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C 8704-2-1:2019  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 機能的特性 ······················································································································ 4 

5 一般試験条件 ··················································································································· 4 

6 試験方法························································································································· 5 

附属書JA(参考)ガス放出特性試験 ······················································································· 12 

附属書JB(参考)耐電流特性試験 ·························································································· 15 

附属書JC(参考)短絡電流試験及び内部抵抗試験 ····································································· 16 

附属書JD(参考)外部発火源からの内部引火防止に関する試験 ··················································· 18 

附属書JE(参考)耐地絡特性試験 ·························································································· 19 

附属書JF(参考)材料関係特性評価試験 ················································································· 21 

附属書JG(参考)耐熱特性試験 ····························································································· 23 

附属書JH(参考)充放電サイクル特性試験 ·············································································· 26 

附属書JI(参考)過放電特性試験 ··························································································· 28 

附属書JJ(参考)熱逸走特性試験 ·························································································· 30 

附属書JK(参考)強度特性試験 ····························································································· 32 

附属書JL(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 34 

C 8704-2-1:2019  

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人電池

工業会(BAJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正す

べきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS C 8704-2-1:2006は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 8704の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 8704-1 第1部:ベント形 

JIS C 8704-2-1 第2-1部:制御弁式−試験方法 

JIS C 8704-2-2 第2-2部:制御弁式−要求事項 

日本工業規格          JIS 

C 8704-2-1:2019 

据置鉛蓄電池−第2-1部:制御弁式−試験方法 

Stationary lead-acid batteries- 

Part 2-1: Valve regulated types-Methods of test 

序文 

この規格は,2004年に第1版として発行されたIEC 60896-21を基に2006年に制定された。対応国際規

格は,第1版の発行から約15年が経過しているが,その間に一度も改正されておらずその有効性が低下し

ている。そのような事情から,その後の社会環境の変化を踏まえ現状の技術水準に対応するため,今回の

改正を行った。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にない事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JLに示す。 

適用範囲 

この規格は,負荷及び直流電源に常に接続され,一般に定置(据置)状態で用いる制御弁式据置鉛蓄電

池(以下,蓄電池という。)の試験方法について規定する。 

なお,この試験方法に対応する要求事項は,JIS C 8704-2-2に規定している。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60896-21:2004,Stationary lead-acid batteries−Part 21: Valve regulated types−Methods of test

(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7414 ガラス製温度計 

JIS C 1102(規格群) 直動式指示電気計器 

JIS C 8352 配線用ヒューズ通則 

JIS C 8704-2-2 据置鉛蓄電池−第2-2部:制御弁式−要求事項 

注記 対応国際規格:IEC 60896-22:2004,Stationary lead-acid batteries−Part 22: Valve regulated types

−Requirements(MOD) 

JIS R 3505 ガラス製体積計 

C 8704-2-1:2019  

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

制御弁式鉛蓄電池(valve regulated lead acid battery) 

内部圧力が規定値を超えるとガスを放出する制御弁を備えた鉛蓄電池。 

3.2 

計測機器の精度(accuracy of a measuring instrument) 

測定機器の表示する値と実際の値との近似性の品質。 

注記 表示値が実際の値に近いほど精度は増す。 

3.3 

アンペア時(ampere-hour) 

放電電流(A)に電流が流れた時間(h)を乗じることによって求める電気量又は電池容量。 

注記 単位はAh。1 Ahは,3 600クーロンに等しい。 

3.4 

二次電池(secondary battery) 

繰り返し充電して使用できるように設計された電池。 

3.5 

モノブロック電池(monoblock battery) 

正負極板,隔離板,電解液及び端子又は中間接続体を組み立てて収納した独立の単電池室を,電気的に

複数個接続した1個の電池。 

3.6 

充電(charging of a battery) 

二次電池に外部から電気エネルギーを与え,電池内部に化学変化を起こし,エネルギーを化学エネルギ

ーとして蓄えること。 

注記 充電条件は,最大の電圧,電流及び期間によって規定される。 

3.7 

満充電(full charge) 

利用できる活物質が十分に充電された状態。 

3.8 

過充電(overcharge) 

製造業者が指定する浮動充電電圧値を超える,満充電状態の二次電池への継続充電。 

3.9 

単電池(cell) 

化学エネルギーの直接変換で電気エネルギー源となる基本的な機能単位。電極及び電解液から構成され

る蓄電池では,公称電圧2 Vである。セル(素電池)ともいう。 

3.10 

組電池(assembled battery) 

単電池2個以上又はモノブロック電池2個以上で構成されている一組の電池。 

3.11 

実容量,Ca(actual capacity,Ca) 

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定められた温度・放電率によって放電終止電圧まで放電される試験で,蓄電池から放出される電気量。 

注記 この値は通常,アンペア時(Ah)で示し,Caで表す。 

3.12 

定格容量,Crt(rated capacity,Crt) 

蓄電池が満充電後に定められた条件の下で放出できる電気量であり,製造業者が報告する値。 

注記 この値は通常,アンペア時(Ah)で示し,Crtで表す。 

3.13 

耐久特性(durability) 

限界状態に達するまで,与えられた使用及び保守の条件下で必要な機能を実行する電池の能力。 

3.14 

電解液(electrolyte) 

イオン伝導性を付与する移動性イオンを含む液体の物質。 

3.15 

製品範囲(product range) 

注記 この規格では採用しない。 

3.16 

熱逸走(thermal runaway) 

定電圧充電中に,電池の放熱能力の度合いで連続的に温度が上昇し,その結果,更に充電電流が増加し,

最悪の場合には電池の破壊にもつながる不安定な状態。 

3.17 

表面温度(surface temperature) 

蓄電池の上面近傍(1 cm以内)の温度。 

3.18 

放電終止電圧(final voltage) 

蓄電池の放電を終了する所定の電圧。Ufinalで表示する。 

3.19 

過放電(over-discharge) 

蓄電池の定められた容量又は電圧の仕様上の下限を超えて行う放電。 

3.20 

回復充電(regenerative charge) 

放電した電池を,次回の放電に備えて,容量が回復するまで充電すること。 

3.21 

浮動充電(float charge) 

二次電池の満充電状態を維持するために,負荷と並列に接続し,負荷に電力を供給しながら,二次電池

に常時一定の電圧を印加して行う充電。 

3.22 

浮動充電電圧,Uflo(float voltage,Uflo) 

浮動充電中の二次電池の電圧。製造業者が指定できる。Ufloで表示する。 

3.23 

公称電圧(nominal voltage) 

background image

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蓄電池の電圧表示に用いる電圧(V)。 

3.24 

型式検査(performance inspection) 

製品の品質が,設計が意図する全ての特性を満足するか否かを判定するための検査。 

3.25 

受渡検査(delivery inspection) 

既に型式検査に合格したものと同じ設計及び製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める特性を

満足するか否かを判定するための検査。 

機能的特性 

蓄電池の機能的特性は,表1の試験項目及び目的で規定する。各項目の要求事項は,JIS C 8704-2-2に

規定している。 

表1−機能的特性試験項目 

項目 

目的 

箇条番号 

密閉反応効率特性試験 蓄電池外に放出されたガス量から蓄電池内部でのガス吸収効率を確認する。 

6.1A 

最大放電電流試験 

導電部の溶断及び外観変形がないことを確認する。 

6.2A 

防爆特性試験 

防爆部品及び/又は防爆構造の機能を確認する。 

6.4A 

表示の耐久特性試験 

表示の耐久性を確認する。 

6.6 

制御弁作動特性試験 

制御弁作動圧を確認する。 

6.8A 

容量試験 

10時間率における放電能力を確認する。 

6.11 

容量保存特性試験 

一定期間保存後の残容量を確認する。 

6.12 

回復充電特性試験 

放電後の浮動充電による容量回復特性を確認する。 

6.14 

高温特性試験 

高温稼動条件下における蓄電池の耐久性を確認する。 

6.16A 

過充電寿命特性試験 

過充電による電池の寿命特性を確認する。 

6.22 

一般試験条件 

5.1 

計測器具の精度 

5.1.1 

電気計器 

a) 計器の測定範囲 

1) 電圧及び電流測定に使用する計測器の精度は,各試験結果を保証できるものとする。 

2) アナログ計測器の場合には,測定値の有効数字3桁が読み取れるものとする。 

3) 必要とする精度が得られる場合には,他の計測器を用いてもよい。 

b) 電圧の測定 

1) 電圧の測定には,JIS C 1102規格群に規定するクラス0.5級以上の計測器又はこれと同等以上の精

度をもつ計測器を用いる。 

2) 計測器の内部抵抗は,少なくとも10 kΩ/Vとする[JIS C 1102規格群又はIEC 60359参照]。 

c) 電流の測定 

1) 電流の測定には,JIS C 1102規格群に規定するクラス0.5級以上の計測器又はこれと同等以上の精

度をもつ計測器を用いる。 

2) 計測器は,測定に使用する分流器,リード線を含めた精度が0.5級又はこれと同等以上とする[JIS 

C 8704-2-1:2019  

C 1102規格群又はIEC 60359参照]。 

5.1.2 

温度の測定 

温度の測定には,JIS B 7414に規定する許容差±1 ℃の温度計又はこれと同等以上の精度をもつ温度計

を用いる。 

5.1.3 

時間の測定 

時間の測定には,精度±1 %以上又はこれと同等以上の計測器を用いる。 

5.1.4 

体積の測定 

ビュレット又はメスシリンダは,JIS R 3505に規定するもの,又はこれと同等以上の精度をもつものを

用いる。 

5.1.5 

長さの計測 

長さの計測には,精度±0.1 %又はこれと同等以上の計測器を用いる。 

5.1.6 

質量の計測 

質量の計測には,精度±1 %又はこれと同等以上の計測器を用いる。 

5.1.7 

ガス圧力の計測 

圧力の計測には,精度±10 %又はこれと同等以上の計測器を用いる。 

5.1.8 

ガス量の計測 

ガス量の計測には,精度±5 %又はこれと同等以上の計測器を用いる。 

5.2 

試験電池の準備 

試験電池の準備は,次による。 

a) 試験電池に用いる型式はJIS C 8704-2-2の表2(型式検査の対象)による。 

b) 蓄電池は,製造後6か月以内のものを使用する。ただし,保管条件は,製造業者が指定する方法によ

る。 

c) 蓄電池は,満充電されたものを用いる。 

製造業者が別の申し入れをしない限り,蓄電池は,製造業者が推奨する定電圧で充電中に,蓄電池

の表面温度の変化を考慮に入れた上で,電流の読みが2時間にわたって著しい変化を示さない場合,

満充電されたものとする。 

d) 試験は正立位置にある蓄電池について行う。ただし,製造業者による承認の下で,異なった方向で蓄

電池が使用される予定の場合はこの限りではない。 

試験方法 

6.1 

ガス放出特性試験 

(対応国際規格のこの細分箇条は,この規格では採用しない。この項目は,附属書JAに移し,参考と

して記載した。) 

