C 8154:2015
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 一般的要求事項 ················································································································ 5
5 一般的試験要求事項 ·········································································································· 5
6 分類······························································································································· 6
7 表示······························································································································· 6
8 端子······························································································································· 9
9 保護接地························································································································· 9
10 充電部との偶発的な接触 ·································································································· 9
11 耐湿性及び絶縁性 ·········································································································· 10
12 耐電圧 ························································································································· 10
13 故障状態 ······················································································································ 10
14 製造工程における適合試験 ······························································································ 10
15 構造 ···························································································································· 10
16 空間距離及び沿面距離 ···································································································· 10
17 ねじ,通電部及び接続部 ································································································· 11
18 耐熱性,耐火性及び耐トラッキング性 ··············································································· 11
19 耐食性 ························································································································· 11
20 照明器具設計のための情報 ······························································································ 11
21 熱管理 ························································································································· 11
22 光生物学的安全性 ·········································································································· 11
附属書A(規定)試験 ·········································································································· 12
附属書B(参考)LEDモジュールにおける分類の概要(制御装置の分類及び組込み方法による分類を
含む。)························································································································ 13
附属書C(参考)製造工程における適合試験 ············································································ 15
附属書D(参考)照明器具設計のための情報 ············································································ 16
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 19
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
照明工業会(JLMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を
改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で
ある。
