2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 9209-1993
電気こたつ類
Electric KOTATU
1. 適用範囲 この規格は,電気こたつ(以下,こたつという。)及び電気あんか(以下,あんかという。)
について規定する。ただし,蓄熱形のあんかは除く。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS A 1531 家具の常温液体に対する表面抵抗試験方法
JIS A 9510 けい酸カルシウム保温材
JIS C 2520 電熱用合金線及び帯
JIS C 3301 ゴムコード
JIS C 3306 ビニルコード
JIS C 8303 配線用差込接続器
JIS C 8304 屋内用小形スイッチ類
JIS C 8358 電気器具用差込接続器
JIS C 9606 電気洗濯機
JIS K 2240 液化石油ガス(LPガス)
JIS K 5400 塗料一般試験方法
JIS K 7202 プラスチックのロックウェル硬さ試験方法
JIS L 2001 綿ふとんわた
JIS S 6006 鉛筆及び色鉛筆
JIS Z 1522 セロハン粘着テープ
2. この規格の中で { } を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるもので,参考と
して併記したものである。
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする(図1及び図2を参照。)。
(1) 掘こたつユニット,掘こたつ掘り枠 床面を深く切って掘り下げて下枠で足収納部を構成し,下枠の
底面を更に掘り下げて箱を設けて熱源収納部を構成し,熱源収納部と足収納部間には格子を設け,足
収納部の上面には脚付き卓を設けてひざ収納部を構成し,卓の上には布団などの保温材を掛け,床面
に腰かけて使用するもので,製造業者が事業として製造するものを掘こたつユニットといい,使用者
が個人用に作製するものを掘こたつ掘り枠という。
なお,上記の構成で格子のないものも含める。
(2) 掘こたつ熱源 掘こたつユニット又は掘こたつ掘り枠の熱源収納部に収納される採暖用発熱体を内蔵
した熱源。
(3) 掘こたつセット 掘こたつユニットと掘こたつ熱源とを組み合わせたもの。
2
C 9209-1993
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(4) 本体 採暖用発熱体を収納したもので,卓用こたつの卓及び脚を含める。
(5) コントローラ 本体の入・切又は温度を調節若しくは変化させるための装置で,本体からコードを介
して分離しているもの。
(6) 器体 本体及びコントローラの総称。
(7) 格子 掘こたつユニット及び掘こたつ掘り枠に使用するもので,足収納部と熱源収納部間に設けられ
る通気自在な区切り枠。
(8) 箱 掘こたつユニット及び掘こたつ掘り枠の熱源収納部を構成する箱。
(9) 卓 卓用こたつ,掘こたつユニット及び掘こたつ掘り枠を構成するもの。
備考 上に掛けるふとんなどの保温材を支持し,脚を用いてひざ収納部や採暖用空間を構成する。
(10) 上板 卓用こたつ及び掘こたつユニットに使用するもので,卓の上に掛けたふとんなどの保温材の上
に置くテーブル状板材。
(11) 送風装置 ファン及び駆動用の電動機を備え,採暖用発熱体で暖められた空気を採暖用空間内部に送
風する装置。
(12) 設定温度 温度保証点における製造業者が指定する温度。
(13) 清水 上水道の水道水。
(14) ランプ式発熱体 フィラメント部が発熱する電球形発熱体。
(15) 発熱部の外郭 採暖用発熱体を収納した保護網などで包まれた外周囲。
(16) 発熱部の取付部 卓用こたつに適用するもので,発熱部の外郭と卓の接するところ。
(17) 発熱体の保護カバー シーズヒータ,マイカヒータなどの発熱体の周囲に設けられた金網などの通気
自在な材料で構成されるカバー。
(18) 繊維電着加工 金属などの材料に繊維粉を静電作用で塗布した加工。
(19) 保温カバー 卓用こたつに使用されるもので,卓の周囲を覆い,足腰を入れる採暖用空間を形成する
専用の布製カバー。
(20) 保護網 卓用こたつの発熱部の外郭を構成する網。
図1 掘こたつの各部位の名称
3
C 9209-1993
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図2 卓用こたつの各部位の名称
3. 定格電圧及び定格周波数 定格電圧は,単相交流100Vとし,定格周波数は50Hz/60Hz共用とする。
4. 種類 こたつ類の種類は,使用状態によって分類し,表1のとおりとする。
表1 こたつ類の種類
種類
使用状態など
使用の状態図
こ
た
つ
掘こたつ
掘こたつ掘り枠又は掘こたつユニットと掘こたつ熱源を組
み合わせて使用されるもので,布団などの保温材を掛け,床
面上に腰かけて使用するものをいう(掘こたつセットを含
む。)。
卓用
こたつ
床面上に置いて使用されるもので,卓の内部に発熱部をも
ち,布団などの保温材を掛け,卓の下部の空間に使用者の手
足を入れて使用するものをいう。
あ
ん
か
ソフト
あんか
主として寝具の中に入れて使用し,足もとを暖めるもので,
本体の外部の材料が,繊維,ゴムその他これらに類するもの
であって,発熱部や本体全体が柔軟性をもつものをいう。
ハード
あんか
主として寝具の中に入れて使用し,足もとを暖めるもので,
発熱体や本体全体が硬質のものをいう。
5. 性能
5.1
電圧変動 電圧変動は,8.2によって試験を行ったとき,支障なく使用できるものでなければならな
い。
5.2
消費電力 消費電力は,8.3によって試験を行ったとき,次の各項に適合しなければならない。
(1) 消費電力は,定格消費電力に対して表2に適合すること。
4
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表2 消費電力の許容差
定格消費電力
W
許容差
%
100以下
±15 +
15
−20
100を超え1 000以下
±10 +10
−15
1 000を超えるもの
+ 5 + 5
−10 −12
備考 括弧内の数値は,サイリスタ,その
他これに類するものを発熱体に直
列に接続した場合に適用する。
(2) 半導体素子その他これに類する抵抗温度係数が大きいものを発熱体とするもの,又はサイリスタその
他これに類する制御機構を用いたものであって,使用状態の変化に応じて消費電力が変化し,その定
格消費電力を最大及び最小の範囲で示すことがやむを得ないものは当該最大及び最小の範囲内である
こと。
5.3
絶縁
5.3.1
絶縁抵抗 絶縁抵抗は,8.4.1によって試験を行ったとき,1MΩ以上でなければならない。
5.3.2
浸水絶縁抵抗 ソフトあんかの浸水絶縁抵抗は,8.4.2によって試験を行ったとき,浸水中は0.3MΩ
以上,乾燥後は,1MΩ以上でなければならない。
5.3.3
耐湿絶縁抵抗 ソフトあんかの耐湿絶縁抵抗は,8.4.3によって試験を行ったとき,耐湿試験後は,
0.3MΩ以上,乾燥後は,1MΩ以上でなければならない。
5.3.4
耐電圧 耐電圧は,8.4.4によって試験を行ったとき,これに耐えなければならない。
5.3.5
漏れ電流 漏れ電流は,8.4.5によって試験を行ったとき,1mA以下でなければならない。
5.4
温度
5.4.1
平常温度 平常温度は,8.5.2によって試験を行ったとき,こたつの各部の温度は,表3の値以下,
あんかの各部の温度は,表4の値以下でなければならない。
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表3 温度
単位℃
測定箇所
温度
掘こたつ
卓用こたつ
発熱部
の外郭
人が容易に触れるおそれがあるもの
120
人が触れるおそれがないもの
250
発熱部の取付部
130
卓の表面
上面
110
下面
130
その他
100
箱
底面
95
−
内部表面(格子下方を除く。)
100
−
格子の下面
150
−
発熱体又は発熱体の保護カバー
440 (400)
(400)
試験品を置く木台の表面
−
80
巻線
A種絶縁のもの
100
E種絶縁のもの
115
B種絶縁のもの
回転機の巻線に適用
120
その他
125
F種絶縁のもの
回転機の巻線に適用
140
その他
150
H種絶縁のもの
回転機の巻線に適用
165
その他
170
整流体(交流側電源
回路に使用するもの
に限る。)
シリコン製のもの
135
ヒューズクリップの接触部
90
コントローラの点滅
器などのつまみ及び
押しボタン
金属製のもの,陶磁器製の
もの及びガラス製のもの
60
その他のもの
75
コントローラの外郭
金属製のもの,陶磁器製の
