C 9335-2-61
:
2017 (IEC 60335-2-61
:
2002
,
Amd.1
:
2005
,
Amd.2
:
2008)
(
1
)
目 次
ページ
序文
···································································································································
1
1
適用範囲
·························································································································
1
2
引用規格
·························································································································
2
3
用語及び定義
···················································································································
3
4
一般要求事項
···················································································································
3
5
試験のための一般条件
·······································································································
3
6
分類
·······························································································································
4
7
表示,及び取扱説明又は据付説明
························································································
4
8
充電部への接近に対する保護
······························································································
5
9
モータ駆動機器の始動
·······································································································
5
10
入力及び電流
·················································································································
6
11
温度上昇
·······················································································································
6
12
(規定なし)
·················································································································
7
13
動作温度での漏えい電流及び耐電圧
···················································································
7
14
過渡過電圧
····················································································································
8
15
耐湿性等
·······················································································································
8
16
漏えい電流及び耐電圧
·····································································································
8
17
変圧器及びその関連回路の過負荷保護
················································································
8
18
耐久性
··························································································································
8
19
異常運転
·······················································································································
8
20
安定性及び機械的危険
····································································································
10
21
機械的強度
···················································································································
10
22
構造
····························································································································
10
23
内部配線
······················································································································
11
24
部品
····························································································································
11
25
電源接続及び外部可とうコード
························································································
11
26
外部導体用端子
·············································································································
11
27
接地接続の手段
·············································································································
12
28
ねじ及び接続
················································································································
12
29
空間距離,沿面距離及び固体絶縁
·····················································································
12
30
耐熱性及び耐火性
··········································································································
12
31
耐腐食性
······················································································································
12
32
放射線,毒性その他これに類する危険性
············································································
12
附属書
·······························································································································
14
附属書
AA
(参考)空気出口グリルの周辺部
·············································································
14
C 9335-2-61
:
2017 (IEC 60335-2-61
:
2002
,
Amd.1
:
2005
,
Amd.2
:
2008)
目次
(
2
)
ページ
参考文献
····························································································································
15
C 9335-2-61
:
2017 (IEC 60335-2-61
:
2002
,
Amd.1
:
2005
,
Amd.2
:
2008)
(
3
)
まえがき
この規格は,工業標準化法第
14
条によって準用する第
12
条第
1
項の規定に基づき,一般社団法人日本
電機工業会(
JEMA
)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業
標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,
JIS C 9335-2-61
:2006
は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 9335
の規格群には,約
100
規格に及ぶ部編成があるが,この規格では省略した。
なお,全ての部編成は,次に示す規格の“まえがき”に記載されている。
JIS
C
9335-1
第
1
部:通則
日本工業規格
JIS
C
9335-2-61
:
2017
(IEC 60335-2-61
:
2002
,
Amd.1
:
2005
,
Amd.2
:
2008
)
家庭用及びこれに類する電気機器の安全性-
第
2-61
部:蓄熱形ルームヒータの個別要求事項
Household and similar electrical appliances-Safety-