6.1A 

密閉反応効率特性試験 

密閉反応効率特性試験は,6.11の10時間率定格容量試験を終了した蓄電池を用いて満充電状態にした後,

次の条件によって試験を行い,密閉反応効率を算出する。 

a) 充電 充電は,0.1×I10(0.01 C10 A)の一定電流で連続96時間行う。ここに,I10はUfinal1.8 V/セルま

での10時間率電流,C10は10時間率定格容量の数値である。 

b) ガス捕集 ガス捕集は,図1の要領で行う。 

1) 充電 充電は,a) の充電完了後1時間以内に,0.05×I10(0.005 C10 A)の一定電流で連続して行う。 

background image

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2) ガスの捕集開始時期 ガスの捕集開始時期は,1) の充電開始1時間経過直後とする。 

3) ガス捕集時間 ガス捕集時間は,1) の充電中の1時間とする。 

4) 試験周囲温度 試験周囲温度は,蓄電池及びガス捕集装置の周囲を25 ℃±5 ℃とする。 

図1−ガス捕集要領 

c) 密閉反応効率の算出 密閉反応効率の算出は,b) で捕集した放出ガス量から,式(1)でガス捕集中に

通電した電気量1 Ah当たり25 ℃で101.3 kPaに換算した放出ガス量を求め,式(2)で行う。 

(

)

n

Q

V

t

P

P

1

273

298

0

×

×

+

×

=

υ

 ······························································ (1) 

ここに, 

υ: 通電電気量1 Ah当たり25 ℃で101.3 kPaに換算した放

出ガス量(mL/Ah) 

P: 測定時の大気圧(kPa) 

P0: 101.3 kPa 

t: 試験温度(℃) 

V: 捕集した放出ガス量(mL) 

Q: ガス捕集期間中の通電電気量(Ah) 

n: セル数 

100

684

1

×

=

υ

η

 ······································································ (2) 

ここに, 

η: 密閉反応効率(%) 

684: 1 Ah当たり25 ℃で101.3 kPaにおける理論ガス発生量

(mL/Ah) 

6.2 

耐電流特性試験 

(対応国際規格のこの細分箇条は,この規格では採用しない。この項目は,附属書JBに移し,参考と

して記載した。) 

6.2A 

最大放電電流試験 

最大放電電流試験は,5.2に従い準備した満充電状態の蓄電池を用いて,目視及び電圧測定によって蓄電

池の状態を調べる。 

a) 放電開始の時期 放電開始の時期は,満充電後,1〜24時間静置し,蓄電池の表面温度が25 ℃±5 ℃

であり,かつ,その温度を30分間隔で測定して,ほぼ一定であることが確認されたときとする。 

b) 放電電流及び放電時間 放電電流及び放電時間は,次のいずれかの条件による。 

1) 30×I10(3 C10 A)の一定電流で1分間 

2) 60×I10(6 C10 A)の一定電流で5秒間 

ここに,C10は10時間率定格容量の値。 

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6.3 

短絡電流試験及び内部抵抗試験 

(対応国際規格のこの細分箇条は,この規格では採用しない。この項目は,附属書JCに移し,参考と

して記載した。) 

6.4 

外部発火源からの内部引火防止に関する試験 

(対応国際規格のこの細分箇条は,この規格では採用しない。この項目は,附属書JDに移し,参考と

して記載した。) 

6.4A 

防爆特性試験 

防爆特性試験は,5.2に従い準備した蓄電池に対し安全性が確保されていることを確認した後,満充電状

態の蓄電池を0.5×I10(0.05 C10 A:C10は10時間率定格容量の数値を表す。)の電流で過充電し,1時間以

上経過した後,排気部の近傍において火花を発生させて試験する。これを2回繰り返す。 

火花の大きさは,10時間率定格容量20 Ah以上の24 V蓄電池によって,JIS C 8352に規定した1 Aのヒ

ューズを溶断させたとき得られるもの又はこれと同等以上とする。試験温度は,蓄電池の周囲を25 ℃±

10 ℃とする。 

6.5 

耐地絡特性試験 

(対応国際規格のこの細分箇条は,この規格では採用しない。この項目は,附属書JEに移し,参考と

して記載した。) 

6.6 

表示の耐久特性試験 

表示の耐久特性試験は,蓄電池の印刷,成形などで表示されている内容に対し次の条件で実施する。 

a) 耐久特性試験 耐久特性試験は次の三つの方法で,それぞれ新しい試験品に対して実施する。 

1) 水及び脂肪族化合物溶剤による試験 水及び脂肪族化合物溶剤による試験は,蓄電池上の表示を,

水を浸み込ませた布で15秒間こすり,さらに,n-ヘキサン(C6H14−アルカンC6)を浸み込ませた

布でもう一度15秒間こすり,目視検査で行う。 

2) 中和剤による試験 中和剤による試験は,蓄電池の表示を,炭酸ナトリウム(Na2CO3)飽和溶液又

は炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)水溶液を浸み込ませた布で15秒間こすり,空気中で乾燥させた

後,目視検査で行う。 

3) 電解液による試験 電解液による試験は,蓄電池の表示を,40 %希硫酸水溶液を浸み込ませた布で

15秒間こすり,水洗いし,空気中で乾燥させた後,目視検査で行う。 

b) 目視による確認事項 目視による確認事項は,a) の1)〜3) のそれぞれの試験後,表示内容消失の有

無及び/又は表示内容の判読性とする。 

注記 ここで使用する薬品は,蓄電池表示の耐久性を確認するために特別に選定されたものであり,

蓄電池の清掃用には不適切である。 

6.7 

材料表示 

(対応国際規格のこの細分箇条は,この規格では採用しない。この項目は,附属書JFに移し,参考と

して記載した。) 

6.8 

弁作動特性試験 

(対応国際規格のこの細分箇条は,この規格では採用しない。この項目は,附属書JGに移し,参考と

して記載した。) 

6.8A 

制御弁作動特性試験 

制御弁作動特性試験は,開弁と閉弁との動作をそれらの圧力で計測する。開弁圧は,蓄電池内部に発生

する過剰な圧力の開放を想定して,制御弁に順次空気圧を加え,開弁したときの圧力を測定する。閉弁圧

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C 8704-2-1:2019  

は,蓄電池外部からの空気の流入を防ぐことを想定して,開弁後加圧を止めて,閉弁したときの圧力を測

定する。 

6.9 

材料の可燃性試験 

(対応国際規格のこの細分箇条は,この規格では採用しない。この項目は,附属書JFに移し,参考と

して記載した。) 

6.10 

セル間コネクタ特性試験 

(対応国際規格のこの細分箇条は,この規格では採用しない。この項目は,附属書JFに移し,参考と

して記載した。) 

6.11 

容量試験 

容量試験は,5.2に従って準備した試験電池について,10時間率定格容量の試験を行う。 

a) 放電開始の時期 放電開始の時期は,充電終了後1時間〜24時間とする。 

b) 放電電流 放電電流I10は,次による。 

1) 放電電流I10は,放電の間±1 %に保つ。 

2) 放電電流I10は,式(3)で算出する。 

10

10

10

C

I =

 ················································································· (3) 

ここに, 

I10: 25 ℃における定格容量C10に対応する放電電流(A) 

C10: 10時間率の定格容量(Ah) 

注記 受渡当事者間の協議によっては,10時間率定格容量以外で実施してもよい。10時間率定格以外

で実施する場合の放電電流Itは,式(4)で算出する。 

t

C

I

t

t=

 ··················································································· (4) 

ここに, 

It: 25 ℃における,容量Ctに対応する放電電流(A) 

Ct: 製造業者が指定するt時間放電できる容量(Ah) 

t: 25 ℃における,放電終止電圧Ufinalに至るまでの放電時

間(h) 

c) 放電終止電圧 放電終止電圧Uは,n×Ufinal(V)とする。 

ここに, 

n: 直列セル数 

Ufinal: セル当たりの放電終止電圧(V) 

10時間率:Ufinal=1.80 V 

注記 受渡当事者間の協議によっては,10時間率定格容量以外で実施する場合の例を次に示す。 

例 1時間率:Ufinal=1.60 V 

d) 放電時の周囲温度 放電時の周囲温度は,25 ℃±2 ℃とする。 

なお,放電開始時の個々の単電池又はモノブロック電池の表面温度θは,25 ℃±2 ℃とする。 

e) 容量 放電開始時の蓄電池の表面温度θにおける測定容量C(Ah)は,放電電流(A)と放電時間(h)

