2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 8905-1993
独立形太陽光発電システム通則
General rules for stand-alone photovoltaic power generating system
1. 適用範囲 この規格は,次の項目に該当する独立形太陽光発電システム(以下,システムという。)に
ついて規定する。
なお,この場合,専用負荷システム及び一般負荷システムのオンサイトシステムを対象とし,一般負荷
システムで分散負荷システムを除く。
(1) システム出力100W以上の場合
(a) 標準太陽電池アレイ開放電圧:750V以下
(b) システム出力電圧:直流750V以下,又は交流600V以下
(2) システム出力が10W以上で100W未満の場合
(a) 標準太陽電池アレイ開放電圧:30V以上750V以下
(b) システム出力電圧: 直流30V以上750V以下,
又は交流30V以上600V以下
備考1. システムを構成する太陽電池アレイ,蓄電池,パワーコンディショナなどの各要素機器につ
いては,それぞれの個別規格で規定する。
2. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS C 0703 低圧電気機器の絶縁基準
JIS C 1302 絶縁抵抗計(電池式)
JIS C 4402 浮動充電用サイリスタ整流装置
JIS C 8303 配線用差込接続器
JIS C 8306 配線器具の試験方法
JIS C 8702 小形シール鉛蓄電池
JIS C 8704 据置鉛蓄電池
JIS C 8906 太陽光発電システム運転特性の測定方法
JIS C 8911 二次基準結晶系太陽電池セル
JIS C 8918 結晶系太陽電池モジュール
JIS C 8953 太陽電池アレイ出力のオンサイト測定方法
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 8911によるほか,次による。
(1) 太陽光発電システム 光起電力効果によって太陽エネルギーを電気エネルギーに変換し,負荷に適し
た電力を供給するために構成された装置及びこれらに附属する装置の総体。
(2) 独立形太陽光発電システム 商用電力系統から独立して電力を供給(1)する太陽光発電システム。
注(1) 負荷要求を満たすために,他の発電装置から電力を供給する場合がある。
2
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(3) 専用負荷システム 既知の特定な負荷の要求だけに合わせて構成,設計されたシステム。
(4) 一般負荷システム ある範囲の不特定の負荷を対象として構成,設計されたシステム。
(5) オンサイトシステム 太陽光発電システムと同一構内に設置された負荷だけを対象とし,電力がその
構内で発電,消費されるシステム。
(6) 分散負荷システム 小規模の配電線を設置して,太陽光発電システムと同一構内以外の負荷に対して
も発電電力を融通するシステム。
(7) 標準試験条件 (STC) (2) 日射強度1 000W/m2,エアマス1.5,アレイ代表温度25±2℃の状態。
(8) 標準動作条件 (SOC) (3) 日射強度が1 000W/m2,エアマスが1.5,アレイ代表温度がNOCTの状態。
(9) 公称動作セル温度 (NOCT) (4) 日射強度800W/m2,外気温20℃,風速1m/sで,電気的に開放状態で
ラックに設置されたモジュールに南中時に日射が垂直に入射したと仮定したとき,熱平衡状態に達し
たモジュール内太陽電池のセルの平均温度。
(10) 標準太陽電池アレイ開放電圧 STCにおける太陽電池アレイの開放電圧。
注(2) Standard Test Conditionの略
(3) Standard Operating Conditionの略
(4) Nominal Operating Cell Temperatureの略
参考 STC, NOCTについてはIEC 904-3(末尾“関連規格”参照)で規定している。
3. 使用状態
3.1
標準使用状態 標準使用状態は,(1)〜(3)のとおりとする。システムは特に指定がない限り,この状
態で使用する。
(1) 屋内に設置される部分については,周囲温度が最高40℃,最低0℃の範囲を超えないこと。
(2) 屋外に設置される部分については,周囲温度が最高40℃,最低−20℃の範囲を超えないこと。
(3) 標高が,1 000m以下の場所で使用すること。
3.2
特殊使用状態 特殊使用状態は,次のいずれかに該当するものとし,これらの使用状態の場合は特
に指定しなければならない。
(1) 周囲温度及び標高が3.1に定める状態以外の場所で使用する場合。
(2) 潮風を著しく受ける場所で使用する場合。
(3) 氷雪が特に多い場所で使用する場合。
(4) 砂じん,じんあいを著しく受ける場所で使用する場合。
(5) その他特殊な条件下で使用する場合。
4. 種類
4.1
種類及び記号 システムの種類及び記号は,表1のとおりとする。
3
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表1 種類及び記号
番号
区分
種類
記号
1
蓄電池の有無
蓄電池あり
WBA
蓄電池なし
WOB
2
出力の形態
直流
DC
交流
AC
直流・交流両用
DC/AC
3
負荷の性質
一般負荷(5)
CO
専用負荷(6)
SP
4
太陽電池の種類
シリコン単結晶太陽電池
Si-s
シリコン多結晶太陽電池
Si-p
シリコンアモルファス太陽電池 Si-a
その他の太陽電池
OC
注(5) システム出力電圧・周波数・相数が5.に定めるものであって,
システム出力端子形状が9.に規定するもの。
(6) システム出力条件が一般負荷に含まれないもの。
備考 記号の意味は,次のとおりとする。
WBA : With Battery
WOB : Without Battery
CO : Common Load
SP : Specific load
Si-s : Silicon single crystal
Si-p : Silicon poly crystal