もの及びガラス製のもの
55
その他のもの
70
コントローラを置く木台の表面
70
備考1. 基準周囲温度は,20℃とする。
2. 括弧内の数字は,温度がほぼ一定となった後に適用する。
3. コントローラを置く木台の表面は,本体からコードを介して分離された
コントローラに適用する。
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表4 温度
単位℃
測定箇所
温度
外郭の外面
ソフトあんか
70
ハードあんか
90
通気孔
110
ハードあんかの発熱体又は発熱体の保護カバー
440 (400)
ソフトあんかの発熱体の表面の可燃物に接する箇所
120
備考1. この表において,基準周囲温度は,20℃とする。
2. 括弧内の数字は,温度がほぼ一定となった後に適用する。
3. ソフトあんかの外郭の外面の温度は,その表面の一辺が
65mmの正方形で厚さが0.5mmの表面が平らな銅板を取り
付け,その銅板に熱電温度計の感温部を取り付けて測定す
る。
5.4.2
異常温度 8.5.3によって試験を行ったとき,次の各項に適合しなければならない。
(1) こたつは,8.5.3(1)によって試験を行ったとき,試験品,木台,箱,卓,やぐら,格子,ふとんなどが
燃焼するおそれがなく,かつ,直流500ボルト絶縁抵抗計によって測定した充電部と器体の表面との
間の絶縁抵抗は,0.1MΩ以上であること。
(2) こたつであって電動機をもつものは,(1)の性能を満たすほか,8.5.3(2)によって試験を行ったとき,試
験品,木台,箱,卓,格子,ふとんなどが燃焼するおそれがなく,かつ,直流500ボルト絶縁抵抗計
によって測定した充電部と器体の表面との間の絶縁抵抗は,0.1MΩ以上であること。
(3) 卓用こたつは,(1)及び(2)の性能を満たすほか,8.5.3(3)によって試験を行ったとき,試験品,木台,綿
ふとん又は保温カバーが燃焼するおそれがなく,かつ,直流500ボルト絶縁抵抗計によって測定した
充電部と器体の表面との間の絶縁抵抗は,0.1MΩ以上であること。
(4) ソフトあんかは,8.5.3(4)によって試験を行ったとき,各部の温度は表5の値以下であり,かつ,直流
500ボルト絶縁抵抗計によって測定した充電部と器体の表面との間の絶縁抵抗は,0.1MΩ以上である
こと。
(5) ハードあんかは,次の各項に適合しなければならない。
(a) 8.5.3(5)(a)によって試験を行ったとき,試験品,ふとんが燃焼するおそれがなく,かつ,直流500ボ
ルト絶縁抵抗計によって測定した充電部と器体の表面との間の絶縁抵抗は,0.1MΩ以上であること。
(b) 8.5.3(5)(b)によって試験を行ったとき,各部の温度は表6の値以下であり,かつ,直流500ボルト絶
縁抵抗計によって測定した充電部と器体の表面との間の絶縁抵抗は,0.1MΩ以上であること。
表5 温度
単位℃
測定箇所
温度
外郭の外面
100
発熱体の表面の可燃物に接する箇所
150
備考1. この表において,基準周囲温度は,20℃とする。
2. 器体の外郭の表面の温度は,その表面の一辺が
65mmの正方形で厚さが0.5mmの表面が平らな
銅板を取り付け,その銅板に熱電温度計の感温
部を取り付けて測定するものとする。
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表6 温度
単位℃
測定箇所
温度
外郭の外面
100
通気孔
120
発熱体又は発熱体の保護カバー
440 (400)
備考1. この表において,基準周囲温度は,20℃とする。
2. 括弧内の数字は,温度がほぼ一定になった後に適用する。
5.5
温度分布 卓用こたつ,あんか[動物や人形を形どったがん(玩)具形を除く。]は,8.6によって
試験を行ったとき,温度分布は,各点の平均温度の平均値と各点の平均温度との差が,±10℃でなければ
ならない。
5.6
温度保証点温度の許容差 卓用こたつ,あんかは,8.7によって試験を行ったとき,自動温度調節器
の目盛が最高調節位置及び最低調節位置において,温度保証点の温度と設定温度との差は,±10℃でなけ
ればならない。
5.7
機械的強度
(1) 卓用こたつ,あんか及び掘こたつユニットは,8.8(1)によって試験を行ったとき,各部にひび,割れそ
の他の異常を生じないこと。
(2) 卓用こたつ,掘こたつセットは,(1)の試験のほか,8.8(2)〜(4)の方法で試験したとき,各部にひび,
割れその他の異常を生じないこと。
(3) 本体から分離したコントローラ及びあんかは,8.8(5)によって試験を行ったとき,通電不能となっても
よい。が,充電部が露出せず,かつ,短絡を生じないこと。
また,直流500ボルト絶縁抵抗計によって測定した充電部と器体の表面との間の絶縁抵抗は,0.1MΩ
以上あること。さらに,通電できるものは,こたつは5.4.2(1)の規定に,ソフトあんかは5.4.2(4)の規
定に,ハードあんかは,5.4.2(5)(a)の規定に適合するものであること。
5.8
摩擦強度 ハードあんかであって,外郭が金属などの上に布張り又は繊維電着加工を施したものに
ついては,8.9の方法で試験を行ったとき,生地が露出してはならない。
5.9
耐久性
5.9.1
ランプ式発熱体の耐久性 ランプ式発熱体は,8.10.1によって試験を行ったとき,断線してはなら
ない。
5.9.2
コードの折曲げ
(1) 器体とコードとの接続部の折曲げ 器体とコードとの接続部(器体とコードの接続に着脱自在な接続
器を用いたものを含む。)は,8.10.2(1)によって試験を行ったとき,コードの素線の断線率は20%以下
であり,かつ,コードに短絡を生じてはならない。
(2) コード付き一体成形の差込プラグのコード接続部の折曲げ コード付き一体成形の差込プラグのコ
ード接続部は,8.10.2(2)によって試験を行ったとき,コードの素線の断線率は20%以下であり,かつ,
コードに短絡を生じてはならない。
5.9.3
自動温度調節器の耐久性 自動温度調節器は,8.10.3によって試験を行ったとき,次の各項に適合
しなければならない。ただし,8.10.3による開閉回数が5 000回以下の場合は,この試験は行わない。
(1) 各部に異常を生じないこと。
(2) 開閉試験後の動作温度は,開閉試験前に比べ,107
−+℃であること。
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5.10 自動温度調節器及び自動復帰形温度過昇防止装置の性能 採暖用発熱体から発生する熱によって動
作し,接点を機械的に開閉することによって温度を調節する構造の自動温度調節器及び自動復帰形温度過
昇防止装置をもつものは,次の各項に適合しなければならない。
(1) 開閉性能 開閉性能は,8.11.1によって試験を行ったとき,各部に異常がないこと。
(2) 動作温度 動作温度は,8.11.2によって試験を行ったとき,表7に適合すること。
表7 動作温度の許容差
種別
許容範囲
開
閉
試
験
前
自動温度調節器 開路したときの温度の平均値と閉路したときの温度の平均値との平均値が,その設定温度
に対し設定温度が100℃未満のものは±5℃,100℃以上のものは±5%。
自動復帰形温度
過昇防止装置
開路したときの温度の平均値が設定温度に対して±15℃。
開
閉
試
験
後
自動温度調節器 開路したときの温度の平均値と閉路したときの温度の平均値との平均値が,開閉試験前に
測定したその値に対して設定温度が100℃未満のものは±5℃,100℃以上のものは±5%。
自動復帰形温度
過昇防止装置
開路したときの温度の平均値が,開閉試験前に測定したその値に対して設定温度が100℃
未満のものは±5℃,100℃以上のものは±5%。
5.11 温度過昇防止用自動スイッチの性能 採暖用発熱体から発生する熱によって動作し,接点を機械的
に開閉する温度過昇防止用自動スイッチをもつものは,次の各項に適合しなければならない。
(1) 開閉性能 開閉性能は,8.12.1によって試験を行ったとき,各部に異常がないこと。
(2) 動作温度 動作温度は,8.12.2によって試験を行ったとき,表8に適合すること。
表8 動作温度の許容差
種別
許容範囲
開閉試験前
開路したときの温度の平均値が,設定温度に対して±15℃。
開閉試験後
開路したときの温度の平均値が,開閉試験前に測定したその値に対し
て設定温度が100℃未満のものは±5℃,100℃以上のものは±5%。
5.12 始動特性 電動機をもつものは,8.13によって試験を行ったとき,電動機が回転子の位置に関係な
く始動しなければならない。
5.13 上板表面抵抗 卓用こたつ,掘こたつセットの上板は,8.14によって試験を行ったとき,JIS A 1531
の評価基準4等級以上でなければならない。
