2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 7607 - 1991
測光標準用放電ランプの
全光束測定方法
Total luminous flux measurements on discharge lamps
used for photometric standards
1. 適用範囲 この規格は,測光標準用放電ランプ(以下,被測定ランプという。)の全光束の値を,積分
球を用い同種の測光標準放電ランプ(以下,標準ランプという。)の全光束の値から比較測定によって求め
る方法について規定する。
なお,差し支えない限り,一般照明用の蛍光ランプ及び高輝度放電ランプ(以下,HIDランプという。)
の全光束の試験にも準用する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS R 6001 研磨材の粒度
JIS Z 8103 計測用語
JIS Z 8113 照明用語
JIS Z 8120 光学用語
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 8103,JIS Z 8113及びJIS Z 8120によるほ
か,次による。
(1) 測光標準用放電ランプ 一般照明用放電ランプの全光束の試験に標準として使用するため,電気的及
び光学的に特性が安定であることが確認されたもので,全光束の値付け(目盛定め)に供する放電ラ
ンプ。
測光標準用蛍光ランプと測光標準用HIDランプがある。
(2) 測光標準放電ランプ 測光において,比較の標準として用いる放電ランプで,全光束の値付け(目盛
定め)がされており,その値がある期間にわたって一定であるとみなせる放電ランプ。
測光標準蛍光ランプと測光標準HIDランプがある。
(3) 受光器 光電素子に拡散透過板(積分球測光窓の拡散透過板を含む。)と光学フィルタを組み合わせた
測光器の受光部。増幅器を含むこともある。
(4) 遮光板(積分球における) 積分球の中心に点灯した標準ランプ又は被測定ランプの発光部からの直
射光及びガラス球からの散乱光が直接測光窓に達しないように遮る,積分球の内面と同一塗装を施し
た白色拡散反射板。
(5) 測光窓 積分球の壁にあけた小さな穴に,可視域の分光透過特性がなるべく平たんな拡散透過板を,
球の内面に対して凹凸が生じないようにはめ込んだ窓。
2
C 7607 - 1991
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(6) 規定のランプ電力の値 標準ランプ又は被測定ランプを測定するためにランプに与える特定の電力の
値
3. 測定条件 この規格で定める測定条件は,次のとおりとする。
(1) 標準ランプ及び被測定ランプの測定は,特別の場合を除いて規定のランプ電力の値を一定に保って行
うこと。
(2) 標準ランプ及び被測定ランプは,付表1に規定する試験用安定器のうちから適合するものを選び,常
にその試験的用安定器を用いて点灯して測定すること。
(3) 標準ランプ及び被測定ランプは,付表2に規定する点灯姿勢で,光中心を積分球の中心に一致させて
点灯すること。
4. 測定設備及び試験場所の状態 測定設備及び試験場所の状態は,次による。
(1) 電源,電気計器及び電気回路
(a) 点灯電源 標準ランプ又は被測定ランプの点灯電源は,周波数50Hz又は60Hzの,正弦波に近い安
定化交流電源で電圧及び周波数の安定度は,±0.2%以内,ひずみ(歪)率は3%以内のものを用い
る。
(b) 電気計器 電気特性の測定に用いる電気計器は,確度±0.2%以内の交流ディジタル計器とし実効値
を測定,表示するものであること。
なお,ランプに並列に接続する計器のインピーダンスは,その分流電流がランプの電流の0.1%以
下となるように十分に高いものであり,ランプに直列に接続する計器のインピーダンスは,その電
圧降下がランプの電圧の1%以下となるように十分低いものであること。
(c) 電気回路 蛍光ランプ及びHIDランプの点灯回路を付図1及び付図2に示す。蛍光ランプ及びHID
ランプに対する電気計器の電圧回路は,点灯回路とは別個に受金に直接接続する。この接続線及び
点灯回路の導線は,電流容量が十分にあるものを使用する。被測定ランプが蛍光ランプの場合には,
ランプから見た電源のインピーダンスは,試験用安定器を除いて100Ωを超えてはならない。
