サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

background image

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 9214-1993 

電気フィッシュロースタ 

Electric fish roasters 

1. 適用範囲 この規格は,定格消費電力2kW以下の箱形の主に家庭用電気フィッシュロースタ(以下,

フィッシュロースタという。)について規定する。 

備考1. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS C 0602 保護接地線及び接地側電線の色別並びに端子記号通則 

JIS C 2520 電熱用合金線及び帯 

JIS C 3301 ゴムコード 

JIS C 8303 配線用差込接続器 

JIS C 8304 屋内用小形スイッチ類 

JIS C 8358 電気器具用差込接続器 

JIS K 2240 液化石油ガス(LPガス) 

JIS K 5400 塗料一般試験方法 

JIS K 7202 プラスチックのロックウェル硬さ試験方法 

JIS S 6006 鉛筆及び色鉛筆 

2. この規格の中で { } を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるもので,参考と

して併記したものである。 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする 

(1) フィッシュロースタ 電熱を利用し,魚など(以下,魚という。)を放射熱によって焼き上げる器具。 

(2) タイムスイッチ 使用者が使用の都度,操作つまみ,操作ボタンなどを所定の位置に設定し,設定さ

れた位置によって決まる時間がたつと発熱体への電流を切るスイッチ。 

(3) 焼き網 魚を載せ,調理物と発熱体とを隔てる網。 

(4) 受皿 魚から出る脂などを受ける皿。 

3. 種類 フィッシュロースタは,操作によって分け,表1の2種類とする 

表1 種類 

種類 

操作 

開閉形 

魚を焼き網に載せることと,焼き上がった魚の取
り出し操作がふた開閉式のもの。 

引出形 

魚を焼き網に載せることと,焼き上がった魚の 

取り出し操作が引出式のもの。 

background image

C 9214-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4. 定格電圧及び定格周波数 定格電圧は,単相交流300V以下とし,定格周波数は,50Hz/60Hz共用と

する。 

5. 性能 

5.1 

電圧変動 電圧変動は,8.2によって試験を行ったとき,実用上支障がないものでなければならない。 

5.2 

消費量力 消費電力は,8.3によって試験を行ったとき,定格消費電力に対して表2の値以内でなけ

ればならない。 

表2 消費電力の許容差 

定格消費電力 

許容差 

1 000以下 

±10 

1 000を超え2 000以下 

10

5

5.3 

絶縁 

5.3.1 

絶縁抵抗 絶縁抵抗は,8.4.1によって試験を行ったとき,その値が1MΩ以上でなければならない。 

5.3.2 

耐電圧 耐電圧は,8.4.2によって試験を行ったとき,これに耐えなければならない。 

5.3.3 

漏れ電流 漏れ電流は,8.4.3によって試験を行ったとき,1mA以下でなければならない。 

5.4 

温度 

5.4.1 

平常温度 平常温度は,8.5.1によって試験を行ったとき,各部の温度は,表3の値以下でなけれ

ばならない。 

background image

C 9214-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表3 各部の温度 

単位℃ 

測定箇所 

温度 

巻線 

A種絶縁のもの 

  100 

E種絶縁のもの 

  115 

B種絶縁のもの 

  125 (120) 

F種絶縁のもの 

  150 (140) 

H種絶縁のもの 

  170 (165) 

持ち運び用の取っ手(通電中に 

人が操作するものを除く。) 

金属製のもの,陶磁器製のもの及びガラス 

製のもの 

65 

その他のもの 

80 

スイッチなどのつまみ及び押し 

ボタン 

金属製のもの,陶磁器製のもの及びガラス 

製のもの 

60 

その他のもの 

75 

使用中に人が操作する取っ手 

金属製のもの,陶磁器製のもの及びガラス 

製のもの 

55 

その他のもの 

70 

試験品を置く木台の表面(1) 

