C 8222:2004
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日
本工業規格である。
これによって,JIS C 8222:1999は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正では,日本工業規格を国際規格に整合させるため,IEC 61009-1:1996,Residual current operated
circuit-breakers with integral overcurrent protection for household and similar uses (RCBOs)−Part 1:General rules
及びAmendment 1(2002)を基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS C 8222には,次に示す附属書がある。
附属書1(規定)JIS C 0364 建築電気設備規定対応形漏電遮断器
附属書2(規定)在来電気設備規定対応形漏電遮断器
附属書A(規定)適合性の検証(ISO/IECガイド2の13.5:1991)に適用する試験シーケンス及び供試品
数
附属書B(規定)空間距離及び沿面距離の決定
附属書C(規定)短絡試験時のイオン化ガス排出の検出のための取決め
附属書D(規定)受渡試験
附属書E(規定)安全特別低電圧(SELV)用補助回路に関する特別要求事項
附属書F(規定)同一回路内で使用する漏電遮断器と個別ヒューズとの間の協調
附属書G(規定)設置場所での組立用に設計された漏電遮断器及び漏電ユニットで構成する漏電遮断
器のための追加要求事項及び試験
附属書H(規定)電磁両立性(EMC)の要求について漏電遮断器の適合性検証のための試験一覧,試験
シーケンス及び供試品の数の追加
附属書IA(参考)短絡回路の力率の決定方法
附属書IB(参考)記号の解説
附属書IC(参考)端子の例
附属書ID(参考)ISOとAWG銅電線との対応表
附属書IE(参考)漏電遮断器のためのフォローアップ検査要領
附属書XA(規定)誘導電動機保護兼用漏電遮断器
附属書XB(規定)単相3線式中性線欠相保護付漏電遮断器
附属書XC(参考)電灯分電盤用協約形漏電遮断器
附属書XD(参考)住宅用分電盤分岐用漏電遮断器
附属書XE(規定)定格インパルス耐電圧を表示しない装置の絶縁距離
附属書XF(参考)互換性形漏電遮断器
附属書XG(参考)JISと対応する国際規格との対比表
C 8222:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 3
3. 定義 ······························································································································ 4
4. 分類 ····························································································································· 12
5. 漏電遮断器の特性 ··········································································································· 14
6. 表示及び他の製品情報 ····································································································· 18
7. 標準使用及び取付条件 ····································································································· 20
8. 構造及び動作に対する要求事項 ························································································· 20
9. 試験 ····························································································································· 20
附属書1(規定)JIS C 0364 建築電気設備規定対応形漏電遮断器 ·················································· 49
附属書2(規定)在来電気設備規定対応形漏電遮断器 ································································· 92
附属書A(規定)適合性の検証(ISO/IECガイド2の13.5:1991)に適用する試験シーケンス及び
供試品数 ··································································································· 109
附属書B(規定)空間距離及び沿面距離の決定 ········································································· 114
附属書C(規定)短絡試験時のイオン化ガス排出の検出のための取決め ········································ 116
附属書D(規定)受渡試験 ··································································································· 118
附属書E(規定)安全特別低電圧(SELV)用補助回路に関する特別要求事項 ···································· 119
附属書F(規定)同一回路内で使用する漏電遮断器と個別ヒューズとの間の協調 ···························· 120
附属書G(規定)設置場所での組立用に設計された漏電遮断器及び漏電ユニットで構成する
漏電遮断器のための追加要求事項及び試験······················································· 121
附属書H(規定)電磁両立性(EMC)の要求について漏電遮断器の適合性検証のための試験一覧,
試験シーケンス及び供試品の数の追加 ···························································· 124
附属書IA(参考)短絡回路の力率の決定方法 ·········································································· 126
附属書IB(参考)記号の解説 ······························································································· 127
附属書IC(参考)端子の例 ·································································································· 128
附属書ID(参考)ISOとAWG銅電線との対応表 ····································································· 131
附属書IE(参考)漏電遮断器のためのフォローアップ検査要領 ··················································· 132
附属書XA(規定)誘導電動機保護兼用漏電遮断器 ··································································· 135
附属書XB(規定)単相3線式中性線欠相保護付漏電遮断器 ························································ 137
附属書XC(参考)電灯分電盤用協約形漏電遮断器 ··································································· 141
附属書XD(参考)住宅用分電盤分岐用漏電遮断器 ··································································· 143
附属書XE(規定)定格インパルス耐電圧を表示しない装置の絶縁距離 ········································· 144
附属書XF(参考)互換性形漏電遮断器 ··················································································· 153
附属書XG(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ······························································ 154
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日本工業規格 JIS
C 8222:2004
住宅及び類似設備用漏電遮断器−
過電流保護装置付き(RCBOs)
Residual current operated circuit-breakers with integral overcurrent
protection for household and similar uses (RCBOs)
序文 この規格は,1996年に第2版として発行されたIEC 61009-1:1996,Residual current operated
circuit-breakers with integral overcurrent protection for household and similar uses (RCBOs)−Part 1:General rules
及びAmendment 1(2002)を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書XG(参考)に示す。
附属書1,2,A,B,C,D,E,F,G,H,XA,XB及びXEは,この規格の本体に対する追加適用部
分である。附属書IA,IB,IC,ID,IE,XC,XD,XF及びXGは,参考である。
1. 適用範囲 この規格は,電源電圧依存形のもの及び非依存形のものを含めて,定格電圧が交流440 V
以下(線間)又は交流300 V以下(対地間),定格電流150 A以下で,定格短絡容量25 kA以下の50又は60 Hz
用で住宅及び類似設備用の過電流保護付漏電遮断器(以下,漏電遮断器 という。)について規定する。
この規格では,電気設備規定の技術的要求事項の差異によって,性能が異なる二つの漏電遮断器を,次
の附属書に分けて規定する。
附属書1:JIS C 0364建築電気設備規定対応形漏電遮断器
附属書2:在来電気設備規定対応形漏電遮断器
備考1. 在来電気設備規定とは,電気事業法に基づく電気設備の技術基準の解釈の第3条から第271
条の規定をいう。
なお,附属書1の漏電遮断器を在来電気設備規定の回路に使用してはならず,附属書2の漏電遮断器を
JIS C 0364による回路に使用してはならない。
これらの機器は,適切な接地極に接続された電気設備の露出導電部への,間接接触に対する人体の保護,
並びに建築電気設備及び類似設備の配線の過電流保護を目的とする。これらは,過電流保護装置が動作し
ない永続性の地絡電流に起因する火災に対する保護の目的に用いてもよい。
30 mA以下の定格感度電流をもつ漏電遮断器は,感電に対する保護手段が失われた場合の付加的な保護
手段としても用いられる。
この規格は,漏電電流の検出,漏電電流値及び感度電流値との比較,設定値を超えた漏電電流が流れた
場合の回路保護のための開路動作を同時に行い,さらに,規定条件の下での投入,通電並びに過電流遮断
を行う装置について規定する。
備考2. 漏電電流の条件下での動作に関するこの規格の内容は,JIS C 8221を基本としている。過電
流保護に関するこの規格の内容は,JIS C 8211を基本としている。
2
C 8222:2004
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3. この規格における漏電遮断器は,専門知識のない人によって操作され,保守を要求しない設
計を本質的に意図している。
非時延形漏電遮断器は,サージ電圧(過渡開閉過電圧又は誘導雷過電圧)によって設備にフラッシオーバ
が発生せずに負荷電流が継続する場合を含めて,不要動作に耐えなければならない。
時延形漏電遮断器は,サージ電圧がフラッシオーバ及び続流を発生させた場合にも,不要動作に対して
十分な耐力をもつと考えられる。
備考4. 非時延形漏電遮断器の負荷側に取り付けられ,かつ,コモンモード(漏電遮断器の電源側の接
地線又は保護導体など)に接続したサージアレスタは,不要動作の原因になるおそれがある。
電源側に過度の過電圧が生じるようなとき(例えば,架空電線から進入する場合)には,特別な予防策(ギ
ャップアレスタなど)が必要である(JIS C 0364-4-443参照)。
備考5. IP20より高い保護等級が必要な漏電遮断器には,追加の構造要件が必要である。
この規格は,配線用遮断器と組合せ可能な漏電保護装置を組み合わせたものにも適用する。機械的組合
せは製造業者によって工場で行われるか,又は,設置場所で附属書Gの要求事項に従って行わなければな
らない。これはまた,複数の定格電流をもつ漏電遮断器にも適用し,ある定格から他の定格に切り替える
ために備えられた手段は,通常の給電状態では切替えができず,また,工具の使用なしで切替えができて
はならない。
差込形漏電遮断器には,追加の構造要求が必要である。
住宅及び類似設備用の一般用の機器の接続器,差込みプラグ及びコンセントの一体形,又は,それらと
組み合わせた漏電遮断器に対して,個別の要求事項が必要である。
備考6. 当面,差込接続式(差込みプラグとコンセントとの一体形及び組合せ形)の漏電遮断器に対し
ては,この規格の要求事項及びJIS C 8282-1の要求事項をできる限り適用しなければならな
い。
この規格の附属書1で規定する漏電遮断器は,断路用に適している。附属書2で規定する漏電遮断器は,
製造業者が断路用に適しているか否かを宣言する。
この規格の附属書1で規定する漏電遮断器は,インパルス耐電圧(Uimp)の値をもっている。附属書2で規
定する漏電遮断器は,製造業者がインパルス耐電圧値を宣言するか否かを宣言する。
この規格は,附属書XAを除いて次のものには適用しない。
− 誘導電動機保護を目的とした漏電遮断器
− 通常使用状態で使用者が電流設定することができる定格電流可調整形漏電遮断器
この規格の要求事項は,標準使用条件(7.1参照)で適用する。これより厳しい環境条件の場所で使用する
漏電遮断器には,追加要求事項が必要である。
漏電遮断器とヒューズとの協調指針は,附属書Fに示す。
誘動電動機保護兼用漏電遮断器に対する追加要求事項は,附属書XAに示す。
単相3線式回路の中性線欠相保護を備えた漏電遮断器に対する追加要求事項は,附属書XBに示す。
電灯分電盤用協約形漏電遮断器に対する追加要求事項は,附属書XCに示す。
JIS C 8328(住宅用分電盤)に適用される住宅用分電盤分岐用漏電遮断器に対する追加要求事項は,附属書
XDに示す。
定格インパルス耐電圧を表示しない遮断器の絶縁距離は,附属書XEに示す。
参考 JIS C 0364-4-41の413.1.4.4には,“過電流保護器をTT系統の間接接触保護に使用できるのは,
Ra(露出導電部を接続する保護導体の抵抗と接地極の接地抵抗の合計)が非常に低い値の場合だ
3
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
けである。”との規定がある。Raを低く管理するのは難しいので,通常我が国では遮断器(過電
流保護機能)で感電保護を行わずに漏電遮断器で行っている。
備考7. この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
IEC 61009-1:1996,Residual current operated circuit-breakers with integral overcurrent protection for
household and similar uses (RCBOs)−Part 1:General rules 及びAmendment 1(2002) (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの
規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年(又は発行年)を付
記していない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 0364 シリーズ 建築電気設備
備考 IEC 60364(all part) Electric installations of buildingsが,この規格と一致している。
JIS C 0364-4-443:2001 建築電気設備 第4部:安全保護 第44章:過電圧保護 第443節:大気現
象又は開閉による過電圧保護
備考 IEC 60364-4-443:1995 Electrical installations of buildings−Part 4:Protection for safety−Chapter
44: Protection against overvoltages−Section 443: Protection against overvoltages of atmospheric
origin or due to switchingが,この規格と一致している。
JIS C 0364-5-53:1999 建築電気設備 第5部:電気機器の選定と施工 第53章:スイッチギヤ及び
コントロールギヤ
備考 IEC 60364-5-53:1994 Electrical installations of buildings−Part 5: Selection and erection of
electrical equipment−Chapter 53: Switchgear and controlgearが,この規格と一致している。
JIS C 0920:2003 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
備考 IEC 60529:2001 Degrees of protection provided by enclosures (IP Code)が,この規格と一致して
いる。
JIS C 8201-1 低圧開閉装置及び制御装置−第1部:通則
JIS C 8201-2-1 低圧開閉装置及び制御装置−第2-1部:回路遮断器(配線用遮断器及びその他の遮断
器)
JIS C 8201-2-2 低圧開閉装置及び制御装置−第2-2部:漏電遮断器
JIS C 8211 住宅及び類似設備用配線用遮断器
JIS C 8221 住宅及び類似設備用漏電遮断器−過電流保護なし(RCCBs)
JIS C 8282-1:2003 家庭用及びこれに類する用途のプラグ及びコンセント−第1部:通則
備考 IEC 60884-1:1994 Plugs and socket-outlets for household and similar purposes−Part 1: General
requirementsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS C 60068-2-28:1993 環境試験方法−電気・電子−耐湿性試験−指針
備考 IEC 60068-2-28:1990 Environmental testing−Part 2:Test−Guidance for damp heat testsが,この
規格と一致している。
JIS C 60068-2-30:1988 環境試験方法(電気・電子)温湿度サイクル(12+12時間サイクル)試験方法
備考 IEC 60068-2-30:1980 Environmental testing−Part 2:Tests. Test-Db and guidance : Damp heat ,
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cyclic(12+12-hour cycle)が,この規格と一致している。
IEC 60038:1983 IEC standard voltages
IEC 60050(151):1978 International Electrotechnical Vocabulary (IEV), Chapter 151 : Electrical and
magnetic devices
IEC 60050(441):1984 International Electrotechnical Vocabulary. Switchgear,controlgear and fuses
IEC 60051 Direct acting indicating analogue electrical measuring instruments and their accessories
IEC 60060-2:1994 High-voltage test techniques−Part 2:Measurring System
IEC 60417:1973 Graphical symbols for use on equipment−Index,survey and compilation of the single
sheets
IEC 60695-2-1/0:1994 Fire hazard testing , Part 2:Test methods,Section 1 /sheet 0: Glow-wire test methods,
General
IEC 60755:1983 General requirements for residual current operated protective device
IEC 61543:1995 Residual current-operated protective devices (RCDs) for household and similar use−
Electromagnetic compatibility
3. 定義 この規格に用いる主な用語の定義は,次による。
“電圧”又は“電流”の用語を使用する場合は,実効値を意味する。これ以外の場合,いずれかの方法
で規定する。
備考1. 記号の解説は,附属書IBを参照。
2. IEVの定義に関して,“device”又は“mechanical switching device”の語を用いている場合は
“RCBO”の語に置き換える。
3.1
充電部から大地に流れる電流に関する定義(definitions relating to currents flowing from live parts to
earth)
3.1.1
地絡電流(earth fault current) 絶縁不良によって大地に流れる電流。
3.1.2
漏えい電流(earth leakage current) 絶縁不良がない場合に,設備の充電部から大地に流れる電流。
3.1.3
脈流(pulsating direct current) 脈流波形[IEV 101-04-34]は, 定格周波数の各周期の間に,一波の休
止期間中0又は直流0.006 A以下の電流が,少なくとも150°の角度で現れている形態をもつ電流。
3.1.4
電流遅れ角α(current delay angle α) 位相制御による通電の遅れを,角度の単位で示した時間。
3.2
漏電遮断器の付勢に関する定義(definitions relating to the energization of residual current
circuit-breaker)
3.2.1
付勢量(energizing quantity) 単独又は他の同様な量と組み合わせて,規定条件の下で機能を満足さ
せるため漏電遮断器に与える電気的励起量。
3.2.2
付勢入力量(energizing input-quantity) 漏電遮断器を規定の条件の下で適用したとき,漏電遮断器
を動作させる付勢量。この状態は,ある種の補助要素の付勢であってもよい。
3.2.3
漏電電流(IΔ) [residual current(IΔ)] 漏電遮断器の主回路に流れる電流の瞬時値のベクトル和(実効
値で表す。)。
3.2.4
感度電流(residual operating current) 規定条件の下で漏電遮断器が動作する漏電電流の値。
3.2.5
漏電不動作電流(residual non-operating current) 規定条件の下で漏電遮断器が動作しない漏電電
流の値。
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3.2.6
漏電遮断器の漏電電流(IΔt) [residual current(IΔt) of an RCBO] タイプB,C,D又はJに従った瞬
時引外しの下限値での漏電電流[表2の注(3)参照]。
3.3
漏電遮断器の動作及び機能に関する定義(definition relating to the operation and function of residual
current circuit-breaker)
3.3.1
開閉機器(switching device) [IEV 441-14-01] 回路において,電流を投入又は遮断するために設計し
た機器。
3.3.2
機械式開閉機器(mechanical switching device) [IEV441-14-02] 開離できる接点を用いて,電気回路
を開閉するように設計した開閉機器。
3.3.3
ヒューズ(fuse)[IEV441-18-01] 種類に応じて仕様設計された部品の溶断機能を用いたもので,ある
一定時間の間電流がある一定値を超えるときにそれが挿入されている回路の電流を遮断することによって
開路する開閉機器。ヒューズは,完全な装置を構成するすべての部品を含める。
3.3.4
回路遮断器(circuit-breaker) [IEV441-14-20] 通常の回路条件の下で電流を投入,通電及び遮断する
ことができ,かつ,回路の短絡のような特定の異常回路条件の下での投入,規定した時間の通電及び遮断
能力をもつ機械式開閉機器。
3.3.5
漏電遮断器(residual current operated circuit-breaker) 通常の使用条件の下で電流を投入,通電及
び,遮断することができ,かつ,規定条件の下で漏電電流が規定値に達したとき,接点を開路動作するよ
うに設計した機械式開閉機器。
3.3.6
過電流保護なし漏電遮断器(RCCB) [residual current operated circuit-breaker without integral
overcurrent protection(RCCB)] 過負荷電流及び/又は短絡電流に対する保護機能をもたない漏電遮断
器。
3.3.7
過電流保護付漏電遮断器(RCBO) [residual current operated circuit-breaker with integral
overcurrent protection(RCBO)] 過負荷電流及び/又は短絡電流に対する保護機能をもつ漏電遮断器。
3.3.8
電源電圧非依存形漏電遮断器(RCBOs functionally independent of line voltage) 検出,比較及び動作
の機能が電源電圧に依存しない漏電遮断器。
備考 これらの機器は,IEC 60755の2.3.2では補助電源なしの漏電保護装置として定義している。
3.3.9
電源電圧依存形漏電遮断器(RCBOs functionally dependent on line voltage) 検出,比較及び動作の
機能が電源電圧に依存する漏電遮断器。
備考1. この定義は,IEC 60755の2.3.3の補助電源を要する漏電保護装置の定義に含まれる。
2. 電源電圧が検出,比較及び動作のために,漏電遮断器に印加されると解釈する。
3.3.10 漏電遮断器の動作時間(breake time of a RCBO) 漏電遮断器が動作する漏電電流が流れた瞬時か
ら,すべての極のアークが消滅したときまでの経過時間。
3.3.11 慣性不動作時間(limiting non-actuating time) 漏電遮断器が動作することなく,漏電不動作電流を
超えた漏電電流を漏電遮断器に流すことができる最大時延時間。
3.3.12 漏電遮断器の形式
3.3.12.1 時延形漏電遮断器(time-delay RCBO) 特定の漏電電流値に対応する慣性不動作時間が事前に設
定されている特別設計の漏電遮断器。
3.3.12.2 非時延形漏電遮断器(non time-delay RCBO) 特定の漏電電流値に対応する慣性不動作時間が事
前に設定されていない設計の漏電遮断器。
3.3.12.2.1 反限時形漏電遮断器(inverse speed residual operate RCBO) 動作時間が漏電電流の大きさに依
存する漏電遮断器。
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3.3.12.2.2 高速形漏電遮断器(high speed residual operate RCBO) 定格感度電流における動作時間が0.1秒
以内の漏電遮断器。
3.3.12.2.3 定限時形漏電遮断器(definite speed residual operate RCBO) 動作時間が漏電電流の大きさに依
存しない漏電遮断器。
3.3.12.3 高感度形漏電遮断器(low residual operating current type RCBO) 定格感度電流が30 mA以下の漏
電遮断器。
3.3.12.4 中感度形漏電遮断器(medium residual operating current type RCBO) 定格感度電流が30 mAを超
え1 000 mA以下の漏電遮断器。
3.3.13 閉路位置(closed position) [IEV 441-16-22] 漏電遮断器の主回路が規定の導通状態を保持している
位置。
3.3.14 開路位置(open position) [IEV 441-16-23] 漏電遮断器の主回路において,開離した接点が規定の空
間距離を確保している位置。
3.3.15 極(pole) 主回路を開閉する接点を備え,電気的に絶縁されている主回路の導電路を独立して組み
合わせた漏電遮断器の部分。ただし,取付け部分及び極を一体に操作する部分は除外する。
3.3.15.1 過電流引外し素子がある極(over current protected pole) 過電流引外しを備えた極(以下,素子あ
り極ともいう。)。
3.3.15.2 過電流引外し素子がない極(over current unprotected pole) 過電流引外しを備えていない極。た
だし,一般的には漏電遮断器の引外し素子がある極と同一性能をもつ(以下,素子なし極という。)。
備考1. この要求を確保するために,素子なし極は,素子あり極と同等の構造でもよく又は特別な構
造でもよい。
2. 素子なし極の短絡容量が素子あり極と異なる場合,製造業者はこれを表示しなければならな
い。
3.3.15.3 開閉専用中性極(switched neutral pole) 中性極を開閉するためだけの極で,短絡容量をもつこと
を意図していない極。
3.3.16 非遮断中性電路(uninterrupted neutral) 過電流遮断及び保護ができず,装置の中性極導体への接続
を意図した電流路。
3.3.17 主回路(漏電遮断器の)[main circuit(of a RCBO)] 電路(4.3参照)を含む漏電遮断器のすべての導電
部。
3.3.18 制御回路(漏電遮断器の) [control circuit(of a RCBO)] 漏電遮断器の閉動作若しくは開動作,又はそ
の両方に用いる主回路を除く回路。
備考 テスト装置のための回路は,この定義に含む。
3.3.19 補助回路(漏電遮断器の) [auxiliary circuit(of a RCBO)][IEV 441-15-04] 主回路及び制御回路を除
く漏電遮断器のすべての導電部。
3.3.20 AC形漏電遮断器(RCBO type AC) 急激に印加されても連続して増加されても,正弦波交流漏電電
流に対しての動作を保証する漏電遮断器。
3.3.21 A形漏電遮断器(RCBO type A) 急激に印加されても連続して増加されても,正弦波交流漏電電流
及び脈流漏電電流に対しての動作を保証する漏電遮断器。
3.3.22 テスト装置(test device) 規定の条件の下で漏電遮断器を動作させる漏電電流を模擬して流すため
に漏電遮断器内に組み込まれた装置。
3.4
付勢量の値及び範囲に関する定義(definitions relating to values and ranges of energizaing quantities)
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3.4.1
定格値(rated value)[IEV 151-04-03] 漏電遮断器の規定動作条件に対して,製造業者が指定する値。
3.4.2
過電流(overcurrent) 定格電流を超える電流。
3.4.2.1
過負荷電流(overload current) 電気的に損傷していない回路で発生する過電流。
備考 過負荷電流が長時間継続すると,損傷を生じるおそれがある。
3.4.2.1.1
越流(overshoot) 白熱電球を点灯したとき瞬時に流れる定常状態より大きな電流。
3.4.2.2
短絡電流(short-circuit current) 通常状態では電位差をもつ回路において,そのインピーダンス
が非常に小さい値の事故によって生じる過電流。
備考 短絡電流は故障又は誤結線によって生じる。
3.4.3
推定電流(prospective current) 漏電遮断器及び過電流引外し素子(ある場合)の主回路を無視でき
るほど小さいインピーダンスの導体で置き換えたとき,その回路に流れる電流。
備考 推定電流は,例えば,推定遮断電流,推定ピーク電流のように,実際の電流と同じようにみな
す。
3.4.4 推定ピーク電流(prospective peak current) 電流が流れ始める過渡期における推定電流のピーク値。
備考 この定義は,インピーダンスが瞬時に無限大から零に推移するような理想的な遮断器によって
電流が流れると仮定している。例えば,多相回路のように,電流が複数の異なる経路に流れる
回路に対しては,1極の回路だけとみなす電流であっても,ピーク電流は全極に同時に流れる
ことが推定される。
3.4.5
最大推定ピーク電流(交流回路において)[maximum prospective peak current(of an a.c. circuit)] 初
期電流が起こり得る最大値に達した瞬間の推定ピーク電流。
備考 多相回路の多極漏電遮断器では,最大の推定ピーク電流は1極だけを指す。
3.4.6
短絡(投入及び遮断)容量[short-circuit(making and breaking)capacity] 漏電遮断器が規定の条件の
下で投入でき,開極時間の間通電でき,かつ,遮断できるように設計されている,実効値で表される推定
電流の交流成分。
3.4.6.1
限界短絡遮断容量(ultimate short-circuit breaking capacity) 規定した試験シーケンスに従って遮
断した後で,不動作電流の0.85倍の電流を規定の動作時間の間通電できるという能力を含まないという規
定に対する遮断容量。
3.4.6.2
使用短絡遮断容量(service short-circuit breaking capacity) 規定した試験シーケンスに従って遮
断した後で,不動作電流の0.85倍の電流を規定の動作時間の間通電できるという能力を含むという規定に
対する遮断容量。
3.4.6.3
コード短絡保護用瞬時遮断機能(Instantaneous trip level for short circuit protection of
power-supply cords) 機器コードの絶縁被覆の劣化によって心線が線間接触して短絡状態になったとき,
周辺可燃物への着火による火災の発生を抑えるため,コードに流れる短絡電流を一定の領域以下で瞬時に
遮断する機能をいう。
3.4.7
遮断電流(breaking current)[IEV 441-17-07] 遮断動作の間においてアークが発生した時点での漏
電遮断器の1極に流れる電流。
備考 交流の場合は実効値で表す。
3.4.8
給与電圧(applied voltage)[IEV 441-17-24] 漏電遮断器を投入する直前の電圧で,漏電遮断器の極の
端子間に存在する電圧。
備考 この定義は単極漏電遮断器に規定しており,多極漏電遮断器の場合では,給与電圧は漏電遮断
器の電源端子間の電圧である。
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3.4.9
回復電圧(recovery voltage)[IEV 441-17-25] 電流遮断後,漏電遮断器の極の端子間に存在する電圧。
備考1. この電圧は,二つの連続する期間から成っているとみなせる。第1の期間は過度電圧が存在
する期間であり,第2の期間は電力周波数からなる電圧だけが存在する期間である。
2. この定義は,単極漏電遮断器に適用する。多極漏電遮断器の場合は,回復電圧は漏電遮断器
の電源側端子間の電圧である。
3.4.9.1 過渡回復電圧(transient recovery voltage)[IEV 441-17-26] 過渡特性が生じている期間の回復電圧。
備考 過渡電圧は,回路の特性及び漏電遮断器の特性によって,振動,非振動,又はこれらの組み合
せとなる。過渡電圧には,多相回路の中性点の電圧シフトも含まれる。
3.4.9.2
商用周波回復電圧(power-frequency recovery voltage) [IEV441-17-27] 過渡電圧現象が収束後の
回復電圧。
3.4.10 開極時間(opening time) 閉路位置にある遮断器の主回路の電流が過電流引外し装置の動作値に達
した瞬間から,アークを発生する接点がすべての極において開離するまでの時間。
備考 開路時間は,一般には動作時間とみなす。厳密にいえば,動作時間は引外し指令が出て引外し
機構が復帰できなくなった瞬間から開離を開始するまでの時間に適用する。
3.4.11 アーク時間(arcing time)
3.4.11.1 単極のアーク時間(arcing time of a pole)[IEV 441-17-37] アークが発生した瞬間からアークが消
滅するまでの時間。
3.4.11.2 多極漏電遮断器のアーク時間(arcing time of a multipole RCBO)[IEV 441-17-38] 最初のアークが
始まった瞬間から全極のアークが最終的に消滅するまでの時間。
3.4.12 遮断時間(break time)(過電流の場合) 過電流の場合,漏電遮断器の開路時間の始めから,アーク時
間の終わるまでの時間。
備考 この定義は,IEV 441-17-39を基本とした。
3.4.13 I2t (ジュール積分) (joule integral) [IEV 441-18-23] 規定時間内(t0,t1)に流れる電流の二乗積分値。
∫
=
1
0
2
2
t
t
dt
i
t
I
3.4.14 漏電遮断器のI2t特性(I2t characteristic of a RCBO) 所定の動作条件の下において推定電流の関数
として,I2tの最大値を示す曲線。
3.4.15 直列に接続した過電流保護装置間の協調(co-ordination between overcurrent protective device in
series)
3.4.15.1 選択限界電流(IS)[selectivity-time current(IS)] 協調において下位の保護装置の最大遮断時間−電
流特性と,上位の保護装置の短時間許容特性(ヒューズの場合),又は遮断(回路遮断器の場合)時間−電流特
性とが交差した点の電流。
備考1. 選択限界電流は,次の電流の限界値である。
− 選択限界電流以下では,直列接続した2台の過電流保護装置で,負荷側の保護装置は他
の保護装置の動作より短時間でその遮断動作を完了する(選択可能)。
− 選択限界電流超過では,直列接続した2台の過電流保護装置で,負荷側の保護装置は他
の保護装置の動作より短時間でその遮断動作を完了しない(選択不可)。
2. I2t特性を,時間−電流特性の代わりに用いてもよい。
3.4.15.2 テークオーバ電流(IB)[take-over current(IB)] 協調において二つの過電流保護装置の最大遮断時
間−電流特性が交差した点の電流。
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備考1. テークオーバ電流とは,直列接続された二つの過電流保護装置において,一つの保護装置が
かならずしも電源側にある必要はないが,その値以上の電流が流れたとき,他の保護装置に
対してバックアップ遮断を行う電流の限界値である。
2. I2t特性を,動作時間−電流特性の代わりに用いてもよい。
3.4.16 不動作電流(Int)[conventional non-tripping current(Int)][IEV 441-17-22] 漏電遮断器が遮断すること
なく,規定の時間(規約時間)通電できる電流の規定値。
3.4.17 動作電流(It) [conventional tripping current(It)][IEV 441-17-23] 漏電遮断器が規定の時間(規約時
間)内に遮断する電流の規定値。
3.4.18 瞬時引外し電流(instantaneous tripping current) 漏電遮断器が意図的な時間遅れなしで動作させ
る電流の最小値。
3.4.19 空間距離(clearance) 二つの導電部品間の空間の最短距離(附属書B参照)。
備考 容易に接触できる部分との空間距離を決定する目的のために,絶縁物の外郭で人が触れること
ができる表面は,手又は付図3に示した標準試験指で接触できる部分すべてを金属はく(箔)で
覆い,あたかも導電部とみなす。
3.4.20 沿面距離(creepage distance) 二つの導電部間の絶縁材料の表面に沿う最短距離(附属書B参照)。
備考 容易に接触できる部分との沿面距離を決定するためには,絶縁物の外郭で人が触れることので
きる表面は,手又は図3に示す標準試験指で接触できる部分すべてを金属はく(箔)で覆い,あた
かも導電部とみなす。
3.4.21 主回路の不動作過電流(non-operatng overcurrents in main circuit) 不動作過電流の限界値の定義
は,3.4.21.1及び3.4.21.2に示す。
備考 主回路に過電流があり,漏電電流がない場合,漏電検出装置の動作は,漏電検出部自身の内部
に発生する不平衡の結果として起こってもよい。
3.4.21.1 2 電路漏電遮断器に単相負荷を通電する場合の過電流の限界値(limiting value of overcurrent in
case of a load through a RCBO with two current paths) フレーム又は大地へのいかなる漏れもなく,また,
漏電電流もない場合に,漏電遮断器が遮断することなく二つの電路に通電をすることができる負荷の過電
流の最大値。
3.4.21.2 3 極及び 4 極漏電遮断器に通電する単相負荷の場合の過電流の限界値(limiting value of
overcurrent in case of single phase load through a three-pole or four-pole RCBO) フレーム又は大地へのい
かなる漏れもなく,また,漏電電流もない場合に,3極及び4極漏電遮断器が遮断することなく通電する
ことができる単相負荷の過電流の最大値。
3.4.22 漏電投入及び遮断容量(residual making and breaking capacity) 使用及び動作の規定条件の下で,
漏電遮断器が投入でき,開極時間までの間,通電でき,かつ,遮断できる推定漏電電流の交流成分の値。
3.4.23 電源電圧依存形漏電遮断器に対する電源電圧の限界値(Ux及びUy)[limiting values(Ux and Uy)of the
line voltage for RCBOs functionally dependent on line voltage]
3.4.23.1 Ux 電源電圧が低下した場合に,電源電圧依存形漏電遮断器が規定条件の下でまだ操作できる電
源電圧の最小値(9.17.1参照)。
3.4.23.2 Uy 漏電電流がない場合に,電源電圧依存形漏電遮断器が,その値以下になると自動的に開路す
る電源電圧の最小値。
3.5
影響を与える量の値及び範囲に関する定義(definitions relating to values and ranges of influencing
quantities)
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3.5.1
影響を与える量(influencing quantity) 漏電遮断器の規定の操作を制限するようなすべての量。
3.5.2
影響を与える量の指示値(reference value of an influencing quantity) 特性に関して影響を与える製
造業者が示す量の値。
3.5.3
影響を与える量の指示条件(reference conditions of influencing quantities) 集合的に,すべての影響
を与える量の指示値。
3.5.4
影響を与える量の範囲(range of an influencing quantity) 漏電遮断器が規定条件の下で動作するた
めに許される影響を与える量の値の範囲であり,他の影響を与える量はこれらの指示値をもっている。
3.5.5
影響を与える量の極端な範囲(extreme range of an influencing quantity) 漏電遮断器はすべての要
