C 8201-7-2:2012
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 一般······························································································································· 1
1.1 適用範囲 ······················································································································ 1
1.2 引用規格 ······················································································································ 2
2 用語及び定義 ··················································································································· 2
3 分類······························································································································· 2
4 特性······························································································································· 3
4.1 特性の要約 ··················································································································· 3
4.2 保護導体端子台の形式 ···································································································· 3
4.3 定格値及び限界値 ·········································································································· 3
5 製品情報························································································································· 4
5.1 表示 ···························································································································· 4
5.2 追加情報 ······················································································································ 4
6 標準使用,取付け及び輸送の条件 ························································································ 5
7 構造及び性能に関する要求事項 ··························································································· 5
7.1 構造に関する要求事項 ···································································································· 5
7.2 性能に関する要求事項 ···································································································· 5
7.3 電磁両立性(EMC) ······································································································ 6
8 試験······························································································································· 6
8.1 試験の種類 ··················································································································· 6
8.2 一般 ···························································································································· 6
8.3 機械的特性の検証 ·········································································································· 6
8.4 電気的特性の検証 ·········································································································· 6
8.5 熱的特性の検証 ············································································································ 12
8.6 電磁両立性の立証 ········································································································· 12
附属書A(規定)レール形状ごとの短時間耐電流値及びPENブスバーの熱定格電流値 ····················· 13
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 14
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本電気制御機器工業会(NECA)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 8201の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 8201-1 第1部:通則
JIS C 8201-2-1 第2-1部:回路遮断器(配線用遮断器及びその他の遮断器)
JIS C 8201-2-2 第2-2部:漏電遮断器
JIS C 8201-3 第3部:開閉器,断路器,断路用開閉器及びヒューズ組みユニット
JIS C 8201-4-1 第4-1部:接触器及びモータスタータ:電気機械式接触器及びモータスタータ
JIS C 8201-4-2 第4-2部:接触器及びモータスタータ:交流半導体モータ制御器及びスタータ
JIS C 8201-4-3 第4-3部:接触器及びモータスタータ:非モータ負荷用交流半導体制御器及び接触器
JIS C 8201-5-1 第5部:制御回路機器及び開閉素子−第1節:電気機械式制御回路機器
JIS C 8201-5-2 第5部:制御回路機器及び開閉素子−第2節:近接スイッチ
JIS C 8201-5-5 第5部:制御回路機器及び開閉素子−第5節:機械的ラッチング機能をもつ電気的非
常停止機器
JIS C 8201-5-8 第5-8部:制御回路機器及び開閉素子−3ポジションイネーブルスイッチ
JIS C 8201-5-101 第5部:制御回路機器及び開閉素子−第101節:接触器形リレー及びスタータの補
助接点
JIS C 8201-7-1 第7部:補助装置−第1節:銅導体用端子台
JIS C 8201-7-2 第7-2部:補助装置−銅導体用保護導体端子台
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日本工業規格 JIS
C 8201-7-2:2012
低圧開閉装置及び制御装置−
第7-2部:補助装置−銅導体用保護導体端子台
Low-voltage switchgear and controlgear-Part 7-2: Ancillary equipment-
Protective conductor terminal blocks for copper conductors
序文
この規格は,2009年に第3版として発行されたIEC 60947-7-2を基とし,技術的内容を変更して作成し
た日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
一般
1.1
適用範囲
この規格は,工業用途のねじ式又はねじなし締付具によって接続する,銅導体の定格断面積が120 mm2
(250 kcmil)までの保護導体端子台及び銅導体の定格断面積が10 mm2(AWG8)以上のPEN導体端子台
について規定する。
注記1 AWGは,“American Wire Gage”を略した記号。
1 kcmil=1 000 cmil
1 cmil=1 circular mil=直径1 milの円の面積
1 mil=1/1 000インチ
保護導体端子台は,銅導体と支持体との間で電気的及び機械的接続をするために用いる。
定格電圧交流1 000 V以下(1 000 Hz以下の周波数において)又は直流1 500 V以下の回路に使用する
0.2 mm2〜120 mm2(AWG24〜250 kcmil)の銅導体の定格断面積をもつ,端末処理した円形銅導体又は未処
理の円形銅導体を接続する保護導体端子台及びPEN導体端子台に適用できる(通常,JIS C 8201-7-1に準
拠した端子台と併せて用いる。)。
この規格は,次の保護導体端子台のための指針として用いることが望ましい。
− 導体の固定に特別な器具を必要とする端子台。例えば,平形接続子,タブなどによる接続。
− 絶縁体に突き刺す刃又はとがった先端によって,導体に直接接触する端子台。例えば,絶縁体圧接接
続など。
JIS C 8201-1を参照する場合は,用語“端子”を用語“締付具”に読み替える。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60947-7-2:2009,Low-voltage switchgear and controlgear−Part 7-2: Ancillary equipment−
Protective conductor terminal blocks for copper conductors(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
2
C 8201-7-2:2012
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ことを示す。
1.2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。
JIS C 2812:1998 機器取付け用レール
注記 対応国際規格:IEC 60715:1981,Dimensions of low-voltage switchgear and controlgear.
