2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 7528-1996
道路交通信号機用電球
Traffic signal lamps
1. 適用範囲 この規格は,道路交通法に基づき設置された信号機に用いる電球について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 7507 ノギス
JIS C 1302 絶縁抵抗計
JIS C 1609 照度計
JIS C 7709 電球類の口金及び受金
JIS C 7711 タングステン電球フィラメント継線形式の表し方
JIS C 7801 電球類試験方法通則
JIS H 3100 銅及び銅合金の板及び条
JIS H 4461 照明及び電子機器用タングステン線
JIS H 4541 ジュメット線
JIS Z 8113 照明用語
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 8113によるほか,次による。
(1) 試験電圧 試験を行うとき,電球の端子間に加える電圧。
(2) 消費電力 エージングを行った後の試験電圧における消費電力。
(3) 初光束 エージングを行った後の試験電圧における全光束。
(4) 寿命 フィラメントが切れるまでの点灯時間,又は光束維持率で規定する点灯時間のうちいずれか短
い時間。
(5) 光束維持率 一定時間点灯後の全光束と初光束との比の百分率。
(6) 平均寿命 長時間にわたり製造された同一形式の電球について寿命試験によって決定された寿命の平
均値。
(7) 輝度比 ガラス球上の最大輝度と規定された位置の輝度との比。
(8) 光度比 電球軸に対して垂直方向の中心部光度と周辺部光度との比。
3. 種類 種類は,形式によって付表1のとおりとする。
なお,形式の構成は,次の順序による。
2
C 7528-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
例 TS 70R(バンドミラー形道路交通信号機用電球70W)
4. 性能
4.1
口金接着強さ 口金接着部は,9.2.3によって試験を行ったとき,3Nmのねじり力に耐えなければな
らない。
4.2
輝度比 輝度比は,9.2.4によって試験を行ったとき,表1のとおりでなければならない。
表1 輝度比
形式
輝度比
測定法
TS 60
TSP 60,TSP 60B
TS 100,TS 100B
10〜50
附属書1
TS 60E,ETS 60EB
200〜650
附属書2
4.3
光度比 光度比は,9.2.5によって試験を行ったとき,表2のとおりでなければならない。
表2 光度比
形式
光度比
測定法
TS 70R,TS 70RB
1.5〜3.6
附属書3
4.4
初特性 初特性は,9.2.6によって試験を行ったとき,初光束は,付表2の全光束の90%以上,消費
電力は,付表2の消費電力の104%に0.5Wを加えた値以下でなければならない。
4.5
寿命 寿命は,9.2.7によって試験を行ったとき,次の規定を満足しなければならない。
(1) 同一形式の全製品について,10.2.2(2)に規定する抜取方法で,ロットごとに抜き取り,1年間の累計を
行った場合,その平均寿命は,4 000時間以上とする。
また,1年間の累計の合格判定個数は,表3のとおりとする。
表3 合格判定個数
試料の大きさの累計
n
合格判定個数
c
51〜100
4
101〜200
7
201〜300
11
301〜400
16
(2) 光束維持率は,9.2.8によって試験を行ったとき,85%以上とする。
4.6
絶縁抵抗 絶縁抵抗は,B22d口金について9.2.9によって試験を行ったとき,1MΩ以上でなければ
ならない。
5. 構造 構造は,次の各項に適合しなければならない。
(1) 電球には,安全のために導入線の少なくともその方に適切なヒューズを入れてあること。
3
C 7528-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(2) 導入線とフィラメント及び導入線と口金との接続は,確実で,口金との接続には,腐食性媒剤を使っ
ていないこと。
(3) フィラメントは,ガラス球の中正の位置に取り付けてあること。
(4) 口金とガラス球の接着は,電球使用中(電球軸を水平)に緩まないよう確実であること。