これによって,JIS C 8154:2009は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
C 8154:2015
一般照明用LEDモジュール−安全仕様
LED modules for general lighting-Safety specifications
序文
この規格は,2008年に第1版として発行されたIEC 62031,Amendment 1(2012)及びAmendment 2(2014)
を基とし,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。ただし,追補(amendment)については,
編集し,一体とした。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,一般照明用として使用する,次のLEDモジュールの安全要求事項について規定する。
− 定電圧,定電流又は定電力で駆動する,制御装置の電源部を内蔵しないLEDモジュール
− 250 V以下の直流電源又は50 Hz及び/若しくは60 Hzの交流電源で使用する,制御装置の電源
部を内蔵するLEDモジュール
注記1 LEDモジュールと一体でない制御装置(附属書B参照)の安全要求事項は,JIS C 8147-2-13
に規定している。性能要求事項は,JIS C 8153に規定している。
注記2 口金を備えるLEDランプの内部にあるLEDモジュール部は,この規格の対象内であるが,
LEDランプそのものは,この規格の対象外である。
注記3 この規格の対象は,LED照明器具又はLEDランプ等に利用されることを想定したLEDモジ
ュールである。この規格の対象は,LED照明器具,LEDランプなどと組み合わせた状態で,
JIS C 8105規格群,JIS C 8156などに規定する安全要求事項を満足することを意図している。
注記4 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 62031:2008,LED modules for general lighting−Safety specifications,Amendment 1:2012及
びAmendment 2:2014(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 7550 ランプ及びランプシステムの光生物学的安全性
JIS C 8105-1 照明器具−第1部:安全性要求事項通則
2
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注記 対応国際規格:IEC 60598-1,Luminaires−Part 1: General requirements and tests(MOD)
JIS C 8121-2-2 ランプソケット類−第2-2部:プリント回路板ベースLEDモジュール用コネクタに
関する安全性要求事項
注記 対応国際規格:IEC 60838-2-2,Miscellaneous lampholders−Part 2-2: Particular requirements−
Connectors for LED-modules(IDT)
JIS C 8147-1 ランプ制御装置−第1部:通則及び安全性要求事項
注記 対応国際規格:IEC 61347-1:2007,Lamp controlgear−Part 1: General and safety requirements
(MOD)
JIS C 8147-2-13 ランプ制御装置−第2-13部:直流又は交流電源用LEDモジュール用制御装置の個
別要求事項
注記 対応国際規格:IEC 61347-2-13:2006,Lamp controlgear−Part 2-13: Particular requirements for d.c.
or a.c. supplied electronic controlgear for LED modules(MOD)
JIS Z 8113 照明用語
ISO 4046-4:2002,Paper, board, pulps and related terms−Vocabulary−Part 4: Paper and board grades and
converted products
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 8105-1,JIS C 8147-1,JIS C 8147-2-13及びJIS Z 8113に
よるほか,次による。
注記 LEDモジュール及び制御装置からなるシステムの概要を,附属書Bに示す。
3.1
LED(light emitting diode)
電流による励起でインコヒーレントな光を放射するpn接合をもつ固体デバイス(発光ダイオード)。
注記1 この定義は,外郭及び端子の有無にかかわらずに適用できる。
注記2 出力は,構造,材料及び励起電流に依存する。その光放射は,紫外,可視又は赤外の波長域
がある。
注記3 “LED”とは,LEDダイ(若しくはLEDチップ)又はLEDパッケージを含み,その技術を
代表する一般的な用語としても使用される。
注記4 “LED”という用語は,“LEDモジュールの光束”に代えて“LEDの光束”の例のように製
品の性能(光束,色度,寿命など)の報告には使用しないほうがよい。
3.1A
LEDパッケージ(LED package)
一つ以上のLEDダイを封じ込んだ独立した電子部品。電気的部品,光学的部品,機械的部品,熱的部品
及びそれらのインタフェース並びに制御装置を備える場合がある。
注記1 この部品は,制御部又は口金を備えていないため,商用電源などに直接接続しない。
注記2 LEDパッケージは,LEDモジュール又はLEDランプの一部で,独立した部品である。
3.2
LEDモジュール(LED module)
プリント配線板などの上に,LEDパッケージなどを実装した,口金を備えない光源。電気的部品,光学
的部品,機械的部品,熱的部品及びそれらのインタフェース並びに制御装置を備える場合がある。
3
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注記1 LEDモジュールは,制御装置の内蔵状態に応じて,次の3種類に分類できる。
− 制御装置内蔵形LEDモジュール(LEDi module,タイプ1)
− 制御装置一部内蔵形LEDモジュール(LEDsi module,タイプ2)
− 制御装置非内蔵形LEDモジュール(LEDni module,タイプ3)
注記2 LEDモジュールは,通常,ランプ又は照明器具の一部分をなす。
注記3 口金付きのLED光源は,その光源部がLEDモジュールであった場合も,LEDランプと呼ば
れる。口金は,通常,JIS C 7709規格群で規定されている。
3.3
制御装置内蔵形LEDモジュール(LEDi module, integrated LED-module)
商用電源に直接接続し,光源を安定に動作させる制御装置及び付加部品を一体化したLEDモジュール。
注記 制御装置内蔵形LEDモジュールを表す“LEDi module”の“i”は,“integrated”の頭文字であ
る(図B.1参照)。
3.3A
制御装置一部内蔵形LEDモジュール(LEDsi module, semi-integrated LED-module)
