C 9335-2-82:2017
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 3
3 用語及び定義 ··················································································································· 3
4 一般要求事項 ··················································································································· 5
5 試験のための一般条件 ······································································································· 5
6 分類······························································································································· 5
7 表示,及び取扱説明又は据付説明 ························································································ 6
8 充電部への接近に対する保護 ······························································································ 7
9 モータ駆動機器の始動 ······································································································· 7
10 入力及び電流 ················································································································· 7
11 温度上昇 ······················································································································· 7
12 (規定なし) ················································································································· 8
13 動作温度での漏えい電流及び耐電圧 ··················································································· 8
14 過渡過電圧 ···················································································································· 8
15 耐湿性等 ······················································································································· 8
16 漏えい電流及び耐電圧 ····································································································· 9
17 変圧器及びその関連回路の過負荷保護 ················································································ 9
18 耐久性 ·························································································································· 9
19 異常運転 ······················································································································· 9
20 安定性及び機械的危険 ···································································································· 10
21 機械的強度 ··················································································································· 11
22 構造 ···························································································································· 11
23 内部配線 ······················································································································ 12
24 部品 ···························································································································· 12
25 電源接続及び外部可とうコード ························································································ 13
26 外部導体用端子 ············································································································· 13
27 接地接続の手段 ············································································································· 14