Standardized mounting on rails for mechanical support of electrical devices in switchgear and
controlgear installations及びAmendment 1:1995(MOD)
JIS C 3307:2000 600Vビニル絶縁電線(IV)
JIS C 3316:2008 電気機器用ビニル絶縁電線
JIS C 8201-1:2007 低圧開閉装置及び制御装置−第1部:通則
注記 対応国際規格:IEC 60947-1:2007,Low-voltage switchgear and controlgear−Part 1: General rules
(MOD)
JIS C 8201-7-1:2010 低圧開閉装置及び制御装置−第7部:補助装置−第1節:銅導体用端子台
注記 対応国際規格:IEC 60947-7-1,Low-voltage switchgear and controlgear−Part 7-1: Ancillary
equipment−Terminal blocks for copper conductors(MOD)
2
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 8201-1によるほか,次による。
2.1
保護導体端子台(protective conductor terminal block)
保護導体(PE導体及びPEN導体)を,一つ以上のねじ式又はねじなし締付具によって接続及び/又は
結合するとともに,これらを支持体に導通する器具。
注記1 支持体とは,例えば,取付用レール,切り抜いた金属板,取付板などである。
注記2 保護導体端子台は,部分的に絶縁しているか又は全く絶縁していなくてもよい。また,機能
絶縁は要求しない。
2.2
部分的に絶縁した保護導体端子台(partially insulated protective conductor terminal block)
その他の装置の充電部に対してだけ絶縁しているが,支持体に対しては絶縁していない器具。
2.3
PEN導体(PEN conductor)
中性線及び保護導体の機能を兼ねる導体。
注記 頭字語PENは,保護導体を示すPEと中性線を示すNとの組合せからなる(JIS C 8201-1の2.1.15
参照)。
3
分類
保護導体端子台の分類は,次によって区別する。
− 支持体に保護導体端子台を固定する方法
− 締付具の形式:ねじ式締付具又はねじなし締付具
− 端末処理(例えば,圧着端子)又は未処理の導体(JIS C 8201-1の2.3.26参照)を収納する能力
3
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− 同一又は異なる締付具を備えた端子組立品
− 個々の端子組立品の締付具の数
− 使用条件
− PE機能又はPEN機能
4
特性
4.1
特性の要約
JIS C 8201-7-1の4.1を適用する。
4.2
保護導体端子台の形式
JIS C 8201-7-1の4.2を適用する。
4.3
定格値及び限界値
4.3.1
(空欄)
4.3.2
短時間耐電流
JIS C 8201-7-1の4.3.2を適用する。
4.3.3
標準断面積
JIS C 8201-7-1の表1の120 mm2(250 kcmil)以下,又は表1Aの100 mm2以下を適用する。
4.3.4
定格断面積
JIS C 8201-7-1の4.3.4を適用する。
4.3.5
定格接続容量
定格断面積が0.2〜38 mm2(単線の場合は導体径0.5〜2 mm)の端子台だけに適用する。端子台は,明示
する定格断面積に対しJIS C 8201-7-1の表2及び表2Aに示す範囲の断面積又は導体径の導体を接続でき
なければならない。定格断面積が38 mm2を超える端子台については,定格接続容量を規定しない。導体
は,硬質(単線又はより線),可とうのいずれでもよい。製造業者は,接続できる導体の最大及び最小の断
面積並びに形式を明確にする。各締付具に同時に接続できる導体は一つとする。製造業者は,導体の端末
に必要な処理方法も明確にする。
表1−保護導体端子台の定格断面積と定格接続容量との関係
定格断面積
定格接続容量
mm2
AWG又はkcmil
mm2
AWG又はkcmil
0.2
24
0.2
24
0.34
22
0.2,0.34
24,22
0.5
20
0.2,0.34,0.5
24,22,20
0.75
18
0.34,0.5,0.75
22,20,18
1
−
0.5,0.75,1
−
1.5
16
0.75,1,1.5
20,18,16
2.5
14
