C 8851:2013
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 構成・範囲 ······················································································································ 3
5 運転工程························································································································· 4
6 試験に関する条件 ············································································································· 5
6.1 試験燃料 ······················································································································ 5
6.2 発熱量の基準及び算出 ···································································································· 6
6.3 試験用計測器及び試験装置 ······························································································ 7
6.4 模擬電力負荷 ················································································································ 7
7 燃料消費熱量及び正味発電電力量の測定方法 ········································································· 7
7.1 燃料消費熱量 ················································································································ 7
7.2 正味発電電力量 ············································································································· 8
8 発電ユニットの11モードエネルギー効率の測定方法······························································· 8
8.1 概要 ···························································································································· 8
8.2 記号及び定義 ················································································································ 8
8.3 試験対象範囲 ················································································································ 9
8.4 試験条件 ······················································································································ 9
8.5 測定機器及び測定方法 ··································································································· 15
8.6 試験方法 ····················································································································· 15
8.7 結果の計算 ·················································································································· 16
8.8 結果の記録 ·················································································································· 16
9 標準家庭の年間消費エネルギー量の測定方法 ········································································ 18
9.1 試験の種類 ·················································································································· 18
9.2 記号及び定義 ··············································································································· 18
9.3 試験対象範囲 ··············································································································· 18
9.4 試験条件 ····················································································································· 19
9.5 測定機器及び測定方法 ··································································································· 24
9.6 試験方法 ····················································································································· 26
9.7 年間消費エネルギー量の算出方法····················································································· 27
9.8 結果の記録 ·················································································································· 28
附属書A(参考)標準家庭の年間の省エネルギー量の算出方法····················································· 30
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本電機工業会(JEMA)から,
工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経
済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格
JIS
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小形燃料電池システムの11モードエネルギー効率
及び標準家庭の年間消費エネルギー量の測定方法
Measurement methods for 11 mode energy efficiency of small fuel cell power
systems and for annual energy consumption of standard residence
1
適用範囲
この規格は,定置用の小形固体高分子形燃料電池発電ユニット及び小形固体酸化物形燃料電池発電ユニ
ット(以下,発電ユニットという。)を,起動及び停止を含む標準家庭の消費電力を模擬した11モード運
転パターンで運転した場合の11モードエネルギー効率を測定する試験方法,並びに定置用の小形固体高分
子形燃料電池システム及び小形固体酸化物形燃料電池システム(以下,燃料電池システムという。)を標準
家庭に設置した場合の年間消費エネルギー量を測定する試験方法について規定する。
この規格は,次のa)〜g) に該当する燃料電池システムを対象としている。
a) 燃料電池の種類 固体高分子形燃料電池及び固体酸化物形燃料電池
b) 出力 定格送電出力10 kW未満
c) 交流出力電圧 220 V以下
d) 運転形態 系統連系運転,自立運転又は独立運転
e) 原燃料 気体燃料(都市ガス,液化石油ガスなど),液体燃料(灯油など)又は水素
f)
運転圧力 燃料ガスが通る部分の最高使用圧力が0.1 MPa未満。ただし,液体燃料が通る部分は1.0
MPa未満
g) システム形態 パッケージに収納された定置用の発電専用システム又はコージェネレーションシステ
ム
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 8800 燃料電池発電用語
JIS C 8823 小形固体高分子形燃料電池システムの安全性及び性能試験方法
JIS C 8841-1 小形固体酸化物形燃料電池システム−第1部:通則
JIS K 2201 工業ガソリン
JIS K 2202 自動車ガソリン
JIS K 2203 灯油
JIS K 2240 液化石油ガス(LPガス)
JIS K 2279 原油及び石油製品−発熱量試験方法及び計算による推定方法
JIS K 2301 燃料ガス及び天然ガス−分析・試験方法
2
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JIS S 2093 家庭用ガス燃焼機器の試験方法