(5) ガラス球は無色で,内面に白色塗装を施してあること。バンドミラー形電球 (TS 70R,TS 70RB) は,
頭頂部側内面にバンド状の反射膜を設け,かつ,内面に白色塗装を施してあること。
(6) フィラメント形状は,JIS C 7711のC-9とし,アンカ数は,4本以上であること。
6. 寸法及び口金 寸法及び口金は,付表1及び付図1による。
7. 外観 ガラス球には,使用上差し支えある泡,きず,脈理などがあってはならない。
8. 材料 材料は,次の各項に適合しなければならない。
(1) フィラメントは,JIS H 4461に規定したタングステン線で品質が均等で,きずその他の欠点のないも
のであること。
(2) 導入線は,導電率の大きい良質の材料とし,ガラス封止部には,JIS H 4541に規定したジュメット線
を使用すること。
(3) ガラス球の反射面は,耐熱性で反射率が高く,使用上差し支えある変色,きず,はがれなどの欠点が
ないこと(バンドミラー形電球TS 70R,TS 70RBの場合)。
(4) 白色塗装材は,耐熱性のものであること。
(5) 口金の導電部は,JIS H 3100に規定した銅合金その他この用途に適したものとし,絶縁部は,ガラス
又はその他の適したものを使用すること。
(6) 口金とガラス球の接着剤は,160℃の温度に耐えるものであること。
9. 試験
9.1
試験条件 試験条件は,特に指定がない限り,次による。ただし,寿命試験の場合の周囲条件は,
この限りではない。
(1) 点灯条件 口金を上方にする位置で,振動の影響を受けない状態。
(2) 試験電源 周波数50Hz若しくは60Hzの正弦波に近い交流又は直流電源。
(3) 周囲条件 温度:20±15℃
湿度:(65±20) %
9.2
試験方法
9.2.1
寸法試験 寸法は,JIS B 7507に規定したノギス又はこれと同等以上の精度のある測定具を用いて
測定する。ただし,口金寸法は,限界ゲージを用いて測定する。
9.2.2
外観・構造・表示試験 外観・構造・表示は,目視によって調べる。
9.2.3
口金接着強さ試験 口金接着強さは,エージングを行った後,口金とガラス球との間に徐々にねじ
り力を加えて試験する。
9.2.4
輝度比試験 輝度比は,エージングを行った後,附属書1又は附属書2によって測定する。
9.2.5
光度比試験 光度比は,エージングを行った後,附属書3によって測定する。
4
C 7528-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
9.2.6
初特性試験 エージングを行った後,付表2の試験電圧における全光束(初光束)及び消費電力を
測定する。
備考 測定は,JIS C 7801に準じて行う。
9.2.7
寿命試験 付表2の試験電圧(交流)で点灯し,フィラメントが切れるまでの点灯時間を測定する。
ただし,受渡当事者間においてあらかじめ電圧と寿命との関係を協定した場合には,その電圧で行っても
差し支えない。この場合の点灯電圧は,試験電圧の120%程度の電圧とする。
備考 点灯電圧の変動は,±1%以内とする。
なお,その電圧は,記録電圧計で記録する。
9.2.8
光束維持率試験 9.2.7の寿命試験中3 000時間に達したとき,付表2の試験電圧における全光束を
測定し,光束維持率を求める。
9.2.9
絶縁抵抗試験 口金の絶縁抵抗は,常温及び相対湿度80%以下において,JIS C 1302に規定された
500V絶縁抵抗計を用い,口金の外部とアイレットとの間の抵抗値を測定する。
10. 検査
10.1 形式検査 形式検査は,同一品について行うものとし,検査項目は次による。
(1) 寸法・構造・表示
(2) 外観
(3) 口金接着強さ
(4) 輝度比又は光度比
(5) 初特性
(6) 寿命
(7) 絶縁抵抗(B22d口金使用のものに限る。)
10.2 受渡検査
10.2.1 検査項目 受渡検査は,同一品について行うものとし,検査項目は次による。ただし,(3)〜(5)は
受渡当事者間の協定によって省略することができる。
(1) 寸法・構造・表示
(2) 外観
(3) 口金接着強さ
(4) 初特性
(5) 寿命
10.2.2 抜取検査方法 抜取検査方法は,次の各項による。
(1) 寸法,構造,表示,外観,口金接着強さ及び初特性 寸法,構造,表示,外観,口金接着強さ及び初
