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日本工業規格

JIS

 C7102

-1973

電子管用語

Glossary of Terms for Electron Tubes

1.

適用範囲  この規格は,電子管に用いる用語とその意味について規定する。

なお,参考のために対応英語を示す。

2.

分類  電子管用語を,つぎの 10 部門に分ける。

対応英語(参考)

(1)

一般的分類  General Classification

(2)

構成部品  Constituent Parts

(3)

外形寸法  Outline

(4)

動作状態  Operating Conditions

(5)

回路特性  Circuit Characteristics

(6)

定格と試験  Ratings and Tests

(7)

送信管と受信管  Transmitting Tubes and Receiving Tubes

(8)

マイクロ波管  Microwave Tubes

(9)

電子線管  Electron Beam Tubes

(10)

放電管と整流管  Discharge Tubes and Rectifier Tubes

3.

電子管用語  用語について,つぎのように定める。

備考  二つ以上の用語を並べた場合は,原則としてその順位に従って優先使用する。

1.

一般的分類  General Classification

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

1-1 

電子管

でんしかん

気密外囲器の中で電子またはイオン
が真空またはガスの中を運動するこ

とによって電気伝導を生じる電子装
置。

electron tube

1-2 

真空管

しんくうかん

電気的特性が,残留ガスまたは蒸気
の電離によって実質上影響されない
程度に排気された電子管。

vacuum tube

1-3 

送信管

そうしんかん

大電力送信の増幅,発振,変調,整
流などの目的に設計された真空管。
ただし一般にはマイクロ波管に属す

るものを除く。

transmitting tube


2

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

1-4 

受信管

じゅしんかん

大電力送信の目的に使用しない小形
真空管であって,主として小電力の
増幅,発振,変調,検波,整流など

の目的に設計された真空管。ただし
一般にはマイクロ波管に属するもの
を除く。

receiving tube

1-5 

マイクロ波管

ま い く ろ は か

マイクロ波の増幅,発振,切換など
を行なう電子管。

microwave tube

1-6 

電子線管

で ん し せ ん か

電子線の形成,集束,偏向および電
流制御などを行なう数個の電極をも
つ電子管。

electron beam tube

1-7 

光電管

こうでんかん

光電子放出陰極と陽極をもつ電子
管。

phototube

1-8 

電子増倍管, 

2

次電子管

で ん し ぞ う ば
いかん, 
に じ で ん し か

1

個または 2 個以上のダイノード電

極によって 2 次電子増倍を行なうこ
とを主目的とする電子管。

備考  光電子増倍を行なう光電

子増倍管が主として実用
になっている。

electron multiplier tube,

secondary-emission tube

1-9 

放電管

ほうでんかん

陰極から放出された電子と封入ガス
または蒸気との衝突電離作用にとも

なう電気的特性や発光現象を利用し
た電子管。

discharge tube

2.

構成部品  Constituent Parts

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

2-1 

電極

でんきょく

電子またはイオンの放出,捕集また
は電界によるそれらの運動制御の諸
作用のうち,一つまたはそれ以上を

行なう導電性の構成要素。

electrode

2-2 

入力電極

に ゅ う り ょ く

でんきょく

入力信号を印加する電極。 input

electrode

2-3 

出力電極

し ゅ つ り ょ く

でんきょく

出力信号をとり出す電極。 output

electrode

2-4 

制御電極

せ い ぎ ょ で ん
きょく

電子流の大きさ,速さまたは方向を
制御するための電極。

control electrode

2-5 

電極支持体

で ん き ょ く し
じたい

電極を適切な位置に支持する部品。

electrode support

2-6 

電極放熱板

で ん き ょ く ほ
うねつばん

電極に発生した熱の放散を容易にす
るために電極に付加した金属片。

electrode radiator

2-7 

陰極, 
カソード

いんきょく

電子放出を行なうための電極。 cathode

2-8 

熱陰極

ね つ い ん き ょ

熱電子放出を行なうための陰極。 hot

cathode

2-9 

冷陰極

れ い い ん き ょ

加熱しないで動作する陰極。ただし,

光電陰極およびダイノードは除く。

cold cathode

2-10 

光電陰極

こ う で ん い ん
きょく

光電子放出を主目的とする陰極。 photo-electric

cathode


3

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

2-11 

酸化物陰極

さ ん か ぶ つ い
んきょく

金属の上にアルカリ土類金属の酸化
物を被覆した活性面を持つ陰極。

oxide (coated) cathode

2-12 

直熱陰極, 
フィラメント, 
線条陰極

ち ょ く ね つ い
んきょく, 
せ ん じ ょ う い

んきょく

陰極自身に加熱電流を流す熱陰極で
あって,一般に線状またはリボン状
をしている。

directly heated cathode,

filament,

filamentary cathode

2-13 

傍熱陰極

ぼ う ね つ い ん
きょく

独立したヒータで加熱される熱陰
極。

indirectly heated cathode

2-14 

ヒータ

傍熱陰極を加熱するための電熱素
子。

heater

2-15 

(陰極の)熱シール

( い ん き ょ く
の)ねつしーる

熱放射損失を減少させるために熱陰
極を囲む金属部品。

heat-shield

(of a cathode)

2-16 

グリッド

電子またはイオンを通過させるため
に 1 個またはそれ以上の通路をもつ

電極。

grid

2-17 

第 グリッド

だ い え ぬ ぐ り
っど

陰極にもっとも近いグリッドから数
えて 番目のグリッド。

grid number n

2-18 

制御グリッド

せ い ぎ ょ ぐ り
っど

一般に陰極と陽極間に設けられたグ
リッドであって,電極間に流れる電

子流を制御するための電圧が加えら
れる。

control grid

2-19 

しゃへいグリッド

陽極と制御グリッドとを静電しゃへ

いするために両者間に設けられたグ
リッドであって,一般に固定の正電
位に保たれる。

screen grid

2-20 

抑制グリッド

よ く せ い ぐ り
っど

陽極から放出された 2 次電子がしゃ
へいグリッドに到達するのを抑制す

るために両電極間に設けられたグリ
ッドであって,一般に陰極の電位に
保たれる。

suppressor grid

2-21 

空間電荷グリッド

く う か ん で ん
かぐりっど

仮想陰極の位置,面積およびその電
位を制御するグリッド。

space-charge grid

2-22 

陽極グリッド

よ う き ょ く ぐ
りっど

周波数変換管の自励発振部の陽極に
相当するグリッド。

anode grid


4

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

2-23 

信号グリッド

し ん ご う ぐ り
っど

混合管および周波数変換管で信号を
加えるグリッド。 

図は 5 格子 7 極管の例を示す。

signal grid

2-24 

発振グリッド

は っ し ん ぐ り
っど

周波数変換管の発振部のグリッドで
あって,たとえば 5 格子 7 極管の第

1

グリッド。

2-23 参照)

oscillation grid

2-25 

励振グリッド

れ い し ん ぐ り
っど

混合管で,他励発振によって生じた
信号を加えるグリッド。

driving grid

2-26 

陽極, 
アノード, 
プレート

ようきょく

電子流の主要部分を集め,外部回路
へ電流を流すための電極。

anode,

plate

2-27 

ダイノード

2

次電子放出を主目的とする電極。 dynode

2-28 

電子増倍部

で ん し ぞ う ば
いぶ

入射電子流を一つ以上のダイノード
によって電流増幅する部分。

electron multiplier

2-29 

電子銃

でんしじゅう

電子ビームの生成,およびビーム電

流値の制御を行なう電極構成体。

electron gun

2-30 

変調電極

へ ん ち ょ う で

んきょく

電子ビーム電流を変調するための電

極。

modulating electrode

2-31 

加速電極

か そ く で ん き
ょく

電子流中の電子またはイオンの速度
を加速するような電位を持つ電極。

accelerating electrode

2-32 

減速電極

げ ん そ く で ん
きょく

電子流中の電子またはイオンの速度
を減速するような電位をもつ電極。

decelerating electrode

2-33 

集束電極

し ゅ う そ く で
んきょく

電子ビームを集束するための電極。

focusing electrode

2-34 

集束コイル

し ゅ う そ く こ
いる

電子ビームを集束するための磁界を
発生させるコイル。

focusing coil

2-35 

集束磁石

し ゅ う そ く じ

しゃく

電子ビームを集束するための磁界を

発生させる永久磁石または電磁石。

focusing magnet

2-36 

電子レンズ

でんしれんず

電子ビームの集束または発散を制御

するように設計されたもの。

electron lens

2-37 

電界レンズ

で ん か い れ ん

静電界によって目的を達する電子レ
ンズ。

electrostatic lens


5

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

2-38 

磁界レンズ

じかいれんず

磁界によって目的を達する電子レン
ズ。

electromagnetic lens

2-39 

電子反射鏡

で ん し は ん し
ゃきょう

電子ビームを全反射させるように設
計されたもの。

electron mirror

2-40 

ビームアライメント
コイル

ビームアライメントのためのコイ

ル。

4.24 参照)

beam alignment coil

2-41 

外囲器

がいいき

電極をおさめる気密容器。 envelope

2-42 

バルブ

電子管の外壁を形成する絶縁物の容
器であって,一般にガラスでできて
いる。

bulb

2-43 

ドーム

バルブの頂上に突出した平行側面の
部分。

dome

2-44 

ゲッタ

残留ガスに対する物理的および化学
的作用で残留ガスを吸収することに
よって真空度を高めるために電子管

内へ封入されている物質。

getter

2-45 

チップ

封じ切りの結果生じた外囲器上の小

さな突起。

tip

2-46 

リード線

りーどせん

電極を外部回路に接続するためにス
テムに封入した導線。

lead wire

2-47 

ステム

外囲器のリード線の通っている部分
をいい,一般に電極の支持を兼ねる。

stem

2-48 

ピン

電極と外部回路との電気的接続を行
なうための金属製の細い棒。

pin

2-49 

キャップ

単独の電極を外部回路に接続するた
めに使用される外囲器上の小さな帽
子状金具。

cap

2-50 

シールド

外部から静電的および磁気的な誘
導,熱源からの熱放射,ゲッタなど

の飛散などの影響から,電子管全体
またはその一部をしゃへいするため
に設けられたものであって,それぞ

れの役目に応じて適当な材料や構造
をもっている。

備考  一般に単にシールドと呼

ぶ場合は電気磁気的

(特に

電気的)

なシールドを意味

し,

その他の場合は熱シー

ルド,

ゲッタシールドなど

と呼んで区別している。

shield

2-51 

メタリックシールド
コーテング

電子管内と電子管外をシールドする

ためにガラス外壁上に作られた導電
膜。

metallic shield coating


6

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

2-52 

ベース

電極を外部回路に接続するためのピ
ンまたは接触金具をもった部品であ
って,外囲器に取付けられる場合と

外囲器の一部分である場合とがあ
る。

base

2-53 

オクタルベース

ピンサークル径 17.45mm で等間隔の

8

本のピンをもち,キー付のスピゴ

ットを備えたベース。

注  一部のピンを省略したもの

もある。

3-15 参照)

octal base

2-54 

ウェハベース

ベースが,うすい円板状の絶縁物ま

たはこれと他の構造物との組み合わ
せでできている場合,この円板状の
ベース。

wafer base

2-55 

ベースシェル

バルブの外部からとりつける構造の
ベースで,その側壁を形成している

部分。

base shell

2-56 

ベーススリーブ

ベースの周囲を金属板で作ってある

場合,この部分。

base sleeve

2-57 

ベースシールド

ベースの一部を構成し,またはベー
ス内部に組み込まれているシール

ド。

base shield


7

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

2-58 

スカート

電子管のキャップで端子のひろがっ
ている構造の場合,このひろがった
部分。

skirt

2-59 

スピゴット

ベースピンから長くベースの中央に
突出している柱。

2-60 参照)

spigot

2-60 

キー

位置案内の一種であって,ベース底
面の中央に円柱(スピゴット)が突

き出していて,この円柱の側面の一
方に突起があって,これがソケット
の中央の穴の形状に適合することに

よって位置が決定されるような突起
部分。

key

2-61 

バヨネットピン

ベースをソケットにはめこむ場合,

その位置を規定するために,ベース
の横に突き出ているピン。

bayonet pin


8

C7102-1973

3.

