C 9335-2-106
:
2017
(
1
)
目 次
ページ
序文
···································································································································
1
1
適用範囲
·························································································································
1
2
引用規格
·························································································································
2
3
用語及び定義
···················································································································
2
4
一般要求事項
···················································································································
3
5
試験のための一般条件
·······································································································
3
6
分類
·······························································································································
4
7
表示,及び取扱説明又は据付説明
························································································
4
8
充電部への接近に対する保護
······························································································
7
9
モータ駆動機器の始動
·······································································································
7
10
入力及び電流
·················································································································
7
11
温度上昇
·······················································································································
7
12
(規定なし)
·················································································································
9
13
動作温度での漏えい電流及び耐電圧
···················································································
9
14
過渡過電圧
····················································································································
9
15
耐湿性等
·······················································································································
9
16
漏えい電流及び耐電圧
·····································································································
9
17
変圧器及びその関連回路の過負荷保護
················································································
9
18
耐久性
·························································································································
10
19
異常運転
······················································································································
12
20
安定性及び機械的危険
····································································································
14
21
機械的強度
···················································································································
14
22
構造
····························································································································
16
23
内部配線
······················································································································
18
24
部品
····························································································································
18
25
電源接続及び外部可とうコード
························································································
18
26
外部導体用端子
·············································································································
18
27
接地接続の手段
·············································································································
19
28
ねじ及び接続
················································································································
19
29
空間距離,沿面距離及び固体絶縁
·····················································································
19
30
耐熱性及び耐火性
··········································································································
19
31
耐腐食性
······················································································································
21
32
放射線,毒性その他これに類する危険性
············································································
21
附属書
·······························································································································
30
参考文献
····························································································································
30
C 9335-2-106
:
2017
目次
(
2
)
ページ
附属書
JAA
(参考)
JIS
と対応国際規格との対比表
····································································
31
C 9335-2-106
:
2017
(
3
)
まえがき
この規格は,工業標準化法第
12
条第
1
項の規定に基づき,一般社団法人日本電機工業会(
JEMA
)から,
工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経
済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 9335
の規格群には,約
100
規格に及ぶ部編成があるが,この規格では省略した。
なお,全ての部編成は,次に示す規格の“まえがき”に記載されている。
JIS
C
9335-1
第
1
部:通則
日本工業規格
JIS
C
9335-2-106
:
2017
家庭用及びこれに類する電気機器の安全性-
第
2-106
部:電気カーペット及び取外し可能な
床仕上げ材の下に設置する室内暖房用
ヒーティングユニットの個別要求事項
Household and similar electrical appliances-Safety-
Part 2-106: Particular requirements for heated carpets and for heating units
for room heating installed under removable floor coverings
序文
この規格は,
2007
年に第
1
版として発行された
IEC 60335-2-106
を基とし,我が国の配電事情を考慮し,
