C 62841-2-2：2020
（1）
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 一般要求事項 ··················································································································· 2
5 試験に関する一般条件 ······································································································· 2
6 放射線，毒性及び類似の危険源 ··························································································· 2
7 分類······························································································································· 2
8 表示及び取扱説明書 ·········································································································· 2
9 充電部への近接に対する保護 ······························································································ 3
10 始動 ····························································································································· 3
11 入力及び電流 ················································································································· 3
12 温度上昇 ······················································································································· 3
13 耐熱性及び耐火性 ··········································································································· 3
14 耐湿性 ·························································································································· 3
15 耐腐食性 ······················································································································· 3
16 変圧器及び関連回路の過負荷保護 ······················································································ 3
17 耐久性 ·························································································································· 3
18 異常運転 ······················································································································· 4
19 機械的危険 ···················································································································· 5
20 機械的強度 ···················································································································· 5
21 構造 ····························································································································· 5
22 内部配線 ······················································································································· 5
23 構成部品 ······················································································································· 5
24 電源接続及び外部可とうコード ························································································· 5
25 外部導体用端子 ·············································································································· 6
26 接地接続の手段 ·············································································································· 6
27 ねじ及び接続 ················································································································· 6
28 沿面距離，空間距離及び固体絶縁（通し絶縁距離） ······························································ 6
附属書 ································································································································ 7
附属書I（参考）騒音及び振動試験 ·························································································· 7
附属書K（規定）バッテリ電動工具及びバッテリパック ······························································ 8
参考文献 ····························································································································· 9
附属書JAA（参考）JISと対応国際規格との対比表 ···································································· 10
C 62841-2-2：2020
（2）
まえがき
この規格は，産業標準化法第12条第1項の規定に基づき，一般社団法人日本電機工業会（JEMA）から，
産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出があり，日本産業標準調査会の審議を経て，経
済産業大臣が制定した日本産業規格である。これによって，JIS C 9745-2-2:2009は廃止され，この規格に
置き換えられた。
この規格は，著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が，特許権，出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は，このような特許権，出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について，責任はもたない。
JIS C 62841の規格群には，次に示す部編成がある。
JIS C 62841-1 第1部：通則
JIS C 62841-2-2 第2-2部：手持形電気スクリュードライバ及びインパクトレンチの個別要求事項
JIS C 62841-2-4 第2-4部：ディスク形以外のサンダ及びポリッシャの個別要求事項
JIS C 62841-2-5 第2-5部：手持形丸のこの個別要求事項（予定）
JIS C 62841-2-14 第2-14部：手持形かんなの個別要求事項（予定）
日本産業規格 JIS
C 62841-2-2：2020
手持形電動工具，可搬形電動工具並びに
芝生用及び庭園用電動機械の安全性−
第2-2部：手持形電気スクリュードライバ及び
インパクトレンチの個別要求事項
Electric motor-operated hand-held tools, transportable tools and lawn and
garden machinery-Safety-Part 2-2: Particular requirements for
hand-held screwdrivers and impact wrenches
序文
この規格は，2014年に第1版として発行されたIEC 62841-2-2を基とし，日本の配電事情を考慮し，技
術的内容を変更して作成した日本産業規格である。
この規格は，JIS C 62841-1:2020と併読する規格である。
なお，この規格で点線の下線を施してある箇所は，対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて，附属書JAAに示す。
1
適用範囲
適用範囲は，次によるほか，JIS C 62841-1:2020の箇条1による。
追加（“電熱素子を組み込んだ電動工具も，”で始まる段落の後に，次を追加し適用する。）
この規格は，手持形電気スクリュードライバ及びインパクトレンチに適用する。
この規格は，スクリュードライバビットを取り付けることによって，ねじ回しに使用できるドリルには
適用しない。
置換（注記7を，次に置き換え適用する。）
注記7 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を，次に示す。
IEC 62841-2-2:2014，Electric motor-operated hand-held tools, transportable tools and lawn and
garden machinery−Safety−Part 2-2: Particular requirements for hand-held screwdrivers and
impact wrenches（MOD）
なお，対応の程度を表す記号“MOD”は，ISO/IEC Guide 21-1に基づき，“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
引用規格は，次によるほか，JIS C 62841-1:2020の箇条2による。
2
C 62841-2-2：2020
追加
JIS C 62841-1:2020 手持形電動工具，可搬形電動工具並びに芝生用及び庭園用電動機械の安全性−第
1部：通則
注記 対応国際規格：IEC 62841-1:2014，Electric motor-operated hand-held tools, transportable tools and
lawn and garden machinery−Safety−Part 1: General requirements
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は，次によるほか，JIS C 62841-1:2020の箇条3による。
