C 9335-2-31:2019
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 2
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 一般要求事項 ··················································································································· 3
5 試験のための一般条件 ······································································································· 3
6 分類······························································································································· 3
7 表示,及び取扱説明又は据付説明 ························································································ 3
8 充電部への接近に対する保護 ······························································································ 6
9 モータ駆動機器の始動 ······································································································· 6
10 入力及び電流 ················································································································· 6
11 温度上昇 ······················································································································· 6
12 (規定なし) ················································································································· 7
13 動作温度での漏えい電流及び耐電圧 ··················································································· 7
14 過渡過電圧 ···················································································································· 7
15 耐湿性等 ······················································································································· 7
16 漏えい電流及び耐電圧 ····································································································· 7
17 変圧器及びその関連回路の過負荷保護 ················································································ 8
18 耐久性 ·························································································································· 8
19 異常運転 ······················································································································· 8
20 安定性及び機械的危険 ····································································································· 8
21 機械的強度 ···················································································································· 9
22 構造 ····························································································································· 9
23 内部配線 ······················································································································ 10
24 部品 ···························································································································· 10
25 電源接続及び外部可とうコード ························································································ 10
26 外部導体用端子 ············································································································· 10
27 接地接続の手段 ············································································································· 10
28 ねじ及び接続 ················································································································ 10
29 空間距離,沿面距離及び固体絶縁 ····················································································· 11
30 耐熱性及び耐火性 ·········································································································· 11
31 耐腐食性 ······················································································································ 11
32 放射線,毒性その他これに類する危険性 ············································································ 11
附属書 ······························································································································· 13
参考文献 ···························································································································· 13
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ページ
附属書JAA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ···································································· 14
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
電機工業会(JEMA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業
標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS C 9335-2-31:
2005は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 9335の規格群には,約100規格による部編成があるが,この規格では省略した。
なお,全ての部編成は,JIS C 9335-1の“まえがき”に記載されている。
日本工業規格 JIS
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家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−
第2-31部:レンジフード及びその他の
調理煙換気装置の個別要求事項
Household and similar electrical appliances-Safety-Part 2-31:
Particular requirements for range hoods and other cooking fume extractors
序文
この規格は,2012年に第5版として発行されたIEC 60335-2-31及びAmendment 1:2016を基とし,我が
国の使用状態を反映させるため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。ただし,追補
(amendment)については,編集し,一体とした。