JIS S 3031 石油燃焼機器の試験方法通則
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 8800によるほか,次による。
3.1
燃料電池システム
化学エネルギーを電気エネルギー(直流又は交流)及び熱エネルギーに電気化学的に変換するシステム。
通常,発電ユニット及び貯湯ユニットで構成する。
注記 図1に,一般的な燃料電池システムの基本構成を示す。
3.2
発電ユニット
セルスタック又はモジュール,パワーコンディショナ,燃料改質装置,空気供給装置,水処理装置,排
熱回収装置,制御装置などで構成するユニット。
3.3
貯湯ユニット
発電ユニットから回収した熱を温水として貯蔵し,必要に応じて外部に供給するユニット。貯湯槽,補
助熱源機などからなる。補助熱源機は,気体燃料,液体燃料,電気などによる加熱機能をもつ。
3.4
パッケージ
発電ユニットを構成する装置,補機類などを収納する容器。パワーコンディショナなどを収納した容器
が,発電ユニットのパッケージから独立していることもある。
3.5
送電出力
発電ユニットから外部に取り出す出力端の電気出力。発電端の電気出力から発電ユニットの補機動力を
除いた出力である。
3.6
停止状態
外部からエネルギー供給を行っておらず,発電ユニットが常温近くで停止している状態。
3.7
保管停止状態
発電ユニット内の機器の保護及び/又は制御装置への通電のために,外部からエネルギー供給を行って
いるが,発電ユニットは停止している状態。
3.8
待機状態
発電ユニットが外部出力可能な温度状態にあり,送電出力を発生できる運転モードに速やかに切り替わ
ることが可能であるが,実際には外部に送電出力を発生していない状態。
3.9
起動時間
保管停止状態を維持するために外部エネルギーを必要としない発電ユニットにおいては,停止状態から
3
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送電出力を発生するまでに要する時間。
保管停止状態を維持するために外部エネルギーを必要とする発電ユニットにおいては,保管停止状態か
ら送電出力を発生するまでに要する時間。
3.10
定格出力までの応答時間
発電ユニットが待機状態において,定格出力に移行する動作開始から,定格出力が発生するまでの時間。
3.11
停止時間
発電ユニットが定格出力において,停止動作開始から,製造業者が指定する停止動作完了までの時間。
3.12
11モード運転パターン
発電ユニットのエネルギー効率の測定に用いる運転パターン。
3.13
電力負荷パターン
燃料電池システムの電力に関わる消費エネルギー量の測定に用いる,標準家庭の1日単位の平均的な電
力負荷の試験パターン。電力負荷パターンは,季節による電気の使用状況を考慮して夏期,中間期及び冬
期の三つのパターンがある。
3.14
給湯保温負荷パターン
燃料電池システムの給湯に関わる消費エネルギー量の測定に用いる,標準家庭の1日単位の平均的な給
湯及び保温負荷の試験パターン。給湯保温負荷パターンは,給湯保温モード(56モード)及びこの給湯保
温モードにおいて同じ用途の行為を集約した場合の集約給湯保温モード(20モード)で表し,温度条件に
よって夏期,中間期及び冬期での負荷を模擬する。
3.15
正味発電電力量
送電電力量から受電電力量を差し引いた,発電ユニットの正味の発電電力量。
4
構成・範囲
小形燃料電池システムの基本構成は,図1による。
4
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燃料電池システム
燃料電池発電設備
不活性ガス設備a)
燃料貯蔵設備a)
発電ユニット
セルスタック又はモジュール
パワーコンディショナ
燃料改質装置
空気供給装置
水処理装置
排熱回収装置a)
制御装置
操作パネル
蓄電装置a)
貯湯ユニットa)
貯湯槽
補助熱源機など
装置などの設置場所は,一つのパッケージ内に限定しない。
原燃料が水素の場合は,燃料改質装置は用いない。
発電専用システムの場合は,貯湯ユニット及び排熱回収装置は設置しない。
注a) 必要に応じて設置する機器又はユニット。
図1−小形燃料電池システムの基本構成
5
運転工程
発電ユニットの代表的な運転工程を図2に示す。図2は,発電ユニットの停止状態から起動・定格出力・
停止に至る一連の運転状態の変化を経時的に示している。
5
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図の記号は,次による。
A
:停止状態
B
:保管停止状態
C−1 :保管停止状態を維持するために,外部エネルギーを必要としない発電ユニットにおいては,停止状態から送
電出力を発生するまでに要する時間。
C−2 :保管停止状態を維持するために,外部エネルギーを必要とする発電ユニットにおいては,保管停止状態から
送電出力を発生するまでに要する時間。
D
:待機状態
E
:モジュールからの発電出力上昇動作開始
F
:定格出力までの応答時間
G
:モジュールの停止動作開始
H
:停止時間
I
:停止動作完了(仕様で定めた停止完了条件)
C−1又はC−2〜H:運転状態(起動動作開始から停止動作完了まで)
図2−発電ユニットの運転工程図
6
試験に関する条件
6.1
試験燃料
6.1.1
気体燃料
気体燃料の種類は,液化石油ガス,都市ガス又はその他の気体燃料とし,その品質は次による。
a) 液化石油ガス JIS K 2240の表1(種類及び品質)による。
b) 都市ガス JIS S 2093の表42(各ガスグループに対する試験ガスの成分及びその諸特性)による。
6
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c) その他の気体燃料 製造業者の指定による。
なお,試験ガス及び試験ガスの条件は,JIS C 8823の5.2.1(気体燃料)又はJIS C 8841-1の14.2.1(気
体燃料)による。
6.1.2
液体燃料
液体燃料の種類は,工業ガソリン,自動車ガソリン,灯油燃料又はその他の液体燃料とし,その品質は
次による。
a) 工業ガソリン JIS K 2201の表1(種類)及び表2(品質)による。
b) 自動車ガソリン JIS K 2202の表1(自動車ガソリンの要求品質)による。
c) 灯油燃料 JIS K 2203の表1(種類)及び表2(灯油の要求品質)による。
d) その他の液体燃料 製造業者の指定による。
6.2
発熱量の基準及び算出
6.2.1
発熱量の基準
発熱量の基準は,次による。
a) 燃料の発熱量は,低位発熱量(LHV)又は高位発熱量(HHV)を用いる。通常は低位発熱量(LHV)
を用いることが望ましい。
b) 低位発熱量を用いる場合は,発熱量,燃料消費熱量,発電効率,排熱回収効率及び総合効率の値の前
に添字LHVを付加する必要はない。
注記1 LHVは,Lower Heating Value又はLow Heating Valueの略語である。
c) 高位発熱量(HHV)を用いる場合は,発熱量,燃料消費熱量,発電効率,排熱回収効率及び総合効率
の値の前に添字HHVを付加する。
注記2 HHVは,Higher Heating Value又はHigh Heating Valueの略語である。
例 高位発熱量を用いる場合の記載例
発熱量(HHV)12 000 MJ/kg,効率(HHV)40 %など
6.2.2
発熱量の算出
試験燃料の発熱量は,次によって求める。
a) 気体燃料の場合 発電ユニット取合い部の近傍で,JIS K 2301及びJIS K 2240によって燃料ガスのサ
ンプリング及び組成分析を行い,式(1)から単位体積当たりの低位発熱量HG(kWh/m3)を求める。
∑
×100
a
a
G
V
Q
H=
········································································ (1)
ここに,
HG: 気体燃料の単位体積当たりの低位発熱量(kWh/m3)
Qa: 温度15 ℃及び絶対圧力101.3 kPaにおける各成分の低
位発熱量(kWh/m3)
Va: 各成分の体積百分率(%)
注記1 液化天然ガスを除く気体燃料の場合は,JIS K 2301の箇条8(発熱量の試験方法)によっ
て温度0 ℃及び絶対圧力101.3 kPaにおける発熱量を求めることができる。
b) 液体燃料の場合 JIS K 2279によって単位質量当たりの低位発熱量HL(MJ/kg)を求める。
注記2 JIS K 2279では,低位発熱量を真発熱量又は低発熱量と表記している。
注記3 灯油燃料の低位発熱量の概数は,JIS K 2203の表A.1[灯油の発熱量(概数)]に示してい
る。
7
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6.3
試験用計測器及び試験装置
試験用計測器及び試験装置は,次による。
a) 気体燃料を用いる発電ユニット 試験用計測器及び試験装置は,JIS S 2093の表43(試験用計測器)
及び表44(試験装置)に規定する機器又はこれと同等の機器とする。
b) 液体燃料を用いる発電ユニット 試験用計測器及び試験装置は,JIS S 3031の表2(計測器等)に規定
する機器又はこれと同等の機器とする。
6.4
模擬電力負荷
模擬電力負荷は,系統連系された状態で接続する。力率は,1とする。
7
燃料消費熱量及び正味発電電力量の測定方法
7.1
燃料消費熱量
燃料消費熱量は,次による。
a) 気体燃料消費熱量 実測燃料消費量F1を測定し,温度15 ℃及び大気圧力(絶対圧力)101.3 kPaにお
ける温圧補正後の燃料消費量Fを式(2)によって算出し,Fを基に積算燃料消費熱量Iを式(3)によって
算出する。燃料温度,燃料圧力(ゲージ圧力)及び大気圧力(絶対圧力)は,それぞれ測定時間中の
平均値を用いる。大気圧力(絶対圧力)は1日1回以上測定し,その平均値を式(2)の算出に用いる。
3.
101
2.
273
288.2
000
1
2
1
1
1
P
P
T
F
F
+
×
+
×
=
······················································· (2)
ここに,
F: 温圧補正後の燃料消費量(m3)
F1: 実測燃料消費量(L)
T1: 燃料温度の平均値(℃)
P1: 燃料圧力(ゲージ圧力)の平均値(kPa)
P2: 大気圧力(絶対圧力)の平均値(kPa)
I=F×HG ················································································ (3)
ここに,
I: 積算燃料消費熱量(kWh)
F: 温圧補正後の燃料消費量(m3)
HG: 単位体積当たりの燃料発熱量(kWh/m3)
b) 液体燃料消費熱量 試験開始時及び試験終了時の燃料タンクの質量を測定し,積算燃料消費熱量を式
(4)によって算出する。質量を測定することが困難な場合は,燃料タンク出口に流量計又は積算流量計