技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
この規格は,
JIS C 9335-1
と併読する規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,
附属書
JAA
に示す。
この規格の箇条などの番号は,
JIS C 9335-1
と対応している。
JIS C 9335-1
に対する変更は,次の表現を
用いた。
-
“
置換
”は,
JIS C 9335-1
の該当する箇所の要求事項を,この規格の規定に置き換えることを意味す
る。
-
“
追加
”は,
JIS C 9335-1
の該当する箇所の要求事項に,この規格の規定を追加することを意味する。
-
“
修正
”は,
JIS C 9335-1
の該当する箇所の要求事項を,この規格の規定に修正することを意味する。
変更する箇所に関する情報が必要な場合には,これらの表現に続く括弧書きで示す。ただし,
JIS C 9335-1
の引用項目又は引用箇所は,この規格の作成時に最新版として発効されていた
JIS C 9335-1
:2014
を引用し
ている。このため,この規格の発効以降に発効された
JIS C 9335-1
を引用する場合は,その引用項目又は
引用箇所が異なる場合があることに注意する。
JIS C 9335-1
に追加する細分箇条番号は,
JIS C 9335-1
の箇条番号の後に“
101
”からの番号を付け,図
番号及び表番号は,“
101
”からの連続番号を付ける。追加する細別は,
aa)
,
bb)
などとし,追加する附
属書番号は,
AA
,
BB
などと記載する。
1
適用範囲
置換
(箇条
1
全て)
この規格は,定格電圧が単相機器の場合は
250 V
以下,その他の機器の場合は
480 V
以下の家庭用及び
2
C 9335-2-106
:
2017
これに類する次の機器の安全性について規定する。
-
電気カーペット及び類似機器
-
これらの機器を設置している部屋を暖房し,かつ,それ自体が取外し可能な床仕上げ材の下に直接設
置するように意図されているヒーティングユニット
注記
1
取外し可能な床仕上げ材として使用する材料の例としては,カーペット,クッションビニー
ル又は緩く敷いた合板などがある。ただし,電気カーペットの上に敷くカバーは含まれてい
ない。
注記
2
この規格の適用に際しては,次のことに注意する。
-
異なる配線規則を適用している場合がある。
-
車両,船舶又は航空機搭載用機器には,要求事項の追加が必要になる場合もある。
-
厚生関係機関,労働安全所管機関,水道当局,その他の当局によって,追加要求事項を
規定する場合がある。
注記
3
この規格は,次の機器への適用は意図していない。
-
産業用専用の機器
-
腐食性又は爆発性の雰囲気(じんあい,蒸気又はガス)が存在するような特殊な状況に
ある場所で用いる機器
-
毛布,パッド及びこれに類する可とう電熱機器(
JIS C 9335-2-17
)
-
足温器及び電熱マット(
JIS C 9335-2-81
)
-
室内暖房のためのシート状の可とう性電熱素子(
JIS C 9335-2-96
)
-
他の機器に組み込まれている可とう性電熱素子
注記
4
この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60335-2-106
:2007
,
Household and similar electrical appliances
-
Safety
-
Part 2-106: Particular
requirements for heated carpets and for heating units for room heating installed under removable
floor coverings
(
MOD
)
なお,対応の程度を表す記号“
MOD
”は,
ISO/IEC Guide 21-1
に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
この規格で用いる引用規格は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
2
(引用規格)による。
追加
JIS C 8282-1
家庭用及びこれに類する用途のプラグ及びコンセント-第
1
部:一般要求事項
注記
対応国際規格:
IEC 60884-1
:2002
,
Plugs and socket-outlets for household and similar purposes
-
Part 1: General requirements
(
MOD
)
JIS C 9335-1
家庭用及びこれに類する電気機器の安全性-第
1
部:通則
注記
対応国際規格:
IEC 60335-1
,
Household and similar electrical appliances
-
Safety
-
Part 1: General
requirements
(
MOD
)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
3
(用語及び定義)による。
3.1.9
追加
(
“機器を電源に接続して”から始まる段落の後に,次を追加する。)
3
C 9335-2-106
:
2017
ヒーティングユニットは,熱抵抗が約
0.1 m
2
k/W
の材料の層の下に設置する。電流が電熱素子の長さに
応じて変動し得るヒーティングユニット及び他のヒーティングユニットに供給できるものは,電熱素子に
表示した電流がヒーティングユニットを流れるように負荷をかける。
電気カーペット及び類似機器は,取扱説明書に従って運転する。電気カーペット及び類似機器の上に掛
けるカバーは,次による。
-
取扱説明書にカバーを掛けて使用する旨の指示があり,専用カバーの指定がある場合は,専用カバー
を上に掛ける。
-
取扱説明書にカバーを掛けて使用する旨の指示があるが,専用カバーの指定がない場合は,中綿の厚
さが約
3 mm
,パイル目付量約
300 g/m
2
(保温率
70 %
相当)のカバーを上に掛ける。
注記
100A
保温率
70 %
相当のものとは,
JIS L 1096
の
8.27.1
[
A
法(恒温法)]の規定に従って測
定した値から算出した保温率が(
70
±
10
)
%
の状態をいう。
-
取扱説明書にカバーを掛ける旨の指示がない場合は,カバーを掛けずに試験を行う。
追加
3.101
ヒーティングユニット
(
heating unit
)
電源への接続手段を備えた電熱素子。
3.102
モジュール形ヒーティングユニット
(
modular heating unit
)
ヒーティングユニットと他の材料とで構成されたプレハブ形アセンブリ。
3.103
電極
(
electrode
)
加熱材料に電力を供給するために,可とう性シート電熱素子に組み込まれた導電部品。
3.104
可とう部
(
flexible part
)
電熱素子,サーモスタット及びその他の内部に含まれる全ての通電部品とともに恒久的な機器の外郭を
形成する全ての層で,ヒーティングユニットの場合は,床仕上げ材の下にあるか又はその一部となるもの。
ただし,電気カーペットの本体にある制御装置は含まない。
注記
可とう部には,取外し可能なカバーを設けてもよい。
3.105
制御下にある機器
(
controlled appliance
)
機器を通常動作で使用しているときに,温度変化を検出する手段を可とう部内に組み込んでいる機器。
平均入力を自動制御する。
4
一般要求事項
一般要求事項は,
JIS C 9335-1
の箇条
4
(一般要求事項)による。
5
試験のための一般条件
試験のための一般条件は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
5
(試験のための一般条件)による。
5.2
追加
(
注記
3
の後に,次を追加する。)
積層電気カーペットの場合,
22.103
の試験のために追加機器が必要になる。
4
C 9335-2-106
:
2017
ヒーティングユニットの場合,
18.2
の試験のために追加機器が
2
台必要になる。蒸着フィルム又はプリ
ント回路の電熱素子をもつヒーティングユニットの場合,
21.102
の試験のために追加機器が
2
台必要にな
る。
変色のような摩耗指標を組み込んである電気カーペットの場合,箇条
11
,箇条
13
,箇条
18
,
19.2
,
19.101
及び
21.101
~
21.104
の試験のとき,指標を露出させるために,生地層を摩耗させるか,又は取り外した特
殊試験片が必要になる。
注記
101
21.101
及び
21.104
の試験は,別の機器で行ってもよい。
5.3
追加
(
“機器の構造上”から始まる段落の後に,次を追加する。)
注記
101
21.101
の試験は,
18.2.2
の状態調節とともに実施してもよい。
5.6
追加
(
“電圧切換スイッチを”から始まる段落の後に,次を追加する。)
室内温度又は室外温度に鋭敏なサーモスタットは,短絡させる。ただし,サイクル動作しないように設
定できるサーモスタットは,短絡させない。
注記
101
電子制御装置の場合,サーモスタットを短絡させるのでなく,検出エレメントを動作不能
にする必要がある。
5.10
追加
(
“埋込形機器”から始まる段落の後に,次を追加する。)
寸法を合わせるために切断するヒーティングユニットの場合,電源接続用口出し線を接続し,エッジを
指示に従って保護した後で,試験を実施する。
6
分類
分類は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
6
(分類)による。
6.1
追加
(
“適否は,目視検査”から始まる段落の前に,次を追加する。)
ヒーティングユニットが分類されている場合は,関連の要求事項を適用する。
6.2
追加
(
“適否は,目視検査”から始まる段落の前に,次を追加する。)
ヒーティングユニット及びその他の床取付部品は,
IPX7
以上でなければならない。
電気カーペット及び類似の機器の可とう部は,
IPX7
でなければならない。
注記
101
プラグを備えた電源コードを介して接続する,機器用のプラグ,又は壁取付形制御装置及
び電気カーペット本体の制御装置には,適用しない。
7
表示,及び取扱説明又は据付説明
表示,及び取扱説明又は据付説明は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
7
(表示,及び取扱説明又は据付説
明)による。
7.1
置換
(
“定格入力又は定格電流”から始まる細別を,次に置き換える。)
定格入力又は定格電流を表示する代わりに,次を適用する。
ヒーティングユニットには,
20
℃における定格入力及び最大定格電流を表示しなければならない。寸法
を合わせるために切断するヒーティングユニットには,長さ
1 m
当たりの定格入力を表示しなければなら
ない。
次の場合,ヒーティングユニットには,その最大電流を表示しなければならない。
-
電流が,ヒーティングユニットの長さに応じて変動する可能性がある。
-
これらのヒーティングユニットを経由して,他のヒーティングユニットに供給できる。
5
C 9335-2-106
:
2017
着脱できる制御装置をもつ機器には,参照番号を表示するか,又は他の制御識別手段による表示をしな
ければならない。
電気カーペット本体に取り付けた制御装置が
IPX7
に適合しない場合,制御装置は非防水であることを
制御装置に表示しなければならない。
注記
101A
対応国際規格の“
Modification
(
修正
)”は適切でないため,規格の利便性を考慮し,この
規格では,“
置換
”とした。
追加
(
“適否は,目視検査”から始まる段落の前に,次を追加する。)