外形寸法  Outline

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

3-1 

ミニアチュア管

み に あ ち ゅ あ

かん

小形の電子管の一般的呼び名であっ

て,バルブ直径が 16.5∼22.2mm 程度
で,一般にボタンステムに円形に並
んでいる接触ピンをもっている。

miniature tube

3-2 

サブミニアチュア管

さ ぶ み に あ ち

ゅあかん

ミニアチュア管よりさらに小形のバ

ルブを用いた受信管。

subminiature tube

3-3 

マグノーバル管

ま ぐ の ー ば る

かん

最大直径 29∼38mm のバルブ,ピン

サークル直径 17.45mm およびピン直
径 1.27mm の 9 ピンベースを使用し
た電子管の一般的呼び名。

magnoval tube


9

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

3-4 

GT

じ ー て ぃ ー か

直径約 29mm のチューブ状のバルブ
およびオクタルベースを使用した電
子管の一般的呼び名。

“GT” tube

3-5 

G

じーかん GT 管よりさらに大形のバルブおよ

びオクタルベースを使用した電子管

の一般的呼び名。

“G” tube

3-6 

シングルエンド

電子管で端子が一方だけに出ている
こと。普通の受信管では,キャップ

のついていないものがこれにあた
る。

single end

3-7 

ダブルエンド

電子管で端子が 2 方向に出ているこ
と。普通の受信管では,キャップの
ついているものがこれにあたる。

double end

3-8 

外形ゲージ

が い け い げ ー

電子管の外形寸法または形状を検査
するためのゲージ。

outline gauge

3-9 

リングゲージ

ミニアチュア管などの肩高を測定す
る際にドーム状の部分の一定円周の
位置を決定するために用いられる環

状のゲージ。

ring gauge

3-10 

位置ゲージ

いちげーじ

電子管のベースピン位置,ガイド位
置,みぞ位置,サイドピン位置など

を検査するためのゲージであって,
電子管とソケットなどとの間のはめ
あいの良さを調べるために用いる。

position alignment gauge

3-11 

リード線間隔ゲージ

り ー ど せ ん か
んかくげーじ

リード線が直線上に配列されている
電子管(一般にサブミニアチュア管)

のリード線間隔を検査するためのゲ
ージ。

lead spacing gauge


10

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

3-12 

電子管外形図

で ん し か ん が
いけいず

互換性の要求寸法を含んでいる完成
電子管外形の図面。

tube outline drawing

3-13 

ベース図面

べーすずめん

電子管の互換性およびソケットへの
適合に必要な寸法を含むベースの図
面。

base drawing

3-14 

ベース直径

べ ー す ち ょ っ
けい

ベースの直径または長径。 base

diameter

3-15 

ピンサークル

ベースのピンがある円周上に配列さ
れているとき,この円の呼び名。

pin circle

3-16 

バルブ直径

ば る ぶ ち ょ っ
けい

バルブの直径または長径。 bulb

diameter

3-17 

最大部直径

さ い だ い ぶ ち

ょっけい

電子管の断面の径が最大である部分

の直径または長径。

maximum diameter

3-18 

全長

ぜんちょう

はんだ仕上げを含む電子管全体の長

さ。ただしサブミニアチュア管のよ
うにリード線が長くて曲がりやすい
場合にはリード線は全長に含めな

い。

overall length

3-19 

座高

ざこう

ベース底面から管球の頂部〔チップ
キャップ(はんだも含む)または固

定端子も含む〕までの距離。

seated height

3-20 

肩高

かたこう

ベースの底面から管球の肩平面まで

の距離。この肩平面とは,指定のリ
ングゲージを管球上にこれと同軸同
心にのせたときのゲージの下面をい

う。

base seat to hold down

line

3-21 

電極系の軸

で ん き ょ く け
いのじく

陰極またはフィラメントの中心を通
ってグリッド支柱,陽極支柱などに

平行な軸。

main axis of tube

elements

3-22 

電極の最大切断面

で ん き ょ く の

さ い だ い せ つ
だんめん

電極系の軸を含み,この面で電極系

を切断したときの面積が最大になる
ような面。

major cross-section of

tube elements

3-23 

ピン番号

ぴんばんごう

ベースピンの位置を区別するために

一定の方式に従ってピンにつけられ
る番号。

注  一般にベース底面から見て

基準線を過ぎた最初の位置
から始まって,時計方向に
順次番号をつける。ただし,

配列が直線上のものでは,
照合マークに最も近い方か
ら順次番号をつける。

pin numbering


11

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

3-24 

ヒータの高位番号ピ

ひ ー た の こ う
い ば ん ご う ぴ

ヒータ電源を接続するヒータピンの
うち最高番号のもの。

highest-numbered pin of

heater

3-25 

(電子管のベースで
の)基準線

( て ん し か ん

のべーすでの)
きじゅんせん

ベースピンや接触片(端子)の番号

をつけるのに基準となる線であっ
て,一般にベースの中心から規定の
方向に引いた放射線で表わされる。

reference line (for the

base of an electron

tube)

3-26 

(電子管の外形寸法
での)基準線

( で ん し か ん
の が い け い す
んぽうでの)き

じゅんせん

電子管の外形寸法を規定する場合に
基準となる線。

reference line (for the

outline of an electron

tube)

3-27 

照合マーク

し ょ う ご う ま

ーく

サブミニアチュア平形ベースなどで

リード線番号を決めるためにベース
につけてある印。

reference mark

3-28 

接続ピン

せつぞくぴん

ソケットの中へさし込む金属ピンで

あって,電子管の構成要素に接続さ
れていて,電極と外部回路との電気
的接続を完全にし,同時に管をソケ

ットへ機械的に固定するためのも
の。

contact pin


12

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

3-29 

無接続ピン

む せ つ ぞ く ぴ

ソケットに差し込む金属ピンであっ
て,電子管内の構成要素に接続され
ていないもの。

non-connected pin

3-30 

内部接続ピン

な い ぶ せ つ ぞ
くぴん

ソケットに差し込む金属ピンであっ
て,電子管の構成要素に接続されて

いるが外部回路に接続してはいけな
いもの。

internally connected pin

3-31 

ベースキャップ接続

べ ー す き ゃ っ

ぷせつぞくず

電子管のベースおよびキャップなど

の端子と内部電極との接続状態を示
す図。

base-cap connection

diagram

4.

動作状態  Operating Conditions

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

4-1 

電子放出

で ん し ほ う し
ゅつ

固体または液体内の電子が温度上昇
や入射光または電子との衝突によっ

てそのエネルギーを増加し,固体ま
たは液体表面にある電位の障壁を越
えて外部に放出すること。

electron emission

4-2 

電子放出特性

で ん し ほ う し
ゅつとくせい

電子放出量と放出作用を制御するヒ
ータまたはフィラメントの電流,電

圧などの要因との間の関係を示す特
性。

electron emission

characteristic

4-3 

熱電子放出

ね つ で ん し ほ

うしゅつ

電子が熱エネルギーによって固体や

液体面から放出すること。

thermionic emission

4-4 

1

次電子放出

い ち じ で ん し

ほうしゅつ

電極の温度上昇とか,その表面への

光の照射または強電界によってその
表面から電子を放出すること。

primary electron emission

4-5 

2

次電子放出

に じ で ん し ほ

うしゅつ

電子またはイオンが衝突することに

よって,その入射面から電子を放出
する現象をいい,1 次電子が表面で
反射したものをも含める。

secondary electron

mission

4-6 

光電子放出

こ う で ん し ほ
うしゅつ

光の入射によって,入射面から電子
を放出すること。

photoelectron emission

4-7 

陽極電子放出

よ う き ょ く で
ん し ほ う し ゅ

陽極からの 1 次および 2 次電子放出。 plate emission

4-8 

グリッド電子放出

ぐ り っ ど で ん
しほうしゅつ

グリッドからの 1 次および 2 次電子
放出。

grid emission

4-9 

空間電荷

く う か ん で ん

電子またはイオン,もしくはその両
方が存在するために空間にある電
荷。

space charge

4-10 

空間電荷密度

く う か ん で ん
かみつど

単位体積当りの空間電荷。

space charge density

4-11 

空間電荷制限電流

く う か ん で ん
か せ い げ ん で
んりゅう

空間電荷で電流値が制限されている
状態の電流。

space charge limited

current


13

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

4-12 

初速度電流

し ょ そ く ど で
んりゅう

放出電子のもつ初速度のために,陰
極表面の電界がゼロまたは負でも陰
極面から放出する電子流,または陰

極よりも負電位(接触電位差を除く)
の電極へ流入する電子流。

initial velocity current

4-13 

ゼロ電界放出電流

ぜ ろ で ん か い
ほ う し ゅ つ で
んりゅう

陰極表面の電位こう配がゼロの状態
での陰極からの 1 次電子放出電流。

field-free emission

current

4-14 

イオン電流, 

ガス電流

い お ん で ん り
ゅう, 
が す で ん り ゅ

管内を流れる電子と残留気体分子と
の衝突によって生じる陽イオンの流
れまたは電極への流入による電流。

ionic current,

gas current

4-15 

ガス比

がすひ

残留ガスによるイオン電流と,その

イオンを生成する電子電流との比。

gas ratio

4-16 

電子ビーム, 
電子線

でんしびーむ,
でんしせん

局限された領域内の軌道を動く電子
の束。

electron beam

4-17 

(電子ビーム内の)
電子 
〔イオン〕流密度

( で ん し び ー
むないの)でん

し 
〔いおん〕りゅ
うみつど

電子ビームのある切断面内での電子
〔イオン〕流の密度。

density of an electron

[ion] beam

4-18 

ビーム電流

び ー む で ん り
ゅう

電子ビームの切断面を通る電流。 beam

current

4-19 

クロスオーバ, 
交さ点

こうさてん

電子銃の陰極の前面にできるビーム
の断面積最小の部分。

crossover

4-20 

集束

しゅうそく

電子ビームの広がりをおさえてその

断面積を小さくするかまたは一定に
保つこと。

focusing

4-21 

ガス集束

が す し ゅ う そ

イオン化したガスの作用による電子
ビームの集束。

gas focusing

4-22 

電界集束

で ん か い し ゅ

うそく

電界形電子レンズの作用による電子

ビームの集束。

electrostatic focusing

4-23 

磁界集束

じ か い し ゅ う

そく

磁界形電子レンズの作用による電子

ビームの集束。

magnetic focusing

4-24 

ビームアライメント

電子ビームを電子光学系の軸に平行
にするための調整。

beam alignment

4-25 

電極電圧

で ん き ょ く で
んあつ

ある電極と陰極またはフィラメント
の特定端子(一般に負端子)との間

の電圧。

備考1.  各電極電圧を表わすの

に陽極電圧,グリッド電

圧などの用語が用いら
れる。

2.

一般にこれらの電極電

圧は,各電極の外部端子
間の電圧で表わす。

electrode voltage

4-26 

集束電極電圧

し ゅ う そ く で

ん き ょ く で ん
あつ

電界集束を用いる電子管の所定の集

束電極に加えられる電圧。

electrostatic focusing

potentials


14

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

4-27 

フィラメント電圧

ふ ぃ ら め ん と
でんあつ

フィラメント端子間に加えられる電
圧。

filament voltage

4-28 

ヒータ電圧

ひ ー た で ん あ

ヒータ端子間に加えられる電圧。 heater

voltage

4-29 

平均電極電圧

へ い き ん で ん

き ょ く で ん あ

外部回路の直流電圧降下および検波

作用の影響を考慮した動的動作状態
での平均の電極電圧。

mean electrode voltage

4-30 

電位基準点

で ん い き じ ゅ
んてん

電極に電圧を与えるときの基準とな
る電位点(または端子)であって,
原則として接地される。

reference point of

potential

4-31 

バイアス電圧

ば い あ す で ん
あつ

入力信号のないとき制御グリッドと
陰極間にまえもって加えられている
電圧。

electrode bias

4-32 

固定バイアス

こ て い ば い あ

外部電源によって一定のバイアス電
圧を得ること。

fixed bias

4-33 

セルフバイアス

外部電源を用いないで,グリッド電
流または陰極電流による抵抗中の電
圧降下によってバイアス電圧を得る

こと。

self bias

4-34 

直流グリッドバイア

ち ょ く り ゅ う

ぐ り っ ど ば い
あす

グリッド電圧の直流成分であって,

一般にグリッドバイアス(グリッド
と陰極間の電圧)と同じ。

DC grid bias

4-35 

カットオフ電圧, 

しゃ断電圧

か っ と お ふ で

んあつ, 
し ゃ だ ん で ん
あつ

陰極からの電子流を定められた低い

値(一般の測定ではゼロ)とするた
めに加えられる電極電圧。

cut-off voltage

4-36 

グリッドカットオフ
電圧, 

グリッドしゃ断電圧

ぐ り っ ど か っ
と お ふ で ん あ

つ, 
ぐ り っ ど し ゃ
だんでんあつ

電極が制御グリッドである場合のカ
ットオフ電圧。

grid cut-off voltage

4-37 

せん頭耐順電圧

せ ん と う た い
じ ゅ ん で ん あ

電子管の陰極と陽極間で電流の流れ
る方向に安全に加えることができる
最大せん頭電圧。

peak forward voltage

4-38 

せん頭耐逆電圧

せ ん と う た い
ぎ ゃ く で ん あ

電子管の陰極と陽極間で電流阻止方
向に安全に加えることができる最大

せん頭電圧。

peak inverse voltage

4-39 

電極電流

で ん き ょ く で
んりゅう

電極間の空間から電極を通って回路
へ流入または流出する電流。

例:  陰極電流,グリッド電流,

陽極電流など。

electrode current

4-40 

フィラメント電流

ふ ぃ ら め ん と
でんりゅう

フィラメントに供給される電流。 filament

current

4-41 

ヒータ電流

ひ ー た で ん り

ゅう

ヒータに供給される電流。 heater

current

4-42 

電極逆電流

で ん き ょ く ぎ

ゃ く で ん り ゅ

設計された電流方向と反対に流れる

電極電流。

inverse electrode current


15

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

4-43 

グリッド逆電流

ぐ り っ ど ぎ ゃ
くでんりゅう

グリッドに流れる逆電流であって,
たとえばイオン電流,漏れ電流,グ
リッド熱放出電流などからなる。

grid inverse current

4-44 

初速度電流補償

し ょ そ く ど で
ん り ゅ う ほ し

ょう

電子の初速度によって流れる電流
が,測定に影響する場合,これを打

ち消すような電圧を加えて,その影
響を取り除くこと。

initial current

compensation

4-45 

漏れ電流

も れ で ん り ゅ

電極間の絶縁物などを通って電極端

子間を流れる導電電流。

leakage current

4-46 

ピーク電流

ぴ ー く で ん り

ゅう

脈動電流の最大値。 peak

current

4-47 

出力電流

し ゅ つ り ょ く
でんりゅう

電子管の出力側負荷に流れる電流。

output current

4-48 

負荷電流

ふ か で ん り ゅ

電子管の外部負荷回路に流れる出力
電流。

load current

4-49 

出力電圧

し ゅ つ り ょ く
でんあつ

電子管の出力側の負荷両端に発生す
る電圧。

output voltage

4-50 

動作せん頭出力電圧

ど う さ せ ん と
う し ゅ つ り ょ
くでんあつ

規定の動作状態で,出力回路に発生
する交流電圧のせん頭値。

operating peak output

voltage

4-51 

せん頭正パルス陽極
電圧

せ ん と う せ い
ぱ る す よ う き
ょくでんあつ

陽極回路に発生する衝撃性電圧の正
の最大値であって,陽極直流電圧を
も含める。

peak positive-pulse

platevoltage

4-52 

せん頭負パルス陽極
電圧

せ ん と う ふ ぱ
る す よ う き ょ

くでんあつ

陽極回路に発生する衝撃性電圧の負
の最大値であって,陽極直流電圧を

も含める。

peak negative-pulse plate

voltage

4-53 

せん頭負パルスグリ
ッド電圧

せ ん と う ふ ぱ
る す ぐ り っ ど

でんあつ

グリッド回路に発生する衝撃性電圧
の負の最大値であって,グリッドバ

イアス電圧をも含める。

peak negative-pulse grid

voltage

4-54 

出力電力

し ゅ つ り ょ く

でんりょく

電子管の出力電極から負荷に供給さ

れる電力。

output power

4-55 

グリッド駆動電力

ぐ り っ ど く ど
うでんりょく

C

級増幅器でグリッドを正に駆動す

るための電力であって励振電源から

与えられる。

grid driving power

4-56 

グリッド励振電力

ぐ り っ ど れ い

し ん で ん り ょ

グリッド励振電圧の振幅  (E

g

)