を取り付け,積算流量を測定し,式(6)によって算出する。
燃料が間欠供給される燃料電池システムで,燃料供給間隔の20倍が測定時間を超える場合は,燃料
電池システム内の残存燃料を考慮し,式(5)によって算出する。質量測定が困難な場合は,システム内
のバッファタンク出口及び貯湯槽燃料供給ラインに流量計又は積算流量計を取り付け,それぞれの積
算流量を測定し,合算した後,式(6)によって算出する。
(
)
6.3
L
t
t
H
'
M
M
I
×
−
=
····································································· (4)
ここに,
I: 積算燃料消費熱量(kWh)
Mt: 試験開始時の燃料タンク質量(kg)
Mt': 試験終了時の燃料タンク質量(kg)
HL: 単位質量当たりの燃料発熱量(MJ/kg)
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(
)
6.3
L
b
b
t
t
H
'
M
M
'
M
M
I
×
−
+
−
=
······················································· (5)
ここに,
I: 積算燃料消費熱量(kWh)
Mt: 試験開始時の燃料タンク質量(kg)
Mt': 試験終了時の燃料タンク質量(kg)
Mb: 試験開始時の燃料電池システム内の残存燃料質量(kg)
Mb': 試験終了時の燃料電池システム内の残存燃料質量(kg)
HL: 単位質量当たりの燃料発熱量(MJ/kg)
6.3
L
L
H
F
I
×
×
=
ρ
········································································· (6)
ここに,
I: 積算燃料消費熱量(kWh)
FL: 積算燃料消費量(m3)
ρ: 燃料密度(kg/m3)
HL: 単位質量当たりの燃料発熱量(MJ/kg)
7.2
正味発電電力量
FC送電電力量1) 及びFC受電電力量1) を測定し,FC積算正味発電電力量1) を,式(7)によって算出する。
inFC
outFC
FC
W
W
W
−
=
····································································· (7)
ここに,
WFC: FC積算正味発電電力量(kWh)
WoutFC: 発電ユニット送電端における交流送電電力の積算値(kWh)
WinFC: 発電ユニット受電端における交流受電電力の積算値(kWh)
注1) ここで,FCは発電ユニットの略号とする。
8
発電ユニットの11モードエネルギー効率の測定方法
8.1
概要
この試験は,発電ユニットの起動・停止を含む実際の標準家庭の消費電力を模擬した11モード運転パタ
ーンで運転した場合の11モードエネルギー効率を測定するための試験である。11モードエネルギー効率
には,11モード発電効率,11モード排熱回収効率及び11モード総合効率がある。
8.2
記号及び定義
記号及び定義は,表1による。
表1−記号及び定義
記号
記号の意味
定義
単位
F1FC
FC実測燃料消費量
発電ユニットで消費する燃料消費量の実測値
L
F2FC
FC排熱回収温水流量
発電ユニットから回収される排熱回収温水の流量
L/min
F3FC
FC給水量
発電ユニットへ供給される給水の流量
L/min
IFC
FC積算燃料消費熱量
発電ユニットで消費する燃料消費熱量の積算値
kWh
P1FC
FC燃料圧力(ゲージ圧) 発電ユニットで消費する燃料のゲージ圧力
kPa
P2FC
FC大気圧力(絶対圧)
発電ユニット周辺の大気圧力
kPa
T1FC
FC燃料温度
発電ユニットで消費する燃料の温度
℃
T2FC
FC排熱回収温水温度
発電ユニットから回収される排熱温水温度
℃
T3FC
FC給水温度
発電ユニットへ供給される給水の温度
℃
WinFC
FC受電電力量
発電ユニット受電端における交流受電電力の積算値
kWh
WoutFC
FC送電電力量
発電ユニット送電端における交流送電電力の積算値
kWh
備考 表中の“FC”は燃料電池発電ユニットを示す。
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8.3
試験対象範囲
試験対象範囲を,図3に示す。
注a) 必要に応じて設置する機器又はユニット。
図3−試験対象範囲
8.4
試験条件
試験条件は,次による。
a) 試験室の条件 試験室の温度は,20±15 ℃とする。
b) 発電ユニットの設置状態及び使用状態 発電ユニットの設置状態及び使用状態は,特に規定がない場
合は,製造業者の指定する状態(取扱説明書などに示す状態)とする。ただし,試験の項目によって,
試験結果に影響を及ぼさない場合は,これによらなくてもよい。
c) 電源の条件 試験などの電源の条件については,特に指定がない場合は,次による。ただし,試験結
果に影響を及ぼさない場合は,これによらなくてもよい。
1) 系統電源を用いる発電ユニット 系統電源を用いる発電ユニットは,定格周波数の定格電圧を加え
て行う。
2) 乾電池又は蓄電池を用いる発電ユニット 乾電池又は蓄電池を用いる発電ユニットは,取扱説明書
などに指定する乾電池又は蓄電池を用いて行う。
d) 給水の条件 発電ユニットへの給水温度T3FCは,17±2 ℃とする。
e) 排熱回収温水の条件 発電ユニットからの排熱回収温水温度T2FCは,発電状態時の平均温度が60 ℃
以上とする。
f)
運転条件 運転条件は,図4及び表2で規定する11モード運転パターンを基本とし,発電ユニットの
タイプによって,次の1)〜3) のいずれかを選択する。
1) 11モード運転パターンA 11モード運転を3回繰り返し,合計72時間運転する。詳細は図4 a) 及
び表2 a) に示す。
2) 11モード運転パターンB 11モード運転を7回繰り返し,合計168時間運転する。詳細は図4 b) 及
び表2 b) に示す。
3) 11モード運転パターンC 11モード運転を14回繰り返し,合計336時間運転する。詳細は図4 c) 及
発電ユニット
受電電力量
WinFC
原燃料
T1FC,F1FC,P1FC,IFC
給水
F3FC
排熱回収温水
T2FC,F2FC
送電電力量
WoutFC
セルスタック又はモジュール
パワーコンディショナ
燃料改質装置
空気供給装置
水処理装置
排熱回収装置
制御装置
操作パネル
蓄電装置a)
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び表2 c) に示す。
なお,模擬電力負荷の100 %負荷容量は,発電ユニットの定格出力と一致させなければならない。
a) 11モード運転パターンA
b) 11モード運転パターンB
図4−発電ユニットの11モードエネルギー効率の測定試験に用いる11モード運転パターン
156
144
試験時間 (h)
168
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c) 11モード運転パターンC
図中の破線は,発電ユニットの起動停止時における出力例を示している。
図中の記号は,起動してから停止するまでの11モードの内容を表し,次の表による。
モード
図の記号
模擬電力負荷の状態
1
a
50 %
2
b
負荷上昇
3
c
75 %
4
d
負荷下降
5
e
50 %
6
f
負荷上昇
7
g
100 %
8
h
負荷下降
9
i
75 %
10
j
負荷下降
11
k
50 %
図4−発電ユニットの11モードエネルギー効率の測定試験に用いる11モード運転パターン(続き)
324
312
試験時間 (h)
336
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
12
C 8851:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2−11モード運転パターン
a) 11モード運転パターンA
試験
時間
η
h
積算
試験
時間
η
h
模擬
電力
負荷
設定値
%
発電ユニット
の状態
試験
時間
η
h
積算
試験
時間
η
h
模擬
電力
負荷
設定値
%
発電ユニット
の状態
試験
時間
η
h
積算
試験
時間
η
h
模擬
電力
負荷
設定値
%
発電ユニット
の状態
0
0
50
保管停止
0
24
50
0
48
50
1
1
50
起動→負荷追従
1
25
50
1
49
50
2
2
50
電力負荷
追従運転
2
26
50
電力負荷
追従運転
2
50
50
電力負荷
追従運転
3
3
75
3
27
75
3
51
75
4
4
75
4
28
75
4
52
75
5
5
75
5
29
75
5
53
75
6
6
75
6
30
75
6
54
75
7
7
50
7
31
50
7
55
50
8
8
50
8
32
50
8
56
50
9
9
50
9
33
50
9
57
50
10
10
50
10
34
50
10
58
50
11
11
50
11
35
50
11
59
50
12
12
50
12
36
50
12
60
50
13
13
100
13
37
100
13
61
100
14
14
100
14
38
100
14
62
100
15
15
100
15
39
100
15
63
100
16
16
100
16
40
100
16
64
100
17
17
100
17
41
100
17
65
100
18
18
100
18
42
100
18
66
100
19
19
75
19
43
75
19
67
75
20
20
75
20
44
75
20
68
75
21
21
50
21
45
50
21
69
50
22
22
50
22
46
50
22
70
50
停止→保管停止
23
23
50
23
47
50
23
71
50
保管停止
b) 11モード運転パターンB
試験
時間
η
h
積算
試験
時間
η
h
模擬
電力
負荷
設定値
%
発電ユニット
の状態
試験
時間
η
h
積算
試験
時間
η
h
模擬
電力
負荷
設定値
%
発電ユニット
の状態
試験
時間
η
h
積算
試験
時間
η
h
模擬
電力
負荷
設定値
%
発電ユニット
の状態
0
0
50
保管停止
9
57
50
18
114
100
1
1
50
起動→電力負荷
追従運転
10
58
50
19
115
75
2
2
50
電力負荷
追従運転
11
59
50
電力負荷
追従運転
20
116
75
電力負荷
追従運転
3
3
75
12
60
50
21
117
50
4
4
75
13
61
100
22
118
50
5
5
75
14
62
100
23
119
50
6
6
75
15
63
100
0
120
50
7
7
50
16
64
100
1
121
50
8
8
50
17
65
100
2
122
50
13
C 8851:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2−11モード運転パターン(続き)