求に応じる必要はないが,漏電遮断器が耐えられる単なる自然の可逆的変化の中で影響を与える量の値の
範囲。
3.5.6
周囲温度(ambient air temperature)[IEV 441-11-13] 規定する条件の下で決まる漏電遮断器の周囲
の大気温度。
備考 箱入り漏電遮断器については,箱の外側の温度である。
3.5.7
基準周囲温度(reference ambient air temperature) 時間−過電流特性の基準となる周囲温度。
3.6
端子に関する定義(definitions relating to terminals)
備考 (原国際規格の規定を採用しない。)
3.6.1
端子(terminal) 外部回路への電気的接続を繰り返し行えるようにした,漏電遮断器の導電部分。
3.6.2
ねじ式端子(screw-type terminal) 各種のねじ又はナットを用いて直接又は間接的に導体の接続及
び取外し又は2本以上の導体の相互接続ができる端子(ねじ式端子は,附属書ICに示す端子の総称である。)。
3.6.3
ピラー端子(pillar terminal) (箱形端子又はソルダレス端子) 導体を孔又は空洞に差し込み,ねじの
先端で締め付ける方式のねじ式端子の一種。締付け圧力をねじの先端から直接加えるか,又は,ねじの軸
の圧力を中間の締付け金具を介して加えるもの。
備考 ピラー端子の例は,附属書IC付図IC.1に示す。
3.6.4
ねじ端子(screw terminal) 導体がねじの頭で締め付ける方式のねじ式端子の一種。締付け圧力をね
じの頭で直接加えるか,又は,座金,当て金,電線のばらけ防止金具などの中間部品を介して加えるもの。
備考 ねじ端子の例は,附属書IC付図IC.2に示す。
3.6.5
スタッド端子(stud terminal) 導体をナットの下で締め付ける方式のねじ式端子の一種。締付け圧
力を適切な形のナットで直接加えるか,又は,座金,当て金,電線のばらけ防止金具などの中間部品を介
して加えるもの。
備考 スタッド端子の例は,附属書IC付図IC.2に示す。
3.6.6
サドル端子(stud terminal) 導体を二つ以上のねじ又はナットによって,サドルの下で締め付ける
方式のねじ式端子の一種。
備考 サドル端子の例は,附属書IC付図IC.3に示す。
3.6.7
ラグ端子(lug terminal) ねじ又はナットで導体接続用ラグ又は銅帯を締め付けるように設計した
ねじ端子又はスタッド端子。
備考 ラグ端子の例は,附属書IC付図IC.4に示す。
参考 圧着端子又は銅帯接続端子ともいう。
3.6.8
ねじなし端子(screwless terminal) 絶縁被覆のはぎ取り以外は処理をしない導体を板ばね,くさび,
偏心器(円運動を前後運動に変えるもの),円柱形状などを用いて直接又は間接的に導体の接続及び取外し,
又は,2本以上の導体の相互接続ができる端子。
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3.6.9
タッピンねじ(tapping screw) 孔にねじ込んで使用したとき,ねじ山を形成するねじ。このねじの
端部は,ねじ山の谷径に適合するテーパ部をもつテーパねじで構成され,テーパ部のねじ山数を超える十
分な回転の後に,ねじが確実に形成できるように作られている。
3.6.10 ねじ山転造タッピンねじ(thread forming tapping screw) 連続したねじ山をもつタッピンねじ。こ
のねじ山の機能は,孔から材料を除去するものではない。
備考 付図1にねじ山転造タッピンねじの一例を示す。
3.6.11 ねじ山切削タッピンねじ(thread cutting tapping screw) 断続したねじ山をもつタッピンねじ。この
ねじ山の機能は,孔から材料を取り除くことを意図している。
備考 付図2にねじ山切削タッピンねじの一例を示す。
3.7
操作条件(condition of operation)
3.7.1
操作(operation) 開路位置から閉路位置へ,又は,その逆への可動接点の移動。
備考 区別が必要な場合,電気的意味での操作(投入又は遮断)は開閉操作として定義し,機械的意味で
の操作(閉又は開)は機械的操作として定義する。
3.7.2
閉操作(closing opration) [IEV 441-16-08] 漏電遮断器を開路位置から閉路位置まで移動させる操
作。
3.7.3
開操作(opening opration) [IEV 441-16-09] 漏電遮断器を閉路位置から開路位置まで移動させる操
作。
3.7.4
直接手動操作(dependent manual operation) [IEV 441-16-13] 操作の速さ及び力が,操作者の操作に
依存するような,人が直接エネルギーを加えるだけの操作。
3.7.5
間接手動操作(independent manual operation) [IEV 441-16-16] 一連の操作中に蓄積及び引外しを
する蓄積エネルギー操作で,人力がエネルギー源となるもの。その操作の速さ及び力が操作者の操作には
依存しないもの。
3.7.6
引外し自由漏電遮断器(trip-free RCBO)[IEV 441-16-31] 閉動作が開始された後,閉の指令が維持
されていても,自動開動作の指令によって開路位置に戻り,かつ,そのまま開の状態を保持するようにな
っている可動接点をもつ漏電遮断器。
備考 ある電流を流して遮断を確実にするため,接点は瞬間的に閉路位置になることが必要であって
もよい。
3.7.7
操作サイクル(operating cycle) [IEV 441-16-02] ある位置から他の位置への操作,その他の位置が
あるときは,それらすべての位置を経て,最初の位置に戻る操作の継続。
3.7.8
操作のシーケンス(sequence of operation) 定められた動作間隔で進行するようにした,規定の動作
の継続。
3.7.9
連続通電責務(uninterrupted duty) 漏電遮断器の主接点が閉路状態で長期間遮断なしで定常電流
を通電する責務 (長期間とは何週間,何か月又は何年さえもあり得る。)。
3.8
構成の主要部品又は要素(constructional elements)
3.8.1
主接点(main contact)[IEV 441-15-07] 漏電遮断器の主回路に用いられ,閉路位置で主回路の電流が
流れるようになっている接点。
3.8.2
アーク接点(arcing contact) アークを形成するために設けた接点。
備考 アーク接点は主接点として使用してもよい。アーク接点は,他の接点と分離してもよく,その
動作は,他の接点の損傷を防ぐ目的で他の接点が開いた後に開き,他の接点が閉じる前に閉じ
るように設計されている。
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3.8.3
制御接点(control contact)[IEV 441-15-09] 漏電遮断器の制御回路に設けた接点で,漏電遮断器によ
って機械的に動作する接点。
3.8.4
補助接点(auxiliary contact) [IEV 441-15-10] 漏電遮断器の補助回路に設けた接点で,漏電遮断器に
よって機械的に動作する接点(例えば,接点の位置を表示するためのもの。)。
3.8.5
引外し装置(release)[IEV 441-15-17] 漏電遮断器に機械的に連結した(又は内蔵した)装置で,漏電遮
断器の保持機構を引外し,漏電遮断器を自動開路させる装置。
備考 IEVの定義では,閉路に対しても定義されている。
3.8.6
過電流引外し(overcurrent release)[IEV 441-16-33] 引外し装置の電流が規定値を超過したときに,
時延又は時延なしで漏電遮断器を開路させる引外し装置。
備考 場合によっては,この値は,電流の上昇率によってもよい。
3.8.7
反限時過電流引外し装置(inverse time-dely overcurrent release)[IEV 441-16-35] 過電流の値の増加
に対して,動作時間が短くなる過電流引外し装置。
備考 このような引外し装置の時延は,過電流の高い値に対して一定の最低値に近付くように,設計
していてもよい。
3.8.8
直接過電流引外し装置(direct overcurrent release) [IEV 441-16-36] 漏電遮断器の主回路の電流に
よって直接付勢される過電流引外し装置。
3.8.9
過負荷引外し装置(overload release) [IEV 441-16-38] 過負荷に対する保護を目的とした過電流引
外し装置。
3.8.10 導電部(conductive part)[IEV 441-11-09] 通常の使用時において電流を必ずしも通電しなくてもよ
いが,電気を導通させる機能がある部分。
3.8.11 露出導電部(exposed conductive part) [IEV 441-11-10] 容易に人の接触が可能で,通常は充電部には
なっていないが,故障したとき充電部となり得る導電部。
3.9
試験(tests)
3.9.1
形式試験(type test)[IEV 151-04-15] 設計が要求事項に対して適合していることを証明するために,
1台又は複数台の漏電遮断器で実施する試験。
3.9.2
受渡試験(routine tests)[IEV 151-04-16] 定められた基準に従っているかどうかを確認するために
製造中又は製造後において,個々の漏電遮断器で実施する試験。
4. 分類 漏電遮断器の分類は,次による。
4.1
動作方式による分類
備考 種々の形式の選定は在来電気設備規定(1.参照)又はJIS C 0364シリーズによる。
4.1.1
電源電圧非依存形漏電遮断器 (3.3.8参照)
4.1.2
電源電圧依存形漏電遮断器 (3.3.9参照)
4.1.2.1
時延の有無にかかわらず,電源電圧の喪失時に自動開路 (8.12参照)
a) 電源電圧が復電時に自動的に再閉路。
b) 電源電圧が復電時に自動的に非再閉路。
4.1.2.2
電源電圧の喪失時に非自動開路
a) 電源電圧の喪失時に発生する異常状態(例えば,地絡によって)の場合に動作できる(要求事項は,検討
中)。
b) 電源電圧の喪失時に発生する異常状態(例えば,地絡によって)の場合に動作できない。
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4.2
施工方式による分類
− 屋内配線用据付形漏電遮断器
− コード接続用可搬形漏電遮断器
4.3
極及び電路の数による分類
− 単極1素子漏電遮断器と非遮断中性電路(3.3.16参照)付(単極2電路)
− 2極1素子漏電遮断器
− 2極2素子漏電遮断器
− 3極2素子漏電遮断器
− 3極3素子漏電遮断器
− 3極3素子漏電遮断器と非遮断中性電路付(3極4電路)
− 4極3素子漏電遮断器
− 4極4素子漏電遮断器
備考 過電流引外し極(3.3.15.1参照)でない極は,次をいう。
−“素子なし極”(3.3.15.2参照)
−“開閉専用中性極”(3.3.15.3参照)
4.4
感度電流可調整による分類
− 感度電流が単一の漏電遮断器
− 段階切換えによる感度電流可調整の漏電遮断器(5.2.3の備考参照)
4.5
サージ電圧に対する不要動作耐量による分類
− 不要動作に対して一般的な耐力をもつ漏電遮断器(表2による反限時形,雷インパルス不動作性能をも
つものを含む。)
− 不要動作に対して十分な耐力をもつ漏電遮断器(表2による時延形)
4.6
直流成分が存在する場合の動作による分類
− AC形漏電遮断器
− A形漏電遮断器
4.7
時延(漏電電流での)動作による分類
− 非時延形漏電遮断器
反限時形
高速形
− 時延形漏電遮断器
反限時時延形(S形)
定限時時延形
4.8
外部の影響に対する保護による分類
− 箱入り形漏電遮断器(適切なエンクロージャを必要としない。)
− 開放形漏電遮断器(適切なエンクロージャとともに使用する。)
4.9
取付方法による分類
− 表面形漏電遮断器
− 埋込形漏電遮断器
− 分電盤取付形漏電遮断器,また,配電盤形も対象となる形式
備考 これらの形式は,レールに取り付けてもよい。
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4.10 接続方式による分類
− 電気的接続が機械的な取り付けと兼ねていない漏電遮断器
− 電気的接続が機械的な取り付けと兼ねている漏電遮断器
例 差込形,ボルトオン形
備考 負荷側端子を通常電線接続に適するようにし,電源側だけを差込形又はボルトオン形とする場
合もある。
4.11 瞬時引外し電流による分類(3.4.18参照)
− タイプB漏電遮断器
− タイプC漏電遮断器
− タイプD漏電遮断器
− タイプJ漏電遮断器
4.12 I2t特性による分類 5.に従って製造業者が提供するI2t特性によって分類をしてもよい。
4.13 感度電流の大きさによる分類
− 高感度形漏電遮断器
− 中感度形漏電遮断器
4.14 電気設備規定による分類
JIS C 0364によって施工する建築電気設備用漏電遮断器(附属書1の漏電遮断器)
在来電気設備規定によって施工する電気設備用漏電遮断器(附属書2の漏電遮断器)
5. 漏電遮断器の特性
5.1
特性項目 漏電遮断器の特性項目を,次の用語で規定しなければならない。
− 施工の方式(4.2参照)
− 極数及び回路数(4.3参照)
− 定格電流 In(5.2.2参照)
− 定格感度電流IΔn(5.2.3参照)
− 定格漏電不動作電流(5.2.4参照)
− 定格電圧Un(5.2.1参照)
− 定格周波数(5.2.5参照)
− 定格短絡遮断容量Icn(5.2.6参照)
− 定格漏電投入及び遮断容量IΔm(5.2.7参照)
− 時延,ただし,適合する場合(5.2.8参照)
− 直流成分を含む漏電電流での動作特性(5.2.9参照)
− 空間距離及び沿面距離を含む絶縁協調(5.2.10参照)
− 取付方法(4.9参照)
− 接続方式(4.10参照)
− 瞬時引外し電流の範囲(4.11参照)
− I2t 特性の分類(4.12参照)
− 保護等級(JIS C 0920 参照)
電源電圧依存形漏電遮断器の場合は,次の用語で規定しなければならない。
− 電源電圧喪失時の漏電遮断器の動作(4.1.2参照)
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5.2
定格値及びその他の特性
5.2.1
定格電圧
5.2.1.1
定格使用電圧(Ue) 漏電遮断器の定格使用電圧(以下,定格電圧という。)は,その特性の基準とな
る製造業者が指定する電圧値である。
備考 同一の漏電遮断器で,多数の定格電圧と組み合わせた定格短絡容量を指定してもよい。
5.2.1.2
定格絶縁電圧(Ui) 漏電遮断器の定格絶縁電圧は,耐電圧試験の電圧及び沿面距離の基準となる
製造業者が指定する電圧値である。
特に指定がない限り定格絶縁電圧は,漏電遮断器の最大定格電圧値とする。最大定格電圧は,いかなる
場合でも定格絶縁電圧を超えてはならない。
5.2.2
定格電流(In) 基準周囲温度において,漏電遮断器が電流を遮断することなく(3.7.9参照)通電でき
る製造業者が指定する電流値。
附属書1の漏電遮断器の標準の基準周囲温度は30 ℃である。附属書2の漏電遮断器の標準の基準周囲
温度は25 ℃又は40 ℃である。漏電遮断器に対して異なる基準周囲温度を使用する場合には,その影響に
ついて配慮が必要である。
5.2.3
定格感度電流(IΔn) 製造業者が指定する感度電流値(3.2.4参照)で,漏電遮断器が規定条件の下で動
作しなければならない値。
備考 感度電流可調整形漏電遮断器においては,最も大きい設定値とする。
5.2.4
定格漏電不動作電流(IΔno) 製造業者が指定する慣性不動作電流値(3.2.5参照)で,漏電遮断器が規
定条件の下で動作してはならない値。
5.2.5
定格周波数 漏電遮断器が設計され,そしてその他の特性が対応する電力周波数である。
備考 同一の漏電遮断器に,複数の定格周波数を指定してもよい。
5.2.6
定格短絡遮断容量(Icn) 製造業者が指定する限界短絡遮断容量(3.4.6.1参照)の値。
備考 定格短絡遮断容量をもつ漏電遮断器は,附属書2の漏電遮断器を除いて,対応する使用短絡遮
断容量(Ics)をもたなければならない(附属書1表18参照)。
5.2.7
定格漏電投入及び遮断容量(IΔm) 漏電遮断器が規定条件の下で投入,通電及び遮断することがで
きる,製造業者が指定する推定漏電電流(3.2.3及び3.4.3)の交流成分の実効値。
その条件を附属書1の9.12.13に規定する。
5.2.8
時延形漏電特性
5.2.8.1
S形漏電遮断器 表2の関連部分に従った反限時時延形漏電遮断器(3.3.12参照)。
5.2.8.2
定限時時延形漏電遮断器 表2の関連部分に従ったS形漏電遮断器とは異なる時延形漏電遮断器
(3.3.12参照)。
5.2.9
直流成分を含む漏電電流の場合の動作特性
5.2.9.1
AC形漏電遮断器 正弦波交流漏電電流が急激に印加されても連続して増加されても確実に動作
する漏電遮断器。
5.2.9.2
A形漏電遮断器 正弦波交流漏電電流及び脈流漏電電流が急激に印加されても連続して増加され
ても確実に動作する漏電遮断器。
5.2.10 空間距離及び沿面距離を含む絶縁協調 空間距離及び沿面距離を附属書1の8.1.3及び附属書2の
8.1.3に規定する。
備考 (原国際規格の規定を採用しない。)
5.3
標準値及び推奨値
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5.3.1
定格電圧の推奨値 定格電圧の推奨値を,次に示す。
漏電遮断器
漏電遮断器の電源回路
定格電圧 V
単極 2電路
単相2線式 電圧相及び接地中間線
100
単相2線式 電圧相及び接地側線
100,200
単相2線式 電圧相及び中性線
240
2極 1素子
単相2線式 電圧相及び接地中間線
100
単相2線式 電圧相及び接地側線
100,200
単相2線式 電圧相及び中性線
240
2極 2素子
単相2線式 電圧相及び接地中間線
100
単相2線式 電圧相及び接地側線
100,200
単相2線式 電圧相及び中性線
240
単相2線式 電圧相及び電圧相
200,415
単相2線式 電圧相及び電圧相
(中性点接地式)
100/200
3極 2素子
単相3線式
100/200
3極 3素子
単相3線式
100/200
三相3線式
200,415
4極 3素子又は4素子
3極 4電路
三相4線式
415
240/415
備考1. 接地中間線とは,電源の中間に設けた極(例,単相3線式の中性極)へ接続する線を示す。
中間線とは,単相3線式配線における1相の中間点から引き出される電線。
我が国では,一般に中性点及び中性線といわれている。欧州などで一般的に星形結線から引出さ
れる三相4線式の中性線と我が国で多く採用されているV結線,三相4線などの1相における中
間点引出しとの混同を避けるために中間線という用語を用いたものである。IECのほかの規格で
は直流配電方式の場合を含め中間線という用語が用いられている。
2. 接地側線とは,電源の片側で電圧相でない方を示す。接地側電線とは,低電圧電路において技術
上の必要によって接地された側の電線。
3. 中性線とは,三相3線式電源のスター結線の中性点へ接続する線を示す。
4. この規格にある240 V又は415 Vは,230 V又は400 Vへ各々置き換えて適用してもよい。
5. この表の電源回路及び定格電圧は,対地電圧が300 Vを超えないシステムに適用する。
5.3.2
定格電流(In)の推奨値 定格電流の推奨値は,次による。
3‐5‐6‐8‐10‐13‐15‐16‐20‐25‐30‐32‐40‐50‐60‐63‐75‐80‐100‐120 - 125‐150(A)
5.3.3
定格感度電流(IΔn)の標準値 定格感度電流の標準値は,次による。
0.005‐0.006‐0.01‐0.015‐0.03‐0.05‐0.1‐0.2‐0.3‐0.5‐1(A)
備考 (原国際規格の規定を採用しない。)
5.3.4
定格漏電不動作電流(IΔno)の標準値 定格漏電不動作電流値は,0.5 IΔnとする。
備考 脈流漏電電流に対する慣性不動作電流は,電流遅れ角α(3.1.4参照)に依存する。
5.3.5
定格周波数の標準値 定格周波数の標準値は,50 Hz及び60 Hzとする。
5.3.6
定格短絡遮断容量の値
5.3.6.1
10 000 A以下の標準値 定格短絡遮断容量の10 000 A以下の標準値は,表1による。
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表 1 定格短絡遮断容量の標準値
1 000 A
1 500 A
2 500 A
3 000 A
4 500 A
5 000 A
6 000 A
7 500 A
10 000 A
備考 (原国際規格の規定を採用しない。)
対応する力率の範囲は,9.12.5に規定する。
5.3.6.2
10 000 Aを超えて25 000 A以下の推奨値 定格短絡遮断容量の10 000 Aを超え25 000 A以下の
推奨値は,次による。
14 000‐15 000‐18 000‐20 000‐22 000‐25 000(A)
対応する力率の範囲は,9.12.5に規定する。
5.3.7
定格漏電投入及び遮断容量(IΔm)の最小値 定格漏電投入及び遮断容量IΔmの最小値は,10 In 又は
500 Aのいずれか大きい値とする。対応する力率を,9.12.5に示す。
5.3.8
漏電状態の下での動作時間及び慣性不動作時間の標準値 AC形漏電遮断器の最大動作時間
(3.3.10)及び慣性不動作時間(3.3.11)標準値は,表2による。
表 2 漏電状態の下での動作時間及び慣性不動作時間の標準値
形式
In
A
IΔn
A
漏電電流(IΔ)における動作時間(秒)
及び慣性不動作時間(秒)の標準値
IΔn
2 IΔn
5 IΔn(1)
5 A,10 A,20 A,
50 A,100 A,
200 A,500 A(2)
IΔt(3)
高速形
全定格
全定格
0.10
−
−
−
0.10
最大動作時間
定限時時
延形
全定格
全定格
−
2.00
−
−
2.00
最大動作時間
−
0.10
−
−
−
最小慣性不動作時間(4)
反限時形
全定格
全定格
0.30
0.15
0.04
0.04
0.04
最大動作時間
反限時時
延形
≧ 25
>0.03
0.50
0.20
0.15
0.15
0.15
最大動作時間
0.13
0.06
0.05
−
0.04
最小慣性不動作時間
注(1) 反限時形漏電遮断器は,定格感度電流30 mA以下の場合5IΔnの代わりに0.25 Aでもよい。
(2) 5 A,10 A,20 A,50 A,100 A,200 A及び500 Aの試験は,9.9.1.2 d)で規定する正常動作の検証のときだけ
行う。ただし,瞬時引外し電流(表3参照)の下限値を超える値の試験は行わなくてもよい。
(3) IΔtの試験は,タイプB,C,D,Jに従った瞬時引外し電流の下限値で行う。
(4) 2IΔnにおける慣性不動作時間の推奨値は,0.1秒,0.2秒,0.3秒,0.4秒,0.5秒,1秒とする。なお,この
他の値は,製造業者が指定する。
備考 動作時間は,この規格のほかの箇条において特に規定がない場合は,上表を適用する。
A形漏電遮断器の場合,表2の最大動作時間を適用する。ただし,IΔn,2 IΔn,5 IΔn,0.25 A,500 Aの
電流値は,9.21.1の試験に対しては係数を乗じるものとし,IΔn>0.01 Aの漏電遮断器ではその係数を1.4
とし,IΔn≦0.01 Aの漏電遮断器ではその係数を2とする。
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5.3.9
瞬時引外しの標準範囲 瞬時引外しの標準範囲を表3に示す。
表 3 瞬時引外しの範囲
タイプ
範囲
B
C
D
J(2)
3 Inを超え,5 In以下
5 Inを超え,10 In以下
10 Inを超え,20 In以下(1)
瞬時引外し動作があるものは,製造業者による範囲
注(1) 特別の場合は,50 Inまでの値を使用してもよい。
(2) 瞬時引外し動作がないものを含む。
5.3.10 定格インパルス耐電圧(Uimp)の標準値 付表X1に定格インパルス耐電圧(Uimp)を宣言する漏電遮断
器に対する設備の公称電圧の機能としての定格インパルス耐電圧の標準値を示す。附属書1で規定する漏
電遮断器は,定格インパルス耐電圧(Uimp)の宣言は必す(須)である。附属書2で規定する漏電遮断器は,定
格インパルス耐電圧(Uimp)の宣言は製造業者の選択である。
6. 表示及び他の製品情報 漏電遮断器には,容易に消えない方法で,次の事項のすべて又は小形機器に
対しては一部を表示しなければならない。
a) 製造業者名又は商標
b) 製品区分
1) 形式,カタログ番号又は製造番号
2) 規格番号:JIS C 8222
3) 漏電遮断器の種別:
附属書1又は附属書2のいずれかに規定するものと明確に分かる表示とする。
例:附属書1には,“附属書1”,“Annex1”,“Ann1”など
例:附属書2には,“附属書2”,“Annex2”,“Ann2”など
c) 定格電圧
d) 定格電流
1) 瞬時引外し記号:タイプB,C又はDは,記号B,C又はDの後に定格電流値を記号“A”を付け
ないで表示する。
例 B16
2) 瞬時引外し記号:タイプJは,定格電流値の後に“A”を付けて表示する。
例 20A
e) 定格周波数(50 Hz専用品,60 Hz専用品などのように一つの周波数に対してだけ設計されているも
の)(5.3.5参照)
f)
定格感度電流
g) 感度電流可調整形の場合の感度電流値
h) アンペア又はキロアンペア(kA)単位の定格短絡遮断容量
i)
(原国際規格の規定を採用しない。)
j)
基準周囲温度
k) 防じん(塵)・防水の保護等級(IP20と異なる場合だけ)
l)
必要な場合は,その使用場所(IEC 60051に従った記号)
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m) 定格漏電投入及び遮断容量,定格短絡遮断容量と異なる場合
n) S形の場合の記号 “S” (四角の中のS)
o) 電源電圧依存形漏電遮断器場合は,その表示(検討中)
p) (原国際規格の規定を採用しない。)
q) テスト装置の操作手段を“テストボタン”の語句又は記号“T”などで示す。
r) 結線図
s)
直流成分を含む漏電電流が存在する場合の動作特性(附属書2のものは表示しなくてもよい。)
− AC形漏電遮断器の記号
− A形漏電遮断器の記号
t)
適用電線
附属書1:“70 ℃電線”又は“70 ℃ Cable”
附属書2:“60 ℃電線”又は“60 ℃ Cable”
u) 定格インパルス耐電圧(Uimp)の値(定格インパルス耐電圧を宣言する漏電遮断器に適用)
v) 動作時間
w) 慣性不動作時間(定限時時延形の場合)
x) “コード短絡保護用瞬時遮断機能付”であることの字句。ただし,“遮断機能”又は,“遮断”は省略
してもよい。
表示は,漏電遮断器本体上に直接又は漏電遮断器に付随した銘板に行い,漏電遮断器を取り付けたとき
読みやすい場所に配置しなければならない。
小形の機器で,表示するべき前述のすべての情報を表示するスペースが十分にない場合,少なくともd),
f)及びq)の情報は,漏電遮断器を取り付けたときに読みやすい場所に表示しなければならない。a),b),c),
h) ,s),u)及びx)は,漏電遮断器の側面又は裏面であって,漏電遮断器を取り付けるまでの状態で読みや
すい場所に表示してもよい。r)の情報は,電源配線を接続する際に取り外すカバーの裏面に表示してもよ
い。残りの表示ができない情報は,製造業者が提供する資料に記述しなければならない。
この規格の漏電遮断器で断路機能への適合性がある場合は,記号 を製品に表示しなければ
ならない。
漏電遮断器(押しボタン操作方式の漏電遮断器を除く。)は,開路位置は記号“○(丸)”,“OFF”又は“切”
によって表示しなければならない。閉路位置は記号“|(短い直線)”,“ON”又は“入”によって表示しな
ければならない。これらの表示は,漏電遮断器を取り付けたとき,容易に見えなければならない。
備考1. 上記表示については,併記してもよい。
二つの押しボタンによって開閉操作する漏電遮断器は,開路操作専用に設計されている押しボタンは,
赤色及び/又は“○(丸)”,“OFF”又は“切”を表示しなければならない。
備考2. 上記表示については,併記してもよい。
赤色は,上記漏電遮断器の他の押しボタンに用いてはならない。
押しボタンが接点を閉路するために使用され,かつ,そのことが明確に識別できる場合には,その押し
込まれた位置は,閉路位置を表示しているとみなせる。
単一の押しボタンが接点を閉路及び開路することに使用され,かつ,そのことが識別できる場合には,
押し込まれた位置を保持している押しボタンは,閉路位置を表示しているとみなす。押しボタンが押し込
まれた位置に保持されない場合には,接点の開閉状態を表示する追加手段を設けなければならない。
電源側端子と負荷側端子とを区別することが必要な場合には,明確に表示しなければならない。[例 電
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源側は漏電遮断器に向かう矢印で,かつ,負荷側は漏電遮断器から離れる矢印で表示する。又は,相当す
る端子の近傍に“電源側”又は“Line”,及び,“負荷側”又は“Load”で明りょう(瞭)に表示をする。]
中性線用の端子は,文字“N”で表示しなければならない。差込接続式のものは“W”でもよい。単相3
線式の漏電遮断器は,中央端子を中性線端子とする。
保護導体用の端子は, [IEC 60417-5019 a)]の記号で表示しなければならない。
備考 (原国際規格の規定を採用しない。)
表示は,見やすい場所に容易に消えない方法で,かつ,容易に判読できなければならない。また,ねじ,
座金などの取り外せる部品に表示してはならない。
適合性は,外観検査及び9.3の試験によって判定する。
7. 標準使用及び取付条件
7.1
標準使用条件 この規格に適合する漏電遮断器は,表4に示す標準使用条件で使用できなければな
らない。
表 4 標準使用条件
影響を及ぼす量
標準適用範囲
指定値
試験許容範囲(6)
周囲温度(1),(7)
-5 ℃〜+40 ℃(2)
20 ℃
± 5 ℃
標高
2 000 m以下
−
−
相対湿度(40 ℃)
85 %(3)以下
−
−
外部磁界
どの方向に対しても,地球磁界の5倍以下 地球磁界
(4)
取付姿勢
製造業者が指定する姿勢のどの方向に対し
ても,許容範囲±2゜(5)
製造業者の
指定姿勢
どの方向に対しても
2゜
周波数
指定値の±5 %(6)
定格値
±2 %
正弦波のひずみ率
5 %以下
0 %
5 %
注(1) 24時間の平均温度は,35 ℃を超えてはならない。
(2) 更に厳しい気象条件の場合,範囲外の値は製造業者と使用者との合意によって許容する。
(3) 更に高い相対湿度は,より低い温度において認める(例えば,20 ℃で90 %)。
(4) 漏電遮断器を強い磁界の付近に設置するときは,追加の要求条件が必要になる。
(5) 漏電遮断器は,その機能を損なうようなエンクロージャの変形がないように取り付けできなければならな
い。
(6) 許容範囲は,関連試験において他に規定がなければ適用する。
(7) -20 ℃及び60 ℃の極端な温度範囲が保管及び輸送の際に想定されるので,漏電遮断器の設計時に考慮しな
ければならない。
7.2
取付条件 漏電遮断器は,製造業者の指定に従って取り付けられなければならない。
8. 構造及び動作に対する要求事項 附属書1及び附属書2に規定する。
9. 試験 附属書1及び附属書2に規定する。
21
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付表 X1 設備の公称電圧の機能に対する定格インパルス耐電圧
定格インパルス
耐電圧
Uimp
kV
設備の公称電圧
三相システム
V
接地中間点をもつ単相シ
ステム
V
単相システム
V
2.5(1)
―
100/200(2)
100
4(1)
200,240/415
100/200(2)
200
備考1. 絶縁を検証する試験電圧は,付表X2参照。
2. 開路接点間の断路距離を検証する試験電圧は,付表X3参照。
注(1) 標高2 000 mにおける開路接点の断路距離を検証するために,それぞれ3 kV及び5 kVの値を用いる(表
5及び付表X3参照)。
(2) 過電圧カテゴリレベルの基準によって選定することを考慮している。
付表 X2 9.7.7.1で試験していない部分へのインパルス耐電圧を検証するための試験電圧
定格インパルス耐電圧
Uimp
kV
対応する標高での試験電圧
U1.2/50 a.c.ピーク kV
海水面
200 m
500 m
1 000 m
2 000 m
2.5
2.9
2.8
2.8
2.7
2.5
4
4.9
4.8
4.7
4.4
4.0
付表 X3 試験を行う場所の標高と漏電遮断器の定格インパルス耐電圧とに関する断路への適合性を検証
するための開路接点間に印加する試験電圧
定格インパルス耐電圧
Uimp
kV
対応する標高での試験電圧
U1.2/50 a.c.ピーク kV
海水面
200 m
500 m
1 000 m
2 000 m
2.5
3.5
3.5
3.4
3.2
3.0
4
6.2
6.0
5.8
5.6
5.0
付図 1 ねじ山転造タッピンねじ(3.6.10)
付図 2 ねじ山切削タッピンねじ(3.6.11)
22
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単位 mm
明示した以外の寸法許容差は,次による。
角度:
10'
0'
−
直線寸法
25 mm以下の場合:005
.0
−
25 mmを超える場合:±0.2
標準試験指の材質:例えば,熱処理鋼
標準試験指の両方の関節部分は,片側の一方向に90°
0
10°
+
の範囲で曲げることができ,かつ,同一方向だけに曲
げることができなければならない。ピン及び溝を使用することは,曲げ角度を90°に制限するための唯一可能な解
決に近づく方法である。
このような理由で,詳細な寸法及び許容差が図面に規定していない。
実際の設計では,0°〜+10°の許容差で曲げ角度90°を確保しなければならない。
付図 3 標準試験指(附属書1及び附属書2の9.6)
23
C 8222:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
S
: 電源
V
: 電圧計
A
: 電流計
S1
: 全極スイッチ
S2
: 単極スイッチ
S3
: 1相を除いた全相操作スイッチ
D
: 供試漏電遮断器
R
: 可変抵抗器
備考 S3は,附属書1の9.17.3の試験以外は閉路しておかなければならない。
付図 4a 動作特性(附属書1及び附属書2の9.9.1),引外し自由機構(附属書1及び附属書2の9.11),電
源電圧依存形漏電遮断器に対する,電源電圧喪失時の動作(附属書1の9.17.3及び9.17.4)の検証用試験回
路
24
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
S
: 電源
V
: 電圧計
A
: 電流計(実効値指示計)
D
: 供試漏電遮断器
D1
: サイリスタ
R
: 可変抵抗器
S1
: 全極スイッチ
S2
: 単極スイッチ
S3
: 切換スイッチ図
付図 4b 脈流漏電電流の場合の漏電遮断器の正常動作検証用試験回路(附属書1の9.21.1.1)
25
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
S
: 電源
V
: 電圧計
A
: 電流計(実効値指示計)
D
: 供試漏電遮断器
D1
: サイリスタ
R1,R2
: 可変抵抗器
S1
: 全極スイッチ
S2
: 単極スイッチ
S3
: 2極切換スイッチ
付図 4c 脈流の漏電電流が急激に加わった場合(附属書1の9.21.1.2)及び純直流漏電電流重畳の場合(附属
書1の9.21.1.4)の漏電遮断器の正常動作検証用試験回路
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
N :
中性極導体
S :
電源
Z :
可変インピーダンス
D :
供試漏電遮断器
G1 :
測定の際の一時的接続導体
G2 :
条件付定格短絡電流の試験の際の接続導体
A :
短絡回路投入器
O1 :
電流記録用計測器
O2 :
電圧記録用計測器
F :
地絡電流検出装置
R1 :
リアクトルの分圧抵抗器
R2 :
装置Fの電流制限抵抗器
Z1 :
条件付定格短絡電流を流すための追加調整用インピーダンス
Z2 :
IΔ設定用インピーダンス
S1 :
外部のスイッチ
B及びC :
附属書Cに示したグリッドの接続点
付図5〜付図9に使用する文字記号の説明
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図 5 単極2電路漏電遮断器の定格短絡容量検証用試験回路(附属書1及び附属書2の9.12)
28
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図 6a 単相回路での2極漏電遮断器の定格短絡容量検証用試験回路(附属書1及び附属書2の9.12)
29
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図 6b 単相3線式100/200 V回路での3極漏電遮断器の定格短絡容量検証用試験回路(附属書1及び附
属書2の9.12)
30
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図 6c 単相3線式100/200 V及び単二中間接地式回路での2極2素子漏電遮断器の定格短絡容量検証
用試験回路(附属書1及び附属書2の9.12)
31
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図 7 三相回路での3極漏電遮断器の定格短絡容量検証用試験回路(附属書1及び附属書2の9.12)
32
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図 8 三相4線式回路での3極4電路漏電遮断器の定格短絡容量検証用試験回路(附属書1及び附属書2
の9.12)
33
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図 9 三相4線式回路での4極漏電遮断器の定格短絡容量検証用試験回路(附属書1及び附属書2)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図 10 短絡試験時の測定記録例
35
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
付図 11 機械的衝撃試験装置(附属書1の9.13.1)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
付図 12 機械的打撃試験装置(附属書1の9.13.2.1)
単位 mm
部品材料:
① :ポリアミド
②③④⑤:鉄鋼 Fe 360
付図 13 機械的打撃試験装置の打撃部(附属書1の9.13.2.1)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
要点
1:質量(10±1)kgの主支持台
2:垂直の軸線を回る回転用軸
3:取付板(表面形用の合板,他の形は付図15,付図16を参照)
4:水平に動かすことができるクランプ
付図 14 打撃試験用供試漏電遮断器取付け支持台(附属書1の9.13.2.1)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
要点
1:厚さ1 mmの交換可能な鋼板
2:厚さ8 mmのアルミニウム板
3:取付板
4:レール取付用漏電遮断器のためのレール
5:漏電遮断器のための鋼板開口部
a)
開口部と漏電遮断器の表面との距離は,1 mm〜2 mmの間としなければならない。
b)
アルミニウム板は,漏電遮断器の支持部に鋼板を置くことができる高さとしなければならない。
漏電遮断器に支持部がない場合,カバー板を追加して保護した充電部から鋼板の下面までの距離が,8 mmとな
る高さとしなければならない。
付図 15 機械的打撃試験における外箱なし漏電遮断器の取付例(附属書1の9.13.2.1)
39
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
要点
1:厚さ1.5 mmの交換可能な鋼板
2:厚さ8 mmのアルミニウム板
3:取付板
4:漏電遮断器のための鋼板開口部
備考 特別の場合,寸法は大きくしてもよい。
付図 16 機械的打撃試験における埋込形漏電遮断器の取付例(附属書1の9.13.2.1)
40
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図 17 レール取付用漏電遮断器の機械的試験における力の加え方(附属書1の9.13.2.2)
付図 18 ボールプレッシャ試験装置(附属書1及び附属書2の9.14.2)
41
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
S
: 電源
S1
: 2極スイッチ
V
: 電圧計
A
: 電流計
D
: 供試漏電遮断器
R
: 可変抵抗器
付図 19 3極及び4極漏電遮断器に流れる単相負荷の過電流限界値検証用試験回路
(附属書1及び附属書2の9.18)
42
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図 20 信頼性試験の安定周期(附属書1及び附属書2の9.22.1.3)
43
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図 21 信頼性試験サイクル(附属書1及び附属書2の9.22.1.3)
44
C 8222:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図 22 電子部品のエージング検証試験回路の例(附属書1及び附属書2の9.23)
45
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図 23 減衰振動電流波形 0.5μs/100 kHz(附属書1の9.19.1)
注(1) 保護接地端子を備えた漏電遮断器の場合,漏電遮断器に表示された中性線専用の端子が
あるならば,保護接地端子と中性線専用の端子を接続し,端子表示がなければ任意の相
の端子と接続する。
付図 24 漏電遮断器のためのリングウェーブ試験回路(附属書1の9.19.1)
46
C 8222:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図 25 8/20 μs電流インパルス(附属書1の9.19.2.1)
注(1) 保護接地端子を備えた漏電遮断器の場合,漏電遮断器に表示された中性線専用の端子があるならば,保護接地
端子と中性線専用の端子を接続し,端子表示がなければ任意の相の端子と接続する。
付図 26 漏電遮断器のためのサージ電流試験回路(附属書1の9.19.2.1)
47
C 8222:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図X1 雷インパルス不動作試験回路(附属書2の9.19.3)
付図X2 放射電磁波不動作試験(附属書2の9.24)
付図 X3 高調波電流引外し試験回路(附属書2の9.25)
48
C 8222:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図 X4 高周波電流重畳引外し試験回路(附属書2の9.26)
49
C 8222:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書1(規定)JIS C 0364 建築電気設備規定対応形漏電遮断器
序文 この附属書は,JIS C 0364シリーズによって施工する建築電気設備用の住宅及び類似設備用の過電
流保護付漏電遮断器(以下,漏電遮断器 という。)について規定する。
この漏電遮断器の性能試験は,JIS C 3662-3(定格電圧450/750 V以下の塩化ビニル絶縁ケーブル−第3
部:固定配線用シースなしケーブル)で規定する絶縁物の許容温度が70 ℃の絶縁電線(PVC70 ℃基準電線)
を基準としている。
この附属書は,1.から7.までは本体によるため,8.から規定している。
8. 構造及び動作に関する要求事項
8.1
機械的設計
8.1.1
一般事項 漏電遮断器は,通常の使用状態でその使用が使用者又は周りに対して安全であり,かつ,
危険を及ぼさない設計及び構造でなければならない。漏電検出部及び漏電引外し装置は,漏電遮断器の入
力端子と出力端子との間に設置しなければならない。
感度電流の設定又は規定の時延時間の設定用に特別に意図したものを除いて,漏電遮断器の漏電動作特
性が変更できてはならない。
感度電流可調整の漏電遮断器の場合,定格感度電流は最も大きい設定値を指す。この場合,感度電流30
mA以下の設定値と30 mAを超える設定値とを切り換えられない構造でなければならない。
8.1.1.1
不足電圧引外しによる開路 JIS C 8201-2-1の附属書1の7.2.1.2.2を適用する。
適合性は,JIS C 8201-2-1の附属書1の8.3.3.3.2のc)の試験で判定する。
8.1.1.2
電圧引外しによる開路 JIS C 8201-2-1の附属書1の7.2.1.2.3を適用する。
適合性は,JIS C 8201-2-1の附属書1の8.3.3.3.2のd)の試験で判定する。
8.1.2
機構 多極漏電遮断器のすべての極の可動接点は,開閉専用中性極がある場合,それを除いたすべ
ての極が,手動操作又は自動操作のいずれにおいても本質的に同時に開閉するように,機械的に結合して
いなければならない。
開閉専用中性極(本体の3.3.15.3参照)は,他の極より後から開路し,先に閉路しなければならない。
適切な短絡投入容量及び遮断容量をもつ極を中性極(開閉専用中性極以外の中性極)として使用する場合
(本体の3.3.15.3参照)の動作は,次のいずれかによる。
a) 中性極を含むすべての極が実質的に同一な動作であるもの。
b) 閉路の場合は,中性極が先に接触し,開路の場合は中性極が遅れて開離するのもの。
c) 閉路の場合は,中性極が二つの電圧相のうちいずれか1極より先に接触し,開路の場合は,中性極が
二つの電圧相のうちいずれか1極より遅れて開離するのもの。
漏電遮断器は,引外し自由機構をもたなければならない。
漏電遮断器は,手動で開閉できなければならない。操作ハンドルがない差込形漏電遮断器は,漏電遮断
器がその基台から取り外すことができるということでは,この要求事項に適合するとはみなさない。