この規格は,JIS C 9335-1と併読する規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAAに示す。
この規格の箇条などの番号は,JIS C 9335-1と対応している。JIS C 9335-1に対する変更は,次の表現を
用いた。
− “置換”は,JIS C 9335-1の該当する箇所の要求事項を,この規格の規定に置き換えることを意味す
る。
− “追加”は,JIS C 9335-1の該当する箇所の要求事項に,この規格の規定を追加することを意味する。
変更する箇所に関する情報が必要な場合には,これらの表現に続く括弧書きで示す。ただし,JIS C 9335-1
の引用項目又は引用箇所は,この規格の作成時に最新版として発効されていたJIS C 9335-1:2014を引用し
ている。このため,この規格の発効以降に発効されたJIS C 9335-1を引用する場合は,その引用項目又は
引用箇所が異なる場合があることに注意する。
JIS C 9335-1に追加する細分箇条番号は,JIS C 9335-1の箇条番号の後に“101”からの番号を付け,図
番号及び表番号は,“101”からの連続番号を付ける。追加する附属書番号は,AA,BBなどと記載する。
1
適用範囲
置換(箇条1の全てを,次に置き換え適用する。)
この規格は,定格電圧が250 V以下で,調理用レンジ,こんろ及び類似の調理用機器の上,横,後ろ又
は下に据え付けることを意図する電気レンジフード及びその他の調理煙換気装置(以下,機器という。)の
安全性について規定する。
注記1 調理用機器は,電気又はガスのような燃料を供給されることがある。
通常,家庭で用いない機器でも,店舗,軽工業及び農場において一般人が用いる機器のような,一般大
2
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衆への危険源となる機器も,この規格の適用範囲である。
この規格では,住宅の中及び周囲で,機器に起因して人が遭遇する共通的な危険性を可能な限り取り扱
う。ただし,通常,次の状態については規定していない。
− 次のような人(子供を含む。)が監視又は指示のない状態で機器を安全に用いることができない場合。
・ 肉体的,知覚的又は知的能力が低下している人
・ 経験及び知識が欠如している人
− 子供が機器で遊ぶ場合。
注記2 この規格の適用に際しては,次のことに注意する。
− 静電気エアフィルタを内蔵している機器は,JIS C 9335-2-65も適用する。
− 車両,船舶又は航空機搭載用機器には,要求事項の追加が必要になる場合がある。
− 厚生関係機関,労働安全所管機関,水道当局その他の当局によって,追加要求事項を規
定する場合がある。
注記3 この規格は,次のものへの適用は意図していない。
− 営業用を意図した機器(IEC 60335-2-99)及び産業用を意図した機器
− 腐食しやすい場所又は爆発性の雰囲気(じんあい,蒸気又はガス)が存在するような特
殊な状況にある場所で用いる機器
注記4 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60335-2-31:2012,Household and similar electrical appliances−Safety−Part 2-31: Particular
requirements for range hoods and other cooking fume extractors及びAmendment 1:2016
(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
引用規格は,JIS C 9335-1の箇条2(引用規格)によるほか,次による。
追加
JIS C 9335-1:2014 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第1部:通則
IEC 61231,International lamp coding system(ILCOS)
3
用語及び定義
用語及び定義は,JIS C 9335-1の箇条3(用語及び定義)によるほか,次による。
追加(次の用語及び定義を追加し適用する。)
3.101
レンジフード(range hood)
こんろの上から,汚れた空気を集めるためのモータ駆動機器。
注記 フィルタを通過した空気は,部屋の中に再度放出されるか,又はダクトによって排出されるこ
とがある。
3.102
下向き通風システム(down-draft system)
家庭用の調理用レンジ,こんろ及び類似の調理用機器付近に設置し,汚れた空気を内部排気ダクトに引
3
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き入れる換気システム。
注記 3.101の注記と同じ。
4
一般要求事項
一般要求事項は,JIS C 9335-1の箇条4(一般要求事項)による。
5
試験のための一般条件
試験のための一般条件は,JIS C 9335-1の箇条5(試験のための一般条件)によるほか,次による。
5.7
追加(“ある部分の到達温度を”で始まる段落の後に,次を追加し規定する。)
下向き通風システムは,箇条11及び箇条13の試験を,周囲温度が40 ℃±2 ℃で行う。
5.10 追加(“埋込形機器及び固定形機器”で始まる段落の後に,次を追加し規定する。)
別途規定する場合を除き,機器は,ダクトには接続しない。
注記101A
対応国際規格のModification(修正)は,適切でないため,規格利用者の利便性を考慮し,
追加とした。
追加(次の細分箇条を追加し規定する。)
5.101