Part 2-61: Particular requirements for thermal storage room heaters
序文
この規格は,
2002
年に第
2
版として発行された
IEC 60335-2-61
,
Amendment 1
(
2005
)及び
Amendment
2
(
2008
)を基に,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格である。ただし,追補(
amendment
)
については,編集し,一体とした。
この規格は,
JIS C 9335-1
と併読する規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
この規格の箇条などの番号は,
JIS C 9335-1
と対応している。
JIS C 9335-1
に対する変更は,次の表現を
用いた。
-
“
置換
”は,
JIS C 9335-1
の該当する箇所の要求事項を,この規格の規定に置き換えることを意味す
る。
-
“
追加
”は,
JIS C 9335-1
の該当する箇所の要求事項に,この規格の規定を追加することを意味する。
変更する箇所に関する情報が必要な場合には,これらの表現に続く括弧書きで示す。ただし,
JIS C 9335-1
の引用項目又は引用箇所は,この規格の作成時に最新版として発効されていた
JIS C 9335-1
:2014
を引用し
ている。このため,この規格の発効以降に発効された
JIS C 9335-1
を引用する場合は,その引用項目又は
引用箇所が異なる場合があることに注意する。
JIS C 9335-1
に追加する細分箇条番号は,
JIS C 9335-1
の箇条番号の後に“
101
”からの番号を付け,図
番号及び表番号は,“
101
”からの連続番号を付ける。追加する細別は,
aa)
,
bb)
などとし,追加する附属
書番号は,
AA
,
BB
などと記載する。
1
適用範囲
置換
(箇条
1
全て)
この規格は,定格電圧が,単相の機器の場合には
250 V
以下,その他の機器の場合には
480 V
以下のヒ
ータが置かれている部屋を暖房する家庭用及びこれに類する目的のための蓄熱形室内ヒータの安全性につ
いて規定する。
通常,家庭で用いない機器でも,店舗,軽工業及び農場において一般人が用いる機器のような,一般大
衆への危険源となる機器も,この規格の適用範囲である。
この規格では,住居の中及び周囲で,機器に起因して人が遭遇する共通的な危険性を可能な限り取り扱
う。ただし,通常,次の状態については想定しない。
2
C 9335-2-61
:
2017 (IEC 60335-2-61
:
2002
,
Amd.1
:
2005
,
Amd.2
:
2008)
-
次のような人(子供を含む。)が監視又は指示のない状態で機器を安全に用いることができない場合。
・
肉体的,知覚的又は知的能力の低下している人
・
経験及び知識の欠如している人
-
子供が機器で遊ぶ場合。
注記
1
この規格の適用に際しては,次のことに注意する。
-
この規格は,独立した蓄熱形室内ヒータに限り適用する。ただし,他の蓄熱形室内ヒー
タの要求事項,及び試験仕様を決定するために,この規格を適用することが合理的な場
合は,指針として使用することができる。
-
直接作用する電熱素子を内蔵するヒータに対しては,
JIS C 9335-2-30
も適用する。
-
車両,船舶又は航空機搭載用機器には,要求事項の追加が必要になる場合もある。
-
厚生関係機関,労働安全所管機関,その他の当局によって,追加要求事項を規定する場
合がある。
注記
2
この規格は,次の機器への適用は意図していない。
-
産業用専用のヒータ
-
建造物に組み込まれたヒータ
-
集中式暖房システム
-
サウナ用電熱装置(
JIS C 9335-2-53
)
-
室内暖房のためのシート状の可とう性電熱素子(
JIS C 9335-2-96
)
-
腐食性又は爆発性の雰囲気(じんあい,蒸気又はガス)が存在するような特殊な状況に
ある場所で用いる機器
注記
3
この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60335-2-61
:2002
,
Household and similar electrical appliances
-
Safety
-
Part 2-61: Particular
requirements for thermal storage room heaters
,
Amendment 1:2005
及び
Amendment 2:2008
(
IDT
)
なお,対応の程度を表す記号“
IDT
”は,
ISO/IEC Guide 21-1
に基づき,“一致している”
ことを示す。
2
引用規格
この規格で用いる引用規格は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
2
(引用規格)による。
追加
JIS C 9335-1
家庭用及びこれに類する電気機器の安全性-第
1
部:通則
注記
対応国際規格:
IEC 60335-1
,
Household and similar electrical appliances
-
Safety
-
Part 1: General
requirements
(
MOD
)
JIS C 9335-2-30
家庭用及びこれに類する電気機器の安全性-第
2-30
部:ルームヒータの個別要求事
項
注記
対応国際規格:
IEC 60335-2-30
,
Household and similar electrical appliances
-
Safety
-
Part 2-30:
Particular requirements for room heaters
(
MOD
)
ISO 3864-1
,
Graphical symbols
-
Safety colours and safety signs
-