引き外されて操作装置が中立位置になったときでも,漏電遮断器は,その可動接点が閉路位置(本体の
3.3.13参照)又は開路位置(本体の3.3.14参照)にだけ静止できる構造でなければならない。
漏電遮断器は,開路状態のとき,断路能力(8.3参照)を満足するために必要な要求事項に従い,開路位置
50
C 8222:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(本体の3.3.14参照)を保たなければならない。
漏電遮断器は,カバー又はカバー板があるときはそれらを付けたとき,表面から容易に判別できる閉路
及び開路位置の表示手段(本体の6.参照)を備えていなければならない。
操作装置を接点の位置表示に用いる場合,引外しの場合の操作装置は,自動的に可動接点の引外しに対
応する位置とならなければならない。この場合,操作装置は接点の位置に対応する二つの異なる停止位置
をもたなければならない。
なお,自動開路した場合には操作装置の3番目の異なる位置が準備してあってもよい。この場合,再閉
路する前に漏電遮断器を手動復帰する機構がなければならない。
電源電圧依存形漏電遮断器で,電源電圧喪失後復電時に自動再閉路する漏電遮断器[本体の4.1.2.1,a)参
照]の場合,操作装置は接点の自動開路に引き続いてON位置に留り,電源電圧が回復したとき,接点は操
作装置がOFFの位置にあるとき以外は自動的に再閉路しなければならない。
備考 この形式の漏電遮断器の操作装置は,開閉位置の表示手段として使用できない。
表示灯を用いる場合,表示灯は漏電遮断器が閉路しているとき点灯し,明るい色でなければならない。
表示灯は,閉路位置を表示する唯一の手段であってはならない。
機構の動作は,エンクロージャ又はカバーの位置によって阻害されず,また,取り外し可能部品とも無
関係でなければならない。
製造業者が取り付けた封印カバーは,取り外しできない部品とみなす。
カバーを押しボタンのガイドとして用いる場合は,漏電遮断器の外側から押しボタンを取り外すことが
できてはならない。
操作装置は,その軸に強固に取り付け,かつ,工具を使用しなければ取り外すことができてはならない。
操作装置を直接カバーに取り付けることを認める。上下に動かす操作装置の漏電遮断器を標準使用状態
で取り付けたとき,接点は,引き上げ動作で閉路しなければならない。また,漏電表示機構を設けるもの
は,その表示の色は黄又は白とすることが望ましい。
上記の要求事項に従っていることは,検査及び手動試験によって判定し,引外し自由機構は9.11の試験
によって判定する。
8.1.3
空間距離及び沿面距離(附属書B参照) 空間距離及び沿面距離は,漏電遮断器を標準使用状態で取
り付けたとき,附属書1表5aに示す値以上でなければならない。この表は,汚損度2の環境での使用を
考慮して設計された漏電遮断器に基づいて作成した。ただし,附属書1表5aの2,4及び5項の空間距離
は,定格インパルス耐電圧の試験に適合する場合には,減じることができる。
絶縁材料は,JIS C 0664の2.7.1.1及び2.7.1.3による比較トラッキング指数(CTI)に基づく材料グループ
で分類する。
備考1. (原国際規格の規定を採用しない。)
プリント配線材料の沿面距離は,JIS C 8201-1の7.2.3.4による。
51
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書1表 5a 空間距離及び沿面距離
最小空間距離(10)
mm
最小沿面距離(5)(6)
グループⅢa(8)
(175≦CTI<400)(4)
グループⅡ
(400≦CTI<600) (4)
グループⅠ
(600≦CTI)(4)
定格電圧 V
ワーキング電圧(5)
V
Uimp
2.5
kV
4
kV
4 kV
箇所
100,
100/2
00
100/
200
200
,
240/
415
,
415
>
25
≦
50
(9)
12
0
25
0
40
0
>
25
≦
50
(9)
12
0
25
0
40
0
>
25
≦
50
(9)
12
0
25
0
40
0
1. 主接点が開路位置で分離す
る充電部間(1)
2.0
3.0
4.0
1.2
2.0 4.0 4.0
0.9
2.0 4.0 4.0
0.6
2.0 4.0 4.0
2. 異極充電部間(1)
1.5
3.0
3.0
1.2
1.5 3.0 4.0
0.9
1.5 3.0 3.0
0.6
1.5 3.0 3.0
3. 異電源から供給される回路
間で,一方はPELV又は
SELV(7)
3.0
6.0
8.0
3.0 6.0 8.0
3.0 6.0 8.0
3.0 6.0 8.0
定格電圧 V
100,
100/200
200,
240/415
100,
100/200
200,
240/415
100,
100/200
200,
240/415
4. 充電部及び
―人が触れる操作用取っ手部
―漏電遮断器を取り付けると
き,取外すカバーを固定して
いるねじなど
―漏電遮断器を取り付ける面
(2)
―漏電遮断器を取り付ける固
定ねじなど(2)
―金属カバー,ボックス(2)
―人が触れる金属部
―埋込形漏電遮断器を保持す
る金属フレーム
1.5
3.0
3.0
1.5
4.0
1.5
3.0
1.5
3.0
5. 機構の充電金属部品及び
―人が触れる部分(3)
―漏電遮断器を取り付ける固
定ねじなど
―埋込形漏電遮断器を保持す
る金属フレーム
2.0
52
C 8222:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書1表 5a 空間距離及び沿面距離(続き)
注(1) 補助回路及び制御回路の値は,関連規格による。
(2) 充電部及び漏電遮断器を取り付ける面又は金属スクリーン間の空間距離及び沿面距離が漏電遮断器の設計によっ
て決まらない場合は,最も不利な条件で取り付けて距離が減少したときを考慮して,要求距離を2倍した値を適用
する。
(3) 通常使用状態に取り付けた後,人が触れることができる絶縁物の表面に貼った金属はく(箔)を含む。はく(箔)は,
角,くぼみなどの中へ附属書1及び附属書2の9.6によって直線状の試験指で押し込む(本体の付図3参照)。
(4) IEC 60112参照。
(5) ワーキング電圧として表示する電圧の中間値に対応する沿面距離の算出には,補間方法を用いてもよい。沿面距離
の算出は,附属書Bを参照。
(6) 沿面距離は,組み合わせて算出した空間距離以上でなければならない。
(7) 補助接点のELVを含むすべての異電圧をカバーする。
(8) 材料グループⅢb(CTI<175)は,材料グループⅢaの値を1.6倍した値を適用する。
(9) 25 V以下のワーキング電圧のものは,JIS C 0664による。
(10) 漏電遮断器の変圧器の一次側巻線及び二次側巻線間の空間距離及び沿面距離は考慮していない。
備考1. 400 V用の値は,440 Vにも適用する。
2. 中性線電路の部品は,充電部とみなす。
3. 固形絶縁物の測定方法は,検討中である。
4. 互いに接近して取り付けられる差込形漏電遮断器は,異極充電部間に適切な空間を確保するよう配慮しなければ
ならない。
8.1.4
ねじ,通電部品及び接続部
8.1.4.1
電気的及び機械的接続部は,標準使用状態の下で生じる機械的応力に耐えなければならない。
装置に漏電遮断器を取り付けるときに使用するねじは,ねじ山切削タイプを使用してはならない。
備考 漏電遮断器を取り付けるときに使用するねじ(又はナット)は,カバー又はカバー板の装着に用
いてよいが,ねじを切った電線管及び漏電遮断器のベース装着のための接続手段としてはなら
ない。
適合性は,9.4の試験及び検査で判定する。
備考 ねじ止めの接続は,9.8,9.12,9.13,9.14及び9.23の試験で検証できると考えられる。
8.1.4.2
漏電遮断器を取り付けるときに使用するねじで,絶縁材料のねじ山とかみ合うねじは,ねじ穴又
はナットにねじを正確に挿入することが,確実でなければならない。
適合性は,検査及び手動試験で判定する。
備考 ねじの傾斜を防いで挿入することができる場合,例えば,固定した部品,めねじのへこみ又は
先端部のねじ山を取り去ったねじの使用によってねじを案内することは,正確な挿入に関する
規定に適合している。
8.1.4.3
絶縁材料の収縮又は変形を補償する十分な弾性が金属部品にない限り,電気的接続は,接触圧力
が絶縁材料を介して伝達しないように設計しなければならない。ただし,セラミック,純マイカ又は適切
な特性をもつ材料を除く。
適合性は,検査で判定する。
備考 材料の適合性は,寸法の安定性について考慮しなければならない。
8.1.4.4
通電部品は,保護導体用部品を含めて,次によらなければならない。
− 銅
− 冷間加工した部品では,58 %以上,その他の部品では,50 %以上の銅を含む合金。
53
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− 銅より耐腐食性が強く適切な機械的特性をもつ他の金属又は適切にめっきした金属
備考 耐腐食性を測定する新しい要求事項及び適切な試験は,検討中である。この要求事項では,適
切にめっきしている場合は他の材料も認めてもよい。
この箇条の規定は,接点,磁気回路,ヒータ素子,バイメタル,電流制限材料,シャント,電子機器の
部品又は端子のねじ,ナット,座金,締付板及びその他の類似部品には適用しない。
8.1.5
外部導体用端子
8.1.5.1
外部導体用端子は,導体を接続するのに必要な接触圧力が永続的に維持することが保証できるも
のでなければならない。
この規格では,銅の外部導体接続のためのねじ端子だけ考えている。
備考 平形接続子,ねじなし端子及びアルミニウム導体接続用端子に対する要求事項は,検討中であ
る。
バー接続について意図した接続の取決めがあるときは,それらは電線接続に用いないという条件で認め
る。
差込形,ボルトオン形についてのそれぞれの取決めも同様である。
端子は,意図する使用状態の下で容易に接近できなければならない。
適合性は,9.5の試験及び検査で判定する。
8.1.5.2
漏電遮断器は,附属書1表6aに規定する公称断面積をもつ銅導体を接続できる端子をもたなけ
ればならない。
備考 ねじ式端子の考えられる設計例を,附属書ICに示す。
適合性は,検査,測定並びに規定の最小断面積及び最大断面積の導体をそれぞれ装着することで判定す
る。
附属書1表 6a ねじ式端子に対する銅導体の接続可能断面積
定格電流
A
接続可能公称断面積の範囲(1)
mm2
硬導体(単線又はより線)
可とう導体
13以下
1 〜 2.5
1 〜 2.5
13を超え 16以下
1 〜 4
1 〜 4
16を超え 25以下
1.5〜 6
1.5〜 6
25を超え 32以下
2.5〜10
2.5〜 6
32を超え 50以下
4 〜16
4 〜10
50を超え 80以下
10 〜25
10 〜16
80を超え100以下
16 〜35
16 〜25
100を超え150以下
25 〜50
25 〜35
注(1) 50 A以下の定格電流のものに対して,端子は硬導体のより線が接続できると同様に
単線の接続もできる設計であることが必要である。ただし,1 mm2から6 mm2の断
面積の導体に対する端子で,単線専用に設計した端子はこの限りではない。
備考 AWG電線の断面積は,附属書ID参照。
8.1.5.3
端子に導体を締め付ける手段は,端子を所定の位置に固定又は端子が回転しないようにするのは
よいが,他の部品を固定するために使用してはならない。
適合性は,9.5の試験及び検査で判定する。
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8.1.5.4
32 A以下の定格電流の端子は,特別の準備を必要とせずに導体を接続できなければならない。
適合性は,検査で判定する。
備考 “特別の準備”とは,導体のはんだ付け,はと(鳩)目の形成などを含むが,圧着端子の使用,
電線の端末を強化するために可とう導体をよじること又は端子に挿入する前の導体の先端を整
形することは含まない。
8.1.5.5
端子は,十分な機械的強度をもたなければならない。導体接続のためのねじ及びナットは,ISO
のメートルねじ山又はピッチ及び機械的強度が同等以上のねじ山をもつものでなければならない。
適合性は,9.4及び9.5.1の試験並びに検査で判定する。
8.1.5.6
端子は,導体に過度の損傷を与えることなく取り付けができるように設計しなければならない。
適合性は,9.5.2の試験及び検査で判定する。
8.1.5.7
端子は,導体を確実に,かつ,金属表面間を接続するように設計していなければならない。
適合性は,9.4及び9.5.1の試験並びに検査で判定する。
8.1.5.8
端子は,単線又はより線は,ねじ又はナットで締め付けている間に抜け落ちることがないように
設計し,配置していなければならない。この要求事項は,ラグ端子には適用しない。
適合性は,9.5.3の試験で判定する。
8.1.5.9
端子は,固定ねじ若しくはナットを締め付けるとき又は緩めるときに,端子が漏電遮断器に対し
て緩まないように固定又は設置しなければならない。
これらの要求事項は,端子を確実に固定していなけれはならないことを意味するものではない。ただし,
端子が動く場合は,この規格の要求事項に適合するようにその動きを十分制限しなければならない。
封印用のコンパウンド又は樹脂の使用は,次の条件で,端子の緩み防止に適合すると考える。
− 封印用のコンパウンド又は樹脂は,通常の使用中に応力を受けてはならない。
− 封印用のコンパウンド又は樹脂の効果は,この規格に規定する最悪条件の下で端子が達する温度によ
って損なわれてはならない。
適合性は,9.4の試験,測定及び検査で判定する。
8.1.5.10 保護導体の接続用端子の締付けねじ又はナットは,偶然の緩みに対して適切な締め付けがなされ,
かつ,それらを工具なしに緩めることができてはならない。
適合性は,手動試験で判定する。
一般に,附属書ICに示す端子の構造例は,この要求事項に適合する十分な弾性を備えている。これと
異なる設計においては,不用意に取り外せないような適切な弾性部品を使用する特別な処理が必要である。
8.1.5.11 外部導体と接続するためのねじ及びナットは,金属のねじ山と結合するものでなければならず,
ねじはタッピンねじ形のものであってはならない。
8.1.6
(原国際規格の規定を採用しない。)
8.2
感電保護 漏電遮断器は,標準使用状態に取り付けて配線したとき,充電部に接近可能でないよう
に設計していなければならない。
備考 “標準使用状態”とは,製造業者の指定に従って漏電遮断器を取り付けることを意味する。
標準試験指(9.6参照)で接触可能なときは,“接近可能”であるとみなす。
差込形を除く漏電遮断器では,カバー及び銘板を固定するねじ又はその他の外部部品で,漏電遮断器を
製造業者が意図する標準使用状態に取り付けて配線したときに接近可能な外部部品は,充電部が絶縁物の
内部エンクロージャ内に入っていない限り,絶縁材料で作るか又は絶縁材料で裏打ち(ライニング)したも
のでなければならない。この場合,外部部品の電線を通す開口部で漏電遮断器の取付面側と電線との間の
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開口部は,標準試験指による検証を行わなくてもよい。
裏打ちは,漏電遮断器を設置したとき容易に脱落しない方法で固定しなければならない。それらは適切
な厚さ及び機械的強度をもち,鋭い角が生じる場所には適切な保護を施さなければならない。
電線又は電線管用の開口部は,絶縁材料で作るか,絶縁材料のブッシング又は同様の装置を設けなけれ
ばならない。このような装置は,確実に固定し適切な機械的強度をもたなければならない。
差込形漏電遮断器では,カバーを固定するためのねじ又はその他の方法を除く外部部品で,標準使用状
態で接近可能な外部部品は,絶縁材料で作られていなければならない。
金属製の操作部は,充電部から絶縁し,その露出導電部は絶縁材料で覆わなければならない。ただし,
複数の極の絶縁された操作部を連結する部品は除く。
機構の金属部分は,接近可能であってはならない。さらに,それらは,接近可能な金属部分,埋込形漏
電遮断器の基台を支える金属フレーム,基台をその支持物に固定するねじ又はその他の手段,及び支持に
用いる金属板から絶縁されていなければならない。
差込形漏電遮断器は,充電部に触れることなく容易に交換できなければならない。
ラッカー及びエナメルは,この箇条の目的とする適切な絶縁とはみなさない。
適合性は,9.6の試験及び検査で判定する。
8.3
耐電圧性能及び断路能力 漏電遮断器は,適切な耐電圧性能をもち,断路機能を確保しなければな
らない。
主回路に接続している制御回路は,漏電遮断器を取り付けた後,通常実施する絶縁抵抗測定で受ける直
流高電圧で損傷を受けてはならない。
8.3.1
商用周波数における耐電圧性能 漏電遮断器は,商用周波数における適切な耐電圧性能をもってい
なければならない。
適合性は,9.7及び9.20の試験で判定する。
さらに,9.10の耐久試験後及び9.12の短絡試験後,漏電遮断器は,9.7.3の試験に耐えなければならない。
ただし,9.10.3及び9.12.12.2は,各々に規定する試験電圧及び9.7.1の湿度に対する前処理なしで行う。
8.3.2
断路能力 漏電遮断器は,断路機能への適合性をもたなければならない。
適合性は,附属書1表5aの1項の最小空間距離及び沿面距離への適合の検証,並びに9.7.7.1及び9.7.7.3
の試験で判定する。
8.3.3
定格インパルス耐電圧(Uimp)での耐電圧性能 漏電遮断器は,インパルス耐電圧に適切に耐えなけ
ればならない。
適合性は,9.7.7.2の試験で判定する。
8.4
温度上昇
8.4.1
温度上昇限度 漏電遮断器の各部の温度上昇限度は,附属書1表7aに規定する。9.8.2に規定する
条件の下での測定値は,この表に定める限界値を超えてはならない。
漏電遮断器は,その機能及び安全な使用を損なう損傷を受けてはならない。
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附属書1表 7a 温度上昇の値
部分(1)(2)
温度上昇 K
外部接続用端子(3)
65
漏電遮断器の手動操作中で人が触れるおそれがある外部部品で,絶縁
材料の操作部及び複数極の絶縁された操作部を連結する金属部を含
む。
40
操作装置の外部金属部分
25
取付面に直接接する漏電遮断器の面を含むその他の外面部分
60
注(1) 接点に対する値は,規定しない。この理由は,ほとんどの漏電遮断器の設計が,接点の
温度を直接測定する場合,試験の再現性に影響を及ぼす部品の改造又は変位を引き起こ
す危険が生じるためである。
信頼性(9.22参照)の試験は,給電中の過度の温度上昇に対して,接点の機能を間接的
に確認するのに十分であると考える。
(2) 表に掲げる以外の部分の値は規定しないが,絶縁材料の近辺の部分で障害が起こらず,
漏電遮断器の動作が害されてはならない。
(3) 差込形遮断器は,それを接地する基台上の端子。
8.4.2
周囲温度 附属書1表7aに規定する温度上昇の限度は,周囲温度が表4に規定する限度内にある
場合にだけ適用する。
8.5
動作特性 漏電又は過電流状態の下で,漏電遮断器の動作特性は,9.9の要求事項に適合しなければ
ならない。
8.5.1
漏電状態 漏電遮断器の動作特性は,9.9.1の要求事項に適合しなければならない。
8.5.2
過電流状態 漏電遮断器は,8.5.2.1及び8.5.2.3の要求事項に適合しなければならない。
8.5.2.1
標準時間−(過)電流領域 漏電遮断器の引外し特性は,不要動作をすることなく回路を適切に保
護するものでなければならない。
漏電遮断器の時間−電流特性(引外し特性)の領域は,附属書1表8に規定する条件及び値によって定義
する。
この表は,指定条件(9.2参照)に従って取り付けられ,基準周囲温度30 ℃
50
+ ℃の範囲の指定試験温度
(備考参照)で動作する漏電遮断器を対象とする。
適合性は,9.9.2の試験で判定する。
この試験は,製造業者の情報によって結果が30 ℃での場合と比較できる場合には,製造業者が指定す
る任意の温度で行ってよい。いかなる場合でも附属書1表8の試験電流を通電したときの試験電流の変化
は,校正温度の変化1 K当たり1.2 %を超えてはならない。
漏電遮断器が30 ℃と異なる校正基準温度の場合は,その異なる温度で試験する。
備考 製造業者は,基準値と異なる周囲温度に対する引外し特性の変化の情報を提供する準備をして
おかなければならない。
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附属書1表 8 時間−電流引外し特性
試
験
瞬時引外
しのタイ
プ
試験電流
値
A
初期条件
動作又は不動作時間の制
限
得られる
べき結果
備考
a
B,C,D
1.13In
コールド状態(1) t≦1 h (In≦63 A)
t≦2 h (In>63 A)
不動作
―
b
B,C,D
1.45In
試験aの直後
t<1 h (In≦63 A)
t<2 h (In>63 A)
動作
電流は,5s以内に一
様に増加させる。
c
B,C,D
2.55In
コールド状態(1) 1 s<t<60 s (In≦32 A)
1 s<t<120 s (In>32 A)
動作
―
d
B
3In
コールド状態(1) t≦0.1 s
不動作
電流は,投入器閉で
立ち上げ。
C
5In
D
10In
e
B
5In
コールド状態(1) t<0.1 s
動作
電流は,投入器閉で
立ち上げ。
C
10In
D
20In(2)
f
J
1.0 In
コールド状態(1) 温度上昇が一定となるま
での時間
不動作
―
g
J
1.25In
コールド状態(1) t≦1 h (In≦50 A)
t≦2 h (In>50 A)
動作
―
h
J
2.0In
コールド状態(1) t≦2 min (In≦30 A)
t≦4 min (30 A<In≦50 A)
t≦6 min (50 A<In≦100 A)
t≦8 min (100 A<In≦150
A)
動作
―
i
J
製造業者
が指定す
る場合は
下限値
コールド状態(1) t≦0.1 s
不動作
―
j
J
製造業者
が指定す
る場合は
上限値
コールド状態(1) t<0.1 s
動作
―
k
J
9.9.2.2,e)の試験条件による。
不動作及
び接点の
溶着がな
い。
定格電圧100 V又は
100/200 V,かつ,定
格電流50 A以下の漏
電遮断器に適用す
る。
l
B,C,D
備考 試験k及びlは,越流試験である。3.4.2.1.1に“越流”の定義をしている。試験lは,選択性とする。
注(1) “コールド状態”とは,事前に負荷をかけていないことを意味する。
(2) 特別な場合は,50 Inが認められる。
8.5.2.2
規定要求事項
a) 動作時間 タイプB,C,Dの動作時間は,定格電流が63 A以下の漏電遮断器では1時間,また,定
格電流が63 Aを超える漏電遮断器では2時間とする。タイプJの動作時間は,定格電流50 A以下の
漏電遮断器では1時間,定格電流50 Aを超える漏電遮断器では2時間とする。
b) 不動作電流 (Int) タイプB,C,Dの漏電遮断器の不動作電流は,定格電流の1.13倍とする。タイプ
Jの漏電遮断器の不動作電流は,定格電流の1.0倍とする。
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c) 動作過電流 (It) タイプB,C,Dの漏電遮断器の動作過電流は,定格電流の1.45倍とする。タイプJ
の漏電遮断器の動作電流は,定格電流の1.25倍とする。
8.5.2.3
過電流引外し特性 漏電遮断器の過電流引外し特性は,8.5.2.1に規定する範囲内に入っていなけ
ればならない。
備考 9.2の規定と異なる温度及び取付条件は漏電遮断器の引外し特性に影響を与える(例えば,特殊
なエンクロージャ内に取り付けたり,数台の漏電遮断器を一つのエンクロージャ内に取り付け
る場合など。)。
製造業者は,本体の7.1の範囲内で,基準温度と異なる周囲温度に対する,引外し特性の変化の情報を
準備しなければならない。
8.5.2.4
過電流引外し特性に対する周囲温度の影響 −5 ℃〜+40 ℃の範囲内で,基準温度と異なる周
囲温度では,漏電遮断器の引外し特性に許容することができないような影響があってはならない。
適合性は,9.9.2.3の試験で判定する。
8.5.2.5
越流に対する追加要求事項 定格電圧100 V又は100/200 Vで定格電流が50 A以下のタイプJの
漏電遮断器は,越流を自動的に開路することなく,かつ,接点の溶着があってはならない。
適合性は,9.9.2.2 e)の試験で判定する。
8.6
機械的及び電気的耐久性 漏電遮断器は,機械的及び電気的に十分な操作回数を遂行できなければ
ならない。
適合性は,9.10の試験で判定する。
8.7
短絡電流における性能 漏電遮断器は,短絡動作の間に操作者を危険にさらすことなく,かつ,充
電された導電部間又は充電された導電部と大地との間でフラッシオーバを生じることなく,規定回数の短
絡電流遮断を行えなければならない。
適合性は,9.12の試験で判定する。
漏電遮断器は,定格周波数の下で,定格電圧の110 %に等しい主回路の回復電圧及び9.12.5に規定する
範囲の下限以上の適切な力率で,定格短絡電流に相当する電流値を投入及び遮断できなければならない。
8.8
機械的衝撃及び打撃に対する耐性 漏電遮断器は,取付け及び使用中に受けるストレスに耐えるだ
けの機械的性能をもっていなければならない。
適合性は,9.13の試験で判定する。
8.9
耐熱性能 漏電遮断器は,熱に対して十分に耐えなければならない。
適合性は,9.14の試験で判定する。
8.10 耐過熱性能及び耐着火性能 漏電遮断器の絶縁材料でできた外郭部分は,その近傍の通電部分が事
故又は過負荷状態によって高温に達しても,発火したり,火が広がったりしてはならない。絶縁材料でで
きた他の部品の耐過熱性能及び耐炎性能は,この規格の他の試験によって判定する。
適合性は,9.15の試験及び検査で判定する。
8.11 テスト装置 漏電遮断器は,定期的に漏電保護装置の動作性能試験をするために,漏電検出器の中
を模擬的に通電するテスト装置を備えていなければならない。
備考 テスト装置は,動作機能の確認を意図するものであり,この機能は,定格感度電流及び動作時
間に関する効果を評価するものではない。
定格電圧(電圧範囲があるときは,最大電圧)を印加して漏電遮断器のテスト装置が動作するときに生じ
るアンペアターンは,漏電遮断器の1極にIΔnに等しい漏電電流を通電したときに生じるアンペアターン
の2.5倍を超えてはならない。
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感度電流可調整形の漏電遮断器(本体の4.4参照)の場合は,漏電遮断器の設計された最小感度設定で使用
しなければならない。
このテスト装置は,9.16の試験を満足しなければならない。
装置の保護導体は,テスト装置が動作したとき充電されてはならない。
漏電遮断器が開路状態にあって通常使用状態の接続がなされているとき,テスト装置を動作することに
よって負荷側回路を充電してはならない。
テスト装置は,開路操作を行う唯一の手段であってはならず,また,開路操作のために用いることを意
図してはならない。
8.12 電源電圧依存形漏電遮断器に対する要求事項 電源電圧依存形漏電遮断器は,定格電圧の0.85倍か
ら1.1倍の電圧に対しても正常に動作しなければならない。この目的のために多極漏電遮断器は,各電圧
極及び中性極がある場合,すべての電路に接続しなければならない。
適合性は,9.9.1.2に規定する追加試験条件の下で,9.17の試験で判定する。
漏電遮断器は,これらの分類に従って,附属書1表9に示す要求事項を満足しなければならない。
附属書1表 9 電源電圧依存形漏電遮断器に対する要求事項
本体の4.1に従った機器の分類
電源電圧喪失時の状態
電源電圧喪失時に自動開路する
漏電遮断器 (本体の4.1.2.1)
時延なし
9.17.2 a) に定めた試験条件のとおり,時延なしに開路する。
時延あり
9.17.2 b) のとおり,時延で開路する。時延の間の正常動作を,
9.17.3に従って検証する。
電源電圧喪失時に自動開路しない漏電遮断
器(本体の4.1.2.2)
開路しない。
8.13 3極又は4極漏電遮断器に単相過電流が流れた場合の動作 3極及び4極漏電遮断器は,タイプB,
C又はDの適用に従って,過電流瞬時引外し範囲の下限の0.8倍に等しい値の単相過電流で動作してはな
らない。また,タイプJは,単相過電流で次の二つの過電流値のいずれか小さい方で動作してはならない。
− 6In
− 製造業者の保証する場合,瞬時引外し電流の下限値の0.8倍
適合性は,9.18の試験で判定する。
8.14 漏電遮断器のインパルス電圧によるサージ電流不要動作性能 漏電遮断器は,負荷設備の静電容量
によって大地に流れるサージ電流及び設備内のフラッシオーバによって大地に流れるサージ電流に十分耐
えなければならない。時延形漏電遮断器の場合,設備内のフラッシオーバで大地に流れるサージ電流で不
要動作することなく十分耐えることを示さなければならない。
適合性は,9.19の試験で判定する。
8.15 直流成分を含む地絡電流における漏電遮断器の動作 漏電遮断器は,4.6の分類に従って,直流成分
を含む漏電電流が流れても十分に動作しなければならない。
適合性は,9.21の試験で判定する。
8.16 信頼性 漏電遮断器は,部品の劣化を考慮に入れて,長期間の給電後でも動作信頼性がなければな
らない。
適合性は,9.22及び9.23の試験で判定する。
9. 試験
9.1
一般事項
60
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9.1.1
漏電遮断器の特性は,形式試験で検証する。この規格で要求する形式試験は,附属書1表10aに規
定する。
附属書1表 10a 形式試験一覧
試験
箇条番号
−
表示の不滅性
9.3
−
ねじ,通電部品及び接続部の信頼性
9.4
−
外部導体用端子の信頼性
9.5
−
感電保護
9.6
−
絶縁性能及び断路能力
9.7
−
温度上昇
9.8
−
動作特性(越流特性を含む)
9.9
−
機械的及び電気的耐久性能
9.10
−
引外し自由機構
9.11
−
短絡(1)
9.12
−
耐機械的衝撃及び打撃性能
9.13
−
耐熱性能
9.14
−
耐過熱性能及び耐着火性能
9.15
−
定格電圧の限界値におけるテスト装置の動作
9.16
−
電源電圧喪失時の電源電圧依存形漏電遮断器の動作
9.17
−
過電流状態の下での不動作過電流の限界値
9.18
−
インパルス電圧によって生じるサージ電流での漏電遮断器の
不要動作
9.19
−
インパルス電圧耐絶縁性能
9.20
−
直流成分を含む漏電電流における漏電遮断器の正常動作
9.21
−
信頼性
9.22
−
電子部品のエージング
9.23
注(1) これは,幾つかの試験から成り立っている。
9.1.2
この規格への適合性の検証のために,形式試験は試験シーケンスで行う。
試験シーケンス及び供試品の数は,附属書Aによる。
特に規定しなければ,各形式試験(又は形式試験シーケンス)は,新品で清浄な漏電遮断器で行い,影
響を与える量(本体の表2参照,環境試験)は,それらの指定値をとる。
備考 この規格への適合性の検証は,次のいずれかによる。
− 供給者の自己宣言のために製造業者で行う(ISO/IECガイド2の13.5.1)。
− 認証のために独立した機関で行う(ISO/IECガイド2の13.5.2)。
ISO/IECガイド2に従って,“認証”とは,上記の二番目の場合だけに使用する。
試験シーケンス及び供試品の数は,附属書Aによる。特に規定がない限り,各形式試験(又は形式試験
のシーケンス)は,新品状態の漏電遮断器で行い,影響を及ぼす(表4参照,環境条件)量はそれらの指定値
をとる。
9.1.3
各機器について製造業者が実施する受渡試験は,附属書Dによる。
9.2
試験条件 漏電遮断器は製造業者の指定に従って,かつ,気温20 ℃〜25 ℃の間の開放した大気中
に個別に取り付ける。特に規定がない限り,外部からの過度の加熱及び冷却から保護しなければならない。
個別のエンクロージャ内に設置するように設計した漏電遮断器は,製造業者が指定する最も小さいエン
クロージャに入れて試験をする。
備考 個別のエンクロージャは,一つの機器だけを収納するように設計したエンクロージャとする。
61
C 8222:2004
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特に規定がない限り,漏電遮断器は,JIS C 3662-3に準拠したPVC70℃電線を用いて附属書1表11aに
規定する断面積Sの適切な電線で配線し,厚さが約20 mmの黒く塗装した合板上に,製造業者が指定する
方法で取り付ける。
附属書1表 11a 定格電流に対応する試験用電線
定格電流 In
A
断面積 S
mm2
In≦ 6
1
6<In≦ 13
1.5
13<In≦ 20
2.5
20<In≦ 25
4
25<In≦ 32
6
32<In≦ 50
10
50<In≦ 63
16
63<In≦ 80
25
80<In≦100
35
100<In≦150
50
備考 電線はJIS C 3662-3のPVC70℃基準絶縁電線による。
AWG電線は,附属書ID参照。
許容範囲の規定がない場合には,形式試験は,この規格の規定値より極端に厳しくない値で行う。特別
な規定がない限り,試験は,定格周波数の±5 %で行う。
試験中に供試品の補修又は分解をしてはならない。
9.8,9.9,9.10及び9.23の試験では,漏電遮断器は,次のように接続する。
− 接続電線は,シースなしポリ塩化ビニル絶縁銅電線とする(JIS C 3662-3参照)。
− 接続部は,大気中で,その空間距離は端子間の距離以下としない。
− 供試品の端子から他の端子試験装置又は中性点への接続電線の長さは,許容範囲を50
+cmとし,次に
よる。
・断面積10 mm2以下の電線では,1 m
・断面積10 mm2を超える電線では,2 m
端子ねじに加える締付けトルクは,附属書1表12に規定する値の2/3とする。
9.3
表示の不滅性試験 この試験は,水に浸した綿布を手に持ち表示部分を15秒間こすり,更にヘキサ
ンを浸した綿布で15秒間こすって行う。
刻印,成形又は彫刻による表示は,この試験の対象としない。
この試験後,表示は容易に判読できなければならない。
また,この規格のすべての試験後も表示は,容易に判読できなければならない。
ラベルは簡単にはが(剥)れてはならず,また,このラベルはめくれ上がってはならない。
9.4
ねじ,通電部品及び接続部の信頼性試験 8.1.4の要求事項への適合性は,検査によって判定し,漏
電遮断器の取付け及び接続に用いるねじ及びナットの適合性は,次の試験によって検証する。
ねじ又はナットの締付け及び緩めは,次のとおりとする。
− 絶縁材のねじ山にかみ合うねじに対しては,10回
− その他の場合には,5回
絶縁材料のねじ山にかみ合うねじ又はナットは,その都度確実に抜き取り,かつ,差し込まなければな
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らない。
試験は,附属書1表12に規定するトルクで,適切な試験用ねじ回し又はスパナを用いて行わなければな
らない。
ねじ又はナットは,急激に締め付けてはならない。
試験は,附属書1表6aに規定する最大断面積をもつ硬導体でだけ行い,単線又はより線の不利な方を用
いる。導体は,ねじ及びナットを緩める都度動かさなければならない。
附属書1表 12 ねじ径及び適応トルク
ねじの公称径
mm
トルク
N・m
I
II
III
2.8以下
0.20
0.4
0.4
2.8を超え3.0以下
0.25
0.5
0.5
3.0を超え3.2以下
0.30
0.6
0.6
3.2を超え3.6以下
0.40
0.8
0.8
3.6を超え4.1以下
0.70
1.2
1.2
4.1を超え4.7以下
0.80
1.8
1.8
4.7を超え5.3以下
0.80
2.0
2.0
5.3を超え6.0以下
1.20
2.5
3.0
6.0を超え8.0以下
2.50
3.5
6.0
8.0を超え10.0以下
―
4.0
10.0
Ⅰ欄は,ねじの締付けのとき,穴から突き出ない頭なしねじ,及びねじの直径より広
い刃をもつねじ回しでは,締付けができないその他のねじに適用する。
Ⅱ欄は,ねじ回しによって締め付けるI欄以外のねじに適用する。
Ⅲ欄は,ねじ回し以外の方法で締め付けるねじ及びナットに適用する。
ねじ回しによって締め付けるための溝付き六角頭をもつねじでは,Ⅱ欄及びⅢ欄の値
が異なる場合には,試験を2回行う。1回目は六角頭をもつねじに対してⅢ欄に規定す
るトルクを適用し,別の供試品でねじ回し締付けによってⅡ欄に規定するトルクを適用
する。Ⅱ欄及びⅢ欄の値が同じ場合には,ねじ回しでの試験だけを行う。
試験の間,ねじ接続部は,ねじ締めの緩み又はねじ,ねじ頭部の溝,ねじ山,座金又は当て金の破損な
どのような漏電遮断器の継続使用を損なう損傷があってはならない。
さらに,エンクロージャ及びカバーに損傷があってはならない。
9.5
外部導体用端子の信頼性試験 8.1.5の要求事項への適合性は,次の試験によって判定する。
− 附属書1表6aに規定する最大断面積をもつ銅導体を端子に接続し,9.4の試験及び外観検査を行う(6
mm2を超える公称断面積に対しては硬導体の銅より線を使用し,6 mm2以下の公称断面積の導体は単
線を使用する。)。
− 9.5.1,9.5.2及び9.5.3の試験を行う。
最後の試験は,適切な試験用ねじ回し又はスパナを使用して,附属書1表12に規定するトルクを加えて
行う。
9.5.1
端子には,附属書1表6aに規定する最小及び最大の断面積の銅導体を接続し,単線又はより線の
うちいずれか最も不利な方を接続する。
導体は決められた最小長さだけ端子に挿入するか,又は決められた長さがない場合は,端がちょうど端
子の奥側に突き出るまで電線が抜けそうな位置に挿入する。
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端子ねじを,附属書1表12の該当する欄に規定するトルクの2/3で締め付ける。
各導体に,附属書1表13に規定する値の引張力を加える。引張力は急に加えず,導体の軸方向に1分間
加える。
附属書1表 13 引張力
接続導体の断面積
mm2
引張力
N
4以下
50
6以下
60
10以下
80
16以下
90
50以下
100
60以下
120
試験の間,導体は,端子内で著しく動いてはならない。
9.5.2
端子には,附属書1表6aに規定する最小及び最大断面積の銅導体で,単線又はより線のうちいず
れか最も不利な方を接続し,また,端子ねじは,附属書1表12の該当する欄に規定するトルクの2/3で締
め付ける。
端子ねじを緩めてから,端子による導体部分への影響について調査する。
導体には,不適切な損傷及び断線があってはならない。
備考 導体に深い又は鋭い刻み目がある場合,不適切な損傷とみなす。
試験の間,端子は緩みがなく,ねじの破損,ねじ頭部の溝,ねじ山,座金,当て金などの損傷がなく,
端子の継続使用を損なうことがあってはならない。
9.5.3
端子に,附属書1表14aに規定する構成の硬導体の銅より線を接続する。
附属書1表 14a 導体寸法
接続線の公称断面積の範囲
mm2
より線
素線数
素線直径
mm
1.0 〜 2.5(1)
7
0.67
1.0 〜 4.0(1)
7
0.85
1.5 〜 6.0(1)
7
1.04
2.5 〜 10.0
7
1.35
4.0 〜 16.0
7
1.70
10.0 〜 25.0
7
2.14
16.0 〜 35.0
19
1.53
25.0 〜 50.0
19
1.83
注(1) 端子が単線だけの接続を意図する場合(附属書1表6aの注を参照),この試験は行わない。
端子に挿入する前に,導体の素線を適切にととのえる。
導体が端子の奥の面に達するか,又は,端子の向う側に少しのぞくまで差し込み,また,より線が最も
抜けそうな位置に差し込まなければならない。締付けねじ及びナットは,附属書1表12の該当する欄に
規定する値の2/3のトルクで締め付ける。
試験後,保持している装置から導体のより線の外れがあってはならない。
9.6
感電保護の検証 この要求事項は,標準使用状態で取り付けたとき,操作者にさらされている漏電
遮断器の部分に適用する。
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試験は,本体の付図3に示す標準試験指で,漏電遮断器を標準使用状態(8.2の備考参照)に取り付け,漏
電遮断器に接続できる最小及び最大断面積の導体を接続して行う。
標準試験指は,連結部分の各々が,指の軸に関して同一方向に90°の角度まで回転できるように設計さ
れている。
標準試験指は,実際の指の曲げることができる各々の位置に適合し,充電部への接触を示す電気的な接
触表示がなければならない。
接触の表示のためにランプの使用を推奨する。その電圧は40 V以上でなければならない。
標準試験指は,充電部に接触してはならない。
熱可塑性樹脂のエンクロージャ又はカバーをもつ漏電遮断器は,35 ℃±2 ℃の周囲温度の下において,
次の追加試験を行う。
漏電遮断器には,標準試験指と同じ寸法のまっすぐで接続部がない試験指を用いて,その先端で75 Nの
力を1分間加える。この試験指は,絶縁物の変形で漏電遮断器の安全を損なう場所のすべての部分に適用
する。ただし,ノックアウト孔及び接続導体と取付け面との間には適用しない。
この試験の間,エンクロージャ及びカバーは,標準試験指が充電部に接触するほどの変形があってはな
らない。
エンクロージャで覆うことを意図しない部品をもつ開放形漏電遮断器は,金属製表板を付け標準使用状
態で試験を行う。
9.7
絶縁性能及び断路能力
9.7.1
耐湿度性能
9.7.1.1
試験前の漏電遮断器の準備 工具を使用しないで外すことができる漏電遮断器の部品は外し,主
部品とともに湿度処理を行い,外せるふたは,この処理の間あけておく。
開口部がある場合は,あけておき,ノックアウト孔がある場合はそのうちの一つをあけておく。
9.7.1.2
試験条件 湿度の処理は,相対湿度91 %〜95 %に保持した恒湿槽内で行う。
供試品の周囲温度は,20 ℃〜30 ℃の間の任意の温度T℃の±1 ℃に保持しておく。
恒湿槽に入れる前に,供試品は,T ℃からT+4 ℃の間の温度に置く。
9.7.1.3
試験手順 供試品は,恒湿槽内に48時間置く。
備考1. 91 %〜95 %の相対湿度は,硫酸ナトリウム(Na2SO4),又は,硝酸カリウム(KNO3)の飽和溶
液面が空気と十分に広い面積で接するように恒湿槽内に置くことで得られる。
2. 恒湿槽内の規定条件を達成するために,内部空気の均一なかくはん及び熱遮へいした恒湿槽
の使用を推奨する。
9.7.1.4
試験後の漏電遮断器の状態 この試験後,供試品は,損傷がなく,また,9.7.2及び9.7.3の試験
に耐えなければならない。
9.7.2
主回路の絶縁抵抗 9.7.1に規定する処理をした漏電遮断器を恒湿槽から取り出す。
この処理に引き続いて,30分〜60分後,約500 Vの直流電圧を5秒間印加後,次の箇所の絶縁抵抗を測
定する。電子回路がある場合,電子部品が組み込まれた漏電遮断器では漏電遮断器開路位置で,電子部品
の接続位置を考慮して,すべての電源側端子間,又は,すべての負荷側端子間のいずれかに対して試験す
る。
a) 漏電遮断器を閉路したとき互いに電気的に接続する各端子間において,開路位置で各極順番に行う。
b) 閉路位置で,各極と一括接続したその他の極との間を順番に行う。
c) 閉路位置で,すべての極一括とフレームとの間,該当するときは,絶縁材料製の内部エンクロージャ
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の外面及び接する金属はく(箔)を含む。
d) 機構の充電金属部とフレームとの間で行う。
備考 近接できる機構の充電金属部は,特にこの測定を満足しなければならない。
e) 内側に絶縁材料の裏打ち(ライニング)をした金属エンクロージャ付きの箱入り漏電遮断器に対して
は,ブッシング及び同様の装置を含む絶縁材料の裏打ちの内側面に接してはり付けた金属はく(箔)と
フレームとの間で行う。
a)〜c)の測定は,すべての補助回路をフレームに接続して行う。
“フレーム”とは,次のことを含む。
− すべての近接できる金属部及び標準使用取付状態で近接できる絶縁物の表面に接してはり付けた金属
はく(箔)。
− 漏電遮断器の基台の取付け面。必要なときは,金属はく(箔)で覆う。
− 基台を支持するための取付けねじ及びその他の取付け装置
− 漏電遮断器の取り付けたときに動かすことがあるカバーの取付けねじ。
− 8.2に規定する操作装置の金属部。
保護導体を接続することを意図した端子を備えた漏電遮断器は,その端子をフレームと接続する。
b)〜e)に従い測定する場合,金属はく(箔)は封印用コンパウンドを使用するなどして,効果的に試験を行
う。
絶縁抵抗は,次の値以上でなければならない。
− a)及びb)の測定は,2 MΩ
− 他の測定は,5 MΩ
9.7.3
主回路の耐電圧 9.7.2の試験に合格した後,9.7.2に規定する部分間に,規定の電圧を1分間印加
する。電子回路がある場合,電子部品が組み込まれた漏電遮断器では漏電遮断器開路位置で,電子部品の
接続位置を考慮して,すべての電源側端子間,又はすべての負荷側端子間のいずれかに対して試験する。
試験電圧は,ほぼ正弦波で,45 Hz〜65 Hzの間の周波数とする。
試験電源は,少なくとも0.2 Aの短絡電流を供給できなければならない。
出力回路の電流が100 mA以下の場合に,変圧器の過電流引外し装置は動作してはならない。
試験電圧は,次による。
− 9.7.2のa)〜d) は,2 000 V
− 9.7.2のe)は,2 500 V
最初に,規定電圧の1/2以下の電圧を印加し,5 秒以内で規定電圧まで上昇する。
試験中に,フラッシオーバ又は絶縁破壊が生じてはならない。
電圧降下を伴わないグロー放電は,無視する。
9.7.4
補助回路の絶縁抵抗及び耐電圧
a) 補助回路の絶縁抵抗及び耐電圧性能は,主回路の絶縁抵抗及び耐電圧試験直後,次のb)及びc)に示す
条件の下で行う。試験のために,通常の給電で主回路に接続して使用する電子回路は,一時的に,試
験の間,電子回路の入力側と出力側との間が無電圧になるように接続する。
b) 絶縁抵抗の測定は,次による。
− 補助回路一括とフレームとの間
− 通常の使用状態で他の部分から絶縁された補助回路の各部分と,他の部分すべての一括の間で,約
500 Vの直流電圧を1分間印加した後,絶縁抵抗は,2 MΩ以上でなければならない。
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c) 定格周波数のほぼ正弦波電圧をb)に規定する部分に1分間印加する。印加電圧値を,附属書1表15
に規定する。
附属書1表 15 補助回路の試験電圧
補助回路の定格電圧(a.c.又はd.c.)
