2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 7610-1991
低圧ナトリウムランプ
Low pressure sodium vapour lamps
1. 適用範囲 この規格は,発光管とガラス管が一体となった照明用の低圧ナトリウムランプ(以下,ラ
ンプという。)で,点灯中の発光管内の蒸気圧が約0.5 Paで,かつ,ガラス管内面に透明な赤外線反射膜を
付けたものについて規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 7507 ノギス
JIS C 1102 指示電気計器
JIS C 7709 電球類の口金及び受金
JIS C 7710 電球類ガラス管球の形式の表し方
JIS C 7801 電球類試験方法通則
JIS C 8110 高圧水銀灯安定器及び低圧ナトリウム灯安定器
JIS H 3100 銅及び銅合金の板及び条
JIS Z 8113 照明用語
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
IEC 192 (1979) Low pressure sodium vapour lamps
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 8113によるほか次による。
(1) 定格ランプ電力 ランプに表示されたランプ電力。
(2) 始動 ランプの主電極間で,アーク放電が開始する現象。
(3) 初特性 100時間エージングしたランプのランプ電圧,ランプ電流,ランプ電力及び全光束。
3. 種類 種類は,形式によって付表1のとおりとする。
なお,形式は次の各項によって表す。
2
C 7610-1991
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4. 性能
4.1
口金接着強さ 口金接着強さは,9.2.3によって試験を行ったとき,3 Nmのねじりモーメントに耐え
なければならない。
4.2
始動特性 始動特性は,9.2.4によって試験を行ったとき,始動しなければならない。
4.3
初特性 初特性は9.2.5によって試験を行ったとき,ランプ電圧及びランプ電流は付表1の値,全光
束は付表1の値の80 %以上でなければならない。
5. 構造 構造は,次の各項によらなければならない。
(1) 発光管は,ガラス管の中に堅固に取り付けてあること。
(2) 口金は,使用中緩まない適切な方法で取り付けてあること。
(3) 口金軸に対するガラス管軸の傾きは,3°以下であること。
6. 形状及び寸法 形状及び寸法は,付表1及び付図1のとおりとする。
7. 外観 ガラス管及び発光管には,実用上差し支えあるきず,その他の欠点があってはならない。
8. 材料 材料は,次の各項によらなければならない。
(1) 発光管には,ナトリウム,ネオン,アルゴンなどが封入してあること。
(2) 発光管は,ナトリウムによって侵されにくい材料であること。
(3) ガラス管の内面には,透明な赤外線反射膜が被覆してあること。
(4) 口金の導電部は,JIS H 3100に規定された黄銅又はこれと同等以上の材料とし,また絶縁部は,磁器,
アルキド樹脂など適切なものであること。
9. 試験
9.1
試験条件 試験条件は,次による。
(1) 周囲温度は20〜30 ℃とする。
(2) 点灯姿勢は,ランプ軸を水平とし裸点灯とする。
(3) 試験回路は,付図2による。ただし,試験回路に用いる試験用安定器は,付表2による。
3
C 7610-1991
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(4) 電源は,周波数50 Hz又は60 Hzの正弦波に近い交流とし,電圧の変動は±1 %以内とする。
(5) 電圧,電流及び電力の測定には,JIS C 1102に規定された階級0.5級以上の計器又はこれと同等以上
の確度をもつ計器を用いること。
なお,ランプに並列に接続される計器のインピーダンスは,その分流電流がランプ電流の3 %以下
となるよう十分高いものであること。
また,ランプに直列に接続される計器のインピーダンスは,その電圧降下が,ランプ電圧の2 %以
下となるよう十分低いものであること。
(6) ランプ電圧,ランプ電流,ランプ電力及び全光束を測定する場合は,原則として使用していない計器
で,ランプと並列に接続した計器はすべて開路し,ランプと直列に接続した計器は,すべて短絡する。
(7) 全光束の測定には,球形光束計又はこれと同等以上の確度の光束計を用いる。
(8) 初特性以外の試験は,100時間のエージングに先立って行う。
(9) 初特性の測定は,JIS C 7801の4.4(5)(C)に示す方法によって,100時間エージングを行ったランプに
ついて行う。エージングに使用する安定器は,JIS C 8110に規定する適合安定器とし,エージング中
の電源電圧の変動は,この安定器の定格入力電圧の±6 %とする。
なお,エージング中の温度及び湿度は特に規定しない。
9.2
試験方法
9.2.1
外観試験 構造,外観及び表示は,目視によって調べる。
9.2.2
寸法試験 寸法は,JIS B 7507に規定されたノギス又はこれと同等以上の精度をもつ測定具を用い
て測定する。
9.2.3
口金接着強さ試験 口金接着強さは,口金とガラス管との間にねじりモーメントを徐々に加えて試
験する。
9.2.4
始動特性試験 始動特性は,入力電圧を表1の始動試験電圧に調整した後,スイッチS1を閉路し
て始動するかどうかを調べる。
なお,ランプは5時間以上不点灯のまま放置したものとする。
表1 始動試験電圧
形式
始動試験電圧
V
NX 35
400
NX 55
440
NX 90
450
NX 135
570
NX 180
630
9.2.5
初特性試験 ランプ電圧,ランプ電流,ランプ電力及び全光束は,入力電圧を付表1の試験電圧と
し,特性がほぼ一定となった後,測定する。
10. 検査