b) 11モード運転パターンB(続き)
試験
時間
η
h
積算
試験
時間
η
h
模擬
電力
負荷
設定値
%
発電ユニット
の状態
試験
時間
η
h
積算
試験
時間
η
h
模擬
電力
負荷
設定値
%
発電ユニット
の状態
試験
時間
η
h
積算
試験
時間
η
h
模擬
電力
負荷
設定値
%
発電ユニット
の状態
9
9
50
電力負荷
追従運転
18
66
100
電力負荷
追従運転
3
123
75
電力負荷
追従運転
10
10
50
19
67
75
4
124
75
11
11
50
20
68
75
5
125
75
12
12
50
21
69
50
6
126
75
13
13
100
22
70
50
7
127
50
14
14
100
23
71
50
8
128
50
15
15
100
0
72
50
9
129
50
16
16
100
1
73
50
10
130
50
17
17
100
2
74
50
11
131
50
18
18
100
3
75
75
12
132
50
19
19
75
4
76
75
13
133
100
20
20
75
5
77
75
14
134
100
21
21
50
6
78
75
15
135
100
22
22
50
7
79
50
16
136
100
23
23
50
8
80
50
17
137
100
0
24
50
9
81
50
18
138
100
1
25
50
10
82
50
19
139
75
2
26
50
11
83
50
20
140
75
3
27
75
12
84
50
21
141
50
4
28
75
13
85
100
22
142
50
5
29
75
14
86
100
23
143
50
6
30
75
15
87
100
0
144
50
7
31
50
16
88
100
1
145
50
8
32
50
17
89
100
2
146
50
9
33
50
18
90
100
3
147
75
10
34
50
19
91
75
4
148
75
11
35
50
20
92
75
5
149
75
12
36
50
21
93
50
6
150
75
13
37
100
22
94
50
7
151
50
14
38
100
23
95
50
8
152
50
15
39
100
0
96
50
9
153
50
16
40
100
1
97
50
10
154
50
17
41
100
2
98
50
11
155
50
18
42
100
3
99
75
12
156
50
19
43
75
4
100
75
13
157
100
20
44
75
5
101
75
14
158
100
21
45
50
6
102
75
15
159
100
22
46
50
7
103
50
16
160
100
23
47
50
8
104
50
17
161
100
14
C 8851:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2−11モード運転パターン(続き)
b) 11モード運転パターンB(続き)
試験
時間
η
h
積算
試験
時間
η
h
模擬
電力
負荷
設定値
%
発電ユニット
の状態
試験
時間
η
h
積算
試験
時間
η
h
模擬
電力
負荷
設定値
%
発電ユニット
の状態
試験
時間
η
h
積算
試験
時間
η
h
模擬
電力
負荷
設定値
%
発電ユニット
の状態
0
48
50
電力負荷
追従運転
9
105
50
電力負荷
追従運転
18
162
100
電力負荷
追従運転
1
49
50
10
106
50
19
163
75
2
50
50
11
107
50
20
164
75
3
51
75
12
108
50
21
165
50
4
52
75
13
109
100
22
166
50
停止→保管停止
5
53
75
14
110
100
23
167
50
保管停止
6
54
75
15
111
100
−
7
55
50
16
112
100
8
56
50
17
113
100
c) 11モード運転パターンC
試験
時間
η
h
積算
試験
時間
η
h
模擬
電力
負荷
設定値
%
発電ユニット
の状態
試験
時間
η
h
積算
試験
時間
η
h
模擬
電力
負荷
設定値
%
発電ユニット
の状態
試験
時間
η
h
積算
試験
時間
η
h
模擬
電力
負荷
設定値
%
発電ユニット
の状態
0
0
50
保管停止
0
24
50
〜(途中省略)
1
1
50
起動→負荷追従
1
25
50
2
2
50
2
26
50
3
3
75
電力負荷
追従運転
3
27
75
電力負荷
追従運転
3
315
75
電力負荷
追従運転
4
4
75
4
28
75
4
316
75
5
5
75
5
29
75
5
317
75
6
6
75
6
30
75
6
318
75
7
7
50
7
31
50
7
319
50
8
8
50
8
32
50
8
320
50
9
9
50
9
33
50
9
321
50
10
10
50
10
34
50
10
322
50
11
11
50
11
35
50
11
323
50
12
12
50
12
36
50
12
324
50
13
13
100
13
37
100
13
325
100
14
14
100
14
38
100
14
326
100
15
15
100
15
39
100
15
327
100
16
16
100
16
40
100
16
328
100
17
17
100
17
41
100
17
329
100
18
18
100
18
42
100
18
330
100
19
19
75
19
43
75
19
331
75
20
20
75
20
44
75
20
332
75
21
21
50
21
45
50
21
333
50
22
22
50
22
46
50
22
334
50
停止→保管停止
23
23
50
23
47
50
23
335
50
保管停止
15
C 8851:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
8.5
測定機器及び測定方法
測定機器及び測定方法は,次による。
a) 燃料温度 温度計を燃料流量計又は発電ユニットの近傍に接続し,燃料の温度を測定する。
b) 燃料圧力 気体燃料発電ユニットの場合は,差圧計(水柱ゲージなど)を燃料流量計の近傍に接続し,
燃料のゲージ圧力を測定する。
c) 大気圧力 気圧計を,発電ユニットの近傍で,かつ,発電ユニットの排気,換気などの影響を受けな
い場所に接続し,発電ユニット周辺の大気圧を測定する。
d) 送電電力量 電力量計を発電ユニットの送電側に接続し,発電ユニットから出力される交流送電電力
量を測定する。
e) 受電電力量 電力量計を発電ユニットの受電側に接続し,発電ユニットに入力される交流受電電力量
を測定する。
なお,受電部が複数ある場合は,全箇所を測定し,合計する。
f)
正味発電電力量 正味発電電力量は,式(7)によって算出する。
g) 電力量計 電力量は,誤差が±0.5 %の電力量計を用いて測定する。
h) 排熱回収温水用流量計 排熱回収温水は,測定範囲において確度が±5 %の排熱回収温水用流量計を
用いて測定する。
i)
燃料組成 気体燃料発電ユニットの場合はJIS K 2301及びJIS K 2240によって,液体燃料発電ユニッ
トの場合はJIS K 2279によって,発電ユニット取合い部の直近で,燃料ガスのサンプリング及び組成
分析を行う。
j)
データ収集周期 データ収集周期は3秒以下とする。
なお,1秒以下での収集が望ましい。
8.6
試験方法
試験方法は,次による。
a) 給水温度は,試験開始から終了まで17±2 ℃を維持する。
b) 発電ユニットの運転は,製造業者が指定する運転条件で行う。
c) 発電ユニット各部の温度を安定させるため,保管停止状態を6時間以上持続させた後,試験を開始す
る。試験開始から1時間は,保管停止状態を維持する。発電ユニットへの原燃料,受電電力量,送電
電力量,排熱回収温水などの測定は,試験開始と同時に始める。
d) 試験開始から,模擬電力負荷は50 %出力に設定する。
e) 試験開始1時間後に起動開始操作ボタンを“入”にして,発電ユニットの起動を開始する。発電状態
に到達後,発電ユニットの出力を模擬電力負荷に追従させ,50 %発電を継続する。
f)
試験開始から3時間後に,模擬電力負荷は75 %へ出力を増加させ,75 %発電で4時間継続する。
g) その後,模擬電力負荷を図4のa),b) 又はc) に示した11モード運転パターンに従って変化させ,発
電ユニットの出力をこれに追従させる。どの11モード運転パターンを使用したかを8.8の結果の記録
に記載する。
h) 11モード運転パターンAの場合,第3回目の11モード運転パターンにおいて,最後の50 %負荷が1
時間継続した時点(試験開始から70時間後)で停止操作を開始し,2時間後に試験を終了する。
11モード運転パターンBの場合,第7回目の11モード運転パターンにおいて,最後の50 %負荷が
1時間継続した時点(試験開始から166時間後)で停止操作を開始し,2時間後に試験を終了する。
11モード運転パターンCの場合,第30回目の11モード運転パターンにおいて,最後の50 %負荷
16
C 8851:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
が1時間継続した時点(試験開始から334時間後)で停止操作を開始し,2時間後に試験を終了する。
いずれのパターンにおいても,2時間後に停止操作が終了しない場合は停止操作を継続し,停止操
作が終了し,保管停止状態となった時点で試験を終了する。この間,発電ユニットは,製造業者が指
定する停止操作に従って停止し,保管停止状態となる。
i)
試験開始から試験終了までの全ての原燃料,受電電力量,送電電力量,排熱回収温水などから11モー
ド発電効率,11モード排熱回収効率及び11モード総合効率を算出する。
j)
負荷パターンの負荷を超過して出力された電力量は,送電電力量に含めない。
k) 試験終了後,8.4の試験条件の達成状況を確認する。達成できていない場合には,試験が失敗したもの
として再度試験を行う。
8.7
結果の計算
結果の計算は,次による。
a) 積算燃料消費熱量 積算燃料消費熱量Iは,気体燃料発電ユニットについては式(3)によって,液体燃
料発電ユニットについては式(4)〜式(6)のいずれかによって算出する。
b) 11モード発電効率 11モード発電効率ηEFC11modeは,式(8)によって算出する。
(
)
FC
inFC
FC
out
FC
FC
FC11mode
100
100
I
W
W
I
W
E
×
−
=
×
=
η
······································ (8)
ここに, ηEFC11mode: 11モード発電効率(%)
WFC: FC積算正味発電電力量(kWh)
IFC: FC積算燃料消費熱量(kWh)
WoutFC: FC送電電力量(kWh)