点灯のための制御装置の制御部は備えているが,電源部分が分離されているLEDモジュール。
注記 制御装置一部内蔵形LEDモジュールを表す“LEDsi module”の“si”は,“semi-integrated”に
おける“semi”と“integrated”との頭文字である(図B.1参照)。
3.3B
制御装置非内蔵形LEDモジュール(LEDni module, non-integrated LED-module)
点灯するために別置きの制御装置を必要とするLEDモジュール。
注記 制御装置非内蔵形LEDモジュールを表す“LEDni module”の“ni”は,“non-integrated”におけ
る“non”と“integrated”との頭文字である(図B.1参照)。
3.4
器具一体形LEDモジュール(integral LED module)
容易に取外しができないように照明器具と一体化していて,照明器具から分離取外しができないLEDモ
ジュール。
3.5
制御装置内蔵形の器具一体形LEDモジュール(integral integrated LED-module)
制御装置を内蔵している器具一体形LEDモジュール。
3.6
器具組込み形LEDモジュール(built-in LED module)
じんあい,固形物及び水気の侵入に対する特別な保護手段がなく,照明器具,箱,照明器具の外郭など
の内部に組み込んで利用するための,交換可能なLEDモジュール。
注記 器具組込み形LEDモジュールを使用する場合,照明器具の外郭などによって安全を確保するこ
とを前提としている。
3.7
制御装置内蔵形の器具組込み形LEDモジュール(built-in integrated LED-module)
制御装置を内蔵している器具組込み形LEDモジュール。
3.8
独立形LEDモジュール(independent LED module)
4
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照明器具,箱,照明器具の外郭などとは別に配置することができるLEDモジュール。
注記1 独立形LEDモジュールは,その安全階級及び表示に応じた保護機能を備えている。
注記2 独立形LEDモジュールの一例としては,モジュール部及び照明器具部が光ファイバーを介し
て接続されたシステムがある。
3.9
制御装置内蔵形の独立形LEDモジュール(independent integrated LED-module)
制御装置を内蔵している器具独立形LEDモジュール。
3.10
定格最高許容温度(LEDモジュールの),tc(rated maximum temperature)
通常動作条件で,定格入力状態又は最大入力状態における,LEDモジュールの外表面又は位置の指定が
ある場合にはその位置での,安全上の最高許容温度。入力とは,電流,電圧又は電力を指す。
3.11
熱伝達温度,td(heat transfer temperature)
通常動作条件で,定格入力状態又は最大入力状態において照明器具のランプソケット又はその他の部位
に放熱することを意図している,LEDモジュールの代表的部分の温度。
代表的部分とは,モジュールとの間に挿入されている伝熱シート,ペースト又は指定の位置を指す。入
力とは,電流,電圧又は電力を指す。
注記 指定する位置で測定された温度は,照明器具への放熱に関する情報となる。例えば,熱的設計
が不適切なLEDモジュ−ルでは,照明器具に熱を伝達する適切な熱経路が確保されず,モジュ
ールのtcが高温に達しても,熱インタフェース部のtdが低温のままである状態が想定される。
3.12
照明器具への熱流量,Pd(heat output to the luminaire)
定格最高許容温度tcを維持するために必要な照明器具への熱流量。
注記1 Pdは,LEDモジュールの定格電力よりも小さな値である。
注記2 tcを維持するために照明器具に熱伝導する必要のないLEDモジュールのPdの値は,0である。
注記3 照明器具への熱流量は,ワット(W)で表す[ワット(W)は,ジュール毎秒(J/s)である。]。
3.13
単位可視放射(光束)当たりの有害紫外放射
目及び皮膚に対する有害な紫外放射を,対応する測光量としての光束で除した値。
注記1 単位可視放射(光束)当たりの有害紫外放射は,ミリワット毎キロルーメン(mW/klm)で
表す。
注記2 有害紫外放射は,ランプ又はLEDモジュールの分光放射パワーに,JIS C 7550に規定する紫
外放射傷害作用関数SUV(λ)に重み付けして求められる。この値は,人体の紫外放射露光だけ
に関するものであって,光放射の影響による,物体の機械的損傷,退色などの可能性に関す
るものではない。
注記3 この用語は,JIS C 7550の5.1(目及び皮膚に対する紫外放射傷害の実効放射照度及び露光許
容時間)と対応するものである。また,紫外放射には,これ以外に,JIS C 7550の5.2(目に
対する近紫外放射傷害の放射照度及び露光許容時間)に関するものがある。
5
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4
一般的要求事項
4.1
LEDモジュールは,通常の使用において,人体及び周囲に対し,危険がなく動作するように設計し,
製造しなければならない。
4.2
制御装置非内蔵形LEDモジュール及び制御装置一部内蔵形LEDモジュール(以下,両者いずれも
“制御装置の電源部を内蔵しないLEDモジュール”という。)について,それぞれの項目ごとに,この規
格に規定する条件で試験を実施しなければならない。
全ての電気的特性は,特にこの規格に規定がない場合,製造業者又は責任ある販売業者(以下,製造業
者等という。)が指定する電圧限界(最大・最小),電流限界(最大・最小)又は電力限界(最大・最小),
及び下限の周波数で,製造業者等が許容する温度範囲で直接風の当たらない場所で,試験を実施しなけれ
ばならない。特に,製造業者等が最も厳しい組合せを指定していない場合には,電気的な特性(電圧,電
流又は電力)と温度の最大及び最小との,全ての組合せで試験を実施しなければならない。
4.2A 電気特性以外の特性(例えば,光生物学的安全性等)は,特に規定がない場合,製造業者等が指定
する最も厳しい組合せの条件で,試験を実施しなければならない。
4.3
制御装置内蔵形LEDモジュールの電気的測定は,表示された供給電圧の許容限界値で行う。
4.4
器具一体形LEDモジュールは,JIS C 8105-1の0.5(照明器具の構成部品)に規定する照明器具の一
体化構成部品として扱う。器具一体形LEDモジュールは,照明器具に組み合わせた状態で当該の照明器具
に関する規格を適用して試験する。
注記 器具一体形LEDモジュールは,通常,外郭をもたない。
4.5
独立形LEDモジュールは,この規格の規定事項に加えてIPコードによる保護等級及び表示に関す
る要求事項を含めてJIS C 8105-1の関連する項目に従う。
注記 器具組込み形LEDモジュールの場合は,照明器具に組み込んだ状態を想定して,その照明器具
についてJIS C 8105-1の該当する要求事項を満足することが望ましい。その試験方法について
は,照明器具の製造業者等が必要に応じ,LEDモジュールの製造業者等と協議することが望ま
