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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 8361-1984 

リモコン変圧器 

Remote Control Transformers 

1. 適用範囲 この規格は,主に屋内で周波数50Hz又は60Hzの交流300V以下の電路の遠隔制御方式の

操作回路の電源に使用する単相小形変圧器(以下,リモコン変圧器という。)について規定する。 

引用規格: 

JIS C 2353 電気絶縁用コイル含浸ワニス 

JIS C 3307 600Vビニル絶縁電線 (IV)  

JIS C 6575 電子機器用筒形ヒューズ 

JIS C 8306 配線器具の試験方法 

2. 種類及び記号 種類及び記号は,表1による。 

表1 

種類 

記号 

普通形 

漏えい形 

3. 定格 定格は,定格周波数,定格一次電圧,定格二次電圧及び定格二次電流で表し,その値は表2に

よる。 

表2 

定格周波数 Hz 

50・60 

定格一次電圧(1) V 

100・200 

定格二次電圧 V 

24 

定格二次電流 A 

1・1.5・3 

注(1) 定格一次電圧は配電電圧に従い,その値と

してもよい。 

4. 性能 性能は,次に適合しなければならない。 

4.1 

無負荷二次電圧 6.2によって試験を行ったとき,無負荷二次電圧は,30V以下でなければならない。 

4.2 

全負荷二次電圧 6.3によって試験を行ったとき,全負荷二次電圧は,24±2.4Vでなければならない。 

4.3 

二次短絡電流 漏えい形にあっては,6.4によって試験を行ったとき,二次短絡電流は5A以下でな

ければならない。 

4.4 

巻線の温度上昇 6.5によって試験を行ったとき,巻線の温度上昇は,表3の値を超えてはならない。 

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C 8361-1984  

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表3 

単位 ℃ 

種類 

温度上昇 

普通形 

 65 

漏えい形 

100 

備考 基準周囲温度の限度は,

40℃とする。 

4.5 

絶縁抵抗 6.6によって試験を行ったとき,絶縁抵抗は,5MΩ以上でなければならない。ただし,二

次巻線と鉄心との間は,1MΩ以上とする。 

4.6 

耐電圧 6.7によって試験を行ったとき,表4に示す試験電圧に1分間耐えなければならない。 

表4 

試験部分 

試験電圧 

各巻線間及び一次巻
線と鉄心間 

定格一次電圧150V以下のものは1 000V, 
定格一次電圧150Vを超え300V以下のものは 
1 500V 

二次巻線と鉄心間 

500V 

4.7 

端子部強度 6.8によって試験を行ったとき,端子ねじの破損,口出線の断線,その他の異常が生じ

てはならない。 

4.8 

異常温度上昇 6.9によって試験を行ったとき,外面の各部の温度上昇が110℃を超えてはならない。 

4.9 

耐熱性 6.10によって試験を行ったとき,合成樹脂成形品が膨れ,ひび割れ,変形などの異常を生

じてはならない。 

5. 構造 構造は,次に適合しなければならない。 

5.1 

構造一般 次に適合しなければならない。 

(1) 単巻変圧器としないこと。 

(2) 充電金属部及び鉄心部は,人又は外物が容易に接触できない構造とすること。ただし,二次側及びボ