ヒーティングユニットが対称的形状である場合を除き,これらには向きの指示を表示しなければならな
い。
表示は,電熱素子に
0.5 m
ごとに
1
か所以上,又は切断してヒーティングユニットを形成する各断面に
1
か所以上,繰り返して設けなければならない。
寸法を合わせるために切断し,また指定の場所で切断する必要があるヒーティングユニットには,それ
に応じた表示をしなければならない。
コンクリート床又は類似材料の床上だけに設置するように意図したヒーティングユニットには,次の内
容を恒久的に表示しなければならない。
火災の危険を避けるために,このヒーティングユニットは,コンクリート又は類似材料の床上だけに設
置しなければならない。
7.12
追加
(
“適否は,目視検査”から始まる段落の前に,次を追加する。)
取扱説明書には,次の内容を記載しなければならない。
この機器は屋内使用専用である。
変色のような摩耗標識を取り込んだ電気カーペットの場合,取扱説明書には,標識の目的及び標識が見
えるようになった場合にとらなければならない措置を,明確に説明するものでなければならない。
温度上昇を抑制するために安全上のストッパを設けている機器の場合,そのストッパの意味,及びスト
ッパを越えて操作する場合のリスクについて,取扱説明書に表示しなければならない。
置換
(
“取扱説明書には,次の趣旨”から始まる段落の後の二つの細別を,次に置き換える。
)
身体的,感覚的若しくは精神的な能力が低下している,又は経験及び知識の欠如している人(子供を含
む。),並びに機器を使用して遊ぶ子供に関する指示は要求しない。
注記
101A 7.1
の
注記
101A
と同じ。
7.12.1
追加
(
“適否は,目視検査”から始まる段落の前に,次を追加する。)
設置指示書には,次の内容を記載しなければならない。
a)
必要な場合は,表示の説明
b)
特にヒーティングユニットの設置に関する次の情報
・
設置中の損傷を避けるための注意事項
・
考慮しなければならない寸法及び距離
・
ヒーティングユニットを他の熱源から分離する必要があるという記述
・
ヒーティングユニットの固定領域の説明
・
設置後の相互の動きで,ヒーティングユニットとその終端部とが損傷を受けないようにする方法に
関する手引
・
ヒーティングユニットの設置が可能な最低周囲温度
6
C 9335-2-106
:
2017
・
該当する場合は,電熱素子を曲げる最小半径
・
電熱素子の折れを避けるための注意事項
・
ヒーティングユニットを凹凸表面に設置してはならないという記述
・
該当する場合は,ヒーティングユニットを正しい向きで設置しなければならないという記述
・
設置は,内線規程に従って行われなければならないという記述
・
ヒーティングユニットには,定格感度電流が
30 mA
を超えない漏電遮断器(
RCD
)を介して供電し
た方がよいという勧告
・
ヒーティングユニットを相互接続する方法で,該当する場合,リード線の断面積及びタイプ
c)
ヒーティングユニットが他のヒーティングユニットを介して電力供給されている場合,又はその長さ
に応じて電流が変動する可能性がある場合は,そのヒーティングユニットに流すことができる最大電
流
d)
これらの制御装置がヒーティングユニットに内蔵されている場合を除き,制御装置は過熱保護システ
ムの一部を構成することから,機器はこれらの制御装置と併用しなければならないという記述を含む
制御装置のリスト
注記
101
規格への適合性を確保するために必要な制御装置だけを,リストアップする必要がある。
e)
使用する接着剤がある場合は,その仕様
f)
7.101
に詳述するラベルを,配電盤の近くに固定する必要がある旨の記述
追加
7.12.101
寸法を合わせるために切断するヒーティングユニットに関する据付説明書は,危険源を避ける
ため,設置作業には,製造業者又はその修理代理店だけしか関われないことを明記しなければならない。
7.14
追加
(
“この規格の全試験終了後”から始まる段落の前に,次を追加する。)
コンクリート又は類似の材料の床上にだけ設置するように意図するヒーティングユニットの表示文字の
高さは,
20 mm
以上でなければならない。
7.15
追加
(
“適否は,目視検査”から始まる段落の前に,次を追加する。)
コンクリート又は類似の材料の床上にだけ設置するように意図するヒーティングユニットの表示は,設
置中に視認できなければならない。
追加
7.101
ヒーティングユニットの配置のための十分なスペースを含む,次の内容をリストにしたラベルを各
設置ごとに提供しなければならない[
7.12.1 f)
参照]
。
-
製造業者又は責任ある販売業者の名称,登録商標又は識別マーク
-
モデル又は形式
-
定格入力
ラベルには,次の内容を明記しなければならない。
-
ヒーティングユニットの設置場所
-
暖房された床の熱放射を制限してはならない旨
注記
ラベルには,具体的な用途を明記する必要がある。
-
推奨品以外の固定材料を使用しない旨
-
くぎ又はねじを挿入しない旨
適否は,目視検査によって判定する。
7
C 9335-2-106
:
2017
8
充電部への接近に対する保護
充電部への接近に対する保護は,
JIS C 9335-1
の箇条
8
(充電部への接近に対する保護)による。
9
モータ駆動機器の始動
モータ駆動機器の始動は,この規格では適用しない。
10
入力及び電流
入力及び電流は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
10
(入力及び電流)による。
10.1
追加
(
“適否は,入力が安定したとき”から始まる段落の前に,次を追加する。
)
注記
101
この要求事項は,電熱素子の長さ
1 m
当たりの定格入力にも適用する。
追加
10.101
PTC
電熱素子を内蔵したヒーティングユニットをもつ機器の入力は,温度上昇とともに大幅に減
少しなければならない。
適否は,次の試験によって判定する。
機器に定格電圧を供給し,通常動作で運転する。入力は,定常状態が確立されたとき,初期値から
50 %
以上減少しなければならない。この間,全ての制御動作を短絡する。
11
温度上昇
温度上昇は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
11
(温度上昇)による。
11.1
追加
(
“適否は”から始まる段落の後に,次を追加する。)
この試験は,
20
℃±
5
℃の周囲温度に維持されている室内で実施する。疑義が生じた場合は,
20
℃±
2
℃で試験を実施する。
11.2
置換
(
11.2
全て)
コンクリート又は類似の材料の床上にだけ設置するように意図するヒーティングユニットは,
11.2.103
に従って位置を決める。その他のヒーティングユニット及び電気カーペットは,床上に設置し,
11.2.102
に従って位置を決める。
モジュール形ヒーティングユニットに,独立した床センサをもつサーモスタットを装備する場合,この
センサは,隣接するヒーティングユニットの一つの上に,次のいずれかの方法で位置を決める。ただし,
断熱部分の外側
300 mm
±
50 mm
の位置,及び試験床の端から
300 mm
以上の位置とする。
-
中心線上
-
製造業者の指示に従う。
独立した床センサをもつサーモスタットを装備したその他のヒーティングユニットの場合,センサは,
次のいずれかの方法で位置を決める。ただし,断熱部分の外側
300 mm
±
50 mm
の位置,又は試験床の端
から
300 mm
以上の位置とする。
-
ヒーティングユニットの中心線上
-
製造業者の指示に従う。
追加
11.2.101
複数のヒーティングユニットは,据付説明書に従って設置する。これらはマトリックス状に配
置し,試験対象のヒーティングユニットを中心に位置を決める。
11.2.102
機器は,
図
101
に示すように試験床上に置き,熱抵抗が約
5 m
2
K/W
の断熱層を試験床表面の下
8
C 9335-2-106
:
2017
に置く。
試験床は,その上部表面の上方に
1.5 m
以上の自由空間をもつものとする。
図
101
に示すように,熱抵抗が約
1.25 m
2
K/W
の一つの断熱材を,ヒーティングユニットの中心を横切
るようにして,床に置く。断熱部の長さは
0.8 m
で,幅は次による。
-
電気カーペットの場合,
0.8 m
-
ヒーティングユニットの場合,ヒーティングユニットの幅と同じ幅とする。
注記
床の最大温度上昇を測定するために,取扱説明書に指定している最低厚さの床仕上げ材を用い
て,試験を繰り返すことが必要な場合がある。
11.2.103
コンクリート又は類似の材料の床上にだけ設置するように意図するヒーティングユニットを,
図
102
に示すように,試験床上に置く。熱抵抗が約
2.5 m
2
K/W
の断熱材を,ヒーティングユニットの下に
敷く。厚さ
40 mm
以上のコンクリート層で,断熱材を支持する。コンクリートを打設する代わりに,厚さ
が
40 mm
で,寸法が
500 mm
×
500 mm
以上のコンクリートスラブでコンクリート層を構成してもよく,ス
ラブ間の隙間には乾燥砂を詰める。
試験床は,その上部表面の上方に
1.5 m
以上の自由空間をもつものとする。
図
102
に示すように,熱抵抗が約
1.25 m
2
K/W
の一つの断熱材を,ヒーティングユニットの中心を横切
るようにして,床に置く。断熱部の長さは
0.8 m
で,幅はヒーティングユニットの幅と同じとする。
11.3
追加
(
“試験枠の壁”から始まる段落の前に,次を追加する。)
0.1 m
2
K/W
の断熱層又は電気カーペット(カバーを掛けるものはカバー)の上面の温度は,
65 mm
×
65 mm
×
0.5 mm
の銅又は黄銅の黒く塗ったプレートの後部に装着した熱電対で測定する。
11.4
追加
(
“電熱機器は”から始まる段落の後に,次を追加する。)
制御下にある機器は,通常動作で運転し,定格電圧の
0.94
倍と
1.06
倍との間の最も不利となる電圧を供
給する。
11.7
置換
(
11.7
全て)
機器は,定常条件が確立されるまで,運転する。
11.8
追加
(
“保護装置は”から始まる段落の後に,次を追加する。)
温度上昇は,
表
101
に示す箇所で測定し,規定値を超えてはならない。断熱材から離れた箇所での温度
上昇は,断熱材の端から
100 mm
以上の離れた箇所で測定する。
表
101
-
最大温度上昇
部分
温度上昇
K
0.1 m
2
K/W
の断熱層又は電気カーペット(カバーを掛けるも
のはカバー)の上面
22
a)
,
b)
,
c)
(60)
試験枠組みの木材
60
(60)
注記
断熱材の下での温度限度値を,括弧内に示す。
注
a)
安全のためのストッパがある機器の場合,ストッパ位置で試験を行う。ただし,通常動作において,
ストッパを越えて使用できる場合,このときの温度上昇は,
40 K
とする。
b)
通電開始から
3
時間を超えて運転した場合,自動的に運転を停止する機器,又は自動的に温度上昇
の値が
22 K
まで下がるように制御する機器の温度上昇は,
24 K
とすることができる。
c)
通電開始から
90
分を超えて運転した場合,自動的に運転を停止する機器,又は自動的に温度上昇の
値が
22 K
まで下がるように制御する機器の温度上昇は,
25 K
とすることができる。
9
C 9335-2-106
:
2017
12
(規定なし)
13
動作温度での漏えい電流及び耐電圧
動作温度での漏えい電流及び耐電圧は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
13
(動作温度での漏えい電流及
び耐電圧)による。
13.1
追加
(
“試験に先立ち”から始まる段落の後に,次を追加する。)
機器は,
11.2
に規定するとおり設置する。
加熱部分を覆うだけの十分な寸法をもつ
2
枚の金属はく(箔)を挿入し,