1,1.5,2.5
18,16,14
4
12
1.5,2.5,4
16,14,12
6
10
2.5,4,6
14,12,10
10
8
4,6,10
12,10,8
16
6
6,10,16
10,8,6
25
4
10,16,25
8,6,4
35
2
16,25,35
6,4,2
50
0
25,35,50
4,2,0
4
C 8201-7-2:2012
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表1−保護導体端子台の定格断面積と定格接続容量との関係(続き)
定格断面積
定格接続容量
mm2
AWG又はkcmil
mm2
AWG又はkcmil
70
00
35,50,70
2,0,00
95
000
50,70,95
0,00,000
120
250 kcmil
70,95,120
00,000,250 kcmil
表1A−保護導体端子台のJIS C 3307及びJIS C 3316の定格断面積又は導体径と定格接続容量との関係
定格断面積又は導体径
定格接続容量
より線
mm2
単線
mm
より線
mm2
単線
mm
−
0.5 a)
−
0.5 a)
0.5 a)
0.8
0.5 a)
0.5 a),0.8
0.75
1
0.5 a),0.75
0.5 a),0.8,1
1.25
1.2
0.5 a),0.75,1.25
0.8,1,1.2
2
1.6
0.75,1.25,2
1,1.2,1.6
3.5
2
1.25,2,3.5
1.2,1.6,2
5.5
−
2,3.5,5.5
−
8
−
3.5,5.5,8
−
14
−
5.5,8,14
−
22
−
8,14,22
−
38
−
14,22,38
−
60
−
22,38,60
−
100
−
38,60,100
−
注a) JIS C 3307及びJIS C 3316にない標準断面積及び導体径である。
5
製品情報
5.1
表示
保護導体端子台には,容易に消えない方法で,明瞭に次の事項を表示しなければならない。
a) 容易に識別できる製造業者の名称又は商標
b) 製造業者又は製造業者のカタログから関連情報を得るためにその保護導体端子台の識別ができる形式
記号
5.2
追加情報
この規格の全ての要求事項に適合する場合,次の情報を,例えば,製造業者の形式試験成績書,カタロ
グ,包装箱上などに明示しなければならない。
a) この規格の規格番号
b) 定格断面積
c) 定格接続容量 表1及び表1Aと異なる場合
d) 使用条件(箇条6の使用条件と異なる場合)
製造業者は,保護導体端子台が10 mm2(AWG8)以上でPE機能だけに適合する場合は,それを明示し
なければならない。
注記 表示がない場合は,PE機能及びPEN機能の両方に適合することを意味する。
5
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6
標準使用,取付け及び輸送の条件
JIS C 8201-1の箇条6を適用する。
7
構造及び性能に関する要求事項
7.1
構造に関する要求事項
7.1.1
締付具
JIS C 8201-7-1の7.1.1を,次の追加項目とともに適用する。
保護導体端子台は,締付具と支持体とを確実に接続しなければならない。
締付具は,接続した導体及び支持体からの力に耐えなければならない。
適合性は,8.3.3.1並びにJIS C 8201-7-1の8.3.3.1,8.3.3.2及び8.3.3.3の試験で確認する。
7.1.2
支持体への接続
保護導体端子台は,電解腐食の危険なしに対応する支持体に確実に取り付ける手段を備えていなければ
ならない。
保護導体端子台は,適切な支持体に正しく導通するための固定方法をもっていなければならない。
支持体との接続の解除は,工具を用いなければならない。
JIS C 8201-7-1の8.3.2に従って試験しなければならない。
レール取付けに関する情報は,JIS C 2812に規定する。
7.1.3
空間距離及び沿面距離
保護導体端子台には,空間距離及び沿面距離を適用しない。
保護導体端子台と,JIS C 8201-7-1による端子台との間における空間距離及び沿面距離の値は,JIS C
8201-7-1の7.1.3に規定する。
7.1.4
保護導体端子台の識別及び表示
JIS C 8201-7-1の7.1.4を,次の追加事項とともに適用する。
部分的に絶縁した保護導体端子台は,緑及び黄色の2色でなければならない。
7.1.5
異常加熱及び炎に対する耐性
JIS C 8201-7-1の7.1.5を適用する。
7.1.6
定格断面積及び定格接続容量
JIS C 8201-7-1の7.1.6を適用する。
7.1.7
保護導体端子台取付けレール