5.14 塗膜密着度 木部塗装をもつものは,8.15によって試験を行ったとき,塗膜のはがれは5個以内で
なければならない。
5.15 保護網強度 卓用こたつは,8.16によって試験を行った後,8.5.2の平常温度試験を行ったとき,発
熱部の外郭温度は150℃以下でなければならない。
5.16 繰返しおもり落下強度 卓用こたつは,8.17によって試験を行ったとき,断線などの異常が生じて
はならない。
6. 構造
6.1
構造一般 構造は,次の各項に適合しなければならない。
(1) 通常の使用状態で危険が生じるおそれがなく,十分な耐久性をもち,形状が正しく,組立が良好で,
かつ,動作が円滑であること。
(2) 掘こたつ熱源の脚は,堅固に取付けができる構造とすること。また,卓用こたつの卓,脚部,その他
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の構造は強固であること。
(3) 金属製のふた又は箱のうち,スイッチが開閉したときアークが達するおそれがある部分には,耐アー
ク性の電気絶縁物を施してあること。
(4) 温度上昇によって危険が生じるおそれがあるものは,温度過昇防止装置(温度ヒューズを含む。)を,
過電流によって危険が生じるおそれがあるものは,過電流保護装置をそれぞれ取り付けてあること。
この温度過昇防止装置及び過電流保護装置は,通常の使用状態において動作しないこと。
(5) ヒューズを取り付けるものは,その銘柄又はヒューズ取付部の近傍に,電流ヒューズは定格電流を,
温度ヒューズは定格動作温度を容易に消えない方法で表示すること。ただし,取り替えることができ
ないヒューズは,この限りでない。
(6) 吸湿することによって部品の燃焼,充電部の露出などの危険が生じるおそれがある部分は,防湿処理
を施してあること。
(7) 電動機を使用するものは,通常の使用状態において電動機の回転が妨げられない構造であること。た
だし,電動機の回転が妨げられた場合において,危険が生じるおそれがないものを除く。
(8) 通常の使用状態において人が触れるおそれがある可動部分は,容易に触れるおそれがないように,適
切な保護枠又は保護網を取り付けてあること。ただし,機能上可動部分を露出して使用することがや
むを得ないものの可動部分及び可動部分に触れたときに感電,傷害などの危険が生じるおそれがない
ものは,この限りでない。
(9) 人が容易に触れるおそれがある内部の箇所に金属,ガラス及び陶磁器を使用していないこと。
(10) 卓用こたつは,卓と熱源が一体になっていること。
(11) 掘こたつ熱源には,卓及び箱の寸法を本体の表面の見やすい箇所に容易に消えない方法で表示してあ
ること。
(12) 使用者が操作するスイッチをもつものは,スイッチの開閉操作又は開閉状態を文字,記号,色又は光
によって見やすい箇所に表示すること。
(13) 発熱体の取付部は,次によること。
(a) 発熱体は,堅ろうに取り付けてあること。
(b) 発熱体の取付面は,重力又は振動によって容易に動かないこと。
(c) 電熱線は,これが断線した場合に,人が容易に触れるおそれがある非充電金属部又はこれと電気的
に接続している非充電金属部に触れるおそれがないように取り付けてあること。
(14) 外郭は,質量が250gで,JIS K 7202に規定するロックウェル硬さHRR100の硬さに表面をポリアミ
ド加工した,半径10mmの球面をもつおもりを20cmの高さから垂直に1回落下させたとき,又は付
図1に示す衝撃試験機で0.5±0.05N・m {0.05±0.005kgf・m} の衝撃力を1回加えたとき,感電,火災
などの危険が生じるおそれがあるひび,割れ,その他の異常が生じないこと。ただし,器体の外面に
露出している表示灯,ヒューズホルダ,その他これらに類するもの及びこれらの保護カバーであって,
表面積が4cm2以下であり,かつ,器体の外郭の表面から10mm以上突き出していないものを除く。
(15) 合成樹脂製の外郭(透光性又は透視性を必要とするもの及び機能上可とう性,機械的強度などを必要
とするものを除く。)をもつものは,その外郭の外面の9cm2以上の正方形の平面部分(外郭に9cm2
以上の正方形の平面部分をもたないものは原厚のまま,一辺の長さが3cmの正方形に切り取った試験
片)を水平面に対して約45°に傾斜させた状態に置いて当該平面部分の中央部に,JIS K 2240で定め
る1種1号のガス又はこれと同等のガスを,ノズルの内径が0.5mmのガスバーナの空気口を閉じた状
態で燃焼させた長さ約20mmの炎の先端を下から鉛直に5秒間当て,炎を取り去ったとき,燃焼しな
10
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いものであること。
(16) 発生する雑音の強さは,次に適合すること。
(16.1) 雑音電力は,吸収クランプで測定したとき,周波数が30MHz以上300MHz以下の範囲において,
55dB以下であること。この場合,デシベル (dB) は1pWを0dBとして算出した値とする。
(16.2) 雑音端子電圧は,一線対地間を測定したとき,次に適合すること。
(a) 連続性雑音端子電圧は,表9の左欄に掲げる周波数範囲ごとに同表の右欄に掲げる値以下であるこ
と。この場合,デシベル (dB) は1μVを0dBとして算出した値とする[以下,(b)において同じ。]。
表9 連続性雑音端子電圧
周波数範囲
連続性雑音端子電圧
dB
526.5kHz以上 5MHz以下
56
5MHzを超え 30MHz以下
60
(b) 不連続性雑音端子電圧は,表9に掲げる値に表10の左欄に掲げるクリック率ごとに同表の右欄に掲
げる補正値を加えた値以下であること。
表10 補正値
クリック率
N
補正値
dB
0.2未満のもの
44
0.2以上 30以下のもの
20 log10
30を超えるもの
0
備考 Nは,クリック率とし,その単位は回/分と
する。
(17) 半導体素子を用いて温度,回転速度などを制御するものは,それらの半導体素子が制御能力を失った
とき,次に適合すること。
(17.1) 制御回路に接続された部品が燃焼しないこと。ただし,当該回路に接続される一つの部品が燃焼し
た場合,他の部品が燃焼するおそれがないものはこの限りでない。
(17.2) 地絡するおそれがある非充電金属部又は露出する充電部は,次のいずれかに適合すること。
(a) 対地電圧及び線間電圧が交流は30V以下,直流は45V以下であること。
(b) 1kΩの抵抗を大地との間及び線間並びに非充電金属部と充電部との間に接続したとき当該抵抗に流
れる電流は,商用周波数以上の周波数において感電の危険が生じるおそれがない場合を除き,1mA
以下であること。
(17.3) (17.2)の試験後に直流500ボルト絶縁抵抗計によって測定した充電部[対地電圧及び線間電圧が交流
は30V以下,直流は45V以下のもの並びに1kΩの抵抗を大地との間及び線間に接続した場合に当該
抵抗に流れる電流が1mA以下(商用周波数以上の周波数において,感電の危険が生じるおそれがな
いものは,1mA以下であることを要しない。)のものを除く。]と器体の表面との間の絶縁抵抗は,
0.1MΩ以上であること。
(18) 器体とコードとの接続に接続器を用いる場合は,この操作が容易で,確実に,また,安全にできるこ
と。
(19) ソフトあんかは,防水処理を施してあること。
(20) ソフトあんか以外のあんかは,器体の外郭の外面温度を45℃以下に設定できる調整装置をもつこと。
(21) コンデンサをもつものであって,差込刃によって電源に接続するものは,差込刃を刃受けから引き抜
N
30
11
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いたとき,差込刃間の電圧は1秒後において,45V以下であること。ただし,差込刃側から見た回路
の総合静電容量が0.1μF以下であるものを除く。
(22) ヒューズを取り付けるものは,次に適合すること。
(a) ヒューズが溶断することによって,その回路を完全に遮断できること。
(b) ヒューズが溶断する場合にアークによって短絡せず,また,地絡するおそれがないこと。
(c) ヒューズが溶断する場合にヒューズを収めているふた,箱又は台が損傷しないこと。
(d) ヒューズの取付端子は,ヒューズを容易に,かつ,確実に取り付けることができるものであって,
締め付けるときにヒューズのつめが回らないこと。
(e) 皿形座金を使用する場合は,ヒューズ取付面の大きさは,皿形座金の底面の大きさ以上であること。
(f) ヒューズの取付端子のねじは,ヒューズ以外の部品の取付けに兼用しないこと。ただし,ヒューズ
を取り付け又は取り外した場合に,ヒューズ以外の部品の取付けが緩むおそれがないものを除く。