28 ねじ及び接続 ················································································································ 14
29 空間距離,沿面距離及び固体絶縁 ····················································································· 14
30 耐熱性及び耐火性 ·········································································································· 14
31 耐腐食性 ······················································································································ 14
32 放射線,毒性その他これに類する危険性 ············································································ 15
附属書 ······························································································································· 16
参考文献 ···························································································································· 16
C 9335-2-82:2017 目次
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ページ
附属書JAA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ···································································· 17
C 9335-2-82:2017
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
アミューズメントマシン協会(JAMMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具
して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正
した日本工業規格である。
これによって,JIS C 9335-2-82:2005は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 9335の規格群には,約100規格による部編成があるが,この規格では省略した。
なお,全ての部編成は,JIS C 9335-1の“まえがき”に記載されている。
日本工業規格 JIS
C 9335-2-82:2017
家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−
第2-82部:サービス機器及び
アミューズメント機器の個別要求事項
Household and similar electrical appliances-Safety-
Part 2-82: Particular requirements for amusement machines and
personal service machines
序文
この規格は,2002年に第2版として発行されたIEC 60335-2-82,Amendment 1:2008及びAmendment 2:2015
を基とし,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。ただし,追補(amendment)については,
編集し,一体とした。
この規格は,JIS C 9335-1と併読する規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAAに示す。
この規格の箇条などの番号は,JIS C 9335-1と対応している。JIS C 9335-1に対する変更は,次の表現を
用いた。
− “置換”は,JIS C 9335-1の該当する箇所の要求事項を,この規格の規定に置き換えることを意味す
る。
− “追加”は,JIS C 9335-1の該当する箇所の要求事項に,この規格の規定を追加することを意味する。
− “修正”は,JIS C 9335-1の該当する箇所の要求事項を,この規格の規定に修正することを意味する。
変更する箇所に関する情報が必要な場合には,これらの表現に続く括弧書きで示す。ただし,JIS C 9335-1
の引用項目又は引用箇所は,この規格の作成時に最新版として発効されていたJIS C 9335-1:2014を引用し
ている。このため,この規格の発効以降に発効されたJIS C 9335-1を引用する場合は,その引用項目又は
引用箇所が異なる場合があることに注意する。
JIS C 9335-1に追加する細分箇条番号は,JIS C 9335-1の箇条番号の後に“101”からの番号を付け,図
番号及び表番号は,“101”からの連続番号を付ける。追加する附属書番号は,AA,BBなどと記載する。
1
適用範囲
置換(箇条1全て)
この規格は,定格電圧が単相機器の場合250 V以下,及びその他の機器の場合480 V以下の業務用アミ
ューズメント機器及び業務用個人向け電気サービス機器の安全性について規定する。
注記1 この規格を適用する機器の例は,次による。
2
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− アミューズメント機器
・ ビリヤードテーブル機器
・ ボーリングゲーム機
・ ダーツゲーム機
・ 運転シミュレーション機器
・ ゲーム機器
・ 子供用乗り物
・ レーザ銃ゲーム機
・ ピンボール機
・ ビデオゲーム機
− 個人向けサービス機器
・ カード再評価機器(カードチャージ機を含む。)
・ 両替機
・ 手荷物ロッカ
・ 体重計
・ 靴磨き機器
この規格を適用する機器には,冷却機能をもつ電動圧縮機を用いるものもある。
注記2 機器のある部分がJIS C 6065又はJIS C 6950-1の適用範囲の中に入る場合,関連する規格の
規定によるものを用いる。
この規格では,使用者及びメンテナンス員が遭遇する機器に起因する共通的な危険性を可能な限り取り
扱う。
注記3 この規格の適用に際しては,次のことに注意する。
− 車両,船舶又は航空機搭載用機器には,要求事項の追加が必要になる場合がある。
− 厚生関係機関,労働安全所管機関,その他の当局によって,追加要求事項を規定する場
合がある。
注記4 この規格は,次の機器への適用は意図していない。
− 家庭用機器
− 産業用機器
− 腐食しやすい場所又は爆発性の雰囲気(じんあい,蒸気又はガス)が存在するような特
殊な状況にある場所で用いる機器
− 自動車洗浄機
− 業務用ディスペンサ及び自動販売機(JIS C 9335-2-75)