V
試験電圧
V
30以下
600
30を超え 50以下
1 000
50を超え110以下
1 500
110を超え250以下
2 000
250を超え500以下
2 500
試験電圧の初期値は,規定電圧の1/2以下とする。次いで,5秒以上20秒未満の間に規定電圧まで,連
続的に上昇しなければならない。
試験中,フラッシオーバ又は絶縁破壊があってはならない。
備考1. 電圧降下を伴わない放電は,無視する。
2. b)に示す要求の検証に関して,補助回路に接近できない漏電遮断器の場合,試験は,製造業
者によるか,製造業者の指定に従って準備する特別の供試品で行う。
3. 補助回路には,電源電圧依存形漏電遮断器の制御回路を含まない。
4. 9.7.5及び9.7.6以外の制御回路は,補助回路と同様の試験を行う。
9.7.5
検出用変流器の二次回路 検出用変流器の二次回路を含む回路は,この回路が近接可能金属部品,
保護導体又は充電部に接続していない場合には,絶縁試験を行わなくてよい。
9.7.6
主回路に接続された制御回路の絶縁抵抗測定中の直流高電圧耐量に対する性能 試験は,漏電遮断
器を金属製支持台に取り付けて閉路し,すべての制御回路を使用状態に接続して行う。
直流電源は,次の特性のものを用いる。
− 開放電圧 : 600 V 250
+
V
備考 この電圧は,暫定値である。
− 最大リップル: 5 %
100
)
(
×
平均値
最大値−平均値
%
リップル
=
− 短絡電流 : 12 mA
20
+ mA
備考 JIS C 1302の絶縁抵抗計定格測定電圧500 Vのものに相当する。
この試験電圧は,各極と,他の極をフレームに接続した場所との間に各々1分間印加する。
この処理後,漏電遮断器は,9.9.1.2 c) 1)に規定する試験を満足しなければならない。
9.7.7
開路した接点間のインパルス耐電圧及び漏れ電流の検証
9.7.7.1
開路接点間のインパルス耐電圧の検証(断路適合性) 試験は,金属製支持台に固定した漏電遮断
器で行う。
インパルス電圧は,次の許容範囲の1.2×50 μs の正及び負のインパルス発生器によって与える。
− 波高値 ±5 %
− 波頭長 ±30 %
− 波尾長 ±20 %
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試験装置のサージインピーダンスは,公称値500 Ωでなければならない。
インパルス波形は,インパルス発生器に供試用の漏電遮断器を接続した状態で調整する。この目的のた
めに,適切な分圧器及び電圧検出器を使用しなければならない。
インパルスの小さい振動は,インパルスのピーク近傍の振動の大きさが波高値の5 %未満の場合は許容
する。
立上り時間の最初の1/2までの振動は,波高値の10 %以下の場合は許容する。
IEC 60060-1の図6による1.2×50 μsのインパルス電圧を,接点を開路位置にして,一括接続した電源
側端子と一括接続した負荷側端子との間に3回の正インパルス及び3回の負インパルスを印加する。
連続的なインパルスの印加の間隔は,同極性間では少なくとも1秒,逆極性間では,少なくとも10秒と
する。
インパルス電圧の試験値は,本体の付表X1の漏電遮断器の定格インパルス耐電圧に対して本体の付表
X3から選定しなければならない。この試験値は,試験を行う場所の標高及び/又は気圧に対して本体の付
表X3によって補正する。
試験中に意図しない破壊放電があってはならない。
9.7.7.2
9.7.7.1で試験しない部分のインパルス耐電圧の検証 試験は,閉路位置で金属製支持台に固定し
た漏電遮断器で行う。
インパルスは,次の許容範囲の1.2×50 μs の正及び負のインパルス発生器によって与える。
− 波高値 ±5 %
− 波頭長 ±30 %
− 波尾長 ±20 %
試験装置のサージインピーダンスは,公称値500 Ωでなければならない。
インパルス波形は,インパルス発生器に供試用の漏電遮断器を接続した状態で調整する。この目的のた
めに,適切な分圧器及び電圧検出器を使用しなければならない。
備考 サージアレスタをもっている漏電遮断器に対しては,インパルス波形は,インパルス発生器に
供試漏電遮断器を接続しない状態で調整する。
インパルスの小さい振動は,インパルスのピーク近傍の振動の大きさが波高値の5 %未満の場合は許容
する。
立上り時間の最初の1/2での振動は,波高値の10 %以下の場合は許容する。
一連の試験の最初は,中性極(中性電路)がある場合は,漏電遮断器の一括接続した電圧極と中性極(中性
電路)との間にインパルス電圧を印加して行う。
一連の試験の2番目は,金属製支持台に接続した保護導体用の端子と電圧極及び中性極(中性電路)を一
括接続した端子との間にインパルス電圧を印加して行う。
両方の試験とも3回の正インパルス及び3回の負インパルスを印加し,連続的なインパルスの印加の間
隔は,同極性では少なくとも1秒,逆極性間では少なくとも10秒とする。
インパルス電圧の試験値は,本体の付表X1の漏電遮断器の定格インパルス耐電圧に対して本体の付表
X2から選定する。この試験値は,試験を行う場所の標高及び/又は気圧に対して本体の付表X2によって
補正する。
試験中に意図しない破壊放電があってはならない。
しかし,1回だけ破壊放電があった場合には,6個の供試品を追加し,破壊放電が起こったのと同じよう
に接続して同じ極性で試験する。
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備考 試験装置のサージインピーダンスは,500 Ωでなければならない。
9.7.7.3
開路接点間での漏れ電流の検証(断路適合性) 9.12.11.2,9.12.11.3,9.12.11.4 b)又は9.12.11.4c)の
試験を行った漏電遮断器の各極に,開路状態で定格電圧の1.1倍の電圧を印加する。
開接点間に流れる漏れ電流を測定し,2 mAを超えてはならない。
9.8
温度上昇試験
9.8.1
周囲温度 周囲温度は,漏電遮断器の高さの中心(約1/2)の位置で,約1 m離れた場所で,漏電遮
断器の周囲で対称的な位置に少なくとも二つの温度計又は熱電対を置いて,試験期間の最後の1/4の間で
測定しなければならない。
温度計又は熱電対を,空気の流れ及び放射熱から保護しなければならない。
備考 急激な温度変化による誤測定がないように注意しなければならない。
9.8.2
試験手順 定格電流に等しい電流を漏電遮断器のすべての極に同時に,温度上昇が安定温度に達す
るまで十分な時間通電する。実施に当たって,この状態は,温度上昇の変化が1時間当たり1 K以下にな
ったとき達成したものとする。
4極漏電遮断器の試験は,最初に,三相の極だけに規定の電流を通電して行う。
次いで,中性線の接続を意図した極と隣接する極との間に通電して行う。
これらの試験中,温度上昇は附属書1表7aに規定する値を超えてはならない。
9.8.3
各部の温度測定 附属書1表7aに規定する各部の温度は,最も温度が高い点にできるだけ近い位
置を,細線の熱電対又は同様の方法で測定する。
試験中,熱電対と各部表面との間の良好な熱伝導を確保しなければならない。
9.8.4
各部の温度上昇 各部の温度上昇は,9.8.3に従って測定した各部の温度と,9.8.1に従って測定し
た周囲温度との差である。
9.9
動作特性の検証
9.9.1
漏電状態の下での動作特性の検証
9.9.1.1
試験回路 漏電遮断器は,通常の使用状態に取り付ける。
試験回路は,無視できるインダクタンスで,かつ,本体の付図4aによる。
漏電電流測定用計器は,0.5 級以上とし,真の実効値を指示(又は決定)するものでなければならない。
時間測定の計器は,相対的な誤差が測定値の10 %以下でなければならない。
9.9.1.2
20 ℃±2 ℃ の指定温度での正弦波交流の漏電電流における無負荷試験 漏電遮断器は,9.9.1.2
a)〜c) (それぞれ5回ずつ測定する。ただし,地絡検出装置に電子回路を使用する場合は,感度電流の測定
を1回とする。)及び9.9.1.2 d)の試験を無作為に選んだ1極で行う。
複数の感度電流設定をもつ漏電遮断器の試験は,それぞれの設定に対して行う。
a) 漏電電流が一様に増加する場合の正常動作の検証 試験は,試験用スイッチS1,S2及び漏電遮断器を
閉路し,漏電電流を定格感度電流IΔnの20 %以下から始めて30秒以内に定格感度電流値に達するよ
うに努めて一様に増加し,試験ごとの動作電流を測定する。測定値のすべてが,定格漏電不動作電流
値と定格感度電流値との間になければならない。
b) 漏電電流を投入したときの正常動作の検証 試験回路を定格感度電流値IΔnに設定し,試験用スイッ
チS1及びS2を閉路しておき,漏電遮断器で回路をできるだけ使用状態に合わせて閉路する。動作時
間を5回測定する。漏電遮断器の分類に従って,測定値は,本体の表2の定格感度電流欄に規定する
標準値を超えてはならない。ただし,高速形においては,0.3秒以内であってもよい。
c) 漏電電流の急激な増加時における正常動作の検証
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
1) 全形式 試験電流を本体の表2に規定する各漏電電流値に順次設定して,試験用スイッチS1及び漏
電遮断器を閉路して,さらに,S2を閉路することで,漏電電流は急に通電する。漏電遮断器は,試
験の都度,動作しなければならない。動作時間は,各漏電電流値に対して5回測定する。測定値は,
関連する規定限界時間を超えてはならない。
2) 時延形に対する追加試験 試験電流を本体の表2に規定する各漏電電流値に順次設定して,試験用
スイッチS1及び漏電遮断器を閉路して,さらに,関連する最小慣性不動作時間の変動範囲
05
− %の
時間に相当する間,S2を閉路することで,漏電電流を急に通電する。漏電電流の各通電間隔は,1
分以上としなければならない。漏電遮断器は,この試験で動作してはならない。500 Aの試験電流
以外の試験は,−5 ℃及び40 ℃の周囲温度で繰り返す。
3) 慣性不動作時間試験 定限時時延形の漏電遮断器に適用し,定格電圧を加え,負荷電流を通じない
状態において,閉路状態で1極に10 A又は定格感度電流の20倍のいずれか大きい値の電流を急に
流し,慣性不動作時間(最小0.1秒間)継続する。漏電遮断器は,この試験で動作してはならない。
d) 漏電電流が5 IΔnから500 Aまでの範囲で急に通電する場合の正常動作の検証 試験回路を次の漏電電
流値に順次設定する。
5 A,10 A,20 A,50 A,100 A,200 A
試験用スイッチS1及び漏電遮断器を閉路しておき,S2を閉路することで,漏電電流を急に通電する。
漏電遮断器は,試験の都度,動作しなければならない。動作時間は,本体の表2の値を超えてはならな
い。
試験は,それぞれの漏電電流の値で,無作為に選んだ1極について1回行う。
9.9.1.3
負荷時の指定温度における正常動作の検証 定常状態に達するのに十分な時間,通常の給電状態
で漏電遮断器に定格電流の負荷を接続して,9.9.1.2 b)及び9.9.1.2 c)の試験を繰り返す。
実施に当たって,この状態は,温度上昇の変化が1時間当たり1 K以下になったとき,達成したものと
する。
複数の感度電流設定をもつ漏電遮断器の試験は,それぞれの設定に対して行う。
9.9.1.4
温度限界での試験 引き続いて,漏電遮断器は,次の条件下で9.9.1.2 c)に規定する試験を行う。
a) 周囲温度 −5 ℃,無負荷状態
b) 周囲温度 +40 ℃,熱安定状態になるまで,漏電遮断器に任意の電圧で定格電流に等しい電流を通じ
る。
実施に当たって,この状態は,温度上昇の変化が1時間当たり1 K以下になったとき達成したものとす
る。
複数の感度電流設定をもつ漏電遮断器の試験は,それぞれの設定に対して行う。
定格電流が100 Aを超えるものは,定格電流を通電しなくてもよい。
備考 予備加熱は低い電圧で行ってもよいが,補助回路には通常の操作電圧を印加する(特に,電源電
圧に影響される部品に対して)。
9.9.1.5
電源電圧依存形漏電遮断器に対する試験条件 電源電圧依存形漏電遮断器に対する各試験は,関
係する端子に印加する電源電圧を次の値として行う。
定格電源電圧の1.1倍及び0.85倍。
9.9.2
過電流状態の下での動作特性の検証 この試験は,8.5.2の要求を満足する漏電遮断器の検証のた
めに行う。
9.9.2.1
時間−電流特性(引外し特性)の試験 タイプB,C及びDは,次による。
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a) 1.13 In(不動作電流)に等しい電流を,コールド状態(附属書1表8参照) から始めて,全極に規定時間
[8.5.2.1及び8.5.2.2 a)参照]通電する。
漏電遮断器は動作してはならない。
次いで,電流を5秒以内に一様に 1.45 In (動作電流)まで増加する。漏電遮断器は,規定時間内に動
作しなければならない。
b) 2.55 Inに等しい電流を,コールド状態から始めて,全極に通電する。
開極時間は,1秒を超え,次の時間内でなければならない。
− 定格電流32 A以下は, 60 s
− 定格電流32 A超過は,120 s
タイプJは次による。
c) In(不動作電流)に等しい電流を,コールド状態(附属書1表8参照) から始めて,全極に規定時間[8.5.2.1
及び8.5.2.2 a)参照]通電する。
漏電遮断器は動作してはならない。
次いで,電流を5秒以内に一様に 1.25 In (動作電流)まで増加する。漏電遮断器は規定時間以内に
動作しなければならない。
d) 2 In に等しい電流を,コールド状態から始めて,各極に通電する。
開極時間は,1秒を超え,次の時間以内でなければならない。
− In ≦ 30 Aは, 120 s
− 30 A < In ≦ 50 A は,240 s
− 50 A < In ≦ 100 Aは,360 s
− 100 A < In ≦ 150 Aは,480 s
9.9.2.2
瞬時引外しの試験
a) タイプBの漏電遮断器に対しては,次による。
3 Inに等しい電流を,コールド状態から始めて,全極に通電する。
動作時間は0.1秒を超えなければならない。
次いで,5Inに等しい電流をコールド状態から始めて,全極に通電する。
漏電遮断器は,0.1秒内の時間で動作しなければならない。
b) タイプCの漏電遮断器に対しては,次による。
5 Inに等しい電流を,コールド状態から始めて,全極に通電する。
動作時間は0.1秒を超えなければならない。
次いで,10 Inに等しい電流を,コールド状態から始めて,全極に通電する。
漏電遮断器は,0.1秒内の時間で動作しなければならない。
c) タイプDの漏電遮断器に対しては,次による。
10 Inに等しい電流を,コールド状態から始めて,全極に通電する。
動作時間は0.1秒を超えなければならない。
次いで,20 In に等しい電流を,コールド状態から始めて全極に通電する。
漏電遮断器は,0.1秒内の時間で動作しなければならない。
d) タイプJの漏電遮断器に対しては,次による。
製造業者の保証する瞬時引外し電流の下限値に等しい電流を,コールド状態から始めて,全極に通
電する。
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動作時間は0.1秒を超えなければならない。
次いで,製造業者が保証する瞬時引外し電流の上限値に等しい電流を,コールド状態から始めて全
極に通電する。
漏電遮断器は,0.1秒内の時間で動作しなければならない。
e) 越流試験 定格電圧100 V又は100 V/200 Vで定格電流50 A以下であって,タイプJの漏電遮断器及
びタイプB,C及びDの漏電遮断器で越流性能を表示する場合の越流試験は,室温において,次の条
件の下で白熱電球を点灯して行う。
・白熱電球は,100 V,200 Wのものを基準とし,点灯状態で漏電遮断器の定格電流の100 %の電流
を流すことができる個数とする。ただし,必要な場合,1〜2個は200 Wより小さいものでよい。
・試験回路の電圧は,100〜105 Vとし,その電源容量は,漏電遮断器に白熱電球の負荷で電流を流し
たとき,漏電遮断器の電源側端子における電圧降下が5 %以内になる大きさのものとする。
・試験は,2秒間閉路の後に開路し,2分間冷却する操作を連続3回行う。
漏電遮断器は,自動動作することなく,かつ,接点の溶着があってはならない。
9.9.2.3
引外し特性における周囲温度の影響の試験 タイプB,C及びDの漏電遮断器は,次の試験によ
って検証する。
a) 漏電遮断器を,基準周囲温度より35 K±2 Kを下回る温度の下で,安定温度に達するまで放置する。
1.13 In(不動作電流)に等しい電流を,全極に規定時間通電する。次に,5秒以内に電流を1.9 Inに暫
増する。
漏電遮断器は,規定時間以内に動作しなければならない。
b) 漏電遮断器は,基準周囲温度を10 ℃±2 ℃上回る周囲温度に,定常温度に達するまで放置する。
Inに等しい電流を,全極に規定時間通電する。
漏電遮断器は,規定時間以内に動作してはならない。
9.10 機械的及び電気的耐久性能の検証
9.10.1 一般試験条件 漏電遮断器を金属製支持台に取り付ける。
試験は,定格電圧を印加し,電流を負荷端子側に直列に接続した抵抗器及びリアクトルによって定格電
流に調整して行う。
空心リアクトルを使用する場合,リアクトルを流れる電流の約0.6 %を分流する抵抗器を各リアクトル
と並列に接続する。
鉄心入りリアクトルを使用する場合,それらリアクトルの鉄損は回復電圧にほとんど影響してはならな
い。
電流は,実質的な正弦波形であり,力率は,0.85〜0.9の間とする。
漏電遮断器を,附属書1表11aに規定する断面積の電線で回路に接続する。
9.10.2 試験手順 漏電遮断器は,閉路操作に引き続いての開路操作からなる操作サイクルを2 000回行う。
漏電遮断器は,通常使用と同様に操作しなければならない。
開路操作は,次のように実施しなければならない。
定格感度電流が10 mA超過の漏電遮断器は,
− 最初の1 000回は,手動操作によって行う。
− 次の 500回は,テスト装置によって行う。
− 最後の 500回は,1極に定格感度電流IΔnを通電して行う。
定格感度電流が10 mA以下の漏電遮断器は,
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− 最初の500回は,手動操作によって行う。
− 次の750回は,テスト装置によって行う。
− 最後の750回は,1極に定格感度電流IΔnを通電して行う。
さらに,漏電遮断器は無負荷で,手動操作によって次の回数を追加する。
− 定格電流が25 A以下の漏電遮断器は,2 000回
− 定格電流が25 A超過の漏電遮断器は,1 000回
開閉の割合は,次によらなければならない。
− 定格電流が25 A以下の漏電遮断器は,4回/分:ONを1.5〜2秒間保持する。
− 定格電流が25 Aを超える漏電遮断器は,2回/分:ONを1.5〜2秒間保持する。
備考 複数の感度電流設定をもつ漏電遮断器の試験は,最小設定値で行わなければならない。
9.10.3 試験後の漏電遮断器の状態 9.10.2の試験後の漏電遮断器は,次の状態になってはならない。
− 過度の摩耗
− 標準試験指が充電部に接触できるようなエンクロージャの損傷
− 電気的及び機械的接続の緩み
− コンパウンドのしみ出し
漏電遮断器は,9.9.1.2. c)1)の試験条件の下で,定格感度電流IΔnの1.25倍の試験電流で動作しなければ
ならない。動作時間の測定はせず,試験は1回だけ行う。
次いで,漏電遮断器は,9.7.3に規定する耐電圧試験を満足しなければならない。この場合の試験は,定
格電圧の2倍に等しい電圧,ただし,900 V以上,を1分間とし,また,試験前の湿度処理は行わない。
さらに,漏電遮断器は,9.9.2.1 b)の試験を満足しなければならない。
9.11 引外し自由機構の検証
9.11.1 一般試験条件 漏電遮断器を,通常使用と同様に取り付け,配線する。
漏電遮断器を,本体の付図4aに示した結線で試験する。
9.11.2 試験手順 漏電遮断器を閉路し,そして,操作装置は閉路状態を維持して,スイッチS2を閉路す
ることで,1.5IΔnに等しい漏電電流を通電する。漏電遮断器は動作しなければならない。
次に,操作装置を電流が流れ始める位置まで,ゆっくりと約1秒間で動かして,試験を繰り返す。操作
装置をそれ以上動かさなくても動作しなければならない。
二つの試験は,各3回行う。電圧相に接続することを意図した各極に対して少なくとも1回行う。
備考1. 漏電遮断器が二つ以上の操作装置をもっている場合,引外し自由試験はすべての操作装置に
対して行う。
2. 感度電流可調整形漏電遮断器に対して,試験は各設定値について行う。
9.12 短絡試験
9.12.1 一般事項 9.12.1〜9.12.12の条件は,短絡状態の下で漏電遮断器の動作の検証を意図したすべての
試験に適用する。また,定格漏電投入及び遮断試験に対しては,追加要求を9.12.13に,コード短絡保護
を表示するものに対しては追加要求を9.12.14に規定する。
備考 感度電流可調整形漏電遮断器に対して,試験は,最小設定値で行う。
短絡性能の検証のための標準試験は,投入及び遮断動作のシーケンスからなり,動作の適切な検証をす
る。附属書1表16aにそれらをまとめた。
すべての漏電遮断器は,次の試験を行う。
− 9.12.11.2及び9.12.12.1に従って,500 A又は,10 Inのいずれか大きい値で。
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− 9.12.11.3及び9.12.12.1に従って,1 500 Aで。
− 9.12.13.1,9.12.13.2及び9.12.12.1に従って,定格漏電投入及び遮断容量(本体の5.2.7参照)で。
1 500 Aを超える短絡容量をもつ漏電遮断器は,追加試験を行う。
− 9.12.11.4 b)及び9.12.12.1に従い使用短絡遮断容量(本体の3.4.6.2参照)において,使用短絡遮断容量
は,附属書1表18に示す係数Kの値を定格短絡遮断容量に乗じて求めた値で。
− 係数Kが1より小さい場合は,新しい供試品を用いて,9.12.11.4 c)及び9.12.12.2に従って定格短絡
遮断容量(5.2.6参照)で。
附属書1表 16a 短絡試験一覧
試験の種類
試験対象の漏電遮断器
短絡試験後の検証項目
減少短絡試験(9.12.11.2)
すべての漏電遮断器
9.12.12.1
1 500 A試験(9.12.11.3)
定格漏電投入及び遮断試験(9.12.13.1)
9.12.13.2 ,9.12.12.1
使用短絡試験(9.12.11.4b)
Icn>1 500Aの漏電遮断器
9.12.12.1
定格短絡試験(9.12.11.4c)
9.12.12.2
コード短絡保護試験(9.12.14.1)
コード短絡保護機能を表示する漏
電遮断器
9.12.14.2
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9.12.2 短絡試験のための試験回路 本体の付図5〜付図9は,附属書1表16cに関連する試験に対して用
いる回路構成を示す。
附属書1表 16c 漏電遮断器の極数及び短絡性能の試験回路一覧
減少短絡試験
1 500 Aでの試験
使用短絡遮断容量
(Ics)での試験
短絡遮断容量(Icn)
での試験
試験方法
及び判定
試験回
路
試験方法
及び判定
試験回
路
試験方法
及び判定
試験回
路
試験方法
及び判定
試験回
路
下記以外の
漏電遮断器
単極2電路 9.12.11.2.1
9.12.12.1
付図5
9.12.11.3
9.12.12.1
付図5
9.12.11.4.2
9.12.12.1
付図5 9.12.11.4.3
9.12.12.2
付図5
2極1素子
付図6a
付図6a
付図6a
2極2素子
付図6a
付図6a
付図6a
3極3素子
付図7
付図7
付図7
3極4電路
付図8
付図8
付図8
4極4素子
付図9
付図9
付図9
100/200 V
単相3線用
漏電遮断器
単極2電路 9.12.11.2.1
9.12.12.1
付図5で
100 V
9.12.11.3
9.12.12.1
付図5
9.12.11.4.2
9.12.12.1
付図5 9.12.11.4.3
9.12.12.2
付図5
3極2素子
付図6b
付図6b
付図6b
3極3素子
付図6b
付図6b
付図6b
中間接地式
単相2線及
び100/200 V
単相3線用
漏電遮断器
2極2素子 9.12.11.2.1
9.12.12.1
付図5
9.12.11.3
9.12.12.1
付図6c
9.12.11.4.2
9.12.12.1
付図6c 9.12.11.4.3
9.12.12.2
付図6c
試験電流
500 A又は10Inのい
ずれか大きい値
1 500 A
表18による
Icnの値
動作責務
O 6回(位相同期)及
び―CO 3回
O 6回(位相同期)及
び―CO 3回
O―O―CO(単極,2
極)
O―CO―CO(3極,4
極)
O―CO
試験回路のインピーダンスZ及びZ1の抵抗並びにリアクタンスは,規定の試験条件を満足するように調
整できなければならない。リアクトルは,なるべく空心でなければならない。リアクトルは,抵抗器に直
列に接続し,その値は個々のリアクトルの直列接続によって得なければならない。リアクトルの並列接続
は,それらのリアクトルが事実上,同一時定数をもつときに認められる。
空心リアクトルを含む試験回路の過渡回復電圧の特性は,通常の使用状態とは異なるので,各相の空心
リアクトルには,リアクトルを流れる電流の約0.6 %を分流する抵抗器R1を並列に接続する。
鉄心入りリアクトルを用いる場合,それらのリアクトルの鉄心の電力損失は,空心リアクトルと並列に
接続した抵抗による損失を超えてはならない。
定格短絡遮断容量を試験するための各試験回路内のインピーダンスZは,電源S及び供試漏電遮断器間
に接続する。
定格短絡遮断容量以下の電流の試験をするとき,追加するインピーダンスZ1は,漏電遮断器の負荷側に
挿入する。
定格及び使用短絡試験,また,定格漏電投入及び遮断試験のための漏電遮断器は,1極について0.75 m
の長さで,かつ,附属書1表6aによって定格電流に対応する最大断面積の電線を接続する。
備考 漏電遮断器の電源側に0.5 m,負荷側に0.25 mの電線を接続することを推奨する。
スイッチS1は,9.12.13による試験を除いたすべての短絡試験において開路状態にしておく。
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約0.5 Ωの抵抗器R2は,本体の付図6〜付図9に示した適切な銅線Fと直列に接続する。
− 銅線Fは,50 mmの長さで,次による。
− 大気中で試験するように金属製支持台に取り付けた場合,直径0.1 mm。
− 製造業者が規定する最も小さな独立したエンクロージャ内で試験する場合,直径0.3 mm。
試験回路の一方又は一点だけ直接接地しなければならない。これは,試験回路の短絡回路結合点,電源
の中性点又は,その他の任意のよい点とする。接地の方法は,試験成績書に記述しなければならない。漏
電遮断器の取付けの金属枠製支持台又は金属製エンクロージャを含めて,給電中に通常接地している漏電
遮断器のすべての導電部は,電源の中性点又は耐久性のある無誘導の人為的な中性点に接続する。
各相に10 Aの電流を流す抵抗R1は,漏電遮断器の電源側で,定格短絡容量に対応する推定短絡電流に
調整するためのインピーダンスと漏電遮断器間に接続する。
電流測定器O1を漏電遮断器Dの負荷側に接続する。
電圧測定器O2は,次に従って接続する。
− 単極漏電遮断器の場合は,極の端子間とする。
− 多極漏電遮断器の場合は,電源端子間とする。
他の方法が試験報告書に記述していないときは,測定回路の抵抗は少なくとも電源周波数の回復電圧の
1 V当たり100 Ωとなるようにする。
電源電圧依存形漏電遮断器は,定格電圧,又は,関係する場合,定格電圧の範囲の最も低い電圧を電源
側に印加する。
試験回路図は,試験成績書に示さなければならない。
9.12.3 試験量の値 定格短絡遮断容量の検証に関するすべての試験は,この規格の関係する表に従って製
造業者が指定する影響量の値で行う。
印加電圧の値は,規定した商用周波数の回復電圧を生じるために必要である。
商用周波回復電圧は,供試漏電遮断器の定格電圧の110 %に相当する値と等しくする。
備考 定格電圧の110 %(±5 %)は通常使用状態でのシステムの電圧をの変動の影響を包含していると
みなす。上限値は,製造業者との同意で増加できる。
9.12.4 試験値の許容差 試験成績書に記録された値が次の規定値に対する範囲内にある場合に,試験は適
切と考える。
− 電流:
50
+ %
− 周波数: ±5 %
− 力率:
005
.0
−
− 電圧(回復電圧を含む。): ±5 %
9.12.5 試験回路の力率 試験回路の各相の力率を,合理的な方法によって決定し,試験成績書に明記しな
ければならない。二つの例を附属書IAに示す。
多相回路の力率は,各相の力率の平均値とする。
力率の範囲は,附属書1表17による。
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附属書1表 17 試験回路の力率範囲
試験電流Icc
A
力率範囲
Icc≦ 1 500
0.93〜0.98
1 500<Icc≦ 3 000
0.85〜0.90
3 000<Icc≦ 4 500
0.75〜0.80
4 500<Icc≦ 6 000
0.65〜0.70
6 000<Icc≦10 000
0.45〜0.50
10 000<Icc≦25 000
0.20〜0.25
9.12.6 I2t及び波高電流(Ip )の測定及び検証 I2t及びIpは,9.12.11.2〜9.12.11.4に規定する試験の間に測定
する。
三相回路での漏電遮断器の試験の場合,I2tの値は各極を測定する。
測定した最大I2tの値は,試験成績書に記録し,I2t 特性の対応する値を超えてはならない。
9.12.7 試験回路の校正
9.12.7.1 試験回路の校正のために,試験回路のインピーダンスに比べて無視できるインピーダンスをもつ
接続導体G1及びG2を本体の付図5〜付図9に示す位置に接続する。
9.12.7.2 附属書1表17に規定する力率で,漏電遮断器の定格短絡遮断容量に等しい推定短絡電流を得る
ためのインピーダンスZは,接続導体G1の電源側に挿入する。
9.12.7.3 漏電遮断器の定格短絡遮断容量より小さい試験電流を得るために付加するインピーダンスZ1は,
本体の付図5〜付図9に示すように接続導体G2の負荷側に挿入する。
9.12.7.4 附属書1表17の規定に規定する力率で,漏電遮断器の定格漏電投入及び遮断容量に等しい推定
電流を得るためのインピーダンスZ2は,本体の付図5〜付図9に示すように挿入する。
9.12.8 記録の説明
a) 印加電圧及び商用周波回復電圧の決定 印加電圧及び商用周波回復電圧は,供試漏電遮断器で行った
遮断試験での記録から決定する。印加電圧は,本体の付図10に示したようにして求める。電源側電圧
は,すべての極のアークが消滅した後で,高周波過渡現象がおさまった後の最初の周期の間に測定す
る。
b) 推定短絡電流の決定 推定電流の交流成分は,校正電流(本体の付図10のA2に対応した値)の交流成
分の実効値に等しいものとみなす。適用する場合,推定短絡電流はすべての極の推定電流の平均値と
する。
9.12.9 供試漏電遮断器の条件 漏電遮断器の試験は,9.12.9.1によって開放状態で行わなければならない。
ただし,漏電遮断器が,製造業者が指定するエンクロージャ内だけで使用するように設計してある場合,
又は,個別のエンクロージャの中での使用だけを目的としている場合には,9.12.9.2による試験又は製造
業者の同意のもとで9.12.9.1による試験を行う。
備考 個別のエンクロージャとは,一つの漏電遮断器だけに対して設計したエンクロージャをいう。
漏電遮断器は,できるだけ通常の投入操作を模擬して操作しなければならない。
通常,絶縁支持物に装着する差込形漏電遮断器は,絶縁支持物を金属支持物に固定した状態
で試験を行う。
9.12.9.1 大気中での試験 供試漏電遮断器は,附属書C付図C.1に示すように取り付ける。
附属書Cに規定するポリエチレンシート又はさらしかなきん及び絶縁材料のバリアは,開(O)動作のと
きだけ附属書C付図C.1に示す位置に取り付ける。
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附属書Cに規定するグリッドは,放出するイオン化ガスの大部分がグリッドを通過する位置に置く。グ
リッドは,最も不利な位置に取り付ける。
備考 排気口の位置が明確でない場合,又は排気口がない場合は,製造業者が適切な情報を提供しな
ければならない。
グリッド回路(附属書C付図C.3参照)は,本体の付図5〜付図9の試験回路に従ってB点及びC点に接
続する。
抵抗器R'は,抵抗値を1.5 Ωとしなければならない。銅線F'(附属書C付図C.3参照)の長さは50 mmと
し,定格電圧が200又は240 Vの漏電遮断器では,その直径を0.12 mm,定格電圧が415 V又は240/415 V
の漏電遮断器では,0.16 mmとしなければならない。
定格電圧100 V又は100/200 Vの漏電遮断器は,抵抗器Rʼの抵抗値を0.75 Ωとし,銅線の直径を0.12
mmとしなければならない。
1 500 A以下の試験電流の場合の距離“a”は,35 mmとする。
Icnまでのより大きな電流に対しては,製造業者が指定したように,距離“a”を大きくしてもよい。大
きくした場合の“a”は,40−45−50−55−・・・mm のシリーズから選ぶ。追加のバリア又は絶縁手段を製
造業者の指定により適用してもよい。
9.12.9.2 エンクロージャ内での試験 附属書C付図C.1のグリッド及び絶縁材料のバリアは省略する。試
験は,形状的に最も不利なエンクロージャの中に漏電遮断器を設置し,最も不利な条件のもとで行なわな
ければならない。
備考 この方法は,他の漏電遮断器(又は他の装置)がグリッドがある方向に通常に取り付けられる場
合,それらをそこに取りけなければならない。これらの漏電遮断器(又は他の装置)は通常の使
用状態で給電するものとし,9.12.9.1で定義したF'とR'を経由し,かつ,適切な本体の付図5
〜付図9で示したように接続しなければならない。
イオン化ガスが装置に影響を与えないようにするため,製造業者の説明書に従って,バリア又は他の手
段,適切な距離が必要になってもよい。
附属書Cに規定するポリエチレンシート又はさらしかなきんは,“O”操作のときだけ,附属書C付図
C.1に示すように操作装置から10 mmの距離の位置に置く。
9.12.10 短絡試験中の漏電遮断器の状態 試験中,漏電遮断器が操作者に危険を及ぼしてはならない。さ
らに,漏電遮断器は,アークが持続することもなく,極間及び極とフレームとの間のフラッシオーバがな
く,ヒューズF及び適用しているときは,ヒューズF'の溶断があってはならない。
9.12.11 試験手順
9.12.11.1 一般事項 試験手順は,一連の動作シーケンスからなる。次の記号は,一連の動作シーケンス
を定義するために用いる。
O 自動開路を意味する。
CO 閉路動作に引き続く自動開路動作を意味する。
t 二つの連続する短絡回路での動作の間の時間間隔を意味し,3分又は漏電遮断器の再閉路を可能とす
る熱放出に必要とする3分を超える時間とする。
tの実際の時間は,試験成績書に記載しなければならない。
アークの消滅後,回復電圧は,0.1秒以上印加し続けなければならない。
9.12.11.2〜9.12.11.4の各試験について3台の供試品で試験しなければならない。
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9.12.11.2 減少短絡試験 追加インピーダンスZ1(9.12.7.3参照)は,力率が0.93〜0.98の間で,500 A又は,
10Inのいずれか大きい方の電流を流すように調整する。
漏電遮断器の引外し素子がある極は,本体の付図5に示す回路接続で個別に試験を行う。
備考 2電路をもつ2極漏電遮断器,3電路をもつ3極漏電遮断器及び4電路をもつ4極漏電遮断器に
対して,一つの極は本体の付図5の試験回路の遮断しない中性極位置に接続する。
漏電遮断器は,9回遮断するが,その短絡回路は,投入器Aによって6回投入し,漏電遮断器自体によ
って3回投入する。
動作シーケンスは,次による。
O-t-O-t-O-t-O-t-O-t-O-t-CO-t-CO-t-CO
試験のため投入器Aは,開路動作開始の六つの点について,半波を±5゚の許容差で均等に分割するよう
に電圧波形に関して同期をとらなければならない。
9.12.11.3 1 500 Aでの試験 1 500 Aの定格短絡遮断容量をもつ漏電遮断器に対しては,試験回路(附属書
1表16c参照)は,附属書1表17に従い,この電流に対応する力率で1 500 Aの電流が得られるように,9.12.7.1
及び9.12.7.2に従って調整する。
1 500 Aを超える定格短絡遮断容量をもつ漏電遮断器には,試験回路は,附属書1表17に従い,1 500 A
に対応する力率で,9.12.7.1及び9.12.7.3に従って調整する。
単極漏電遮断器は,本体の付図5に示す結線の回路で試験をする。
2極漏電遮断器は,両極を引外し素子の数に関係なく,本体の付図6aに示した結線の回路で試験をする。
3極及び3つの引外し素子をもつ4極漏電遮断器は,本体の付図7〜付図9に示した適応する結線図の回
路で試験をする。
3電路をもつ3極漏電遮断器に対して,漏電遮断器の負荷側に中性点がある場合,電源の中性線と中性
点との間の接続を行わない。
三つの引外し素子をもつ4極漏電遮断器に対して,電源の中性線は,素子なし極又は開閉できる中性極
を通して漏電遮断器の負荷側の中性点に接続する。
4極漏電遮断器の中性極を製造業者が表示しない場合,試験は,引き続いて三つの新しい供試品で,各
極ごとに順次中性点と接続して繰り返す。
単極漏電遮断器及び2極漏電遮断器に対して,投入器Aは,開路動作開始の六つの点について,半波を
±5゚の許容差で均等に分割するように電圧波形に関して同期をとる。
動作シーケンスは,単極の定格電圧が240/415 Vのものを除いて,9.12.11.2の規定による。
3極及び4極漏電遮断器に対しては,任意の投入位相で試験してもよい。
9.12.11.4 1 500 Aを超える試験
a) 使用短絡遮断容量及び定格短絡遮断容量間の比(係数k) 使用短絡遮断容量及び定格短絡遮断容量間
の比は,附属書1表18による。
附属書1表 18 使用短絡遮断容量(Ics)及び定格短絡遮断容量(Icn)間の比−(係数k)
Icn
k
6 000 A以下
1
6 000 A を超え 10 000 A以下
0.75 *
10 000 Aを超過
0.5 **
注* Ics の最小値:6 000 A
** Ics の最小値:7 500 A
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b) 使用短絡遮断容量(Ics)での試験
1) 試験回路は,9.12.7.1及び9.12.7.3に従い,附属書1表17に従った力率で調整する。
供試漏電遮断器の電源及び負荷端子の表示がない場合,2台の供試品は,一つの方向に接続し,3
台目の供試品は逆方向に接続する。
2) 単極及び2極漏電遮断器に対する動作シーケンスは,次による。
O-t-O-t-CO
“O”動作に対して,投入器Aは,最初の供試品の“O”動作において,波形0°で回路を閉路するよう
に電圧波形に関して同期をとる。
この位相は,最初の供試品の2番目の“O”動作において,45°移し,2台目の供試品の二つの“O”動
作は15°及び60°に同期をとり,3台目の供試品に対しては30°及び75°に同期をとる。
同期の許容範囲は,±5°とする。
試験手順は,附属書1表19に示す。
附属書1表 19 単極及び2極漏電遮断器の場合のICSに対する試験手順
動作
供試品
1
2
3
1
O(0゚)
O(15゚)
O(30゚)
2
O(45゚)
O(60゚)
O(75゚)
3
CO
CO
CO
3) 3極及び4極漏電遮断器に対する動作シーケンスは,次による。
O−t−CO−t−CO
“O”動作に対して,投入器Aは,最初の供試品の“O”動作において,任意の位相X°で回路を閉路
するように電圧波形に関して同期をとる。
この位相は次いで,2台目の供試品の“O”動作に対しては60°移して,3台目の供試品の“O”動作に
対しては,更に60°移す。
同期の許容範囲は,±5°とする。同じ極を,異なる供試品に対しての同期を求めるための参考として用
いる。
試験手順を,附属書1表20に示す。
附属書1表 20 3極及び4極漏電遮断器の場合のICSに対する試験手順
動作
供試品
1
2
3
1
O(X゚)
O(X゚+ 60゚)
O(X゚+ 120゚)
2
CO
CO
CO
3
CO
CO
CO
c) 定格短絡遮断容量(Icn)での試験 試験回路は,9.12.7.1及び9.12.7.2に従って設定する。供試漏電遮断
器の電源及び負荷端子の表示がない場合,2台の供試品は,一つの方向に接続し,3台目の供試品は逆
方向に接続する。
動作シーケンスは,次による。
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O-t-CO
“O”動作に対して,投入器Aは,最初の供試品の“O”動作において,位相15°で回路を閉路するよ
うに電圧波形に関して同期をとらなければならない。
この位相は,2台目の供試品の“O”動作に対しては 30°移して,3台目の供試品の“O”動作に対して
は更に 30°移さなければならない。同期の許容範囲は,±5°とする。
3極及び4極漏電遮断器において,同じ極を異なる供試品に対しての同期を求めるための参考として用
いる。
試験手順を,附属書1表21に示す。
附属書1表 21 Icnに対する試験手順
動作
供試品
1
2
3
1
O(15゚)
O(45゚)
O(75゚)
2
CO
CO
CO
9.12.12 短絡試験後の漏電遮断器の検証
9.12.12.1 9.12.11.2,9.12.11.3及び9.12.11.4 b)の試験後,漏電遮断器は,継続使用を損なうような損傷がな
く,保守をすることなく9.7.3に従った耐電圧試験に耐えなければならない。ただし,電圧はその規定値
より500 V少なくし,かつ,試験前の湿度処理をしない。
耐電圧試験は,短絡試験後,2〜24時間の間に実施しなければならない。
9.7.7.3に従い開路接点間の漏えい電流を測定。
さらに,9.12.11.3及び9.12.11.4.b)の試験後,漏電遮断器は,コールドスタートで,不動作電流の0.85倍
に等しい電流を規定時間,すべての極に通電したとき動作してはならない。
この検証の最後に,電流を5秒以内に,動作電流の1.1倍に暫増する。
漏電遮断器は,1時間以内に動作しなければならない。
ポリエチレンシートは,拡大鏡なしで普通又は矯正視力で,目に見える孔があってはならない。又は,
さらしかなきんの場合は,着火してはならない。
備考 目に見えるが,0.26 mmの径より小さい微小な穴は無視する。
9.12.12.2 9.12.11.4.c)の試験後,漏電遮断器は,保守をすることなく,9.7.3に従った耐電圧試験に耐える
ことができなければならない。ただし,試験電圧を 900 Vとして,かつ,試験前の湿度処理をしない。
さらに,漏電遮断器は,2.8 Inの負荷にしたとき,0.1秒を超え,2.55 In通電に相当する時間以内に動作
しなければならない。
9.12.13 定格漏電投入及び遮断容量(IΔm )の検証 この試験は,漏電短絡電流の投入,規定時間の通電及び,
遮断に対する漏電遮断器の性能の検証を意図している。
9.12.13.1 試験手順 漏電遮断器は,9.12.1に規定する一般試験条件に従って試験する。
なお,短絡電流は,漏電電流となるように接続する。
試験は,開閉専用中性極があるときは,それを除いて,各極ごとにそれぞれについて行う。この試験の
ためにインピーダンスZ1は使用しないので,その回路を開路しておかなければならない。
漏電短絡電流を流さない極は,それらの電源端子に電圧を印加するように接続しなければならない。
スイッチS1は,この試験中は閉路のままとする。
4.1.2.1による漏電遮断器の場合,遮断動作をすることができるようにするために,漏電遮断器の負荷側
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の短絡回路の投入する装置Aの場所,又はその場所で追加の短絡回路を投入する装置を追加する。
動作シーケンスは,次による。
O−t−CO−t−CO
遮断操作において投入器Aは,電圧波形に関して投入位相 45°±5゜で同期をとる。
他の供試品に対して同期させるための参考として,同じ極を用いる。
9.12.13.2 漏電投入及び遮断試験後の漏電遮断器の検証 9.12.13による試験を行った後,漏電遮断器は,
継続使用を損なうような損傷もなく,保守することなく次のことができなければならない。
− 9.7.3の要求事項を満足しなければならない。ただし,試験電圧は定格電圧の2倍を,1分間とし,試
験前の湿度処理はしない。
− 定格電圧において,定格電流の投入及び遮断ができなければならない。
9.9.1.2.c)の条件の下で漏電遮断器は,1.25 IΔnの試験電流で動作しなければならない。
1回の試験を,任意の1極について行う。なお,動作時間の測定は行わない。
拡大鏡なしで普通又は矯正視力で,ポリエチレンシートは,目に見える孔があってはならない。
また,さらしかなきんの場合は,着火してはならない。
適応するなら,電源電圧依存形漏電遮断器は,9.17の試験を行う。
9.12.14 コード短絡保護機能の検証
9.12.14.1 コード短絡保護試験 定格使用電圧100 V又は100/200 Vで定格電流15 A又は20 Aの漏電遮断
器で“コード短絡保護機能”を表示するものは,次に示すコード短絡保護試験を行う。
a) コード被覆溶融保護性能試験 単極の漏電遮断器は本体の付図5,2極の漏電遮断器は本体の付図6a,
又は,本体の付図6cの試験回路によって,試験電流は定格短絡遮断容量(Icn)に等しい電流で,供試品
の負荷側の端子に単極漏電遮断器は1 m,その他の漏電遮断器は0.5 mの断面積0.75 mm2のJIS C 3306
で規定するコードを直列に接続し,“O”で1回の遮断を行う。コードは,漏電遮断器の端子から10 mm
だけ被覆を露出させておく。
b) 瞬時動作試験 漏電遮断器に対して正弦波の半波の電流をコールド状態から始めて次に示す手順で全
極通電したとき,3回動作する電流を測定する。
− 通電波形:正弦波・半波
− 投入位相:電流位相 0°
− 漏電遮断器の状態:漏電遮断器は,それぞれの試験の前に,開動作を行った後閉路する。
− 試験電流の印加方法:試験電流は,最初小さい電流(定格電流の5倍程度)から通電し,漏電遮断器が
動作するまで電流を増加させながら試験を繰り返す。動作した場合は,その試験電流で引き続き試験
を行い,3回連続動作することを確認する。