追加
3.101
電気スクリュードライバ（screwdriver）
ねじ，ナット，その他類似のものを締め付けたり，緩めたりすることを意図する，六角形又は正方形の
ような非円形の工具保持部をもち，打撃機構をもたない電動工具。深さ設定，トルク設定又は回転を停止
するための手段をもつ場合がある。
3.102
インパクトレンチ（impact wrench）
ねじ，ナット，その他類似のものを締め付けたり，緩めたりすることを意図する，六角形又は正方形の
ような非円形の工具保持部をもち，かつ，回転打撃機構をもつ電動工具。
注記 一部のインパクトレンチは，深さ設定，トルク設定又は回転を停止するための手段をもつ場合
がある。
4
一般要求事項
一般要求事項は，JIS C 62841-1:2020の箇条4による。
5
試験に関する一般条件
試験に関する一般条件は，次によるほか，JIS C 62841-1:2020の箇条5による。
5.17 追加（“電動工具が複数の附属品，”で始まる段落の後に，次を追加し適用する。）
補助ハンドルをもつ場合は，補助ハンドルを電動工具の質量に含める。
6
放射線，毒性及び類似の危険源
放射線，毒性及び類似の危険源は，JIS C 62841-1:2020の箇条6による。
7
分類
分類は，JIS C 62841-1:2020の箇条7による。
8
表示及び取扱説明書
表示及び取扱説明書は，次によるほか，JIS C 62841-1:2020の箇条8による。
8.14.1.1 一般的な電動工具の安全性に関する警告
追加［b)の7)の後に，次を追加し適用する。］
101) ねじなどが，壁の中などに隠された配線又は電動工具自体の電源コードと接触するおそれがある
3
C 62841-2-2：2020
場合は，ハンドルなどの絶縁された保持面を持って電動工具を操作して下さい。ねじなどが活電
部と接触した場合，電動工具のむき出しになった金属部に触ると，感電するおそれがあります。
この警告は，スクリュードライバ，及び2面の幅が13 mm未満の四角ドライブをもつインパクトレンチ
だけに適用する。
注記 対応国際規格の注記は，規定文であるため，本文に移した。
9
充電部への近接に対する保護
充電部への近接に対する保護は，JIS C 62841-1:2020の箇条9による。
10 始動
始動は，JIS C 62841-1:2020の箇条10による。
11 入力及び電流
入力及び電流は，JIS C 62841-1:2020の箇条11による。
12 温度上昇
温度上昇は，次によるほか，JIS C 62841-1:2020の箇条12による。
12.2.1 置換（12.2.1全てを，次に置き換え適用する。）
電動工具は，間欠的に30サイクル又は熱平衡に達するまでの期間のいずれか短い期間運転し，各サイク
ルは，30秒間の連続運転期間と電動工具を停止する90秒間の休止期間とで構成する。電動工具には，定
格入力又は定格電流に達するように調節された制御装置によって，運転中に負荷をかける。
制御装置の損傷を防ぐために，試験中は回転打撃機構を働かないようにしてもよい。
13 耐熱性及び耐火性
耐熱性及び耐火性は，JIS C 62841-1:2020の箇条13による。
14 耐湿性
耐湿性は，JIS C 62841-1:2020の箇条14による。
15 耐腐食性
耐腐食性は，JIS C 62841-1:2020の箇条15による。
16 変圧器及び関連回路の過負荷保護
変圧器及び関連回路の過負荷保護は，JIS C 62841-1:2020の箇条16による。
17 耐久性
耐久性は，次によるほか，JIS C 62841-1:2020の箇条17による。
17.2 追加（“試験中，電動工具に組み込まれた”で始まる段落の後に，次を追加し適用する。）
スクリュードライバについては，この試験を適用する。
インパクトレンチについては，この試験を，次のとおり置き換えて適用する。
4
C 62841-2-2：2020
インパクトレンチは，最高定格電圧の1.1倍又は定格電圧範囲の上限値の1.1倍の電圧で12時間，次に，
最低定格電圧の0.9倍又は定格電圧範囲の下限値の0.9倍の電圧で12時間運転する。12時間の運転時間は，
連続的である必要はない。該当する場合，インパクトレンチを最高速度に調整する。
インパクトレンチに組み込まれていないスイッチを用いて，オン・オフしてもよい。
運転の各サイクルは，無負荷で100秒間の“オン”と20秒間の“オフ”の時間とし，オフの時間は規定
した運転時間に含む。
試験中，インパクトレンチは，異なった三つの姿勢に置き，運転時間は，試験電圧ごとに各姿勢に対し
て，約4時間とする。
注記1 姿勢の変更は，カーボン粉が特定の場所に異常に堆積することを防止するために行う。三つ
の姿勢とは，一般に，水平，垂直上向き及び垂直下向きである。
その後，インパクトレンチは，定格電圧の1.1倍又は定格電圧範囲の上限値の1.1倍の電圧で断続的に
12時間運転し，次に，定格電圧の0.9倍又は定格電圧範囲の下限値の0.9倍の電圧で12時間，断続的に運
転する。
運転の各サイクルは，1秒間の“回転打撃”と9秒間の“オフ”とし，オフ時間は規定の運転時間に含
める。
試験中，カーボンブラシの交換は可能であり，インパクトレンチは，通常使用と同じように油及びグリ
ースを供給することも可能である。試験中に機械的な故障が生じたときに，この規格への適合を損なわな
い場合は，故障した部品を交換することができる。
インパクトレンチのいずれかの部分の温度上昇が，JIS C 62841-1:2020の12.1の試験で規定する温度上
昇値を超える場合には，強制空冷するか，又は試験を休止する。この休止時間は，規定の運転時間から除
外する。強制空冷を適用する場合は，インパクトレンチの空気の流れを変えてはならない。また，カーボ
ンの堆積物を除去してはならない。
試験中，インパクトレンチに組み込まれた過負荷保護装置は，作動してはならない。
注記2 対応国際規格の“Modification（修正）”は，規格利用者の利便性を考慮し，この規格では，“追
加”とした。
18 異常運転
異常運転は，次によるほか，JIS C 62841-1:2020の箇条18による。
18.8 安全重要機能をもつ電子回路
置換（表4を，次に置き換え適用する。）
5
C 62841-2-2：2020
表4−要求する性能レベル
安全重要機能（SCF）のタイプ及び目的
最低性能レベル
（PL）
電源スイッチ−意図しないオンを妨げる。
レベルa
電源スイッチ−軸圧力をかけなければ，ビットが回転しない電動工具の場合は，
意図しないオンを妨げる。
安全重要機能でない
電源スイッチ−要求時にオフが可能である。
レベルa