− ジュークボックス及び家庭用ビデオゲーム機のようなJIS C 6065の適用範囲に入る機器
− コピー機,自動券売機及び自動現金支払機のようなJIS C 6950-1の適用範囲に入る機器
− バーチャルリアリティシステムのような,訓練された係員がいる場所で用いる機器
− 回転木馬のような,一般的に広場で用いる機器
注記5 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60335-2-82:2002,Household and similar electrical appliances−Safety−Part 2-82: Particular
requirements for amusement machines and personal service machines,Amendment 1:2008及び
Amendment 2:2015(MOD)
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なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
引用規格は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条2(引用規格)による。
追加
JIS C 9335-1 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第1部:通則
注記 対応国際規格:IEC 60335-1,Household and similar electrical appliances−Safety−Part 1: General
requirements
JIS C 9335-2-34 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第2-34部:電動圧縮機の個別要求事項
JIS C 60068-2-52:2000 環境試験方法−電気・電子−塩水噴霧(サイクル)試験方法(塩化ナトリウ
ム水溶液)
注記 対応国際規格:IEC 60068-2-52:1996,Environmental testing−Part 2: Tests−Test Kb: Salt mist,
cyclic(sodium, chloride solution)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条3(用語及び定義)による。
3.1.9
置換(3.1.9全て)
通常動作(normal operation)
次の条件の下での機器を運転したときの状態。
機器は,定常状態を確立するまで待機モードで操作し,次に,通常使用の最も厳しい条件下で操作する。
機器は,取扱説明(書)又はメンテナンス説明(書)に従って,必要がある場合は補充し,次の動作期
間を,できる限り早く開始する。
通常使用で人を支える機器には,次の事項に従って荷重を掛ける。
− 子供用乗り物の場合,乗る各位置に対して50 kg
− その他の機器の場合,乗る第1番目の位置に対して100 kg,及び追加の乗る各位置に対して75 kg
注記 この乗る位置は,座って乗る人又は立って乗る人のためのいずれの位置であってもよい。
取扱説明(書)に極端に重い荷重を許容する旨を示す場合,機器には,それに応じて荷重を掛ける。
音声増幅器をもつ機器は,JIS C 6065に規定する通常動作状態に従って操作する。
3.6.2
置換(3.6.2全て)
着脱できる部分(detachable part)
工具を用いずに取り外すことができる部分,取外しに工具若しくはアクセスキーが必要な場合であって
も,取扱説明(書)若しくはメンテナンス説明(書)に従って取り外す部分,又は22.11によらない部分。
注記1 設置目的のために,ある部分を取り外す必要がある場合には,その部分は,説明(書)にそ
れを取り外さなければならないと記載してあっても,着脱できる部分とはみなされていない。
注記2 開くことができる部分は,取り外すことのできる部分とみなされている。
3.7.3
置換(3.7.3全て)
温度過昇防止装置(thermal cut-out)
運転中に異常が生じた場合に,回路を自動的に開路したり,電流を少なくすることによって,制御する
部分の温度を制限するもので,使用者又はメンテナンス員では,その設定値を変更できない装置。
4
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3.8.5
置換(3.8.5全て)
メンテナンス操作(maintenance operation)
取扱説明(書)若しくはメンテナンス説明(書)に記載するか,又は機器に表示してある,使用者又は
メンテナンス員が行うことを意図した保守のための操作。
注記1 機器に表示又は添付したメンテナンス説明(書)は,使用者領域及びメンテナンス領域にだ
け適用する。
注記2 メンテナンス操作には,新しい操作方法のために機器を準備及び試運転することも含まれて
いる。メンテナンス操作には,サービス領域で行わなければならない操作は含まれていない。
追加
3.101
待機モード(stand-by mode)
電力を供給し,使用の準備ができた状態。このとき,意図する負荷は満たされているが,キャッシュボ
ックスは空の状態である。
3.102
アクセスキー(access key)
メンテナンス領域にアクセスできるが,サービス領域にアクセスできないキー又はその他の手段。
注記 “その他の手段”には,工具,光学的な符号若しくは信号,又は電磁気的な符号若しくは信号
による操作を含む。
3.103
解除キー(override key)
インタロックを無効にするために用いるキー又はその他の手段。
3.104
メンテナンス説明(書)(instructions for maintenance)
清掃,補充,硬貨(コイン)の回収,制御装置の設定及び類似の操作を行う方法の説明(書)。
3.105
メンテナンス員(maintenance person)
メンテナンス説明(書)に従って,機器をメンテナンスする人。
3.106
使用者領域(user area)
アクセスキー又は工具を用いないで,アクセスできる範囲。
3.107
メンテナンス領域(maintenance area)
アクセスキーを用いるときに限り,アクセスできる範囲。
3.108
サービス領域(service area)
アクセスキーの使用だけでは,アクセスすることができない範囲。
3.109
子供用乗り物(kiddie ride)
大人の監視の下で,3〜10歳程度の子供が一人又は二人で使用するために固定した台を備えた動く機器。
5
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3.109A
加熱素子(heating elements)
意図的に熱を発生する素子。
4
一般要求事項
一般要求事項は,JIS C 9335-1の箇条4(一般要求事項)による。
5
試験のための一般条件
試験のための一般条件は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条5(試験のための一般条件)による。
5.6
置換(5.6全て)
使用者領域の制御装置又は切換装置は,最も厳しい条件設定に調整する。