1
枚を
0.1 m
2
K/W
の断熱層又
は電気カーペットの上に,
1
枚を機器の下側に置き,
2
枚のシートを電気的に相互結合させる。
0.1 m
2
K/W
の断熱層の上に,均一に分布した約
35 kg/m
2
の負荷を載せる。
この配置を,
図
103
に示す。
13.2
追加
(
注記
2
の後に,次を追加する。)
漏えい電流は,電源のいずれかの極と数枚の金属はくとの間で測定する。スクリーン及びその他の接地
手段は,大地から切り離しておく。
規定する値の代わりに,漏えい電流は
1 mA/m
2
を超えてはならない。
注記
101
全漏えい電流が
10 mA
を超えている場合,内線規程に従った特殊設備が必要になることが
ある。
注記
102
これらの機器での漏えい電流の主要部分は,通常,容量性漏れである。
13.3
置換
(
“試験電圧は,充電部と可触部分との間”から始まる
1
文を,次に置き換える。)
可とう部の場合,試験電圧は充電部と金属はくとの間に印加する。
注記
101A 7.1
の
注記
101A
と同じ。
14
過渡過電圧
過渡過電圧は,
JIS C 9335-1
の箇条
14
(過渡過電圧)による。
15
耐湿性等
耐湿性等は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
15
(耐湿性等)による。
15.1
追加
(
“適否は”から始まる段落の前に,次を追加する。)
この試験は,ヒーティングユニットに対して直接実施する。
15.1.1
追加
(
“
IPX0
以外の機器は”から始まる段落の後に,次を追加する。)
IPX7
ヒーティングユニットを
72
時間,浸せき(漬)する。
電気カーペット及び類似機器は,可とう部について,
IPX7
に該当する試験を適用する。
取扱説明書及び機器に洗濯ができる旨の表示を付してあるものは,水を指定水量入れた洗濯機で
8
時間
水洗し,脱水乾燥を行う。
16
漏えい電流及び耐電圧
漏えい電流及び耐電圧は,
JIS C 9335-1
の箇条
16
(漏えい電流及び耐電圧)による。
17
変圧器及びその関連回路の過負荷保護
変圧器及びその関連回路の過負荷保護は,
JIS C 9335-1
の箇条
17
(変圧器及びその関連回路の過負荷保
10
C 9335-2-106
:
2017
護)による。
18
耐久性
置換
(箇条
18
全て)
18.1
電熱素子から電源接続用口出し線までと相互接続口出し線までとの接続は,信頼性のあるものでな
ければならない。
適否は,適宜,
18.1.1
又は
18.1.2
の試験によって確認する。
18.1.1
蒸着フィルム又はプリント回路電熱素子をもつヒーティングユニットの場合,ヒーティングユニ
ットを
20
℃±
2
℃の恒温槽内に設置して,電流がヒーティングユニットに表示してある値又は定格電流
のいずれか該当するものに等しくなるように,電圧を供給する。各接続部での電圧低下を測定する。
注記
1
ヒーティングユニットの長さは可能な限り短いことが望ましいが,
0.5 m
以上であることが望
ましい。
注記
2
ヒーティングユニットを恒温槽内に設置した後は,動かさない。
注記
3
圧着コネクタを用いて接続を行う場合は,測定を電源接続用口出し線とコネクタとの間,及
びコネクタと電熱素子との間でも行う。測定箇所は,接続部にできるだけ近づける。
ヒーティングユニットは,周期的に加熱する。各サイクルの持続時間が
1
時間で,次の期間を含む。
-
始めの
30
分間に次のことを行う。
・
ヒーティングユニットに,電圧低下を測定するときに印加した電圧を供給する。
・
最初の
20
分間に,恒温槽の温度を
85
℃,又は箇条
11
の試験中に測定した電熱素子の温度の,い
ずれか低い方の温度まで上昇させる。
・
最後の
10
分間に,恒温槽の温度を,この温度の±
5 K
以内に維持する。
-
次の
20
分間に温度を約
30
℃まで下げる。
-
最後の
10
分間は,安定化期間とする。
注記
4
恒温槽内の温度は,ヒーティングユニットから
50 mm
以上離れた位置で測定する。
注記
5
強制冷却を採用してもよい。
試験は,
400
サイクル実施する。次に,恒温槽の温度を
20
℃±
2
℃まで低下させ,各接続部での電圧低
下を再び測定する。
電圧低下は,
22.5 mV
又は最初の測定値の
1.5
倍の,いずれか低い方の値を超えてはならない。
18.1.2
本体を容易に折り畳むことができないものは,取外し可能なカバーを取り外した可搬式電気カー
ペットを,直径
25 mm
の滑らかな表面をもつ水平ローラの上で前後に移動する。機器は,一方の端をロー
ラ上に垂直につるし,他方の端の全長が水平面で移動する駆動手段にクランプする。
クランプは,機器の垂直部分の端に,その全長にわたって装着する。
0.5 kg
の分銅又は装着端の長さの
1
mm
当たり
3 g
の同等品の,いずれか大きい方をクランプに装着する。
駆動手段のストロークは,最大可能な部分が屈曲を受けるようなものとする。
駆動手段は,
1 000
サイクルで約
125 mm/s
の速度で運転する。次に,機器を
90
°回転し,更に
1 000
サ
イクルの試験を実施する。
注記
1
試験は,ローラにカーペットの同一面を隣接させて実施する。
注記
2
一つのサイクルは,
2
回の動作からなり,各動作はそれぞれの方向に行う。
本体を容易に折り畳むことができるものは,取外し可能なカバーを取り外した可搬式電気カーペットの
本体を容易に折り畳むことができる程度(折り畳んだとき,本体の片側の表面積が約
8 000 cm
2
以下)に折
11
C 9335-2-106
:
2017
り畳み,最後の折り目に,
図
108A
に示すように丸棒(直径が
25 mm
のもの)を当て,丸棒を内側にして
折り畳む操作を行う。この場合,丸棒を当てる位置は,
90
°異なる
2
方向の位置とし,各位置について,
それぞれ
1 000
回折り畳む操作を行う。ただし,一方向だけに折り畳むものは,その方向に
1 000
回折り畳
む操作を行う。
試験後,目視検査で,この規格に適合しなくなるような損傷があってはならない。
18.2
抵抗材料と,蒸着フィルム又はプリント回路電熱素子をもつヒーティングユニットの電極との間の
電気的接続は,信頼性がなければならない。
適否は,それぞれの長さが
1 m
を超える二つのヒーティングユニットについて,試験を実施して判定す
る。
一つ目のヒーティングユニットは,
18.2.2
の試験を実施し,次に,
18.2.5
の試験を実施する。二つ目のヒ
ーティングユニットは,
18.2.1
~
18.2.5
の試験を実施する。
試験後,二つ目のヒーティングユニットについて,
18.2.2
の試験中に曲げを加えた場所で求めた電圧低
下が,一つ目のヒーティングユニットで求めた電圧降下の
1.5
倍を超えてはならない。さらに,二つ目の
ヒーティングユニットの他の場所で求めた平均電圧低下が,一つ目のヒーティングユニットの平均電圧低
下の
1.5
倍を超えてはならない。
目視検査で,電極下側の点食又は電極に隣接した損傷のような,接触劣化があってはならない。
耐久性試験は,箇条
11
に従って,
1 000
時間実施する。
18.2.1
ヒーティングユニットは,設置指示書に指定する曲げのための最小半径の
2
倍に等しい直径をも
つ,円筒状のマンドレルに巻き付け,次に,巻き出す。ヒーティングユニットの別の面をマンドレルに向
けて,この試験を繰り返す。
この試験は,
3
回実施する。
設置指示書でヒーティングユニットを一方向にだけ巻き付けるように指定する場合には,その試験は,
その一方向で
6
回実施する。
18.2.2
ヒーティングユニットの部品を,厚さが
100 mm
で電熱素子の幅を完全に覆うだけの十分な大き
さをもつ
2
枚の硬木板の間に保持する。板の端は,半径
50 mm
の丸みをつける。
このアセンブリを,-
5
℃の周囲温度,又は据付説明書に指定する最低周囲温度の,いずれか低い方の
温度にさらす。電熱素子がこの温度に達したとき,その自由側の端を板の丸みをつけた端に沿って曲げる。
この端を
180
°の角度で曲げ,正常位置に戻す。これを両方向で実施する。この曲げ作業は,
3
回実施する。
18.2.3
ヒーティングユニットを,相対湿度が(
93
±
3
)
%
,温度が
40
℃±
2
℃の恒温恒湿槽内に入れる。
定格電圧を印加し,
1
時間運転した後,電源を
1
時間切っておく。
この試験は,
1 000
サイクル実施する。
18.2.4
ヒーティングユニットを,
18.1.1
に従って,試験を
2 000
サイクル実施する。ただし,電圧低下及
び損傷の目視点検は行わない。
18.2.5
ヒーティングユニットを,水平面上に置き,定格電圧を印加する。電熱素子の抵抗材料に,
45
°
の角度で,かつ,電極の内側端から
5 mm
の距離の位置に,ニードルを差し込む。
注記
1
電極と抵抗材料との間の導電材料は,電極の一部と考える。
注記
2
図
104
に示すようなジグを使用して,ニードルの位置を決めてもよい。
ニードルと電極への電源接続との間の電圧(
U
m
)を測定する。
注記
3
電極自体の電圧低下を補正してもよい。
接点における電圧低下(
Δ
U
)は,次の式
(1)
から求める
12
C 9335-2-106
:
2017
d
U
U
U
r
m
5
−
=
Δ
········································································· (1)
ここに,
U
r
: ヒーティングユニットの定格電圧
d
: 電極の内側端間の距離(
mm
)。導電パスが電極に対して直
角でない場合は,導電経路の中心線に沿って距離を測定す
る。
電圧低下は,
18.2.2
の試験中に曲げをかける場所で求める。また,ほかに
6
か所以上の場所でも電圧降
下を求め,その平均値を計算する。
注記
4
試験地点の場所は,赤外線画像装置を用いて選定してもよい。
18.3
PTC
電熱素子を用いないヒーティングユニットは,使用中,抵抗値が著しく減少してはならない。
適否は,次の試験によって判定する。
ヒーティングユニットを,箇条
11
の試験中に測定した電熱素子の表面温度よりも
5 K
高い温度の恒温槽
に入れる。
2
時間後,ヒーティングユニットの抵抗値を測定する。この抵抗値は,
72
時間以内の間隔で再測定する。
ヒーティングユニットを,恒温槽内に
3 000
時間放置する。試験中,ヒーティングユニットの抵抗値の低
下は,最初の
2
時間が経過した後に測定した抵抗値よりも
5 %
を超えて減少してはならない。
PTC
電熱素子を用いる電熱ユニットは,使用中,温度が著しく上昇してはならない。
適否は,次の試験によって判定する。
ヒーティングユニットは,
11.2.103
に従って設置し,通常動作で運転し,次に示す時間で,電熱ユニッ
トの外郭温度を測定する。
a)
72
時間後の温度
b)
その後,
4 500
時間が経過するまでの
72
時間以内の間隔での温度
試験中に
b)
で測定した全ての温度は,
a)
で測定した温度よりも
5 K
を超えてはならない。さらに,電
熱ユニットが温度ヒューズ又は温度過昇防止装置としての保護装置をもたない場合には,
a)
で測定した温
度は,
80
℃を超えてはならない。
19
異常運転
異常運転は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
19
(異常運転)による。
19.1
追加
(
“特に規定がない限り,
19.13
に基づき”から始まる段落の後に,次を追加する。)
ヒューズリンク又は
19.101
の試験中に,故意に弱くした部分が短絡のために破壊されるように意図した
機器にも,
19.102
の試験を実施する。
注記
101
19.101
及び
19.102