Part 1: Design principles for safety signs
and safety markings
3
C 9335-2-61
:
2017 (IEC 60335-2-61
:
2002
,
Amd.1
:
2005
,
Amd.2
:
2008)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
3
(用語及び定義)による。
3.1.9
置換
(
3.1.9
全て)
通常動作
(
normal operation
)
次の条件の下で機器を運転したときの状態。
サイクルの動作をする据付ヒータの各サイクルは
24
時間とし,蓄熱期間及び放熱期間で構成される。蓄
熱期間は,全ての電熱素子が蓄熱体の温度制御装置(蓄熱制御装置)によって,最初に遮断された時点ま
でとする。
追加
3.101
蓄熱形室内ヒータ
(
thermal-storage room heater
)
蓄積用の蓄熱体に電気的エネルギーから得られた熱を蓄積し,それを任意の時間に放出するように設計
されたヒータ。
3.102
出力制御ヒータ
(
controlled-output heater
)
熱出力が,例えば,ファン,シャッタ又はフラップのような手段によって,制御することができる蓄熱
形室内ヒータ。
3.103
自由出力ヒータ
(
free-output heater
)
熱が自然対流及び自然放射によって放出され,熱出力が蓄熱のときに限り,調節できる蓄熱形室内ヒー
タ。
3.104
定格蓄熱期間
(
rated charging period
)
製造業者によって,ヒータに指定された中断がない最長の蓄熱期間。
3.105
定格蓄熱(蓄熱時の消費電力量)
(
rated charge
)
定格蓄熱期間において,製造業者によってそのヒータに指定されたエネルギー消費量(消費電力量)。
4
一般要求事項
一般要求事項は,
JIS C 9335-1
の箇条
4
(一般要求事項)による。
5
試験のための一般条件
試験のための一般条件は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
5
(試験のための一般条件)による。
5.5
追加
(
“機器又は”から始まる段落の後に,次を追加する。)
補助空気排出口を具備した出力制御ヒータは,一般的に,空気は主排出口(アウトレット)だけを通し
て,そのヒータがある部屋に放出する。
注記
101
可動部分には,棚及び加湿機のような,ヒータとともに供給される附属品が含まれる。
5.6
追加
(
“制御器又は”から始まる段落の後に,次を追加する。)
感知素子が,空気取入れ口内部に配置されるような,室内空気温度を検知する自動温度調節器は短絡す
る。
4
C 9335-2-61
:
2017 (IEC 60335-2-61
:
2002
,
Amd.1
:
2005
,
Amd.2
:
2008)
5.9
追加
(
“代替電熱素子又は”から始まる段落の後に,次を追加する。)
直接作用する電熱素子が,蓄熱電熱素子と同時に作動することを定めているときは,構造上許される場
合に限り適用する。
6
分類
分類は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
6
(分類)による。
6.1
置換
(
“機器は”から始まる段落を,次に置き換える。)
蓄熱形室内ヒータは,クラス
I
,クラス
II
又はクラス
III
でなければならない。
注記
101A
対応国際規格の“
Modification
(
修正
)
”は,適切でないため,規格の利便性を考慮し,こ
の規格では,
“
置換
”とした。
7
表示,及び取扱説明又は据付説明
表示,及び取扱説明又は据付説明は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
7
(表示,及び取扱説明又は据付説
明)による。
7.1
置換
(
“定格入力又は”で始まる細別を,次に置き換える。)
機器は,定格入力を表示しなければならない。
注記
101A 6.1
の
注記
101A
と同じ。
追加
(
“適否は,”から始まる段落の前に,次を追加する。)
機器は,次を表示しなければならない。
-
定格蓄熱期間(時間)
-
組み立てられた機器の質量(
kg
)
複数の電源接続装置をもつ機器の場合,それぞれの電源回路は,定格電圧,定格入力及び電源の種類を,
表示しなければならない。
箇条
19
の試験中に判定した温度上昇が,箇条
11
で規定する制限を超える場合,機器には,色を除く
ISO
3864-1
の禁止記号又は次の趣旨(警告)とともに
IEC 60417
の記号
5641
(
2002-10
)を表示しなければな
らない。
警告:覆ってはならない。
注記
101
このマークは,機器に永久的に貼り付けられるラベル上に配置してもよい。
7.6
追加
(
“電源の種類の記号は”から始まる段落の前に,次を追加する。)
覆ってはならない。
注記
101
この記号は,
IEC 60417
の記号
5641
(
DB:2002-10
)を,色を除き
ISO 3864-1
の禁止標識と
組み合わせたものである。
7.10
追加
(
“適否は,”から始まる段落の前に,次を追加する。)
蓄熱制御装置は,
OFF
位置を表示してはならない。ただし,それら過電圧カテゴリ
III
の状態下で,完
全遮断できる全極分離接点をもつ場合は除く。ただし,接地中性点(
TN-S-C
システム)で永久的にシステ
ムに接続される単相機器については,中性極の遮断は必要ない。
7.12
追加
(
“適否は,”から始まる段落の前に,次を追加する。)
5
C 9335-2-61
:
2017 (IEC 60335-2-61
:
2002
,
Amd.1
:
2005
,
Amd.2
:
2008)
取扱説明は,耐久性をもつカード又は小冊子の中に記載しなければならない。また,次の趣旨を含まな
ければならない。
-
これらの取扱説明書は,将来も参照するために保管することが望ましい。
-
