2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 9216-1992
電気カーペット
Electrically heated area rugs
1. 適用範囲 この規格は,単相交流で定格電圧100Vの温度検知に感熱線又は感熱面を使ったおもて面
積1.5m2以上で定格消費電力が100Wを超える電気カーペット(以下,カーペットという。)について規定
する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS C 3301 ゴムコード
JIS C 3306 ビニルコード
JIS C 8303 配線用差込接続器
JIS C 8304 屋内用小形スイッチ類
JIS C 8358 電気器具用差込接続器
JIS K 2240 液化石油ガス(LPガス)
JIS K 5400 塗料一般試験方法
JIS K 7202 プラスチックのロックウェル硬さ試験方法
JIS L 0801 染色堅ろう度試験方法通則
JIS L 0842 カーボンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法
JIS L 0849 摩擦に対する染色堅ろう度試験方法
JIS L 1021 繊維製床敷物の構造に関する試験方法
JIS L 1023 繊維製床敷物の性能に関する試験方法
JIS L 2001 綿ふとんわた
JIS L 4405 タフテッドカーペット
JIS S 6006 鉛筆及び色鉛筆
2. この規格の中で{ }を付けて示してある数値及び単位は,従来単位によるものであって,
参考として併記したものである。
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。
(1) 本体 基本的に平らで内部に発熱体をもち採暖に使用する部分で,一体形にあっては通常パイル部を
有する表布を有し,分離形にあっては,通常パイル部のない表布を有するもの。
(2) コントローラ 電源の入り・切り又は温度を調節若しくは変化させるための装置で,コードに取り付
けたものと本体に取り付けたものとがある。
(3) 器体 本体及びコントローラの総称。
(4) 発熱体 発熱線又は発熱面を絶縁物などで被覆したもの。
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(5) 感熱線 温度を検知して,この温度特性を電気特性に変換させて制御装置に伝えるため,本体内部に
連続して配置された線。
(6) 感熱面 温度を検知して,この温度特性を電気特性に変換させて制御装置に伝えるため,本体内部に
配置されたシート。
(7) 設定温度 温度保証点における製造業者が指定する温度。
(8) 採暖用表布 採暖する場合に使用者に接する布で,通常パイル部を有し,一体形は本体上面を指し,
分離形は専用カバーを指す。
(9) 始動電流 通電開始時の消費電力を定格電圧で除した値。
(10) 清水 上水道の水道水。
(11) こたつ併用可能形 本体上で卓用形こたつを併用(同時通電)することができるもの。
(12) 専用カバー 分離形に使用されるカバーで,通常パイル部を有する製造業者が指定するカバー。
(13) 汚れ防止カバー 汚れ防止のために一体形に使用されるカバーで,通常パイル部のないカバー。
(14) 定格電流 定格消費電力を定格電圧で除した値。
(15) 接続器 使用者が着脱する配線用差込接続器及び電気器具用差込接続器
(16) 内部配線用接続器 製造業者が器体内部で配線接続に使用する接続器
(17) 自動スイッチ 設定された温度になると自動的に開路し,手動で閉路するもの。
(18) パイル糸 採暖用表布に使用されるもので,感触性,保温性などをよくするために基布に刺し込んだ
り,織り込んだりした糸。
(19) 防炎ラベル 消防法に基づき自治省令の防炎基準に合格するものに対して与えられる認定ラベル。
備考 財団法人日本防災協会から与えられる。
(20) タフテッドカーペット生地 基布にタフティング機などによってパイル糸を刺し込んでパイルを形成
し,裏面に接着剤を用いてパイルを固定した生地。
(21) 織じゅうたん生地 ワイヤの打込み装置をもつ織機,二重パイルの織機又はアキスミンスター織機を
使用して製織したパイルのある生地。
3. 定格電圧及び定格周波数 定格電圧は,単相交流100Vとし,定格周波数は50Hz/60Hz共用とする。
4. 種類 カーペットの種類は,使用状態によって分類し,表1のとおりとする。
表1 カーペットの種類
種類
使用状態
使用状態図
一体形 通常本体表布上に直に座ったりして採暖するもの
分離形 通常本体表布上に専用カバーを掛け,専用カバー上に座ったりして採暖するも
の
備考 通常カバーを掛けずに使用するものであって,汚れ防止などでカバーを掛けるものは一体形に含める。
5. 性能
5.1
電圧変動 電圧変動は,8.2によって試験を行ったとき,支障なく使用できるものでなければならな
い。
5.2
消費電力 消費電力は,8.3によって試験を行ったとき,次の各項に適合しなければならない。
(1) 消費電力は,定格消費電力に対して,表2に適合すること。ただし,(2)に規定するものを除く。
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表2 消費電力の許容差
定格消費電力
W
許容差
%
1 000以下
±10
+10
−15
1 000を超えるもの
+ 5
−10
+ 5
−12
備考 括弧内の数値は,サイリスタその他こ
れに類するものを発熱体に直列に接
続した場合に適用する。
(2) サイリスタその他これに類する制御機構を用いたもので,使用状態の変化に応じて消費電力が変化し,
かつ,その定格値の表示を最大及び最小の範囲で示すことがやむを得ないものは,当該最大及び最小
の範囲内であること。
5.3
絶縁
5.3.1
絶縁抵抗 絶縁抵抗は,8.4.1によって試験を行ったとき,1MΩ以上でなければならない。
5.3.2
浸水絶縁抵抗 浸水絶縁抵抗は,8.4.2によって試験を行ったとき,浸水中は0.3MΩ以上,乾燥後
は,1MΩ以上でなければならない。
5.3.3
耐湿絶縁抵抗 耐湿絶縁抵抗は,8.4.3によって試験を行ったとき,耐湿試験後は0.3MΩ以上,乾
燥後は,1MΩ以上でなければならない。
5.3.4
耐電圧 耐電圧は,8.4.4によって試験を行ったとき,これに耐えなければならない。
5.3.5
漏れ電流 漏れ電流は,8.4.5によって試験を行ったとき,1mA以下でなければならない。
5.4
温度
5.4.1
平常温度 8.5.2によって試験を行ったとき,各部の温度は表3の値以下でなければならない。
表3 温度
単位 ℃
測定箇所
温度
発熱体の表面
120
本体外郭の表面
90
巻線
A種絶縁のもの
100
E種絶縁のもの
115
B種絶縁のもの
125
F種絶縁のもの
150
H種絶縁のもの
170
整流体(交流側電源回路に使用するものに限る。)シリコン製のもの
135
ヒューズクリップの接触部
90
点滅器などのつまみ
及び押しボタン
金属製のもの,陶磁器製のもの及びガラス製のもの 60
その他のもの
75
コントローラの外郭 金属製のもの,陶磁器製のもの及びガラス製のもの 55
その他のもの
70
コントローラを置く木台の表面
70
備考1. 基準周囲温度は,20℃とする。
2. コントローラを置く木台の表面は,本体からコードを介して分離され
たコントローラに適用する。
5.4.2
卓用形こたつ併用温度 こたつ併用可能形と表示されたものは,8.5.3によって試験を行ったとき,
