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C 61300-3-4:2017 (IEC 61300-3-4:2012) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 一般事項························································································································· 2 

3.1 概要 ···························································································································· 2 

3.2 注意点 ························································································································· 2 

4 装置······························································································································· 2 

4.1 励振条件及び光源(S) ··································································································· 2 

4.2 光パワーメータ(D) ····································································································· 3 

4.3 テンポラリジョイント(TJ) ··························································································· 4 

4.4 測定用光ファイバコード及び置換用光ファイバコード ·························································· 4 

4.5 基準プラグ(RP) ········································································································· 4 

4.6 基準アダプタ(RA) ······································································································ 4 

5 手順······························································································································· 4 

5.1 前処理 ························································································································· 4 

5.2 外観検査 ······················································································································ 5 

5.3 供試品の端子の形態に対する測定方法 ··············································································· 5 

5.4 光パワーメータを用いた損失測定 ····················································································· 5 

5.5 オプティカルタイムドメインリフレクトメータ(OTDR)を用いた損失測定 ····························· 9 

6 個別に規定する事項········································································································· 12 

C 61300-3-4:2017 (IEC 61300-3-4:2012) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人光産

業技術振興協会(OITDA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業

規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業

規格である。 

これによって,JIS C 61300-3-4:2011は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 61300規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 61300-1 第1部:通則 

JIS C 61300-2-1 第2-1部:正弦波振動試験 

JIS C 61300-2-2 第2-2部:繰返しかん合試験 

JIS C 61300-2-4 第2-4部:光ファイバクランプ強度試験(軸方向引張り) 

JIS C 61300-2-5 第2-5部:光ファイバクランプ強度試験(ねじり) 

JIS C 61300-2-6 第2-6部:かん合部締結強度試験(軸方向引張り) 

JIS C 61300-2-7 第2-7部:かん合部締結強度試験(曲げモーメント) 

JIS C 61300-2-9 第2-9部:衝撃試験 

JIS C 61300-2-11 第2-11部:光ファイバクランプ強度試験(軸方向圧縮) 

JIS C 61300-2-12 第2-12部:落下衝撃試験 

JIS C 61300-2-14 第2-14部:光パワー損傷のしきい値試験 

JIS C 61300-2-15 第2-15部:結合部ねじり試験 

JIS C 61300-2-17 第2-17部:低温試験 

JIS C 61300-2-18 第2-18部:高温試験 

JIS C 61300-2-19 第2-19部:高温高湿試験(定常状態) 

JIS C 61300-2-21 第2-21部:混合温湿度サイクル試験 

JIS C 61300-2-22 第2-22部:温度サイクル試験 

JIS C 61300-2-24 第2-24部:応力印加によるセラミック割りスリーブのスクリーニング試験 

JIS C 61300-2-26 第2-26部:塩水噴霧試験 

JIS C 61300-2-27 第2-27部:ダスト試験(層流) 

JIS C 61300-2-40 第2-40部:SM調心円筒形斜めPC端面光ファイバコネクタプラグの挿入損失スク

リーニング試験 

JIS C 61300-2-41 第2-41部:SM調心円筒形直角PC端面光ファイバコネクタプラグの挿入損失スク

リーニング試験 

JIS C 61300-2-44 第2-44部:光ファイバクランプ強度試験−繰返し曲げ 

JIS C 61300-2-45 第2-45部:浸水試験 

C 61300-3-4:2017 (IEC 61300-3-4:2012) 

(3) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS C 61300-2-46 第2-46部:湿熱サイクル試験 

