C 61558-2-7:2012
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 2
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 一般要求事項 ··················································································································· 3
5 試験に関する一般的注意 ···································································································· 3
6 定格······························································································································· 3
7 分類······························································································································· 3
8 表示及びその他の情報 ······································································································· 3
9 感電に対する保護 ············································································································· 4
10 入力電圧設定の変更 ········································································································ 4
11 負荷時の出力電圧及び出力電流 ························································································· 4
12 無負荷出力電圧 ·············································································································· 4
13 短絡電圧 ······················································································································· 5
13 A 2次短絡電流特性 ········································································································· 5
14 温度上昇 ······················································································································· 5
15 短絡及び過負荷に対する保護 ···························································································· 5
16 機械的強度 ···················································································································· 6
17 じんあい(塵埃),固形物及び水分の有害な侵入に対する保護 ················································· 7
18 絶縁抵抗,耐電圧及び漏えい電流 ······················································································ 7
19 構造 ····························································································································· 7
20 部品 ····························································································································· 8
21 内部配線 ······················································································································· 9
22 電源接続及びその他の外部可とうケーブル又はコード ··························································· 9
23 外部導体用端子 ············································································································· 10
24 保護接地接続 ················································································································ 10
25 ねじ及び接続部 ············································································································· 10
26 沿面距離,空間距離及び絶縁物を通しての距離 ··································································· 10
27 耐熱性,耐火性及び耐トラッキング性 ··············································································· 10
28 耐腐食性 ······················································································································ 10
附属書 ······························································································································· 11
参考文献 ···························································································································· 11
附属書JC (参考) JISと対応国際規格との対比表 ··································································· 12
C 61558-2-7:2012
(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本
工業規格である。
これによって,JIS C 61558-2-7:2008は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 61558の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 61558-1 第1部:通則及び試験
JIS C 61558-2-1 第2-1部:一般用の複巻変圧器及び複巻変圧器を組み込んだ電源装置の個別要求事
項及び試験
JIS C 61558-2-2 第2-2部:制御変圧器及び制御変圧器を組み込んだ電源装置の個別要求事項及び試
験
JIS C 61558-2-3 第2-3部:ガスバーナ及び石油バーナ用点火変圧器の個別要求事項
JIS C 61558-2-4 第2-4部:絶縁変圧器及び絶縁変圧器を組み込んだ電源装置の個別要求事項及び試
験
JIS C 61558-2-5 第2-5部:かみそり用変圧器及びかみそり用電源装置の個別要求事項
JIS C 61558-2-6 第2-6部:安全絶縁変圧器及び安全絶縁変圧器を組み込んだ電源装置の個別要求事
項及び試験
JIS C 61558-2-7 第2-7部:玩具用変圧器及び玩具用電源装置の個別要求事項及び試験
JIS C 61558-2-8 第2-8部:ベル及びチャイム用変圧器の個別要求事項
JIS C 61558-2-9 第2-9部:白熱電球のクラスIIIハンドランプ用変圧器の個別要求事項
JIS C 61558-2-12 第2-12部:定電圧変圧器の個別要求事項
JIS C 61558-2-13 第2-13部:単巻変圧器及び単巻変圧器を組み込んだ電源装置の個別要求事項及び
試験
JIS C 61558-2-16 第2-16部:スイッチモード電源装置及びスイッチモード電源装置用変圧器の個別
要求事項及び試験
JIS C 61558-2-19 第2-19部:じょう(擾)乱減衰用変圧器の個別要求事項
JIS C 61558-2-20 第2-20部:小形リアクトルの個別要求事項
JIS C 61558-2-23 第2-23部:建築現場用変圧器の個別要求事項
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日本工業規格
JIS
C 61558-2-7:2012
変圧器,電源装置,リアクトル及び
これに類する装置の安全性−
第2-7部:玩具用変圧器及び玩具用電源装置の
個別要求事項及び試験
Safety of power transformers, power supplies,
reactors and similar products-Part 2-7: Particular requirements and tests
for transformers and power supplies for toys
序文
この規格は,2007年に第2版として発行されたIEC 61558-2-7を基に,我が国の配電事情などを考慮し,