ヒータの最初の少数回の動作の間に煙を放出する可能性があるため,部屋は十分な換気状態に保つこ
とが望ましい。
取扱説明書には,次の事項も含めなければならない。
-
定格蓄熱
-
ヒータと,家具及びカーテンのような可燃物質との間に保持する最小離隔距離
箇条
19
の試験中に判定した温度上昇が,箇条
11
に規定する限度値を超える場合,取扱説明書には,次
の趣旨を含まなければならない。
-
覆いをかけてはならない。
-
ヒータに接触して物体を置いてはならない。
7.6
に規定する“覆ってはならない。”旨の記号を機器に表示している場合,その意味の説明がなければ
ならない。
7.12.1
追加
(
“適否は,”から始まる段落の前に,次を追加する。)
据付説明書は,次の趣旨を含まなければならない。
-
ヒータの据付けは,訓練を受けた者によって実施することが望ましい。
-
ヒータの再組立て中,熱絶縁の部分に損傷又は劣化がある場合,同一の部品で取り替えることが望ま
しい。
-
安定性を維持するために,ヒータを水平面上に置くことが重要である。例えば,ヒータの下にあるカ
ーペットか,又はタイルの凹凸が原因でできる不規則な表面を回避するように注意することが望まし
い。
据付説明書には,次の事項を含まなければならない。
-
端子を明確に表示した回路図
-
該当する場合,ヒータを床上に固定するか,又はヒータを壁に固定するための詳細(最小取付け高さ
を含む。)
。
7.14
追加
(
“適否は,”から始まる段落の後に,次を追加する。)
7.6
に規定する“覆ってはならない。”旨の記号の高さは,
15 mm
以上でなければならない。
7.6
に規定する“覆ってはならない。”旨の文字の高さは,
3 mm
以上でなければならない。
適否は,測定によって判定する。
7.15
追加
(
“適否は,”から始まる段落の前に,次を追加する。)
覆いに関する表示は,ヒータを据え付けた後,見えなければならない。
8
充電部への接近に対する保護
充電部への接近に対する保護は,
JIS C 9335-1
の箇条
8
(充電部への接近に対する保護)による。
9
モータ駆動機器の始動
モータ駆動機器の始動は,この規格では適用しない。
6
C 9335-2-61
:
2017 (IEC 60335-2-61
:
2002
,
Amd.1
:
2005
,
Amd.2
:
2008)
10
入力及び電流
入力及び電流は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
10
(入力及び電流)による。
10.1
追加
(
“適否は,”から始まる段落の前に,次を追加する。)
ヒータは,
11.2
に規定するように据え付ける。
蓄熱用電熱素子の入力は,蓄熱期間中に測定する。ファン,シャッタ,フラップ及び類似の装置は,熱
放散が最小になるように調節する。
直接作用する電熱素子の入力は,放熱期間中に測定する。ファン,シャッタ,フラップ及び類似の装置
は,熱放散が最大になるように調節する。
電源の各接続装置に対する総入力は,全ての制御装置を最高の入力が生じる位置に調節した状態で測定
する。
注記
101
モータを含むヒータは,電熱機器の規定する許容値を適用する。
追加
10.101
ヒータは,定格蓄積の
100 %
以上を受け入れなければならない。
適否は,定格蓄積期間中のエネルギー消費量を測定することによって判定する。
ヒータは最初室温とし,
定格入力で運転する。使用者が調節可能な場合,蓄熱制御装置は,最大の設定値に設定する。全てのファ
ン,シャッタ,フラップ及び類似の装置をもつ場合,熱放散が最小になるように調節する。
11
温度上昇
温度上昇は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
11
(温度上昇)による。
11.2
置換
(
11.2
全て)
埋込形機器は,埋め込む。
その他のヒータは,試験枠に置く。
厚さ約
20 mm
のつや消し黒色に塗った合板を,試験枠及び埋込形ヒータの取付けに用いる。
試験枠は,ヒータから
300 mm
以上延長する。高さ
120 mm
,厚さ
15 mm
の木板を試験枠の壁の全長に
沿って床に接触して固定する。
ヒータの下側にあって,床から
25 mm
以内にある開口部は閉塞する。
ヒータは,次のように試験枠の中に配置する。
-
通常,床上で使用することを意図したヒータは,壁にできる限り近い床の上に配置する。
-
通常,壁に固定することを意図したヒータは,他の壁及び床に近づけて壁の一つに取り付ける。ただ
し,取扱説明書に別の要求が記載してある場合は除く。
据置形ヒータが,床レベルに開口部をもつ場合,厚さ
20 mm
のフェルトパッドを床上に置き,構造が許
す範囲で開口部中に大きな力をかけずに押し込む。ガードがあるか,又は開口部が小さくてパッドを挿入
できない場合,そのパッドは,開口部に向かってできる限り近づけて押し込む。
注記
フェルトパッドの目的は,空気の流れを制限するおそれがあるカーペットを模擬することであ
る。
寸法が
75 mm
×
75 mm
×
20 mm
のつや消し黒色に塗った合板を試験枠の床上の,できる限りヒータの最
も熱い部分の下に置く。
11.3
追加
(
“試験枠の壁”から始まる段落の前に,次を追加する。)
フェルトパッド及び合板台の温度上昇は,同様に,小形黒色円板に取り付けた熱電対によって測定する。
熱電対は,フェルトパッドの表面及び合板の中心に置く。
7
C 9335-2-61
:
2017 (IEC 60335-2-61
:
2002
,
Amd.1
:
2005
,
Amd.2
:
2008)
11.6
置換
(
11.6
全て)
複合機器は,電熱機器として運転する。
11.7
置換
(
11.7
全て)
出力制御形ヒータは,
3
回の通常動作サイクルを実施,自由出力ヒータは,
2
回の通常動作サイクルを実
施する。
ヒータは,蓄熱制御装置が最初に作動するまで蓄熱する。
出力制御ヒータの場合,第
1
及び第
3
