C 9335-2-211:2018
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 2
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 一般要求事項 ··················································································································· 3
5 試験のための一般条件 ······································································································· 3
6 分類······························································································································· 3
7 表示,及び取扱説明又は据付説明 ························································································ 3
8 充電部への接近に対する保護 ······························································································ 3
9 モータ駆動機器の始動 ······································································································· 3
10 入力及び電流 ················································································································· 3
11 温度上昇 ······················································································································· 3
12 (規定なし) ················································································································· 4
13 動作温度での漏えい電流及び耐電圧 ··················································································· 4
14 過渡過電圧 ···················································································································· 4
15 耐湿性等 ······················································································································· 4
16 漏えい電流及び耐電圧 ····································································································· 4
17 変圧器及びその関連回路の過負荷保護 ················································································ 4
18 耐久性 ·························································································································· 4
19 異常運転 ······················································································································· 4
20 安定性及び機械的危険 ····································································································· 5
21 機械的強度 ···················································································································· 5
22 構造 ····························································································································· 5
23 内部配線 ······················································································································· 6
24 部品 ····························································································································· 6
25 電源接続及び外部可とうコード ························································································· 6
26 外部導体用端子 ·············································································································· 6
27 接地接続の手段 ·············································································································· 6
28 ねじ及び接続 ················································································································· 6
29 空間距離,沿面距離及び固体絶縁 ······················································································ 6
30 耐熱性及び耐火性 ··········································································································· 6
31 耐腐食性 ······················································································································· 6
32 放射線,毒性その他これに類する危険性 ············································································· 7