Si-a : Silicon amorphous
OC : Other Cell
4.2
種類の表記方法 種類の表記方法は,次による。
(1) 一般表記法 “独立形”,蓄電池の有無(表1番号1の種類),出力の形態(表1番号2の種類),負荷
の性質(表1番号3の種類),“太陽光発電システム”,太陽電池の種類[表1番号4の種類を( )内に
記す。]の順に並べる。ただし,太陽電池の種類は省略してもよい。
例 独立形蓄電池あり直流出力専用負荷用太陽光発電システム(シリコン単結晶太陽電池)
(2) 記号表記法 独立形を表す“SA”,“−”,蓄電池の有無(表1番号1の記号),“−”,出力の形態(表
1番号2の記号),“−”,負荷の性質(表1番号3の記号)の順に並べる。太陽電池の種類(表1番号
4)を示す場合は,( )を付けて末尾に記す。
例 SA-WBA-DC-SP (Si-s)
5. 一般負荷の標準出力条件 一般負荷の標準出力条件は,次による。
(1) 出力が直流の場合
電圧:6V,12V,24V,100V又は200V
(2) 出力が交流の場合
周波数:50Hz又は60Hz
電圧 :単相100V,単相200V又は三相200V
6. 性能
6.1
絶縁抵抗 絶縁抵抗は,10.2によって試験を行ったとき,1MΩ以上でなければならない。
備考 この規定は,JIS C 0703の4.2(絶縁抵抗)(2)に該当する。
4
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6.2
耐電圧 耐電圧は,10.3によって試験を行ったとき,これに1分間耐えなければならない。
6.3
太陽電池アレイ出力 10.4によって試験を行ったとき,次の各特性値が仕様書又はカタログに記載
された値を満足しなければならない。
(1) 標準太陽電池アレイ出力
(2) 実効太陽電池アレイ出力
(3) 標準太陽電池アレイ出力電圧
(4) 実効太陽電池アレイ出力電圧
(5) 標準太陽電池アレイ出力電流
(6) 実効太陽電池アレイ出力電流
6.4
システムの出力・機能 10.5によって試験を行ったとき,次の各特性値が仕様書又はカタログに記
載された値を満足しなければならない。
(1) 直流出力の場合
(a) 公称システム出力
(b) 公称システム出力電圧
(c) 公称システム出力電流
(2) 交流出力の場合
(a) 定格システム出力
(b) 定格システム出力電圧
(c) 定格システム出力電流
(d) 定格システム出力周波数
(3) 不日照想定期間(7)(蓄電池があり,補助電源がないシステムに適用する。)
注(7) 連続的な不日照状態に対して,システム設計上電力供給が可能な期間[日 (d) 又は時間 (h)]。
太陽電池アレイからの入力のない状態で,蓄電池が完全充電状態から放電が許容される放電深
度まで,規定された負荷の動作状態で運転可能な期間[日 (d) 又は時間 (h)]である。
6.5
システム運転特性 10.6によって試験を行ったとき,次の各特性値が仕様書又はカタログに記載さ
れた値を満足しなければならない。
(1) 実測年間システム発電電力量(××年××月〜××年××月)
(2) 実測期間システム発電電力量(××年××月〜××年××月)
(3) 推定年間システム発電電力量
(4) 推定期間システム発電電力量(××月〜××月)
(5) 実測年間システム発電効率(××年××月〜××年××月)
(6) 実測期間システム発電効率(××月〜××月)
(7) 推定年間システム発電効率
(8) 推定期間システム発電効率(××月〜××月)
(9) 実測年間システム利用率(××年××月〜××年××月)
(10) 実測期間システム利用率(××年××月〜××年××月)
(11) 推定年間システム利用率
(12) 推定期間システム利用率(××月〜××月)
(13) 実測年間太陽エネルギー依存率(××年××月〜××年××月)
(14) 実測期間太陽エネルギー依存率(××年××月〜××年××月)
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(15) 推定年間太陽エネルギー依存率
(16) 推定期間太陽エネルギー依存率(××月〜××月)
7. 構成要素 システムの基本構成を,図1に示す。各構成要素機器及び材料は,表2に示すもの又はこ
れらと同等の性能をもつものとする
図1 太陽光発電システムの主要構成要素と電力流れ図
表2 構成要素機器
構成要素機器
適用規格
太陽電池アレイ(モジュール) JIS C 8918
蓄電装置(蓄電池)
JIS C 8702
JIS C 8704
8. 構造 システムが構成要素別に分割されている場合は,それぞれの要素に該当する個別規格において
規定する。一体に構成された構造のものは,次の各項に適合しなければならない。
(1) 電気回路の充電部は露出していないこと。
(2) 外箱及び外枠は,輸送又は施設中に生じる一般的な衝撃に十分耐える機械的強度と,長期間にわたり
耐候性をもつ金属又はこれと同等の性能をもつ材料によって作られていること。
(3) 外箱は,使用状態において内部に機能上支障となるような浸水や結露が生じない構造であること。
(4) 収納された機器の温度が最高許容温度を超えない構造であること。
(5) 太陽電池モジュールの支持物は,自重,積載荷重,積雪及び風圧並びに地震その他の振動及び衝撃に
対して安全な構造のものでなければならない。
(6) 太陽電池に接続する負荷側の電路には,その接続点に近接して開閉器その他これに類する器具(負荷
電流を開閉できるものに限る。)を施設すること。
(7) 太陽電池を並列に接続する電路には,その電路に短絡を生じた場合に電路を保護する過電流遮断器そ
の他の器具を施設すること。ただし,当該電路が短絡電流に耐えるものである場合は,この限りでは
ない。その他の保護項目は,個別規格で規定する。
6
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9. 端子
(1) 主回路の出力端子に代わるものとして差込接続器を用いる場合は,種類,極数,極配置及び定格につ
いてJIS C 8303の規定に従う。
(2) 主回路の出力端子がねじ端子の場合,公称システム出力電流又は定格出力電流に応じ,規定の絶縁電
