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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 8360-1984 

リモコンリレー及びリモコンスイッチ 

Remote Control Relays and Remote Control Switches 

1. 適用範囲 この規格は,主に屋内で周波数50Hz又は60Hzの交流300V以下の電路で遠隔制御方式に

使用するリモコンリレー(以下,リレーという。)及びリモコンスイッチ(以下,スイッチという。)につ

いて規定する。 

引用規格: 

JIS C 3202 油性エナメル銅線 

JIS C 3203 ホルマール銅線 

JIS C 3307 600Vビニル絶縁電線 (IV) 

JIS C 8303 配線用差込接続器 

JIS C 8306 配線器具の試験方法 

2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。 

(1) リレー 主回路の開閉を交流24Vによって励磁される電磁石で操作するスイッチ。 

(2) スイッチ リレーの操作回路の開閉を手動で操作するもの。 

(3) 自力接触部 導電部分の一部又は全部によって接触圧力が生じるような開閉接触部。 

(4) 他力接触部 導電部分が導電だけを目的とし,接触圧力が他の弾性体に依存するような開閉接触部。

ただし,自力,他力の両効果のあるもので,自力の効果が失われても,他力で十分接触効果のあるも

のは,他力接触部と見なす。 

3. 種類及び定格 種類及び定格は,表1による。 

表1 

種類 

定格電流 A 

定格電圧 V 

リレー 

単極 

10, 15, 20 

125, 300 

双極 

3極 

スイッチ 

露出形 

1, 1.5, 3 

24 

埋込形 

4. 性能 性能は,次に適合しなければならない。 

4.1 

リレーの温度上昇 リレーの温度上昇は,6.2によって試験を行ったとき,各部に異常を生じること

なく,かつ,開閉接触部の温度上昇値が表2に示す値以下でなければならない。 

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C 8360-1984  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2 