JIS C 61300-2-47 第2-47部:熱衝撃試験 

JIS C 61300-2-48 第2-48部:温湿度サイクル試験 

JIS C 61300-2-49 第2-49部:取付け済み光ファイバコード付き光ファイバコネクタプラグの曲げ試

験 

JIS C 61300-2-50 第2-50部:光ファイバクランプ強度試験−非通光左右曲げ引張り 

JIS C 61300-2-51 第2-51部:光ファイバクランプ強度試験−通光左右曲げ引張り 

JIS C 61300-3-1 第3-1部:外観検査及び機械的検査 

JIS C 61300-3-2 第3-2部:シングルモード光デバイスの光損失の偏光依存性 

JIS C 61300-3-3 第3-3部:挿入損失及び反射減衰量変化のモニタ方法 

JIS C 61300-3-4 第3-4部:損失測定 

JIS C 61300-3-6 第3-6部:反射減衰量測定 

JIS C 61300-3-7 第3-7部:シングルモード光部品の光損失及び反射減衰量の波長依存性測定 

JIS C 61300-3-11 第3-11部:結合力及び離脱力測定 

JIS C 61300-3-14 第3-14部:可変光減衰器の減衰量の設定の誤差及び再現性測定 

JIS C 61300-3-20 第3-20部:波長選択性のない光ブランチングデバイスのディレクティビティ測定 

JIS C 61300-3-21 第3-21部:切替時間測定 

JIS C 61300-3-22 第3-22部:フェルール押圧力測定 

JIS C 61300-3-24 第3-24部:偏波面保存光ファイバ付き光ファイバコネクタのキー位置精度測定 

JIS C 61300-3-25 第3-25部:フェルール及び光ファイバ取付け直角PC端面フェルールの同心度測定 

JIS C 61300-3-26 第3-26部:光ファイバとフェルール軸との角度ずれの測定 

JIS C 61300-3-27 第3-27部:多心光ファイバコネクタプラグの穴位置測定 

JIS C 61300-3-28 第3-28部:過渡損失測定 

JIS C 61300-3-30 第3-30部:多心光ファイバコネクタ用フェルールの研磨角度及び光ファイバ位置

測定 

JIS C 61300-3-31 第3-31部:光ファイバ光源の結合パワー比測定 

JIS C 61300-3-32 第3-32部:光受動部品の偏波モード分散測定 

JIS C 61300-3-33 第3-33部:ピンゲージを用いた割りスリーブのフェルール引抜力測定 

JIS C 61300-3-34 第3-34部:ランダム接続時の挿入損失 

JIS C 61300-3-36 第3-36部:光ファイバコネクタフェルールの内径及び外径の測定 

JIS C 61300-3-38 第3-38部:群遅延,波長分散及び位相リップルの測定 

JIS C 61300-3-40 第3-40部:偏波面保存光ファイバ付き光ファイバコネクタプラグの偏波消光比測

定 

JIS C 61300-3-43 第3-43部:光ファイバ光源のモードトランスファファンクション測定 

JIS C 61300-3-47 第3-47部:干渉法による直角PC端面及び斜めPC端面単心円筒形フェルールの端

面形状測定 

JIS C 61300-3-50 第3-50部:光スイッチのクロストーク測定 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 61300-3-4:2017 

(IEC 61300-3-4:2012) 

光ファイバ接続デバイス及び光受動部品− 

基本試験及び測定手順−第3-4部: 

損失測定 

Fiber optic interconnecting devices and passive components-Basic test and 

measurement procedures-Part 3-4: Attenuation 

序文 

この規格は,2012年に第3版として発行されたIEC 61300-3-4を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,光ファイバ接続デバイス及び光受動部品の損失の測定方法について規定する。この測定方

法は高密度波長分割多重(Dense Wavelength Division Multiplexing:DWDM)デバイスには適用できない。

DWDMデバイスは,IEC 61300-3-29を用いて測定することが望ましい。 

注記1 DWDMデバイスの定義は,JIS C 5925-1を参照。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 61300-3-4:2012,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and 

measurement procedures−Part 3-4: Examinations and measurements−Attenuation(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 61300-1:2015 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第1部:通則 

注記 対応国際規格:IEC 61300-1:2011,Fibre optic interconnecting devices and passive components−

Basic test and measurement procedures−Part 1: General and guidance 

JIS C 61300-3-1 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第3-1部:外観

検査及び機械的検査 

注記 対応国際規格:IEC 61300-3-1,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic 

test and measurement procedures−Part 3-1: Examinations and measurements−Visual examination 

C 61300-3-4:2017 (IEC 61300-3-4:2012) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS C 61300-3-2 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第3-2部:シン

グルモード光デバイスの光損失の偏光依存性 

注記 対応国際規格:IEC 61300-3-2,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic 

test and measurement procedures−Part 3-2: Examination and measurements−Polarization 

dependent loss in a single-mode fibre optic device 

JIS C 6802 レーザ製品の安全基準 

注記 対応国際規格:IEC 60825-1,Safety of laser products−Part 1: Equipment classification and 