WinFC: FC受電電力量(kWh)
c) 11モード排熱回収効率 11モード排熱回収効率ηHFC11modeは,式(9)によって算出する。
(
)
[
]
600
3
100
60
Δ
)t(
FC
FC
s
FC
2
FC
3
FC
2
FC11mode
ρ
η
×
×
×
×
×
∑
I
S
t
F
T
T
H
−
=
····················· (9)
ここに, ηHFC11mode: 11モード排熱回収効率(%)
Σ: [ ]内の瞬時測定値の測定時間内の積算値
T2FC: FC排熱回収温水温度(℃)
T3FC: FC給水温度(℃)
F2FC: FC排熱回収温水流量(L/min)
SFC: FC排熱回収流体の比熱(kJ/L℃)
IFC: FC積算燃料消費熱量(kWh)
Δts: サンプリング周期(s)
ρ(t): t ℃における水の密度(kg/L)
d) 11モード総合効率 11モード総合効率ηFC11modeは,式(10)によって算出する。
FC11mode
FC11mode
FC11mode
H
E
η
η
η
+
=
··················································· (10)
ここに,
ηFC11mode: 11モード総合効率(%)
ηEFC11mode: 11モード発電効率(%)
ηHFC11mode: 11モード排熱回収効率(%)
8.8
結果の記録
試験結果の測定記録表の例を,図5に示す。
発電ユニット名
測
定
期
日 年 月 日( )〜 年 月 日( )
定
格
送
電
出
力
kW 測
定
場
所
排
熱
回
収
流
体
天
候
原
燃
料
の
種
類
試
験
室
の
温
度
℃
燃 料 発 熱 量a)
kWh/m3又はMJ/kg 相
対
湿
度
% RH
運
転
条
件
11モード運転パターン( )b)
大
気
圧
力
kPa
測
定
者
測定記録
試
験
番
号
測定
月日
時刻
測定
測定
測定
測定
測定
測定
測定
測定
測定
測定
特
記
事
項
F1FC
FC実
測燃料
消費量
T1FC
FC燃
料温度
P1FC
FC燃料
圧力
(ゲージ圧)
P2FC
FC大気
圧力
(絶対圧)
WoutFC
FC送電
電力量
WinFC
FC受電
電力量
F2FC
FC排熱
回収温
水流量
T2FC
FC排熱
回収温
水温度
F3FC
FC給
水量
T3FC
FC給
水温度
ηEFC11mode
11モード
発電効率a)
ηHFC11mode
11モード
排熱
回収効率a)
ηFC11mode
11モード
総合効率
a)
TFC
試験
室の
温度
月日
時:分
L
℃
kPa
kPa
kWh
kWh
L/min
℃
L/min
℃
%
%
%
℃
注a) 高位発熱量(HHV)を用いる場合は,“(HHV)”を付加する。 例 (HHV)12 000 MJ/kg,効率(HHV)40 %など。
b) 11モード運転パターンの種類を示すアルファベット(A,B又はC)を記入する。
図5−発電ユニットの11モードエネルギー効率の測定試験の測定記録表の例
1
7
C
8
8
5
1
:
2
0
1
3
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
18
C 8851:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
9
標準家庭の年間消費エネルギー量の測定方法
9.1
試験の種類
この試験は,燃料電池システムを標準家庭に設置した場合の,標準家庭の年間消費エネルギー量を測定
するための試験方法である。
消費電力は標準家庭の電力負荷パターンで,消費熱量は標準家庭の給湯保温負荷パターンで模擬して測
定する。
なお,標準家庭の年間の省エネルギー量の算出方法を,参考に附属書Aに示す。
9.2
記号及び定義
記号及び定義は,表3による。
表3−記号及び定義
記号
記号の意味
定義
単位
F1
実測燃料消費量
標準家庭で消費する実測燃料消費量(保温
時を除く。)
L
F2
給湯流量
標準家庭で消費する温水の流量
L/min
F3
給水量
標準家庭へ供給する給水の流量
L/min
I
積算燃料消費熱量
標準家庭で消費する積算燃料消費熱量(保
温時を除く。)
kWh
Iau
保温時の積算燃料
消費熱量
標準家庭で保温時に消費する積算燃料消
費熱量
kWh
P1
燃料圧力(ゲージ
圧)
標準家庭で消費する燃料のゲージ圧力
kPa
P2
大気圧力(絶対圧) 標準家庭周辺の大気圧力
kPa
T1
燃料温度
標準家庭で消費する燃料の温度
℃
T2
給湯温度
標準家庭で消費する温水の温度
℃
T3
給水温度
標準家庭へ供給する給水の温度
℃
Win
受電電力量
標準家庭で受電する交流電力の積算値
kWh
Wout
消費電力量
標準家庭で消費する交流電力の積算値
kWh
WoutFC FC送電電力量
発電ユニット送電端における交流送電電
力の積算値
kWh
備考 表中の“FC”は燃料電池発電ユニットを示す。
9.3
試験対象範囲
試験の対象範囲を,図6に示す。
19
C 8851:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図6−試験対象範囲
9.4
試験条件
試験条件は,次による。
a) 温度条件 年間消費エネルギー量試験における外気温度,給水温度及び給湯温度は,表4による。
表4−温度条件
単位 ℃
項目
夏期条件
中間期条件
冬期条件
外気温度
25±4
16±4
7±4
給水温度
24±2
17±2
9±2
給湯温度
40±3
40±3
40±3
各温度条件は,試験期間を通じて満足しなければならない。
b) 標準家庭の電力負荷パターン 標準家庭の電力負荷パターンは,次による。
1) 標準家庭の消費電力を模擬した電力負荷パターンにおける各時刻の消費電力は,図7及び表5によ
る。
なお,標準家庭の電力負荷パターンは,夏期92日(7月,8月及び9月),中間期152日(4月,
5月,6月,10月及び11月)及び冬期121日(12月,1月,2月及び3月)の季節ごとに異なる。
2) 燃料電池システムで発電した電力(FC送電電力量WoutFC)で家庭での消費電力量Woutを賄うが,不
足分は商用電力(受電電力量Win)で補う。
3) 燃料電池システムからの電気出力(時間帯及び出力値)は,給湯保温負荷パターンを満足するよう
に各製造業者が決めることができる。
FC送電電力量 WoutFC
発電ユニット
給水
F3,T3
貯湯
ユニット
燃料電池システム
補助
熱源機
原燃料
I,F1,T1,P1
受電電力量
Win
標準家庭の
消費電力量
Wout
給湯
T2,F2
補助熱源機用燃料
Iau,T1,P1
20
C 8851:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図7−標準家庭の電力負荷パターン
表5−標準家庭の電力負荷パターンにおける各時刻の消費電力及び1日の消費電力量合計
時刻
消費電力
W
時刻
消費電力
W
時刻
消費電力
W
夏期
中間期
冬期
夏期
中間期
冬期
夏期
中間期
冬期
00:00
208
197
465
08:15
1 192
817
1 318
16:30
1 715
509
1 153
00:15
191
179
448
08:30
1 037
663
1 164
16:45
1 714
509
1 153
00:30
187
175
444
08:45
672
298
799
17:00
1 083
552
1 063
00:45
252
241
509
09:00
1 126
629
983
17:15
1 290
759
1 270
01:00
270
267
650
09:15
754
256
611
17:30
1 178
647
1 158
01:15
239
235
619
09:30
1 048
551
905
17:45
1 191
660
1 171
01:30
221
218
602
09:45
892
395
749
18:00
1 272
854
1 224
01:45
176
172
556
10:00
332
332
332
18:15
1 256
838
1 208
02:00
154
152
655
10:15
302
302
302
18:30
1 632
1 214
1 584
02:15
238
236
739
10:30
253
253
253
18:45
1 644
1 226
1 596
02:30
263
262
765
10:45
214
214
214
19:00
1 042
737
1 154
02:45
239
237
740
11:00
191
191
191
19:15
1 087
782
1 199
03:00
239
239
824
11:15
253
253
253
19:30
1 109
803
1 220
03:15
173
173
758
11:30
272
272
272
19:45
1 065
759
1 177
03:30
149
149
734
11:45
203
203
203
20:00
1 572
791
2 524
03:45
205
205
790
12:00
1 789
261
741
20:15
1507
727
2459
04:00
243
243
876
12:15
1 803
274
755
20:30
1428
648
2380
04:15
262
262
895
12:30
1 791
263
743
20:45
1528
748
2480
04:30
242
242
875
12:45
1 737
208
689
21:00
1350
1138
2181
04:45
181
181
814
13:00
1 230
355
575
21:15
1026
814
1857
05:00
176
170
822
13:15
1 274
398
618
21:30
1220
1008
2051
05:15
195
190
841
13:30
1 230
355
575
21:45
917
706
1748
05:30
254
248
900
13:45
1 125
249
469
22:00
1279
936
2527
05:45
269
263
915
14:00
257
257
257
22:15
1156
813
2405
06:00
508
352
2632
14:15
166
166
166
22:30
1142
799
2391
06:15
511
356
2635
14:30
155
155
155
22:45
1422
1079
2670
06:30
595
439
2719
14:45
226
226
226
23:00
966
937
1195
06:45
566
410
2690
15:00
250
250
250
23:15
725
696
954
07:00
925
613
2366
15:15
245
245
245
23:30
366
337
595
07:15
1239
928
2681
15:30
260
260
260
23:45
289
260
518
07:30
1031
719
