C 8960:2012
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 用語の分類 ······················································································································ 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
C 8960:2012
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
電機工業会(JEMA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業
標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS C 8960:2004
は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 8960:2012
太陽光発電用語
Glossary of terms for photovoltaic power generation
序文
この規格は,1997年に制定され,その後2回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は2004年に
行われたが,その後の関連JISにおける追加用語に対応するために改正した。
なお,類似のIEC規格からの用語を取り込むために,IEC/TS 61836も参考として作成した。
1
適用範囲
この規格は,太陽光発電(PV)に用いる素子,機器及びシステムに関する用語について規定する。
2
用語の分類
用語は,次のとおり分類する。
a) 素子
1) 基本
1.1) 一般
1.2) 気象など
2) 素子
2.1) 一般
2.2) 材料
2.3) 構成
2.4) 種類
2.5) 製造
3) 特性・評価
3.1) セル・モジュール特性
3.2) 日射
3.3) 評価法
3.4) 評価機器
b) 機器
1) パワーコンディショナ
1.1) 構成
1.2) インバータ種別
1.3) 特性・性能
2) 蓄電池
2
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2.1) 一般
2.2) 特性・試験
3) 評価機器
4) その他機器
c) システム
1) システムの分類
2) アレイ
3) 連系
4) 特性・性能
3
用語及び定義
用語及び定義は,次による。
なお,参考のために慣用語及び対応英語を示す。また,用語欄で,用語の下の括弧付きの平仮名は,読
み方を示す。定義欄で,括弧付きで示した用語又は文章は,別の表現又は補足説明である。記号は,定義
欄に改行して示す。単位も定義欄に改行して示す。対応英語欄で,括弧付きの語は,対応英語の略号を示
す。また,IEC/TS 61836にある用語(対応英語)は太字で示す。
a) 素子
1) 基本
1.1) 一般
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
101
アクセプタ
多数キャリアとして正孔を供給するため
の微量添加物。シリコン太陽電池の場合,
ボロンなどがある。
acceptor
102
禁制帯幅
半導体のエネルギーバンド中で電子が取
り得ない,エネルギー準位における帯状
範囲の幅。
エネルギーギャップ,
バンドギャップ
energy gap,
band gap
103
空乏層
太陽電池セルのp形層とn形層との界面
で発生する,電界のある非常に薄い領域。
depletion layer
104
シート抵抗
正方形薄膜の一辺から対辺までの電気抵
抗。太陽電池セルの表面層のシート抵抗
は,直列抵抗を決める重要な因子の一つ
である。
単位:Ω/□
sheet resistance
105
障壁エネルギー
空乏層を通り抜けるとき,一つの電子が
放出するエネルギー。これはバリアの静
電電位の大きさである。
単位:eV
barrier energy
106
接合
半導体材料の接する部分。一般に,互い
に異なる物性の半導体同士を合わせる。
junction
107
太陽エネルギー
太陽の放射エネルギー。太陽エネルギー
の源は水素の核融合反応であり,その放
射スペクトルは約6 000 Kの黒体のそれ
に近い。
太陽放射エネルギー
solar energy
3
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
108
太陽光発電
(たいようこうはつ
でん),
(たいようひかりは
つでん)
太陽光のエネルギーを直接電気エネルギ
ーに変換する発電方式。光起電力効果を
利用した太陽電池を用いるのが一般的で
ある。
PV
photovoltaic power
generation
109
太陽電池
太陽光などの光の照射を受けてそのエネ
ルギーを直接電気エネルギーに変える半
導体装置。光起電力効果を利用した光電
変換素子の一種。太陽電池セル,太陽電
池モジュール,太陽電池パネル,太陽電
池アレイなどの総称として用いる場合も
ある。
cell,
photovoltaic cell
110
ドーパント
p形又はn形半導体を決定する微量添加
不純物。
dopant
111
ドナー
多数キャリアとして電子を供給するため
の微量添加物。シリコン太陽電池の場合,
リンなどがある。
donor
112
半導体材料
金属と絶縁体との間の導電率(電気伝導
度)をもち,その導電率が不純物の添加
及び少しのエネルギーの付与(例えば,
熱)によって変化する材料。
semiconductor
material
113
pin接合
少数キャリアの再結合を減少させるため
にp形層とn形層との間に非ドープ層(i
形層)を設けた構造の接合。アモルファ
スシリコン太陽電池において,広く用い
られている。
PIN junction
114
pn接合
連続体である半導体において,一方がp
形,他方がn形の構造をもつ半導体の接
合。
PN junction,
cell junction
115
光起電力効果
光電効果の一種で,光の照射によって起
電力が発生する現象。主に半導体の接合
で生じる。
photovoltaic effect
116
光起電力材料
光起電力効果をもつ材料。
photovoltaic material
117
光起電力デバイス
光起電力効果を利用するデバイス。例え
ば,太陽電池セル,モジュール及びアレ
イ。
photovoltaic device
118
光電流
光を照射することによって光電変換素子
の中で生成する電流。
photovoltaic current,
photo current
119
へテロ接合
禁制帯幅の異なった2種類の半導体の接
合。
heterojunction
120
ホモ接合
同じ半導体材料(同じ禁制帯幅をもつ)
によって形成されるpn接合。
homojunction
4
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1.2) 気象など
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
151
アルベド
ある表面の入射光に対する反射光の強さ
の比。全波長成分についての平均値で表
す。太陽光発電の分野においては太陽光
に対する地表面の反射率をいう。
albedo
152
エアマス
地球大気に入射する直達太陽光が通過す
る路程の,標準状態の大気(標準気圧
1 013 hPa)に垂直に入射した場合の路程
に対する比。AMと略記することが多い。
air mass (AM)
153
周囲温度
通気された容器内で太陽光の放射から隔
離した状態において温度計によって測定
した空気の温度。
単位:℃
外気温度
ambient temperature
154
大気透過率
単位距離として鉛直方向の大気の厚さ
(エアマス=1)をとったときの,入射光
に対する透過光の比。
単位:%
atmospheric
transmissivity
155
太陽高度
水平面と太陽像中心とのなす角度。
solar elevation,
solar altitude
156
太陽スペクトル
太陽エネルギーの波長に対する分布。
太陽放射スペクトル
solar spectrum
157
太陽定数
(たいようていす
う),
(たいようじょうす
う)
地球が太陽からの平均距離にあるとき,
地球大気の上端において太陽光線に直角
な単位面積が単位時間に受ける太陽エネ
ルギーの量。
solar constant
2) 素子
2.1) 一般
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
201
太陽電池サブモジ
ュール
分割できない一つの基板に複数個同時に
形成した太陽電池セル群の最小単位。
submodule,
photovoltaic submodule
202
太陽電池セル
太陽光発電に用いる太陽電池の構成要素
の最小単位。
cell,
photovoltaic cell
203
太陽電池モジュー
ル
太陽電池セル又は太陽電池サブモジュー
ルを,耐環境性のため外囲器に封入し,
かつ,規定の出力をもたせた最小単位の
発電ユニット。
module,
photovoltaic module
2.2) 材料
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
211
アモルファス
原子配列に長距離秩序をもたない固体の
準安定状態。
非結晶,
非晶質
amorphous
212
ウェハ
インゴットから切り出して作った半導体
材料の薄板。結晶系太陽電池の基本構造
を構成する。
wafer
5
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
213
基板
太陽電池を作製するときの基本的材料。
結晶系太陽電池の場合には,一般に半導
体ウェハを指し,この上に接合及び電極
を形成して太陽電池となる。薄膜太陽電
池の場合には,薄膜を成長させる支持体
のことであり,ガラス,ステンレスなど
を用いる。太陽電池モジュールにおいて
は,モジュールの機械的強度を保持する
ための板材を指す。
214
太陽電池級シリコ
ン
結晶系太陽電池用基板の原料に用いるシ
リコン。
solar grade silicon
(SOG silicon)
215
多結晶
多数の単結晶がいろいろな結晶方位をも
って集合してできた結晶。
multicrystal,
polycrystal
216
単結晶
結晶材料全体を構成する原子の配列が規
則正しくて,単一の結晶軸を選ぶことが
可能な結晶。
single crystal,
monocrystal
217
リボン結晶
シリコン溶融槽から平行な2本のリボン
によって引き上げて連続的に作製する薄
板状シリコン結晶。
ribbon
2.3) 構成
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
231
拡散層