95 

整流体 

シリコン製のもの 

  135 

コード及びコードリール機構内 

部の電線各層の表面 

天然ゴム混合物 

60 

スチレンブタジエンゴム混合物及びクロロ 

ブレンゴム混合物 

75 

エチレンプロピレンゴム混合物 

80 

けい素ゴム混合物及びクロロスルホン化ポ 

リエチレンゴム混合物 

90 

注(1) 組込み形のものは,組み込んだときに接する箇所をいう。 
備考1. 基準周囲温度は,30℃とする。 

2. 括弧内の数値は電動機の巻線に適用する。 

5.4.2 

異常温度 温度過昇防止装置(温度ヒューズを含む。)をもつものは,8.5.2によって試験を行った

とき,フィッシュロースタ又は木台が燃焼するおそれがなく,かつ,直流500ボルト絶縁抵抗計によって

測定した充電部と地絡するおそれがある非充電部との間の絶縁抵抗は,0.1MΩ以上でなければならない。 

5.5 

自動温度調節器及び自動復帰形温度過昇防止装置 自動温度調節器及び自動復帰形温度過昇防止装

置は,8.6によって試験を行ったとき,次の各項に適合しなければならない。 

(1) 開閉性能 各部に異常がないこと。 

(2) 動作温度試験 表4に適合すること。 

表4 動作温度の許容範囲 

種別 

許容範囲 

開閉試験前 

自動温度調節器 

開路したときの温度の平均値と閉路したときの温度の平均値との平

均値が,その設定温度に対して設定温度が100℃未満のものは±5℃,

100℃以上200℃以下のものは±5%,200℃を超えるものは±10℃ 

自動復帰形温度過昇防止装置 

開路したときの温度の平均値が,設定温度に対して±15℃ 

開閉試験後 

自動温度調節器 

開路したときの温度の平均値と閉路したときの温度の平均値との平

均値が,開閉試験前に測定したその値に対して設定温度が100℃未満

のものは±5℃,100℃以上のものは±5% 

自動復帰形温度過昇防止装置 

開路したときの温度の平均値が,開閉試験前に測定したその値に対

して設定温度が100℃未満のものは±5℃,100℃以上のものは±5% 

background image

C 9214-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.6 

手動復帰形温度過昇防止装置 手動復帰形温度過昇防止装置は,8.7によって試験を行ったとき,次

の各項に適合しなければならない。 

(1) 開閉性能 各部に異常がないこと。 

(2) 動作温度試験 表5に適合すること。 

表5 動作温度の許容範囲 

種別 

許容範囲 

開閉試験前 

開路したときの温度の平均値が,設定温度に対して±15℃ 

開閉試験後 

開路したときの温度の平均値が,開閉試験前に測定したそ
の値に対して設定温度が100℃未満のものは±5℃,100℃
以上のものは±5% 

5.7 

タイムスイッチ タイムスイッチは,8.8によって試験を行ったとき,短絡,接点の溶着その他電気

的又は機械的な異常があってはならない。 

また,8.8によって試験を行った後に,接点を閉じたまま定格電流に等しい電流を流し,接点の温度上昇

がほぼ一定となったときの接点の温度上昇は,銅又は銅合金のものは40℃以下,銀又は銀合金のものは

65℃以下でなければならない。 

5.8 

実用性能 

5.8.1 

焼上げ性能 焼上げ性能は,8.9(1)によって試験を行ったとき,表面に著しい焦げ,むらがなく,

内部に生焼けがあってはならない。 

5.8.2 

焼上げ時間 焼上げ時間は,8.9(2)によって試験を行ったとき,2束のダミーロード中央の2点の

温度のいずれかが80℃に達したときまでの所要時間が20分以内でなければならない。 

5.8.3 

温度分布 温度分布は,8.9(2)によって試験を行ったとき,2束のダミーロード中央の2点の温度

がそれぞれ65℃に達したとき,6測定点の最高温度と最低温度との温度差が,15℃以内でなければならな

い。 

5.9 

ふた開閉時の安定性 ふた開閉時の安定性は,ふた開閉形のフィッシュロースタについて8.10によ

って試験を行ったとき,ふたが閉じたり,又は器体が転倒したりしてはならない。 

5.10 電熱線(帯)の耐久性 電熱線(帯)は8.11によって試験を行ったとき,断線してはならない。 

5.11 ふた開閉部又は引出部の耐久性 ふた開閉部又は引出部は,8.12によって試験を行ったとき,異常

があってはならない。 

5.12 コード接続部の折曲げ コード接続部の折曲げは,次の各項に適合しなければならない。 

(1) 器体とコードとの接続部は,コードリール機構及び接続器のないものについて,8.13.1によって試験

を行ったとき,コード素線の断線率が20%以下であり,かつ,短絡を生じてはならない。 

(2) コード付き一体成形の差込プラグのコード接続部は,8.13.2によって試験を行ったとき,コードの素

線の断線率が20%以下であり,かつ,コードに短絡を生じてはならない。 

5.13 耐落下衝撃性 耐落下衝撃性は,8.14によって試験を行った直後において,次の各項に適合しなけ

ればならない。ただし,質量が4kgを超えるものはこの試験は行わない。 

(1) 充電部が露出しないこと。ただし,付図1に示す試験指で試験したとき,試験指が触れない程度の充

電部の露出は,この限りでない。 

(2) 器具を電源に接続したとき短絡しないこと。 

(3) 直流500ボルト絶縁抵抗計によって測定したとき,充電部と器体の表面との間の絶縁抵抗は,0.1MΩ

C 9214-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

以上であること。 

5.14 のぞき窓の耐熱衝撃性 のぞき窓にガラスを使用しているものについて,8.15によって試験を行っ

たとき,ガラスが割れたり,脱落しない構造でなければならない。 

5.15 始動 電動機をもつものは,8.16によって試験を行ったとき,電動機が回転子の位置に関係なく始

動しなければならない。 

6. 構造 

6.1 

構造一般 次の各項に適合しなければならない。 

(1) 通常の使用状態において危険が生じるおそれがなく,形状が正しく,組立が良好で,動作が円滑であ

ること。 

(2) 通常の使用状態において,転倒するおそれがあるものは10゜の角度で傾斜させたとき,いずれの方向

においても転倒しないものであること。 

(3) 定格電圧が150Vを超えるものは,接地用端子又は接地線を設けてあること。 

(4) 接地用端子は,JIS C 0602によるほか,次に適合すること。 

(a) 接地線を容易,かつ,確実に取り付けることができること。 

(b) 接地用端子ねじの呼び径は,4mm以上(押し締めねじ形のものは,3.5mm以上)であること。 

(c) 接地用端子又はその近傍に接地用である旨の表示を付けてあること。 

(5) 接地線は,JIS C 0602によるほか,次の各項のうちのいずれかに適合すること。 

(a) 直径が1.6mmの軟銅線又はこれと同等以上の強さ及び太さをもつ,容易に腐食しにくい金属線。 

(b) 公称断面積が1.25mm2以上の単心コード又は単心キャブタイヤケーブル。 

(c) 公称断面積が0.75mm2以上の2心コードであって,その2本の導線を両端でより合わせ,かつ,ろ

う付け又は圧着したもの。 

(d) 公称断面積が0.75mm2以上の多心コード(より合わせたコードを除く。)又は多心キャブタイヤケ

ーブルの線心の一つ。 

(6) 金属製のふた又は箱のうち,スイッチが開閉したときアークが達するおそれがある部分には,耐アー

ク性の電気絶縁物を施してあること。 

(7) 吸湿することによって部品の燃焼,充電部の露出などの危険が生じるおそれがある部分は,防湿処理

を施してあること。 

(8) 温度過昇防止装置(温度ヒューズを含む。)をもつものは,通常の使用状態において動作しないこと。 

(9) 合成樹脂の外郭(透光性又は透視性を必要とするもの及び機能上可とう性,機械的強度などを必要と

するものを除く。)をもつものは,その外郭の外面の9cm2以上の正方形の平面部分(外郭に9cm2以上

の正方形の平面部分をもたないものは,原厚のまま一辺の長さが3cmの正方形に切り取った試験片。)