(g) 非包装ヒューズを取り付けるものは,ヒューズと器体との間の空間距離は4mm以上であること。
(23) 電子管,コンデンサ,半導体素子,抵抗器などをもつ絶縁変圧器の二次側の回路,整流後の回路など
は,次の試験を行ったとき,その回路に接続された部品が燃焼しないこと。ただし,当該回路に接続
されている一つの部品が燃焼した場合において他の部品が燃焼するおそれがないものを除く。
(23.1) 電子管,表示灯などは,ヒータ又はフィラメント端子を開放し,その他の端子相互間を短絡するこ
と。
(23.2) コンデンサ,半導体素子,抵抗器,変圧器,コイルその他これらに類するものは,端子相互間を短
絡又は開放すること。
(23.3) (23.1)及び(23.2)に掲げるものであって,金属ケースに収めたものは,端子と金属ケースとの間を短
絡すること。ただし,部品内部で端子に接続された部分と金属ケースとが接触するおそれがないも
のを除く。
(23.4) (23.1)〜(23.3)の試験において短絡又は開放したとき,次に適合すること。
(a) 地絡するおそれがある非充電金属部又は露出する充電部は,対地電圧及び線間電圧が交流は30V以
下,直流は45V以下であるか,又は1kΩの抵抗を大地との間及び線間並びに非充電金属部と充電部
との間に接続したとき当該抵抗に流れる電流は,商用周波数以上の周波数において感電の危険が生
じるおそれがない場合を除き,1mA以下であること。
(b) 試験の後に直流500ボルト絶縁抵抗計によって測定した充電部[対地電圧及び線間電圧が交流は
30V以下,直流は45V以下のもの並びに1kΩの抵抗を大地との間及び線間に接続した場合に当該抵
抗に流れる電流が1mA以下(商用周波数以上の周波数において,感電の危険が生じるおそれがない
場合は,1mA以下であることを要しない。)のものを除く。]と器体の表面との間の絶縁抵抗は,
0.1MΩ以上であること。
(24) 採暖用発熱体の通電を制御する自動温度調節器が,組み込まれていること。
6.2
充電部 充電部は,次の各項に適合しなければならない。
(1) 容易に取り外すことができる部分を取り外した状態で,充電部に付図1の試験指が触れないこと。こ
の場合,試験指に加える力は,30N {3kgf} とする
(2) 極性が異なる充電部相互間,充電部と地絡するおそれがある非充電金属部との間及び充電部と人が触
れるおそれがある非金属部の表面との間の空間距離(沿面距離を含む。)は,器体の部分ごとに,それ
ぞれ表11に規定する値以上であること。空間距離の測定は,器体の外面は30N {3kgf},器体の内部は
2N {200gf} の力を,その距離が最も小さくなるように加えて行うものとする。ただし,絶縁変圧器の
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二次側の回路,整流後の回路などの構造上やむを得ない部分であって,次の試験を行ったとき,これ
に適合する部品はこの限りでない。
(a) 極性が異なる充電部相互間を短絡した場合に,短絡回路に接続された部品が燃焼しないこと。ただ
し,その部品が燃焼した場合,他の部品が燃焼するおそれがないものは,この限りでない。
(b) 極性が異なる充電部相互間,充電部と地絡するおそれがある非充電金属部との間及び充電部と人が
触れるおそれがある非金属部の表面との間を接続した場合に,その非充電金属部又は露出する充電
部の対地電圧及び線間電圧が交流の場合は30V以下,直流の場合は45V以下のもの並びに1kΩの抵
抗を大地との間及び線間並びに非充電金属部と充電部との間に接続したとき,いずれの場合も抵抗
に流れる電流は,商用周波数以上の周波数において感電の危険が生じるおそれがない場合を除き,
1mA以下であること。
(c) (a)の試験後に直流500ボルト絶縁抵抗計によって測定した充電部[対地電圧及び線間電圧が交流の
場合は30V以下,直流の場合は45V以下のもの並びに1kΩの抵抗を大地との間及び線間に接続した
場合に抵抗に流れる電流が1mA以下(商用周波数以上の周波数において,感電の危険が生じるおそ
れがない場合は,1mA以下であることを要しない。)のものを除く。]と器体の表面との間の絶縁抵
抗は,0.1MΩ以上であること。
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表11 空間距離(沿面距離を含む。)
単位mm
器体の部分
線間電圧又は対地電圧
15V以下
15Vを超え
50V以下
50Vを超え
100V以下
耐湿性の絶縁被
膜をもつもの
その他のもの
電
源
電
線
の
取
付
部
製造業者が接続する端子部間
−
−
−
3.0
製造業者が接続する端子部と地絡する
おそれがある非充電金属部又は人が触
れるおそれがある非金属部の表面との
間
−
−
−
2.5
そ
の
他
の
部
分
極性が異なる充電部
間
固定している部
分であって,じ
んあい又は金属
粉が付着しにく
い箇所
0.5
1.0
1.2
1.5
その他の箇所
0.5
1.0
1.5
2.5
充電部と地絡するお
それがある非充電金
属部又は人が触れる
おそれがある非金属
部の表面との間
固定している部
分であって,じ
んあい又は金属
粉が付着しにく
い箇所
0.5
1.0
1.2
1.5
その他の箇所
0.5
1.0
1.2
2.0
6.3
電気絶縁物 電気絶縁物の厚さは,次の各項に適合しなければならない。
(1) 器体の外部の材料が絶縁体を兼ねる場合は,器体に組み込まれる部分を除き,絶縁物の厚さは,0.8mm
(人が触れるおそれがないものは,0.5mm。)以上であって,かつ,ピンホールがないものであること。
ただし,質量が250gで,JIS K 7202に規定するロックウェル硬さHRR100の硬さに表面をポリアミ
ド加工した半径が10mmの球面をもつおもりを20cmの高さから垂直に3回落としたとき,又は付図
2に示す衝撃試験機で0.5±0.05N・m {0.05±0.005kgf・m} の衝撃力を3回加えたとき,感電,火災など
の危険が生じるおそれがあるひび,割れ,その他の異常が生じないものであって,かつ,ピンホール
がないものを除く。
(2) (1)以外のものであって,外傷を受けるおそれがある部分に用いる絶縁物(6.2の規定に適合するため
に使用するものに限る。)の厚さは,0.3mm以上であって,かつ,ピンホールがないものであること。
ただし,次の(a)及び(b)の試験を行ったときこれに適合するものであって,かつ,ピンホールがないも
のを除く。
(a) 表12の左欄に掲げる絶縁物が使用される電圧の区分ごとにそれぞれ同表の右欄に掲げる交流電圧
を加えたとき,連続して1分間これに耐えること。
表12 絶縁物が使用される電圧区分
単位V
絶縁物が使用される電圧の区分
交流電圧
30以下
500
30を超え100以下
1 000
(b) JIS K 5400の8.4.1(試験機法)によって試験を行ったとき,試験片の破れが試験板に届かないこと。
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この場合,鉛筆引っかき値は,JIS S 6006に規定する濃度記号が8Hのものとする。
(3) 外傷を受けるおそれがない部分に用いる絶縁物(変圧器の定格周波数の2倍以上の周波数の定格一次
電圧の2倍に等しい電圧を連続して5分間加えたとき,これに耐える変圧器のコイル部とコイルの立
上り引出線との間の部分及び電動機のコイル部とコイルの立上り引出線との間の部分を除く。)は,
(2)(a)の試験を行ったときこれに適合するものであって,かつ,ピンホールがないものであること。た
だし,絶縁物の厚さが0.3mm以上であって,かつ,ピンホールがないものを除く。
6.4
配線 配線は,次の各項に適合しなければならない。
(1) 充電部相互又は充電部と非充電部との接続部分は通常の使用状態において緩みを生じず,かつ,温度
に耐えること。
(2) コードの貫通孔は,保護スプリング,保護ブッシング,その他の適切な保護装置を使用してある場合
を除き,コードを損傷するおそれがないように面取りその他の適切な保護加工を施してあること。た
だし,貫通部が金属以外のものであって,その部分が滑らかであり,かつ,コードを損傷するおそれ
がないものは,この限りでない。
(3) コードは,本体の外方に向かって本体の自重の3倍の値,コードを取り付けたコントローラのコード
接続部は,コントローラの自重の値の3倍の値(いずれの場合においても本体又はコントローラの自
重の質量の3倍の値が10kgを超えるものは,100N {10kgf},本体又はコントローラの自重の質量の3
倍の値が3kg未満のものは30N {3kgf} の値)の張力を連続して15秒間加えたとき,及び本体又はコ
ントローラの内部に向かってコードの本体又はコントローラ側から5cmの箇所を保持して押し込んだ