しい。
4.6
LEDモジュールが出荷時に密閉されたユニットの場合,全ての試験を密閉した状態又は製造業者等
が指定する密閉した状態と同等の環境で行う。LEDモジュールの試験結果及び回路図に記載された事項に
疑義が生じた場合は,製造業者等の合意の下で,故障状態の模擬試験ができるような特別なLEDモジュー
ルを用いる。
5
一般的試験要求事項
5.1
この規格による試験は,形式試験とする。
注記 この規格の試験要求事項及び許容差は,その目的のために製造業者等が用意した形式試験の試
料に関するものである。形式試験に用いた試料による確認結果は,全ての製品を保証するもの
ではない。製品の適合性は製造業者等の責任であり,形式試験のほかに,定期的な試験又は品
質保証が必要になる場合もある。
5.2
特に規定又は指定がない場合は,試験は10 ℃〜30 ℃の任意の周囲温度で行う。
5.3
形式試験は,特に指定がない場合,形式試験の目的のために提出された一つの試料で実施する。
一般に全ての試験は,LEDモジュールの各形式ごとについて行う。一群の類似形式のLEDモジュール
がある場合には定格電力ごとに,又は製造業者等と合意して選んだ群の中で,代表的なLEDモジュールに
ついて行ってよい。
6
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5.4
試験中に,光出力に明らかな変化があった場合,そのLEDモジュールはその後の試験には用いない。
注記 一般に,LEDモジュールの光出力に50 %以上の変化が生じた場合は故障したものと考える。
5.5
SELV用に設計した制御装置の電源部を内蔵するLEDモジュールには,JIS C 8147-2-13の附属書I
(直流又は交流電源用LEDモジュール用SELV制御装置の個別追加要求事項)の要求事項も併せて適用す
る。試験の一般的条件は,附属書Aによる。
注記 SELV用に設計した制御装置の電源部を内蔵しないLEDモジュールは,クラス0 照明器具,ク
ラス0I 照明器具,クラスI 照明器具及びクラスII 照明器具と組み合わせて利用した場合,感
電に対する安全性の確保が不十分になることがあるため注意が必要である。例えば,クラス0
照明器具に,制御装置を内蔵しないSELV用LEDモジュールを組み合わせた場合,安全性が確
保できない。これらに関する詳細な情報は,JIS C 8105-1の1.2.21,1.2.21A,1.2.22,1.2.23,
2.2などに規定されている。
6
分類
LEDモジュールは,組込み方法によって,次のように分類する。
a) 器具組込み形
b) 独立形
c) 器具一体形
7
表示
器具組込み形LEDモジュール及び独立形LEDモジュールにおける表示内容及び表示場所は,7.1及び表
1Aを満足しなければならない。また,器具一体形LEDモジュールにおける表示内容及び表示場所は,7.1
及び表1Bによる。
7.1
表示内容
表示内容は,次による。
a) 商標,製造業者名又は責任を負う販売業者若しくは供給者の名前
b) 製造業者の形番
c) 入力の電源に関する情報
入力の電源に関する情報は,次のいずれかとする。
1) 安定した電圧を要求するLEDモジュールの場合,定格電源電圧及び電源周波数,又はその範囲。
2) 安定した電流を要求するLEDモジュールの場合,定格電源電流及び電源周波数,又はその範囲。
3) 商用電源に接続するLEDモジュールの場合,定格電源電圧(複数の電圧がある場合は,それぞれの
電圧)又は電圧範囲,及び電源周波数。
注記1 我が国では,一般に,商用電源に接続する場合,定格電源電圧に定格入力電圧が,電圧
範囲に入力電圧範囲が,電源周波数に定格周波数が用いられている。
d) 公称電力
注記2 我が国では,一般に,公称電力に定格電力が用いられている。
e) 安全性を確保するために必要な場合,給電の接続の位置及び目的を明示する。電線を接続する場合,
結線図で明示しなければならない。
f) tcの値。さらに,制御装置の電源部を内蔵しないLEDモジュールのtcの値が,そのLEDモジュール
の特定の位置に関係する場合,tcの測定位置を,本体又は製造業者の印刷物で指定しなければならな
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い。
g) 光生物学的安全性に関する表示。光生物学的安全性に関する表示項目は,次による。
1) 目及び皮膚に対する紫外放射傷害のリスクグループ
22.1のa) に規定する,JIS C 7550の5.1(目及び皮膚に対する紫外放射傷害の実効放射照度及び露
光許容時間)のリスクグループ
2) 目に対する近紫外放射傷害のリスクグループ
22.1のb) に規定する,JIS C 7550の5.2(目に対する近紫外放射傷害の放射照度及び露光許容時間)
のリスクグループ
3) 青色光による網膜傷害のリスクグループ
22.2に規定する,JIS C 7550の5.3(青色光による網膜傷害の実効放射輝度及び露光許容時間)又は
5.4(小形光源の青色光による網膜傷害の実効放射照度及び露光許容時間)のリスクグループ
注記3 光生物学的安全性に関する表示とは,JIS C 7550の箇条5(リスク評価試験項目)につ
いて,該当する事項におけるリスクグループの分類(免除グループ,リスクグループ1,
リスクグループ2など)を記載することである。
注記4 光生物学的安全性に関する情報は,IEC/TR 62778に記載されている。
h) 器具組込み形LEDモジュールは,独立形LEDモジュールと区別するため図1の記号を表示しなけれ
ばならない。
図1−器具組込み形LEDモジュールの記号
i)
熱伝達温度tdの値。tdの表示は,制御装置の電源部を内蔵しないLEDモジュールが工具の使用なく脱
着できる機械的インタフェースをもち,かつ,照明器具への熱伝導による放熱を期待する場合に限る。
j)
照明器具への熱流量Pdの値。Pdの値が明確でない場合は,LEDモジュールの定格電力で代用しても
よい。
なお,表示は,制御装置を備えないLEDモジュールが工具の使用なく脱着できる機械的インタフ
ェースをもち,かつ,照明器具への熱伝導による放熱を期待する場合に限る。
k) 絶縁設計のために必要な動作電圧
7.2 表示場所
器具組込み形LEDモジュール及び独立形LEDモジュールにおける表示場所を,表1Aに示す。また,
器具一体形LEDモジュールにおける表示場所を,表1Bに示す。
8
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表1A−器具組込み形LEDモジュール及び独立形LEDモジュールにおける表示内容及び表示場所
項
表示内容
表示の場所
本体
包装
技術文書
(データシー
トを含む。)
a)
製造業者に関する情報
X
X
X
b)
製造業者の形番
X
X
X
c)
入力の電源に関する情報
(電圧,電流,電源周波数など)
X
X
X
d)
公称電力
−
−
X
e)
結線に関する情報(接続の位置など)
−
−
X
f)
定格最高許容温度,tcの値
X
X
X
定格最高許容温度,tcの測定位置
−
−
X a)
g)
光生物学的安全性に関する情報
−
−
X
h)
器具組込み形LEDモジュールの記号
−
X a)
X a)
i)
熱伝達温度,td
−
−
X a)
j)
