C 8109:2016
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 一般事項························································································································· 1
2 用語及び定義 ··················································································································· 2
3 一般的要求事項 ················································································································ 4
4 試験上の一般的注意事項 ···································································································· 5
5 定格······························································································································· 6
6 分類······························································································································· 6
7 表示······························································································································· 6
8 電気特性························································································································· 8
9 磁気影響························································································································· 8
10 加熱 ····························································································································· 8
11 耐久性 ························································································································· 10
12 保護等級 ······················································································································ 12
13 直列コンデンサへの電圧 ································································································· 12
14 耐湿性 ························································································································· 13
15 絶縁抵抗及び耐電圧 ······································································································· 13
16 構造 ···························································································································· 14
17 導体の接続 ··················································································································· 15
18 接地手段 ······················································································································ 16
19 ねじ,通電部及び接続 ···································································································· 16
20 沿面距離及び空間距離 ···································································································· 17
21 絶縁材料 ······················································································································ 17
22 耐食性 ························································································································· 18
22A 出力巻線を接地する変圧器の保護回路 ············································································· 18
附属書A(規定)配線規定に関する情報 ·················································································· 21
附属書B(規定)口出し線付きの変圧器··················································································· 22
附属書C(規定)受渡試験に関する指針 ·················································································· 25
附属書D(規定)日本及び北米が用いるシステム ······································································ 26
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 27
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まえがき
この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本
工業規格である。これによって,JIS C 8109:1999は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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ネオン変圧器
Luminous-tube transformers
序文
この規格は,1991年に第1版として発行されたIEC 61050及びAmendment 1(1994)を基とし,我が国
の配電事情及び関連法規を考慮して,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。ただし,追補
(amendment)については,編集し,一体とした。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
一般事項
1.1
適用範囲
この規格は,50 Hz又は60 Hzで1 000 V以下の交流電源で用い,1 000 Vを超え,15 000 V以下の定格
無負荷出力電圧を管形冷陰極放電ランプに供給し,安定させる入出力巻線が分離された独立形又は機器組
込形の単相変圧器(以下,変圧器という。)について規定する。これらの変圧器は,照明用,電気広告灯用,
灯光信号機用又はこれらと同様の目的の機器に用いる。
変圧器の安全性を確実にするため,性能を検査する必要がある。これらの変圧器に用いるランプの特性
は,標準化されているので,製造業者が特にランプを指定しない場合,JIS C 7615に規定するランプで試
験を行う。
船舶,車両,爆発が起きる可能性がある危険な場所などの特別な状況が優先される場合,特別な組立が
必要である。
この規格は,低圧及び高圧のナトリウム灯,高圧の水銀灯,ハロゲンランプ,キセノンランプ,熱陰極
管形蛍光灯,コピー機用特殊ランプなどのランプ用又は管用の変圧器には適用しない。
この規格は,単巻変圧器及び電子式変換装置には適用しない。
この規格は,適用範囲に含まれない写真用ランプの変圧器のような,適用範囲の範ちゅうにその特性が
含まれ,他のJIS又はIEC規格の対象になっていない変圧器に対する指針としても,役立つものである。
変圧器にコンデンサを内蔵する場合,コンデンサはJIS C 4908に適合しなければならない。
注記1 その他の制限は,各国の国内規格又は配線規定で決められている。
この規格の試験は,形式試験である。受渡試験に関する指針は,附属書Cの規定による。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 61050:1991,Transformers for tubular discharge lamps having a no-load output voltage
exceeding 1 000 V (generally called neon-transformers) .General and safety requirements及び
Amendment 1:1994(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
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ことを示す。