調理用機器表面の上部に設置することを意図した下向き通風システムは,レンジフードに対して
規定する事項と同様の試験を実施する。
6
分類
分類は,JIS C 9335-1の箇条6(分類)による。
7
表示,及び取扱説明又は据付説明
表示,及び取扱説明又は据付説明は,JIS C 9335-1の箇条7(表示,及び取扱説明又は据付説明)による
ほか,次による。
7.1
追加(“適否は,目視検査”で始まる段落の前に,次を追加し規定する。)
機器には,ランプホルダの上又は近傍に,交換可能な照明ランプの最大入力を,“ランプ最大…W”によ
って表示しなければならない。
“ランプ”という用語は,IEC 60417の記号5012(2002-10)に置き換えてもよい。
ランプの定格電圧が製品の定格電圧よりも低い場合,ランプの定格電圧を,ランプホルダの上又は近傍
にも表示しなければならない。
セルフシールドしたハロゲン電球又はメタルハライドランプだけを用いることを意図したレンジフード
は,“セルフシールドしたハロゲン電球又はメタルハライドランプだけに用いる。”旨の記号(7.6参照)又
は語句を表示しなければならない。
保護シールドを取り入れているレンジフードは,“どのようなひびが入ったシールドでも取り替える。”
旨の記号(7.6参照)又は語句を表示しなければならない。
機器には,次の事項を表示しなければならない。
− 製造年
− 設計上の標準使用期間(標準的な使用条件の下で用いた場合に安全上支障なく用いることができる標
準的な期間として,設計上,設定した期間)
− “設計上の標準使用期間を超えて用いた場合,経年劣化による発火,けが等の事故に至る可能性があ
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る。”旨
注記101A
レンジフードのフードの表面又は内面の使用する位置から見える箇所は,表示に適して
いる。
注記101B
コントローラを附属している場合は,コントローラに併せて表示することが望ましい。
7.6
追加(次の記号を,追加し規定する。)
“セルフシールドしたハロゲン電球又はメタルハライド
ランプだけに用いる。”
“どのようなひびが入ったシールドでも取り替える。”
7.12 追加(“この機器で遊ぶこと”で始まる細別の後に,次を追加し規定する。)
取扱説明書には,次の趣旨も記載しなければならない。
− ガス,その他の燃料を燃焼させる機器と同時に用いる場合は,部屋の適切な換気が可能でなければな
らない。ただし,空気を部屋に戻すだけの構造の機器には,適用しない。
− 清掃の方法及び頻度に関する詳細
− “取扱説明書に従って清掃を実施しなければ,火災の危険がある。”旨
− “レンジフードの下では,フランベを行ってはならない。”旨
− “注意:調理機器と一緒に用いる場合,接触可能部分は熱くなる可能性がある。”旨
追加(“適否は,目視検査”で始まる段落の前に,次を追加する。)
取扱説明書は,次の事項を記載しなければならない。
− ランプ形式,形状の説明及びランプの図形
− 意図するランプの定格消費電力
− 交換可能なランプの最大消費電力
− ランプの定格電圧若しくは電圧範囲,又はプレ熱始動のための蛍光ランプ用スタータ代替物の詳細
− ランプの口金の形式
− ランプの公称寸法
文字と図形とを含んでいる“ILCOS Dコード”(IEC 61231による標準バージョンコード)は,取扱説明
書の要求を満たしている。
注記101 ILCOS Dコードを用いた要求される表示の例は,次に示す。
例1 (タングステンフィラメントランプ−白熱電球の場合)
使用形式ランプ(又は交代形ランプの中で使用)IAA/C-40-220/230-E27-60(IEC 61231によ
るILCOS Dコード)
− タングステンフィラメントランプ−透明な西洋ナシ形のランプ
− 最大消費電力:40 W
− 電圧範囲:220 V-240 V
− 寸法:呼び径60 mm
例2 (蛍光ランプの場合)
使用形式ランプ(又は交代形ランプの中で使用)FBRI-23-230/240-E14-82/127(IEC 61231に
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よるILCOS Dコード)
− 自己安定蛍光性の反射形ランプ
− 一体化した誘導形安定器
− 最大消費電力:23 W
− 電圧範囲:230 V-240 V
− 寸法:径が82 mm,長さが127 mm
“セルフシールドしたハロゲン電球又はメタルハライドランプだけに用いる。”及び/又は“どのような
ひびが入ったシールドでも取り替える。”旨の記号を用いる場合,その意味を,取扱説明書に記載しなけれ
ばならない。
取扱説明書には,標準的な使用条件を超えて用いた場合,標準使用期間よりも短い期間で経年劣化によ
る発火,けが等の事故に至るおそれがある旨を記載しなければならない。また,標準的な使用条件等の設
計上の標準使用期間の算出根拠を記載することが望ましい。
7.12.1 追加(“適否は,目視検査”で始まる段落の前に,次を追加し規定する。)
据付説明書には,次の事項を含めなければならない。
− ガス,その他の燃料を燃焼させる機器は,廃ガスを排出するために用いる排気管の中に排気してはな
らない。ただし,空気を室内に戻すだけの構造の機器には適用しない。
− こんろの調理容器を置く支持面とレンジフードの最も低い部分との間の最短距離。
− 排気に関する規則を遵守しなければならない。
レンジフードが四つ以下のこんろエレメントのこんろの上に設置することに限定する場合,この旨を記
載しなければならない。
クラスII構造の可触金属部のきょう(筐)体をもつレンジフードの据付説明書には,附属品(例えば,