特性は,同一の形式の電球について検査するものとし,試料の大きさ及び合格判定個数は,表4のと
おりとする。
5
C 7528-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表4 抜取検査
検査項目
試料の大きさ
n
合格判定個数
c
品質基準
構造・寸法・表示
10
0
5.,6.及び12.による
外観
30
3
7.による
口金接着強さ
10
0
4.1による
初特性
30
3
4.4による
(2) 寿命 寿命は,初特性に合格したものから,ランダムに抜き取って検査するものとし,試料の大きさ
は10個,合格判定個数は1個とし,品質基準は次のとおりとする。
(a) 個々値は,2 800時間以上とする。
(b) 平均値は,3 800時間以上とする。
(c) 光束維持率は,4.5(2)を満足するものとする。ただし,光束維持率がこの規定を満足しない場合には,
2 760時間でフィラメントが切れたものとみなす。
11. 製品の呼び方 製品の呼び方は,名称及び形式による。
例1. 道路交通信号機用電球 TS 100(“道路”を省略してもよい。)
例2. 交通信号用電球 TS 60E,TS 60EB
例3. バンドミラー形道路交通信号機用電球 TS 70R,TS 70RB(“道路”を省略してもよい。)
12. 表示 表示は,次の事項をガラス球又は口金に,容易に消えない方法で記さなければならない。
(1) 形式
(2) “交通信号”の文字
(3) 製造業者名又はその略号
6
C 7528-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図1
7
C 7528-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表1 形式,寸法,口金及びガラス球軸と口金軸とのずれ
形式
寸法
mm
バンドミラー寸法
mm
口金
ガラス球軸
と口金軸と
のずれ
mm
ガラス
球径
長さ 光中心
距離
発光源
寸法幅
上端境
面距離
下端境
面距離
TS 60
60±1 110±4 80±3 (20±2)
−
−
E26/27
3以下
TSP 60
70±1 136±4 101±3
4以下
TSP 60B
93±3
B22d/26×26
TS 100
101±3 (21±2)
E26/27
TS 100B
93±3
B22d/26×26
TS 60E
101±3 20±2
E26/27
TS 60EB
93±3
B22d/26×26
TS 70R
101±3 (20±2) 5.2±0.8 26.0±2.5 E26/27
TS 70RB
93±3
B22d/26×26
備考1. 口金寸法は,JIS C 7709による。
2. 発光源寸法幅の ( ) は,標準的な値とする。
付表2 試験電圧及び初特性
形式
試験電圧
初特性
消費電力
全光束
V
W
lm
TS 60
110
70
700
TSP 60
TSP 60B
TS 100
118
1 400
TS 100B
TS 60E
70
660
TS 60EB
TS 70R
81
770
TS 70RB
備考 消費電力及び全光束の許容範囲は,4.4
による。
8
C 7528-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書1 輝度比試験1
1. 試験装置 試験装置は,遮光筒式簡易輝度比測定装置1を使用し,構造は,附属書1図1に示す。
2. 試験条件 試験条件は,次による。
(1) 電球は,口金を上方又は下方とする鉛直に保持し,本体9.1の試験条件で試験電圧で点灯する。
(2) 入射窓と被測定面Aとの間の距離は,10±3mmとする。
(3) 測定は,周囲光の影響を受けないように注意して行う。
(4) 測定方向は,電球軸に対して垂直な方向とする。
(5) 照度計は,JIS C 1609の一般形A級以上を使用する。
3. 試験方法 試験方法は,次による。
(1) ガラス球最大部のほぼ中央の1点に照準し,電球軸を中心として回転させ,輝度が,最も高い位置を
Aとして,その面の平均輝度LAを求める。
(2) 次にその状態でガラス球頂部に向かって,鉛直方向に20mm移動した位置をBとして,その面平均輝
度LBを求める(附属書1図2参照)。
(3) LAのLBに対する比を求める。
附属書1図1 遮光筒式簡易輝度比測定装置1
9