を水平面に対して約45゜に傾斜させた状態に置いて当該平面部分の中央部に,JIS K 2240で定める1

種1号のガス又はこれと同等のガスを,ノズルの内径が0.5mmのガスバーナの空気口を閉じた状態で

燃焼させた長さ約20mmの炎の先端を下から鉛直に5秒間当て炎を取り去ったとき,燃焼しないもの

であること。 

(10) 外郭は,質量が250gでJIS K 7202に規定するロックウェル硬さHRR 100の硬さに表面をポリアミド

加工した半径が10mmの球面をもつおもりを20cmの高さから垂直に1回落下させたとき,又は付図

2に示す衝撃試験機で0.5±0.05N・m {0.05±0.005kgf・m} の衝撃力を1回加えたとき,感電,火災など

の危険が生じるおそれがあるひび,割れ,その他の異常が生じないこと。ただし,器体の外面に露出

background image

C 9214-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

している表示灯,ヒューズホルダ,のぞき窓,その他これらに類するもの及びそれらの保護カバーで

あって,表面積が4cm2以下であり,かつ,器体の外郭の表面から10mm以上突き出していないものを

除く。 

(11) 器体の内部から湯気などを生じるものは,器体に附属するスイッチ,接続器,コードなどに通常の使

用状態において湯気などによって生じるしずくがかかるおそれがない構造であること。ただし,それ

らの部分が防水構造及びその他感電,火災などの危険が生じるおそれがない構造であるものは,この

限りでない。 

(12) 器体の一部を取り付け又は取り外すものは,取付け又は取外しの動作が容易に,確実に,かつ,安全

にできること。 

(13) スイッチのつまみは,30N {3kgf} の力で取り外せないこと。ただし,取り付けるときに誤接続するお

それがないものはこの限りではない。 

(14) 器体とコードとの接続に接続器を用いる場合は,この操作が容易で確実に,かつ,安全にできること。 

(15) 発生する雑音の強さは,次に適合すること。 

(15.1) 雑音電力は,吸収クランプで測定したとき,周波数が30MHz以上300MHz以下の範囲において55dB

以下であること。この場合にdBは1pWを0dBとして算出した値とする。 

(15.2) 雑音端子電圧は,一線対地間を測定したとき,次に適合すること。 

(a) 連続性雑音端子電圧は,表6の左欄に掲げる周波数範囲ごとに同表の右欄に掲げる値以下であるこ

と。この場合にdBは1μVを0dBとして算出した値とする[以下,(b)も同じ。]。 

表6 連続性雑音端子電圧 

周波数範囲 

連続性雑音端子電圧 

dB 

526.5kHz以上5MHz以下 

56 

5MHzを超え30MHz以下 

60 

(b) 不連続性雑音端子電圧は,表6に掲げる値に,表7の左欄に掲げるクリック率ごとに同表の右欄に

掲げる補正値を加えた値以下であること。 

表7 補正値 

クリック率 

補正値 

回/分 

dB 

0.2未満のもの 

44 

0.2以上30以下のもの 

20 log10

N

30 

30を超えるもの 

備考 Nは,クリック率とし,その単位は回/分とする。 

(16) 半導体素子を用いて温度,回転速度などを制御するものは,それらの半導体素子が制御能力を失った

とき,次に適合すること。 

(16.1) 制御回路に接続された部品が燃焼しないこと。ただし,当該回路に接続される一つの部品が燃焼し

た場合,他の部品が燃焼するおそれがないものはこの限りでない。 

(16.2) 地絡するおそれがある非充電金属部又は露出する充電部は,次のいずれかに適合すること。 

(a) 対地電圧及び線間電圧が,交流は30V以下,直流は45V以下であること。 

(b) 1kΩの抵抗を大地との間及び線間並びに非充電金属部と充電部との間に接続したとき当該抵抗に流

れる電流は,商用周波数以上の周波数において感電の危険が生じるおそれがない場合を除き,1mA

C 9214-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

以下であること。 

(16.3) (16.2)の試験後に直流500ボルト絶縁抵抗計によって測定した充電部[対地電圧及び線間電圧が交流

は30V以下,直流は45V以下のもの並びに1kΩの抵抗を大地との間及び線間に接続した場合に当該

抵抗に流れる電流が1mA以下(商用周波数以上の周波数において,感電の危険が生じるおそれがな

いものは,1mA以下であることを要しない。)のものを除く。]と器体の表面との間の絶縁抵抗は,

0.1MΩ以上であること。 

(17) 電子管,コンデンサ,半導体素子,抵抗器などをもつ絶縁変圧器の二次側の回路,整流後の回路など

は,次の試験を行ったとき,その回路に接続された部品が燃焼しないこと。ただし,当該回路に接続

されている一つの部品が燃焼した場合において他の部品が燃焼するおそれがないものを除く。 

(17.1) 電子管,表示灯などは,端子相互間を短絡し,ヒータ又はフィラメント端子を開放すること。 

(17.2) コンデンサ,半導体素子,抵抗器,変圧器,コイル,その他これらに類するものは,端子相互間を

短絡又は開放すること。 

(17.3) (17.1)及び(17.2)に掲げるものであって,金属ケースに収めたものは,端子と金属ケースとの間を短

絡すること。ただし,部品内部で端子に接続された部分と金属ケースとが接触するおそれがないも

のを除く。 

(17.4) (17.1),(17.2)及び(17.3)の試験において,短絡又は開放したとき,次に適合すること。 

(a) 地絡するおそれがある非充電金属部又は露出する充電部は,対地電圧及び線間電圧が交流は30V以

下,直流は45V以下であるか,又は1kΩの抵抗を大地との間及び線間並びに非充電金属部と充電部

との間に接続したとき当該抵抗に流れる電流は,商用周波数以上の周波数において感電の危険が生

じるおそれがない場合を除き,1mA以下であること。 

(b) 試験の後に直流500ボルト絶縁抵抗計によって測定した充電部[対地電圧及び線間電圧が交流は

30V以下,直流は45V以下のもの,並びに1kΩの抵抗を大地との間及び線間に接続した場合に当該

抵抗に流れる電流が1mA以下(商用周波数以上の周波数において,感電の危険が生じるおそれがな

い場合は,1mA以下であることを要しない。)のものを除く。]と器体の表面との間の絶縁抵抗は,

0.1MΩ以上であること。 

(18) 電動機をもつものは,これらを拘束し,定格電圧に等しい電圧を連続して(タイムスイッチをもつも

のは,その最大時間まで)加えた状態において,感電,火災などの危険が生じるおそれがないこと。 

6.2 

充電部 充電部は,次の各項に適合しなければならない。 

(1) 充電部は,容易に人が触れるおそれがないこと。ただし,定格電圧150V以下であって,通電したと