requirements 

JIS C 6820 光ファイバ通則 

注記 対応国際規格:IEC 60793-2,Optical fibres−Part 2: Product specifications−General 

一般事項 

3.1 

概要 

損失は,供試品を光ファイバ伝送路に挿入することによって生じる光パワーの減衰値であり,通常,デ

シベル(dB)で表す。挿入損失という用語を,損失の代わりに用いる場合がある。 

三つ以上の端子をもつ光部品に対しても,損失の測定は供試品の二端子間に適用するので,この規格で

は供試品を測定する端子対を対象として規定する。ここでは,異なる8種類の供試品の形態について規定

する。これらの形態の違いは端子にあり,端子は,光ファイバ,光ファイバコネクタプラグ(以下,光コ

ネクタプラグという。)又は光ファイバレセプタクル(以下,光レセプタクルという。)で構成する。 

基準測定法は,光パワーメータを用いる方法とし,3種類の測定法を示す。また,オプティカルタイム

ドメインリフレクトメータ(Optical Time Domain Reflectometer:OTDR)法を代替法として示す。供試品の

端子の形態ごとに,用いる基準測定法及び代替測定法を表3に示す。測定系の構成又は測定方法の違いに

よって,測定値の不確かさが異なる可能性がある。疑義がある場合には,基準測定法を用いるのがよい。 

注記 JIS C 6185-1は,オプティカルタイムドメインリフレクトメータ(OTDR)−第1部:試験方法

を規定している。 

3.2 

注意点 

測定に用いる光パワーは,非線形光学効果が起きないよう十分低いレベルとする。光ファイバの曲げに

よる損失変化を防ぐため,式(1)に定義するP0の測定の前からP1の測定が終わるまで,光ファイバは固定

することが望ましい。マルチモード光ファイバの測定では,光ファイバの変動による励振モードの変化が

測定値に影響を与えることがある。偏光依存性損失をもつ供試品は,光源の偏光状態によって損失が異な

る。供試品の偏光依存性損失が,許容する測定不確かさを超える可能性がある場合,JIS C 61300-3-2に従

い偏光依存性損失及び損失を同時に測定する,又は平均化した偏光状態で損失を測定することが望ましい。

平均化した偏光状態を実現するために,無偏光光源を用いる又は光源の後段に偏光スクランブラを接続し

てもよい。測定する場合,JIS C 6802に従うことが望ましい。 

装置 

4.1 

励振条件及び光源(S) 

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C 61300-3-4:2017 (IEC 61300-3-4:2012) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1−推奨する光源 

番号 

タイプ 

重心波長 

nm 

スペクトル幅 

nm 

光源の種類 

S1 

マルチモード 

660±30 

30以上 

モノクロメータ又はLED 

S2 

マルチモード 

780±30 

30以上 

モノクロメータ又はLED 

S3 

マルチモード 

850±30 

30以上 

モノクロメータ又はLED 

S4 

マルチモード 

1 300±30 

30以上 

モノクロメータ又はLED 

S5 

シングルモード 

1 310±30 

個別に規定する。 

レーザダイオード,モノクロメータ又はLED 

S6 

シングルモード 

1 550±30 

個別に規定する。 

レーザダイオード,モノクロメータ又はLED 

S7 

シングルモード 

1 625±30 

個別に規定する。 

レーザダイオード,モノクロメータ又はLED 

注記1 例えば,CWDMなどの光部品では,波長可変レーザなど,他の光源が必要になる可能性があることを認識

しておく。したがって,このような場合,供試品の特性に関し,推奨する光源の特性を規定することが望
ましい。 

注記2 重心波長及びスペクトル幅の用語は,JIS C 61280-1-3で定義している。 

光源の励振条件は,JIS C 61300-1:2015の箇条9による。 

光源は,発光部,駆動回路及び光出力端子で構成する。推奨する光源の条件を表1に示す。23 ℃の温度

環境において,測定中の光源出力の光パワー安定性は,シングルモード光ファイバの場合±0.01 dB以内,

マルチモード光ファイバの場合±0.05 dB以内とする。光源の出力光パワーは,光パワーメータの最小受光

感度に対し,20 dB以上高くする。 

4.2 

光パワーメータ(D) 

光パワーメータは,光検出器,信号処理用の電子回路及び光ファイバと光検出器との光学的接続機構で

構成する。光検出器への接続は,裸光ファイバ又は適切な光コネクタプラグと接続する光ファイバアダプ

タ(以下,光アダプタという。)を用いる。 

測定系は,式(1)に定義するP0及びP1を測定する間を通して安定とする。P0及びP1の測定において光フ

ァイバと光検出器との接続を切り離し,再接続する場合の測定再現性は,±0.02 dB以内とする。十分小さ

な測定再現性を得るため,光検出器は受光領域の広いものが望ましい。 

光検出器は,各種特性が測定条件を満足するものを用いる。光パワーメータは,測定波長において供試

品の出力端子の光パワーを測定するダイナミックレンジをもつ。 

推奨する光パワーメータの特性を表2に示す。光パワーメータは,測定波長及び測定する光パワーレベ

ルで校正する。光パワーメータは,測定環境温度範囲及び測定時間内で,±0.01 dB以内の受光感度安定性

をもつことが望ましい。受光感度の安定性及び入射光がない状態での暗電流に対する校正が不十分な場合,

測定不確かさに影響することがある。 

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C 61300-3-4:2017 (IEC 61300-3-4:2012) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2−推奨する光パワーメータの特性 

