C 8713:2006
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人電池工業会(BAJ)/財団法人日本規
格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会
の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 61959:2004,Secondary cells and
batteries containing alkaline or other non-acid electrolytes−Mechanical tests for sealed portable secondary cells and
batteriesを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
JIS C 8713には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
C 8713:2006
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 一般 ······························································································································ 1
1.1 適用範囲 ······················································································································ 1
1.2 引用規格 ······················································································································ 1
1.3 定義 ···························································································································· 2
2. 機械的試験の要求事項 ······································································································ 2
2.1 振動試験 ······················································································································ 2
2.2 自然落下試験(単電池及びハードケース電池だけ) ······························································ 3
3. 形式検査 ························································································································ 4
4. 受入検査 ························································································································ 4
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 8713:2006
密閉形小形二次電池の機械的試験
Secondary cells and batteries containing alkaline or other non-acid
electrolytes−Mechanical tests for sealed portable secondary cells and
batteries
序文 この規格は,2004年に第1版として発行されたIEC 61959,Secondary cells and batteries containing
alkaline or other non-acid electrolytes−Mechanical tests for sealed portable secondary cells and batteriesを翻訳し,
技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧
表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。
1. 一般
1.1
適用範囲 この規格は,密閉形小形二次電池及び組電池の取扱い,並びに通常の使用における機械
的特性を確認するための試験及びその要件について規定する。
この規格では,様々な電池系(ニッケル・カドミウム蓄電池,ニッケル・水素蓄電池及びリチウム二次
電池),寸法及び形状(円筒形,角形及びボタン形)の密閉形小形二次電池及び組電池について,機械的試
験の目的,試験の方法及び判定基準について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
IEC 61959:2004,Secondary cells and batteries containing alkaline or other non-acid electrolytes−
Mechanical tests for sealed portable secondary cells and batteries (MOD)
1.2
引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成
する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 60068-2-6 環境試験方法−電気・電子−正弦波振動試験方法
備考 IEC 60068-2-6,Environmental testing−Part 2 : Tests−Test Fc: Vibration(sinusoidal)が,この
規格と一致している。
JIS C 60068-2-32 環境試験方法−電気・電子−自然落下試験方法
備考 IEC 60068-2-32,Environmental testing−Part 2: Tests. Test Ed : Free fall(Procedure l)が,この
規格と一致している。
JIS C 8705 密閉形ニッケル・カドミウム蓄電池
備考 IEC 61951-1,Secondary cells and batteries containing alkaline or other non-acid electrolytes−