に適合するために機器に内蔵したヒューズリンクには,
19.12
の試験を
実施しない。
追加
(
“特に規定がない限り,非自己復帰形”から始まる段落の前に,次を追加する。)
特に規定がない限り,機器には,次の電圧を供給する。
-
制御下にある機器の場合,定格電圧の
0.9
倍~
1.1
倍の間の電圧
-
その他の機器の場合,定格入力の
0.85
倍~
1.24
倍の間の入力が得られる電圧
注記
101A
対応国際規格の“
Modification
(
修正
)”は,適切でないため,規格の利便性を考慮し,こ
の規格では,
“
追加
”とした。
13
C 9335-2-106
:
2017
19.2
追加
(
“電熱素子をもつ機器”から始まる段落の前に,次を追加する。)
床に設置した断熱材の熱抵抗を約
2.9 m
2
K/W
まで増加し,この断熱材を最も不利な位置に設定する。
19.6
この規格では適用しない。
19.13
追加
(
表
9
に,次を追加する。)
単位
K
測定箇所
温度上昇
0.1 m
2
K/W
断熱層又は電気カーペット(カバーを掛ける
ものはカバー)の上面,断熱材の下
60
aa)
試験枠組みの木材
120
注
aa)
19.11.3
適用時は,
90 K
とする。
追加
19.101
可搬式断熱カーペットは,カバーを取り外し,可とう部を最も不利な場所で折り畳んで最も不利
な寸法の三つ折りにすることを除き,標準運転で運転する。寸法が
300 m
×
450 mm
×
36 mm
の断熱材シー
トを折り畳んだ毛布の最も不利な場所に載せる。断熱材シートに一様に分布した
5 kg
の質量を載せる。
注記
A
折り畳みの幅の最小値は,
40 mm
とすることが望ましい。
注記
B
砂袋を質量として用いることができる。
断熱材に接触する可とう部の温度上昇は,
130 K
を超えてはならない。制御下にある機器及び他の機器
の場合,温度上昇は
130 K
を超えてはならない。
19.102
19.101
への適合性がヒューズリンク又は故意に弱くした部分の破断に依存している場合は,可と
う部を規定に従って配置し,保護回路の最大インピーダンス点を折り畳み部の最も不利な条件の部分に含
めて,試験を繰り返す。機器には,
19.1
に規定する範囲の下限にある電圧を供給する。
19.103
電熱素子又はより線で構成する内部配線をもつ可搬式電気カーペットは,
1
本又は複数のより線
が断線した場合であっても,通常の使用中に過度な温度になってはならない。
適否は,
19.103.1
~
19.103.3
の該当する試験によって,又は保護システムの評価によって判定する。
注記
可とう部内部にあって,かつ,コード止めから
100 mm
を超えて延びている可とうコードの被
覆してない芯線は,内部配線と判断する。
19.103.1
内部配線又は電熱素子が一体絶縁をもたず,また,相互に電気的に絶縁していない個別より線
をもつ場合,可とう部の外郭を最も不利な条件の場所で開放し,裸導体を短く露出させる。より線は,
1
本を除いて全て切断し,折り戻して約
15 mm
のギャップを残す。次に,外郭を閉じて,機器を通常動作で
4
時間運転する。
何らかの損傷が起こる前に単一のより線が破断した場合は,切断しないより線の本数を破断防止のため
に必要な最小本数まで増して,試験を繰り返す。
試験後,切断していないより線に接触する外郭又は材料に焼けがあってはならない。
19.103.2
内部配線又は電熱素子が,一体絶縁及び相互に電気的に絶縁していない個別より線をもつ場合,
可とう部の外郭を最も不利な条件の場所で開放し,絶縁導体を短く露出させる。長さが
100 mm
の単一の
同一より線を導体の絶縁部に完全に
1
回巻き付けて包み込み,巻き付け部の端同士は,
1 mm
の間隔をあ
ける。
より線を導体と直列接続し,次に外郭を閉じて,機器を通常動作で
4
時間運転する。
何らかの損傷が起こる前に単一のより線が破断した場合は,切断しないより線の本数を破断防止のため
14
C 9335-2-106
:
2017
に必要な最小本数まで増して,試験を繰り返す。
試験後,導体の絶縁部又は可とう部の他の材料に損傷があってはならない。
注記
導体絶縁の僅かなへこみは,無視する。
19.103.3
内部配線又は電熱素子が,相互に電気的に絶縁する個別より線をもつ場合は,配線又は電熱素
子を端子から切り離す。約
500 V
の直流電圧を,いずれか
2
本のより線の間に印加する。
絶縁抵抗を測定し,次の値以上でなければならない。
-
クラス
III
機器の場合,
0.1 M
Ω
-
他の機器の場合,
1 M
Ω
20
安定性及び機械的危険
安定性及び機械的危険は,この規格では適用しない。
21
機械的強度
機械的強度は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
21
(機械的強度)による。
21.1
追加
(
“試験後”から始まる段落の前に,次を追加する。)
打撃は,機器の硬質部分だけに加える。
注記
101
正常な使用には,運搬及び設置を含める。
ヒーティングユニットには,
21.101
及び
21.102
の試験を実施する。
絶縁線を内蔵するヒーティングユニットには,
21.103
~
21.105
の試験も実施する。
絶縁線を内蔵する電気カーペットには,
21.104
及び
21.105A
の試験も実施する。
追加
21.101
電熱素子の一部を,厚さ
100 mm
で電熱素子の幅を完全に覆うだけの十分な大きさをもつ
2
枚の
硬木板の間に保持する。板の端には,半径
50 mm
の丸みをつける。
このアセンブリを,-
5
℃の周囲温度,又は据付説明書に指定する最低周囲温度の,いずれか低い方の
温度にさらす。電熱素子がこの温度に達したとき,その自由側の端を板の丸みをつけた端に沿って曲げる。
この端を
180
°の角度で曲げ,正常位置に戻す。これを両方向で実施する。この曲げ作業は,
3
回実施する。
この後,ヒーティングユニットは,
16.3
の耐電圧試験に耐えなければならず,この規格への適合性を損
なうほどの損傷が生じてはならない。
21.102
蒸着フィルム又はプリント回路電熱素子を内蔵するヒーティングユニットの二つの試験片につい
て,次の試験を実施する。
ヒーティングユニットを,滑らかな面をもつ水平な鋼板上に置き,角度が
40
°の円すい形をした端をも
つ硬化鋼のピンで,電熱素子の表面にひっかききずを付ける。ピンの先端部の丸みは,半径
0.25 mm
±
0.02
mm
とする。ピンの軸に沿って作用する力は,コンクリート床及び類似の床に加わる場合は,
10 N
±
0.5 N
,
また,他の床に加わる場合は,
5 N
±
0.5 N
となるように,ピンに負荷をかける。ひっかききずを付けると
きは,ピンを約
20 mm/s
の速度で表面に沿ってひっかく。ピンは,移動方向に,垂直面から
5
°~
10
°の
角度を付けて保持する。
50 mm
以上の間隔をおいた
3
本のひっかききずを,一つの電熱素子の両側面に付ける。これらは,ヒー
ティングユニットの長さに平行とし,また,一つの端から
10 mm
以上の距離をおく。ひっかききずの長さ
は,ヒーティングユニットの幅とほぼ等しくする。電熱素子が電極を内蔵している場合,ひっかききずの
1
本は,電極の
1
本に沿って付ける。
15
C 9335-2-106
:
2017
二つの同様のきずを,もう一方の電熱素子の両側面の全幅にわたって付ける。
この後,ヒーティングユニットは,
16.3
の耐電圧試験に耐えなければならない。
21.103
ヒーティングユニットの一部を,硬質鋼板の上に置く。直径が
6 mm
,長さが
20 mm
で,端半径
が
3 mm
の鋼製のロッドを,
1
か所だけで接触するように,ヒーティングユニットを横切るようにして置
く。
ロッドに
30
秒間,力を加え,力の値は
1 000 N
とする。
50 mm
以上間隔をおいた,異なる
5
か所の場所に,力を加える。
この後,ヒーティングユニットは,
16.3
の耐電圧試験に耐えなければならない。絶縁電熱線が複数の導
体を含んでいる場合,導体間で基礎絶縁の試験も実施し,この規格への適合性を損なうほどの損傷が生じ
てはならない。
21.104
ヒーティングユニットを,
600 mm
の中央支持に固定された硬木製でスクエアエッジ形状の溝床板
(
100 mm
×
25 mm
)の上に置く。床板は,板と板との間に
3 mm
の空隙をもつ。床板は,各試験の開始前に
置き換える。ヒーティングユニットが下敷きとともに設置する設計となっている場合は,製造業者の指示
に従って設置する。電熱素子は,床の溝に直角に取り付ける。ヒーティングユニットは,製造業者の指示
に従って組み立て,支持し,通常動作条件下で使用する。
重量が
0.24 kg/m
2
で,センチメートル当たり
24
×
24
ピックの木綿製キャンバスシートを,ヒーティング
ユニットの上にかぶせる。
椅子及び水平面上での回転に対してロックするキャスター機構をもつ,五つのキャスター付きの椅子を
使用して,ヒーティングユニットを
2 500
サイクル回転させる。
キャスターサークルのピッチサークル直径は,約
260 mm
とする。キャスターの直径は,約
50 mm
とし,
その幅は約
20 mm
で,そのクランク距離は約
32 mm
とする。
各サイクルでは,椅子を一方向に
3
分間回転し,次に,逆方向に
3
分間回転する。試験中,椅子の質量
を含めた合計質量が
90 kg
±
1 kg
となるように質量を負荷し,椅子とキャスターとの組合せは,
15 r/min
±
1
r/min
の速度で回転する。
この試験は,電気カーペットにも適用するが,キャンバスシートの追加はしない。
この後,試験を実施した機器は,
16.3
の耐電圧試験に耐えなければならず,この規格への適合性を損な
うほどの損傷が生じてはならない。
注記
電源コード及びプラグによって電源を供給するものを除き,ヒーティングユニットのコードの
接続は,ヒーティングユニットの一部とみなされている。
21.105
電熱素子,接地導体又は内部配線の試験片を,
図
106
に示す試験装置に装着する。この試験装置
は,二つの滑車をもつ車を備えており,各滑車は,半径が
4 mm
の溝をもち,溝底部の直径は
25 mm
であ
る。滑車は,試験片がこれら滑車の間を通過するときに水平になるように配置する。
注記
1
円形断面をもたない試験片の場合は,滑車の溝の形状を適切に修正する。
注記
2
積層フォイルのような導体は,ラミネートから切り取った
10 mm
幅の条片(ストリップ)を
使用する。
試験片を滑車全体に引き延ばし,各端に
0.25 kg
の分銅で荷重を加える。必要な場合は,滑車を離れるワ
イヤが相互に平行になるように,各端の質量を
0.1 kg
ずつ増加する。拘束クランプは,車が移動するのと
反対方向に質量で張力がかかるように,位置を決める。
車は,
1 m
の距離を,約
0.33 m/s
の定速で,
1 000
サイクル,チェーンで駆動させる。
注記
3
1
サイクルは,
2
回の移動からなり,それぞれの移動は各方向に行う。
16
C 9335-2-106
:
2017
試験中,試験片が破壊されてはならない。
注記
4
試験中,
50 mA
を超えない監視電流を試験片に流してもよい。
PTC
電熱素子を内蔵しているヒーティングユニットの場合,入力は,試験の前後で測定する。測定は,
電熱素子を自由大気中に垂直につるし,機器の定格電圧を供給して実施する。試験前後の測定は,両方共
に,同一周囲温度で,入力が安定したときに実施する。入力は,試験中に増加してはならない。
次に,含有率が約
1 %
の塩化ナトリウム水溶液に試験片を浸せき(漬)する。導体と水溶液との間に,
約
500 V
の直流電圧を印加する。
絶縁抵抗は,浸せき(漬)
1
分後に測定し,
1 M
Ω
以上でなければならない。
21.105A
電気カーペットを厚さが
