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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 8367-1997 

圧力式サーモスタット 

Electromechanical pressure type thermostats for household appliances 

1. 適用範囲 この規格は,電気冷蔵庫,電気冷凍庫,ルームエアコンディショナなどの冷凍及び空調機

器の温度調節に用いる定格電圧250V以下,定格電流20A以下,定格周波数50Hz及び60Hzの機器内蔵用

キャピラリーチューブ付き圧力式サーモスタット(以下,サーモスタットという。)について規定する。 

備考 この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS B 0123 ねじの表し方 

JIS B 7413 浸没線付ガラス製水銀棒状温度計 

JIS B 7502 マイクロメータ 

JIS B 7507 ノギス 

JIS B 7516 金属製直尺 

JIS C 0041 環境試験方法−電気・電子−衝撃試験方法 

JIS C 0911 小形電気機器の振動試験方法 

JIS C 1302 絶縁抵抗計 

JIS C 1602 熱電対 

JIS C 3306 ビニルコード 

JIS C 3307 600Vビニル絶縁電線 (IV) 

JIS C 3316 電気機器用ビニル絶縁電線 

JIS H 3300 銅及び銅合金継目無管 

JIS K 1560 1, 1,1, 2‐テトラフルオロエタン (HFC-134a) 

JIS Z 8703 試験場所の標準状態 

JIS Z 8704 温度測定方法−電気的方法 

IEC 335-1 Safety of household and similar electrical appliances Part 1 : General requirements 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

(1) キャピラリーチューブ付き圧力式サーモスタット 感温部の温度があらかじめ設定した温度になっ

たとき,ガス又は液の圧力の変化を検知し,スナップアクション機構によって自動的に接点の開閉動

作を行う機能をもつもので,本体,感温部,キャピラリーチューブから構成されたもの。 

(2) ON点 接点が閉路する温度。 

(3) OFF点 接点が開路する温度。 

(4) 温度調節範囲 温度調節機構で設定できるON点の温度範囲又はOFF点の温度範囲。 

(5) 入り切り温度差 温度調節機構をある温度の位置に設定したときのON点とOFF点との温度の差。 

(6) 感温部 制御対象の温度を封入物(ガス又は液)の圧力に変換する部分。 

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C 8367-1997  

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(7) キャピラリーチューブ 感温部の圧力変化を本体に伝達するための細管。 

(8) 本体 感温部及びキャピラリーチューブを除く部分で,温度調節機構,接点を開閉する機構などを内

蔵する部分。 

3. 定格 

3.1 

定格電圧 定格電圧は,交流125V又は250Vとする。 

なお,周波数は,50Hz/60Hz共用とする。 

3.2 

定格電流 定格電流は,0.5A,1A,3A,6A,10A,15A及び20Aとする。 

4. 種類 種類は,作動温度特性・温度調節機構の調節軸の回転角度,スイッチの形式,端子の形状及び

開閉回数によって,次による。 

(1) 作動温度特性 作動温度特性は,次による。 

(a) ルームエアコンディショナ用 ルームエアコンディショナ用作動温度特性は,表1による。 

表1 ルームエアコンディショナ用作動温度特性 

単位℃ 

温度調節機構の設定位置 

備考 

WARM 

COLD 

OFF点 

OFF点 

33 ±2.5 

24 ±1.5 

入り切り温度差は,3.5以下。 

33 ±2.5 

22 ±1.5 

33 ±2.5 

20 ±1.5 

33 ±2.5 

18 ±1.5 

33 ±2.5 

16 ±1.5 

30 ±2.5 

21 ±1.5 

30 ±2.5 

19 ±1.5 

30 ±2.5 

17 ±1.5 

30 ±2.5 

15 ±1.5 

30 ±2.5 

13 ±1.5 

27.5±2.5 

18.5±1.5 

27.5±2.5 

16.5±1.5 

27.5±2.5 

14.5±1.5 

27.5±2.5 

12.5±1.5 

27.5±2.5 

10.5±1.5 

備考1. 手動ON (OFF) 機構の有無を指定することができ

る。 

2. 暖房の場合は,OFF点をON点に読み替える。 

(b) 電気冷蔵庫・電気冷凍庫用 電気冷蔵庫及び電気冷凍庫用作動温度特性は,表2〜4による。 

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表2 電気冷蔵庫・電気冷凍庫用作動温度特性(一般形) 