との積として計算する。 

容量の温度換算 放電開始時の個々の単電池又はモノブロック電池の表面温度θがやむを得ず

25 ℃±2 ℃と異なる場合には,式(5)で換算する。ただし,表面温度の範囲は,5 ℃〜30 ℃とする。 

(

)

25

1

25

a

+

=

θ

λ

C

C

 ··································································· (5) 

C 8704-2-1:2019  

ここに, 

Ca25℃: 25 ℃に換算した実容量(Ah) 

C: θ ℃における測定容量(Ah) 

λ: 容量の温度係数 

係数λは,10時間率λ=0.006 

θ: 放電開始時の蓄電池の表面温度(℃) 

ただし,放電開始時の蓄電池の表面温度θが25 ℃±2 ℃のときは換算しなくてもよい。 

6.12 

容量保存特性試験 

容量保存特性試験は,5.2に従い準備した試験電池を用いて行う。6.11の10時間率定格容量試験を実施

し,容量Caが定格容量C10を満足することを確認する。満充電状態とした後,次の条件によって試験を行

い,保存前後の容量から容量保存率を算出する。 

a) 蓄電池の表面 蓄電池の表面は,清掃し乾燥する。 

b) 保存期間及び保存後の容量 保存期間は,開路状態で90日間放置する。その後充電せずに6.11の10

時間率定格容量試験で容量Castを求める。 

c) 保存中の周囲温度 保存中の周囲温度は,25 ℃±5 ℃とする。 

d) 容量保存率 容量保存率Crfは,式(6)で算出する。 

100

a

ast

rf

×

=C

C

C

 ········································································· (6) 

ここに, 

Crf: 容量保存率(%) 

Cast: 保存後の10時間率容量(Ah) 

Ca: 保存前の10時間率容量(Ah) 

6.13 

充放電サイクル特性試験 

(対応国際規格のこの細分箇条は,この規格では採用しない。この項目は,附属書JHに移し,参考と

して記載した。) 

6.14 

回復充電特性試験 

回復充電特性試験は,5.2に従い準備した試験電池を用いて行う。6.11の10時間率定格容量試験を実施

し,実容量Caが少なくとも定格容量C10を満足することを確認し,満充電状態とした後,次の条件で試験

を行い,回復充電率を算出する。 

a) 試験周囲温度 試験周囲温度は,25 ℃±5 ℃とする。 

b) 容量試験 容量試験は,6.11の10時間率定格容量試験を実施する。 

c) 充電 充電は,放電後1 h±0.1 h放置し,2.0×I10に制限された電流で製造業者の指定された浮動充電

電圧に制限された電圧で,24 h±0.1 h及び168 h±0.1 hとする。 

d) 充電後の容量 充電後の容量は,6.11の10時間率定格容量試験で容量Ca24及びCa168を求める。容量

は25 ℃に換算する。 

e) 回復充電率 回復充電率は,24時間充電及び168時間充電後,式(7)及び式(8)で算出する。24時間回

復充電率算出後は,再び満充電とし,b)〜d) を繰り返し,168時間回復充電率を算出する。 

100

a

a24

24h

×

=C

C

Rbf

 ····································································· (7) 

100

a

a168

168h

×

=C

C

Rbf

 ··································································· (8) 

ここに, 

Rbf24h: 24時間回復充電率(%) 

Rbf168h: 168時間回復充電率(%) 

background image

10 

C 8704-2-1:2019  

Ca24: 24時間充電後の25 ℃に換算した10時間率容量(Ah) 

Ca168: 168時間充電後の25 ℃に換算した10時間率容量(Ah) 

Ca: 25 ℃に換算した10時間率容量(Ah) 

6.15 

40 ℃作動特性試験 

(対応国際規格のこの細分箇条は,この規格では採用しない。この項目は,附属書JGに移し,参考と

して記載した。) 

6.16 

55 ℃又は60 ℃高温特性試験 

(対応国際規格のこの細分箇条は,この規格では採用しない。この項目は,附属書JGに移し,参考と

して記載した。) 

6.16A 高温特性試験 

高温特性試験は,6.11の10時間率定格容量試験を終了した蓄電池を用いて,次の方法で行う。 

a) 試験周囲温度 試験周囲温度は,60 ℃±2 ℃とする。 

b) 試験相対湿度 試験相対湿度は,35 %以下とする。 

c) 試験中の浮動充電 試験中の浮動充電は,製造業者が推奨する25 ℃での浮動充電電圧で行う。 

d) 試験中の寸法安定手段 試験中,蓄電池は単電池又はモノブロック電池について製造業者指定以外の,

寸法安定手段を装備することができる。 

e) 試験中の容量確認 試験中の容量確認は,約30日ごとに25 ℃±2 ℃まで冷却し,各蓄電池の実容量

(10時間率容量)を測定する。 

f) 

試験の終了 容量確認終了後の蓄電池は,満充電にした後,上記に示された試験周囲温度にて,更に

約30日間の浮動充電を行う。この試験は,蓄電池の実容量が10時間率定格容量の80 %(放電持続時

間8 h)以下に低下し,再び容量が増加しないことを確認した時点で終了とする。 

注記 受渡当事者間の協議によっては,10時間率定格容量以外で実施してもよい。試験の終了条件

については,容量Ctの80 %以外にしてもよい。 

6.17 

過放電特性試験 

(対応国際規格のこの細分箇条は,この規格では採用しない。この項目は,附属書JIに移し,参考とし

て記載した。) 

6.18 

熱逸走特性試験 

(対応国際規格のこの細分箇条は,この規格では採用しない。この項目は,附属書JJに移し,参考とし

て記載した。) 

6.19 

低温特性試験 

(対応国際規格のこの細分箇条は,この規格では採用しない。この項目は,附属書JGに移し,参考と

して記載した。) 

6.20 

内部圧力及び温度の上昇に対する試験 

(対応国際規格のこの細分箇条は,この規格では採用しない。この項目は,附属書JFに移し,参考と

して記載した。) 

6.21 

強度特性試験 

(対応国際規格のこの細分箇条は,この規格では採用しない。この項目は,附属書JKに移し,参考と

して記載した。) 

6.22 

過充電寿命特性試験 

過充電寿命特性試験は,製造業者が指定する1時間率容量試験を終了した蓄電池を用いて,次の方法で

11 

C 8704-2-1:2019  

行う。 

a) 試験周囲温度 試験周囲温度は,25 ℃±5 ℃とする。 

b) 充電 充電は,満充電状態の蓄電池に対し0.2×I10(0.02 C10 A:C10は10時間率定格容量の値を表す。)

の一定電流で連続して行う。 

c) 試験中の容量確認 試験中の容量確認は,約30日ごとに製造業者が指定する1時間率容量試験で行う。 

d) 試験の終了 試験の終了は,c) による容量が,1時間率容量の80 %(放電持続時間0.8 h)以下に低

下し,再び容量が増加しないことを確認したときとする。 

e) 過充電寿命の日数 過充電寿命の日数は,試験日数及び容量の関係を示した図において,容量の値を

示す曲線と1時間率容量の80 %水準を示す水平線とが交差する交点から求める。 

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12 

C 8704-2-1:2019  

附属書JA 

(参考) 

ガス放出特性試験 

JA.1 一般 

この附属書は,対応国際規格の試験方法について,参考として記載する。 

JA.2 試験方法 

試験方法は次による。ガス放出試験は,対応国際規格の5.2に従って準備した6個の単電池,又は3個

のモノブロック電池で,対応国際規格の6.11の3時間率容量試験を実施し,実容量Caが定格容量Crt以上

を満足することの確認,及び全てのシール部に漏れがないかどうかの確認を行い,満充電状態とした後,

次の条件によって行う。 

a) 試験方法その1 

1) 充電 蓄電池を直列に接続し,製造業者指定の浮動充電電圧Uflo(精度は±0.01 V/セル)で充電を

行う。 

2) ガス捕集 図JA.1の要領で,ガス捕集を行う。 

2.1) ガス捕集の開始時期 1) の充電開始72 h±0.1 h経過後に,捕集を開始する。 

2.2) ガス捕集時間 168 h±0.1 hを1回として,合計4回行う。 

2.3) 試験温度 蓄電池及びガス捕集装置の周囲温度は,20 ℃〜25 ℃に維持する。 

2.4) ガス捕集時の注意 ガス捕集器は全ての試験電池に対し一括又は個々に設置し,全てのガスを捕

集する。また,ガス捕集器の下面と水面との間は最大20 mmとし,ガスが漏れることのないよう

にする。 

図JA.1−ガス捕集要領 

3) ガス捕集量の算出 2) において4回捕集したそれぞれのガス量について,式(JA.1)によって20 ℃又

は25 ℃かつ101.3 kPaにおけるガス放出量に換算する(水蒸気圧は無視する。)。 

r

a

a

r

a

n

P

P

T

T

V

V

×

×

=

 ···································································· (JA.1) 

ここに, 

Vn: 20 ℃又は25 ℃かつ101.3 kPa時に換算されたガス量

(mL) 

Va: 各測定での全てのセルから捕集されたガス量(mL) 

Tr: 標準温度(K)で,式(JA.1)では20 ℃時には293(K),

25 ℃時には298(K)を用いる。 

13 

C 8704-2-1:2019  

Ta: 試験温度(K)で,式(JA.1)では(273+t)(K)を用いる。 

t: 試験温度(℃) 

Pa: 周囲大気圧(kPa) 