10 mm
以上の表面が平らな木台の上に広げて置き,本体と電源コード
との接続部,本体の任意の位置及び制御装置(通常の使用状態で壁などに固定されるものを除く。)上に底
面の形状が正方形であって,その一辺の長さが約
100 mm
,厚さが約
30 mm
の砂袋を介して
60 kg
(砂袋の
質量を含む。
)の荷重を
1
分間加える。各部にひび,割れが生じず,かつ,試験後において,箇条
11
の要
求事項に適合しなければならない。
22
構造
構造は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
22
(構造)による。
追加
22.101
クラス
III
以外の機器の場合,ヒーティングユニットは,クラス
II
構造でなければならない。ま
た,保護接地を設けてもよい。
適否は,目視検査及びクラス
II
構造の試験によって判定する。
22.102
電熱素子の接続部,及び端を覆う絶縁及び接着剤は,電熱素子の材料又は絶縁特性に悪影響を与
えてはならない。
適否は,次の試験によって判定する。
ヒーティングユニットを,
80
℃,又は箇条
11
の試験中に求めた温度上昇に
45
℃を加えた温度の,い
ずれか高い方の温度の恒温槽に入れる。試験は
336
時間実施する。
ヒーティングユニットは,ほぼ室温まで冷めた後,
16.3
の耐電圧試験に耐えなければならない。
22.103
電熱素子の位置決めに使用した積層電気カーペットのシートは,確実に結合されていなければな
らない。
適否は,次の試験によって判定する。
寸法が約
100 mm
×
130 mm
の六つの試験片を,新品の電熱素子の積層部分から切り取る。各セットの試
験片は,端から,並びに電熱素子部分に直角及び平行な加熱表面から切り取る。
100 mm
の長さの端部では,電熱素子を定位置に保持し,幅が
25 mm
の材料の条片を,各試験片の一端
の一面から切り取る。これと向かい合った面及び試験片の反対側端から,別の類似の条片を切り取る。取
り除いた条片の下にある電熱素子も,切り離す。
注記
電熱素子を保持する層の結合を試験するために,複数層を切り取ることが必要な場合もある。
試験片の両端にある残りの材料層の全長にわたって,クランプを装着する。
次に,試験片をクランプの一つでつるし,もう一方のクランプで
1.25 kg
の全負荷を加える。
この試験を,
20
℃の温度で
1
時間,次に
80
℃の温度で
1
時間行う。
電熱素子を定位置に保持している層は,分離してはならない。
この試験を,箇条
11
及び箇条
19
の試験を行った機器から取った試験片について繰り返す。
17
C 9335-2-106
:
2017
22.104
接続用口出し線及び相互接続用口出し線に取り付けた接続装置は,クラス
II
構造でなければなら
ない。工具を用いないで,これら装置が分離できてはならない。
適否は,目視検査によって判定する。
22.105
安全超低電圧で動作する電熱素子を内蔵しているもの以外の機器は,次のいずれかを内蔵してい
なければならない
-
電熱素子の絶縁を異物が貫通した場合,電源周波数の
1
サイクル以内に,両電源極を断路する保護回
路
-
電熱素子の絶縁を囲む接地金属スクリーン
保護回路を内蔵する機器の場合,保護回路は,絶縁を貫通している物体を取り除いたとき,自動的に電
源をリセットしたり,自動的に電源に再接続してはならない。
適否は,次の試験によって判定する。
-
保護回路を内蔵する機器の場合,
22.105.1
の試験
-
電熱素子の絶縁を囲む接地金属スクリーンを内蔵する機器の場合,
22.105.2
及び
27.5
の試験
22.105.1
機器に定格電圧を供給し,電熱素子の絶縁に触れるように,
JIS C 0922
の検査プローブ
D
の挿
入を行う。検査プローブは,約
10 N
の力で挿入する。絶縁が貫通した場合は,保護回路が作動して,電源
周波数の
1
サイクルの間に,電熱素子の全ての極を断路しなければならない。
検査プローブを機器から離したとき,電熱素子に再通電するためには,手動による操作が必要でなけれ
ばならない。
保護回路が作動するために電源システム保護接地への接続に依存していない場合,対地又はいずれかの
電源導体に対して測定したとき,次の事項に適合しなければならない。
-
検出前及び検出中のプローブに対する電圧が,
24 V
を超えてはならない。
-
プローブを通る最大電流が,
5 mA
を超えてはならない。
保護システムが,金属編み組又は金属はく(箔)のような導電層との接触に依存している場合,及び導
電層が
27.5
の可触金属部に関する要求事項に適合していない場合,導電層は,強化絶縁又は二重絶縁によ
って充電部から絶縁しなければならない。また,基礎絶縁に関する要求事項に適合するシースで覆わなけ
ればならない。
22.105.2
電熱素子の絶縁部に接触させるために,
JIS C 0922
の検査プローブ
D
を機器へ挿入する。検査
プローブは,約
10 N
の力で挿入する。検査プローブが電熱素子の絶縁部と接触する場合は,スクリーンに
も必ず接触しなければならない。
22.106
機器が電源システムの保護接地への接続に依存する保護回路を内蔵している場合,保護接地への
接続が十分に低い値のものであるときを除き,電熱素子への通電が可能となってはならない。
適否は,次の試験によって判定する。
10
Ω
の抵抗器を,保護回路と電源システム保護接地への接続部との間に直列に接続する。機器に定格電
圧を供給したとき,電熱素子が通電状態になってはならない。
22.107
電熱素子が電気カーペットの布地部分に直接内蔵されている場合,例えば,変色などの摩耗標識
を電熱素子の上のカーペット内に組み込み,電熱素子の絶縁系統が露出する前に標識が目で確認できなけ
ればならない。
適否は,電気カーペットの外郭の上部(パイル及びトレッド層)を取り除いた後で,検査によって判定
する。
22.107A
安全上のストッパは,ストッパを越えた(解除した)ことが容易に分かるような構造でなけれ
18
C 9335-2-106
:
2017
ばならない。
適否は,目視及び手による検査によって判定する。
23
内部配線
内部配線は,
JIS C 9335-1
の箇条
23
(内部配線)による。
24
部品
部品は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
24
(部品)による。
追加
24.101
箇条
19
の要求事項に適合するために必要な温度過昇防止装置は,引外し自由機構をもつ非自己復
帰形でなければならない。ただし,ヒータ線が感熱式の場合を除く。
適否は,目視検査によって判定する。
24.102
制御装置,及び機器がこの規格に適合するために必要なその他の構成部品は,機器とともに供給
されなければならない。
適否は,目視検査によって判定する。
25
電源接続及び外部可とうコード
電源接続及び外部可とうコードは,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
25
(電源接続及び外部可とうコード)
による。
25.1
置換
(
“適否は”から始まる段落を,次に置き換える。)
可搬式電気カーペットは,長さが
2.3 m
以上の電源コードと一緒に供給しなければならない。ただし,
電源コードを本体の端部に取り付けた制御装置に接続し,制御装置に非防水である旨を表示している場合
は除く。
適否は,目視検査及び測定によって判定する。
注記
101A 7.1
の
注記
101A
と同じ。
25.3
置換
(
25.3
全て)
固定形ヒーティングユニットは,固定配線への恒久的接続のために,次の手段のいずれか一つを内蔵し
ていなければならない。
-
電源リード一組
-
電源コード
長さは
3 m
以上とする。
適否は,目視検査及び測定によって判定する。
25.5
置換
(
25.5
全て)
電源コードは,
Y
形取付け又は
Z
形取付けによって,機器に取り付けなければならない。
適否は,目視検査によって判定する。
25.15
修正
(
表
12
の引張力を,次に修正する。)
装置の質量に関係なく,引張力は
100 N
とする。
26
外部導体用端子
外部導体用端子は,
JIS C 9335-1
の箇条
26
(外部導体用端子)による。
19
C 9335-2-106
:
2017
27
接地接続の手段
接地接続の手段は,
JIS C 9335-1
の箇条
27
(接地接続の手段)による。
28
ねじ及び接続
ねじ及び接続は,
JIS C 9335-1
の箇条
28
(ねじ及び接続)による。
29
空間距離,沿面距離及び固体絶縁
空間距離,沿面距離及び固体絶縁は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
29
(空間距離,沿面距離及び固体
絶縁)による。
29.1
置換
(
“通常,この規格で”から始まる段落を,次に置き換える。
)
可搬式電気カーペットは,過電圧カテゴリ
II
に入る。その他の機器は,過電圧カテゴリ
III
に入る。
注記
101A
7.1
の
注記
101A
と同じ。
29.3
置換
(
“付加絶縁”から始まる段落を,次に置き換える。)
ヒーティングユニットの可とう部の絶縁について,寸法に関する要求事項はない。
クラス
II
のヒーティングユニットの場合,ヒーティングユニット上には
2
層の絶縁部がなければならな
い。また,各層は強化絶縁に対する
16.3
の耐電圧試験に耐えなければならない。ただし,層を分離できな
い場合は,これらの組合せが,強化絶縁に対する
16.3
の耐電圧試験に耐えなければならない。
注記
101A
7.1
の
注記
101A
と同じ。
30
耐熱性及び耐火性
耐熱性及び耐火性は,次を除き,
JIS C 9335-1
の箇条
30
(耐熱性及び耐火性)による。
30.1
追加
(
“適否は”から始まる段落の前に,次を追加する。)
この試験は,ヒーティングユニット又は電気カーペットの可とう部には適用しない。
注記
101A
電気カーペットの制御装置及び接続装置には,この試験を適用する。
JIS C 8282-1
の
25.1
及び
25.4
の試験を接続装置の柔軟な部品以外に適用する。
30.2
追加
(
“適否は”から始まる段落の前に,次を追加する。)
可とう部の外郭には,試験を実施しない。
30.2.2
この規格では適用しない。
追加
30.101
機器が導体のアーク放電で生じる過熱を防止する手段を内蔵する場合を除き,可とう部の外郭は,
耐発火性でなければならない。
適否は,次のいずれかの試験によって判定する。
-
可とう部の耐発火性を評価する場合は,
30.101.1
の試験
-
導体のアーク放電で生じる過熱を防止する手段を内蔵する機器の場合は,
3.101.2
の試験
30.101.1
それぞれ寸法が
100 mm
×
200 mm
の六つの試験片を,それぞれの短辺側が電熱素子の長さ方向
と平行になるようにして,外郭から切り取る。同一の縦糸又は同一の横糸を含む試験片が二つとないよう
に,外郭の各部から選択した試験片とする。このような選択ができない場合は,同一の糸が三つ以上の試
験片に現れないように,試験片を選択する。電熱素子片及び裁ちくずがある場合は,それを試験片から除
去する。
図
107
に示す試験装置は,直径が
3 mm
で,かつ,絶縁材の基板に取り付けた黄銅製の支柱で軸が合う
20
C 9335-2-106
:
2017
ように支えた
2
本の黄銅製の電極をもつ。基板は,絶縁板も支持しており,寸法は
100 mm
×
100 mm
で,
黄銅製の支柱の間の中心にある。絶縁板の高さを調整する手段を設ける。
一方の電極は,定位置に固定されており,もう一方の電極は可動式で,試験片の挿入ができるようにす
る。固定電極の先端は,
45
°の角度をもつ。電極は,黄銅製の支柱から最も遠いところにある箇所が頂部
