C 62025-1:2011 (IEC 62025-1:2007)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 図記号及び形名 ················································································································ 2
3.1 形名 ···························································································································· 2
4 形状······························································································································· 2
5 寸法······························································································································· 3
5.1 形状D ························································································································· 3
5.2 形状K ························································································································· 4
5.3 外形及び高さ寸法の許容差······························································································· 5
6 定格及び特性 ··················································································································· 5
6.1 公称インダクタンス又はインピーダンス ············································································· 5
6.2 公称インダクタンス又はインピーダンスの許容差 ································································· 6
6.3 使用温度範囲(カテゴリ温度範囲) ··················································································· 6
7 表示······························································································································· 7
8 極性の方向を示す表示又は形状 ··························································································· 7
C 62025-1:2011 (IEC 62025-1:2007)
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人電子情報
技術産業協会(JEITA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改
正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格であ
る。
これによって,JIS C 62025-1:2006は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 62025の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 62025-1 第1部:電子機器及び通信機器用表面実装固定インダクタ及びフェライトビーズ
JIS C 62025-2 第2部:非電気的特性の試験方法
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日本工業規格
JIS
C 62025-1:2011
(IEC 62025-1:2007)
高周波誘導部品−非電気特性及び測定方法−
第1部:電子機器及び通信機器用表面実装
固定インダクタ及びフェライトビーズ
High frequency inductive components-Non-electrical characteristics and
measuring methods-Part 1: Fixed, surface mounted inductors for use in
electronic and telecommunication equipment
序文
この規格は,2007年に第2版として発行されたIEC 62025-1を基に,技術的内容及び対応国際規格の構
成を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
1
適用範囲
この規格は,電子機器及び通信機器用表面実装固定インダクタ(以下,インダクタという。)及びフェラ
イトビーズについて規定する。
この規格は,用語の解説,標準特性及び外形寸法の推奨値を定め,インダクタ及びフェライトビーズに
対する要求事項の指針を提供することを目的とする。
この規格と個別規格との間で不一致が生じた場合は,後者を優先する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 62025-1:2007,High frequency inductive components−Non-electrical characteristics and
measuring methods−Part 1: Fixed, surface mounted inductors for use in electronic and
telecommunication equipment(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。