1.2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 0920 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
注記 対応国際規格:IEC 60529:1989,Degrees of protection provided by enclosures (IP Code)
JIS C 2134 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
注記 対応国際規格:IEC 60112:1979,Method for determining the comparative and the proof tracking
indices of solid insulating materials under moist conditions
JIS C 3315 口出用ゴム絶縁電線
JIS C 4908 電気機器用コンデンサ
注記 対応国際規格:IEC 61048:1991,Capacitors for use in tubular fluorescent and other discharge lamp
circuits. General and safety requirements
JIS C 7615 ネオン管
JIS C 8105-1 照明器具−第1部:安全性要求事項通則
注記 対応国際規格:IEC 60598-1:1986,Luminaires−Part 1: General requirements and tests及び
Amendment 1:1988
JIS C 8147-2-10 ランプ制御装置−第2-10部:管形冷陰極放電ランプ(ネオン管)の高周波動作用電
子インバータ及び変換器の個別要求事項
JIS C 60068-2-75 環境試験方法−電気・電子−第2-75部:ハンマ試験
注記 対応国際規格では,IEC 60817:1984を引用しているが,既に廃版であるため,この規格では,
JIS C 60068-2-75を引用した。
JIS C 60695-2-11 耐火性試験−電気・電子−第2-11部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法−最
終製品に対するグローワイヤ燃焼性指数(GWEPT)
注記 対応国際規格では,IEC 60695-2-1:1980を引用しているが,既に廃版であるため,この規格
では,JIS C 60695-2-11を引用した。
IEC 60417,Graphical symbols for use on equipment
2
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。特に規定しない限り,実効値(r.m.s.値)を適用する。
2.1
定格値(rated values)
製造業者が変圧器銘板に明記する,変圧器を設計した値(電圧,電流など)。
2.2
短絡電流(short-circuit current)
入力端子間に定格周波数の定格供給電圧を加え,出力端子間を短絡したときの出力端子間の電流。
注記 製造業者が指定する短絡電流は,定格二次短絡電流という。
2.3
独立形変圧器(independent transformer)
何らかの外郭を付加することなく,照明器具の外部に個別に装着できる1個又はそれ以上の独立したユ
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ニットからなる変圧器。独立形変圧器に必要な表示及び保護を施した適切な外郭内に機器組込形変圧器を
設置して構成してもよい。
2.4
機器組込形変圧器(built-in transformer)
照明器具,箱,外郭又はこれらに類似するものに組み込まれるためだけに設計した1個又は複数の独立
したユニットからなる変圧器。
2.5
耐短絡変圧器(short-circuit proof transformer)
過負荷又は短絡時に温度上昇が規定限度を超えず,かつ,過負荷又は短絡が解消した後も作動可能な変
圧器。
2.6
本質的耐短絡変圧器(inherently short-circuit proof transformer)
短絡保護装置をもたない耐短絡変圧器。
2.7
管形冷陰極放電ランプ(tubular cold cathode discharge lamp)
電子放出材料で被覆した陰極をもち,起動段階で外部熱源なしで電界放出によって電子を放出する放電
管。これらのランプは,低圧力充塡剤である希ガス(又はその混合)と多くの場合,水銀蒸気とが充塡さ
れている。また,内部を蛍光材料で被膜されているものも含む。
2.8
無負荷出力電圧(no-load output voltage)
出力回路が無負荷で,定格周波数の定格供給電圧に接続した変圧器出力巻線の端子間の最高電圧。
注記 製造業者が指定する無負荷出力電圧は,定格無負荷出力電圧という。
2.9
通常負荷等価抵抗(normal load equivalent resistance)
入力巻線に定格周波数の定格供給電圧を加えたとき,出力巻線に定格出力電流(In)を流すために変圧
器出力端子に接続する無誘導抵抗(中性点接地変圧器の場合は,図1参照)。
通常作動状態では,定格周波数の定格供給電圧(Un)において,“I1=I2=In”になるように調整したときの,R1+R2。
異常作動状態では,定格周波数の106 % Unにおいて,次の両方の条件を個別に適用する。
a) R1及びR2の短絡
b) R1又はR2の短絡によって,より高い短絡電流が流れる方の短絡。短絡していない方の抵抗は,出力巻線(二次巻
線)に対応する部品の通常負荷等価抵抗となる。
図1−通常負荷等価抵抗(例 中性点接地変圧器)
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2.10
実効負荷(effective load)
入力巻線に定格周波数の定格供給電圧を加えたとき,出力巻線に定格出力電流を流すために変圧器出力
端子に接続する放電ランプ。
2.11
高力率変圧器(high power factor transformer)
定格周波数の定格供給電圧を実効負荷に接続したとき,総合力率が0.85以上の変圧器。
2.12
定格最高周囲温度,ta(rated maximum ambient temperature, symbol ta)
製造業者が設定した,通常作動状態における当該変圧器の最高許容周囲温度。
2.13
定格最高作動温度(コンデンサケース),tc(rated maximum operating temperature, symbol tc)
通常作動状態における部品のいかなる外部表面で発生してもよい最高許容温度。
注記 少量であっても,コンデンサの内部損失は表面温度が周囲温度より高くなることにつながるの
で,そのための余裕が必要である。温度の差は,ケースの性質によって異なる。
2.14
定格最高作動温度(巻線),tw(rated maximum operating temperature, symbol tw)
変圧器の5年継続作動が可能な,製造業者が設定した最高巻線温度。
2.15
定格温度上昇(巻線),Δt(rated temperature rise, symbol Δt)
加熱試験(箇条10参照)の条件下で,製造業者が設定する巻線の温度上昇。
2.16
動作電圧(working voltage)
変圧器に定格電圧を供給したときの,過渡現象を無視した開路状態又はランプ作動状態で絶縁にかかる
最高実効電圧。
2.17
分離可能部品(detachable part)
工具,貨幣などを用いずに,手だけによって分離可能な部品。
2.18
形式試験(type test)
関連する仕様要求事項に該当する製品の設計が適合しているかどうかを判定するために形式試験試料に
実施する試験又は一連の試験。
2.19
形式試験試料(type test sample)
形式試験用に製造業者又は責任ある販売業者が提出した1個又はそれ以上のユニットを含む試料。
3
一般的要求事項
変圧器は,通常の使用状態において,使用者又はその周囲に危険をもたらさないように設計及び組み立
てられていなければならない。変圧器に組み込まれているコンデンサ及び他の部品は,該当するJISの要
求事項に適合しなければならない。
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変圧器,その他の素子の適否は,通常,規定した全ての試験を実施して判定する。加えて,独立形変圧
器の外郭は,分類及び表示規定も含めてJIS C 8105-1に適合しなければならない。
4
試験上の一般的注意事項
4.1
この規格における試験は,形式試験である。
注記 この要求事項が許容している条件及び許容値は,目的別の形式試験試料(以下,試料という。)
に対する試験方法に関連している。この安全基準での試料の適合性結果は,当該試料の製造業
者の全製品の適合を確認するものではない。製品をこの安全基準に適合させることは,製造業
者の責務であり,形式試験に加えて受渡試験及び品質保証を行うことが望ましい。
4.2
特に規定しない限り,試験は,この規格の記載順に実施する。
4.3
特に規定しない限り,試験の間,試料は通常の使用状態の位置に取り付け,周囲温度は20 ℃〜27 ℃
とする。
4.4
形式試験用に,次のユニット数を用意する。
− 温度表示がない変圧器:1ユニット
− 温度表示がある変圧器:8ユニット(7ユニットは箇条11の耐久試験用であり,残りの1ユニットが
その他の試験用である。)
− 独立形変圧器の16.5の試験用:3ユニット
一般的に,変圧器タイプごとに全試験を実施する。類似した一定範囲の変圧器である場合には,製造業
者が同意したその範囲の変圧器を代表するものに対して試験を実施する。箇条11の耐久試験用の試料数は,
異なる特性をもつが同じ形状の変圧器を同時に試験する場合,又は製造業者若しくは試験機関による試験
結果を他の試験機関が認める場合,削減するか又は省略してもよい。
変圧器の正確な作動を確実にするために,必要がある場合,直列コンデンサを組み込むか又は取り付け
る。
4.5
箇条11の試験では,11.3の要求事項に7ユニット中6ユニットが適合した場合,試験結果は適合と
みなす。3ユニット以上が不適合となる場合,結果は不適合とみなす。
不適合数が2ユニットの場合,更に7ユニットに対して再試験を行い,この再試験において7ユニット
全てが適合した場合に限り,試験結果は適合とみなす。
4.6
複数の定格供給電圧,定格供給電圧範囲及び/又は複数の定格周波数をもつ変圧器の場合,最も不
利な供給電圧及び/又は周波数で各試験を実施する。
4.7
供給電圧及び周波数
供給電圧及び周波数は,次による。
a) 安定した供給電圧及び周波数 多くの試験の場合,供給電圧及び周波数は±0.5 %の一定範囲で維持す
る。ただし,実際の測定中は,電圧は規定した試験値の±0.2 %の範囲に調整する。
変圧器温度は供給電圧に依存するため,安定した電源を用いる。調整後,再設定した電圧で変圧器
が最終温度に達するまで十分な時間を確保する。
周波数変動の影響を受ける主電源には,特殊な対策が必要である。インダクタンスの電流は,主電
源の周波数変動に対応して変動する。低い周波数は,変圧器の電流を増加させ,温度の上昇につなが
る。±0.5 %の周波数変動は,許容範囲内である。