pn接合を形成するために不純物を拡散さ
せてできたp形層又はn形層の部分。
diffusion layer
232
カバーガラス
太陽電池表面を保護するために用いるガ
ラス。
cover glass
233
グリッドライン
太陽電池セルの表面に配置し,バスバー
に電流を供給する金属線。フィンガとも
いう。
grid line
234
テクスチャ構造
表面反射損失の低減,及び光閉込め効果
による光吸収の増大を図るために,太陽
電池セルの表面及び裏面を凹凸形状にし
た構造。単に凹凸形状をもつ太陽電池セ
ルの表面又は裏面のことを指すこともあ
る。
textured surface,
textured structure
235
透明電極
太陽電池セルの光入射側表面に設ける導
電率が高く,かつ,光透過率が大きい性
質をもつ電極。
transparent conducting
electrode,
transparent electrode
236
透明導電性酸化層
薄膜太陽電池セルの電極として用いる透
明な導電性酸化物の層。透明ガラス上に
堆積させる。
TCO
transparent
conducting oxide
layer
237
バスバー
グリッドライン(フィンガともいう。)の
電流を集め,インタコネクタへ伝送する
ためのセル上のライン。インタコネクタ
は,はんだ付けなどでバスバーに結合す
る。バスラインとも呼ぶ。
バスライン
bus bar,
bus lines
6
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
238
反射防止膜
太陽電池セルの表面における光の反射損
失を減少させるために形成する膜。
anti-reflective coating
(AR coating),
antireflection coating,
antireflective film
(AR film)
239
BSF効果
太陽電池セルの基板裏面電極付近に設け
た不純物濃度の高い領域によって,内蔵
電界を形成し,裏面近傍での光生成キャ
リアを有効に収集する効果。
back surface field
effect
240
光閉込め効果
テクスチャ構造などを用いて,光を太陽
電池セル内部に閉じ込めることによっ
て,光の吸収を高め,短絡電流が増大す
る効果。
light confinement
effect,
light trapping effect
2.4) 種類
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
251
MIS形太陽電池
ショットキーバリア形太陽電池で,基板
半導体と電極金属との間にごく薄い絶縁
物を挟み込んだ構造をもつ太陽電池。
metal-insulator-
semiconductor cell
252
化合物太陽電池
複数の元素から成る化合物半導体を用い
た太陽電池。その構成元素によって,III-V
族化合物太陽電池,II-VI族化合物太陽電
池,I-III-VI2族化合物太陽電池などに分類
する。主なものとして,GaAs太陽電池,
InP太陽電池,CdS太陽電池,CdTe太陽
電池,CIS系太陽電池などがある。
化合物半導体太陽電
池
compound
semiconductor cell
253
結晶系太陽電池
単結晶又は多結晶を用いた太陽電池の総
称。
crystalline photovoltaic
cell
254
建材一体形太陽電
池モジュール
屋根材,壁材などの建築用部材として一
体化した太陽電池モジュール。
建材一体形モジュー
ル
building integrated cell
module,
building integrated
photovoltaic module
255
CIS系太陽電池
主材料としてCu-In-Se化合物の薄膜を用
いた太陽電池セル。
CIS photovoltaic cell
256
色素増感太陽電池
色素を使って太陽光を電気エネルギーに
変換する電池。太陽光を色素に照射する
ことによって,色素から電子が励起する
現象を利用している。
dye-sensitized
photovoltaic cell
257
湿式太陽電池
半導体との接合に電解液を用いた太陽電
池。材料を選択することによって,半導
体と電解液との界面ではショットキー接
合のような整流特性が得られ,ここに光
を照射することによって発電できる。
photoelectro-chemical
cell,
liquid junction cell
258
集光形太陽電池
レンズなどで集光した太陽光を照射して
発電させる太陽電池。
concentrator
photovoltaic cell
7
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
259
集積形太陽電池
1枚の基板上に多数のセルを直列接続し
た構造の太陽電池。この構造を採用して
いる代表的な太陽電池としては,アモル
ファスシリコン太陽電池がある。
integrated type PV cell
260
ショットキーバリ
ア形太陽電池
金属−半導体界面のショットキー接合を
利用した太陽電池。
schottky barrier
photovoltaic cell
261
シリコン太陽電池
半導体材料としてシリコンを用いた太陽
電池。主なものとして,単結晶シリコン
太陽電池,多結晶シリコン太陽電池及び
アモルファスシリコン太陽電池がある。
silicon photovoltaic
cell
262
多接合太陽電池
複数個の太陽電池セルを積層し,入射光
がこれらのセルを順次透過し,吸収され
るようにした構造の太陽電池。2層の場合
を“タンデム形太陽電池”と呼ぶことも
ある。
スタック形セル,
タンデム形セル,
積層形太陽電池
stacked photovoltaic
cell,
tandem photovoltaic
cell,
multi-junction cell
263
薄膜太陽電池
薄膜半導体を用いた太陽電池。主なもの
として,アモルファスシリコン太陽電池,
CdS太陽電池,CdTe太陽電池,CIS系太
陽電池などがある。
thin film photovoltaic
cell
264
pn接合形太陽電池 半導体のpn接合を利用した太陽電池。
PN junction
photovoltaic cell
265
フレキシブル太陽
電池
柔軟性をもち,破壊することなく折曲げ
が可能な太陽電池。
flexible photovoltaic
cell
266
へテロ接合形太陽
電池
異なる2種類の半導体のへテロ接合を利
用した太陽電池。
heterojunction
photovoltaic cell
267
有機太陽電池
植物の光合成のように,有機物を分子レ
ベルで光化学反応させることによって,
光発電現象を行う太陽電池。
organic photovoltaic
cell
2.5) 製造
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
281
キャスト法
立方体のるつぼに溶融したシリコンの冷
却速度を制御して固化することによっ
て,多結晶シリコンインゴットを製造す
る方法。立方体に形成されたインゴット
から正方形又は長方形の多結晶ウェハに
スライスする。
directional
solidification
282
チョクラルスキー
法
シリコン溶融槽に接する種結晶を回転さ
せながら引き上げることによって単一の
結晶構造のシリコンインゴットを製造す
る方法。インゴットは円柱状となり,通
常,円形又は擬似四角形のウェハにスラ
イスする。
CZ法
czochralski process
283
電磁キャスト法
るつぼを用いずに電磁誘導溶解によって
シリコンを溶融固化する多結晶インゴッ
トの製造方法。連続的に材料を追装し,
長尺のインゴットの製造が可能である。
electromagnetic
casting
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
284
浮遊帯域融解法
原料となる多結晶シリコンを上部から供
給し,高い周波数の電磁波を多結晶と単
結晶との間に形成した融液に吸収させる
ことによって加熱融解した後,その融液
の下方を冷却して単結晶インゴットを製
造する方法。るつぼを使用しないため,
結晶中に酸素などの不純物が混入しにく
く,非常に高純度という特徴がある。
FZ法
float zone melting
3) 特性・評価
3.1) セル・モジュール特性
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
301
安定化後変換効率
太陽電池セル及びモジュール(以下,太
陽電池セル・モジュールという。)におい
て,規定した光照射条件下で,規定する
時間,光照射した後の変換効率。特に,
アモルファスシリコン太陽電池で用い
る。
単位:%
劣化後変換効率
stabilized conversion
efficiency
302
暗電流
光を照射しない状態で,太陽電池に流れ
る電流。
dark current
303
開放電圧
太陽電池セル・モジュールの出力端子を
開放したときの両端子間の電圧。
量記号:VOC
単位 :V
open circuit voltage
304
曲線因子
最大出力を,開放電圧と短絡電流との積
で除した値。次の式で表す。
SC
OC
max
FF
I
V
P
×
=
ここに,FF :曲線因子
Pmax :最大出力(W)
VOC :開放電圧(V)
ISC :短絡電流(A)
太陽電池の特性を表すパラメータの一つ
で,主に内部直列抵抗,並列抵抗及びダ
イオード因子に左右される。FFとも呼ぶ。
fill factor (FF)
305
最大出力
太陽電池セル・モジュールの電流電圧特
性曲線上で電流と電圧との積が最大にな
る点での出力。
量記号:Pmax(又はPm)
単位 :W
maximum power,
peak power
306
最大出力温度係数 太陽電池セル・モジュールの温度が1 ℃
変化したときの最大出力の変動値。シス
テムで用いる。
量記号:αPmax
単位 :W・℃−1(又は%・℃−1)
maximum power
temperature
coefficient
9
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
307
最大出力動作電圧
太陽光発電システムの最大出力点での電
圧値。
量記号:VPmax(又はVPm)
単位 :V
最適動作電圧
maximum power
voltage
308
最大出力動作電流
太陽光発電システムの最大出力点での電
流値。
量記号:IPmax(又はIPm)
単位 :A
最適動作電流
maximum power
current
309
実効変換効率
最大出力(Pmax)を,太陽電池セル・モジ
ュール全面積(At)と放射照度(G)との
積で除した値。単に“変換効率”という
ときは,通常は,実効変換効率を指す。
量記号:η t
単位 :%
G
A
P
×
t
t
max
=
η
ここに, η t :実効変換効率