記号 

タイプ 

直線性 

dB 

相対不確かさ 

dB 

D1 

マルチモード 

±0.05以内 

(入力光パワー:−60 dBm以上かつ−5 dBm以下) 

0.05以内 

D2 

シングルモード 

±0.01以内 

(供試品の損失:10 dB未満) 

±0.05以内 

(供試品の損失:10 dB以上かつ60 dB未満) 

0.02以内 

注記1 光ファイバからの全ての出射光を光パワーメータで受光するために,光ファイバの開口数(Numerical 

Aperture:NA)に対して,光検出器の受光面積及び光検出器から光ファイバまでの相対位置を適切に設定
することが望ましい。 

注記2 D1及びD2に共通な測定不確かさの要因には,受光感度偏光依存性,光検出器と光ファイバ端面との反射

による干渉がある。反射による受光感度への影響は,高コヒーレント光を用いる場合の波長軸上のスペク
トルリップルとして観測することができる。 

4.3 

テンポラリジョイント(TJ) 

テンポラリジョイントは,安定的に,再現性良く及び低損失に,2本の光ファイバの端面を一時的に整

列する部品又は機械的な固定具である。供試品を測定系に接続する場合に標準的な光ファイバコネクタ(以

下,光コネクタという。)を使用できない場合に用いる。例えば,精密V溝,真空チャック,微動台,融

着接続又はメカニカルスプライスを用いてもよい。テンポラリジョイントの損失安定性は,式(1)に定義す

るP0及びP1の測定の間にわたって,要求する測定不確かさの,dB単位で±10 %以内とする。テンポラリ

ジョイントの安定性を確保するために屈折率整合剤を用いてもよい。 

4.4 

測定用光ファイバコード及び置換用光ファイバコード 

光源からテンポラリジョイントまでの光ファイバ,測定用光ファイバコード及び置換用光ファイバコー

ドの光ファイバは,供試品の光ファイバと同一の分類とする。光ファイバの分類は,JIS C 6820に従うこ

とが望ましい。 

4.5 

基準プラグ(RP) 

基準プラグは,供試品と接続することによって,プラグ−アダプタ−プラグ又はプラグ−レセプタクル

の形態で光接続を実現するため,損失測定中に供試品の一部として機能する。基準プラグは,個別に規定

する。 

4.6 

基準アダプタ(RA) 

基準アダプタは,供試品と接続することによって,プラグ−アダプタ−プラグの形態で光接続を実現す

るため,損失測定中は供試品の一部として機能する。基準アダプタは個別に規定する。 

手順 

5.1 

前処理 

供試品の光入出力端子は清掃し,供試品の性能及び測定結果に影響を及ぼす汚れを取り除く。清掃は,

製造業者が指定する方法に従って行う。 

供試品は,試験前に1時間以上,JIS C 61300-1に規定する標準的環境条件下に放置する。 

測定の間,接続部の表面がオイル又はグリースで汚染されないように注意する。素手で触れるとグリー

ス付着の原因になることがある。 

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C 61300-3-4:2017 (IEC 61300-3-4:2012) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.2 

外観検査 

光入出力端子は,供試品の性能及び測定結果に影響を及ぼす欠陥又は損傷があってはならない。損失を

測定する前に,JIS C 61300-3-1に従って供試品の光端子の外観検査をすることが望ましい。 

5.3 

供試品の端子の形態に対する測定方法 

表3−供試品の端子の形態に対する測定方法 

タイプ 

供試品の端子の形態 

供試品の図 

測定方法 

基準測定法 

代替測定法 

光ファイバ対光ファイバ 

(光受動部品) 

カットバック 

OTDR 

光ファイバ対光ファイバ 

(融着又は現場取付形光コネクタ) 

挿入(A) 

カットバックa) 

又は 

OTDR 

光ファイバ対プラグ 

カットバック 

OTDR 

プラグ対プラグ 
(光受動部品) 

挿入(B) 

挿入(C),置換 

又は 

OTDR 

プラグ対プラグ 

(光パッチコード) 

挿入(B) 

挿入(C),置換 

又は 

OTDR 

片端プラグ 

(ピッグテール) 

挿入(B) 

OTDR 

レセプタクル対レセプタクル 

(光受動部品) 

挿入(C) 

置換 
又は 

OTDR 

レセプタクル対プラグ 

(光受動部品) 