附属書 ································································································································ 8
参考文献 ····························································································································· 8
C 9335-2-211:2018
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
ホームヘルス機器協会(HAPI)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本
工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本
工業規格である。
これによって,JIS C 9335-2-211:2007は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 9335の規格群には,約100規格に及ぶ部編成があるが,この規格では省略した。
なお,全ての部編成は,JIS C 9335-1の“まえがき”に記載されている。
日本工業規格 JIS
C 9335-2-211:2018
家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−
第2-211部:家庭用熱療法治療器の個別要求事項
Household and similar electrical appliances-Safety-
Part 2-211: Particular requirements for heat therapy apparatus for home use
序文
この規格は,2004年に制定され,その後3回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は2007年に
行われたが,その後,JIS C 9335-1が2014年に改正されたため,この規格を改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
この規格は,JIS C 9335-1と併読する規格である。
この規格の箇条などの番号は,JIS C 9335-1と対応している。JIS C 9335-1に対する変更は,次の表現を
用いた。
− “置換”は,JIS C 9335-1の該当する箇所の要求事項を,この規格の規定に置き換えることを意味す
る。
− “追加”は,JIS C 9335-1の該当する箇所の要求事項に,この規格の規定を追加することを意味する。
変更する箇所に関する情報が必要な場合には,これらの表現に続く括弧書きで示す。
JIS C 9335-1に追加する細分箇条番号は,JIS C 9335-1の箇条番号の後に“101”からの番号を付ける。
1
適用範囲
置換(箇条1全て)
この規格は,家庭用及びこれに類する家庭用熱療法治療器で,定格電圧が単相の場合には250 V以下,
その他の機器の場合には480 V以下のもの(以下,機器という。)の安全性について規定する。
注記1 電池駆動機器及びその他の直流駆動機器についても,この規格の適用範囲に含む。
注記2 この規格の適用範囲内の機器の例を,次に示す。
− 家庭用温熱治療器
− 温きゅう(灸)器
機器は,モータ,電熱素子又はそれらの組合せを含む場合がある。
通常,家庭で用いない機器でも,店舗,軽工業及び農場において,一般人が用いる機器のような,一般
大衆への危険源になる機器も,この規格の適用範囲である。
この規格では,住宅の中及び周囲で,機器に起因して人が遭遇する共通的な危険性を可能な限り取り扱
う。ただし,この規格では,通常,次の状態については規定していない。
− 次のような人(子供を含む。)が監視又は指示のない状態で機器を安全に用いることができない場合。
・ 肉体的,知覚的又は知的能力の低下している人
2
C 9335-2-211:2018
・ 経験及び知識の欠如している人
− 子供が機器で遊ぶ場合。
注記3 この規格は,次の機器への適用は意図していない。
− 工業目的専用の機器
− 腐食しやすい場所又は爆発性の雰囲気(じんあい,蒸気又はガス)が存在するような特
殊な状況にある場所で用いる機器
− 医用電気機器(JIS T 0601-1)
2
引用規格
引用規格は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条2(引用規格)による。
追加
JIS C 9335-1:2014 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第1部:通則
3
用語及び定義
用語及び定義は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条3(用語及び定義)による。
3.1.9
置換(3.1.9全て)
通常動作(normal operation)
次の条件の下で機器を運転した状態。
− 機器は,導子部を開放した状態で運転する。
− 水,その他の液体を入れる容器をもつものは,容器に定格容量の水を入れた状態で運転する。ただし,
定格容量の表示がないものは,容器の容量の約80 %の水を入れる。
− パックは,導子部の面積に等しい大きさの布(タオル)などに水滴が落ちない程度に十分な水を含ま
せたもので覆った状態とする。
追加
3.101
導子
治療のために,人体に熱刺激を供給する機器の部分及び附属品。
3.102
導子部
治療のために,人体に接触させることを意図した導子の部分。
注記 導子部は,温きゅう(灸)器の場合,きゅう点部である。
3.103
パック
家庭用温熱治療器の導子部を,水を含ませたもの(布,タオルなど)で覆った状態で,患部に装着して
暖めるもの。
3.104
家庭用熱療法治療器
発熱体などによって熱刺激を利用して治療を行う家庭用及びこれに類する機器。
3.105
家庭用温熱治療器
3
C 9335-2-211:2018
温きゅう(灸)器を除き,電熱を利用して熱刺激を与え,患部を治療する家庭用熱療法治療器。
3.106
温きゅう(灸)器
きゅう(灸)点部で熱刺激を患部に与えて治療する家庭用熱療法治療器。
4
一般要求事項
一般要求事項は,JIS C 9335-1の箇条4(一般要求事項)による。
5
試験のための一般条件
試験のための一般条件は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条5(試験のための一般条件)による。
追加
5.101 機器は,電熱機器として試験する。ただし,モータと電熱素子との両方をもつものは,複合機器と
して試験する。
6
分類
分類は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条6(分類)による。
6.1
追加(“適否は,目視検査”から始まる段落の前に,次を追加する。)
人体に水,その他の液体が直接触れて使用する機器で,機器の外殻に金属などの導電部分が露出してい
るものは,クラス0I機器又はクラスI機器でなければならない。ただし,クラスII機器及びクラスIII機
器のものは除く。
6.2
追加(注記の後,次を追加する。)
注記101 パックに対する水の有害な浸入に対する保護は,22.101 b)に規定している。
7
表示,及び取扱説明又は据付説明
表示,及び取扱説明又は据付説明は,JIS C 9335-1の箇条7(表示,及び取扱説明又は据付説明)による。
8
充電部への接近に対する保護
充電部への接近に対する保護は,JIS C 9335-1の箇条8(充電部への接近に対する保護)による。
9
モータ駆動機器の始動
モータ駆動機器の始動は,この規格では規定しない。
10 入力及び電流
入力及び電流は,JIS C 9335-1の箇条10(入力及び電流)による。
11 温度上昇
温度上昇は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条11(温度上昇)による。
11.7
置換(11.7全て)
温きゅう(灸)器は,1時間,その他の機器は,各部(コントローラをもつものは,コントローラの各