動作サイクルの間,シャッタ,フラップ及び類似の装置は,放熱
期間中放出が最低になるように調節する。この期間中,ファンは,最低速度で動かすか,可能であれば遮
断する。
第
2
動作サイクルの間,ファン,シャッタ及び類似の装置は,放熱期間中,熱放散を最大にするように
調節し,充電期間の終了後
15
分間運転する。
ファン,シャッタ,フラップ及び類似の装置は,放熱が中間になるように調節するときにより高い温度
上昇が起こる場合,さらに通常動作の
1
サイクルをそれらの状態下で実施する。
複数の直接作用する電熱素子を同時に作動させることができる場合は,試験中,それらに通電する。
11.8
追加
(
“保護装置は”から始まる段落の後に,次を追加する。)
表
3
において,ヒータは,長時間連続運転の可能性があるものとみなす。
ヒータの表面の温度上昇は,蓄熱期間完了後の
20
分後に開始する測定で,
表
101
に示す値を超えてはな
らない。
表
101
-
表面の温度上昇
単位
K
部分
上昇温度
試験ロッド
b)
が触れることができる空気排気口及びそれらの近接の縁
a)
-
空気排出口の格子が,ヒータの側面又は前面にある,ファンを備えているヒータ
-
その他のヒータ
175
130
その他の試験ロッド
b)
が触れることができる表面
85
フェルトパッド,合板台
60
注
a)
近接の縁とは,開口部の上に垂直に測定した空気排出口から距離
100 mm
以内に,その他の方向では距離
25
mm
以内にある表面である。空気排出口の格子の周辺部の代表的な断面図については,
附属書
AA
を参照する。
b)
試験ロッドとは,長さ無制限の半球の端末をもつ直径
75 mm
球の円筒形棒である。
12
(規定なし)
13
動作温度での漏えい電流及び耐電圧
動作温度での漏えい電流及び耐電圧は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
13
(動作温度での漏えい電流及
び耐電圧)による。
13.1
置換
(
“
11.7
に規定する時間”から始まる段落を,次に置き換える。)
13.2
及び
13.3
に規定する試験は,蓄熱制御装置の動作の前に,
11.7
に規定する最後の運転サイクルの蓄
積期間の終わりに行う。
試験は,放熱期間中に,モータ,及び直接作用する電熱素子を同時に動かした状態でも行う。
注記
101A 6.1
の
注記
101A
と同じ。
8
C 9335-2-61
:
2017 (IEC 60335-2-61
:
2002
,
Amd.1
:
2005
,
Amd.2
:
2008)
14
過渡過電圧
過渡過電圧は,
JIS C 9335-1
の箇条
14
(過渡過電圧)による。
15
耐湿性等
耐湿性等は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
15
(耐湿性等)による。
15.2
追加
(
“その後,機器は”から始まる段落の前に,次を追加する。
)
上面に水平面をもつ機器の場合,機器の上面に,含有率が約
1 %
の塩化ナトリウム水溶液
250 ml
を
5
秒
間にわたり注ぐ。
16
漏えい電流及び耐電圧
漏えい電流及び耐電圧は,
JIS C 9335-1
の箇条
16
(漏えい電流及び耐電圧)による。
17
変圧器及びその関連回路の過負荷保護
変圧器及びその関連回路の過負荷保護は,
JIS C 9335-1
の箇条
17
(変圧器及びその関連回路の過負荷保
護)による。
18
耐久性
耐久性は,この規格では適用しない。
19
異常運転
異常運転は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
19
(異常運転)による。
19.1
置換
(“電熱素子”から始まる段落から“電圧切換スイッチを”から始まる段落までを,次に置き
換える。)
試験の規定の代わりに,
19.3
,
19.11
,
19.12
及び
19.101
に規定する試験を適用する。
モータを組み込んだ機器は,
19.7
に規定する試験も行う。
注記
101A 6.1
の
注記
101A
と同じ。
19.3
置換
(
19.3
全て)
機器は,箇条
11
の規定に従って運転するが,
19.3.101
~
19.3.104
の状態下では,入力を定格入力の
1.24
倍とする。
19.3.101
出力制御ヒータは,最小熱放散条件で,
1
サイクル通常運転を行う。
19.3.102
ヒータは,最大熱放散条件で
1
サイクル通常運転を行う。
放熱期間中,質量が約
470 g/m
2
でヒータの長さと同一の幅をもつ純毛製毛布を,ヒータの真上を越え,
ヒータの前面に沿って下側に壁からのばす。
注記
壁とヒータとの間の毛布は,ヒータの背後に下がっていてもよい。その毛布がヒータの前から
離して保持しないように考慮する。
毛布の下のヒータの表面の温度上昇を測定する。
19.3.103
ヒータは,最高熱放散条件で
1
サイクル通常運転を行う。
放熱期間中,黒塗りの合板をヒータの前面に向かって最も不利な位置に置く。板は,厚さ
13 mm
で,ヒ
ータの幅の
75 %
に等しい幅か,又は
60 cm
のうちいずれか大きい方の幅をもち,ヒータの高さ以上とする。
直接作用する電熱素子は,運転する。
9
C 9335-2-61
:
2017 (IEC 60335-2-61
:
2002
,
Amd.1
:
2005
,
Amd.2
:
2008)
板の温度上昇は,直径
15 mm
で,厚さ
1 mm
の小形の黒く塗った銅又は黄銅の円盤に取り付ける。円盤
の前面は,板の表面と同一面になるように埋め込む。
19.3.104
ヒータは,最大熱放散条件で
1
サイクル通常運転を行う。
熱放散期間中に,質量が約
470 g/m
2
でヒータの長さと同一の幅をもつ折り畳んだ純毛製毛布を,ヒータ
の最上部に置く。毛布は
6
枚に畳み,それぞれの折り重ねは,幅がヒータの前面から壁までの距離に等し
くする。
毛布の下のヒータの表面の温度上昇を測定する。
試験中,空気の温度上昇は,蓄熱期間の完了後の