技術的内容を変更して作成した日本工業規格であり,JIS C 61558-1の関連する各箇条の規定と併せて適用
する規格である。
なお,この規格で独自に追加した細分箇条の番号を100番台で示す。また,この規格で点線の下線を施
してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JCに示
す。
1
適用範囲
JIS C 61558-1の箇条1を,次に置き換える。
この規格は,玩具用変圧器及び玩具用変圧器を組み込んだ電源装置の電気的安全性,熱的安全性,機械
的安全性などの安全側面について規定する。
この規格は,玩具用変圧器,並びに玩具用変圧器及び電子回路の両方を組み込んだ電源装置に適用する。
この規格は,この変圧器及び電源装置の入力端子,出力端子又はコンセントに接続することを意図した外
部回路及びそれらの部品には適用しない。
この規格は,据置形又は可搬形で,単相の(自然又は強制)空冷式の玩具用変圧器及び玩具用変圧器を
組み込んだ電源装置であって,定格入力電圧が交流250 V以下,定格入力周波数及び内部動作周波数が
500 Hz以下,定格出力が200 VA以下,及び定格出力電流が10 A以下のものに適用する。
この規格は,独立形変圧器及び特定用途の変圧器に適用する。
この規格は,乾式の玩具用変圧器に適用する。巻線は,密封していても,していなくてもよい。
定格出力電圧及び無負荷出力電圧は,次による。
− 定格出力電圧: 玩具用変圧器及び玩具用変圧器を組み込んだ電源装置は,交流24 V以下
玩具用変圧器を組み込んだ電源装置は,リプルフリーの直流33 V以下
2
C 61558-2-7:2012
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− 無負荷出力電圧: 玩具用変圧器及び玩具用変圧器を組み込んだ電源装置は,交流33 V以下
玩具用変圧器を組み込んだ電源装置は,リプルフリーの直流46 V以下
通常,この規格は,子供が玩具用変圧器及び玩具用変圧器を組み込んだ電源装置で遊ぶことを考慮して
いない。
注記1 次の事項について注意する。
− 車両,船舶又は航空機に搭載して用いることを意図した玩具用変圧器及び玩具用変圧器
を組み込んだ電源装置は,(他の該当規格,我が国の諸規則による)追加要求事項が必要
になる場合がある。
− 菌類,害獣,害虫,太陽放射,着氷などの外部の影響から,エンクロージャ及びエンク
ロージャ内の部品を保護する対策も考慮することが望ましい。
− 玩具用変圧器及び玩具用変圧器を組み込んだ電源装置の輸送,保管及び操作に関する
様々な条件も考慮することが望ましい。
− 熱帯環境などの特殊な環境で用いることを意図した玩具用変圧器及び玩具用変圧器を組
み込んだ電源装置には,他の適切な規格及び我が国の諸規則による追加要求事項を適用
する場合がある。
注記2 玩具用変圧器及び玩具用変圧器を組み込んだ電源装置の将来の技術的進歩によって,周波数
の上限を引き上げる必要が生じる可能性がある。それまでは,この規格をガイドとして用い
てもよい。
注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 61558-2-7:2007,Safety of power transformers, power supplies, reactors and similar products−
Part 2-7: Particular requirements and tests for transformers and power supplies for toys(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
引用規格は,JIS C 61558-1の箇条2によるほか,次による。
JIS C 0922 電気機械器具の外郭による人体及び内部機器の保護−検査プローブ
JIS C 61558-1:2012 変圧器,電源装置,リアクトル及びこれに類する装置の安全性−第1部:通則及
び試験
注記 対応国際規格:IEC 61558-1:2005,Safety of power transformers, power supplies, reactors and
similar products−Part 1: General requirements and tests及びAmendment 1:2009(MOD)
3
用語及び定義
用語及び定義は,JIS C 61558-1の箇条3による。ただし,箇条3の第3段落は,次に置き換える。
変圧器という用語を用いる場合,それは該当する場合に応じて玩具用変圧器及び玩具用変圧器を組み込
んだ電源装置を対象とする。
3.1.101
玩具用変圧器(transformer for toys)
定格出力電圧が交流24 V以下の,玩具に電力を供給するように設計した,玩具に固定又は組み込まない
独立形安全絶縁変圧器。
3
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3.1.102
玩具用電源装置(power supply for toys)
玩具用変圧器を組み込んだ電源装置であって,玩具に固定又は組み込まず,定格出力電圧が交流24 V又
はリプルフリーの直流33 V以下のもの。
4
一般要求事項
一般要求事項は,JIS C 61558-1の箇条4による。
5
試験に関する一般的注意
試験に関する一般的注意は,JIS C 61558-1の箇条5による。
6
定格
定格は,JIS C 61558-1の箇条6によるほか,次による。
6.101
変圧器及び変圧器を組み込んだ電源装置の定格出力電圧は交流24 V以下,又は電源装置の場合,
