C 8435:2018
(1)
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 一般要求事項 ··················································································································· 2
5 試験に関する一般要求事項 ································································································· 2
6 種類及び記号 ··················································································································· 2
7 表示······························································································································· 4
8 構造······························································································································· 4
9 寸法······························································································································· 4
10 試験 ···························································································································· 19
10.1 ねじの固定 ················································································································· 19
10.2 絶縁抵抗及び耐電圧 ····································································································· 19
10.3 機械的強度 ················································································································· 19
10.4 耐熱性 ······················································································································· 20
10.5 異常温度及び炎に対する絶縁材の耐性 ············································································· 20
10.6 ノックアウトの加圧試験 ······························································································· 21
10.7 つり下げ負荷試験 ········································································································ 21
C 8435:2018
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人電気
設備学会(IEIEJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改
正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格であ
る。これによって,JIS C 8435:1999は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成31年2月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS C 8435:1999によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本工業規格 JIS
C 8435:2018
合成樹脂製ボックス及びボックスカバー
Boxes and covers of plastic conduits
1
適用範囲
この規格は,定格電圧が交流600 V,直流750 V以下の屋内又は屋外の家庭用及びこれに類する固定電
気設備に用いる,合成樹脂製ボックス及びボックスカバーについて規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 8461-1:2012 電線管システム−第1部:通則
注記 より新しい発行年の規格が電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈(以下,解釈という。)
に採用された場合,この引用規格の発行年は,解釈に採用された規格の発行年に読み替え,
切り替えの経過措置についても,解釈における取扱いと同じとする。
JIS C 8462-31:2017 家庭用及びこれに類する用途の固定電気設備の電気アクセサリ用のボックス及
びエンクロージャ−第31部:合成樹脂製のボックス,エンクロージャ,その他の附属品及びケー
ブル配線用スイッチボックスの個別要求事項
注記 JIS C 8461-1の注記と同じ。
JIS C 60068-2-75 環境試験方法−電気・電子−第2-75部:ハンマ試験
JIS K 6900 プラスチック−用語
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 6900によるほか,次による。
3.1
埋込用ボックス
直接コンクリートを打設し,そこに埋め込んで使用するボックス。
注記 埋込用ボックスにブランクカバーを取り付けて,露出用ボックスとして用いる場合もある。
3.2
露出用ボックス
埋込用ボックス以外のボックス。建屋構造部材への露出取付け,隠蔽部への取付け,土壁,モルタルな
どへの埋込みに用いられる。
3.3
耐熱丸孔カバー
2
C 8435:2018
70 ℃を超え90 ℃以下の温度になる,造営材に接する又は近接する照明器具を取り付けるためのボック
スカバー。
3.4
ノックアウト
ボックスに電線管を取り付けるために容易に貫通できるように加工した部分。
3.5
ハブ
電線管を直接ボックスに取り付けられる,電線管取付用受口。
3.6
ボス
ボックス及びボックスカバーの構成部品などを取り付けるための取付部分。
4
一般要求事項
ボックス及びボックスカバーは,通常の状態で据え付けたり取り付けたりしたときに,その内部の部品
に対し,適切な電気的及び機械的保護を確保し,使用者又はその周囲に対して危険がないように構成され
ていなければならない。
5
試験に関する一般要求事項
試験に関する一般要求事項は,次による。
a) この規格に規定した試験は,形式試験とする。
b) 特に規定がない限り,試験は,20±5 ℃の周囲温度で行う。
c) 特に規定がない限り,各試験は,3個一組の新しい供試体について行う。
注記1 ある試験,例えば,寸法の検査などは,供試体の特性を変化させることがないので,これ
らの供試体は,新しい供試体とみなし,以後の試験に使用することができる。
注記2 この規格で要求される構成部分以外の部材は,取り除いて試験を行ってもよい。
d) 供試体は,温度20±5 ℃,相対湿度45〜85 %において,240時間以上前処理を行う。全ての試験は,
この前処理を行った直後に行う。
e) 特に規定がない限り,3個の供試体を試験に用い,全てが試験に合格した場合,要求事項を満たした
とみなす。供試体の中の1個だけが,組立上又は製造上の欠陥のために試験に合格しなかった場合は,
その試験を再度行い,全てが合格しなければならない。
注記3 追加試験用供試体セットを,最初の試験用供試体セットと同時に提出していない場合,一
組の供試体セットに1個でも不合格のものがあれば,全体として要求事項に不合格となる。
最初の試験用供試体セットを提出するときに,その中に不合格となるものがあった場合に
備えて追加試験用供試体セットを提出することができる。その場合,試験実施者は,改め
て試験用供試体セットを要求することなく上記の追加試験用供試体セットで試験を行い,
更に不合格となった場合だけ,全体として不合格となる。
f)
有毒ガスの発生,その他の危険が生じる場合,試験区域内の人の安全について必要な注意を払う。
6
種類及び記号
ボックス及びボックスカバーの種類及び記号は,表1,表2及び表3による。
3
C 8435:2018
表1−埋込用ボックスの種類
種類
記号
表
スイッチボックス
1個用
CSW1,CSW1S
5
2個用
CSW2
5
3個用
CSW3,CSW3 36,CSW3 54
5
4個用
CSW4
5
5個用
CSW5
5
6個用
CSW6
5
四角コンクリート
ボックス
中浅形
4CB44
6
中深形
4CB54,4CB75
6
大浅形
4CBL44
6
大深形
4CBL54,4CBL75
6
八角コンクリート
ボックス
深形
8CB54,8CB75
7
四角アウトレット
ボックス
中浅形
4OB36,4OB44
8
中深形
4OB54
