C 9335-2-209:2018
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 2
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 一般要求事項 ··················································································································· 3
5 試験のための一般条件 ······································································································· 3
6 分類······························································································································· 3
7 表示,及び取扱説明又は据付説明 ························································································ 3
8 充電部への接近に対する保護 ······························································································ 4
9 モータ駆動機器の始動 ······································································································· 4
10 入力及び電流 ················································································································· 4
11 温度上昇 ······················································································································· 4
12 (規定なし) ················································································································· 4
13 動作温度での漏えい電流及び耐電圧 ··················································································· 4
14 過渡過電圧 ···················································································································· 4
15 耐湿性等 ······················································································································· 4
16 漏えい電流及び耐電圧 ····································································································· 5
17 変圧器及びその関連回路の過負荷保護 ················································································ 5
18 耐久性 ·························································································································· 5
19 異常運転 ······················································································································· 5
20 安定性及び機械的危険 ····································································································· 5
21 機械的強度 ···················································································································· 5
22 構造 ····························································································································· 6
23 内部配線 ······················································································································· 6
24 部品 ····························································································································· 6
25 電源接続及び外部可とうコード ························································································· 6
26 外部導体用端子 ·············································································································· 6
27 接地接続の手段 ·············································································································· 6
28 ねじ及び接続 ················································································································· 6
29 空間距離,沿面距離及び固体絶縁 ······················································································ 7
30 耐熱性及び耐火性 ··········································································································· 7
31 耐腐食性 ······················································································································· 7
32 放射線,毒性その他これに類する危険性 ············································································· 7
附属書 ································································································································ 8
附属書AA(規定)家庭用低周波治療器の出力電流測定回路 ························································· 8
C 9335-2-209:2018 目次
(2)
ページ
附属書BB(規定)家庭用超短波治療器の出力電力測定回路 ·························································· 9
参考文献 ···························································································································· 10
C 9335-2-209:2018
(3)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
ホームヘルス機器協会(HAPI)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本
工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本
工業規格である。
これによって,JIS C 9335-2-209:2009は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 9335の規格群には,約100規格に及ぶ部編成があるが,この規格では省略した。
なお,全ての部編成は,JIS C 9335-1の“まえがき”に記載されている。
日本工業規格 JIS
C 9335-2-209:2018
家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−
第2-209部:家庭用電気治療器の個別要求事項
Household and similar electrical appliances-Safety-
Part 2-209: Particular requirements for electric therapy apparatus
for home use
序文
この規格は,2004年に制定され,その後4回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は2009年に
行われたが,その後のJIS C 9335-1が2014年に改正されたため,この規格を改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
この規格は,JIS C 9335-1と併読する規格である。
この規格の箇条などの番号は,JIS C 9335-1と対応している。JIS C 9335-1に対する変更は,次の表現を
用いた。
− “置換”は,JIS C 9335-1の該当する箇所の要求事項を,この規格の規定に置き換えることを意味す
る。
− “追加”は,JIS C 9335-1の該当する箇所の要求事項に,この規格の規定を追加することを意味する。
変更する箇所に関する情報が必要な場合には,これらの表現に続く括弧書きで示す。
JIS C 9335-1に追加する細分箇条番号は,JIS C 9335-1の箇条番号の後に“101”からの番号を付ける。
追加する附属書番号は,AA,BBなどと記載する。
1
適用範囲
置換(箇条1全て)
この規格は,家庭用及びこれに類する家庭用電気治療器で,定格電圧が単相機器の場合には250 V以下,
その他の機器の場合には480 V以下のもの(以下,機器という。)の安全性について規定する。
注記1 電池駆動機器及びその他の直流駆動機器についても,この規格の適用範囲に含む。
注記2 この規格の適用範囲内の機器の例は,次に示す。
− 家庭用超短波治療器
− 家庭用低周波治療器
− 家庭用電位治療器
機器は,モータ,電熱素子又はそれらの組合せを含む場合がある。
通常,家庭で用いない機器でも,店舗,軽工業及び農場において一般人が用いる機器のような,一般大
衆への危険源になる機器も,この規格の適用範囲である。
2
C 9335-2-209:2018
この規格では,住宅の中及び周囲で,機器に起因して人が遭遇する共通的な危険性を可能な限り取り扱
う。ただし,この規格では,通常,次の状態については規定していない。
− 次のような人(子供を含む。)が監視又は指示のない状態で機器を安全に用いることができない場合。
・ 肉体的,知覚的又は知的能力の低下している人
