C 8920:2005
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日
本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 60904-5:1993,Determination of the
equivalent cell temperature(ETC) of photovoltaic(PV) devices by the open circuit voltage methodを基礎として用
いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS C 8920には,次に示す附属書がある。
附属書1(参考)JISと国際規格の対比表
C 8920:2005
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 2
3. 定義 ······························································································································ 2
4. 測定条件 ························································································································ 2
5. 測定装置 ························································································································ 2
6. 測定手順 ························································································································ 2
7. 計算 ······························································································································ 2
附属書1(参考)JISと国際規格の対比表 ················································································· 5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 8920:2005
開放電圧による結晶系太陽電池の等価セル
温度測定方法
Measuring method of equivalent cell temperature
for crystalline solar cells by the open-circuit voltage
序文 この規格は,1993年に第1版として発行されたIEC 60904-5:1993,Determination of the equivalent cell
temperature(ETC) of photovoltaic(PV) devices by the open circuit voltage methodを翻訳し,技術的内容を変更す
ることなく様式を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施している箇所は,原国際規格の内容を変更して規定した事項である。
変更の一覧表をその説明を付けて,附属書1(参考)に示す。
1. 適用範囲 この規格は,電力発電を目的とする平面・非集光形の地上用結晶系太陽電池セル,地上用
結晶系太陽電池モジュール,又は1種類の結晶系太陽電池モジュールからなる地上用太陽電池アレイ(以
下,太陽電池という。)の等価セル温度を太陽電池の開放電圧から求める方法について規定する。
備考 この規格の対応規格を,次に示す。
なお,対応の程度を示す記号は,ISO/IEC Guide21 に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
IEC 60904-5:1993 Determination of the equivalent cell temperature (ECT) of photovoltaic
(PV) devices by the open-circuit voltage method(MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 8911 二次基準結晶系太陽電池セル
備考 IEC 60904-2:1987, Photovoltaic devices - Part 2:Requirements for reference solar cells
及びIEC 60904-3:1989, Photovoltaic devices ‒ Part 3:Measurement principles for
terrestrial photovoltaic(PV) solar devices with reference spectral irradience data がこの規格と
一致している。
JIS C 8912 結晶系太陽電池測定用ソーラシミュレータ
備考 IEC 60904-9:1995,Photovoltaic devices ‒ Part9:Solar simulator performance requirement
を元に国際規格には規定されていない規定項目(測定手順などの測定方法)を追加している。
JIS C 8913 結晶系太陽電池セル出力測定方法
備考 IEC 60904-1:1987, Photovoltaic devices ‒ Part1:Measurements of photovoltaic current
-voltage characteristics がこの規格と一致している。
2
C 8920:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS C 8914 結晶系太陽電池モジュール出力測定方法
備考 IEC 60891:1987, Procedures for temperature and irradiance corrections to measured I-V
characteristics of crystalline silicon photovoltaic devices 及び IEC 60891
Amendment No.1:1992, がこの規格と一致している。
JIS C 8916 結晶系太陽電池セル・モジュールの出力電圧・出力電流の温度係数測定方法