ックス内取付専用のものは,この限りでない。 

(3) 造営材又はボックスに容易に取付けができ,かつ,正常な状態に取り付けたとき地絡を生ずるおそれ

のない構造とすること。 

(4) 金属製の外箱と鉄心とは,電気的に完全に接続すること。 

(5) 金属製の外箱をもつもので,定格一次電圧が150Vを超えるものは,その外面に接地用端子を設ける

こと。ただし,金属製ボックス内で専用するものは,この限りでない。 

(6) 漏えい形のものは,ボックスなどに取り付けた場合,その特性が著しく影響されないような構造とす

ること。 

(7) 普通形のものは,その二次側にヒューズを次によって取り付けること。 

(a) ヒューズの取付部は,外物が容易に接触しないように覆い,かつ,ヒューズの取換えが容易にでき

る構造とすること。 

(b) ヒューズが動作したとき,回路を確実に遮断し,かつ,短絡又は地絡のおそれのない構造とするこ

と。 

(c) 原則として,図のガラス製筒形ヒューズを使用すること。 

なお,動作特性は,JIS C 6575(電子機器用筒形ヒューズ)に適合すること。 

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C 8361-1984  

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図 

(d) ヒューズの定格電流は,3.15A以下とし,その取付部の近く又は銘板に使用ヒューズの定格電流を

表示すること。 

(8) 外部配線を接続する端子(以下,端子という。)は,次による。 

(a) 一次側の端子は,呼びM3.5以上の太さの端子ねじを用い,導体径2mmの電線を確実に接続でき,

かつ,吸湿性の少ない絶縁物で外物が触れるおそれがないように覆うこと。 

(b) 二次側の端子は,呼びM3以上の太さの端子ねじを用い,導体径0.8mmの電線が確実に接続できる

こと。 

(c) 一次側の端子と二次側の端子とが,容易に識別できること。 

(9) 口出部は,次による。 

(a) 一次側の口出線には,JIS C 3307[600Vビニル絶縁電線 (IV) ]に規定された断面積0.9mm2又はこ

れと同等以上の断面積及び絶縁効力をもつ,より線とする。 

(b) 二次側の口出線は,断面積0.5mm2以上のビニル絶縁のコード類とする。 

(c) 口出線が金属製の外箱又は外被を貫通する箇所には,適当な絶縁はとめの類を用いる。 

(d) 一次側の口出線と二次側の口出線が,容易に識別できるようにする。 

(e) 二次側の口出線を色別する場合は,原則として白及び青とする。 

(f) 口出線の有効長さは,150mm以上とする。 

(g) 巻線と口出線との接続部に張力が加わらない構造とする。 

(10) 接地用端子は,呼びM4以上の太さの端子ねじを用い,直径2mmの電線を確実に接続できるものとし,

,E又はGの記号を付けなければならない。 

5.2 

寸法 金属製の外箱の厚さ(素材厚)は、0.5mm以上でなければならない。 

5.3 

絶縁距離 次に適合しなければならない。 

(1) 極性の異なる充電金属部相互間,充電金属部と非充電金属部及び人が触れるおそれのある非金属部と

の間の空間距離及び沿面距離は,表5による。 

表5 

区分 

空間距離及び沿面距離 mm 

端子部 

その他の部分 

一次側 

電圧150V以下 

  2.5 (1.5)  

電圧150Vを超え300V以下 

  3 (2)  

二次側 

  1.5 (1.2)  

一次側と二次側との間 

  3 (2)  