線又はケーブルを接続できるものでなければならない。
なお,この端子は配線を接続するためには,はんだ付けを必要とするものであってはならない。
(3) 端子部の配置は,JIS C 4402の7.3(端子の配置)による。
(4) 端子部の表示は,次による。
(a) 接地極がある場合 図記号又は文字記号E,G,PE,若しくはアースで表示すること。
(b) 直流端子と交流端子が近接する場合 JIS C 4402の7.3の記号で表示すること。
10. 試験方法
10.1 構造試験 構造試験は,8.及び12.に規定する事項について調べる。
10.2 絶縁抵抗試験 JIS C 1302に規定する500V(試験品の定格電圧が300Vを超え600V以下のもので
は,1 000V)の絶縁抵抗計又はこれと同等の性能をもつ絶縁抵抗計で,入力端子及び出力端子をそれぞれ
短絡し,その端子と大地間で測定する。
10.3 耐電圧試験 図1に示す太陽電池アレイ及びパワーコンディショナの部分について,次に規定する
電圧をJIS C 8306の8.(耐電圧試験)に規定する方法で1分間連続して加える。
(1) 太陽電池アレイ 耐電圧試験は,STCでのアレイ開放電圧をE (V) としたときに,(2E+1 000) Vの直
流又は交流(実効値)電圧を1分間印加して行う。ただし,Eが50V以下の場合は500Vの直流又は
交流(実効値)電圧を1分間印加とする。
なお,試験は,太陽電池アレイをパワーコンディショナから切り放し,太陽電池アレイの出力端子
を短絡し,その部分と大地間に印加して行う。もし,太陽電池アレイの出力端子の1端又は中間点が
接地されている場合は,その接地を外して行う。
また,太陽電池アレイの中に本試験電圧で試験を行うことが不適当な電子部品(例えば,避雷器)
がある場合は,それを除外して試験を行うことができる。
(2) パワーコンディショナ 耐電圧試験は,入力側と出力側に分けて以下のように試験を行う。
なお,50V以下の場合は,500Vの直流又は交流(実効値)電圧を1分間印加する。
(2.1) 入力側(太陽電池アレイと接続される側) 次に示す電圧“E”を基準に表3に規定する電圧を1
分間印加する。試験は,パワーコンディショナ単体とし,入力端子を短絡しその端子と大地間に電
圧を印加する。
なお,パワーコンディショナの中にこの試験電圧で試験を行うことが不適当な電子部品がある場
合は,それを除外して試験を行うことができる。
(a) 直流定格電圧が指定されている場合は,その値。
(b) 直流定格電圧に範囲が指定されている場合は,その上限値。
(c) 公称電圧が指定されている場合は,公称値。
(d) 直流運転電圧範囲(8)が指定されている場合は,その上限値。
注(8) 安定に運転できる直流入力電圧の範囲。
(e) その他の場合は,これらに準じた値。
(2.2) 出力側(負荷側) 次に示す電圧“E”を基準に表3に規定する電圧を1分間印加する。試験は,
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出力端子を短絡し,その端子と大地間に電圧を印加する。
なお,パワーコンディショナの中に表3の試験電圧で試験を行うことが不適当な電子部品がある
場合は,それを除外して試験を行うことができる。
(a) 直流出力の場合は,公称システム出力電圧。
(b) 交流出力の場合は,定格システム出力電圧。
表3 試験電圧
単位 V
電圧の種類
試験電圧
交流(実効値)
直流
直流
2E+1 000
2E+1 000
交流
2E+1 000
(2E+1 000)×1.5
10.4 太陽電池アレイ出力試験 太陽電池アレイ出力は,JIS C 8953によって求めた電流−電圧 (I−V) 特
性曲線から,次の方法で各特性値を算出する。
(1) 標準太陽電池アレイ出力 STCの状態に換算した太陽電池アレイの最大出力点における出力 (W) を
算出する。
(2) 実効太陽電池アレイ出力 SOCの状態に換算した太陽電池アレイの最大出力点における出力 (W) を
算出する。
(3) 標準太陽電池アレイ出力電圧 STCの状態に換算した太陽電池アレイの最大出力点における出力電圧
(V) を算出する。
(4) 実効太陽電池アレイ出力電圧 SOCの状態に換算した太陽電池アレイの最大出力点における出力電
圧 (V) を算出する。
(5) 標準太陽電池アレイ出力電流 STCの状態に換算した太陽電池アレイの最大出力点における出力電流
(A) を算出する。
(6) 実効太陽電池アレイ出力電流 SOCの状態に換算した太陽電池アレイの最大出力点における出力電
流 (A) を算出する。
10.5 システムの出力・機能試験 システムの出力・機能は,実際の日射条件での試験が可能な場合は,
実際の日射条件の下でシステムを運転し,次の各特性値を計測する。直流の場合には,規定された負荷に
接続したときの出力を試験する。交流の場合は定格負荷に接続したときの出力を試験する。
なお,実際の日射条件による試験が難しい場合は,太陽電池アレイ出力特性試験の結果から想定される
SOCの状態での太陽電池アレイ出力(実効太陽電池アレイ出力)と同等の電力を太陽電池アレイの接続点
に加えることによって試験してもよい。
(1) 直流出力の場合
(a) 公称システム出力 SOCのとき,規定された太陽電池アレイ出力によって規定される負荷に接続さ
れたときに得られるシステムの出力 (W)
(b) 公称システム出力電圧 (a)の条件におけるシステム出力電圧 (V)
(c) 公称システム出力電流 (a)の条件におけるシステム出力電流 (A)
(2) 交流出力の場合
(a) 定格システム出力 定格負荷に接続されたときに得られるシステムの出力 (W)
備考1. 定格負荷とは,製造業者が指定した定格システム出力を実現するときの負荷条件をいう。
2. 日射条件は任意とする。ただし,“蓄電池なし”のシステムについては,日射条件をSOC状
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態とすることが望ましいが,これが困難な場合は実効太陽電池アレイ出力に相当する電力を
太陽電池アレイの接続点に加えて試験する。