− 瞬時動作電流の決定:同じ試験電流で3回連続して動作したときの試験電流の実効値を瞬時動作電流
をとする。
− 試験電圧:試験電圧は,定格電圧とする。ただし,定格電圧より低い電圧で行ったときの結果と,定
格電圧で行ったときの結果との間に問題とすべき差異がないことが確認された場合は,その電圧で行
ってもよい。
9.12.14.2 試験後の検証
a) コード被覆溶融保護試験後の検証 9.12.14.1 a)によって試験を行ったとき,コードの被覆が溶融せず,
かつ,コードの導体が溶断してはならない。
b) 瞬時動作性能 9.12.14.1 b)によって試験を行ったとき,瞬時動作電流は,300 A以下でなければなら
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ない。ここでいう瞬時動作電流は実効値とする。
9.13 耐機械的衝撃及び打撃の検証
9.13.1 機械的衝撃
9.13.1.1 試験装置 本体の付図11に示す装置によって,漏電遮断器へ機械的衝撃を加える。
木台Aはコンクリートブロックに固定し,木製の平面台Bは,木台Aに丁番でとめる。この平面台は
木製の取付板Cを伴うが,この木製の取付板は丁番の位置から任意の距離に固定でき,また,垂直の位置
を2方向に固定することができる。
平面台Bの端には金属製止め板Dを付け,この止め板は25 N/mmの定数をもつコイルばねの上に置く。
漏電遮断器は垂直な取付板に固定するが,供試品の取付高さは平面台から180 mmで,取付板が図に示
すように丁番から200 mmの位置に丁番と平行及び直角の方向に交互に固定できるようにする。
漏電遮断器の取付面の反対側の面Cには,システム全体の慣性モーメントを実質的に一定とするために,
金属製止め板の静荷重が25 Nとなるように補助の質量を取り付ける。
9.13.1.2 試験手順 閉路状態で,電源に接続しない漏電遮断器を用いて,平面台の端が自由な側を持ち上
げ,40 mmの高さから50回落下させる。連続落下の間隔は,供試品が停止状態になるまでの時間とする。
その後,漏電遮断器を取付板Cの反対側に固定して,再び平面台を前回と同様に50回落下させる。
この試験後,取付板をその垂直軸に対して90°回転させ,必要であれば漏電遮断器の対称の垂直軸が丁
番から200 mmとなるように置き直す。
次いで,漏電遮断器を取付板の片側に固定して,平面台を前回と同様に50回落下させ,さらに,漏電遮
断器をその反対側に固定して平面台を50回落下させる。
毎回,位置を変更する前に漏電遮断器を手動で開閉する。
試験中に漏電遮断器は,開路してはならない。
9.13.2 機械的打撃 標準使用状態(8.2の備考)に取り付けた漏電遮断器の通常使用中に,機械的打撃を受
けるおそれがある外面部分の検証を行う。すべての形式の漏電遮断器について,9.13.2.1の試験を行う。
また,次のタイプの漏電遮断器は,追加試験を行う。
− レール取付用漏電遮断器に対しては,9.13.2.2を追加する。
− 差込形漏電遮断器に対しては,9.13.2.3を追加する。
備考 全体をエンクロージャに入れることを意図した漏電遮断器は,この試験を適用しない。
9.13.2.1 本体の付図12〜付図14に示す打撃試験装置によって供試品に打撃を加える。
打撃部の先端は,半径10 mmの半球面をもち,ロックウェル硬度HR100のポリアミド樹脂製とする。
打撃部は,質量 150 g±1 gで,垂直面で振れることができるように上端に回転軸を取り付けた外径9 mm
で厚さ0.5 mmの鋼管の下端に強固に固定する。
回転軸は,打撃部の中心軸から上に1 000 mm±1 mmとする。
打撃部先端のポリアミド樹脂のロックウェル硬度の決定には,次の条件を適用する。
− 球の直径:12.7 mm±0.25 mm
− 初期負荷:100 N±2 N
− 過負荷 :500 N±2.5 N
備考 プラスチックのロックウェル硬さの決定に関する情報は,ISO 2039-2を参照。
試験装置の設計は,管を水平状態に保持して,打撃部の表面に1.9 N〜2.0 N の力が作用するようにする。
表面形漏電遮断器は,本体の付図14に示すように,上端と下端とを丈夫な腕木で強固に固定された取付
支持台の部品である,175 mm×175 mmで厚さ8 mmの合板に取り付ける。
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取付支持台の質量は10 kg±1 kgで,回転軸によって強固なフレームに取り付ける。
フレームは,硬い基台に固定する。
埋込形漏電遮断器は,本体の付図15に示すように取付支持台に取り付け,本体の付図14の試験装置に
取り付ける。
裏面形漏電遮断器を,本体の付図16に示すように取付支持台に取り付け,本体の付図14の試験装置に
取り付ける。
差込形漏電遮断器は,合板,本体の付図15又は本体の付図16のうち適切な装置に取り付けたそれらに
適応するソケットに差し込む。
レール取付用漏電遮断器は,本体の付図17に示すように,取付支持台に強固に取り付けたそれらに適応
するレールに取り付ける。
試験装置の設計は,次による。
− 供試品を水平方向に動かすことができ,かつ,合板表面に垂直な軸に対して回転できなければなら
ない。
− 合板は,垂直軸に対して回転できなければならない。
漏電遮断器は,打撃点が振り子の回転軸を経て垂直面にくるようにし,合板の上に取り付けられている
か,又はカバー付きのものは,適切な装置の上に意図する標準使用状態で取り付けなければならない。
ノックアウトを備えていないものの電線挿入口は,あけたままとする。ノックアウトを備えたものは,
そのうちの二つをあける。
供試品,カバーなどの固定ねじは,打撃を加える前に附属書1表12に規定する値の2/3に等しいトルク
で締め付ける。
漏電遮断器を標準使用状態に取り付け,露出する表面へ打撃部を10 cmの高さから落下させる。
落下の高さは,振り子を離したときの位置から,打撃の瞬間の位置までの間の垂直距離とする。
振り子の鋼管の軸と打撃部の軸との交点を通り,両方の軸を通る平面に垂直な線が打撃部の表面と交差
する点を検証点として打撃部の表面に表示しなければならない。
備考 理論上,打撃部の重心が検証点であるが,実用的には重心が決めにくいので,検証点は,上記
のように選ぶ。
各漏電遮断器に10回の打撃を加える。そのうちの2回は操作装置に打撃を加え,残りは打撃を受けそう
な供試品の部分に均等に配分する。
打撃は,ノックアウトのある範囲又は透明の材質によって覆われている開口部には加えない。
一般的に,供試品を鉛直軸に対して60°以内で可能な限り回転させ,それぞれの側面に1回ずつの打撃
を加え,次に側面の打撃点と操作装置の打撃点とのほぼ中間にそれぞれ打撃を加える。
残りの打撃は,供試品を合板に対して垂直な軸を中心に 90°回転して取り付けた後,同様の方法で加え
る。
供試品に電線挿入口又はノックアウトがある場合は,2回の打撃点が,それらの開口部からほぼ等距離
になるように取り付ける。
操作装置に対する2回の打撃は,次のように加えなければならない。1回は操作装置が“ON”の位置に
あるとき,もう1回は操作装置が“OFF”の位置にあるときとする。
試験後,供試品は,次に示す損傷があってはならない。
特に,充電部に近接できる又は漏電遮断器の継続使用を損なうようなカバーの破損,操作装置,絶縁材
料の裏打ち,バリアなどの損傷。
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疑いがある場合には,これらの部品又はその裏打ちに支障なくエンクロージャ,カバーなどの外部部品
の取外し及び交換が可能である場合,取外し及び交換して確認しなければならない。
備考 外観に対する損傷,沿面距離又は空間距離が8.1.3で規定する数値以下までに減じることがない
ような小さなへこみ及び感電保護に不利な影響を与えない小さな割れは無視する。
ねじ止め及びレール取付け兼用として設計した漏電遮断器を試験するとき,試験は,2組の漏電遮断器
に対して行う。1組はねじ取付けによって,他の1組はレール取付けによって行わなければならない。
9.13.2.2 レール取付用漏電遮断器は,鉛直の壁にレールを強固に取り付け,通常使用状態で装着しなけれ
ばならない。なお,電線を接続せず,カバー及びカバー板を用いない。
漏電遮断器の前面に,50 Nの下方向への力を1分間ゆっくりと加える。続いて,直ちに,50 Nの上方向
への力を1分間加える(本体の付図17参照)。
この試験の間,漏電遮断器は外れてはならない。また,試験後,漏電遮断器は,その継続使用を損なう
ような損傷があってはならない。
9.13.2.3 差込形漏電遮断器
備考 追加の試験は,検討中である。
9.14 耐熱性試験
9.14.1 取り外せるカバーがない供試品の場合には,その供試品を100 ℃±2 ℃の温度の恒温槽の中に1
時間保持し,取り外せるカバーがある場合には,それを70 ℃±2 ℃の温度の恒温槽の中に1時間保持す
る。
試験の間,供試品はその後の使用を損なうような変化があってはならない。また,充てん(填)材がある
場合,それは充電部が露出するほどに流出してはならない。
試験後,供試品をほぼ室温にまで冷却した後,標準試験指を5 Nを超えない力で当てた場合,供試品を
標準使用状態で取り付けたときに通常近接することがない充電部に近接してはならない。
9.9.1.2 c)1)の試験条件の下で漏電遮断器は,1.25 IΔnの試験電流で動作しなければならない。試験は任意
の1極について1回行い,動作時間の測定は行わない。
試験後,表示は読み取れなければならない。
性能を損なわない充てん(填)材の変色,膨れ及びわずかな流出は無視してもよい。
9.14.2 通電部品及び保護回路部品の位置を保持する絶縁材料からなる漏電遮断器の外部部品は,本体の付
図18に示す装置によってボールプレッシャ試験を行う。ただし,箱の中の保護導体用の端子の位置を保持
する絶縁部品は,9.14.3に従って試験する。
試験する部品は,水平位置で適切な面をもつ鉄の支持台上に置き,直径5 mmの鋼球を20 Nの力でこの
面に対して押し付ける。
試験は,125 ℃±2 ℃の温度の恒温槽の中に入れて行う。
1時間後,鋼球を供試品から取り除き,供試品を冷水に浸して,10秒間でほぼ室温まで冷却する。
鋼球によってできたこん跡の直径を測定し,その直径は2 mm以下でなければならない。
9.14.3 通電部品及び保護回路部品を保持しない絶縁材料からなる漏電遮断器の外部部品は,これらが互い
に接触している場合も含めて,9.14.2に従ってボールプレッシャ試験を行う。ただし,試験は,70 ℃±2 ℃
又は40 ℃±2 ℃に9.8の試験で関連部品が達した最高温度上昇値を加えた値のいずれか高い温度で行う。
備考 9.14.2及び9.14.3の試験では,表面形漏電遮断器の取付面は,外部部品とみなす。
9.14.2及び9.14.3の試験は,セラミック材料には適用しない。
9.14.2及び9.14.3に規定する絶縁部品の二つ以上が同一材料でできている場合には,試験はこれらの部
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品のうち一つだけを使って9.14.2又は9.14.3のうち該当する方に従って行う。
9.15 耐過熱性能及び耐着火性能試験 グローワイヤ試験は,次の条件の下でJIS C 60695-2-10の4.から
10.に従って行う。
− 通電部品及び保護回路部品を保持する絶縁材料からなる漏電遮断器の外部部品は,960 ℃±15 ℃
の温度で試験を行う。
− その他の絶縁材料からなるすべての外部部品は,650 ℃±10 ℃の温度で試験を行う。
備考 この試験は,表面形漏電遮断器の取付面は,外部部品とみなす。
幾つかの絶縁部品が同一材料でできている場合には,試験はこれらの部品のうち一つだけを使って上記
の該当する方に従って行う。
試験は,セラミック材料の部品には適用しない。
規定する試験条件の下で電気的に熱した試験線で絶縁材料の発火が起きないことを確認にするためにグ
ローワイヤ試験を適用する。又は,規定する試験条件の下で,電気的に熱した試験線によって発火するか
もしれない絶縁材料の一部が炎によって広がらないような,又は,部品が燃焼しないような,又は試験部
から落下する小さなしたたりがないような燃焼時間に限度があることを確認にするためにグローワイヤ試
験を適用する。
試験は,1個の供試品で行う。
疑わしい場合は,試験はさらに2個の供試品で繰り返す。
試験は,グローワイヤを1度当てることで行う。
供試品は,試験中,使用上で考えられる最も不利な位置に置かなければならない(試験面を垂直にして)。
グローワイヤの先端を供試品に接するようにして,意図した使用条件を考慮に入れて規定する供試品の
表面に当てなければならない。
次の場合,供試品はグローワイヤ試験に合格したものとみなす。
− 目に見える炎がなく赤熱部が持続しない場合
− 供試品上の炎及び赤熱がグローワイヤを取り除いた後,30秒以内に消える場合
ティシュペーパーの発火又は松板の焦げは,あってはならない。
9.16 定格電圧の限界値におけるテスト装置の動作の検証
a) 漏電遮断器に定格電圧の0.85倍の電圧を印加する。テスト装置を,5秒間隔で25回動作させる。各操
作の前に漏電遮断器を再閉路しなければならない。
b) その後,試験a)を,1.1倍の定格電圧で繰り返さなければならない。
c) その後,試験b)を,1回行う。ただし,テスト装置の操作機構を30秒間閉路位置に保持する。
各試験で漏電遮断器は,動作しなければならない。試験後,その継続使用を損なう損傷があってはなら
ない。
検証するためのテスト装置の動作によって生じるアンペアターンは,定格電圧(電圧範囲がある場合は,
最大電圧)で定格感度電流IΔnに等しい電流で生じるアンペアターンの2.5倍以下とする。テスト装置回路
のインピーダンスを測定し,また,テスト装置回路の配線を考慮し,試験電流を計算する。
検証に当たって,漏電遮断器の解体が必要な場合,別の供試品を使用する。
備考 テスト装置の耐久性能の検証は,9.10の試験に含まれるとみなす。
9.17 電源電圧喪失時の電源電圧依存形漏電遮断器(本体の4.1.2.1で分類するもの)の動作の検証
備考 Uy(3.4.23.2参照)の値の検証は,この規格では考慮しない。
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9.17.1 電源電圧の限界電圧(Ux)の決定 漏電遮断器の電源側端子に定格電圧に等しい電圧を印加し,約30
秒で又は,時延形(8.12参照)の場合には,時延動作を考慮した長い時間,自動開路するまでの長い時間で,
0 Vに達するように電圧をほぼ等しく低減する。
動作する電圧を測定する。
5回測定する。
すべての測定値は,定格電圧(電圧範囲がある場合は,最小電圧)の0.85倍未満でなければならない。
これらの測定後,この箇条で規定する条件の下で自動開路するまでを測定した電圧の最高電圧よりわず
かに高い電圧を印加し,I△nに等しい漏電電流を通電し,本体の表2に規定する動作時間で漏電遮断器が動
作することを検証する。
次いで,測定した最低電圧よりも低い電源電圧において,手動操作によって装置の閉路ができないこと
を検証する。
9.17.2 電源電圧喪失時の自動開路の検証 漏電遮断器は,電源側に定格電圧(電圧範囲がある場合は,範
囲内の電圧)を印加し,漏電遮断器を閉路する。
次いで,電源電圧を切る。
電源電圧を切ってから主接点が開路するまでの時間を測定する。
5回測定する。
a) 時延なしの漏電遮断器の場合 0.5秒を超えてはならない。
b) 時延ありの漏電遮断器の場合 最小値及び最大値は,製造業者が指定する範囲内になければならない。
9.17.3 時延ありの漏電遮断器に対して,電源電圧喪失状態で漏電電流がある場合の正常動作の検証 漏電
遮断器は,本体の付図4aのように接続し,電源側に定格電圧(電圧範囲がある場合は,範囲内の電圧)を印
加する。
一つの極以外のすべての極は,スイッチS3によって開路する。
検証の前に要求されるスイッチS3を閉路と,その後の開路から製造業者が指定する時延時間の間に,
9.9.1.2の試験を行う。
備考 9.9.1.2 a)の試験は,時延が30秒以上の場合にだけ行う。
9.17.4 3極又は4極の漏電遮断器に漏電があり,中性極及び一つの電圧極にだけ電力供給された場合の正
常動作の検証 3極及び4極(本体の4.3参照)の漏電遮断器の場合,試験は9.9.1.2 c)に従って行う。ただし,
本体の付図4aに従って接続し,中性極及び一つの電圧極とにだけ順次電力供給する。
試験は,他の電圧極にもそれぞれ順次に行わなければならない。
9.17.5 自動再閉路式漏電遮断器の再閉路機能の検証 検討中
9.18 3極又は4極漏電遮断器に通じる単相負荷の過電流限界値の検証
備考 感度電流可調整式漏電遮断器の場合,試験は最も高感度な設定で行う。
漏電遮断器は,本体の付図19に従って接続し,試験スイッチS1は,開路しておく。
抵抗器Rは,タイプB,C及びDの各形式に適応する瞬時過電流引外しの範囲の下限値の0.8倍に等し
い電流を流すように調整する。
また,タイプJは,8.13に規定する電流を流すように調整する。
備考 この電流調整を行う場合,漏電遮断器は無視できるインピーダンスの導体に置き換えてもよい。
最初に開路しておいた試験用スイッチS1を閉路し,1秒後に再度開路する。
電路の可能な組合せにおいて,試験はそれぞれ3回行い,2回の連続する閉路操作の間隔は少なくとも1
分とする。
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漏電遮断器は開路してはならない。
電源電圧依存形漏電遮断器は,電源側に定格電圧(電圧範囲がある場合,範囲内の電圧)を印加する。
9.19 インパルス電圧によって生じるサージ電流での漏電遮断器の不要動作の検証
9.19.1 漏電遮断器のサージ電流試験(0.5μs/100 kHzリングウェーブ試験) 漏電遮断器は,本体の付図23
に示す振幅の減衰振動電流波形を発生することが可能なサージ発生装置を用いて試験する。漏電遮断器の
試験回路の例を本体の付図24に示す。
任意に選択した漏電遮断器の1極に10回のサージ電流を流さなければならない。サージ波形の極性を2
回ごとに変えなければならない。連続2回の間隔は約30秒でなければならない。
同一In及び同一IΔnの同一形式漏電遮断器を追加使用して,インパルス電流を適切な方法で測定し,次
の要求事項に適合するように調整しなければならない。
− 波高値
:200 A
100
+%又は
IΔn≦10 mA漏電遮断器の場合25A100
+%
− 波頭長
:0.5 μs±30 %
− 次の振動波形の周期 :10 μs±20 %
− 連続する各波高値
:前の波高値の約60 %
試験中に漏電遮断器は動作してはならない。リングウェーブ試験後,漏電遮断器の正常動作は,9.9.1.2 c)
に従い,IΔnについてだけ漏電動作時間を測定することによって検証する。
備考 過電圧(サージ電圧)保護付漏電遮断器(一体形又は組合せ形)の試験手順及び関連試験回路につ
いては,検討中である。
9.19.2 3 000 A以下のサージ電流に対する性能の検証(8/20 μsサージ電流試験)
9.19.2.1 試験条件 漏電遮断器は,本体の付図25に示す8/20 μs減衰サージ電流 (IEC 60060-2)を発生す
ることが可能なサージ発生装置を用いて試験する。漏電遮断器の試験回路例を本体の付図26に示す。
任意に選択した漏電遮断器の1極に10回のサージ電流を流す。サージ波形の極性を2回ごとに変える。
連続2回の間隔は約30秒でなければならない。
同一In及び同一IΔnの同一形式漏電遮断器を追加使用して,インパルス電流を適切な方法で測定し,次
の要求事項に適合するよう調整する。
− 波高値
: 3 000 A
100
+ %
− 波頭長
: 8 μs± 20 %
− 波尾長
: 20 μs± 20 %
− 逆電流波高値
: 波高値の30 %以下
電流を漸近線性電流形状に調整する。同一In及び同一IΔnの同一形式の他の供試品で試験する場合にも,
逆電流は波高値の30 %を超えてはならない。
9.19.2.2 時延形漏電遮断器に対する試験結果 試験中に漏電遮断器は動作してはならない。この試験後,
漏電遮断器の正常動作は,9.9.1.2 c)に従い,IΔnについてだけ漏電動作時間を測定することによって検証す
る。
9.19.2.3 非時延形漏電遮断器に対する試験結果 試験中に漏電遮断器は動作してもよい。この試験後,漏
電遮断器の正常動作は,9.9.1.2 c)に従いIΔnについてだけ漏電動作時間を測定することによって検証する。
9.20 インパルス電圧耐絶縁性能の検証 試験は,漏電遮断器を金属支持台に固定して,標準使用のよう
に配線し,漏電遮断器を閉路状態で行う。
インパルス発生器で加える正及び負のインパルスは,波頭長1.2 μs,波尾長50 μsとし,許容範囲は次に
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よる。
− 波高値 : ± 5 %
− 波頭長 : ± 30 %
− 波尾長 : ± 20 %
試験の第1段階は,インパルス電圧6 kVの波高値で行い,インパルス電圧を漏電遮断器の各極一括と中
性極(又は電路)との間に印加する。
試験の第2段階は,インパルス電圧8 kVの波高値で行い,インパルス電圧を金属支持台(もしある場合,
保護導体用の端子も接続する。)と,各電圧極及び中性極(又は電路)一括との間に印加する。
備考1. 試験装置のサージインピーダンスは,500 Ωとする。
この値の減少については,検討中である。
2. 6 kV及び8 kVの値は,暫定値とする。
正及び負それぞれ5回印加する,両方の試験の場合,連続するインパルスの間隔は少なくとも10秒とす
る。
意図しない破壊放電があってはならない。
ただし,破壊放電が1回だけあった場合には,破壊放電が起きたのと同じ極性及び同じ接続で10回の追
加インパルス電圧を印加する。
さらに,破壊放電があってはならない。
備考3. “意図しない破壊放電”とは,電圧の低下及び電流の通電を含めて,電気的応力に起因する
絶縁劣化に付随する現象を包含して用いている。
4. 意図しない放電は,組み込まれたサージアレスタの放電を含む。
インパルスの波形は,供試漏電遮断器をインパルス発生器に接続して調整する。この目的のために適切
な分圧器及び電圧計測器を使用しなければならない。
インパルスの小さい振動は,その振幅がインパルスのピーク近くで波高値の5 %未満の場合は許容する。
波頭部の前半分での振動は,波高値の10 %以下の場合は許容する。
9.21 直流成分を含む漏電電流における漏電遮断器の正常動作の検証 本体の付図4b及び付図4cの試験
回路を適用するほかは,9.9.1.1及び9.9.1.5の試験条件を適用する。
9.21.1 A形漏電遮断器
9.21.1.1 連続して増加する脈流漏電電流の場合の正常動作の検証 試験は,本体の付図4bによって行わ
なければならない。
スイッチS1,S2及び漏電遮断器Dを閉路しなければならない。サイリスタを,電流遅れ角αが0゚,90゚
及び135゚になるように制御しなければならない。漏電遮断器の各極は,スイッチS3のⅠの位置及びⅡの
位置について,それぞれの電流角度において2回試験する。
各試験電流は,IΔn>0.01 Aの漏電遮断器では毎秒1.4 IΔn /30 Aにほぼ等しい割合で,また,IΔn≦0.01 A
の漏電遮断器では毎秒2 IΔn/30 Aにほぼ等しい割合で,0 Aから連続で増加しなければならない。動作電流
(関係する動作時間)は,附属書1表22による。
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附属書1表 22 A形漏電遮断器の動作電流の範囲
角度α
動作電流
A
下限値
上限値
0°
0.35 IΔn
1.4 IΔn又は2 IΔn
(5.3.8参照)
90°
0.25 IΔn
135°
0.11 IΔn
9.21.1.2 脈流漏電電流が急に流れる場合の正常動作の検証 漏電遮断器は,本体の付図4bにより試験す
る。
回路を後述の規定値に調整した後,スイッチS1及び漏電遮断器を閉路し,スイッチS2を閉路して,漏
電電流を急に通電する。
備考 本体の4.1.2.2 a)の分類で,その制御回路が主回路の電源側から印加される電源電圧依存形漏電
遮断器の場合,この検証は,漏電遮断器への電力供給に必要な時間を算定に入れない。この場
合,検証は,供試漏電遮断器及びS2を前もって閉路しておき,スイッチS1の閉路で漏電電流
を通電することによってなされると考える。
試験を,漏電遮断器の形式に対応して,本体の表2で規定する漏電電流の各値で行う。
動作時間の測定は,試験電流を,IΔn>0.01 Aの漏電遮断器は1.4×IΔnの値で,また,IΔn ≦0.01 Aの漏
電遮断器では2×IΔnの値で,電流遅れ角α=0°として2回行う。1回目は補助スイッチS1をⅠの位置に
し,2回目はスイッチS1をⅡの位置にして測定する。
測定値は,規定する限界値を超えてはならない。
9.21.1.3 基準温度での負荷時の正常動作の検証 漏電遮断器の試験する極と他の極との間に定格電流の
負荷を接続し,試験の直前にこの電流を通電して,9.21.1.1の試験を繰り返す。
備考 この定格電流の負荷は,本体の付図4bには表してない。
9.21.1.4 0.006 Aの純直流電流が重畳した脈流漏電電流の場合の正常動作の検証 漏電遮断器は,本体の
付図4cによって0.006 Aの純直流電流が重畳した半波整流の漏電電流(電流遅れ角α=0°)を通電して試験
する。
漏電遮断器の各極をⅠ及びⅡの位置で順次2回ずつ試験する。
半波整流電流I1を零から流し始めて,IΔn >0.01 Aの漏電遮断器では毎秒1.4 IΔn/30 Aにほぼ等しい割
合で,また,IΔn ≦0.01 Aの漏電遮断器では毎秒2 IΔn/30 Aにほぼ等しい割合で,連続で増加させる。漏電
遮断器は,それぞれの電流値が1.4 IΔn+6 mA又は2 IΔn+6 mA以下で動作しなければならない。
9.22 信頼性の検証 適合性を,9.22.1及び9.22.2の試験で検証する。感度電流可調整式の漏電遮断器の場
合,試験は,最も高感度の設定で行う。
9.22.1 環境試験 試験は,JIS C 60068-2-28を考慮に入れ,JIS C 60068-2-30を基本とする。
9.22.1.1 試験槽 試験槽は,JIS C 60068-2-30の3.に規定する構造とする。試験槽内で結露した水分は絶
えず試験槽から排出し,再精製するまで使用してはならない。蒸留水だけを試験槽の湿度維持に使用しな
ければならない。
試験槽に入れる前,蒸留水は,抵抗値が500 Ωm以上で,pH値は7.0±0.2でなければならない。試験
中及び試験後の抵抗値は100 Ωm以上で,pH値は7.0±1.0でなければならない。
9.22.1.2 厳しさ サイクルは,次の条件の下で行わなければならない。
− 上限温度 : 55 ℃±2 ℃
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− サイクル数: 28
9.22.1.3 試験手順 試験手順は,JIS C 60068-2-30の6.及びJIS C 60068-2-28による。
a) 初期検証 初期検証は,供試漏電遮断器に対して9.9.1.2.c)に従ってIΔnについてだけ試験を行う。
b) 試験条件
1) 標準使用状態に取り付けて,配線した漏電遮断器を,槽内に入れる。漏電遮断器を閉路状態にする。
2) 安定期間(本体の付図20参照)では漏電遮断器の温度を,次にいずれかによって25 ℃±3 ℃で安定
させなければならない。
2.1) 漏電遮断器を試験槽に入れる前に別の槽に入れておく。
2.2) 漏電遮断器を入れた後,試験槽の温度を25 ℃±3 ℃に調節し,温度が安定するまでその温度を保
持する。
上記いずれかの方法によって温度が安定するまでの間,相対湿度は標準試験条件で規定する範囲内でな
ければならない(表4参照)。試験槽の漏電遮断器に対して,最後の1時間は,周囲温度25 ℃±3 ℃で相対
湿度を95 %以上に高めなければならない。
3) 24時間サイクルの詳細(本体の付図21参照)
3.1) 槽内の温度は,9.22.1.2に規定する適切な上限温度まで連続して増加し,上限温度には,3時間±
30分の間で達し,かつ,本体の付図21の斜線の範囲で定義した限界内の割合でなければならない。
この間中,相対湿度は,95 %を下回ってはならない。結露が,この期間中の漏電遮断器に生じな
ければならない。
備考 この結露の生じる状態は,漏電遮断器の表面温度が大気温度の露点を下回ることを意味する。
この意味は,熱時定数が低い場合,相対湿度が95 %より高くなることである。供試品上に結
露水が落下しないように注意しなければならない。
3.2) 続いて,温度を,サイクルの始めから12 時間±30 分間,上限温度に対して±2 ℃の規定範囲内
でほぼ一定に保持しなければならない。試験終了まで相対湿度は,93±3 %としなければならな
い。ただし,最初及び最後の15分間は90 %から100 %の間とする。最後の15分間,漏電遮断
器に結露が起きてはならない。
3.3) 温度を,3〜6時間の間に25 ℃±3 ℃に下げなければならない。下げる割合は,最初の1時間30
分を,本体の付図21に示すように,25 ℃±3 ℃の温度まで3 時間±15 分で下げるように維持し
なければならない。試験の終了まで相対湿度は95 %以上としなければならない。ただし,最初の
15分間は90 %以上としなければならない。
3.4) 温度を,25 ℃±3 ℃,相対湿度は95 %以上に保持して,24時間サイクルが完了する。
9.22.1.4 後処理 サイクルの終わりまで,漏電遮断器を,試験槽から動かしてはならない。
試験槽の扉を,開放し,温度及び湿度の調整を停止しなければならない。
最終試験を行う前に,再び安定させるために4〜6時間大気状態(温度及び湿度)に放置しなければならな
い。
28 サイクルの間,漏電遮断器は動作してはならない。
9.22.1.5 最終測定 9.9.1.2 c)1)に規定する試験状態の下で,漏電遮断器は,1.25 IΔnの試験電流で動作しな
ければならない。試験は,任意の1極に1回だけとし,動作時間の測定はしない。
9.22.2 40 ℃の温度での試験 漏電遮断器を,20 mm厚さの黒塗りの合板に標準使用状態のように取り付
ける。
1 mの長さで,附属書1表6aに規定する標準断面積の電線を漏電遮断器の電源側端子及び負荷側端子の
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各極に接続する。端子ねじ又はナットを,附属書1表12に規定する2/3のトルクで締め付ける。この供試
品を恒温槽に入れる。
漏電遮断器に任意の電圧で定格電流に等しい電流が流れるように設定し,40 ℃±2 ℃の温度で,21時
間通電及び3時間無通電のサイクルを28サイクル行う。電流は,外部のスイッチによって遮断し,漏電遮
断器は操作しない。
4極3素子漏電遮断器の場合は,三つの引外し素子をもつ極だけ通電する。
4極4素子漏電遮断器の場合は,いずれか三つの引外し素子をもつ極だけ通電する。
最後の周期の21時間通電の終わりに,端子の温度上昇を細線の熱電対を用いて測定する。この温度上昇
は,65 Kを超えてはならない。
試験後,槽内の漏電遮断器の通電を停止し,ほぼ室温まで冷却する。
9.9.1.2 c)1)に規定する試験条件の下で,漏電遮断器は,1.25 IΔnの試験電流で動作しなければならない。
試験は,任意の1極に1回だけとし,動作時間の測定はしない。
9.23 電子部品のエージング試験
備考1. この箇条の改正案は,検討中である。
漏電遮断器は,定格電流を通電し,周囲温度40 ℃±2 ℃の中に168時間置く。
電子部品の印加電圧は,定格電圧の1.1倍とする。
定格電流が100 Aを超えるものは,定格電流を通電しなくてもよい。
試験後,槽内の漏電遮断器の通電を停止し,ほぼ室温まで冷却する。電子部品は,損傷があってはなら
ない。
9.9.1.2 c)に規定する試験条件の下で,漏電遮断器は,1.25 IΔnの試験電流で動作しなければならない。試
験は,任意の1極に1回だけとし,動作時間の測定はしない。
備考2. この試験回路例を本体の付図22に示す。
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附属書2(規定)在来電気設備規定対応形漏電遮断器
序文 この附属書は,在来電気設備規定によって施工する電気設備用の住宅及び類似設備用の過電流保護
付漏電遮断器(以下,漏電遮断器という。)で電源電圧依存形のAC形漏電遮断器について規定したもので
ある。
この漏電遮断器の性能試験は,JIS C 3307[600Vビニル絶縁電線(IV)]で規定する絶縁物の許容温度が
60 ℃の絶縁電線(PVC60℃基準絶縁電線)を基準としている。
この附属書は,1.から7.まで本体によるため,8.から規定している。
8. 構造及び動作に対する要求事項
8.1
機械的設計
8.1.1
一般事項 附属書1の8.1.1を適用する。
8.1.1.1
不足電圧引外しによる開路 JIS C 8201-2-1の附属書2の7.2.1.2.2を適用する。
適合性は,JIS C 8201-2-1の附属書2の8.3.3.3.2のc)の試験で判定する。
8.1.1.2
電圧引外しによる開路 JIS C 8201-2-1の附属書2の7.2.1.2.3を適用する。
適合性は,JIS C 8201-2-1の附属書2の8.3.3.3.2のd)の試験で判定する。
8.1.1.3
単相3線式の漏電遮断器は,中央端子を中性線端子とする。
8.1.2
機構 多極漏電遮断器のすべての極の可動接点は,開閉専用中性極がある場合は,それを除いたす
べての極が,手動操作又は自動操作のいずれにおいても本質的に同時に開閉するように,機械的に結合し
ていなければならない。
開閉専用中性極(本体の3.3.15.3参照)は,他の極より後から開路し,先に閉路しなければならない。
適切な短絡投入容量及び遮断容量をもつ極を中性極(開閉専用中性極以外の中性極)として使用する場合
の動作は,次のいずれかによる。
a) 中性極を含むすべての極が実質的に同一な動作であるもの。
b) 閉路の場合は中性極が先に接触し,開路の場合は中性極が遅れて開離するのもの。
c) 閉路の場合は中性極が二つの電圧相のうちいずれか1極より先に接触し,開路の場合は,中性極が二
つの電圧相のうちいずれか1極より遅れて開離するのもの。
漏電遮断器は,引外し自由機構をもたなければならない。
漏電遮断器は,手動で開閉できなければならない。操作ハンドルがない差込形漏電遮断器は,漏電遮断
器がその基台から取り外すことができるということでは,この要求事項に適合するとはみなさない。
引き外されて操作装置が中立位置になったときでも,漏電遮断器は,その可動接点が閉路位置(本体の
3.3.13参照)又は開路位置(本体の3.3.14参照)にだけ静止できる構造でなければならない。
漏電遮断器は,開路状態のとき,断路能力(8.3参照)を表示するものにあっては,必要な要求事項に従い,
開路位置(本体の3.3.14参照)を保たなければならない。
漏電遮断器は,カバー又はカバー板がある場合は,それらを付けたとき,表面から容易に判別できる閉
路及び開路位置の表示手段(本体の6.参照)を備えていなければならない。
操作装置を接点の位置表示に用いる場合,引外しの場合の操作装置は,自動的に可動接点の引外しに対
応する位置とならなければならない。この場合,操作装置は接点の位置に対応する二つの異なる停止位置
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をもたなければならない。
なお,自動開路した場合には,操作装置の3番目の異なる位置が準備してあってもよい。この場合,再
閉路する前に漏電遮断器を手動復帰する必要がなければならない。
電源電圧依存形漏電遮断器で,電源電圧喪失後復電時に自動再閉路する漏電遮断器[本体の4.1.2.1,a)参
照]の場合,操作装置は,接点の自動開路に引き続いてON位置に留まり,電源電圧が回復したとき,接点
は操作装置がOFFの位置にあるとき以外は自動的に再閉路しなければならない。
備考 この形式の漏電遮断器の操作装置は,開閉位置の表示の手段として使用できない。
表示灯を用いる場合,表示灯は漏電遮断器が閉路しているとき点灯し,明るい色でなければならない。
表示灯は,閉路位置を表示する唯一の手段であってはならない。
機構の動作は,エンクロージャ又はカバーの位置によって阻害されず,また,取り外し可能部品とも無
関係でなければならない。
製造業者が取り付けた封印カバーは,取り外しできない部品とみなす。
カバーを押しボタンのガイドとして用いる場合は,漏電遮断器の外側から押しボタンを取り外すことが
できてはならない。
操作装置は,その軸に強固に取り付け,かつ,工具を使用しなければ取り外すことができてはならない。
操作装置を直接カバーに取り付けることを認める。上下に動かす操作装置の漏電遮断器を標準使用状態
に取り付けたとき,接点は,引き上げ動作で閉路しなければならない。また,漏電表示機構を設けるもの
は,その表示の色は黄又は白とする。
上記の要求事項に従っていることは,検査及び手動試験によって判定し,引外し自由機構は9.11の試験
によって判定する。
8.1.3
空間距離及び沿面距離(附属書B参照) 空間距離及び沿面距離は,漏電遮断器を標準使用状態に取
り付けたとき,定格インパルス耐電圧(Uimp)を宣言するものは,附属書1表5aに規定する値以上でなけれ
ばならない。この表は,汚損度2の環境での使用を考慮して設計された漏電遮断器に基づいて作成されて
いる。ただし,附属書1表5aの2,4及び5項の空間距離は,定格インパルス耐電圧での試験に適合する
場合,減ずることができる。
絶縁材料は,JIS C 0664の2.7.1.1及び2.7.1.3による比較トラッキング指数(CTI)に基づいた材料グルー
プで分類される。
定格インパルス耐電圧(Uimp)を宣言しない漏電遮断器の最小沿面距離及び空間距離は,附属書XEに規定
する。さらに,定格インパルス耐電圧を宣言しない漏電遮断器の絶縁物の厚さは,次に適合しなければな
らない。
1) 器体の外被の材料が絶縁体を兼ねる場合は,漏電遮断器内に組み込まれる部分を除いて,絶縁物(空
間距離及び沿面距離の規定に適合するために使用するものに限る。)の厚さは,0.8 mm(人が触れる
おそれがないものは0.5 mm)以上とし,かつ,ピンホールがないものでなければならない。
ただし,質量が250 gで,ロックウェル硬度R100の硬さに表面をポリアミド加工した半径が10 mm
の球面をもつおもりを,附属書2表5bの左側に掲げる種類ごとにそれぞれ同表の右側に掲げる高
さから垂直に3回落としたとき,又はこれと同等の衝撃力をロックウェル硬度R100の硬さに表面
をポリアミド加工した半径が10 mmの球面をもつ衝撃片によって3回加えたとき,感電,火災の危
険が生じるおそれがあるひび,割れその他の異常が生じないもので,かつ,ピンホールがないもの
は,この限りでない。
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附属書2表 5b
種類
高さ cm
人が触れるおそれがないもの
14
その他のもの
20
2) 1)以外のもので外傷を受けるおそれがある部分に用いる絶縁物(空間距離及び沿面距離の規定に適
合するために使用するものに限る。)の厚さは0.3 mm以上で,かつ,ピンホールがないものでなけ
ればならない。
ただし,次の試験を行ったときにこれに適合するもので,かつ,ピンホールのないものは,この
限りではない。
附属書2表5cの左欄に掲げる絶縁物が使用される電圧の区分ごとにそれぞれ同表の右欄に掲げる
交流電圧を,導電部と外郭及びアースとの間に連続して1分間加えたとき,これに耐えなければな
らない。
附属書2表 5c
絶縁物が使用される電圧の区分 V
交流電圧 V
30以下
500
30を超え150以下
1 000
150を超え300以下
1 500
プリント配線材料の沿面距離は,JIS C 8201-1の7.2.3.4による。
8.1.4
ねじ,通電部品及び接続部
8.1.4.1
附属書1の8.1.4.1を適用する。
8.1.4.2
附属書1の8.1.4.2を適用する。
8.1.4.3
附属書1の8.1.4.3を適用する。
8.1.4.4
附属書1の8.1.4.4を適用する。
8.1.5
外部導体用端子
8.1.5.1
附属書1の8.1.5.1を適用する。
8.1.5.2
漏電遮断器は,附属書2表6bに規定する公称断面積をもつ銅導体を接続できる端子をもたなけ
ればならない。
備考 ねじ式端子の考えられる設計例を,附属書ICに示す。
適合性は,検査,測定並びに規定の最小断面積及び最大断面積をもつ導体をそれぞれ取り付
けることで判定する。
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附属書2表 6b ねじ端子に対する銅導体の接続可能断面積
定格電流 A
締付け可能な公称断面積の範囲(1) mm2
15以下
φ1.6〜φ2.6 mm又は2.0〜5.5
15を超え 20以下
φ1.6〜φ2.6 mm又は2.0〜5.5
20を超え 30以下
φ2.0〜φ3.2 mm又は3.5〜8
30を超え 40以下
5.5〜14
40を超え 50以下
8〜22
50を超え 60以下
8〜22
60を超え 75以下
14〜38
75を超え100以下
22〜60
100を超え150以下
38〜60
注(1) 30 A以下の定格電流に対して,より線と同様に単線を締め付けできるように設計されていな
ければならない。可とう線の使用も,認められる。
上記の例外として,φ1.6〜φ3.2 mmまでの径をもつ単線専用の端子は,認められる。
備考1. コードを接続するもの及び機械器具に組み込まれるものに適用する。
2. 大頭丸平小ねじ(同等以上のねじを含む。)を使用するもの,当て金付きのもの及び圧着端子
又は銅帯を接続するものに適用する。
3. 端子は,600 Vビニル絶縁電線のこれらの断面積とほぼ等しい断面積をもつ銅帯が接続でき
る構造でもよい。
4. 電流密度が1〜2 A/mm2の銅帯が接続できる構造とする。
8.1.5.3
附属書1の8.1.5.3を適用する。
8.1.5.4
附属書1の8.1.5.4を適用する。
8.1.5.5
附属書1の8.1.5.5を適用する。
8.1.5.6
附属書1の8.1.5.6を適用する。
8.1.5.7
附属書1の8.1.5.7を適用する。
8.1.5.8
附属書1の8.1.5.8を適用する。
8.1.5.9
附属書1の8.1.5.9を適用する。
8.1.5.10 附属書1の8.1.5.10を適用する。
8.1.5.11 附属書1の8.1.5.11を適用する。
8.1.6
(原国際規格の規定を採用しない。)
8.2
感電保護 附属書1の8.2を適用する。
8.3
耐電圧性能及び断路能力 漏電遮断器は,適切な耐電圧性能をもち,断路機能を表示するものは適
合性を確保しなければならない。
主回路に接続している制御回路は,漏電遮断器を取り付けた後,通常実施する絶縁抵抗測定で受ける直
流高電圧で損傷を受けてはならない。
8.3.1
商用周波数における耐電圧性能 漏電遮断器は,商用周波数における適切な耐電圧性能をもってい
なければならない。
適合性は,9.7及び9.20の試験で判定する。
さらに,9.10の耐久試験後及び9.12の短絡試験後,漏電遮断器は,9.7.3の試験に耐えなければならない。
ただし,9.10.3及び9.12.12.2は,各々規定した試験電圧及び9.7.1の湿度に対する前処理なしで行う。
8.3.2 断路能力 漏電遮断器で断路能力を表示するものは,断路機能への適合性をもたなければならない。
適合性は,附属書1表5aの1項の最小空間距離及び沿面距離への適合の検証,並びに9.7.7.1及び9.7.7.3
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の試験で判定する。
8.3.3
定格インパルス耐電圧(Uimp)での耐電圧性能 漏電遮断器で定格インパルス耐電圧(Uimp)を表示す
るものは,インパルス耐電圧に適切に耐えなければならい。
適合性は,9.7.7.2の試験で判定する。
8.4
温度上昇
8.4.1
温度上昇限度 漏電遮断器の各部の温度上昇は,附属書2表7bに規定する。9.8.に規定する条件の
下での測定値は,この表に規定する限界値を超えてはならない。
漏電遮断器は,その機能及び安全な使用を損なう損傷を受けてはならない。
附属書2表 7b 温度上昇の値
部分(2)(3)
温度上昇 K
自力接触
40
他力接触
銀及び銀合金
−(1)
その他
40
外部接続用端子(3)
60
漏電遮断器の手動操作中に人が触れるおそれがある外部部品であっ
て,絶縁材料の操作部及び複数の極の絶縁された操作部を連結する金
属部も含む。
40
操作装置の外部金属部分
25
取付面に直接接触する漏電遮断器の面を含むその他の外面部分
60
注(1) 接点,その支持導体又は接続部が隣接する絶縁物に有害でない温度上昇とする。た
だし,定格電圧300 V以下,定格電流100 A以下の漏電遮断器の温度上昇は,100 K
とする。
(2) 表に掲げる以外の部分の値は規定しないが,絶縁材料の近辺の部分で障害が起こら
ず,漏電遮断器の動作が害されてはならない。
(3) 差込形漏電遮断器では,それを設置する基台上の端子。
8.4.2
周囲温度 附属書2表7bに規定する温度上昇の限度は,周囲温度が表4に規定する限度内にある
場合にだけ適用する。
8.5
動作特性 附属書1の8.5を適用する。
8.5.1
漏電状態 附属書1の8.5.1を適用する。
8.5.2
過電流状態 附属書1の8.5.2を適用する。
8.5.2.1
標準時間−(過)電流領域 漏電遮断器の引外し特性は,不要動作をすることなく回路を適切に保
護するものでなければならない。
漏電遮断器の時間−電流特性(引外し特性)の領域は,附属書1表8に規定する条件及び値によって定義
する。
この表は,指定条件(9.2参照)に従って取り付けられ,基準周囲温度25 ℃又は40 ℃
50+℃の範囲の指定
試験温度(備考参照)で動作する漏電遮断器を対象とする。
適合性は,9.9.2の試験で判定する。
この試験は,製造業者の情報によって結果が25 ℃又は40 ℃と比較できる場合は,製造業者が指定する
任意の温度で行ってよい。いかなる場合でも附属書1表8の試験電流を通電したときの変化は,校正温度
の変化1 K当たり1.2 %を超えてはならない。
漏電遮断器が25 ℃又は40 ℃と異なる校正基準温度の場合は,その異なる温度で試験する。
備考 製造業者は,基準値と異なる周囲温度に対する引外し特性の変化の情報を提供する準備をして
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おかなければならない。
8.5.2.2
規定要求事項 附属書1の8.5.2.2のタイプJを適用する。
8.5.2.3
過電流引外し特性 附属書1の8.5.2.3を適用する。
8.5.2.4
過電流引外し特性に対する周囲温度の影響 附属書1の8.5.2.4を適用する。