2472
15:45
181
181
181
24:00
208
197
465
07:45
797
485
2238
16:00
1 651
446
1090
1日の消費電力
量合計(kWh)
18.601
11.009
26.256
08:00
899
524
1025
16:15
1 618
412
1056
2
1
C
8
8
5
1
:
2
0
1
3
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
22
C 8851:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c) 標準家庭の給湯保温負荷パターン 標準家庭の給湯保温負荷パターンは,次による。
1) 標準家庭の1日単位の平均的な給湯保温負荷パターンを表6に示す給湯保温モードで表す。燃料電
池システムの給湯に関わる消費エネルギーは,この標準家庭の給湯保温負荷パターンに従って湯が
消費されることを模擬する。
2) 1年間を夏期,中間期及び冬期に分けて規定する。
3) 燃料電池システムは,この標準家庭の給湯保温負荷パターンに従って給湯出力及び浴槽を保温する。
4) 標準家庭の給湯保温負荷パターンの詳細は,表6 a) に規定する標準家庭の給湯保温モード(56モ
ード)及び表6 b) に規定する同じ用途の行為を集約した標準家庭の集約給湯保温モード(20モー
ド)による。
表6−標準家庭の給湯保温負荷パターン
a) 標準家庭の給湯保温モード(56モード)
番
号
用途
時刻
給湯量
(流量)
L/min
湯量
L
給湯
時間
s
夏期
中間期
冬期
給湯
熱量
MJ
保温
熱量
MJ
給湯
熱量
MJ
保温
熱量
MJ
給湯
熱量
MJ
保温
熱量
MJ
1
洗面
6:30:00
10
10
60.0
0.664
−
0.954
−
1.286
−
2
洗面
6:32:30
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
3
洗面
6:33:10
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
4
洗面
6:34:20
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
5
洗面
6:35:00
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
6
台所
7:45:00
10
5
30.0
0.332
−
0.477
−
0.643
−
7
台所
7:46:30
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
8
台所
7:47:10
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
9
台所
7:57:20
10
25
150.0
1.659
−
2.385
−
3.214
−
10
台所
8:04:20
10
2.5
15.0
0.166
−
0.238
−
0.321
−
11
台所
12:30:00
10
5
30.0
0.332
−
0.477
−
0.643
−
12
台所
12:31:30
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
13
台所
12:32:10
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
14
台所
12:37:20
10
10
60.0
0.664
−
0.954
−
1.286
−
15
台所
12:40:20
10
2.5
15.0
0.166
−
0.238
−
0.321
−
16
台所
17:45:00
10
5
30.0
0.332
−
0.477
−
0.643
−
17
台所
17:46:30
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
18
台所
17:48:40
10
5
30.0
0.332
−
0.477
−
0.643
−
19
台所
17:54:40
10
5
30.0
0.332
−
0.477
−
0.643
−
20
台所
17:56:10
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
21
台所
17:56:50
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
22
台所
17:57:30
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
23
台所
18:02:40
10
2.5
15.0
0.166
−
0.238
−
0.321
−
24
台所
18:03:40
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
25
台所
18:04:20
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
26
湯張り
19:10:00
10
180
1 080.0
11.945
−
17.17
−
23.143
−
27
台所
19:30:00
10
10
60.0
0.664
−
0.954
−
1.286
−
28
台所
19:32:30
10
2.5
15.0
0.166
−
0.238
−
0.321
−
29
シャワー
19:38:00
10
20
120.0
1.327
−
1.908
−
2.571
−
30
台所
19:42:00
10
2.5
15.0
0.166
−
0.238
−
0.321
−
23
C 8851:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表6−標準家庭の給湯保温負荷パターン(続き)
a) 標準家庭の給湯保温モード(56モード)(続き)
番
号
用途
時刻
給湯量
(流量)
L/min
湯量
L
給湯
時間
s
夏期
中間期
冬期
給湯
熱量
MJ
保温
熱量
MJ
給湯
熱量
MJ
保温
熱量
MJ
給湯
熱量
MJ
保温
熱量
MJ
31
台所
19:43:00
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
32
台所
19:48:10
10
2.5
15.0
0.166
−
0.238
−
0.321
−
33
台所
19:49:10
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
34
台所
19:49:50
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
35
保温
19:57:00
−
−
−
−
0.465
−
0.77
−
1.02
36
シャワー
20:00:00
10
50
300.0
3.318
−
4.77
−
6.428
−
37
台所
20:06:00
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
38
台所
20:06:40
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
39
台所
20:07:20
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
40
台所
20:08:00
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
41
保温
20:27:00
−
−
−
−
0.465
−
0.77
−
1.02
42
保温
20:57:00
−
−
−
−
0.233
−
0.385
−
0.53
43
保温
21:27:00
−
−
−
−
0.233
−
0.385
−
0.53
44
洗面
21:30:00
10
10
60.0
0.664
−
0.954
−
1.286
−
45
洗面
21:32:30
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
46
洗面
21:33:10
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
47
洗面
21:33:50
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
48
シャワー
21:44:00
10
20
120.0
1.327
−
1.908
−
2.571
−
49
洗面
21:46:30
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
50
洗面
21:47:10
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
51
保温
21:57:00
−
−
−
−
0.465
−
0.77
−
1.02
52
シャワー
22:02:20
10
50
300.0
3.318
−
4.77
−
6.428
−
53
洗面
22:09:20
10
2.5
15.0
0.166
−
0.238
−
0.321
−
54
洗面
22:10:50
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
55
洗面
22:13:00
10
5
30.0
0.332
−
0.477
−
0.643
−
56
洗面
22:15:00
10
0.83
5.0
0.055
−
0.079
−
0.107
−
合計
455.74
30.242
1.861
43.473
3.080
58.594
4.120
b) 標準家庭の集約給湯保温モード(20モード)
番
号
用途
時刻
給湯量
(流量)
L/min
湯量
L
給湯
時間
s
夏期
中間期
冬期
給湯
熱量
MJ
保温
熱量
MJ
給湯
熱量
MJ
保温
熱量
MJ
給湯
熱量
MJ
保温
熱量
MJ
1
洗面
6:30:00
10
13.32
79.9
0.884
−
1.271
−
1.713
−
2
台所
7:55:00
10
34.16
205.0
2.267
−
3.259
−
4.392
−
3
台所
12:35:00
10
19.16
115.0
1.271
−
1.828
−
2.463
−
4
台所
17:55:00
10
22.48
134.9
1.492
−
2.144
−
2.89
−
5
湯張り
19:10:00
10
180
1 080.0
11.945
−
17.17
−
23.143
−
6
台所
19:31:00
10
12.5
75.0
0.829
−
1.192
−
1.607
−
7
シャワー
19:38:00
10
20
120.0
1.327
−
1.908
−
2.571
−
8
台所
19:46:00
10
7.49
44.9
0.497
−
0.714
−
0.963
−
9
保温