・ 経験及び知識の欠如している人
− 子供が機器で遊ぶ場合。
注記3 この規格は,次の機器への適用は意図していない。
− 工業目的専用の機器
− 腐食しやすい場所又は爆発性の雰囲気(じんあい,蒸気又はガス)が存在するような特
殊な状況にある場所で用いる機器
− 医用電気機器(JIS T 0601-1)
2
引用規格
引用規格は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条2(引用規格)による。
追加
JIS C 9335-1:2014 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第1部:通則
3
用語及び定義
用語及び定義は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条3(用語及び定義)による。
3.1.9
置換(3.1.9全て)
通常動作(normal operation)
次の条件の下で機器を運転した状態。
− 家庭用超短波治療器は,導子部を合わせた状態で運転する。
注記1 導子部を合わせることができない構造のものは,開放した状態としてもよい。
− 家庭用低周波治療器は,1 kΩの無誘導抵抗負荷で運転する。
− 家庭用電位治療器は,導子部と大地との間を10 MΩ以上のインピーダンスによって,絶縁した状態で
運転する。
注記2 機器を試験枠に設置する場合は,試験枠全体を絶縁してもよい。
追加
3.101
導子
治療のために,人体にエネルギーを供給する機器の部分及び附属品。
3.102
導子部
治療のために,人体に接触又はエネルギーを放出させることを意図した導子の部分。
3.103
絶縁形導子部
電極を絶縁部で覆った家庭用電位治療器の導子部。
3.104
通電形導子部
3
C 9335-2-209:2018
電極を人体に直接接触させる家庭用電位治療器の導子部。
3.105
家庭用電気治療器
電気エネルギーによる電流,電位,電磁波などを利用して治療する家庭用及びこれに類する機器。
3.106
家庭用超短波治療器
周波数帯域が13 MHz〜2 450 MHzの電磁エネルギーを身体の特定部位に照射し,身体組織に深部加熱を
与えて治療する家庭用電気治療器。
3.107
家庭用低周波治療器
皮膚の表面から微弱な低周波電流を流して,患部を治療する家庭用電気治療器。
3.108
家庭用電位治療器
人体を交流若しくは直流電界におくか,又は絶縁状態において電位を与えて治療する家庭用電気治療器。
4
一般要求事項
一般要求事項は,JIS C 9335-1の箇条4(一般要求事項)による。
5
試験のための一般条件
試験のための一般条件は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条5(試験のための一般条件)による。
追加
5.101
機器は,モータ駆動機器として試験する。ただし,モータと電熱素子をもつものは,複合機器と
して試験する。
6
分類
分類は,JIS C 9335-1の箇条6(分類)による。
7
表示,及び取扱説明又は据付説明
表示,及び取扱説明又は据付説明は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条7(表示,及び取扱説明又は据付説
明)による。
7.1
追加(“50 Hz又は60 Hz専用機器は,”で始まる細別の後に,次の細別を追加する。)
− 短時間定格の機器は,その定格時間
追加
7.101
家庭用超短波治療器の取扱説明書には,次の趣旨を記載しなければならない。
− 血圧に異常のある人は,医師と相談する旨
− 定格出力電力が10 Wを超える家庭用超短波治療器は,次の趣旨
・ 金属類(ネックレス,時計,金糸,銀糸,ラメ入り衣装など)は身に付けない旨
・ 金属製物質(人工骨頭,埋没くぎ,金属製クリップなど)を体内に植え込んだ人には,使用しない
旨
・ 金属枠を用いた椅子及びベッドを使用してはならないなど,接地された導電部又は接地に対して同
4
C 9335-2-209:2018
等の静電容量をもつ部分で,高周波電流の予期しない伝導路を形成する可能性のある部分へ接触が
ないようにしなければならない旨
・ 導子ケーブルは,導体及び超短波を吸収しやすい電気機器と接触しないように配置する旨
− 使用者に導子部及びケーブルの絶縁に損傷がないか定期的に点検させる旨の注意書き
適否は,目視検査によって判定する。
8
充電部への接近に対する保護
充電部への接近に対する保護は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条8(充電部への接近に対する保護)によ
る。
8.1.4
追加(“その部分を保護インピーダンス”で始まる細別の後に,次の細別を追加する。)
− 機器の導子部
9
モータ駆動機器の始動
モータ駆動機器の始動は,この規格では規定しない。
10 入力及び電流
入力及び電流は,JIS C 9335-1の箇条10(入力及び電流)による。
11 温度上昇
温度上昇は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条11(温度上昇)による。
11.7 置換(11.7全て)
機器は30分間連続運転する。ただし,短時間定格が30分未満のものは,その表示した定格時間に等し
い時間とする。
12 (規定なし)
13 動作温度での漏えい電流及び耐電圧
動作温度での漏えい電流及び耐電圧は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条13(動作温度での漏えい電流及
び耐電圧)による。
13.2
追加(“IEC 60990の図4に規定する回路を用いて,”で始まる段落の後に,次を追加する。)
家庭用超短波治療器の動作温度での漏えい電流は,高周波発振器を停止している状態で測定する。
追加(“据置形クラスI電熱機器”で始まる細別の後に,次の細別を追加する。)
− 家庭用電位治療器の導子部 1 mA
14 過渡過電圧
過渡過電圧は,JIS C 9335-1の箇条14(過渡過電圧)による。
15 耐湿性等
耐湿性等は,JIS C 9335-1の箇条15(耐湿性等)による。
5
C 9335-2-209:2018
16 漏えい電流及び耐電圧
漏えい電流及び耐電圧は,JIS C 9335-1の箇条16(漏えい電流及び耐電圧)による。
17 変圧器及びその関連回路の過負荷保護
変圧器及びその関連回路の過負荷保護は,JIS C 9335-1の箇条17(変圧器及びその関連回路の過負荷保
護)による。
18 耐久性