こたつ内部であって本体の外郭の表面温度は110℃以下でなければならない。
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5.4.3
異常温度 異常温度は,8.5.4によって試験を行ったとき,次の各項に適合しなければならない。
(1) 8.5.4(1)によって試験を行ったとき,発熱体の表面の温度は120℃以下であること。
(2) こたつ併用が可能と表示されたものは,8.5.4(2)によって試験を行ったとき,発熱体の温度は150℃以
下であること。
(3) 8.5.4(3)によって試験を行ったとき,本体外郭表面温度は150℃以下であること。
(4) 8.5.4(4)によって試験を行ったとき,発熱体の表面の温度は150℃以下であること。
(5) 8.5.4(5)によって試験を行ったとき,絶縁抵抗は0.1MΩ以上であること。
5.4.4
温度保証点温度の許容差 8.5.5によって試験を行ったとき,温度保証点の温度と設定温度との差
は,±8℃の範囲内でなければならない。
5.4.5
温度分布 8.5.6によって試験を行ったとき,各点の平均温度値の総平均値と各点の平均温度値と
の差は,5℃以下でなければならない。
5.5
折りたたみ 本体を8.6によって試験を行ったとき,発熱線及び感熱線,感熱面などの断線や生地の
破損など,各部に異常が生じてはならない。
5.6
感熱線の均一特性 感熱線を使用するものは,8.7によって試験したとき,動作温度の平均値に対す
るそれぞれの動作温度の偏差は,表4の偏差以内でなければならない。
表4 動作温度の平均値に対する偏差
単位 ℃
動作温度の平均値
偏差
120以下のもの
± 7
120を超えるもの
±10
5.7
機械的強度
5.7.1
静荷重 器体は,8.8.1によって試験を行ったとき,各部にひび,割れが生じず,かつ,試験後に
おいて,5.4.1の規定に適合しなければならない。
5.7.2
コントローラ落下 コードを介して本体と接続するコントローラは,8.8.2によって試験を行った
とき,通電不能となってもよいが,充電部が露出せず,かつ,充電部とコントローラの表面間の絶縁抵抗
は0.1MΩ以上でなければならない。
また,通電できるものは,5.4.3(1)の規定に適合しなければならない。
5.7.3
長期静荷重 コントローラ部を除く本体は,8.8.3によって試験を行ったとき,各部にひび,割れ
が生じず,かつ,試験後において5.4.1の規定に適合しなければならない。
5.8
リレースイッチの耐久性 発熱体と直列に接続されたリレースイッチをもつものは,8.9によって試
験を行ったとき,リレースイッチの接点の溶着,焼損などの異常を生じてはならない。
5.9
コードの耐久性
5.9.1
器体とコードの接続部の折曲げ 8.10.1によって試験を行ったとき,コードは短絡その他の危険を
生じず,素線の断線率は20%以下でなければならない。
5.9.2
電源プラグのコード接続部の折曲げ 電源プラグのあるカーペットは,8.10.2によって試験を行っ
たとき,コードは短絡その他の危険が生じず,かつ,素線の断線率は,20%以下でなければならない。
5.10 採暖用表布の染色堅ろう度
5.10.1 採暖用表布の摩擦染色竪ろう度 8.11(1)によって試験を行ったとき,JIS L 0801に規定された汚染
の判定基準が4級以上でなければならない。ただし,5.10.2の耐光染色堅ろう度が4級以上のものは,3
級以上であってもよい。
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5.10.2 採暖用表布の耐光染色堅ろう度 8.11(2)によって試験を行ったとき,JIS L 0801に規定された変退
色の判定基準が4級以上でなければならない。ただし,5.10.1の摩擦染色堅ろう度が4級以上のものは,3
級以上であってもよい。
5.11 採暖用表布のパイル糸の引抜き強さ 採暖用表布にパイル糸が使われたものは,8.12によって試験
を行ったとき,パイル糸の引抜き強さは表5に適合しなければならない。
表5 パイル糸の引抜き強さ
単位 N {gf}
採暖用表布の種類
引抜き強さ
タフテッドカーペット生地
7 {700}
織じゅうたん生地
3 {300}
5.12 難燃性 消防法に基づいて防炎ラベルを表示したもの又は難燃性である旨の表示をしたものは,8.13
によって試験を行ったとき,炭火距離及び残炎時間は,表6に適合しなければならない。
表6 炭火距離及び残炎時間
項目
炭火距離
cm
残炎時間
s
たて方向
10以下
20以下
よこ方向
5.13 本体の外形寸法 本体の外形が方形状のものは,8.14によって本体の外形寸法を測定したとき,表
示寸法に対して表7に適合しなければならない。
表7 本体の外形寸法の許容差
項目
許容差
%
本体の表示寸法
(たて,よこ)
+2
−1
6. 構造
6.1
構造一般 カーペットの構造は,次の各項に適合しなければならない。
(1) 器体は,通常の使用状態において危険が生じるおそれがなく,十分な耐久性をもち,形状が正しく,
組立てが良好で,かつ,動作が円滑であること。
(2) 遠隔操作機構をもつものは,器体のスイッチ又はコントローラの操作以外では,電源回路の閉路が行
えないものであること。ただし,危険を生じるおそれがない場合を除く。
(3) 金属製のふた又は箱のうち,スイッチが開閉したときアークが達するおそれがある部分には,耐アー
ク性の電気絶縁物を施してあること。
(4) 温度上昇によって危険が生じるおそれがあるものは,温度過昇防止装置(温度ヒューズを含む。)を,
過電流によって危険が生じるおそれがあるものは,過電流保護装置をそれぞれ取り付けてあること。
この場合において,当該温度過昇防止装置及び過電流保護装置は,通常の使用状態において動作しな
いこと。
(5) 本体とコードとの接続に接続器を用いる場合は,接続の操作が容易で,確実に,かつ,安全にできる
こと。
(6) 使用者が操作するスイッチをもつものは,スイッチの開閉操作又は開閉状態を文字,記号,色又は光
によって見やすい箇所に表示すること。
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(7) ヒューズを取り付けるものは,その器体の銘板又はヒューズの取付部近傍に,電流ヒューズは定格電
流を,温度ヒューズは定格動作温度を容易に消えない方法で表示すること。ただし,取り替えること
ができないヒューズを除く。
(8) 外郭は,質量が250gで,JIS K 7202に規定するロックウェル硬さHRR100の硬さに表面をポリアミ
ド加工した,半径10mmの球面をもつおもりを20cmの高さから垂直に1回落下させたとき,又は付
図2に示す衝撃試験機で0.5±0.05Nm{0.05±0.005kgf・m}の衝撃力を1回加えたとき,感電,火災な
どの危険が生じるおそれがあるひび,割れその他の異常が生じないこと。ただし,器体の外面に露出
している表示灯,ヒューズホルダ,その他これらに類するもの及びこれらの保護カバーであって,表
面積が4cm2以下であり,かつ,器体の外郭の表面から10mm以上突き出していないものを除く。
(9) 半導体素子を用いて温度を制御するものは,半導体素子が制御能力を失ったとき,次に適合すること。
(9.1) 制御回路に接続された部品が燃焼しないこと。ただし,当該回路に接続される一つの部品が燃焼し
た場合において他の部品が燃焼するおそれがないものを除く。
(9.2) 地絡するおそれがある非充電金属部又は露出する充電部は,次のいずれかに適合すること。