8.5.2.5
越流に対する追加要求事項 附属書1の8.5.2.5を適用する。
8.6
機械的及び電気的耐久性能並びに過負荷開閉性能 漏電遮断器は,機械的及び電気的に十分な操作
回数を遂行できなければならない。
適合性は,9.10の試験で判定する。
8.7
短絡電流における性能 附属書1の8.7を適用する。
8.8
耐衝撃性能及び耐打撃性能 附属書1の8.8を適用する。
8.9
耐熱性能 定格電流が100 A以下の漏電遮断器の充電部を保持する熱可塑性の外郭絶縁物は,熱に
対して十分耐えなければならない。
適合性は,9.14の試験で検証する。
8.10 耐過熱性能及び耐着火性能 附属書1の8.10を適用する。
8.11 テスト装置 漏電遮断器は,定期的に漏電保護装置の動作性能試験をするために,漏電検出器の中
を模擬的に通電するテスト装置を備えていなければならない。
備考 テスト装置は,動作機能の確認を意図しているものであり,この機能は定格感度電流及び動作
時間に関する効果を評価するものではない。
定格電圧(電圧範囲がある場合は,最小電圧)を印加して漏電遮断器のテスト装置が動作するときに生じ
るアンペアターンは,漏電遮断器の1極にIΔnに等しい漏電電流を通電したときに生じるアンペアターン
の2.5倍を超えてはならない。
感度電流可調整形の漏電遮断器(本体の4.4参照)の場合は,漏電遮断器の設計された最小感度設定で使用
しなければならない。
このテスト装置は,9.16の試験を満足しなければならない。
装置の保護導体は,テスト装置が動作したとき充電されてはならない。
漏電遮断器が開路状態にあって通常使用状態の接続がなされているとき,テスト装置を動作することに
よって負荷側回路を励起することがあってはならない。
テスト装置は,開路操作を行う唯一の手段であってはならず,また,開路操作のために用いることを意
図してはならない。差込接続式漏電遮断器は,テスト装置で開路できる構造であってもよい。
8.12 (原国際規格の規定を採用しない。)
8.13 3極又は4極漏電遮断器に単相過電流が流れた場合の動作 漏電遮断器は,単相過電流で次の二つの
過電流値のいずれか小さい方で動作してはならない。
− 6In
− 製造業者が保証する場合,瞬時引外し電流の下限値の0.8倍
適合性は,9.18の試験で判定する。
8.14 漏電遮断器のインパルス電圧によるサージ電流不要動作性能 漏電遮断器はインパルス電圧に対し
て十分に耐えなければならない。
適合性を,9.19の試験で判定する。
ただし,定格感度電流が10 mA以下で,雷インパルス不動作性能をもたない旨を表示した漏電遮断器は,
この性能を適用しない。
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8.15 (原国際規格の規定を採用しない。)
8.16 信頼性 附属書1の8.16を適用する。
8.17 放射電磁波不動作 附属書Hに換えて,9.24によって試験を行ったとき,動作してはならない。
8.18 高調波電流重畳引外し 附属書Hに換えて,9.25によって試験を行ったとき,感度電流値は,定格
漏電不動作電流の値を超え,定格感度電流の値以下でなければならない。
8.19 高周波電流重畳引外し 附属書Hに換えて,9.26によって試験を行ったとき,感度電流値は,定格
漏電不動作電流の値を超え,定格感度電流の値以下でなければならない。
8.20 差込接続式漏電遮断器に対する追加要求事項
8.20.1 自重落下強度 差込接続式の漏電遮断器(可搬移動形のものに限る。)は,9.27.1によって試験を行
ったとき,その継続使用を損なうような損傷があってはならない。また,この試験後,漏電遮断器の正常
動作は9.9.1.2 c)に従った試験でIΔnについてだけ漏電動作時間の測定することにより検証する。
備考 刃の曲がり,外箱のひびなどは,ここでいう継続使用を損なうような損傷として取り扱わない。
8.20.2 保持力 差込接続式の漏電遮断器の刃受けに適用し,9.27.2 によって試験を行ったとき,JIS C
8303の 4.1(保持力)に示された性能に適合しなければならない。
8.20.3 差込接続器の開閉 差込接続式の漏電遮断器の刃受けに適用し,9.27.3 によって試験を行ったとき,
JIS C 8303の4.4(開閉)に規定する性能に適合しなければならない。
8.20.4 刃取付部強度 差込接続式の漏電遮断器の刃取付部に適用し,9.27.4 によって試験を行ったとき,
JIS C 8303の4.9(刃取付部強度)に規定する性能に適合しなければならない。
8.20.5 コード引止部強度 コードをもつ差込接続式の漏電遮断器は,9.27.5 によって試験を行ったとき,
JIS C 8303の4.11(コード引止部強度)に規定する性能に適合しなければならない。
8.20.6 コード引出部強度 コードをもつ差込接続式の漏電遮断器は,9.27.6 によって試験を行ったとき,
JIS C 8303の4.12(コード引出部強度)に規定する性能に適合しなければならない。
9. 試験
9.1
一般事項
9.1.1
漏電遮断器の特性は,形式試験によって検証する。この規格で要求する形式試験は,附属書2表
10bによる。
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附属書2表 10b 形式試験一覧
試験
箇条番号
−
表示の不滅性
9.3
−
ねじ,通電部品及び接続部の信頼性
9.4
−
外部導体用端子の信頼性
9.5
−
感電保護
9.6
−
絶縁性能及び断路能力
9.7
−
温度上昇
9.8
−
動作特性(越流特性を含む)
9.9
−
機械的及び電気的耐久性能並びに過負荷開閉性能
9.10
−
引外し自由機構
9.11
−
短絡(1)
9.12
−
耐熱性能
9.14
−
定格電圧の限界での値におけるテスト装置の動作
9.16
−
過電流状態の下での不動作過電流の限界値
9.18
−
インパルス電圧によって生じるサージ電流での漏電遮断器の
不要動作
9.19
−
インパルス電圧耐絶縁性能
9.20
−
信頼性
9.22
−
電子部品のエージング
9.23
−
放射電磁波不動作
9.24
−
高調波電流重畳引外し
9.25
−
高周波電流重畳引外し
9.26
−
差込接続式漏電遮断器に対する追加試験
9.27
注(1) これは,幾つかの試験から成り立っている。
9.1.2
附属書1の9.1.2を適用する。
9.1.3
附属書1の9.1.3を適用する。
9.2
試験条件 漏電遮断器は,製造業者の指定に従って,かつ,気温20 ℃〜25 ℃の間の開放した大気
中に個別に取り付ける。特に規定がない限り,外部からの過度の加熱及び冷却から保護しなければならな
い。
個別のエンクロージャ内に設置するように設計した漏電遮断器は,製造業者が指定する最小のエンクロ
ージャに入れて試験を行う。
備考 個別のエンクロージャは,一つの機器だけを収納するように設計したエンクロージャとする。
特に規定がない限り,漏電遮断器は,JIS C 3307に準拠したPVC60℃電線を使用し附属書2表11bに規
定する断面積Sの適切な電線で配線し,厚さが約20 mmの黒く塗装した合板上に,装着に関して製造業者
が指定する要求事項に従った方法で取り付ける。
100
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附属書2表 11b 定格電流に対応する試験用電線
定格電流 In
A
断面積 S
mm2
In≦ 15
φ1.6 mm
15<In≦ 20
φ2 mm
20<In≦ 30
5.5
30<In≦ 40
8
40<In≦ 50
14
50<In≦ 60
14
60<In≦ 75
22
75<In≦100
38
100<In≦125
60
125<In≦150
60
備考 電線は,JIS C 3307 PVC60 ℃基準絶縁電線による。
許容範囲の規定がない場合には,形式試験は,この規格の規定値より極端に厳しくない値で行う。特に
規定がない限り,試験は,定格周波数の±5 %で行う。
試験中に供試品の補修又は分解をしてはならない。
9.8,9.9,9.10及び9.23の試験では,漏電遮断器は,次のとおり接続する。
− 接続電線は,単心ポリ塩化ビニル絶縁銅電線とする(JIS C 3307参照)。
− 接続部は,大気中で,その空間距離は端子間の距離以下としない。
− 供試品の端子から他の端子,試験装置又は中性点までの接続電線の長さは,1.5 mm以下とする。
端子ねじに加える締付けトルクは,附属書1表12に規定した値の2/3とする。
9.3
表示の不滅性試験 附属書1の9.3を適用する。
9.4
ねじ,通電部品及び接続の信頼性試験 附属書1の9.4を適用する。ただし,附属書1表6aを附属
書2表6bに置き換えて適用する。
9.5
外部導体用端子の信頼性試験 附属書1の9.5を適用する。ただし,附属書1表6aを附属書2表6b
に,さらに,“6 mm2”を“5.5 mm2”に置き換えて適用する。
9.5.1
附属書1の9.5.1を適用する。ただし,附属書1表6aを附属書2表6bに置き換えて適用する。
9.5.2
附属書1の9.5.2を適用する。ただし,附属書1表6aを附属書2表6bに置き換えて適用する。
9.5.3
附属書1の9.5.3を適用する。ただし,附属書1表14aを附属書2表14bに置き換えて適用する。
附属書2表 14b 導体寸法
締付け公称断面積の範囲
mm2
より線
線の本数
線の直径 mm
0.9
7
0.4
1.25
7
0.45
2.0
7
0.6
3.5
7
0.8
5.5
7
1.0
8.0
7
1.2
14
7
1.6
22
7
2.0
38
7
2.6
60
19
2.0
9.6
感電保護の検証 附属書1の9.6を適用する。
101
C 8222:2004
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9.7
絶縁性能及び断路能力
9.7.1
耐湿度性能
9.7.1.1
試験前の漏電遮断器の準備 附属書1の9.7.1.1を適用する。
9.7.1.2
試験条件 附属書1の9.7.1.2を適用する。
9.7.1.3
試験手順 附属書1の9.7.1.3を適用する。
9.7.1.4
試験後の漏電遮断器の状態 附属書1の9.7.1.4を適用する。
9.7.2
主回路の絶縁抵抗 附属書1の9.7.2を適用する。
9.7.3
主回路の耐電圧 附属書1の9.7.3を適用する。
9.7.4
補助回路の絶縁抵抗及び耐電圧 附属書1の9.7.4を適用する。
9.7.5
検出用変流器の二次回路 附属書1の9.7.5を適用する。
9.7.6
主回路に接続された制御回路の絶縁抵抗測定中の直流高電圧耐量に対する性能 附属書1の9.7.6
を適用する。
9.7.7
開路接点間のインパルス耐電圧及び漏れ電流の検証
9.7.7.1
開路接点に対してのインパルス耐電圧の評価(断路用途に適合したもの) 附属書1の9.7.7.1を適
用する。
9.7.7.2
9.7.7.1で試験しない部分の耐衝撃電圧の評価 附属書1の9.7.7.2を適用する。
9.7.7.3
開路接点間の漏えい電流の検証(断路用途に適合したもの) 附属書1の9.7.7.3を適用する。
9.8
温度上昇試験
9.8.1
周囲温度 附属書1の9.8.1を適用する。
9.8.2
試験手順 附属書1の9.8.2を適用する。ただし,附属書1表7aを附属書2表7bに置き換えて適
用する。
9.8.3
各部の温度測定 附属書1の9.8.3を適用する。ただし,附属書1表7aを附属書2表7bに置き換
えて適用する。
9.8.4
各部の温度上昇 附属書1の9.8.4を適用する。
9.9
動作特性の検証
9.9.1
漏電状態の下での動作特性の検証
9.9.1.1
試験回路 附属書1の9.9.1.1を適用する。
9.9.1.2
20 ℃±2 ℃ の指定温度での正弦波交流の漏電電流における無負荷試験 漏電遮断器は,9.9.1.2
a)〜c) (それぞれ5回ずつ測定する。ただし地絡検出装置に電子回路を使用している場合は感度電流の測定
を1回とする。)の試験を無作為的に選んだ1極についてに,それぞれ行う。
複数の感度電流設定をもつ漏電遮断器の試験は,それぞれの設定に対して行う。
a) 漏電電流が一様に増加する場合の正常動作の検証 附属書1の9.9.1.2a)を適用する。
b) (原国際規格の規定を採用しない。)
c) 漏電電流が急激に加わった場合の正常動作の検証 附属書1の9.9.1.2c)を適用する。
d) (原国際規格の規定を採用しない。)
9.9.1.3
(原国際規格の規定を採用しない。)
9.9.1.4
(原国際規格の規定を採用しない。)
9.9.1.5
電源電圧依存形漏電遮断器に対する試験条件 附属書1の9.9.1.5を適用する。
9.9.2
過電流状態の下での動作特性の検証 附属書1の9.9.2を適用する。
9.9.2.1
時間−電流特性(引外し特性)の試験 附属書1の9.9.2.1のタイプJを適用する。
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9.9.2.2
瞬時引外しの試験
a) (原国際規格の規定を採用しない。)
b) (原国際規格の規定を採用しない。)
c) (原国際規格の規定を採用しない。)
d) 附属書1の9.9.2.2d)を適用する。
9.9.2.3
(原国際規格の規定を採用しない。)
9.10 機械的及び電気的耐久性能並びに過負荷開閉性能の検証
機械的及び電気的耐久性能の検証は次による。
9.10.1 一般試験条件 漏電遮断器を金属製の支持枠に取り付ける。
試験は,定格使用電圧を印加し,電流を負荷端子側に接続した直列接続の抵抗器とリアクトルによって
定格電流に調整して行う。
空心リアクトルを使用する場合,リアクトルを流れる電流のほぼ0.6 %を通電する抵抗器を各リアクト
ルと並列に接続する。
鉄心入りリアクトルを使用する場合,それらリアクトルの鉄損は回復電圧にほとんど影響してはならな
い。
電流は,実質的な正弦波形であり,力率は,0.85〜0.9の間としなければならない。
漏電遮断器を,附属書2表11bに示したサイズの電線で回路に接続する。
9.10.2 試験手順 附属書1の9.10.2を適用する。
9.10.3 試験後の漏電遮断器の状態 附属書1の9.10.3を適用する。
過負荷開閉性能の検証は次による。
9.10.4 過負荷開閉における試験 試験は,製造業者が指定する最大定格電圧Ue,回復電圧1.1Ue及び電流
6In(最小150 A)で行う。
試験回路は,附属書1表16cの短絡遮断容量(Icn)での試験で示す試験回路とする。
試験回路の力率は,0.45〜0.55の間とする。
試験は,45 Hz〜62 Hzの周波数で行う。
漏電遮断器の電源端子における推定電流は,,少なくとも試験電流の10倍又は少なくとも25 kAのいず
れか小さい方の値以上なければならない。
漏電遮断器は手動によって9回開路し,引外し装置の動作によって自動的に3回開路する。ただし,漏
電遮断器の瞬時引外し装置の最大値が試験電流よりも小さい場合には,12回の動作すべてを自動によって
開路する。
備考 試験方法による自動操作中の操作エネルギーに漏電遮断器の操作部が耐えない場合,試験は製
造業者の同意を得て,次のように行ってもよい。
− 12回の手動操作
手動操作の各サイクルにおいて,漏電遮断器は電流が完全に確立するに十分な時間の間,閉路したまま
でなければならない。ただし,2秒間を超えてはならない。
1時間当たりの動作サイクルは120回/時でなければならない。漏電遮断器が規定頻度で,リセットしな
い場合には,この頻度を,遮断器を閉路させ,電流が完全に確立するのに十分な程度まで下げてもよい。
試験後の漏電遮断器の状態は,附属書1の9.10.3に従って検証する。
9.11 引外し自由機構の検証
9.11.1 一般試験条件 附属書1の9.11.1を適用する。
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9.11.2 試験手順 附属書1の9.11.2を適用する。
9.12 短絡試験
9.12.1 一般事項 9.12.1〜9.12.12の条件は,短絡状態の下で漏電遮断器の動作の検証を意図したすべての
試験に適用する。また,定格漏電投入及び遮断試験に対しては,追加要求を9.12.13に,コード短絡保護
を表示するものに対しては追加要求を9.12.14に規定する。
備考 感度電流可調整形漏電遮断器に対して,試験は,最も小さい設定で行う。
短絡性能の検証のための標準試験は,投入及び遮断動作のシーケンスからなり,動作の適切な検証をす
る。附属書2表16bにそれらをまとめた。
すべての漏電遮断器は次の試験を行う。
− 9.12.11.2及び9.12.12.1に従って,500 A又は,10 Inのいずれか大きい値で。
− 9.12.13.1,9.12.13.2及び9.12.12.1に従って,定格漏電投入及び遮断容量(本体の5.2.7参照)で。
− 9.12.11.4 c)及び9.12.12.2に従って定格短絡遮断容量(本体の5.2.6参照)で。
附属書2表 16b 短絡試験一覧
試験の種類
試験対象の漏電遮断器
短絡試験後の検証項目
減少短絡試験(9.12.11.2)
すべての漏電遮断器
9.12.12.1
定格漏電投入及び遮断試験(9.12.13.1)
9.12.13.2 ,9.12.12.1
定格短絡試験(9.12.11.4c)
9.12.12.2
コード短絡保護試験(9.12.14.1)
コード短絡保護機能を表示する漏電遮断器
9.12.14.2
9.12.2 短絡試験のための試験回路 附属書1の9.12.2を適用する。
9.12.3 試験量の値 附属書1の9.12.3を適用する。
9.12.4 試験量の範囲 附属書1の9.12.4を適用する。
9.12.5 試験回路の力率 附属書1の9.12.5を適用する。
9.12.6 I2t及びピーク電流(Ip )の測定並びに検証 I2t及びIpは,9.12.11.2,9.12.11.4に従った試験の間に測
定しなければならない。
三相回路での漏電遮断器の試験の場合,I2tの値は各極を測定しなければならない。
測定した最大I2t値は,試験成績書に記録し,I2t 特性の対応する値を超えてはならない。
9.12.7 試験回路の校正
9.12.7.1 附属書1の9.12.7.1を適用する。
9.12.7.2 附属書1の9.12.7.2を適用する。
9.12.7.3 附属書1の9.12.7.3を適用する。
9.12.7.4 附属書1の9.12.7.4を適用する。
9.12.8 記録の解釈
a) 印加電圧及び商用周波回復電圧の決定 附属書1の9.12.8 a)を適用する。
b) 推定短絡電流の決定 附属書1の9.12.8 b)を適用する。
9.12.9 供試漏電遮断器の状態 附属書1の9.12.9を適用する。
9.12.9.1 大気中での試験 附属書1の9.12.9.1を適用する。
9.12.9.2 エンクロージャ内での試験 附属書1の9.12.9.2を適用する。
9.12.10 短絡試験中の漏電遮断器の状態 附属書1の9.12.10を適用する。
9.12.11 試験手順
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9.12.11.1 一般事項 附属書1の9.12.11.1を適用する。
9.12.11.2 減少短絡試験 追加インピーダンスZ1(9.12.7.3参照)は,力率 0.93〜0.98の間で,500 A又は,
10 Inのいずれか大きい方の電流を流すように調整する。
漏電遮断器の引外し素子がある極は,本体の付図5に示す回路接続で個別に試験を行う。
2電路をもつ2極漏電遮断器,3電路をもつ3極漏電遮断器及び4電路をもつ4極漏電遮断器に対して,
一つの極は本体の付図5の試験回路の遮断しない中性極位置に接続する。
漏電遮断器は,3回遮断するが,その短絡回路は,投入器Aによって2回投入し,漏電遮断器自体によ
って1回投入する。
動作シーケンスは,次による。
O-t-O-t-CO
開動作について最初の投入位相を基準に30±5度ずつ増えるように,投入器Aを電源波形に同期をとる。
単極漏電遮断器では供試品が変わる場合でも,多極漏電遮断器では試験する極及び供試品が変わる場合で
も,続けて30±5度ずつ増えるように,投入器Aを電源波形に同期をとる。
1極の漏電遮断器は,
− 1台目で,O(0°)−t−O(30°)-CO
− 2台目で,O(60°)−t−O(90°)-CO
− 3台目で,O(120°)−t−O(150°)-CO
2極の漏電遮断器は,
− 1台目の1極で,O(0°)−t−O(30°)-CO,他の極で,O(60°)−t−O(90°)-CO
− 2台目の1極で,O(120°)−t−O(150°)-CO,他の極で,O(0°)−t−O(30°)-CO
− 3台目の1極で,O(60°)−t−O(90°)-CO,他の極で,O(120°)−t−O(150°)-CO
3極の漏電遮断器は,
− 1台目の1極で,O(0°)−t−O(30°)-CO,他のもう1極で,O(60°)−t−O(90°)-CO,最後のもう1
極で,O(120°)−t−O(150°)-COで3台を行う。
9.12.11.3 (原国際規格の規定を採用しない。)
9.12.11.4 1 500 Aを超える試験
a) (原国際規格の規定を採用しない。)
b) (原国際規格の規定を採用しない。)
c) 定格短絡遮断容量(Icn)での試験 附属書1の9.12.11.4 c)を適用する。
9.12.12 短絡試験後の漏電遮断器の検証
9.12.12.1 9.12.11.4 c)の試験後,漏電遮断器は,継続使用を損なうような損傷もなく,保守をすることなく
次の試験に耐えなければならない。
耐電圧試験は,短絡試験後,2〜24時間の間に実施しなければならない。
断路能力を表示する遮断器には,9.7.7.3に従った開路接点間の漏えい電流を測定。
ポリエチレンシートは,拡大鏡なしで普通又は矯正視力で,目に見える穴があってはならない。又は,
さらしかなきんに,着火してはならない。
備考 目に見えるが,0.26 mmの径より小さい微小な穴は無視する。
9.12.12.2 9.12.11.4.c)の試験後,漏電遮断器は,保守をすることなく,9.7.3に従った耐電圧試験に耐える
ことができなければならない。ただし,試験電圧を 900 Vとして,かつ,事前の湿度処理をしない。
9.12.13 定格漏電投入及び遮断容量(IΔm)の検証 附属書1の9.12.13を適用する。
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9.12.13.1 試験手順 附属書1の9.12.13.1を適用する。
9.12.13.2 漏電投入及び遮断試験後の漏電遮断器の検証 附属書1の9.12.13.2を適用する。
9.12.14 コード短絡保護機能の検証
9.12.14.1 コード短絡保護試験 附属書1の9.12.14.1を適用する。
a) コード被覆溶融保護性能試験 附属書1の9.12.14.1 a)を適用する。
b) 瞬時動作試験 附属書1の9.12.14.1 b)を適用する。
9.12.14.2 試験後の検証
a) コード被覆溶融保護試験後の検証 附属書1の9.12.14.2 a)を適用する。
b) 瞬時動作性能 附属書1の9.12.14.2 b)を適用する。
9.13 (原国際規格の規定を採用しない。)
9.14 耐熱性試験
9.14.1 (原国際規格の規定を採用しない。)
9.14.2 附属書1の9.14.2を適用する。
9.14.3 通電部品及び保護回路部品を保持しない絶縁材料からなる漏電遮断器の外部部品は,これらが互い
に接触している場合も含めて,9.14.2に従ってボールプレッシャ試験を行う。ただし,試験は,70 ℃±2 ℃
又は40 ℃±2 ℃に9.8の試験で関連部品が達した最高温度上昇値を加えた値のいずれか高い温度で行う。
備考 9.14.2及び9.14.3の試験では,表面形漏電遮断器の取付面は,外部部品とみなす。
9.14.2及び9.14.3の試験は,熱硬化性材料及びセラミック材には適用しない。
9.14.2及び9.14.3の試験は100 Aを超えるものには適用しない。
9.14.2及び9.14.3に規定する絶縁部品の二つかそれ以上が同一材料でできている場合には,試験はこれ
らの部品のうち一つだけを使って9.14.2又は9.14.3のうち該当する方に従って行う。
9.15 (原国際規格の規定を採用しない。)
9.16 定格電圧の限界値におけるテスト装置の動作の検証
a) 漏電遮断器に定格電圧の0.85倍の電圧を印加する。テスト装置を,5秒間隔で25回動作させる。各操
作の前に漏電遮断器を再閉路しなければならない。
b) その後,試験a)を,1.1倍の定格電圧で繰り返さなければならない。
c) その後,試験b)を,1回行う。ただし,テスト装置の操作機構を30秒間閉路位置に保持する。
各試験で漏電遮断器は動作しなければならない。試験後,その継続使用を損う損傷があってはならない。
検証するためのテスト装置が動作するとき生じるアンペアターンは,定格電圧(電圧範囲がある場合は,
最小電圧)で定格感度電流IΔnに等しい電流で生じるアンペアターンの2.5倍以下とする。テスト装置回路
のインピーダンスを測定し,また,テスト装置回路の配線を考慮し,試験電流を計算する。
検証に当たって,漏電遮断器の解体が必要な場合,別の供試品を使用する。
備考 テスト装置の耐久性能の検証は,9.10の試験に含まれるとみなす。
9.17 (原国際規格の規定を採用しない。)
9.18 3極又は4極漏電遮断器に通じる単相負荷の過電流限界値の検証
備考 感度電流可調整式漏電遮断器の場合,試験は最も高感度な設定で行う。
漏電遮断器を,本体の付図19に従って接続し,試験スイッチS1は,開路しておく。
抵抗Rは,8.13に指定する電流を流すように調整する。
備考 この電流調整を行う場合,漏電遮断器は無視できるインピーダンスの導体に置き換えてもよい。
最初に開路しておいた,試験スイッチS1を,閉路し1秒後に再度開路する。
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電路の可能な組合せにおいて,試験はそれぞれ3回行い,2回の連続する閉路操作の間隔は少なくとも1
分とする。
漏電遮断器は開路してはならない。
電源側に定格電圧(電圧範囲があるなら,範囲内の電圧)を印加する。
9.19 インパルス電圧によって生じるサージ電流での漏電遮断器の不要動作の検証
9.19.1 (原国際規格の規定を採用しない。)
9.19.2 (原国際規格の規定を採用しない。)
9.19.3 雷インパルス不動作試験
9.19.3.1 本体の付図X1の試験回路において定格電圧を加え,閉路状態で次に示す雷インパルス電圧を正
及び負それぞれ1分間間隔で3回印加する。
− 試験電圧
:7 kV±3 %
− 波頭長
:1.2 μs± 30 %
− 波尾長
:50 μs± 20 %
ただし,定格感度電流が10 mA以下で,雷インパルス不動作性能をもたない旨を表示する漏電遮断器は,
この性能を適用しない。
9.19.3.2 9.19.3.1で試験を行ったとき,動作してはならない。
9.20 インパルス電圧耐絶縁性能の検証 試験は,漏電遮断器を金属製支持台に固定して,標準使用のよ
うに配線し,漏電遮断器を閉路状態にして行う。
インパルス発生器で加える正及び負のインパルスは,波頭長1.2 μs,波尾長50 μsとし,許容範囲は次に
よる。
− 波高値 : ± 5 %
− 波頭長 : ± 30 %
− 波尾長 : ± 20 %
インパルス電圧7 kVの波高値で行い,インパルス電圧を次の箇所に印加する。
− 閉の位置にして異極端子間
− 金属支持台と各電圧極及び中性極(又は電路)一括との間
正及び負それぞれ3回印加する。両方の試験の場合,連続するインパルスの間隔は少なくとも1分とす
る。
故意でない破壊放電があってはならない。
1回だけの破壊放電が生じた場合には,破壊放電が起きたのと同じ極性及び同じ接続で10回の追加イン
パルス電圧を印加する。
さらに破壊放電があってはならない。
備考1. “意図しない破壊放電”とは,電圧の低下及び電流の通電を含めて,電気的応力に起因する
絶縁の劣化に付随する現象を包含して用いている。
2. 意図しない放電は,組み込まれたサージアレスタの放電を含む。
インパルスの波形は,供試漏電遮断器をインパルス発生器に接続して調整する。この目的のために適切
な分圧器及び電圧計測器を使用しなければならない。
インパルスの小さい振動は,その振幅がインパルスのピーク近くで波高値の5 %未満である場合は,許
容する。
波頭部の前半分での振動は,波高値の10 %以下である場合は許容する。
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9.21 (原国際規格の規定を採用しない。)
9.22 信頼性の検証 附属書1の9.22を適用する。
9.23 電子部品のエージング試験 附属書1の9.23を適用する。
9.24 放射電磁波不動作試験 本体の付図X2に規定する回路において,漏電遮断器に定格電圧を印加し,
閉路状態で附属書2付表X4に規定する条件の放射電磁波を2秒間印加する。
備考 放射電磁波不動作試験は,外部との間で電磁シールドされた状態で行う。
附属書2付表 X4 放射電磁波不動作試験条件
周波数(MHz)
試験品近傍の電界強度
27
130 dB (3.16 V/m)
144
130 dB (3.16 V/m)
430
140 dB (10 V/m)
900
146 dB (20 V/m)
備考 1 μV/m =0 dBとする。
9.25 高調波電流重畳引外し試験 本体の付図X3に規定する回路において,周波数が50 Hz又は60 Hzの
定格電圧を印加し,負荷電流を通じない状態において,閉路状態で1極に高調波電流をひずみ率10 % と
なるよう正相及び逆相に重畳し,この電流を徐々に増加させて漏電遮断器が動作したときの感度電流値を
測定する。この場合の高調波電流は3次及び5次の高調波についてそれぞれ行う。
9.26 高周波電流重畳引外し試験 本体の付図X4に規定する回路において,周波数が50 Hz又は60 Hzの
定格電圧を印加し,負荷電流を通じない状態において,閉路状態で1極に商用周波電流を通電し,他の1
極に附属書2付表X5に規定する高周波電流(本体の付図X4に示すIRF)を通電して商用周波の電流を徐々に
増加させて漏電遮断器が動作したときの感度電流値を測定する。
附属書2付表 X5 高周波電流重畳試験条件
IRFの周波数 kHz
IRFの値
1
定格感度電流の0.1 倍
3
定格感度電流の0.26 倍
30
定格感度電流の2.0 倍
備考 IRFの最大値は2 Aとする。
9.27 差込接続式漏電遮断器に対する追加試験
9.27.1 自重落下試験 差込接続式の漏電遮断器(可搬移動形のものに限る。)を,JIS C 8306図12(タンブ
リングバレル試験機)に規定する回転ドラムに供試品を1個入れ,毎分5回転の速さで3回落下させる。
この試験後,漏電遮断器の正常動作は9.9.1.2 c)に従いIΔnについてだけ漏電動作時間の測定することに
より検証する。
9.27.2 保持力試験 差込接続式の漏電遮断器の刃受けに適用し,JIS C 8303の 6.2(保持力試験)によって
試験を行う。
9.27.3 差込接続器の開閉試験 差込接続式の漏電遮断器の刃受けに適用し,JIS C 8303の6.5(開閉試験)
によって試験を行う。
9.27.4 刃取付部強度試験 差込接続式の漏電遮断器の刃取付部に適用し,JIS C 8303の6.10 (刃取付部強
度試験)によって試験を行う。
9.27.5 コード引止部強度試験 コードをもつ差込接続式の漏電遮断器に適用し,JIS C8303の 6.12(コー
ド引止部強度試験)によって試験を行う。
108
C 8222:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
9.27.6 コード引出部強度試験 コードをもつ差込接続式の漏電遮断器に適用し,JIS C 8303の 6.13(コー
ド引出部強度試験)によって試験を行う。
109
C 8222:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A(規定)適合性の検証(ISO/IECガイド2の13.5:1991)に適用する
試験シーケンス及び供試品数
この附属書は,この規格への適合性の検証をするために行う試験シーケンス及び供試品の数について,
規定している。
適合性の検証は,次のいずれかによる。
− 供給者の自己宣言のために製造業者で行う。(ISO/IECガイド2の13.5.1)
− 認証のために独立した機関で行う。(ISO/IECガイド2の13.5.2)
ISO/IECガイド2に従って,“認証”とは,上記の二番目の場合だけに使用する。
A.1 試験シーケンス 試験は,附属書A表A.1に従って行い,附属書A各シーケンス内の試験は,規定
する順序で行わなければならない。
附属書A表 A.1 附属書1又は附属書2に適用する試験シーケンス
試験
シーケンス
附属書1又は
附属書2の項目番号
附属書1に適用する試験
(又は検査)
附属書2に適用する試験
(又は検査)
A
6.
表示事項
同左
8.1.1
一般事項
同左
8.1.2
機構
同左
9.3
表示の不滅性
同左
8.1.3
空間距離及び沿面距離(外部)
同左
9.11
引外し自由機構
同左
9.4
ねじ,通電部品及び接続の信頼性
同左
9.5
外部導体用端子の信頼性
同左
9.6
感電保護
同左
9.14
耐熱性
同左
8.1.3
空間距離及び沿面距離(内部部品)
同左
9.15
耐過熱性能及び耐着火性能
−
B
9.7
絶縁性能及び断路能力
同左
9.10.4
−
過負荷開閉
9.8
温度上昇
同左
9.20
インパルス電圧耐絶縁性能
同左
9.22.2
40℃での信頼性
同左
9.23
電子部品のエージング
同左
C0
9.10
機械的及び電気的耐久性能
機械的及び電気的耐久性能並び
に過負荷開閉性能
(9.10.4は除く)
C1
9.12.11.2
(及び9.12.12)
減少短絡試験
同左
C2
9.27
−
差込接続式漏電遮断器に対する
追加試験
110
C 8222:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A表 A.1 附属書1又は附属書2に適用する試験シーケンス(続き)
試験
シーケンス
附属書1又は
附属書2の項目番号
附属書1に適用する試験
(又は検査)
附属書2に適用する試験
(又は検査)
D0
9.9.1
漏電状態の下での動作特性
同左
D1
9.17
電源電圧喪失時の動作
−
9.19
不要動作
同左
9.21
直流成分
−
9.12.13
I△mでの性能
同左
9.16
テスト装置
同左
D2
9.24
−
放射電磁波不動作
9.25
−
高調波電流重畳引外し
9.26
−
高周波電流重畳引外し
E0
9.9.2
過電流状態の下での動作特性
同左
9.18
3極又は4極漏電遮断器に通じる
単相負荷の過電流限界値
同左
E1
9.13
耐機械的衝撃及び打撃
−
9.12.11.3
(及び9.12.12)
1 500 Aでの短絡性能
−
E2
9.12.14
コード短絡保護機能
同左
F0
9.12.11.4 b)
(及び9.12.12)
使用短絡遮断容量での性能
−
F1
9.12.11.4 c)
(及び9.12.12.2)
定格短絡遮断容量での性能
同左
G
9.22.1
信頼性(環境試験)
同左
備考 製造業者が合意した場合,同一供試品は,二つ以上の試験シーケンスに使用してもよい。
A.2 すべての試験手順に従って提出する供試品の数 単一定格電流で単一感度電流の漏電遮断器の1形
式(極数,瞬時引外し)だけを試験する場合,異なる試験シーケンスにおいて試験する供試品の数は,附属
書A表A.2に規定する。
附属書A表A.2の2番目の欄で行ったすべての供試品が試験に合格した場合,規格を満足したとする。
3番目の欄に示す最小数が試験に合格した場合,4番目の欄に示した数の追加の供試品を試験して,すべて
が実施した試験シーケンスに合格しなければならない。
1定格電流で,複数の定格感度電流をもつ漏電遮断器の場合,供試品を2グループに分けて各試験シー
ケンスを行わなければならない。1グループを最も低感度感度電流に設定し,その他を最も高感度感度電
流に設定する。
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C 8222:2004
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附属書A表 A.2 すべての試験手順に対する供試品の数
試験シーケンス
供試品の数
試験合格供試品最小数(1)(2)
再試験の供試品数(3)
A
1
1
-
B
3
2
3
C
C0
3
2
3
C1
3
2(4)
3
C2
3
2
3
D
3
2(4)
3
E
E0
3
2
3
E1
3
2(4)
3
E2
3
2
3
F0
3
2(4)
3
F1
3
2(4)
3
G
3
2
3
注(1) 合計最大3個で試験シーケンスを繰り返す。
(2) 試験に合格しない供試品の1台は,設計に起因しないでき上がり又は組立の欠陥によって要求事
項を満足しないものであると想定する。
(3) 再試験の場合,すべての試験に合格しなければならない。
(4) 9.12.10,9.12.11.2,9.12.11.3,9.12.11.4及び9.12.13の試験を除いて,供試品は,すべての試験に
合格しなければならない。
A.3 同一基本設計区分の漏電遮断器を同時に提出する場合の簡略した試験手順に用いる供試品の数
A.3.1 検証用に提出する同一基本設計区分の漏電遮断器,又は同じ区分の漏電遮断器を追加する場合,試
験する供試品の数は,附属書A表A.3〜表A.5に従って低減してもよい。
備考 この附属書における“同一基本設計”とは,定格電流(In)のシリーズ,定格感度電流(IΔn)のシリ
ーズ及び異なる極数をもつ漏電遮断器の範囲である。
同一基本設計と考えられる漏電遮断器は,次による。
a) 同一基本設計でなければならない。電源電圧依存形と電源電圧非依存形とが同一区分内に一緒に存在
してはならない。
b) 漏電電流の動作手段は,次の3)及び4)で規定する異なる方法を除いて,同じ引外し機構及び同じリレ
ー又はソレノイドをもたなければならない。
c) 内部通電部品の材料,仕上げ及び寸法は,次の1)に規定する異なる形態以外が同じでなければならな
い。
d) 端子は,類似の設計でなければならない。次の2)参照。
e) 接点寸法,材料,外形及び取付方法は,同一でなければならない。
f)
手動操作機構,材料及び物理的特性は,同一でなければならない。
g) 成形材料及び絶縁材料は,同一でなければならない。
h) 消弧装置の消弧方法,材料及び構造は,同一でなければならない。
i)
漏電電流検出装置の基本設計は,次の3)で規定する異なる方法以外の特性を示す形式に対して,同一
でなければならない。
j)
漏電引外し装置の基本設計は,次の4)で規定する異なる方法以外,同一でなければならない。
k) テスト装置の基本設計は,次の5)で規定する異なる方法以外,同一でなければならない。
次の異なる形態は,漏電遮断器が上記の残りのすべての要求事項を満足するという条件で認める。
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C 8222:2004
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1) 内部通電部の断面積及び長さ
2) 端子の寸法
3) 零相変流器の巻数,巻線の断面積,寸法及び鉄心の材質
4) あるならば,リレーの感度及び/又は付随した電子回路
5) 附属書1の9.16又は附属書2の9.16の試験に適合するのに必要な最大アンペアターンを生じるテス
ト装置の抵抗値。回路は,相間又は相と中性相との間に接続してよい。
A.3.2 d.c.成分(本体の4.6)による動作に従って同じ区分となる漏電遮断器,及び,時延動作(本体の4.7)
に従って同じ区分になる漏電遮断器の供試品の数は,附属書A表A.3による。
附属書A表 A.3 簡易試験のための供試品の数
試験シーケンス
極数による供試品の数(1)
2極(2)(3)
3極(4)(6)
4極(5)
A
1
最大定格In
最小定格I△n
1
最大定格In
最小定格I△n
1
最大定格In
最小定格I△n
B
3
最大定格In
最小定格I△n
3
最大定格In
最小定格I△n
3
最大定格In
最小定格I△n
C0+C1
3
最大定格In
最小定格I△n
3
最大定格In
最小定格I△n
3
最大定格In
最小定格I△n
C2
3
最大定格In
最小定格I△n
3
最大定格In
最小定格I△n
3
最大定格In
最小定格I△n
D0+D1+D2
3
最大定格In
最小定格I△n
3
最大定格In
最小定格I△n
3
最大定格In
最小定格I△n
D0
1台を,I△nのすべての定格,In最大定格
E0+E1
3
最大定格In
最小定格I△n
3
最大定格In
最小定格I△n
3
最大定格In
最小定格I△n
E0
1台を,I△nのすべての定格,In最大定格
E2
3
最大定格In
最小定格I△n
3
最大定格In
最小定格I△n
3
最大定格In
最小定格I△n
F0
3
3(7)
最大定格In
最小定格I△n
最小定格In
最大定格I△n
3
3(7)
最大定格In
最小定格I△n
最小定格In
最大定格I△n
3
3(7)
最大定格In
最小定格I△n
最小定格In
最大定格I△n
F1
3
3(7)
最大定格In
最小定格I△n
最小定格In
最大定格I△n
3
3(7)
最大定格In
最小定格I△n
最小定格In
最大定格I△n
3
3(7)
最大定格In
最小定格I△n
最小定格In
最大定格I△n
G
3
最大定格In
最小定格I△n
3
最大定格In
最小定格I△n
3
最大定格In
最小定格I△n
注(1) A.2の最小実施基準に従って再試験する場合,新供試品群で関係する試験を行う。再試験の場合,すべて
の試験に合格しなければならない。
(2) 3極又は,4極漏電遮断器だけ提出する場合,この項は最小極数の供試品群に適用しなければならない。
(3) 非遮断中性電路付1極漏電遮断器及び1保護極付2極漏電遮断器にも適用する。
(4) 2保護極付3極漏電遮断器にも適用する。
(5) 非遮断中性電路付3極漏電遮断器及び3保護極付4極漏電遮断器にも適用する。
(6) この項は,4極漏電遮断器を試験するときは省略する。
(7) I△nが単一定格の試験をする場合,供試品を必要としない。
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A.3.3 A.3.1に規定され,また,A.3.2に従って試験したものと同一基本設計の漏電遮断器の区分内にある
が,本体の4.11に従い異なる瞬時引外し区分の漏電遮断器を引き続いて試験する場合,追加シーケンスは,
附属書A表A.4による。
なお,供試品の数は,附属書A表A.3による。
附属書A表 A.4 異なる瞬時引外し電流をもつ漏電遮断器に対する試験シーケンス
最初に試験する漏電遮
断器形式
他の漏電遮断器の形式に対する試験シーケンス
タイプB
タイプC
タイプD
タイプB
―
(E0+E1)+F
(E0+E1)+F
タイプC
E0+B(1)
―
(E0+E1)+F
タイプD
E0+B(1)
(E0+E1)+F
―
注(1) このシーケンスでは,本体の9.8及び9.2.2の試験だけ行う。
A.3.4 A.3.1に規定され,A.3.2に従って試験したものと同一基本設計の漏電遮断器の区分内にあるが,本
体の4.7に従って区分した異なる引外し特性の漏電遮断器を引き続いて試験する場合,追加供試品数及び
シーケンスは,附属書A表A.3による。ただし,シーケンスA,B及びEoは除外する。
A.3.5 A.3.1に規定され,A.3.2に従って試験したものと同一基本設計の漏電遮断器の区分内にあるが,直
流成分に起因する動作(本体の4.6)に従って異なる区分をした漏電遮断器を引き続いて試験する場合,追加
供試品の数及びシーケンスは,附属書A表A.5による。
附属書A表 A.5 本体の4.6によって異なる区分の漏電遮断器に対する試験シーケンス
試験シーケンス
極数による供試品の数(1)
2極(2)(3)
3極(4)(6)
4極(5)
D0+D1+D2
3
最大定格In
最小定格I△n
3 最大定格In
最小定格I△n
3
最大定格In
最小定格I△n
D0
1台を,I△nのすべての定格,In最大定格
注(1) A.2の最小実施基準に従って再試験する場合,新供試品群で関係する試験を行う。
再試験の場合,すべての試験に合格しなければならない。
(2) 3極又は4極漏電遮断器だけ提出の場合,この項は最小極数の供試品群に適用し
なければならない。
(3) 非遮断中性電路付1極漏電遮断器及び1保護極付2極漏電遮断器にも適用する。
(4) 2保護極付3極漏電遮断器にも適用する。
(5) 非遮断中性電路付3極漏電遮断器及び3保護極付4極漏電遮断器にも適用する。
(6) この項は,4極漏電遮断器を試験するときは除外する。
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C 8222:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B(規定)空間距離及び沿面距離の決定
空間距離及び沿面距離を決定する場合,次の点を考慮することを推奨する。
空間距離及び沿面距離が一つ又は複数の金属部品によって影響される場合,その部分の合計の値が少なく
とも規定した最小値でなければならない。
長さ1 mm未満の各部分は,空間距離及び沿面距離の合計の計算をする場合には,考慮するべきではない。
沿面距離の決定の場合
− 最小幅1 mm,最小深さ1 mmの溝は,その外形に沿って測定しなければならない。
− 上記の寸法より短い寸法の溝は,無視する。
− 高さ1 mm 以上の凸部
・凸部が絶縁材料の構成部分と一体部品であれば(例えば,成形,溶接及び接着した場合など),その縁に
沿って測定する。
・凸部が絶縁材料の構成部部分と一体でない場合は,凸部の継ぎ目又は輪郭に沿った経路のより短い方を
測定する。
前述の適用例を,次に図解する。
− 附属書B付図B.1〜付図B.3は,沿面距離において溝を含む場合と除外する場合を示す。
− 附属書B付図B.4及び付図B.5は,沿面距離の中に凸部がある場合とない場合を示す。
− 附属書B付図B.6は,凸部が挿入された絶縁バリアで構成し,その外側断面が挿入部の長さより長い
ときに,継ぎ目部を距離として考慮することを示す。
− 附属書B付図B.7〜付図B.10は,絶縁物で絶縁された凹部に位置する締付け部品の場合の沿面距離の
決定方法を示す。
115
C 8222:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
A=絶縁物 C=導電部品 F=沿面距離
附属書B付図 B.1〜B.10 沿面距離の適用図解
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C 8222:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書C(規定)短絡試験時のイオン化ガス排出の検出のための取決め