とグ

リッド電流の基本波成分  (I

o

)

との

積の

2

1

(

2

o

I

g

E

)

grid exciting power

4-57 

電極損失

で ん き ょ く そ

んしつ

電子またはイオンの衝撃および他電

極からの熱放射によって電極で熱の
形で消費される電力。

electrode dissipation

4-58 

電極電流平均時間

で ん き ょ く で

ん り ゅ う へ い
きんじかん

電極の許容損失を定義する場合に電

流を平均する時間。

electrode-current

averaging time

4-59 

導通期間

ど う つ う き か

電子管がパルス的周期動作をしてい
るとき,導通状態にある期間。

“on” period

4-60 

非導通期間

ひ ど う つ う き

かん

電子管がパルス的周期動作をしてい

るとき,非導通状態にある期間。

“off” period


16

C7102-1973

5.

回路特性  Circuit Characteristics

備考  この項で星印(*)のついた用語の定義は,厳密には微小振幅だけに適用する。

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

5-1 

電極特性

で ん き ょ く と
くせい

ある電極の電流と電圧との関係であ
って一般にグラフで表わす。ただし,

他の電極電圧を一定に保った場合の
もの。

electrode characteristic

5-2 

静特性

せいとくせい

直流または低周波で,負荷インピー
ダンスがゼロの状態での電子管の特
性。

static characteristic

5-3 

動特性

どうとくせい

負荷インピーダンスを加え,交流陽
極電流を流して動作させる場合の電
子管の特性。

dynamic characteristic

5-4 

静止点

せいしてん

バイアス電圧に対応する特性曲線上
の点。

quiescent point

5-5 

動作点

どうさてん

電子管が動作をしているときの,あ
る電極の平均電圧に対応する特性曲
線上の点。

working point,

operating point

5-6 

変換特性, 

相互特性

へ ん か ん と く
せい,

そ う ご と く せ

ある電極電圧と他の一つの電極電流
との関係であって,一般にグラフで

表わす。ただし,残りの電極電圧を
一定に保った場合のもの。

transfer characteristic,

mutual characteristic

5-7 

負荷曲線

ふ か き ょ く せ

負荷インピーダンスの端子電圧が負

荷電流によって変化する関係を表わ
した線。

load line

5-8 

増幅定数, 

増幅率*, 
ミュー

ぞ う ふ く て い
すう, 
ぞうふくりつ

陽極電流を一定に保った場合の,陽
極電圧変化を制御グリッド電圧変化
で割った商。

amplification factor*,

mu factor (

µ

)

5-9 

(2 電極間の) 
増幅定数, 

(2 電極間の) 
増幅率*

( に で ん き ょ
くかんの)ぞう

ふくていすう,
( に で ん き ょ
くかんの)ぞう

ふくりつ

一つの電子管の二つの電極電圧を変
化させたとき,主電子流の大きさを

一定値に保った場合の両電極電圧の
変化の比。ただし,残りの電極電圧
を一定に保った場合のもの。

amplification factor

(between two electrodes)*

5-10 

内部抵抗*

な い ぶ て い こ

陽極の電極抵抗。

5-17 参照) internal

resistance*

5-11 

トランスアドミタン
*

ある電極から他の一つの電極に対す
るトランスアドミタンスとは,第 2

の電極の電流の正弦波成分を第 1 の
電極の電圧の正弦波成分で割った商
をいう。ただし,残りの電極電圧を

一定に保った場合のもの。

transadmittance*

5-12 

トランスコンダクタ
ンス*

ある電極から他の一つの電極に対す

るトランスコンダクタンスとは,第 2
の電極の電流の正弦波成分を第 1 の
電極の電圧の正弦波同相成分で割っ

た商をいう。ただし,残りの電極電
圧を一定に保った場合のもの。

transconductance*

5-13 

相互コンダクタンス
*

そ う ご こ ん だ

くたんす

制御グリッド対陽極間のトランスコ

ンダクタンス。

mutual conductance*


17

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

5-14 

変換コンダクタンス
*

へ ん か ん こ ん
だくたんす

周波数変換を行なう電子管で,出力
電極の短絡電流の被変換周波数成分
を入力グリッドに加えられた信号電

圧で割った商。

conversion

transconductance*

5-15 

電極インピーダンス
*

で ん き ょ く い

んぴーだんす

電極電圧の正弦波成分をその電極に

外部から流入する電流の正弦波成分
で割った商。ただし,他の電極電圧
を一定に保った場合のもの。

electrode impedance*

5-16 

電極アドミタンス*

で ん き ょ く あ
どみたんす

電極インピーダンスの逆数。 electrode

admittance*

5-17 

電極抵抗*

で ん き ょ く て
いこう

電極インピーダンスの実成分。 electrode

resistance*

5-18 

電極コンダクタンス
*

で ん き ょ く こ

んだくたんす

電極アドミタンスの実成分。 electrode

conductance*

5-19 

電極リアクタンス*

で ん き ょ く り

あくたんす

電極インピーダンスの虚成分。 electrode

reactance*

5-20 

電極サセプタンス*

で ん き ょ く さ
せぷたんす

電極アドミタンスの虚成分。 electrode

susceptance*

5-21 

電極容量

で ん き ょ く よ
うりょう

一つの電極と他のすべてを一緒に結
んだ電極および金属部分との間の静

電容量。

electrode capacitance

5-22 

電極間容量

で ん き ょ く か
んようりょう

任意の 2 電極間の静電容量であって,
他のすべての電極および金属部分を

接地した場合のもの。

interelectrode capacitance

5-23 

入力容量

に ゅ う り ょ く

ようりょう

入力電極の電極容量。 input

capacitance

5-24 

出力容量

し ゅ つ り ょ く
ようりょう

出力電極の電極容量。 output

capacitance

5-25 

実効入力〔出力〕イ
ンピーダンス*

じ っ こ う に ゅ
うりょく〔しゅ

つりょく〕いん
ぴーだんす

入力〔出力〕電極電圧の正弦波成分
をその電極に外部から流入する電流

の正弦波成分で割った商。ただし,
他のすべての電極に規定の電気的条
件を与えた場合のもの。

effective input [output]

impedance*

5-26 

実効入力〔出力〕ア
ドミタンス*

じ っ こ う に ゅ
うりょく〔しゅ
つりょく〕あど

みたんす

実効入力〔出力〕インピーダンスの
逆数。

effective input [output]

admittance*

5-27 

実効入力〔出力〕容
*

じ っ こ う に ゅ

うりょく〔しゅ
つりょく〕よう
りょう

実効入力〔出力〕アドミタンスの虚

成分を角周波数で割った商。

effective input [output]

capacitance*

5-28 

短絡アドミタンス

た ん ら く あ ど
みたんす

ある電極を除く他のすべての電極を
基準点へ短絡または交流的に短絡し
た状態で測定した,その電極と基準

点との間のアドミタンス。

short circuit admittance

5-29 

電子走行時間

で ん し そ う こ

うじかん

与えられた 2 点間を電子が走行する

のに必要な時間。

electron transit time

5-30 

電子走行角

で ん し そ う こ
うかく

与えられた 2 点間を電子が走行する
のに必要な時間と角周波数との積。

electron transit angle


18

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

5-31 

管内電圧降下

か ん な い で ん
あつこうか

導通状 態で の陽極 と陰 極間 の電位
差。

tube voltage drop

5-32 

パービアンス

2

極管では,空間電荷制限領域での陰

極電流と,陽極電圧の

2

3

乗との比。3

極管または多極管では,陽極電圧の

代わりに等価 2 極管電圧を用いたも
の。

perviance

5-33 

3

極管〔多極管〕の等

価 2 極管

さ ん き ょ く か

ん〔たきょくか
ん〕のとうかに
きょくかん

3

極管〔多極管〕と同じ大きさの陰極

電流が流れるような電圧を加えられ
た仮想陽極と,その 3 極管〔多極管〕
と同じ大きさの陰極とからなる仮想

2

極管。

equivalent diode of a

triode [multi-electrode

tube]

5-34 

等価 2 極管電圧

と う か に き ょ

く か ん で ん あ

等価 2 極管の陽極電圧。

equivalent diode voltage

5-35 

陰極中間層インピー
ダンス

い ん き ょ く ち

ゅ う か ん そ う
い ん ぴ ー だ ん

酸化物被覆陰極の台金属と被覆との

間に生成している中間層のインピー
ダンス。

cathode interface

impedance

5-36 

仮想陰極, 

電位最小面

か そ う い ん き
ょく,

で ん い さ い し
ょうめん

接近する電子の一部を透過し,残り
を反射する空間電荷電位最小点の軌

跡。

virtual cathode,

potential minimum

surface

5-37 

陰極効率

い ん き ょ く こ

うりつ

電子管の各電極に標準の電圧を与え

た場合の特性値(たとえば g

m

I

p

ど)と,ヒータ電圧〔電流〕または
フィラメント電圧〔電流〕を指定値

(通常 90%)に低下させた場合の特
性値との比。

cathode activity

5-38 

(グリッドの)しゃ
へい率

(ぐりっどの)
しゃへいりつ

グリッドの実面積と全面積との比。

screen factor (of a grid)