メンテナンス領域の制御装置,切換装置又はその他の部分は,メンテナンス説明(書)に記載している
範囲内で最も厳しい条件設定に調整する。
注記1 サービス領域の制御装置又は切換装置は,調整しない。
5.9
追加(“代替電熱素子又は”で始まる段落の後に,次を追加する。)
代替ソフトウェアを機器製造業者から入手できる場合,機器は,最も厳しい結果を示すソフトウェアで
試験する。
5.14
追加(注記の前に,次を追加する。)
メンテナンス領域内では,高速形で定格感度電流が15 mA以下の漏電遮断器を機器に組み込んだ場合,
回路電圧が150 V以下の部分に限り,非接地部分は,充電部からの基礎絶縁として試験する。
注記101A
非接地部分を充電部から基礎絶縁だけで分離した構造を,この規格では,“クラス0構
造”という。
追加
5.101 メンテナンス領域に対するこの規格の要求事項は,メンテナンス説明(書)に従った状態で適用す
る。解除キーでメンテナンス領域にアクセスすることができ,解除キーを使用するときがより厳しい条件
となる場合,解除キーを用いて試験を実施する。
5.102 使用者領域では,検査プローブBの適用を規定している場合,JIS C 0922の検査プローブ18も適
用する。
5.103 変圧器,電子回路及びランプを内蔵する機器であって,加熱素子を内蔵していない場合,モータ駆
動機器として試験する。加熱素子を内蔵している場合,複合機器として試験する。
6
分類
分類は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条6(分類)による。
6.1
置換(“クラス0,クラス0I,クラスI”で始まる段落を,次に置き換える。)
クラス0,クラス0I,クラスI,クラスII,クラスIII。
屋内用であって,かつ,可搬形機器の場合だけ,クラス0を認める。
注記101A
対応国際規格の修正(Modification)は,適切でないため,規格の利便性を考慮し,置換
とした。
6.2
追加(“適否は,目視検査”で始まる段落の前に,次を追加する。)
屋外用機器は,IPX4以上でなければならない。
6
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高圧水洗浄機によって清掃する機器又は高圧水洗浄機を使用するおそれがある場所に据え付ける機器は,
IPX5以上でなければならない。
通常使用で高圧水洗浄機を用いる機器は,高圧水洗浄機を電気部品の外郭に向ける可能性がある場合,
IPX5以上でなければならない。それ以外は,IPX4以上とする。
7
表示,及び取扱説明又は据付説明
表示,及び取扱説明又は据付説明は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条7(表示,及び取扱説明又は据付説
明)による。
7.1
追加(“適否は,目視検査”で始まる段落の前に,次を追加する。)
機器用コンセントを内蔵した機器の場合,電圧,電源の種類,及び電流又は出力を機器用コンセントの
近傍に表示しなければならない。
7.3
追加(“適否は,目視検査”で始まる段落の前に,次を追加する。)
この要求事項は,メンテナンス員によって調整を行う場合にも適用する。
7.12
置換[“取扱説明書には,次の趣旨を”で始まる段落(二つの細別を含む。)を,次に置き換える。]
取扱説明(書)には,次の趣旨を記載する必要はない。
− この機器は,安全に責任を負う人の監視又は指示がない限り,補助を必要とする人(子供を含む。)が
単独で機器を用いることを意図していない。
− この機器で遊ぶことがないように,子供を監視することが望ましい。
注記101A
6.1の注記101Aと同じ。
7.12.1 追加(“適否は,目視検査”で始まる段落の前に,次を追加する。)
据付説明(書)には,機器が屋外使用に適しているか否かを記載しなければならない。
IPX5以上を要求しない機器の取扱説明(書)には,高圧水洗浄機が使用できる場所への設置に適してい
ない旨を記載しなければならない。
動く乗り物の据付説明(書)には,機器の周囲に安全の操作のために必要な自由空間の範囲を記載しな
ければならない。
子供用乗り物の据付説明(書)には,定格感度電流が30 mAを超えない漏電遮断器(RCD)を備えるこ
とが望ましい旨を記載しなければならない。
追加
7.12.101 メンテナンス操作中のために特別な注意を払う必要がある場合は,その詳細を提供しなければ
ならない。メンテナンス説明(書)には,メンテナンス領域にアクセスする方法を記載しなければならな
い。それらは,サービス領域にアクセスする方法についての説明(書)を含んではならない。
適否は,目視検査によって判定する。
7.12.101.1 機器用インレットをもち,清掃のために水中に一部分又は完全に浸せきする機器のメンテナン
ス説明(書)には,次の趣旨を記載しなければならない。
− 機器を清掃する前に,コネクタを遮断しなければならない。
− 機器を再使用する前に,機器用インレットを乾燥しなければならない。
IPX5以上を要求しない機器のメンテナンス説明(書)には,機器は高圧水洗浄機によって掃除してはな
らない旨を記載しなければならない。
適否は,目視検査によって判定する。
7.12.101.2 解除キーの使用によって,可動部分にアクセスが可能である場合には,適切な警告をメンテナ
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ンス説明(書)の中に記載しなければならない。
適否は,目視検査によって判定する。
7.12.101.3 メンテナンス説明(書)には,機器とともに用いる可能性がある附属品リストを記載しなけれ
ばならない。
適否は,目視検査によって判定する。
7.12.101.4 水を使用する機器のメンテナンス説明(書)には,氷結を防止するための方法又は氷結が発生
した場合,安全な操作を確保する方法についての詳細を記載しなければならない。
適否は,目視検査によって判定する。
8
充電部への接近に対する保護
充電部への接近に対する保護は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条8(充電部への接近に対する保護)によ
る。
8.1.2
追加(“検査プローブが充電部に”で始まる段落の前に,次を追加する。)
メンテナンス領域のクラス0構造が認められる部分に使用するコネクタは,メンテナンス説明(書)に
メンテナンス操作中にコネクタを抜かない旨を記載している場合,コネクタを接続した状態で検査プロー
ブ13を適用する。
メンテナンス領域のクラス0構造が認められる部分への接近注意を意味する表示がある場合は,検査プ
ローブ13を適用しない。
8.2
追加(“適否は,目視検査”で始まる段落の前に,次を追加する。)
クラス0I機器又はクラスI機器のメンテナンス領域のクラス0構造部分は,基礎絶縁への接触を許容す
る。
9
モータ駆動機器の始動
モータ駆動機器の始動は,この規格では規定しない。
10 入力及び電流
入力及び電流は,JIS C 9335-1の箇条10(入力及び電流)による。
11 温度上昇
温度上昇は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条11(温度上昇)による。
11.1
追加(“機器及びその周囲は,”で始まる段落に続けて,次の文を追加する。)