照明器具への熱流量,Pd
−
−
X a)
k)
絶縁設計のために必要な動作電圧
−
−
−b)
“X”は,必ず表示しなければならないことを示す(必須)。
“−”は,任意であることを示す(任意選択。表示禁止を示すものではない。)。
制御装置内蔵形の器具組込み形LEDモジュールの表示は,7.1のa)〜c),f)及びg)の内容を記載し
なければならない。
制御装置非内蔵形及び制御装置一部内蔵形の器具組込み形LEDモジュールの表示は,a)〜j)の内
容を,記載しなければならない。
注a) 必要な場合に,表示することを示す。
b) k)の内容を記載することが望ましい。
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表1B−器具一体形LEDモジュールにおける表示内容及び表示場所
項
表示内容
表示の場所
本体
包装
技術文書
(データシー
トを含む。)
a)
製造業者に関する情報
−
−
X
b)
製造業者の形番
−
−
X
c)
入力の電源に関する情報
(電圧,電流,電源周波数など)
−
−
X
d)
公称電力
−
−
X
e)
結線に関する情報(接続の位置など)
−
−
X
f)
定格最高許容温度,tcの値
−
−
X
定格最高許容温度,tcの測定位置
−
−
X a)
g)
光生物学的安全性に関する情報
−
−
X
h)
器具組込み形LEDモジュールの記号
−
−
−
i)
熱伝達温度,td
−
−
−
j)
照明器具への熱流量,Pd
−
−
−
k)
絶縁設計のために必要な動作電圧
−
−
−b)
“X”は,必ず表示しなければならないことを示す(必須)。
“−”は,任意であることを示す(任意選択。表示禁止を示すものではない。)。
全ての器具一体形LEDモジュールの表示は,7.1のa)〜g) の内容を記載しなければならない。
注a) 必要な場合に,表示することを示す。
b) k)の内容を記載することが望ましい。
7.3
表示の耐久性及び判読性
本体における表示は,読みやすく耐久性がなければならない。表示は,水で湿らせた滑らかな布を手で
持ち,表示を除去するように表示場所周辺を15秒間軽くこすり,試験後に読めなければならない。適合性
の判定は目視による。
技術文書(データシートを含む。)における表示は,読みやすくなければならない。表示の適合性判定は,
目視によって判定する。ただし,LED照明器具と同等に使用する独立形LEDモジュールの表示は,JIS C
8105-1の3.4(表示に対する試験)による。
8
端子
ねじ端子は,JIS C 8105-1の第14章(ねじ締め式端子)による。
ねじなし端子は,JIS C 8105-1の第15章(ねじなし端子及び電気接続)による。
コネクタに該当するものは,JIS C 8121-2-2による。
9
保護接地
保護接地は,JIS C 8147-1の箇条9(保護接地)による。
10 充電部との偶発的な接触
充電部との偶発的な接触からの保護は,JIS C 8147-1の箇条10(充電部との偶発接触からの保護)によ
る。
10
C 8154:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
11 耐湿性及び絶縁性
耐湿性及び絶縁性は,JIS C 8147-1の箇条11(耐湿性及び絶縁性)による。
12 耐電圧
耐電圧は,JIS C 8147-1の箇条12(耐電圧)による。
13 故障状態
13.1 一般
LEDモジュールは,通常の使用中に予見可能な異常状態で動作しても安全を損なってはならない。要求
事項は,JIS C 8147-1の箇条14(故障状態)による。さらに,13.2の試験を実施する。
13.2 過入力状態
試験は,附属書Aに示す周囲温度で行い,次による。
a) 全てのLEDモジュールを実際に使用する状態にして通電し,入力側で電気的特性を監視する。
b) LEDモジュールの電力を定格値の150 %に達するまで,電圧又は電流を増加させる。電力を定格値の
150 %まで増加させることができない場合は,電圧又は電流を定格値の150 %に達するまで増加させる。
c) LEDモジュールが熱的安定状態に達するまで試験を継続する。LEDモジュールの温度が1時間当たり
1 K以上変化しないときは,安定状態に達したとみなす。
d) 温度は,tc指定点で測定する。
LEDモジュールは,この過入力状態で15分間以上耐えなければならない。試験中の温度の変化が1 K
以下の場合,その時間は安定状態の時間に含めてよい。
LEDモジュールに電力を制限する保護装置又は保護回路がある場合,この制限された電力の上限値で15
分の試験を行う。
保護装置又は保護回路が試験中に電力を効果的に制限する場合,4.1及びこの細分箇条を満足するため,
LEDモジュールは試験に合格したものと判断する。
過入力状態試験の終了後は,熱的に安定するまで通常状態で動作させる。
炎,煙又は可燃性のガスを発生せず,かつ,過入力状態に15分間耐えたとき,LEDモジュールは安全
を損なう欠陥がないとみなす。構成した材料が溶融したときの危険性については,LEDモジュールの下に
広げたISO 4046-4の4.187に規定する薄葉紙が発火しないことによって判定する。
14 製造工程における適合試験
製造工程における適合試験を,附属書Cに示す。
15 構造
樹脂などで含浸する場合を除き,木,綿,絹,紙及び同様な繊維質材料は,絶縁物として使用してはな
らない。合否は,目視によって判定する。
16 空間距離及び沿面距離
空間距離及び沿面距離は,手の触れるおそれのない部分(可触部でない部分)において,JIS C 8147-1
の箇条16(沿面距離及び空間距離)による。
LEDモジュールの外郭における,充電部からの絶縁距離は,JIS C 8105-1の第11章(沿面距離及び空間
11
C 8154:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
距離)による。
注記 器具組込み形LEDモジュールの外郭における,充電部からの空間距離及び沿面距離は,照明器
具に組み込んだ状態で,JIS C 8105-1の第11章に適合することが望ましい。
17 ねじ,通電部及び接続部
ねじ,通電部及び接続部は,JIS C 8147-1の箇条17(ねじ,通電部及び接続部)による。
18 耐熱性,耐火性及び耐トラッキング性
耐熱性,耐火性及び耐トラッキング性は,JIS C 8147-1の箇条18(耐熱性,耐火性及び耐トラッキング
性)による。
19 耐食性
耐食性は,JIS C 8147-1の箇条19(耐食性)による。
20 照明器具設計のための情報
照明器具設計のための情報を,附属書Dに示す。
21 熱管理
(対応国際規格では,この箇条において,熱管理に関する記載があるが,検討段階の参考情報だけが記
されているため,不採用とした。)
22 光生物学的安全性
22.1 紫外放射
紫外放射は,次による。
a) 目及び皮膚に対する紫外放射
目及び皮膚に対する紫外放射は,500 lx当たり1 mW/m2を超えてはならない。
試験は,JIS C 7550の箇条6(試験方法)で実施する。
注記 目及び皮膚に対する紫外放射において,500 lx当たり1 mW/m2以下及び対応国際規格に規
定されている光束 1 000 lm当たり2 mW以下である場合は,JIS C 7550に規定する“免除