5-39 

管壁温度

か ん ぺ き お ん

管壁表面の温度であって,一般には

最も高温部の温度。

bulb temperature

5-40 

入力回路

に ゅ う り ょ く

かいろ

制御電圧を与えるために入力電極に

接続する外部回路。

input circuit

5-41 

出力回路

し ゅ つ り ょ く
かいろ

負荷インピーダンスを与えるために
出力電極に接続する外部回路。

output circuit

5-42 

増幅

ぞうふく

入力信号を拡大して,より大きな出
力を得ること。取扱う周波数,要求

される帯減幅によって適切な電子管
および増幅回路が使用される。

amplification

5-43 

A

級増幅

え い き ゅ う ぞ

うふく

入力交流信号の全周期にわたって増

幅管の陽極電流が流れているように
グリッドバイアス電圧を選んだ場合
の増幅作用。

備考 A1 級は,全入力周期を通

じてグリッド電流が流れ
ない場合。A2 級は,入力

周期のある間だけグリッ
ド電流が流れる場合。

class “A” amplification


19

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

5-44 

AB

級増幅

え い び ー き ゅ
うぞうふく

増幅管の陽極電流が流れている周期
が,入力信号の全周期より少ないが
半周期よりは多くなるようにグリッ

ドバイアス電圧を選んだ場合の増幅
作用。

備考 AB1 級は,全入力周期を通

じてグリッド電流が流れ
ない場合。AB2 級は,入力
周期のある間だけグリッ

ド電流が流れる場合。

class “AB” amplification

5-45 

B

級増幅

び ー き ゅ う ぞ

うふく

グリッドバイアスをほぼカットオフ

の値に選んだ場合の増幅作用であっ
て,交流グリッド電圧が加わらない
ときの陽極電流は,ほとんどゼロで

ある。グリッドに交流電圧が加わっ
たときは,ほぼ半周期の間,陽極電
流が流れる。

備考 B1 級は,全入力周期を通

じてグリッド電流が流れ
ない場合。B2 級は,入力

周期のある間だけグリッ
ド電流が流れる場合。

class “B” amplification

5-46 

C

級増幅

し ー き ゅ う ぞ

うふく

グリッドバイアスをカットオフ電圧

よりも低く選んだ場合の増幅作用で
あって,グリッドに交流電圧が印加
されない状態では,陽極電流はゼロ

である。グリッドに交流電圧を加え
ると半周期よりも短い間,陽極電流
が流れる。

備考 C1 級は,全入力周期を通

じてグリッド電流が流れ
ない場合。C2 級は,入力

周期のある間だけグリッ
ド電流が流れる場合。

class “C” amplification

5-47 

検波

けんぱ

変調波から原信号波を取り出すこと
であって,非直線素子によってこの
作用が行なわれる。

detection

5-48 

変調

へんちょう

ある波(搬送波)の特性(振幅,周
波数,位相など)を信号(変調波)
で変化させること。

modulation

5-49 

周波数弁別

し ゅ う は す う
べんべつ

周波数変調波から原信号波を振幅変
化として取り出すこと。

frequency discrimination

5-50 

整流

せいりゅう

交流電圧またはパルス電圧を 2 極管
の非直線性を利用して直流に変換す
ること。

rectification

5-51 

過負荷特性

か ふ か と く せ

指定された普通の負荷より大きい負
荷での特性。

overload characteristic

5-52 

側路

そくろ

抵抗などに並列にじゅうぶん大きい
値の静電容量を接続することによっ
て,交流的にこれを短絡すること。

by-pass


20

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

5-53 

散弾雑音, 

ショット雑音

さ ん だ ん ざ つ
おん, 
し ょ っ と ざ つ

おん

陰極からの電子放出の不規則な変動
に基づいて,出力中に含まれている
雑音であって,その値が周波数に無

関係なもの。

shot noise

5-54 

フリッカ雑音

ふ り っ か ざ つ

おん

酸化物被覆陰極からの電子放出の不

規則な変動に基づいて,出力中に含
まれている雑音であって,その値が
周波数に反比例するもの。

flicker noise

5-55 

マイクロホニック雑

ま い く ろ ほ に
っくざつおん

電極の機械的振動に基づいて,出力
中に含まれている雑音。

microphonic noise

5-56 

ハム

電源の商用周波数およびその高調波
分を含む雑音。

hum

5-57 

クリック・スクラッ
チ雑音

くりっく・すく

ら っ ち ざ つ お

電子管をたたいたときに生じる異常

雑音およびマイクロホニック雑音の
一種であって,比較的短時間断続す
る雑音。

click scratch noise

5-58 

ヒス雑音

ひすざつおん

真空管のヒータを直流で点火し,外
部からなんら機械的じょう乱を与え

ないときにも生じる規定の可聴周波
数帯の雑音であって,雑音電力とし
て表わされる。衝撃性雑音は含まな

い。

hiss noise

5-59 

等価雑音抵抗

と う か ざ つ お
んていこう

電子管から発生する雑音を電子管自
体は雑 音を 発生し ない もの と仮定

し,これと等しい雑音を発生する抵
抗がグリッド回路にそう入されてい
ると考 えた 場合の 抵抗 の値 であっ

て,次式で表わされる。

B

kT

e

eq

R

0

2

4

ここに 
k

:ボルツマン定数

(1.3805

×10

23

w

・s/°K)

T

o

:室温または指定された温度

(

°K〕

B

:周波数帯域幅〔Hz〕

2

e

:入力側に換算した雑音源

電圧の 2 乗平均値〔V

2

equivalent noise

resistance

5-60 

ダイナトロン効果, 

ダイナトロン特性

だ い な と ろ ん

こうか, 
だ い な と ろ ん
とくせい

電極特性(または変換特性)が負こ

う配のときに生じるものであって,
負抵抗と同等の効果。

例:  4 極管または 4 極管接続に

した電子管の陽極特性。

dynatron effect,

dynatron characteristic

5-61 

インゼル効果

い ん ぜ る こ う

グリッド線ピッチがグリッド陰極間
間げきよりも広い場合,陰極からの

電子放出が陰極上の各部分ではなは
だしく不均一になること。

island effect

6.

定格と試験  Ratings and Tests

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)


21

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

6-1 

最大定格

さ い だ い て い
かく

電子管の動作および使用条件の許容
最大限界値。

maximun rating

6-2 

標準球

ひ ょ う じ ゅ ん
きゅう

公表された標準値の特性をもつ電子
管。 
実用上,標準球はその用途に直接関

係のある特性だけに考慮が払われれ
ばよい。

bogey tube

6-3 

絶対最大定格

ぜ っ た い さ い

だいていかく

個々の電子管に適用される動作条件

および周囲条件の最高制限値であっ
て,最悪の状態でもこれをこえては
ならないもの。

備考  これが守られないときは,

電子管の寿命その他性能
が劣化することがある。

置設計にあたっては,

使用

の最初はもちろん,

全寿命

期間を通じて,

部品の許容

誤差,負荷の変化,電源電
圧の変動その他を含めた
極限の条件でも,

この絶対

最大定格をこえることが
ないように考慮する必要
がある。

absolute maximum rating

6-4 

設計中心定格

せ っ け い ち ゅ
う し ん て い か

ある形の電子管の標準球が,標準の
使用状態でこえてはならない限界

値。

備考  この場合,電源電圧の変

動,部品の偏差,負荷の変

化,

周囲状態や電子管自体

の変動などに対して,

ある

程度の安全率は見込まれ

ている。

装置設計者は使用

の最初のときにおいて標
準球に対して標準の電源

電圧のもとで設計中心定
格をこえないで動作する
ように設計すればよい。

design center rating

6-5 

設計最大定格

せ っ け い さ い
だいていかく

ある形の電子管の標準球が,最悪の
場合にもこえてはならない動作条件
および周囲条件の限界値。

備考  この場合,個々の電子管の

特性の偏差による動作状
態の変化は定格値に見込

まれているが,部品の誤
差,負荷の変化,電圧の変
動などによって,

この定格

値をこえることがないよ
うに装置の設計にあたっ
て考慮する必要がある。

design maximum rating


22

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

6-6 

予熱時間

よねつじかん

電子管を動作させる前にあらかじめ
規定の電極に規定の電圧を加えてお
く時間。

preheating time

6-7 

ヒータウォームアッ
プタイム

ヒータにほぼ定格値の電流を流した
とき,ヒータ端子電圧が規格値の

80%

に達するまでの時間。

heater warm-up time

6-8 

陰極加熱時間

い ん き ょ く か
ねつじかん

陰極加熱回路を閉じてから,陰極電
流計の振れが最大となり瞬時的停止

に達するまでの時間。

cathode warm-up time

6-9 

陰極予熱時間

い ん き ょ く よ

ねつじかん

他の電極に電圧を加える前に,あら

かじめヒータ電圧を加えておく必要
のある最小時間。

cathode preheating time

6-10 

起動時間, 
安定所要時間

きどうじかん,

あ ん て い し ょ
ようじかん

高圧印加の始まりから,周波数,出

力または電流の値,もしくはそれら
の変化の速さが規定値に達するまで
の時間。

warm-up time

6-11 

全起動時間, 

始動時安定時間

ぜ ん き ど う じ
かん

し ど う じ あ ん
ていじかん

起動時間と陰極予熱時間との和。

total starting time

6-12 

動作不能

どうさふのう

断線,短絡および空気漏れを示すも

のの総称。

inoperative

6-13 

たたき導通試験

た た き ど う つ

うしけん

電子管を規定の方法でたたき,規定

された感度の導通指示器によって電
極間の導通を調べる試験。

tap continuity test

6-14 

たたき短絡試験

た た き た ん ら

くしけん

管球を規定の方法でたたき,規定さ

れた感度の短絡指示器によって,電
極間短絡を調べる試験。

tap short test

6-15 

たたき雑音試験

た た き ざ つ お
んしけん

電子管を規定の方法でたたき,規定
の増幅度および周波数特性をもつ増
幅器の出力に現われる雑音を調べる

試験。

tap noise test

6-16 

永久短絡

え い き ゅ う た
んらく

振動,衝撃などによる加速度を加え
ないときでも電極間が短絡している

状態。

permanent short

6-17 

空気漏れ

くうきもれ

電子管不良項目の一つであって,普

通の視覚により判定できるもののほ
か,ガス電流が規定値以上の値を示
す場合をいう。

air leak

6-18 

形式試験

け い し き し け

電子管がその設計により決定された
形式どおりに作られているかどうか
を確認するための試験。

type approval test

6-19 

参考試験

さ ん こ う し け

製造業者が設計基準を統一して互換
性をもたせ,また,その設計を確認

するために必要に応じて行なう試
験。

reference test


23

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

6-20 

生産試験

せ い さ ん し け

製造業者が生産工程が順調であるか
どうかを確認する試験であって,生
産工程によって左右されると考えら

れる代表的特性について行なう試
験。

production test

6-21 

設計試験

せ っ け い し け

製造業者が標準的設計どおりに確保
されているかどうかを確認するため
に,通常生産工程によって大きな影

響をうけないと考えられる特性につ
いて行なう試験。

design test

6-22 

寿命

じゅみょう

指定の動作条件において指定された

特性が寿命終止点に達するまでの時
間。

life

6-23 

平均寿命

へ い き ん じ ゅ
みょう

個々の電子管の寿命の平均値。 mean

life

6-24 

寿命終止点

じ ゅ み ょ う し

ゅうしてん

寿命判定のために設けられた指定の

特性の指定された限界値。

life end point

6-25 

ヒータサイクリング

ヒータの機械的,電気的強度がじゅ

うぶんであるかどうかを,ヒータに
規定の電圧(一般には定格値をこえ
た値)を印加し,かつ断続して強制

的に調べる試験。

heater cycling life test

6-26 

ガラスひずみ試験

が ら す ひ ず み
しけん

ガラス管の割れやすさを調べるため
に,供試管(主としてミニアチュア

管)を沸騰水と冷却水に交互に浸し
たとき,空気漏れやクラックの有無
を調べる試験。

glass strain test

6-27 

ミニアチュアベース
ひずみ試験

み に あ ち ゅ あ
べ ー す ひ ず み

しけん

ミニアチュア管ベースの割れやすさ
を調べるために,ミニアチュア管の

ピンを強制的に拡張した状態で熱衝
撃を加えてベースのクラックの有無
を調べる試験。

miniature base strain test

6-28 

ねじりモーメント試

ベースと外囲器との間にねじり作用
を与えるモーメントを加えることに
よってベース取付強度を調べる試

験。

torsional moment test


24

C7102-1973

7.

送信管と受信管  Transmitting Tubes and Receiving Tubes

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

7-1 

2

極管 

にきょくかん

陽極と陰極の 2 電極で構成された電

子管。

diode

7-2 

3

極管

さ ん き ょ く か

陽極,陰極および制御グリッドの 3

電極で構成された電子管。

triode

7-3 

4

極管

よ ん き ょ く か

陽極,陰極および制御グリッドのほ
かに,もう 1 個のグリッド(通常,

しゃへいグリッドまたは空間電荷グ
リッド)をそう入した 4 電極で構成
された電子管。

tetrode

7-4 

5

極管

ごきょくかん

陽極,陰極および制御グリッドのほ
かに,2 個のグリッド(通常,しゃ

へいグリッドと抑制グリッド)をそ
う入した 5 電極で構成された電子管
であって,これらのグリッドのうち

1

個またはそれ以上のものが制御電

極の性質をもつ。

pentode

7-5 

7

極管

な な き ょ く か

陽極,陰極および制御グリッドのほ

かに,4 個のグリッドをそう入した 7
電極で構成された電子管であって,
これらのグリッドのうち 1 個または

それ以上のものが制御グリッドの性
質をもつ。

heptode

7-6 

多極管

たきょくかん

単一の電子流に対する 3 個以上の電
極で構成された電子管。

multi-electrode tube

7-7 

複合管

ふくごうかん

同一外囲器内に含まれた 2 個以上の

互いに無関係な電子流に対する電極
系で構成された電子管。

備考1.  複合管の表示例:双2極

管,双3極管,複3極管,

2

極5極管,双2極3極管,

双2極5極管,3極5極管

等。

2.

特性の等しい 2 電極系
で構成されたものに双

を用い,特性の異なる電
極系のとき複を用いる。

multiple-unit tube

7-8 

電位計管

で ん い け い か

非常に大きい内部抵抗をもつ信号源
からの電圧を測定するために入力抵
抗を極めて高くした真空管。

electrometer tube

7-9 

可変増幅管

か へ ん ぞ う ふ
くかん

制御グリッドのバイアス電圧の選び
方によって増幅定数が大きく変化す
るようにつくられた真空管。

variable mu (

µ

) tube,

remote cut-off tube

7-10 

ビーム出力管

び ー む し ゅ つ
りょくかん

電力増幅用の 4 極管で電子流がビー
ム状のもの。

備考  一般にビームを成形する

ためのビーム成形電極を
もつ。

beam-power tube


25

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

7-11 

板極管

ば ん き ょ く か

板状電極が平行に密接な間隔で配置
された真空管。

備考  一般に外部引出し端子は

板封止される。

planar electrode tube

7-12 

空冷管

くうれいかん

空気の流れによって冷却される電子

管。

air cooled tube

7-13 

水冷管

すいれいかん

流水によって冷却される電子管。

water cooled tube

7-14 

蒸発冷却管

じ ょ う は つ れ
いきゃくかん

水などの気化熱によって冷却される
電子管。

vapor cooled tube

8.