19:57:00
−
−
−
−
0.465
−
0.77
−
1.02
24
C 8851:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表6−標準家庭の給湯保温負荷パターン(続き)
b) 標準家庭の集約給湯保温モード(20モード)(続き)
番
号
用途
時刻
給湯量
(流量)
L/min
湯量
L
給湯
時間
s
夏期
中間期
冬期
給湯
熱量
MJ
保温
熱量
MJ
給湯
熱量
MJ
保温
熱量
MJ
給湯
熱量
MJ
保温
熱量
MJ
10
シャワー
20:00:00
10
50
300.0
3.318
−
4.77
−
6.428
−
11
台所
20:07:00
10
3.32
19.9
0.22
−
0.317
−
0.427
−
12
保温
20:27:00
−
−
−
−
0.465
−
0.77
−
1.02
13
保温
20:57:00
−
−
−
−
0.233
−
0.385
−
0.53
14
保温
21:27:00
−
−
−
−
0.233
−
0.385
−
0.53
15
洗面
21:32:00
10
12.49
74.9
0.829
−
1.191
−
1.606
−
16
シャワー
21:44:00
10
20
120.0
1.327
−
1.908
−
2.571
−
17
洗面
21:47:00
10
1.66
10.0
0.11
−
0.158
−
0.213
−
18
保温
21:57:00
−
−
−
−
0.465
−
0.77
−
1.02
19
シャワー
22:02:20
10
50
300.0
3.318
−
4.77
−
6.428
−
20
洗面
22:13:00
10
9.16
55.0
0.608
−
0.874
−
1.178
−
合計
455.74
30.242
1.861
43.473
3.080
58.594
4.120
9.5
測定機器及び測定方法
測定機器及び測定方法は,次による。
a) 積算燃料消費熱量 積算燃料消費熱量Iは,気体燃料発電ユニットの場合は式(3)によって,液体燃料
発電ユニットの場合は式(4)〜式(6)のいずれかによって算出する。
なお,試験中に補助熱源機が作動する場合は,その積算燃料消費熱量についても測定し,加算する。
b) 燃料温度 温度計を燃料流量計又は燃料電池システムの近傍に接続し,燃料の温度を測定する。
c) 燃料圧力 気体燃料ユニットの場合は,差圧計(水柱ゲージなど)を燃料流量計の近傍に接続し,燃
料のゲージ圧力を測定する。
d) 大気圧力 気圧計を,燃料電池システムの近傍で,かつ,燃料電池システムの排気,換気などの影響
を受けない場所に接続し,燃料電池システム周辺の大気圧を測定する。
e) 消費電力量 電力量計を,標準家庭で消費する交流電力の積算値が計測可能な位置に接続し,標準家
庭で消費する交流電力の積算値を測定する。消費電力量は,受電電力量とFC送電電力量との総和で
ある。
f)
受電電力量 電力量計を,標準家庭で受電する交流電力の積算値が計測可能な位置に接続し,標準家
庭で受電する交流電力量の積算値を測定する。標準家庭の電力負荷パターンを超えて出力する逆向き
電力は,積算値に含めない。
g) 電力量計 電力量は,誤差が±0.5 %以内の電力量計で測定する。
h) 給湯量測定 給湯量(1分当たりの流量)は,表7の測定精度確認用給湯条件による測定誤差が±2 %
以内の流量計を用いて連続測定する。
表7−給湯量測定精度確認用給湯条件
給湯方法
連続給湯時間
回数
給湯量(流量)
連続
60 s
1回
10 L/min
断続
10 s
6回
10 L/min
25
C 8851:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
i)
残湯量の算出方法 残湯量の算出は,式(11)による。式(11)を簡略化した式(12)を用いてもよい。式に
用いる記号の概念を図8に示す。
(
)
(
)
j
n
j
j
j
j
V
c
T
c
T
T
V
×
×
×
−
×
×
−
∑
=1
p(40)
40
3
)
p(
3
v
)
40
(
40
ρ
ρ
=
··················································(11)
(
)
(
)
j
n
j
j
V
T
T
T
V
×
−
−
∑
=1
3
3
v
)
40
(
40
=
································································ (12)
ここに,
V(40): 40 ℃に換算した残湯量(L)
j: 貯湯槽に貼り付けた上下の熱電対によって区切った区分で,
上位から1,2,3,…の順に示したもの。j=1の場合,V1は
最上位の熱電対の上の部分の体積を示す。
n: 熱電対による区分jのうち,貯湯槽内の湯の温度Tvjが給水温
度T3以上の部分を含む最後の区分。
Tvj: 区分jにおける貯湯槽内の湯の温度(℃)。上下の熱電対の示
す温度の平均を用いる。ただし,j=1においては最上位の熱
電対が示す温度とする。
T3: 表4に示す給水温度(℃)
ρj: 区分jにおける貯湯槽内の温度に対応した水の密度(kg/L)
ρ40: 40 ℃における水の密度:0.992 2(kg/L)
cp(40): 40 ℃における水の比熱:4.178 3(kJ/kg・℃)
cp(j): 区分jにおける貯湯槽内の温度に対応した水の比熱
(kJ/kg・℃)
Vj: 区分jにおける上下の熱電対で水平方向に区切った貯湯槽内
の水の体積(L)。ただし,j=1の場合(V1)は,最上位の熱
電対の上の部分の体積を示す。
j)
電力負荷 電力負荷は,図7に示す標準家庭の電力負荷パターンに従って設定する。
k) 給湯温度 給湯温度は,図8に示すような給水経路との混合によって,40 ℃になるように調整する。
給湯温度の測定は,温度計を給湯口の温水と給水との混合後の位置に接続して行う。
l)
給水温度 温度計を燃料電池システムの給水口近傍に接続し給水温度を測定する。
m) 試験室の温度 温度計を燃料電池システムの外囲から1 m離れた位置で測定する。
n) 保温時の積算燃料消費熱量 保温時に追いだき用として作動する補助熱源機の積算燃料消費熱量を示
し,式(13)〜式(15)によって算出する。
(
)(
)
100
/
6.3
/
861
.1
au
sau
η
=
I
·························································· (13)
(
)(
)
100
/
6.3
/
080
.3
au
mau
η
=
I
························································· (14)
(
)(
)
100
/
6.3
/
120
.4
au
wau
η
=
I
························································· (15)
ここに,
Isau: 夏期1日単位の保温に使用される補助熱源機の積算燃料消
費熱量(kWh/日)
Imau: 中間期1日単位の保温に使用される補助熱源機の積算燃料
消費熱量(kWh/日)
Iwau: 冬期1日単位の保温に使用される補助熱源機の積算燃料消
費熱量(kWh/日)
ηau: 追いだき時の補助熱源機の熱効率(製造業者のカタログ値)
(%)
26
C 8851:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記
式(13)〜式(15)中の1.861,3.080及び4.120の値は,表6 a) 及びb) の保温熱量の合計値(MJ)
である。
o) データ収集周期 データ収集周期は3秒以下とする。
なお,1秒以下での収集が望ましい。
注a)“●”は熱電対の貼付け箇所を示す。
b) Tt1〜Ttnは,貯湯槽内の残湯量の確認ができる間隔とする。通常,この間隔は100 mmとする。
図8−残湯量の算出方法の概念
9.6
試験方法
年間消費エネルギー量の測定試験は,夏期,中間期及び冬期の3期それぞれについて行う。各期の試験
では,当該期を代表する1日の標準家庭の電力負荷パターン及び給湯保温負荷パターンが繰り返されるも
のとし,その内容は,次による。
− 温度条件:表4に示す。
− 電力負荷:表5に規定する各時刻における消費電力に従って発電電力を供給する。
− 給湯保温負荷:表6 a) に規定する給湯保温モード,又は表6 b) に規定する集約給湯保温モードで給
湯を行う。ただし,浴槽保温は,9.5 n) によって別途算出する。
試験終了後,表4の温度条件の達成状況を確認する。さらに,消費電力及び給湯熱量の1日積算値がそ
れぞれ表5及び表6の1日の合計値±5 %以内であることを確認する。その手順は,次による。いずれか
が達成できていない場合には,試験が失敗したものとして再度試験を行う。
27
C 8851:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) 手順1(1日目) 貯湯槽を,表4で規定する温度の水を供給して満水にした後,表5に示す消費電力,
及び表6 a) 又は表6 b) の給湯保温モードのどの時刻から開始するかは,製造業者の指定による。
b) 手順2(2日目) 消費電力及び給湯保温モードは手順1と同様とし,任意の運転方法で試験を継続す
る。1日目の試験開始から24時間以上経過,かつ,電力及び給湯保温モードの時刻が0時の時点で,
その時点から24時間前の状態との比較を下記の手法1又は手法2を用いて行い,それぞれの量の変化
率が,規定の範囲内に入っているかどうかを評価する。規定の範囲内に入っている場合は試験結果が
収束しているとして手順4を,入っていない場合は収束していないとして手順3を実施する。
1) 手法1 前日と当日との比較において,積算燃料消費熱量(24時間の積算値)及び積算受電電力量
(同積算値)の変化率が,それぞれ±5 %の範囲内とする。
1.1) 積算燃料消費熱量の変化率は,式(16)によって算出する。
(
)
100
Δ
1
n
1
n
n
×
−
=
−
−
I
I
I
I
····························································· (16)
ここに,
ΔI: 積算燃料消費熱量の変化率(%)
In−1: 前日(24時間)の積算燃料消費熱量(kWh)
In: 当日(24時間)の積算燃料消費熱量(kWh)
1.2) 積算受電電力量の変化率は,式(17)によって算出する。
(
)
100
Δ
1
n
1
n
n
×
−
=
−
−W
W
W
W
························································· (17)
ここに,
ΔW: 積算受電電力量の変化率(%)
Wn−1: 前日(24時間)の積算受電電力量(kWh)
Wn: 当日(24時間)の積算受電電力量(kWh)
2) 手法2 消費電力及び給湯保温モードの時刻が0時のときに貯湯槽内の温度分布を測定し,24時間
