C 61300-3-45:2019 (IEC 61300-3-45:2011)
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 概要······························································································································· 2
3.1 測定方法 ······················································································································ 2
3.2 注意事項 ······················································································································ 3
4 装置······························································································································· 3
4.1 光源 ···························································································································· 3
4.2 励振器 ························································································································· 4
4.3 受光器 ························································································································· 4
5 測定手順························································································································· 4
5.1 方法1 ·························································································································· 4
5.2 方法2 ·························································································································· 7
5.3 データ解析 ·················································································································· 11
6 個別に規定する事項 ········································································································· 11
C 61300-3-45:2019 (IEC 61300-3-45:2011)
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人光産業技術振興協会(OITDA)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 61300の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 61300-1 第1部:通則
JIS C 61300-2-1 第2-1部:正弦波振動試験
JIS C 61300-2-2 第2-2部:繰返しかん合試験
JIS C 61300-2-4 第2-4部:光ファイバクランプ強度試験(軸方向引張り)
JIS C 61300-2-5 第2-5部:光ファイバクランプ強度試験(ねじり)
JIS C 61300-2-6 第2-6部:かん合部締結強度試験(軸方向引張り)
JIS C 61300-2-7 第2-7部:かん合部締結強度試験(曲げモーメント)
JIS C 61300-2-9 第2-9部:衝撃試験
JIS C 61300-2-11 第2-11部:光ファイバクランプ強度試験(軸方向圧縮)
JIS C 61300-2-12 第2-12部:落下衝撃試験
JIS C 61300-2-14 第2-14部:光パワー損傷のしきい値試験
JIS C 61300-2-15 第2-15部:結合部ねじり試験
JIS C 61300-2-17 第2-17部:低温試験
JIS C 61300-2-18 第2-18部:高温試験
JIS C 61300-2-19 第2-19部:高温高湿試験(定常状態)
JIS C 61300-2-21 第2-21部:混合温湿度サイクル試験
JIS C 61300-2-22 第2-22部:温度サイクル試験
JIS C 61300-2-24 第2-24部:応力印加によるセラミック割りスリーブのスクリーニング試験