マイクロ波管  Microwave Tubes

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

8-1 

O

形マイクロ波管

お ー が た ま い
くろはかん

電子ビームが空間を直進する間に低
速波回路または共振回路の高周波電
界と相互作用を行ない,電子の運動

エネルギを高周波エネルギに変換す
ることによって,マイクロ波の増幅
または発振を行なう電子管。

O-type microwave tube

8-2 

M

形マイクロ波管

え む が た ま い
くろはかん

電子流が,互いに直交した直流電界
と直流磁界との存在する空間を,そ

の両者のどちらにも垂直な方向に走
行する間に,低速波回路または共振
回路の高周波電界と相互作用を行な

い,電子の位置エネルギを高周波エ
ネルギに変換することによってマイ
クロ波の増幅または発振を行なう電

子管。

M-type microwave tube

8-3 

クライストロン, 
速度変調管

そ く ど へ ん ち
ょうかん

電子ビームがその進行中に共振回路

の高周波電界と 2 回以上の相互作用
を行ない,最初の相互作用によって
生じた速度変調が,後の相互作用ま

での間に密度変調に変換されること
を特色とする O 形マイクロ波管。

klystron,

velocity modulation tube

8-4 

直進形クライストロ

ち ょ く し ん が

た く ら い す と
ろん

電子銃とコレクタの間に 2 個以上の

作用間げきをもつクライストロン。

linear beam klystron

8-5 

多空どう(胴)クラ
イストロン

た く う ど う く
らいすとろん

2

個以上の空どうをもつ直進形クラ

イストロン。

multi-cavity klystron

8-6 

反射形クライストロ

は ん し ゃ が た

く ら い す と ろ

リペラを用いて電子を追返すことに

よって,1 個の作用間げきが,電子
流を速度変調する役目と,密度変調
された電子流から高周波エネルギを

受ける役目とを兼ねているクライス
トロン。

備考  主として小電力の発振に

用いられる。

reflex klystron


26

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

8-7 

進行波管

し ん こ う は か

電子ビームが低速波回路上を伝ぱん
する前進波と連続的に相互作用を行
なう O 形マイクロ波管。

備考  ときには後進波管をも含

めた総称,

またさらに広義

に M 形管をも含めた総称

として用いられる場合も
ある。

travelling-wave tube

8-8 

O

形後進波管

お ー が た こ う
しんはかん

電子ビームが低速波回路上を伝ぱん
する後進波と連続的に相互作用を行
なう O 形マイクロ波管。

備考  一般には広帯域電子同調

発振管として設計される
が,

電子同調バンドパス形

増幅管として設計される
ものもある。

O-type backward-wave

tube

8-9 

M

形後進波発振管

え む が た こ う

し ん は は っ し
んかん

電子ビームが低速波回路上を伝ぱん

する後進波と連続的に相互作用を行
ない広帯域電子同調発振管として動
作する M 形マイクロ波管。

M-type backward-wave

oscillator tube

8-10 

M

形後進波増幅管

え む が た こ う
し ん は ぞ う ふ

くかん

電子流と低速波回路上の後進波との
相互作用によって増幅を行なう M 形

マイクロ波管。

M-type backward-wave

amplifier tube

8-11 

M

形前進波増幅管

え む が た ぜ ん
し ん は ぞ う ふ

くかん

電子流と低速波回路上の前進波との
相互作用によって増幅を行なう M 形

マイクロ波管。

M-type forward-wave

amplifier tube

8-12 

マグネトロン, 
磁電管

じでんかん

低速波回路が共振系をなす発振用 M

形マイクロ波管。

備考  一般には陰極と低速波回

路(陽極)とが同軸円筒状

になっている。

magnetron

8-13 

連続波マグネトロン

れ ん ぞ く は ま
ぐねとろん

直流,商用交流,または非平滑整流
陽極電源を用いて動作させるように

設計されたマグネトロン。

C. W. magnetron

8-14 

パルスマグネトロン

パルス陽極電源を用いて動作させる

ように設計されたマグネトロン。

pulsed magnetron

8-15 

切換放電管

き り か え ほ う
でんかん

送受信用アンテナを共用するマイク
ロ波パルス応用装置の送受信切換に

用いられる放電管。

gas-filled switching tube

8-16 

TR

て ぃ ー あ ー る

かん

分岐形送受切換回路の受信機分岐に

そう入される受信機保護用の放電
管。

TR-tube

8-17 

ATR

え い て ぃ ー あ

ーるかん

分岐形送受切換回路の送信機分岐に

そう入される受信感度低下防止用の
放電管。

ATR-tube

8-18 

作用空間

さ よ う く う か

マイクロ波電子管内の電子流と高周
波電磁界とが互いに作用を及ぼし合
う部分。

interaction space

8-19 

作用間げき

さ よ う か ん げ

間げき状の作用空間。 interaction

gap


27

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

8-20 

低速波回路, 

遅波回路

て い そ く は か
いろ 
ちはかいろ

電子流通路に沿って継続的に電子流
と高周波電磁界とを相互作用させる
ため,電子の速度に近い低位相速度

で電磁波を伝ぱんさせる周期構造。

slow-wave structure

8-21 

前進波

ぜんしんは

位相速度と群速度が同方向である進

行波。

forward wave

8-22 

後進波

こんしんは

位相速度と群速度が逆方向である進
行波。

backward wave

8-23 

入力空どう

に ゅ う り ょ く
くうどう

入力信号によって励振され,電子流
を変調する共振空どう。

input resonator

8-24 

出力空どう

し ゅ つ り ょ く
くうどう

密度変調された電子流によって励振
され,外部負荷に出力を供給するた
めの共振空どう。

output resonator

8-25 

ドリフト空間

ど り ふ と く う
かん

一つの作用空間を通過した電子流
が,次に再び作用空間を通過するま

での間に走行する高周波電磁界の無
い空間。

drift space

8-26 

コレクタ

マイクロ波管内ですでに役割を果し

た電子を捕集する電極。

electron collector

8-27 

電位低減コレクタ

で ん い て い げ

んこれくた

効率を高める目的で,作用空間の直

流電位より低い電位で動作させるよ
うに設計されたコレクタ。

depressed collector

8-28 

リペラ

反射形クライストロンで,作用間げ

きを通過した電子流の運動方向を反
転させるために負の電位に保たれる
電極。

repeller,

reflector

8-29 

(マイクロ波管の)
高周波結合器

( ま い く ろ は
かんの)こうし

ゅ う は け つ ご
うき

マイクロ波管を外部のマイクロ波回
路に対して適正に結合させるための

構造寸法を規定された結合器。

mount (of a microwave

tube)

8-30 

(マイクロ波管の)
基準面

( ま い く ろ は

かんの)きじゅ
んめん

マイクロ波管の高周波入出力部また

は高周波結合器について規定される
マイクロ波伝送路の特定の断面であ
って反射係数の位相条件を明確に指

定するためのもの。

reference plane (of a

microwave tube)

8-31 

(マグネトロンの)
陽極片

( ま ぐ ね と ろ

んの)ようきょ
くへん

マグネトロンの陽極で隣り合ってい

る二つの作用間げきの間の金属部
分。

anode segment (of a

magnetron)

8-32 

(マグネトロンの)
均圧環

( ま ぐ ね と ろ

んの)きんあつ
かん

マグネトロンのモード分離の目的の

ために特定の陽極片同志を接続する
金属環または金属線。

anode strap (of a

magentron)

8-33 

(切換放電管の)共
振間げき

( き り か え ほ
うでんかんの)
き ょ う し ん か

んげき

切換放電管の共振空どう内にある小
さい間げきであって,共振器の静電
容量を形成するとともにマイクロ波

の電界を集中させ,マイクロ波放電
を起こりやすくするためのもの。

resonant gap (of a

gas-filled switching

tube)


28

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

8-34 

(切換放電管の)イ
グナイタ

( き り か え ほ
うでんかんの)
いぐないた

切換放電管でマイクロ波放電の放電
開始を早めるために設けられる電
極。

備考  一般に負の直流電位が加

えられる。

ignitor electrode (of a

gas-filled switching

tube)

8-35 

(低速波回路の)位
相速度

( て い そ く は
かいろの)いそ
うそくど

電子ビームがないときに低速波回路
を伝ぱんする波の位相速度。

phase velocity (of a slow

wave structure)

8-36 

冷状態反射係数, 

冷状態電圧定在波比

れ い じ ょ う た
い は ん し ゃ け
いすう,

れ い じ ょ う た
い で ん あ つ て
いざいはひ

マイクロ波管の冷状態で観測される
入力側または出力側の反射係数また
は電圧定在波比。

cold reflection

coefficient,

cold VSWR

8-37 

動作時反射係数, 

動作時電圧定在波比

ど う さ じ は ん
しゃけいすう,

ど う さ じ で ん
あ つ て い ざ い
はひ

マイクロ波管の動作状態で観測され
る入力側または出力側の反射係数ま

たは電圧定在波比。

operating (or hot)

reflection coefficient

(or VSWR)

8-38 

冷状態損失

れ い じ ょ う た
いそんしつ

マイクロ波増幅管の冷状態で観測さ
れる入力端子と出力端子間の減衰
量。

cold loss

8-39 

動作時損失

ど う さ じ そ ん
しつ

動作状態にあるマイクロ波増幅管の
出力端子側から高周波信号を加えた

ときの出力端子と入力端子間の減衰
量。

operating loss

8-40 

間げき回路アドミタ
ンス

か ん げ き か い

ろ あ ど み た ん

電子ビームのないときに作用間げき

から見た回路のアドミタンス。

circuit gap admittance

8-41 

間げき回路インピー
ダンス

か ん げ き か い
ろ い ん ぴ ー だ
んす

間げき回路アドミタンスの逆数。

circuit gap impedance

8-42 

実効間げき容量

じ っ こ う か ん
げ き よ う り ょ

間げき回路アドミタンスの虚数部に
相当する静電容量。

effective gap capacitance

8-43 

間げき電子アドミタ
ンス

か ん げ き で ん
し あ ど み た ん

電子ビームが流れているときの間げ
きのアドミタンスと間げき回路アド

ミタンスとの差。

electronic gap admittance

8-44 

間げき電子インピー
ダンス

か ん げ き で ん
し い ん ぴ ー だ

んす

間げき電子アドミタンスの逆数。

electronic gap impedance

8-45 

ビームローティング
アドミタンス

初めに変調されていない電子ビーム

が間げきを通過することによって生
じる間げき電子アドミタンス。

beam loading admittance

8-46 

同期電圧

ど う き で ん あ

電子を静止状態から低速波回路の位

相速度に等しい速度まで加速するの
に必要な電圧。

synchronous voltage

8-47 

発振開始電流

は っ し ん か い
しでんりゅう

規定の条件で動作させた発振管が自
励振を起こし始めるときの電子流の
値。

starting current


29

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

8-48 

全リペラ電流

ぜ ん り ぺ ら で
んりゅう

リペラ回路に流れる電流であって,
漏れ電流,ガス電流,リペラへの電
子衝撃によって生じる電流を含む。

total reflector current

8-49 

電子ビーム透過率

で ん し び ー む
とうかりつ

コレクタに捕集されるビーム電流を
全ビーム電流で割った商。

electron beam

transmission efficiency

8-50 

効率

こうりつ

高周波出力を,陰極加熱電力および
高周波入力を除いたすべての入力で
割った商。

efficiency

8-51 

電子効率

で ん し こ う り

作用空間で電子ビームから高周波回
路へ供給される高周波出力を電子ビ

ームに加えられる直流入力で割った
商。

electronic efficiency

8-52 

リーケ図

りーけず

マイクロ波発振器の負荷インピーダ

ンス特性を表わす図であって,座標
が負荷の複素反射係数になっている
極座標形インピーダンス図面上に等

出力線,等周波数線などを書いたも
の。

Rieke diagram

8-53 

シンク

リーケ図の中で,反射係数の位相の
変化によって生じる周波数の変化量
を位相の変化量で割った商が最大に

なる領域。

備考  この領域での動作は発振

の停止,

不安定などの異常

を起こすことがある。

sink

8-54 

エミッションスタビ
リティ

ヒータ(またはフィラメント)電圧
を減少したときに,マグネトロンが

所定のモードの発振を安定に続ける
能力。

emission stability

8-55 

プリング係数

ぷ り ん ぐ け い
すう

負荷の反射係数の絶対値を与えられ
た値に保って位相を 360°変化させ
る間に起こる発振周波数の最大値と

最小値との差。

備考  一般に熱的効果は除く。ま

た,

とくに指定がなければ

反射係数の絶対値は 0.2 を
用いる。

pulling figure

8-56 

プッシング係数

ぷ っ し ん ぐ け

いすう

電極電流の変化によって生じる発振

周波数の変化量を電流変化量で割っ
た商。

備考  一般に熱的効果は除く。

pushing figure

8-57 

電子同調

で ん し ど う ち
ょう

電子流の速度,電流密度などを変化
させることによって発振周波数を変

化させること。

electronic tuning

8-58 

機械的同調

き か い て き ど
うちょう

空どうの共振周波数を機械的に変化
することによって発振周波数を変化

させること。

mechanical tuning


30

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

8-59 

熱的同調, 

温度同調

ね つ て き ど う
ちょう 
お ん ど ど う ち

ょう

マイクロ波管内機構の一部の制御さ
れた熱膨脹を利用して発振周波数を
変化させること。

thermal tuning

8-60 

同調感度

ど う ち ょ う か

んど

機械的同調での駆動素子の位置,電

子同調での電圧などの同調をうけも
つパラメータの変化量で周波数変化
量を割った商。

tuning sensitivity

8-61 

周波数同調範囲, 

可変周波数範囲

し ゅ う は す う
ど う ち ょ う は
んい,

か へ ん し ゅ う
はすうはんい

マイクロ波管を規定の条件で動作さ
せ,定められた最小値以上の出力ま
たは利得を得ながら変化させること

ができる周波数範囲。

frequency tuning range

8-62 

小信号利得

し ょ う し ん ご
うりとく

高周波入力をそれより下げても利得
が変化しないような小入力の領域に
おける利得。

small-signal gain

8-63 

飽和利得

ほうわりとく

飽和出力領域での利得。 saturation

gain

8-64 

飽和出力

ほ う わ し ゅ つ

りょく

マイクロ波管を規定の条件で動作さ

せ,高周波入力を次第に増加させて
いったときに観測される出力の飽和
値。

備考  極大が現われる場合には

最初の極大値。

saturation power

8-65 

瞬時帯域幅

し ゅ ん じ た い

いきはば

周波数以外の動作条件を一定に保た

れた増幅管の利得が規定の限度まで
しか変化しない周波数の幅。

備考  熱的なドリフトの効果が

出ない程度に周波数を速
く変化させて測定する。

instantaneous band width

8-66 

(マグネトロンの)
パイモード

一つの空どうから次の空どうまでの
間に位相が

πラジアンだけ変化する

動作姿態。

π-mode (of a magnetron)