開閉接触部の種類 

温度上昇 ℃ 

自力接触部 

30 

他力接触部 

銅,銅合金の場合 

40 

銀,銀合金の場合 

65 

備考 基準周囲温度の限度は,40℃とする。 

4.2 

リレーの動作 6.3によって試験を行ったとき,開閉部が実用上支障なく動作しなければならない。 

4.3 

開閉 6.4によって試験を行ったとき,開閉接触子(接点)の溶着,著しい焼損その他電気的及び機

械的に故障を生じてはならない。 

また,この試験の後において,4.1の性能を満足しなければならない。 

4.4 

絶縁抵抗 6.5によって試験を行ったとき,絶縁抵抗は,表3に示す値以上でなければならない。 

表3 

単位 MΩ 

種類 

試験部分 

絶縁抵抗値 

リレー 

主回路の各極の間 

10 

主回路と操作回路との間 

主回路と非充電金属部(1)との間 

操作回路と非充電金属部(1)との間 

スイッチ 

充電部と非充電金属部(1)との間 

注(1) 非充電金属部は,地絡又は人が触れるおそれのある金属部とする。 

4.5 

耐電圧 6.6によって試験を行ったとき,表4に示す試験電圧に1分間耐えなければならない。 

表4 

種類 

試験部分 

試験電圧 

リレー 

主回路の各極の間 

定格電圧125V以下の

ものは1 000V, 

定格電圧125Vを超え

300V以下のものは1 

500V。 

主回路と操作回路との間 

主回路と非充電金属部(1)との間 

操作回路と非充電金属部(1)との間 

500V 

スイッチ 

充電部と非充電金属部(1)との間 

4.6 

短時間電流 6.7によって試験を行ったとき,開閉接触子(接点)の溶着,著しい焼損その他電気的

及び機械的に故障を生じてはならない。 

また,この試験の後において,4.2の性能を満足しなければならない。 

4.7 

端子部強度 次に適合しなければならない。 

(1) ねじ端子の場合 6.8(1)によって試験を行ったとき,外部配線を接続する端子(以下,外部配線端子と

いう。)又は端子ねじが破損などの故障を生じないこと。 

(2) 口出線の場合 6.8(2)によって試験を行ったとき,口出線の断線,脱出,その他使用上有害な故障を生

じないこと。 

4.8 

リレーの異常温度上昇 6.9によって試験を行ったとき,リレーの外面のすべての部分の温度上昇が

110℃以下でなければならない。 

4.9 

耐熱性 6.10によって試験を行ったとき,各部に緩み又は絶縁物の著しい変形,ひび割れ,その他

使用上有害な異常を生じてはならない。 

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C 8360-1984  

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5. 構造 構造は,次に適合しなければならない。 

5.1 

構造一般 次に適合しなければならない。 

(1) 操作及び動作が円滑で,電気的接触が確実な構造とすること。 

(2) 開閉の際,アークによって短絡又は地絡を生ずるおそれのない構造とすること。 

(3) 通常の使用状態において,充電部に人が触れるおそれのない構造とすること。ただし,ボックスなど

の内部で専用するものの端子及び操作回路用の端子は,外部に露出してもよい。 

(4) 金属製のケースの電線の貫通穴には,適当な絶縁物を用いること。 

(5) 導電金具などの固定された部品は,容易に緩みを生じないよう堅固に取り付けること。 

(6) ねじ,リベットなどで締め付けて電流を通す接続部は,合成樹脂製などのように収縮するおそれのあ

る絶縁物を導体の間に挟んで同時に締め付けないこと。 

(7) リレーの動作機構部は,人が容易に触れることができない構造とすること。 

(8) リレーの電磁コイルは,開閉操作時にだけ通電され,開閉の状態の保持には通電を必要としない構造

とすること。 

(9) スイッチの開閉接触部は操作したときだけ閉路する構造とし,また,その接触部(銀,銀合金のもの

を除く。)が若干滑って接触するような構造とすること。 

(10) 外部配線に接続される口出線は,次に適合すること。 

(10.1) 主回路用口出線は,JIS C 3307[600Vビニル絶縁電線 (IV)]に規定された断面積2mm2以上のもの

又はこれと同等以上の断面積及び絶縁効力をもつより線の電線とする。 

(10.2) 操作回路用口出線は,断面積0.5mm2以上のビニル絶縁のコード類とする。 

(10.3) 口出線の有効な長さは,主回路用のものは150mm以上,操作回路用のものは100mm以上とする。 

(10.4) 操作回路用口出線の色別は,次による。 

(a) 表示灯用のものは黄。 

(b) 口出線(表示灯用を除く。)が2本の場合。 

リレー : スイッチ側へ接続するものは赤 (ON),変圧器側へ接続するものは青又は黒 (OFF) 

スイッチ: リレー側へ接続するものは赤 (ON),変圧器側へ接続するものは白 (OFF) 

(c) 口出線(表示灯用を除く。)が3本の場合。 

リレー : スイッチのON側へ接続するものは赤,OFF側へ接続するものは黒,変圧器(コン

モン)へ接続するものは青。 

スイッチ: リレーのON側へ接続するものは赤,OFF側へ接続するものは黒,変圧器(コンモ

ン)へ接続するものは白。 

(11) 外部配線端子は,次に適合すること。 

(a) 電線の接続が容易,確実にできる構造とする。 

(b) 端子ねじの太さ(呼び)は,リレー又はスイッチの定格電流に従い,表5による。 

表5 

定格電流 A 

端子ねじの太さ(呼び)(最小値) 

3 以下 

M 3 

10, 15 

M 3.5 

20 

M 4 

(c) 操作回路用外部配線端子は,(10.4)の色又は色を表す文字[片仮名の2文字(例:アカ,アオ等)]

で識別表示をする。 

C 8360-1984  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(d) 電線を端子ねじの頭部で直接締め付ける構造の外部配線端子の端子ねじは,JIS C 8303(配線用差