JIS C 5064:2009 電子機器及び通信機器用固定インダクタ−表示記号
注記 対応国際規格:IEC 61605:2005,Fixed inductors for use in electronic and telecommunication
equipment−Marking codes(IDT)
2
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3
図記号及び形名
3.1
形名
インダクタの形名は,12桁の記号で表す。フェライトビーズの形名は,個別規格に規定する。
□□□ □□□□ □ □□□ □
a)
b)
c)
d)
e)
a) インダクタの種類の識別 インダクタは,3桁の英大文字“LCL”で表す。
b) 外形寸法の表示 インダクタの外形寸法は,L及びW(又はH)のそれぞれの寸法を示す2桁の有効
数字で構成する4桁の数字で表す。
図1に示す形状Dの寸法は,初めの2桁を長辺Lの寸法とし,後の2桁を短辺Wの寸法とする。
図1に示す形状Kの寸法は,初めの2桁を外形Lの寸法とし,後の2桁を高さHの寸法とする。
c) 形状の表示 インダクタの形状記号は,図1及び次に示す形状を英大文字1文字で表す。
形状記号は,底面に外接する直方形の形状で分類する。
D:長方形
K:正方形
d) 公称インダクタンスの表示 JIS C 5064の箇条4(インダクタンス値の数字及び文字による表示)に
規定する3桁の英大文字と数字との併用記号で公称インダクタンス値を表す(表1参照)。
表1−インダクタンス値に対する表示記号
インダクタンス値
表示記号
インダクタンス値
表示記号
0.1 nH
0.47 nH
1.0 nH
4.7 nH
10
nH
47
nH
0.1 μH
0.47 μH
1.0 μH
4.7 μH
10
μH
47
μH
100
μH
470
μH
N10
N47
1N0
4N7
10N
47N
R10
R47
1R0
4R7
100
470
101
471
1.0 mH
4.7 mH
10
mH
47
mH
100
mH
470
mH
1.0 H
4.7 H
10
H
47
H
102
472
103
473
104
474
105
475
106
476
e) インダクタンスの許容差の表示 インダクタンスの許容差は,表8に規定する英大文字1文字で表す。
4
形状
インダクタ及びフェライトビーズの形状分類は,図1による。
3
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形状K
図1−インダクタ及びフェライトビーズの形状(例)
5
寸法
5.1
形状D
形状Dの寸法は,次のa)及びb)の規定による。
a) 形状Dの長辺L及び短辺Wの外形寸法値は,表2の×印から選定する。これらの値は,R20数列か
ら選定している。ただし,0.315,0.56及び3.15は,それぞれ0.3,0.6及び3.2とする。1.25は,1.2
形状D
4
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としてもよい。
b) 1.00 mm以上の高さ寸法Hは,表3から選定する。これらの値は,R20数列から選定している。ただ
し,1.12,2.24,3.15及び3.55は,それぞれ1.1,2.2,3.2及び3.6とする。1.25は,1.2としてもよい。
1.00 mm未満の高さ寸法は,表4から選定する。
表2−形状Dの寸法
単位 mm
寸法L
(長辺)
寸法W(短辺)
0.2
0.3
0.4
0.5
0.8
1.0 1.25
(1.2)
1.6
1.8
2.0
2.5
3.2
4.0
5.0
5.6
6.3
7.1
0.4
×
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
0.6
−
×
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
0.8
−
−
×
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
1.0
−
−
−
×
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
1.2
−
−
−
−
−
×
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
1.6
−
−
−
−
×
×
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
2.0
−
−
−
−
−
×
×
×
−
−
−
−
−
−
−
−
−
2.5
−
−
−
−
−
−
−
−
×
×
−
−
−
−
−
−
−
3.2
−
−
−
−
−
−
−
×
×
−
×
−
−
−
−
−
−
4.0
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
4.5
−
−
−
−
−
−
−
×
−
−
×
×
−
−
−
−
−
5.0
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
×
−
−
−
−
5.6
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
×
−
−
−
6.3
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
×
−
−
7.1
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
×
−
8.0
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
×
表3−形状Dの高さ寸法(R20数列)
単位 mm
1.0
1.1
1.25
(1.2)
1.4
1.6
1.8
2.0
2.2
2.5
2.8
3.2
3.6
4.0
4.5
5.0
5.6
6.3
7.1
8.0
9.0
10
表4−高さ1.00 mm未満の場合の形状Dの高さ寸法
単位 mm
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.85
0.9
5.2
形状K
形状Kの外形寸法Lと高さ寸法Hは,表5の×印で示す値から選定する。これらの値は,R20数列を基
にしている。
5
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表5−形状Kの寸法
単位 mm
寸法L
寸法H(高さ)
0.6 0.8 0.9 1.0 1.1 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2 2.5 3.2 4.0 4.5 5.0 6.3 7.1 8.0 9.0