8-67 

(マグネトロンの)
臨界電圧, 

(マグネトロンの)
カットオフ電圧

( ま ぐ ね と ろ
んの)りんかい
でんあつ,

( ま ぐ ね と ろ
んの)かっとお
ふでんあつ

与えられた磁束密度で,陰極から速
度ゼロで放出された電子が陽極に達
しないという条件を満たす最高の陽

極電圧の理論値。

citrical voltage (of a

magnetron),

cut-off voltage (of a

magnetron)

8-68 

(マグネトロンの)
動作時ヒータ電圧, 

(マグネトロンの)
動作時フィラメント
電圧

( ま ぐ ね と ろ
んの)どうさじ

ひ ー た で ん あ
つ, 
( ま ぐ ね と ろ

んの)どうさじ
ふ ぃ ら め ん と
でんあつ

マグネトロンなどで,電子衝撃によ
る陰極の損傷を避けるためと動作の

安定を保つために守らなければなら
ないヒータ電圧。

備考  一般には陽極入力の関数

として指定される。

heater voltage

(operation)

(of a magnetron),

filament voltage

(operation)

(of a magnetron)

8-69 

(マグネトロンの)
起動安定度

( ま ぐ ね と ろ
んの)きどうあ
んていど

規定の放置期間後,最初に高圧を印
加した瞬間から始まる規定時間内に
測定したミスパルス数。

staring stability (of a

magnetron),

snap-on stability (of a

magnetron)


31

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

8-70 

(マグネトロンの)
ミスパルス率

( ま ぐ ね と ろ
んの)みすぱる
すりつ

パルス動作を行なうマグネトロンで
入力パルスが正しく与えられている
のに,出力パレスのうちのあるもの

がじゅうぶんなエネルギをもたない
場合,規定の最小値以下のエネルギ
しかもたない出力パルスの発生する

確率。

missmg-pulsefactor

  (of a magnetron)

8-71 

(切換放電管の)イ
グナイタ点火時間

( き り か え ほ

うでんかんの)
い ぐ な い た て
んかじかん

イグナイタ電極に規定の電圧を加え

たのち,イグナイタの点火が完了す
るまでの時間。

primer ignition period

  (of a gas-filled switching

tube)

8-72 

(切換放電管の)イ
グナイタインタラク
ション

( き り か え ほ
うでんかんの)
い ぐ な い た い

ん た ら く し ょ

そう入損失または無負荷時 値など
の切換放電管のマイクロ波特性がイ
グナイタ電極の点火によって変化す

ること。

primer interaction (of a

gas-filled switching

tube)

8-73 

(切換放電管の)最
小動作電力

( き り か え ほ
うでんかんの)
さ い し ょ う ど

う さ で ん り ょ

切換放電管で,規定のイグナイタ電
流を流した状態で高周波放電を開始
するのに必要な最小の高周波電力。

minimum firing power

  (of a gas-filled switching

tube)

8-74 

(切換放電管の)点
弧時間

( き り か え ほ

うでんかんの)
てんこじかん

高電力マイクロ波パルスを加えた瞬

間から切換放電管が点弧するまでに
必要とする時間。

firing time (of a gas-filled

switching tube)

8-75 

(切換放電管の)回
復時間

( き り か え ほ
うでんかんの)
か い ふ く じ か

切換放電管で,送信パルス電力がゼ
ロとなってから規定の限界*までイ
オンが消滅するまでの時間。

*  規定の限界とは,管球の低

レベル高周波信号に対する
減衰量が規定の値になる点

である。

recovery time (of a

gas-filled switching

tube)

8-76 

(切換放電管の)漏
れ電力

( き り か え ほ
うでんかんの)

も れ で ん り ょ

高電力マイクロ波パルスが加えられ
たとき,切換放電管を通して受信機

側へ漏れるマイクロ波の電力。

leakage power (of a

gas-filled switching

tube)

8-77 

(切換放電管の)ス
パイク漏れエネルギ

( き り か え ほ
うでんかんの)
す ぱ い く も れ

えねるぎ

高電力マイクロ波パルスが加えられ
たとき,切換放電管がじゅうぶんに
点弧する前の短時間内に切換放電管

を通して受信機側へ特に大量に漏れ
るマイクロ波のエネルギ。

spike leakage energy (of a

gas-filled switching

tube)

8-78 

(切換放電管の)平
たん部漏れ電力

( き り か え ほ

うでんかんの)
へ い た ん ぶ も
れでんりょく

高電力マイクロ波パルスが加えられ

たとき,切換放電管が点弧している
時間内に受信機側へ漏れる少量のマ
イクロ波電力。

flat leakage power (of a

gas-filled switching

tube)

8-79 

(切換放電管の)ア
ーク損失

( き り か え ほ
うでんかんの)

あ ー く そ ん し

高電力マイクロ波パルスによって点
弧している切換放電管がマイクロ波

の伝送に対して示す減衰量。

arc loss (of a gas-filled

switching tube)

9.

電子線管  Electron Beam Tubes


32

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

9-1 

撮像管

さつぞうかん

光学像をテレビジョン映像信号に変
換する電子線管であって,一般には
電子ビーム走査を用いている。

camera tube,

image pick-up tube

9-2 

光電面形撮像管

こ う で ん め ん
が た さ つ ぞ う

かん

光電子放出性感光面をもつ撮像管。

photo-emissive camera

tube

9-3 

高速度ビーム撮像管

こ う そ く ど び
ー む さ つ ぞ う

かん

ターゲットの平衡電位がターゲット
からの 2 次電子を捕集する電極の電

位とほぼ等しい値になるような高速
度の電子ビームで走査する撮像管。

high-velocity beam

camera tube

9-4 

低速度ビーム撮像管

て い そ く ど び
ー む さ つ ぞ う
かん

ターゲットの平衡電位が電子銃陰極
の電位とほぼ等しい値になるような
低速度の電子ビームで走査する撮像

管。

low-velocity beam

camera tube

9-5 

アイコノスコープ

電荷像を蓄積することのできるモザ
イク状感光面をもつ高速度ビーム撮

像管。

iconoscope

9-6 

オルシコン

電荷像を蓄積することのできるモザ

イク状感光面をもつ低速度ビーム撮
像管。

orthicon

9-7 

イメージ形撮像管

い め ー じ が た

さつぞうかん

ターゲットと分離した感光面をも

ち,放出された光電子がターゲット
上に電子像を結像するような光電面
形撮像管。

image camera tube

9-8 

イメージアイコノス
コープ

ターゲットがモザイク状になってい
るイメージ形高速度ビーム撮像管。

image iconoscope

9-9 

イメージオルシコン

ターゲットの感光面側に蓄積された
電荷像を,それと反対側から走査す
るイメージ形低速度ビーム撮像管。

image orthicon

9-10 

光導電形撮像管

こ う ど う で ん
が た さ つ ぞ う

かん

光導電性感光面をもつ撮像管。 photo-conductive

camera

tube

9-11 

ビジコン

光導電形低速度ビーム撮像管。 vidicon

9-12 

受像管

じゅぞうかん

テレビジョンの映像信号をけい光面
に画像として表わすための陰極線
管。

television picture tube,

kinescope (USA)

9-13 

白黒受像管

し ろ く ろ じ ゅ
ぞうかん

画像をけい光面上に輝度だけで再生
するように設計されている受像管。

black-and-white picture

tube

9-14 

カラー受像管

か ら ー じ ゅ ぞ
うかん

画像をけい光面上に輝度と色度の両
方で再生するように設計されている
受像管。

color picture tube

9-15 

投写形受像管

と う し ゃ が た
じゅぞうかん

光学系を使用してけい光面画像の投
写像を得るために,とくに高輝度に
設計された受像管。

projection picture tube

9-16 

三色受像管

さ ん し ょ く じ
ゅぞうかん

3

原色の光を発する三つの異なった

けい光体ドットまたは線条の配列か

らできているけい光面をもつカラー
受像管。

three color tube


33

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

9-17 

クロマトロン

3

原色けい光体の線条が,けい光面

に交互に並べられており,その前面
にこれらと平行して設けられた 2 組

の導線群に切換電圧を加えることに
よって,1 本の電子ビームを 3 原色
けい光体に切換え発光させるカラー

受像管。

chromatron tube

9-18 

補強形受像管

ほ き ょ う が た

じゅぞうかん

爆縮に対する外囲器の強度を増加さ

せるための付属部品をもつ受像管。
9-87 参照)

integral

implosion-protected

picture tube

9-19 

ティンテッドガラス
受像管

て ぃ ん て っ ど

が ら す じ ゅ ぞ
うかん

外光による画像のコントラスト低下

を防ぐため,光透過率を減少させた
フェースプレートをもつ受像管。

tinted-glass face-plate

picture tube

9-20 

反射防止ガラス受像

は ん し ゃ ぼ う
し が ら す じ ゅ
ぞうかん

外光に対する鏡面反射が小さいフェ
ースプレートをもつ受像管。

non-glare face-plate

picture tube

9-21 

単電子銃カラー受像

た ん で ん し じ
ゅ う か ら ー じ
ゅぞうかん

1

個の電子銃をもつカラー受像管。

single-gun color picture

tube

9-22 

3

電子銃カラー受像

さ ん で ん し じ
ゅ う か ら ー じ

ゅぞうかん

3

個の電子銃をもつカラー受像管。

triple-gun color picture

tube

9-23 

陰極線管, 

ブラウン管

い ん き ょ く せ
んかん,

ぶらうんかん

電子ビームをある面上の小さなスポ
ットに集中し,そのスポットの位置

と電流密度を変えることによって,
可視または他の検出可能なパターン
を発生できる電子線管。

cathode-ray tube,

CRT

9-24 

オシロ管

おしろかん

主として,時間と共に変化する電気
的量のグラフ表示を可視像として与

えるために用いられる陰極線管。

oscillograph tube,

oscilloscope tube

9-25 

2

電子銃陰極線管

に で ん し じ ゅ
う い ん き ょ く

せんかん

2

個の分離した電子銃をもつ陰極線

管。

double-gun cathode-ray

tube

9-26 

多電子銃陰極線管

た で ん し じ ゅ

う い ん き ょ く
せんかん

2

個以上の分離した電子銃をもつ陰

極線管。

multiple-gun cathode-ray

tube

9-27 

多ビーム陰極線管

た び ー む い ん

き ょ く せ ん か

2

本以上の電子ビームをもつ陰極線

管。

multi-beam cathode-ray

tube

9-28 

飛点走査管

ひ て ん そ う さ
かん

被写体上を光点走査するための光源
として走査輝点をけい光面上に発生
するように設計されている陰極線

管。

flying-spot scanner tube

9-29 

モノスコープ

ターゲット上に設けられた固定図形
上を電子ビームで走査することによ

って画像信号を取出すことができる
電子線管。

monoscope


34

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

9-30 

イメージ管

いめーじかん

光学像を入射させた光電面からの光
電子流を,電子レンズを使ってけい
光面上に結像させることによって可

視像を再生する電子線管。

image tube

9-31 

イメージ変換管

い め ー じ へ ん

かんかん

不可視像を可視像に変換するイメー

ジ管であって,赤外線用が多い。

image converter tube

9-32 

イメージ増強管

い め ー じ ぞ う
きょうかん

けい光面に輝度増強された像を発生
するように設計されたイメージ管。

例:  X 線けい光増強管

多段イメージ増強管

image intensifier tube

9-33 

蓄積管

ちくせきかん

情報の記録,保持,読取りおよび消
去などの作用を行なうことができる
ように設計された電子線管。

storage tube

9-34 

電荷蓄積管

で ん か ち く せ
きかん

絶縁物上に静電荷の形で情報が保持
される蓄積管。

charge storage tube,

electrostatic memory tube

9-35 

撮像形蓄積管

さ つ ぞ う が た
ちくせきかん

入力が光学像であり,出力が電気信
号である蓄積管。

storage camera tube

9-36 

直視形蓄積管

ち ょ く し が た

ちくせきかん

電気信号として導入された情報をけ

い光面上の持続可視像として表示で
きるように設計された蓄積管。

display storage tube

9-37 

電気信号蓄積管

で ん き し ん ご
う ち く せ き か

入力も出力も情報が電気信号の形を
とる蓄積管。

electric-signal storage

tube

9-38 

文字印刷管

も じ い ん さ つ
かん

文字形の孔がマトリクス状に配置さ
れた金属板を内蔵し,所望の文字孔
に入射するように電子ビームを偏向

することによって文字選択を行な
い,つぎにこの文字孔を通過した電
子ビームをさらに偏向することによ

って,けい光面上の所望の位置に配
字を行なう電子線管。

character printing tube

9-39 

静電記録管

せ い で ん き ろ
くかん

フェースプレートに埋め込まれた 1
列または数列のピンをもち,画像信
号で変調された電子ビームでこのピ

ン列を走査することによってフェー
スプレートに接して移動する記録紙
上に電荷潜像を記録する電子線管。

electrostatic recording

tube

9-40 

光学繊維陰極線管

こ う が く せ ん
い い ん き ょ く
せんかん

光学繊維からなるフェースプレート
の外面に記録用感光紙を密着するこ
とによって,けい光面上の図形や文

字を感光紙に記録する陰極線管。

fibre optics cathode-ray

tube

9-41 

けい光指示管

け い こ う し じ

かん

受信管への入力信号の大小によっ

て,管内に設けられたけい光面に入
射する電子ビームの広がりが変化
し,発光面積が変化することによっ

て,入力信号の大小を指示すること
のできる電子線管で,主として同調
指示に用いられる。

electron-ray indicator

tube


35

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

9-42 

けい光表示管

け い こ う ひ ょ
うじかん

けい光体を塗布したいくつかの陽極
片の発光を切り替えることによっ
て,文字,数字などを選択的に表示

する電子線管。

備考  一般に格子などによって

点滅が制御できる。

fluorescent character

display tube

9-43 

偏向電極

へ ん こ う で ん
きょく

電子ビームを偏向するための電極。
9-70 参照)

deflecting electrode

9-44 

後段加速電極

こ う だ ん か そ
くでんきょく

後段加速のための電極。 
9-74 参照)

post-deflection

accelerating electrode

9-45 

シャドウ電極

し ゃ ど う で ん
きょく

けい光指示管で電子流を偏向制御し
てけい光面上の影を変化させるため
に設けられた電極。

shadow electrode

9-46 

(陰極線管の)ネッ
ク, 

(陰極線管の)足管

( い ん き ょ く
せんかんの)ね
っく,

( い ん き ょ く
せんかんの)あ
しかん

陰極線管外囲器のベース側の円筒状
部分。

neck (of a cathode-ray

tube)