リプルフリーの直流33 V以下でなければならない。
6.102
定格出力は,200 VA以下でなければならない。
6.103
定格入力周波数は,500 Hz以下でなければならない。
6.104
定格入力電圧は,交流250 V以下の一つの値でなければならない。
6.105
定格出力電流は,10 A以下でなければならない。
6.101〜6.105の要求事項に対する適否は,表示の検査によって判定する。
7
分類
分類は,JIS C 61558-1の箇条7による。ただし,7.1,7.2,7.4,及び7.5は,この規格による。
7.1
感電保護に従って,次のとおり分類する。
変圧器は,クラスII構造でなければならない。
7.2
耐短絡又は異常状態に対する保護に応じて,次のとおり分類する。
− 本質的耐短絡変圧器
− 非本質的耐短絡変圧器
− フェイルセーフ変圧器
7.4
その可動性に従って,次のとおり分類する。
− 可搬形変圧器
− 据置形変圧器
7.5
その使用の形式に従って,次のとおり分類する。
− 連続使用
8
表示及びその他の情報
表示及びその他の情報は,JIS C 61558-1の箇条8によるほか,次による。
8.1
JIS C 61558-1の8.1による。ただしh)及びn)は,次に置き換える。
h) 玩具用変圧器は,8.11に示す図記号によって表示しなければならない。
n) 屋外での使用に適した変圧器には,適切な保護等級(IPコード)を表示しなければならない。
4
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8.11 JIS C 61558-1の8.11の記号又は図記号の一覧に,次を追加する。
記号又は図記号
説明又はタイトル
識別
玩具用変圧器(本質的短絡保護変圧器,非本質的
短絡保護変圧器又はフェイルセーフ変圧器)
IEC 60417-5219
(2002-10)
8.101
使用説明書には,次の宣言又は同等のものを含まなければならない。
親に対する説明: “玩具用変圧器及び玩具用変圧器を組み込んだ電源装置は,玩具と同じように使用
することを意図しておらず,子供がそれらの製品を使用するのは,親の十分な監視
の下でなければならない。”
9
感電に対する保護
感電に対する保護は,JIS C 61558-1の箇条9によるほか,次による。
9.1.2
JIS C 61558-1の9.1.2による。ただし,図2の標準試験指の代わりにJIS C 0922の図12(検査プ
ローブ18)を使用し,また“適否は,検査及びJIS C 0920の関連試験によって判定する。”の段落の上に,
次を追加する。
工具を用いて取り外すことができるカバーを取り外した後でも,入力回路の充電部又は基礎絶縁だけに
よって充電部から分離した金属部に触れることができてはならない。
JIS C 61558-1の9.1.2の末尾に,次を追加する。
図101−小形試験指
(対応国際規格の図は,JIS C 0922と整合していないため,削除した。)
10 入力電圧設定の変更
入力電圧設定の変更は,JIS C 61558-1の箇条10を,次に置き換える。
変圧器は,定格入力電圧又は定格入力電圧範囲が一つでなければならない。
適否は,目視検査によって判定する。
11 負荷時の出力電圧及び出力電流
負荷時の出力電圧及び出力電流は,JIS C 61558-1の箇条11によるほか,次による。
11.1 JIS C 61558-1の11.1による。ただし,細別a)からd)を含む第1段落及び第2段落は,次に置き換え
る。
変圧器を定格入力周波数の定格入力電圧に接続し,交流定格力率及び定格出力電圧で定格出力となるよ
うなインピーダンスを用いて変圧器に負荷したとき,出力電圧は,交流については10 %,直流については
15 %を超えて定格値と異なってはならない。
この要求事項は,全ての出力巻線及びそれらのタップに適用する。
12 無負荷出力電圧
無負荷出力電圧は,JIS C 61558-1の箇条12の末尾に,次の段落及び細分箇条を追加する。
5
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無負荷出力電圧は,JIS C 61558-1の5.4に規定する周囲温度において,定格入力周波数の定格入力電圧
に変圧器を接続した状態で測定する。
12.101 無負荷出力電圧は,交流33 V又はリプルフリーの直流46 V以下でなければならない。玩具用変
圧器の場合,相互接続を意図しない巻線を直列に接続した場合にも,この出力電圧の制限を適用する。
12.102 無負荷出力電圧と負荷時出力電圧との差は,過度であってはならない。
この細分箇条で測定した無負荷出力電圧と箇条11の試験期間中に測定した負荷時出力電圧との差は,後
者の電圧の百分率で表したとき,100 %以下でなければならない。
注記 差(比率)は,次の式によって求める。
100
load
load
load
-
no
×
U
U
U
−
(%)
ここに,
Uno-load: 無負荷出力電圧
Uload: 負荷時出力電圧
12.101及び12.102の要求事項に対する適否は,測定によって判定する。
13 短絡電圧
短絡電圧は,JIS C 61558-1の箇条13を,適用しない。
13 A 2次短絡電流特性
2次短絡電流特性は,JIS C 61558-1の箇条13Aによる。
14 温度上昇
温度上昇は,JIS C 61558-1の箇条14による。ただし,表1の外部エンクロージャに対する要求事項は,
次の表1に置き換える。
表1−通常使用での最高温度値
部品
温度 ℃
JIS C 0922の図12(検査プローブ18)で触れることができる外部エンクロージャ,ハンド