とき,その接続部に張力が加わらず,ブッシングが外れるおそれがないこと。
(4) 器体内部の配線は,次に適合すること。
(a) 2N {200gf} の力を電線に加えたときに,高温部に接触するおそれがあるものは,接触した場合に異
常が生じるおそれがないこと。
(b) 2N {200gf} の力を電線に加えたときに,可動部に接触するおそれがないこと。ただし,危険が生じ
るおそれがない場合を除く。
(c) 被覆された電線を固定する場合,貫通部を通す場合,又は2N {200gf} の力を電線に加えたときに他
の部分に接触する場合は,被覆を損傷しないようにすること。ただし,危険が生じるおそれがない
場合は,この限りでない。
(d) 内部配線用接続器によって接続したものは,5N {500gf} の力を接続した部分に加えたとき外れない
こと。ただし,2N {200gf} 以上5N {500gf} 未満の力を加えて外れた場合に危険が生じるおそれが
ないものはこの限りでない。
(5) がい(碍)管に収めた導電部が金属部を貫通する箇所は,導電部が金属部に触れるおそれがないこと。
(6) 電線の取付部は,次に適合すること。
(a) 電線を確実に取り付けることができる構造であること。
(b) 二つ以上の電線を一つの取付部に締め付ける場合は,それぞれの電線の間にナット又は座金を用い
てあること。ただし,圧着端子その他の器具によって確実に取付けができるものは,この限りでな
い。
(c) コード取付端子のねじは,コード以外のものの取付けに兼用しないこと。ただし,コードを取り付
け又は取り外した場合に,コード以外のものが脱落するおそれがないものは,この限りでない。
6.5
部品及び附属品
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6.5.1
コード コードは,JIS C 3301に規定するゴム絶縁平形コード,ゴム絶縁袋打コード,JIS C 3306
に規定するビニル平形コード又はこれらと同等以上のものを用い,許容電流値は表13によらなければなら
ない。
また,電源プラグから本体までの長さ(有効長さ)は,2.9m以上でなければならない。ただし,掘こた
つセットの掘こたつ熱源に使用するものは,この限りでない。
表13 許容電流値
公称
断面積
(mm2)
素線数
直径
(本/mm)
(例)
絶縁物の種類
ビニル混合物(耐熱
性をもつものを除
く。),天然ゴム混合
物
ビニル混合物(耐熱
性をもつものに限
る。),スチレンブタ
ジエンゴム混合物,
クロロプレンゴム
混合物
エチレンプロピレ
ンゴム混合物
けい素ゴム混合物,
クロロスルホン化
ポリエチレンゴム
混合物
許容電流 (A)
0.75
30/0.18
7
8
9
10
1.25
50/0.18
12
14
15
17
2.0
37/0.26
17
20
22
24
3.5
45/0.32
23
28
29
32
備考 この表にない断面積をもつコードの許容電流値は,各断面積の許容電流の値を直線で結ぶ補間法によって
求めた値とする
6.5.2
ヒューズ ヒューズは,次の各項に適合しなければならない。
(1) 可溶体の材料は,容易に変質しないものであること。
(2) 取付端子の材料は,取付けに支障がない硬さであること。
6.5.3
スイッチ 電源を直接開閉するスイッチは,JIS C 8304に規定するもの又はこれと同等以上の性能
をもつものを用いなければならない。
6.5.4
差込接続器 差込接続器は,次の各項に適合しなければならない。
(1) コードの電源側接続端には,JIS C 8303に規定する差込プラグ又はこれと同等以上の性能をもつもの
を用いなければならない。
(2) 器体とコードとの接続に接続器を用いるものは,次に適合すること。
(a) 刃及び刃受けかん合に関する部分の寸法は,JIS C 8303又はJIS C 8358に規定する寸法のものであ
ること。ただし,接続器の定格電流が3A以下のものであって,その構造上,接続器を小形にする
ことがやむを得ないものは,この限りでない。
(b) 刃及び刃受けのかん合部は,すり割り形又はこれと同等以上の弾性をもつ構造であること。
(c) 差込刃受けをもつ接続部分は,150±3℃の空気中に1時間放置後冷却したとき,各部に緩み,膨れ,
ひび,割れ,変形その他の異常が生じないこと。
(d) 定格電圧を印加し,毎分20回の速さで定格電流を通じて5 000回の開閉試験を行った後,引き続い
て始動電流を通じて5 000回の開閉試験を行ったとき,短絡,溶着などの異常を生じないこと。た
だし,最初の5 000回開閉後の刃受け又は受け金の導電部の温度上昇値は,40℃以下であること。
(e) 刃(ピン)受けのあるものは,(d)の試験前後において接続器を抜くために要する力は,表14に示
すとおりとする
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表14 接続器の引抜力
区分
引抜力
N {kgf}
極数が2のもの
5以上 60以下
{0.5以上 6以下}
極数が3のもの
7.5以上 60以下
{0.75以上 6以下}
極数が4以上のもの
10以上 80以下
{1以上 8以下}
6.5.5
自動温度調節器及び自動復帰形温度過昇防止装置 接点を機械的に開閉する自動温度調節器及び
自動復帰形温度過昇防止装置は,次の各項に適合しなければならない。
(1) 構造が丈夫で,動作が確実であり,かつ,電路開閉のときに,連続アークを生じないこと。
(2) じんあいのために故障を起こすおそれが少ない構造であること。
(3) 温度可変形のものの動作温度の調節については,操作が容易に確実にできること。
6.5.6
温度過昇防止用自動スイッチ 接点を機械的に開閉する温度過昇防止用自動スイッチは,構造が丈
夫であり,動作が確実で,かつ,アークによって短絡しない構造でなければならない。
7. 材料 材料は,次の各項に適合しなければならない。
(1) 器体の材料は,通常の使用状態における温度に耐えること。
(2) 電気絶縁物及び熱絶縁物は,これに接触又は近接する部分の温度に十分耐え,かつ,吸湿性の少ない
ものであること。ただし,吸湿性のある熱絶縁物であって,通常の使用状態において危険の生じるお
それがないものは,この限りでない。
(3) アークが達するおそれがある部分に使用する電気絶縁物は,アークによる有害な変形及び有害な絶縁
低下などの変質を生じないものであること。
(4) 鉄及び鋼(ステンレス鋼を除く。)は,めっき,塗装,油焼きその他の適切なさび止めを施してあるこ
と。ただし,酸化することによって危険が生じるおそれがない部分に使用するものは,この限りでな
い。
(5) 導電材料は,次に適合すること。
(a) 刃及び刃受けの部分は,銅又は銅合金であること。
(b) 導電材料であって(a)以外の部分は,銅,銅合金,ステンレス鋼又はこれらと同等以上の電気的,熱
的及び機械的な安定をもつものを用いなければならない。ただし,めっきを施さない鉄若しくは鋼
又は弾性を必要とする部分その他構造上やむを得ない部分であって危険が生じるおそれがないとき
は,この限りでない。
(6) 電源電線用端子ねじの材料は,銅,銅合金又はステンレス鋼であること。
(7) 人が触れる状態で使用する部分は,その表面が滑らかであって,かつ,高温となる部分の材料には熱
伝導率の小さい材料(木材,合成樹脂,布で覆った金属など。)を用いなければならない。
(8) 電熱線(帯)は,JIS C 2520の電熱用鉄クロム線2種又はこれと同等以上の性能をもつものを用いな
ければならない。
(9) 器体の材料は,ニトロセルロース系セルロイドその他これに類する可燃性物質,ポリ塩化ビフェニル
を含有したもの,及び人体に有害な材料を使用しないこと。
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8. 試験方法
8.1
構造試験 構造試験は,6.,7.,10及び11.に適合しているかどうかを調べる。
8.2
電圧変動試験 電圧変動試験は,8.5.1及び8.5.2(1)〜(3)の試験条件において,電源電圧を定格電圧
の上下に10%変動させて通電する。
8.3
消費電力試験 消費電力試験は,8.5.1及び8.5.2(1)〜(3)の試験条件において,定格電圧を加え,消
費電力の値がほぼ一定となったときの消費電力を測定する。
8.4
絶縁試験
8.4.1
絶縁抵抗試験 絶縁抵抗試験は,8.5.2の試験の前後において,直流500ボルト絶縁抵抗計によっ
て,充電部と器体の表面[外郭が金属製以外のものは,器体にすきまなく当てた金属はく(以下,同じ。)。]
との間の絶縁抵抗を測定する。
8.4.2
浸水絶縁試験 浸水絶縁試験は,8.4.4の試験の後において,コードの接続部以外の部分を清水中