単位℃ 

温度調節機構の設定位置 

備考 

WARM 

NORMAL 

COLD 

OFF点 

OFF点 

OFF点 

   13±2 

 10±1.5 

    7±2 

NORMALのOFF点が0℃近傍か0℃
以上であり,入り切り温度差は8以
下。 

   15±2 

 10±1.5 

    5±2 

   11±2 

  8±1.5 

    5±2 

   13±2 

  8±1.5 

    3±2 

    9±2 

  6±1.5 

    3±2 

   11±2 

  6±1.5 

    1±2 

    7±2 

  4±1.5 

    1±2 

    9±2 

  4±1.5 

 − 1±2 

    5±2 

  2±1.5 

 − 1±2 

    7±2 

  2±1.5 

 − 3±2 

    3±2 

  0±1.5 

 − 3±2 

    5±2 

  0±1.5 

 − 5±2 

    1±2 

− 2±1.5 

 − 5±2 

    3±2 

− 2±1.5 

 − 7±2 

 −12±2 

−16±1.5 

 −20±2 

NORMALのOFF点が低温度にあり,
入り切り温度差は8以下。 

 −10±2 

−16±1.5 

 −22±2 

 −14±2 

−18±1.5 

 −22±2 

 −12±2 

−18±1.5 

 −24±2 

 −16±2 

−20±1.5 

 −24±2 

 −14±2 

−20±1.5 

 −26±2 

 −12±2.5 

−20±1.5 

 −28±2.5 

 −18±2 

−22±1.5 

 −26±2 

 −16±2 

−22±1.5 

 −28±2 

 −14±2.5 

−22±1.5 

 −30±2.5 

 −20±2 

−24±1.5 

 −28±2 

 −18±2 

−24±1.5 

 −30±2 

 −22±2 

−26±1.5 

 −30±2 

 −20±2 

−26±1.5 

 −32±2 

 −24±2 

−28±1.5 

 −32±2 

 −22±2 

−28±1.5 

 −34±2 

    8±2 

  2±1.5 

 − 4±2 

入り切り温度差は,7を超え20以下。 

    4±2 

  0±1.5 

 − 4±2 

    8±2.5 

  0±1.5 

 − 8±2.5 

    4±2 

− 2±1.5 

 − 8±2 

    8±2.5 

− 2±1.5 

 −12±2.5 

    0±2 

− 4±1.5 

 − 8±2 

    4±2.5 

− 4±1.5 

 −12±2.5 

    0±2 

− 6±1.5 

 −12±2 

    4±2.5 

− 6±1.5 

 −16±2.5 

 − 4±2 

− 8±1.5 

 −12±2 

    0±2.5 

− 8±1.5 

 −16±2.5 

 − 4±2 

−10±1.5 

 −16±2 

    0±2.5 

−10±1.5 

 −20±2.5 

 − 8±2 

−12±1.5 

 −16±2 

 − 4±2.5 

−12±1.5 

 −20±2.5 

 − 8±2 

−14±1.5 

 −20±2 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位℃ 

温度調節機構の設定位置 

備考 

WARM 

NORMAL 

COLD 

OFF点 

OFF点 

OFF点 

 − 4±2.5 

−14±1.5 

 −24±2.5 

 −12±2 

−16±1.5 

 −20±2 

 − 8±2.5 

−16±1.5 

 −24±2.5 

 −12±2 

−18±1.5 

 −24±2 

 − 8±2.5 

−18±1.5 

 −28±2.5 

 −16±2 

−20±1.5 

 −24±2 

 −12±2.5 

−20±1.5 

 −28±2.5 

 −16±2 

−22±1.5 

 −28±2 

 −20±2 

−24±1.5 

 −28±2 

 −16±2.5 

−24±1.5 

 −32±2.5 

 −20±2 

−26±1.5 

 −32±2 

備考1. 手動ON (OFF) 機構の有無を指定することができる。 

2. 負荷が電磁開閉器,ヒータ,ダンパなどON点制御に使用する場合は,

OFF点をON点に読み替える。 

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表3 電気冷蔵庫・電気冷凍庫用作動温度特性(定温度復帰形) 