ただし,JIS C 9335-2-34(附属書AAを含む。)に規定する電動圧縮機の巻線の温度は,測定しない。
11.2
追加(“その他の電熱機器及び”で始まる段落の後に,次を追加する。)
通常床に固定するか,又は40 kgを超える質量の機器でキャスタ若しくはローラをもたない機器は,据
付説明(書)に従って据え付ける。
注記101 据付説明(書)をもたない機器は,できる限り壁に密着させ,床上に配置する。
固定形機器を除く他の機器は,壁にできる限り近づけて床上に配置する。
注記101A
対応国際規格の修正(Modification)は,適切でないため,規格の利便性を考慮し,追加
とした。
8
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11.7
置換(11.7全て)
機器は,定常状態に達するまで通常動作で運転する。
補充時に温度が低下し定常状態を確立できない機器は,全物品の吐出状態まで行う。ディスペンサは,
ディスペンスするものを全て吐出し,次の吐出まで一定時間を要する場合は,その時間待機とする。
11.8
追加(“保護装置は作動してはならず”で始まる段落の後に,次を追加する。)
通常使用時に継続して手で保持するハンドル及び類似の部品に適用する温度上昇の限度値は,座席にも
適用する。使用者領域でのその他の表面の温度上昇は,短時間だけ保持するハンドル及び類似の部分に対
して規定した限度値を超えてはならない。
注記101 照明に照らされ,使用者が触れることを意図しないガラス又はプラスチックの表面は,使
用者領域とはみなされない。
12 (規定なし)
13 動作温度での漏えい電流及び耐電圧
動作温度での漏えい電流及び耐電圧は,JIS C 9335-1の箇条13(動作温度での漏えい電流及び耐電圧)
による。
14 過渡過電圧
過渡過電圧は,JIS C 9335-1の箇条14(過渡過電圧)による。
15 耐湿性等
耐湿性等は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条15(耐湿性等)による。
15.2
追加(“その後,機器は,”で始まる段落の後に,次を追加する。)
適否は,15.2.101〜15.2.104の試験によって判定する。試験には,含有率が約1 %の塩化ナトリウム水溶
液を用いる。
15.2.101 床上2 mより低い位置に外部表面をもち,その上に容器,例えば,カップを置くことができる
機器は,その表面に0.5 Lの塩化ナトリウム水溶液を素早く注ぐことによって試験を行う。
注記 複数の表面がある場合,順番に試験を行う。
15.2.102 床上2 mより低い位置に可触開口部をもつ機器は,各開口部に0.25 Lの塩化ナトリウム水溶液
をゆっくり注いで試験を行う。その開口部が垂直表面にある場合は,塩化ナトリウム水溶液を開口部に向
かって誘導する。
注記 可触開口部とは,コイン(メダル)用の投入口又はカード挿入口を含む。ゲームの機能上必要
な穴又は通風口等は含まれない。
15.2.103 液体を使用するメンテナンス操作は,3回行う。
15.2.104 清掃する可能性がある部分は,塩化ナトリウム水溶液を十分に浸した寸法約150 mm×75 mm×
50 mmのスポンジで拭く。スポンジには,あまり力を加えないで,それぞれの面を約10秒間行う。
注記 この試験は,清掃方法の指示があるメンテナンス領域の表面には適用しない。
15.3
追加(“適否は,次の条件の下,”で始まる段落の前に,次を追加する。)
注記101 機器を恒温恒湿槽中に配置することが不可能な場合,電気部分は別にして試験する。
9
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16 漏えい電流及び耐電圧
漏えい電流及び耐電圧は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条16(漏えい電流及び耐電圧)による。
16.2
追加(“無線妨害雑音抑制用フィルタを”で始まる細別の後に,次を追加する。)
クラス0I機器に対しては,無線妨害雑音抑制用フィルタを取り付けた状態で1 mAの限度値を超えては
ならない。
17 変圧器及びその関連回路の過負荷保護
変圧器及びその関連回路の過負荷保護は,JIS C 9335-1の箇条17(変圧器及びその関連回路の過負荷保
護)による。
18 耐久性
耐久性は,この規格では規定しない。
19 異常運転
異常運転は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条19(異常運転)による。
19.1
追加(“複合機器の場合には,”で始まる段落の後に,次を追加する。)
機器は,該当する場合,19.101の試験も実施する。
使用者領域の着脱できる部分は,最も厳しい条件の位置に配置するか,又は取り外す。
メンテナンス領域の着脱できる部分は,メンテナンス操作に従って通常位置に配置する。
容器は,最も不利なレベルまで満たす。
19.2
追加(注記の後に,次の注記を追加する。)
注記101 放熱を制限する例を,次に示す。
− 水なしで運転する。
− ファンの電源を遮断する。
− 換気用開口部を覆う。
19.4
追加(“複数の制御装置を”で始まる段落の後に,次の注記を追加する。)
注記101 制御装置がその他の機能も果たす場合,温度を制御する部分だけ回路を短縮する。
19.7
追加(“次の拘束状態にして,”で始まる段落の後に,次を追加する。)
機器は,試験するモータに対して,最も厳しい条件の供給サイクルで運転する。
この試験は,JIS C 9335-2-34に規定する電動圧縮機には適用しない。
19.8
追加(“多相モータをもつ機器の”で始まる段落の後に,次を追加する。)
この試験は,JIS C 9335-2-34に規定する三相の電動圧縮機には適用しない。
19.9
追加(注記の後に,次を追加する。)
この試験は,制御の方法に関係なく子供用乗り物に対して適用する。
19.11.2 置換[“各故障状態を起こす”で始まる段落(三つの細別を含む。)を,次に置き換える。]
故障状態を起こす場合,試験を行う時間は,定常状態になるまで維持する。
注記101A
6.1の注記101Aと同じ。
19.13 追加(“試験後に各部の温度が”で始まる段落の前に,次を追加する。)
試験中,溶融したプラスチックの放出があってはならない。
試験後,15.1及び15.2の規定を損なってはならない。
10
C 9335-2-82:2017
JIS C 9335-2-34に規定していない電動圧縮機の外郭の温度は,試験終了時に測定し,150 ℃を超えては
ならない。
追加
19.101 機器は,定格電圧を供給し通常動作で運転する。機器の使用中に予想される故障状態又は予期し
ない動作を適用する。
注記1 損傷した部品又は部分は,各試験後に取り替えてもよい。
注記2 故障状態又は予期しない動作の例を,次に示す。
− 機器中の欠陥
・ プログラマが,いずれかの位置で停止する。
・ プログラムのあらゆる部分で,電源の単相以上の遮断及び再接続
・ 部品の短絡又は開放
・ 加熱素子の電源を入れるのに使用されるコンタクタの主接点をON位置に固定する。
ただし,複数の独立した接点をもつ機器を除く。これは,互いに独立して動作する2
個のコンタクタを設けるか,又は独立した二組の主接点を動作させる2個の独立接触