(a) 対地電圧及び線間電圧が交流は30V以下,直流は45V以下であること。
(b) 1kΩの抵抗を大地との間及び線間並びに非充電金属部と充電部との間に接続したとき当該抵抗に流
れる電流は,商用周波数以上の周波数において感電の危険が生じるおそれがない場合を除き,1mA
以下であること。
(9.3) 試験後に直流500ボルト絶縁抵抗計によって測定した充電部[対地電圧及び線間電圧が交流は30V
以下,直流は45V以下のもの並びに1kΩの抵抗を大地との間及び線間に接続した場合に当該抵抗に
流れる電流が1mA以下(商用周波数以上の周波数において感電の危険が生じるおそれがないものは,
1mA以下であることを要しない。)のものを除く。]と器体の表面との間の絶縁抵抗は,0.1MΩ以上
であること。
(10) 合成樹脂製の外郭(透光性又は透視性を必要とするもの及び機能上可とう性,機械的強度などを必要
とするものを除く。)をもつものは,外郭の外面の9cm2以上の正方形の平面部分(外郭に9cm2以上の
正方形の平面部分をもたないものは,原厚のまま一辺の長さが3cmの正方形に切り取った試験片。)
を水平面に対して約45度に傾斜させた状態において当該平面部分の中央部に,JIS K 2240で規定する
1種1号のガス又はこれと同等以上のガスをノズルの内径が0.5mmのガスバーナの空気口を閉じた状
態で燃焼させた長さ約20mmの炎の先端を垂直下から5秒間当て炎を取り去ったとき,燃焼しないも
のであること。
(11) 感熱線又は感熱面は,発熱体の各部から30cm以内に取り付けてあること。
(12) 発熱体は,次の各項に適合すること。
(12.1) 発熱体は,容易に破損することなく,かつ,発熱体同士が接触又は交差しないように取り付けてあ
ること。ただし,接触又は交差した発熱体が8.5.2の試験において100℃を超えない場合を除く。
(12.2) 発熱体は,柔軟性のある構造とし,かつ,全長にわたって絶縁されていること。
(13) 発生する雑音の強さは,次に適合すること。
(13.1) 雑音電力は,吸収クランプで測定したとき,周波数が30MHz以上300MHz以下の範囲において,
55dB以下であること。この場合,dBは,1 pWを0dBとして算出した値とする。
(13.2) 雑音端子電圧は,一線対地間を測定したとき,次に適合すること。
(a) 連続性雑音端子電圧は,表8の左欄に示す周波数範囲ごとに同表の右欄に示す値以下であること。
この場合において,dBは,1μVを0dBとして算出した値とする[以下,(b)において同じ。]。
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表8 連続性雑音端子電圧
周波数範囲
連続性雑音端子電圧
dB
526.5kHz以上 5MHz以下
56
5MHzを超え 30MHz以下
60
(b) 不連続性雑音端子電圧は,表8に示す値に表9の左欄に掲げるクリック率ごとに同表の右欄に掲げ
る補正値を加えた値以下であること。
表9 補正値
クリック率
N
補正値
dB
0.2未満のもの
44
0.2以上 30以下のもの
20log10 (30/N)
30を超えるもの
0
備考 Nは,クリック率とし,その単位は回/分
とする。
(14) 電子管,コンデンサ,半導体素子,抵抗器などをもつ絶縁変圧器の二次側の回路,整流後の回路など
は,次の試験を行ったとき,その回路に接続された部品が燃焼しないこと。ただし,当該回路に接続
されている一つの部品が燃焼した場合において,他の部品が燃焼するおそれがないものを除く。
(14.1) 電子管,表示灯などは,ヒータ又はフィラメント端子を開放し,その他の端子相互間を短絡するこ
と。
(14.2) コンデンサ,半導体素子,抵抗器,変圧器,コイルその他これらに類するものは,端子相互間を短
絡又は開放すること。
(14.3) (14.1)及び(14.2)の試験において,短絡又は開放したとき,次に適合すること。
(a) アースするおそれがある非充電金属部又は露出する充電部は,対地電圧及び線間電圧が交流は30V
以下,直流は45V以下であるか,又は1kΩの抵抗を大地との間及び線間並びに非充電金属部と充電
部との間に接続したとき当該抵抗に流れる電流は,商用周波数以上の周波数において感電の危険が
生じるおそれがない場合を除き,1mA以下であること。
(b) 試験の後に直流500ボルト絶縁抵抗計によって測定した充電部[対地電圧及び線間電圧が交流は
30V以下,直流は45V以下のもの,並びに1kΩの抵抗を大地との間及び線間に接続した場合に当該
抵抗に流れる電流が1mA以下(商用周波数以上の周波数において,感電の危険が生じるおそれがな
い場合は,1mA以下であることを要しない。)のものを除く。]と器体の表面との間の絶縁抵抗は,
0.1MΩ以上であること。
(15) コンデンサをもつものであって,差込刃によって電源に接続するものは,差込刃を刃受けから引き抜
いたとき,差込刃間の電圧は1秒後において,45V以下であること。ただし,差込刃側から見た回路
の総合静電容量が0.1μF以下であるものを除く。
(16) ヒューズを取り付けるものは,次に適合すること。
(a) ヒューズが溶断することによって,その回路を完全に遮断できること。
(b) ヒューズが溶断する場合にアークによって短絡せず,また,地絡するおそれがないこと。
(c) ヒューズが溶断する場合に,ヒューズを収めているふた,箱又は台が損傷しないこと。
(d) ヒューズの取付端子は,ヒューズを容易に,かつ,確実に取り付けることができるものであって,
締め付けるとき,ヒューズのつめが回らないこと。
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(e) 皿形座金を使用する場合は,ヒューズ取付面の大きさは皿形座金の底面の大きさ以上であること。
(f) 取付端子ねじは,ヒューズ以外の部品の取付けに兼用しないこと。ただし,ヒューズを取り付け又
は取り外した場合に,ヒューズ以外の部品の取付けが緩むおそれがないものを除く。
(g) 非包装ヒューズを取り付けるものは,ヒューズと器体との空間距離は4mm以上であること。
6.2
充電部 充電部は,次の各項に適合しなければならない。
(1) 容易に取り外すことができる部分を取り外した状態で,充電部に付図1の試験指が触れないこと。こ
の場合,試験指に加える力は30N {3kgf} とする。
(2) 極性が異なる充電部相互間,充電部と地絡するおそれがある非充電金属部との間及び充電部と人が触
れるおそれがある非金属部の表面との間の空間距離(沿面距離を含む。)は,器体の部分ごとにそれぞ
れ表10に適合すること。この場合の空間距離は器体の外面は30N {3kgf} ,器体の内部は2N{200gf} の
力を距離が最も小さくなるように加えて測定したときの距離とする。ただし,絶縁変圧器の二次側の
回路,整流後の回路などの構造上やむを得ない部分であって,次の試験を行ったとき,これに適合す
るものを除く。
(2.1) 極性が異なる充電部相互間を短絡した場合に,短絡回路に接続された部品が燃焼しないこと。ただ
し,当該回路に接続されている1の部品が燃焼した場合において他の部品が燃焼するおそれがない
ものを除く。
(2.2) 極性が異なる充電部相互間,充電部と地絡するおそれがある非充電金属部との間及び充電部と人が
触れるおそれがある非金属部の表面との間を接続した場合に,その非充電金属部又は露出する充電
部が次のいずれかに適合すること。
(a) 対地電圧及び線間電圧が交流は30V以下,直流は45V以下であること。