ル及び類似のもの:
− 金属製
50
− 他の材料製
60
[JIS C 0922の図12(検査プローブ18)で触れることができない]外部エンクロージャ
85
15 短絡及び過負荷に対する保護
短絡及び過負荷に対する保護は,JIS C 61558-1の箇条15によるほか,次による。
15.1 JIS C 61558-1の15.1による。ただし,末尾に次を追加し,また,表3の外部エンクロージャに対す
る要求事項は,次の表3に置き換える。
変圧器は,耐短絡又はフェイルセーフ構造でなければならない。耐短絡変圧器は,通常の使用で生じる
過負荷に耐えなければならない。耐短絡変圧器にヒューズを組み込んではならない。
短絡出力電流が20 Aを超える場合には,非自己復帰形過負荷保護装置を組み込まなければならない。
非自己復帰形過負荷保護装置がある場合は,入力回路に組み込まなければならない。
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表3−短絡又は過負荷状態での温度の最高値
部分
最高温度
℃
[JIS C 0922の図12(検査プローブ18)で触れること
ができる]外部エンクロージャ:
− 金属製
50
− 他の材料製
60
15.3.101 短絡電流が20 Aを超える変圧器の入力回路は,冷状態(すなわち,受理状態及び通常の室温)
で定格入力電圧に接続し,それぞれの出力回路又は巻線を一度に一つずつ短絡する。この間,その他の巻
線は開路する。
二つ以上の出力電流がある場合,短絡電流が20 Aを超える出力回路だけを短絡する。
過負荷保護装置は,1秒以内に作動しなければならない。
15.5.2 JIS C 61558-1の15.5.2によるほか,第1ダッシュは,次による。
− JIS C 0922の図12(検査プローブ18)で触れることができるフェイルセーフ変圧器のエンクロージャ
のあらゆる部分の温度は,次の値以下でなければならない。
− 金属製
50 ℃
− その他の材料製
60 ℃
16 機械的強度
機械的強度は,JIS C 61558-1の箇条16によるほか,次による。
16.1 JIS C 61558-1の16.1による。ただし,第2段落は,次に置き換える。
適否は,据置形変圧器については16.2の試験,可搬形変圧器については該当する16.2,16.3,16.4,及
び16.101の試験によって判定する。
16.101
変圧器については,次の試験を行う。
変圧器を図102に示すように,れん瓦,石,コンクリート,又はこれに類する材質の固い壁に取り付け
た鋼棒に落下させる。
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単位 mm
図102−玩具用変圧器の衝撃試験装置
鋼棒は,40 mm×40 mm×5 mmの鋼板を直角に折り曲げ,角を半径5 mmに丸めたものとする。鋼棒は,
壁に接して又は必要な場合には壁と接しているスチールパッキングブロックに接触して取り付ける。
スチールパッキングブロックは,変圧器の形状がそれがないと変圧器が鋼棒にぶつからないような形状
の場合にだけ,必要となる。
つり下げ点が鋼棒から1 m上にあり,変圧器が鋼棒の角に寄り掛かるように,変圧器をその可とうケー
ブル又はコードでつり下げる。次に,壁に対して垂直な平面上で変圧器が高さ40 cmに上がるまで,変圧
器を鋼棒から引き離す。
変圧器を鋼棒に落下させ,変圧器の任意の別々の6か所にそれぞれ1回打撃を加える。
次に,平らなコンクリート基盤に載せた,厚さが5 mm以上の鋼板に高さ40 cmから変圧器の自由落下
を行う。
通常の使用の場合と同様にケーブルを取り付けた変圧器を,落下姿勢を変えて,10回の自由落下を行う。
試験後,変圧器は,この規格に不適合となるような損傷があってはならない。特に,充電部が可触にな
ってはならない。
17 じんあい(塵埃),固形物及び水分の有害な侵入に対する保護
じんあい,固形物及び水分の有害な侵入に対する保護は,JIS C 61558-1の箇条17による。
18 絶縁抵抗,耐電圧及び漏えい電流
絶縁抵抗,耐電圧及び漏えい電流は,JIS C 61558-1の箇条18による。
19 構造
構造は,JIS C 61558-1の箇条19によるほか,次による。ただし,19.1は,次に置き換える。
8
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19.1 入出力回路は,相互を電気的に分離し,また,その構造は,故意の行為による場合を除き,直接又
は他の金属部を介して間接的にこれらの回路間にいかなる接続も生じない構造でなければならない。
適否は,箇条18及び箇条26を考慮に入れ,目視検査及び測定によって判定する。
19.1.1 入出力巻線(一つ又は複数)間の絶縁は,二重絶縁又は強化絶縁で構成しなければならない。
さらに,入力巻線と本体との間及び出力巻線と本体との間の絶縁は,二重絶縁又は強化絶縁で構成しな
ければならない。
19.1.2 中間導電部分(例えば,鉄芯)を本体に接続せずに入出力巻線間に配置する変圧器の場合,中間導
電部分と入力巻線との間の絶縁,又は中間導電部分と出力巻線との間の絶縁は,少なくとも基礎絶縁で構
成しなければならない。
注記 入力巻線,出力巻線又は本体から少なくとも基礎絶縁によって分離されていない中間導電部分
は,関連する(単数又は複数の)部分に接続しているものと考える。
さらに,中間導電部分を介した入力巻線と出力巻線との間の絶縁は,二重絶縁又は強化絶縁で構成しな
ければならず,かつ,中間導電部分を介した入力巻線と本体との間の絶縁及び出力巻線と本体との間の絶
縁も,二重絶縁又は強化絶縁で構成しなければならない。