Pr: 101.3(kPa) 

次に,浮動充電電圧状態におけるセル当たりのガス放出量を2) にて4回捕集したそれぞれのガス量に

ついて,式(JA.2)によって算出する。 

Ge=Vn/(n×168×Crt) ······························································· (JA.2) 

ここに, 

Ge: セル当たりのガス放出量[mL/セル/h/Ah(3時間率容量

時)] 

Vn: 20 ℃又は25 ℃かつ101.3 kPa時に換算された試験電池1

個当たりのガス量(mL) 

n: ガスを放出したセル数 

168: ガス捕集時間(h) 

Crt: 試験電池の3時間率容量(Ah) 

b) 試験方法その2 a) の試験に引き続き,次の条件にて行う。 

1) 充電 充電電圧を2.40 V/セル±0.01 V/セルに変更する。 

2) ガス捕集 

2.1) ガス捕集開始時期 1) の充電開始24 h±0.1 h経過後から捕集を開始する。 

2.2) ガス捕集時間 48 h±0.1 h,又はガス捕集量が1 000 mLに達するまでとする。この場合,1 000 mL

に達するまでの時間tcを記録しておく。 

2.3) 試験温度 蓄電池及びガス捕集装置の周囲温度は20 ℃〜25 ℃に維持する。 

3) ガス捕集量の算出 2) にて捕集したガス量について,式(JA.3)によって25 ℃で101.3 kPaにおける

ガス放出量に換算する(水蒸気圧は無視する。)。 

r

a

a

r

a

n

P

P

T

T

V

V

×

×

=

 ···································································· (JA.3) 

ここに, 

Vn: 20 ℃又は25 ℃かつ101.3 kPa時に換算されたガス量

(mL) 

Va: 全てのセルから捕集されたガス量(mL)。ただし,1 000 

mLに達した場合,48時間後の回収量はVa=(1 000 mL/tc)
×48(mL)で算出する。 

Tr: 標準温度(K)で,式(JA.3)では20 ℃時には293(K),

25 ℃時には298(K)を用いる。 

Ta: 試験温度(K)で,式(JA.3)では(273+t)(K)を用いる。 

t: 試験温度(℃) 

Pa: 周囲大気圧(kPa) 

Pr: 101.3(kPa) 

次に,浮動充電電圧が2.40 V/セル±0.01 V/セルの場合のセル当たりのガス放出量を式(JA.4)によって算

出する。 

Ge=Vn/(n×48×Crt)  ································································ (JA.4) 

ここに, 

Ge: セル当たりのガス放出量[mL/セル/h/Ah(3時間率容量

時)] 

Vn: 20 ℃又は25 ℃かつ101.3 kPa時に換算された試験電池1

個当たりのガス量(mL) 

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n: ガスを放出したセル数 

48: ガス捕集時間(h) 

Crt: 試験電池の3時間率容量(Ah) 

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C 8704-2-1:2019  

附属書JB 

(参考) 

耐電流特性試験 

JB.1 一般 

この附属書は,対応国際規格の試験方法について,参考として記載する。 

JB.2 試験方法 

耐電流特性試験は,対応国際規格の5.2に従い準備した3個の単電池又はモノブロック電池で対応国際

規格の6.11の3時間率容量試験を実施し,実容量Caが定格容量Crt以上であることを確認し,満充電状態

とした後,次の条件によって実施する。 

a) 試験温度 蓄電池の表面温度は,20 ℃〜25 ℃とする。 

b) 放電電流 蓄電池は,5分間率電流(20 ℃又は25 ℃で,Ufinal 1.80 V/セル)の3倍に等しい電流,又

は最大放電電流に等しい電流にて放電を実施する。 

c) 放電時間 30秒間放電する。 

d) 記録 放電後,試験電池を5分間,開路状態に放置し電圧を測定する。また,試験電池の内部又は外

部に溶融の痕跡がないかどうか確認する。 

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16 

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附属書JC 

(参考) 

短絡電流試験及び内部抵抗試験 

JC.1 一般 

この附属書は,対応国際規格の試験方法について,参考として記載する。 

JC.2 試験方法 

短絡電流試験及び内部抵抗試験は,対応国際規格の5.2で準備した3個の単電池又はモノブロック電池

を用い,対応国際規格の6.11の3時間率容量試験を行う。実容量Caが3時間率容量C3以上であることを

確認し,満充電状態とした後,次の条件で実施する。 

a) 試験温度 試験温度は,蓄電池の表面温度を20 ℃〜25 ℃とする。 

b) 短絡電流及び内部抵抗 短絡電流及び内部抵抗は,放電特性U=f (I) を次の方法でその2点を測定す

ることによって決定する。回路の例を図JC.1に示す。 

図JC.1−試験用回路の例 

1) 第1点(U1,I1) 電流I1=4×I10で20秒間の放電後,電圧及び電流を測定する。放電は最大25秒

間で打ち切り,補充電なしで,5分間開路状態に置いた後,第2点を測定する。 

2) 第2点(U2,I2) 電流I2=20×I10で5秒間の放電後,電圧及び電流を測定する。 

3) 特性U=f (I) からは,第1点と第2点とを結んだ直線とU=0(V)との交点が短絡電流Iscを示す。

また,これによって内部抵抗Riも定める。この電流及び電圧の特性図を,図JC.2に示す。 

図JC.2−放電特性 

17 

C 8704-2-1:2019  

図JC.2から次の結果を得る。 

短絡電流Isc=[(U1×I2)−(U2×I1)] / (U1−U2) ············································· (JC.1)(単位:A) 

内部抵抗Ri=(U1−U2) / (I2−I1) ······························································ (JC.2)(単位:Ω) 

製品構成の全てのセル又はモノブロックについてIsc及びRiの値を求め,記録する。 

18 

C 8704-2-1:2019  

附属書JD 

(参考) 

外部発火源からの内部引火防止に関する試験 

JD.1 一般 

この附属書は,対応国際規格の試験方法について,参考として記載する。 

JD.2 試験方法 

試験方法は,次による。 

なお,この試験は対応国際規格に規定されている手順,及び安全性に基づいている。 

a) 試験品 該当セル又はモノブロックに用いる防爆機能部を3個使用する。 

b) 試験装置 IEC 61430:1997のB.2.1.1〜B.2.1.5,図1及び図2による。 

c) 試験温度 周囲温度は15 ℃〜30 ℃とする。 

d) 試験手順 IEC 61430:1997の4.2,B.2.2.1及びB.2.2.3〜B.2.2.5による。 

e) ガス発生源 ガスは満充電状態にあるベント形鉛蓄電池2 Vタイプを使用する。 

f) 

発生ガス量 0.2×I10で充電を行う。このI10は,試験を行う防爆機能部を備える最大容量の制御弁式

鉛蓄電池における10時間率放電電流とする。 

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19 

C 8704-2-1:2019  

附属書JE 

(参考) 

耐地絡特性試験 

JE.1 一般 

この附属書は,対応国際規格の試験方法について,参考として記載する。 

この試験では,電槽と蓋との接合部分,又はその他の部分から地絡しないことを確認する。試験に当た

っては,高電圧,爆発,及び火災に対する安全予防措置をとる。 

JE.2 試験方法 

耐地絡特性試験は,1個の単電池又はモノブロック電池で対応国際規格の6.11の3時間率容量試験を実

施し,実容量Caが3時間率容量C3の95 %以上であることを確認し,満充電状態とした後,次の条件で行

う。 

a) 試験温度 試験温度は,試験前,蓄電池の表面温度を20 ℃〜25 ℃とし,試験中の周囲温度は20 ℃〜

25 ℃とする。 

b) 蓄電池の電槽と蓋との接合部分に例えば電導性アルミホイル片をテーピングして,金属表面と接触す

るようにする。蓄電池の底に射出成形用のゲートがある場合は,必要に応じてその部分も試験する。 

c) 試験方法 試験方法は,次による。 

1) 図JE.1のように蓄電池の側面を下にして,製造業者が指定する浮動充電電圧で充電する。 

図JE.1−試験用単電池又はモノブロック電池 

2) 蓄電池の正極端子と接合部分とが接触している金属表面(アルミホイル片)は,500 V±5 V以上の

直流電圧をかける回路と接続する。推奨する試験回路を,図JE.2に示す。ここで,直流電圧源の負

極端子と蓄電池の負極端子とを接続し,正極端子は金属表面(アルミホイル片)と接続する。 

background image

20 

C 8704-2-1:2019  

図JE.2−試験用回路の一例 

3) 試験は最初に下にした表面1で30日間充電するか,又は電解液が漏れて(pH検査紙,直流抵抗計

などによって)検出されたかのいずれか早い方が現れるまでとする。 

4) その後,表面2を下にして7日間,次に表面3を下にして7日間,更に表面4を下にして7日間充

電するか,又は電解液が漏れて(pH指示紙,直流抵抗計などによって)検出されるまでのいずれか

早い時点までとする。 

d) 地絡電流又は電解液の漏れの有無を記録する。 

21 

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附属書JF 

(参考) 