長期間にわたる試験(例 耐久試験)の場合,それぞれ規定値の変動は,電圧は±2 %,及び周波
数は±1 %とする。
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b) 供給電圧の波形 供給電圧の高調波は,3 %以内とする。高調波は,基本電圧を100 %とした個々の調
波の実効値の合計とする。
用いる電源のインピーダンスは,変圧器のインピーダンスよりも低いものとする。測定中に発生す
る条件下であっても,この要求事項を満たすように注意する。
5
定格
5.1
定格無負荷出力電圧(V)の推奨値は,次による。
1 250,1 600,2 000,2 500,3 150,4 000,5 000,6 300,8 000,10 000,12 000,15 000
5.2
定格出力電流(mA)又は定格二次短絡電流(mA)の推奨値は,次による。
10,12.5,16,20,25,31.5,40,50
推奨値以外も許容するが,定格二次短絡電流は,50 mAを超えてはならない。
注記 対応国際規格(注記を含む。)には,Rシリーズに関する記載があるが,この規格では削除した。
6
分類
6.1
変圧器は,設置方法によって次のように分類する。
a) 独立形変圧器
b) 機器組込形変圧器
6.2
変圧器が出力巻線を接地する場合には,次のように分類する。
a) 1個の接地端子をもつ変圧器
b) 2個の接地端子をもつ変圧器(1個は変圧器本体の接地用,残りの1個は巻線の接地用で地絡保護装置
を経由して接地する。)
7
表示
7.1
必須表示
特に規定のない限り,変圧器の表面の見えやすい箇所に,容易に消えない方法で次の事項を表示しなけ
ればならない。
a) 商標,製造業者名,又は責任ある販売業者名による出所表示
b) 製造業者のモデル番号又は形式名
c) 定格供給電圧又は電圧範囲
d) 定格入力電流(A)又は定格入力(VA)
e) 定格供給周波数
f)
定格無負荷出力電圧。定格無負荷出力電圧の表示は,次による。
− 出力巻線を接地端子に接続しない変圧器の場合:...kV(例 4 kV)
− 出力巻線の一端を接地端子に接続する変圧器の場合:E-...kV(例 E-4 kV)
− 出力巻線の中性点を接地端子に接続する変圧器の場合:...-E-...kV(例 3-E-3 kV)
g) 定格出力電流及び定格二次短絡電流。それぞれを(mA)又は(A)で表示し,斜線で区切る(例 30/40
mAは,定格出力電流が30 mAで定格二次短絡電流が40 mAであることを意味する。)。ただし,短絡
状態においても箇条10に規定する通常作動の試験に適合する場合は,定格出力電流を表示しなくても
よい。
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7.2
該当する場合に表示する事項
該当する場合,変圧器の表面の見えやすい箇所に,容易に消えない方法で次の事項を表示しなければな
らない。
a) 巻線が定格最高作動温度twをもつ変圧器には,変圧器上にその数値を5 ℃ごとの数値で,記号twの
後に表示する。
b) twの表示がある変圧器で,製造業者の選択によって箇条11による標準耐久試験を60日間実施(耐久
試験D6)したものには,tw表示のすぐ後に,識別記号“(D6)”を表示する。
30日間実施する標準耐久試験(耐久試験D3)の場合は,識別記号を表示する必要はない。
c) 定格最高周囲温度の許容上限温度が25 ℃以外の変圧器には,その数値を5 ℃ごとの数値で記号taの
後に表示する。
d) 変圧器の的確な作動を確保するために必要な交換可能なコンデンサをもつ場合には,定格電圧,定格
静電容量,定格作動温度及び試験電圧を表示する。
e) 力率改善コンデンサに接続している追加の端子をもつ変圧器には,静電容量及び力率数値と関連する
回路を示す配線図を表示する。
f)
独立形変圧器の場合には,次の記号を表示する。
g) 独立形変圧器の場合には,IEC 60417に従って,“危険電圧”の記号5036(2002-10)を表示する。
h) 他の要求事項によって更に記号を必要とする場合には,関連性がある限りIEC 60417及びその補足規
定集に従う。
i)
接地端子をもつ場合,IEC 60417の記号5019(2006-08)の図記号を表示する。
この図記号は,ねじなどの容易に取り外すことができる部品に表示してはならない。ただし,2個
の接地端子をもつ変圧器の場合,地絡保護装置に接続する方の接地端子にはこの図記号の代わりに
“E”の記号を表示しなければならない。
j)
機器組込形変圧器の場合には,機械器具に組み込む場合以外には用いることができない旨を表示する。
k) 屋内だけで用いることを意図した変圧器の場合には,屋内用の旨を表示する。
7.3
その他の情報
変圧器に表示することが可能な場合,次に示すように表示してもよい。
a) 巻線の定格温度上昇を,5 ℃ごとの数値で“Δt”の記号の後に表示する。
b) 高力率変圧器のものは,変圧器の表面の見えやすい箇所に,“高力率”と表示する。
7.4
独立形変圧器の場合には,“危険電圧”の記号,出所表示,製造業者のモデル番号又は形式名,及び
該当する場合には保護等級コードを,工具なしでは取り外すことができない(分離可能部品ではない)変
圧器の外郭となる外部表面に表示しなければならない。
その他の表示は,外郭を開けるか又は取り外したときに目視できる箇所に表示してもよい。
7.4A 機器組込形変圧器の場合には,7.1に規定する表示のうち,定格供給周波数及び定格二次短絡電流,
並びに機械器具に組み込む場合以外には用いることができない旨について,包装容器の表面に,容易に消
えない方法で表示してもよい。
7.5
7.1〜7.4Aへの適否は,目視検査によって確認する。
7.6
表示は,耐久性があって判読可能でなければならない。
適否は,目視検査及び水に浸した布片を用いて15秒間,更に,石油系溶剤に浸した布片を用いて15秒
間,表示を手でこすって確認する。
8
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この試験後,表示は判読可能でなければならない。
注記 この石油系溶剤は,芳香族分の最大容積分率が0.1 %,カウリブタノール価が29,初期沸点が
約65 ℃,蒸発温度が69 ℃及び密度が約0.68 g/cm3からなる溶剤ヘキサンが望ましい。
8
電気特性
8.1
出力巻線が複数ある場合も含み,定格無負荷出力電圧と定格出力電流との積又は積の和が2 500 VA
を超えてはならない。
8.2
変圧器を定格周波数の定格供給電圧に接続し,変圧器の制御装置のタップ入力巻線が最高電圧に設
定してあるとき,無負荷出力電圧は,定格無負荷出力電圧の110 %又は関連する定格範囲の上限値を超え
てはならない。
適否は,測定によって判定する。
8.3
変圧器を定格周波数の定格供給電圧に接続しているとき,短絡電流は,表1に規定する最高温度を
超えない値とする。
適否は,測定によって判定する。
8.4
変圧器を定格周波数の定格供給電圧に接続しているときの短絡電流は,定格二次短絡電流の+5 %又
は2 mAの大きい方を超えてはならない。
適否は,測定によって判定する。
9
磁気影響
通常使用で,変圧器は過度の磁気漏れを起こしてはならない。
適否は,定格周波数の定格供給電圧における通常負荷に相当する入力電流を測定し,更に,500 mm×500
mm×1.5 mmの鋼鉄板を変圧器の支持表面の下で変圧器より20 mm離した位置に設置した後に測定を繰り
返して判定する。入力電流は,このような条件で5 %を超えて変化してはならない。
10 加熱
10.1 試験実施前に,周囲温度25 ℃で各巻線の抵抗値を測定する。
10.2 試験は,10.5の要求事項に従って実施し,変圧器が安定状態に達した後に,温度は表1に規定する
通常作動状態及び異常作動状態における最高温度を超えてはならない。
表1は,独立形及び機器組込形変圧器に適用する。
注記 安定状態とは,測定した温度が1時間で1 Kを超える上昇が認められない場合,又はそれぞれ
の状態での作動が7時間を経過した場合と考える。
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表1−最高温度
測定箇所
最高温度a)
℃
通常作動
異常作動
100 % Un
106 % Un
D3の場合
D6の場合
巻線
− 温度表示がない変圧器
105
170
170
− 温度表示がある変圧器
tw
b)
b)
tw
100
172
159
105
179
166
110
187
173
115
194
180
120
201
187
125
208
193
130
216
200
独立形変圧器ケース
85
135
コンデンサ外郭
− 温度表示なし
50
60
− 定格最高作動温度tc表示あり
tc
tc+10
端子の外部配線
85
該当なし
ゴム又はポリ塩化ビニル絶縁線及びコード
85
該当なし
(絶縁体が機械的ストレスを受けない場合。)
その他の線及びコード
c)
c)
注a) 変圧器を定格最高周囲温度で作動したとき,変圧器は,この表の最高温度を超えてはならない。
b) 異常作動の温度は,耐久試験D3又はD6によって変圧器が到達した最高温度を適用する。
c) 試験後に,絶縁体は変圧器の安定した作動に支障を来すような顕著な損傷があってはならない。
10.3 作動状態
機器組込形変圧器及び定格出力電流を指定している独立形変圧器の通常作動とは,変圧器がその通常負
荷(2.10参照)に接続してある状態を指す。定格出力電流の1 %を四捨五入で丸めたミリアンペアの値又
は1 mAのいずれか大きい方の許容値を,出力電流の測定値に適用する。
定格出力電流を指定しない独立形変圧器の通常作動,及び全ての変圧器の異常作動とは,次の条件のう
ち,最も過酷な状態を指す。
a) ランプ,又はランプが複数の場合はそのうちの1個(又は同等な通常負荷)が挿入されていない。
b) 変圧器の全ての出力巻線が短絡されている。
c) 二組以上の出力巻線をもつ変圧器の場合,一組が短絡しており,その他の巻線が通常負荷に接続され
ている。
d) 出力巻線の中性点を金属外郭に接続する変圧器の場合,より大きな短絡電流の巻線部分を短絡する。
他の巻線部分は通常負荷に接続する。この試験は,地絡保護をもつ変圧器には適用しない。
10.4 加熱試験後に変圧器が室温まで冷却された後も,表示は判読可能でなければならない。
10.5 変圧器は最初に安定状態が得られるまで,定格周波数の定格供給電圧の通常作動で試験し,その後,
巻線の温度を測定する。その後,定格供給電圧の1.06倍の異常作動で試験を繰り返す。
試験は,図2に示すように,風の当たらない区域で変圧器を2個の木製ブロックで支えて実施する。
木製ブロックは,高さ75 mm,幅10 mm,及び長さは変圧器の幅と同じか又は長いものとする。ブロッ
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クは,変圧器の端がブロックの外側角(ブロックの高さ及び幅の寸法許容差は±1.0 mmとする。)に合う
ように設置することが望ましい。
取付方法が,取扱説明書などで指示してある場合には,その方法に従う。
変圧器が2ユニット以上で構成されている場合,各ユニットを各ブロックで試験する。変圧器ケースに
含有されていない限り,コンデンサは風の当たらない区域に設置しない。
巻線の温度は可能であれば,次の式(1)を用いた抵抗法で測定し,他の全ての測定は熱電対又は同様の方
式で測定する。
(
)
5.
234
5.