子をもつ1個のコンタクタを設けることで,達成してもよい。
・ 空気圧又は水圧による制御装置の故障
・ 硬貨(コイン)又は景品の経路の詰まり
− 使用者又はメンテナンス員による誤操作
・ ノブ,ハンドル,スイッチ又はプッシュボタンの不適切な作動
・ ドア又は蓋の不適切な開放又は閉止
・ メンテナンス説明(書)の不適切な適用
・ 最も厳しい条件の位置での,制御装置,スイッチ又はプログラマ設定
・ 不適切な負荷
・ 不適切な硬貨(コイン)の回収
− 使用者による濫用
・ 開口部の塞ぎ
・ 可動部の拘束
注記3 一般に試験は,最も厳しい結果を生じると想定する故障状態に限る。
注記3A
プログラマとは,プログラムされたものである。
20 安定性及び機械的危険
安定性及び機械的危険は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条20(安定性及び機械的危険)による。
20.1
追加(“電熱素子をもつ機器の場合,”で始まる段落の後に,次を追加する。)
機器は,メンテナンス領域のドア,蓋及び類似の部分を通常の使用位置で試験する。子供用乗り物及び
運転シミュレーション機器には,通常動作に規定したとおりに負荷を掛ける。
子供用乗り物及び運転シミュレーション機器は,10°の角度に傾けた平面に置いた状態で,定格電圧を
供給し,通常動作で運転する。
15°まで傾けた試験は,機器に適用しない。
機器を5°傾けて,メンテナンス領域のドア,蓋及び類似の部分を最も厳しい条件の位置にして,試験
を繰り返す。
11
C 9335-2-82:2017
注記101A 11.2の注記101Aと同じ。
20.2
追加(“適否は,目視検査,”で始まる段落の前に,次を追加する。)
使用者領域において,運動エネルギーが4 Jを超える運動部分を覆うカバーは,工具を用いてだけ取り
外すことができる場合を除き,可動部品が停止しているときにだけ取り外すことができるようにインタロ
ックしていなければならない。
子供用乗り物の場合,適否は,直径150 mmの球状の検査プローブを用いて判定する。検査プローブは,
いかなる部分の動きによっても引っかかってはならない。
21 機械的強度
機械的強度は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条21(機械的強度)による。
21.1
追加(“機器を堅固に支え,”で始まる段落の後に,次を追加する。)
0.5 Jの衝撃力をメンテナンス領域に加える。使用者領域には,次の値を適用する。
− 床埋込形機器の場合,2.0 J
− その他の機器の場合,1.0 J
22 構造
構造は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条22(構造)による。
22.7
追加(“適否は,目視検査”で始まる段落の後に,次を追加する。)
通常,過圧防止安全装置は,製造業者だけが利用できる工具を用いない限り,動作不能にすること,又
は高い圧力に設定することができないような構造でなければならない。
適否は,目視検査によって判定する。
22.14 追加(“適否は,目視検査”で始まる段落の前に,次を追加する。)
この要求事項は,メンテナンス領域のメンテナンス操作中に触れるおそれのある部分にも適用する。
22.44 追加(“通常,子供が用いる”で始まる段落の後に,次を追加する。)
子供用乗り物には,この要求事項を適用しない。
追加
22.101 インタロックが必要な場合,機器は,解除キーを使用した場合だけ,インタロックを解除するこ
とができる構造でなければならない。
使用者領域では,温度過昇防止装置を復帰することができてはならない。
適否は,目視検査,手による試験及びJIS C 0922の検査プローブBを使用することによって判定する。
22.102 メンテナンス領域用のアクセスキーだけで,サービス領域にアクセスできてはならない。
適否は,目視検査及び手による試験によって判定する。
22.103 レーザを内蔵する機器は,レーザシステムとして扱い,JIS C 6065の6.2(レーザ放射)による。
適否は,目視検査及び関連する試験によって判定する。
22.104 コインボックス,その他の支払手段のための容器は,あふれることによって,危険が生じるおそ
れがないように位置を定めるか,又は保護しなければならない。
適否は,目視検査によって判定する。
22.105 子供用乗り物の座席は,床から1.5 mを超える高さまで調節できてはならない。調節可能な座席
をもつ子供用乗り物は,乗客を拘束する手段を備えなければならない。乗客が落ちないように設けた柵の
隙間は,全て,60〜75 mmの範囲でなければならない。
12
C 9335-2-82:2017
注記 拘束手段の例には,つかまる部分,フットウェル(foot wells),シートベルト及び安全バーがあ
る。
適否は,目視検査及び測定によって判定する。
22.106 同時に通電できる加熱素子及びモータの数を制限するプログラマブル電子回路によって制御され
る機器の場合,加熱素子及びモータのあらゆる組合せの同時起動によって,機器が危険な状態になっては
ならない。
適否は,次の事項によって判定する。
− 表R.1に規定する故障/エラーを適用し,附属書Rの該当する要求事項に従って評価する。
− 機器に定格電圧を供給し,また,その制御下にある全ての加熱素子及びモータを同時に起動できるよ
うにプログラマブル電子回路を変更して,箇条11の条件下で機器を運転する。これらの条件下におい
て,適否は,19.13によって判定する。
23 内部配線
内部配線は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条23(内部配線)による。
23.3
置換(“構造上許される最大角度”で始まる段落及び二つの細別を,次に置き換える。)
この要求事項は,メンテナンス操作にも適用する。
構造上許される最大角度まで導体が曲がるよう1分間に24回の割合で可動部を前後に動かす。屈曲回数
は,次による。
− 通常使用時に折れ曲がる導体の場合,200 000回(1サイクル中に必ず屈曲する部位に限る。)
− 景品の補充及び硬貨(コイン)の回収中に曲がる導体の場合には,10 000回
− その他の場合には,2 000回
注記101A 6.1の注記101Aと同じ。
追加
23.101 容易に取替えができる内部配線の固定は,次の構造及び配置でなければならない。
− 配線は,固定用の締めねじが可触である場合,固定用の締めねじに触れてはならない。ただし,付加
絶縁によって可触金属部分から分離している場合は除く。
− 配線は,配線上に直接押さえ付ける金属ねじによって,締め付けてはならない。
− クラス0構造部分を除き,クラス0I機器及びクラスI機器の場合,固定具は,絶縁物製,又は絶縁裏
打ちを備えている構造とする。ただし,配線の絶縁が不良となっても,可触金属部が充電部にならな
い場合は除く。
− クラスII機器の場合,固定具は,絶縁物製,又は金属製の場合は付加絶縁によって可触金属部分から
絶縁する構造とする。
適否は,目視検査によって判定する。
23.102 メンテナンス領域の中で,可触であって,かつ,通常動作中に動く内部配線は,25.13〜25.15及
び25.21によるものでなければならない。
適否は,関連する試験によって判定する。
24 部品