材料関係特性評価試験 

JF.1 

一般 

この附属書は,対応国際規格の試験方法について,参考として記載する。 

JF.2 

材料表示 

材料表示の試験は,次による。 

a) 試験品 試験品は,1個の単電池又はモノブロック電池の蓋又は電槽とする。 

蓋と電槽との材料が異なり別の記号で表示が必要な場合は,蓋及び電槽の両方とする。 

b) 表示内容 表示内容は,JIS K 6899-1:2015に明記されている材料表示の略語リストから選ぶ。 

c) 検査 検査は,蓋及び電槽を形成している大半の樹脂材料の名称について,JIS K 6899-1:2015に定め

る略語が表示されているか,目視で行う。 

注記 表示の安定性が必要な場合は,対応国際規格の6.6の試験を行う。 

JF.3 

材料の可燃性 

材料の可燃性試験は,次による。 

a) 試験品 試験品は,単電池又はモノブロック電池の電槽に使用された材料を,また,電槽と蓋との材

料が異なる場合は,蓋に使用された材料を,適切なサイズの試験片とする。 

b) 試験設備 試験設備は,安全などに配慮し適切に選ぶ。 

c) 試験方法 試験方法は,JIS C 60695-11-10:2015又は同等の方法による。 

d) 試験結果 試験結果及び試験で得られた燃焼等級レベルは,日付及び署名とともに試験証明書に記載

する。 

JF.4 

セル間コネクタ特性 

セル間コネクタ特性試験は,次による。 

a) 試験 試験は,単電池及びモノブロック電池に対して,0.25時間率容量の電流で終止電圧まで,又は

特別な組電池及びセル間コネクタの構成部品に対しては,製造業者が定めた最大放電電流で行う。 

b) 試験温度 試験温度は,試験開始時の蓄電池表面を20 ℃〜25 ℃とする。 

c) 記録 記録は,セル間コネクタの形状,寸法,構造の詳細及びこの放電試験での最大温度とする。 

JF.5 

内部圧力及び温度の上昇に対する寸法安定度 

蓄電池の内部圧力及び温度の上昇に対する寸法安定度試験は次による。 

一部の製造業者は,単電池又はモノブロック電池の寸法安定度を維持するために,据付けを容易にする

こと及び熱管理の補助として,架台及び組立附属品を電池設計の中に含めている。鉄製のトレイ,ボック

ス又は圧縮プレートは,その例である。このような金属製の格納容器が高い寸法安定性を保証されている

場合,この試験は必ずしも必要ではない。 

a) 試験品 試験品は,1個の単電池又はモノブロック電池とする。 

22 

C 8704-2-1:2019  

b) 試験装置 試験装置は,蓄電池内部の各面にかかる圧力を,製造業者の指定した弁開放最大圧力に維

持できる加圧装置とする。 

c) 試験方法 試験方法は次による。蓄電池電槽の最大外形寸法(幅及び長さ)は,加圧する前に測定し

記録しておく。 

1) 加圧された蓄電池は,50 ℃±2 ℃の温度で空気が循環する部屋の中に静置する。 

2) 試験室の中で加圧した状態で24 h±0.1 h経過後,50 ℃±2 ℃にできるだけ近い温度で,蓄電池電槽

の最大外形寸法を測定し記録する。 

3) 50 ℃±2 ℃で24 h±0.1 h経過した蓄電池電槽寸法の変化を,変化率(%)及び変化量(mm)で記

録する。 

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23 

C 8704-2-1:2019  

附属書JG 

(参考) 

耐熱特性試験 

JG.1 一般 

この附属書は,対応国際規格の試験方法について,参考として記載する。 

40 ℃作動試験及び55 ℃又は60 ℃高温試験は,高温作動条件下における蓄電池の使用特性に関する情報

を得るものであり,低温試験は,長期停電での低温放置と充電不能とによって,電池に損傷を与える可能

性のある温度環境下に電池が放置された場合の試験結果を提供するものである。 

JG.2 弁作動特性試験 

蓄電池の弁作動試験は,次による。 

a) 試験品 試験品は,“55 ℃又は60 ℃高温試験”に使用する蓄電池とする。 

b) 試験方法 試験は,“55 ℃又は60 ℃高温試験”の前後に,次の弁作動試験を行う。 

1) 組電池は,試験温度18 ℃〜27 ℃で満充電する。 

2) 蓄電池にガス捕集用カバーを設け,全ての蓄電池からガスを捕集する。 

3) 図JG.1に示す要領でガス捕集する。U字形ガラス管は直径15 mmとし,底部に水を充塡する。 

4) 組電池は,定電圧2.60 V/セル〜2.70 V/セルで最低1時間の過充電を行う。 

5) 試験温度18 ℃〜27 ℃で各弁が開放し,U字形ガラス管の底部の液体を放出されたガス気泡が通過

することを目視で確認することで,弁が開放したとみなす。 

注記 感度が同等なガス流れ検出方法でもよい。 

図JG.1−弁通過のガス検出U字形管 

c) 記録 記録は,“55 ℃又は60 ℃高温試験”の前後で,弁が開放するか否かを観察して行う。 

JG.3 40 ℃作動特性試験 

40 ℃作動試験は,次による。 

a) 試験品 試験品は,対応国際規格の5.2に従い準備した同一組電池内の3個の蓄電池とする。 

b) 試験方法 試験開始前の組電池は,対応国際規格の6.11の3時間率容量試験を実施し,実容量Caが3

時間率容量の95 %以上であることを確認した後,満充電状態にする。 

24 

C 8704-2-1:2019  

1) 蓄電池は,製造業者が推奨する25 ℃の浮動充電電圧によって,40 ℃で浮動充電する。 

2) 蓄電池は,製造業者指定以外の,寸法安定手段を備えてはならない。 

3) 蓄電池は,高温槽の中に入れ,モノブロック電池の温度が40 ℃±2 ℃とする。高温槽の大気の相対

湿度は35 %以下とし,試験中の湿度の値を記録する。 

4) 蓄電池は,118日±3日ごとに浮動充電中に室温冷却され,24 h±12 h以内に各電池の実容量Ca(3

時間率容量)を測定する。 

5) この容量試験が行われる前後で,浮動充電電圧を超える電圧で充電を行ってはならない。容量試験

終了後の蓄電池は,上記に示された高温大気の囲い中で,更に40 ℃で118日間の浮動充電を行う。

この試験は,組電池の実容量が3時間率容量の80 %を下回った時点で終了する。その時点で容量が

80 %を上回っている蓄電池は,それぞれの蓄電池の実容量が80 %を下回るまで試験を継続する。 

c) 記録 記録は,実容量Caの数値を,40 ℃±2 ℃中の経過期間(日)とともにグラフで示す。また,各

蓄電池の実容量Ca数値の曲線と,3時間率容量の80 %容量水準を示す水平線とが交差するグラフの交

点を40 ℃中の経過日数として求め,各蓄電池の経過日数を記録する。 

JG.4 55 ℃又は60 ℃高温特性試験 

55 ℃又は60 ℃高温試験は,次による。 

a) 試験品 試験品は,対応国際規格の5.2に従い準備した3個の蓄電池とする。 

b) 試験方法 試験開始前の試験組電池は,対応国際規格の6.11の3時間率容量試験又は0.25時間率容量

試験を実施し,実容量Caがその時間率容量の95 %以上であることを確認した後,満充電状態にする。 

1) 組電池は,製造業者が推奨する25 ℃での浮動充電電圧によって,55 ℃又は60 ℃高温で浮動充電す

る。 

2) 組電池は,単電池又はモノブロック電池について製造業者指定以外の,寸法安定手段を装備するこ

とができる。寸法安定の手段は,試験記録書に明記する。 

3) 組電池は高温大気の囲いの中に入れ,この大気によってモノブロック電池の温度が55 ℃±2 ℃又は

60 ℃±2 ℃となるようにする。部屋の大気の相対湿度は35 %以下とし,試験中の湿度の値を記録す

る。 

4) 55 ℃試験の場合は,組電池は42日±3日ごとに浮動充電中で室温冷却し,24 h±12 h以内に各蓄電

池の実容量Ca(3時間率容量又は0.25時間率容量)を測定する。 

5) 60 ℃試験の場合は,組電池は30日±3日ごとに浮動充電中で室温冷却し,24 h±12 h以内に各蓄電

池の実容量Ca(3時間率容量又は0.25時間率容量)を測定する。 

6) 実容量試験の前後では,浮動充電電圧を超える電圧で充電を行ってはならない。容量試験終了後の

組電池は,上記に示された高温大気の囲い中で,更に55 ℃で42日間(又は60 ℃で30日間)の浮

動充電を行う。この試験は,蓄電池の実容量が3時間率容量又は0.25時間率容量の80 %を下回っ

た時点で終了する。その時点で容量が80 %を上回っている蓄電池は,それぞれの蓄電池の実容量が

80 %を下回るまで試験を継続する。 

c) 記録 記録は,3時間率容量試験又は0.25時間率容量試験の実容量Caの数値を,55 ℃±2 ℃又は60 ℃

±2 ℃の経過期間(日)とともにグラフで示す。また,各蓄電池の実容量Ca数値の曲線と,3時間率

容量又は0.25時間率容量の80 %容量水準を示す水平線とが交差するグラフの交点を読み取り,各蓄

電池の経過日数を記録する。 

background image

25 

C 8704-2-1:2019  

JG.5 低温特性試験 

低温試験は次による。 

a) 試験品 試験品は,対応国際規格の5.2に従い準備した3個の単電池又はモノブロック電池とする。 

b) 試験方法 試験開始前の組電池は,対応国際規格の6.11の3時間率容量試験を実施し,実容量Caが

少なくとも3時間率容量C3を満足することを確認した後,満充電状態にする。 

1) 蓄電池温度18 ℃〜27 ℃で,10時間率容量の電流でn×1.80 Vの終止電圧まで各蓄電池を放電する。 

2) 放電された組電池はこの後,温度−18 ℃±2 ℃の強制送風が行われる試験室の中に72 h±1 h放置す

る。 

3) 低温試験室から取り出された組電池は,周囲温度18 ℃〜27 ℃の室内に開路状態で24 h±1 h放置後,

2.0×I10に制限された電流で,20 ℃又は25 ℃のいずれかで製造業者が指定した浮動充電電圧で168 h

±0.1 hの連続充電を行う。 

4) 充電された組電池は,3時間率容量電流でn×1.70 Vの終止電圧まで各蓄電池を放電する。実容量

Caは25 ℃に補正し記録する。 

5) 各蓄電池の実容量Caは,3時間率容量C3を基準とし,式(JG.1)で容量率Calsを算出する。 

Cals=Ca/C3×100 (%) ······························································· (JG.1) 

c) 検査 検査は,各蓄電池の破断,過剰な膨らみ,凍結に起因する損傷などの有無を目視で行う。 

d) 記録 記録は,容量率Calsの個々の値,及び凍結に起因する損傷の有無とする。 

e) 再試験 再試験は,上記の凍結サイクルで著しい容量損失又は凍結損傷を確認した場合,新たな組電

池で上記の凍結サイクルを繰り返すものとする。 

再試験では,組電池を低温に露出する前に,18 ℃〜27 ℃の組電池温度において3時間率容量電流で

n×1.70 Vの終止電圧まで各蓄電池を放電する。 

f) 