At :太陽電池セル・モジュー
ルの全面積(m2)
Pmax :最大出力(W)
G :放射照度(W・m−2)
conversion efficiency
310
収集効率
単位時間に太陽電池の外部回路に流れ出
る電子数の,照射されたフォトン数に対
する比。次の式で表す。
量記号:Pe
単位 :%
h
S
e
P
I
P=
ここに, Pe :収集効率
IS :短絡電流を電子電荷で除し
た値
Ph :単位時間当たりの入射フォ
トン数
表面反射分を補正した場合を内部収集効
率,補正しない場合を外部収集効率と呼
ぶ。波長の関数として,収集効率のスペ
クトル特性を求めることもある。
量子効率
collection efficiency,
quantum efficiency
311
出力電圧温度係数
太陽電池セル・モジュールの温度が1 ℃
変化したときの開放電圧の変動値。
量記号:β
単位 :V・℃−1(又は%・℃−1)
voltage-temperature
coefficient
312
出力電流温度係数
太陽電池セル・モジュールの温度が1 ℃
変化したときの短絡電流の変動値。
量記号:α
単位 :A・℃−1(又は%・℃−1)
current-temperature
coefficient
313
初期変換効率
太陽電池セル・モジュールにおいて,作
製直後の状態での変換効率。特に,アモ
ルファスシリコン太陽電池で用いる。
initial conversion
efficiency
10
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
314
真性変換効率
最大出力(Pmax)を,太陽電池セル・モジ
ュールのアパーチャ面積又は指定照射面
積(Ae)と放射照度(G)との積で除した
値。真性変換効率は,太陽電池素子自体
の評価のために用いる。
量記号:η a
単位 :%
G
A
P
×
e
max
a=
η
ここに, η a :真性変換効率
Ae :大陽電池セル・モジュー
ルのアパーチャ面積又は
指定照射面積(m2)
Pmax :最大出力(W)
G :放射照度(W・m−2)
実用変換効率
total area conversion
efficiency
315
短絡電流
太陽電池セル・モジュールの出力端子を
短絡したときの両端子間に流れる電流。
単位面積当たりの短絡電流を特にJSCで
表すこともある。
量記号:ISC
単位 :A
short circuit current
316
直列抵抗
太陽電池に対し直列的に作用する抵抗。
直列抵抗は,主に表裏面にあるオーミッ
ク電極及び薄い表面層に起因している。
直列抵抗が大きくなった場合,変換効率
は低下する。
量記号:Rs
単位 :Ω
series resistance
317
電流電圧特性
太陽電池の出力電圧に対する出力電流の
関係を示す特性。
I-V特性,
I-V特性曲線,
I-Vカーブ
current-voltage
characteristic,
I-V curve
318
分光感度特性
太陽電池出力の入射光波長依存性を表し
た特性で,短絡電流の入射単色光入力に
対する比。
なお,分光感度のピーク値を基準に相対
値で示す値を,相対分光感度という。
相対分光感度の場合は波長での相対値で
表す。
単位:A・W−1
分光感度,
スペクトル感度,
スペクトル応答度
spectral response
319
並列抵抗
太陽電池に対し並列的に作用する抵抗。
並列抵抗は,主に接合面の不純物及び結
晶の品質に起因している。並列抵抗が小
さくなった場合,変換効率は低下する。
量記号:Rsh
単位 :Ω
shunt resistance
11
C 8960:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
320
ミスマッチ損失率
直列又は並列に接続した太陽電池セル・
モジュールの最大出力が,電流電圧特性
の不均一性のため,同一条件下で測定し
た個々のセル・モジュールの最大出力の
合計よりも少なくなることによる損失
率。次の式で表す。
s
t
m
1PP
L
−
=
ここに, Lm :ミスマッチ損失率
Pt :全体の最大出力
Ps :個々のセル・モジュールの
最大出力の合計
mismatch loss factor
321
モジュール充塡率 モジュール中の全セル面積とモジュール
面積との比。
module packing factor
3.2) 日射
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
331
傾斜面日射強度
水平面に対して傾いた面での日射強度。
傾斜面直達日射強度,傾斜面散乱日射強
度,並びに地上及び地物からの反射光に
よる日射強度の和である。測定には,傾
斜面に平行に設置した全天日射計を使用
する。
単位:W・m−2
傾斜面全天日射量,
斜面日射量
total solar irradiance,
total irradiance
332
散乱日射
太陽光線が大気を通過する間に,空気分
子,雲,エアロゾル粒子などによって散
乱される結果生じる日射。
diffuse solar radiation
333
散乱日射強度
散乱日射による日射強度。通常は水平面
での日射強度を指すが,これを明示する
必要があるときには,水平面散乱日射強
度という。測定には,遮蔽環又は遮蔽板
を付けた全天日射計を使用する。
単位:W・m−2
散乱日射量,
拡散日射量,
天空日射量
diffuse solar irradiance,
diffuse irradiance
334
積算照射量
ある一定期間(1時間,1日,1週間,1
か月,1年など)の放射照度の積分値。
単位などは“日射量”(340)を参照。
irradiation
335
全天日射
直達日射と散乱日射とを合わせた日射。
global solar radiation
336
全天日射強度
水平面での全天日射による日射強度。水
平面直達日射強度と水平面散乱日射強度
との和である。測定には,全天日射計を
使用する。
単位:W・m−2
全天日射量
global solar irradiance,
global irradiance
337
直達日射
太陽から地表に直接到達する日射。
direct solar radiation
12
C 8960:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
338
直達日射強度
直達日射による日射強度。通常は太陽光
線に垂直な入射面での日射強度を指す
が,これを明示する必要があるときには,
法線面直達日射強度という。測定には,
直達日射計を使用する。“直達日射計”の
定義(394)に示すように,測定値には,
太陽の周辺光成分も含む。
単位:W・m−2
直達日射量
direct solar irradiance,
direct irradiance
339
日射強度
表面の単位面積当たりに,単位時間に,
太陽から入射する放射エネルギー。“直
達”,“散乱”,“全天”,“傾斜面”及び“ア
レイ面”の接頭語を付けて使用する。主
として,太陽光を利用するシステムで用
いる。
量記号:G
単位 :W・m−2
日射量
irradiance,
solar irradiance
340
日射量
ある一定期間(1時間,1日,1週間,1
か月,1年など)の日射強度の積分値。
日射強度と同様に,“直達”,“散乱”,
“全天”,“傾斜面”及び“アレイ面”の
接頭語を付けて使用する。必要に応じて
“日積算”,“年積算”などの接頭語を付
ける(例えば,日積算全天日射量)。主と
してシステムで用いる。
量記号:H
単位 :J・m−2(又はWh・m−2)
積算日射量
irradiation,
solar irradiation
341
放射照度
表面の単位面積当たりに,単位時間に,
太陽又は人工光源から入射する放射エネ
ルギー。
量記号:G
単位 :W・m−2
irradiance
3.3) 評価法
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
351
一次基準太陽電池
セル
セルの短絡電流を,分光感度特性と基準
太陽光との分光放射照度分布を基に校正
した基準セル。
primary reference
photovoltaic cell
352
開口角
直達日射計の受感部の中心において,円
筒の開口部が張る角度の半分の角度。
注記 全角で表す場合もあるので,注意が
必要である。
視野角
aperture angle,
view angle,
field of view (FOV)
353
擬似基準太陽電池
セル
化学的に安定な太陽電池(例えば,結晶
系シリコン太陽電池)に,特性変化の生
じない光学フィルタを装着して,擬似的
に分光感度特性をアモルファス太陽電池
に合致させた基準太陽電池セル。
pseudo reference
amorphous cell
13
C 8960:2012
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
354
基準状態
太陽電池セル・モジュールの特性を測定
するときの基準として用いる,次の全て
を満足する状態。
a) セル温度 25 ℃
b) 分光分布 基準太陽光
c) 放射照度(日射強度) 1 000 W・m−2
標準試験条件
standard test
conditions (STC)
355
基準太陽光
太陽電池セル・モジュールの出力特性を
共通の条件で表現するために,放射照度
及び分光放射照度分布を規定した,仮想
の太陽光。
この基準太陽光の分光放射照度分布を,
太陽電池セル・モジュールの出力特性測
定の基準として用いる。
標準太陽光
reference solar
radiation,
standard sunlight
356
基準太陽電池サブ
モジュール
一次基準太陽電池セルを用いて,ソーラ
シミュレータ又は自然太陽光で校正した
太陽電池サブモジュール。
reference submodule
357
基準太陽電池セル
太陽電池セル・モジュールの測定に当た
って,測定用光源の放射照度を基準光換
算で決定するために使用する太陽電池セ
ル。被測定セル・モジュールと相対的に
同じ分光感度をもつ。基準太陽電池セル
は,原則として,被測定太陽電池と同一
基板・同一条件で製造した一群のうちか
ら選定する。セル温度の制御及び受光面
保護のために,指定の容器に取り付け,
測定方法で規定した基準太陽光によって
短絡電流の校正を行う。基準太陽電池セ
ルは,その校正方法によって,一次基準
太陽電池セルと二次基準太陽電池セルと
に分類する。
レファレンスセル,
基準セル,
標準太陽電池
reference cell
358
基準太陽電池モジ
ュール
太陽電池モジュールを比較測定するとき
に,基準として用いる同種類又は分光感
度が類似の太陽電池モジュール。ソーラ
シミュレータの放射照度を,基準太陽光
換算で決定するために使用する。
reference photovoltaic
module
359
傾斜角
太陽電池モジュール又は太陽電池アレイ
を設置するとき,水平面(地面)となす
角度。
tilt angle
360