(b) 1kΩの抵抗を大地との間及び線間並びに非充電金属部と充電部との間に接続したとき当該抵抗に流
れる電流は,商用周波数以上の周波数において感電の危険が生じるおそれがない場合を除き,1mA
以下であること。
(2.3) (2.1)の試験の後に直流500ボルト絶縁抵抗計によって測定した充電部[対地電圧及び線間電圧が交
流は30V以下,直流は45V以下のもの並びに1kΩの抵抗を大地との間及び線間に接続した場合に当
該抵抗に流れる電流が1mA以下(商用周波数以上の周波数において,感電の危険が生じるおそれが
ない場合は,1mA以下であることを要しない。)のものを除く。]と器体の表面との間の絶縁抵抗は,
0.1MΩ以上であること。
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表10 空間距離(沿面距離を含む。)
単位 mm
器体の部分
線間電圧又は対地電圧
15V以下
15Vを超え50V
以下のもの
50Vを超え100V
以下のもの
耐湿性の絶縁被
膜をもつもの
その他のもの
電源電
線の取
付部
製造業者が接続する端子部間
−
−
−
3.0
製造業者が接続する端子部と地絡するお
それがある非充電金属部又は人が触れる
おそれがある非金属部の表面との間
−
−
−
2.5
その他
の部分
極性が異なる充電部
間
固定している部分で
あってじんあい又は
金属粉が付着しにく
い箇所
0.5
1.0
1.2
1.5
その他の箇所
0.5
1.0
1.5
2.5
充電部と地絡するお
それがある非充電金
属部又は人が触れる
おそれがある非金属
部の表面との間
固定している部分で
あってじんあい又は
金属粉が付着しにく
い箇所
0.5
1.0
1.2
1.5
その他の箇所
0.5
1.0
1.2
2.0
備考 空間距離は,器体の外面は30N {3kgf} ,器体の内部は,2N {200gf} の力を距離が最も小さくなるように加えて
測定したときの距離とする。
6.3
電気絶縁物 電気絶縁物の厚さは,次の各項に適合しなければならない。
(1) 器体の外被の材料が絶縁体を兼ねる場合は,器体に組み込まれる部分を除き絶縁物の厚さは0.8mm(人
が触れるおそれがないものは0.5mm)以上であって,かつ,ピンホールがないものであること。ただ
し,質量が250gで,JIS K 7202に規定するロックウェル硬さHRR100の硬さに表面をポリアミド加
工した半径が10mmの球面をもつおもりを20 cmの高さから垂直に3回落としたとき,又は付図2に
示す衝撃試験機で0.5±0.05N・m {0.05±0.005kgf・m} の衝撃力を3回加えたとき,感電,火災などの
危険が生じるおそれがあるひび,割れ,その他の異常が生じないものであって,かつ,ピンホールが
ないものを除く。
(2) (1)以外のものであって外傷を受けるおそれがある部分に用いる絶縁物(6.2の規定に適合するために
使用するものに限る。)の厚さは,0.3mm以上であって,かつ,ピンホールがないものであること。
ただし,次の(a)及び(b)の試験を行ったときこれに適合するものであって,かつ,ピンホールがないも
のを除く。
(a) 表11の左欄に掲げる絶縁物が使用される電圧の区分ごとに,それぞれ同表の右欄に掲げる交流電圧
を加えたとき,連続して1分間これに耐えること。
表11 絶縁物が使用される電圧区分
単位 V
絶縁物が使用される電圧の区分 交流電圧
30以下
500
30を超え100以下
1 000
(b) JIS K 5400の8.4.1(試験機法)によって試験を行ったとき,試験片の破れが試験板に届かないこと。
この場合において,鉛筆引っかき値は,JIS S 6006に規定する濃度記号が8Hのものとする。
(3) 外傷を受けるおそれがない部分に用いる絶縁物(変圧器の定格周波数の2倍以上の周波数の定格一次
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電圧の2倍に等しい電圧を連続して5分間加えたときこれに耐える変圧器のコイル部とコイルの立上
り引出線との間の部分及び電動機のコイル部とコイルの立上り引出線との間の部分を除く。)は,(2)(a)
の試験を行ったとき,これに適合するものであって,かつ,ピンホールがないものであること。ただ
し,絶縁物の厚さが0.3mm以上であって,かつ,ピンホールがないものを除く。
6.4
配線 配線は,次の各項に適合しなければならない。
(1) 充電部相互又は充電部と非充電部との接続部分は,通常の使用状態において緩みが生じず,かつ,温
度に耐えること。
(2) コードの貫通孔は,保護スプリング,保護ブッシング,その他の適当な保護装置を使用してある場合
を除き,コードを損傷するおそれがないように面取りその他の適当な保護加工を施してあること。た
だし,貫通部が金属以外のものであってその部分が滑らかであり,かつ,コードを損傷するおそれが
ないものを除く。
(3) コードは,本体の外方に向かって,本体の自重の値の3倍の値,コードに取り付けたコントローラの
コード接続部はコントローラの自重の3倍の値(いずれの場合においても本体又はコントローラの自
重の質量の3倍の値が10kgを超えるものは,100N {10kgf} ,本体又はコントローラの自重の質量の3
倍の値が3kg未満のものは30N {3kgf} の値)の張力を連続して15秒間加えたとき及び本体又はコン
トローラの内部に向かってコードの本体又はコントローラ側から5cmの箇所を保持して押し込んだと
き,コードと内部端子との接続部に張力が加わらず,ブッシングが外れるおそれがないこと。
(4) 器体の内部の配線は,次に適合すること。
(a) 2N {200gf} の力を電線に加えたとき,高温部に接触するおそれがあるものは,接触した場合に異常
が生じるおそれがないこと。
(b) 2N {200gf} の力を電線に加えたときに可動部に接触するおそれがないこと。ただし,危険が生じる
おそれがない場合を除く。
(c) 被覆をもつ電線を固定する場合,貫通部を通す場合,及び2N {200gf} の力を電線に加えたときに他
の部分に接触する場合は,被覆を損傷しないようにすること。ただし,危険が生じるおそれがない
場合を除く。
(d) 内部配線用接続器によって接続したものは,5N {500gf} の力を接続部分に加えたとき,外れないこ
と。ただし,2N {200gf} 以上5N {500gf} 未満の力を加えて外れた場合に危険が生じるおそれがな
い部分を除く。
(5) 電線の取付部は,次に適合すること。
(a) 電線を確実に取り付けることができる構造であること。
(b) 2本以上の電線を一つの取付部に締め付ける場合は,それぞれの電線の間にナット又は座金を用い
てあること。ただし,圧着端子その他の器具によって確実に取り付けることができるものを除く。
(c) コードの取付端子のねじは,コード以外のものの取付けに兼用しないこと。ただし,コードを取り
付け又は取り外した場合,コード以外のものが脱落するおそれがないものを除く。
6.5
部品及び附属品
6.5.1
定格電圧,定格電流及び許容電流 部品又は附属品の定格電圧,定格電流及び許容電流は,これら
に加わる最大電圧又はこれらに流れる最大電流以上でなければならない。
6.5.2
コード コードは,JIS C 3301に規定するゴム絶縁平形コード,ゴム絶縁袋打コード,JIS C 3306
に規定するビニル平形コード又はこれと同等以上のものを用い,許容電流値は表12によらなければならな
い。
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また,電源プラグから本体までの長さ(有効長さ)は1.4m以上でなければならない。