グループ”に分類される。
b) 目に対する近紫外放射
目に対する近紫外放射のリスクグループは,JIS C 7550によって判定する。
22.2 青色光傷害
青色光傷害のリスクグループは,JIS C 7550によって判定する。
注記 IEC/TR 62778のC.2には,分光分布測定をせずに,LEDモジュールのリスクグル−プのクラ
ス分け(リスクグループ評価)をするための条件が記載してある。
22.3 赤外放射
LEDモジュールの赤外放射は,安全性評価を表示しなければならないレベルに達しないので,測定は不
要である。
12
C 8154:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(規定)
試験
試験は,JIS C 8147-1のH.1(周囲温度及び試験室),H.2(入力電圧及び周波数),H.4(磁気の影響),
H.7(計器の特性)及びH.11.2(接点及びリード線の電気抵抗)による。
なお,H.1.3では最初の段落を適用しない。
JIS C 8105-1及びJIS C 8147-1を引用する,全ての箇条において,“ランプ”,“照明器具”,“ランプ制御
装置”又は“安定器”は,いずれも“LEDモジュール”と読み替える。
13
C 8154:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B
(参考)
LEDモジュールにおける分類の概要(制御装置の分類及び組込み方法による分類を含む。)
( )内は,用語及び定義の箇条番号である。
図B.1−LEDモジュール及び制御装置によって構成されるシステムの概要
LED
LED
LED
制御装置(PS:電源部,CU:制御回路部)
制御装置内蔵形LEDモジュール(3.3)
制御装置一部内蔵形LEDモジュール(3.3A)
制御装置非内蔵形LEDモジュール(3.3B)
商
用
電
源
6
C
8
1
5
4
:
2
0
1
5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
14
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表B.1−LEDモジュールの分類(制御装置による構成/器具一体形,器具組込み形及び独立形による構成)
制御装置の内蔵形態による分類
照明器具への組込み形態による分類
器具一体形
LEDモジュール(3.4)
器具組込み形
LEDモジュール(3.6)
独立形
LEDモジュール(3.8)
制御装置内蔵形
LEDモジュール(3.3)
制御装置内蔵形の器具一体形
LEDモジュール(3.5)
制御装置内蔵形の器具組込み形
LEDモジュール(3.7)
制御装置内蔵形の独立形
LEDモジュール(3.9)
制御装置一部内蔵形
LEDモジュール(3.3A)
制御装置一部内蔵形の器具一体形
LEDモジュール
制御装置一部内蔵形の器具組込み形
LEDモジュール
制御装置一部内蔵形の独立形
LEDモジュール
制御装置非内蔵形
LEDモジュール(3.3B)
制御装置非内蔵形の器具一体形
LEDモジュール
制御装置非内蔵形の器具組込み形
LEDモジュール
制御装置非内蔵形の独立形
LEDモジュール
注記 この表のLEDモジュールのうちの9種類(3.3〜3.9)は,箇条3(用語及び定義)で定義している。
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C
8
1
5
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:
2
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書C
(参考)
製造工程における適合試験
製造工程における適合試験は,全てのLEDモジュールで実施する。
この試験は,定格電圧又は定格電流の条件下のLEDモジュールで,入力電力を測定して適合試験を評価
する。
LEDモジュールの光束は,同種のLEDモジュールと比べて極端に低いものがあってはならない。
注記 短絡などの安全性に関連する可能性のある内部損失がある場合,光束が極端に低下する。
独立形及び器具組込み形LEDモジュールは,極性の確認を除いて,JIS C 8105-1の附属書Q(製造工程
における適合試験)による。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書D
(参考)
照明器具設計のための情報
この附属書は,制御装置の電源部を内蔵しないLEDモジュールを照明器具に組み合わせるときに,必要
になると思われる照明器具への熱伝導の機構,照明器具設計に有用な情報及び光生物学的安全性(青色光
傷害の評価)についての情報を,照明器具設計者に提供することを目的としている。
過熱防止のための適切な放熱機構とは,制御装置の電源部を内蔵しないLEDモジュールの熱放熱部,電
気接続部及び機械的構造部の単体の構造,それぞれの部分の間におけるインタフェース及びLEDモジュー
ル外部の熱受容部とのインタフェースが適切に設計されているものである。
これらが適切に設計されていることを証明するため,照明器具の許容する周囲温度環境の最悪条件で,
制御装置の電源部を内蔵しないLEDモジュールを照明器具に組み合わせた状態で,そのLEDモジュール
の指定された位置における温度が定格最高許容温度tcよりも低く保たれていることを確認しておくことが
望ましい。
D.1 一般
D.2及びD.3は,次の制御装置非内蔵形の器具組込み形LEDモジュールに適用する。
なお,器具一体形LEDモジュール及び独立形LEDモジュールは,適用しない。
− 工具を使うか,又は工具を使わずに,取付け・取外しができる機械的インタフェースを備える。
− 照明器具との接続部以外に熱管理機構がなく,安全な動作を照明器具への熱伝導に依存するような,
制御装置の電源部を内蔵しない。
この附属書は,これらのLEDモジュールの熱的特性に関連した必要事項を扱う。
D.2 設計の自由度
温度測定(ta,tc,td,tj,tl)の位置及び熱抵抗Rth(LEDモジュール,照明器具及び周囲に対して)の場
所を機械的インタフェースによって照明器具に固定した,制御装置の電源部を内蔵しないLEDモジュール
の概略断面を図D.1に示す。
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C 8154:2015
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ta
JIS C 8105-1で規定する照明器具の定格最高周囲温度
tc
最高許容温度
td
熱伝達温度
tj
ジャンクション温度 (図だけの表示)
tl
LED照明器具の表面温度 (図だけの表示)
Rth, module
tc点とtd点との間の熱抵抗
Rth, luminaire
td点とtl点との間の熱抵抗
Rth, ambient
tl点と周囲との間の熱抵抗
図D.1−LED照明器具に機械的インタフェースによって固定されたLEDモジュールの概略断面
図D.1に示す熱抵抗を積算すると,次のようにシステムの熱抵抗Rth, systemになる。
Rth, module + Rth, luminaire + Rth, ambient = Rth, system