(b) 定格システム出力電圧 (a)の条件におけるシステム出力電圧 (V)
(c) 定格システム出力電流 (a)の条件におけるシステム出力電流 (A)
(d) 定格システム出力周波数 (a)の条件におけるシステム出力周波数(パワーコンディショナを具備し
たシステムの場合) (Hz)
(3) 不日照想定期間 実際の試験が可能な場合は,規定された負荷に接続した状態で蓄電池が完全充電状
態から放電が許容される放電深度までに至る時間を測定する。
なお,実際の試験が難しい場合は,蓄電池製造業者の仕様書又はカタログ値を用いて想定される負
荷への供給可能時間の計算方法を示すことで代替してもよい。
10.6 システム運転特性試験 システム運転特性は,JIS C 8906の方法で測定した測定データから,次の
方法で各特性値を求める。
(1) 実測年間システム発電電力量 連続した1年間に得られたシステムの発電電力量 (kWh) を“実測年
間システム発電電力量”とする。
なお,実測した期間(××年××月〜××年××月)を明示する。保守点検などで停止した期間は,
その期間を明示し,実測期間から除外する。
(2) 実測期間システム発電電力量 連続したある期間に得られたシステムの発電電力量 (kWh) を“実測
期間システム発電電力量”とする。
なお,実測した期間(××年××月〜××年××月)を明示する。最短の期間は1か月(30日)と
する。
(3) 推定年間システム発電電力量 標準的な日射条件で1年間に想定されるシステムの発電電力量 (kWh)
を“推定年間システム発電電力量”とする。
(4) 推定期間システム発電電力量 標準的な日射条件である期間に想定されるシステムの発電電力量
(kWh) を“推定期間システム発電電力量(××月〜××月)”とする。最短の期間は,1か月(30日)
とする。
(5) 実測年間システム発電効率 次の式によって“実測年間システム発電効率”を算出する。
なお,実測した期間(××年××月〜××年××月)を明示する。
100
×
×
=
P
ASYm
SYm
SYm
A
Q
W
η
ここに,
ηSYm: 実測年間システム発電効率 (%)
WSYm: 実測年間システム発電電力量 (kWh)
QASYm: 実測年間傾斜面日射量 (kWh/m2)
Ap: 太陽電池アレイ面積 (m2)
(6) 実測期間システム発電効率 次の式によって“実測期間システム発電効率”を算出する。
なお,実測した期間(××年××月〜××年××月)を明示する。
100
×
×
=
P
ASPm
SPm
SPm
A
Q
W
η
ここに,
ηSPm: 実測期間システム発電効率 (%)
WSPm: 実測期間システム発電電力量 (kWh)
QASPm: 実測期間傾斜面日射量 (kWh/m2)
(7) 推定年間システム発量効率 次の式によって“推定年間システム発電効率”を算出する。
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100
×
×
=
P
ASYe
SYe
SYe
A
Q
W
η
ここに,
ηSYe: 推定年間システム発電効率 (%)
WSYe: 推定年間システム発電電力量 (kWh)
QASYe: 推定年間傾斜面日射量 (kWh/m2)
(8) 推定期間システム発電効率 次の式によって“推定期間システム発電効率(××月〜××月)”を算出
する。
100
×
×
=
P
ASPe
SPe
SPe
A
Q
W
η
ここに,
ηSPe: 推定期間システム発電効率 (%)
WSPe: 推定期間システム発電電力量 (kWh)
QASPe: 推定期間傾斜面日射量 (kWh/m2)
(9) 実測年間システム利用率 次の式によって“実測年間システム利用率”を算出する。
なお,実測した期間(××年××月〜××年××月)を明示する。
100
8760
0
×
×
=PW
L
SYm
SYm
ここに,
LSYm: 実測年間システム利用率 (%)
WSYm: 実測年間システム発電電力量 (kWh)
P0: 標準太陽電池アレイ出力 (kW)
(10) 実測期間システム利用率 次の式によって“実測期間システム利用率”を算出する。
なお,実測した期間(××年××月〜××年××月)を明示する。
100
24
0
0
×
×
×
=
n
P
W
L
SPm
SPm
ここに,
LSPm: 実測期間システム利用率 (%)
WSPm: 実測期間システム発電電力量 (kWh)
n0: 運転日数
(11) 推定年間システム利用率 次の式によって“推定年間システム利用率”を算出する。
100
8760
0
×
×
=PW
L
SYe
SYe
ここに,
LSYe: 推定年間システム利用率 (%)
WSYe: 推定年間システム発電電力量 (kWh)
(12) 推定期間システム利用率 次の式によって“推定期間システム利用率(××月〜××月)”を算出する。
100
0
0
×
×
=
n
P
W
L
SPe
SPe
ここに,
LSPe: 推定期間システム利用率 (%)
WSPe: 推定期間システム発電電力量 (kWh)
(13) 実測年間太陽エネルギー依存率 補助電源を具備したシステムの場合,次の式によって“実測年間太
陽エネルギー依存率”を算出する。
なお,実測した期間(××年××月〜××年××月)を明示する。
100
×
+
=
BYm
SYm
SYm
Ym
W
W
W
D
ここに,
DYm: 実測年間太陽エネルギー依存率 (%)
WBYm: 実測年間補完電力量 (kWh)
備考 補完電力量とは,補助電源によるバックアップ電力量を示す。
10
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(14) 実測期間太陽エネルギー依存率 補助電源を具備したシステムの場合,次の式によって“実測期間太
陽エネルギー依存率”を算出する。
なお,実測した期間(××年××月〜××年××月)を明示する。
100
×
+
=
BPm
SPm
SPm
Pm
W
W
W
D
ここに,
DPm: 実測期間太陽エネルギー依存率 (%)
WBPm: 実測期間補完電力量 (kWh)
(15) 推定年間太陽エネルギー依存率 次の式によって“推定年間太陽エネルギー依存率”を算出する。
100
×
+
=
BYe
SYe
SYe
Ye
W
W