234
1
1
2
2
−
+
=
t
R
R
t
····························································· (1)
ここに,
t1: 初期温度(℃)
t2: 最終温度(℃)
R1: 温度t1における抵抗値
R2: 温度t2における抵抗値
この式(1)は,銅巻線だけに適用する。アルミ巻線用は,上記の数値234.5を229に代える。
周囲温度は,変圧器から150 mm離れた場所で,変圧器高さの半分の位置で測定する。
どの試験でも,混合物又はワニスが漏れ出てはならない。漏れ落ちないような,少量の漏れは除外する。
単位 mm
図2−加熱試験の木製ブロック及び変圧器の配置
11 耐久性
11.0A この試験は,定格最高作動温度(tw)の表示がある変圧器だけに適用する。
11.1 この試験は,事前に試験をしておらず,かつ,試験後新たな試験に用いない,新規の7台の変圧器
に対して実施する。
試験前に,定格周波数の定格供給電圧において,変圧器の最高無負荷出力電圧を測定する。
11
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11.2 変圧器の巻線は,定格最高作動温度の数値を決定する11.4に規定する耐熱試験に耐えなければなら
ない。
温度条件は,目標試験期間が,製造業者の選択によって30日間又は60日間になるように調整する。表
示がない場合の目標試験期間は,30日間とする[7.2 b)参照]。
11.3 変圧器が室温に戻った後,次の要求事項を満たさなければならない。
a) 定格周波数の定格供給電圧において,変圧器の最高無負荷出力電圧は11.1で測定した数値の5 %以内
でなければならない。
b) 15.2のb)〜d)に従って測定した絶縁抵抗は,1 MΩ以上でなければならない。
c) 変圧器は,15.3に規定する耐電圧試験をb)に規定する同様の部分に実施し,これに耐えなければなら
ない。試験電圧は,入力側の定格電圧の2倍の数値,及び出力巻線と金属外郭とを接続する変圧器の
出力側の動作電圧の1.1倍とする。
出力巻線と金属外郭とを接続する変圧器は,15.4の誘導試験の方法に従って耐電圧試験を実施する。
ただし,試験電圧は,定格供給電圧の1.1倍とする。
11.4 この細分箇条に規定する耐熱試験中,7台の変圧器は恒温槽内に設置し,回路には定格供給電圧を加
える。
これらの変圧器には,通常使用と同様の電気的機能をもつものを用いる。試験の対象とならないコンデ
ンサ,部品又はその他附属品は,回路から切り離し,恒温槽外で再度接続する。巻線の作動状態に影響を
及ぼさない場合は,その他の部品は取り外してもよい。
注記1 試験の対象とならないコンデンサ,部品又はその他附属品を切り離す必要がある変圧器の場
合,製造業者は変圧器からこれらの部品を切り離し,必要な接続を取り外してある特別仕様
の変圧器を提供することが望ましい。
通常作動状態を確保するため,通常,変圧器は通常負荷(2.9参照)で試験する。通常負荷等価抵抗は,
常に恒温槽外に設置する。
その後,恒温槽用サーモスタットは,恒温槽内温度が各変圧器の最も高い巻線温度が表2の試験温度と
おおむね同じになるように調整する。
表2−試験温度
単位 ℃
定格最高作動温度tw
耐熱試験の理論的試験温度
30日間
60日間
100
165
152
105
172
159
110
179
165
115
186
172
120
193
178
125
200
185
130
207
192
目標試験期間が60日間であることを示す“D6”の表示がない変圧器の目標試験期間は,30日間とする。
7時間後に,実際の巻線温度を抵抗法によって決定し,必要がある場合,恒温槽内のサーモスタットを
目標試験温度にできる限り近づけるために再調整する。それ以後は,サーモスタットが恒温槽内温度を正
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確に±2 ℃に維持していることを確認するために,1日1回恒温槽内温度を測定する。
24時間後に,巻線温度を再度測定し,式(2)を用いて変圧器の最終試験期間を決定する。試験を実施して
いる変圧器の最も熱い巻線の実際の目標温度と理論値との許容差は,目標試験期間の3分の2以上,2倍
未満とする。
この24時間後の測定からは,巻線温度を一定に保つ操作をしない。周囲温度だけは,恒温調整によって
安定化してもよい。
各変圧器の試験期間は,変圧器を電源に接続したときを開始点とする。
試験の終了時,該当する変圧器は電源から切り離す。ただし,他の全ての変圧器の試験が終了するまで
は恒温槽から取り出さない。
注記2 表2の理論的試験温度は,定格最高作動温度twにおいて5年間の継続運転に相当する。
この箇条では,最終試験期間を,次の式(2)を用いて算出する。
−
+
=
w
0
1
1
500
4
log
log
T
T
L
L
······················································ (2)
ここに,
L: 最終試験期間(日数)
L0: 1 826日(5年間)
T: 理論的試験温度 (t+273) (K)
Tw: 定格最高作動温度 (tw+273) (K)
なお,定数4 500は,経験値である。
12 保護等級
12.1 独立形変圧器は,JIS C 0920に規定されたIP20以上の保護等級を備え,どのような充電部であって
も,次によってだけ触れることができるように設計しなければならない。
− 鍵又は工具の使用
− 保護外郭を開けることで作動するインタロックスイッチによって,電源から切り離した後
ラッカー,エナメル,塗装,及び紙,綿又はこれらと類似の材料による内張りは,充電部への接触に対
して必要な保護をもつとみなさない。
なお,出力巻線に接続している場合であっても,金属外郭は,充電部とみなさない(16.2参照)。
屋外で用いる変圧器は,JIS C 0920に規定されたIPX3以上の水の浸入に対する保護等級を備えなけれ
ばならない。
12.2 適否は,変圧器の保護等級コードの表示に対応しているJIS C 8105-1の第9章(じんあい,固形物
及び水気の侵入に対する保護)の試験によって判定する。
外郭内の充電部への接触及び固体異質物質の侵入に対する保護等級2の判定には,想定される全ての位
置に,JIS C 0920の付図1(関節付きテストフィンガ)に示すテストフィンガを,必要な場合,10 Nの力
で加圧して試験する。
液体浸入に対する保護等級の判定には,通常使用と同じように変圧器に外部配線を取り付け,ねじ込み
グランドがある場合には,2.5 N・mのトルクで締め付ける。
13 直列コンデンサへの電圧
13.1 直列コンデンサをもつ変圧器は,一次巻線に温度過昇防止装置又は同様の装置を接続しなければな
らない。変圧器は,1個又は複数のコンデンサを短絡し,異常作動の試験を実施する。
13
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温度過昇防止装置は,表1の最高巻線温度に達する前に作動しなければならない。
13.2 コンデンサには,放電抵抗器を付けなければならない(JIS C 4908参照)。
13.3 通常作動において,変圧器を定格供給電圧で試験する場合,直列コンデンサにかかる電圧は,コン
デンサの定格電圧を超えてはならない。
適否は,測定によって判定する。
13.4 10.3に規定する異常作動において,各コンデンサにかかる電圧は,試験電圧[7.2 d) 参照]を超え
てはならない。ただし,試験電圧を表示していない場合の試験電圧は,コンデンサの定格電圧の1.3倍と
する。
適否は,10.2の試験によって判定する。
14 耐湿性
通常使用で想定される湿度に対して,変圧器は防湿でなければならない。
適否は,次の試験によって判定する(箇条15も参照)。
変圧器は,相対湿度を91 %〜95 %の間に維持した試験箱の中で48時間調整する。変圧器を設置した箱
内の空気温度は,20 ℃〜30 ℃の間で選択した任意の温度tを±1 ℃に維持する。
試験箱の中で調整する前に,変圧器の温度は,t ℃〜(t+4) ℃の間に設定する。
変圧器は,製造業者の指示がある場合は,その指示に従って,取り付ける。
ケーブル引込口をもつ場合は,開放状態にする。ノックアウトをもつ場合は,そのうち1個を開放する。
上記の調整後,絶縁試験前に,目視できる水滴は吸取り紙によって除去する。
15 絶縁抵抗及び耐電圧
15.1 変圧器の絶縁抵抗及び耐電圧は,適切なものでなければならない。
適否は,15.2及び15.3の試験によって判定する。さらに,出力巻線と金属外郭とを接続する変圧器は,
15.4の試験によって判定する。これらの試験は,箇条14の試験直後に,取り外した部品を再度取り付け
て,変圧器温度を指定温度にした箇条14の試験箱又は部屋の中で行う。露出面は,表面の水分を布で拭き
取る。
非金属外郭の変圧器は,外部表面を金属はくで覆う。
15.2 絶縁抵抗は,約500 Vの直流電圧で,電圧印加して1分後に測定する。
絶縁抵抗は,次の全ての箇所を続けて測定する。
a) 分離可能な異なる極性の充電部間
b) 電気的に入力巻線に接続する充電部と,絶縁材料の外部部品を包む金属はくを含む金属外郭との間
c) 出力巻線と金属外郭とを絶縁する場合,電気的に出力巻線に接続する充電部と金属外郭との間
d) 箇条20の規定に適合するために必要な絶縁内張りがある場合は,金属外郭とその内張りの内面と接す
る金属はくとの間
絶縁抵抗は,2 MΩ以上でなければならない。
15.3 耐電圧試験
周波数50 Hz又は60 Hzで,実質的に正弦波である試験電圧を15.2に規定する箇所に1分間印加する。
試験電圧は,次による。
− 全ての変圧器に対しては,出力巻線と金属外郭とを接続して,入力側に定格供給電圧の2倍に1 000 V
を加えた電圧を印加する。