8
大浅形
4OBL36,4OBL44
8
大深形
4OBL54
8
表2−露出用ボックスの種類
種類
記号
表
スイッチボックス
浅形
SM30,SM36,SM30M,SM30L
9
深形
1個用
SW1 40,SW1 50
10
2個用
SW2 50
10
3個用
SW3 55
10
丸形ボックス
R36,R44,R54
11
四角ボックス
浅形
4B 50
12
深形
4B 60
12
表3−ボックスカバーの種類
ボックスカバーの種類
適合するボックスの種類
スイッチ
ボックス
(CSW)
中形コンクリート
ボックス(4CB)
大形コンクリート
ボックス(4CBL)
八角コンクリート
ボックス
(8CB)
四角アウトレット
ボックス(4OB)
四角アウトレット
ボックス(4OBL)
ブランクカバー
−
a)
b)
c)
丸孔カバー
塗代付
−
d)
e)
f)
平(ひら)
−
g)
h)
i)
耐熱丸孔カバー
塗代付
−
d)
e)
f)
平(ひら)
−
g)
h)
i)
器具用カバー
塗代付
−
j)
k)
l)
スイッチ
カバー
1個用
塗代付
m)
n)
o)
p)
平(ひら)
q)
r)
s)
−
2〜6
個用
塗代付
t)
u)
v)
−
平(ひら)
w)
x)
y)
−
注記 表中のa)〜y)は,図1の細分図の符号を示す。
4
C 8435:2018
7
表示
ボックス及びボックスカバーには,表面の見やすいところに,耐久性があり,かつ,容易に読み取れる
よう次の事項を表示しなければならない。ただし,製品上に表示できない場合は,その製品に添付するラ
ベル又はその製品を包装する袋若しくは箱に表示してもよい。
a) ボックス
1) ハブ付きのものには,適用電線管の呼び
2) 製造業者名又はその略号
b) ボックスカバー
1) 製造業者名又はその略号
2) 耐熱性のものは,その旨の表示
8
構造
構造は,次による。
a) ボックス及びボックスカバーの主な材料は,合成樹脂とする。
b) 内外面は滑らかで,かつ,有害なきず,ひび,割れ,ねじれ,その他の電線の被覆を損傷したり,配
線器具類を損傷したりするような欠点があってはならない。
c) 表5〜表12及び図1の二点鎖線で示した箇所には,ボックスとともに成形したハブ,及び/又はノッ
クアウトを設けることができる。
d) ノックアウトを付ける場合のノックアウトの配置は,コネクタの取付に支障があってはならない。
e) ボックス内に隔壁が取り付けられるものは,それを取り付けたとき,ボックス及び隔壁が堅ろうな構
造でなければならない。
f)
ハブ付きの場合,ハブの数は,表4による。
表4−ハブの数及び位置
種類
ハブの数
ハブの位置(参考)
スイッチボックス(CSW,SW) 1,2,3
丸形ボックス(R)
1,2,3,4
スイッチボックス 浅形(SM) 1,2,3,4
9
寸法
寸法は,表5〜表12及び図1による。特に規定のない寸法の許容差は,±10 %とする。
注記 直径10 mm以下のへこみは,厚さの寸法に適用しない。
5
C 8435:2018
表5−スイッチボックス
a) CSW1
b) CSW2〜CSW6
6
C 8435:2018
表5−スイッチボックス(続き)
c) CSW1S
単位 mm
記号
縦
横
高さ
厚さ
ねじ間隔
ボスの
厚さ
ボスの
位置
適用する
最大電線
管の呼び
A
B
C
t
(最小値)
V
W
V,Wの
許容差
E
(参考)
F
(参考)
CSW1
117
68
44
2.7
105
44.5
±0.8
8
3
22
CSW2
136
3.1
106.0
CSW3
182
152.0
CSW3 36
36
CSW3 54
54
3.6
28
CSW4
228
198.0
CSW5
274
244.0
CSW6
320
290.0
CSW1S
106
60
53
2.7
83.5
−
±0.4
22
7
C 8435:2018
表6−四角コンクリートボックス(4CB,4CBL)
a) 4CB
b) 4CBL
単位 mm
記号
幅
高さ
厚さ
ねじ間隔
ボスの
厚さ
ボスの
位置
バックプレ
ートの厚さ
適用する
最大電線
管の呼び
A
C
t1
(最小値)
V
W
V,Wの
許容差
E
(参考)
F
(参考)
t2
(最小値)
4CB44
102
44
3.1
89
60
±0.8
8
4
4.5
22
4CB54
54
3.6
28
4CB75
75
42
4CBL44
119
44
3.1
105
70
22
4CBL54
54
3.6
28
4CBL75
75
42
8
C 8435:2018
表7−八角コンクリートボックス(8CB)
単位 mm
記号
幅
高さ
厚さ
ねじ間隔
ボスの
厚さ
ボスの
位置
バックプレ
ートの厚さ
適用する
最大電線
管の呼び
A
C
t1
(最小値)
V
W
V,Wの
許容差
E
(参考)
F
(参考)
t2
(最小値)
8CB54
97
54
3.6
89
28
±0.8
8
4
4.5
22
8CB75
75
9
C 8435:2018
表8−四角アウトレットボックス(4OB,4OBL)
a) 4OB
b) 4OBL
単位 mm
記号