電源スイッチ−軸圧力をかけなければ，ビットが回転しない電動工具の場合は，
要求時にオフが可能である。
安全重要機能でない
規定する方向に回転する。
安全重要機能でない
18.3の試験に合格する全ての電子回路
安全重要機能でない
速度制限装置
安全重要機能でない
箇条18に規定する最高温度限界の超過防止
レベルa
19 機械的危険
機械的危険は，次によるほか，JIS C 62841-1:2020の箇条19による。
19.6 規定しない。
20 機械的強度
機械的強度は，次によるほか，JIS C 62841-1:2020の箇条20による。
20.5 追加（“個別の試料に最も不利な位置で”で始まる段落の後に，次を追加し適用する。）
2面の幅が13 mm以上の四角ドライブをもつインパクトレンチには，この要求事項は適用しない。
21 構造
構造は，次によるほか，JIS C 62841-1:2020の箇条21による。
21.30
置換（“この要求事項を適用しない場合は，”で始まる段落を，次に置き換え適用する。）
2面の幅が13 mm以上の四角ドライブをもつインパクトレンチには，この要求事項は適用しない。
22 内部配線
内部配線は，JIS C 62841-1:2020の箇条22による。
23 構成部品
構成部品は，JIS C 62841-1:2020の箇条23による。
24 電源接続及び外部可とうコード
電源接続及び外部可とうコードは，次によるほか，JIS C 62841-1:2020の箇条24による。
24.4 置換（“電源コードは，”で始まる段落及び三つの細別を，次に置き換え適用する。）
インパクトレンチの場合，使用できる電源コードは，次のものと同等以上の特性のものでなければなら
ない。
a) ヘビークロロプレンゴムシース付き可とうコード（コード分類 60245 IEC 66）
b) JIS C 3010に規定するキャブタイヤコード又はキャブタイヤケーブル
注記 JIS C 3010は，電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈（20130605商局第3号）の別表
6
C 62841-2-2：2020
第一をJIS化したものである。
25 外部導体用端子
外部導体用端子は，JIS C 62841-1:2020の箇条25による。
26 接地接続の手段
接地接続の手段は，JIS C 62841-1:2020の箇条26による。
27 ねじ及び接続
ねじ及び接続は，JIS C 62841-1:2020の箇条27による。
28 沿面距離，空間距離及び固体絶縁（通し絶縁距離）
沿面距離，空間距離及び固体絶縁（通し絶縁距離）は，JIS C 62841-1:2020の箇条28による。
7
C 62841-2-2：2020
附属書
附属書は，次によるほか，JIS C 62841-1:2020の附属書による。
附属書I
（参考）
騒音及び振動試験
この附属書は，この規格では適用しない。
8
C 62841-2-2：2020
附属書K
（規定）
バッテリ電動工具及びバッテリパック
バッテリ電動工具及びバッテリパックは，次によるほか，JIS C 62841-1:2020の附属書Kによる。
K.1 一般
修正（“この附属書で規定していない限り，”で始まる段落を，次のとおり修正する。）
この附属書で規定しない限り，この個別要求事項の本文の全ての箇条を適用する。この附属書に箇条が
ある場合，特に規定がない限り，この個別要求事項の本文をこの附属書の要求事項に置き換えて適用する。
K.8 表示及び取扱説明書
K.8.14.1.1 一般的な電動工具の安全性に関する警告
置換［細別101)を，次に置き換え適用する。］
101) ねじなどが，壁の中などに隠された配線と接触するおそれがある場合は，ハンドルなどの絶縁され
た保持面を持って電動工具を操作して下さい。ねじなどが活電部と接触した場合，電動工具のむき
出しになった金属部に触ると，感電するおそれがあります。
この安全警告は，スクリュードライバ及び2面の幅が13 mm未満の四角ドライブをもつインパクトレン
チだけに適用する。
注記 対応国際規格の注記は，規定事項であるため，本文に移した。
K.12 温度上昇
K.12.2.1 適用しない。
K.17 耐久性
K.17.2 適用しない。
K.24 電源接続及び外部可とうコード
K.24.4 適用しない。
9
C 62841-2-2：2020
参考文献
参考文献は，JIS C 62841-1:2020の参考文献による。
10
C 62841-2-2：2020
附属書JAA
（参考）
JISと対応国際規格との対比表
JIS C 62841-2-2:2020 手持形電動工具，可搬形電動工具並びに芝生用及び庭園用
電動機械の安全性−第2-2部：手持形電気スクリュードライバ及びインパクトレ
ンチの個別要求事項
IEC 62841-2-2:2014，Electric motor-operated hand-held tools, transportable tools and
lawn and garden machinery−Safety−Part 2-2: Particular requirements for hand-held
screwdrivers and impact wrenches
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
24 電源接続
及び外部可
とうコード
24.4 使用できる電源
接続及び外部可とう
コード
24.4
JISとほぼ同じ。
追加
JIS C 3010に適合した電源コード
も使用できるようにした。
JIS C 3010に適合した電源コード
はIECと同レベルに扱うため。我
が国独自の要求事項であるため，
IECへの提案はしない。
附属書I
（参考）
騒音及び振
動試験
規定なし
附属
書I
騒音及び振動試験
削除
附属書を削除した。JIS C 62841-1
と同じ。
規定ではなく，参考情報であり，
我が国では適用する製品がないた
め。IECへの提案はしない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価：IEC 62841-2-2:2014，MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は，次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は，次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
2
C
6
2
8
4
1
-2
-2
：
2
0
2
0