(2) 測光設備 測光設備は,次による。
(a) 積分球 積分球は,その内径が,標準ランプ又は被測定ランプの最大寸法の1.2倍以上で,最低1.5m
以上とする。積分球の内面,遮光板,標準ランプの支持具又は被測定ランプの支持具などには,可
視域の分光反射特性がなるべく平たんな白色拡散反射材料(例えば,硫酸バリウム粉末)によって,
各部の反射率が一様で,かつ,均等拡散面に近い状態となるように塗装を施すものとする。
遮光板は,積分球の中心に点灯した標準ランプ又は被測定ランプの発光部からの直射光及びガラ
ス外球からの散乱光が直接測光窓に達しないように遮り,積分球の内面と同一塗装を施した白色拡
散反射板とし,かつ,なるべく小さい寸法のものとし,積分球の中心と測光窓の中心を結ぶ直線上
に,積分球の中心から半径の31〜21の位置に測光窓に平行な状態で固定する。
(b) 受光器 全光束測定用の受光器は,光電素子としてシリコンホトダイオード,又は光電管を用いた
ものとする。受光器は一定の放射束の連続入射に対する出力の1時間当たりの変化が,±0.25%の
もので,入射光束−光電流の直線性は,増幅器を含め使用範囲内で±0.1%とし,経年変化の少ない
ものとする。受光器は,ランプ周囲温度の影響が少ない構造とし,光電流の温度変化が±0.2%/℃以
内のものとする。
受光器は,経年変化の少ない補正フィルタを組み合わせ,特に436nmの水銀ライン周辺について
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は良好に標準比視感度(標準分光視感効率)に近似させ,色補正係数を1に近くするような相対分
光応答度をもったものとする。
紫外放射及び赤外放射の漏れ込みによる測光精度の低下は,実用的に無視できる程度とする。
備考 この受光器には,積分球の測光窓を形成する拡散透過板を含む。
(3) 試験場所の条件及び状態 試験場所の条件及び状態は,次による。
(a) 温度 試験室の設定温度は,20〜30℃の範囲,測定中できるだけ一定の温度に調整保持すること。
積分球の内部の温度は,ランプの種類によって,表1に示す範囲に調整すること。
ただし,点灯した標準ランプ又は被測定ランプの周囲温度は,ランプの中心を通る水平面上で,
標準ランプ又は被測定ランプから50cm,積分球内壁から10cm以上離れた場所で測定する。
また,温度計の感温部は,例えば,遮へい板などによって,ランプからの直接の放射が当たらな
いように配慮すること。
表1 ランプの周囲温度
単位 ℃
ランプの種類
周囲温度
蛍光ランプ
25±1
HIDランプ
20〜35
(b) 湿度 試験室の相対湿度は,6510
20
+−%の範囲に保持すること。
(c) 振動 振動は,測定に影響を与えない程度であること。
5. 測定 測定は,次による。
(1) 測定準備
(a) 測定に先立ち,電源を投入して測定設備全系統をウオーミングアップする。特に,積分球は,標準
ランプ又は被測定ランプとほぼ同等の消費電力の電球又は放電ランプを球内で30分以上点灯して,
球内の温度を測定条件とほぼ同じにして,球内面の反射率の安定化を図る。
(b) 標準ランプ及び被測定ランプは,その光中心を積分球の中心に一致させて点灯する。
(c) 標準ランプ及び被測定ランプは,定格入力電圧を加えて点灯し,ほぼ安定に達したとき,ランプ電
力を規定のランプ電力の値に調整し,その後20分経過してから測定に入る。この規定のランプ電力
の値を測定中一定に保持する。
(2) 比較測定
(a) 全光束の測定,ランプ電流の測定及びランプ周囲温度の測定は,標準ランプ又は被測定ランプそれ
ぞれのランプの各点灯ごとに2回以上行い,それを平均してその点灯における測定値とする。
(b) ランプの点灯及び測定は,原則として,標準ランプ及び被測定ランプについて一定の順序で,ほぼ
等しい時間間隔で次々に行い,引き続いて逆の順序で行い,これを一組の測定とし,それぞれのラ
ンプについての測定値の平均をとる。
例 標準ランプ2個,被測定ランプn個の一組の測定の例
s1→s2→t1→t2…tn,tn…t2→t1→s2→s1
ここに,
s1,s2: 標準ランプ
t1,t2,tn: 被測定ランプ
一組の測定には標準ランプは2個以上使用する。標準ランプ又は被測定ランプは,測定の都度点
灯し直す。測定は,上記のサイクルを二組以上行って平均することが望ましい。