W
D
ここに,
DYe: 推定年間太陽エネルギー依存率 (%)
WBYe: 推定年間補完電力量 (kWh)
(16) 推定期間太陽エネルギー依存率 次の式によって“推定期間太陽エネルギー依存率(××月〜××月)”
を算出する。
100
×
+
=
BPe
SPe
SPe
Pe
W
W
W
D
ここに,
DPe: 推定期間太陽エネルギー依存率 (%)
WBPe: 推定期間補完電力量 (kWh)
11. 検査
11.1 検査の種類 検査の種類は,次の2種類とする。
(1) 形式検査
(2) 受渡検査
11.2 検査項目
11.2.1 形式検査 形式検査は,一つの形式について次の項目の検査を行う。
(1) 構造
(2) 絶縁抵抗
(3) 耐電圧
(4) 太陽電池アレイ出力
(5) システム出力
(6) システム運転特性
11.2.2 受渡検査 受渡検査は,形式検査に適合したものと同一形式の受渡品について,次の項目の検査を
行う。ただし,受渡当事者間の協定によって,項目の一部を省略することができる。
(1) 構造
(2) 絶縁抵抗
(3) 太陽電池アレイ出力
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12. 表示
12.1 仕様書又はカタログ表示 仕様書又はカタログ表示は,必ず表示しなければならない項目(義務表
示)と,表示の有無は任意であるが表示をする場合にはこの定義に従わなければならない項目(参考表示)
とに分け,表4による。
12.2 銘板表示事項 システムについては,見やすい適当な所に図2の例に倣い,次の事項を容易に消え
ない方法で明示した銘板を取り付けなければならない。
(1) 種類
(2) 製造業者名又はその略号
(3) 製造番号
(4) 標準太陽電池アレイ出力
(5) 設備能力(出力,電圧,電流,周波数,蓄電池容量,蓄電池電圧)(9)
(6) 製造年月又はその略号
注(9) 6.4に従い,出力,電圧及び電流には,“公称”又は“定格”を接頭に付ける。
図2 太陽光発量システムの銘板(例)
12
C 8905-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表4 太陽光発電システム性能表示(仕様書又はカタログ記載条項)
項目
備考
義務
表示
参考
表示
システ
ム性格
(1) 用途
例 照明用/揚水用
●
(2) 形式
例 独立形/……記号表示も可
●
太
陽
電
池
ア
レ
イ
(1) 標準太陽電池アレイ出力
●
(2) 実効太陽電池アレイ出力
○
(3) 標準太陽電池アレイ出力電圧
●
(4) 実効太陽電池アレイ出力電圧
○
(5) 標準太陽電池アレイ出力電流
●
(6) 実効太陽電池アレイ出力電流
○
(7) 太陽電池アレイ寸法又は面積(10)
●
(8) 太陽電池アレイ用地面積(11)
又はその寸法
○
設
備
能
力
な
ど
① 電気出力の種類
例 交流出力/直流出力/交直出力
●
直
流
出
力
(1) 公称システム出力
●
(2) 公称システム出力電圧
●
(3) 公称システム出力電流
●
交
流
出
力
(1) 定格システム出力
●
(2) 定格システム出力電圧
●
(3) 定格システム出力電流
●
(4) 定格システム出力周波数
●
② 不日照想定期間
●
③ 蓄電池容量
電圧,電流容量
●
運
転
特
性
(1) 実測年間システム発電電力量
(××年××月〜××年××月)
○
(2) 実測期間システム発電電力量
(××年××月〜××年××月)
○
(3) 推定年間システム発電電力量
○
(4) 推定期間システム発電電力量
(××月〜××月)
○
(5)〜(8)…システム発電効率
(……:実測年間,実測期間,推定年間,推定期間)
○
(9)〜(12)…システム利用率
(……:実測年間,実測期間,推定年間,推定期間)
○
(13)〜(16)…太陽エネルギー依存率
(……:実測年間,実測期間,推定年間,推定期間)
○
そ
の
他
① 取扱い上
の注意
最大アレイ出力電流
モジュール出力電流×モジュール並列数
○
最大アレイ出力電圧
モジュール出力電圧×モジュール直列数
●
その他注意事項
○
② 使用温度範囲
設置場所の気温の想定範囲
●
注(10) 太陽電池アレイの実装面積(平板形)又は開口面積(集光形)に支持枠などの面積を加えたもの (m2)
(11) 点検通路などを含めた太陽電池アレイの設置面への投影面積 (m2)
備考 点検通路とは,保守,影などを考慮して,アレイ設置に必要となる用地面積 (m2) をいう。
関連規格 IEC 904-3 Photovoltaic devices. Part 3 : Measurement principles for terrestrial photovoltaic (PV)
solar devices with reference spectral irradiance data
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C 8905-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考1 太陽光発電用パワーコンディショナ用語
この参考は,太陽光発電用パワーコンディショナに関する主な用話について記述するものであるが,規
定の一部ではない。
1. 分類 用語は,次のように分類する。
(1) 構成
(2) 用途
(3) インバータ種別
(4) 性能
2. 用語及び定義 用語及び定義は,次のとおりとする。
なお,参考のために対応英語を示す。
(1) 構成 太陽光発電システムの構成ブロック図を,参考1図1に示す。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
101
太陽光発電用パワーコン
ディショナ
太陽電池アレイ出力を所望の電力に変換して,電力を供
給する機能をもち,主幹制御監視装置の一部,直流コン
ディショナ,インバータ,直流/直流インターフェイス,
交流/交流インターフェイス及び交流系統インターフェ
イスから構成され,これらの一部又はすべてを含む装置。
power conditioner
102
主幹制御監視装置
太陽光発電システム全体の制御・監視機能をもち,デー