きに赤熱する発熱体は,この限りでない。 

(2) 充電部には,容易に取り外すことができる部分を取り外した状態で付図1に示す試験指が触れないこ

と。この場合に試験指に加える力は,底面には10N {1kgf},外面及び開口部には30N {3kgf} とする。 

(3) 極性が異なる充電部相互間,充電部と地絡するおそれがある非充電金属部との間及び充電部と人が触

れるおそれがある非金属部の表面との間の空間距離(沿面距離を含む。)は,器体又は器体の部分ごと

に,それぞれ表8に適合すること。ただし,絶縁変圧器の二次側の回路,整流後の回路などの構造上

やむを得ない部分であって,次の試験を行ったとき,これに適合する部品はこの限りでない。 

(a) 極性が異なる充電部相互間を短絡した場合に,短絡回路に接続された部品が燃焼しないこと。ただ

し,その部品が燃焼した場合に他の部品が燃焼するおそれがないものは,この限りでない。 

(b) 極性が異なる充電部相互間,充電部と地絡するおそれがある非充電金属部との間及び充電部と人が

触れるおそれがある非金属部の表面との間を接続した場合に,その非充電金属部又は露出する充電

C 9214-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

部の対地電圧及び線間電圧が交流の場合は30V以下,直流の場合は45V以下のもの並びに1kΩの抵

抗を大地との間及び線間並びに非充電金属部と充電部との間に接続したとき,いずれの場合も抵抗

に流れる電流は,商用周波数以上の周波数において感電の危険が生じるおそれがない場合を除き,

1mA以下であること。 

(c) (a)の試験の後に直流500ボルト絶縁抵抗計によって測定した充電部[対地電圧及び線間電圧が交流

の場合は30V以下,直流の場合は45V以下のもの並びに1kΩの抵抗を大地との間及び線間に接続し

たとき,いずれの場合も抵抗に流れる電流が1mA以下(商用周波数以上の周波数において感電の危

険が生じるおそれがない場合は,1mA以下であることを要しない。)のものを除く。]と器体の表面

との間の絶縁抵抗は,0.1MΩ以上であること。 

background image

C 9214-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表8 空間距離(沿面距離を含む。) 

単位 mm 

器体の部分 

線間電圧又は対地電圧 

15V以下 

15Vを超え 
50V以下の 

もの 

50Vを超え 
150V以下 

のもの 

150Vを超え 

300V以下の 

もの 

耐湿性の絶 
縁被覆をも 
つもの 

その他のも 
の 

電源電線の取 
付部 

製造業者が接続する端子部間 

− 

− 

− 

3.0 

4.0 

製造業者が接続する端子部と地絡する
おそれがある非充電金属部又は人が触
れるおそれがある非金属部の表面との
間 

− 

− 

− 

2.5 

3.0 

その他の部分 極性が異なる充電

部間 

固定している部分
で,じんあいが侵入
するおそれがなく,
かつ,金属粉が付着
しにくい箇所 

0.5 

1.0 

1.2 

(1.0) 

1.5 

(1.5) 

2.0 

(2.0) 

その他の箇所 

0.5 

1.0 

1.5 

(1.2) 

2.5 

(2.0) 

3.0 

(2.5) 

充電部と地絡する
おそれがある非充
電金属部又は人が
触れるおそれがあ
る非金属部の表面
との間 

固定している部分
で,じんあいが侵入
するおそれがなく,
かつ,金属粉が付着
しにくい箇所 

0.5 

1.0 

1.2 

(1.0) 

1.5 

(1.5) 

2.0 

(2.0) 

その他の箇所 

0.5 

1.0 

1.2 

(1.0) 

2.0 

(1.5) 

2.5 

(2.0) 

備考1. 空間距離は,器体の外面には30N {3kgf},器体の内部には,2N {200gf} の力を距離が最も小さくなるように加

えて測定したときの距離とする。 

2. 括弧内の数値は,附属コンデンサの外部端子の空間距離に適用する。 

(4) 充電部相互又は充電部と非充電部との接続部分は,通常の使用状態において緩みが生じず,かつ,温

度に耐えること。 

(5) がい管に収めた導電部が金属部を貫通する箇所は,導電部が金属部に触れるおそれがないこと。 

(6) 絶縁物の厚さは,次に適合すること。 

(6.1) 器体の外被の材料が絶縁体を兼ねる場合は,器体に組み込まれる部分を除き,絶縁物の厚さは0.8mm

(人が触れるおそれがないものは,0.5mm)以上であって,かつ,ピンホールがないものであるこ

と。ただし,質量が250gで,JIS K 7202に規定するロックウェル硬さHRR 100の硬さに表面をポ

リアミド加工した半径が10mmの球面をもつおもりを表9の左欄に掲げる種類ごとにそれぞれ同表

の右欄に掲げる高さから垂直に3回落としたとき,又は付図2に示す衝撃試験機で0.5±0.05N・m 

{0.05±0.005kgf・m} の衝撃力を3回加えたとき,感電,火災などの危険が生じるおそれがあるひび,

割れ,その他の異常が生じないもので,かつ,ピンホールがないものはこの限りでない。 

表9 おもりの落下高さ 

単位 cm 

種類 

高さ 

人が触れるおそれがないもの 

14 

その他のもの 

20 

(6.2) (6.1)以外のものであって外傷を受けるおそれがある部分に用いる絶縁物の厚さは,0.3mm以上であ

background image

10 

C 9214-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

って,かつ,ピンホールがないものであること。ただし,次の(a)及び(b)の試験を行ったときこれに

適合するもので,かつ,ピンホールがないものは,この限りでない。 

(a) 表10の左欄に掲げる絶縁物が使用される電圧の区分ごとにそれぞれ同表の右欄に掲げる交流電圧

を加えたとき,連続して1分間これに耐えること。 

表10 絶縁物の耐電圧値 

単位 V 

絶縁物が使用される電圧の区分 

交流電圧 

30以下 

500 

30を超え150以下 

1 000 

150を超え300以下 

1 500 

(b) JIS K 5400の8.4.1(試験機法)に規定する鉛筆引っかき試験を行ったとき,試験片の破れが試験板

に届かないこと。この場合において,鉛筆引っかき値は,JIS S 6006に規定する濃度記号が8Hのも

のとする。 

(6.3) 外傷を受けるおそれがない部分に用いる絶縁物(変圧器の定格周波数の2倍以上の周波数の定格一

次電圧の2倍に等しい電圧を連続して5分間加えたとき,これに耐える変圧器のコイル部とコイル

の立上り引出線との間の部分及び電動機のコイル部とコイルの立上り引出線との間の部分を除く。)