(3) 全光束の算出 標準ランプ及び被測定ランプそれぞれに対する各点灯ごとの測光器の読みの平均値を
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求め,次の式によって被測定ランプの全光束の値φtを求める。ただし,k1, k2は附属書によって求め
る。
2
1k
k
i
i
s
s
t
t
=
φ
φ
ここに,
φt: 被測定ランプの全光束の値
φs: 標準ランプの全光束の値
it: 被測定ランプについての測光器の読み
is: 標準ランプについての測光器の読み
k1: 色補正係数
k2: ランプの形状及び寸法の相違などによる自己吸収の補正係数
6. 測定結果の記載 測定結果には,次の事項を記載する。
(1) 被測定ランプの名称及びランプ個体番号
(2) 測定条件
(a) 規定したランプ電力の値
(b) 点灯姿勢
(c) 電源周波数
(3) 測定結果
(a) 全光束の値
(b) ランプ電圧及ぴランプ電流の値
(c) ランプの周囲温度
(4) 基準とした標準ランプの名称及びランプ個体番号
(5) その他,測定の参考となる事項
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付表1 試験用安定器
(1) 蛍光ランプ
ランプの種類 ランプの
大きさの
区分
適合ランプの種別
定格入
力電圧
V
基準
電流
A
インピー
ダンス
Ω
力率
スタータ形
ランプ
4
6
FL4
FL6
100
0.147 553± 5 0.075±0.010
8
FL8
0.170 423± 4
10
FL10
0.230 355± 2 0.075±0.005
15
FL15
0.300 244± 1
20
FL20 FL20S FL20SS/18 FCL20 FCL20/18
0.375 190± 1
30
FL30 FL30S FCL30 FCL30/28
0.620 118± 1
32
FCL32 FCL32/30
147
0.435 241± 1
40
FL40 FL40S FL40S/38 FL40SS/37 FCL40
FCL40/38
200
341± 2
ラピッド
スタート形
ランプ
20
FLR20 FLR20S
155
0.375 357± 2 0.075±0.005
40
FLR40 FLR40S FLR40S/36
230
0.435 418± 2
110H
FLR110H FLR110H/100
400
0.800 413± 2
スリム
ライン形
ランプ
FSL42T6
450
0.12
3200±13 0.075±0.005
0.20
1950± 8
0.30
1345± 6
FSL64T6
600
0.12
4175±17
0.20
2555±11
0.30
1735± 7
FSL72T8
0.12
4175±17
0.20
2555±11
0.30
1735± 7
0.12
5195±21
FSL96T8
750
0.20
3130±13
0.30
2165± 9
コンパクト
形ランプ
FPL4 FPL6
100
0.147 553± 5 0.075±0.010
FPL9 FDL9 FGL9 FML9 FWL9
0.230 355± 2 0.075±0.005
FPL13 FDL13 FGL13 FTL13 FML13 FWL13
0.300 244± 1
FPL18 FDL18 FML18 FWL18
0.375 190± 1
FPL27 FDL27 FML27 FWL27 FPL30
0.620 118± 1
FPL28
147
0.435 241± 1
FPL36 FML36 FWL36
200
341± 2
FPL55
0.670 207± 2
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付表1 試験用安定器(続き)
(2) HIDランプ
ランプの種類
定格ランプ電力
W
定格入力電圧
V
基準電流
A
インピーダンス
Ω
力率
短絡電流
A
高圧水銀ランプ
40
200
0.53 300.0±3.8
0.095±0.019
−
100
1.0
137.0±1.5
0.080±0.011
200
1.9
72.60±0.79
0.065±0.008
250
2.1
60.00±0.72
0.064±0.008
300
2.5
50.4±0.6