20
分後に測定を開始する。測定は,
図
101
に示す装置
を用いて,空気排出口から距離
10 mm
の位置で行う。
19.13
追加
(
“試験後に各部の”から始まる段落の前に,次を追加する。
)
19.3
の試験中に,毛布の下のヒータの表面の温度上昇及び合板の温度上昇は,
180 K
を超えてはならな
い。
空気の温度上昇は,
180 K
を超えてはならない。
追加
19.101
機器は,通常動作で,定格電圧を供給して運転する。次の異常状態を,最も不利になる状態に調
節したファン,シャッタ,フラップ及び類似の装置に,
1
動作サイクルに一つ導入する。
-
電源の一相の遮断
-
箇条
11
の試験中に動作する制御装置の短絡
-
安全な位置にだけ落ち着かせることのできる場合を除き,最も不利になる状態で空気混合装置の不良
の模擬
注記
1
空気混合装置の故障は,制御装置を動作不能にすることで模擬できる。空気混合装置に複数
の制御装置を備えている場合は,それらを順番に動作不能にする。
注記
2
試験は,最も不利な結果が生じると予想する状態に制限する。
空気混合装置の故障状態の模擬試験の間,温度上昇は次の値を超えてはならない。
-
空気排出口のグリル及びその近傍
・
空気排出口の格子が,ヒータの側面又は前面にある,ファンを備えているヒータの場合:
180 K
・
その他のヒータの場合:最初の
5
分間は
180 K
,それ以降は
155 K
-
ヒータのほかの外部表面:
140 K
-
試験枠の床:
100 K
19.102
複数の部屋に空気を供給する排出口を備えた機器は,空気の逆流によって損傷を受けてはならな
い。
機器は,定格電圧を印加して,
11.7
に規定する最初の運転サイクルのとおりに動作させる。その他の全
ての出口は閉鎖し,また,ファンの電源を切って,空気を
25 Pa
の圧力で各空気排出口に順番に注入する。
試験は,定常状態に達するまで行う。
温度上昇は,次を超えてはならない。
-
ヒータの表面の場合:
150 K
-
試験枠の壁及び床の場合:
60 K
ヒータは,この規格に適合しなくなるような損傷が生じてはならない。
10
C 9335-2-61
:
2017 (IEC 60335-2-61
:
2002
,
Amd.1
:
2005
,
Amd.2
:
2008)
20
安定性及び機械的危険
安定性及び機械的危険は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
20
(安定性及び機械的危険)による。
20.1
置換
(
“電熱素子をもつ機器”から始まる段落を,次に置き換える。)
角度
15
°の傾斜面上の試験の代わりに,機器を水平面上に設置し,
200 N
の力を,最も不利な水平方向
にヒータの上部に加える。
ヒータが転倒してはならない。
注記
101
ヒータが移動しないようにする。
注記
101A
6.1
の
注記
101A
と同じ。
21
機械的強度
機械的強度は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
21
(機械的強度)による。
21.1
追加
(最後の段落の後に,次を追加する。)
80 kg
のおもりを,直径
230 mm
の面上に,ヒータの上面にゆっくりと置く。この規格との適合に影響を
及ぼす外郭のひずみがあってはならない。
22
構造
構造は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
22
(構造)による。
22.17
追加
(最後の段落の前に,次を追加する。)
注記
101
この要求事項は,機器を設置した後にだけ適用する。
追加
22.101
ヒータは,空気排出口を通しての侵入,又は蓄熱体,熱絶縁物若しくはその他の資材からの加熱
した粒子が,ヒータ中の空気ダクトに入ることによって,この規格と適合しなくなることがないように組
み立てることができなければならない。
適否は,目視検査によって判定する。
22.102
機器は,電熱素子が通常の使用中に元の状態を維持するように組み立てることができなければな
らない。破損した電熱素子の部分が,機器の外側に落下するか,又は空気排出口から吹き出る可能性があ
ってはならない。
適否は,目視検査によって判定する。
22.103
ヒータは,溶融物質又は燃焼物質が,ヒータの底部から落下することがない構造でなければなら
ない。
適否は,目視検査によって判定する。
注記
この要求事項は,ヒータの底部から見たとき,電熱素子を見ることができない場合は,適合し
ているとみなされている。
22.104
機器は,据付け中に構成部品が簡単に組み立てられるような構造でなければならない。蓄熱用の
蓄熱体及び電熱素子は,内部接続を行う前に正しい位置に置くことができるように,前もって配置されて
いなければならない。
内部配線及び端子は,間違った接続が起きないように配置及び表示をしなければならない。内部接続を
多極ピンコネクタによって行う場合,それらは有極性でなければならない。
適否は,目視検査,及び必要な場合,ヒータを組み立てることによって判定する。
22.105
ヒータは,熱絶縁を損傷することなく温度過昇防止装置のリセット,並びに制御装置及び電熱素
11
C 9335-2-61
:
2017 (IEC 60335-2-61
:
2002
,
Amd.1
:
2005
,
Amd.2
:
2008)
子の取替えが可能である構造でなければならない。
適否は,目視検査によって判定する。
22.106
ヒータは,物体がヒータの背後に落下するか,又は差し込まれることがないように組み立てられ
なければならない。この目的のために設けるガードは,ヒータの最上部から下側に
50 mm
を超えて離れた
位置にあってはならず,側面から
50 mm
超えて離れてはならない。
これらの要求事項は,ヒータが,その背面と壁との間で
75 mm
以上の距離を保つスペーサをもつ場合は
適用しない。
幅木となるくぼみの高さは,
25 cm
を超えてはならない。