単位℃ 

温度調節機構の設定位置 

備考 

WARM 

NORMAL 

COLD 

OFF点 

OFF点 

OFF点 

− 6±2 

−10±1.5 

−14±2 

ON点は,7以下。 

− 5±2 

−10±1.5 

−15±2 

− 8±2 

−12±1.5 

−16±2 

− 7±2 

−12±1.5 

−17±2 

− 6±2 

−12±1.5 

−18±2 

−10±2 

−14±1.5 

−18±2 

− 9±2 

−14±1.5 

−19±2 

−12±2 

−16±1.5 

−20±2 

−11±2 

−16±1.5 

−21±2 

−10±2 

−16±1.5 

−22±2 

−14±2 

−18±1.5 

−22±2 

−13±2 

−18±1.5 

−23±2 

−16±2 

−20±1.5 

−24±2 

−16±2 

−20±1.5 

−26±2 

備考1. 手動ON (OFF) 機構の有無を指定することができる。 

2. 負荷が電磁開閉器,ヒータ,ダンパなどON点制御に使用する場合は,

OFF点をON点に読み替える。 

表4 電気冷蔵庫・電気冷凍庫用作動温度特性(霜取複合形) 

単位℃ 

温度調節機構の設定位置 

備考 

WARM 

NORMAL 

COLD 

OFF点 

OFF点 

OFF点 

 − 2±2 

− 8±1.5 

 −14±2 

入り切り温度差は,14以下。 

    0±2.5 

− 8±1.5 

 −16±2.5 

    2±2.5 

− 8±1.5 

 −18±2.5 

 − 4±2 

−10±1.5 

 −16±2 

 − 2±2.5 

−10±1.5 

 −18±2.5 

    0±2.5 

−10±1.5 

 −20±2.5 

 − 6±2 

−12±1.5 

 −18±2 

 − 4±2.5 

−12±1.5 

 −20±2.5 

 − 2±2.5 

−12±1.5 

 −22±2.5 

 − 8±2 

−14±1.5 

 −20±2 

 − 6±2.5 

−14±1.5 

 −22±2.5 

 − 4±2.5 

−14±1.5 

 −24±2.5 

 −10±2 

−16±1.5 

 −22±2 

 − 8±2.5 

−16±1.5 

 −24±2.5 

 − 6±2.5 

−16±1.5 

 −26±2.5 

 −12±2 

−18±1.5 

 −24±2 

 −10±2.5 

−18±1.5 

 −26±2.5 

 − 8±2.5 

−18±1.5 

 −28±2.5 

備考1. 手動ON (OFF) 機構の有無を指定することができる。 

2. 負荷が電磁開閉器,ヒータ,ダンパなどON点制御に使用する場合は,

OFF点をON点に読み替える。 

(2) 温度調節機構の調節軸の回転角度 温度調節機構の調節軸の回転角度は,表5による。 

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表5 温度調節機構の調節軸の回転角度 

単位° 

手動ON(OFF)機構の有無 

回転角度 

手動ON (OFF) 機構の角度 

なし 

   90±3(1) 

(220±5) 

270±5 

− 
− 
− 

あり 

   90±3(1) 