部品は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条24(部品)による。
24.1
追加(“部品に対する関連規格”で始まる段落の後に,次を追加する。)
13
C 9335-2-82:2017
この規格を適用する電動圧縮機の場合,JIS C 9335-2-34の規定による必要はない。
24.2
追加(“適否は,目視検査”で始まる段落の前に,次を追加する。)
安全特別低電圧で作動するスイッチ及び自動制御装置は,メンテナンス領域での相互接続コードに取り
付けてもよい。
注記101A 11.2の注記101Aと同じ。
追加
24.101 相互接続コードの接続装置は,危険が生じるおそれがある場合,それらが機器内のその他の接続
装置と互換性があるときは,識別しておかなければならない。
注記 識別のために色コードを用いてもよい。
適否は,目視検査によって判定する。
24.102 メンテナンス領域のインタロックスイッチは,合理的に適用可能な限り,JIS C 4526-1の規定に
よるほか,全極遮断でなければならない。ただし,感電以外の危険(機械的危険など)に対する保護であ
る場合は,単極遮断でもよい。
適否は,JIS C 4526-1の関連する要求事項に従って,スイッチを試験し判定するが,箇条17の試験に対
する操作サイクル数は,10 000回とする。ただし,スイッチを供給1回につき1回操作する場合は,操作
サイクル数は,100 000回とする。
注記 この要求事項は,必要なインタロックスイッチにだけ適用する。
24.103 箇条19の規定を満たすために加熱素子を遮断し,かつ,機器に組み込まれている温度過昇防止装
置は,非自己復帰形とする。また,自由引外し機構を備えていなければならない。
適否は,目視検査及び手による試験によって判定する。
25 電源接続及び外部可とうコード
電源接続及び外部可とうコードは,次を除き,JIS C 9335-1の箇条25(電源接続及び外部可とうコード)
による。
25.7
追加(“適否は,目視検査,”で始まる段落の前に,次を追加する。)
屋外使用を意図した機器の電源コードは,ポリクロロプレン被膜で,オーディナリークロロプレンシー
ス付きコード(コード分類60245 IEC 57)と同等以上の特性でなければならない。これらの機器を地面の
上に置くことを意図している場合,電源コードは,ヘビークロロプレンシース付きコード(コード分類
60245 IEC 66)と同等以上の特性でなければならない。ただし,関連する法規において,その使用が認め
られているものは除く。
注記101A “電気設備に関する技術基準を定める省令(平成9年通商産業省令第52号)”は,関連
する法規と同一である。
25.15 追加(“試験中,コードに損傷が”で始まる段落の前に,次を追加する。)
内部配線について試験を実施するとき,機器の質量にかかわらず,引張力は30 N,トルクは0.1 Nmと
する。
内部配線に対しては,機器の中に配線を押し込むとき,30 Nの押込み力を適用する。
26 外部導体用端子
外部導体用端子は,JIS C 9335-1の箇条26(外部導体用端子)による。
14
C 9335-2-82:2017
27 接地接続の手段
接地接続の手段は,JIS C 9335-1の箇条27(接地接続の手段)による。
28 ねじ及び接続
ねじ及び接続は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条28(ねじ及び接続)による。
28.1
追加(“絶縁物のねじ穴に”で始まる段落の前に,次を追加する。)
この要求事項は,メンテナンス操作中に外す可能性があるねじにも適用する。
試験は,メンテナンス操作中に締め付けられやすいねじにも適用する。
28.3
追加(“適否は,目視検査”で始まる段落の前に,次を追加する。)
この要求事項は,メンテナンス員が扱うねじにも適用する。
29 空間距離,沿面距離及び固体絶縁
空間距離,沿面距離及び固体絶縁は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条29(空間距離,沿面距離及び固体
絶縁)による。
追加(“適否は,29.1〜29.3”で始まる段落の前に,次を追加する。)
JIS C 9335-2-34に規定している電動圧縮機の場合,その電動圧縮機のこの細分箇条に関する部分につい
ては,適否判定は行わない。JIS C 9335-2-34に規定していない電動圧縮機の場合,JIS C 9335-2-34に規定
する追加及び修正を適用する。
29.1
修正(“可触表面については,”で始まる細別を,次に修正する。)
可触表面に加える力は,100 Nとする。
29.2
修正(“可触表面については,”で始まる細別を,次に修正する。)
可触表面に加える力は,100 Nとする。
30 耐熱性及び耐火性
耐熱性及び耐火性は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条30(耐熱性及び耐火性)による。
30.2.2
この規格では,適用しない。
31 耐腐食性
耐腐食性は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条31(耐腐食性)による。
追加(注記の後に,次を追加する。)
屋外使用を意図した機器の場合,適否は,JIS C 60068-2-52に規定する塩水噴霧(サイクル)試験によ
って判定する。試験の厳しさは,厳しさ(2)を適用する。
塩水噴霧試験の前に,ピンの先端部の角度が40°の円すい(錐)形をした硬化鋼製のピンを用いて塗装
面に引っかく。ピンの先端部の丸みは,半径0.25±0.02 mmとする。ピン軸方向に作用する力が10±0.5 N
になるように力を加える。塗装面に沿って速度約20 mm/sでピンを引いて,5本の引っかききずを付ける。
5 mm以上の間隔で,縁から5 mm以上離して,引っかききずを付ける。
塩水噴霧試験の後,劣化を起こしてはならない。塗膜は,破れたり金属面から浮いたりしてはならない。
機器に劣化のおそれがある場合,この規格,特に箇条8及び箇条27の全て又はその一部によって判定す
る。
15
C 9335-2-82:2017
32 放射線,毒性その他これに類する危険性
放射線,毒性その他これに類する危険性は,JIS C 9335-1の箇条32(放射線,毒性その他これに類する
危険性)による。
16
C 9335-2-82:2017
附属書
附属書は,JIS C 9335-1の附属書による。
参考文献
参考文献は,次を除き,JIS C 9335-1の参考文献による。
追加
JIS C 9335-2-75,家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第2-75部:業務用ディスペンサ及び自
動販売機の個別要求事項
注記 対応国際規格:IEC 60335-2-75,Household and similar electrical appliances−Safety−Part 2-75:
Particular requirements for commercial dispensing appliances and vending machines
17
C 9335-2-82:2017