適否は,目視検査及び測定によって判定する。
22.107
乾燥状態のヒータの質量は,表示した質量の
1.1
倍を超えてはならない。
適否は,測定によって判定する。
23
内部配線
内部配線は,
JIS C 9335-1
の箇条
23
(内部配線)による。
24
部品
部品は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
24
(部品)による。
追加
24.101
蓄熱体の温度を制限する温度過昇防止装置は,一つ以上が非自己復帰形でなければならない。工
具を使用しないとそれをリセットするか,又はそれに触れることができない構造でなければならない。
機器が,蓄熱体の温度を制限する全ての熱的な制御装置を短絡した状態で
19.3
に規定する試験に適合す
る場合,この要求事項は適用しない。
温度過昇防止装置は,箇条
11
の試験中に,ほかの全ての温度制御装置とは無関係に動作しなければなら
ない。
適否は,目視検査及び手による試験によって判定する。
短絡した蓄熱体の温度を制限する全ての熱的な制御で
19.3
に規定する試験を行う場合,蓄熱期間は,機
器上面の温度上昇が安定した後に終了する。
注記
短絡した蓄熱体の温度を制限する全ての熱的な制御における
19.3
に規定する試験の間に,一つ
以上の電熱素子の不良を許容する。この場合において,不良が生じた電熱素子は,故意に弱く
した部分とみなされている。
25
電源接続及び外部可とうコード
電源接続及び外部可とうコードは,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
25
(電源接続及び外部可とうコード)
による。
25.1
この規格では適用しない。
25.3
追加
(
“適否は,”から始まる段落の前に,次を追加する。)
ヒータは,固定配線に恒久的に接続するための装置をもっていなければならない。
26
外部導体用端子
外部導体用端子は,
JIS C 9335-1
の箇条
26
(外部導体用端子)による。
12
C 9335-2-61
:
2017 (IEC 60335-2-61
:
2002
,
Amd.1
:
2005
,
Amd.2
:
2008)
27
接地接続の手段
接地接続の手段は,
JIS C 9335-1
の箇条
27
(接地接続の手段)による。
28
ねじ及び接続
ねじ及び接続は,
JIS C 9335-1
の箇条
28
(ねじ及び接続)による。
29
空間距離,沿面距離及び固体絶縁
空間距離,沿面距離及び固体絶縁は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
29
(空間距離,沿面距離及び固体
絶縁)による。
29.2
追加
(
注記
2
の前に,次を追加する。)
ファンを組み込んだ機器の場合,絶縁が,機器の通常使用中に汚損にさらされることがないように密閉
又は設置しない場合,ミクロ環境は汚損度
3
とする。
30
耐熱性及び耐火性
耐熱性及び耐火性は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
30
(耐熱性及び耐火性)による。
30.2.2
この規格では適用しない。
31
耐腐食性
耐腐食性は,
JIS C 9335-1
の箇条
31
(耐腐食性)による。
32
放射線,毒性その他これに類する危険性
放射線,毒性その他これに類する危険性は,
JIS C 9335-1
の箇条
32
(放射線,毒性その他これに類する
危険性)による。
13
C 9335-2-61
:
2017 (IEC 60335-2-61
:
2002
,
Amd.1
:
2005
,
Amd.2
:
2008)
単位
mm
注記
1
熱絶縁材は,銅板と堅木との間で圧縮されない。
注記
2
熱電対の電線は,銅板と断熱材との間に配置する。
記号
A
銅板の中央に固定した熱電対
B
正方形の銅板
C
熱絶縁材
D
堅木の正方形の台
E
固定用の穴の位置
図
101
-
空気の温度上昇測定装置
14
C 9335-2-61
:
2017 (IEC 60335-2-61
:
2002
,
Amd.1
:
2005
,
Amd.2
:
2008)
附属書
附属書は,次を除き,
JIS C 9335-1
の附属書による。
附属書
AA
(参考)
空気出口グリルの周辺部
単位
mm
記号
A
:最大
100 mm
B
:最大
25 mm
注記
1
これらの略図は,代表的な蓄熱形ルームヒータの空気出口の周辺部の断面図を示したものである。
注記
1A
図中の円弧
A
は,太線部分(
L
字形部分)の合計寸法を示すものである。
15
C 9335-2-61
:
2017 (IEC 60335-2-61
:
2002
,
Amd.1
:
2005
,
Amd.2
:
2008)
参考文献
参考文献は,次を除き,
JIS C 9335-1
の
参考文献
による。
追加
JIS C 9335-2-53
家庭用及びこれに類する電気機器の安全性-第
2-53
部:サウナ用電熱装置及び赤外
線キャビンの個別要求事項
注記
対応国際規格:
IEC 60335-2-53
,
Household and similar electrical appliances
-
Safety
-
Part 2-53:
Particular requirements for sauna heating appliances and infrared cabins
JIS C 9335-2-96
家庭用及びこれに類する電気機器の安全性-第
2-96
部:室内暖房のためのシート状
の可とう性電熱素子の個別要求事項
注記
対応国際規格:
IEC 60335-2-96
,
Household and similar electrical appliances
-
Safety
-
Part 2-96:
Particular requirements for flexible sheet heating elements for room heating