315±5 

30 
45 

注(1) レバー式のものに適用する。 
備考1. 括弧付きは,将来廃止する。 

2. 手動ON (OFF) 機構の角度は,WARM若しくはCOLD,又はWARM

及びCOLD側に適用する。 

(3) スイッチの形式 スイッチの形式は,次による。 

(a) 単極単投 

(b) 単極双投 

(4) 端子の形状 端子の形状は,定格電流によって表6による。 

表6 端子形状 

備考 ねじ式のねじの呼びは,JIS B 0123の規定による。 

(5) 開閉回数 開閉回数は,表7による。 

表7 開閉回数 

記号 

開閉回数 回 

 10 000 

 30 000 

 50 000 

100 000 

200 000 

300 000 

5. 性能 サーモスタットの性能は,9.の規定によって試験し,表8に適合しなければならない。 

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表8 サーモスタットの性能 

項目 

性能 

試験方法箇条 

作動温度特性 

表1〜4を満足すること。 

9.2.2 

絶縁抵抗 

50MΩ以上であること。 

9.2.3 

耐電圧 

定格電圧125Vでは,試験電圧1 250Vに耐えること。 
定格電圧250Vでは,試験電圧1 500Vに耐えること。 

9.2.4 

温度上昇 

接点材料 

銀又は銀合金 

65℃以下であること(2)。 

9.2.5 

その他 

40℃以下であること。 

温度上昇試験後,絶縁抵抗及び耐電圧を満足すること。 

耐湿性 

絶縁抵抗 

10MΩ以上であること。 

9.2.6 

機械的及び電気的に支障がないこと。 

開閉性 

温度特性 

変化が3.0℃以内であること。 

9.2.7 

機械的及び電気的に支障がないこと。 

耐振動性 

温度特性 

変化が3.0℃以内であること。 

9.2.8 

機械的及び電気的に支障がないこと。 

耐衝撃性 

温度特性 

変化が3.0℃以内であること。 

9.2.9 

機械的及び電気的に支障がないこと。 

耐熱性 

温度特性 

変化が3.0℃以内であること。 

9.2.10 

機械的及び電気的に支障がないこと。 

耐寒性 

温度特性 

変化が3.0℃以内であること。 

9.2.11 

機械的及び電気的に支障がないこと。 

調節軸の 
回転止め強度 

1N・mのねじりモーメントに耐えること。 

9.2.12 

端子の強度 

端子部の破損及び使用上有害な曲がりがないこと。 

9.2.13 

注(2) 銀めっき,銀張り,溶接(ろう付けを含む。)を行った接点材料で,銀の有効厚さが

0.5mm(定格電流が10A以下のものは,0.3mm。)以上のものは,銀又は銀合金を適
用する。 

6. 構造 

6.1 

構造一般 構造一般は,次に適合しなければならない。 

(1) 開閉動作が円滑で,電気的接触が完全であり,電線との接続が容易な構造であること。 

(2) 機械的衝撃,振動及び応力に十分耐える堅ろうな構造で,封入物の漏れがないこと。 

(3) 調節軸は,円滑に回転し,衝撃などによって容易に回転しない構造であること。 

(4) 導電金具相互の接続部分は,合成樹脂成形品などのような収縮性がある絶縁物を導体の間に挟んで締

め付けていないこと。 

(5) 接地するおそれのある金属部のうち,スイッチを開閉したときにアークが達するおそれがある部分に

は,耐アーク性の電気絶縁物を施してあること。 

(6) 部品に欠陥がなく,仕上がりの外観が良好であり,著しいさび,きずなどがないこと。 

(7) 機器への取付けが容易であるとともに,確実に取付けができる構造であること。 

(8) 端子ねじを使用するものは,端子ねじの作用している山数が2山以上であること。 

6.2 

絶縁距離 絶縁距離(空間距離及び沿面距離)は,機器に装着した状態でIEC 335-1の規定を満足

していなければならない。 

7. 形状・寸法 

7.1 

本体の取付部の形状・寸法 本体の取付部の形状及び寸法は,表9による。 

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C 8367-1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表9 本体の取付部の形状・寸法 