前と現在との残湯量の変化率が,±5 %の範囲内とする。残湯量の評価は,貯湯槽に取り付けた温
度センサの値を基に行う。試験結果が収束している場合は手順4を,収束していない場合は手順3
を実施する。
残湯量の変化率は,式(18)によって算出する。
(
)
100
Δ
1
n)
40
(
1
n)
40
(
n)
40
(
)
40
(
×
−
=
−
−
V
V
V
V
·············································· (18)
ここに,
ΔV(40): 残湯量の変化率(%)
V(40)n−1: 前日0時時点での残湯量(L)
V(40)n: 当日0時時点での残湯量(L)
c) 手順3(3日目以降) 試験結果が収束するまで手順2を繰り返した後,手順4を実施する。9.5 n) に
規定する保温時の積算燃料消費熱量を算出する。この場合,給湯保温モード熱量は,手順2の給湯保
温モード熱量以上でなければならない。
d) 手順4 試験結果が収束した日(消費電力及び給湯保温モードの0時を起点とする24時間)の結果か
ら,各期の1日単位での消費エネルギー量を算出する。このとき,表4に示した給湯温度に比べ−3 ℃
の温度を上回ったときから給湯熱量を計算する。
なお,複数日周期で試験結果が繰り返される場合は,手順2に示す手法によって複数日単位で試験
結果の収束評価を行う。その場合,消費エネルギー量は,収束期間の日平均値によって算出する。
例 2日単位で1回起動及び停止する場合は,2日単位で手順2によって収束評価を行う。試験結果
の収束が確認できたとき,手順4に基づき,2日間の日平均値によって消費エネルギー量を算
出する。
9.7
年間消費エネルギー量の算出方法
28
C 8851:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
燃料電池システムを設置した標準家庭の年間消費エネルギー量の算出方法は,次による。出力エネルギ
ー量は,図7の標準家庭の電力負荷パターン及び表6の標準家庭の給湯保温負荷パターンとし,これを表
4の温度条件によって作動させたときの夏期,中間期及び冬期の各1日のデータに基づいて,夏期92日(7
月,8月及び9月),中間期152日(4月,5月,6月,10月及び11月)及び冬期121日(12月,1月,2
月及び3月)とし,年間消費エネルギー量を算出する。年間の燃料消費熱量Q1と年間の受電電力量Q2は
それぞれ,式(19)及び式(20)によって算出する。また,年間消費エネルギー量Q3は,年間の燃料消費熱量
Q1と年間の受電電力量Q2とを加算したものであり,式(21)によって算出する。
Q1=92×(Isd+Isau)+152×(Imd+Imau)+121×(Iwd+Iwau) ····················· (19)
Q2=92×Winsd+152×Winmd+121×Winwd ······································ (20)
Q3=(Q1+Q2)×3.6 2) ································································ (21)
ここに,
Isd: 夏期1日単位の積算燃料消費熱量(保温の場合は除く。)
(kWh/
日)
Isau: 夏期1日単位の保温に使用される補助熱源機の積算燃料消費
熱量(kWh/日)
Imd: 中間期1日単位の積算燃料消費熱量(保温を含まず)(kWh/
日)
Imau: 中間期1日単位の保温に使用される補助熱源機の積算燃料消
費熱量(kWh/日)
Iwd: 冬期1日単位の積算燃料消費熱量(保温を含まず)(kWh/日)
Iwau: 冬期1日単位の保温に使用される補助熱源機の積算燃料消費
熱量(kWh/日)
Q1: 年間の燃料消費熱量(kWh/年)
Q2: 年間の受電電力量(kWh/年)
Q3: 年間消費エネルギー量(MJ/年)
Winsd: 夏期1日単位の受電電力量(kWh/日)
Winmd: 中間期1日単位の受電電力量(kWh/日)
Winwd: 冬期1日単位の受電電力量(kWh/日)
注2) キロワット時(kWh)からメガジュール(MJ)への換算係数
9.8
結果の記録
試験結果の測定記録表の例を,図9に示す。
燃料電池システム名
測
定
期
日 年 月 日( )〜 年 月 日( )
定
格
送
電
出
力
kW 測
定
場
所
排
熱
回
収
流
体
天
候
原
燃
料
の
種
類
試
験
室
の
温
度
℃
燃 料 発 熱 量a)
kWh/m3又はMJ/kg 相
対
湿
度
% RH
大
気
圧
力
kPa
測
定
者
測定記録
試験
番号
測定
月日
時刻
測定
測定
測定
測定
測定
測定
測定
測定
測定
測定
特記
事項
F1
実測燃料
消費量
T1
燃料
温度
P1
燃料圧力
(ゲージ圧)
Wout
消費電力量
Win
受電電力量
F2
給湯流量
T2
給湯温度
F3
給水量
T3
給水温度
P2
大気圧力
(絶対圧)
T
試験室
の温度
月日
時:分
L
℃
kPa
kWh
kWh
L/min
℃
L/min
℃
kPa
℃
注a) 高位発熱量(HHV)を用いる場合は,“(HHV)”を付加する。 例 (HHV)12 000 MJ/kg
図9−標準家庭の年間消費エネルギー量の測定試験の測定記録表の例
2
9
C
8
8
5
1
:
2
0
1
3
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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C 8851:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(参考)
標準家庭の年間の省エネルギー量の算出方法
A.1 概要
標準家庭の年間の省エネルギー量Qsaveは,燃料電池システム導入前のシステム(例を,図A.1に示す。)
の入力エネルギー量Qbeforeから燃料電池システム導入後のシステム(図6に示す。)の入力エネルギー量
Qafterを差し引くことによって求めることができる。
図A.1−燃料電池システム導入前のシステム
A.2 燃料電池システム導入前の入力エネルギー量
燃料電池システム導入前の入力エネルギー量Qbeforeは,式(A.1)又は式(A.2)によって求める。ただし,各
温度の比熱は,Cp(9)=Cp(17)=Cp(24)=Cp(40)=4.2(kJ/kg・℃)として計算してもよい。
(
)
(
)
(
)
C
W
I
C
W
I
C
W
I
Q
1inwd
1wd
1inmd
1md
1insd
1sd
before
121
152
92
+
+
+
+
+
=
······ (A.1)
(
)
(
2sd
)
40
(
p
)t(
1inwd
1inmd
1insd
before
40
92
[
/
121
152
92
F
C
C
W
W
W
Q
×
×
+
+
+
=
η
ρ
)
17
40
(
152
)
24
3md
)
17
(
p
2md
)
40
(
p
3sd
)
24
(
p
F
C
F
C
F
C
×
×
−
×
×
+
×
×
−
········· (A.2)
)]
9
40
(
121
3wd
)9(p
2wd
)
40
(p
F
C
F
C
×
×
−
×
×
+
ここに, Qbefore: 燃料電池システム導入前の年間の入力エネルギー量(MJ/y)
C: 電力換算係数1)
I1sd: 燃料電池システム導入前の夏期1日単位の積算燃料消費熱量(J/d)
I1md: 燃料電池システム導入前の中間期1日単位の積算燃料消費熱量(J/d)
I1wd: 燃料電池システム導入前の冬期1日単位の積算燃料消費熱量(J/d)
W1insd: 燃料電池システム導入前の夏期1日単位の受電電力量(kWh/d)
W1inmd: 燃料電池システム導入前の中間期1日単位の受電電力量(kWh/d)
W1inwd: 燃料電池システム導入前の冬期1日単位の受電電力量(kWh/d)
F2sd: 燃料電池システム導入前の夏期1日単位の温水の流量(L/d)
需要家(一般的な家庭)
燃料電池システム導入前
給湯
ユニット
受電電力量
Win
原燃料
I
給水
F3,T3
給湯
T2,F2
消費電力量
Wout
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C 8851:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
F2md: 燃料電池システム導入前の中間期1日単位の温水の流量(L/d)
F2wd: 燃料電池システム導入前の冬期1日単位の温水の流量(L/d)
F3sd: 燃料電池システム導入前の夏期1日単位の給水の流量(L/d)
F3md: 燃料電池システム導入前の中間期1日単位の給水の流量(L/d)
F3wd: 燃料電池システム導入前の冬期1日単位の給水の流量(L/d)
Cp(t): t ℃における水の比熱(kJ/kg・℃)
ρ(t): t ℃における水の密度(kg/L)
η: 燃料電池システム導入前の給湯ユニットのシステム効率
注1) 電力換算係数C=0.369[高位発熱量(HHV)基準]。出典は“改正省エネ法[平成18年4月1
日 エネルギーの使用の合理化に関する法施行規則 様式第9(第17条関係)]”
A.3 燃料電池システム導入後の入力エネルギー量
燃料電池システム導入後の入力エネルギー量Qafterは,式(A.3)によって求める。
Qafter=(Q1+Q2/C)×3.6 2) ························································· (A.3)
ここに, Qafter: 燃料電池システム導入後の年間の入力エネルギー量(MJ/年)
Q1: 燃料電池システム導入後の年間の燃料消費熱量(kWh/年)
Q2: 燃料電池システム導入後の年間の受電電力量(kWh/年)
注2) kWhからMJへの換算係数
A.4 年間の省エネルギー量
燃料電池システムを導入することによる年間の省エネルギー量Qsaveは,式(A.4)によって求める。
Qsave=Qbefore−Qafter ································································· (A.4)
ここに, Qsave: 年間の省エネルギー量(MJ/年)
Qbefore: 燃料電池システム導入前の年間の入力エネルギー量(MJ/年)
Qafter: 燃料電池システム導入後の年間の入力エネルギー量(MJ/年)
参考文献 JIS C 9220:2011 家庭用ヒートポンプ給湯機
JIS S 2072:2009 家庭用ガスふろがま・石油ふろがまの標準使用条件,標準加速モード及び試
験条件
TS S 0003:2010 標準使用モードを用いた家庭用ガス・石油給湯機器の熱効率測定法
NISTIR 7131,Proposed test methodology and performance rating standard for residential fuel cell
systems
JRA 4050:2007R 家庭用ヒートポンプ給湯機