に3分間浸し(コードの接続部については,8.4.3の試験を行う。),直流500ボルト絶縁抵抗計によって充
電部と清水との間の絶縁抵抗を測定する。この試験の後に本体を自然乾燥させ,直流500ボルト絶縁抵抗
計によって充電部と本体の表面との間との絶縁抵抗を測定する。
8.4.3
耐湿絶縁試験 耐湿絶縁試験は,45±3℃の下に4時間本体を放置した後,周囲温度が40±3℃,
相対湿度が88%以上92%以下の状態に24時間保った後に本体の外郭表面に付着した水分をふき取り,直
流500ボルト絶縁抵抗計によって充電部と本体の表面との間の絶縁抵抗を測定する。この試験の後に本体
を自然乾燥し,直流500ボルト絶縁抵抗計によって,充電部と本体の表面との間の絶縁抵抗を測定する。
この場合,入力調整用及び温度調節用でコードに取り付けたコントローラは,この試験は行わない。
8.4.4
耐電圧試験
(1) 耐電圧試験は,8.5.2の直後に行う8.4.1の試験の後,充電部と器体の表面との間に,周波数50Hz又は
60Hzの正弦波に近い1 000Vの電圧を連続して1分間加える。ただし,多数個の場合は,1 200Vの電
圧を1秒間加えることによって,これに代えることができる。
(2) 絶縁変圧器をもつものは,変圧器の二次側の電圧で充電される部分と器体の表面との間及び変圧器の
巻線相互間に表15に掲げる値の交流電圧を連続して1分間加える。この場合において,巻線相互間の
試験を行う場合の電圧区分は,変圧器の一次側又は二次側のいずれか高い電圧によるものとする。
表15 耐電圧試験
単位V
電圧の区分
交流電圧
30以下
500
30を超え 100以下
1 000
8.4.5
漏れ電流試験 漏れ電流試験は,8.5.1及び8.5.2(1)〜(3)の試験条件において,定格電圧に等しい電
圧を加え,充電部と器体の表面又は器体の表面と大地との間に1kΩの抵抗を接続してそこに流れる電流を
測定する。ただし,器体の外郭が金属性以外のものは,器体の表面に10×20cmの金属はくを当てて測定
する。
8.5
温度試験
8.5.1
試験条件
(1) 試験条件は,表16及び図3による。
(2) 周囲温度は,20±5℃とする。
(3) 消費電力を最大に設定する。
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(4) 風量調節装置をもつものは,その風量調節装置のノッチを最小風量に設定する。
(5) 卓用こたつであって上板が一組になっているものは,図3に示す綿ふとんの上に上板をきちんと置い
た状態で行う。
表16 温度試験条件
種類など
試験条件
掘こたつ熱源
図3(a)に示す寸法の掘こたつ掘り枠に取り付け,卓部を周囲約5cmの綿ふとんで覆う。ただし,
6.1(11)で示された寸法が図3(a)で表示された寸法と相違するときは,表示された寸法どおりの掘
こたつ掘り枠を用いて試験する
掘こたつセット
専用の掘こたつユニットに掘こたつ熱源を取り付け,卓部を周囲約5cmの綿ふとんで覆う。
卓用こたつ
図3(b)に示すように平らな木板(厚さ10mm以上)の上において行う。保温カバーをもたないも
のは,卓の周囲を厚さ約5cmの綿ふとんで覆う。
あ
ん
か
ハードあんか 試験品を正常位置に置き,厚さが約5cmの綿ふとんで全面を覆う。
ソフトあんか 試験品を正常位置に置き,厚さが約5cmの綿ふとん又は厚さが約5cmの耐熱性のポリウレタンフ
ォームで試験品の全面を覆う。
備考 “綿ふとん”とは,JIS L 2001に規定する綿ふとんわた1級で,2kg/m2のものを標準として使用する(以下,
同じ。)。
図3 温度試験条件
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8.5.2
平常温度試験 平常温度試験は,こたつ又はあんかを8.5.1の条件のもと,次の試験条件において,
熱電温度計法(巻線温度の測定は抵抗法)で,こたつは表3,あんかは表4の各部の温度を測定する。
(1) 定格周波数の定格電圧を各部の温度がほぼ一定となるまで連続して加える。
(2) 自動温度調節器(温度過昇防止装置として使用するものを除く。)及び室温に応じて発熱体の温度を調
整する温度調節器をもつものは,その動作温度を最高温度に設定して行う。
(3) 速度調整装置をもつものは,その速度調整装置のノッチを最高速度及び最小速度に設定して行う。
8.5.3
異常温度試験 異常温度試験は,8.5.1の試験条件のもと,次の試験条件において熱電温度計法に
よって各部の温度を測定する。
(1) 自動温度調節器及び室温に応じて発熱体の温度を調整する温度調節器をもつものは,その接点を短絡
し,定格周波数に等しい周波数の定格電圧に等しい電圧を各部の温度上昇がほぼ一定となるまで(温
度ヒューズ又は温度過昇防止装置として使用する自動スイッチが動作したときは,そのときまで)連
続して加える。この場合,速度調整装置をもつものは,その速度調整装置のノッチを最高速度及び最
低速度に設定し,それぞれ試験を行う。
(2) 電動機をもつものは,電動機を拘束し,自動温度調節器(温度過昇防止装置として使用するものを除
く。)及び室温に応じて発熱体の温度を調整する温度調節器をもつものは,その動作温度を最高温度に
設定し,定格周波数に等しい周波数の定格電圧に等しい電圧を各部の温度上昇がほぼ一定となるまで
(温度ヒューズ又は温度過昇防止装置として使用する自動スイッチが動作したときは,そのときまで)
連続して加える。
(3) 卓用こたつは,自動温度調節器(温度過昇防止装置として使用するものを除く。)及び室温に応じて発
熱体の温度を調整する温度調節器をもつものは,その動作温度を最高温度に設定し,保温カバーをも
たないものは卓の周囲(自動温度調節器が取り付けられている側面を除く。)を厚さが約5cmの綿ふ
とんで覆い,保温カバーをもつものは,自動温度調節器が取り付けられている側面の保温カバーを外
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し,定格周波数の定格電圧を各部の温度がほぼ一定となるまで(温度ヒューズ又は温度過昇防止装置
として使用する自動スイッチが動作したときは,そのときまで)連続して加える。この場合,速度調
整装置をもつものは,その速度調整装置のノッチを最高速度及び最低速度に設定し,それぞれ試験を
行う。
(4) ソフトあんかであって,自動温度調節器をもつものは,自動温度調節器の接点を短絡し,定格周波数
の定格電圧を各部の温度上昇がほぼ一定となるまで(温度ヒューズ又は温度過昇防止装置として使用
する自動スイッチが動作したときは,そのときまで)連続して加える。
(5) ハードあんかは,次の各項に適合すること。
(a) 自動温度調節器の接点を短絡し,定格周波数の定格電圧を各部の温度上昇がほぼ一定となるまで(温
度ヒューズ又は温度過昇防止装置として使用する自動スイッチが動作したときは,そのときまで)
連続して加える。
(b) 試験品を横転及び反転した状態[8.5.1(1)の試験条件を除く。]で,自動温度調節器は,その動作温
度を最高温度に設定し,周囲を厚さが約5cmの綿ふとんで覆い,定格周波数の定格電圧を各部の温
度がほぼ一定となるまで(温度ヒューズ又は温度過昇防止装置として使用する自動スイッチが動作
したときは,そのときまで)連続して加える。
8.6
温度分布試験 温度分布試験は,8.5.2の平常温度試験の状態で行い,測定点は図4及び図5の箇所
とする。
(1) 卓用こたつでは,下から150mmの脚の内側を結んだ四辺形の辺上の各辺の長さを三等分した各2点
と,温度保証点の合計9点の温度を測定する(図4参照)。
図4
備考 温度保証点は,自動温度調節器の調節つまみのある面の中央で,床面から150mmの高さ
の点とする。ただし,リモコン方式などで調節つまみのない場合はコードの出ている面と
する。コードが角から出ている場合は,コードの出ている所の左側の面とする。
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(2) ハードあんかは,通常の使用状態(平常温度試験参照)で採暖する面の中央(温度保証点)及び周囲
4点の温度を測定する(図5参照)。
図5
備考1. ソフトあんかも図5に準じる
2. 両面が使用できるものは,それぞれの面について試験を行う。ただし,温度保証点は,
いずれか温度の高い面の中央とする。
また,がん(玩)具形(例えば,動物又は人形を形どったもの。)の温度保証点は,あ
んかの最も広い面の幾何学的中心点とする。
8.7
設定温度許容差試験 設定温度許容差試験は,8.5.1の試験条件のもと次の試験条件において,定格
周波数に等しい周波数の定格電圧に等しい電圧を図4及び図5に示す温度保証点温度がほぼ一定となるま
で連続して加え,熱電温度計法によって温度保証点の温度がほぼ一定となったときの温度と設定温度との