タ収集,表示及び自動・手動切換,バッテリ充放電制御,
太陽電池アレイ追尾,システム及びインバータ起動制御,
系統・負荷の電力制御,火災防止,その他の支援機能を
もつ装置。
master control and monitoring
103
直流コンディショナ
直流機器及び電線路の保護,太陽電池アレイ出力電圧の
変換,制御電源などの補助機能を備えた装置。
d. c. conditioner
104
直流/直流インターフェ
イス
直流コンディショナの出力側と直流負荷との間のインタ
ーフェイス。直流/直流電圧変換,補助直流電源の接続,
フィルタなどで構成される。
d. c. /d. c. interface
105
インバータ
直流コンディショナ又はバッテリ出力を所定の交流電力
に変換する装置。
inverter
106
交流/交流インターフェ
イス
インバータの出力側と交流負荷との間のインターフェイ
ス。交流/交流電圧変換,補助交流電源の接続,フィルタ
などで構成される。
a. c. /a. c. interface
107
交流系統インターフェイ
ス
インバータの出力側と商用電力系統との間のインターフ
ェイス。系統と並列して電力の送り出し又は受取りを行
う機能をもち,交流/交流電圧変換,フィルタ,交流側保
護装置などで構成される。
utility interface
14
C 8905-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考1図1 太陽光発電システムの構成ブロック図
(2) 用途
番号
用語
定義
対応英語(参考)
201
独立形
商用電力系統と接続しないで,独立した負荷だけに電力
を供給するシステム。
stand alone type
202
系統連系形
商用電力系統と並列に接続し,電力の送り出し又は受取
りを行うシステム。
utility connected type
(3) インバータ種別
番号
用語
定義
対応英語(参考)
301
自励式
転流電圧がインバータの構成要素から与えられる転流方
式。
self commutated type
302
他励式
転流電圧がインバータの外部から与えられる転流方式。 external commutated type
303
電圧形
インバータの運転状態において,直流電圧はその極性が
不変であるが(直流側インピーダンスが低い。),直流電
流は二方向に流すことができるインバータ。
voltage fed type
304
電流形
インバータの運転状態において,直流電流は一方向に流
れるが(直流側インピーダンスが高い。),直流電圧の極
性は両方向にすることができるインバータ。
current fed type
305
電圧制御形
内部に等価的な交流電圧源を備え,独立形の場合は所定
の交流出力電圧が得られるように内部電圧源の大きさを
制御し,系統連系形の場合は連系リアクトルを介して所
定の交流電力が得られるように内部電圧源の大きさと位
相を制御する方式。
voltage control type
306
電流制御形
内部に等価的な交流電流源を備え,系統連系用に適用さ
れ,所定の交流電力が得られるように内部電流源の大き
さと位相を制御する方式。
current control type
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(4) 性能
番号
用語
定義
対応英語(参考)
401
直流最大電圧
指定の使用状態における最大の直流入力電圧。
d. c. maximum voltage
402
直流運転電圧範囲
安定に運転できる直流入力電圧の範囲。
d. c. voltage operation range
403
直流リプル率
直流入力電圧又は直流入力電流に,インバータ内部から
重畳される交流成分の割合を表す値。次の式から求める。
直流リプル率=
(%)
100
min
max
×
−
Ad
A
A
ここに,Amax:リプルを含んだ直流電圧又は直流
電流の最大値
Amn:リプルを含んだ直流電圧又は直流
電流の最小値
Ad:リプルを含んだ直流電圧又は直流電
流の平均値
直流電圧,直流電流は,定格値であること。
d. c. ripple factor
404
過入力耐量
定格を超える入力電力に対する耐量で,定格直流入力電
力に対する直流入力電力の割合及び許容できる時間。
over input power capability
405
連系運転範囲
系統連系時,商用電力系統側の電圧変動,周波数変動,
高調波電圧ひずみに対して安定に運転できる範囲。
utility interactive operation
range
406
実効効率
一定期間の入力直流電力量に対する出力交流電力量(有
効電力量)の比率。
effective energy efficiency
407
部分負荷効率
指定された部分負荷率における,入力直流電力に対する
出力交流電力(有効電力)の比率。
partial load efficiency
408
加重平均劾率
系統連系形で太陽電池から得られる電力をパワーコンデ
ィショナを介して商用電力系統に電力を供給するシステ
ムでは,指定された日射持続曲線(日射強度と累積時間
を表す特性)を基に,運転期間の出力パターンを求め,
パワーコンディショナの部分負荷効率を適用し,入出力
の電力量の比率を求めたもの。
独立形で,蓄電池を備え,パワーコンディショナを介し
て負荷に電力を供給するシステムでは,指定された負荷
パターンを基に,運転期間の負荷率を求め,パワーコン
ディショナの部分負荷効率を適用し,入出力の電力量の
比率を求めたもの。
weighted average conversion
efficiency
409
不整合損失
パワーコンディショナ入力端の直流電圧又は電流値が,
太陽電池の最適動作電圧 (Vop) 又は最適動作電流 (Iop)
値と異なることによって生じる等価的な電力損失。
miss match loss
410
待機損失
系統連系形において,パワーコンディショナが運転して
いないときに,商用電力系統から受電する電力損失。
stand-by loss
411
無負荷損失
交流出力電力を零にしたときの直流入力電力。独立形の