試験する漏電遮断器を,漏電遮断器の特有な設計に適応し,かつ,製造業者の指定に従って,附属書C
付図C.1に示すように取り付ける。
必要な場合(“O”動作責務時),装置の前面の全寸法から各方向に50 mm 以上大きく,最小200 mm×200
mm以上の大きさで,厚さ(0.05±0.01 mm)の透明ポリエチレンシート又はさらしかなきん(密度が25.4 mm
につきたて72本±4本,よこ69本±4本,30番手のたて糸及び36番手のよこ糸を使用したのり付けをし
ない平織の綿布)を枠内に固定して,適度の強さで張り,次のところから 10 mm(附属書2は20 mm)離して
取り付ける。
− 操作部をへこまさない状態での漏電遮断器操作装置の最大突出部,又は,
− 操作部をへこました状態での漏電遮断器操作装置のへこみの縁
ポリエチレンシートは,次の物理的性質をもっていなければならない。
密度(23 ℃) :0.92 g/cm3 ±0.05 g/cm3
融点
: 110 ℃ 〜120 ℃
必要な場合,最小厚さが2 mmの絶縁物のバリアを,附属書C付図C.1に示すように,アーク排出口と
ポリエチレンシートとの間に,アーク排出口から排出した溶融物からシートの損傷を防ぐように取り付け
る。
必要ならば,附属書C付図C.2に従って取り付けたグリッドを,装置の各アーク排出口から“a”mmの
距離で設置しなければならない。
グリッド回路(附属書C付図C.3参照)を,B点及びC点(本体の付図5〜付図9参照)に接続しなければな
らない。
グリッド回路の変数は,次による。
抵抗 R' : 1.5 Ω
銅線 F' : 長さ50 mm及び9.12.9.1に従った直径
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単位 mm
附属書C付図 C.1 試験配置
単位 mm
附属書C付図 C.2 グリッド
附属書C付図 C.3 グリッド回路
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附属書D(規定)受渡試験
この附属書で規定する試験は,材料又は製造における安全性に関係する受入れがたい変化を明らかにす
ることを目的としている。
一般的に,それぞれの漏電遮断器が,この規格の試験に適合の供試品として保証するには,製造業者の
経験に従って,更に多くの試験を実施することがある。
D.1 動作試験 漏電遮断器の各極に順次漏電電流を流す。漏電遮断器は,0.5 IΔn以下の電流では動作せ
ず,IΔnの電流では規定時間(本体の表2参照)以内に動作しなければならない。
試験電流を,各漏電遮断器に対して少なくとも5回流し,かつ,各極に対して少なくとも2回流さなけ
ればならない。ただし,地絡検出装置に電子回路を使用している場合は,感度電流の測定を1回とする。
D.2 耐電圧試験 ほぼ正弦波の50 Hz/60 Hzの周波数で1 500 Vの電圧を1秒間,次の箇所へ印加する。
a) 漏電遮断器の開路位置で,漏電遮断器を閉路したとき,電気的に接続される一対の端子間のそれぞれ
に対して,(各極の電源・負荷端子間)
b) 電子部品が組み込まれていない漏電遮断器では,漏電遮断器を閉路位置で,順次各極とその他の極と
の間に対して,(異極端子間)
c) 電子部品が組込まれた漏電遮断器では,漏電遮断器を開路位置で,電子部品の位置を考慮して,すべ
ての電源側端子間,又は,すべての負荷側端子間のいずれかに対して順次
フラッシオーバ及び絶縁破壊が生じてはならない。
D.3 テスト装置の動作 漏電遮断器を閉路位置として,適切な電圧の電源に接続し,テスト装置を操作
したとき,漏電遮断器は開路しなければならない。
テスト装置が二つ以上の電圧値で動作できるように意図されている場合,試験は,最も低い電圧で行わ
なければならない。
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附属書E(規定)安全特別低電圧(SELV)用補助回路に関する特別要求事項
序文 この附属書は,安全特別低電圧(SELV)用の補助回路に関する特別な要求事項について規定するもの
であり,次の事柄を附属書1及び附属書2の次の項目と組み合わせて適用する。
附属書1の8.1.3及び附属書2の8.1.3 空間距離及び沿面距離
附属書1表5a及び附属書XE表XE.1に次の備考を追加する。
備考 安全特別低電圧(SELV)に接続することを意図した補助回路の充電部は,JIS C 0364-4-41の
411.1.3.3の要求事項に従ってより高い電圧の回路から分離しなければならない。
附属書1の9.7.4及び附属書2の9.7.4 補助回路の絶縁抵抗及び耐電圧
b)の下に,次の備考を追加する。
備考 安全特別低電圧(SELV)に接続することを意図した回路に対する試験は,検討中である。
c)の備考に,次の内容を追加する。
備考 安全特別低電圧(SELV)に接続することを意図した回路の試験電圧の値は,検討中である。
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附属書F(規定)同一回路内で使用する漏電遮断器と
個別ヒューズとの間の協調
JIS C 8211の附属書Dに示す同一回路内で使用する遮断器と個別ヒューズとの間の協調の保証は,同一
回路内で使用する漏電遮断器と個別ヒューズ間の協調の保証にも適用する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書G(規定)設置場所での組立用に設計された漏電遮断器及び漏電ユニ
ットで構成する漏電遮断器のための追加要求事項及び試験
G.1
一般事項 他に規定していない事項を除いて,この規格の本体,附属書1及び附属書2は,この附
属書で包含する漏電遮断器のすべての点に適用される。
G.1.1 適用範囲 この附属書は,JIS C 8211の要求事項を満足する遮断器と,製造業者の指定に従って設
置場所で組み立てるように設計し,この規格の要求事項を適切に満足する漏電ユニットとからなる漏電遮
断器について規定する。
G.2
定義 本体の3.に,次の定義を追加する。
3.3.23 漏電ユニット 漏電電流検出機能,漏電動作値及び漏電電流値との比較機能及び組み合わせた遮断
器の引外し機構を動作させるために結合された手段を同時に形成することができる装置。
G.3
表示及びその他製造業者からの情報
G.3.1 製造業者及び商標 本体の6. a)に関して,遮断器及び漏電ユニットの組合せは,同じ製造社名又は
商標でなければならない。
G.3.2 表示
G.3.2.1 遮断器の表示 遮断器の表示は,JIS C 8211に従わなければならない。
G.3.2.2 漏電ユニットの表示 本体6.に関して,漏電ユニットの表示は,次の項目について表示しなけれ
ばならない。
a),b),c),e),f),g),k),m),n),q)及び必要な場合は,l)
付け加えて,漏電ユニットは,次の表示をしなければならない。
− 組み合わせることができる遮断器の最大定格電流(例えば,最大60 A)
− 記号
備考 漏電ユニットと組合せ可能な遮断器の定格を表示することを推奨する。
G.3.2.3 遮断器及び漏電ユニットの組合せの表示事項 G.3.2.2に規定する次の表示は,組立後に見えては
ならない。
− c)
− 漏電ユニット及び組み合わせる遮断器の最大定格電流
− k)
漏電ユニットの表示l)を適用する場合は,組立後も見やすい状態でなければならない。
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G.3.3 組立及び動作のための指示書 製造業者は,漏電ユニットに十分な指示書を備え付けていなければ
ならない。
指示書は,少なくとも次のことを包含していなければならない。
− 漏電ユニット及び組み立てるように設計した遮断器の形式及びカタログ番号,通電電流,電圧値,
極数などに関して。
− 必要な場合,低減係数
− 組立の方法
− 機械的動作確認のために必要とする組立後の動作試験
− テスト装置での引外し動作の検証
備考 漏電遮断器の回路数は,漏電ユニットの回路数に対応しなければならない。中性極端子又はリ
ンクは,遮断器の中性極に接続しなければならない。
G.4
組立要求事項
G.4.1 一般事項 次の設計されていなければならない。
a) 一つの場所で漏電遮断器としての組立ができなければならない。
b) 少しの解体でも恒久的こん跡が残らなければならない。
G.4.2 保護等級 漏電ユニットの保護等級は,組み合わせる遮断器の保護等級より低くてはならない。
G.4.3 機械的要求事項 遮断器及び漏電ユニットは,互いに正しい方法で装着でき,かつ,不正な組立を
防止するように設計していなければならない。
引外し機構を結合する部品は,緩んではならない。
組立のための固定手段は,緩み止めしていなければならない。
備考 端子カバーは,この要求事項に含まない。
G.4.4 電気的協調 遮断器の定格電圧より低い定格電圧の漏電ユニットと組み合わせることができては
ならない。
遮断器の定格電流より小さい最大定格電流(G.3.2.2参照)を表示した漏電ユニットとの組合せができては
ならない。
漏電ユニットの端子は,組み合わせるように設計した遮断器の定格電流に対してJIS C 8211の表4に規
定する範囲の公称断面積導体の接続ができなければならない。
漏電ユニットと組み合わせる遮断器との間の電気的接続は,漏電ユニットに形成された部品で行わなけ
ればならない。
特定の定格短絡容量の遮断器が結果としてより小さな短絡容量とするような漏電ユニットとの組合せが
できてはならない。
G.5
形式試験及び検証
G.5.1 遮断器の試験 遮断器は,JIS C 8211の形式試験を満足しなければならない。
G.5.2 漏電ユニットの試験 漏電ユニットは,附属書1の9.1.1の附属書1表10a又は附属書2の9.1.1
の附属書2表10bに規定する次の形式試験を満足しなければならない。
附属書1又は附属書2の9.3,9.4,9.5,9.11(適用する場合),9.14及び9.15。
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G.5.3 遮断器及び漏電ユニットの組立(漏電遮断器)試験 この附属書で規定する漏電遮断器に対して,附
属書1の9.1.1の附属書1表10a又は附属書2の9.1.1の附属書2表10bに規定する形式試験を適用する。
ただし,次の事項を除く。
− 附属書1又は附属書2の9.3,9.5,9.14及び9.15は適用しない。
− 附属書1又は附属書2の9.4の試験は,遮断器と漏電ユニットとを接続して行わなければならない。
− 附属書1又は附属書2の9.12は,Icn= 1 500 A以外は9.12.11.3及び9.12.11.4 b)を除いて適用する。
G.5.4 漏電遮断器の表示及び組立上の要求事項の検証 G.3.1,G.3.2,G.3.3,G.4.1,G.4.2及びG.4.4の要
求事項の適合性は,適合する点検及び手動試験によって検証する。
G.4.3の要求事項の適合性は,遮断器と組み合わされる漏電ユニットのあらゆる組合せで,正しいものだ
け組み合わせられることを検証する。また,これは,操作位置の違い及び組合せ方法にも適用する。
G.6
漏電ユニットの受渡試験 附属書Dを適用する,ただし,試験は試験用遮断器を最大負荷状態に調
整して漏電ユニットと組み合わせて行わなければならない。
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附属書H(規定)電磁両立性(EMC)の要求について漏電遮断器の適合性検証
のための試験一覧,試験シーケンス及び供試品の数の追加
この附属書は,電磁両立性の検証のために漏電遮断器に実施するすべての試験及びすべての試験シーケ
ンスについて規定する。ただし,附属書2の漏電遮断器は,試験シーケンスD2で代用するものとし附属書
Hは適用しない。
H.1は,JIS C 8222に既に採用した試験並びに附属書Aに規定する試験シーケンス及び最低実施条件に
関連する規定である。
H.2は,EMCの要求事項について,漏電遮断器の適合性の十分な検証のための追加試験,供試品の数,
試験シーケンス及び最低要求条件の規定である。
試験条件及びEMCの実施基準を,漏電保護装置のためのEMC製品関連規格(IEC 61543)に示す。
漏電遮断器の電磁両立性
H.1 既にこの規格に採用したEMC試験 附属書H表H.1の第3列に,第2列に示した電磁妨害に十分
な耐量を保証する附属書Aの試験シーケンスで既に採用した試験を示す。第1列は,IEC 61543の表1及
び表2の指示と同じものを示す。
附属書H表 H.1
IEC 61543の表1及び表2の指示
電磁耐量
この規格の試験箇条番号
(附属書1)
T 1.3
電圧振幅変動
9.9.1.5及び9.17
T 1.4
電圧不平衡
9.9.1.5及び9.17
T 1.5
電源周波数変動
9.2
T 1.8
放射電磁界
9.12及び9.18
T 2.4
過渡振動電流
9.19
H.2 適用するEMC製品関連規格の追加試験 IEC 61543の次の試験は,附属書H表H.2に従って実施
しなければならない。
特に規定がない限り,各試験シーケンスは新しい3台の供試品で行わなければならない。
附属書H表H.2の5列に従って実施したすべての供試品が試験を合格した場合,この規格を満足するも
のとする。6列に示す最少数だけが試験を合格した場合,7列に示す追加供試品で試験し,すべてが試験シ
ーケンスを完全に満足しなければならない。
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附属書H表 H.2
試験シーケ
ンス
IEC 61543
の表
IEC 61543
の指示条件
現象
供試品の数
試験合格の
最小供試品
の数
再試験の供試
品の最大数
H.2.1(1)
4
1.1
高調波,中間高調波
3最小I△n
任意のIn
2
3
4
1.2
信号電圧
5
2.3
ms/μs単位の一方向性過
渡電流
H.2.2
5
2.1及び2.5
振動電圧又は電流の通
電
3最小I△n
任意のIn
2
3
5
2.2
ns単位の一方向性過渡
通電(バースト)
H.2.3
6
3.1
静電気放電
3最小I△n
任意のIn
2
3
注(1) 連続動作する発振器を内蔵した装置に対しては,CISPR14の試験をこのシーケンスの試験前に供試品を
使用して実施しなければならない。
備考 製造業者の要求によっては,同じ供試品群で一つ以上の試験シーケンスを行ってもよい。
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附属書IA(参考)短絡回路の力率の決定方法
序文 この附属書は,短絡回路の力率の決定方法について記述するものであり,規定の一部ではない。短
絡回路の力率を正確に決定する画一的な方法はない。この附属書には,例として二つの許容し得る方法を
示す。
方法Ⅰ 直流成分からの決定
角度φを,短絡の瞬間から接点が開離する瞬間までの間の非対称電流波形の直流成分の曲線から,次の
ようにして決定する。
IA.1 直流成分は,次の式による。
id=Ido・e−Rt/L
ここに,
id: tの瞬時における直流成分の値
Ido: 最初の瞬時における直流成分の値
L/R: 回路の時定数(s)
t: 最初の瞬時からの時間(s)
e: 自然対数の底
時定数L/Rは,上記の式から次のようにして求めることができる。
a) 短絡瞬時のidoの値を求め,さらに,接点が開離する前の他の瞬時tにおけるidの値を求める。
b) idをIdoで除すことによって,e−Rt/Lの値を決定する。
c) e-x の値の表から,id /Idoの比に対応する−xを決定する。
d) xの値をRt/Lに代えて,L/Rを求める。
IA.2 次によって,角度φを決定する。
φ = arc tan ωL/R
ここに,ωは,実際の周波数の2π倍である。
この方法は,電流を変流器で測定した場合には使用してはならない。
方法Ⅱ 補助発電機による決定
試験用発電機として同軸で補助発電機を用いるとき,オシログラムの補助発電機の電圧は,まず試験用
発電機の電圧と位相とを比較し,次いで試験用発電機の電流と位相とを比較しなければならない。
補助発電機電圧と主(試験用)発電機電圧との間の相角度の違い及び補助発電機電圧と試験用発電機電
流との間の相角度の違いから,試験用発電機の電圧と電流との間の位相差が得られ,それによって,力率
が決定できる。
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附属書IB(参考)記号の解説
序文 この附属書は,記号の解説について記述するものであり,規定の一部ではない。
定格電流
:In
漏電電流
:I△
定格感度電流
:I△n
定格漏電不動作電流
:I△no
定格電圧
:Un
定格使用電圧
:Ue
定格絶縁電圧
:Ui
定格投入及び遮断容量
:Im
定格短絡容量
:Icn
定格漏電投入及び遮断電流
:I△m
条件付定格短絡電流
:Inc
条件付定格漏電短絡電流
:I△c
電源電圧依存形漏電遮断器において,動作できる電源電圧の限界値
:Ux
電源電圧依存形漏電遮断器において,自動開路する電源電圧を下回る電
源電圧の限界値
:Uy
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附属書IC(参考)端子の例
序文 この附属書は,ねじ式端子の例について記述するものであり,規定の一部ではない。
この附属書に幾つかのねじ式端子の構造の例を示す。導体の挿入場所は,硬導体の単線が挿入できる直
径及び硬導体のより線が挿入できる断面積をもつものである(附属書1又は附属書2の8.1.5参照)。
輪状形金具付端子(箱形端子)
輪状金具を備えた端子の場合には,ねじ孔を含む端子の部分と,ねじによって導体を締め付ける端子の部分との二
つの分離した部品からなる。
附属書IC図 IC.1 ピラー端子の例
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座金又は当て金を必要としないねじ
座金,当て金又はばらけ防止金具を必要とするねじ
A:固定部品
B:座金又は当て金
C:ばらけ防止金具
D:導体空間
E:スタッド
導体の締付けに必要な力が絶縁物を介して伝達しないという条件で,所定の位置に導体を保持する部品は,絶縁物
でもよい。
附属書IC図 IC.2 ねじ端子及びスタッド端子の例
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A:サドル
B:固定部品
C:スタッド
D:導体空間
サドルの上下二つの面は,サドルを逆にすることによって,小さい断面積の導体と大きい断面積の導体を接続でき
るように,形状が異なっていてもよい。
端子は,2本以上の接続ねじ又はスタッドを備えていてもよい。
附属書IC図 IC.3 サドル端子の例
A:緩み止め
B:電線のラグ又は鋼帯
C:固定部品
D:スタッド
この形の端子の場合,ばね座金又は,同様の緩み止めをもっており,かつ,締付け領域部分の表面は平滑でなけれ
ばならない。
ある種の形式の装置に対して,要求するより小さいサイズのラグ端子を用いることを認める。
附属書IC図 IC.4 ラグ端子の例
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附属書ID(参考)ISOとAWG銅電線との対応表
序文 この附属書は,ISOとAWG銅電線との対応について記述するものであり,規定の一部ではない。
ISOサイズ
mm2
AWG
呼び番号
断面積
mm2
1.0
18
0.82
1.5
16
1.3
2.5
14
2.1
4.0
12
3.3
6.0
10
5.3
10.0
8
8.4
16.0
6
13.3
25.0
3
26.7
35.0
2
33.6
50.0
0
53.5
通常は,ISOサイズの電線を使用しなければならない。製造業者の要求によって,AWGサイズの電線
を使用してもよい。
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附属書IE(参考)漏電遮断器のためのフォローアップ検査要領
序文 この附属書は,漏電遮断器のためのフォローアップ検査要領について記述するものであり,規定の
一部ではない。
IE.1 一般事項 製品の品質水準の維持を保証するために,製造工程でのフォローアップ検査手順を製造
業者が指定しなければならない。
この附属書は,漏電遮断器を製造する場合に適用するべきフォローアップ手順の例を示す。
製品に要求される品質水準の維持を目的とした製造業者の明確な手順及び体制を適応させるために,製
造業者の指針として使用してもよい。
特に製造フォローアップと同じく供給フォローアップに関するどのような規定でも,漏電保護装置の安
全動作に依存する製品の品質保証をしてもよい。
IE.2 フォローアップ検査要領 フォローアップ検査要領は,次の二つの試験シリーズを含む。
IE.2.1 四半期フォローアップ検査要領 附属書IE表IE.1の試験シーケンスQを参照。
IE.2.2 1年に1回のフォローアップ試験要領 附属書IE表IE.1の試験シーケンスY1からY3を参照。
備考 1年に1回のフォローアップ試験は四半期フォローアップ試験を兼ねてもよい。
附属書IE表 IE.1 フォローアップ監査の試験シーケンス
試験シーケンス
箇条番号
試験
備考
Q
9.16
テスト装置
アイテムb)及びc)だけ実施し,試験回
路アンペアターンの検証を除く。
9.9.1.2 a)
漏電引外し特性
9.9.1.2 c)
漏電引外し特性
9.20
インパルス電圧耐絶縁性能
Y1
9.9.1.4
漏電引外し特性
9.7
耐電圧性能
9.10
機械的及び電気的耐久性能
Y2
9.22.1
信頼性(環境試験)
Y3
9.23
電子部品のエージング
IE.2.3 サンプリング手順
IE.2.3.1 四半期検査要領 四半期検査要領を目的として,次の検査水準を適用する。
− 通常検査
− 厳密検査
通常検査は,最初のフォローアップ検査に適用する。
繰り返して実施する検査結果によって,通常検査若しくは厳密検査,又は生産の停止に移行することが
考えられる。
検査の一つの水準から他の水準に転換するためには,次の基準を適用しなければならない。
− 通常水準を維持 通常検査を適用したとき,6台の供試品すべてが試験シーケンス(附属書IE表IE.2
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のシーケンスQ参照)に合格となった場合,通常水準が維持されている。5台の供試品が試験シーケン
スに合格となった場合は,サブシーケンス検査を前述の試験の1か月後に同数の供試品及び同一試験
シーケンスで実施する。
− 通常から厳密水準 通常検査を適用したとき,4台の供試品だけが試験シーケンスに合格となった場
合,厳密検査を適用しなければならない。
− 通常から生産停止 通常検査を適用し,試験シーケンスの合格が4台未満の場合,品質が改善される
までの間生産を停止しなければならない。
− 厳密から通常水準 厳密検査を適用したとき,少なくとも12台の供試品が試験シーケンスに合格とな
った場合(附属書IE表2参照)通常検査を適用してもよい。
− 厳密水準を維持 厳密水準にあって,10台又は11台の供試品だけが試験シーケンスに合格の場合,
厳密水準を維持し,サブシーケンス検査を前述の試験の1か月後に同数の供試品及び同一試験シーケ
ンスで実施する。
− 厳密から生産停止 4回連続検査を厳密水準で行うか又は試験シーケンスの合格が10台未満のとき,
品質が改善されるまでの間生産を停止しなければならない。
− 生産再開 品質が改善された後,生産を再開できる。再開は厳密検査条件の下でなければならない。
IE.2.3.2 1年に1回の検査要領 1年に1回の検査要領を目的として次の検査水準を適用する。
− 通常検査
− 厳密検査
通常検査は最初のフォローアップ検査に適用する。
繰り返して実施する試験結果によって,通常検査又は厳密検査へ移行が考えられる。
検査の一つの水準から他の水準に転換するためには,次の基準を適用しなければならない。
− 通常水準を維持 通常検査が適用されたとき,供試品すべてが試験シーケンスに合格となった場合,
通常水準が維持されている。2台の供試品が試験シーケンスY1に合格し,試験シーケンスY2及び
Y3中に不具合がないとき,サブシーケンス検査を前述の試験の3か月後に同数の供試品及び同一試験
シーケンスで実施する。
− 通常から厳密水準 通常検査が適用されたとき,次のいずれかのときに厳密検査を適用しなければな
らない。
・シーケンスY1を供試品1台だけが合格
・又は試験シーケンスY2又はY3のいずれかの試験中1台の不具合発生
サブシーケンス検査を,前述の試験後3か月以内に不合格が起きたすべての試験シーケンスに対し
て厳密水準で,また,他の試験シーケンスに対して通常水準で完了しなければならない。
− 通常から生産停止 通常検査を適用し,試験シーケンスY1に合格する供試品がなく,又は試験シー
ケンスY2又はY3の試験中に1台を超える不具合が起きたとき,品質が改善されるまでの間生産を
停止しなければならない。
− 厳密から通常水準 厳密検査が適用されたとき,次のときに通常検査を適用してもよい。
・少なくとも5台の供試品が試験シーケンスY1に合格,及び
・試験シーケンスY2又はY3の試験中不具合なし。
− 厳密水準を維持 厳密水準にあって,4台の供試品だけが試験シーケンスY1に合格し,試験シーケン
スY2又はY3試験中不具合がないとき,厳密水準が維持され,次の検査を前述の試験の3か月後に同
一供試品台数及び同一試験シーケンスで実施する。
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− 厳密から生産停止 4回連続検査を厳密水準で行うか,又は1年に1回の検査中,次のいずれか一つ
の不合格が起きた場合。
・試験シーケンスY1を4台未満の供試品が合格。
・試験シーケンスY2又はY3試験中1台以上の不具合発生。
品質が改善されるまでの間生産を停止しなければならない。
− 生産再開 品質が改善された後,生産は再開できる。再開は厳密検査条件の下でなければならない。
IE.2.4 検査供試品台数 それぞれのの検査水準の供試品台数を,附属書IE表IE.2に示す。
附属書IE表 IE.2 検査供試品台数
検査シーケンス
通常検査供試品数
厳密検査供試品数
Q
6
13
Y1,Y2,Y3
各3
各6
同一基本設計の各シリーズ漏電遮断器以外の場合,定格に関係なく一グループの供試品だけを試験する
必要がある。
このフォローアップ検査の目的に対しては,漏電遮断器が本体の4.1による同一分類に属する場合は,
同一基本設計であると考慮する,及び
− 同一の引外し機構及び同一のリレー又はソレノイドをもつ漏電電流動作手段。ただし,次を除く。
・巻線のターン数及び断面積
・零相変流器のサイズ及びコア材料
・定格感度電流
− 電子部品がある場合,同一設計であり,異なるIΔnを達成するための変化を除き,同一部品を使用す
る。
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附属書XA(規定)誘導電動機保護兼用漏電遮断器
XA.1 適用範囲 この附属書は,周波数50 Hz又は60 Hzの交流440 V以下の電路の過負荷保護及び短絡
保護並びに,これに接続された単相又は三相誘導電動機の過負荷保護を兼ねた附属書2の漏電遮断器につ
いて規定する。
この附属書で規定していない事項については,本体の規定を適用する。
備考 直入れ始動器として使用する漏電遮断器で,電動機の保護特性の追加要求事項を接触器及びモ
ータスタータに適用するJIS C 8201-4-1が規定するものは,検討中である。
XA.2 定格電流 定格電流は,誘導電動機の全負荷電流を考慮して定めるものとし,製造業者の表示した
値とする。
XA.3 動作機構 長限時引外し装置は,定格電流の設定を電動機のそれぞれ異なった全負荷電流の種類に
対応できるように,可調整式とすることができる。ただし,設定電流は,定格電流を超えてはならない。
設定電流の調整装置は,可調整式のものでは,調整可能な電流目盛が備えられており,調整可能な範囲
の設定電流値に対して長時限引外し装置は,いずれも製造業者が示す時間以内に動作しなければならない。
XA.4 性能
XA.4.1 通電及び長限時引外し 通電及び長限時引外しは,次による。
XA.4.1.1 200 %電流引外し 過電流引外し装置は,XA.6.1によって試験を行ったとき,附属書XA表XA.1
に示す時間以内に自動的に動作しなければならない。
附属書XA表 XA.1 過電流引外し時間
定格電流 (In)
A
動作時間 分
定格電流の200 %の電流
定格電流の125 %の電流
In≦ 30
30<In≦ 50
50<In≦100
100<In≦150
2以内(3以内)
4以内(5以内)
6以内
8以内
60以内
60以内
120以内
120以内
備考 括弧内の値は,電動機専用の分岐回路において,電気事業法に基づく電気設備技術基準の解釈
第171条分岐回路の施設第六号ロによって,電動機の定格電流の1.25倍以上の許容電流のある
電線を使用する場合にだけ適用する。
XA.4.1.2 125 %電流引外し 過電流引外し装置は,XA.6.2によって試験を行ったとき,附属書XA表XA.1
に示す時間以内に自動的に動作しなければならない。
XA.4.1.3 100 %電流通電 過電流引外し装置は,XA.6.3によって試験を行ったとき,動作してはならな
い。
XA.4.1.4 600 %電流引外し 過電流引外し装置は,XA6.4によって試験を行ったとき,2秒以上30秒以
内に自動的に動作しなければならない。
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XA.4.2 過負荷性能 誘導電動機保護兼用形漏電遮断器は,XA.6.5に規定する試験条件に従って,主回路
の定格電流を超える電流を規定回数開閉できなけばならない。各動作サイクルは,1回の投入操作及びそ
れに続く1回の遮断動作からなる。
XA.5 表示 誘導電動機保護兼用形漏電遮断器は,漏電遮断器の表面に誘導電動機保護兼用である旨(語
句又は製造業者が指定した記号)を表示しなければならない。
XA.6 試験方法
XA.6.1 200 %電流引外し試験 200 %電流引外し試験は,漏電遮断器にその定格電流又は設定電流の
200 %の電流を通電し,自動的に遮断するまでの時間を測定する。この場合,多極漏電遮断器では,過電
流引外し素子がある極について,任意の電圧で各極ごとに通電して試験してもよい。
XA.6.2 125 %電流引外し試験 125 %電流引外し試験は,漏電遮断器にその定格電流又は設定電流の
125 %の電流を通電し,自動的に遮断するまでの時間を測定する。この場合,多極漏電遮断器では,過電
流引外し素子がある極について,任意の電圧で各極同時に通電して試験してもよい。
XA.6.3 100 %電流通電試験 100 %電流通電試験は,漏電遮断器にその定格電流を各部の温度上昇が一定
となるまで連続通電する。
なお,この試験は,基準周囲温度で行う場合又は電流補正を必要としないものは温度試験と同時に行っ
てもよい。
XA.6.4 600 %電流引外し試験 600 %電流引外し試験は,定格電流又は設定電流の600 %の電流を各極同
時に通電して行う。
XA.6.5 過負荷性能試験 附属書2の9.10.4の回路条件(回数)を附属書XA表XA.2に変更して適用する。
附属書XA表 XA.2 過負荷性能試験の開閉回数
定格電流(In)A
操作方式及び開閉回数(回)
開閉の割合
(回/時)
手動投入手動遮断
手動投入自動遮断
合計
In≦100
35
15
50
240
100<In≦150
20
5
25
120
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附属書XB(規定)単相3線式中性線欠相保護付漏電遮断器
XB.1 適用範囲 この附属書は,単相3線式電路に用いて,中性線の欠相が発生した場合に電圧極に発生
する不平衡電圧(過電圧)を検出して回路を遮断する機能をもつ漏電遮断器について規定する。
この附属書で規定していない事項については,本体の規定を適用する。
XB.2 定義 単相3線式中性線欠相保護装置の動作及び機能に関して,次の定義を本体の2.に追加して適
用する。
XB.2.1 過電圧引外し 電圧極と中性極との間に過電圧が生じたとき,開閉機構を釈放し,漏電遮断器を
開放する自動引外し動作。
XB.2.2 過電圧引外し装置 電圧極と中性極との間に生じる過電圧に対して引外し動作を行わせる引外し
装置。
XB.2.3 動作過電圧 電圧極と中性極との間に過電圧を印加したとき,漏電遮断器が引外し動作をする電
圧。
XB.2.4 定格動作過電圧 所定の条件の下で電圧極と中性極との間に過電圧を印加したとき,漏電遮断器
が必ず引外し動作をする電圧。
XB.2.5 定格不動作過電圧 所定の条件の下で電圧極と中性極との間に過電圧を印加しても,漏電遮断器
が引外し動作をしない電圧。
XB.2.6 定格過電圧動作時間 定格動作過電圧に等しい電圧が発生してから,漏電遮断器がその回路を遮
断するまでの時間の上限値。
XB.3 単相3線式中性線欠相保護機能に関する定格値
XB.3.1 定格電圧 定格電圧の推奨値は,100/200 Vとする。
XB.3.2 定格動作過電圧 定格動作過電圧は,135 Vとする。
XB.3.3 定格不動作過電圧 定格不動作過電圧は,120 V以上とする。
XB.3.4 定格過電圧動作時間 定格過電圧動作時間は,1秒以内とする。
XB.4 表示 次の事項を本体の5.に規定する表示事項に追加して表示しなければならない。
XB.4.1 単相3線式中性線欠相保護機能付であることの表示(単相3線式電路の中性線欠相時に回路を遮断
する機能がある場合に,例えば,“単3中性線欠相保護付”と表示する。)
この表示は,取付位置で明確に見えなければならない。
XB.4.2 過電圧検出リード線の表示 過電圧検出リード線の引出し部近傍の見やすい位置に“N”を表示
する。
この表示は,取り付けるときに見えなければならない。
XB.5 標準の使用,取付け及び輸送の条件 本体の6.を適用する。
XB.6 単相3線式中性線欠相保護機能に関する構造及び動作に関する要求事項
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XB.6.1 過電圧検出リード線の構造 単相3線式中性線欠相保護装置の過電圧検出リード線は,次による。
過電圧検出リード線の色は白とし,導体の断面積は0.5 mm2以上でなければならない。
過電圧検出リード線は,XB.7.2によって試験を行ったとき,これに耐えなければならない。
XB.6.2 過電圧検出装置の動作特性
XB.6.2.1 過電圧引外し
XB.6.2.1.1 動作過電圧 単相3線式中性線欠相保護付漏電遮断器は,XB.7.3.1によって試験を行ったとき,
動作過電圧の値は,定格不動作過電圧の値を超え定格動作過電圧の値以下でなければならない。
XB.6.2.1.2 過電圧動作時間 単相3線式中性線欠相保護付漏電遮断器は,XB.7.3.2によって試験を行った
とき,定格過電圧動作時間の値以内でなければならない。
XB.6.2.2 周囲温度の変化及び電源電圧の変動に対する動作過電圧 単相3線式中性線欠相保護付漏電遮
断器は,XB.7.5によって試験を行ったとき,動作過電圧の値は,定格不動作過電圧の値を超え定格動作過
電圧の値以下でなければならない。
XB.6.2.3 周囲温度の変化及び電源電圧の変動に対する不動作過電圧 単相3線式中性線欠相保護付漏電
遮断器は,XB.7.6によって試験を行ったとき,動作してはならない。
XB.6.2.4 最大過電圧引外し 単相3線式中性線欠相保護付漏電遮断器は,XB.7.7によって試験を行った
とき,定格過電圧動作時間以内に動作しなければならない。
なお,単相3線式中性線欠相保護付漏電遮断器は,瞬時的な過電圧(過渡的な開閉サージ電圧など)で
動作してはならない。
XB.6.2.5 環境条件の影響 環境条件の影響を検証するために,試験をXB.7.8に従って行わなければなら
ない。
この試験後,供試品は動作過電圧試験にも適合しなければならない。
XB.7. 試験 附属書1の8.又は附属書2の8.に規定する試験に,次の試験を追加する。
XB.7.1 追加の試験及び試験シーケンス
XB.7.1.1 形式試験への追加 附属書1の8.又は附属書2の8.において適用しなければならない試験シー
ケンスはすべて行い,次の試験シーケンスを追加する。
試験シーケンス
試験
箇条番号
XB.Ⅰ
過電圧検出リード線の強度試験
XB.7.2
XB.Ⅱ
過電圧引外し試験
耐電圧試験
周囲温度の変化及び電源電圧の変動に対する動作過電圧試験
周囲温度の変化及び電源電圧の変動に対する不動作過電圧試験
最大過電圧引外し試験
XB.7.3
XB.7.4
XB.7.5
XB.7.6
XB.7.7
XB.Ⅲ
環境条件の影響
動作過電圧試験
XB.7.8
XB.7.3.1
XB.Ⅳ
(附属書1の8.又は附属書
2の8.に規定する各シー
ケンスへの追加)
動作過電圧試験
(各シーケンスの最後の“過負荷引外しの検証”又は“漏電動作特性の検
証”を行った直後に,追加して実施する。)
XB.7.3.1
供試品の数は,試験シーケンスXB.Ⅰは1台及びXB.Ⅱは3台をそれぞれの試験に,また試験シーケン
スXB.Ⅳは該当する試験シーケンスで規定する台数について使用しなければならない。
備考 試験シーケンスXB.Ⅰ,XB.Ⅱ及びXB.Ⅲは,製造業者の合意によって,それぞれの試験シーケ
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ンスを他の適切な試験シーケンスと組み合わせて実施してもよい。
XB.7.1.2 受渡試験への追加試験 受渡試験の最後に,XB.7.3.1の動作過電圧試験を追加する。
XB.7.2 過電圧検出リード線の強度試験 過電圧検出リード線の強度試験は,次によって行う。
XB.7.2.1 漏電遮断器の外側方向に向かって30 Nの張力を10秒間加える。
XB.7.2.2 漏電遮断器の内部方向に向かってリード線の器体側から5 cmの箇所を保持して30 Nの力で押
し込む。
XB.7.3 過電圧引外し試験
XB.7.3.1 動作過電圧試験 動作過電圧試験は,附属書XB図XB.1において,漏電遮断器の電源側端子に
定格電圧を印加し,漏電遮断器の接点を閉路した状態で可変抵抗器によってVL及びVRを変化させたとき
の漏電遮断器の動作過電圧を測定する。
附属書XB図 XB.1 動作過電圧試験回路
XB.7.3.2 過電圧動作時間試験 過電圧動作時間試験は,附属書XB図XB.2において漏電遮断器に定格電
圧を印加し,開閉器S2を開にし,開閉器S1を開にした状態でVL及びVRの値が定格動作過電圧の値になる
ように抵抗器の値を設定する。開閉器S1を閉とし,また,開閉器S2を閉にした後,開閉器S1を開いてか
ら漏電遮断器が動作するまでの時間を測定する。
附属書XB図XB.2 過電圧動作時間試験回路
XB.7.4 耐電圧試験 次のことを除いて,附属書1の8.3又は附属書2の8.3の適用するいずれかの規定に
従わなければならない。
検出用の電子回路を接続した端子間は実施しない。電子回路を接続した端子は,製造業者の指定による。
XB.7.5 周囲温度の変化及び電源電圧の変動に対する動作過電圧試験 周囲温度の変化及び電源電圧の変
動に対する動作過電圧試験は,周囲温度が−5 ℃,20 ℃及び40 ℃の3点において,それぞれ電源電圧を
定格電圧の85 %,100 %及び110 %としてXB.7.3.1の試験を行う。
XB.7.6 周囲温度の変化及び電源電圧の変動に対する不動作過電圧試験 周囲温度の変化及び電源電圧の
変動に対する不動作過電圧試験は,XB.7.5の試験において,動作過電圧が最も小さくなる周囲温度及び電
源電圧の組合せを求め,その条件の下で定格不動作過電圧を急激に印加する。
XB.7.7 最大過電圧引外し試験 最大過電圧引外し試験は,附属書XB図XB.3において,開閉器Sによっ
て定格電圧の1.1 倍の電圧を印加したときの漏電遮断器の動作時間を測定する。
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附属書XB図 XB.3 最大動作過電圧試験回路
XB.7.8 環境条件の影響の検証 この試験は,附属書1の8.16又は附属書2の8.16に従って行わなければ
ならない。
141
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附属書XC(参考)電灯分電盤用協約形漏電遮断器
XC.1 適用範囲 この附属書は,周波数が50 Hz又は60 Hzの電路に使用する電灯分電盤用協約形漏電遮
断器(以下,漏電遮断器という。)について規定する。
この附属書で規定していない事項は,本体の要求事項を適用する。
XC.2 定格値
XC.2.1 定格電圧の推奨値 定格電圧の推奨値は,次の値とする。
定格電圧の推奨値 (V)
100,200,100/200,240
XC.2.2 定格電流の推奨値 定格電流の推奨値は,次の値とする。
定格電流の推奨値 (A)
10,13,15,16,20,25,30,32,40,50
XC.2.3 定格限界遮断容量の推奨値 定格限界遮断容量の推奨値は,次の値とする。
定格限界遮断容量の推奨値 (KA)
2.5,5,7.5,10
XC.3 寸法及び極数 寸法は,附属書XC図XC.1に示すとおりとし,極数は,単極,2極又は3極とす
る。
附属書XC図 XC.1 寸法の例
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備考1. 寸法は,単極の場合を示す。
*印の寸法は,2極の場合は5005.1
−
mm,3極の場合は7502
− mmとする。
2. 2極又は3極の場合に,端子座,取付用つめなどの数は,それぞれ2倍又は3倍とする。
3. 電源側端子座は,銅帯接続ができる構造とする。
4. 操作取っ手の中心軸は,本体中心線上になくてもよい。
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附属書XD(参考)住宅用分電盤分岐用漏電遮断器
XD.1 適用範囲 この附属書は,周波数50 Hz又は60 Hzの単相2線式100 V又は単相3線式100/200 V
の屋内電路の引込口の近くに施設する住宅用分電盤JIS C 8328の分岐回路に使用する定格電流が30 A以
下の附属書2の漏電遮断器について規定する。
この附属書で規定していない事項については,本体の規定を適用する。
XD.2 定格
XD.2.1 定格電流 定格電流は,附属書XD表XD.1による。
附属書XD表 XD.1 定格電流
単位 A
定格電流 (In)
15,20,30
XD.2.2 定格電圧 定格電圧は,附属書XD表XD.2による。
附属書XD表 XD.2 定格電圧
単位 V
定格電圧 (Ue)
100,100/200
XD.2.3 定格短絡遮断容量 定格短絡遮断容量は,通常附属書XD表XD.3による。
附属書XD表 XD.3 定格短絡遮断容量
単位 A
定格短絡遮断容量 (Icn)
(1 000),1 500,2 500
備考 括弧付きのものは,なるべく使用しない。
XD.3 極数及び引外し素子の数 極数及び過電流引外し素子の数は,附属書XD表XD.4による。
附属書XD表 XD.4 極数及び引外し素子の数
極数
定格電圧(Ue) V
引外し素子の数
2極
100
1
100/200
2
XD.4 構造一般 構造は,次に適合しなければならない。
(1) 端子部のふたには,直径4 mmの絶縁抵抗測定用の孔を設ける。ただし,孔と端子部との距離は,
沿面距離は6 mm以上,空間距離は4 mm以上とする。
(2) 開閉操作は,リセット操作を必要としない単一の操作で行えるものとする。
XD.5 表示 本体6.の規定によるほか,過電流引外し素子の数を表示する。
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附属書XE(規定)定格インパルス耐電圧を表示しない装置の絶縁距離
台の裏面の充電部は,造営材に取り付ける屋外用のものにあっては台の裏面から,その他のものは,台
の取付け面からそれぞれ3 mm以上[熱硬化性樹脂を充てん(填)するものは,1 mm以上]の深さとし,か
つ,その上を電気絶縁物[ 75 ℃の温度で軟化しない耐水性のもの(硫黄を除く。)に限る。]によって覆って
いなければならない。ただし,屋内用のもので,台の裏面の充電部が台の取付け面から6 mm以上の深さ
にあるものは,この限りではない。
備考1. “台の裏面”とは,取付け面だけでなく裏面全体をいう。
2. “台の取付け面”とは,造営材に接する面を含む平面をいう。
3. “軟化しない”とは,規定温度の空気中に放置したとき,流出しないことをいう。
通常の使用状態において,人が触れるおそれのある外面に露出するおそれのある充電部は,外面から
3mm以上[熱硬化性樹脂を充てん(填)するものにあっては,1 mm以上]の深さとし,かつ,その上を電
気絶縁物[75 ℃の温度で軟化しない耐水質のもの(硫黄を除く。)に限る。]によって覆っていなければなら
ない。
電線取付け部の充電部は,この規格に特に規定がない限り,エンクロージャの外面からの深さが次の値
以上でなければならない。
− 電線取付け部の孔の短径が3 mm以下のものは,1.2 mm
− 電線取付け部の孔の短径が3 mmを超え7 mm以下のものは,1.5 mm
− 電線取付け部の孔の短径が7 mmを超えるものは,3 mm
その他の箇所は,附属書XE表XE.1の値以上でなければならない。
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附属書XE表 XE.1
定格電流
空間距離
mm
沿面距離
mm
極性が異なる
充電部相互間
充電部と接地するお
それのある非充電金
属部又は人が触れる
おそれのある非金属
部の表面との間
極性が異なる
充電部相互間
充電部と接地するお
それのある非充電金
属部又は人が触れる
おそれのある非金属
部の表面との間
端
子
部
端子部以
外の固定
している
部分であ
って金属
紛が付着
しにくい
箇所
そ
の
他
の
箇
所
端
子
部
端子部以
外の固定
している
部分であ
って金属
紛が付着
しにくい
箇所
そ
の
他
の
箇
所
端
子
部
端子部以
外の固定
している
部分であ
って金属
紛が付着
しにくい
箇所
その
他の
箇所
端
子
部
端子部以
外の固定
している
部分であ
って金属
紛が付着
しにくい
箇所
そ
の
他
の
箇
所
15 A以上のもの 4
4
4
4
4
4
6
6
6
6
6
6
1
5
A
未
満
の
も
の
機械器具に
組み込まれ
るものであ
って定格電
圧が150 V
以下のもの
3
1.5
2.5
2.5
1.5
2
3
1.5
2.5
2.5
1.5
2
その他のも
の
3
1.5
3
3
1.5
3
3
1.5
3
3
1.5
3
備考4.
“空間距離”とは,空気を介する部分の最短距離(の和)をいい,“沿面距離”とは,絶縁物表面に沿
った最短距離(の和)をいう。
5.