Portable sealed rechargeable single cells−Part 1: Nickel-cadmiumからの引用事項は,この規格の
該当事項と同等である。
2
C 8713:2006
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JIS C 8708 密閉形ニッケル・水素蓄電池
備考 IEC 61951-2:2003,Secondary cells and batteries containing alkaline or other non-acid electrolytes
−Portable sealed rechargeable single cells−Part 2: Nickel-metal hydrideからの引用事項は,この
規格の該当事項と同等である。
JIS C 8711 ポータブル機器用リチウム二次電池
備考 IEC 61960:2003,Secondary cells and batteries containing alkaline or other non-acid electrolytes−
Secondary lithium cells and batteries for portable applications からの引用事項は,この規格の該当
事項と同等である。
IEC 60068-2-47,Environmental testing−Part 2 - 47: Test−Mounting of specimens for vibration, impact and
similar dynamic tests
1.3
定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 60068-2-6及びJIS C 60068-2-32によるほか,次
による。
1.3.1
単電池(secondary cell) 二つの電極,セパレータ,電解液,容器,端子などから構成され,充電
することによって化学エネルギーを電気エネルギーに転換して電気エネルギー源を供給するシステムの基
本構成ユニット。
1.3.2
組電池(secondary battery) 電気エネルギー源として使用できるよう単電池を単数又は複数用い
て組み立てられたもので,電圧,寸法,端子配列,容量,及び放電性能によって特徴付けられるもの。
1.3.3
ハードケース電池(hard pack battery) 堅固なケースの中に端子及び電池が組み込まれたもの。
2. 機械的試験の要求事項 JIS C 60068-2-6及びJIS C 60068-2-32に規定する方法によって,次に示す振
動試験及び自然落下試験の影響に対する単電池又は組電池の耐久性を試験する。充電及び放電の手順は,
この規格,JIS C 8705,JIS C 8708及びJIS C 8711による。
2.1
振動試験 それぞれの単電池又は組電池は,JIS C 8705,JIS C 8708及びJIS C 8711に規定する電気
的試験手順によって,充電する。組電池の場合,これらの規格に規定するすべての電圧は,単電池の電圧
に直列接続した電池の数を乗じたものとする。充電が完了した後に,JIS C 60068-2-6の一般要件に規定す
る試験方法によって,次の振動試験を行う。試験する単電池又は組電池は,堅固に固定する。必要な場合
はIEC 60068-2-47の規定による。振動試験は,周囲温度20±5 ℃において,表1の条件の下で行う。
表 1 振動試験の条件
項目
条件
振動数
10〜500 Hz
振動振幅
振幅0.35 mmのピーク又は最大50 m/s2
振動軸
すべての種類の単電池又は組電池について,
互いに直角に交わる3本の軸
掃引サイクル数
5サイクル
掃引速度
1オクターブ/分
備考 振動試験時間は1軸当たり約55分間。
振動試験が完了した後に,同じ周囲温度において,JIS C 8705,JIS C 8708及びJIS C 8711に規定する
終止電圧まで0.2 ItAの定電流で単電池又は組電池を放電する。放電の後,単電池又は組電池を,周囲温度
20±5 ℃で4日間以上6日間以内放置する。この後,次の確認を行う。
− 開路電圧は,表2に規定する値以上でなければならない。
3
C 8713:2006
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参考 ItAは,IEC 61434によって次の公式で定義する。
ItA=C5Ah /1h
表 2 開路電圧
名称
単電池
組電池
ニッケル・カドミウム蓄電池(Ni-Cd)
1.0 V
n*×1.0 V
ニッケル・水素蓄電池(Ni-MH)
1.0 V
n*×1.0 V
リチウム二次電池(Li)
3.0 V
n*×3.0 V
注* nは直列接続された単電池の数。
単電池又は組電池は,周囲温度20±5 ℃で次の充電及び放電を行う。
ニッケル系電池の場合,0.1 ItAの定電流による充電を16時間行った後に,同じ周囲温度において,JIS C
8705及びJIS C 8708に規定する電気的試験手順によって,0.2 ItAの定電流による放電を行う。
リチウム系電池の場合,製造業者が指定する方法で充電を行った後に,同じ周囲温度において,JIS C
8711に規定する電気的試験手順によって,0.2 ItAの定電流による放電を行う。
判定基準は次による。
− 0.2 ItAの定電流による放電時間が,5時間以上である。
− 目視検査で,液体及びその他の漏出が認められない。
2.2
自然落下試験(単電池及びハードケース電池だけ) それぞれの単電池又はハードケース電池は,
JIS C 8705,JIS C 8708及びJIS C 8711に規定する電気的試験手順によって充電する。ハードケース電池
の場合,同規格に規定するすべての電圧は,単電池の電圧に直列接続された単電池の数を乗じたものとす
る。充電が完了した後に,JIS C 60068-2-32の一般要件に規定した試験方法によって,次の自然落下試験
を行う。自然落下試験は,周囲温度20±5 ℃において,表3の条件の下で行う。
表 3 自然落下試験の条件
項目
条件
落下面
堅木
落下高さ
表4参照
落下回数
すべての種類の単電池又はハードケー
ス電池について,互いに直角に交わる3
本の軸に対し,それぞれの軸の双方向に
各1回(合計6回)
表 4 落下高さ及び質量の関係
質量
100 g以下
100 gを超え250 g以下 250 gを超え500 g以下
単電池(全種類)
1.00 m
1.00 m
1.00 m
ハードケース電池
1.00 m
0.75 m
0.50 m
自然落下試験が完了した後に,同じ周囲温度において,JIS C 8705,JIS C 8708及びJIS C 8711に規定
する終止電圧まで0.2 ItAの定電流で単電池又はハードケース電池を放電する。放電の後,単電池又はハー
ドケース電池を周囲温度20±5 ℃で4日間以上6日間以内放置する。この後,次の確認を行う。
− 開路電圧は,表2に規定する値以上でなければならない。
− 単電池又はハードケース電池は,周囲温度20±5 ℃で次の充電及び放電を行う。
4