差を求める。ただし,自動温度調節器が切・入の動作を連続して繰り返すものは,切の動作をしたときの
温度保証点の温度がほぼ一定となった後,引き続き自動温度調節器が入及び切の動作を連続10回(入・切
をもって1回と数える。)繰り返したときの温度保証点の温度を測定して各回ごとの最低温度と最高温度の
平均値を算出し,その10回の平均値と設定温度との差を求める。
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(1) 室温に応じて発熱体の温度を調整する温度調節器をもつものは,その動作温度を最高温度に設定する。
(2) 速度調整装置をもつものは,その速度調整装置のノッチを最小速度に設定する。
(3) 自動温度調節器(温度過昇防止装置として使用するものを除く。)は,目盛を最高調節位置及び最低調
節位置に設定する。
8.8
機械的強度試験 機械的強度試験は,次のとおり行う。
(1) 試験品を厚さが10mm以上の表面が平らな木台の上に通常の使用状態に置き,底面の形状が正方形で
あって,その一辺の長さが約100mm,厚さ30mmの砂袋を介して質量60kg(砂袋の質量を含む。)の
おもりを上部に1分間置く。
(2) 卓用こたつ,掘こたつセットは,卓の大きさ以上の丈夫な板又は附属の上板を載せ,その中央に質量
120kg(板の重さを含む。)のおもりを1分間置く。
(3) 卓用こたつ,掘こたつセットは,図6に示すように,こたつ上面中央部に質量30kgのおもりを置いた
まま,こたつの2本の脚を固定し(掘こたつセットは,セットとして組み立てた状態。),固定した脚
と直角方向に200N {20kgf} の力で1分間に20回の割合で1 000回引っ張る。
図6 機械的強度試験
(4) 卓用こたつ,掘こたつセットで,上面に設置される上板がセットになっているものにあっては,ふと
んを掛けない通常の使用状態に所定の上板をセットし,その上板の中央部に,底面の形状が正方形で
あって,その一辺の長さが約300mm,厚さが約30mmの砂袋を介して質量200kg(砂袋の重さを含む。)
のおもりを1分間置く。
(5) コントローラ及びあんかを,コンクリート床上に置いた厚さが30mmの表面が平らなラワン板の中央
部に,コントローラ及びあんかの底面がラワン板面に平行になるようにつり下げた状態で,70cmの高
さから,コントローラは3回,あんかは1回落下させる。
8.9
摩擦強度試験 摩擦強度試験は,図7に示すような装置にあんかを取り付け,綿布を1分間に20回
の速さで連続5 000回往復させて,表面を摩擦する。この場合,本体が綿布を押している力が約10N {1kgf}
になるようにスプリングを調節する。
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図7 摩擦強度試験
備考1. 回数は,1往復で1回と数える
2. 往復のストロークは,100mmとする
3. 横振れがないように注意して行う。
4. 布幅は,器体の幅以上とする
5. 綿布は,JIS C 9606の洗濯性能試験に使用するさらしかなきん2003番(の
り抜きしたもの。)を用いる。
8.10 耐久性試験
8.10.1 ランプ式発熱体の耐久性試験 ランプ式発熱体の耐久性試験は,定格電圧の1.2倍の電圧で10時
間連続通電し,30分休止する操作を35回行い,ランプ式発熱体の断線の有無を調べる。
8.10.2 コードの耐久性試験
(1) 器体とコードとの接続部の折曲げ試験 器体とコードとの接続部(器体とコードの接続に着脱自在な
接続器を用いたものを含む。)の折曲げ試験は,接続されるコードが器体を貫通する部分(以下,貫通
部という。)を,図8に示す試験装置の可動板の中心と一致させ,コードが可動範囲の中央で折り曲が
らずに,鉛直になるように器体を可動板に取り付け,コードの先端に質量が500g(自重が500g未満
のものは自重と同じ質量。)のおもりをつるして,可動板を右方向に90°回転させて元に戻し(これ
を1回とする。),続いて左方向に90°回転させてこれを元に戻す(これを1回とする)。この操作を
毎分約40回の速さで連続して2 000回往復する操作を行う。
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図8 器体とコードとの接続部の折曲げ試験
備考1. 回数の数え方は,①−②をもって1回,③−④をもって1回とする。
2. 可動板の動きは,滑らかに行うものとする。
(2) コード付き一体成形の差込プラグのコード接続部の折曲げ試験 コード付き一体成形の差込プラグ
のコード接続部の折曲げ試験は,コード付きの一体成形の電源プラグの接続部を,図9に示す試験装
置の可動板の中心と一致させ,かつ,コードが可動範囲の中央で折り曲がらずに鉛直になるように差
込プラグを取り付け,コードの先に質量500gのおもりをつるし,可動板を右方向に60°回転させて
元に戻し(これを1回とする。),続いて左方向に60°回転させてこれを元に戻す(これを1回とする)。
この操作を毎分約40回の速さで連続して5 000回往復する操作を行う。
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図9 コード付き一体成形の差込プラグの折曲げ試験
備考1. 回数の数え方は,①−②をもって1回,③−④をもって1回とする。
2. 可動板の動きは,滑らかに行うものとする。
8.10.3 自動温度調節器の耐久試験 自動温度調節器の耐久試験は,自動温度調節器を器体から取り外し,
8.11の自動温度調節器試験と同じ方法によって,動作温度の測定及び開閉試験を行う。ただし,開閉回数
は,表17による。
表17
種類
開閉回数
こたつ
N×3 600
あんか
N×5 760
N:平常温度試験の状態で各
部の温度がほぼ一定になる
まで通電した後の自動温度
調節器の1時間当たりの開
閉回数(入・切をもって1
回と数える。)。
8.11 自動温度調節器及び自動復帰形温度過昇防止装置試験
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8.11.1 開閉試験 開閉試験は,自動温度調節器及び自動復帰形温度過昇防止装置を器体から取り外し(取
外しが困難な構造のものは,器体に取り付けたままで行ってもよい。),これらが接続される回路の定格電
圧に等しい電圧を加え,その回路の最大使用電流に等しい電流を通じ,加熱して回路を開き,冷却して回
路を閉じる操作を5 000回行い,各部の異常の有無を調べる。
8.11.2 動作温度試験 動作温度試験は,8.11.1に規定する試験の前後において,自動温度調節器及び自動
復帰形温度過昇防止装置を恒温槽に入れ,温度を1分間に1℃の割合で上昇させて開路させた後に,1分間
に1℃の割合で下降させて閉路させる操作を15回行い,開路したとき及び閉路したときの温度(第1回か
ら第5回までの操作における温度を除く。)を温度計法によって測定する。この場合,試験品には通電しな
い(信号電流を除く。)。
8.12 温度過昇防止用自動スイッチの試験
8.12.1 開閉試験 開閉試験は,温度過昇防止用自動スイッチを器体から取り外し(取外しが困難な構造の
ものは,器体に取り付けたままで行ってもよい。),これらが接続される回路の定格電圧に等しい電圧を加
え,その回路の最大使用電流に等しい電流を通じ,加熱して回路を開く操作を1 000回行い,各部の異常
の有無を調べる。
8.12.2 動作温度試験 動作温度試験は,8.12.1に規定する試験の前後において,温度過昇防止用自動スイ
ッチを恒温槽に入れ,温度を1分間に1℃の割合で上昇させて開路させる動作を15回行い,開路したとき
の温度(第1回から第5回までの操作における温度を除く。)を温度計法によって測定する。この場合,試
験品には通電しない(信号電流を除く。)。
8.13 始動試験 始動試験は,定格周波数に等しい周波数の定格電圧の90%に等しい試験電圧を加え,電
動機が始動するかどうかを調べる。
8.14 上板表面抵抗試験 JIS A 1531によって,コーヒー,しょうゆ,中性洗剤(食器洗い用)について
表面抵抗試験を行う。ただし,試験時間は24時間とする。
8.15 塗膜密着度試験 塗膜密着度試験は,次によって行う。
(1) 試験片 試験片は,木材の厚さ約10mm,幅約50mmの大きさのものを生産条件と同一条件で製作す
る。ただし,受渡当事者間の協定によって製品から上記の大きさのものを採取するか,又は製品によ
って試験を行ってもよい。
(2) 密着試験 試験片の塗膜に,かみそり刃を約35〜45°頃け,かみそり刃が木材に達するように2mm
間隔で相互に直交するようにけがき線を11本ずつ書き,2×2mmのます目を100個作る。その上にJIS