試験データ 試験データの内容を,表JG.1に示す。 

表JG.1−試験データの内容 

低温前の放電 

容量率Cals 

低温損傷 

10時間率 

蓄電池1 
蓄電池2 
蓄電池3 

蓄電池1 
蓄電池2 
蓄電池3 

前試験で凍結損傷又は容量率が80 %を下回った場合は,3時間率試験 

3時間率 

蓄電池1 
蓄電池2 
蓄電池3 

蓄電池1 
蓄電池2 
蓄電池3 

26 

C 8704-2-1:2019  

附属書JH 

(参考) 

充放電サイクル特性試験 

JH.1 

一般 

この附属書は,対応国際規格の試験方法について,参考として記載する。 

JH.2 

試験方法 

試験方法は次による。対応国際規格の6.11に従い3時間率容量試験を実施し,実容量Caが3時間率容

量の95 %以上と判断される蓄電池を機器に6個の単電池又は3個のモノブロック電池として直列に接続し,

これによって試験期間を通じて連続的に充放電サイクルを繰り返す。 

a) 充放電サイクルの条件 

充放電サイクルの条件は,次による。 

1) 放電 放電は,電流値2.0×I10,変動幅±1 %で常時保持し,2時間とする。 

2) 充電 充電は,放電直後,製造業者の推奨する電圧で22時間とする。充電開始時の電流は,最大電

流2.0×I10に制限する。 

3) 充放電の頻度及び期間 充放電の頻度及び期間は,1日1サイクルの割合で継続試験を行い,組電

池当たりの電圧が2時間以内に1.8 V/セル×nになるまで繰り返す。 

4) 充放電の記録 充放電の記録は,放電2時間目の電圧及び放電回数とする。 

b) 試験温度 試験温度は,18 ℃〜27 ℃とする。 

c) 容量試験 容量試験は,組電池当たりの放電電圧が2時間以内に1.8 V/セル×nに達したら,最大電流

2.0×I10に制限し,20 ℃又は25 ℃で製造業者によって指定した浮動充電電圧で,168 h±0.1 h充電し,

対応国際規格の6.11で3時間率容量で行う。測定された容量Cafを記録する。 

この容量試験が終了後,組電池を満充電し,製造業者の指定する条件に従い,均等充電を行う。均

等充電終了後,組電池は,対応国際規格の6.11で3時間率容量試験を行い,測定した容量Cabを記録

する。容量Caf及びCabが3時間率容量の80 %以上の場合は,a) の条件で更に充放電試験を行う。 

注記1 容量Cafは,25 ℃に補正し記録する。この数値Cafは,組電池が複数回のサイクル後に,浮

動充電電圧に等しい充電電圧による延長充電を受ける場合の利用可能な残存容量を示す。 

注記2 容量Cabは,25 ℃に補正し記録する。この数値Cabは,組電池が複数回のサイクルの後に,

製造業者指定の均等充電処置を受ける場合の利用可能な残存容量を示す。 

d) 充放電サイクル特性の算出 充放電サイクル特性の算出は,測定した容量Caf及びCabが,3時間率容

量の80 %を下回るまで繰り返した回数とする。 

JH.3 

充放電サイクル特性 

充放電サイクル特性は,次によって試験結果を記録する。 

a) 2時間の放電で1.80 V/セルに達するまでに実施したサイクルの回数。 

b) 168時間の浮動充電後の容量を3時間率容量の%で表したCaf。 

c) 製造業者の指定する均等充電処置の後の容量を3時間率容量の%で表したCab。 

d) Caf又はCabのいずれかが3時間率容量の80 %未満に達するまでに実施したサイクルの回数。 

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27 

C 8704-2-1:2019  

e) 上記の試験結果は,それぞれのユニットのa)〜d) の値について,表JH.1及び表JH.2で記録する。 

表JH.1−試験結果一覧表 

蓄電池 

充放電サイクル 1回目 

充放電サイクル 2回目 

充放電サイクル n回目 

サイクル数 

参照a) 

Caf 

参照b) 

Cab 

参照c) 

サイクル数 

参照a) 

Caf 

参照b) 

Cab 

参照c) 

サイクル数 

参照a) 

Caf 

参照b) 

Cab 

参照c) 

MB1 CL1 

CL2 

MB2 CL3 

CL4 

MB3 CL5 

CL6 

注記 MBはモノブロック,CLはセルを表す。 

表JH.2−試験結果まとめ 

蓄電池 

繰返し回数 

参照d) 

総サイクル数 

MB1 

CL1 

CL2 

MB2 

CL3 

CL4 

MB3 

CL5 

CL6 

注記 MBはモノブロック,CLはセルを表す。 

28 

C 8704-2-1:2019  

附属書JI 
(参考) 

過放電特性試験 

JI.1 

一般 

この附属書は,対応国際規格の試験方法について,参考として記載する。 

この試験は,現場で発生する可能性のある常軌を逸した代表的な過放電作動条件を再現するためのもの

であり,この試験を取り上げたのは,蓄電池操作者が日常的にこのような作動条件について計画策定を行

うようにするためではない。しかし,このような状態が発生した場合に,単電池又はモノブロック電池の

特性変化について,予測することを可能とするものである。 

JI.2 

不規則過放電特性試験 

蓄電池の不規則過放電試験は,次による。 

a) 試験品 試験品は,対応国際規格の5.2で準備した4個の単電池又はモノブロック電池で,対応国際

規格の6.11の3時間率容量試験を実施し,実容量Caが少なくとも3時間率容量C3を満足することを

確認し,満充電状態とした後,不規則な組電池の過放電試験を行う。 

b) 試験方法 4個の組電池の一つを,18 ℃〜27 ℃の蓄電池温度において10時間率電流で3時間放電し,

その後に残りの3個の満充電単電池を直列接続し,セル間コネクタによって各電池間に10 mmの間隔

又は製造業者指定による適切な間隔を設ける。 

1) 組電池は,18 ℃〜27 ℃の蓄電池温度とし,10時間率電流で,3個の単電池 (試験初期に満充電し

たもの)の総電圧が,3×n×1.70 V(nは各蓄電池のセル数)になるまで放電する。 

2) 放電状態で24 h±0.1 h放置した後,組電池は,最大電流2.0×I10に制限し,20 ℃又は25 ℃で製造

業者指定の浮動充電電圧で,168 h±0.1 h再び充電する。 

3) 168 h±0.1 hの充電終了後に,単電池は4個の組電池として,4×n×1.70 Vの終止電圧まで3時間率

容量試験を行う。実容量Caは25 ℃に補正する。 

4) 組電池の実容量Caは,式(JI.1)のとおり,3時間率容量C3を基準とするものであり,不均衡過放電

容量率のCaodを算出する。 

Caod=Ca/C3×100 (%) ······························································· (JI.1) 

注記 この値Caodは,保管の延長などによって最初の容量が不規則な単電池及びモノブロック電池

に対し,完全な放電と1週間の浮動充電を行った場合の,充電後に回復可能な容量の割合を

示す。 

JI.3 

過放電サイクル特性試験 

蓄電池の過放電サイクル試験は,次による。 

a) 試験品 試験品は,対応国際規格の5.2で準備した3個の単電池又はモノブロック電池で対応国際規

格の6.11の3時間率容量試験を実施し,実容量Caが少なくとも3時間率容量C3を満足することを確

認し,満充電状態とする。 

b) 放電 放電は,全ての蓄電池温度が18 ℃〜27 ℃の状態で,10時間率定電流で終止電圧n×1.25 Vま

で,それぞれ個々に放電又は組電池として行う。 

29 

C 8704-2-1:2019  

c) 充電 充電は,放電状態で1 h±0.1 h放置した後,組電池は,最大電流2.0×I10に制限し,20 ℃又は

25 ℃のいずれかで製造業者指定の浮動充電電圧に制限し,168 h±0.1 h再び行う。 

d) 試験方法 試験方法は,次による。上記,b),c) のサイクルを5回繰り返す。 

1) 168 h±0.1 hの充電終了後に,単電池又は組電池は,n×1.70 Vの終止電圧まで3時間率容量試験を

行う。実容量Caは,25 ℃に補正する。 

2) 過放電サイクル後の残存容量率Caocは,式(JI.2)で,各蓄電池又は組電池の実容量Ca及び3時間率容

量C3を基準として算出する。 

Caoc=Ca/C3×100 (%) ································································ (JI.2) 

30 

C 8704-2-1:2019  

附属書JJ 

(参考) 