取付けレールは,表A.1に規定する短時間耐電流値及び熱定格電流値を超えていない場合,保護導体ブ
スバーとして使用してもよい。
表A.1は,これらの要求を満たす標準的な取付けレールの例を挙げている。
表A.1の値と同等の場合は,その他の種類の取付けレールを使用してもよい。
鉄製の保護導体ブスバーは,PEN導体として使用できない。
注記 アルミニウムと銅とで接続するか,又はアルミニウムと銅合金とで接続する保護導体端子台に
は,特別な試験が必要な場合がある。
7.2
性能に関する要求事項
7.2.1
温度上昇
PEN導体端子台は,8.4.5によって試験したとき,温度上昇は45 K以下とする。
6
C 8201-7-2:2012
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7.2.2
絶縁特性
JIS C 8201-7-1に基づく端子台のそばに配置した保護導体端子台は,8.4.3による絶縁試験に合格しなけ
ればならない。
7.2.3
短時間耐電流
保護導体端子台は,8.4.6の手順に従って試験したとき,その定格断面積に対し120 A/mm2の短時間耐電
流に1秒間耐えなければならない。
7.2.4
電圧降下
保護導体端子台に導体を接続すること及び保護導体端子台を支持体に取り付けることによって生じる電
圧降下は,8.4.4によって測定し,8.4.4に規定する値を超えてはならない。
7.2.5
エージング後の電気的特性(ねじなし保護導体端子台にだけ適用)
保護導体端子台は,8.4.7に従ってエージング試験を実施し,これに耐えなければならない。
7.3
電磁両立性(EMC)
JIS C 8201-7-1の7.3を適用する。
8
試験
8.1
試験の種類
JIS C 8201-7-1の8.1を適用する。
8.2
一般
JIS C 8201-7-1の8.2を適用する。
8.3
機械的特性の検証
JIS C 8201-7-1の8.3を適用する。ただし,8.3.3.1を次のように変更する。
8.3.3.1
締付具の機械的強度試験
JIS C 8201-1の8.2.4.1及び8.2.4.2に,次の追加事項を適用する。
この試験は,製造業者の指示に従い適切な支持体に通常の状態で取り付けた5個の保護導体端子台にお
いて,中央に位置する保護導体端子台の導体締付具2個に対して行う。
8.4.4によって電圧降下Uccを検証後,製造業者が定める定格断面積の硬質の導体を接続して行う。適用
可能な場合,製造業者が定める最小断面積の可とう導体も接続して行う。
定格断面積の硬質の導体で,接続及び取外しを5回行う。
試験の最後に保護導体端子台は,定格断面積の硬質の導体を接続し,その後,適用可能な場合,最小断
面積の可とう導体を接続して,8.4.4による電圧降下試験(Ucc)に合格しなければならない。
次に,保護導体端子台は,定格断面積の硬質の導体を接続し,電圧降下Ucsを検証する。
その後,支持体への取付け及び取外しを5回行い,最後に8.4.4による電圧降下試験(Ucs)に合格しな
ければならない。
8.4
電気的特性の検証
8.4.1
一般
電気的特性の検証は,次の内容を含む。
− 絶縁試験(8.4.3参照)
− 電圧降下の検証(8.4.4参照)
− 温度上昇試験(8.4.5参照)
− 短時間耐電流試験(8.4.6参照)
7
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− エージング試験(ねじなし保護導体端子台にだけ適用)(8.4.7参照)
8.4.2
(空欄)
8.4.3
絶縁試験
この試験は,JIS C 8201-7-1に基づく端子台の傍らに直接配置する部分的に絶縁した保護導体端子台に
だけ適用する。
製造業者の取扱説明書による同じシリーズ及び同じサイズの端子台と一緒に取り付ける保護導体端子台
は,次の試験を行う。
a) 製造業者が定格インパルス耐電圧(Uimp)の値を指定する場合,インパルス耐電圧試験は,JIS C 8201-1
の8.3.3.4.1 2)[2)のc)は除く。]によって実施する。
b) 固体絶縁物の商用周波耐電圧の検証は,JIS C 8201-1の8.3.3.4.1 3)によって実施する。試験電圧は,
JIS C 8201-1の表12Aの値とする[JIS C 8201-1の8.3.3.4.1 3) b) i)参照]。
保護導体端子台及び端子台は,図1に示すように配線し金属支持体に取り付け,JIS C 8201-7-1の
8.4.2.1 a),b)及びc)の条件下で試験を実施する。
試験電圧は,保護導体端子台と端子台との間に印加する。
A
B
E
C
D
A
B
E
C
D
A 保護導体端子台
B 端子台
C 金属支持体