10.1 形式検査 形式検査は,同一試験品につき,次の項目について行う。
(1) 構造,外観及び表示
(2) 寸法
(3) 口金接着強さ
(4) 始動特性
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C 7610-1991
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(5) 初特性
10.2 受渡検査
10.2.1 検査項目 受渡検査は,要求のあったときに限り,同一試験品につき次の項目について行う。ただ
し,(3)〜(5)は省略することができる。
(1) 構造,外観及び表示
(2) 寸法
(3) 口金接着強さ
(4) 始動特性
(5) 初特性
10.2.2 抜取検査方法 試料の大きさ (n) 及び合格判定個数 (c) は,表2のとおりとする。
なお,10.2.1の(1)及び(2)の検査の試料は,1回の受渡しに供される同一形式の全ランプから無作為に抜
き取ったものとし,(3)〜(5)の検査の試料は,(1)及び(2)の検査に合格したランプとする。
表2 抜取検査
検査項目
試料の大きさ
n
合格判定個数
c
品質基準
(1),(2)
及び(3)
5
0
4.1,5.,6.,7.及び12.による。
(4)及び(5)
5
1
4.2及び4.3による。
11. 製品の呼び方 製品の呼び方は,名称及び形式による。
なお,括弧内は省略してもよい。
例 (低圧)ナトリウムランプNX 90
12. 表示 ランプには,見やすいところに,容易に消えない方法で,次の事項を表示する。
(1) 形式
(2) 製造業者名又はその略号
13. 取扱い上の注意事項 使用者が適正な状態で使用できるよう,次のような趣旨の注意事項を取扱説明
書,包装容器などに表示して周知できるようにしなければならない。
(1) ランプはガラス製品であるため,無理な力を加えたりきずを付けたりしないこと。
(2) ランプは指定された点灯角度の範囲内で使用すること。
(3) ランプに雨や水滴がかかる状態で使用しないこと。
(4) 点灯中又は消灯直後のランプの取外しは避けること。
(5) ランプは適合した安定器(定格ランプ電力・電源電圧・周波数)と組み合わせて用いること。
(6) ランプは適合した器具(定格ランプ電力,種類)と組み合わせ,使用すること。
(7) ランプ交換の場合,必ず電源を切ってから行うこと。
また,器具への取付けは確実に行うこと。
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付表1 形式,寸法,口金及び性能
形式 定格ラン
プ電力
ガラス管
長さ
口金
初特性
形状
径
試験
電圧
ランプ電圧
ランプ電流
(参考)
ランプ電力
全光束
W
mm
mm
V
V
A
W
lm
NX 35
35
T
51±3
300±11 BY 22 d
470
70±15
0.60±0.06
38
4 600
NX 55
55
51±3
415±10
470
105
15
20
−
+
0.59±0.06
58
7 600
NX 90
90
65±3
518±10
500
115
15
20
−
+
0.92±0.10
97
12 500
NX 135
135
65±3
765±10
700
160
20
25
−
+
0.92±0.10
136
21 500
NX 180
180
65±3 1 110±10
700
245
20
25
−
+
0.88±0.10
190
31 500
試験方法適用項目
9.2.5
備考1. ガラス管の形状は,JIS C 7710による。
2. 口金は,JIS C 7709による。
付図1 形状及び寸法
備考 ガラス管先端及び発光管の形状は,任意とする。
付表2 試験用安定器
適合するランプの
定格ランプ電力
定格入力
電圧
基準電流 インピーダンス
力率
W
V
A
Ω
35
470
0.6
767±15
0.058±0.007
55
90
500
0.9
528±8
0.047±0.007
135
700
0.9
739±11
0.040±0.005
180
備考 試験用安定器の使用条件などは,JIS C 8110による。
6
C 7610-1991
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付図2 試験回路
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前回(1985年)の原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
○ 三 嶋 泰 雄
工業技術院電子技術総合研究所量子技術部
中 川 靖 夫
埼玉大学工学部電子工学科
水 落 雅 之
建設省建設大臣官房官庁営繕部
広 野 允 士
通商産業省機械情報産業局
○ 太 田 健一郎
工業技術院標準部電気規格課
菅 原 淳 夫
財団法人日本規格協会業務部
栗 田 正 一
慶応義塾大学理工学部
植 木 源 治
日本道路公団維持施設部
原 田 浩 充
首都高速道路公団保全施設部
高 桑 祐 吉
日本国有鉄道鉄道技術研究所
藤 井 信 弘
東芝電材株式会社施設照明事業部
西 村 隆 雄
松下電工株式会社電材事業本部
藤 尾 日 丸
松下電子工業株式会社照明事業部
桑 島 光 雄
社団法人日本電設工業協会
浅 野 貢
社団法人日本照明器具工業会
太刀川 三 郎
社団法人日本電気協会普及部
(分科会主査)
○ 神 谷 明 宏
株式会社東芝照明事業部
○ 土 方 啓 司
金門電気株式会社技術部
○ 稲 田 暁 勇
株式会社日立製作所青梅工場
○ 三 好 和 彦
岩崎電機株式会社埼玉製作所
○ 馬 場 景 一
三菱電機株式会社大船製作所
○ 野 村 利 義
日本電池株式会社照明事業部
○ 犬 飼 秀 哉
松下電子工業株式会社照明事業部
○ 滝 波 定 平
社団法人日本電球工業会技術部
(関係者)
斎 藤 哲 夫
社団法人日本電球工業会技術部
山 村 修 蔵
工業技術院標準部電気規格課
畠 山 孝
工業技術院標準部電気規格課
備考 ○:分科会委員