看板又はダクト取付金具)を取り付けるために,レンジフードを貫通するあらゆる固定ねじ,取付けねじ
又は他の固定装置の位置及び最大許容長さを示す詳細な情報を記載しなければならない。
クラスII構造の可触金属部のきょう体をもつレンジフードの取扱説明書には,附属品を取り付けるため
に,レンジフードを貫通するあらゆる固定ねじ,取付けねじ又は他の固定装置を用いる場合,これらのね
じ又は固定装置の要求される位置を指示しなければならない。また,次の警告の趣旨を記載しなければな
らない。
警告:これらの取扱説明書に従って,ねじ又は固定手段を取り付けることができない場合は,電気的
な危険となる可能性がある。
警告は,機器に取り付ける方法の詳しい説明文を含む取扱説明書の同じ箇所に記載しなければならない。
下向き通風システムのための据付説明書には,次の内容も記載しなければならない。
− ガスこんろで用いることを意図しない場合,次の警告。
警告:この機器は,ガスこんろで用いることを意図していない。
− ガスこんろとともに用いることを意図する場合,ガス器具の詳しい説明。
注記101 下向き通風システムを指定の機器とともに用いる場合にだけ,この情報は記載する。
7.14 追加(“適否は,目視検査”で始まる段落の前に,次を追加し規定する。)
“セルフシールドしたハロゲン電球又はメタルハライドランプだけに用いる。”又は“どのようなひびが
入ったシールドでも取り替える。”旨の記号の高さは,15 mm以上でなければならない。
7.15 追加(“適否は,目視検査”で始まる段落の前に,次を追加し規定する。)
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交換可能な照明用ランプの最大入力の表示は,ランプの交換中に見えなければならない。
“セルフシールドしたハロゲン電球又はメタルハライドランプだけに用いる。”旨の記号又は語句による
表示は,ランプの交換の間,見えなければならない。
機器を通常使用に従って設置するとき,“どのようなひびが入ったシールドでも取り替える。”旨の記号
又は語句の表示は見えなければならない。
8
充電部への接近に対する保護
充電部への接近に対する保護は,JIS C 9335-1の箇条8(充電部への接近に対する保護)によるほか,次
を追加する。
8.2
追加(“適否は,目視検査”で始まる段落の前に,次を追加し規定する。)
使用者による保守のために着脱できる部分を取り外した後,内部配線の基礎絶縁は,JIS C 3662規格群
若しくはJIS C 3663規格群,又はこれらと同等以上の特性をもつコードの基礎絶縁と電気的に等価である
場合は,触れてもよい。
注記101A 電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈(20130605商局第3号)の別表第一によるコ
ードは,同等以上の特性をもつものとみなされている。
9
モータ駆動機器の始動
モータ駆動機器の始動は,この規格では規定しない。
10 入力及び電流
入力及び電流は,JIS C 9335-1の箇条10(入力及び電流)による。
11 温度上昇
温度上昇は,JIS C 9335-1の箇条11(温度上昇)によるほか,次による。
11.2 置換(11.2の全てを,次に置き換え規定する。)
埋込形機器は,据付説明書又は取扱説明書に従って据え付ける。その他の機器は,垂直な支持台に固定
する。
機器は,機器の最低点とこんろ面との間の距離が,据付説明書又は取扱説明書に指定した最小距離とな
るように,こんろの上に配置する。レンジフードの上部と同じ高さの垂直側壁を,レンジフードの一方の
側面から100 mm離して垂直な支持台に対して垂直に設置する。厚さ約20 mmのつや消し黒に塗った合板
を,垂直な支持台,側壁及び埋込形レンジフードの設置台に用いる。
四つのこんろ用素子をもつこんろの上に,レンジフードを取り付けることを意図している場合,後部に
二つの2 kWの電気素子,前部に二つの1.5 kWの電気素子をもつこんろを用いる。
六つのこんろ用素子をもつこんろの上に,レンジフードを取り付けることを意図している場合,後部に
三つの2 kWの電気素子,前部に三つの1.5 kWの電気素子をもつこんろを用いる。
この試験で用いるこんろの設置を,図101に示す。これらのこんろは,レンジフードに対して中央に配
置する。
水が入っている容器を,こんろ用素子の上に蓋なしで置く。容器は,こんろ用素子の直径にほぼ等しい
直径のものを用いる。こんろ用素子を,勢いよく沸騰状態を維持するように運転する。
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機器は,こんろ用素子を運転しない状態でも試験する。
制御装置とフィルタボックスとをファンから離して設置する機器の場合,入力及び出力のダクト長は,
ファンの直径の4倍とする。ただし,ファンを建物の外部構造上に取り付けることを意図する場合,ファ
ンの出口側にダクトは取り付けない。
11.7 置換(11.7の全てを,次に置き換え規定する。)
機器は,定常状態に達するまで運転する。
11.8 追加(“保護装置は作動してはならず,”で始まる段落の後に,次を追加し規定する。)
外郭及び木材に対する温度上昇限度値は,こんろ用素子が運転しているときには適用しない。こんろ用
素子を運転しない状態で機器を試験する場合,外郭及び木材に対する温度上昇だけを測定する。木材に対
する温度上昇限度値は,65 Kとする。
ランプホルダ及び外郭の温度上昇限度値は,ファンモータをスイッチオフ及びライトをスイッチオンに