は,(6.2)(a)の試験を行ったとき,これに適合するものであって,かつ,ピンホールがないものであ

ること。ただし,絶縁物の厚さが0.3mm以上であって,かつ,ピンホールがないものは,除く。 

(7) コンデンサをもつものであって,差込刃によって電源に接続するものは,差込刃を刃受けから引き抜

いたとき,差込刃間の電圧は1秒後において,45V以下であること。ただし,差込刃側から見た回路

の総合静電容量が0.1μF以下であるものを除く。 

6.3 

配線 配線は,次の各項に適合しなければならない。 

(1) コード及び機能上やむを得ず器体の外部に露出する電線の貫通孔は,保護スプリング,保護ブッシン

グ,その他の適切な保護装置を使用してある場合を除き,これらを損傷するおそれがないように面取

り,その他の適切な保護加工を施してあること。ただし,貫通部が金属以外のもので,その部分が滑

らかであり,損傷するおそれがない場合は,この限りでない。 

(2) 器体の内部の配線は,次に適合すること。 

(a) 2N {200gf} の力を加えたときに高温部に接触するおそれがあるものは,接触した場合に異常が生じ

るおそれがないこと。 

(b) 2N {200gf} の力を加えたときに可動部に接触するおそれがないこと。ただし,危険が生じるおそれ

がない場合は,この限りでない。 

(c) 被覆された電線を固定する場合,貫通部を通す場合は2N {200gf} の力を加えたときに他の部分に接

触する場合は,被覆を損傷しないようにすること。ただし,危険が生じるおそれがない場合は,こ

の限りでない。 

(d) 接続器によって接続したものは,5N {500gf} の力を接続した部分に加えたとき,外れないこと。た

だし,2N {200gf} 以上5N {500gf} 未満の力を加えて外れた場合に危険が生じるおそれがない場合

は,この限りでない。 

(e) 可動する部分に接続するものは,可動範囲においてそれぞれ5秒間に1回の割合で1 000回(往復

で1回とする)折り曲げたとき,配線が短絡せず,素線の断線率が20%以下であり,かつ,各部に

異常が生じないこと。ただし,危険が生じるおそれがないものは,この限りでない。 

11 

C 9214-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(3) コード及び機能上やむを得ず器体の外部に露出する電線と内部端子との接続部は,器体の外方に向か

って,器体の自重の3倍の値(器体の自重の3倍の値が10kgを超えるものは100N {10kgf},器体の自

重の3倍の値が3kg未満のものは30N {3kgf} の値)の張力を15秒間加えたとき及び器体の内部に向

かって器体側から5cmの箇所を保持して押し込んだとき,その接続部に張力が加わらず,ブッシング

が外れるおそれがないこと。 

(4) 電線の取付部は,次に適合すること。 

(a) 電線を確実に取り付けることができる構造であること。 

(b) 二つ以上の電線を一つの取付部に締め付ける場合は,それぞれの電線の間にナット又は座金を用い

てあること。ただし,圧着端子その他の器具によって確実に取り付けることができるものは,この

限りでない。 

(c) 電源電線の取付端子のねじは,電源電線以外のものの取付けに兼用しないこと。ただし,電源電線

を取り付け又は取り外した場合に,電源電線以外のものが脱落するおそれがないものは,この限り

でない。 

(5) ふたを開閉するとき屈曲する器体の外部に露出する電線は,可とう性をもち,丈夫で絶縁性のあるチ

ューブに収めてあること。 

6.4 

差込接続器 コードの電源側接続器には,JIS C 8303に規定する差込接続器と同等以上の性能をも

つ差込接続器を用いなければならない。 

6.5 

器体及びコードの接続に用いる接続器 器体及びコードの接続に用いる接続器は,次の各項に適合

しなければならない。 

(1) 刃(ピン)及び刃(ピン)受けの寸法は,JIS C 8303又はJIS C 8358に示された寸法であること。 

(2) 刃(ピン)及び刃(ピン)受けのかん合部は,すり割り形又はこれと同等以上の弾性をもつ構造であ

ること。 

(3) 差込刃(ピン)受けをもつ接続部は,150±3℃の空気中に1時間放置した後に自然に冷却したとき,

各部に緩み,膨れ,ひび,割れ,変形,その他の異常が生じないこと。 

(4) 抜差し性能は,通常の使用状態に取り付け,毎分20回の速さで10 000回抜差しを行ったとき,破損,

短絡,溶着,その他の電気的・機械的な異常が生じないこと。ただし,最初の5 000回開閉後の刃受

け又は受け金の導電部の温度上昇は,40℃以内であること。 

(5) 器体及びコードを接続する接続器の保持力は,JIS C 8358の6.2(1)によって試験したとき定格電流が

7A以下のものは5N {500gf} 以上で40N {4kgf} 以下,7Aを超え15A以下のものは10N {1kgf} 以上

で60N {6kgf} 以下,15Aを超え20A以下のものは,15N {1.5kgf} 以上で100N {10kgf} 以下であるこ

と。 

6.6 

コード コードは,JIS C 3301に規定されたゴム絶縁平形コード,ゴム絶縁袋打コード又はこれら

と同等以上の特性のあるものを用い,その許容電流値は表11によるものとし,長さ(有効長)は0.9m以

上でなければならない。 

background image

12 

C 9214-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表11 許容電流値 

公称断面積 

素線数直径 

(例) 