“空間距離及び沿面距離”の測定方法は,次の図例によるものとし,スイッチの可動片,可動金属
部などはその可動範囲内のあらゆる位置で測定するものとする。
なお,図例中Gは空間距離,Lは沿面距離,A及びBは充電部又は接地するおそれのある非充電
金属部,Eは接地するおそれのない非充電金属部をそれぞれ示す。
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L = a + b + c + d + e ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( c≧1 mm)
L = a + c + e・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( c < 1 mm )
G = a + c + e
L = a + b + c・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( c≧1 mm)
L = a + ( b− T) + c
G = a + c 又はa + gのいずれか小さい方
L = a + 2 a + c + e ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( a≧1 mm, e≧1 mm)
L = a + 2 +( b− T)+ c + e ・・・・・・・・・・・・・・・( a<1 mm, e<1 mm)
L = a + b +( b− T)+ c + e ・・・・・・・・・・・・・・・・( a≧1 mm, e<1 mm)
G = g1 + c + g2
L = G
G = a + e・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( a≧1 mm, e≧1 mm)
G = a ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( e<1 mm)
G = e ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( a<1 mm)
L = a + c + e・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(f ≧1 mm)
L = a + e・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( a≧1 mm, e≧1 mm)
G = a + e・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( a≧1 mm, e≧1 mm)
G = a ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( e<1 mm)
G = e ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( a<1 mm)
L = G
L = a + b + c + d + e ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( b>0, d>0)
備考6. 機能を発揮するために設ける特殊目的をもった放電ギャップなどの電極間には,“空間距離
及び沿面距離”の規定は適用しない。
7. 絶縁変圧器以外のものを用いて電圧降下をさせている充電部の電圧は,極性が異なる充電部
相互間にあってはその電圧とし,充電部とその他の部分間にあっては入力電圧とする。
8. “充電部と人が振れるおそれのある非金属部の表面との間”の空間距離及び沿面距離は,開
口部(くぼみを含む。)をもつものにあっては,次の図例による。この場合において,標準試
験指に30 Nの力を加えたときに変化するものは,変形した位置から測定する。
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備考9. 非金属製エンクロージャの突き合わせ面をとおして人が触れる部分と充電部との間は,“充
電部と人が触れるおそれのある非金属部の表面との間”とみなす。ただし,突き合わせ面が
接着剤で固定してある場合は,空間距離及び沿面距離は適用しない。
10. 定格電流が15 A以上のもので電流計を部品として使用するものにあっては,電流計の内部の
空間距離を3 mm以上,沿面距離を4 mm以上とすることができる。
11. 定格電流が“15 A以上のもの”の制御回路及び励磁コイル(過電流引外しコイルは除く。)
の極性が異なる充電部相互間(これらの回路と主回路との間は除く。)の空間距離又は沿面距
離は,“その他のもの”の欄を適用する。
12. 空間距離は,器具の外面にあっては,30 N,器具の内部にあっては2 Nの力を加えないもの
とする。
13. ばね,ジャンパー線であって機能上やむを得ない部分には,無理な方向に2 Nの力を加えな
いものとする。
14. エンクロージャの突き合わせ面の間げきが0.3 mm以上のものにあっては,充電部と人が触
れるおそれのある非金属部の表面との間の空間距離及び沿面距離は,1.5 mm以上とすること
ができる。ただし,造営材(分電盤を含む。)に取り付けるものの取付け面を除く。
15. 定格電流が15 A以上のものであって,ふた又は外部を使用者が開けることのできない構造の
ものの端子部以外の箇所にあっては,沿面距離を4 mm以上とすることができる。
16. 線間電圧又は対地電圧が15 V以下の部分であって,耐湿性の絶縁皮膜をもつものにあって
は,その空間距離及び沿面距離は,0.5 mm以上とすることができる。
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17. 次の箇所の閉路したとき同極となり開路したとき異極となる部分の極間には,空間距離及び
沿面距離の規定は適用しない。
1) 開閉器の遮断距離及び開閉接触部の近傍図例を次に示す。
18. “端子部”とは,電源及び負荷用接続端子の端子金具をいい,次の部分を含む。
なお,電線の接続箇所を特定できないものは,端子金具を端子部とみなす。
1) 端子ねじの頭部で電線(又はコード),座金などを締め付ける端子構造のものにあっては,端子ねじ
の頭径から1 mm大きい範囲内(座金,当て金を含む。) の頭側。
2) 端子ねじの先端で電線(又はコード),当て金などを押締めする端子構造のもの及び端子ねじに設け
た引締め金具で電線(又はコード)を引締める構造のものにあっては,端子ねじ,当て金(引締め金
具を含む。)及び端子金具の電線挿入孔内面。
3) 1)及び2)を併用できる端子構造のものにあっては,1)及び2)を適用した範囲。
4) 端子にはんだ付け,かしめ又は溶接するものにあっては,端子金具のうちこれらの加工を施すこと
ができる範囲。
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5) 平形接続子にあっては,メールタブのショルダー以外の部分
6) 速詰端子(スプリング式ねじなし端子)にあっては,端子金具のうち電線を挿入した状態において接
触し得る部分
備考19. “極性が異なる充電部相互間”の“端子部”の空間距離及び沿面距離の測定は,次の図例に
よる。
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測定箇所
A-B
図X1
A-B
A-C
B-C
図X2
A-B B-C
A-C B-D
A-D C-D
図X3
A-B
A-C
図X4
20. “端子部とその他の箇所との間”及び“端子部”は,電線を取り付けた状態で距離が変化す
るものにあっては,器具の定格に応じた太さの電線及び取り付けることができる最小の太さ
の電線を附属書1の表12に規定するトルクを加えて取り付けたときの距離をいう。
21. “固定している部分”には,導電金具が開閉動作などによって定められた範囲内を移動する
ものを含む。
22. 口出し線付きのもののその口出し線の接続が器具内部の端子部にはんだ付け,かしめ又は溶
接してあるものであって,器具がリベットなどで組み立てられ容易に解体できないものの口
出し線取付け部は,“端子部”には含まない。
23. 開閉動作によって発生する金属粉の発生箇所に直面する箇所及びこれらの金属粉がたい(堆)
積するおそれのある箇所であって,沿面フラッシオーバを発生するおそれのない箇所にあっ
ては,“金属粉が付着しにくい箇所”とみなす。
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絶縁変圧器の2次側の回路,整流後の回路などの構造上やむを得ない部分であって,次の場合,附属書
XE表XE.1を適用しない。
− 極性が異なる充電部相互間を短絡した場合に,短絡回路に接続された部分が燃焼しない。ただし,
当該回路に接続されている一つの部品が燃焼した場合において他の部品が燃焼するおそれのないも
のはこの限りではない。この試験の約2分後,500ボルト絶縁抵抗計によって測定した充電部と人
が触れるおそれのある非充電部との間の絶縁抵抗は,0.1 MΩ以上である。又は,
− 極性が異なる充電部相互間又は充電部と人が触れるおそれのある非充電金属部との間を接続した場
合にその非充電金属部又は露出する充電部が次のいずれかに適合する。
a) 対地電圧及び線間電圧が交流は30 V以下,直流は45 V以下である。
b) 1 kΩの抵抗を大地との間及び線間並びに非充電金属部との間に接続したとき,当該抵抗に流れる電流
は,商用周波数以上の周波数において感電の危険が生じるおそれのない場合を除き,1 mA以下である。
備考24. “絶縁変圧器の2次側の回路,整流後の回路など”の“など”とは,機器の入力電源の一端
と回路の一部とを短絡したとき,電源電流が定常的に10 A以下(機器の定格電流が7 A以上
のものにあっては,定格電流の150 %以下)の回路をいう。
25. “構造上やむを得ない部分”には,次のものを含む。ただし,当該部分中の空間距離及び沿
面距離が表の値に満たない箇所を,個別に短絡したとき,電源電流が定常的に10 A(機器の定
格電流が7 A以上のものにあっては,定格電流の150 %)を超えて流れる部分は含まないもの
とする。
1) 絶縁変圧器の2次側の回路及び整流後の回路であって,電子部品(半導体素子,コンデンサ,電子管
など)をもつ部分。
2) 23.の備考に規定する回路に用いるパイロットランプ(ネオンを含む。),整流器,半導体素子(サイリ
スタ,トライアックなど)などであって,高インピーダンスによって保護される部分。
備考26. 主回路の通電電流を小形変流器で検出しランプを点灯させ通電表示を行う方式の回路であっ
て,次の各項に適合するものの主回路と通電表示回路との間は,“極性が異なる充電部相互
間”には含めない。
1) 点灯回路の充電部と接地するおそれのある非充電部又は人が触れるおそれのある非金
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
属部との間の絶縁距離は,主回路電圧に対応して要求される値以上である。
2) 通電点灯回路の充電部は,標準試験指で試験したとき充電部に触れない構造である。
3) 変流器に1次−2次間を電気的に接続したとき,火災,感電などの危険が生じない。
27. “短絡”は,回路間,部分相互間及び部品の端子間で,空間距離及び沿面距離が限定値を満
足しない箇所を1箇所ずつ行う。
28. “短絡回路に接続された部品”には,変圧器(入力電源に用いるものに限る。)をもつものに
あっては当該変圧器の1次及び2次巻線,整流回路をもつものにあっては整流器(入力電源に
用いるものに限る。)を含む。この場合において,これらのものが燃焼した場合にあっては,
“1つの部品が燃焼した場合において他の部品が燃焼するおそれ”があるとみなす。
29. “一つの部品”に施したスリーブ,チューブなどはそれら含めて“一つの部品”とみなす。
30. “燃焼するおそれ”には,単なる発煙,焦げなどは含まない。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書XF(参考)互換性形漏電遮断器
序文 この附属書は,漏電遮断器の極数,寸法などについて記述するものであり,規定の一部ではない。
この附属書で規定していない事項については,本体の規定を適用する。
XF.1 適用範囲 この附属書は,周波数が50 Hz又は60 Hzの電路に使用する互換性形漏電遮断器(以下,
漏電遮断器という。)について規定する。
この附属書で規定していない事項は,本体の要求事項を適用する。
XF.2 寸法及び極数 寸法は,附属書XF表XF.1による。極数は,単極,2極又は3極とする。
附属書XF表 XF.1 互換性形漏電遮断器
単位 mm
漏電遮断器の種類
外形寸法
取付寸法
A
B
C
D
E1
E2
2極
68±1
70±1
40±1
65以下
60±0.5
34±0.5
3極横形
90±1
80±1
40±1
65以下
70±0.5
56±0.5
備考 3極横形で住宅用分電盤に使用する単相3線式3極の単相3線式中性線欠相保護付の互換性
形漏電遮断器にあっては,中性極の端子構造は,押し2本ねじとする。
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附属書XG(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS C 8222:2004 住宅及び類似設備用漏電遮断器−過電
流保護装置付き (RCBOs)
IEC 61009-1:2003,家庭用及び類似用途の内蔵形過電流保護付き漏電遮断器(RCBOs)−第21部:一般規則
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番
号
内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
1.適用範
囲
対地300 V以下,150 A以下の漏
電遮断器について規定している。
及び附属書によって追加規定をし
ている。
IEC
61009-1
対地400 V以下,125 A
以下の漏電遮断器につ
いて規定している。及び
附属書によって追加規
定をしている。
MOD/変更,
追加
対地電圧,定格電流の制限変更,
及びJIS独自の附属書を追加し
た。
我が国の配電設備等を考
慮した。
配電システムの動向に合
わせて見直しをする。
2. 引用規
格
引用規格リストはIEC規格と対応
するJISがあればJISを記述してい
る。
IEC規格の引用規格リ
スト
MOD/変更,
追加
IECに整合されているJISは,そ
のJISを引用した。
我が国の規格を表示した。
3. 定義
漏電遮断器の特性などを定義して
いる。
左記に対して,越流,コ
ード短絡保護用瞬時遮
断機能,及び一部の漏電
遮断器特性の定義がな
い。
MOD/追加
我が国固有の漏電遮断器の特性
に関する定義を追加した。
労働安全衛生法に対応,我
が国の配電設備等に必要
な特性を追加した。
4. 分類
製造業者の提供する状況を必要に
応じて規定している。タイプJ漏電
遮断器,感度電流の大きさによる
分類,電気設備規定による分類を
規定している。
左記に対して,タイプJ
漏電遮断器,感度電流の
大きさによる分類,電気
設備規定による分類が
ない。
MOD/追加
電気設備工事規定に区分した適
用漏電遮断器の分類及び我が国
固有の漏電遮断器の特性の分類
を追加した。
労働安全衛生法に対応,我
が国の配電設備等に必要
な特性を追加した。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番号 内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
5.漏電遮
断器の特
性
特性項目,定格値,標準値及び推
奨値を規定している。
同左
MOD/追加
下記による。
下記による。
5.1 特性
項目
特性項目の用語を規定している。
同左
IDT
−
−
5.2 定格
値及びそ
の他の特
性
定格電圧,定格電流,定格感度電
流,定格漏電不動作電流,定格周
波数,定格短絡遮断容量,定格漏
電投入及び遮断容量,時延形漏電
特性,直流成分を含む漏電電流の
場合の動作特性,空間距離及び沿
面距離を含む絶縁協調を規定。
定格電流の基準周囲温度を30 ℃
とする遮断器と,25 ℃又は40 ℃
とする漏電遮断器に分けて規定し
ている。
左記に対して,基準
周囲温度は30 ℃だ
けを規定している。
MOD/追加
電気設備工事規定に区分した適
用遮断器の分類及び我が国固有
の漏電遮断器の定格及び特性を
追加した。
定格電流の基準周囲温度を追加
した。
附属書1 :30 ℃
附属書2 :25 ℃又は40 ℃
労働安全衛生法に対応,我
が国の配電設備等を考慮
した。
配線保護のため,IEC及
び,従来JISの基準周囲温
度を取り入れた。
5.3 標準
値及び推
奨値
定格電圧,定格電流の推奨値,定
格感度電流,定格漏電不動作電流,
定格周波数の標準値,定格短絡遮
断容量の値,定格漏電投入及び遮
断容量の最小値,漏電状態の下で
の動作時間及び慣性不動作時間の
標準値,瞬時引外しの標準範囲,
定格インパルス耐電圧の標準値を
規定している。
左記に対して,定格
インパルス耐電圧の
標準値の規定がな
い。
MOD/追加
我が国の漏電遮断器に適用して
いる定格値,瞬時引外しの標準範
囲にタイプJ特性,及び,定格イ
ンパルス耐電圧の標準値を追加
した。
我が国の配電設備での保
護協調を考慮した。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国
際規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番
号
内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
6.表示及
び他の製
品情報
情報の性質,表示,取付け,動作
及び保守にかかわる指示を規定し
ている。
左記に対して,我が国固
有の特性の区分電気設備
工事の区分に関する規
定,日本語での記述を認
める規定がない。
MOD/追加
電気設備工事規定の区分に対応
する表示を追加,適用電線を追
加,日本語の表示を追加した。
労働安全衛生法に対応,我
が国の配電設備等を考慮,
日本語の表示を追加した。
7.標準使
用及び取
付条件
標準使用条件,取付条件を規定し
ている。
同左
MOD/変更
下記による。
下記による。
7.1 標準
使用条件
周囲温度,標高,相対湿度,外部
磁界,取付姿勢,周波数,正弦波
のひずみ率について規定してい
る。
同左
MOD/変更
我が国の使用環境に合わせて相
対湿度を変更した。
我が国の使用環境を考慮
した。
7.2取付条
件
取付条件を規定している。
同左
IDT
−
−
8. 構造及
び動作に
対する要
求事項
漏電遮断器の分類に対応した,附
属書1及び附属書2に分けて規定
している。
構造,性能,動作,信頼
性の基準を規定してい
る。
MOD/変更
電気設備工事規定が,我が国固有
の電気設備工事とIEC規格に整
合しているJIS C 0364の電気設
備工事があることから,適用する
遮断器についてIEC規格の規定
を附属書1と附属書2とに区分し
た。
我が国の配電設備等を考
慮した。
9. 試験
漏電遮断器の分類に対応した,附
属書1及び附属書2に分けて規定
している。
構造,性能,動作,信頼
性を検証する形式試験を
規定している。
MOD/変更
電気設備工事規定が,我が国固有
の電気設備工事とIEC規格に整
合しているJIS C 0364の電気設
備工事があることから,適用する
遮断器についてIEC規格の規定
を附属書1と附属書2とに区分し
た。
我が国の配電設備等を考
慮した。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国
際規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番
号
内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書1
JIS C 0364に適用する遮断器の構
造,性能,動作,信頼性に関する
要求事項について規定している。
(本体の8.及び9.の詳細内容)
IEC規格の8.及び9.に規定
されているが,附属書に分
けていない。
MOD/追加,
変更
JIS C 0364に適用する遮断器の
IEC規格の8.と9.に対する附属
書とした。
JIS C 0364の配電設備等
を考慮して附属書として
規定した。
附属書1
8. 構造及
び動作に
対する要
求事項
構造,性能,動作,信頼性の基準
を規定している。
本体の8.による。(以下本
体の内容を記載)
MOD/追加,
変更
下記による。
下記による。
附属書1
8.1 機械
的設計
構造の基準を規定。感度電流30 mA
以下の設定値と30 mAを超える設
定値とを切り換えられない構造,
断路能力,漏電表示機構の表示の
色は黄又は白を推奨,絶縁距離の
基準に汚損度及び材料グループの
分類に対応した規定。不足電圧引
外しによる開路,電圧引外しによ
る開路の基準及び検証方法を規定
している。
左記に対して,感度電流
30 mA以下の設定値と30
mAを超える設定値とを切
り換えられない構造,断路
能力,漏電表示機構の表示
の色は黄又は白を推奨,絶
縁距離の基準に汚損度・材
料グループの分類を規定,
不足電圧引外しによる開
路,電圧引外しによる開路
の基準及び検証方法の規
定,を除く。
MOD/追加,
変更
我が国で慣習的に適用されてい
る安全に対する要求事項を追加,
IEC 60898-1の基準を追加,及び,
不足電圧引外しによる開路,電圧
引外しによる開路の基準及び検
証方法を規定した。
電気用品安全法の技術基
準による。IEC規格間の整
合動向に沿いJIS C 8211
の内容に合せ,IECで明確
でない基準を規定した。
IEC規格の整合結果,及
び,審議状況により見直し
をする。
附属書1
8.2 感電
保護
充電部への接近可能性に対する構
造を規定している。
同左
MOD/変更
端子カバー等の外部部品の電線
の通し部分の試験指による検証
条件を明確にした。
我が国の製品形態に合せ
て,適用基準を明確にし
た。
附属書1
8.3 耐電
圧性能及
び断路能
力
耐電圧性能,及び,断路能力の基
準を規定。耐電圧性能に,定格イ
ンパルス耐電圧強度を規定してい
る。
同左から,断路能力の基
準,定格インパルス耐電圧
強度を除く。
MOD/追加
IEC 60898-1の基準に変更した。 IEC規格間の整合動向に
沿いJIS C 8211の内容に
合せた。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番
号
内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書1
8.4 温度
上昇
漏電遮断器各部の温度上昇基準を
規定している。
同左
IDT
−
−
附属書1
8.5 動作
特性
漏電及び過電流状態の下での,動
作特性を規定している。
左記に対して,タイプJ
及び越流性能の規定が
ない。
MOD/追加
タイプJの漏電遮断器の動作特
性と越流性能を追加した。
我が国の配電設備等を考
慮した。
附属書1
8.6 機械
的及び電
気的耐久
性
開閉耐久性能を規定している。
同左
IDT
−
−
附属書1
8.7 短絡
電流にお
ける性能
短絡電流遮断性能を規定してい
る。
同左
IDT
−
−
附属書1
8.8 機械
的衝撃及
び打撃に
対する耐
性
耐衝撃及び打撃性能を規定してい
る。
同左
IDT
−
−
附属書1
8.9 耐熱
性能
漏電遮断器の外郭部材の耐熱性能
を規定している。
同左
IDT
−
−
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番
号
内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書1
8.10 耐過
熱性能及
び耐着火
性能
漏電遮断器の絶縁部材の耐発火及
び耐延焼の性能を規定している。
同左
IDT
−
−
附属書1
8.11 テス
ト装置
テスト装置の構造及び性能を規定
している。
同左
IDT
−
−
附属書1
8.12 電源
電圧依存
形漏電遮
断器に対
する要求
事項
電源電圧依存形漏電遮断器に対す
る要求事項を規定している。
同左
IDT
−
−
附属書1
8.13 3極
又は4極
漏電遮断
器に単相
過電流が
流れた場
合の動作
タイプB,C,D及びJの,3極又
は4極漏電遮断器に単相過電流が
流れた場合の動作を規定してい
る。
同左から,タイプJを除
く。
MOD/追加
タイプJの基準を追加した。
我が国の配電設備等を考
慮した。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番
号
内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書1
8.14 漏電
遮断器の
インパル
ス電圧に
よるサー
ジ電流不
要動作性
能
インパルス電圧によるサージ電流
不要動作性能を規定している。
同左
IDT
−
−
附属書1
8.15 直流
成分を含
む地絡電
流におけ
る漏電遮
断器の動
作
直流成分を含む地絡電流における
漏電遮断器の動作を規定してい
る。
同左
IDT
−
−
附属書1
8.16 信頼
性
長期間の動作信頼性を規定してい
る。
同左
IDT
−
−
附属書1
9. 試験
構造,性能,動作,信頼性を検証
する形式試験を規定している。
本体の9.による。(以下
本体の内容を記載)
MOD/追加,
変更
下記による。
下記による。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番
号
内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書1
9.1 一般
事項
形式試験の項目及び検証方法を規
定している。
同左
IDT
−
−
附属書1
9.2 試験
条件
各試験に共通の試験条件を規定し
ている。
試験電線は,JIS C 3662-3に準拠し
たPVC70 ℃電線を使用。
左記に対して,試験電
線は,IEC 60227に準拠
したPVC電線を使用。
IDT
−
−
附属書1
9.3 表示
の不滅性
試験
漏電遮断器本体の表示事項の耐消
滅性能の検証方法を規定してい
る。
同左
MOD/変更
検証用溶剤の成分規定を削除し
た。
我が国での溶剤の入手性
を考慮した。
附属書1
9.4 ねじ,
通電部品
及び接続
部の信頼
性試験
接続導体接続ねじの締付トルク,
及び接続信頼性の検証方法を規定
している。
同左
IDT
−
−
附属書1
9.5 外部
導体用端
子の信頼
性試験
漏電遮断器端子の銅導体に対する
接続信頼性の検証方法を規定して
いる。
同左
IDT
−
−
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番
号
内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書1
9.6 感電
保護の検
証
漏電遮断器本体及びエンクロージ
ャーの充電部への接触の可否の検
証方法を規定している。
同左
IDT
−
−
附属書1
9.7 絶縁
性能及び
断路能力
耐電圧性能,及び,断路能力の検
証方法を規定。耐電圧性能に,定
格インパルス耐電圧強度の検証方
法を規定している。
左記に対して,断路能
力の検証方法,定格イ
ンパルス耐電圧強度の
検証方法がない。
MOD/追加
IEC 60898-1に合せ断路能力の検
証方法を追加した。
IEC規格間の整合動向に
沿いJIS C 8211の内容に
合せた。
附属書1
9.8 温度
上昇試験
温度上昇試験の検証方法を規定し
ている。
温度上昇の限度は表7aによる。
温度上昇試験の検証方
法を規定している。
温度上昇の限度は表7
による。
IDT
−
−
附属書1
9.9 動作
特性の検
証
漏電及び過電流状態の下での,動
作特性の検証方法を規定してい
る。
タイプB,C,D及びJの漏電遮断
器の試験条件,越流試験方法を規
定している。
タイプJ及び越流試験
の規定がない。
MOD/追加
タイプJの漏電遮断器の動作特
性の検証,及び越流試験方法を追
加した。
我が国の配電方式を考慮
した。
附属書1
9.10 機
械的及び
電気的耐
久性能の
検証
耐久試験の方法及び開閉回数,頻
度を規定している。
同左
IDT
−
−
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2
:
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:
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番
号
内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書1
9.11 引
外し自由
機構の検
証
引外し自由機構の検証方法を規定
している。
同左
IDT
−
−
附属書1
9.12 短絡
試験
減少短絡試験,1 500 A試験,使用
短絡試験,定格短絡試験,コード
短絡保護試験,及び,定格漏電投
入及び遮断試験の検証方法を規定
している。各試験回路の一覧表の
記載している。
左記に対して,コード
短絡保護試験の方法,
及び試験回路の一覧表
がない。
MOD/追加,
変更
①コード短絡保護試験の方法を
追加した。
②試験回路一覧表を入れた。
③回復電圧を110 %とした。
④短絡回路のインピーダンスを
電源側でもよいとした。
⑤遮断時の検証手段としてさら
しかなきんを追加した。
我が国の配電方式を考慮
した。
附属書1
9.13 耐
機械的衝
撃及び打
撃の検証
機械的衝撃及び打撃試験の試験装
置,及び試験の方法を規定してい
る。
同左
IDT
−
−
附属書1
9.14 耐熱
性試験
漏電遮断器の過熱試験,及び外か
く部材へのボールプレッシャー試
験の方法を規定している。
同左
IDT
−
−
附属書1
9.15 耐過
熱性能及
び耐着火
性能試験
漏電遮断器の絶縁部材に対するグ
ローワイヤー試験の条件及び方法
を規定している。
同左
IDT
−
−
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:
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0
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番号 内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書1
9.16 定
格電圧の
限界値に
おけるテ
スト装置
の動作の
検証
定格電圧の限界値におけるテスト
装置の動作の検証方法を規定して
いる。定格電圧に範囲があるなら
最大電圧。
同左
IDT
−
−
附属書1
9.17 電
源電圧喪
失時の電
源電圧依
存形漏電
遮断器の
動作の検
証
電源電圧喪失時の電源電圧依存形
漏電遮断器の動作の検証方法を規
定している。
同左
IDT
−
−
附属書1
9.18 3極
又は4極
漏電遮断
器に通じ
る単相負
荷の過電
流限界値
の検証
タイプB,C,D及びJの,3極又
は4極漏電遮断器に単相過電流が
流れた場合の動作の検証方法を規
定している。
同左から,タイプJの
検証方法を除く。
MOD/追加
タイプJの基準を追加した。
我が国の配電設備等を考
慮した。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番
号
内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書1
9.19 イ
ンパルス
電圧によ
って生じ
るサージ
電流での
漏電遮断
器の不要
動作の検
証
インパルス電圧によって生じるサ
ージ電流での漏電遮断器の不要動
作の検証方法を規定している。
ピーク値200 Aのサージ電流,及び
8×20 μsで250 Aのインパルス電流
による不要動作を検証する。
同左
IDT
−
−
附属書1
9.20 イ
ンパルス
電圧耐絶
縁性能の
検証
インパルス電圧耐絶縁性能の検証
方法を規定している。
同左
IDT
−
−
附属書1
9.21 直
流成分を
含む漏電
電流にお
ける漏電
遮断器の
正常動作
の検証
直流成分を含む漏電電流における
漏電遮断器の正常動作の検証方法
を規定している。
同左
IDT
−
−
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番
号
内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書1
9.22 信頼
性の検証
長期間の動作信頼性の検証方法を
規定している。
同左
IDT
−
−
附属書1
9.23 電子
部品のエ
ージング
試験
電子部品のエージング試験の検証
方法を規定している。
同左
IDT
−
−
附属書2
我が国の在来電気設備工事に適用
する遮断器の構造,性能,動作,
信頼性に関する要求事項について
規定している。
(本体の8.及び9.の詳細内容)
IEC規格の8.及び9.に
規定されているが,附
属書に分けていない。
MOD/追加,
変更
我が国固有の在来電気設備工事
に適用する遮断器のIEC規格の
8.と9.に対する附属書である。
附属書2全体は,我が国の
配電設備等を考慮した内
容となっており,関連する
法令の改正動向,及び,配
電システムの動向に合せ
て見直しをする。
附属書2
8. 構造及
び動作に
対する要
求事項
構造,性能,動作,信頼性の基準
を規定している。
本体の8.による。(以下
本体の内容を記載)
MOD/追加,
変更
下記による。
下記による。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番号 内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書2
8.1 機械
的設計
附属書1の8.1の欄参照
附属書1の8.1の欄参
照
MOD/追加,
変更
我が国で慣習的に適用されてい
る安全に対する要求事項を追加,
IEC 60898-1の基準に変更,及び,
不足電圧引外しによる開路,電圧
引外しによる開路の基準及び検
証方法を規定したうえで,基準を
JIS C 8370に合せた。
我が国の配電設備等を考
慮した。
IEC規格間の整合動向に
沿いJIS C 8211の内容に
合せ,IECで明確でない基
準を規定した。
附属書2
8.2 感電
保護
附属書1の8.2の欄参照
附属書1の8.2の欄参
照
MOD/変更
附属書1の8.2の欄参照。
附属書1の8.2の欄参照。
附属書2
8.3 耐電
圧性能及
び断路能
力
附属書1の8.3の欄参照
附属書1の8.3の欄参
照
MOD/追加,
変更
IEC 60898-1の基準に合せて変更
したうえで断路能力を選択にし
た。
我が国の配電設備等を考
慮した。
附属書2
8.4 温度
上昇
附属書1の8.4の欄参照
附属書1の8.4の欄参
照
MOD/変更
温度上昇の基準に接点の基準を
追加した。
我が国の配電設備等を考
慮した。
附属書2
8.5 動作
特性
附属書1の8.5の欄参照
左記に対して,タイプ
B,C,Dの規定だけ
であり,タイプJの規
定はない。越流性能の
規定もない。
MOD/変更,
追加
タイプB,C,Dを削除して,タ
イプJを追加した。
我が国の在来電気設備規
定の配電方式を考慮した。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番号 内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書2
8.6 機械
的及び電
気的耐久
性能並び
に過負荷
開閉性能
附属書1の8.6に対して,過負荷電
流開閉を追加して規定している。
過負荷電流の開閉耐久
の規定がない。
MOD/変更
過負荷電流開閉を追加した。
在来電気設備規定で使用
されている製品の性能評
価基準を取り入れた。
附属書2
8.7 短絡
電流にお
ける性能
附属書1の8.7の欄参照
附属書1の8.7の欄参
照
IDT
−
−
附属書2
8.8 耐衝
撃性能及
び耐打撃
性能
附属書1の8.8の欄参照
附属書1の8.8の欄参
照
IDT
−
−
附属書2
8.9 耐熱
性能
附属書1の8.9の欄参照
附属書1の8.9の欄参
照
IDT
−
−
附属書2
8.10耐過
熱性能及
び耐着火
性能
附属書1の8.10の欄参照
附属書1の8.10の欄参
照
IDT
−
−
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目
番号
内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書2
8.11 テス
ト装置
テスト装置の構造及び性能を規定
している。
差込接続式漏電遮断器の構造に関
する特例を規定している。
同左から,差込接続式漏
電遮断器の特例を除く。
MOD/追加
差込接続式漏電遮断器の構造規
定を追加した。
我が国の配電設備等を考
慮した。
附属書2
8.12
適用しない。
附属書1の8.12の欄参照 MOD/変更
電源電圧依存形漏電遮断器に対
する要求事項を削除した。
我が国の配電設備等を考
慮した。
附属書2
8.13 3極
又は4極
漏電遮断
器に単相
過電流が
流れた場
合の動作
3極又は4極漏電遮断器に単相過電
流が流れた場合の動作を規定して
いる。
附属書1の8.13の欄参照 MOD/変更
タイプB,C,Dの基準に代え,
タイプJの基準を規定した。
我が国の配電設備等を考
慮した。
附属書2
8.14 漏電
遮断器の
インパル
ス電圧に
よるサー
ジ電流不
要動作性
能
インパルス電圧によるサージ電流
不要動作性能を規定している。非
時延形にも適用している。
附属書1の8.14の欄参照 MOD/追加
インパルス電圧によるサージ電
流不要動作性能を非時延形にも
適用することを規定した。ただ
し,定格感度電流10 mA以下で
は選択にした。
我が国の配電設備等を考
慮した。
附属書2
8.15
適用しない。
附属書1の8.15の欄参照 MOD/変更
直流成分を含む地絡電流におけ
る漏電遮断器の動作を削除した。
我が国の配電設備等を考
慮した。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番
号
内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書2
8.16 信頼
性
附属書1の8.16の欄参照
附属書1の8.16の欄参
照
IDT
−
−
附属書2
8.17 放
射電磁波
不動作
放射電磁波不動作を規定してい
る。
−
MOD/変更
附属書Hに代え8.17,8.18,8.19
を適用した。
我が国の配電設備等を考
慮し,従来基準を適用し
た。
附属書2
8.18 高
調波電流
重畳引外
し
高調波電流重畳引外しを規定して
いる。
−
MOD/変更
8.17の欄参照
−
附属書2
8.19 高
周波電流
重畳引外
し
高周波電流重畳引外しを規定して
いる。
−
MOD/変更
8.17の欄参照
−
附属書2
8.20 差
込接続式
漏電遮断
器に対す
る追加要
求事項
差込接続式漏電遮断器に対する追
加要求事項を規定している。
−
MOD/追加
差込接続式漏電遮断器に対する
追加要求事項を規定した。
我が国の配電設備等を考
慮した。
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:
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0
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:
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0
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番号 内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書2
9. 試験
附属書1の9.の欄参照
附属書1の9.の欄参照 MOD/追加,
変更
下記による。
下記による。
附属書2
9.1 一般
事項
附属書1の9.1の欄参照
附属書1の9.1の欄参
照
IDT
−
−
附属書2
9.2 試験
条件
各試験に共通の試験条件を規定し
ている。
試験電線は,JIS C 3307に準拠した
PVC60 ℃電線を使用している。
附属書1の9.2の欄参
照
MOD/変更
試験にJIS C 3307に準拠した
PVC60 ℃電線を使用することを
規定した。
我が国の配電設備等を考
慮した。
附属書2
9.3 表示
の不滅性
試験
附属書1の9.3の欄参照
附属書1の9.3の欄参
照
IDT
附属書1の9.3の欄参照
附属書1の9.3の欄参照
附属書2
9.4 ねじ,
通電部品
及び接続
の信頼性
試験
附属書1の9.4の欄参照
附属書1の9.4の欄参
照
IDT
附属書1の9.4の欄参照
附属書1の9.4の欄参照
附属書2
9.5 外部
導体用端
子の信頼
性試験
附属書1の9.5に対して,接続電線
は JIS C 3307に準拠した区分を適
用している。
左記に対して,接続電
線は IEC 60227に準
拠した区分を適用し
ている。
MOD/変更
在来JIS C 3307に準拠した電線
だけを適用した。
在来電気設備規定で使用
する電線に合せた。
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1
7
2
C
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2
2
2
:
2
0
0
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1
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:
2
0
0
4
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番号 内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書2
9.6 感電
保護の検
証
附属書1の9.6に対して,試験電線
断面積をJIS C 3307に準拠した区
分に変えている。
左記に対して,試験電
線の断面積は,IEC
60227に準拠した区分
を適用している。
MOD/変更
在来JIS C 3307に準拠した電線
だけを適用した。
在来電気設備規定で使用
する電線に合せた。
附属書2
9.7絶縁性
能及び断
路能力
附属書1の9.7の欄参照
附属書1の9.7の欄参
照
MOD/追加
断路能力の検証方法を追加した。 IEC規格間の整合動向に
沿いJIS C 8211の内容に
合せた。
附属書2
9.8 温度
上昇試験
温度上昇試験の検証方法を規定し
ている。
温度上昇の限度は表7bによる。
附属書1の9.8の欄参
照
IDT
表7の基準に代え表7bを適用し
た。
在来電気設備規定で使用
されている既製品規準を
考慮した。
附属書2
9.9 動作
特性の検
証
漏電及び過電流状態の下での,動
作特性の検証方法を規定してい
る。
タイプJの漏電遮断器の試験条件,
越流試験方法を規定している。
附属書1の9.9の欄参
照
MOD/変更,
追加
タイプJだけ,引外し特性試験を
規定。基準周囲温度は,40 ℃及
び25 ℃を規定した。
我が国の在来電気設備規
定の配電方式を考慮した。
附属書2
9.10 機
械的及び
電気的耐
久性能並
びに過負
荷開閉性
能の検証
附属書1の9.10に対して,過負荷
開閉における試験手順を追加して
規定している。
過負荷開閉の試験手
順がない。
MOD/追加
6Inでの過負荷開閉性能を追加し
て規定した。
在来電気設備規定で使用
されている既製品規準を
考慮した。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目
番号
内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書2
9.11 引外
し自由機
構の検証
附属書1の9.11の欄参照
附属書1の9.11の欄参照 IDT
附属書1の9.11の欄参照
附属書1の9.11の欄参照
附属書2
9.12 短絡
試験
減少短絡試験,定格短絡試験,コ
ード短絡保護試験,及び,定格漏
電投入及び遮断試験の検証方法を
規定している。各試験回路の一覧
表の記載している。
附属書1の9.12の欄参照 MOD/変更,
追加
①1 500 A試験,使用短絡試験を
削除した。
②減少短絡試験のシーケンスを
変更した。
③コード短絡保護試験の方法を
追加した。
④試験回路一覧表を追加した。
⑤回復電圧を110 %とした。
⑥短絡回路のインピーダンスを
電源側でもよいとした。
⑦遮断時の検証手段としてさら
しかなきんを追加した。操作装置
との距離を20 mmとした。
在来電気設備規定で使用
されている製品の性能評
価基準を取り入れた。
附属書2
9.13
適用しない。
附属書1の9.13の欄参照 MOD/変更
機械的打撃試験を削除。
在来電気設備規定で使用
されている製品の性能評
価基準を取り入れた。
附属書2
9.14 耐熱
性試験
附属書1の9.14の欄参照
附属書1の9.14の欄参照 MOD/変更
漏電遮断器の過熱試験を削除し
ている。
グローワイヤー試験を兼
ねる試験として実施。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番
号
内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書2
9.15
適用しない。
附属書1の9.15の欄参照 MOD/変更
この項を削除
在来電気設備規定で使用
されている製品の性能評
価基準であるボールプレ
ッシャー試験で代用した。
附属書2
9.16 定
格電圧の
限界値に
おけるテ
スト装置
の動作の
検証
定格電圧の限界値におけるテスト
装置の動作の検証方法を規定して
いる。定格電圧に範囲があるなら
最小電圧。
附属書1の9.16の欄参照 MOD/変更
試験電圧を,定格電圧に範囲があ
るなら最小電圧に変更した。
我が国の配電設備等を考
慮した。
附属書2
9.17
適用しない。
附属書1の9.17の欄参照 MOD/変更
電源電圧喪失時の電源電圧依存
形漏電遮断器の動作に関する検
証方法を削除した。
我が国の配電設備等を考
慮した。
附属書2
9.18 3極
又は4極
漏電遮断
器に通じ
る単相負
荷の過電
流限界値
の検証
3極又は4極漏電遮断器に単相過電
流が流れた場合の動作の検証方法
を規定している。
附属書1の9.18の欄参照 MOD/追加,
変更
タイプJの基準を規定した。
我が国の配電設備等を考
慮した。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目
番号
内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書2
9.19 イ
ンパルス
電圧によ
って生じ
るサージ
電流での
漏電遮断
器の不要
動作の検
証
インパルス電圧によって生じるサ
ージ電流での漏電遮断器の不要動
作の検証方法を規定している。
7 kVの試験電圧回路に生じるサー
ジ電流(200 A相当)による不要動作
を検証する。
附属書1の9.19の欄参照 MOD/変更
我が国の漏電遮断器に慣習的に
使用されている試験条件を適用
した。
我が国の漏電遮断器に適
用されている雷インパル
ス電圧(7 kV)による雷イン
パルス電流に対する不要
動作性能を適用した。
附属書2
9.20 イ
ンパルス
電圧耐絶
縁性能の
検証
インパルス電圧耐絶縁性能の検証
方法を規定している。
附属書1の9.20の欄参照 MOD/変更
基準を8 kVから7 kVに変更し
た。
我が国の漏電遮断器に適
用されているインパルス
電圧耐絶縁性能の基準を
適用した。
附属書2
9.21
適用しない。
附属書1の9.21の欄参照 MOD/変更
この性能をもつ漏電遮断器は対
象としていないので規定しない。
我が国の漏電遮断器に適
用されている性能だけ規
定した。
附属書2
9.22 信
頼性の検
証
附属書1の9.22の欄参照
附属書1の9.22の欄参照 IDT
−
−
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番
号
内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書2
9.23 電
子部品の
エージン
グ試験
附属書1の9.23の欄参照
附属書1の9.23の欄参照 IDT
−
−
附属書2
9.24 放
射電磁波
不動作試
験
放射電磁波不動作の検証項目を規
定している。
−
MOD/変更
電磁両立性(EMC)の検証項目を,
我が国で慣習的に適用されてい
る検証項目に変更した。
我が国の配電設備環境等
を考慮した。
附属書2
9.25 高
調波電流
重畳引外
し試験
高調波電流重畳引外しの検証項目
を規定している。
−
MOD/変更
電磁両立性(EMC)の検証項目を,
我が国で慣習的に適用されてい
る検証項目に変更した。
我が国の配電設備環境等
を考慮した。
附属書2
9.26 高
周波電流
重畳引外
し試験
高周波電流重畳引外しの検証項目
を規定している。
−
MOD/変更
電磁両立性(EMC)の検証項目を,
我が国で慣習的に適用されてい
る検証項目に変更した。
我が国の配電設備環境等
を考慮した。
附属書2
9.27 差
込接続式
漏電遮断
器に対す
る追加試
験
差込接続式漏電遮断器に対する追
加検証項目を規定している。
−
MOD/追加
差込接続式漏電遮断器に対する
追加検証項目を規定した。
我が国の配電設備等を考
慮した。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番号
内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書A
(規定)
適合性の検証(ISO/IECガイド2の
13.5: 1991)に適用する試験シーケン
ス及び供試品数
同左
MOD/追加
附属書1と附属書2の試験シーケ
ンス等について,分けて記述し
た。
規格の項目構成が異なる
ため,区分した。
附属書B
(規定)
空間距離及び沿面距離の決定
同左
IDT
−
−
附属書C
(規定)
短絡試験時のイオン化ガス排出の
検出のための取決め
同左
MOD/追加
さらしかなきんを使用しても良
い規定を追加した。
我が国の現状を反映した。
附属書D
(規定)
受渡試験
同左
MOD/変更
地絡検出装置に電子回路を使用
しているものに特記事項を設け
た。
−
附属書E
(規定)
安全特別低電圧(SELV)用補助回路
に対する特別要求事項
同左
IDT
−
−
附属書F
(規定)
同一回路内で使用する漏電遮断器
と個別ヒューズとの間の協調
同左
IDT
−
−
附属書G
(規定)
設置場所での組立用に設計された
遮断器及び漏電ユニットで構成す
る漏電遮断器のための追加要求事
項及び試験
同左
IDT
−
−
附属書H
(規定)
電磁両立性(EMC)の要求について漏
電遮断器の適応性検証のための試
験一覧,試験シーケンス及び供試品
の数の追加
同左
MOD/変更
附属書2は,他の試験を代用する
ので,この附属書は適用しない。
代替試験を適用するので
問題ない。
附属書IA
(参考)
短絡回路の力率の決定方法
同左
IDT
−
−
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番号 内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書IB
(参考)
記号の解説
同左
IDT
−
−
附属書IC
(参考)
端子の例
同左
IDT
−
−
附属書ID
(参考)
ISOとAWG銅電線との対応表
同左
IDT
−
−
附属書IE
(参考)
漏電遮断器のためのフォローアッ
プ検査要領
同左
IDT
−
−
附属書XA
(規定)
誘導電動機保護兼用漏電遮断器
規定なし
MOD/追加
単相又は三相誘導電動機の過負
荷保護を兼ねた漏電遮断器の規
定した。
我が国の配電設備等で使
用されるモータ保護のた
めに追加した。
附属書XB
(規定)
単3中性線欠相保護付漏電遮断器
の追加要求事項
規定なし
MOD/追加
単3中性線欠相保護付漏電遮断
器の追加した。
我が国の配電設備等の事
故減少のために追加した。
附属書XC
(参考)
電灯分電盤用協約形漏電遮断器
規定なし
MOD/追加
電灯分電盤に使用される回路遮
断器について追加した。
標準化することによって
利便性を向上の目的で,寸
法等を参考として追加し
た。
附属書XD
(参考)
住宅用分電盤分岐用漏電遮断器
規定なし
MOD/追加
住宅用分電盤で分岐回路に使用
される漏電遮断器について追加
した。
我が国の住宅分電盤用に
あっては,標準化すること
によって利便性を向上の
目的で,定格,構造等を追
加した。
附属書XE
(規定)
定格インパルス耐電圧を表示しな
い装置の絶縁距離
規定なし
MOD/追加
強制法規で規定の絶縁距離の内
容の追加した。
絶縁距離については,強制
法規の改正が必要。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(Ⅴ)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
項目番号 内容
項目番号
内容
項目ごとの評
価
JISと国際規格との相違点
附属書XF
(参考)
互換性形漏電遮断器
規定なし
MOD/追加
互換性形の漏電遮断器について
追加した。
標準化することによって
利便性を向上の目的で,寸
法等を参考として追加し
た。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 技術的差異がない。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。