にあり,また,絶縁板の中心から約
3 mm
となるように位置を決める。可動式電極は,平たんな端部をも
つ。
図
108
の
a)
に示すような硬木マスクの下半部は,調整式絶縁板上の表示位置に置く。
図
108
の
b)
に示すような硬木マスクの上半部を含む試験装置は,検査窓をもつドアを備え,かつ,自
然対流で空気を循環する恒温槽内に置く。電極は,調整式の非誘導抵抗器と直列に接続して,正弦出力電
圧が
10 kV
で,
1 mA
の電流が流れているときは,
100 V
を超える出力電圧減少が生じない特性をもつ電源
に接続する。
恒温槽の温度は,
65
℃±
2
℃とする。このとき,電極を短絡し,抵抗器は
1 mA
の電流が流れるように
調整する。次に,電源を切り離し,試験片を恒温槽内に
3
時間放置する。
通常は,機器を恒温槽から取り出さず,可動式電極を引き出し,一方の試験片を固定電極上にかぶせて,
電熱素子が占有する空間内の中心に電極がくるようにする。試験片は,その端が調整可能な絶縁板の端と
ほぼ同じレベルになるように調整する。次に,可動式電極を要素空間(エレメントスペース)の他端に挿
入し,電極間の距離が
6.0 mm
±
0.1 mm
となるように固定する。試験片のしわを伸ばして,マスクの上半
部を所定の位置に置く。さらに,温度を安定させるために,
5
分間恒温槽の扉を閉じる。
電源を
ON
して,
2
分間,電極間でスパークを飛ばす。試験片が発火したら,スイッチを入れた瞬間か
ら炎がマスクの内側端に達するまでの時間を記録する。表面の繊維の発火で,
3
秒以下のものは無視する。
試験片が発火しない場合は,
120
秒の時間を記録する。
次に,試験片を取り出して,別の面を一番上に向けて反対側の端が試験を実施するようにして,電極間
に再度位置を決める。
この試験を,他の五つの試験片でも繰り返す。
記録した時間のいずれかが
30
秒未満である場合,六つの試験片からなる
2
番目のセットで全試験を繰り
返す。この後,
30
秒未満の時間を記録するような試験片があってはならない。
記録された
12
の数値の平均を計算し,その平均値が
80
秒未満であってはならない。平均値との差が
30
秒を超える全ての数値は無視し,必要な場合には残りの数値の平均値を再計算する。
導体の適切な長さを露出し,導体の絶縁物を長さ
25 mm
にわたり取り除く。機器に定格電圧を印加し,
導体のその部分を半径
75 mm
に曲げて,温度
230
℃±
2
℃の非導電液体に浸せき(漬)する。可とう部
の入力が
1 W
を超えないように,
30
秒以内に保護システムが作動しなければならない。
保護システムが作動する場合は,導体を液体から引き出す。可とう部の入力がその後
1 W
を超えて上昇
する場合は,試験を
100
回繰り返すか,又は入力が恒久的に
1 W
を下回るようになるか,いずれか早く発
生するまで試験を実施する。
30.102
可とう部内部の電熱素子及び内部配線の絶縁は,異常な発熱及び火災に十分に耐えるものでなけ
ればならない。
注記
この要求事項は,接続を絶縁するための材料にも適用する。
適否は,次の試験によって判定する。
長さが
150 mm
以上の電熱素子,又は内部配線の試験片を,
45
°に傾けたグリッドで支える。グリッド
には,直径
0.6 mm
の平行ワイヤを
20 mm
間隔で離して構成する。試験片は,水平ワイヤに対して直角に,
21
C 9335-2-106
:
2017
かつ,他のワイヤの間の中心に位置を決める。同寸法の第
2
のグリッドを試験片の上方において,水平ワ
イヤが最初のグリッドの水平ワイヤから
10 mm
ずれるようにする。両方のグリッドのワイヤは試験片に対
して平行であって,相互に芯を合わせる。
グリッドを,実質的に無風状態の場所にある
3
面金属スクリーンの中心部に取り付ける。このスクリー
ンは,高さが約
900 mm
,幅が約
450 mm
,奥行きが約
300 mm
で,前面が開き,上蓋が閉じた長方形をし
ている。
JIS C 60695-11-5
で規定するニードルフレームを試験片に当て,絶縁部の燃焼が止まるまで,そのまま
の状態を維持する。
火で損傷を生じた試験片の長さは,炎を当てた部分から測定したとき,
65 mm
を超えてはならない。
31
耐腐食性
耐腐食性は,
JIS C 9335-1
の箇条
31
(耐腐食性)による。
32
放射線,毒性その他これに類する危険性
放射線,毒性その他これに類する危険性は,
JIS C 9335-1
の箇条
32
(放射線,毒性その他これに類する
危険性)による。
22
C 9335-2-106
:
2017
図中の記号
1
熱抵抗が約
1.25 m
2
K/W
の断熱材
2
0.1 m
2
K/W
の断熱層(ヒーティングユニットだけ)
3
断熱材の支え
4
断熱材
5
寸法
50 mm
×
200 mm
の木枠
6
合板の床
7
敷物(製造業者によって指示がある場合。
)
8
ヒーティングユニット又は電気カーペット
図
101
-
ヒーティングユニットの試験配置
23
C 9335-2-106
:
2017
図中の記号
1
熱抵抗が約
1.25 m
2
K/W
の断熱材
2
0.1 m
2
K/W
の断熱層
3
2.5 m
2
K/W
の断熱材
4
厚さ
40 mm
のコンクリート基礎(又は石板)
5
敷物(製造業者によって指示がある場合。
)
6
ヒーティングユニット
図
102
-
コンクリート又は類似の床の上だけで使われるヒーティングユニットの試験配置
24
C 9335-2-106
:
2017
図中の記号
1
IEC 60990
の
図
4
の回路
2
均一に配置した負荷
3
アルミはく(箔)の敷布
4
合板の床
5
敷物(製造業者によって指示がある場合。
)
6
ヒーティングユニット又は電気カーペット
7
0.1 m
2
K/W
の断熱層(ヒーティングユニットだけ)
図
103
-
可とう部の漏れ電流及び耐電圧を測定するための配置
25
C 9335-2-106
:
2017
単位
mm
注記
ジグ本体は,絶縁材料製である。
図中の記号
1
ジグ本体
2
参照端
3
針の誘導装置
図
104
-
針の接触配置のためのジグ
図
105
この規格では適用しない。
26
C 9335-2-106
:
2017
単位
mm
図中の記号
A
直系
50 mm
以上の滑車
B
車
C
溝付きの滑車
D
拘束クランプ
E
係合ピン
F
ピッチが
12.7 mm
のチェーン
G
ピッチ円直径
88.9 mm
の
20
個の歯をもつスプロケット
図
106
-
発熱体及び内部配線の曲げ装置
27
C 9335-2-106
:
2017
図
107
-
火花点火試験用装置
28
C 9335-2-106
:
2017
単位
mm
a)
マスクの下部材
b)
マスクの上部材
注記
マスクの上部材の質量は約
100 g
で,高さを調節することによって実現される。
図
108
-
マスクの詳細図
29
C 9335-2-106
:
2017
図
108A
-
折り畳み試験方法
30
C 9335-2-106
:
2017
附属書
附属書は,
JIS C 9335-1
の附属書による。
参考文献
参考文献は,次を除き,
JIS C 9335-1
の
参考文献
による。
追加
JIS C 9335-2-17
家庭用及びこれに類する電気機器の安全性-第
2-17
部:毛布,パッド及びこれに類
する可とう電熱機器の個別要求事項
注記
対応国際規格:
IEC 60335-2-17
,
Household and similar electrical appliances
-
Safety
-
Part 2-17:
Particular requirements for blankets, pads and similar flexible heating appliances
JIS C 9335-2-81
家庭用及びこれに類する電気機器の安全性-第
2-81
部:足温器及び電熱マットの個
別要求事項
注記
対応国際規格:
IEC 60335-2-81
,
Household and similar electrical appliances
-
Safety
-
Part 2-81:
Particular requirements for foot warmers and heating mats
JIS C 9335-2-96
家庭用及びこれに類する電気機器の安全性-第
2-96
部:室内暖房のためのシート状
の可とう性電熱素子の個別要求事項
注記
対応国際規格:
IEC 60335-2-96
,
Household and similar electrical appliances
-
Safety
-
Part 2-96:
Particular requirements for flexible sheet heating elements for room heating
JIS L 1096
織物及び編物の生地試験方法
31
C 9335-2-106
:
2017
附属書
JAA
(参考)
JIS
と対応国際規格との対比表
JIS C 9335-2-106
:2017
家庭用及びこれに類する電気機器の安全性-第
2-106
部:電気カーペット及び取外し可能な床仕上げ材の下に設置する室内暖房用ヒー
ティングユニットの個別要求事項
IEC 60335-2-106
:2007
,
Household and similar electrical appliances
-
Safety
-
Part 2-106:
Particular requirements for heated carpets and for heating units for room heating installed
under removable floor coverings
(
I
)
JIS
の規定
(
II
)
国際
規格
番号
(
III
)国際規格の規定
(
IV
)
JIS
と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(
V
)
JIS
と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3
用語及び
定義
3.1.9
通常動作の定義
3.1.9
JIS
とほぼ同じ
追加
通常動作について,電気カーペ
ットのカバーの条件に関する
規定を追加した。
我が国の電気カーペットの場合は,カ
バーを掛けて使用することが一般的な
ため,カバーの条件を追加した。
なお,専用カバーの指定がない場合の
カバーの条件については,現在の電気
カーペットの専用カバーの中で比較的
薄いもの(試験条件としては厳しいも
の)の仕様を標準カバーとして規定し
た。
IEC
への提案を検討する。
3.104
可 と う 部 の 定
義
3.104
JIS
とほぼ同じ
追加
可とう部の定義について,対応
国際規格では,“床仕上げ材の
下にあるか又はその一部とな
るもの”と定義しているが,電
気カーペットには,適切でない
ため,ヒーティングユニットに
限定する表現とした。
また,電気カーペット本体にあ
る制御装置も可とう部には含
まれないことを明確化した。
電気カーペットの可とう部とは,ヒー
タ(コードヒータが埋め込まれたじゅ
うたん)部を指し,通常,床の上に置
く部分である。また,電気カーペット
本体にある制御装置は,通常,可とう
性をもたないことから,可とう部には
含まれないことを明記した。
IEC
への提案を検討する。
31
C
933
5-2
-106
:
201
7
32
C 9335-2-106
:
2017
(
I
)
JIS
の規定
(
II
)
国際
規格
番号
(
III
)国際規格の規定
(
IV
)
JIS
と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(
V
)
JIS