絶縁物の種類 

天然ゴム混合物 

スチレンブタジ
エンゴム混合
物,クロロブレ
ンゴム混合物 

エチレンプロピ
レンゴム混合物 

けい素ゴム混合
物,クロロスル
ホン化エチレン
ゴム混合物 

mm2 

本/mm 

許容電流 A 

0.75 

30/0.18 

10 

1.25 

50/0.18 

12 

14 

15 

17 

2.0 

37/0.26 

17 

20 

22 

24 

3.5 

45/0.32 

23 

28 

29 

32 

備考1. この表にない断面積をもつコードの許容電流値は,各断面積の許容電流の値を直線で結ぶ補間

法によって求めた値とする。 

2. 周囲温度は,30℃以下とする。 

6.7 

スイッチ 次の各項に適合しなければならない。 

(1) JIS C 8304又はこれと同等以上の品質のものであって,その取付箇所に応じて適切な耐熱性をもつか,

又は耐熱保護を施してあること。 

(2) 開閉の状態(消費電力を加減するものはその状態)を示してあること。ただし,開閉の状態が容易に

確認できるもの,表示することが構造上困難なもの及び用途上必要のないものは,この限りでない。 

(3) 充電部が露出しており,かつ,通電した場合に赤熱する発熱体をもつものであって電源を開閉するス

イッチがあるものは,当該スイッチに同時に両極を開閉できるものであること。 

6.8 

自動温度調節器及び自動復帰形温度過昇防止装置 自動温度調節器及び自動復帰形温度過昇防止装

置は,構造が丈夫で,かつ,動作が確実であり,開路したとき,連続アークを生じてはならない。 

6.9 

手動復帰形温度過昇防止装置 手動復帰形温度過昇防止装置は,構造が丈夫で,かつ,動作が確実

であり,開路したとき,各部に異常があってはならない。 

6.10 温度ヒューズ ヒューズ及びその取付部は,次の各項に適合しなければならない。 

(1) 可溶体の材料は,容易に変質しないものであること。 

(2) 取付端子の材料は,取付けに支障がない硬さであること。 

(3) 溶断することによって,その回路を完全に遮断できること。 

(4) 溶断する場合にアークによって短絡せず,また,地絡するおそれがないこと。 

(5) 溶断する場合に,ヒューズを収めているふた,箱又は台が損傷しないこと。 

(6) 取付端子は,ヒューズを容易に,また,確実に取り付けることができるもので,締め付けるとき,ヒ

ューズのつめが回らないこと。 

(7) 皿形座金を使用する場合は,ヒューズ取付面の大きさは皿形座金の底面の大きさ以上であること。 

(8) 取付端子ねじは,ヒューズ以外の部品の取付けに兼用しないこと。ただし,温度ヒューズを取り付け

又は取り外した場合に,ヒューズ以外の部品の取付けが緩むおそれがないものは,この限りでない。 

(9) 非包装ヒューズを取り付けるものは,ヒューズと器体との空間距離は4mm以上であること。 

(10) ヒューズを取り付けるものはその銘板又はヒューズの取付部に,電流ヒューズには定格電流を,温度

ヒューズには定格動作温度を容易に消えない方法で見やすい場所に表示してあること。ただし,取り

替えることができないヒューズは,この限りでない。 

6.11 発熱体 発熱体は,次の各項に適合しなければならない。 

(1) 電熱線(帯)は,JIS C 2520の電熱用鉄クロム線2種又はこれと同等以上の性能のものを用いてある

13 

C 9214-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

こと。 

(2) 吸湿することによって,絶縁性能が低下するおそれがある発熱体の口出し部分には,防湿処理を施す

こと。 

(3) 発熱体の取付部は,次によること。 

(a) 発熱体は堅ろうに取り付けてあること。 

(b) 発熱体の取付面は,重力又は振動によって容易に動かないこと。 

(c) 電熱線は,これが断線した場合に人が容易に触れるおそれがある非充電金属部又はこれを電気的に

接続している非充電金属部に触れるおそれがないように取り付けてあること。 

7. 材料 材料は,次の各項に適合しなければならない。 

(1) 器体の材料は,通常の使用状態における温度に耐えること。 

(2) 電気絶縁物及び熱絶縁物は,これに接触又は近接する部分の温度に十分に耐え,吸湿性の少ないもの

であること。ただし,吸湿性の絶縁物で,通常の使用状態において危険が生じるおそれがないものは,

この限りでない。 

(3) 器体の材料として,ニトロセルロース系セルロイドその他これに類する可燃性物質,ポリ塩化ビフェ

ニルを含有したもの及び人体に有害な材料は,使用しないこと。 

(4) アークが達するおそれがある部分に使用する電気絶縁物は,アークによって有害な変形,有害な絶縁

低下などの変質が生じないものであること。 

(5) 鉄及び鋼(ステンレス鋼を除く。)は,めっき,塗装,油焼き,その他の適切なさび止めを施してある

こと。ただし,酸化することによって危険が生じるおそれがない部分に使用するものは,この限りで

ない。 

(6) 刃及び刃受けの部分は,銅又は銅合金であること。 

(7) 導電材料であって(6)以外の部分は,銅,銅合金,ステンレス鋼,めっきを施した鉄若しくは鋼,又は

これらと同等以上の電気的,熱的及び機械的な安定性をもつものであること。ただし,弾性を必要と

する部分その他構造上やむを得ない部分であって,危険が生じるおそれがない場合は,この限りでな

い。 

(8) 電源電線用端子ねじの材料は,銅,銅合金,ステンレス鋼又はめっきを施した鉄若しくは鋼であるこ

と。 

(9) 使用中食物と接する部分の材料は,有害な化学的変化及び有害な物質が溶出するおそれがないこと。 

8. 試験方法 

8.1 

構造試験 6.,7.及び11.の規定に適合しているかどうか調べる。 

8.2 

電圧変動試験 電圧変動試験は,8.5.1の試験に示す条件で,電源電圧を定格電圧の上下10%変化さ

せて通電する。 

8.3 

消費電力試験 消費電力試験は,8.5.1の試験において,消費電力がほぼ一定となったとき測定する。 

8.4 

絶縁試験 

8.4.1 

絶縁抵抗試験 絶縁抵抗試験は,8.5.1の試験の前後において,直流500ボルト絶縁抵抗計で充電

部と器体表面との間の絶縁抵抗を測定する。ただし,発熱体がシーズヒータのものは,充電部と非充電部

との間に500Vの直流電圧を最高1分間充電させてから測定する。 

14 

C 9214-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

8.4.2 

耐電圧試験 耐電圧試験は,8.5.1の試験の直後に行う8.4.1の試験の後,充電部と器体表面との間

に,定格電圧が100Vのものは1 000V,定格電圧が200Vのものは1 500V,定格電圧が100V及び200V以

外のものは,定格電圧の2倍の電圧に1 000Vを加えた試験電圧を連続して1分間加える。ただし,多数個

の場合は,試験電圧の1.2倍の電圧を1秒間加えることによって,これに代えることができる。 

8.4.3 

漏れ電流試験 漏れ電流は,8.5.1の試験条件において,人が触れるおそれがある非充電部と大地

との間に,1kΩの抵抗を接続し,漏れ電流を測定する。 

8.5 

温度試験 

8.5.1 

平常温度試験 平常温度試験は,次によって試験を行う。 

(1) 器体は,厚さが10mm以上の表面が平らな木台の上に置く。 

(2) 器体内の温度は,自動温度調節器をもつものは,その動作温度を最高温度に設定し,その他のものは

器体内の中央の温度と周囲温度との差を240±10℃に保つように断続して,定格電圧に等しい電圧を

各部の温度上昇がほぼ一定となるまで通電する(器体内の中央の温度と周囲温度との差が240℃に達

しないものは,連続して通電する。)。 

(3) 消費電力の切換えなどのあるものは,最大消費電力で行う。 

(4) 受皿付きのものは,水を入れない状態で指定の場所に設置する。 

(5) 温度の測定は,熱電温度計法(巻線の場合は,抵抗法。)によって行う。 

(6) 周囲温度は,30±5℃とする。 

8.5.2 

異常温度試験 異常温度試験は,次によって行う。 

器体を厚さ10mm以上の表面が平らな木台の上に置き,自動温度調節器の接点を短絡し,器体内に物を

入れない状態で定格電圧に等しい電圧を各部の温度上昇が一定となるまで(タイムスイッチをもつものは

その最大時間まで,また,温度ヒューズ又は手動復帰形温度過昇防止装置が動作したときはそのときまで)