19.16 JIS C 61558-1の19.16によるほか,次による。
変圧器は,出力端子を除き,保護等級IP4X以上に関する要求事項に適合しなければならない。
屋外用の変圧器は,保護等級が多用途形で,IP65/IP67以上でなければならない。
適否は,箇条17の試験によって判定する。
19.101 出力回路と保護接地との間に接続があってはならない。
19.102 出力回路と本体との間に接続があってはならない。
適否は,目視検査によって判定する。
19.103 外部配線接続用の入出力端子は,それらの端子への導体の導入点間で測定した距離が25 mm以上
になるように配置しなければならない。その距離を障壁で達成する場合,測定は隔壁上及び周囲について
行わなければならず,その障壁は絶縁材料製で,変圧器に永久的に固定しなければならない。
適否は,目視検査,及び中間導電部分を無視した測定によって判定する。
19.107 変圧器は,クラスIIでなければならない。
19.108 変圧器は,玩具に固定又は組み込んではならない。
適否は,目視検査によって判定する。
19.111 出力回路に交流端子をもつ変圧器は,次に示す条件の下で,電源に接続しない変圧器のプラグの
裸ピン間の電圧が交流33 V以下になるように設計しなければならない。
− 2以上の変圧器の出力回路を相互に接続する。
− 1以上の変圧器の入力回路を電源に接続する。
− 1以上の変圧器の入力回路を電源に接続しない。
適否は,出力回路に(単数又は複数の)定格出力を供給したときのプラグのピン間の電圧の測定によっ
て判定する。
20 部品
部品は,JIS C 61558-1の箇条20によるほか,次による。
20.4 JIS C 61558-1の20.4の“適否は,検査によって判定する。”の段落の上に,次を追加する。
変圧器の電源可とうケーブル又はコードにスイッチを取り付けてはならない。
9
C 61558-2-7:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
20.5 JIS C 61558-1の20.5の末尾に,次を追加する。
変圧器の出力回路のコンセントに受け入れられるプラグとJIS C 8283(規格群)に従った機器用カプラ
との間を,プラグのどのピンによってでも,永久的に接触させることが可能であってはならない。
適否は,目視検査によって判定する。
20.7.1.1 JIS C 61558-1の20.7.1.1による。ただし,d)の第2ダッシュ及び第3ダッシュの“非自己復帰形
温度過昇防止装置(JIS C 9730-1の6.11.10参照)については300サイクル。”を“非自己復帰形温度過昇
防止装置及び非自己復帰形過負荷保護装置については1 000サイクル。”に置き換える。
20.101 非自己復帰形温度過昇防止装置及び非自己復帰形過負荷保護装置は,カバーを外さずに復帰させ
ることが可能でなければならない。
適否は,変圧器を定格入力電圧に接続して,装置が作動するまで出力端子を短絡することによって判定
する。複数の出力端子セットがある場合には,各セットを別々に試験しなければならない。
復帰手段を操作することによって温度過昇防止装置又は過負荷保護装置をオンの位置に保つことが可能
であってはならない。
短絡回路を外した後,必要な場合には冷却した後に,カバーを外すことなく過負荷保護装置をオンの位
置に入れることが可能でなければならない。
20.102 制御装置がある場合は,出力回路になければならず,確実に動作しなければならない。
適否は,目視検査及び次の試験によって判定する。
制御装置は,5 000回操作する。変圧器を定格入力電圧に接続し,一定の力率で,かつ,定格出力電流を
与える負荷を接続し,毎分約30回の一様な切換え速度で,一端から他端までを1回とし操作する。オフ位
置の場合を除き,この試験中に電流の中断が生じてはならない。
試験後,変圧器の巻線の温度が14.2に規定する数値以下でなければならず,出力回路の巻線のターン間
の短絡によって無負荷入力電流が変わってはならない。
20.103 制御装置の操作手段は,鉄道玩具用の変圧器を除き,変圧器に固定してはならない。
21 内部配線
内部配線は,JIS C 61558-1の箇条21による。
22 電源接続及びその他の外部可とうケーブル又はコード
電源接続及びその他の外部可とうケーブル又はコードは,JIS C 61558-1の箇条22によるほか,次によ
る。ただし,22.5及び22.6は,この規格による。
22.5 保護等級IP4X以上の要求事項に適合する変圧器の電源コードは,次のいずれかによる。
− オーディナリーゴムシース付きコード(コード記号60245 IEC 53)又はオーディナリービニルシース
コード(コード記号60227 IEC 53)よりも軽量でないもの。
− 電気用品の技術上の基準を定める省令(昭和37年通商産業省令85号)第1項の別表第一に適合する
キャブタイヤケーブル又はキャブタイヤコード。
保護等級がIP67以上の変圧器の電源コードは,オーディナリークロロプレンシース付きコード(コード
記号60245 IEC 57)よりも軽量であってはならない。
22.6 変圧器の入力回路には,機器用カプラは許容しない。
22.7 JIS C 61558-1の22.7の第1文に続けて,次を追加する。
10
C 61558-2-7:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ただし,ケーブル又はコードを除いた質量が500 gを超える変圧器については,電源ケーブル又はコー
ドの断面積が1 mm2以上でなければならない。