表12 許容電流値
公称断面積
(mm2)
素線数直径
(本/mm)
(例)
絶縁物の種類
ビニル混合物(耐熱性
をもつものを除く),天
然ゴム混合物
ビニル混合物(耐熱性
をもつものに限る),ス
チレンブタジエンゴム
混合物,クロロプレン
ゴム混合物
エチレンプロピレンゴ
ム混合物
けい素ゴム混合物,ク
ロロスルホン化ポリエ
チレンゴム混合物
許容電流 (A)
0.75
30/0.18
7
8
9
10
1.25
50/0.18
12
14
15
17
2.0
37/0.26
17
20
22
24
3.5
45/0.32
23
28
29
32
備考1. この表にない断面積をもつコードの許容電流値は,各断面積の許容電流の値を直線で結ぶ内挿法によって求
めた値とする。
2. 周囲温度は,30℃以下とする。
6.5.3
ヒューズ ヒューズは,次の各項に適合しなければならない。
(1) 可溶体の材料は,容易に変質しないものであること。
(2) 取付端子の材料は,取付けに支障のない硬さであること。
6.5.4
スイッチ 電源を直接開閉するスイッチは,JIS C 8304に規定するもの又はこれと同等以上のもの
を用いなければならない。
6.5.5
接続器 接続器は,次の各項に適合しなければならない。
(1) コードの電源側接続端には,JIS C 8303に規定する差込プラグ又はこれと同等以上のものを取り付け
てあること。
(2) 器体とコードとの接続に接続器を用いるものは,次に適合すること。
(a) 刃及び刃受けのかん合に関する部分の寸法は,JIS C 8303又はJIS C 8358に規定する寸法以上のも
のであること。ただし,接続器の定格電流が3A以下のものであって,その構造上,接続器を小形
にすることがやむを得ないものを除く。
(b) 刃及び刃受けのかん合部は,すり割り形又はこれと同等以上の弾性をもつ構造であること。
(c) 差込刃受けをもつ接続部分は,80±3℃の空気中に1時間放置後に自然冷却したとき,各部に緩み,
膨れ,ひび,割れ,変形その他の異常が生じないこと。
(d) 定格電圧を印加し,毎分20回の速さで定格電流を通じて5 000回の開閉試験を行った後,引き続い
て始動電流を通じて5 000回の開閉試験を行ったとき,短絡,溶着などの異常を生じないこと。た
だし,最初の5 000回開閉後の刃受け又は受け金の導電部の温度上昇値は40℃以下であること。
(e) 刃(ピン)受けのあるものは,(d)の試験前後において接続器を抜くために要する力は,表13に示
すとおりとする。
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表13 接続器の引抜力
区分
引抜力
N {kgf}
極数が2のもの
5以上60以下
{0.5以上 6以下}
極数が3のもの
7.5以上60以下
{0.75以上 6以下}
極数が4以上のもの
10以上80以下
{1以上 8以下}
(3) 器体に附属したコンセント(外部に電力を取り出すものに限る。)には,そのもの又はその近傍に容易
に消えない方法で,安全に取り出すことができる最大の電力又は電流の値を表示してあること。
7. 材料 材料は,次の各項に適合しなければならない。
(1) 器体の材料は,通常の使用状態における温度に耐えること。
(2) 電気絶縁物及び熱絶縁物は,これに接触又は近接する部分の温度に十分耐え,吸湿性の少ないもので
あること。ただし,吸湿性の熱絶縁物で,通常の使用状態において危険が生じるおそれがないものを
除く。
(3) アークが達するおそれがある部分に使用する電気絶縁物は,アークによって有害な変形,有害な絶縁
低下などの変質が生じないものであること。
(4) 鉄及び鋼(ステンレス鋼を除く。)は,めっき,塗装,油焼き,その他の適当なさび止めを施してある
こと。ただし,酸化することによって危険が生じるおそれがない部分に使用するものを除く。
(5) 導電材料は,次に適合すること。
(a) 刃及び刃受けの部分は,銅又は銅合金であること。
(b) (a)以外の部分は,銅,銅合金,ステンレス鋼又はこれらと同等以上の電気的,熱的及び機械的な安
定性をもつものであること。ただし,めっきを施さない鉄若しくは鋼又は弾性を必要とする部分,
その他の構造上やむを得ない部分に使用するものであって危険が生じるおそれがない場合を除く。
(6) 電源電線用端子ねじの材料は,銅,銅合金又はステンレス鋼であること。
(7) ヒューズの取付部にクリップのあるものは,その材料は,弾性をもつものであること。
(8) 器体の材料として,ニトロセルロース系セルロイドその他これに類する可燃性物質,ポリ塩化ビフェ
ニルを含有したもの,及び人体に有害な材料を使用しないこと。
8. 試験方法
8.1
構造試験 構造試験は,6.,7.,10.及び11.に適合しているかどうかを調べる。
8.2
電圧変動試験 電圧変動試験は,8.5.1及び8.5.2(1)〜(4)の試験条件において,電源電圧を定格電圧
の上下に10%変動させて通電する。
8.3
消費電力試験 消費電力試験は,8.5.1及び8.5.2(1)〜(4)の試験条件において定格電圧を加え,消費
電力の値がほぼ一定となったときの消費電力を測定する。
8.4
絶縁試験
8.4.1
絶縁抵抗試験 絶縁抵抗試験は,8.5.2の試験の前後において,直流500ボルト絶縁抵抗計によっ
て充電部と器体の表面(器体の外郭が金属製以外のものは器体にすきまなく当てた金属はく。以下,同じ。)
との間の絶縁抵抗を測定する。
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8.4.2
浸水絶縁試験 浸水絶縁試験は,8.4.4の試験の後において,本体のコードの接続部以外の部分を
清水中に3分間浸し(コードの接続部については,8.4.3の試験を行う。),直流500ボルト絶縁抵抗計によ
って充電部と清水との間の絶縁抵抗を測定する。この試験の後に本体を自然乾燥させ,直流500ボルト絶
縁抵抗計によって充電部と本体の表面との間の絶縁抵抗を測定する。
8.4.3
耐湿絶縁試験 耐湿絶縁試験は,45±3℃の下に4時間本体を放置した後,周囲温度が40±3℃,
相対湿度が88%以上92%以下の状態に24時間保った後に本体の外郭表面に付着した水分を拭き取り,直
流500ボルト絶縁抵抗計によって充電部と本体の表面との間の絶縁抵抗を測定する。この試験の後に本体
を自然乾燥し,直流500ボルト絶縁抵抗計によって,充電部と本体の表面との間の絶縁抵抗を測定する。
この場合,入力調整用及び温度調節用でコードに取り付けたコントローラは,この試験を行わない。
8.4.4
耐電圧試験
(1) 耐電圧試験は,8.5.2の直後に行う8.4.1の試験の後,充電部と器体の表面との間に,周波数50Hz又は
60Hzの正弦波に近い1 000Vの電圧を1分間加える。ただし,多数個の場合は1 200Vの電圧を1秒間
加えることによって,これに代えることができる。
(2) 絶縁変圧器をもつものは,(1)に規定する試験のほか,変圧器の二次側の電圧で充電される部分と器体
の表面との間及び変圧器の巻線相互間に表14に掲げる値の交流電圧を連続して1分間加える。この場
合において,巻線相互間の試験を行う場合の電圧区分は,変圧器の一次側又は二次側のいずれか高い
電圧によるものとする。
表14
単位 V
電圧の区分
交流電圧
30以下
500
30を超え100以下
1 000
8.4.5
漏れ電流試験 漏れ電流試験は,8.5.2(1)〜(4)の試験条件において,定格電圧に等しい電圧を加え,