D 導体端末
E
試験電圧
図1−絶縁試験のための試験配線
8.4.4
電圧降下の検証
電圧降下は,次のときに検証する。
a) 締付具の機械的強度試験の前後(8.3.3.1参照)
8
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b) 温度上昇試験の前後(8.4.5参照)
c) 短時間耐電流試験の前後(8.4.6参照)
d) エージング試験の前後及びその途中(8.4.7参照)
検証は,8.3.3.1,8.4.5,8.4.6及び8.4.7に規定する方法で実施する。
8.4.6による短時間耐電流試験を除いて,保護導体接続部が表面をクロメート処理した鉄製で支持してい
る場合,接触点近辺のクロムめっきは接続前に取り除き,試験後だけ電圧降下を測定する。
電圧降下は,各々の保護導体端子台において,図2に例示する測定点で測定する。測定は,JIS C 8201-7-1
の表4,表4A又は表5に示す電流値の0.1倍の直流電流で行う。
測定点
測定点
測定点
I
I
I
I
Ucc
Ucs
測定点
測定点
測定点
測定点
I
I
I
I
Ucc
Ucs
測定点
− Ucc 締付具間の電圧降下の測定
− Ucs 締付具と支持体との間の電圧降下の測定
図2−電圧降下の検証のための試験配線
a)〜d)の試験前の電圧降下の測定値Uccは,3.2 mV以下とする。
クロメート処理した鉄製のもので支持している場合,電圧降下の測定は,c)の試験を除き,試験後に実
施し,電圧降下測定値Ucsは6.4 mV以下とする。
測定値Uccが3.2 mVを超えた場合は,個々の締付具で電圧降下を測定し1.6 mV以下とする。
測定値Ucsが6.4 mVを超えた場合は,支持体接続部だけで測定し4.8 mV以下とする。
a)〜c)の試験後の電圧降下の測定値Ucc及びUcsは,それぞれ試験前の値の150 %以下とする。
d)の試験中及び試験後の電圧降下の測定値Ucc及びUcsは,8.4.7に規定する値以下とする。
8.4.5
温度上昇試験
この試験は,定格断面積が10 mm2(AWG8)以上のPEN導体端子台に適用する。その端子台の熱定格
電流は,レールの形状によって表A.1の値を限度とする。
鉄製の支持体は,適用外とする。
試験は,図3及び図4のように木板の表面に水平に設置して行う(例えば,卓上又は床の上)。電線は,
その上に無作為に配置する。
試験は,定格断面積のPVC絶縁導体で行う。
導体の接続と支持体との接続は,JIS C 8201-1の表4によるトルク,又は製造業者が定めるJIS C 8201-1
の表4より高い値のトルクで適切に締め付ける。
導体の長さは,断面積が10 mm2(AWG8)のときは1 mとし,これを超えるものは2 mとする。
Ucc
Ucs
9
C 8201-7-2:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
導体は,硬質のより線でなければならない。
試験の間,締付具のねじは,締め直してはならない。
試験は,次のa)及びb)で行う。
a) 五つの絶縁した保護導体端子台を支持体なしで隣接して配置し,温度は中央の保護導体端子台で測定
する(図3参照)。
A
L
L
A
L
L
A :測定点
L
:電線
図3−試験a)用の温度上昇試験の設置
L
L
10
C 8201-7-2:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 五つの保護導体端子台を支持体上に隣接して配置し,外側の二つの保護導体端子台に導体を接続する。
温度は,その外側の二つの保護導体端子台で測定する(図4参照)。
L
L
B
A
L
L
B
A
A :測定点
B :支持体
L
:電線
図4−試験b)用の温度上昇試験の設置
8.4.4による電圧降下の検証後,試験はJIS C 8201-7-1の表4,表4A又は表5に示す定格断面積に対応
する交流単相電流で行う。試験は,一定温度に達するまで続ける。測定は,5分間隔で3回連続して行い,
それぞれの測定値間の差が1 K以下の場合一定温度とみなす。
温度上昇値は,7.2.1に示す限界値以下とする。
試験の終了後,周囲温度まで冷やし,保護導体端子台は図2に示す測定点で,8.4.4の電圧降下試験に合
格しなければならない。
8.4.6
短時間耐電流試験
この試験の目的は,熱的衝撃に対する耐力を確認することである。
試験は,製造業者の指示に従って取り付け,導体はJIS C 8201-1の表4,又は製造業者が定めるJIS C
8201-1の表4より高い値のトルクで適切に締め付ける。
定格断面積が10 mm2(AWG8)未満の場合,導体は単線でなければならない。ただし,ねじ若しくはボ