0.060±0.007
400
3.3
38.20±0.46
0.048±0.005
700
5.9
21.40±0.25
0.046±0.005
1000
8.3
15.40±0.18
0.038±0.004
メタルハライドランプ
(低始動電圧形)
100
1.0
137.0±1.5
0.080±0.011 1.6±0.2
250
2.1
60.00±0.72
0.064±0.008 3.7±0.2
300
2.5
50.40±0.60
0.060±0.007 4.3±0.2
400
3.3
38.20±0.46
0.048±0.005 5.7±0.3
700
5.9
21.40±0.25
0.046±0.005 10.0±0.4
1000
8.3
15.40±0.18
0.038±0.004 13.7±0.5
高圧ナトリウムランプ
(始動器内蔵形)
110
1.15 117.4±1.3
0.075±0.01
1.9±0.2
180
1.9
72.60±0.79
0.065±0.008 3.0±0.2
220
2.1
60.00±0.72
0.064±0.008 3.7±0.2
270
2.5
50.410±0.60 0.060±0.007 4.3±0.2
360
3.3
38.20±0.46
0.048±0.005 5.7±0.3
660
5.9
21.40±0.25
0.046±0.005 10.0±0.4
940
8.3
15.40±0.18
0.038±0.004 13.7±0.5
高圧ナトリウムランプ
(外部始動器形)
150
2.0
81.00±0.97
0.060±0.010 2.60±0.18
250
3.1
51.50±0.62
0.053±0.008 4.0±0.2
400
4.7
33.80±0.41
0.046±0.006 6.2±0.3
700
7.9
19.90±0.24
0.044±0.004 10.1±0.5
1000
11.1
14.30±0.17
0.035±0.003 14.0±0.7
付表2 放電ランプの点灯姿勢
直管形蛍光ランプ
管軸を水平にし,管壁又は口金に記した一定点が定められた方向に向くようにして点灯し,
電極ピンの点灯回路への接続方法を明確にして測定する。
環形蛍光ランプ
原則として,円環を構成する面を鉛直にし,口金を上方にした姿勢で点灯し,電極ピンの点
灯回路への接続方法を明確にして測定する。
コンパクト形蛍光ランプ 原則として,口金を上方にした姿勢で点灯し,電極ピンの点灯回路への接続方法を明確にし
て測定する。
高圧水銀ランプ
口金を上方にした姿勢で点灯して測定する。
メタルハライドランプ ランプの種類によって規定された姿勢で点灯して測定する。
高圧ナトリウムランプ 管軸を水平にした姿勢で点灯して測定する。
その他の放電ランプ
ランプの姿勢は任意とする。ただし,測定を実施したときの点灯姿勢及び電極ピン又は口金
の点灯回路への接続方法を明確にして測定し,測定結果に明記する。
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付図1 点灯回路
付図2 HIDランプの点灯回路
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附属書 補正係数の求め方
1. 色補正係数k1の測定 積分球の分光反射特性と全光束測定用受光器の相対分光応答度とを総合した
相対分光応答度sc(λ)が標準比視感度V(λ)から外れることによって生じる測定誤差を補正するための
色補正係数k1を,次の式によって求める。
∑
∑
∑
∑
=
760
380
760
330
760
380
760
330
)
(
)
(
)
(
)
(
)
(
)
(
)
(
)
(
1
λ
λ
λ
λ
λ
λ
λ
λ
λ
λ
λ
λ
⊿
⊿
⊿
⊿
c
t
c
s
s
t
s
P
s
P
V
P
V
P
k
)
(
1
)
(
)
(
)
(
λ
ρ
λ
ρ
λ
λ
−
=s
sc
ここに,
Ps(λ): 標準ランプの相対分光分布
Pt(λ): 被測定ランプの相対分光分布
V(λ): 分光視感効率
sc(λ): 積分球の分光反射特性と全光束測定用受光器の相対
分光応答度とを総合した相対分光応答度
s(λ): 全光束測定用受光器の相対分光応答度(測光窓の拡散
透過板の分光透過特性を含む。)
P(λ): 積分球内壁の分光反射率
)
(
1