公称動作セル温度
日射強度800 W・m−2,外気温20 ℃,風
速1 m/sで電気的に開放状態でラックに
設置した太陽電池モジュールに,南中時
に日射が垂直に入射したと仮定したと
き,熱平衡状態に達したモジュール内の
太陽電池セルの平均温度。
単位:℃
NOCT
nominal operating
photovoltaic cell
temperature
(NOCT)
361
指定照射セル面積
集光形セルなどの周囲電極などを含めて
マスクし,指定した部分だけを光が照射
するときのセル面積。
designated illumination
area
14
C 8960:2012
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
362
集光比
太陽光などを凹面鏡,フレネルレンズな
どを用いて集光したときの放射照度の,
集光しないときの放射照度に対する比。
集光形太陽電池の集光の度合いを表すパ
ラメータである。
この定義は,より正確には“エネルギー
密度集光比”であり,単なる開口面積の
集光部面積に対する比で定義する“幾何
学的集光比”と,集光系の光学的効率と
の積に等しい。
concentration ratio
363
スペクトル合致度
ある波長帯でのスペクトルの合致度。次
の式で表す。
∫
∫
−
j
i
j
i
d)
(
d)
(
O
S
λ
λ
λ
λ
λ
λ
λ
λ
E
E
M=
j
i
ここに, Mi−j :λi〜λjの波長帯でのスペ
クトル合致度
λ
:光の波長(nm)
ES :波長λでの基準太陽光の
分光放射照度
(W・m−2・nm−1)
EO :波長λでのソーラシミュ
レータの分光放射照度
(W・m−2・nm−1)
spectral coincidence
364
スペクトルミスマ
ッチ誤差
基準太陽電池セルを用いて被測定太陽電
池セルの出力特性を測定するときに,基
準太陽電池セルと被測定太陽電池セルと
の間での相対分光感度のずれ,及び基準
太陽光と測定光源との分光放射照度分布
のずれが原因で生じる測定誤差。
spectral response
mismatch error
365
積分放射照度
分光放射照度をある特定の波長範囲で連
続して積分して得た放射照度。波長範囲
を示さなければならない。波長区間の明
示がない積分放射照度は,いわば全波長
範囲又はそれにほとんど等しい範囲にお
ける放射照度である。したがって,放射
源の含有するスペクトル範囲に正しく感
応する放射計(日射の場合は日射計)の
測定値を積分放射照度と呼ぶこともあ
り,単に放射照度ということもある。
単位:W・m−2
integrated spectral
irradiance,
integrated irradiance
366
セルアパーチャ面
積
ガラス基板などのセルの周囲から光が回
り込まないようマスクを付け,電極を含
むセル全体を,このマスクの内側に位置
するようにしたときの,マスク内のセル
面積。
cell aperture area
367
全セル面積
正面からの光の投影,又は反射によって
測定したセル全体の面積。これを通常“セ
ル面積”と呼ぶ。
total cell area
15
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
368
太陽電池セル温度
直接太陽電池セルに接触させた温度セン
サ,又は開放電圧の測定から求めた太陽
電池セルの接合部温度。
量記号:Tj
単位 :℃
太陽電池接合部温度
cell junction
temperature,
cell temperature,
junction temperature
369
太陽電池セル面積
太陽電池セルの面積。太陽電池セルの変
換効率を算出するときに重要な数値であ
る。
注記 従来は,全受光面積(セル面積全体)
と有効受光面積(セル面積全体−電
極面積)とに分けて,変換効率と真
性変換効率とを求めていた。しか
し,ガラス基板のセル・集光形セル
などの出現によって,その変換効率
を的確に表すため,全セル面積・セ
ルアパーチャ面積・指定照射セル面
積の用語の定義が導入された。
cell area
370
等価セル温度
太陽電池セル・モジュール又は太陽電池
アレイ中の全ての太陽電池セルの接合が
同一温度で均一に動作している場合に,
基準状態で測定した出力が得られたとき
の接合部温度。
単位:℃
equivalent
photovoltaic cell
temperature (ECT)
371
二次基準太陽電池
セル
自然太陽光又はソーラシミュレータを用
いて,一次基準太陽電池セルを基準とし
て校正した基準セル。
secondary reference
photovoltaic cell
372
入射角
日射を受ける面の法線と太陽像中心の方
向とのなす角度。0〜90°の範囲で法線と
太陽像中心の方向が一致するとき(垂直
入射)を0°とする。
angle of incidence
373
白色バイアス光
被測定太陽電池セルにチョッピングした
単色光を照射して分光感度特性を測定す
るとき,太陽電池セルを動作状態にして
測定するためにチョッピング単色光に重
畳して照射する定常白色光。
white bias light
374
分光放射照度
多数の波長成分を含有する放射照度のう
ちの特定の波長成分だけを分離して示
す,波長幅(∆λ)当たりの放射照度。面
積及び波長幅の単位の取り方によって
W・m−2・μm−1,W・m−2・nm−1などを用い
る。
spectral irradiance
波長の関数としてプロットしたものを分
光放射照度分布(spectral irradiance
distribution)という。
量記号:Nλ(又はEλ)
単位 :W・m−2・μm−1
(又はW・m−2・nm−1)
(∆λを明示し,W・m−2で表すこともあ
る。)
16
C 8960:2012
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
375
ホットスポット
太陽電池モジュールにおいて,太陽光が
局部的に遮られたり,モジュールを構成
する太陽電池セルの一部に欠陥又は特性
劣化が発生したりする場合に,局部的に
温度が上昇する部分。
hot spot
376
モジュール温度
太陽電池モジュールを構成する太陽電池
セル全てが,一定温度になったときの温
度。モジュールの中央付近のセル温度で
代替することもある。
量記号:Tm
単位 :℃
module temperature
377
モジュール面積
フレームまで含めた太陽電池モジュール
の正面投影面積。
単位:cm2
module area
378
有効照射面
ソーラシミュレータに規定されている光
学的仕様を満足する照射面。
effective irradiated area
3.4) 評価機器
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
391
絶対放射計
放射計を構成する要素の物理定数が既知
であり,物理法則に基づいて放射エネル
ギーの絶対量を直接測定又は計算を用い
て求めることができる放射計。
物理定数には,例えば,エレメントの熱
容量,温度係数,熱伝導率,比熱,密度,
吸収面の分光吸収特性などがある。
absolute radiometer
392
全天日射計
水平面の全天日射強度,又はある所定の
角度で傾けた入射面での,地上からの反
射光も含んだ傾斜面日射強度を測定する
ための放射計。
日射計
pyranometer
393
ソーラシミュレー
タ
試験目的に応じて要求される放射照度,
均一性,及びスペクトル合致度を満足す
る,太陽電池などへの照射光源。太陽電
池の特性試験,信頼性試験などを屋内で
行うために使用する。装置の構成は,光
源としてキセノン,ハロゲン又はメタル
ハライドランプを用い,エアマス値補正
フィルタ及びインテグレータレンズ系か
ら成る。
人工光源,
人工太陽光源
solar simulator
17
C 8960:2012
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
394
直達日射計
太陽面の視半径に近い開口角をもつ筒の
底部に,筒と垂直な面をもつ受感部を付
け,筒口を通して入射する法線面直達日
射強度を測る日射計。
測定技術上の理由で,筒の開口部は太陽
視半径よりもある程度大きいため,測定
値には太陽周辺光も含む。世界気象機関
(WMO)では,直達日射計の開口角が4°
未満であることを規定している。
垂直入射放射照度計
pyrheliometer,
normal incidence
pyrheliometer (NIP)
395
分光放射照度計
波長の関数としての放射照度分布を測定
するための装置。
スペクトロラジオメ
ータ
spectroradiometer
396
放射計
標準ランプ又は絶対放射計で校正した,
熱電対又は熱電堆を用いた,波長依存性
がない熱形計測器。
radiometer
b) 機器
1) パワーコンディショナ
1.1) 構成
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
401
ACモジュール
交流出力パワーコンディショナを組み
込んで,直接交流出力を発生するように
した太陽電池モジュール。
AC module
402
インバータ
直流電力を交流電力に変換する装置。
逆変換装置,
直交変換装置
inverter
403
系統連系保護装置
系統連系形太陽光発電システムにおい
て,商用電力系統と接続するために必要
な保護装置。
utility interactive
protection unit
404
交流−交流インタフ
ェース
インバータの出力側と交流負荷との間
のインタフェース。交流−交流電圧変換
部,補助交流電源の接続部,フィルタな
どで構成する。
AC/AC interface
405
交流系統インタフェ
ース
インバータの出力側と電力系統との間
のインタフェース。商用電力系統と接続
し,交流−交流電圧変換部,フィルタ,
系統連系保護装置などで構成する。
utility interface
406
主幹制御監視装置
システム及びインバータの起動及び停
止制御,蓄電池充放電制御,系統及び負
荷の電力制御,自動・手動切換,太陽電
池アレイ追尾及びデータ収集,データ通
信,表示などの一部又は全てによって構
成し,太陽光発電システム全体の制御及
び監視機能を備えた装置。
システム制御装置
master control and
monitoring (MCM)
system controller
407
昇圧用コンバータ
低い電圧のストリングを,同じ太陽電池
アレイ中の他のストリングの電圧に合
わせるために用いる,直流−直流電圧変
換装置。
DC/DC converter
18
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
408
直流−直流インタフ
ェース
直流コンディショナの出力側と直流負
荷との間のインタフェース。開閉器,補
助直流電源の接続部,フィルタなどで構
成する。
DC/DC interface