熱抵抗は,温度差及び熱流量から計算することができる。
例
Rth, system = (tc ‒ ta) / Pd
Rth, module = (tc ‒ td) / Pd
照明器具の設計自由度は,Rth, luminaireの合計 + Rth, ambient で与えられる。
これは次のように計算することができる。
Rth, luminaire + Rth, ambient = (td ‒ ta) / Pd
D.3 照明器具に組み合わせた状態での試験
制御装置の電源部を内蔵しないLEDモジュールのtcを維持するように照明器具を設計する場合に必要な
情報は,次による。
a) 制御装置の電源部を内蔵しないLEDモジュールの製造業者等によって提供されたtd及びPdの情報
b) LEDモジュールの形状
c) LEDモジュールの機械的インタフェース
d) 設計される照明器具のtaの表面特性の情報
ただし,照明器具を設計する場合,LEDモジュールの製造業者等から提供される情報だけでなく,照明
器具に組み合わせた状態での試験が追加で必要になる場合がある。
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C 8154:2015
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D.4 青色光傷害の評価
D.4.1 リスク免除グループ及びリスク1グループの制御装置の電源部を内蔵しないLEDモジュール
制御装置の電源部を内蔵しないLEDモジュールのJIS C 7550による青色光傷害の評価が,免除又はリ
スク1である場合は,このようなLEDモジュールを1個又は複数個組み込んだ照明器具の青色光傷害の評
価も,光学的部品及び使用距離にかかわらず,制御装置の電源部を内蔵しないLEDモジュールと同じにな
る。
照明器具に対して直接,JIS C 7550を適用することでLEDモジュールよりも低いリスクグループに分類
することは,照明器具の製造業者等の判断による。
参考文献
JIS C 7709(規格群) 電球類の口金・受金及びそれらのゲージ並びに互換性・安全性
JIS C 8153 LEDモジュール用制御装置−性能要求事項
JIS C 8156 一般照明用電球形LEDランプ(電源電圧50 V超)−安全仕様
IEC/TR 62778,Application of IEC 62471 for the assessment of blue light hazard to light sources and luminaires
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS C 8154:2015 一般照明用LEDモジュール−安全仕様
IEC 62031:2008,LED modules for general lighting−Safety specifications,
Amendment 1:2012及びAmendment 2:2014
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3用語及
び定義
用語全般
3.1〜
3.13
JISとほぼ同じ。
変更
IEC規格の内容[IEC 62504,
General lighting−Light emitting
diode (LED) products and related
equipment−Terms and definitions]
の定義等と整合化を図った。
LEDモジュールの
用語
−
−
追加
IEC規格にはない次の用語を
追加した。
3.1A
LEDパッケージ
3.3A
制御装置一部内蔵形LEDモジ
ュール
3.3B
制御装置非内蔵形LEDモジュ
ール
LED及びLEDモジュールの用語
を,IEC規格における最新の審議
内容に反映させ,その用語の説明
のために追加したものであり,規
格上における実質的な差異はな
い。
6
C
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1
5
4
:
2
0
1
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(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
4 一般的
要求事項
4.2A 制御装置非内
蔵形LEDモジュー
ル及び制御装置一
部内蔵形LEDモジ
ュールにおける一
般的要求事項
−
−
追加
対応国際規格には,電気特性に
対する要求事項が規定されて
いるが,電気特性以外の特性
(例えば,光生物学的安全性に
対する光学的特性等)への要求
事項を規定していない。
光学的特性等への要求事項と
して,以下を追加。
“電気特性以外の特性(例え
ば,光生物学的安全性等)は,
特に規定がない場合,製造業者
等が指定する最も厳しい組合
せの条件で,試験を実施しなけ
ればならない。”
対応国際規格において,Amd.2で
光生物学的安全性が追加されてい
ることに対応させ,対応国際規格
にない光生物学的安全性の試験条
件に対する要求事項を追加した。
今後,IEC 62031の改正タイミング
において,我が国からこの内容を
提案し,対応国際規格へ反映させ
ることが必要な事項である。
4.6 LEDモジュール
が出荷時に密閉さ
れたユニットの場
合における要求事
項
4.6
JISとほぼ同じ。
追加
LEDモジュールが出荷時に密
閉されたユニットの場合の要
求事項として,“又は製造業者
等が指定する密閉した状態と
同等の環境”を追加した。
LEDモジュールが出荷時に密閉さ
れたユニットの場合における,試
験環境条件を,より明確にしたも
のである。技術的差異はない。
6 分類
c) 器具一体形LED
モジュール
6
照明器具の安全規格IEC
60598-1の用語である“照
明器具”の注記を引用し,
規定としている。
削除
4.4の器具一体形LEDモジュー
ルの規定と同内容が定められ
ており,分類の項目に記載する
必要性がないと判断し,削除し
た。
対応国際規格では,ここで規定す
る内容が細分箇条4.4に重複規定
されているため削除した。実質的
な差異はない。
6
C
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1
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:
2
0
1
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(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
7 表示
7.1表示内容
c) 入力の電源に関
する情報
−
−
追加
商用電源に接続するLEDモジ
ュールについて,“3)商用電源
に接続するLEDモジュールの
場合,定格電源電圧(複数の電
圧がある場合は,それぞれの電
圧)又は電圧範囲,及び電源周
波数。”を追加した。
商用電源に接続するLEDモジュー
ルへの表示事項を明確にするため
に規定している事項である。
対応国際規格には,考慮されてい
ない事項であるが,この規格の適
用範囲となるLEDモジュールであ
るため,必要不可欠なものである