した状態でも測定する。きょう体の温度は,その形状にかかわらず,ランプガラスの周りで距離が35 mm
の範囲内では測定しない。
下向き通風システムの場合,温度上昇は,表3に示す値から15 Kを減じた値を超えてはならない。
12 (規定なし)
13 動作温度での漏えい電流及び耐電圧
動作温度での漏えい電流及び耐電圧は,JIS C 9335-1の箇条13(動作温度での漏えい電流及び耐電圧)
による。
14 過渡過電圧
過渡過電圧は,JIS C 9335-1の箇条14(過渡過電圧)による。
15 耐湿性等
耐湿性等は,JIS C 9335-1の箇条15(耐湿性等)によるほか,次による。
15.1.1 追加(“充電部をもち,かつ,”で始まる段落の後に,次を追加し規定する。)
建物の外部構造に取り付けることを意図したファンの外側の部分には,JIS C 0920の14.2.4(オシレー
ティングチューブ又は散水ノズルによる第二特性数字4に対する試験)a)による試験を適用し,外部表面
に取り付けないファンの部分には,オシレーティングチューブからの水がかからないようにしておく。試
験は,機器を休止状態にして実施し,続いて定格電圧を供給し,シャッタ又はこれに類する装置を開いた
状態で,機器を運転状態にして実施する。
15.2 追加(“着脱できる部分は,取り外す。”で始まる段落の後に,次を追加し規定する。)
下向き通風システムの場合,含有率が約1 %の塩化ナトリウム水溶液が0.5 L入った容器から,下向き通
風システムの重要部分全体に,その溶液を15秒間かけて一様に注ぐ。
16 漏えい電流及び耐電圧
漏えい電流及び耐電圧は,JIS C 9335-1の箇条16(漏えい電流及び耐電圧)による。
8
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17 変圧器及びその関連回路の過負荷保護
変圧器及びその関連回路の過負荷保護は,JIS C 9335-1の箇条17(変圧器及びその関連回路の過負荷保
護)による。
18 耐久性
耐久性は,この規格では規定しない。
19 異常運転
異常運転は,JIS C 9335-1の箇条19(異常運転)によるほか,次による。
19.1 追加(“電圧切換スイッチを内蔵した”で始まる段落の後に,次を追加し規定する。)
機器には,19.101の試験も実施する。
19.13 追加(“試験後に各部の温度が”で始まる段落の後に,次を追加し規定する。)
19.101の試験中,モータ巻線の温度は,表8に規定する値以下でなければならない。機器は,部品が落
下するほどの変形があってはならない。
追加(次の細分箇条を追加し規定する。)
19.101 機器は,箇条11に規定するように,こんろの上で運転する。ただし,こんろには容器を置かない。
背面の二つのこんろ用素子だけに通電する。
20 安定性及び機械的危険
安定性及び機械的危険は,JIS C 9335-1の箇条20(安定性及び機械的危険)によるほか,次による。
20.2 追加(“検査プローブが”で始まる段落の後に,次を追加し規定する。)
掃除をするために外す部品は,着脱できない部分である。
注記101A
掃除のために外す部品とは,フィルタなどがある。
追加(次の細分箇条を追加し規定する。)
20.101 レンジフード又は下向き通風システムの一部が自動的に動く場合,挟み込まれたり,傷害を受け
る危険があってはならない。
適否は,次の試験によって判定する。
機器は,定格電圧を供給し,駆動部分を開いたり,閉じたりするように運転する。
駆動部分は,次のいずれかによる。
a) 移動の最後の50 mmでは,挟み込みが発生する可能性があるあらゆる位置に近づいたとき,速度が毎
秒15 mm未満となるように減速する。
b) 開口部の幅方向と高さ方向との挟み込みを発生する可能性のある箇所に,JIS C 0922の検査プローブ
32を当てた場合,次のいずれかによる。
− 検査プローブに接触する前に停止し,方向を逆方向にする。
− 駆動部分が検査プローブに接触したとき,検査プローブに,100 Nを超える力を加えないか,又は
検査プローブにせん(剪)断力を加えない。
適否が電子回路の動作に依存する場合,別途次の条件を適用した条件下で,試験を繰り返す。
− 電子回路に19.11.2のa)〜g)による故障状態を一度に一つずつ適用する。
− 機器に,19.11.4.2及び19.11.4.5によるイミュニティ試験を適用する。
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駆動部分は,次のいずれかを満たさなければならない。
c) 移動の最後の50 mmでは,挟み込みが発生する可能性があるあらゆる位置に近づいたとき,速度が毎
秒15 mm未満となるように減速する。
d) 開口部の幅方向と高さ方向との挟み込みを発生する可能性のある箇所に,JIS C 0922の検査プローブ
32を当てた場合,次のいずれかによる。
− 検査プローブに接触する前に停止し,方向を逆方向にする。
− 駆動部分が検査プローブに接触したとき,検査プローブに,100 Nを超える力を加えないか,又は
検査プローブにせん断力を加えない。
21 機械的強度
機械的強度は,JIS C 9335-1の箇条21(機械的強度)による。
22 構造
構造は,JIS C 9335-1の箇条22(構造)によるほか,次による。
22.8 置換(22.8の全てを,次に置き換え規定する。)
使用者による保守中に触れることが可能な仕切空間をもつレンジフードは,保守中に,電気接続部に引
張力が加わってはならない。
適否は,目視検査及び次の試験によって判定する。
着脱できる部分は外す。触れる可能性のある配線を結束し,接続部に不適切な応力がかからないように