充電部と器体の表面又は器体の表面と大地との間に1kΩの抵抗を接続してそこに流れる電流を測定する。
ただし,器体の表面には10×20cmの金属はくを当てて測定する。
8.5
温度試験
8.5.1
試験条件 周囲温度は,20±5℃とする。
8.5.2
平常温度試験 平常温度試験は,次の(1)〜(7)までに掲げる試験条件において,定格電圧を各部(コ
ントローラをもつものは,コントローラの各部を含む。)の温度がほぼ一定となるまで連続して加え,この
間,熱電温度計法(巻線の温度の測定は,抵抗法)によって表3に示す各部の温度を測定する。
(1) 厚さが約5cmの綿ふとん(JIS L 2001に規定する綿ふとんわたの1級,2kg/m2仕上げ)又は厚さが約
5cmの耐熱性ポリウレタンフォーム(ポリエステル系,0.03g/cm3標準,半独立気泡のもの。)で試験
品本体の全面を覆うこと。
(2) 温度調節用及び入力調整用のコントローラをもつものは,そのコントローラを最高温度及び最大入力
にセットすること。
(3) 分離形は,カバーを取り外す。
(4) 本体端部に温度調節用コントローラをもつもので,コントローラの保護用温度過昇防止装置をもつも
のは,上の綿ふとんなどを図1のようにめくる。
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図1 コントローラの保護用温度過昇防止装置をもつもののふとんのめくり方
(5) 本体の外郭の表面の温度は,その表面に接して取り付けられた一辺が65mmの正方形であって,厚さ
が0.5mmの,表面が平らな銅板の中央に直径0.3mmの熱電温度計の感知部をはんだで取り付けて測
定する。
(6) 本体の外郭の表面温度測定用の銅板は,その一辺が発熱線と平行に,かつ,覆われる発熱線の数が最
も多くなるように外郭表面に密接させ,銅板面上直径65mmの円内にかからぬように布製粘着テープ
で取り付ける。
(7) 室温に応じて発熱体の温度を調整するコントローラをもつものは,そのコントローラを室温が0±2℃
の冷却箱内に入れること。
8.5.3
卓用形こたつ併用温度試験 こたつ併用が可能と表示するものは,次の(1)〜(4)までに掲げる試験
条件で器体及び試験用こたつに定格電圧に等しい電圧を各部の温度上昇がほぼ一定となるまで連続して加
え,この間において熱電温度計法によって温度を測定する。
(1) 温度調節用及び入力調整用のコントローラをもつものは,そのコントローラを最高温度及び最大入力
にセットすること。
(2) 厚さが約5cmの綿ふとん又は厚さが約5cmの耐熱性ポリウレタンフォームの上に本体を置き,その上
に一辺が2mの正方形で厚さ約5cmの綿ふとんで覆った試験用こたつを置くこと。この場合,試験用
こたつは,卓用形こたつ(縦70cm,横70cm,高さ34cm)であって,厚さ10mm以上の表面が平らな
木台の上に置き,厚さが約5cmの綿ふとんで覆ったとき,木台表面の中央温度が80
0
5
− ℃になるもの
を使用すること。
(3) 試験用こたつは,図2のように試験品から脚が外れない位置で最も温度が高くなる位置に設置するこ
と。ただし,本体コードの接続部は除く。
(4) 分離形は,カバーを取り外す。
図2 試験品から脚が外れない試験用こたつの置く事例
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8.5.4
異常温度試験 異常温度試験は,次によって行う。
(1) (a)〜(d)までに掲げる試験条件において,定格電圧を各部の温度上昇がほぼ一定となるまで(温度ヒュ
ーズ又は温度過昇防止装置として使用する自動スイッチが動作したときは,その時点まで)連続して
加え,この間において熱電温度計法によって測定する。
(a) 厚さが約5cmの綿ふとん又は厚さが5cmの耐熱性ポリウレタンフォームで本体の全面を覆うこと。
(b) 通常の使用状態における本体の温度を調節するために動作する接点と異常時における温度過昇防止
のために動作する接点を一つの接点で兼用するものは,その接点を短絡すること。
(c) 本体を折りたたんで使用するおそれがあるものは,本体を容易に折りたたむことができる程度(折
りたたんだとき本体の片側の表面積が約4 000cm2となることを標準とする。)に折りたたむこと。
(d) 温度調整用又は入力調整用のコントローラ(室温に応じて発熱体の温度を調整する温度コントロー
ラを含む。)をもつものは,その接点を短絡すること。
(e) 分離形は,カバーを取り外す。
(2) こたつ併用が可能と表示するものは,8.5.3(1)〜(4)に掲げる試験条件で器体の自動温度調節器の接点を
短絡し,器体及び試験用こたつに定格電圧に等しい電圧を各部の温度上昇がほぼ一定となるまで(温
度ヒューズ又は温度過昇防止装置として使用する自動スイッチが動作したときは,その時点まで)連
続して加え,この間において熱電温度計法によって発熱体の温度を測定する。
(3) (a)〜(d)までに掲げる試験条件において定格電圧を各部の温度上昇がほぼ一定となるまで(温度ヒュー
ズ又は温度過昇防止装置として使用する自動スイッチが動作したときは,その時点まで)連続して加
え,この間において熱電温度計法によって測定する。
(a) 温度調節用及び入力調整用のコントローラをもつものは,そのコントローラを最高温度及び最大入
力にセットすること。
(b) 10×10×5cmの断熱材(発泡スチロール発泡倍率50倍)1個を本体上面の最も温度が高くなる位置
に載せ,その上から3kgの荷重を加える。
(c) 本体は,厚さ10mm以上の平らな木台上に広げる。
(d) 分離形は,カバーを取り外す。
(4) 感熱線を使用するものは,(1)の(a)〜(d)までに掲げる試験条件において,感熱線の回路を切断し,か
つ,温度ヒューズ,温度過昇防止装置として使用する自動温度調節器又は自動スイッチなどの保護装
置をもつもの(それぞれの個数の合計が2以上であるものを除く。)は,その保護装置の接点(感熱線
が切断することによって,動作する接点を除く。)を短絡し,定格電圧に等しい電圧を各部の温度上昇
がほぼ一定となるまで(温度ヒューズ又は温度過昇防止装置として使用する自動スイッチが動作した
ときは,その時まで)連続して加え,この間において熱電温度計法によって測定する。この場合,感
熱線は本体の内部又は本体に取り付けられたコードとの接続の部分で回路構成上条件の悪い箇所を切
断する。
(5) (1)〜(4)の試験の後,直流500ボルト絶縁抵抗計によって充電部と器体の表面との間の絶縁抵抗を測定
する。
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8.5.5
設定温度許容差試験 設定温度許容差試験は,(1)〜(3)までに掲げる試験条件において,定格電圧
を温度保証点4か所の温度がほぼ一定となるまで連続して加え,熱電温度計法によって温度保証点の温度
がほぼ一定となったときの温度と設定温度との差を求める。ただし,自動温度調節器が切り・入りの動作
を連続して繰り返すものは,切りの動作をしたときの温度保証点の温度がほぼ一定となった後,引き続き
自動温度調節器が入り及び切りの動作を連続10回(入り・切りをもって1回と数える。)繰り返したとき
の温度保証点の温度を測定して各回ごとの最低温度と最高温度の温度保証点4点の平均値を算出し,その
10回の平均値と設定温度との差を求める。温度保証点は,図3の例に示す点に近接した本体外郭の表面と
する。
(1) 温度調節用及び入力調整用のコントローラをもつものは,そのコントローラを最高温度及び最大入力
にセットすること。