と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
6
分類
6.2
機 器 の 水 の 浸 入
に対する保護等級
6.2
JIS
とほぼ同じ
追加
IPX7
の要求範囲は,電気カー
ペット及び類似の機器の可と
う部だけとし,電気カーペット
本体の制御装置は含まないこ
とを明確化した。
現在の電気用品の技術上の基準を定め
る省令の解釈の別表第八(以下,別表
第八という。)においても電気カーペッ
トの制御装置又は電源電線等の接続部
には防水性を要求しておらず,また,
制御装置は本体端部にあり,通常の使
用において制御装置に液体がかかるこ
とは低いと想定されるため,
IPX7
の要
求範囲は,可とう部だけとした。
我が国独自の規定を引用したため,
IEC
への提案はしない。
7
表示,及
び取扱説明
又は据付説
明
7.1
製品への表示
7.1
JIS
とほぼ同じ
追加
電気カーペット本体に取り付
けた制御装置が
IPX7
を満たさ
ない場合は,その旨を制御装置
に表示する要求を追加。
電気カーペット本体に取り付けた制御
装置が防水性をもたない場合は,使用
者にその旨の情報を提供し,リスクを
回避する必要があるため,制御装置に
表示することとした。
IEC
への提案を検討する。
7.12
取扱説明書への
表示
7.12
JIS
とほぼ同じ
追加
温度上昇の抑制のために安全
上のストッパを設けている機
器は,そのストッパの説明,及
びストッパを越えて操作する
場合のリスクについて取扱説
明書に表示する要求を追加。
箇条
11
の温度上昇に関連して,ストッ
パを越えて使用した場合,低温やけど
等のリスクについて取扱説明書に表示
することとした。
IEC
への提案を検討する。
11
温 度 上
昇
11.1
温度上昇の試験
条件
11.1
JIS
とほぼ同じ
追加
JIS
では,温度上昇の周囲温度
の条件を
20
℃±
5
℃とした。
ただし,疑義が生じた場合は,
20
℃±
2
℃で試験を実施する
こととした。
電気カーペット等の場合,周囲温度が
試験に与える影響は少ないため,試験
条件の許容差を緩和した。
IEC
への提案を検討する。
32
C
933
5-2
-106
:
201
7
33
C 9335-2-106
:
2017
(
I
)
JIS
の規定
(
II
)
国際
規格
番号
(
III
)国際規格の規定
(
IV
)
JIS
と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(
V
)
JIS
と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
11
温 度 上
昇(続き)
11.8
温度上昇規制値
11.8
JIS
とほぼ同じ
追加
対応国際規格では,温度上昇の
規定値が
22 K
であるが,この
規格では,使用者が自らの意思
で温度上昇を解除するストッ
パをもつ場合は
40 K
とした。
また,規定の運転時間を経過す
ると自動的に通電が停止する
機器,又は自動で温度上昇を
22 K
まで下げるように制御を
する機器の場合は,各時間に応
じて規制値を緩和した。
我が国の電気カーペットの場合,寒冷
地での使用等において,対応国際規格
の温度規制値(
22 K
)よりも高い温度
を市場から要求されている。また,ダ
ニ対策モード等では,機能的により対
応国際規格の温度規制値よりも高い温
度に設定する必要がある。そのため,
目盛にストッパをもつことで,使用者
が意図せず,規制値以上に設定するこ
とを抑制できる機器については,その
温度上昇値を
40 K
に緩和した。
なお,
40 K
は,
JIS C 9335-2-81
(足温
器及び電熱マットの個別要求事項)を
参考にした。
また,低温やけどは,その温度と時間
とが相関関係があるとされており,運
転時間の経過に応じて自動的に通電が
停止する機器又は温度上昇を
22 K
ま
で下げるように制御を行う機器の場合
も規制値を緩和した。
我が国独自の規定を引用したため,
IEC
への提案はしない。
15
耐 湿 性
等
15.1.1
耐湿性試験
15.1.1
JIS
とほぼ同じ
追加
電気カーペット及び類似機器
の可とう部について,
IPX7
に
該当する試験を適用する要求
を追加した。
対応国際規格では,電気カーペットの
可とう部についての試験条件がなかっ
たため,別表第八と同様の要求を追加
した。
IEC
への提案を検討する。
33
C
933
5-2
-106
:
201
7
34
C 9335-2-106
:
2017
(
I
)
JIS
の規定
(
II
)
国際
規格
番号
(
III
)国際規格の規定
(
IV
)
JIS
と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(
V
)
JIS
と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
18
耐久性
18.1.2
機 器 の 折 り 畳
み耐久性試験
18.101.2
JIS
とほぼ同じ
追加
本体を容易に折り畳むことが
できる電気カーペットについ
ては,別表第八で要求されてい
る折り畳み耐久試験を追加し
た。
対応国際規格の耐久試験では,機器を
巻いて収納する場合の耐久性を考慮し
ており,現在の別表第八で要求される
方法が,折り畳んで収納する我が国の
電気カーペットには適切であり,かつ,
より厳しい要求となるため。
IEC
への提案を検討する。
18.3
PTC
電 熱 素 子
の耐久性試験
18.103
JIS
とほぼ同じ
追加
PTC
電熱素子を用いるヒーテ
ィングユニットの場合の耐久
性を規定した。
ヒーティングユニットにおける
PTC
電熱素子は,平常温度から温度が高く
変化すると急激に抵抗値が上がるた
め,対応国際規格の平常よりも
5
℃高
い温度での耐久試験で試験前後の抵抗
測定が困難である。このため,電流を
通じた状態で表面温度の変化を測定す
る試験とした。
IEC
への提案を検討する。
19
異 常 運
転
19.13
異 常 運 転 時 の
温度上昇
19.13
JIS
とほぼ同じ
追加
異常試験における温度上昇値
について,
19.11.3
の適用時は,
90 K
とする規定を追加した。
対応国際規格では,温度上昇の
60 K
は,通常使用における絶縁物の耐熱温
度を考慮しており,電気カーペットに
適用する場合,保護電子回路による保
護以外の単一故障をこの規定値で保護
することは合理的と考えられるが,保
護電子回路の故障(
19.11.3
)時の保護
(最終保護)としては,その状態が長
時間継続することが考えにくいことか
ら,通則で規定する付加絶縁及び強化
絶縁に対する規定値にあるように,通
常の耐熱温度の
1.5
倍の規定で保護す
ることとした。
IEC
への提案を検討する。
34
C
933
5-2
-106
:
201
7
35
C 9335-2-106
:
2017
(
I
)
JIS
の規定
(
II
)
国際
規格
番号
(
III
)国際規格の規定
(
IV
)
JIS
と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(
V
)
JIS
と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
19
異 常 運
転(続き)
19.101
機器の折り畳
み状態での異常試験
19.101
JIS
とほぼ同じ
追加
電気カーペットについては,
JIS C 9335-2-17
の耐しわ(皺)
毛布の試験方法を採用するこ
ととした。
対応国際規格における引用元は,
JIS C
9335-2-17
における耐しわ毛布以外の
電気毛布の折り畳み状態での試験であ
るが,電気カーペットは,電気毛布と
比較して可とう性が低く,折り畳みの
幅が
40 mm
では対応が難しい製品も存
在することから,同じ
JIS C 9335-2-17
における
19.105
の耐しわ毛布の試験方
法を採用した。ただし,
JIS C 9335-2-17
の
19.105
には,折り畳み幅の規定がな
いため,折り畳みの幅の最小値は
40
mm
とする旨の注記を追加した。
IEC
への提案を検討する。
21
機 械 的
強度
21.105A
制 御 装 置 へ
の静荷重試験
-
規定なし
追加
電気カーペットの制御装置部
に現在の別表第八における静
荷重試験の要求を追加した。
対応国際規格では,制御装置部に対す
る機械的強度の規定がないため。
IEC
への提案を検討する。
22
構造
22.107A
安 全 上 の ス
トッパに対 す る構造
要求
-
規定なし
追加
安全上のストッパに対して,ス
トッパを越えた(解除した)こ
とが容易に分かるような構造
要求を追加した。
消費者が意図せず,ストッパを解除す
ることを防止するため。
IEC
への提案を検討する。
24
部品
24.101
温度過昇防止
装置に対する 引外し
自由機構の要求
24.101
JIS
とほぼ同じ
追加
温度過昇防止装置に引外し自
由機構を要求されているが,ヒ
ータ線が感熱式の場合にあっ
ては,この限りではない旨の規
定を追加した。
感熱式の場合,ヒータ線自身が温度過
昇防止装置の役割をしているが,ヒー
タ線に引外し自由機構をもたせること
はできないため,除外する規定を追加
した。
IEC
への提案を検討する。
35
C
933
5-2
-106
:
201
7
36
C 9335-2-106
:
2017
(
I
)
JIS
の規定
(
II
)
国際
規格
番号
(
III
)国際規格の規定
(
IV
)
JIS
と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(
V
)
JIS
と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
25
電 源 接
続及び外部
可とうコー
ド
25.1
電源コードの長
さ
25.1
JIS
とほぼ同じ
追加
対応国際規格における可搬式
電気カーペットには,長さが
2.3 m
以上の電源コードを要求
しているが,電源コードが本体
の端部に取り付けた制御装置
に接続され,制御装置に非防水
である旨を表示している場合
を除外した。
対応国際規格では,防水性を意図して
いる製品は,水がかかる場所で,使用
されるリスクがあり,電源コンセント
に水がかからないように電源から相応
の距離を取って使用する必要があるこ
とから,
2.3 m
以上のコードの長さを要
求しているが,我が国の電気カーペッ
トの場合,水がかかる場所で使用する
リスクが少ないことからデビエーショ
ンを追加した。
IEC
への提案を検討する。
30
耐 熱 性
及び耐火性
30.1
ボールプレッシ
ャー試験
30.1
JIS
とほぼ同じ
追加
対応国際規格では,ヒーティン
グユニット又は電気カーペッ
トには,この試験を適用してい
ないが,この規格では,可とう
部には適用しないが,電気カー
ペットの制御装置及び接続装
置には,この試験を適用するこ
ととした。
制御装置の耐火性を規定する必要があ
るため。
IEC
への提案を検討する。
JIS
と国際規格との対応の程度の全体評価:
IEC 60335-2-106
:2007
,
MOD
注記
1
箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
-
追加
················
国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
注記
2
JIS
と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
-
MOD
···············
国際規格を修正している。
36
C
933
5-2
-106
:
201
7