する。
疑義を生じた場合には,配線を,使用者による保守中に発生する可能性がある最も不利な方向に連続し
て3回,急な力を加えることなく10 Nの力で引っ張る。接続部に,目に見えるずれが生じてはならない。
注記 清掃,又は使用者による保守の前に,遮断することを意図した相互接続コードは,この試験を
適用しない。
追加(次の細分箇条を追加し規定する。)
22.101 機器は,壁その他の支持台に確実に固定できるような構造でなければならない。ブラケット及び
類似の装置は,クリープ又は変形しにくい金属製でなければならない。
適否は,目視検査によって判定する。
注記 キー穴用スロット,フック又は類似の装置で,その支持台から不用意にもち上げられて,離れ
ることを防止するために,追加の装置が装備されていない場合は,機器を確実に固定するため
に十分な装置であるとはみなされない。
22.102 機器は,グリースの堆積物が堆積しやすい部分を,近傍の調理製品を動かすことなく,清掃でき
るような構造でなければならない。
適否は,目視検査によって判定する。
注記 フィルタの後ろに位置する部品は,清掃が必要な部品とはみなされない。
22.103 附属品をレンジフードに取り付けるために,可触金属の外郭をもつクラスII構造のレンジフード
を貫通する固定ねじ,取付けねじ又は他の固定装置を用いる場合,次のいずれかを備えなければならない。
− レンジフードの外郭及び附属品(レンジフードの製造業者によって提供される場合)の中に事前に形
成された穴
− ねじ又は固定装置の適切な位置を示すために,レンジフードの外郭及び附属品(レンジフードの製造
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C 9335-2-31:2019
業者によって提供される場合)の上に示す記号
記号を用いる場合,その記号は,設置中にはっきりと見えて,判読可能なものでなくてはならない。
充電部が存在する領域で,固定ねじ,取付けねじ又は他の固定装置がレンジフードの外郭を貫通する場
合,ねじ又は固定装置が充電部の配線若しくは絶縁を貫通したり,レンジフード内部の充電部に接触した
りすることによる危険があってはならない。
接地した金属バリアによって,固定ねじ,取付けねじ又は他の固定装置から切り離されていない充電部
は,直径が10 mmで長さが50 mmの円筒形の領域内に位置するねじ又は他の固定装置の後ろの領域にあ
ってはならない。
適否は,目視検査及び適切な場合,次の試験によって判定する。
固定ねじ,取付けねじ又は他の固定装置のレンジフードの外郭への入口箇所の真後ろの位置で,直径が
10 mmで長さが50 mmの円筒形によって囲まれる領域を決定する。円筒形の軸は,レンジフードの外郭の
表面と垂直な入口箇所の軸と位置を合わせる。円筒形の領域内には,充電部があってはならない。
円筒形の外被上に食い込む可能性がある充電部は,円筒形の方向に5 Nの力を加える。円筒形の領域内
には,充電部があってはならない。
22.104 ハロゲン電球又はメタルハライドランプを組み込むことを意図するレンジフードは,保護シール
ドを付けていなければならない。ハロゲン電球の場合,そのシールドは,ガラス製でなければならない。
この規定は,セルフシールドしたハロゲン電球又はメタルハライドランプだけに用いることを意図する
レンジフードには,適用しない。
適否は,目視検査によって判定する。
23 内部配線
内部配線は,JIS C 9335-1の箇条23(内部配線)による。
24 部品
部品は,JIS C 9335-1の箇条24(部品)による。
25 電源接続及び外部可とうコード
電源接続及び外部可とうコードは,JIS C 9335-1の箇条25(電源接続及び外部可とうコード)による。
26 外部導体用端子
外部導体用端子は,JIS C 9335-1の箇条26(外部導体用端子)による。
27 接地接続の手段
接地接続の手段は,JIS C 9335-1の箇条27(接地接続の手段)によるほか,次による。
27.1 追加(“適否は,目視検査”で始まる段落の前に,次を追加し規定する。)
使用者による保守中に,触れることが可能な金属部は,可触金属部とする。
28 ねじ及び接続
ねじ及び接続は,JIS C 9335-1の箇条28(ねじ及び接続)による。
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C 9335-2-31:2019
29 空間距離,沿面距離及び固体絶縁
空間距離,沿面距離及び固体絶縁は,JIS C 9335-1の箇条29(空間距離,沿面距離及び固体絶縁)によ
るほか,次による。
29.2 追加(注記2の前に,次を追加し規定する。)
機器の通常使用中に,絶縁を汚染にさらされる可能性がないように密閉又は設置している場合を除き,
ミクロ環境は,汚損度3を適用する。
30 耐熱性及び耐火性
耐熱性及び耐火性は,JIS C 9335-1の箇条30(耐熱性及び耐火性)によるほか,次による。
30.1 追加(“箇条11の試験のときに”で始まる段落の後に,次を追加し規定する。)
− 機器の下側の露出部分については,105 ℃
30.2.2 この規格では規定しない。
30.101 機器は,フードの下で発生する火災を著しく伝ぱ(播)しやすい可燃性の材料を組み込んではな
らない。
適否は,次の試験によって判定する。
グリース吸収用の非金属材料製のフィルタは,JIS K 7241のクラスHBFの材料による要求事項を満たさ
なければならない。試料の厚さは,フィルタの厚さとする。試験中,試料を支持することが必要になる場
合がある。