連続して加える。 

8.6 

自動温度調節器及び自動復帰形温度過昇防止装置試験 電熱装置から発生する熱によって動作し,

かつ,接点を機械的に開閉することによって温度を調節する構造の自動温度調節器及び自動復帰形温度過

昇防止装置は,これらを器体から取り外して次の試験を行う。ただし,取外し困難なものは,取り付けた

ままで行ってもよい。 

(1) 開閉試験 自動温度調節器又は自動復帰形温度過昇防止装置が接続される回路の定格電圧に等しい電

圧を加え,その回路の最大使用電流に等しい電流を通し,加熱して回路を開き,冷却して回路を閉じ

る操作を5 000回行う。 

(2) 動作温度試験 (1)に規定する試験の前後に恒温槽に入れ,温度を1分間に1℃の割合で上昇させて開

路させた後に1分間に1℃の割合で下降させて閉路させる操作を15回行い,開路したとき及び閉路し

たときの温度(第1回から第5回までの操作における温度を除く。)を熱電温度計法によって測定する。

この場合,試験品には,通電しない。 

8.7 

手動復帰形温度過昇防止装置試験 温度によって動作する手動復帰形温度過昇防止装置は,これを

器体から取り外して次の試験を行う。ただし,取外しの困難な構造のものは,取り付けたままで行っても

よい。 

(1) 開閉試験 手動復帰形温度過昇防止装置が接続される回路の定格電圧に等しい電圧を加え,その回路

の最大使用電流に等しい電流を通じ,加熱して回路を開く操作を1 000回行う。 

(2) 動作温度試験 (1)に規定する試験の前後において恒温槽に入れ,温度を1分間に1℃の割合で上昇さ

せて開路させる動作を15回行い,開路したときの温度(第1回から第5回までの操作における温度を

background image

15 

C 9214-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

除く。)を熱電温度計法によって測定する。この場合において試験品には通電しない。 

8.8 

タイムスイッチ試験 タイムスイッチを器体から取り外し,タイムスイッチが接続される回路の定

格電流に等しい電流を流し,1分間に3回の割合で1 000回動作させた後,定格電流の1.5倍の電流を流し,

1分間に3回の割合で100回動作させる。 

8.9 

実用性能試験 実用性能試験は,次によって行う。 

(1) 生あじ,魚の切り身などを製造業者の指定する方法で焼いて調べる。 

(2) 表12の2束のダミーロードを図1の配列で焼網上に載せ,定格電圧で連続して通電し,図2に示す各

点の温度を熱電温度計法で測定する。焼面を調節できるものは,焼面の下限で測定する。 

表12 ダミーロード 

仕様 

綿ネル地 

白色 
16双糸ネル相当品 

大きさ 面積 

(1束) 

0.8A×0.35B 

A×B:焼網面積 

重ね枚数 
(1束) 

n=12×

)

/

(

)

/

(

185

2

2

m

g

m

g

るネル地

ダミーロードに使用す

吸水量 

布質量の約4倍 

備考1. ダミーロードは,水温5±2℃の水を含ませ1時間保った後に試験

する。 

2. 温度測定における室温は,20±2℃とする。 
3. 重ね枚数は,上記計算式に近い整数とする。 

図1 ダミーロードの配列 

図2 ダミーロードの温度測定点 

background image

16 

C 9214-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

8.10 ふた開閉時の安定性試験 ふた開閉時の安定性試験は,ふたを開いた状態(内部の皿,焼網などの

附属物を外す。)にして,5゜傾斜面のあらゆる方向に置いて行う。 

8.11 電熱線(帯)の耐久性試験 電熱線(帯)の耐久性試験は,定格電圧の1.2倍に相当する電圧で20

分間通電,10分間休止させる操作を1回とし,これを連続して500回行う。この試験は,発熱体単体につ

いて行う。 

8.12. ふた開閉部又は引出部の耐久性試験 ふた開閉部又は引出部の耐久性試験は,ふたの開閉又は引出

しを無通電で毎分20回の割合で3 000回行う。 

8.13 コード接続部の折曲げ試験 

8.13.1 器体及びコードの接続部の折曲げ試験 コードが接続器を使用しないで接続される場合,それらの

電線が器体を貫通する部分(以下,貫通部という。)は,図3に示す試験装置の可動板の中心と貫通部など

を一致させ,かつ,コードが可動範囲の中央で折り曲がらずに鉛直になるように器体を可動板に取り付け,

コードの先に質量500gのおもりをつるして,可動板を右方向に60°回転させて元に戻し(これを1回と

する。),続いて左方向に60°回転させてこれを元に戻す(これを1回とする。)。この操作を毎分約40回

の速さで連続して2 000回繰り返す。 

図3 器体及びコードの接続部の折曲げ試験 

備考1. 回数の数え方は,①−②をもって1回,③−④をもって1回とする。 

2. 可動板の動きは,滑らかに行うものとする。 

background image

17 

C 9214-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

8.13.2 コード付き一体成形の差込プラグの折曲げ試験 コード付き一体成形された差込プラグを図4に

示すように試験装置の可動板の中心と貫通部などを一致させ,かつ,コードが可動範囲の中央で折り曲が

らずに鉛直になるように取り付け,コードの先に質量500gのおもりをつるして,可動板を右方向に60゜

回転させて元に戻し(これを1回とする。),続いて左方向に60°回転させてこれを元に戻す(これを1回

とする。)この操作を毎分約40回の速さで連続して5 000回繰り返す。 

図4 コード付き一体成形の差込プラグの折曲げ試験 

備考1. 回数の数え方は,①−②をもって1回,③−④をもって1回とする。 

2. 可動板の動きは,滑らかに行うものとする。 

8.14 耐落下衝撃性試験 耐落下衝撃性試験は,水平で表面が平らなコンクリート床上に,大きさ約150

×150cm,厚さ約3cmのラワン板を置き,その中央部に器体の表面がラワン板の面に平行になるように器

体をひもでつり下げ,70cmの高さから1回落下させる(図5参照)。 

background image

18 

C 9214-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図5 耐落下衝撃性試験 

備考1. 試験は,無通電で行う。 

2. 工具なしで取り外せる附属品は,取り外して行う。ただし,焼き網,受皿類はこの限りでない。 
3. 試験は魚類を入れないで,つまみ類などによって設定するものは,設定しない状態で行う。 
4. 直付けのコードは,落下させる際,じゃまにならないよう器体上部に束ねておく。 