9-47 

(陰極線管の)コー
ン, 

(陰極線管の)ファ
ンネル

( い ん き ょ く
せんかんの)こ

ーん, 
( い ん き ょ く
せんかんの)ふ

ぁんねる

陰極線管外囲器の広がった部分。

cone (of a cathode-ray

tube),

funnel (of a cathode-ray

tube)

9-48 

(陰極線管の)フェ
ースプレート, 

(陰極線管の) 
面板

( い ん き ょ く
せんかんの)ふ

ぇ ー す ぷ れ ー
と, 
( い ん き ょ く

せんかんの)め
んばん

陰極線管外囲器の透明で大きな端面
であって,これを通して像を見たり

投写したりするもの。

face-plate (of a

cathode-ray tube)

9-49 

けい光面

けいこうめん

フェースプレート上に塗布されたけ
い光体の面であって,電子ビームの
衝撃を受けて発光するもの。

phosphor screen

9-50 

偏向板

へんこうばん

2

枚 1 組の板状偏向電極。 deflector

plates

9-51 

偏向ヨーク

へ ん こ う よ ー

偏向磁界を発生するために電子線管

に取り付けるものであって,1 組ま
たはそれ以上のコイルを磁心のまわ
りに取り付けたもの。

deflecting yoke

9-52 

イオントラップ

電子ビームの中からイオンを取り除
いてけい光面のイオン焼けを防止す
るためのもの。

ion trap

9-53 

(陰極線管の)メタ
ルバックけい光面

( い ん き ょ く
せんかんの)め

た る ば っ く け
いこうめん

けい光面の電子銃側に薄い金属膜
(一般にはアルミニウム膜)を蒸着

したもの。

metallized screen (of a

cathode-ray tube)

9-54 

ターゲット

電子ビームを当てられる電極。 target


36

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

9-55 

蓄積ターゲット

ち く せ き た ー
げっと

絶縁体または半導体の層であって,
その面上に電荷密度図形が蓄積さ
れ,これから情報が取り出されるも

の。

storage target

9-56 

背面電極

は い め ん で ん

きょく

蓄積ターゲットの絶縁体または半導

体の層を支持している電極。

back plate

9-57 

集中面

し ゅ う ち ゅ う
めん

集中が起こる面。 
9-84 参照)

convergence surface

9-58 

集中電極

し ゅ う ち ゅ う
でんきょく

集中を制御するための電極。 convergence

electrode

9-59 

集中磁石

し ゅ う ち ゅ う
じしゃく

集中を制御するための磁石。 convergence

magnet

9-60 

(撮像管の)信号電

( さ つ ぞ う か
んの)しんごう
でんきょく

撮像管から信号出力を取り出すため
の電極。

signal el ectrode (of a

camera tube)

9-61 

(撮像管の)フィー
ルドメッシュ電極

( さ つ ぞ う か
んの)ふぃーる
ど め っ し ゅ で

んきょく

ターゲットの前面などに設けられた
メッシュ状の電極。

field mesh electrode

(of a camera tube)

9-62 

シャドウマスク

3

原色発光をするけい光体で塗り分

けられたけい光面の前に設ける多孔
金属板であって,3 本の電子ビーム
はこの孔に集中し,これを通過した

のち,それぞれの原色けい光体に当
たるように構成されているもの。

shadow mask

9-63 

(撮像管の)暗電流

( さ つ ぞ う か

んの)あんでん
りゅう

入射光のない時のターゲット漏れ電

流。

dark current (of a camera

tube)

9-64 

(撮像管の)電荷潜

( さ つ ぞ う か
んの)でんかせ
んぞう

撮像管のターゲット面上に光学像に
対応して形成された電荷像。

latent charge image (in a

camera tube)

9-65 

(撮像管の)出力電

( さ つ ぞ う か
んの)しゅつり
ょ く で ん り ゅ

信号電極から得られる電流。

output current (of a

camera tube)

9-66 

(撮像管の)信号電

( さ つ ぞ う か

んの)しんごう
でんりゅう

出力電流と暗電流との差。

signal current (of a

camera tube)

9-67 

偏向電流

へ ん こ う で ん

りゅう

電子ビームを偏向させるために偏向

コイルに流す電流。

deflecting current

9-68 

(陰極線管の)輝点

( い ん き ょ く

せんかんの)き
てん

電子ビームの衝撃によって発光して

いるけい光面上の小面積部分。

luminescent spot (in a

cathode-ray tube)

9-69 

(陰極線管の)輝線

( い ん き ょ く

せんかんの)き
せん

輝点の動きによって描かれた軌跡。

luminescent line (in a

cathode-ray tube)

9-70 

偏向

へんこう

電界または磁界の作用によって電子
ビームの方向を変化させること。

deflection

9-71 

電界偏向

で ん か い へ ん

電界の作用による電子ビームの偏

向。

electrostatic deflection


37

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

9-72 

磁界偏向

じ か い へ ん こ

磁界の作用による電子ビームの偏
向。

magnetic deflection

9-73 

偏向電圧

へ ん こ う で ん
あつ

偏向電界を発生させるために,偏向
板間に加える電圧。

deflecting voltage

9-74 

後段加速

こ う だ ん か そ

電子ビームを偏向した後で加速する

こと。

post-deflection

acceleration

9-75 

偏向ピンぼけ

へ ん こ う ぴ ん

ぼけ

電子ビームを偏向させると,輝点の

大きさが変化すること。

deflection defocusing

9-76 

イオン焼け

いおんやけ

管内でできたイオンがけい光面に衝
突して発光能力が低下すること。

ion burning

9-77 

(けい光面の)固着
電圧

( け い こ う め
んの)こちゃく

でんあつ

けい光面からの 2 次電子放出比が 1
以下となるようなけい光面電圧。

備考  この電圧以上の領域では,

けい光面が負に帯電する
ので 1 次電子の入射速度

は,

この値以上に増大しな

い。

sticking voltage (of a

luminescent screen)

9-78 

(けい光面の)残光

( け い こ う め

んの)ざんこう

けい光面の電子衝撃を減少するか,

または取り去った後で発光が減衰し
ながら持続する現象。

persistence (of a

lumine-scent screen),

afterglow (of a

lumine-scent screen)

9-79 

けい光指示管のパタ
ーン

け い こ う し じ
か ん の ぱ た ー

けい光指示管のけい光面に現われる
発光部および陰影部の形。

pattern of an electron-ray

indicaton tube

9-80 

走査

そうさ

画像をその画素の時系列に分解する
こと。

scanning

9-81 

走査線

そうさせん

走査点のたどる軌跡。 scanning

line

9-82 

ラスタ

ターゲットまたはけい光面上に非変

調走査線によって形成されるしま状
図形。

raster

9-83 

帰線

きせん

一つの走査が完了して,次の走査に
移る場合の走査点のたどる軌跡。

fly-back line,

retrace line

9-84 

集中

しゅうちゅう

多ビームカラー受像管で各電子ビー

ムが 1 点に交さすること。

convergence

9-85 

動的集中

ど う て き し ゅ

うちゅう

電子ビームを偏向させても常に集中

が得られること。

dynamic convergence

9-86 

輝点消去電圧

き て ん し ょ う
きょでんあつ

電子銃の第 1 グリッドに加える負電
圧または陰極に加える正電圧の絶対

値を増したとき輝点がちょうど消失
する電圧。

spot cut-off voltage

9-87 

(外囲器の)爆縮

(がいいきの)
ばくしゅく

管球の外囲器が外圧によって激しく
破損すること。

implosion (of an

envelope)

9-88 

ビーム角

びーむかく

クロスオーバ点から出ている円すい

形の電子ビームの立体角。

beam angle

9-89 

たる形ひずみ

た る が た ひ ず

対称軸からの電子ビームの変位とと

もに偏向感度が減少することによっ
て,方形像がたる形像になるひずみ。

barrel distortion

9-90 

糸巻形ひずみ

い と ま き が た

ひずみ

対称軸からの電子ビームの変位とと

もに偏向感度が増すことによって,
方形像が糸巻形像になるひずみ。

pincushion distortion


38

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

9-91 

S

ひずみ

えすひずみ

磁界レンズを使用した場合再生像に
現われる S 字形または逆 S 字形の図
形ひずみ。

S-distortion

9-92 

台形ひずみ

だ い け い ひ ず

偏向電磁界の不均一などのために方
形像が台形像になるひずみ。

trapezium distortion

9-93 

収差

しゅうさ

1

点から出た電子ビームが電子レン

ズの各点を通ったのち 1 点に結像し
ないこと。

aberration

9-94 

球面収差

き ゅ う め ん し
ゅうさ

電子レンズの焦点距離が半径方向に
不均一なために起こる収差。

spherical aberration

9-95 

非点収差

ひ て ん し ゅ う

電子レンズの焦点距離が円周方向に
不均一なために起こる収差。

astigmatism

9-96 

色収差

いろしゅうさ

電子レンズの焦点距離が電子速度に
よって変化するために起こる収差。

chromatic aberration

9-97 

偏向角

へんこうかく

偏向によって電子ビームが曲げられ

る角度。

deflection angle

9-98 

電子線管の分解能

で ん し せ ん か

ん の ぶ ん か い
のう

電子線管に導入またはこれから取り

出すことができる情報量の尺度であ
って,一般にビット数,スポット数,
走査線数またはサイクル数で表わさ

れる。

resolving power of an

electron beam tube

9-99 

(けい光面の)分光
特性

( け い こ う め
んの)ぶんこう

とくせい

けい光面から放射される光の放射エ
ネルギ(単位波長幅,単位時間当り)

と波長との関係であって,一般にグ
ラフで表わされる。

spectral characteristic

(of a luminescent

screen)

9-100 

(けい光面の)2 次電
子放出特性

( け い こ う め
んの)にじでん
し ほ う し ゅ つ

とくせい

けい光面の 2 次電子放出比とけい光
面電圧との関係であって,一般にグ
ラフで表わされる。

secondary emission

characteristic (of a

luminescent screen)

9-101 

(けい光面の)残光
特性

( け い こ う め
んの)ざんこう

とくせい

残光の強さと経過時間との関係であ
って,一般にグラフで表わされる。

persistence characteristic

(of a luminescent

screen),

decay characteristic (of a

luminescent screen)

9-102 

電界偏向陰極線管の
偏向感度

で ん か い へ ん
こ う い ん き ょ

く せ ん か ん の
へ ん こ う か ん

輝点の変位を偏向電圧の変化分で割
った商。

deflection sensitivity of

an

electrostatic-deflection

cathode-ray tube

9-103 

磁界偏向陰極線管の
偏向感度

じ か い へ ん こ
う い ん き ょ く
せ ん か ん の へ

んこうかんど

輝点の変位を偏向磁界の変化分で割
った商。

deflection sensitivity of a

magnetic-deflection

cathode-ray tube

9-104 

偏向ヨークを取りつ
けた磁界偏向陰極線
管の偏向感度

へ ん こ う よ ー

く を と り つ け
た じ か い へ ん
こ う い ん き ょ

く せ ん か ん の
へ ん こ う か ん

輝点の変位を偏向コイル電流の変化

分で割った商。

deflection sensitivity of a

magnetic-deflection

cathode-ray tube with

yoke assembly


39

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

9-105 

(陰極線管の)偏向

( い ん き ょ く
せんかんの)へ
んこうりつ

偏向感度の逆数。 deflection

coefficient

(of a cathode-ray tube)

9-106 

輝点ひずみ

きてんひずみ

真円にならない輝点のひずみ。 spot

distortion

9-107 

ガスひずみ

がすひずみ

残留ガスのために輝点に生じるひず

み。

gas distortion

9-108 

輝線幅

きせんはば

けい光面上の輝線の幅。 line

width

9-109 

(陰極線管の)ハレ
ーション

( い ん き ょ く
せんかんの)は
れーしょん

輝点から出た光がフェースプレート
前面および背面で反射して輝点のま
わりに輪状の発光が現われること。

halation (in a cathode-ray

tube)

9-110 

(受像管の)ブルー
ミング

( じ ゅ ぞ う か
んの)ぶるーみ

んぐ

ビーム電流を増していったとき輝点
の大きさが急に増大すること。

blooming (in a television

picture tube)

9-111 

(受像管の)解像度

( じ ゅ ぞ う か
んの)かいぞう

けい光面上で区別できる水平方向走
査線または垂直方向走査線の最大本

数であって,それぞれ水平解像度ま
たは垂直解像度とよぶ。

resolution (of a television

picture tube)

9-112 

(撮像管の)エネル
ギ感度

( さ つ ぞ う か
んの)えねるぎ
かんど

撮像管の光電陰極面を均一に照射し
た場合の出力信号電流を入力放射エ
ネルギ(単位時間当り)で割った商。

energy sensitivity (of a

camera tube)