JIS C 61300-2-26 第2-26部:塩水噴霧試験
JIS C 61300-2-27 第2-27部:ダスト試験(層流)
JIS C 61300-2-40 第2-40部:SM調心円筒形斜めPC端面光ファイバコネクタプラグの挿入損失スク
リーニング試験
JIS C 61300-2-41 第2-41部:SM調心円筒形直角PC端面光ファイバコネクタプラグの挿入損失スク
リーニング試験
JIS C 61300-2-44 第2-44部:光ファイバクランプ強度試験−繰返し曲げ
JIS C 61300-2-45 第2-45部:浸水試験
JIS C 61300-2-46 第2-46部:湿熱サイクル試験
JIS C 61300-2-47 第2-47部:熱衝撃試験
C 61300-3-45:2019 (IEC 61300-3-45:2011)
(3)
JIS C 61300-2-48 第2-48部:温湿度サイクル試験
JIS C 61300-2-49 第2-49部:取付け済み光ファイバコード付き光ファイバコネクタプラグの曲げ試
験
JIS C 61300-2-50 第2-50部:光ファイバクランプ強度試験−非通光左右曲げ引張り
JIS C 61300-2-51 第2-51部:光ファイバクランプ強度試験−通光左右曲げ引張り
JIS C 61300-2-55 第2-55部:光ファイバアダプタ取付強度試験−軸方向
JIS C 61300-3-1 第3-1部:外観検査及び機械的検査
JIS C 61300-3-2 第3-2部:シングルモード光デバイスの光損失の偏光依存性
JIS C 61300-3-3 第3-3部:挿入損失及び反射減衰量変化のモニタ方法
JIS C 61300-3-4 第3-4部:損失測定
JIS C 61300-3-6 第3-6部:反射減衰量測定
JIS C 61300-3-7 第3-7部:シングルモード光部品の光損失及び反射減衰量の波長依存性測定
JIS C 61300-3-11 第3-11部:結合力及び離脱力測定
JIS C 61300-3-14 第3-14部:可変光減衰器の減衰量の設定の誤差及び再現性測定
JIS C 61300-3-20 第3-20部:波長選択性のない光ブランチングデバイスのディレクティビティ測定
JIS C 61300-3-21 第3-21部:切替時間測定
JIS C 61300-3-22 第3-22部:フェルール押圧力測定
JIS C 61300-3-24 第3-24部:偏波面保存光ファイバ付き光ファイバコネクタのキー位置精度測定
JIS C 61300-3-25 第3-25部:フェルール及び光ファイバ取付け直角PC端面フェルールの同心度測定
JIS C 61300-3-26 第3-26部:光ファイバとフェルール軸との角度ずれの測定
JIS C 61300-3-27 第3-27部:多心光ファイバコネクタプラグの穴位置測定
JIS C 61300-3-28 第3-28部:過渡損失測定
JIS C 61300-3-30 第3-30部:多心光ファイバコネクタ用フェルールの研磨角度及び光ファイバ位置
測定
JIS C 61300-3-32 第3-32部:光受動部品の偏波モード分散測定
JIS C 61300-3-33 第3-33部:ピンゲージを用いた割りスリーブのフェルール引抜力測定
JIS C 61300-3-34 第3-34部:ランダム接続時の挿入損失
JIS C 61300-3-36 第3-36部:光ファイバコネクタフェルールの内径及び外径の測定
JIS C 61300-3-38 第3-38部:群遅延,波長分散及び位相リップルの測定
JIS C 61300-3-40 第3-40部:偏波面保存光ファイバ付き光ファイバコネクタプラグの偏波消光比測
定
JIS C 61300-3-43 第3-43部:光ファイバ光源のモードトランスファファンクション測定
JIS C 61300-3-45 第3-45部:多心光ファイバコネクタのランダム接続時の挿入損失測定
JIS C 61300-3-47 第3-47部:干渉法による直角PC端面及び斜めPC端面単心円筒形フェルールの端
面形状測定
JIS C 61300-3-50 第3-50部:光スイッチのクロストーク測定
日本工業規格 JIS
C 61300-3-45:2019
(IEC 61300-3-45:2011)
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験
及び測定手順−第3-45部:多心光ファイバコネクタ
のランダム接続時の挿入損失測定
Fiber optic interconnecting devices and passive components-Basic test
and measurement procedures-Part 3-45: Examinations and
measurements-Attenuation of random mated multi-fiber connectors
序文
この規格は,2011年に第1版として発行されたIEC 61300-3-45を基に,技術的内容及び構成を変更する
ことなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
1
適用範囲
この規格は,JIS C 5964規格群で規定する,直角フィジカルコンタクト(以下,PCという。)及び斜め
PCの1列多心角形フェルール光ファイバコネクタ(以下,光コネクタという。)のランダム接続時の挿入
損失の性能パラメータである,損失の統計分布及び平均値を測定するための手順について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 61300-3-45:2011,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and