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− 出力巻線と金属外郭とを絶縁する変圧器に対しては,入力巻線と外部金属部品とを接続して,出力側
に定格無負荷出力電圧の2倍を印加する。ただし,定格無負荷出力電圧が5 kVを超えるものは,定格
無負荷出力電圧の1.5倍,又は10 kVのいずれか高い値とする。
試験開始時は,上記に規定する電圧の半分以下を印加する。その後,急速に規定電圧まで上昇させる。
試験中に,フラッシュオーバ又は絶縁破壊が起きてはならない。
電圧の降下がみられないグロー放電は無視する。
15.4 誘導試験
誘導試験は,15.3の試験終了直後に実施する。この試験は,出力巻線のターン部分と本体との間の絶縁
を確認するために行う。
無負荷状態の変圧器を,可能な限り正弦波の交流電圧に1分間接続する。一次電圧を,定格供給電圧の
150 %まで上昇させる。周波数は,定格周波数の約2倍とする。
試験中に,フラッシュオーバ又は絶縁破壊が起きてはならない。
16 構造
16.1 変圧器は,本質的耐短絡変圧器でなければならない。
16.2 変圧器の金属外郭は,接地端子に接続しなければならない。出力巻線を接地するものは,次のいず
れかに接続する。
− 上記の接地端子。ただし,地絡保護装置を内蔵するものに限る。
− 2番目の接地端子
いずれの場合も,端子には,僅かな抵抗の取外し可能なリンクで接続しなければならない。
注記 対応国際規格の注記は,我が国には該当しないため,削除した。
出力巻線の中性点は,接地端子に接続しなければならない。ただし,無負荷出力が5 000 Vを超えない
場合,出力巻線の一端を接地してもよい。
16.3 16.1及び16.2の要求事項への適否は,8.2の許容値を考慮した測定によって判定する。
16.4 設定装置,手動スイッチ,漏電スイッチ,及び力率改善のための素子を変圧器に組み込む場合,こ
れらは入力回路に組み込まなければならない。
変圧器とコンデンサとが一体であり,変圧器を使用中に分離できない変圧器,及び定格電圧の電源から
切り離した1分後に出力回路の電圧が50 Vを超えないように適切な放電装置をもつ変圧器の場合には,力
率改善コンデンサを出力回路に直列に挿入してもよい。
適否は,目視検査及び測定によって判定する。
16.5 独立形変圧器は,十分な機械的強度,耐熱性及び耐火性をもつ外郭でなければならない。
16.5.1 機械的強度
機械的強度は,JIS C 60068-2-75に規定するスプリングハンマ試験装置によって試験する。
試験装置の衝撃力及びスプリング圧縮量は,次による。
− 衝撃エネルギー:0.70 J
− 圧縮量 :24 mm
非金属外郭の場合は,更に変圧器を24時間,−10 ℃で前処理した後,再度試験する。
16.5.2 耐熱性
劣化によって変圧器の安全性を損なう可能性のある非金属材料は,耐熱性をもたなければならない。金
属材料を用いる場合は,腐食に対して保護しなければならない(箇条22参照)。
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適否は,当該外郭及び他の絶縁材料の外部部分にJIS C 8105-1の13.2(耐熱性)に規定するボールプレ
ッシャ試験を実施して判定する。
16.5.3 耐火性
外部の接触可能な絶縁材料は,適切な耐火性をもたなければならない。
適否は,外郭及び外部の接触可能な部品に対して,21.2に規定するグローワイヤ試験を実施して判定す
る。
16.5.4 非金属外郭
非金属外郭をもつ独立形変圧器は,次の試験を実施する。
− 試験試料は,3台とする。
− 試験は,10サイクルとする。
− 変圧器の巻線温度は,抵抗法(10.5参照)によって測定する。
− 温度測定の許容差は,±2 Kとする。
次の試験条件を適用する。
a) 温度の安定化 巻線温度が1時間当たり2 K以内に安定したとき,安定温度に達したとみなす。
b) 試験サイクル
1) サイクル1 電源を供給しない状態で,変圧器を室温で安定させる(4.3参照)。
変圧器を,異常作動状態(10.3〜10.5参照)で安定温度に達するまで作動させる。ただし,サイ
クル時間は,8時間以上とする。
その後,電源を切り,変圧器を室温まで冷却する。
2) サイクル2〜サイクル10 変圧器を−25 ℃の安定温度に達するまで冷却する。
変圧器は,異常作動状態(10.3〜10.5参照)で安定温度に達するまで作動させる。ただし,サイ
クル時間は,8時間以上とする。
その後,電源を切り,変圧器を室温まで冷却する。これを9サイクル繰り返す。
10サイクル終了後,3台の試料は,全て保護等級,並びに箇条14及び箇条15の要求事項に適合しなけ
ればならない。
目視で確認できないひびは,許容する。
16.6 電源遮断用のインタロックスイッチをもつ場合には,次のように,更に必要な場合には12.1に従っ
て,設計しなければならない。
このスイッチの充電部は,突発的接触に対する有効な保護(カバーなど)をもたなければならない。こ
のような保護は,インタロックスイッチが“オフ”の状態で,カバーが開放されているとき,特別な附属
品(保守用の特殊工具など)の補助がない限り,“オン”の位置に移動してはならない。
適否は,目視検査によって判定する。
インタロックスイッチは,通常負荷等価抵抗で100回作動して,試験する。その後,開放位置で接点間
に周波数50 Hzの電圧2 000 Vを1分間印加する。
試験中に,フラッシュオーバ又は絶縁破壊が起きてはならない。
17 導体の接続
17.1 変圧器の入力巻線及び出力巻線は,ねじ,ナット,ねじなし端子などの効果的な手段で接続できる
端子,又は適切な可とうの口出し線をもたなければならない。
17.2 入力側の端子は,表3に規定する公称断面積をもつ導体を接続できなければならない。
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表3−導線の公称断面積
定格入力電流
A
公称断面積
mm2
10以下
1.5
10を超え
16以下
2.5
16を超える
4
17.3 ねじ端子は,JIS C 8105-1の第14章(ねじ締め式端子)の要求事項に適合しなければならない。
17.4 ねじなし端子は,JIS C 8105-1の第15章(ねじなし端子及び電気接続)の要求事項に適合しなけれ
ばならない。
17.5 口出し線付きの変圧器は,附属書Bの要求事項に適合しなければならない。
18 接地手段
18.1 独立形変圧器の鉄心及び金属外郭は,接地端子又は接地用口出し線に確実に接続していなければな
らない。
18.2 出力巻線を金属外郭に接続する機器組込形変圧器は,接地端子をもち,接地端子には出力巻線及び
金属外郭を接続しなければならない。
18.3 接地端子は,箇条17の要求事項に適合しなければならない。定格二次短絡電流が30 mAを超えるも
のは,直径2.6 mmの導体が接続できなければならない。定格二次短絡電流が30 mA以下のものは,直径
1.6 mmの導体が接続できなければならない。
18.4 電気的接続は,緩みがないように十分に固定し,工具なしで緩めることができてはならない。
ねじなしの端子については,クランプが意図せずに緩んではならない。変圧器を接地した金属に固定す
ることで変圧器の接地を行ってもよい。1個の接地端子をもつ変圧器の場合,その端子は変圧器の接地だ
けに用いなければならない。
18.5 接地端子の全部分は,接地導体との接続,又は接地導体と接続しているその他の金属との接続によ
って生じる電食の危険を最小限にしなければならない。
接地端子のねじ及びその他の部品は,黄銅,耐腐食性の金属を用いるか,又は表面を耐せい(錆)材料
で覆わなければならない。接触面の1面以上は,露出金属でなければならない。
18.6 18.1〜18.5の要求事項への適否は,目視検査及び次の試験によって判定する。外部接地端子及び使用
者が接続する内部接地端子は,箇条17の試験によって判定する。
無負荷電圧が12 V以下の電源によって,10 A以上の電流を接地用端子又は接地用口出し線と,各可触
金属部分及び鉄心との間に通電する。
接地用端子又は接地用口出し線と,各可触金属部分及び鉄心との間の電圧降下を測定し,その抵抗値を
電圧降下値及び電流値から計算する。抵抗値は,いかなる場合でも0.5 Ωを超えてはならない。
19 ねじ,通電部及び接続
19.1 ねじ,通電部及び機械的接続は,これらの故障によって変圧器の安全性を損なう可能性がある場合
には,通常使用で生じる機械的ストレスに耐えなければならない。
適否は,目視検査並びにJIS C 8105-1の4.11(電気的接続及び通電部)及び4.12(ねじ,機械的接続及
びグランド)の試験によって判定する。
17
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20 沿面距離及び空間距離
20.1 入力回路
変圧器の入力回路の沿面距離及び空間距離は,表4に規定する数値以上でなければならない。
表4−沿面距離及び空間距離
単位 mm
箇所
動作電圧
24 Vを超え
250 V以下
250 Vを超え
500 V以下
500 Vを超え
1 000 V以下
沿面距離
a) 異なる極性の充電部間
3
5
7
b) 充電部と,カバー固定器具又は変圧器を土台に固
定するねじを含む接触可能な金属部品との間
4
6
8
空間距離
c) 異なる極性の充電部間
3
5
7
d) 充電部と,カバー固定器具又は変圧器を土台に固
定するねじを含む接触可能な金属部品との間
4
6
8
e) 充電部と,取付面又はある場合は固定されていな
い金属カバーとの間[ただし,構造がd)の数値を
最悪の条件で維持することが確実でない場合]
6
10
14
20.2 出力回路
出力回路の異なる極性の充電部間,出力回路の充電部と他の金属部品との間,及び入力回路の充電部と