Z 1522に規定するセロハン粘着テープを張り付けた後はがし,塗膜のはがれを調べる。
8.16 保護網強度試験 卓用こたつの保護網に底面の直径8cm×高さ3cmの砂袋を介して8kgの荷重(砂
袋の重量を含む。)を発熱体に対して最も条件の悪い方向から10秒間加える。
8.17 繰返しおもり落下試験 図10に示すように床の上に厚さ15mmの十分な広さの木台を敷き,その上
に卓用こたつを置き,上面に全面を覆うように毛布一枚を敷き,更に厚さ15mmの合板を載せ,通電しな
がら,卓用こたつの中央15cmの高さから,直径50mmで先端を半球面に加工した質量500gのラワン材の
おもりを毎分約20回の割合で200回落下させ衝撃を加える。
なお,おもりは,二重ショックしないように配慮する。
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図10 繰返しおもり落下試験
9. 検査
9.1
形式検査(1) 形式検査は,次の各項について,8.の試験方法及び目視などによって行い,5.,6.,7.,
10及び11.に適合しなければならない。ただし,(1),(2),(6)及び(8)〜(17)の検査は,同一品で行わなくて
もよい。
(1) 構造
(2) 電圧変動
(3) 消費電力
(4) 絶縁
(5) 平常温度
(6) 異常温度
(7) 温度分布
(8) 温度保証点温度の許容差
(9) 機械的強度
(10) 摩擦強度
(11) 耐久性
(12) 自動温度調節器及び自動復帰形温度過昇防止装置の性能
(13) 温度過昇防止用自動スイッチの性能
(14) 始動特性
(15) 上板表面抵抗
(16) 塗膜密着度
(17) 繰返しおもり落下強度
(18) 材料
注(1) 形式検査とは,製品の品質が設計で示されたすべての品質項目を満足するかどうかを判定する
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ための検査をいう。
9.2
製品検査(2) 製品検査は,各製品ごとに次の各項について8.の試験方法によって行い,5.に適合しな
ければならない。ただし,検査は合理的な抜取方式によってもよい。
(1) 絶縁抵抗
(2) 耐電圧
(3) 消費電力
注(2) 製品検査とは,既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造に係る製品の受渡しに際して必
要と認められる品質項目が満足するものであるかどうかを判定するための検査をいう。
10. 表示及び製品の呼び方
10.1 本体の表示 表示は,見やすいところ(3)に容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければなら
ない。
注(3) 見やすいところとは,外郭の表面,工具などを使用せずに容易に操作できるふたなどで覆われ
た外郭の内部の表面をいう。
(1) 名称(製造業者が使用している品名。)
(2) 種類
(3) 定格電圧
(4) 定格周波数(電動機をもつものに限る)
(5) 定格消費電力
(6) 製造年又はその略号
(7) 製造番号又はロット番号
(8) 製造業者名又はその略号
10.2 包装表示 包装する場合には,1包装ごとに表面の見やすいところに容易に消えない方法で,次の事
項を表示しなければならない。
(1) 名称(製造業者が使用している品名。)
(2) 製造業者名又はその略号
10.3 設定温度の表示 本体,下げ札又は取扱説明書に設定温度を表示しなければならない。
10.4 製品の呼び方 製品の呼び方は,名称による
11. 使用上の注意事項 使用上の注意事項として少なくとも表18に示す主旨を,本体,下げ札,取扱説明
書などに明記しなければならない。ただし,該当しない項目を除く。
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表18 使用上の注意事項
種類など
使用上の注意事項
こたつ
(1) 乳幼児,身体障害者,病人などが使用する場合の使用温度や低温やけどの注意。
(2) 用途に応じた使い方をし,他に転用しないことの注意。
(3) 消費者が温度ヒューズを取り替えることができるものは,指定以外の温度ヒューズを使用しないこと
の注意。
(4) 外郭又は仕切枠の中心に固定して取り付けることの注意(4)。
(5) 上部の一辺の長さが80cm以上で,かつ,底部の一辺の長さが43cm以上の外郭又は仕切枠に取り付
けることの注意(4)。
(6) 乾燥の目的などで布類などを外郭又は格子の中に置かないことの注意。
(7) 電気毛布,電気敷布などの採暖用器具と併用しないことの注意。
(8) 格子を外して使わないことの注意(5)。
(9) 乳幼児を一人で寝かせないことの注意。
(10) 掘こたつユニットや掘こたつ掘り枠の中に入って遊ばないことの注意(5)。
(11) 卓の下面に発熱体を取り付けないことの注意(5)。
(12) コードを引っ張ったり,ねじったりしないことの注意。
(13) 立てたり,裏返しにしたり,脚を外して使用しないことの注意(6)。
あんか
(1) 乳幼児,身体障害者,病人などが使用する場合の使用温度の注意。
(2) 用途に応じた使い方をし,他に転用しないことの注意。
(3) 消費者が温度ヒューズを取り替えることができるものは,指定以外の温度ヒューズを使用しないこと
の注意。
(4) 立てたり,裏返しにしたりして使用しないことの注意。
(5) 皮膚の弱い人が就寝用こたつ又はあんかを使用する場合には,直接皮膚に触れないようにタオル,毛
布などで包むことの注意。
なお,長時間にわたり身体が就寝用こたつ又はあんかに直接触れると低温やけどを起こすことがあ
るので長時間にわたり使用する場合には,必ず身体から離して使用することの注意。
(6) 電気毛布,電気敷布などの採暖用器具と併用しないことの注意。
(7) コードを引っ張ったり,ねじったりしないことの注意。
(8) 折りたたんだ状態で使わないことの注意(7)。
注(4) 掘こたつ熱源に適用する。
(5) 掘こたつ熱源及び掘こたつセットに適用する。
(6) 卓用こたつに適用する。
(7) ソフトあんかに適用する。
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付図1 試験指
備考1. 角度の許容差は,±5'とする。
2. 寸法の許容差は,値が25mm以下のものは,
05
.00
−
mm,25mmを超えるものは,±0.2mmとす
る。
3. 使用材料は,黄銅とする。
4. 試験品の導電部は,一括して接続する。
5. 電源電圧は,定格電圧以下の任意の電圧(40V以上)としてよい。
付図2 衝撃試験機
備考 ハンマ頭部は,JIS K 7202に規定するロックウェル硬さHRR100の硬さに表面をポリアミド加
工した半径が10mmの球面をもつものとする。
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JIS家電特別専門委員会 構成表(順不同,敬称略)
氏名
所属
(委員長)
牛 島 隆 久
財団法人日本電気用品試験所
(副委員長)
森 井 茂
株式会社東芝
森 田 博
通商産業省通商産業検査所
青 柳 桂 一
通商産業省機械情報産業局
稲 葉 裕 俊
通商産業省工業技術院
小 林 哲 郎
通商産業省資源エネルギー庁
瀬 尾 宏 介
国民生活センター
原 早 苗
消費科学連合会
吉 岡 初 子
主婦連合会
中 野 三千代
全国地域婦人団体連絡協議会
岩 崎 泰 子
東京第一友の会
古 川 哲 夫
財団法人日本消費者協会
齋 藤 有 常
社団法人日本百貨店協会
仲 谷 弘
全国電器小売商業組合連合会
名 島 哲 郎
三洋電機株式会社
入 江 八 郎
シャープ株式会社
鈴 木 庸 介
株式会社日立製作所
三 宅 敏 明
松下電器産業株式会社
奈良井 良 雄
三菱電機株式会社
林 正 宏
社団法人日本電機工業会
(事務局)
中 原 茂 樹
社団法人日本電機工業会
暖房用電熱器分科会 構成表(順不同,敬称略)
氏名
所属
(主査)
白波瀬 利 光
松下住設機器株式会社
(副主査)
梶 野 博
株式会社東芝
上 杉 務
三洋電機株式会社
安 田 光 雄
シャープ株式会社
西 田 隆 治
タイガー魔法瓶工業株式会社
品 川 勝 馬
ダイキン工業株式会社
森 脇 尚
鳥取三洋電機株式会社
宵 喜 芳
日本電気ホームエレクトロニクス株式会社
春 日 英 男
株式会社日立ホームテック
落 合 洋 吉
株式会社富士通ゼネラル
西 山 晴 規
松下電器産業株式会社
桂 芳 久
松下精工株式会社
多 和 大 介
松下電工株式会社
大 澤 和 夫
三菱電機ホーム機器株式会社
秋 山 淳一郎
ヤマハ株式会社
(事務局)
柴 田 和 男
社団法人日本電機工業会
金 子 健 一
社団法人日本電機工業会
文責 暖房用電熱器分科会