熱逸走特性試験 

JJ.1 一般 

この附属書は,対応国際規格の試験方法について,参考として記載する。 

この試験は,再現可能な試験条件下で様々な単電池及びモノブロック電池間の隔りを設計するためのも

のであるが,熱逸走の原因となる全ての条件を再現するものではない。 

JJ.2 試験方法 

試験方法は,次による。熱逸走特性試験は,対応国際規格の5.2で準備した6個の単電池又はモノブロ

ック電池を用い対応国際規格の6.11の3時間率容量試験を実施し,実容量Caが少なくとも3時間率容量

C3を満足することを確認し,満充電状態とした後,次の条件で行う。 

a) 試験温度 試験温度は,周囲温度を20 ℃〜25 ℃とする。 

b) 試験環境 試験環境は,組電池を通る自然の空気の流れを0.5 m/s以下とする。強制的な空気の流れは,

モノブロック電池の冷却を促進し,試験条件に許容できない変化をもたらすため,作り出してはなら

ない。 

c) 試験配列 試験配列は,製造業者の定めた適切なセル間コネクタを取り付けた組電池の構成とする。

その配列図及び関連寸法を記録する。 

d) 熱逸走特性試験方法 熱逸走特性試験方法は,次による。 

1) 1 ℃を最小単位とし,温度の連続記録(温度測定の間隔は0.25時間以下)が可能な温度センサを次

のとおり取り付ける(図JJ.1及び図JJ.2参照)。 

1.1) 組電池の2番目の蓄電池の容器の表面に接するように,1個の温度センサを取り付ける。 

1.2) この温度センサは蓄電池内の極板と平行に面している壁面で,隣接する2個の組電池の間に位置

するものとする(温度センサa)。 

1.3) 組電池列間の空隙の空中に,1個の温度センサを取り付ける(温度センサb)。 

1.4) 組電池から100 mmの空間に,1個の温度センサを取り付ける(温度センサc)。 

2) 定電圧充電は,試験をとおして組電池端子測定で2.45 V/セル±0.01 V/セルに設定した電圧によって

直流電源から充電する。 

2.1) 組電池充電電流を,0.25時間以下の測定間隔及び適切な最小単位で記録する。 

2.2) 温度センサaで測定される蓄電池表面温度が60 ℃±1 ℃に至る充電経過時間,又は168時間の連

続充電後の温度を記録し,このいずれか早い方が発生したら試験を中断する。 

3) この後,組電池は開回路条件で室温にて冷却し,次の試験に使用する。 

4) 定電圧充電は,試験をとおして組電池端子測定で2.60 V/セル±0.01 V/セルに設定した電圧によって

直流電源から充電する。 

4.1) 組電池充電電流を,0.25時間以下の測定間隔及び適切な最小単位で記録する。 

4.2) 温度センサaで測定される蓄電池表面温度が60 ℃±1 ℃に至る充電経過時間,又は168時間の連

続充電後の温度を記録し,このいずれか早い方が発生したら試験を中断する。 

e) 試験記録のまとめ 試験記録のまとめは,二つの試験終了後,試験データを集め,次の1)〜4) の項目

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31 

C 8704-2-1:2019  

にまとめる。 

1) 充電電圧2.45 V/セルで168時間充電後の蓄電池表面温度(温度センサa),又は蓄電池表面温度(温

度センサa)が60 ℃±1 ℃に至るまでの充電時間。 

2) 充電電圧2.60 V/セルで168時間充電後の蓄電池表面温度(温度センサa),又は蓄電池表面温度(温

度センサa)が60 ℃±1 ℃に至るまでの充電時間。 

3) 二つの試験をとおして温度センサa,温度センサb及び温度センサcによって記録された温度,又

はグラフ。 

4) 二つの試験をとおしての組電池電流の記録,又はグラフ。 

図JJ.1−単電池及びモノブロック電池の配置平面図 

図JJ.2−モノブロック電池の配置平面図 

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32 

C 8704-2-1:2019  

附属書JK 

(参考) 

強度特性試験 

JK.1 

一般 

この附属書は,対応国際規格の試験方法について,参考として記載する。 

JK.2 

試験方法 

強度試験は,対応国際規格の5.2に従い準備した2個の単電池又はモノブロック電池で対応国際規格の

6.11の10時間率定格容量試験を実施し,実容量Caが少なくとも定格容量Crtを満足することを確認し,満

充電状態とした後,無こん包の蓄電池を,2回の落下に対する漏れについてJIS C 60068-2-31に基づき次

の条件で試験する。 

a) 落下高さ 2回の落下はいずれも,質量に応じて次の高さから平滑なコンクリート床面に対し行う。 

1) 質量50 kgまでの蓄電池について,100 mmからの落下。 

2) 質量50〜100 kgの蓄電池について,50 mmからの落下。 

3) 質量100 kg超の蓄電池について,25 mmからの落下。 

b) 落下条件 落下の条件は,図JK.1,図JK.2及び図JK.3に示すように,最も短い縁の落下衝撃及び角

の衝撃について,再現可能な衝撃ポイントに実施する。落下タイプごとの2回の衝撃は,同じ角及び

同じ最短縁に行う。 

図JK.1−衝撃位置 

図JK.2−縁落下試験の形態 

図JK.3−角落下試験の形態 

注記1 小さな蓄電池は,手で持った位置から落下してもよい。 

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33 

C 8704-2-1:2019  

注記2 リフト及びリリース装置を使う場合は,リリースにおいて蓄電池に回転する力又は横向き

の力を与える装置であってはならない。 

c) 落下方向 角又は縁の落下において,蓄電池は,衝撃を受ける角又は縁とユニットの重心とを通る直

線が衝撃面に対し,ほぼ垂直に方向付けるものとする。 

JK.3 

試験後の検査 

各蓄電池は,連続する2回の落下後に,高電圧(2〜5 kV)絶縁破壊試験,ヘリウム漏えい検知器,水素

検知器,pH指示紙などの適切,かつ,感度のよい方法によって,ガス又は液体の漏えいがないかどうか検

査する。 

注記1 この試験は,単電池又はモノブロック電池が無包装状態で輸送中又は取付工事において,落

下した場合に,どのような特徴があるか検知するためのものである。 

注記2 他の機械的強度については,受渡当事者間で適切な試験を協議する。 

 
 

参考文献 JIS C 60068-2-31 環境試験方法−電気・電子−第2-31部:落下試験及び転倒試験方法(試験

記号:Ec) 

JIS C 60695-11-10:2015 耐火性試験−電気・電子−第11-10部:試験炎−50 W試験炎による水

平及び垂直燃焼試験方法 

注記 対応国際規格:IEC 60695-11-10:2013,Fire hazard testing−Part 11-10: Test flames−50 W 

horizontal and vertical flame test methods(IDT) 

JIS K 6899-1:2015 プラスチック−記号及び略語−第1部:基本ポリマー及びその特性 

注記 対応国際規格:ISO 1043-1:2011,Plastics−Symbols and abbreviated terms−Part 1: Basic 

polymers and their special characteristics(MOD) 

IEC 60359,Electrical and electronic measurement equipmemt−Expression of performance 

IEC 60896-22:2004,Stationary lead-acid batteries−Part 22: Valve regulated types−Requirements 

IEC/TS 61430:1997,Secondary cells and batteries−Test methods for checking the performance of 

devices designed for reducing explosion hazards−Lead-acid starter batteries 

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34 

C 8704-2-1:2019  

附属書JL 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS C 8704-2-1:2019 据置鉛蓄電池−第2-1部:制御弁式−試験方法 

IEC 60896-21:2004,Stationary lead-acid batteries−Part 21: Valve regulated types−
Methods of test 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

4 機能的特
性 

この項目の概要 
機能的特性試験の項目
及び目的 


4.1 
4.2 
4.3 
4.4 
4.5 

この項目の概要 
機能的特性試験の項目
及び目的 

変更 

短絡電流試験,内部抵抗試験,耐地
絡特性試験,材料関係特性評価試
験,耐熱特性試験,充放電サイクル
特性試験,過放電特性試験,熱逸走
特性試験及び強度特性試験はIEC
規格では規定であるが,JISでは参
考とした。 

日本国内の市場実態と合わせ,最
適化を図った。 

5.2 試験電
池の準備 

試験に使用する電池に
ついて規定 

5.2〜 
5.6 

試験に使用する電池に
ついて規定 

変更 

JISでは製造後,6か月以内のもの
を使用するとしたが,IEC規格では
製造後,3か月以内のものを使用す
るとしている。 

日本国内の市場実態と合わせ,最
適化を図った。 

6.1 ガス放
出特性試験 

− 

6.1 

ガス放出特性試験方法
について規定 

削除 

− 

国際規格は数値の報告だけであ
り,規定として不十分である。 

6.1A 密閉反
応効率特性
試験 

密閉反応効率特性試験
方法について規定 

− 

− 

追加 

JISでは定電流で充電を行い,放出
ガス量から密閉反応効率を算出す
るとしたが,IEC規格では定電圧充
電における放出ガス量を測定する
としている。 

今後,IECへ機会をみて提案する。 

6.2 耐電流
特性試験 

− 

6.2 

耐電流放電特性試験方
法について規定 

削除 

− 

国際規格の電流値は明確に規定さ
れていないため,耐電流特性試験
としては不十分である。 

 
 

2

C

 8

7

0

4

-2

-1

2

0

1

9

background image

35 

C 8704-2-1:2019  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

6.2A 最大放
電電流試験 

最大放電電流試験方法
について規定 

− 

− 

追加 

JISでは30×I10,60×I10の電流で放
電した後の耐電流特性を確認する
としたが,IEC規格では5分間率電
流の3倍又は最大放電電流で放電
した後の耐電流特性を確認すると
している。 

