種類 

(2) 製造業者名又はその略号 

14. 使用上の注意事項 使用上特に注意事項があるときは,本体,さげ札,取扱説明書などに明記してお

かなければならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図1 試験指 

備考1. 角度の許容差は,±5′とする。 

2. 寸法の許容差は,25mm以下は005

.0

−mm, 25mmを超えるものは,±0.2mmとする。 

3. 使用材料は,黄銅とする。 
4. 試験品の導電部は,一括して接続する。 
5. 電源電圧は,定格電圧以下の任意の電圧(40V以上)としてもよい。 

付図2 衝撃試験機 

備考 ハンマ頭部は,JIS K 7202に規定するロックウェル硬さHHR100の硬さに表面をポリアミド加工した

半径が10mmの球面をもつものとする。 

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家庭電器部会 電気ミキサ専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

富 沢 一 行 

財団法人日本電気用品試験所 

牧 野 征 男 

通商産業省機械情報産業局 

米 原 高 史 

通商産業省資源エネルギー庁公益事業部 

伊 豆 健次郎 

通商産業省通商産業検査所 

井之上 幸 造 

三洋電機株式会社家電事業本部 

篠 崎 幸 晴 

株式会社東芝家電機器事業部 

鰐 石 健 二 

株式会社日立ホームテック春日部工場 

伊 藤 量 二 

松下電器産業株式会社電化研究所 

菊 池 俊 男 

三菱電機ホーム機器株式会社 

渡 辺   勇 

社団法人日本電機工業会 

中 原 茂 樹 

社団法人日本電機工業会 

片 岡   茂 

国民生活センター商品テスト部 

石 井 栄 子 

主婦連合会 

原   早 苗 

消費科学連合会 

高 梨 洋 子 

全国地域婦人団体連絡協議会 

渡 辺   厚 

財団法人日本消費者協会 

斎 藤 有 常 

日本百貨店協会 

(事務局) 

高 橋   潔 

工業技術院標準部電気規格課 

長谷部 新 一 

工業技術院標準部電気規格課