409
直流コンディショナ 開閉器などの直流機器,直流−直流電圧
変換,最大出力追従などの一部又は全て
を備えた装置。
DC conditioner
410
パワーコンディショ
ナ
主幹制御監視装置,直流コンディショ
ナ,インバータ,直流−直流インタフェ
ース,交流−交流インタフェース,交流
系統インタフェースなどの,一部又は全
てで構成し,太陽電池アレイ出力を所定
の電力に変換する機能を備えた装置。
太陽光発電用パワー
コンディショナ
power conditioner
(PC),
power conditioning
sub-system (PCS),
power conditioner unit
(PCU)
1.2) インバータ種別
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
421
高周波絶縁方式
入力側と出力側との間を,高周波絶縁変
圧器を用いて電気的に絶縁するインバー
タ方式。
high frequency link
type
422
自励式
アームをトランジスタなどで構成し,自
励転流で動作するインバータ方式。
self-commutation type
423
商用周波絶縁方式
出力側と負荷側,又は出力側と系統側と
を,商用周波絶縁変圧器を用いて電気的
に絶縁するインバータ方式。
utility frequency link
type
424
電圧形
直流回路が電圧源特性をもつインバータ
方式。
voltage stiff type,
voltage source type
425
電圧制御形
PWM制御などによって出力電圧を規定
の振幅,位相及び周波数をもつ正弦波と
なるように制御するインバータ方式。
voltage control type
426
電流形
直流回路が電流源特性をもつインバータ
方式。
current stiff type,
current source type
427
電流制御形
PWM制御などによって出力電流を規定
の振幅,位相及び周波数をもつ正弦波と
なるように制御するインバータ方式。
current control type
428
トランスレス方式
絶縁変圧器を用いないインバータ方式。
インバータの直流側と交流側とは非絶縁
状態となる。
transformerless type
429
他励式
バルブアーム(アーム)をサイリスタな
どで構成し,他励転流で動作するインバ
ータ方式。
line commutation type
19
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1.3)
特性・性能
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
441
イミュニティレベ
ル
パワーコンディショナが要求される性能
で動作できる電磁妨害の最大印加レベ
ル。
ノイズ耐量
immunity level
442
加重平均効率(系統
連系形)
系統連系形(蓄電池なし,かつ,逆潮流
あり)システムでは,指定された日射持
続曲線(日射強度と累積時間との関係を
表す特性)から求めた各重み係数と,対
応するパワーコンディショナの部分負荷
効率との積の和で表す,入力電力量に対
する出力電力量の比。
単位:%
weighted average
conversion
efficiency at
grid-connected
system
443
加重平均効率(独立
形)
独立形(蓄電池あり)システムでは,指
定された期間の負荷パターンから求めた
各重み係数と,対応するパワーコンディ
ショナの部分負荷効率との積の和で表
す,入力電力量に対する出力電力量の比。
単位:%
weighted average
conversion
efficiency at
standalone system
444
過入力耐量
定格を超える入力電力に対する耐量。定
格直流入力電力に対する直流入力電力の
百分率(%)と,許容できる時間(min)
とで表す。
over input power
445
過負荷耐量
定格を超える出力電力に対する耐量。定
格負荷(出力)電力に対する過負荷(出
力)電力の百分率(%)と,許容できる時
間(min)とで表す。
出力過電流耐量
overload capability,
over current capability
446
高周波エミッショ
ン
パワーコンディショナから高周波の電磁
エネルギーが放出する現象。空間的に放
射するものと,導体を伝導するものとに
分けられ,それぞれの強さは電界強度及
び妨害電圧で表す。
high frequency
emission,
high frequency noise
447
最大許容入力電圧
許容し得る最大直流入力電圧。
単位:V
maximum input
voltage
448
最大出力追従制御
日射強度及び温度で変化する太陽電池の
最大出力動作電圧などに,自動的に追従
制御し,太陽電池から得られる電力を最
大にする制御方式。
maximum power point
tracking (MPPT)
449
雑音端子電圧
パワーコンディショナが発生する高周波
エミッションの,端子における電圧値。
単位:dB
妨害波雑音電圧
conducted emission
disturbance voltage
450
実効効率
一定期間における,直流入力電力量に対
する交流出力電力量(有効電力量)の比。
量記号:ηPCO
単位:%
effective energy
efficiency
451
自動起動・停止
日射強度又は太陽電池の出力に応じて,
自動的に起動又は停止する機能。
automatic start/stop
452
出力力率
交流出力における,皮相電力に対する有
効電力の比。
AC output power factor
20
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
453
自励転流
インバータの構成要素から転流電圧を与
える転流。デバイス転流を含む。
自己転流
self-commutation
454
ソフトスタート
パワーコンディショナの起動及び再起動
時に,系統側又は負荷側に対する,交流
出力電流による衝撃を緩和する機能。
soft-start
455
待機損失
パワーコンディショナが待機状態時に消
費する電力損失。
単位:W
standby loss
456
他励転流
インバータの外部から転流電圧を与える
転流。
電源転流,
外部転流
line commutation,
external commutation
457
直流リプル率
定格直流入力電圧又は定格直流入力電流
が含む交流成分の,直流成分に対する比。
単位:%
次の式で表す。
d
A
A
A
2
min
max−
=
μ
ここに, μ
:直流リプル率(%)
Amax :リプルを含んだ直流電圧
又は直流電流の最大値
Amin :リプルを含んだ直流電圧
又は直流電流の最小値
Ad :リプルを含んだ直流電圧
又は直流電流の平均値
脈動率
DC ripple factor
458
定格負荷効率
定格負荷における,直流入力電力に対す
る交流出力電力(有効電力)の比。
単位:%
rated load efficiency
459
入力運転電圧範囲
出力電圧,周波数などの定格諸量を満足
し,安定に運転できる直流入力電圧の範
囲。
単位:V
input voltage
operating range
460
入力電圧一定制御
あらかじめ設定した太陽電池最大出力動
作電圧の近傍の値に,直流入力電圧を制
御する方式。
入力定電圧制御
fixed voltage operation
461
PWM制御
出力周波数の1周期中の各パルス列の幅
及び繰返し周波数の,一方又は両方を変
調させて行うパルス制御。
パルス幅変調制御
pulse width
modulation control
462
高調波ひずみ
交流量の基本波成分又は基準基本波成分
の実効値に対する,高調波含有量の実効
値の比。
単位:%
次の式で表す。
l
2
n
A
A
d
∑
=
ここに, d :高調波ひずみ率
An :第n次高調波実効値
(n≧2)
Al :基本波実効値
total harmonic
distortion (THD)
21
C 8960:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
463
不整合損失
パワーコンディショナ入力端の直流電圧
又は電流が,太陽電池の最大出力動作電
圧又は電流と異なることによって生じる
等価的な損失。
単位:W
mismatch loss
464
部分負荷効率
指定した負荷率における,直流入力電力
に対する交流出力電力(有効電力)の比。
単位:%
partial load efficiency
465
放射エミッション
パワーコンディショナが発生する高周波
雑音が,パワーコンディショナ自身,及
び太陽電池アレイ又は配電線に伝導して
放射し,周囲空間に影響を及ぼす電界強
度。
単位:dB
放射妨害,
ふく(輻)射妨害
radiated emission
466
無負荷損失
交流出力電力をゼロにしたときに,パワ
ーコンディショナ内で消費する電力。
単位:W
no load loss
467
連系運転範囲
系統連系時,系統側の電圧変動及び周波
数変動に対して追従運転できる範囲。
utility interactive
operation range
2) 蓄電池
2.1) 一般
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
501
時間率
電池の充放電電流の大きさ。具体的には,
電流iで放電し,放電終止電圧に至るまで
の時間が,t時間であるとすれば,この放
電をt時間率(t hR)放電といい,iをt
時間率放電電流という。
hour rate
502
制御弁式鉛蓄電池
電池の内部圧力が高くなると開放する弁
構造を備え,負極で酸素を吸収する機能
をもつ鉛蓄電池。
密閉形鉛蓄電池,
陰極吸収式シール形
鉛蓄電池
valve regulated
lead-acid (VRLA)
battery
503
太陽光発電用鉛蓄
電池
太陽光発電システムに用いる鉛蓄電池の
総称。狭義には,太陽光発電システムの
要求品質を満足させるように設計した鉛
蓄電池をいう。
lead-acid battery for
photovoltaic
systems
504
ベント形鉛蓄電池
防まつ構造をもつ排気栓を用いて,酸霧
が脱出しないようにした鉛蓄電池。
vented lead-acid
battery
22
C 8960:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2.2) 特性・試験
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
511
アンペアアワー効
率
充電電気量に対する放電電気量の比。
単位:%
次の式で表す。
c
c
d
d
Ah
T
I
T
I
×
×
=
η
ここに,ηAh :アンペアアワー効率(%)
Id :放電電流(A)
Td :放電時間(h)