2.5
× × − × − − − − × − − − − − − − − − − −
2.8
× × × × × − − − − − − − − − − − − − − −
3.2
− − − × − × × × − − − − − − − − − − − −
3.6
− − − − − − − − − × − − − − − − − − − −
4.0
− − − × − × × × × × − × − − − − − − − −
4.5
− − − − − − − − − − − − × − − − − − − −
5.0
− − − − − − × − − × × − − × × − − − − −
5.6
− − − − − − − − × − − − − − − × − − − −
6.3
− − − − − − − − − − − − − − − − × − − −
7.1
− − − − − − − − − − − − − − − − − × − −
8.0
− − − − − − − − − − − − − × − − − − × −
9.0
− − − − − − − − − − − − − − − − − − − ×
10.0
− − − − − − − − − − − − − × − × − − − −
12.0
− − − − − − − − − − − − − − − × − − − −
5.3
外形及び高さ寸法の許容差
外形及び高さ寸法の許容差は,表6から選定する。
表6−外形及び高さ寸法の許容差
単位 mm
外形及び高さ寸法
X
許容差
標準
最大
X≦0.6
±0.05
±0.10
0.6<X≦1.0
±0.10
±0.20
1.0<X≦1.6
±0.15
±0.30
1.6<X≦2.5
±0.20
±0.40
2.5<X≦4.0
±0.30
±0.60
4.0<X≦8.0
±0.40
±0.80
8.0<X≦10.0
±0.50
±1.00
6
定格及び特性
6.1
公称インダクタンス又はインピーダンス
公称インダクタンス又はインピーダンスの推奨値は,表7のE24数列の数値を10n倍(n:整数)した値
から選定する。
その値がインダクタンス又はインピーダンスのいずれかであることを,その単位及び測定周波数ととも
に個別規格に明記することが望ましい。インダクタンス又はインピーダンスのいずれを記載するかは,そ
のインダクタの用途によって選定する。
6
C 62025-1:2011 (IEC 62025-1:2007)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表7−公称インダクタンス又はインピーダンスのE24数列
1.0
1.1
1.2
1.3
1.5
1.6
1.8
2.0
2.2
2.4
2.7
3.0
3.3
3.6
3.9
4.3
4.7
5.1
5.6
6.2
6.8
7.5
8.2
9.1
6.2
公称インダクタンス又はインピーダンスの許容差
公称インダクタンス又はインピーダンスの許容差は,JIS C 5064の5.1(正負対称の許容差)に規定する
許容差を含む,表8から選定する。
表8−公称インダクタンス又はインピーダンスの許容差
許容差 ±0.05
nH
±0.1
nH
±0.2
nH
±0.3
nH
±0.5
nH
±1
%
±2
%
±3
%
±5
%
±10
%
±15
%
±20
%
±25
%
±30
%
記号
W
B
C
S
D
F
G
H
J
K
L
M
−
N
注記1 nHは,インダクタンスだけに適用する。
注記2 ±25 %は,インピーダンスだけに適用することが望ましい。
6.3
使用温度範囲(カテゴリ温度範囲)
使用温度範囲は,表9の下限温度及び上限温度から選定する。
用途及び使用温度範囲の例(使用者参考用)を,表10に示す。
表9−使用温度範囲に選定する温度
単位 ℃
下限温度
上限温度
−55
+155
−40
+150
−25
+125
−10
+105
−
+100
−
+85
−
+70
−
+40
注記 個別規格に規定がない場合には,使用温度は,
部品の温度上昇を含めた周囲温度である。
7
C 62025-1:2011 (IEC 62025-1:2007)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表10−用途及び使用温度範囲の例(使用者参考用)
用途分類
温度範囲
℃
引用規格
自動車及び航空機
−55〜+155
−55〜+150
−55〜+125
−40〜+150
−40〜+125
MIL-PRF-27 Class V
IEC 62211 Level S
−
−
AEC Q200 Grade 1
IEC 62211 Level A
電気通信及び電源
−55〜+105
−55〜+85
−40〜+125
−40〜+105
−40〜+85
MIL-PRF-27 Class R
MIL-PRF-27 Class Q
IEC 62211 Level B
AEC Q200 Grade 2
IEC 62211 Level B
AEC Q200 Grade 3
IEC 62211 Level B
一般用途
−40〜+85
−25〜+105
−25〜+100
−25〜+85
−25〜+70
0〜+70
IEC 62211 Level C
AEC Q200 Grade 3
−
−
−
IEC 62211 Level D
AEC Q200 Grade 4
注記 AEC Q200及びIEC 62211は,部品レベルの信頼性の規定であ
る。部品レベルとシステムレベルとでは条件に違いがある。
7
表示
表示内容は,受渡当事者間の合意に基づいて選定する。このような合意の代わりに,供給者の仕様書に
表示情報を記載することが望ましい。次の表示情報の一つ以上を部品本体又は包装材に表示することが望
ましい。
a) 顧客部品番号
b) シリアル番号,ロット番号又は製造年月(年週)記号
c) JIS C 5064に規定する特性
d) 製造業者の部品番号及び商標
e) 収納数量(包装材だけに適用)
8
極性の方向を示す表示又は形状
必要な場合は,巻線開始位置,第1ピン又は第1電極の位置を示すために,表示又は形状を変えること
によって極性を表す。形状によって極性を表す場合は,コーナーカット,小さな円の凹み又はその他の成
形体によって行う。
参考文献 IEC 62211,Inductive components−Reliability management
AEC Q200,Stress Test Qualification for Passive Components
MIL-PRF-27,General Specification for Transformers and Inductors (Audio, Power, and High-Power
Pulse)