部を含む。)の温度上昇がほぼ一定になるまで連続運転をする。
4
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11.8
追加(“保護装置は作動してはならず,”から始まる段落の後に,次を追加する。)
家庭用温熱治療器の導子部表面の最大通常温度上昇値は,50 Kとする。
12 (規定なし)
13 動作温度での漏えい電流及び耐電圧
動作温度での漏えい電流及び耐電圧は,JIS C 9335-1の箇条13(動作温度での漏えい電流及び耐電圧)
による。
14 過渡過電圧
過渡過電圧は,JIS C 9335-1の箇条14(過渡過電圧)による。
15 耐湿性等
耐湿性等は,JIS C 9335-1の箇条15(耐湿性等)による。
16 漏えい電流及び耐電圧
漏えい電流及び耐電圧は,JIS C 9335-1の箇条16(漏えい電流及び耐電圧)による。
17 変圧器及びその関連回路の過負荷保護
変圧器及びその関連回路の過負荷保護は,JIS C 9335-1の箇条17(変圧器及びその関連回路の過負荷保
護)による。
18 耐久性
置換(箇条18全て)
機器の導子部の折り畳み性能は,次による。
導子部が折り畳める機器は,容易に折り畳むことができる程度(折り畳んだときに導子部の片側の表面
積が約4 000 cm2以下となることを標準とする。)に折り畳み,最後の折り目に直径が約25 mmの丸棒を当
て,丸棒を内側にして1 000回折り畳む操作を行ったとき,各部に異常が生じてはならない。
丸棒を当てる位置は,90°異なる2方向(1方向だけ折り畳んで使用されるものは,1方向。)の位置と
し,それぞれの位置について,1 000回折り畳む操作を行う。
適否は,目視検査によって判定する。
19 異常運転
異常運転は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条19(異常運転)による。
19.2
追加(注記の前に,次を追加する。)
なお,水,その他の液体を入れる容器をもつものは,容器に水,その他の液体を入れないで試験を行う。
水,その他の液体を入れる容器をもたないものは,機器を厚さが5 cmの綿ふとん又は5 cmの耐熱性ポリ
ウレタンフォームで覆い,試験を行う。
また,導子部を折り畳んで用いる可能性があるものは,容易に折り畳むことができる程度(折り畳んだ
ときに導子部の片側の表面積が200 cm2となることを標準とする。)に折り畳み,試験を行う。
5
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20 安定性及び機械的危険
安定性及び機械的危険は,JIS C 9335-1の箇条20(安定性及び機械的危険)による。
21 機械的強度
機械的強度は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条21(機械的強度)による。
追加
21.101 機器のタイプに応じた試験は,次による。
− 床上で使用することを意図する機器
a)の試験
− 機器の質量が4 kg以下の可搬形機器
b)の試験
a) 静荷重試験 試験品を厚さ10 mm以上の表面が平らな木台の上に通常動作状態に置き,底面の形状が
正方形で,その1辺の長さが100 mm,質量が60 kgのおもりを上部に1分間置く。
試験後,機器には損傷が生じてはならない。
適否は,目視検査によって判定する。機器に損傷のおそれがある場合,8.1,15.1及び箇条29の全
て又はその一部によって判定する。疑義を生じた場合,付加絶縁又は強化絶縁について,16.3に規定
する耐電圧試験を行う。
注記 大きさが100 mm×100 mm×30 mmの砂を入れた袋を,試験品と“おもり”との間に置き,
緩衝材として用いてもよい。
b) 落下試験 コンクリートの床上に置いた厚さが30 mmの表面が平らなラワン板の中央部に,機器の底
面がラワン板の面に平行になるようにし,機器を高さ70 cmから1回落下させる。
試験後,機器には損傷が生じてはならない。
適否は,目視検査によって判定する。機器に損傷のおそれがある場合は,8.1,15.1及び箇条29の
全て又はその一部によって判定する。疑義を生じた場合,付加絶縁又は強化絶縁について,16.3に規
定する耐電圧試験を行う。
22 構造
構造は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条22(構造)による。
22.7
追加(“適否は,目視検査”から始まる段落の前に,次を追加する。)
蒸気発生用のタンクをもつ機器は,タンクに水を入れ,水蒸気の噴出孔を閉じた状態で,定格電圧を連
続して加えたとき,圧力安全弁が作動しなければならない。
追加
22.101 各部の構造は,次による。
a) 蓋及び外郭を取り外すことによって,充電部及び導子部以外の発熱部が露出する場合,これらの蓋及
び外郭は容易に取り外すことができてはならない。
適否は,目視検査によって判定する。
b) パックは,導子部に防水処理を施してあり,かつ,通常の使用状態において,充電部に水がかからな
い構造でなければならない。
適否は,目視検査及び次の試験によって判定する。
− 浸水絶縁試験 絶縁耐力試験の後,導子部を覆っている布,タオルなどを取り外し,電源電線など
の接続部以外の部分を清水中に3分間浸し,500 V絶縁抵抗計によって測定した充電部と清水との
間の絶縁抵抗は,二重絶縁構造のものは1 MΩ以上,その他のものは0.3 MΩ以上でなければならな
6
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い。この試験の後に機器を乾燥し,500 V絶縁抵抗計によって測定した充電部と機器の表面との間
の絶縁抵抗は,二重絶縁構造のものは3 MΩ以上,その他のものは1 MΩ以上でなければならない。
− 通常動作試験 通常動作において,充電部と十分な水分をもつパック表面との間に1 000 Vの交流
電圧を1分間印加したとき,これに耐えなければならない。
c) 感熱線は,発熱体の各部から30 cm以内に取り付ける。
適否は,測定によって判定する。
d) 水蒸気の噴出孔をもつものは,水を入れ,定格電圧を連続して加えたとき,水滴が水蒸気とともに噴
出してはならない。
適否は,目視検査によって判定する。
23 内部配線
内部配線は,JIS C 9335-1の箇条23(内部配線)による。
24 部品
部品は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条24(部品)による。
24.2
追加(“可とうコードの中間に”で始まる細別の後に,次を追加する。)
ただし,21.101の試験を満たす中間スイッチ及び自動調節器は取り付けてもよい。
25 電源接続及び外部可とうコード
電源接続及び外部可とうコードは,JIS C 9335-1の箇条25(電源接続及び外部可とうコード)による。
26 外部導体用端子
外部導体用端子は,JIS C 9335-1の箇条26(外部導体用端子)による。
27 接地接続の手段
接地接続の手段は,JIS C 9335-1の箇条27(接地接続の手段)による。
28 ねじ及び接続
ねじ及び接続は,JIS C 9335-1の箇条28(ねじ及び接続)による。
29 空間距離,沿面距離及び固体絶縁
空間距離,沿面距離及び固体絶縁は,JIS C 9335-1の箇条29(空間距離,沿面距離及び固体絶縁)によ
る。
30 耐熱性及び耐火性
耐熱性及び耐火性は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条30(耐熱性及び耐火性)による。
30.2.3
この規格では,規定しない。
31 耐腐食性
耐腐食性は,JIS C 9335-1の箇条31(耐腐食性)による。
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C 9335-2-211:2018
32 放射線,毒性その他これに類する危険性
放射線,毒性その他これに類する危険性は,JIS C 9335-1の箇条32(放射線,毒性その他これに類する
危険性)による。
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C 9335-2-211:2018
附属書
附属書は,JIS C 9335-1の附属書による。
参考文献
参考文献は,JIS C 9335-1の参考文献による。