)
(
λ
ρ
λ
ρ
−
: 積分球の分光反射特性
∆λ: 測定波長間隔
(1) 標準ランプの相対分光分布Ps(λ)及び被測定ランプの相対分光分布Pt(λ)の測定 分布温度が値付
けされた全光束標準電球又は分光放射照度標準電球若しくは分布温度標準電球の光と標準ランプ又は
被測定ランプの光とを,同じ幾何学的条件で分光測光器の分散素子(プリズム,回折格子など)に照
射し,比較測定によって相対分光分布を求める。
備考 標準電球を点灯する際の電源は安定化直流電源とし,電圧の変動は規定の電圧の±0.1%である
こと。
また,その電気回路は,附属書付図1に示す回路とする。電気計器は,確度±0.2%以内のデ
ィジタル計器とする。回路に関するその他の事項は本体4.(1)による。
(1.1) 測定光の分光測光器への導入方法測 測定光の分光測光器への導入方法は,次の(a)又は(b)の方法の
いずれかによる。
(a) 積分球による方法 積分球の測光窓に取り付けられた全光束測定用受光器を取り外して,分光測光
器を取り付け,標準電球,標準ランプ及び被測定ランプを積分球内に順次取り付けて点灯し,これ
による光を分光測光器に導入する。この際に,入射光束が分光測光器のコリメータから外れて迷光
が生じることがないように,適当な絞りなどの開口板を入射スリットの前面に置くようにする。
このときの標準電球は分布温度が値付けされた全光束標準電球とし,口金を上方にした姿勢で点
灯する。
(b) 測光ベンチによる方法 測光ベンチ上に標準電球,標準ランプ及び被測定ランプを順次取り付けて
点灯し,その光を硫酸バリウムやポリテトラクロロエチレン (PTFE) 粉末などで作った拡散反射面
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に垂直に当て,その反射面の法線から45°方向の拡散反射光を直接又は光学系によって分光測光器
へ導入する。このときの標準電球は分光放射照度標準電球又は分布温度標準電球とし,分光放射照
度標準電球にあっては管軸を水平にした姿勢,分布温度標準電球にあっては口金を下方にした姿勢
で点灯する。
(1.2) 相対分光分布Ps(λ)及びPt(λ)測定の実施条件 相対分光分布Ps(λ)及びPt(λ)の測定の実
施条件は,原則として次による。
(a) 測定波長範囲 測定する波長範囲は,380〜780nmとする。
(b) スリット波長幅 分光測光器のスリット波長幅(スリット関数の帯域幅)は,波長546nmこおいて
5nm以下とする。
(c) 測定波長間隔 相対分光分布を測定する波長間隔は,スリット波長幅と同じか,又はその整数分の
1とする。
(1.3) 相対分光分布の計算 相対分光分布Ps(λ)及びPt(λ)は,それぞれ次の式から求める。
)
(
)
(
)
(
)
(
o
s
c
s
λ
λ
λ
λ
R
R
P
P
=
)
(
)
(
)
(
)
(
o
t
o
t
λ
λ
λ
λ
R
R
P
P
=
ここに,
Po(λ): 標準電球の相対分光分布
Ro(λ): 標準電球による波長λにおける分光測光器の読み
Rs(λ): 標準ランプによる波長λにおける分光測光器の読み
Pt(λ): 被測定ランプによる波長λにおける分光測光器の読み
(2) 受光器相対分光応答度s(λ)の測定 分光測光器への入射光学系にはスリット結像法を用い,凹面鏡
又はレンズ系を用いて分光測光器の入射スリット上に光源の像を結像する構成とする。
分光測光器からの単色光を,JIS R 6001に規定する粒度100〜200番の研磨材で荒ずりしたガラス板
などの拡散透過面に当て,その拡散透過光を交互に標準受光器及び被測定(全光束測定用)受光器に
照射する。このとき,拡散透過面の中心からそれぞれの受光器の受光面を見込む立体角の角度が等し
くなる位置に受光器を設置する。
この際被測定受光器は,積分球の測光窓と組み合わせた状態であること。標準受光器は,相対分光
応答度が波長選択的でない検出器(サーモパイルやボロメータなどの熱形検出器)によって値付けさ
れたものか,又は相対分光応答度が値付けされている受光器によって値付けされたものであること。
この標準受光器と全光束測定用受光器との光電出力の比較測定によって,次の式から全光束測定用
受光器の相対分光応答度s(λ)を求める。
)
(
R
)
(
R
)
(
s
)
(
s
sr
tr
s
λ
λ
λ
λ
=
ここに,