備考 括弧内の数値は,固定している部分で,じんあいが入るおそれ

のない箇所に適用する。 

(2) 巻線及び鉄心と取付面との間(絶縁物が介在する場合を除く。)に6mm以上の間げきをもつものとす

C 8361-1984  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

る。 

ただし,金属製のボックス内に専用するものは,この限りでない。 

5.4 

主要部の材料 主要部の材料は,次に適合しなければならない。 

(1) 導電金具の材料は,銅又は銅合金とすること。 

(2) ばね作用をする導電部の材料は,りん青銅又は硬質黄銅とすること。 

(3) 巻線の繊維質絶縁物は,JIS C 2353(電気絶縁用コイル含浸ワニス)に規定された絶縁ワニス又はこ

れと同等以上の絶縁効力をもつもので完全に処理すること。 

(4) 外箱の材料は,さび止を施した鋼,鉄又は吸湿性の少ない耐熱性の合成樹脂とする。 

(5) 端子及び接地用端子の端子ねじは,黄銅製とすること。ただし,直接に通電を目的としない端子の端

子ねじは,十分にさび止した鋼製としてもよい。 

6. 試験方法 

6.1 

構造試験 JIS C 8306(配線器具の試験方法)の3.によって行う。 

6.2 

無負荷試験 定格周波数の定格一次電圧を一次側に加え,二次側の端子電圧を測定する。 

6.3 

全負荷試験 一次側に定格周波数の定格一次電圧を加え,二次側に無誘導負荷を接続して定格二次

電流を通じたときの二次端子電圧を測定する。この場合,口出線付きのものは,口出線と試験用接続電線

との接続部において電圧を測定する。 

6.4 

短絡試験 漏えい形のものについて行い,二次側の端子又は口出線を短絡して,一次側に定格周波

数の定格一次電圧を加え,二次電流を測定する。 

6.5 

温度試験 次によって行う。 

(1) 普通形のものは,6.3全負荷試験と同様の回路構成で定格二次電流を連続通電し,各部の温度が一定と

なったとき,抵抗法によって巻線の温度を測定し,温度上昇を求める。 

(2) 漏えい形のものは,6.4短絡試験と同様の回路構成で二次電流を連続通電し,各部の温度が一定となっ

たとき,抵抗法によって巻線の温度を測定し,温度上昇を求める。 

6.6 

絶縁抵抗試験 JIS C 8306の7.によって行う。ただし,試験部分は各巻線間及び巻線と鉄心間とす

る。 

6.7 

耐電圧試験 JIS C 8306の8.によって行う、ただし,試験電圧は,4.6の表4によるものとする。 

6.8 

端子部強度試験 次によって行う。 

(1) 口出線の場合 口出線は,JIS C 8306の13.1.3リード線付によって,口出線1本ごとに行う。ただし,

一次側は50N,二次側は,30Nの張力を加えるものとする。 

(2) 端子及び接地用端子の場合 端子及び接地用端子は,JIS C 8306の13.1.1ねじ端子によって行う。 

なお,13.1.1の表5の値の締付けトルクは,1分間保持するものとする。 

6.9 

異常温度試験 普通形のものについて行い,一次側に定格周波数の定格一次電圧を加え,二次側に

ヒューズの定格電流の130%の電流を連続通電して,各部の温度がほぼ一定となったとき,外面の各部の

温度を熱電温度計法によって測定し,温度上昇を求める。 

6.10 耐熱試験 合成樹脂成形品のケース又は台を使ったものについて,JIS C 8306の14.によって行う。

この場合試験温度は90℃,試験時間は1時間とする。 

C 8361-1984  

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7. 検査 

7.1 

検査の種類 次のとおりとする。 

(1) 形式検査 品質の良否を判定するための検査。 

(2) 受渡検査 受渡しを決定するための検査。 

7.2 

形式検査 6.試験方法によって次の順序で,同一試験品について行い,4.性能及び5.構造の規定に適

合しなければならない。ただし,(9)及び(10)の項は,同一品で行わなくてもよい。 

(1) 構造 

(2) 無負荷二次電圧 

(3) 全負荷二次電圧 

(4) 二次短絡電流(漏えい形のものに限る。) 

(5) 巻線の温度上昇 

(6) 絶縁抵抗 

(7) 耐電圧 

(8) 端子部強度 

(9) 異常温度上昇(普通形のものに限る。) 

(10) 耐熱性(合成樹脂成形品を使用するものに限る。) 

7.3 

受渡検査 次の順序で同一品について行い,4.性能及び5.構造の規定に適合しなければならない。た

だし,(1)構造以外は,受渡当事者間の協定によって省略してもよい。 

(1) 構造 

(2) 絶縁抵抗 

(3) 耐電圧 

8. 製品の呼び方及び表示 

8.1 

製品の呼び方 名称,種類,定格周波数,定格一次電圧及び定格二次電流による。 

例: リモコン変圧器 F形 50Hz 200V 3A 

8.2 

表示 製品の見やすいところに容易に消えない方法で,次の事項を表示した銘板を付けなければな

らない。 

(1) 種類(F形,L形の別) 

(2) 定格周波数 

(3) 定格一次電圧 

(4) 定格二次電圧及び定格二次電流 

(5) ヒューズの定格電流(普通形に限る。) 

(6) 二次短絡電流(漏えい形に限る。) 

(7) 製造業者名又はその略号 

(8) 製造年月又はその略号 

略号の例:84.3 

C 8361-1984  

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JIS C 8361見直し調査委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

池 田 栄 一 

日昭電気株式会社 

向 井   保 

工業技術院 

堀 野 福 雄 

建設省大臣官房 

川 越 平 吉 

住宅・都市整備公団 

富 澤 一 行 

財団法人日本電気用品試験所 

梅 原   茂 

株式会社三つ星 

石 山 壮 爾 

社団法人日本電設工業協会 

広 瀬 邦 彦 

関東電気工事株式会社 

柴 野   孜 

近畿電気工事株式会社 

宮 内 正 夫 

社団法人日本電機工業会 

大 成 正 巳 

松下電工株式会社 

龍 治   隆 

富士電機製造株式会社 

武 田 克 巳 

三菱電機株式会社 

七 尾 英 敏 

NE研 

西 脇 忠 雄 

マサル工業株式会社 

小 泉 幸 美 

日曹商事株式会社 

望 月   功 

フクビ化学株式会社 

河 内 利 平 

社団法人軽金属協会 

(事務局) 

宮 川 清 孝 

工業技術院標準部電気規格課 

早 野 幸 雄 

工業技術院標準部電気規格課