場合は,負荷を零にした場合の直流入力電力。系統連系
形の場合,負荷を内蔵するシステムの場合はこれを取り
除き,商用電力系統への有効電力出力を零にした時の直
流入力電力。
no load loss
412
最大電力追従制御
日射強度に応じて変化する太陽電池の最適出力電圧,又
は最適出力電流値に自動的に追従し,太陽電池から得ら
れる電力が最大になるように制御する方式。
maximum power point tracking
413
直流電圧一定制御
直流入力電圧があらかじめ設定された値に等しくなるよ
うに制御する方式。
fixed voltage operation
414
自動起動・停止
日射強度又は太陽電池の出力に応じて,自動的に起動又
は停止する機能。
automatic start/stop
415
逆充電運転
系統連系形で,事故,作業などで配電線が商用電源と切islanding
16
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
り離されたにもかかわらず,パワーコンディショナがそ
の配電線を充電しながら運転を続ける現象。
416
逆潮流
系統連系形で,需要家から商用電力系統へ向かう電力潮
流。
reverse power flow
417
高周波雑音電界強度
パワーコンディショナから発生する高周波雑音が,パワ
ーコンディショナ自身から放射されるもの,及び太陽電
池アレイや配電線に伝導されて放射されるものがあり,
これらを含めて周囲空間に影響を及ぼす高周波雑音の電
界強度。
radio frequency interference
(radiated emission)
418
雑音端子電圧
パワーコンディショナから発生する高周波雑音成分の入
出力端子における電圧値。
conducted noise
(conducted emission)
17
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参考2 太陽光発電用鉛蓄電池用語
この参考は,太陽光発電用鉛蓄電池に関する主な用語について記述するものであるが,規定の一部では
ない。
1. 分類 用語は,次のように分類する。
(1) 一般
(2) 構造及び部品
(3) 特性及び試験
2. 用語及び定義 用語及び定義は,次のとおりとする。
なお,参考のために,対応英語を示す。
(1) 一般
番号
用語
定義
対応英語(参考)
101
太陽光発電用鉛蓄電池
太陽光発電システムに用いられる鉛蓄電池の総称。狭義
には,太陽光発電システムの要求品質を満足するように,
設計された鉛蓄電池。
photovoltaic lead acid battery
102
低率放電形鉛蓄電池
低率放電向きに設計した鉛蓄電池。
low rate discharge type lead acid
battery
103
ハイブリッド電池
極板の格子合金組成が,正極と負極とで異なる鉛蓄電池
(例えば,正極格子にPb−Sb系合金,負極格子にPb−
Ca系合金)。
hybrid battery
104
触媒式
シール形蓄電池で,充電時に水分解によって発生するガ
スを触媒によって再結合させ,水に戻す方式。
gas recombination by catalyser
type
105
負極吸収式
シール形蓄電池の中で正極板から発生する酸素を,負極
板で反応吸収させ,負極板を化学的に放電状態として水
素の発生を抑える方式。
gas recombination on negative
electrode type
106
即用式鉛蓄電池
注液後,初充電を施すことなく使用できる鉛蓄電池。
dry-charged lead acid battery
(2) 構造及び部品
番号
用語
定義
対応英語(参考)
201
クラッド式極板
クラッド式鉛蓄電池の正極板。
多孔性のチューブの中央に鉛合金の心金を通し,その周
囲に活物質を充てんしたものを所要数,枠体に配列,保
持させて極板としたもの。
tubular plate
202
ペースト式極板
鉛蓄電池において,鉛酸化物の粉を単独又は他の添加剤,
補強材などと混合し,希硫酸と水で練ってペースト状と
したものを,鉛合金製の格子に充てんした極板。化成に
よって充てん物を活物質化して使用する。現在,ペース
ト式は鉛蓄電池の負極板のすべてに用いられるばかりで
なく,正極板にも用いられる。
高率放電用,低率放電用及びはん(汎)用の極板を作る
ことができる。
pasted plate又はflat plate
203
架台
蓄電池を設置する収納台。
rack
18
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
204
電解液かくはん装置
鉛蓄電池の電解液をかくはんする装置。蓄電池内に細管
を配置し,空気を送入して気泡を発生させて電解液をか
くはんする方法もある。
electrolyte agitator
(3) 特性及び試験
番号
用語
定義
対応英語(参考)
301
公称電圧
電池電圧の表示に用いる電圧。
nominal voltage
302
定格容量
蓄電池の容量を代表する基準値 (Ah) 。
rated capacity
303
蓄電容量 (Wh)
蓄電池の容量に公称電圧を乗じて,ワット・アワー (Wh)
で示したもの。
capacity (Wh)
304
残存容量
部分放電又は長期保存した後の蓄電池から取り出すこと
ができる容量。
residual capacity
305
充電状態 (SOC)
定格容量に対する残存容量の比率。充電レベルともいう。 state of charge
306
部分充電状態 (PSOC)
蓄電池が完全充電されるに至っていない状態。
partial state of charge
307
部分充放電
部分充電状態における充放電動作(放電終止電圧に至る
前に放電を打ち切り,完全充電に至る前に充電を打ち切
る充放電動作。)。
partial charge discharge
308
充放電効率
(充電効率)
充電時の損失と放電時の損失を考慮した貯蔵効率。充放
電時のAhによる計算と,それに電圧を乗じたWhによ
る計算によって,それぞれアンペア・アワー効率及びワ
ット・アワー効率と呼ぶ。