measurement procedures−Part 3-45: Examinations and measurements−Attenuation of random
mated multi-fibre connectors(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 5964(規格群) 光ファイバコネクタかん合標準
注記 対応国際規格:IEC 61754 (all parts),Fibre optic interconnecting devices and passive components
−Fibre optic connector interfaces
JIS C 61300-1 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第1部:通則
注記 対応国際規格:IEC 61300-1,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 1: General and guidance
JIS C 61300-3-1 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第3-1部:外観
2
C 61300-3-45:2019 (IEC 61300-3-45:2011)
検査及び機械的検査
注記 対応国際規格:IEC 61300-3-1,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 3-1: Examinations and measurements−Visual examination
IEC 61300-3-35,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and measurement
procedures−Part 3-35: Examinations and measurements−Visual inspection of fibre optic connectors and
fibre-stub transceivers
3
概要
3.1
測定方法
この規格では光コネクタのランダム接続損失に対し,2種類の測定方法を規定する。二つの測定方法は,
共に,1ロットの両端光コネクタプラグ付き光パッチコード(可能であれば,光アダプタを含む。)から選
んだ一群の供試品において,光ファイバ通信システムに用いるときに期待する平均損失を見積もる。測定
結果が統計的に偏りがない見積りとするために,一群の供試品である光パッチコード及び光アダプタは,
ランダムに選ばなければならない。
方法1は,表1に規定する光パッチコード及び光アダプタの試料数を用いた測定である。この方法では,
M形プラグ(ピンあり)を“基準プラグ”とする場合,F形プラグ(ピンなし)を“基準”プラグに順番
に接続し,挿入損失を測定する。F形プラグを“基準プラグ”とする場合,M形プラグを,“基準”プラグ
に順番に接続し,挿入損失を測定する。表1に規定する測定回数の結果を,図3〜図5に示す試験マトリ
クスに記録する。
方法1は,設計認定を意図しており,1社以上の供給業者を含んでもよい。方法1で認定された後,工
程管理の維持を意図して方法2を適用できる。疑義がある場合,方法1を基準測定方法として適用する。
方法2は,表2に規定する光パッチコード及び光アダプタの試料数を用いた測定である。
この方法では,三つのM形プラグ,又は3組のガイドピン及びF形プラグを“基準”プラグとして選ぶ。
他の供試F形プラグを“基準”プラグに順番に接続し,挿入損失を測定する。表2に規定する測定回数の
結果を,図10〜図12に示す試験マトリクスに記録する。
方法1が要求する測定回数は,内製品に対しても購入品に対しても,日々の品質確認として行うには回
数が多く負担になるかもしれない。その点で,方法2は代替法といえる。
注記1 この測定方法において,“基準”プラグ又は“基準”光パッチコードは,1ロットからランダ
ムに選んだプラグ又は光パッチコードであり,供試品と接続する場合の損失を測定する対象
であることを示している。例えば,スクリーニング試験で用いる,特別に選ばれた又は組み
立てられた光コネクタプラグ又は光パッチコードを意図してはいない。
注記2 注記1の“特別に選ばれた又は組み立てられた光コネクタプラグ又は光パッチコード”は,
JIS C 5962で規定する“基準プラグ”であり,JIS C 5965-2-4及びJIS C 5965-2-5に記載して
いる“基準プラグ”を指している。
3
C 61300-3-45:2019 (IEC 61300-3-45:2011)
表1−方法1の試料数
心数
試料数
光パッチコード及び光アダプタ
測定接続数
心数合計
2
15
210
420
4
12
132
528
8
10
90
720
10
10
90
900
12
10
90
1 080
表2−方法2の試料数
心数
試料数
光パッチコード及び光アダプタ
測定接続数
心数合計
合計
“基準”
供試品
2
12
3
9
54
108
4
8
3
5
30
120
8
6
3
3
18
144
10
6
3
3
18
180
12
6
3
3
18
216
3.2
注意事項
次の注意事項に適合しなければならない。
a) クラッドモードが測定値に影響を与えないように注意する。クラッドモードは,光ファイバの被覆に
よって取り除く。
b) 基準値測定(P1)から供試品測定(P2)までの間,曲げ損失の影響を防ぐため,光ファイバを動かさ
ないよう注意しなければならない。
c) 測定値が小さい場合であっても,光源及び受光器の安定性は,0.05 dB以下又は測定する損失の10 %