附属書JAA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS C 9335-2-82:2017 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第2-82部:
サービス機器及びアミューズメント機器の個別要求事項
IEC 60335-2-82:2002,Household and similar electrical appliances−Safety−Part 2-82:
Particular requirements for amusement machines and personal service machines,
Amendment 1:2008及びAmendment 2:2015
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 この規格の適用範
囲
1
JISとほぼ同じ。
追加
冷却機能をもつ電動圧縮機を用い
るものがあることを追加した。
この規格を適用する機器には,冷
却機能をもつ電動圧縮機を用いる
ものもあることを明確にした。
IECへの提案を検討する。
5 試験のた
めの一般条
件
5.14クラス0I機器
及びクラスI機器の
試験のための一般
条件
5.14
JISとほぼ同じ。
追加
メンテナンス領域内での非接地部
分と充電部との間の絶縁要求を規
定した。
メンテナンス中に触れる部分に
は,感電に対する保護が必要と解
釈し,条件付きでクラス0構造(基
礎絶縁だけ)を認めることとした。
我が国特有の要求事項であるた
め,IECへの提案は行わない。
6 分類
6.1 機器の分類
6.1
JISとほぼ同じ。
追加
機器の分類にクラス0機器及びク
ラス0I機器を追加した。
我が国の配電事情を考慮しクラス
0機器及びクラス0I機器を追加し
た。
我が国特有の要求事項であるた
め,IECへの提案は行わない。
8 充電部へ
の接近に対
する保護
8.1.2 検査プローブ
13による検査
8.1.2
JISとほぼ同じ。
追加
メンテナンス領域内のコネクタに
ついて,検査プローブ13による検
査を追加した。
メンテナンス領域内のコネクタ
は,メンテナンス時にコネクタを
抜くことがないので,コネクタを
接続した状態で,検査プローブ13
を適用する。
IECへの提案を検討する。
6
C
9
3
3
5
-2
-8
2
:
2
0
1
7
18
C 9335-2-82:2017
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
8 充電部へ
の接近に対
する保護
(続き)
8.2 偶発的な接触に
対する保護
8.2
JISとほぼ同じ。
追加
メンテナンス領域のクラス0構造
部分の接触に対する保護要求を追
加した。
5.14と同じ。
11 温度上
昇
11.1 過度の温度に
対する要求
11.1
JISとほぼ同じ。
追加
JIS C 9335-2-34に規定している電
動圧縮機の巻線の温度は適用除外
とした。
この規格を適用する機器で冷却装
置を内蔵するものがあるため,自
動販売機(JIS C 9335-2-75)と同
様に,電動圧縮機の規格(JIS C
9335-2-34)を引用できるようにし
た。
IECへの提案を検討する。
11.7 温度上昇試験
の試験時間につい
て
11.7
JISとほぼ同じ。
追加
補充時に温度が低下し定常状態が
確立できない機器について,試験時
間を別途規定した。
商品補充間隔の実使用状況に即し
た内容とした。
IECへの提案を検討する。
16 漏えい
電流及び耐
電圧
16.2 耐湿試験後の
漏えい電流
16.2
JISとほぼ同じ。
追加
クラス0I機器に対しては,無線妨
害雑音抑制用フィルタを取り付け
た状態で1 mAの限度値を適用し
た。
IEC規格では,無線妨害雑音抑制
用フィルタを取り外した状態で漏
えい電流を測定するが,この規格
の機器は回路が複雑であり,フィ
ルタだけを取り外すことが困難な
機器があるため,フィルタを付け
た状態でも測定可能とした。しか
し,限度値はIEC規格の倍の規定
値とした(冷却装置内蔵のものを
考慮した。)。
IECへの提案を検討する。
19 異常運
転
19.7 拘束状態の試
験条件
19.7
JISとほぼ同じ。
追加
11.1と同じ。
11.1と同じ。
19.8 多相モータを
もつ機器の試験条
件
19.8
JISとほぼ同じ。
追加
11.1と同じ。
11.1と同じ。
6
C
9
3
3
5
-2
-8
2
:
2
0
1
7
19
C 9335-2-82:2017
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
19 異常運
転(続き)
19.13 異常試験の試
験条件
19.13
JISとほぼ同じ。
追加
JIS C 9335-2-34に規定していない
電動圧縮機の外郭温度の限度値を
追加した。
JIS C 9335-2-34を適用している場
合は,電動圧縮機の外郭温度は規
定されているが,三相欠相の試験
をこの規格で行う場合,外郭温度
の限度値が規定されていないのは
不十分である。IECへの提案を検
討する。
20 安全性
及び機械的
危険
20.2 運動部分の保
護
20.2
JISとほぼ同じ。
追加
運動エネルギーが4 Jを超える運動
部分を覆うカバーは,使用者領域だ
けの適用であることを追加した。
使用者領域に限定する規定である
ことを明確化した。IECへの提案
を検討する。
23 内部配
線
23.3 内部配線の屈
曲の要求事項
23.3
JISとほぼ同じ。
追加
内部配線の屈曲に対する要求事項
を追加した。
この規格に規定する機器の保守頻
度(5日に1回程度)及びドアの
開閉速度を考慮した。
IECへの提案を検討する。
23.101 内部配線の
固定の要求事項
23.101 JISとほぼ同じ。
追加
クラス0構造部分を除き,クラス
0I機器を追加した。
接地極をもたないコンセントの配
電事情を考慮し,クラス0I機器に
ついても規定を追加。
我が国特有の要求事項であるた
め,IECへの提案は行わない。
24 部品
24.1 部品の評価基
準
24.1
JISとほぼ同じ。
追加
JIS C 9335-2-34を引用し,その評価
基準を追加した。
11.1と同じ。
25 電源接
続及び外部
可とうコー
ド
25.7 クラスIII機器
以外の機器の電源
コード
25.7
JISとほぼ同じ。
追加
電気設備に関する技術基準を定め
る省令で使用が認められているコ
ードを使用可能とした。
電気設備に関する技術基準を定め
る省令で使用が認められているコ
ードを認めた。
我が国特有の要求事項であるた
め,IECへの提案は行わない。
29 空間距
離,沿面距
離及び固体
絶縁
空間距離,沿面距離
及び固体絶縁の厚
さ
29
JISとほぼ同じ。
追加
11.1と同じ。
11.1と同じ。
6
C
9
3
3
5
-2
-8
2
:
2
0
1
7
20
C 9335-2-82:2017
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:(IEC 60335-2-82:2002,Amd 1:2008及びAmd 2:2015,MOD)
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
6
C
9
3
3
5
-2
-8
2
:
2
0
1
7