Ic :充電電流(A)
Tc :充電時間(h)
ampere-hour
efficiency
512
残存容量
部分放電又は長期保存した後の蓄電池か
ら取り出し得る容量。
residual capacity
513
自己放電率
満充電状態における容量に対する,放置
による容量の減少量の比。
単位:%
自己放電率は,次の式で表す。
1
2
1
C
C
C−
=
η
ここに, η :自己放電率(%)
C1 :満充電状態の蓄電池の実容
量(Ah)
C2 :一定条件で放置した後の蓄
電池の実容量(Ah)
self discharge rate
514
充電I-V特性
充電電流と蓄電池電圧との関係を示す特
性。
charging I-V
characteristic
515
充電効率
アンペアアワー効率及びワットアワー効
率の総称。
単位:%
注記 アンペアアワー効率の意味に用い
ることが多い。
charging efficiency
516
蓄電池定格容量
既定条件下で放電したときに取り出せ
る,蓄電池製造業者が指定する蓄電池の
電気量。
単位:Ah
rated capacity for
battery
517
部分充電状態
蓄電池が満充電に至っていない状態。
partial state of charge
(PSOC)
518
放電I-V特性
放電電流と蓄電池電圧との関係を示す特
性。
discharging I-V
characteristic
519
放電深度
蓄電池の放電状態を表す数値。一般に,
定格容量に対する放電量の比。
単位:%
depth of discharge
520
満充電状態
利用できる活物質が十分に充電された状
態。
full charge
23
C 8960:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
521
ワットアワー効率
充電電力量に対する放電電力量の比。次
の式で表す。
単位:%
cav
dav
Ah
cav
c
c
dav
d
d
V
V
V
T
I
V
T
I
×
×
×
×
×
η
η
=
=
Wh
ここに,ηWh :ワットアワー効率(%)
ηAh :アンペアアワー効率(%)
Id :放電電流(A)
Td :放電時間(h)
Vdav :平均放電電圧(V)
Ic :充電電流(A)
Tc :充電時間(h)
Vcav :平均充電電圧(V)
watt-hour efficiency
3) 評価機器
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
531
交流系統模擬電源
装置
系統の電圧,相数,周波数,ひずみ率,
インピーダンスなどを設定し模擬できる
交流電源装置。
系統シミュレータ
AC utility power
simulator
532
太陽電池模擬電源
装置
太陽電池の電流電圧特性を設定し,模擬
できる直流電源装置。
アレイシミュレータ
photovoltaic array
simulator
4) その他機器
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
541
アレイ出力開閉器
太陽電池サブアレイ又は太陽電池アレイ
の出力端に設置し,負荷側の設備と電気
的に区分するための開閉器。
DC side switch
542
アレイ保護装置
太陽電池サブアレイ又は太陽電池アレイ
回路に発生する地絡,短絡,過電流など
の異常を検出し,これらを分離,除去又
は警報するための装置。
array protection unit
543
中継端子箱
複数のストリング出力側と負荷側とを,
又は複数のアレイ出力側と負荷側とを端
子で中継し,必要に応じて逆流防止素子,
直流開閉器などを収納した密閉箱。
接続箱,
集電箱
junction box
c) システム
1) システムの分類
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
601
一般負荷システム
ある範囲の不特定の負荷を対象として構成
及び設計したシステム。
photovoltaic system for
common load
24
C 8960:2012
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
602
オンサイトシステム 太陽光発電システムと同一構内に設置した
負荷だけを対象とし,その構内で電力を発
電消費するシステム。
photovoltaic system for
on-site load
603
切換形システム
太陽光発電電力が不足した場合だけ,ここ
に接続していた負荷を太陽光発電から切り
離して,商用電力系統側に切り替えるシス
テム。直流側切替システム及び交流側切替
システムの二つの方式がある。
grid backed-up
photovoltaic system,
utility backed-up
photovoltaic system
604
系統連系形太陽光発
電システム
商用電力系統に接続し,電力の送出及び受
取を行う太陽光発電システム。
並列連系システム
grid-connected
photovoltaic system,
utility connected
photovoltaic system,
utility interactive
photovoltaic system
605
交流側切換形システ
ム
電力系統からの交流を,太陽光発電システ
ムのインバータ出力(交流出力)側で切り
替えるシステム。
AC side switch-over
photovoltaic system
606
集中配置システム
太陽光発電システムを1か所に集中して設
置するシステム。
centralized
photovoltaic system
607
専用負荷システム
既知の特定な負荷の要求だけに合わせて構
成及び設計したシステム。
PV system for specific
load
608
太陽光発電アレイ分
散配置システム
分散配置した複数の太陽電池アレイを並列
に接続し,パワーコンディショナを集中配
置したシステム。
dispersed array
system
609
太陽光発電システム
(たいようひかりは
つでんしすてむ),
(たいようこうはつ
でんしすてむ)
光起電力効果によって太陽エネルギーを電
気エネルギーに変換し,負荷に適した電力
を供給するために構成した装置,及びこれ
らに附属する装置の総体。
PVシステム
photovoltaic system,
photovoltaic power
system,
photovoltaic power
generating system
610
太陽光発電システム
分散配置システム
分散配置した複数の太陽光発電システム
を,共通のシステム制御に基づき,配電線
を通して並列運転するシステム。
multi-photovoltaic
system
611
直流側切換形システ
ム
電力系統からの交流を整流回路で直流に変
換して,太陽光発電システムの直流側で切
り替えるシステム。
DC side switch-over
photovoltaic system
612
独立形太陽光発電シ
ステム
商用電力系統から独立して電力を供給する
太陽光発電システム。
stand-alone
photovoltaic system
613
ハイブリッド形太陽
光発電システム
ディーゼル発電,風力発電などのほかの電
源を組み合わせた太陽光発電システム。
hybrid photovoltaic
system
614
分散配置システム
分散配置した複数の小規模又は中規模太陽
光発電システム又は太陽電池アレイを一つ
の発電所のように運転するシステム。分散
配置システムには,太陽光発電システム分
散配置システム及び太陽光発電アレイ分散
配置システムがある。
dispersed photovoltaic
system
615
分散負荷システム
小規模の配電線を設置して,太陽光発電シ
ステムと同一構内以外の負荷に対しても,
太陽光発電によって得た電力を融通するシ
ステム。
photovoltaic system for
distributed multi-load
25
C 8960:2012
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2) アレイ
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
621
アレイ基本回路
1個又は複数個のストリング又は単位並列
回路を,並列又は直列に接続した回路。太
陽電池アレイ電気回路の基本をなす。
array basic circuit
622
アレイ集電回路
ストリング又は単位並列回路からの出力を
集電し,太陽電池サブアレイとしてまとめ
るための回路,又は太陽電池サブアレイか
らの出力を集電し,太陽電池アレイとして
まとめるための回路。中継のための回路を
含む。
array collection circuit
623
アレイ設置形態
地上又は建物に太陽電池モジュールを設置
する形態。ダイレクト形,スタンドオフ形
及びラック形の3種がある。
array installation mode
624
アレイ用支持物
太陽電池モジュールを支持することを目的
とした単柱,架台などの工作物の総称。
structures for
photovoltaic array
625
壁材一体形アレイ
太陽電池モジュールと壁建材とを接着剤,
ボルトなどで一体構造にしたもの。太陽電
池モジュールと壁建材とを物理的に分割す
ることが可能である。
facade integrated type
626
壁材形アレイ
太陽電池自体又は太陽電池モジュールの構
成材料が壁建材を兼ねるもの。太陽電池モ
ジュールと壁建材とを物理的に分割するこ
とが不可能である。
facade material type
627
壁設置形アレイ
壁に支持物を介して太陽電池モジュールを
設置したもの。
facade mount type
628
壁用アレイ
壁に太陽電池モジュールを設置した太陽電
池アレイ。さらに,構造又は用途によって
壁設置形,壁材一体形及び壁材形に分けら
れる。
photovoltaic array for
facade
629
逆流防止素子
太陽電池モジュール,太陽電池パネル,太
陽電池サブアレイ又は太陽電池アレイへの
電流の逆流を防止するために直列に挿入す
る素子。
blocking device
630
緊結固定線方式
太陽電池アレイの設置方法の一つで,アレ
イを建物主要構造材に固定線で緊結する方
式。
binding wire type
631
支持金具方式
建物への太陽電池アレイの設置方法の一つ
で,建材又は建物の主要構造材の一部にア
レイ取付用の支持金具を取り付けてアレイ
を固定する方式。各種の屋根材への対応が
可能である。
support fitting type
632
集光形太陽電池ア
レイ
集光形太陽電池を用いた太陽電池アレイ。
concentrating
photovoltaic array
633
スタンドオフ形
モジュールを建物などと平行に空隙を設け
て間接に設置する形態。