耐久性は,この規格では規定しない。
19 異常運転
異常運転は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条19(異常運転)による。
19.1 追加(“電圧切換スイッチを内蔵”で始まる段落の後に,次を追加する。)
家庭用電位治療器には,19.101の試験を実施する。
追加
19.101 家庭用電位治療器は,出力端子の一端を,電源の一端に接続し,箇条11の温度上昇と同等の方法
で試験する。試験後,封止コンパウンドが流出してはならない。
20 安定性及び機械的危険
安定性及び機械的危険は,JIS C 9335-1の箇条20(安定性及び機械的危険)による。
21 機械的強度
機械的強度は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条21(機械的強度)による。
21.2 追加(“固体絶縁の可触部分は,”で始まる文章に続けて,次の文章を追加する。)
ただし,出力端子における漏えい電流が13.2に規定する値以下となる家庭用電位治療器の絶縁形導子部
には,適用しない。
追加
21.101 機器のタイプに応じた試験は,次による。
− 床上で使用することを意図する機器
a)の試験
− 機器の質量が4 kg以下の可搬形機器
b)の試験
a) 静荷重試験 試験品を厚さ10 mm以上の表面が平らな木台の上に通常動作状態に置き,底面の形状が
正方形で,その一辺の長さが100 mm,質量が60 kgのおもりを上部に1分間置く。
試験後,機器には損傷が生じてはならない。
適否は,目視検査によって判定する。機器に損傷のおそれがある場合,8.1,15.1,及び箇条29の全
て又はその一部によって判定する。疑義を生じた場合,付加絶縁又は強化絶縁について,16.3に規定
する耐電圧試験を行う。
注記 大きさが100 mm×100 mm×30 mmの砂を入れた袋を,試験品と“おもり”との間に置き,
緩衝材として用いてもよい。
b) 落下試験 コンクリートの床上に置いた厚さが30 mmの表面が平らなラワン板の中央部に,機器の底
面がラワン板の面に平行になるようにし,機器を高さ70 cmから1回落下させる。
6
C 9335-2-209:2018
試験後,機器には損傷が生じてはならない。
適否は,目視検査によって判定する。機器に損傷のおそれがある場合,8.1,15.1,及び箇条29の全
て又はその一部によって判定する。疑義を生じた場合,付加絶縁又は強化絶縁について,16.3に規定
する耐電圧試験を行う。
22 構造
構造は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条22(構造)による。
追加
22.101 家庭用低周波治療器の構造は,次による。
a) 最大出力電流は,通常動作で実効値20 mA以下でなければならない。
b) 電流を最小から最大まで連続的に増加する出力調整器をもたなければならない。ただし,1増加量当
たり1 mA以下の不連続増加は,連続的な増加とみなす。
c) 出力調整器が最小位置以外の状態で電源を入れたときは,出力しない構造でなければならない。ただ
し,出力電流の最小設定値は,1 mA以下とする。
適否は,出力電流の測定によって判定する。測定回路は,附属書AAによる。
22.102 家庭用超短波治療器の定格出力電力は,50 W以下でなければならない。
適否は,出力電力の測定によって判定する。測定回路は,附属書BBによる。
22.103 家庭用電位治療器においては,通電形導子部の出力電流制限用のインピーダンスは,複数の部品
で構成しなければならない。出力電流制限用のインピーダンスに用いている部品のいずれか1個に短絡又
は開放が生じても,13.2に規定する値を超えてはならない。
23 内部配線
内部配線は,JIS C 9335-1の箇条23(内部配線)による。
24 部品
部品は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条24(部品)による。
24.2 追加(“可とうコードの中間に”で始まる細別の後に,次を追加する。)
ただし,21.101の試験を満たす中間スイッチ及び自動調節器は取り付けてもよい。
25 電源接続及び外部可とうコード
電源接続及び外部可とうコードは,JIS C 9335-1の箇条25(電源接続及び外部可とうコード)による。
26 外部導体用端子
外部導体用端子は,JIS C 9335-1の箇条26(外部導体用端子)による。
27 接地接続の手段
接地接続の手段は,JIS C 9335-1の箇条27(接地接続の手段)による。
28 ねじ及び接続
ねじ及び接続は,JIS C 9335-1の箇条28(ねじ及び接続)による。
7
C 9335-2-209:2018
29 空間距離,沿面距離及び固体絶縁
空間距離,沿面距離及び固体絶縁は,JIS C 9335-1の箇条29(空間距離,沿面距離及び固体絶縁)によ
る。
30 耐熱性及び耐火性
耐熱性及び耐火性は,次を除き,JIS C 9335-1の箇条30(耐熱性及び耐火性)による。
30.2.3 この規格では,規定しない。
31 耐腐食性
耐腐食性は,JIS C 9335-1の箇条31(耐腐食性)による。
32 放射線,毒性その他これに類する危険性
放射線,毒性その他これに類する危険性は,JIS C 9335-1の箇条32(放射線,毒性その他これに類する
危険性)による。
8
C 9335-2-209:2018
附属書
附属書は,次を除き,JIS C 9335-1の附属書による。
追加
附属書AA
(規定)
家庭用低周波治療器の出力電流測定回路
AA.1 適用範囲
この附属書は,家庭用低周波治療器の出力電流測定回路について規定する。
AA.2 測定回路
家庭用低周波治療器の出力電流測定に適した回路図を,図AA.1に示す。
出力端子に1 kΩの無誘導形抵抗器を接続し実効値測定形の電流計で測定する。
R: 1 kΩの無誘導形抵抗器
mA: 実効値測定形の電流計
図AA.1−出力電流測定回路
mA
家庭用低周波治療器
出力端子
R
9
C 9335-2-209:2018
附属書BB
(規定)
家庭用超短波治療器の出力電力測定回路
BB.1 適用範囲
この附属書は,家庭用超短波治療器の出力電力測定回路について規定する。
BB.2 測定回路
家庭用超短波治療器の出力電力測定回路図を,図BB.1に示す。
W: 50 Ωの終端電力計
図BB.1−出力電力測定回路
出力端子
家庭用超短波治療器
W
整合回路
10
C 9335-2-209:2018
参考文献
参考文献は,JIS C 9335-1の参考文献による。