ランプ散光装置及び全質量が0.35 kg以下の外部空気ガイドは,JIS C 60695-2-11に従って550 ℃のグロ
ーワイヤ試験を行う。ただし,試料が関連部分よりも厚くないことを条件として,JIS C 60695-11-10によ
るHB40以上と分類された材料でできた部分には適用しない。
外郭の他の可触部分は,附属書Eのニードルフレーム試験を適用する。
内部の空気ダクト及びファンのような,内部部品は,附属書Eのニードルフレーム試験を適用する。こ
のとき,材料の小さい滴は無視する。
グリースフィルタには,これらの試験を適用しない。
31 耐腐食性
耐腐食性は,JIS C 9335-1の箇条31(耐腐食性)による。
32 放射線,毒性その他これに類する危険性
放射線,毒性その他これに類する危険性は,JIS C 9335-1の箇条32(放射線,毒性その他これに類する
危険性)による。
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C 9335-2-31:2019
単位 mm
a) 4素子のこんろ
b) 6素子のこんろ
記号
A:電気こんろ用素子 2 kW
B:電気こんろ用素子 1.5 kW
C:レンジフードの垂直な支持台
図101−温度上昇試験のためのこんろの配置図
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C 9335-2-31:2019
附属書
附属書は,JIS C 9335-1の附属書による。
参考文献
参考文献は,JIS C 9335-1の参考文献によるほか,次による。
追加
JIS C 9335-2-65 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第2-65部:空気清浄機の個別要求事項
注記 対応国際規格:IEC 60335-2-65,Household and similar electrical appliances−Safety−Part 2-65:
Particular requirements for air-cleaning appliances
IEC 60335-2-99,Household and similar electrical appliances−Safety−Part 2-99: Particular requirements for
commercial electric hoods
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C 9335-2-31:2019
附属書JAA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS C 9335-2-31:2019 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第2-31部:
レンジフード及びその他の調理煙換気装置の個別要求事項
IEC 60335-2-31:2012,Household and similar electrical appliances−Safety−Part 2-31:
Particular requirements for range hoods and other cooking fume extractors及び
Amendment 1:2016
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評
価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
7 表示,及
び取扱説明
又は据付説
明
7.1 製品本体へ表示内
容を規定
7.1
JISとほぼ同じ。 追加
長期使用製品安全表示制度の規定を追
加した。
我が国独自の事情による。
7.12 取扱説明書へ表
示内容を規定
7.12
JISとほぼ同じ。 追加
7.1と同じ。
7.1と同じ。
7.12.1 銘板表示,取扱
説明書に記載する内容
及び表示の消えにくさ
を規定
7.12.1 JISとほぼ同じ。 変更
この規格ではこんろの上に取り付ける
レンジフードの最低取付け高さは規定
しない。
消防法令ではIEC規格で制限されてい
る値(65 cm)以外も認められる場合が
あるため一律に制限する必要がない。
我が国独自の事情による。
8 充電部へ
の接近に対
する保護
8.2 内部配線の基礎絶
縁
8.2
JISとほぼ同じ。 追加
内部配線の基礎絶縁について,電気用品
の技術上の基準を定める省令の解釈に
記載のあるコードついても規定した。
我が国独自の事情による。
20 安定性
及び機械的
危険
20.2 機器の安定性及
び可動部への接近に対
する保護
20.2
JISとほぼ同じ。 変更
掃除のために外す部品について,対応国
際規格では着脱できる部分としている
がこの規格では,着脱できない部分とし
た。
フィルタなど掃除のために外す部品を
着脱した場合,ファンが必ず露出する
ため,機能上可動部を保護できない。
我が国では,レンジフードを分解して
清掃する習慣がある。
我が国独自の事情による。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60335-2-31:2012,Amd. 1:2016,MOD
2
C
9
3
3
5
-2
-3
1
:
2
0
1
9
15
C 9335-2-31:2019
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
2
C
9
3
3
5
-2
-3
1
:
2
0
1
9