stand-off mount mode
634
ストリング
太陽電池アレイ又は太陽電池サブアレイが
所定の出力電圧を満足するよう,太陽電池
モジュールを直列に接続した回路。
string
26
C 8960:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
635
太陽電池アレイ
太陽電池架台及び/又は基礎,その他の工
作物をもち,太陽電池モジュール又は太陽
電池パネルを機械的に一体化し,結線した
集合体。太陽光発電システムの一部を形成
する。
photovoltaic array
636
太陽電池アレイフ
ィールド
1個又は複数個の太陽電池アレイを直列及
び/又は並列に接続し,適切な配置で設置
している現場。
photovoltaic array
field
637
太陽電池架台
太陽電池モジュール又は太陽電池パネルを
取り付けるための支持物。
support structure for
photovoltaic
panel/module,
support structure
638
太陽電池サブアレ
イ
太陽電池アレイの構成要素を備え,アレイ
出力の一部を受け持つ一つのユニット。
photovoltaic subarray,
sub-array
639
太陽電池パネル
現場取付けができるように複数個の太陽電
池モジュールを機械的に結合し,結線した
集合体。
photovoltaic panel
640
耐雷対策回路
雷サージ電圧などの異常電圧の侵入によっ
て,太陽電池,パワーコンディショナなど
が損傷しないように異常電圧を吸収又は低
減する回路。
surge protection circuit
641
ダイレクト形
モジュールを建物などに空隙なしに直接設
置する形態。
サージ保護回路
direct installation mode
642
単位並列回路
太陽電池アレイ又は太陽電池サブアレイが
所定の出力電流を満足するよう,太陽電池
モジュールを並列に接続した回路。
unit parallel circuit
643
追尾式太陽電池ア
レイ
太陽光を追尾する装置をもつ太陽電池アレ
イ。
tracking photovoltaic
array
644
バイパス素子(シス
テムレベル)
部分的な日陰,太陽電池モジュール内のト
ラブルによる太陽電池アレイ全体の出力低
下,太陽電池モジュールなどの発熱又は焼
損の防止のため,太陽電池アレイ内に配置
する,出力電力をバイパスする素子。
bypass device (on a PV
system level)
645
バイパス素子(モジ
ュールレベル)
部分的な日陰,太陽電池モジュール内のト
ラブルによる太陽電池アレイ全体の出力低
下,太陽電池モジュールなどの発熱又は焼
損の防止のため,主回路の一部を,バイパ
スする素子。
bypass device (on a
module level)
646
BOS
太陽光発電システムの構成機器のうち,太
陽電池モジュールを除いた,架台,開閉器,
蓄電池,パワーコンディショナ,計測器な
どの周辺機器の総称。
周辺機器
balance of system
647
窓用アレイ
窓に太陽電池モジュールを設置した太陽電
池アレイ。太陽電池自体又は太陽電池モジ
ュールの構成材料が窓材を兼ねる。
photovoltaic array for
window,
window material type
27
C 8960:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
648
屋根置き形アレイ
既存の屋根に支持物を介して太陽電池モジ
ュールを設置した屋根用アレイ。さらに,
仕上がり状態でアレイ周囲の屋根面とアレ
イ面とを同一レベルにして,支持物及び配
線材を隠蔽する方式のアレイは“見掛け屋
根一体形”と呼ぶ。また,屋根置き形アレ
イは次のように分けられる。
1) 陸屋根用アレイ 屋根面が水平又は水
平に近い屋根用アレイ。
2) 勾配屋根用アレイ(傾斜屋根用) 切
り妻,寄せ棟など屋根面が傾斜してい
る屋根用アレイ。
roof mount type
649
屋根材一体形アレ
イ
太陽電池モジュールと屋根建材とを接着
剤,ボルトなどで一体構造にした屋根用ア
レイ。太陽電池モジュールと屋根建材を物
理的に分割することが可能である。
roof integrated type
650
屋根材形アレイ
太陽電池自体又は太陽電池モジュールの構
成材料が屋根建材を兼ねる屋根用アレイ。
太陽電池モジュールと屋根建材とを物理的
に分割することが不可能である。
roof material type
651
屋根用アレイ
屋根に太陽電池モジュールを設置した太陽
電池アレイ。さらに構造又は用途によって
屋根置き形,屋根材一体形及び屋根材形の3
種がある。
photovoltaic array for
roof
652
ラック形
地上又は建物に架台によって角度をもたせ
て設置する形態。
rack mount mode
3) 連系
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
671
逆潮流
需要家構内から電力系統側へ向かう電力。
reverse power flow
672
系統連系運転
自家用発電設備を商用電力系統に接続し,
運転している状態。
注記 連系している商用電力系統の電圧階
級及び形態によって,低圧連系,高圧
連系,特別高圧連系,スポットネット
ワーク連系などに区分することもあ
る。
grid-connected
operation,
utility connected
operation
673
自立運転
系統連系した自家用発電設備を電力系統か
ら切り離した状態で,一時的に需要家構内
単独で運転する状態。
isolated operation
674
単独運転
自家用発電設備が接続される一部の電力系
統を,系統電源から切り離した状態におい
て,自家用発電設備から,線路負荷に電力
供給又は電圧を印加している状態。
islanding operation
675
独立運転
商用電力系統と接続していない負荷に,電
力供給している状態。
stand-alone operation
28
C 8960:2012
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4) 特性・性能
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
701
アレイ寄与率
総合システム入力電力量のうち,アレイ出
力電力量の占める割合。
単位:%
次の式で表す。
τ
τ
τ
in,
A,
A,
E
E
F=
ここに,FA,τ :アレイ寄与率
EA,τ :アレイ出力電力量(Wh)
Ein,τ :総合システム入力電力量
(Wh)
太陽エネルギー依
存率
fraction of total system
input energy
contributed by
photovoltaic array
702
アレイ出力電力量
一定の期間に太陽電池アレイが発電する電
力量。
単位:Wh
array output energy
703
アレイ損失
太陽電池アレイで生じる損失。等価日太陽
日照時間と等価日アレイ運転時間との差で
表す。
単位:h・d−1
array capture losses
704
温度補正係数
総合設計係数の算出に用いる補正係数の一
つで,太陽電池モジュール温度の変化に伴
う出力電力量の変化を補正する係数。次の
式で表す。
KPT=1+αPmax×(TCR−TS)
TCR=TA+∆TCR
ここに,KPT :温度補正係数
αPmax :最大出力温度係数
TCR :日射による加重平均温度
(℃)
∆TCR :加重平均電池温度上昇
(℃)
TA :周囲温度(℃)
TS :標準試験条件における温度
(=25 ℃)
cell temperature factor
705
基準アレイ面日射
強度
標準試験条件における太陽電池アレイ面へ
の日射強度。
standard irradiance in
array plane
706
逆潮流電力量
需要家から商用電力系統へ向かう電力量。
単位:Wh
energy to utility grid
707
経時変化補正係数
総合設計係数の算出に用いる補正係数の一
つで,太陽電池モジュールガラス表面の汚
れ又は劣化による出力電力量の低下,太陽
光の分光分布の変動に伴う出力電力量の変
化,モジュールガラス表面の反射又は透過
による出力電力量の変化,充塡材による吸
収などを補正する係数。
efficiency deviation
factor
708
系統受電電力量
商用電力系統からの受電電力量。
単位:Wh
energy from utility grid
29
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
709
公称システム出力
直流出力であって,標準動作条件のとき,
規定した太陽電池アレイ出力によって規定
する負荷に接続したときに得られる太陽光
発電システムの出力。
単位:W
nominal system power
710
公称システム出力
電圧
公称システム出力の条件におけるシステム
出力電圧。
単位:V
nominal system output
voltage
711
公称システム出力
電流
公称システム出力の条件におけるシステム
出力電流。
単位:A
nominal system output
current
712
システム出力係数
パワーコンディショナ出力電力量を,アレ
イ面日射量と標準アレイ太陽電池出力との
積で除した値。太陽光発電システムの性能
を示す指標として用いる。次の式で表す。
AS
A
S
PCO
R
P
H
G
E
P
×
×
=
ここに, PR :システム出力係数
EPCO :パワーコンディショナ出力
電力量
HA :アレイ面日射量
PAS :標準アレイ太陽電池出力
GS :標準試験条件における日射
強度
性能比
performance ratio
713
システム発電効率
総合システム出力電力量を,アレイ面日射
量とアレイ面積との積で除した値。
単位:%
次の式で表す。
τ
τ
τ
η
H
A
E
×
a
use,
S,=
ここに, ηS,τ :システム発電効率
Euse,τ :総合システム出力電力量
(Wh)
Aa :アレイ面積(m2)
Hτ :アレイ面日射量(Wh・m−2)
system efficiency
714
システム利用率
総合システム出力電力量を,標準太陽電池
アレイ出力と時間との積で除した値。
単位:%
次の式で表す。
τ
τ
τ
×
0
use,
S,
P
E
L=
ここに,LS,τ :システム利用率
Euse,τ :総合システム出力電力量
(Wh)
P0
:標準太陽電池アレイ出力
(W)
τ
:時間(h)
capacity factor
30
C 8960:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
715
実効太陽電池アレ
イ出力
標準動作条件における,太陽電池アレイの
最大出力点における出力。
単位:W
SOC photovoltaic array