幅
高さ
厚さ
ねじ間隔
ボスの厚さ
ボスの位置
適用する
最大電線
管の呼び
A
C
t
(最小値)
V
W
V,Wの
許容差
E
(参考)
F
(参考)
4OB36
102
36
3.1
89
60
±0.8
8
3
22
4OB44
44
4OB54
54
3.6
28
4OBL36
119
36
3.1
105
70
22
4OBL44
44
4OBL54
54
3.6
28
10
C 8435:2018
表9−スイッチボックス・浅形
a) SM30,SM36
b) SM30M,SM30L
単位 mm
記号
縦
横
高さ
厚さ
ねじ間隔
耳間隔
ボスの
厚さ
ボスの
位置
適用する
最大電線
管の呼び
A
B
C
t
(最小値)
V
許容差
W
許容差
G
(最小値)
E
(参考)
F
(参考)
SM30
101
55
30
2.2
83.5
±0.4
−
−
73
8
2
16
SM36
36
22
SM30M
30
40
±0.4
16
SM30L
101
2.7
83.5
4
11
C 8435:2018
表10−スイッチボックス・深形
a) SW1
b) SW2,SW3
単位 mm
記号
縦
横
高さ
厚さ
ねじ間隔
耳間隔
ボスの
厚さ
適用する
最大電線
管の呼び
A
B
C
t
(最小値)
V
許容差
W
許容差
G
(最小値)
E
(参考)
SW1 40
119
74
40
2.7
83.5
±0.4
−
−
73
8
22
SW1 50
50
28
SW2 50
120
46
±0.4
SW3 55
166
55
92
±0.4
12
C 8435:2018
表11−丸形ボックス(R)及びそのカバー
a) 丸形ボックス
b) カバー
単位 mm
記号
露出用丸形ボックス
露出用丸形ボックスカバー
適用する
最大電線
管の呼び
外径
高さ
厚さ
ねじ間隔
ボスの
厚さ
外径
厚さ
ねじ間隔
D1
C
t1
(最小値)
V1
許容差
E
(参考)
D2
t2
(最小値)
V2
許容差
R36
87
36
1.7
75
±0.8
8
87
1.7
75
±0.8
22
R44
100
44
2.7
87
100
2.7
87
28
R54
110
54
97
110
97
36
13
C 8435:2018
表12−四角ボックス(4B)及びそのカバー
a) 四角ボックス
b) カバー
単位 mm
記号
露出用四角ボックス
露出用四角ボックスカバー
適用する
最大電線
管の呼び
幅
高さ
厚さ
ねじ間隔
ボスの
厚さ
ボスの
位置
幅
厚さ
ねじ間隔
A1
C
t1
(最小値)
V1
許容差
E
(参考)
F
(参考)
A2
t2
(最小値)
V2
許容差
4B 50
110
50
2.7
94
±0.8
8
3
110
2.7
94
±0.8
22
4B 60
60
36
14
C 8435:2018
単位 mm
a) 4CB/4OB ブランクカバー
b) 4CBL/4OBL ブランクカバー
c) 8CB ブランクカバー
d) 4CB/4OB (耐熱)丸孔カバー 塗代付
e) 4CBL/4OBL (耐熱)丸孔カバー 塗代付
f) 8CB (耐熱)丸孔カバー 塗代付
図1−ボックスカバーの寸法
15
C 8435:2018
単位 mm
g) 4CB/4OB (耐熱)丸孔カバー 平(ひら)
h) 4CBL/4OBL (耐熱)丸孔カバー 平(ひら)
i) 8CB (耐熱)丸孔カバー 平(ひら)
j) 4CB/4OB 器具用カバー 塗代付
k) 4CBL/4OBL 器具用カバー 塗代付
l) 8CB 器具用カバー 塗代付
図1−ボックスカバーの寸法(続き)
16
C 8435:2018
単位 mm
m) CSW スイッチカバー 1個用 塗代付
n) 4CB/4OB スイッチカバー 1個用 塗代付
o) 4CBL/4OBL スイッチカバー 1個用 塗代付
p) 8CB スイッチカバー 1個用 塗代付
q) CSW スイッチカバー 1個用 平(ひら)
r) 4CB/4OB スイッチカバー 1個用 平(ひら)
図1−ボックスカバーの寸法(続き)
17
C 8435:2018
単位 mm
s) 4CBL/4OBL スイッチカバー 1個用 平(ひら)
カバーの種類
各部の寸法
B
W
Wの許容差
N
t(最小値)
スイッチ
カバー
2個用
136
106.0
±0.8
1
2.5
3個用
182
152.0
2
3.0
4個用
228
198.0
3
3.5
5個用
274
244.0
4
6個用
320
290.0
5
t) CSW スイッチカバー 2〜6個用 塗代付
図1−ボックスカバーの寸法(続き)
18
C 8435:2018
単位 mm
u) 4CB/4OB スイッチカバー 2個用 塗代付
v) 4CBL/4OBL スイッチカバー 2個用 塗代付
カバーの種類
各部の寸法
B
W
Wの許容差
N
t(最小値)
スイッチ
カバー
2個用
136
106.0
±0.8
1
2.5
3個用
182
152.0
2
3.0
4個用
228
198.0
3
3.5
5個用
274
244.0
4
6個用
320
290.0
5
w) CSW スイッチカバー 2〜6個用 平(ひら)