今後,IECへ機会をみて提案する。 

6.3 短絡電
流試験及び
内部抵抗試
験 

− 

6.3 

短絡電流試験方法及び
内部抵抗試験方法につ
いて規定 

削除 

− 

この試験は結果を報告するだけで
規定値がなく,附属書に移し,参
考として記載した。 

6.4 外部発
火源からの
内部引火防
止に関する
試験 

− 

6.4 

外部発火源からの内部
引火防止に関する試験
方法について規定 

削除 

− 

排気栓部だけを取り出す規定であ
り,附属書に移し,参考として記
載した。 

6.4A 防爆特
性試験 

防爆特性試験方法につ
いて規定 

− 

− 

追加 

JISでは実際の電池を用いて試験を
行うこととしたが,IEC規格では防
爆機能部を用いて,試験を行うとし
ている。 

安全性の確認としてはJISの試験
方法が現実的であることから,こ
の規定を採用した。今後,IECへ
機会をみて提案する。 

6.5 耐地絡
特性試験 

− 

6.5 

耐地絡特性試験方法に
ついて規定 

削除 

− 

当然必要な性能であるが,試験自
体の有効性は小さい。 
この試験は附属書に移し,参考と
して記載した。 

6.7 材料表
示 

− 

6.7 

材料表示について規定 

削除 

− 

顧客の要求によって製造業者が対
応する内容のため,附属書に移し,
参考として記載した。 

6.8 弁作動
特性試験 

− 

6.8 

弁作動試験方法につい
て規定 

削除 

− 

過酷な環境下の試験であり,我が
国の実状にそぐわない項目である
ため。 

 
 

2

C

 8

7

0

4

-2

-1

2

0

1

9

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36 

C 8704-2-1:2019  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

6.8A 制御弁
作動特性試
験 

制御弁作動特性試験方
法について規定 

− 

− 

変更 

JISでは制御弁に空気圧を加えたと
きの開弁圧及び加圧を止めた後の
閉弁圧を求めるとしたが,IEC規格
では高温下で過充電したときに,制
御弁の開放を確認するとしている。 

我が国では一般的な試験方法のた
め,制御弁作動特性試験を採用し
た。今後,IECへ機会をみて提案
する。 

6.9 材料の
可燃性試験 

− 

6.9 

材料の可燃性試験方法
について規定 

削除 

− 

顧客の要求によって製造業者が対
応する内容のため,附属書に移し,
参考として記載した。 

6.10 セル間
コネクタ特
性試験 

− 

6.10 

セル間コネクタ特性試
験方法について規定 

削除 

− 

顧客の要求によって製造業者が対
応する内容のため,附属書に移し,
参考として記載した。 

6.11 容量試
験 

容量試験方法について
規定 

6.11 

容量試験方法について
規定 

変更 

JISは10時間率の容量試験につい
て規定している。IEC規格は,10
時間率の他の時間率についても規
定している。 

我が国では定格容量は10時間率
が一般的であるため,市場実態に
合わせてこの規定を採用した。 

6.12 容量保
存特性試験 

容量保存特性試験方法
について規定 

6.12 

容量保存特性試験方法
について規定 
 

変更 

JISは10時間率容量の保存特性を
規定している。IEC規格は3時間率
容量の保存特性を規定している。 

我が国では定格容量は10時間率
が一般的であるため,市場実態に
合わせてこの規定を採用した。 

6.13 充放電
サイクル特
性試験 

− 

6.13 

充放電サイクル特性試
験方法について規定 

削除 

− 

我が国の電力事情下においては,
実状にそぐわない項目であるた
め,附属書に移し,参考として記
載した。 

6.15 40 ℃作
動特性試験 

− 

6.15 

40 ℃作動試験方法につ
いて規定 

削除 

− 

予想寿命を得るためのこの試験
は,現在我が国で主として使用さ
れている6.16Aの高温特性試験で
代用可能であるため。 

6.16 55 ℃又
は60 ℃高温
特性試験 

− 

6.16 

55 ℃又は60 ℃高温試
験方法について規定 

削除 

− 

この試験は,我が国では一般的で
はなく,通常採用されている
6.16Aの高温特性試験を採用し
た。 

2

C

 8

7

0

4

-2

-1

2

0

1

9

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(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

6.16A 高温
特性試験 

高温特性試験方法につ
いて規定 

− 

− 

追加 

試験温度は,JISが60 ℃,IEC規
格が55 ℃又は60 ℃である。容量は
JISが10時間率,IEC規格は3時
間率又は0.25時間率を確認する。 

蓄電池の耐久性を評価するために
我が国で主として使用されている
この試験を追加した。 

6.17 過放電
特性試験 

− 

6.17 

過放電特性試験方法に
ついて規定 

削除 

− 

使用条件を大きく逸脱したもの
で,実状にそぐわない内容である
ため,附属書に移し,参考として
記載した。 

6.18 熱逸走
特性試験 

− 

6.18 

熱逸走特性試験方法に
ついて規定 

削除 

− 

数値の報告だけであり,規定とし
てはふさわしくないため,附属書
に移し,参考として記載した。 

6.19 低温特
性試験 

− 

6.19 

低温試験方法について
規定 

削除 

− 

この試験は18〜27 ℃で終止電圧
まで放電し,−18 ℃で放置した
後,18〜27 ℃で充電を行う試験で
あり,実際の運用を想定していな
い条件であることから,附属書に
移し,参考として記載した。 

6.20 内部圧
力及び温度
の上昇に対
する試験 

− 

6.20 

内部圧力及び温度の上
昇に対する試験方法に
ついて規定 

削除 

− 

数値の報告だけのため,附属書に
移し,参考として記載した。 

6.21 強度特
性試験 

− 

6.21 

強度試験方法について
規定 

削除 

− 

要求事項に必要な構造を規定し,
この試験は附属書に移し,参考と
して記載した。 

6.22 過充電
寿命特性試
験 

過充電寿命特性試験方
法について規定 

− 

− 

追加 

− 

我が国では過充電寿命特性試験は
従来から行われている試験である
ため追加した。今後,IECへ機会
をみて提案する。 

 
 
 

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0

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-2

-1

2

0

1

9

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C 8704-2-1:2019  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

附属書JA 
(参考) 
ガス放出特
性試験 

ガス放出特性試験方法
について参考として記
載 

6.1 

JISと同じ 

変更 

JISは参考,IEC規格は規定。 

この試験は数値の報告だけで,規
格値がないため。 

附属書JB 
(参考) 
耐電流特性
試験 

耐電流特性試験方法に
ついて参考として記載 

6.2 

JISと同じ 

変更 

JISは参考,IEC規格は規定。 

この試験は電流値が明確に規定さ
れていないため。 

附属書JC 
(参考) 
短絡電流試
験及び内部
抵抗試験 

短絡電流試験方法及び
内部抵抗試験方法につ
いて参考として記載 

6.3 

JISと同じ 

変更 

JISは参考,IEC規格は規定。 

この試験は結果を報告するだけで
規定値がないため。 

附属書JD 
(参考) 
外部発火源
からの内部
引火防止に
関する試験 

外部発火源からの内部
引火防止に関する試験
方法について参考とし
て記載 

6.4 

JISと同じ 

変更 

JISは参考,IEC規格は規定。 

安全性の確認としては防爆特性試
験方法が現実的であるため。 

附属書JE 
(参考) 
耐地絡特性
試験 

耐地絡特性試験方法に
ついて参考として記載 

6.5 

JISと同じ 

変更 

JISは参考,IEC規格は規定。 

当然必要な性能であるが,試験自
体の有効性は小さい。要求事項に,
必要な構造を追加した。 

附属書JF 
(参考) 
材料関係特
性評価試験 

材料関係特性評価試験
方法について参考とし
て記載 

6.7 
6.9 
6.10 
6.20 

JISと同じ 

変更 

JISは参考,IEC規格は規定。 

顧客の要求によって製造業者が対
応する内容のため。数値規定はな
い。 

 
 
 
 

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C

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7

0

4

-2

-1

2

0

1

9

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C 8704-2-1:2019  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

附属書JG 
(参考) 
耐熱特性試
験 

耐熱特性試験方法につ
いて参考として記載 

6.8 
6.15 
6.16 
6.19 

JISと同じ 

変更 

JISは参考,IEC規格は規定。 

6.16Aに高温特性試験を追加し,
この規格は附属書に移し,参考と
して記載した。 

附属書JH 
(参考) 
充放電サイ
クル特性試
験 

充放電サイクル特性試
験方法について参考と
して記載 

6.13 

JISと同じ 

変更 

JISは参考,IEC規格は規定。 

我が国の電力事情下においては,
実状にそぐわない項目であるた
め。 

附属書JI 
(参考) 
過放電特性
試験 

過放電特性試験方法に
ついて参考として記載 

6.17 

JISと同じ 

変更 

JISは参考,IEC規格は規定。 

使用条件を大きく逸脱したもの
で,実状にそぐわない内容である
ため。 

附属書JJ 
(参考) 
熱逸走特性
試験 

熱逸走特性試験方法に
ついて参考として記載 

6.18 

JISと同じ 

変更 

JISは参考,IEC規格は規定。 

数値の報告だけであり,規定とし
てはふさわしくないため。 

附属書JK 
(参考) 
強度特性試
験 

強度特性試験方法につ
いて参考として記載 

6.21 

JISと同じ 

変更 

JISは参考,IEC規格は規定。 

試験自体の有効性は小さい。要求
事項に,必要な構造を追加した。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60896-21:2004,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

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0

4

-2

-1

2

0

1

9