maximum power
716
実効太陽電池アレ
イ出力電圧
標準動作条件における,太陽電池アレイの
最大出力点の出力電圧。
単位:V
SOC photovoltaic array
maximum power
voltage
717
総合システム効率
平均アレイ効率とパワーコンディショナ実
効効率との積。
単位:%
total system efficiency
718
総合システム出力
電力量
パワーコンディショナから出力する総電力
量。
単位:Wh
次の式で表す。
Euse,τ=EL,τ+ETUN,τ+ETSN,τ
ここに, Euse,τ :総合システム出力電力量
EL,τ :負荷への出力電力量(Wh)
ETUN,τ :商用電力系統へのネット電
力量(Wh)
ETSN,τ :蓄電池へのネット電力量
(Wh)
システム発電電力
量
total system output
energy
719
総合システム入力
電力量
パワーコンディショナに入力する総電力
量。
単位:Wh
次の式で表す。
Ein,τ=EA,τ+EBU,τ+EFUN,τ+EFSN,τ
ここに,Ein,τ
:総合システム入力電力量
EA,τ
:アレイ出力電力量(Wh)
EBU,τ :バックアップ電力量(Wh)
EFUN,τ :商用電力系統からの
ネット電力量(Wh)
EFSN,τ :蓄電池からのネット電力
量(Wh)
total system input
energy
720
総合設計係数
太陽光発電システムの,ある期間の日射量
に見合った標準試験条件で発電可能な電力
量を推定するために,日射量年変動補正係
数,経時変化補正係数,温度補正係数,負
荷整合補正係数,日陰補正係数などの低減
要素を見込んで乗じる係数。
total design factor
721
蓄電池寄与率
総合設計係数の算出に用いる補正係数の一
つで,アレイ出力電力量に対する,蓄電池
充電電力量の比で表し,蓄電池のエネルギ
ー貢献度を補正するための係数。次の式で
表す。
BD
Bi
Bi
BA
E
E
E
+
=
γ
ここに,γBA :蓄電池寄与率
EBD :蓄電池バイパス電力量(Wh)
EBi :蓄電池充電電力量(Wh)
battery contribution
ratio
31
C 8960:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
722
直流コンディショ
ナ実効効率
総合設計係数の算出に用いる補正係数の一
つで,直流コンディショナの,入力電力量
に対する出力電力量の比。
単位:%
次の式で表す。
DDI
DDO
DDO
E
E
=
η
ここに, ηDDO :直流コンディショナ実効効
率
EDDO :直流コンディショナ出力電
力量(Wh)
EDDI :直流コンディショナ入力電
力量(Wh)
DC/DC converter
effective energy
efficiency
723
定格システム出力
次の2種の定義がある。
a) 独立形太陽光発電システムの場合
太陽光発電システムが交流出力,かつ,
定格負荷に接続したときに得られる出
力。
b) 系統連系形太陽光発電システムの場合
標準動作条件の下で,連続的に出力し
得るシステムの最大の出力。
単位:W
rated system power
注記 独立形太陽光発電システムにおいて
は,日射条件は任意とする。
724
定格システム出力
周波数
定格システム出力の条件におけるシステム
出力周波数。
単位:Hz
rated system frequency
725
定格システム出力
電圧
定格システム出力の条件におけるシステム
出力電圧。
単位:V
rated system output
voltage
726
定格システム出力
電流
定格システム出力の条件におけるシステム
出力電流。
単位:A
rated system output
current
727
定格負荷
製造業者が指定した定格システム出力を実
現するときの負荷条件。
rated load
728
等価日アレイ運転
時間
1日の積算したアレイ出力電力量を負荷又
は系統に供給するとき,標準太陽電池アレ
イ出力で,太陽電池アレイを運転したとき
の1日当たりの時間数。
単位:h・d−1
photovoltaic array yield,
array yield
729
等価日システム運
転時間
1日の積算した総合システム出力電力量の
うち,太陽電池アレイが供給するシステム
出力電力量を,標準太陽電池アレイ出力で
除した値。アレイが標準太陽電池アレイ出
力で運転したときの,システムの1日当た
りの時間数を表す。
単位:h・d−1
photovoltaic system
yield
32
C 8960:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
730
等価日太陽日照時
間
基準アレイ面日射強度で日積算アレイ面日
射量を供給するのに必要な1日当たりの時
間数。
単位:h・d−1
reference yield
731
日射量年変動補正
係数
総合設計係数の算出に用いる補正係数の一
つで,長期における気象の変動に伴う日射
量の不足を見込む係数。次の式で表す。
a
G,
HG
H
HD1
H
d
K
ρ
−
=
ここに,KHD :日射量年変動補正係数
dH
:日射変動係数
ρHG :年数に対する年間水平面日
射量の標準偏差
HG,a :年数に対する年間水平面日
射量の平均値
a
G,
HG
H
ρ
:日射変動度
annual irradiation
deviation factor
732
ネット電力量
決められた方向の電力量の総和。
単位:Wh
正味電力量
net energy
733
バックアップ電力
量
他の電源からの補完電力量。
単位:Wh
back-up energy
734
パワーコンディシ
ョナ実効効率
総合設計係数の算出に用いる補正係数の一
つで,インバータの入力電力量に対する出
力電力量の比。
単位:%
次の式で表す。
PCI
PCO
PCO
E
E
=
η
ここに,ηPCO :パワーコンディショナ実効
効率
EPCO :パワーコンディショナ出力
電力量(Wh)
EPCI :パワーコンディショナ入力
電力量(Wh)
power conditioner
effective energy
efficiency
33
C 8960:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
735
BOS効率
BOSのエネルギー効率で,負荷,蓄電池及
び系統への電力量を,太陽電池アレイ及び
バックアップ電力量で除した値。
単位:%
次の式で表す。
τ
BU,
τ
A,
τ
FUN,
τ
TUN,
τ
FSN,
τ
TSN,
τ
L,
BOS
E
E
E
E
E
E
E
+
−
+
−
+
=
η
ここに,ηBOS :BOS効率
EL,τ :負荷への入力電力量(Wh)
ETSN,τ :蓄電池へのネット電力量
(Wh)
EFSN,τ :蓄電池からのネット電力量
(Wh)
ETUN,τ :商用電力系統へのネット電
力量(Wh)
EFUN,τ :商用電力系統からのネット
電力量(Wh)
EA,τ :アレイ出力電力量(Wh)
EBU,τ :バックアップ電力量(Wh)
BOS efficiency
736
BOS損失
BOS構成要素で生じる損失。次の式で表す。
LBOS=YA×(1−ηBOS)
ここに,LBOS :BOS損失
ηBOS :BOS効率
YA :等価日アレイ運転時間
BOS loss
737
日陰部分等価面積
アレイ内の陰がない部分が受ける陰の影響
を考慮して見積もった日陰部分の面積。
738
日陰補正係数
総合設計係数の算出に用いる補正係数の一
つで,日陰がないときの発電電力量に対す
る,日陰があるときの発電電力量の比。
shading factor
739
日陰率
太陽電池アレイ面積に対する,太陽電池ア
レイ面の日陰部分等価面積の比。次の式で
表す。
m
m
A
k
k=
ここに,k :日陰率
km:日陰部分等価面積(m2)
Am :太陽電池アレイ面積(m2)
shadow cover rate
740
標準試験条件
日射強度1 000 W・m−2,エアマス1.5及び太
陽電池アレイ代表温度25±2 ℃の試験条
件。
STC
standard test
conditions (STC)
741
標準太陽電池アレ
イ開放電圧
標準試験条件における太陽電池アレイの開
放電圧。
単位:V
open-circuit voltage
under standard test
conditions
742
標準太陽電池アレ
イ出力
標準試験条件における太陽電池アレイの最
大出力点における出力。
単位:W
maximum power
under standard test
conditions
34
C 8960:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
743
標準太陽電池アレ
イ出力電圧
標準試験条件における太陽電池アレイの最
大出力点の出力電圧。
単位:V
maximum power
voltage under
standard test
conditions
744
標準動作条件
日射強度1 000 W・m−2,エアマス1.5及びア
レイ代表温度が公称動作セル温度の動作条
件。
SOC
standard operating
conditions (SOC)
745
負荷整合補正係数
総合設計係数の算出に用いる補正係数の一
つで,太陽電池アレイ出力の最適動作点か
らのずれによって生じる出力電力量の変化
を補正する係数。
load matching factor
746
不日照想定期間
蓄電池があり,補助電源がない太陽光発電
システムで,システム設計のときに,連続
して発電が得られないと想定した期間。
単位:日又は時間
注記1 不日照想定期間は,蓄電池だけで仕
様書に想定した負荷をバックアッ
プすることになる。
注記2 システム設計の際の必要蓄電池容
量の計算は,完全充電状態からの容
量で計算する場合,及びシステム運
用で想定する部分充電状態からの
残容量で計算する場合がある。
assumed non-sunshine
period,
assumed no-storage
period
747
平均アレイ効率
太陽電池アレイのエネルギー効率で,アレ
イ出力電力量を,アレイ面日射量とアレイ
面積との積で除した値。
単位:%
太陽電池アレイ変
換効率
mean array efficiency
748
無効電力潮流量
発電設備設置者の構内から系統側へ向かう
電力の内の無効電力分,又は系統側から構
内に向かう電力の内の無効電力分。
quantity of reactive
power current
749
有効電力潮流量
発電設備設置者の構内から系統側へ向かう
電力の内の無効電力分,又は系統側から構
内に向かう電力の内の有効電力分。
quantity of effective
power current
参考文献 IEC/TS 61836:2007,Solar photovoltaic energy systems−Terms, definitions and symbols