出力回路の充電部との間の沿面距離及び空間距離(mm)は,次の経験数式によって計算した値以上でな
ければならない。
− 最小沿面距離(d):8+4U
− 最小空間距離(c):6+3U
これらの数式では,Uは,考慮する部分に関連する動作電圧(kV)である。変圧器の定格無負荷出力電
圧でなくてもよい。
この要求事項は,完全密閉及びコンパウンド充塡の内部距離には適用しない。
適否は,目視検査及び測定によって判定する。
1 mm未満の幅の溝は,その溝幅を沿面距離に含める。1 mm未満の幅の隙間は,空間距離から除外する。
21 絶縁材料
21.1 耐トラッキング
IP保護等級がIP20未満の絶縁部品をもち,充電部をその位置に維持するか又は充電部と接続している
独立形変圧器,及び外部端子をその位置に維持する機器組込形変圧器の絶縁部品の材料は,粉じん及び湿
度に対して保護していない限り,耐トラッキング性がなければならない。
セラミック以外の材料の適否は,次の条件に従ってJIS C 2134の耐トラッキング試験によって判定する。
− 試料が15 mm×15 mm以上の平らな表面をもたない場合,試験中に試料から液体の水滴が落ちない場
合に限り,上記よりも小さい面積の平らな表面の試料で実施してもよい。ただし,水滴が表面に残る
ように作為的な手段を講じないほうがよい。疑義がある場合,規定面積において,同じ製造方法によ
って製造した同じ材料の別の1片で試験を実施してもよい。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
− 試料の厚さが3 mm未満の場合,同じ試料を2片,又は必要な場合はそれ以上の試料を重ね合わせ,3
mm以上の厚さを確保することが望ましい。
− 試験は,試料の3か所又は三つの試料に対して実施する。
− 電極は,プラチナ製で,JIS C 2134の7.3(測定溶液)に規定する溶液Aを用いる。
− 試料は,故障なしにPTI 175の試験電圧で50滴まで耐えなければならない。ただし,高電圧端子付近
に設置する部品の場合は,PTI 600に耐えなければならない。
− 0.5 A又はそれ以上の電流が2秒間試料表面の電極間の伝導路に流れ,結果的に過電流リレーが作動す
る場合,又は試料が過電流リレーを開放せずに燃えてしまう場合,故障が起きたとみなす。
− JIS C 2134の9.(浸食の測定)の浸食の測定は,適用しない。
− JIS C 2134の5.(試験片)に規定する,“特別な場合には,平らな表面を得るために試験片を研磨して
もよい。”は適用しない(試験片の表面は,研磨しない。)。
各試験開始前には,電極は清潔で的確な形状で正確に位置しているか確認する。
試験結果に疑義がある場合,試験を再度実施し,必要があれば新しい試料で実施する。
この試験は,巻線には適用しない。
21.2 巻線を除き,充電部を所定位置に支持する絶縁部品は,火炎及び着火に対して耐性がなければなら
ない。
適否は,次の試験によって判定する。ただし,セラミック材料を除く。
部品には,JIS C 60695-2-11の規定に従って,電気的に加熱したグローワイヤを650 ℃の温度で30秒間
適用する試験を実施する。燃焼滴下に対して効果的な防護をもつ変圧器の場合,燃焼滴下の影響の評価は
適用しない。
22 耐食性
腐食によって変圧器の安全性が劣化する可能性がある鉄製部品は,十分なさび止めを施さなければなら
ない。
適否は,次の試験によって判定する。
試験の対象になる部品のグリースを全て除去した後,温度20 ℃±5 ℃の,10 %塩化アンモニウム水溶
液に10分間浸す。
乾燥させずに,全ての水滴を取り払った後,部品を温度20 ℃±5 ℃で水蒸気で飽和した箱に10分間放
置する。
温度100 ℃±5 ℃の加熱槽で10分間部品を乾燥させた後,部品の表面はさびの発生の兆候を示しては
ならない。
鋭利な角にみられるさびの痕跡及び摩擦によって除去できる黄色の膜は無視してもよい。
鉄心の外部表面は,ワニスによる保護で十分であるとみなす。
22A 出力巻線を接地する変圧器の保護回路
22A.1 出力巻線を接地する変圧器は,22A.2,22A.3及び22A.4の要求事項に適合する保護回路をもたな
ければならない。
22A.2 変圧器は,出力回路に地絡が発生した場合,出力を停止する地絡保護をもたなければならない。こ
の地絡保護は,22A.6に適合しなければならない。
22A.3 変圧器が開路保護をもつ場合,出力回路において開路又はネオン管の破損があったとき,この開路
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C 8109:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
保護は,変圧器の出力を停止しなければならない。この開路保護は,22A.7に適合しなければならない。
22A.4 地絡又は開路によって変圧器の保護装置が作動した後で,主電源スイッチを遮断するまでの間,保
護装置は,そのままの状態を維持しなければならない。主電源スイッチを再びオンにした場合,保護装置
は,自動的に復帰しなければならない。復帰時に,まだ地絡又は開路が存在する場合は,保護回路が22A.6.3
又は22A.7.3に従って作動しなければならない。
注記 ある回路では,保護装置が復帰し続けないようにするために,特別な構成を必要とする場合が
ある。
22A.5 適否は,22A.6及び22A.7に従って,関連試験を実施することによって判定する。
22A.6 地絡保護
22A.6.1 地絡保護装置をもつ場合には,22A.6.2〜22A.6.4の要求事項に適合しなければならない。
22A.6.2 漏えい電流
漏えい電流は,JIS C 8147-2-10の附属書I(ネオン管用電子インバータ又は変換器の出力回路での電流
及び電圧測定)に従って測定する。
22A.6.3 偶発的な接触
高電圧回路と大地との間で偶発的に接触が発生した場合,地絡保護装置は,変圧器の出力を停止しなけ
ればならない。
22A.6.4 地絡保護装置
地絡保護装置は,次の要求事項に適合しなければならない。
a) 出力を停止するために,変圧器のケース内に取り付けるセンサの一部及び/又は保護スイッチを含む
保護装置は,製造業者が指定した温度範囲において正しく作動しなければならない。
b) 出力を停止するために,変圧器のケース内ではない位置に取り付けるセンサ及び/又は防護スイッチ
は,−25 ℃〜+65 ℃の温度範囲において正しく作動しなければならない。
c) 保護装置の定格電流は,保護する変圧器の定格出力電流未満であって,15 mA以下でなければならな
い。
注記 地絡中にセンサ回路を通って流れる実際の電流は,地絡経路のインピーダンス及び供給する
変圧器の出力特性によって決まる。保護装置の作動電流の大きさには左右されない。
d) 保護装置の定格電流における作動時間は,500 ms以下でなければならない。
22A.7 開路保護
22A.7.1 開路保護装置をもつ場合,その性能は,22A.7.2〜22A.7.4に適合しなければならない。
22A.7.2 開路電圧
開路電圧は,JIS C 8147-2-10の附属書Iに従って測定する。
22A.7.3 運転停止上限
運転停止上限を超えた場合,開路保護装置は,変圧器の出力を停止しなければならない。故障状態は,
出力回路に接続しているセンサ又は他の適切な手段によって検出しなければならない。
22A.7.4 開路保護装置
開路保護装置は,次の要求事項に適合しなければならない。
a) 出力を停止するために,変圧器のケース内に取り付けるセンサの一部及び/又は保護スイッチを含む
保護装置は,製造業者が指定した温度範囲において正しく作動しなければならない。
b) 出力を停止するために,変圧器のケース内ではない位置に取り付けるセンサ及び/又は保護スイッチ
は,−25 ℃〜+65 ℃の温度範囲において正しく作動しなければならない。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c) JIS C 8147-2-10のI.3.1(無負荷電圧の測定)に従って,開路状態で変圧器のスイッチをオンにした場
合,保護装置は,5秒以内に作動しなければならない。
d) JIS C 8147-2-10のI.3.1に従って,放電ランプ設備のスイッチをオンしたとき,開路が発生する場合,
保護装置は200 ms以内に作動しなければならない。次に,開路状態がまだ存続していた状態で,主電
源のスイッチを遮断してから再びオンした場合,保護装置は,5秒以内に作動しなければならない。
注記 ある回路では,保護装置が復帰し続けないようにするために,特別な構成を必要とする場合
がある。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(規定)
配線規定に関する情報
この附属書は,適用しない。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B
(規定)
口出し線付きの変圧器
B.0A 一般事項
電源供給コードをもつ変圧器に対しては,変圧器本体内で接続している導体がねじれを含む張力から緩
和されるように,かつ,導体の絶縁を摩耗から保護するように,コード止めを備えなければならない。
二次側のコードも,この附属書の電源供給コードに関する要求事項に適合しなければならない。
B.1
電源供給コードとは,次のいずれかの取付方法で変圧器に固定又は組み込まれた電源供給を目的と
した可とうケーブル又はコードを意味する。
− X形取付方法 可とうケーブル又はコードを,特殊な工具なしで容易に事前処理の必要がない可とう
ケーブル又はコードに取り替えることが可能な取付方法。
− M形取付方法 可とうケーブル又はコードを,特殊な工具なしで容易にモールドコードガード又はク
リンプ端子付きの特殊ケーブル又はコードに取り替えることが可能な取付方法。