ss(λ): 分光応答度標準受光器の分光応答度
Rsr(λ): 分光応答度標準受光器の光電出力の読み
Rtr(λ): 全光束測定用受光器の光電出力の読み
(3) 積分球の分光反射特性
)
(
1
)
(
λ
ρ
λ
ρ
−
見積り 積分球の分光反射特性
)
(
1
)
(
λ
ρ
λ
ρ
−
は,積分球内壁と同等の塗装を施した
試料の分光反射率を,原則として測定条件0/dで積分球付き分光反射率計によって測定し,この値か
ら求める。
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C 7607 - 1991
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2. ランプの形状,寸法の相違などによる自己吸収の補正係数k2の測定 自己吸収の相違の補正は,標準
ランプ及び被測定ランプが形状及び寸法において相違することによって,積分球内での光束の自己吸収が
異なる場合に行い,両者の自己吸収の比を測定して被測定ランプに与えるべき全光束の値に補正を施す。
そのためには,積分球の壁面近くに安定な補助光源を置いて点灯し,この補助光源からの光が測光窓及び
積分球の中心に置かれた標準ランプ又は被測定ランプを直接照射しないように適当に遮光して測定を行う。
まず第1の補助光源として標準ランプとほぼ等しい相対分光分布をもつものを用い,標準ランプを消灯
したまま積分球の中心に置いたときと置かないときとの測光器の読みの比を,次の式によって求める。
s2
s1
1
r
r
R=
ここに, rs1: 標準ランプを置いたときの測光器の読み
rs2: 標準ランプを置かないときの測光器の読み
次に,第2の補助光源として被測定ランプとほぼ等しい相対分光分布をもつものを用い,被測定ランプ
を消灯したまま積分球の中心に置いたときと置かないときとの測光器の読みの比を,次の式によって求め
る。
s2
s1
2
r
r
R=
ここに, rt1: 被測定ランプを置いたときの測光器の読み
rt2: 被測定ランプを置かないときの測光器の読み
ここでランプ形状及び寸法による自己吸収の補正係数k2は
2
1
R
R
となる。
もし,標準ランプと被測定ランプの形状及び寸法がほぼ等しく,かつ,外球の分光吸収特性が相似して
いるとみなし得る場合には,補助光源として分布温度2700〜3000Kの白熱電球を用いて標準ランプ及び被
測定ランプを置いたときの測光器の読みを取り,自己吸収の補正係数k2を,次の式によって求めてもよい。
t2
s1
1
r
r
k=
ここに, rs1: 標準ランプを置いたときの測光器の読み
rt2: 被測定ランプを置かないときの測光器の読み
附属書付図1 標準電球の点灯回路
関連規格 JIS C 1609 照度計
JIS C 7601 蛍光ランプ(一般照明用)
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C 7607 - 1991
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS C 8108 蛍光灯安定器
JIS C 8110 高圧水銀灯安定器及び低圧ナトリウム灯安定器
JIS Z 8722 物体色の測定方法
JIS Z 8724 光源色の測定方法
改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
中 川 靖 夫
埼玉大学
(幹事)
石 野 正 敏
東芝ライテック株式会社
齋 藤 一 朗
工業技術院電子技術総合研究所
三 嶋 泰 雄
社団法人日本照明器具工業会
本 間 誠 一
日本電気計器検定所
猪 飼 泰 博
松下電子工業株式会社
富 永 守
東芝ライテック株式会社
西 山 英 夫
松下電器産業株式会社
大 沢 勇
東芝ライテック株式会社
鈴 木 紀 男
工業技術院標準部
池 田 順 一
財団法人日本規格協会
齋 藤 哲 夫
社団法人日本電球工業会
馬 場 景 一
オスラム・メルコ株式会社
稲 垣 富 樹
日本電池株式会社
千 葉 芳 洋
岩崎電気株式会社
土 方 啓 司
金門株式会社
加 茂 武
松下電子工業株式会社
坂 山 幸 平
オスラム・メルコ株式会社
畑 均
日本電気ホームエレクトロニクス株式会社
中 河 満
株式会社日立製作所
館 山 昭一郎
社団法人照明学会
(事務局)
中 村 三七雄
社団法人照明学会