以下とする。安定度は,測定時間の間,動作温度の範囲内で満足しなければならない。要求される測
定値の分解能は,単一モード及びマルチモードにおいて,0.01 dB以下とする。
d) 矛盾がない測定結果を得るため,測定前に全ての光コネクタプラグ及び光コネクタアダプタの清掃及
び外観検査を行う。外観検査は,JIS C 61300-3-1及びIEC 61300-3-35による。
注記 クラッドモードを除去するために,通常,光ファイバのクラッドと同一又はそれよりも高い屈
折率の被覆材料を用いている。
4
装置
4.1
光源
光源は,発光素子,発光素子と光ファイバとの接続手段及び制御回路で構成している。要求される光出
力レベル及びその安定度に加えて,次に規定する特性を満足しなければならない。
− 性能標準又は製品仕様で指示する中心波長
− 光フィルタ付き発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)のスペクトル幅の半値全幅(Full Width Half
Maximum:FWHM)が150 nm以下
− レーザダイオード(Laser Diode:LD)のスペクトル幅の半値全幅は,10 nm未満
マルチモード光ファイバの測定の場合,LEDなどの広帯域光源を用いる。
4
C 61300-3-45:2019 (IEC 61300-3-45:2011)
単一モード光ファイバの測定の場合,LED又はLDを用いてもよい。
注記 マルチモード光ファイバの測定にコヒーレンス性が高い光源を用いると,スペックルパタンが
生じることがある。スペックルパタンは,スペックル雑音又はモード雑音を生じる。スペック
ル雑音又はモード雑音の特性は,受光器の分解能時間よりも変動周期が長いため,光パワー変
動として測定される。マルチモード光ファイバの測定に,高いコヒーレンス性の光源を用いる
場合,安定的な励振条件を得るのは不可能な場合がある。したがって,マルチモード光ファイ
バ部品の測定には,オプティカルタイムドメインリフレクトメータ(Optical Time Domain
Reflectometer:OTDR)用のLDを含むLDは用いないほうがよく,LED又はコヒーレンス性が
低い光源を用いるのがよい。
4.2
励振器
励振条件は,JIS C 61300-1による。
4.3
受光器
受光器は,受光素子,受光素子と光ファイバとの接続手段及び制御回路で構成している。受光素子と光
ファイバとの接続は,光コネクタプラグとかん合する適切な光コネクタアダプタでもよい。受光素子は,
光コネクタプラグから出射する全ての光を受光できる受光領域をもたなければならない。
最小受光感度及び受光感度の安定性に加え,次の特性を満足しなければならない。
− マルチモード光ファイバに対する直線性は,入力レベルが−5 dBm〜−60 dBmにおいて,±0.25 dB
以内
− シングルモード光ファイバに対する直線性は,入力レベルが−5 dBm〜−60 dBmにおいて,±0.1 dB
以内
注記 受光器の直線性は,測定波長において,−23 dBmのパワーレベルを基準にすることが望ましい。
“基準”測定(P1)から供試品測定(P2)までの間,受光器と光コネクタプラグとの接続及び抜去にお
ける測定再現性は,測定する挿入損失が小さい値であっても,0.05 dB以内又は測定する挿入損失の10 %
以内とする。そのためには,受光領域が広い受光素子が有効な場合がある。
受光器の詳細仕様は,測定に対する要求条件を満足しなければならない。受光器のダイナミックレンジ
は,測定波長において供試品から出射する光パワーを受光できなければならない。
5
測定手順
5.1
方法1
a) 表1に規定する数量の供試光パッチコードをランダムに選ぶ。図3〜図5の試験マトリクスに記載す
るように光コネクタプラグに一連の番号を付ける。
b) 表1に規定する数量の供試光アダプタをランダムに選ぶ。図3〜図5の試験マトリクスに記載するよ
うに光アダプタに一連の番号を付ける。
c) 図1に示すように,“基準”光パッチコード1のF形“基準”プラグ1を,光アダプタを介してファ
ンアウトコードに接続し,M形“基準”プラグ1を受光器に接続し,測定系を構築する。全心の光フ
ァイバに対し,光パワーP1-1〜P1-nを測定する。
5
C 61300-3-45:2019 (IEC 61300-3-45:2011)
図1−“基準”光パッチコード測定−方法1
d) 図2に示すように,供試光パッチコード2のF形プラグ2を,光アダプタ1を介してM形“基準”プ
ラグ1に接続し,M形プラグ2を受光器に接続し,測定系を構築する。全心の光ファイバに対し,光
パワーP2-1〜P2-nを測定する。
図2−供試光パッチコード測定−方法1
e) 式(1)を用いて,M形“基準”プラグ1及びF形プラグ2の,光アダプタ1を介して接続した挿入損失
(IL)を計算する。
)
(
log
10
1
2
10
L
A
P
P
IL
i
i
×
−
−
=
−
−
(dB) ··········································· (1)
ここに,
i: 供試光パッチコードの一連の番号
A: 光ファイバのkm当たりの損失
L: 光ファイバの長さ(km)
注記 光ファイバ長が短い,すなわち,10 m未満の場合,シングルモード光ファイバ(SSMA)及び
マルチモード光ファイバ(SGI-50/125及びSGI-62.5/125)では,積A×Lは無視できる場合があ
る。
f)
適切な試験マトリクスに全心の光ファイバに対する測定結果を記録する。
注記 4心光コネクタに対する試験マトリクスの例は,図11参照
g) “基準”組合せとしてのM形“基準”プラグ1と光アダプタ1との接続状態を維持したまま,供試光
光アダプタ1
光源
励振器
.