(2) 図4に示すように,畳の上に本体を広げ,一辺の長さ65mmの正方形で厚さが0.5mmの表面が平らな
銅板に熱電温度計の感温部をはんだ付けなどによって固定し,図3に示す温度保証点に載せ,その上
に凹部がある発泡スチロールをその凹部が下向きになるように置き,その上に3kgのおもりを載せて
測定する。
備考 図4において発泡スチロールの比重は,発泡率50%を標準とする。
図3 温度保証点
図4 温度測定方法
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(3) 分離形は,専用カバーを掛ける。
8.5.6
温度分布試験 温度分布試験は,8.5.5(1)〜(3)までに掲げる条件において,定格電圧を図3に示す
温度保証点の温度が一定となるまで連続して加え,温度保証点の表面温度を測定する。
8.6
折りたたみ試験 折りたたみ試験は,本体を容易に折りたたむことができるものは,本体を容易に
折りたたむことができる程度(折りたたんだとき本体の片側の表面積が約8 000cm2以下)に折りたたみ,
最後の折り目に図5に示すように丸棒(直径が25mmのもの。)を当て,丸棒を内側にして折りたたむ操
作を行う。この場合,丸棒を当てる位置は,90°異なる2方向の位置とし,各位置についてそれぞれ1 000
回折りたたむ操作を行う。ただし,一方向だけに折りたたまれるものは,その方向に1 000回折りたたむ
操作を行うものとする。
図5 折りたたみ試験方法
備考 折りたたみ試験の本体を載せる台は,折曲げに応じて自在に可動するものを用い,本体への張力は加え
ないものとする。
8.7
感熱線の均一特性試験 感熱線の均一特性試験は,表15の順序で動作温度を測定する。
表15 動作温度の測定
感熱の方式
測定の方法
感熱素線間の絶縁物が溶
解して感熱素線間が短絡
するもの及び前記溶解に
よって感熱素線間の抵抗
値が極度に低下するも
の。
感熱線の全長を10等分し,それぞれの試料を20cm(両端の端末処理部を除く。)に切
断した感熱線(切断することによって動作温度に狂いを生じるものは切断せず,1点の
長さ分を恒温槽に入れて測定する。)を図6に示す装置に取り付け,感熱線が接続され
る回路に等しい定格電圧を加え,かつ,接続される回路に等しい定格電流を流しながら
感熱線を外部から1分間に1℃の割合で加熱して温度を上げ,感熱線の動作温度を測定
する。
感熱素線間の絶縁物の温
度による電気特性(抵抗,
容量,インピーダンスな
ど。以下,この表におい
て同じ。)の変化を利用す
るもの及び感熱素線自身
の温度による電気特性変
化を利用するもの。
(1) 感熱線の全長を10等分に切断し,それぞれをその感熱線の公称動作温度±2℃の恒
温槽に1時間入れた後,槽中で電気特性を測定する。
(2) (1)によって測定された10点の測定値のうち,平均値に最も近い試料1点を取り出
し,その感熱線の公称動作温度に対して15±2℃及び−15±2℃の恒温槽中にそれぞ
れ1時間保持した後,各槽内で電気特性を測定する。
(3) (1)及び(2)によって図7に示すように温度と電気特性値の関係グラフを作成し,電気
特性値の高い方は−15℃と平均値間 (a, b) で,電気特性値の低い方は+15℃と平均
値間 (b, c) で電気特性値のばらつきを温度に換算する。
備考 インピーダンス測定は,交流で行う。
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図6 感熱線の特性試験方法(1)
図7 感熱線の特性試験方法(2)
8.8
機械的強度試験
8.8.1
静荷重試験 静荷重試験は,本体を厚さが10mm以上の表面が平らな木台の上に広げて置き,本体
とコードの接続部,本体の任意のところ及びコントローラ(通常の使用状態で壁などに固定されるものを
除く。)上に底面の形状が正方形であって,その一辺の長さが約100mm,厚さ約30mmの砂袋を介して60kg
(砂袋の質量を含む。)の荷重を1分間加える。
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8.8.2
コントローラ落下試験 本体から分離されているコントローラ(通常の使用状態において壁柱など
に固定するものを除く。)は,表面が平らなコンクリート床上に厚さが30mmのラワン板を置き,その中
央部にコントローラを1.8mの高さから3回落下させる。
その後,(1)〜(2)を行う。
(1) 付図1に示す試験指によって充電部の露出の有無を調べる。この場合,試験指に加える力は30N {3kgf}
とする。
(2) 直流500ボルト絶縁抵抗計によって充電部と器体の表面との間の絶縁抵抗を測定する。
8.8.3
長期静荷重試験 長期静荷重試験は,本体を厚さ10 mm以上の表面が平らな木台上に広げて置き,
コントローラを除く本体上に一辺が100mmで厚さが10mmの正方形の木板を置き,その上から30kgの荷
重を加えて連続して14日間放置する。この場合において,試験品には,次に示す条件で定格電圧を加え続
ける。
(1) 温度調節用及び入力調整用コントローラをもつものは,そのコントローラを最高温度及び最大入力に
セットすること。
(2) 分離形は,専用カバーを掛ける。
8.9
耐久性試験 リレーで主発熱体を断続して温度制御するものは,リレーを本体から取り外し,リレ
ーが接続される回路に等しい電圧及び電流を加えてリレー接点を開閉する(製品の回路をそのまま使用し
て開閉させる。)操作を次の回数行う。
開閉回数=N×3 600
ここに, N: 8.5.2の平常温度試験の状態で,各部の温度がほぼ一定になる
まで通電した後の自動温度調節器の1時間当たりの開閉回数
(入り・切りをもって1回と数える。)
8.10 コードの折曲げ試験
8.10.1 器体接続部のコード折曲げ試験 器体接続部(器体とコードの接続に着脱自在な接続器を用いたも
のを含む。)のコード折曲げ試験は,電線が器体を貫通する部分(以下,貫通部という。)を,図8に示す
試験装置の可動板の中心に一致させ,コードが可動範囲の中央で折り曲がらずに鉛直になるように器体を
可動板に取り付け,コードの先に500g(自重が500g未満のものは,自重と同じ質量。)のおもりをつるし
て,可動板を右方向に60°回転させて元に戻し(これを1回とする。),続いて左方向に60°回転させてこ
れを元に戻す(これを1回とする。)。この操作を毎分約40回の速さで連続して2 000回往復する操作を行
う。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図8 コードの折曲げ試験方法
備考1. 回数の数え方は,①−②をもって1回,③−④をもって1回とする。
2. 可動板は,滑らかに動作させるものとする。
8.10.2 コード付一体成形の電源プラグのコード接続部の折曲げ試験 コード付一体成形の電源プラグの
コード接続部の折曲げ試験は,図9に示す試験装置の可動板の中心にコード接続部を一致させ,かつ,コ
ードが可動範囲の中央で折り曲がらずに鉛直になるように電源プラグを取り付け,コードの先に約500g
のおもりをつるして,可動板を右方向に60°回転させて元に戻し(これを1回とする。),続いて左方向に
60°回転させてこれを元に戻す(これを1回とする。)。この操作を毎分約40回の速さで連続して5 000回
往復する操作を行う。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図9 コード付一体成形の電源プラグコード接続部の折曲げ試験方法
備考1. 回数の数え方は,①−②をもって1回,③−④をもって1回とする。