ルトの頭の下面又はナットの下面だけで押し締めする構造で,ケーブルラグ(圧着端子)など端末処理導
体だけを接続する目的の締付具の場合は,端末処理したより線で行う。
定格断面積が10 mm2(AWG8)以上の場合,導体は硬質のより線でなければならない。
L
L
11
C 8201-7-2:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
8.4.4による電圧降下の検証後,試験電流の電流値及び通電時間は7.2.3に適合しなければならない。
短時間耐電流の最大値は,レールの形状によって表A.1の値を限度とする。
試験電流は,図5の経路1に通電し,その後経路2に通電する。
電流経路の切替えに当たっては,少なくとも6分間以上空ける。
経路1
経路2
1
2
経路1
経路2
1
2
図5−短時間耐電流試験の電流経路
試験の終了後,継続使用を損なうような損傷を,端子台のいずれの部分にも生じてはならない。
保護導体端子台は,周囲温度にまで戻した後,配線を変更せずに8.4.4による電圧降下試験に合格しなけ
ればならない。
8.4.7
ねじなし端子台のためのエージング試験
五つの保護導体端子台を支持体なしで隣接して配置する(図3参照)。
定格断面積が10 mm2(AWG8)未満の場合,導体は単線でなければならない。ただし,製造業者が接続
形態を指定する場合は,それに従う。
定格断面積が10 mm2(AWG8)以上の場合,導体は硬質のより線でなければならない。
橋絡する導体の最小長さは,300 mmとする。
支持体との接続がねじなし式の場合は,更に別の五つの保護導体端子台を支持体上に隣接して配置する
(図4参照)。
試験には,耐熱絶縁導体又は裸導体を使用する。
保護導体端子台を20±2 ℃に保った恒温槽に置き,8.4.4の電圧降下を検証する。
導体を含む全ての試験装置は,電圧降下が完了するまで動かしてはならない。
その保護導体用端子台は,次に示す192回の温度サイクル試験に用いる。
標準使用条件(最大40 ℃)での用途を意図した保護導体端子台は,恒温槽の温度を85 ℃まで上げる。
製造業者が40 ℃を超える最大使用状態を指定した保護導体端子台は,恒温槽の温度を製造業者によっ
て明記された温度に45 K加えた温度まで上げる。
温度は,約10分間この値の±5 ℃以内に維持する。
次に,保護導体端子台を,約30 ℃まで冷却する。強制冷却してもよい。約10分間その温度を保つ。電
圧降下の測定が必要な場合,更に20±5 ℃まで冷却してもよい。
恒温槽における加熱及び冷却の速度は,通常1.5 ℃/minの値を目安とする。
24回目の温度サイクル後及び192回目の温度サイクルが完了後に,20±5 ℃で保護導体用端子台の電圧
降下を8.4.4によって測定する。
締付具の導体を接続する箇所の電圧降下測定値Uccは,4.8 mV以下又は24回目の温度サイクルの後に測
定した値の1.5倍以下とする。
経路1
経路2
12
C 8201-7-2:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
締付具の支持体に固定する箇所の電圧降下測定値Ucsは,9.6 mV以下又は24回目の温度サイクルの後に
測定した値の1.5倍以下とする。
この試験の後,目視検査において,亀裂,ゆがみなど,継続使用に支障があるような変化があってはな
らない。
その後,JIS C 8201-7-1の8.3.3.3によって引張試験を行う。
8.5
熱的特性の検証
JIS C 8201-7-1の8.5を適用する。
8.6
電磁両立性の立証
JIS C 8201-7-1の8.6を適用する。
13
C 8201-7-2:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(規定)
レール形状ごとの短時間耐電流値及びPENブスバーの熱定格電流値
表A.1−レール形状ごとの短時間耐電流値及びPENブスバーの熱定格電流値
レール形状
材質
E-Cu
断面積
mm2
短時間耐電流
1s
kW
PEN銅バーの
熱定格電流値
A
トップハット形レール
JIS C 2812
15-5.5
鉄
10
1.2
−
銅a)
25
3
101
アルミニウムa)
16
1.92
76
トップハット形レール
JIS C 2812
35-7.5
鉄
16
1.92
−
銅a)
50
6
150
アルミニウムa)
35
4.2
125
トップハット形レール
JIS C 2812
35-15
鉄
50
6
−
銅a)
150
18
309
アルミニウムa)
95
11.4
232
G形レール
JIS C 2812
G32
鉄
35
4.2
−
銅a)
120
14.4