22.9 JIS C 61558-1の22.9の第1段落を,次に置き換える。
電源コードは,Y形及びZ形取付けで変圧器に接続することができる。X形取付けは許容しない。
23 外部導体用端子
外部導体用端子は,JIS C 61558-1の箇条23による。
24 保護接地接続
保護接地接続は,JIS C 61558-1の箇条24を適用しない。
25 ねじ及び接続部
ねじ及び接続部は,JIS C 61558-1の箇条25による。
26 沿面距離,空間距離及び絶縁物を通しての距離
沿面距離,空間距離及び絶縁物を通しての距離は,JIS C 61558-1の箇条26による。
27 耐熱性,耐火性及び耐トラッキング性
耐熱性,耐火性及び耐トラッキング性は,JIS C 61558-1の箇条27による。
28 耐腐食性
耐腐食性は,JIS C 61558-1の箇条28による。
11
C 61558-2-7:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書
附属書は,JIS C 61558-1の附属書による。
参考文献
参考文献は,JIS C 61558-1の参考文献による。
附属書JC
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS C 61558-2-7:2012 変圧器,電源装置,リアクトル及びこれに類する装置の安全
性−第2-7部:玩具用変圧器及び玩具用電源装置の個別要求事項及び試験
IEC 61558-2-7:2007 Safety of power transformers, power supplies, reactors and
similar products−Part 2-7: Particular requirements and tests for transformers and power
supplies for toys
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ご
との評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
2
引用規格
9.1.2
感電に対する保護
9.2
JISにほぼ同じ
変更
図101(小形試験指)を削除し,
JIS C 0922の図12(検査プロー
ブ18)を引用した。
対応国際規格の図101(小形試験
指)は,JIS C 0922と整合していな
いため,図101の代わりにJIS C
0922を引用した。
図101の寸法許容差及び材質が不
適切であり,共通規格の試験指を引
用した。
12
無負荷出
力電圧
無負荷時の出力電圧
12
JISに同じ
追加
対応国際規格では適否を判定
する段落にあった,12.101及び
12.102共通の試験条件に関す
る事項を箇条12に移すととも
に,適否を判定する段落を,
12.102の下に移した。
試験条件の規定及び適否の判定に
ついて,第2部の規格群の内容に合
わせて修正した。
13A
2次短絡
電流特性
定格2次短絡電流が
表示された場合の測
定方法及び許容値
−
なし
追加
2次短絡電流特性を追加した。 第1部で追加した規定を引用した。
14
温度上昇
温度試験の限度値
14
JISにほぼ同じ
変更
図101(小形試験指)を削除し,
JIS C 0922の図12(検査プロー
ブ18)を引用した。
図101の寸法許容差及び材質が不
適切であり,共通規格の試験指を引
用した。
2
C
6
1
5
5
8
-2
-7
:
2
0
1
2
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ご
との評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
15.1
15.5.2
短絡又は過負荷状態
での温度限度値
15.1
15.5.2
JISにほぼ同じ
変更
図101(小形試験指)を削除し,
JIS C 0922の図12(検査プロー
ブ18)を引用した。
図101の寸法許容差及び材質が不
適切であり,共通規格の試験指を引
用した。
16.101
衝撃試験
16.101
JISにほぼ同じ
変更
対応国際規格で規定する,電源
コードの取付面及びその対と
なる面を衝撃試験の印加対象
から外し,かつ,面だけでなく
エッジにも印加できる規定と
した。
対応国際規格で改正された衝撃試
験の規定は現実的に実施できない
もののため,改正前の規定に近い形
で,かつ,合理的な内容に修正した。
22.5
使用するケーブル又
はコードのタイプ
22.5
JISにほぼ同じ
追加
電気用品安全法の技術基準に
適合したキャブタイヤケーブ
ル及びキャブタイヤコードも
使用できるようにした。
JIS C 61558-1で認めた電気用品安
全法の電線は,国内配線規則に従う
ことにしたため。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 61558-2-7:2007,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加 ················· 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················· 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ················ 国際規格を修正している。
2
C
6
1
5
5
8
-2
-7
:
2
0
1
2
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。