単位mm 

取付寸法 

取付部形状 

備考 括弧付きの寸法は,将来廃止する。 

7.2 

温度調節機構の調節軸の形状・寸法 温度調節機構の調節軸の形状及び寸法は,表10による。 

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C 8367-1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表10 温度調節機構の調節軸の形状・寸法 

単位mm 

記号 

略図 

記号 

略図 

記号 

略図 

(G) 

備考1. Dは,レバー式に適用する。 

2. (G) は,将来廃止する。 

7.3 

感温部の形状・キャピラリーチューブの長さ 感温部の形状及びキャピラリーチューブの長さは,

図1のとおりとする。ただし,キャピラリーチューブの長さが300mm未満及び1 000mmを超えるものは,

受渡当事者間の協定による。 

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10 

C 8367-1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 感温部の形状・キャピラリーチューブの長さ 

8. 材料 材料は,次に適合しなければならない。 

(1) 通常の使用状態で機械的強度をもち,使用温度に十分耐える材料であること。 

(2) 電気絶縁材料は,これに接触又は近接した部分の温度に十分耐え,吸湿性の少ないものであること。 

(3) キャピラリーチューブの材料は,JIS H 3300に規定する管,又はこれと同等以上の品質のものである

こと。 

(4) 鉄及び鋼(ステンレス鋼を除く。)には,めっき,塗装,油焼きなどのさび止め処理を施してあること。

ただし,酸化することによって性能に支障を及ぼさない部分に使用するものは,この限りでない。 

(5) 接点は,銅若しくは銅合金,又は銀若しくは銀合金であること。 

(6) 導電材料は,銅若しくは銅合金,又はこれらと同等以上の電気的,熱的及び機械的な安全性をもつさ

びにくいものであること。ただし,弾性を必要とする部分,その他の構造上やむを得ない部分に使用

するもので,危険が生じるおそれのないときは,この限りではない。 

(7) 端子ねじは,銅又は銅合金であること。 

(8) アークが達するおそれがある部分に使用する電気絶縁物は,アークによって有害な変形,絶縁低下な

どの変質が生じないものであること。 

(9) 封入物は,JIS K 1560に規定する冷媒又はこれらと同等以上に温度と圧力との関係特性が安定したも

のであること。 

9. 試験 

9.1 

試験状態 試験状態は,特に指定がない限り,JIS Z 8703に規定する常温20±15℃,常湿 (65±20) %

とする。 

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11 

C 8367-1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

9.2 

試験方法 

9.2.1 

構造試験 構造試験は,目視及び手ざわりなどによって外観,仕上げなどを調べる。キャピラリー

チューブの長さの寸法は,JIS B 7516に規定する金属製直尺で測定する。その他の寸法及び絶縁距離(空

間距離及び沿面距離)は,JIS B 7507及びJIS B 7502に規定するノギス,マイクロメータ又はこれらと同

等以上の寸法精度の測定器を用いて測定する。 

なお,これによって直接寸法が測定できない場合は,適切な寸法測定補助具を用いてもよい。 

9.2.2 

作動温度特性試験 作動温度特性試験は,感温部を温度試験槽内に浸せきし,感温部の温度を1℃

当たり3〜4分(ただし,ガス封入のものは1〜2分。)の速度で上昇又は下降させ,槽内温度変化による

ON,OFF動作を1回として,これを3回繰り返し,3回目のON及びOFFに動作したときの温度を測定

する。試験の条件は,次による。 

なお,標準気圧は,1 013hPaとする。 

(1) 試験槽は,温度分布が一様な液槽とする。 

(2) 液槽の温度は,JIS B 7413に規定する最小目盛0.1℃の棒状温度計又はこれと同等以上の精度の測定装

置を用いて測定する。 

(3) 試験は,図2に例を示すように供試サーモスタットを設置する。ただし,取付方向,試験条件などが