.
.
受光器
M形
“基準”
プラグ1
“基準”光パッチコード1
F形
“基準”
プラグ1
チャネル1
チャネルn
P2-1〜P2-n
供試光パッチコード2
F形
プラグ2
M形
プラグ2
.
.
.
光源
励振器
受光器
M形
“基準”
プラグ1
“基準”光パッチコード1
F形
“基準”
プラグ1
チャネル1
チャネルn
P1-1〜P1-n
ファンアウト
コード
6
C 61300-3-45:2019 (IEC 61300-3-45:2011)
パッチコード2を供試光パッチコード3に置き換え,F形プラグ3をM形“基準”プラグ1に接続す
る。
h) 光パワーP3-1〜P3-nを測定し,全心の光ファイバに対する挿入損失の測定結果を記録する。
i)
残りの供試光パッチコードの全てのF形プラグに対し,手順g)及び手順h)を繰り返し,M形“基準”
プラグ1と接続する場合の挿入損失を測定する。
j)
手順i)の完了後,“基準”プラグ1及び光アダプタ1を,M形プラグ2及び光アダプタ2に置き換え,
“基準”プラグ及び光アダプタの“基準”組合せとする。
k) 全ての供試プラグに対し,M形“基準”プラグ2と光アダプタ2とを接続する場合の挿入損失を測定
する。
l)
測定対象とする全ての光コネクタプラグを“基準”プラグとし,手順c)〜手順k)を繰り返す。
“基準”接続組合せ
供試光パッチコードのF形プラグの一連の番号
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10 11 12 13 14 15
M形プラグ1
光アダプタ1
M形プラグ2
光アダプタ2
M形プラグ3
光アダプタ3
M形プラグ4
光アダプタ4
M形プラグ5
光アダプタ5
M形プラグ6
光アダプタ6
M形プラグ7
光アダプタ7
M形プラグ8
光アダプタ8
M形プラグ9
光アダプタ9
M形プラグ10
光アダプタ10
M形プラグ11
光アダプタ11
M形プラグ12
光アダプタ12
M形プラグ13
光アダプタ13
M形プラグ14
光アダプタ14
M形プラグ15
光アダプタ15
図3−2心光コネクタに対する測定方法1の試験マトリクス
7
C 61300-3-45:2019 (IEC 61300-3-45:2011)
“基準”接続組合せ
供試光パッチコードのF形プラグの一連の番号
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
M形プラグ1
光アダプタ1
M形プラグ2
光アダプタ2
M形プラグ3
光アダプタ3
M形プラグ4
光アダプタ4
M形プラグ5
光アダプタ5
M形プラグ6
光アダプタ6
M形プラグ7
光アダプタ7
M形プラグ8
光アダプタ8
M形プラグ9
光アダプタ9
M形プラグ10
光アダプタ10
M形プラグ11
光アダプタ11
M形プラグ12
光アダプタ12
図4−4心光コネクタに対する測定方法1の試験マトリクス
“基準”接続組合せ
供試光パッチコードのF形プラグの一連の番号
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
M形プラグ1
光アダプタ1
M形プラグ2
光アダプタ2
M形プラグ3
光アダプタ3
M形プラグ4
光アダプタ4
M形プラグ5
光アダプタ5
M形プラグ6
光アダプタ6
M形プラグ7
光アダプタ7
M形プラグ8
光アダプタ8
M形プラグ9
光アダプタ9
M形プラグ10
光アダプタ10
図5−8心,10心及び12心光コネクタに対する測定方法1の試験マトリクス
5.2
方法2
a) 表2に規定する数量の供試光パッチコードをランダムに選ぶ。
b) 3本の光パッチコードをランダムに選び,それぞれの光コネクタプラグに“基準”プラグとしての一
連の番号を付ける。残りの光パッチコードの光コネクタプラグに供試プラグとしての一連の番号を付
ける。三つの光アダプタに光アダプタ1〜光アダプタ3の番号を付ける(図10〜図12を参照)。