込接続器)の参考図1に示す大頭丸平小ねじとする。ただし,頭部のすり割りは,十字穴としても

よい。 

(e) 端子ねじのねじ合う山数は,2以上とし,また,端子ねじを部品の取付けに兼用しない。 

5.2 

絶縁距離 リレー及びスイッチの絶縁距離は,次に適合しなければならない。 

(1) リレーの極性を異にする充電金属部相互間(2),充電金属部と地絡するおそれのある非充電金属部との

間及び主回路充電金属部と操作回路充電金属部との間の空間距離及び沿面距離は,次に示す値以上と

すること。ただし,操作回路の外部配線端子部以外は,これによらなくともよい。 

(a) 外部配線端子部は3mm。 

(b) 固定している部分で,金属粉が付着しにくい箇所(外部配線端子部を除く。)は1.5mm。 

(c) (a)及び(b)以外の箇所は3mm。 

注(2) 開路状態において異極となる同極の開閉接触子間は含まない。 

(2) スイッチの外部配線端子相互間及び充電金属部と地絡するおそれのある非充電金属部との間の空間距

離及び沿面距離は,次に示す値以上とすること。 

(a) 外部配線端子相互間は3mm。 

(b) 充電金属部と地絡するおそれのある非充電金属部との間は1.5mm。 

5.3 

主要部の材料 主要部の材料は,次に適合しなければならない。 

(1) 導電部の材料は,次によること。 

(a) 接点の材料は,銅,銅合金,銀又は銀合金,若しくはこれらと電気的性能が同等以上の品質のもの。 

(b) 巻線に使用する電線は,JIS C 3202(油性エナメル銅線),JIS C 3203(ホルマール銅線)又はこれ

らと同等以上の品質のもの。 

(c) (a)及び(b)に定めるもの及び半導体のものを除き,導電部の材料は,銅,銅合金又はこれらと同等以

上のさびにくいもの。 

(2) 外部配線端子の端子ねじは,黄銅製とすること。ただし,直接に通電を目的としないものは,十分な

さび止を施した鋼製としてもよい。 

(3) リレー及びスイッチに使用する絶縁部は,使用される部分に応じて電気的,熱的及び機械的に十分な

特性をもつものとすること。 

(4) 導電部以外の金属部の材料は,丈夫で腐食しにくい金属とすること。ただし,さび止を施した鋼とし

てもよい。 

6. 試験方法 試験は,次によって行う。ただし,リレー操作回路に交流電圧を加える場合,専用スイッ

チを使用することが明示されているものは,そのスイッチを介するか,そのスイッチと同等の回路を介し

て行う。 

6.1 

構造試験 JIS C 8306(配線器具の試験方法)に規定された3.によって行う。 

6.2 

リレーの温度試験 試験品を使用状態に取り付けて,次の条件で行う。 

(1) 主回路に定格電流に等しい電流を連続通電し,各部の温度が一定となったときの開閉接触部の温度を

熱電温度計法によって測定し,温度上昇を求める。ただし,二重定格のものでは,定格電流の大きい

方だけについて行う。 

(2) 操作回路(電磁コイル)に,周波数50Hz又は60Hzの交流電圧29Vを1分間加え各部を点検する。

ただし,この試験は,開閉試験の後に行う温度試験においては行わない。 

C 8360-1984  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.3 

リレーの動作試験 温度試験に引き続いて周波数50Hz又は60Hzの交流電圧18Vを操作回路(電磁

コイル)に1秒間加え,開閉動作の適否を調べる。 

6.4 

開閉試験 同一試験品について,リレーは,次の(1),(2)及び(3)によって,また,スイッチは,次の

(1)によって試験を行う。ただし,二重定格のものでは,各定格ごとに別個の試験品で行うものとする。 

なお,リレーの操作回路には銘板記載の操作回路電圧を開,閉それぞれ1秒以内加え,開閉操作を行う

ものとする。 

(1) JIS C 8306の10.の(7),(a),(ii)によって連続10 000回開閉する。 

(2) JIS C 8306の10.の(6),(a),(ii)によって行う。 

(3) JIS C 8306の10.の(6),(a),(iii)によって行う。 

この試験終了後,6.2の試験を行う。 

6.5 

絶縁抵抗試験 温度試験の直後JIS C 8306の7.によって行う。ただし,試験部分は,5.4の表4によ

るものとする。 

6.6 

耐電圧試験 JIS C 8306の8.によって行う。ただし,試験部分及び試験電圧は,5.5の表5によるも

のとする。 

6.7 

リレーの短時間電流試験 JIS C 3307に規定された長さ1.5m以内の電線で,リレーの定格電流が