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ニッケル系電池の場合,0.1 ItAの定電流による充電を16時間行った後に,同じ周囲温度において,JIS C
8705及びJIS C 8708に規定する電気的試験手順によって,0.2 ItAの定電流による放電を行う。
リチウム系電池の場合,製造業者が指定する方法で充電を行った後に,同じ周囲温度において,JIS C
8711に規定する電気的試験手順によって,0.2 ItAの定電流による放電を行う。
判定基準は,次による。
− 0.2 ItAの定電流による放電時間が,5時間以上である。
− 目視検査で,液体及びその他の漏出が認められない。
備考 この規格では,500 gを超える電池の落下高さは規定しない。顧客と製造業者との間の合意によ
るものとする。
3. 形式検査 形式検査については,表5に示す試料数及び試験の手順を用いる。
表 5 形式検査の試験手順
試験項目
単電池の試料数
組電池の試料数
不良単電池又は組電池の許容数
2.1
5
5
0
2.2
5
5
0
4. 受入検査 受入検査の内容は,要求がある場合は供給者と購入者との間で取り決める。
関連規格 IEC 60050-482: 2004 International Electrotechnical Vocabulary−Part 482:Primary and secondary
cells and batteries
IEC 61434 Secondary cells and batteries containing alkaline or other non-acid electrolytes−Guide to
designation of current in alkaline secondary cell and battery standards
5
C 8713:2006
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附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS C 8713:2006 密閉形小形二次電池の機械的試験
IEC 61959:2004 密閉形小形二次電池の機械的試験
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との
技術的差異の理由及び
今後の対策
項目番号
内容
項目番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
1. 一般
IEC 61959
1.1 適用範
囲
密閉形小形二次電池及び組
電池の機械的特性を確認す
るための試験及び要件につ
いて規定。
1
密閉形小形二次電池及び組
電池の機械的特性を確認す
るための試験及び要件につ
いて規定。
IDT
−
1.2 引用規
格
本文で参照したJIS,IEC規
格を記述。JISについては対
応するIEC規格も記載。
2
本文で参照したIEC規格を
記述。
−
IEC 60050-486
MOD/削除
JISはIEC 60050-486
を引用規格から削除
し,用語集の最新版
IEC 60050-482: 2004を
関連規格として記載。
IEC規格の改正を提案
する。
JIS C 60068-2-6
IEC 60068-2-6
IDT
−
JIS C 60068-2-32
IEC 60068-2-32
IDT
−
JIS C 8705
−
MOD/追加
関連規格から引用規格
に変更。
本文中引用のため引用
規格とすべき。IECへの
提案を検討する。
5
C
8
7
1
3
:
2
0
0
6
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6
C 8713:2006
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(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との
技術的差異の理由及び
今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
1.2 引用規
格(続き)
JIS C 8708
IEC 61959
2
−
MOD/追加
関連規格から引用規格
に変更。
本文中引用のため引用
規格とすべき。IECへの
提案を検討する。
JIS C 8711
−
MOD/追加
関連規格から引用規格
に変更。
本文中引用のため引用
規格とすべき。IECへの
提案を検討する。
IEC 60068-2-47
IEC 60068-2-47
IDT
−
1.3 定義
3
1.3.1 単電池
(secondary cell)
−
MOD/追加
単電池の定義を追加。
電気用語を定義した
IEC 60050-486を引用で
きないため,利用者の理
解を助けるために,追加
した。翻訳JISの制定を
検討する。
1.3.2 組電池
(secondary battery)
−
MOD/追加
組電池の定義を追加。
電気用語を定義した
IEC 60050-486を引用で
きないため,利用者の理
解を助けるために,追加
した。翻訳JISの制定を
検討する。
1.3.3 ハードケース電池
(hard pack battery)
1.3.1 ハードケース電池
(hard pack battery)
IDT
−
2. 機械的
試験の要
求事項
4
JISと同じ
IDT
−
6
C
8
7
1
3
:
2
0
0
6
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7
C 8713:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との
技術的差異の理由及び
今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
2.1 振動試
験
単電池又は組電池の振動試験
方法,開路電圧,判定基準を
規定。
4.1
JISと同じ
MOD/変更
“適切な規格”を具体
的に記載。
JIS C 8705,JIS C 8708,
JIS C 8711
具体的な規格を明記す
べきであることを,IEC
規格の次回改正時に提
案する予定である。
2.2 自然落
下試験(単
電池及び
ハードケ
ース電池
だけ)
単電池又はハードケース電池
の自然落下試験方法,開路電
圧,判定基準を規定。
IEC 61959
4.2
JISと同じ
MOD/変更
“適切な規格”を具体
的に記載。
JIS C 8705,JIS C 8708,
JIS C 8711
具体的な規格を明記す
べきであることを,IEC
規格の次回改正時に提
案する予定である。
3. 形式検
査
形式検査の試料数と試験方法
を規定。
5
JISと同じ
IDT
−
4. 受入検
査
受入検査内容を規定。
6
JISと同じ
IDT
−
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 技術的差異がない。
― MOD/削除……… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
7
C
8
7
1
3
:
2
0
0
6