c) M形光コネクタプラグ1を“基準”プラグとする“基準”光パッチコード1を用いて,図6に示す測
定系を構築する。“基準”光パッチコード1の全心の光ファイバに対して光パワーP1-1〜P1-nを測定す
8
C 61300-3-45:2019 (IEC 61300-3-45:2011)
る。ここで,図6及び図7に示すM形“基準”プラグを用いる測定を測定(1)とし,図8及び図9に
示すF形“基準”プラグを用いる測定を測定(2)として区別する。
図6−“基準”光パッチコード測定(1)−方法2
d) 図7に示すように,供試光パッチコード2のF形プラグ2を,光アダプタ1を介してM形“基準”プ
ラグ1に接続する。M形プラグ2を受光器に接続し,測定系を構築する。光パワーP2-1〜P2-nを測定す
る。
図7−供試光パッチコード測定(1)−方法2
e) 式(2)を用いて,M形“基準”プラグ1及びF形プラグ2の,光アダプタ1を介して接続した挿入損失
(IL)を計算する。
)
(
log
10
1
2
10
L
A
P
P
IL
i
i
×
−
−
=
−
−
(dB) ··········································· (2)
ここに,
i: 供試光パッチコードの一連の番号
A: 光ファイバのkm当たりの損失
L: 光ファイバの長さ(km)
注記 光ファイバ長が短い,例えば10 m未満の場合,シングルモード光ファイバ(SSMA)及びマル
チモード光ファイバ(SGI-50/125及びSGI-62.5/125)では,積A×Lは無視できる場合がある。
f)
適切な試験マトリクスに全心の光ファイバに対する挿入損失の測定結果を記録する。
g) 全てのF形供試光コネクタプラグに対し,M形“基準”プラグ1及び光アダプタ1の組合せにおける
光アダプタ1
光源
励振器
.
.
.
受光器
M形
“基準”
プラグ1
“基準”光パッチコード1
F形
“基準”
プラグ1
チャネル1
チャネルn
P2-1〜P2-n
供試光パッチコード2
F形
プラグ2
M形
プラグ2
光源
励振器
.
.
.
受光器
M形
“基準”
プラグ1
“基準”光パッチコード1
F形
”基準”
プラグ1
チャネル1
チャネルn
P1-1〜P1-n
ファンアウトコード
9
C 61300-3-45:2019 (IEC 61300-3-45:2011)
手順d)〜手順f)を繰り返す。
h) 手順g)の完了後,“基準”プラグ及び光アダプタを,M形“基準”プラグ2及び光アダプタ2に置き
換え,“基準”プラグ及び光アダプタの“基準”組合せとする。
i)
手順c)〜手順g)に従って,全てのF形供試プラグに対し,M形“基準”プラグ2と光アダプタ2とを
接続する場合の挿入損失を測定する。
j)
全てのM形“基準プラグ”及び全ての光アダプタの“基準”組合せに対して,測定対象とする全ての
供試光パッチコードのF形プラグに対し測定するため,手順c)〜手順g)を繰り返す。
k) F形プラグ1を“基準”プラグとする“基準”光パッチコード1を用い,図8に示すように測定系を
構築する。全心の光ファイバに対し,光パワーP1-1〜P1-nを測定する。
図8−“基準”光パッチコード測定(2)−方法2
l)
F形“基準”プラグ1と供試光パッチコード2のM形プラグ2とを光アダプタ1を介して接続し,図
9に示す測定系を構築する。光パワーP2-1〜P2-nを測定する。
図9−供試光パッチコード測定(2)−方法2
m) F形“基準”プラグ1と供試光パッチコード2のM形プラグ2とを光アダプタ1を介して接続した場
合の挿入損失を式(2)に従って計算する。
n) 全心の光ファイバに対する挿入損失の測定結果を適切な試験マトリクスに記録する。
o) 残りの全ての供試光パッチコードのM形プラグに対し,手順l)〜手順n)を繰り返し,F形“基準”プ
ラグ1及び光アダプタ1を介して接続する挿入損失を測定する。
光アダプタ1
光源
励振器
.
.
.