C 7528-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書1図2 輝度比測定箇所
10
C 7528-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書2 輝度比試験2
1. 試験装置 試験装置は,遮光筒式簡易輝度比測定装置2を使用し,構造は,附属書2図1に示す。
2. 試験条件 試験条件は,次による。
(1) 電球は,口金を上方又は下方とする鉛直に保持し,本体9.1の試験条件及び付表2の試験電圧で点灯
する。
(2) 入射窓と被測定面Aとの間の距離は,10±3mmとする。
(3) 測定は,周囲光の影響を受けないように注意して行う。
(4) 測定方向は,電球軸に対して垂直な方向とする。
(5) 照度計は,JIS C 1609の一般形A級以上を使用する。
3. 試験方法 試験方法は,次による。
(1) ガラス球最大部のほぼ中央の1点に照準し,入射窓に入射窓Aを遮光筒の所定の位置に遮光板Aを取
り付け,フィラメント全体が入射窓Aの範囲内に入るように電球を固定し,電球軸を中心として回転
させ,輝度が最も高い位置をAとして,その面の平均輝度LAを求める。
(2) 次にその状態で入射窓に取り付けられていた入射窓Aを入射窓Bに取り替え,遮光筒の所定の位置に
遮光板Bを取り付け,ガラス球頂部に向かって鉛直方向に20mm移動した位置をBとし,その平面の
平均輝度LBを求める(附属書2図2参照)。
(3) LAのLBに対する比を求める。
附属書2図1 遮光筒式簡易輝度比測定装置2
11
C 7528-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書2図2 輝度比測定箇所
12
C 7528-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書3 光度比試験
1. 試験装置 試験装置は,光度比測定装置を使用し,構造は,附属書3図1に示す。
2. 試験条件 試験条件は,次による。
(1) 電球は,鉛直(口金下)に保持し,本体9.1の試験条件及び付表2の試験電圧で点灯する。
(2) 測定は,周囲光の影響を受けないように注意して行う。
(3) 測定方向は,電球軸に対して垂直な方向とする。
(4) 照度計は,JIS C 1609の一般形A級以上を使用する。
3. 試験方法 試験方法は,次による。
(1) 入射窓に入射窓Aを取り付け,フィラメントの中心と入射窓Aの中心がほぼ一致するように電球を固
定する。電球軸を中心として電球を回転させ,照度計の読み(光度)が最も高い位置を決め,さらに
その位置で電球を水平方向と鉛直方向に少し移動させ,光度の最大値IAを求める。
(2) 次にその状態で入射窓Bに取り替え,そのときの光度IBを求める。
(3) 電球を電球軸を中心として180度回転させ,入射窓Aと入射窓Bによって光度を同様に測定する。
(4) 入射窓Aによる電球中心光度IA,入射窓Bによる電球全体の光度をIBとし,測定した2方向の (IB−
IA) とIAとの比Cの平均値を求める(附属書3図2参照)。
[C=IA/ (IB−IA)]
13
C 7528-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書3図1 光度比測定装置
附属書3図2 光度比測定箇所
14
C 7528-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS C 7528 改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
○ 中 川 靖 夫
埼玉大学
(幹事)
○ 伊 藤 清之助
社団法人日本電球工業会
鷲 見 良 彦
通商産業省機械情報産業局
○ 古 市 正 敏
工業技術院標準部
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
伊 藤 哲 朗
警察庁交通局
海 谷 恒 夫
小糸工業株式会社
(分科会主査)
○ 丸 市 次 郎
松下電子工業株式会社
○ 永 井 雅 雄
東芝ライテック株式会社
○ 斎 藤 哲 夫
社団法人日本電球工業会
(事務局)
萩 原 真 樹
社団法人日本電球工業会
備考 ○印は,分科会委員を兼ねる。
文責 原案作成委員会