備考 IEC 61215:1993, Crysstallinesilicon terrestrial photovoltaic (PV) modules ‒ Design
qualification and type approval の対応部分がこの規格と一致している。
JIS C 8919 結晶系太陽電池セル・モジュール屋外出力測定方法
JIS Z 8103 計測用語
JIS Z 8113 照明用語
JIS Z 8120 光学用語
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 8911,JIS C 8912,JIS C 8913,JIS C 8914,JIS C
8916,JIS C 8919,JIS Z 8103,JIS Z 8113及びJIS Z 8120によるほか,次による。
a) 等価セル温度 太陽電池の電気的出力を測定し,測定された値から,太陽電池(セル,モジュール,
又は1種類のモジュールからなるアレイ)全体がこの温度で均一に動作していると仮定して求めた接合部
温度。
4. 測定条件 太陽電池の測定条件は,次による。
a) 放射照度 200 W/m2を超えること。
5. 測定装置 次の装置が必要である。
a) 校正済みの放射センサ。二次基準太陽電池,全天日射計など。
b) JIS C 1102-1,及びJIS C 1102-2に規定する0.5級,又はこれと同等以上の電圧計。
なお,この電圧計は,測定のいかなる場合も,電圧計に流入する電流が短絡電流Iscの0.1%を超えな
いようなインピーダンスの高いものとする。
6. 測定手順 測定手順は,次による。
a) 被測定太陽電池の開放電圧の温度係数をβとし,V/℃で表す。このβが未知の場合には,JIS C 8916に
従ってその温度係数を測定する。
b) 基準状態での被測定太陽電池の開放電圧が未知の場合には,JIS C 8913,及びJIS C 8914に従ってそ
の開放電圧を測定する。
c) 被測定太陽電池と同一平面上に放射センサを,取り付ける。
d) 被測定太陽電池の開放電圧及び入射放射照度を,同時に読み取る。
7. 計算 基準状態での放射照度,被測定太陽電池の温度及び開放電圧をそれぞれE1,T1及びVoc1とし,
測定時の放射照度,被測定太陽電池の温度及び被測定太陽電池の開放電圧をE2,T2及びVoc2とするとき,
式(1)によって被測定太陽電池の等価セル温度TECTを計算する。
3
C 8920:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
TECT=T2=T1 +
q
E1
E2 ()
ln
×
ns
×
n×k (T2+273 )
Voc2 − Voc1 +
β
………………(1)
ここに,n:ダイオード特性因子
k:ボルツマン定数
q:素電荷
ns:直列に接続されたセルの数
式(1)では,求めるべきT2が両辺にあるため,このままでは計算が容易ではない。式(1)を変形し
て求めた次の式(2)を用いて,T2を計算する。
T2 =
………………………………………………………………………(2)
1−A2
A1 + A2×273
ここに,
A1 = T1 + Voc2 − Voc1
β
A2 =
q
E1
E2 ()
ln
×
ns
×
n×k
β
なお,ダイオード特性因子nが未知の場合には,関心のある温度範囲にあってセル温度が等しくT3であ
る,異なる2点の放射照度E3及びE4における被測定太陽電池の代表的なセル又はモジュールの開放電圧
Voc3及びVoc4を測定し,次の式(3)を用いて,nを求める。
n =
q
k (T3+273 ) ×Voc4 − Voc3
E4
E3
ln
×
ns ()
…………………………………………………(3)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書1(参考)JISと国際規格の対比表
この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
JIS C 8920:2005 開放電圧による結晶系太陽電池の等価セル温度測定方
法
国際規格IEC 60904-5:1993 開放電圧による太陽電池の等価セル温度測
定
(Ⅰ)JIS(原案)の規定
(Ⅱ)
国際規
格番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JIS(原案)と国際規格との技術
的差異の項目毎の評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(Ⅴ)JIS
と国際規格
との技術的
差異の理由
及び今後の
対策
項目番号
内容
項目
番号
内容
項目毎の評価
技術的差異の内容
1.適用範囲 地上用結晶系太陽電池の等価
セル温度を開放電圧から求め
る方法について規定
IEC
60904-5 1.
JISに同じ
IDT
−
2.引用規格 JIS C 8911,JIS C 8912
JIS C 8913,JIS C 8914
JIS C 8916,JIS C 8919
IEC
60904-5 2.
IEC 60891:1987
IEC 60904-1:1987
IDT
−
3.用語の定
義
等価セル温度,開放電圧,
放射照度など
IEC
60904-5 2.
JISに同じ
MOD/変更
見易さの観点から様式
を変更した。技術的な
差異はない
4.測定条件 放射照度:200 W/m2以上
IEC
60904-5 0.
IECではイントロダクションに
記載されている。
MOD/変更
見易さの観点から様式
を変更した。技術的な
差異はない
5.測定装置 校正済み放射センサ
0.5級以上の電圧計
IEC
60904-5 3.
JISに同じ
IDT
−
6.測定手順 開放電圧の温度係数の決定
基準状態での開放電圧測定
放射センサ取付
開放電圧及び放射照度測定
60904-5 4.
JISに同じ
IDT
−
7.計算
開放電圧の放射照度依存性及
び温度依存性の組合せから等
60904-5 4.
JISに同じ
JISはIECの計算式を扱い易い形
MOD/変更
見易さの観点から様式
を変更した。技術的な
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
価セル温度を算出
に変形しているが内容は同じ
差異はない
JIS(原案)と国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60904-5:1993;MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 技術的差異がない。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
2.
JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。