受光器
F形
“基準”
プラグ1
“基準”光パッチコード1
M形
“基準”
プラグ1
チャネル1
チャネルn
P2-1〜P2-n
供試光パッチコード2
M形
プラグ2
F形
プラグ2
光源
励振器
.
.
.
受光器
F形
“基準”
プラグ1
“基準”光パッチコード1
M形
“基準”
プラグ1
チャネル1
チャネルn
P1-1〜P1-n
ファンアウトコード
10
C 61300-3-45:2019 (IEC 61300-3-45:2011)
p) 手順o)の完了後,“基準”プラグ及び光アダプタを,それぞれF形”基準”プラグ2及び光アダプタ2
に置き換え,この接続を“基準”組合せとする。
q) 手順l)〜手順n)に従って,全ての供試光パッチコードのM形プラグに対し,F形“基準”プラグ2及
び光アダプタ2を介して接続する挿入損失を測定する。
r) 全てのF形“基準”プラグ及び全ての光アダプタに対し,全ての供試光パッチコードのM形プラグと
接続する挿入損失の測定を行う。
“基準”組合せ1
供試光パッチコードのF形の一連の番号
“基準”プラグ
光アダプタ
1
2
3
4
5
6
7
8
9
M形プラグ1
光アダプタ1
M形プラグ2
光アダプタ2
M形プラグ3
光アダプタ3
“基準”組合せ2
供試光パッチコードのM形の一連の番号
“基準”プラグ
光アダプタ
1
2
3
4
5
6
7
8
9
F形プラグ1
光アダプタ1
F形プラグ2
光アダプタ2
F形プラグ3
光アダプタ3
図10−2心光コネクタに対する測定方法2の試験マトリクス
“基準”組合せ1
供試光パッチコードのF形の一連の番号
“基準”プラグ
光アダプタ
1
2
3
4
5
M形プラグ1
光アダプタ1
M形プラグ2
光アダプタ2
M形プラグ3
光アダプタ3
“基準”組合せ2
供試光パッチコードのM形の一連の番号
“基準”プラグ
光アダプタ
1
2
3
4
5
M形プラグ1
光アダプタ1
M形プラグ2
光アダプタ2
M形プラグ3
光アダプタ3
図11−4心光コネクタに対する測定方法2の試験マトリクス
11
C 61300-3-45:2019 (IEC 61300-3-45:2011)
“基準”組合せ1
供試光パッチコードのF形の一連の番号
“基準”プラグ
光アダプタ
1
2
3
M形プラグ1
光アダプタ1
M形プラグ2
光アダプタ2
M形プラグ3
光アダプタ3
“基準”組合せ2
供試光パッチコードのM形の一連の番号
“基準”プラグ
光アダプタ
1
2
3
M形プラグ1
光アダプタ1
M形プラグ2
光アダプタ2
M形プラグ3
光アダプタ3
図12−8心,10心及び12心光コネクタに対する測定方法2の試験マトリクス
5.3
データ解析
方法1又は方法2の全心の光ファイバに対する挿入損失測定データの平均値及び97 %値を計算する。そ
れらが,適用する光コネクタの性能標準に規定する値を満足しなければならない。
6
個別に規定する事項
必要に応じ,次の事項を製品規格などに規定する。
− 性能(許容挿入損失,統計値など)
− 光源の波長
− 光ファイバのkm当たりの損失
− この規格の測定方法との差異
参考文献 JIS C 5962 光ファイバコネクタ通則
JIS C 5964-7 光ファイバコネクタかん合標準−第7部:MPOコネクタ類(F13)
JIS C 5965-2-4 光ファイバコネクタ光学互換標準−第2-4部:基準接続用シングルモード直角
PC端面光ファイバの接続パラメータ
JIS C 5965-2-5 光ファイバコネクタ光学互換標準−第2-5部:基準接続用シングルモード斜め
PC端面光ファイバの接続パラメータ
JIS C 5965-3-31 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−光ファイバコネクタ光学互換標準
−第3-31部:シングルモード光ファイバ用1列多心角形ポリフェニレンスルフィド(PPS)
8度斜めPC端面フェルールの接続部パラメータ
JIS C 5982 F13形多心光ファイバコネクタ(MPOコネクタ)
JIS C 61300-3-34 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第3-34
部:ランダム接続時の挿入損失