図1−ボックスカバーの寸法(続き)
19
C 8435:2018
単位 mm
x) 4CB/4OB スイッチカバー 2個用 平(ひら)
y) 4CBL/4OBL スイッチカバー 2個用 平(ひら)
図1−ボックスカバーの寸法(続き)
10 試験
10.1 ねじの固定
ねじの固定は,JIS C 8462-31の12.9による。
10.2 絶縁抵抗及び耐電圧
絶縁抵抗及び耐電圧は,JIS C 8462-31の箇条14による。
10.3 機械的強度
ボックス及びボックスカバーは,取付け時及び通常の使用時に生じる機械的ストレスに耐え得る十分な
強度がなければならない。
機械的強度は,次による。
a) 埋込用ボックスは,10.3.1及び10.3.2
b) 露出用ボックスは,10.3.3
c) ボックスカバーは,10.3.1
ボックスがJIS C 60068-2-75の附属書D図1(試験装置の例)に示す試験器具に取り付けるには大き過
ぎる場合,又は低温での試験で振り子式ハンマを用いることが実際的でない場合には,試験は,JIS C
60068-2-75の附属書E図1(スプリングハンマ試験装置)に示すスプリングハンマを,10.3.1又は10.3.3
の該当する項目で要求する衝撃に一致する衝撃エネルギーに調整して行う。
10.3.1 低温衝撃
供試体を,非加圧状態で厚さ40 mm±10 %及び密度538 kg/m3±10 %の独立気泡のスポンジゴムのパッ
ド上に置き,JIS C 8461-1の図2に示す装置を用いて衝撃試験を行う。
供試体とともに試験用装置全体を,2時間±15分間,−5±2 ℃に維持した恒温槽内に保持する。
各供試体には質量1 kgのおもりを100 mmの高さから垂直に落下させ衝撃を与える。
打撃は,試験が可能な全ての面に対して行う。
ボックスカバーは,表面側の最も中央に近い部分の4か所の等間隔の位置に衝撃を与える。
ノックアウトをもつものは,ノックアウトの10 mm以内の範囲には衝撃を与えてはならない。
20
C 8435:2018
試験後,供試体にはこの規格で認められないような損傷があってはならない。
注記 感電及び水の有害な浸入に対する保護を損なわない仕上げ表面の損傷,小さなへこみ及び小
さな欠けは,無視する。
通常視力又は拡大倍率がない矯正視力で確認できない材料を貫通するひび割れ,繊維強化成形品の表面
ひび割れ及び小さなへこみは,無視する。
10.3.2 圧縮試験
ボックスを,その前部及び後部をカバーする十分な大きさの2枚の硬質板の間に置く。板には衝撃を加
えず500±5 Nの力を1分間±5秒間,ボックスの前面から後部に向かって加える。試験後,ボックスには,
この規格で認められないような,又はそれ以後の使用に支障のあるような変形及び損傷があってはならな
い。
10.3.3 衝撃試験
露出用ボックスの衝撃試験は,JIS C 8462-31の15.3による。ただし,JIS C 8462-31で引用するJIS C
8462-1(家庭用及びこれに類する用途の固定電気設備の電気アクセサリ用のボックス及びエンクロージャ
−第1部:一般要求事項)の図9(部分Aの打撃の落下高さ)は,次の図2に置き換えて適用する。
h
落下高さ
d
合板からの距離
図2−部分Aの打撃の落下高さ(JIS C 8462-1の図9を修正)
10.4 耐熱性
耐熱性は,JIS C 8462-31の箇条16による。
10.5 異常温度及び炎に対する絶縁材の耐性
異常温度及び炎に対する絶縁材の耐性は,JIS C 8462-31の箇条18による。
21
C 8435:2018
10.6 ノックアウトの加圧試験
ノックアウトの加圧試験は,次による。
a) 埋込用ボックスのノックアウトは,供試体のノックアウトの中心に,直径10 mmで先端が平らな丸棒
で160 Nまで加圧する。
試験後,ボックス及びノックアウト部にひび又は割れがなく,定位置に残らなければならない。
b) 露出用ボックスのノックアウトは,40±1 Nの力を60±1秒間加える。これは,直径6 mmで先端が
平らな丸棒を用いる。
ノックアウト表面に垂直な方向で,最も動く可能性がある箇所に10 mm/minの速さで力を加える。
2重のノックアウトをもつボックスには,力は最も小さいノックアウトに加える。
試験後,ノックアウトは,定位置に残らなければならない。
10.7 つり下げ負荷試験
つり下げ負荷試験は,次による。
a) つり下げ負荷試験は,耐熱丸孔カバーに適用する。
b) 供試体の照明器具を取り付ける固定手段用のめねじ部に,ねじを含む全体の質量による力が250 Nと
なるつり下げおもりを,表13に規定するトルクの2/3のトルクで締め付ける。
つり下げ負荷がかかった供試体を90±2 ℃の加熱箱中で24時間保持する。
試験中,つり下げおもりが抜けたり,落ちたりしてはならず,試験後,おもりを外したとき供試体
にひび又は割れがなく使用に影響する損傷があってはならない。
表13−ねじの締付トルク
ねじの公称直径
mm
ねじのトルク
Nm
3.6を超え4.1以下
1.20
4.1を超え4.7以下
1.80
4.7を超え5.3以下
2.00