− Y形取付方法 可とうケーブル又はコードを,通常,製造業者又は代理店だけが入手可能な特殊工具
だけによって取り替えることが可能な取付方法。Y形取付方法は,一般のケーブル若しくはコード又
は特殊なケーブル若しくはコードのいずれを用いてもよい。
− Z形取付方法 変圧器の部品を破壊しなければ,可とうケーブル又はコードを取り替えることが不可
能な取付方法。
B.2
X形取付方法では,電源供給コードとして用いるケーブル及びコードの全てのタイプ及びサイズに
適したクランプを備えていない場合は,携帯用変圧器のコード止めにはケーブルグランドを用いてはなら
ない。モールド設計による固定方法,及びケーブル又はコードを結び目又はひもでくくり付けるなどの固
定方法は認めない。電源供給コードの配線方法が明確である場合,ラビリンス(迷路)又は同様な手法は
認める。
X形取付方法でのコード止めは,次のとおり設計又は設置しなければならない。
− ケーブル又はコードの取替えが容易である。
− ねじれの防止及び張力の緩和方法が明瞭である。
− 単一タイプのケーブル又はコードだけを取り付けるように設計してある変圧器を除き,変圧器でのコ
ード止めは,接続する全てのタイプのケーブル又はコードに対応する。
− クランプねじを接触又は電気的に接触しやすい金属部品に接続している場合,ケーブル又はコードは,
コード止めのクランプねじに接触させない。
− コードを直接支持する金属ねじによって,コードを締め付けない。
− コード止めの1か所以上を確実に変圧器に固定する。
− ケーブル又はコードの取替えのために操作するねじがある場合,次に規定する場合を除き,他の部品
を固定するために用いない。
・ ねじを装着し忘れる又は誤って装着することで変圧器が作動不可能になるか,又は不完全であるこ
とが明確に分かる場合
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
・ ねじによって固定する部品がケーブル又はコード取替え中に工具なしで取り外すことができない場
合
− クラスI変圧器は,ケーブル又はコードの絶縁故障によって可触金属部品が充電部になる場合,絶縁
材料製とするか,又は絶縁内張りで保護する。
− クラスII変圧器は,絶縁材料製とするか,又はクラスII変圧器の付加絶縁の要求事項に適合する絶縁
によって可触金属部品から絶縁する。この絶縁は,B.3に規定する絶縁でもよい。
B.3
M形,Y形及びZ形の取付方法の電源供給コードの線心は,クラスI変圧器の場合は基礎絶縁の要
求事項,及びクラスII変圧器の場合は付加絶縁の要求事項に適合する絶縁によって,可触金属部品から絶
縁しなければならない。絶縁は,次のいずれかであってもよい。
− コード止めに固定する個別の絶縁バリア
− ケーブル又はコードに固定する特別な内張り
− クラスI変圧器に対しては,シース付きケーブル又はコードのシース部分
M形及びY形の取付方法のコード止めは,次のとおり設計しなければならない。
− 電源供給コードの取替えによって,この規格の規定に不適合にならない。
− コード止めのクランプねじが可触である,又は可触金属部品と電気的に接続している場合,ケーブル
又はコードはクランプねじに接触させない。
− 直接ケーブル又はコードを支持する金属ねじによって,ケーブル又はコードを締め付けない。
− コードの結び目をコード止めとして用いない。
− 電源供給コードの配線方法が明瞭である場合,ラビリンス(迷路)又はこれと同様な方法を用いても
よい。
− M形取付方法の場合は,張力緩和方法及びねじれ防止がどのように確保してあるかを明瞭にする。
B.4
適否は,目視検査及び次の試験によって判定する。
X形取付方法は,変圧器に適切な電源供給コードを装着する。導体は端子に接続し,端子ねじがある場
合は,導体の位置が容易に変わらないように十分に締め付ける。
コード止めは,通常どおり用いる。クランプねじは,箇条19に規定するトルク値の2/3で締め付ける。
単一タイプのケーブル又はコードだけを装着するよう設計してある変圧器を除き,試験は,最初に箇条
17に規定する最も軽い最小断面積のケーブル又はコードに対して実施し,その後,その次に重い最大断面
積のケーブル又はコードに対して実施する。
M形,Y形及びZ形の取付方法は,コードを指定箇所に装着して変圧器を試験する。
ケーブル又はコードは,ケーブル若しくはコード又は変圧器内の部品が損壊するほどには,変圧器の中
に押し込んではならない。
次に,ケーブル又はコードを表B.1に規定した引張力で25回引っ張る。引っ張りは,最も不利な位置で
急激に力を加えないようにして1秒間行う。
直後に,ケーブル又はコードに表B.1に規定したトルクを1分間加える。
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C 8109:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表B.1−電源供給コードへの引張力及びトルク
変圧器質量
kg
引張力
N
トルク
N・m
1以下
30
0.10
1を超え 4以下
60
0.25
4を超える
100
0.35
試験中,ケーブル又はコードが長さ方向に2 mmを超えて移動してはならない。導体も端子内で1 mm
を超えて移動してはならない。また,接続に張力が加わってはならない。
沿面距離及び空間距離は,箇条20で規定する数値を下回って減少してはならない。
試験開始前に引張力を加えるケーブル又はコードのコード止めから約20 mmの位置又は適切な箇所に
表示(マーク)を付けて,長さ方向の変位を測定する。
試験後,ケーブル又はコードに付けた表示(マーク)の変位は,ケーブル又はコードに引張力を再度加
えた状態で測定する。
B.4A 口出し線に用いる電線
口出し線に用いる電線は,次に適合しなければならない。
− 一次側の口出し線は,JIS C 3315に規定する口出用600 Vゴム絶縁電線又はこれと同等以上の絶縁性
能をもつものであって,断面積が2 mm2以上のものとする。
注記1 電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈(20130605商局第3号)の別表第一に適合す
る600 Vゴム絶縁電線は,同等以上の絶縁性能をもつとみなされている。
− 二次側の口出し線は,十分な絶縁性能をもつ次の定格をもつネオン電線で,長さ200 mm以上とする。
・ 定格無負荷電圧が7 500 V以下の場合には,定格7 500 V
・ 定格無負荷電圧が7 500 Vを超える場合には,定格15 000 V
注記2 電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈(20130605商局第3号)の別表第一に適合す
るネオン電線は,十分な絶縁性能をもつとみなされている。
− 一次側及び二次側の口出し線の導体は,より線とする。
− 接地用の口出し線は,緑と黄との配色によって識別するか,又は容易に消えない方法で接地用である
旨を表示し,かつ,次のいずれか又はこれらと同等以上でなければならない。
・ 直径が1.6 mmの軟銅線又はこれと同等以上の強さ及び太さをもつ容易に腐食し難い金属線
・ 断面積が1.25 mm2以上の単心コード又は単心キャブタイヤケーブル
・ 断面積が0.75 mm2以上の2心コードであって,その2本の導体を両端でより合わせ,かつ,ろう付
け又は圧着したもの
・ 断面積が0.75 mm2以上のより合わせコードを除く多心コード又は多心キャブタイヤケーブルの線
心の1心
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C 8109:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書C
(規定)
受渡試験に関する指針
C.0A 概要
IECの安全諮問委員会(ACOS)は,電気製品の製造過程における適合性を評価するための試験に関し
ての提案を作成中である。これらが同意及び公表されるまでは,次の試験を製造業者の指針として提供す
る。
C.1 出力巻線の無負荷出力電圧は,入力抵抗が10 kΩ/V以上の測定機器で,変圧器の入力は定格供給電
圧に接続して測定する。出力巻線の中性点が金属外郭と接続している変圧器の場合,出力巻線の両半分の
出力電圧を測定する。
C.2 出力巻線の短絡電流は,定格供給電圧に入力を接続し,測定する。
C.3 15.3に規定する耐電圧試験を,室温で,試験開始時から試験電圧で1秒間行う。
C.4 15.4に規定する誘導試験を,室温で行う。
C.5 安全装置の機能試験は,全ての安全装置に対して行う。
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C 8109:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書D
(規定)
日本及び北米が用いるシステム
この附属書は,適用しない。
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C 8109:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS C 8109:2016 ネオン変圧器
IEC 61050:1991,Transformers for tubular discharge lamps having a no-load output
voltage exceeding 1 000 V (generally called neon-transformers) .General and safety
requirements及びAmendment 1:1994
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 1.1 適用範囲