8.15 のぞき窓の耐熱衝撃性試験 のぞき窓の耐熱衝撃性試験は,8.5.1の試験の状態において約10℃の水

0.2Lをガラス面の中央に一度にかける。 

8.16 始動試験 電動機をもつものは,通常の使用状態において,定格周波数に等しい周波数の定格電圧

の90%に等しい試験電圧を加える。 

9. 検査 

9.1 

形式検査(2) 形式検査は,次の項目を8.の試験方法,目視などによって行い,5.,6.,7.及び11.の規

定に適合しなければならない。ただし,(6)及び(8)〜(13)の検査は同一品で行わなくてもよい。 

(1) 構造(11.1を含む。) 

(2) 電圧変動 

(3) 消費電力 

(4) 絶縁 

(5) 平常温度 

(6) 異常温度 

(7) 実用性能 

(8) ふた開閉時の安定性 

(9) 電熱線(帯)の耐久性 

(10) ふた開閉部又は引出部の耐久性 

(11) コード接続部の折曲げ 

(12) 耐落下衝撃性 

(13) のぞき窓の耐熱衝撃性 

19 

C 9214-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(14) 始動特性 

(15) 材料 

注(2) 形式検査とは,製品の品質が設計で示されたすべての品質項目を満足するかどうかを判定する

ための検査をいう。 

9.2 

製品検査(3) 製品検査は,各製品ごとに次の各項について8.の試験方法によって行い,5.に適合しな

ければならない。ただし,検査は合理的な抜取方式によってもよい。 

(1) 消費電力 

(2) 絶縁抵抗 

(3) 耐電圧 

注(3) 製品検査とは,既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造に係る製品の受渡しに際して必

要と認められる品質項目が満足するものであるかどうかを判定するための検査をいう。 

10. 製品の呼び方 製品の呼び方は,名称による。 

例 フィッシュロースタ 

11. 表示 

11.1 器体表示 器体の見やすいところ(4)に容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。 

(1) 名称(製造業者が使用している品名でもよい。) 

(2) 定格電圧 (V) 

(3) 定格周波数 (Hz) (ただし,10Wを超える電動機又は10VAを超える変圧器をもつものに限る。) 

(4) 定格消費電力 (W) 

(5) 製造業者名又はその略号 

(6) 製造年又はその略号 

(7) 製造番号又はロット番号 

注(4) 見やすいところとは,外郭の表面又は工具などを使用せずに容易に操作できるふたなどで覆わ

れた外郭の内部の表面をいう。 

11.2 包装表示 包装する場合には,包装ごとに表面の見やすいところに容易に消えない方法で,次の事

項を表示しなければならない。 

(1) 名称(製造業者が使用している品名でもよい。) 

(2) 製造業者名又はその略号 

12. 使用上の注意事項 次の事項について,本体,下げ札,取扱説明書などに明記しておかなければなら

ない。この場合,使用者に理解しやすい文章又は絵によって行うものとする。ただし,該当しないものは

除く。 

(1) 電源コンセントの容量に関する注意。 

(2) 使用場所についての注意。 

(3) 使用中の扱いについての注意。 

(4) 使用後の扱いについての注意。 

(5) その他,製品個々の性能や特徴に応じて必要と判断される事項。 

background image

20 

C 9214-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図1 試験指 

備考1. 角度の許容差は,±5'とする。 

2. 寸法の許容差は,25mm未満は

05

.00

mm,25mm以上は±0.2mmとする。 

3. 使用材料は,黄銅とする。 
4. 供試品の導電部は,一括して接続する。 
5. 電源電圧は,定格電圧以下の任意の電圧(40V以上)としてもよい。 

付図2 衝撃試験機 

備考 ハンマ頭部は,JIS K 7202に規定するロックウェル硬さHRR 100の硬さに表面をポリアミド

加工した半径が10mmの球面をもつものとする。 

21 

C 9214-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS家電特別専門委員会 構成表(順不同,敬称略) 

氏名 

所属 

(委員長) 

牛 島 隆 久 

財団法人日本電気用品試験所 

(副委員長) 

森 井   茂 

株式会社東芝 

上 野 雅 雄 

通商産業検査所 

吉 田 高 明 

通商産業省機械情報産業局 

栗 原 史 郎 

工業技術院 

中 村   進 

通商産業省資源エネルギー庁 

島 崎 芳 征 

国民生活センター 

原   早 苗 

消費科学連合会 

吉 岡 初 子 

主婦連合会 

中 野 三千代 

全国地域婦人団体連絡協議会 

岩 崎 泰 子 

東京第一友の会 

古 川 哲 夫 

財団法人日本消費者協会 

齋 藤 有 常 

社団法人日本百貨店協会 

仲 谷   弘 

全国電器小売商業組合連合会 

中 野 康 夫 

三洋電機株式会社 

入 江 八 郎 

シャープ株式会社 

鈴 木 庸 介 

株式会社日立製作所 

三 宅 敏 明 

松下電器産業株式会社 

奈良井 良 雄 

三菱電機株式会社 

林   正 宏 

社団法人日本電機工業会 

(事務局) 

中 原 茂 樹 

社団法人日本電機工業会 

厨房用電熱器分科会 構成表(順不同,敬称略) 

氏名 

所属 

(主査) 

渡 辺 清 八 

東芝ホームテクノ株式会社 

(副主査) 

宮 崎   治 

松下電器産業株式会社 

浦 田   進 

松下電器産業株式会社 

川 崎 順 彦 

シャープ株式会社 

長谷川 和 弘 

千石鉄工株式会社 

辻 井 博 昭 

象印マホービン株式会社 

木 寺 敏 明 

タイガー魔法瓶株式会社 

岩 田 光 正 

東京電気株式会社 

沖 田 毅 一 

株式会社東芝 

大 田 冨士雄 

鳥取三洋電機株式会社 

中 村 庄 治 

日本電気ホームエレクトロニクス株式会社 

櫛 引 伸 幸 

株式会社日立ホームテック 

倉 永   勉 

ピーコック魔法瓶工業株式会社 

鳥 山 健 夫 

三菱電機株式会社 

菊 池 俊 男 

三菱電機ホーム機器株式会社 

(事務局) 

柴 田 和 男 

社団法人日本電機工業会 

金 子 健 一 

社団法人日本電機工業会 

文責 厨房用電熱器分科会