9-113 

(撮像管の)光束感

( さ つ ぞ う か
んの)こうそく
かんど

撮像管の光電陰極面を均一に照射し
た場合の出力信号電流を入射光束量
で割った商。

luminous sensitivity (of a

camera tube)

9-114 

(撮像管の)2854°K
での光束感度

( さ つ ぞ う か
んの)2854°K

で の こ う そ く
かんど

色温度 2854°K のフィルタをかけな
い白熱タングステン電球光源を用い

た場合の光束感度。

luminous sensitivity of a

color temperature of

2854

°K (of a

cameratube)

9-115 

(撮像管の)分光感
度特性

( さ つ ぞ う か

んの)ぶんこう
か ん ど と く せ

単位波長当りの感度と波長との関係

であって,一般にグラフで表わされ
る。

spectral sensitivity

characteristic (of a

camera tube)

9-116 

(撮像管の)光電変
換特性

( さ つ ぞ う か
んの)こうでん

へ ん か ん と く
せい

入射光量に対する信号電流特性。 photoelectric

transfer

characteristic

9-117 

ガンマ

光電変換特性曲線上のある点での曲

線の傾き。

gamma

9-118 

ニーポイント

光電変換特性曲線上でガンマが指定

値になる点。

knee-point

9-119 

(撮像管の)振幅変
調度

( さ つ ぞ う か
んの)しんぷく

へんちょうど

白黒しまパターンを細かくしていっ
た場合の信号電流と基準白黒しまパ

ターンに対応する信号電流の振幅
比。

amplitude response

mo-dulation (of a

camera tube)

9-120 

(撮像管の)解像度

( さ つ ぞ う か
んの)かいぞう

白地画面を撮影しながら走査線本数
を増加してゆき,信号出力が走査線
の少ない時の飽和出力の一定%に減

少した時の本数。

resolution (of a camera

tube)

9-121 

レジストレーション

多管式カラー撮像カメラでの各撮像
管の一致性。

registration


40

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

9-122 

残像

ざんぞう

撮像管への入射光強度を規定値から
急にゼロにした場合,出力信号の大
きさが急にゼロにならず漸減するこ

と。

lag

9-123 

シェーデング

再生像に見られる輝度の場所的なむ

らであって,高速度ビーム撮像管の
ターゲットにおける 2 次電子ふりか
かりの不均一によって生じる現象。

shading

9-124 

エッジ効果

えっじこうか

再生像の明暗の境界部に現われる疑
似信号。

edge effect

9-125 

ゴースト

受像管の再生像に生じる多重像。

備考  電子管に起因するものと

しては撮像管のターゲッ

トから発生する初速度の
大きい 2 次電子の再分布
によるものがあるが,

この

ほか外界物による反射電
波の混入,

伝送路の不整合

なども原因となる。

ghost

9-126 

焼付

やきつき

撮像管において被写体が取去られた
後に,正または負の極性の像が長時
間残ること。

sticking,

burning

10.

放電管と整流管  Discharge Tubes and Rectifier Tubes

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

10-1 

熱陰極グリッド制御
放電管, 
サイラトロン

ね つ い ん き ょ

く ぐ り っ ど せ
い ぎ ょ ほ う で
んかん

陽極電流の始動を制御できる一つま

たはそれ以上のグリッドをもつ熱陰
極放電管。

thyratron

10-2 

整流放電管

せ い り ゅ う ほ
うでんかん

整流の機能をもつ放電管。

gas-filled rectifier tube

10-3 

水銀蒸気整流管

す い ぎ ん じ ょ
う き せ い り ゅ
うかん

水銀蒸気を封入ガスとする整流管。

mercury vapor-filled

rectifier tube,

mercury-arc rectifier tube

10-4 

水銀整流器

す い ぎ ん せ い
りゅうき

陰極が水銀りゅう(溜)となってい
る整流器。

mercury-pool rectifier

10-5 

イグナイトロン

固定したイグナイタによって放電を
始動できる単陽極水銀整流器。

ignitron

10-6 

エキサイトロン

可動の始動極と励弧極とをもつ単陽
極水銀整流器。

excitron

10-7 

定電圧放電管

て い で ん あ つ

ほうでんかん

陽極電流のある範囲にわたって放電

維持電圧がほぼ一定になるように設
計されたグローまたはコロナ放電
管。

voltage stabilizing tube

10-8 

ネオン指示管

ね お ん し じ か

電位差または電界の存在を検知する
のに用いられるネオン入りグロー放

電管。

neon indicator

10-9 

ストロボ放電管

す と ろ ぼ ほ う
でんかん

周期的に光を点滅するように設計さ
れた放電管。

stroboscopic tube


41

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

10-10 

アーク放電管

あ ー く ほ う で
んかん

アーク放電の領域で動作する放電
管。

arc discharge tube

10-11 

コロナ放電管

こ ろ な ほ う で
んかん

コロナ放電の領域で動作する放電
管。

corona discharge tube

10-12 

グロー放電管

ぐ ろ ー ほ う で

んかん

グロー放電の領域で動作する放電

管。

glow discharge tube

10-13 

計数放電管

け い す う ほ う

でんかん

分離された陰極または補助電極と一

つの対向陽極との間の放電が分割電
極に沿って順次移行して動作するグ
ロー放電管。

counting discharge tube,

Decatron

10-14 

表示放電管

ひ ょ う じ ほ う
でんかん

分割されたいくつかの陰極片と陽極
との間にグロー放電を発生させて陰
極の形で文字,数字などを発光表示

する放電管。

cold cathode

character-display

discoarge tube,

Nixie tube

10-15 

プラズマ表示板

ぷ ら ず ま ひ ょ

うじばん

対向する 2 枚のガラス板上に直交す

る 2 組の線状または面状電極群を設
け,それぞれの電極のうち特定のも
のだけに電圧を印加することによっ

て,それらの交点にプラズマを発生
させ,文字,数字などを発光表示す
るパネル。

plasma display panel

10-16 

イオン加熱陰極

い お ん か ね つ
いんきょく

電子放出面が主としてイオンの衝突
によって加熱される陰極。

ionic-heated cathode

10-17 

水銀陰極

す い ぎ ん い ん
きょく

水銀りゅう(溜)型の陰極。 mercury-pool

cathode

10-18 

陰極輝点

い ん き ょ く き

てん

陰極表面の一部に電流が集中して発

光する部分。

cathode spot

10-19 

始動極

しどうきょく

主放電間げきを始動させるために用

いられる電極。

starting electrode

10-20 

イグナイタ

水銀陰極にその一部が浸された固定
始動極。

ignitor

10-21 

(放電管の)しゃへ
いグリッド

( ほ う で ん か
んの)しゃへい

ぐりっど

制御電極を,陽極または陰極からの
熱放射,スパッタリングおよび静電

的影響から保護するためのグリッ
ド。

shield grid (of a discharge

tube)

10-22 

消イオングリッド

し ょ う い お ん

ぐりっど

放電管のグリッドであって,その付

近の消イオンを助長し,それによっ
て管内の二つの領域を互いにしゃへ
いするためのもの。

de-ionizing grid

10-23 

バフル

放電路に置かれて電気的に結線され
ていない素子。

備考  一般に,つぎの目的に用い

られる。

1.

ガス分子の流れを制御

するため。

2.

熱放射を制御するため。

3.

放電路の電流分配を制

御するため。

4.

通電終了後のガス分子
を消イオンするため。

baffle


42

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

10-24 

励弧極

れいこきょく

主陽極から出力をとらないとき水銀
りゅう(溜)の陰極輝点を保持する
ための電極。

excitation keep alive

electrode

10-25 

主陽極

し ゅ よ う き ょ

負荷電流をとる陽極を補助陽極から
区別するもの。

main anode

10-26 

主間げき

しゅかんげき

主陽極と陰極との間の放電路。 main

gap

10-27 

始動間げき

し ど う か ん げ

始動極と始動のための電圧が印加さ

れる他の電極との間の放電路。

starter gap

10-28 

放電開始電圧

ほ う で ん か い
しでんあつ

規定された始動間げきを動作させた
状態で,主間げきが放電を開始する

のに必要な陽極電圧。

break-down voltage

10-29 

電圧変動範囲

で ん あ つ へ ん

どうはんい

一定範囲の陽極電流に対応する最大

陽極電圧と最小陽極電圧との差。

regulation

10-30 

放電開始グリッド電

ほ う で ん か い
し ぐ り っ ど で

んあつ

与えられた陽極電圧,負荷および温
度で,陽極電流が流れ始める瞬間の

制御グリッド電圧。

grid voltage for

break-down

10-31 

放電停止電圧

ほ う で ん て い

しでんあつ

印加電圧を減らして放電が停止する

ときの陽極電圧。

extinction voltage

10-32 

再起電圧

さ い き で ん あ

じゅうぶんに消イオンする前に印加
電圧が増して放電が再び開始すると

きの陽極電圧。

restriking voltage

10-33 

アーク電圧降下

あ ー く で ん あ

つこうか

通電期間での陽極と陰極間の電圧。

arc-drop,

arc-drop voltage

10-34 

放電開始グリッド電

ほ う で ん か い
し ぐ り っ ど で

んりゅう

陽極電流が流れ始める瞬間での制御
グリッド電流値。

grid current for

break-down

10-35 

始動電流

し ど う で ん り

ゅう

与えられた陽極電圧で主間げきを導

電開始させるために必要な始動間げ
きの電流。

striking current

10-36 

電極サージ電流

で ん き ょ く さ

ー じ で ん り ゅ

逆弧時または外部回路短絡時のよう

な異常状態で電極に流れる電流。

surge electrode current

10-37 

せん頭陰極サージ電

せ ん と う い ん
き ょ く さ ー じ
でんりゅう

陰極に流れる電極サージ電流の最大
瞬時値。

peak cathode current

(surge)

10-38 

せん頭陰極電流

せ ん と う い ん
き ょ く で ん り
ゅう

周期的な陰極電流の最大瞬時値。

peak cathode current

(steady state)

10-39 

アーク電力損失

あ ー く で ん り
ょくそんしつ

アークに消費される電力。 arc-drop

loss

10-40 

制御特性

せ い ぎ ょ と く
せい

放電開始グリッド電圧と陽極電圧と
の関係であって,一般にグラフで表
わされる。

control characteristic

10-41 

制御比

せいぎょひ

与えられた動作条件で,陽極電圧の
変化を放電開始グリッド電圧の変化

で割った商。

control ratio

10-42 

転流

てんりゅう

隣合っている二つの放電路間の電流
の転移。

commutation


43

C7102-1973

番号

用語

読み方

意味

対応英語(参考)

10-43 

重なり角

かさなりかく

隣合っている二つの放電路に同時に
電流が流れている時間を電気角で表
わしたもの。

overlap angle

10-44 

休止期間

き ゅ う し き か

交流電圧の 1 サイクルの間で,ある
放電路に電流が流れない期間。

idle period

10-45 

放電期間

ほ う で ん き か

交流電圧の 1 サイクルの間で,ある
放電路に電流が流れる期間。

conducting period

10-46 

阻止期間

そしきかん

休止期間の中でグリッドの作用によ
って放電をしていない期間。

blocking period

10-47 

イオン化時間

い お ん か じ か

イオン化によって導電的になり始め

てから,それが定常的になるまでの
時間。

ionization time

10-48 

(熱陰極グリッド制
御放電管の)回復時

( ね つ い ん き
ょ く ぐ り っ ど
せ い ぎ ょ ほ う

でんかんの)か
いふくじかん

陽極電流停止後,グリッドが制御能
力を回復するのに必要な時間。

recovery time (of a

thyratron)

10-49 

(水銀蒸気整流管ま
たは熱陰極グリッド
制御放電管の)管壁
温度

( す い ぎ ん じ

ょ う き せ い り
ゅ う か ん ま た
は ね つ い ん き

ょ く ぐ り っ ど
せ い ぎ ょ ほ う
でんかんの)か

んぺきおんど

水銀が凝縮する管壁の温度であっ

て,管外から測定した値。

condensed-mercury

temperature (of a

mercury vapor-filled

rectifier tube or a

thyratron)

10-50 

逆弧

ぎゃくこ

電流が逆方向にも流れて整流作用を

失う現象。

back fire,

arc back

10-51 

失弧

しっこ

放電しなければならない期間内に放
電を開始しないこと。

misfire

10-52 

通弧

つうこ

放電を停止しなければならない期間
内に制御作用を失い,順方向に電流

が流れること。

arc-through


44

C7102-1973

電子部会受信用電子管専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

近  藤  厚  美

千葉大学工学部

西  巻  正  郎

東京工業大学工学部

青  戸  邦  夫

文部省大学学術局

藤  本  和  男

通商産業省重工業局

下  邨  昭  三

工業技術院標準部

寺  崎  嘉  之

日本電信電話公社武蔵野電気通信研究所

内  山  友  和

日本電信電話公社技術局

宇  佐  恒  臣

日本放送協会技術本部

武  市      武

電子機械工業会技術部

高  橋  重  雄

財団法人電波技術協会

秋  岡  哲  夫

新日本無線株式会社三鷹工場

小  沢  正  義

日本電気株式会社半導体事業部

金  子  洋  一

株式会社日立製作所中央研究所

原      周  作

富士通株式会社部品営業部

池  田  健  一

東京芝浦電気株式会社電子管技術部

前  田  晴  雄

松下技研株式会社真空電子部

(事務局)

田  中  成  雄

工業技術院標準部電気規格課

渡  辺  武  夫

工業技術院標準部電気規格課

瀬  戸  和  吉

工業技術院標準部電気規格課