charging efficiency
309
部分充放電効率
部分充電状態における充放電効率。
310
放電深度
蓄電池の放電状態を表す数値。一般に定格容量に対する
放電量の比で表す。
depth of discharge
311
充放電パターン
一連の充放電動作における,電流,電圧などをモード化
して示したもの。
charge discharge pattern
312
間欠放電
連続的に放電せず,無作為に,又は規則的に放電を休止
する放電。
intermittent discharge
313
温度換算
電解液比重,充電電圧,容量などは,温度によって変わ
るので,標準温度のときの値に換算すること。
temperature correction
314
回復充電
部分充放電などによって,放電した蓄電池を,次回の放
電に備えて,容量が回復するまで充電すること。
recovering charge
315
完全充電
すべての活物質を放電前の状態に戻す充電。
full charge
316
均等充電
多数個の蓄電池を一組にして長期間使用した場合に自己
放電などで生じる充電状態のばらつきをなくし,充電状
態を均一にするために行う充電。
equalizing charge
19
C 8905-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
平成4年度新発電システム標準化調査研究委員会 構成表(敬称略,順不同)
氏名
所属
(委員長)
関 根 泰 次
東京理科大学工学部
(副委員長)
堀 米 孝
東京農工大学工学部
(副委員長)
平 田 賢
芝浦工業大学システム工学部
(副委員長)
本 間 琢 也
筑波大学構造工学系
吉 田 高 明
通商産業省機械情報産業局
佐々木 宣 彦
通商産業省資源エネルギー庁公益事業部
小 山 健 一
工業技術院電子技術総合研究所
大 西 利 只
工業技術院電子技術総合研究所エネルギー部
森 信 昭
工業技術院ニューサンシャイン計画室
吉 村 佳 人
工業技術院ニューサンシャイン計画室
栗 原 史 郎
工業技術院標準部
中 川 興 史
新エネルギー・産業技術総合開発機構
寺 澤 洋
新エネルギー・産業技術総合開発機構
村 田 照 夫
財団法人機械電子検査検定協会
石 川 力 雄
財団法人電力中央研究所狛江研究所開発部
坂 井 正 行
電気事業連合工務部
宮 沢 敬 治
東京電力株式会社技術開発本部開発研究所
石 木 芳 徳
中部電力株式会社技術開発本部電力技術研究所
山 岡 隆 三
関西電力株式会社総合技術研究所
髙 橋 昌 英
株式会社四国総合研究所エネルギー研究部
甲斐崎 充 典
東京ガス株式会社燃料電池プロジェクトチーム
橋 本 昌
大阪ガス株式会社マーケッティング本部
桑 野 幸 徳
三洋電機株式会社研究開発本部
荻 本 和 男
株式会社東芝電力事業部
加 藤 寧
株式会社日立製作所電力事業本部
穴 原 良 司
富士電機株式会社技術開発推進センター
山 下 弘 雄
三菱電機株式会社機電事業本部機電技術部
清 水 英 範
社団法人日本電機工業会技術部
(事務局)
今 坂 善 夫
社団法人日本電機工業会技術部
太陽光分科会 構成表(敬称略,順不同)
氏名
所属
(主査)
堀 米 孝
東京農工大学工学部
(副主査)
黒 川 浩 助
工業技術院電子技術総合研究所エネルギー部エネルギー情報技
術研究室
浜 川 圭 弘
大阪大学基礎工学部極限物質研究センター
石 原 好 之
同志社大学工学部
森 信 昭
工業技術院ニューサンシャイン計画室
栗 原 史 郎
工業技術院標準部
田 所 利 一
新エネルギー・産業技術総合開発機構
鈴 木 守
財団法人機械電子検査検定協会関東事業所
浜 場 邦 洋
電気事業連合会
中 山 隼 夫
東京電力株式会社開発研究所
加 藤 厚
中部電力株式会社電力技術研究所
北 村 章 夫
関西電力株式会社総合技術研究所
滝 川 清
財団法人電力中央研究所狛江研究所開発部
飯 田 和 弘
株式会社関電工電力本部発変電部
桑 野 幸 徳
三洋電機株式会社研究開発本部
20
C 8905-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
国 吉 真 照
株式会社東芝電力・核融合開発技術部
地 福 順 人
株式会社日立製作所日立工場
重 政 猛 征
富士電機株式会社太陽エネルギーシステム部
坂 田 末 男
三菱電機株式会社伊丹製作所開発部電力制御技術グループ
増 田 岳 夫
光産業技術振興協会開発部
清 水 英 範
社団法人日本電機工業会技術部
(事務局)
今 坂 善 夫
社団法人日本電機工業会技術部
太陽光分科会システム・機器作業会 構成表(敬称略,順不同)
氏名
所属
(主査)
黒 川 浩 助
工業技術院電子技術総合研究所エネルギー部
(副主査)
津 田 泉
工業技術院電子技術総合研究所エネルギー部
(副主査)
小 林 広 武
財団法人電力中央研究所開発部
牧 野 享 子
工業技術院ニューサンシャイン計画室
平 野 由紀夫
工業技術院標準部
西 岡 純 一
新エネルギー・産業技術総合開発機構
髙 橋 義 詔
財団法人機械電子検査検定協会浜松ソーラエネルギー研究所
井 山 治
サンケン電気株式会社機器事業部第二技術部
武 岡 明 夫
三洋電機株式会社研究開発本部機能材料開発センター
国 吉 真 照
株式会社東芝電力・核融合開発技術部
西 村 荘 治
日新電機株式会社複合システム開発部
江 口 吉 雄
株式会社日立製作所パワーエレクトロニクスシステム開発セン
ターシステム開発設計グループ
菅 原 功
富士電機株式会社新事業推進事業部太陽エネルギーシステム部
坂 田 末 男
三菱電機株式会社伊丹製作所開発部電力制御技術グループ
横 山 忠 夫
新神戸電機株式会社技術部
坪 田 正 温
日本電池株式会社研究開発本部第一研究部
藤 原 良 生
古河電池株式会社宇航特機事業部宇航特機営業部
杉 山 寛
松下電池工業株式会社蓄電池事業部技術部技術第一グループ
土佐野 進
株式会社ユアサコーポレーション総合電源本部技術サービスセ
ンター
近 藤 茂 樹
株式会社京セラSESシステム研究
三 宅 行 美
英弘精機株式会社
(事務局)
今 坂 善 夫
社団法人日本電機工業会技術部