指定されたものは,その指定による。 

なお,感温部としての液槽浸せき長さは,感温部として指定された値以上とする。 

図2 作動温度特性試験装置 

9.2.3 

絶縁抵抗試験 絶縁抵抗試験は,JIS C 1302に規定する直流500V絶縁抵抗計又はこれと同等以上

の性能の500Vの絶縁抵抗計を用い,次の各点の絶縁抵抗を測定する。 

(1) 開路状態の端子間 

(2) 充電部と非充電金属部との間 

9.2.4 

耐電圧試験 耐電圧試験は,充電部と非充電金属部との間に表11に示す試験電圧で50Hz又は60Hz

の正弦波に近い電圧を1分間連続して加え,これに耐えるかどうかを調べる。ただし,多数個のときは,

表11に示す試験電圧値の120%の電圧を1秒間加えることによって,これに代えることができる。 

表11 試験電圧 

単位V 

定格電圧 

試験電圧 

125 

1 250 

250 

1 500 

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12 

C 8367-1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

9.2.5 

温度上昇試験 温度上昇試験は,9.2.7の開閉性試験後,端子に表12の電線を接続し,接点部の温

度をJIS C 1602に規定する素線径0.32mmの階級0.75級の熱電対を用い,JIS Z 8704に規定するB級測定

方式に準じて測定する。 

その後,定格電流に等しい電流を連続通電して各部の温度がほぼ一定となったときの接点部の温度を測

定し,通電前の温度との差をもって温度上昇値とする。 

引き続き9.2.3の試験を行い,その後9.2.4の試験を行う。 

表12 接続電線の種類及び太さ 

試験電流A 

6以下 

10 

15 

20 

接続電線

の太さ 

導体径 

mm 

1.0 

1.2 

1.6 

2.0 

公称断面積

mm

 0.75 

 1.25 

2.0 

3.5 

接続電線の種類 

JIS C 3306 
JIS C 3307 
JIS C 3316 

9.2.6 

耐湿性試験 耐湿性試験は,サーモスタットを周囲温度40±3℃,相対湿度90〜95%の雰囲気中に

48時間放置した後,常温常湿で風通しのよい場所に60±1分間放置し,9.2.3の試験を行う。 

9.2.7 

開閉性試験 開閉性試験は,9.2.3の試験の後,表13に示す順序と条件で開閉操作を行った後,9.2.2

の試験を行い,試験前後の変化を求める。開閉操作は,空気圧で行ってもよい。 

表13 開閉性試験条件 

順序 

試験条件 

動作 

電流 

負荷の力率 

開閉回数 

速度 

動作時間 

閉路 

突入 

0.4〜0.5 

200回 

約6回/min 

約1s 

開路 

突入 

約9s 

閉路 

定格 

0.7〜0.8 

表7の回数 

約1s 

開路 

定格 

約9s 

備考 突入電流は,表14による。 

表14 突入電流 

単位A 

定格電流 

0.5 

10 

15 

20 

突入電流 

18 

36 

50 

60 

80 

9.2.8 

振動試験 振動試験は,機械的に丈夫なサーモスタット取付板に本体を取り付け,JIS C 0911に規

定する振動を上下方向,左右方向及び前後方向にそれぞれ1時間ずつ加えた後,9.2.2の試験を行い,試験

前後の変化を求める。 

なお,キャピラリーチューブ及び感温部は,共振を起こさないように,適切な数箇所を粘着テープなど

でサーモスタット取付板に固定する。 

9.2.9 

衝撃試験 衝撃試験は,機械的に丈夫なサーモスタット取付板に本体を取り付け,サーモスタット

に500m/s2の衝撃を上下,左右及び前後方向にそれぞれ1回加えた後,9.2.2の試験を行い,試験前後の変

化を求める。 

なお,キャピラリーチューブ及び感温部は,共振を起こさないように,適切な数箇所を粘着テープなど

でサーモスタット取付板に固定する。 

また,衝撃試験機を用いるときは,JIS C 0041による。 

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13 

C 8367-1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