1.1
JISとほぼ同じ
変更
対応国際規格で規定する定格無
負荷出力電圧の上限10 000 Vを
15 000 Vに変更した。
製造業者がランプを指定しない
場合,JIS C 7615に規定するラ
ンプで試験することとした。
我が国の標準的な機種が無負荷出力
電圧15 000 V又は12 000 Vのもので
あり,関連法規でも認められている。
我が国では,IEC規格にないネオン管
のJISが存在する。
対応国際規格への“country note”の
追加提案を検討する。
2 用語及び
定義
2.6 本質的耐短絡変
圧器
2.6
JISとほぼ同じ
変更
対応国際規格では,保護装置を
もたないものと規定している
が,短絡保護装置をもたないも
のに変更した。
地絡保護装置はもってもよいことを
明確にした。
対応国際規格への“country note”の
追加提案を検討する。
2.8 無負荷出力電圧
2.8
JISとほぼ同じ
削除
対応国際規格の“ピーク値を2
で除した値。”を削除した。
無負荷出力電圧は正弦波でない場合
がある。箇条2の最初の段落を生か
し,実効値で表すことを明確にした。
対応国際規格への修正提案を検討す
る。
2.11 高力率変圧器
2.11
JISとほぼ同じ
変更
総合力率を,周波数に関係なく,
0.85に変更した。対応国際規格
では,60 Hzでの総合力率を0.9
と規定している。
JIS C 8147-1(ランプ制御装置−第1
部:通則及び安全性要求事項)の値を
準用した。
対応国際規格への“country note”の
追加提案を検討する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 定格
5.1 定格無負荷出力
電圧の推奨値
5.1
JISとほぼ同じ
追加
12 000 V及び15 000 Vを追加し
た。
我が国の標準的な機種が無負荷出力
電圧15 000 V又は12 000 Vのもので
あり,関連法規でも認められている。
対応国際規格への“country note”の
追加提案を検討する。
5.2 定格出力電流又
は定格二次短絡電流
の推奨値
5.2
JISとほぼ同じ
削除
対応国際規格の63 mA,80 mA
及び100 mAを削除した。
我が国の関連法規では,定格二次短絡
電流の上限は50 mAと規定している。
対応国際規格への“country note”の
追加提案を検討する。
7 表示
7.1及び7.2 表示場所
7.1
7.2
JISとほぼ同じ
追加
変圧器の表面の見えやすい箇所
に,容易に消えない方法で表示
することを規定した。
対応国際規格では,表示場所が規定さ
れていないので,明確にした。
対応国際規格への修正提案を検討す
る。
7.1 g) 定格出力電流
及び定格二次短絡電
流の表示
7.1 g)
JISとほぼ同じ
変更
短絡状態でも通常作動の試験に
適合する場合は,定格出力電流
を省略してもよいとした。
箇条10の通常作動の試験では短絡状
態でも試験する。この場合,同じ値に
なるので,表示の簡略化を認めた。
対応国際規格への“country note”の
追加提案を検討する。
7.2のi),j)及びk)
該当する場合の表示
事項
7.1 h)
JISとほぼ同じ
変更
追加
接地端子をもつ場合の表示を,
7.2に移動した。
機器組込形変圧器及び屋内用変
圧器の表示事項を追加した。
該当する細分箇条に移動した。
また,使用者が使用方法を誤らないよ
うに,表示による注意喚起を施した。
対応国際規格への修正提案を検討す
る。
7.3 b) 高力率変圧器
の表示
7.3
JISとほぼ同じ
追加
高力率変圧器の表示を追加し
た。
条件を満たす場合,高力率変圧器の表
示を可能にした。
対応国際規格への“country note”の
追加提案を検討する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
7 表示
(続き)
7.4A 機器組込形変
圧器の表示場所
−
−
追加
機器組込形変圧器の表示場所を
包装容器の表面に表示してもよ
いとした。
機器組込形変圧器の場合,最終製品に
組み込むまで必要な表示であるので,
表示場所を緩和した。
対応国際規格への“country note”の
追加提案を検討する。
7.5 表示の適否
7.5
JISとほぼ同じ
追加
7.4Aへの適否を追加した。
7.4Aへの判定方法を追加した。
対応国際規格への“country note”の
追加提案を検討する。
10 加熱
10.3 作動状態
10.3
JISとほぼ同じ
変更
定格出力電流を指定しない独立
形変圧器の通常作動は,異常作
動と同じ状態とした。
定格出力電流を指定しない独立形変
圧器は,使用条件を指定していないの
で,より厳しい条件で試験する必要が
あると判断した。
対応国際規格への“country note”の
追加提案を検討する。
10.5 変圧器の温度測
定時の固定方法
10.5
JISとほぼ同じ
変更
取付方法が取扱説明書などで指
示してある場合には,その方法
に従うとした。
対応国際規格の固定方法では,正しい
温度測定ができない場合があるため,
追加した。
対応国際規格への“country note”の
追加提案を検討する。
12 保護等
級
12.1 独立形変圧器の
保護等級
12.1
JISとほぼ同じ
追加
屋外で用いる変圧器は,IPX3以
上の水の浸入に対する保護等級
を備えることを要求した。
対応国際規格には,屋外用の保護等級
に関する規定がないので,追加した。
対応国際規格への“country note”の
追加提案を検討する。
15 絶縁抵
抗及び耐電
圧
15.3 耐電圧試験
15.3
JISとほぼ同じ
変更
定格無負荷出力電圧が5 kVを
超える場合の試験電圧は,定格
無負荷出力電圧の1.5倍,又は
10 kVのいずれか高い値とした。
欧米では非接地の変圧器は5 kV以下
であり,我が国のような高いものは対
象にならない。対応国際規格で想定さ
れていない電圧のものについては,我
が国の関連法規の基準値を採用した。
対応国際規格への“country note”の
追加提案を検討する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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C 8109:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
18 接地手
段
18.1 独立形変圧器の
接地手段
18.1
JISとほぼ同じ
変更
独立形変圧器の鉄心及び金属外
郭は,接地端子又は接地用口出
し線に確実に接続していなけれ
ばならないとした。
我が国では,接地接続を端子ではな
く,接地用口出し線を用いる場合が想
定されるので,これを規定した。
対応国際規格への“country note”の
追加提案を検討する。
18.3 接地端子の形状
18.3
JISとほぼ同じ
変更
接地端子について,定格二次短
絡電流が30 mAを超えるものは
直径2.6 mmの導体に,30 mA以
下のものは直径1.6 mmの導体
が接続できるものとした。
我が国の工事規程に規定している接
地導体を接続できるようにした。
対応国際規格への“country note”の
追加提案を検討する。
18.6 接地端子の要求
事項の適否
18.6
JISとほぼ同じ
変更
目視検査,及び無負荷電圧が12
V以下の電源で10 A以上の電流
を流し,接地接続部間の電圧降
下から抵抗値を算出する判定方
法を追加した。
対応国際規格には,接地接続の確実性
に関する規定がないので,追加した。
対応国際規格への“country note”の
追加提案を検討する。
22A 出力
巻線を接地
する変圧器
の保護回路
22A 出力巻線を接地
する変圧器の保護回
路
−
−
追加
出力巻線を接地する変圧器に対
する地絡保護及び開路保護を規
定した。
対応国際規格には,出力巻線を接地す
る変圧器の保護回路に関する規定が
ないので,JIS C 8147-2-10の要求事
項を採用した。
対応国際規格への“country note”の
追加提案を検討する。
附属書A
(規定)
配線規定に関する情
報
附属書
A
−
削除
附属書Aの規定文を削除した。 対応国際規格は発行から時間が経ち,
内容に変更がある可能性があること
から削除した。
対応国際規格への削除提案を検討す
る。
附属書B
(規定)
口出し線付きの変圧
器
附属書
B
JISとほぼ同じ
追加
二次側の口出し線についても,
この附属書を適用することとし
た。また,一次側,二次側及び
接地用の口出し線の種類の規定
を追加した。
我が国では,一次側,二次側及び接地
用に口出し線を用いる場合が多いの
で,これを規定した。
対応国際規格への“country note”の
追加提案を検討する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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C 8109:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
附属書D
(規定)
日本及び北米が用い
るシステム
附属書
D
−
削除
附属書Dの規定文を削除した。 対応国際規格は発行から時間が経ち,
内容に変更がある可能性があること
から削除した。また,我が国に該当す
る項目は,ほかに規定した。
対応国際規格への削除提案を検討す
る。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:(IEC 61050:1991,Amd.1:1994,MOD)
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。