269
アルミニウムa)
70
8.4
192
注a) 銅又はアルミニウムの合金は,この表に適合する容量のものを保護導体端子台製造業者
が選定する。
14
C 8201-7-2:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS C 8201-7-2:2012 低圧開閉装置及び制御装置−第7-2部:補助装置−銅導体
用保護導体端子台
IEC 60947-7-2:2009 Low-voltage switchgear and controlgear−Part 7-2: Ancillary
equipment−Protective conductor terminal blocks for copper conductors
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及
びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
4.3.3 標準断
面積
この規格で適用す
る円形銅導体断面
積の公称値
4.3.3
JISとほぼ同じ
追加
IEC規格は,IEC導体断面積及びAWGで規
定しており,JIS C 3307及びJIS C 3316の導
体断面積と異なるものがある。
JISでは,使用者の要求からJIS C
3307及びJIS C 3316に規定する導
体断面積が必要であり,JIS C
8201-7-1の表2Aを追加した。
4.3.5 定格接
続容量
定格断面積におけ
る接続可能な導体
断面積の範囲
4.3.5
JISとほぼ同じ
追加
IEC規格は,IEC導体断面積及びAWGで規
定しており,JIS C 3307及びJIS C 3316の導
体断面積と異なるものがある。
JISでは,使用者の要求からJIS C
3307及びJIS C 3316で規定する導
体断面積が必要であり,これらを表
1Aとして追加した。
8.4.4 電圧降
下の検証
電圧降下の検証方
法を規定
8.4.4
JISとほぼ同じ
追加
IEC規格は,IEC導体断面積で規定しており,
JIS C 3307及びJIS C 3316の導体断面積と異
なるものがある。
JISでは,使用者の要求からJIS C
3307及びJIS C 3316に規定する導
体断面積が必要であり,JIS C
8201-7-1の表4Aを追加した。
8.4.5 温度上
昇試験
温度上昇の試験方
法を規定
8.4.5
JISとほぼ同じ
追加
IEC規格は,IEC導体断面積で規定しており,
JIS C 3307及びJIS C 3316の導体断面積と異
なるものがある。
JISでは,使用者の要求からJIS C
3307及びJIS C 3316で規定する導
体断面積が必要であり,JIS C
8201-7-1の表4Aを追加した。
8.4.6 短時間
耐電流試験
熱的衝撃に対する
耐力を検証する方
法
8.4.6
JISとほぼ同じ
追加
IEC規格は,使用電線について10 mm2
(AWG8)未満の場合,単線としている。我
が国で製造されている端子台は,ケーブルラ
グ対応タイプが多く,単線だけの使用はなじ
まない。
JISでは,使用者の要求から単線使
用を意図していないものに対して
は,端末処理したより線を使用でき
るよう併記した。
4
C
8
2
0
1
-7
-2
:
2
0
1
2
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
15
C 8201-7-2:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及
びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
8.4.7 ねじな
し端子台の
ためのエー
ジング試験
ねじなし端子台に
対するエージング
試験方法
8.4.7
JISとほぼ同じ
追加
IEC規格は,使用電線について10 mm2
(AWG8)未満の場合,単線としている。一
方,我が国で製造されている端子台は,接続
施工の実態から単線だけの使用はなじまな
い。
JISでは,より線の使用などを含め,
製造業者が接続形態を指定する場
合はそれに従うこととした。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60947-7-2:2009,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
4
C
8
2
0
1
-7
-2
:
2
0
1
2
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。