9.2.10 耐熱試験 耐熱試験は,恒温槽内にサーモスタットを保持し,60℃に達した後,その温度で24時

間放置する。その後,常温常湿の雰囲気中にサーモスタットを取り出し,9.2.2の試験を行い,試験前後の

変化を求める。ただし,試験温度が指定されたサーモスタットは,その指定された温度で行う。 

9.2.11 耐寒試験 耐寒試験は,恒温槽内にサーモスタットを保持し,−30℃に達した後,その温度で24

時間放置する。その後,常温常湿の雰囲気中にサーモスタットを取り出し,9.2.2の試験を行い,試験前後

の変化を求める。 

9.2.12 調節軸の回転止め強度試験 調節軸の回転止め強度試験は,本体を固定し,調節軸を回転方向に回

し切った位置において,調節軸に1N・mのねじりモーメントを1回加えて,耐久性を調べる。 

9.2.13 端子強度試験 端子強度試験は,本体を固定して,ねじ式の場合は,端子に表15の締付トルクを

5秒間加え,差込式の場合は,端子に表15の押し及び引張荷重を軸方向にそれぞれ5秒間加える。次に,

10Nの押力を軸方向と直角な4方向にそれぞれ5秒間加えた後,端子の状態を調べる。 

表15 端子強度試験条件 

10. 検査 

10.1 形式検査 形式検査は,次の項目について9.の試験を行ったとき,5.,6.,7.,8.及び11.の規定に適

合しなければならない。ただし,(6)〜(11)は,それぞれ別の試料で行う。 

(1) 構造 

(2) 作動温度特性 

(3) 絶縁抵抗 

(4) 耐電圧 

(5) 温度上昇 

(6) 耐湿性 

(7) 開閉性 

(8) 耐振動性 

(9) 耐衝撃性 

(10) 耐熱性 

(11) 耐寒性 

(12) 調節軸の回転止め強度 

(13) 端子の強度 

10.2 受渡検査 受渡検査は,次の項目について9.の試験を行ったとき,5.,6.,7.,8.及び11.の規定に適

合しなければならない。 

(1) 構造 

(2) 作動温度特性 

(3) 絶縁抵抗 

14 

C 8367-1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(4) 耐電圧 

11. 表示 表示は,本体の表面の見やすい場所に容易に消えない方法で,次の(1)〜(3)を表示する。 

なお,(4)は表示することが望ましい。 

(1) 形名(製造業者が表す記号) 

(2) 製造年月日又はその略号 

(3) 製造業者名又はその略号 

(4) 封入ガスの種類又はその略号 

関連規格 JIS C 9607 電気冷蔵庫及び電気冷凍庫 

JIS C 9612 ルームエアコンディショナ 

IEC 389-1 Thermostatic switches primarily for use in equipment for telecommunications and in 

electronic applications employing similar techniques Part 1:General requirements and measuring 

methods 

15 

C 8367-1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS C 8367圧力式サーモスタット改正原案委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

竹 中 俊 夫 

東京工業大学名誉教授 

(副委員長) 

○ 石 井   昇 

株式会社鷺宮製作所 

(幹事) 

○ 鈴 木 尊 康 

日本ランコ株式会社 

(幹事) 

○ 土 屋 松 男 

株式会社不二工機 

竹田原 昇 二 

通商産業省機械情報産業局 

藤 井 隆 宏 

工業技術院標準部 

加 山 英 男 

財団法人日本規格協会 

柴 田 和 男 

社団法人日本電機工業会 

飯 田 隆 久 

社団法人日本冷凍空調工業会 

山 田 哲 朗 

東芝株式会社 

岡   俊 成 

ダイキン工業株式会社 

平 田 俊 道 

三洋電機株式会社 

竹 本 明 伸 

株式会社日立製作所 

森 川 喜 之 

松下電器産業株式会社 

加 藤   勉 

日東工業株式会社 

○ 山 崎 吉 彦 

三幸株式会社 

○ 物 井 俊 一 

東芝ホームテクノ株式会社 

○ 倉 掛 卓 郎 

松下冷機株式会社 

(事務局) 

鈴 木 孝 雄 

日本自動機器工業会 

備考 ○印は,分科会委員も兼ねる。