10A及び15Aのものは直径1.6mm,20Aのものは直径2mmのものをリレーの主回路に接続して定格電圧

を加え,閉路状態で1 500A遅れ力率0.7〜0.8の試験電流を2分間間隔で約0.02秒間2回通電する。 

この試験終了後,6.3の試験を行う。 

6.8 

端子部強度試験 外部配線端子又は口出線について,次によって行う。 

(1) 外部配線端子は,JIS C 8306の13.1.1 ねじ端子による。 

なお,13.1.1の表5の値の締付けトルクは,1分間保持するものとする。 

(2) 口出線は,JIS C 8306の13.1.3 リード線付によって口出線1本ごとに行う。ただし,主回路口出線は

50N,操作回路口出線は,20Nの引張荷重を加えるものとする。 

6.9 

リレーの異常温度試験 操作回路(電磁コイル)に周波数50Hz又は60Hzの交流電圧29Vを加えて,

各部の温度が一定となるか,又はそれ以前に電磁コイルが焼損して通電しなくなるまで連続通電したとき

の外部各部の温度を熱電温度計法によって測定し,温度上昇を求める。ただし,開閉動作の際リレーの内

部で自動的に開路され,電磁コイルに連続通電しない構造のものは,この試験を行わなくてもよい。 

6.10 耐熱試験 ケース又は器体が合成樹脂製のものについてJIS C 8306の14.によって行う。この場合,

試験温度は90℃,試験時間は1時間とする。 

7. 検査 

7.1 

検査の種類 次のとおりとする。 

(1) 形式検査 品質の良否を判定するための検査。 

(2) 受渡検査 受渡しを決定するための検査。 

7.2 

形式検査 6.試験方法によって次の順序で同一品について行い,4.性能及び5.構造の規定に適合しな

げればならない。ただし,(8)〜(10)の項は,同一品で行わなくてもよい。 

(1) 構造 

(2) リレーの温度上昇 

(3) リレーの動作 

(4) 開閉 

C 8360-1984  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(5) 絶縁抵抗 

(6) 耐電圧 

(7) リレーの短時間電流 

(8) 端子部強度 

(9) リレーの異常温度上昇 

(10) 耐熱性(合成樹脂製のものに限る。) 

7.3 

受渡検査 次の順序で同一品について行い,4.性能及び5.構造の規定に適合しなければならない。た

だし,(1)構造以外は,受渡当事者間の協定によって省略してもよい。 

(1) 構造 

(2) 絶縁抵抗 

(3) 耐電圧 

8. 製品の呼び方及び表示 

8.1 

製品の呼び方 次による。 

(1) リレーの場合 名称,極数,定格電流及び定格電圧による。 

例: リモコンリレー単極 10A,300V 

(2) スイッチの場合 名称,露出・埋込の別,定格電流及び定格電圧。 

例: リモコンスイッチ 埋込形 1A 24V 

8.2 

表示 製品の見やすいところに,容易に消えない方法で,次の事項を明りょうに表示しなければな

らない。ただし,スイッチは,(1)を省略してもよい。 

(1) 名称(リレーの場合はリモコンリレー,スイッチの場合はリモコンスイッチと表示する。) 

(2) 定格電流及び定格電圧 

(3) 操作回路電圧(リレーに限る。) 

(4) 製造業者名又はその略号 

(5) 製造年月又はその略号(リレーに限る。) 

略号の例:84.3 

C 8360-1984  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS C 8360リモコンリレー及びリモコンスイッチ見直し調査委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

池 田 栄 一 

日昭電気株式会社 

向 井   保 

工業技術院 

堀 野 福 雄 

建設省大臣官房 

川 越 平 吉 

住宅・都市整備公団 

富 澤 一 行 

財団法人日本電気用品試験所 

梅 原   茂 

株式会社三つ星 

石 山 壮 爾 

社団法人日本電設工業協会 

広 瀬 邦 彦 

関東電気工事株式会社 

柴 野   孜 

近畿電気工事株式会社 

宮 内 正 夫 

社団法人日本電機工業会 

大 成 正 巳 

松下電工株式会社 

龍 治   隆 

富士電機製造株式会社 

武 田 克 巳 

三菱電機株式会社 

七 尾 英 敏 

NE研 

西 脇 忠 雄 

マサル工業株式会社 

小 泉 幸 美 

日曹商事株式会社 

望 月   功 

フクビ化学株式会社 

河 内 利 平 

社団法人軽金属協会 

(事務局) 

宮 川 清 孝 

工業技術院標準部電気規格課 

早 野 幸 雄 

工業技術院標準部電気規格課