と判断した。
今後,IEC 62031の改正タイミング
において,我が国からこの内容を
提案し,対応国際規格へ反映させ
ることが必要な事項である。
7.1表示内容
g) 光生物学的安全
性に関する表示
7.1g)
JISとほぼ同じ。
追加
光生物学的安全性の紫外放射
における“目に対する近紫外放
射傷害のリスクグループ”を追
加した。
光生物学的安全性の紫外放射にお
けるリスクグループの表示におい
て,使用者(照明器具の事業者を
含む)の安全を確保するための追
加である。
対応国際規格には,考慮されてい
ない事項であるが,この規格に対
して必要不可欠なものであると判
断した。
今後,IEC 62031の改正タイミング
において,我が国からこの内容を
提案し,対応国際規格へ反映させ
ることが必要な事項である。
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(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
7 表示
(続き)
7.1表示内容
g) 光生物学的安全
性に関する表示
7.1g)
JISとほぼ同じ。
削除
光生物学的安全性の青色光傷
害において,“リスクグループ
が免除グループ又はリスクグ
ループ1の場合,そのリスクグ
ループの表示が不要である。”
を削除した。
光生物学的安全性の青色光傷害に
おけるリスクグループの表示にお
いて,使用者(照明器具及びその
事業者を含む)の安全を確保する
ためである。
今後,IEC 62031の改正タイミング
において,我が国からこの内容を
提案し,対応国際規格へ反映させ
ることが必要な事項である。
7.1表示内容
7.2表示場所
7.1
7.2
JISとほぼ同じ。
変更
表示項目及び表示内容を分か
りやすくするため,表形式の記
載方法を採用し規定した。表形
式で記載したものは,次のとお
り。
− 表1A(器具組込み形LED
モジュール及び独立形
LEDモジュールにおける
表示内容及び表示場所)
− 表1B(器具一体形LEDモ
ジュールにおける表示内
容及び表示場所)
規格として分かりやすく整理した
ものであり,技術的な差異はない。
7.3表示の耐久性及
び判読性
7.3
JISとほぼ同じ。
追加
独立形LEDモジュールの表示
に対する要求事項として,
“LED照明器具と同等に使用
する独立形LEDモジュールの
表示は,JIS C 8105-1の3.4(表
示に対する試験)による。”と
いう内容を記載し明確化した。
一般的要求事項における規定を補
足するものである。
規定する内容において,対応国際
規格との技術的差異はない。
6
C
8
1
5
4
:
2
0
1
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
13 故障状
態
13.2 過入力状態
13.2
JISとほぼ同じ。
変更
安定状態を判定する条件とし
て,対応国際規格が,“温度が
1時間当たり5 K以上変化しな
いとき”と規定するのに対し,
JISでは“温度が1時間当たり
1 K以上変化しないとき”と変
更した。
IEC規格で規定している5 Kでは,
熱容量の大きなLEDモジュールを
想定したとき熱的安定状態にある
といえない。測定精度も現状では1
Kの変化を把握可能である。
15 構造
繊維質材料は絶縁
物として使用して
はならない。
15
JISとほぼ同じ。
変更
樹脂などで含浸する場合を除
き,木,綿,絹,紙及び同様な
繊維質材料は,絶縁物として使
用してはならないと修正した。
JIS C 8147-1の箇条15(構造)で
は,“木,綿,絹,紙及び同様な繊
維質材料は,含浸していない場合,
絶縁物として用いてはならない。”
と規定しており,それに合わせた。
21 熱管理
21
交換可能な器具組込み形
LEDモジュールにおける
参考情報
削除
対応国際規格は,要求事項が規
定されておらず,参考情報だけ
が記されている。
JISにおいては,JIS Z 8301に
おける7.1(国際一致規格で許
される編集上の変更)により,
削除した。
対応国際規格の最新動向として,
熱管理の要求事項の開発(審議)
が進んでいる。
将来,対応国際規格にて,要求事
項が明確に規定された後,JISで規
定するものである。
22 光生物
学的安全
性
22.1紫外放射
22
−
追加
JIS C 7550と整合させるため,
以下を規定した。
“目及び皮膚に対する紫外放
射は,500 lx当たり1 mW/m2
を超えてはならない。”
“目に対する近紫外放射”に対
する要求事項
光生物学的安全性の紫外放射にお
いて,JIS C 7550と整合させるた
め,追加したものである。
対応国際規格では,1 000 lm当たり
1 mWを超えてはならないと規定
されている。
なお,JISで規定する,“500 lx当
たり1 mW/m2以下”及び,対応国
際規格に規定されている“1 000 lm
当たり2 mW以下”は,共に“免
除グループ”に分類されることを,
補足情報として,注記に記した。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
附属書A
(規定)
試験
JIS C 8105-1及び
JIS C 8147-1を引用
する際の補足情報
附属書A
−
追加
試験を実施するうえで,JIS C
8105-1及びJIS C 8147-1を引
用する際の補足情報として“全
ての箇条において,“ランプ”,
“照明器具”,“ランプ制御装
置”又は“安定器”は,いずれ
も“LEDモジュール”と読み
替える。”を追加した。
試験を実施するうえで,他の規格
を引用する場合に必要な補足情報
として追加したものである。技術
的差異はない。
附属書B
(参考)
LEDモジュールに
おける分類の概要
附属書B JISにほぼ同じ。
変更
制御装置の内蔵状態の違いに
着目して,LEDモジュールを
三つに分類する図に変更して
いる。さらに,照明器具との組
合せを含めた,この規定で想定
可能なモジュール9分類の一
覧表も追加している。
IEC規格における最新の審議内容
(IEC 62504)の定義等と整合化を
図るとともに,分かりやすく整理
したものである。
附属書D
(参考)
−
D.4.2
青色光傷害の評価につい
て,簡略化を許容する目
的で発行している
IEC/TR 62778に基づく
参考情報を記している。
削除
TR(技術文書)であるIEC/TR
62778を引用する参考情報だ
けが記されている。
JISにおいては,JIS Z 8301に
おける7.1(国際一致規格で許
される編集上の変更)により,
削除した。
現時点では,参考情報としてのTR
(技術文書)であるが,対応国際
規格として,全面的な内容の変更
検討が実施されており,我が国も
検討に積極的に参加している。
今後,このTR(技術文書)が正式
なIEC規格になれば,この規格に
も反映させることが望まれる事項
である。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:(IEC 62031:2008,Amd.1:2012,Amd.2:2014,MOD)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。