2. 可動板は,滑らかに動作させるものとする。
8.11 採暖用表布の染色竪ろう度試験 採暖用表布の染色堅ろう度試験は,次の(1)及び(2)によって行う。
この場合,一体形は,本体から切り取った小片で行い,分離形は,カバーから切り取った小片で行う。
(1) 採暖用表布の摩擦染色堅ろう度試験 採暖用表布の摩擦染色堅ろう度試験は,JIS L 0849で規定する
摩擦試験機II形を用い乾燥状態で行う。
(2) 採暖用表布の耐光染色堅ろう度試験 採暖用表布の耐光染色堅ろう度試験は,JIS L 0842で規定する
第三露光法を用いた試験方法で行う。
8.12 採暖用表布のパイル糸の引抜き試験 採暖用表布のパイル糸の引抜き試験は,JIS L 1023の6.(パ
イル糸引抜き強さ)に規定する方法で行う。
8.13 難燃性試験 難燃性試験は,JIS L 4405の7.6(難燃性)に規定する方法で行う。
8.14 本体の外形寸法測定 本体の外形寸法測定は,JIS L 1021の6.(寸法)に規定する方法で行う。
9. 検査
9.1
形式検査(1) 形式検査は,次の各項について,8.の試験方法及び目視などによって行い,5.,6.,7.,
10.及び11.に適合しなければならない。ただし,(1),(2),(6),(10)〜(24)は,同一品で行わなくてもよい。
(1) 構造(10.及び11.を含む。)
(2) 電圧変動特性
(3) 消費電力
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(4) 絶縁抵抗
(5) 浸水絶縁抵抗
(6) 耐湿絶縁抵抗
(7) 耐電圧
(8) 漏れ電流
(9) 平常温度
(10) 卓用形こたつ併用温度
(11) 異常温度
(12) 温度保証点温度許容差
(13) 温度分布
(14) 折りたたみ性能
(15) 感熱線の均一特性
(16) 静荷重
(17) コントローラ落下
(18) 長期静荷重
(19) リレースイッチの耐久性
(20) コードの耐久性
(21) 採暖用表布の染色堅ろう度
(22) 採暖用表布のパイル糸の引抜き強さ
(23) 難燃性
(24) 本体の外形寸法
(25) 材料
注(1) 形式検査とは,製品の品質が設計で示されたすべての品質項目を満足するかどうかを判定する
ための検査をいう。
9.2
製品検査(2) 製品検査は,各製品ごとに次の各項について8.の試験方法によって行い,5.に適合しな
ければならない。ただし,検査は,合理的な抜取方式によってもよい。
(1) 絶縁抵抗
(2) 耐電圧
(3) 消費電力
注(2) 製品検査とは,既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造に係る製品の受渡しに際して必
要と認められる品質項目が満足するものであるかどうかを判定するための検査をいう。
10. 表示及び製品の呼び方
10.1 本体表示 本体の見やすいところ(3)に容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。
注(3) 見やすいところとは,外郭の表面,工具などを使用せずに容易に操作できるふたなどで覆われ
た外郭の内部の表面をいう。
(1) 名称(製造業者が使用している品名でもよい。)
(2) 種類
(3) 定格電圧
(4) 定格消費電力
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(5) 製造業者名又はその略号
(6) 製造年又はその略号
(7) 製造番号又はロット番号
(8) 卓用形こたつ併用可能形のものはその旨
10.2 包装表示 カーペットを包装する場合には,1包装ごとに表面の見やすいところに容易に消えない方
法で,次の事項を表示しなければならない。
(1) 名称(製造業者が使用している品名でもよい。)
(2) 製造業者名又はその略号
10.3 10.1及び10.2以外の表示 次に示す事項を本体,下げ札又は取扱説明書に明記しなければならない。
(1) 設定温度
(2) 本体外形寸法
(3) 採暖用表布の繊維の組成
(4) 汚れ落としの方法
10.4 製品の呼び方 製品の呼び方は,名称による。
11. 使用上の注意事項 使用上の注意事項として少なくとも次に示す主旨を本体,下げ札又は取扱説明書
のいずれかに明記しなければならない。この場合,表示は使用者に理解しやすい文章又は絵によって行う
ものとする。ただし,該当しない項目を除く。
(1) 就寝用暖房器具として使用することの禁止。
(2) 本体上でキャスタ付いすを使用することの禁止。
(3) アイロン台として使用することの禁止。
(4) 熱いやかんなどを載せることの禁止。
(5) 本体や操作部の破損に関する注意。
(6) 操作部に水をかけることの禁止。
(7) 極端に重いものや,脚先のとがったもの又は脚先の細いものを載せるときは,当板を用いることの注
意。
(8) 本体端部のコントローラに水がかかったときの扱いについての注意。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図1 標準試験指
備考1. 角度の許容差は,±5′とする。
2. 寸法の許容差は,寸法が25mm未満は
0
005
−
.mm,25mm以上は,±0.2mmとする。
3. 使用材料は,黄銅とする。
4. 供試品の導電部は,一括して接続する。
5. 電源電圧は,定格電圧以下の任意の電圧(40V以上)としてもよい。
付図2 衝撃試験機
備考 ハンマ頭部は,JIS K 7202に規定するロックウェル硬さHRR100の硬さに表面をポリアミド加工した半径が10
mmの球面をもつものとする。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS家電特別専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
牛 島 隆 久
財団法人日本電気用品試験所
(副委員長)
森 井 茂
株式会社東芝
森 田 博
通商産業省通商産業検査所
青 柳 桂 一
通商産業省機械情報産業局
稲 葉 裕 俊
工業技術院
小 林 哲 郎
通商産業省資源エネルギー庁
瀬 尾 宏 介
国民生活センター
原 早 苗
消費科学連合会
吉 岡 初 子
主婦連合会
中 野 三千代
全国地域婦人団体連絡協議会
岩 崎 泰 子
東京第一友の会
古 川 哲 夫
財団法人日本消費者協会
齋 藤 有 常
社団法人日本百貨店協会
仲 谷 弘
全国電器小売商業組合連合会
名 島 哲 郎
三洋電機株式会社
入 江 八 郎
シャープ株式会社
鈴 木 庸 介
株式会社日立製作所
三 宅 敏 明
松下電器産業株式会社
奈良井 良 雄
三菱電機株式会社
林 正 宏
社団法人日本電機工業会
(事務局)
中 原 茂 樹
社団法人日本電機工業会
暖房用電熱器分科会 構成表
氏名
所属
(主査)
白波瀬 利 光
松下住設機器株式会社
(副主査)
梶 野 博
株式会社東芝
上 杉 務
三洋電機株式会社
安 田 光 雄
シャープ株式会社
西 田 隆 治
タイガー魔法瓶株式会社
品 川 勝 馬
ダイキン工業株式会社
森 脇 尚
鳥取三洋電機株式会社
宵 喜 芳
日本電気ホームエレクトロニクス株式会社
春 日 英 男
株式会社日立ホームテック
落 合 洋 吉
株式会社富士通ゼネラル
西 山 晴 規
松下電器産業株式会社
桂 芳 久
松下精工株式会社
多 和 大 介
松下電工株式会社
大 澤 和 夫
三菱電機ホーム機器株式会社
秋 山 淳一郎
ヤマハ株式会社
(事務局)
柴 田 和 男
社団法人日本電機工業会
金 子 健 一
社団法人日本電機工業会