挿入(C) 

置換 
又は 

OTDR 

注a) 供試品タイプ2にカットバック法を適用する場合,破壊測定となるため注意が必要である。 

表3の供試品の図に示すCは,光受動部品を示す。3端子以上の光受動部品は,測定する端子対に対す

る構成を示す。タイプ2の供試品に対し,挿入法及びカットバック法は同等の測定結果が期待できる。OTDR

法は他の測定方法に比べ測定不確かさが大きいが,供試品によっては唯一の測定方法となることがある。

OTDR法を3端子以上の供試品に適用する場合,測定を行わない端子からの反射光を,無反射終端,小径

曲げなどの減衰領域を設けて抑制することが望ましい。 

5.4 

光パワーメータを用いた損失測定 

5.4.1 

一般事項 

カットバック法,置換法又は挿入法を用いた損失測定は,光パワーメータを用いる。光パワーメータは,

4.2による。 

測定した二つの光パワーを用いて,式(1)に従い損失Aを計算する。 

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1

log

10

P

P

A−

=

 (dB) ································································ (1) 

ここに, 

P1: 測定系に供試品がある状態の測定光パワー 

P0: 測定系に供試品がない状態の測定光パワー 

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C 61300-3-4:2017 (IEC 61300-3-4:2012) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

光ファイバと光検出器との間に適切な接続機構を準備する。接続は,裸光ファイバアダプタ又は光コネ

クタプラグにかん合する光アダプタを用いることが望ましい。 

5.4.2 

カットバック法 

タイプ1及びタイプ2の供試品の場合,供試品の一方の光ファイバをテンポラリジョイント(TJ)によ

って光源(S)に,他方の光ファイバを光パワーメータ(D)の光検出器に接続し,P1を測定する(図1

参照)。光ファイバをカットポイント(CP)で切断した後,切断した供試品の光ファイバを光パワーメー

タに接続し,P0を測定する。 

供試品

検出器

D

検出器

D

供試品

検出器

検出器

D

D

図1−カットバック法−供試品タイプ1,2及び3 

光ファイバ対光コネクタプラグのタイプ3の供試品の場合,供試品の光コネクタプラグを,基準アダプ

タを介して光ファイバピッグテール付き基準プラグに接続する。この構成にすることで,タイプ3の供試

品の損失は,両端光ファイバピッグテール付き光コネクタ(供試品プラグ−基準アダプタ−基準プラグ)

の損失となり,タイプ1と同様の方法で損失を測定することができる。 

5.4.3 

置換法 

置換法では,P1は測定系に供試品を接続した状態で測定し,P0は供試品の代わりに置換用光ファイバコ

ードを接続して測定する(図2参照)。 

タイプ4の供試品の場合,基準アダプタ(RA)を,光源側の光ファイバ端の基準プラグ(RP)及び測

定用光ファイバコードの基準プラグ(RP)と接続する(図2参照)。 

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C 61300-3-4:2017 (IEC 61300-3-4:2012) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

供試品

置換用光
ファイバコード

測定用光
ファイバコード

検出器

検出器

測定用光
ファイバコード

D

D

図2−置換法−供試品タイプ4 

タイプ7の供試品の場合,P1の測定において,プラグ対プラグの供試品と同様に測定する(図2参照)。

ただし,基準アダプタ(RA)は不要である。 

タイプ8の供試品の場合,P1の測定において,プラグ対プラグの供試品と同様に測定する(図2参照)。

この場合,基準アダプタ(RA)はできる限り光源(S)に近い位置に置く。レセプタクル側の基準アダプ

タ(RA)は不要である。 

5.4.4 

挿入法(A) 

タイプ2の光ファイバ対光ファイバの供試品(融着又は現場取付形光コネクタ)の場合,P0をテンポラ

リジョイント(TJ)と光パワーメータ(D)の光検出器との間に規定長の光ファイバを接続して測定した

後,光ファイバを切断し,融着又は現場取付形光コネクタを取り付けてP1を測定する(図3参照)。 

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C 61300-3-4:2017 (IEC 61300-3-4:2012) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

供試品(融着)

検出器

検出器

D

D

図3−挿入法(A)−供試品タイプ2 

5.4.5 

挿入法(B) 

タイプ5及び6の供試品の場合,テンポラリジョイント(TJ)に接続した光ファイバの基準プラグ(RP)

に光パワーメータ(D)の光検出器を接続し,P0を測定する。基準アダプタ(RA)を供試品に接続し,P1

を測定する(図4参照)。 

D

D

供試品

検出器

検出器

検出器

RP

D

図4−挿入法(B)−供試品タイプ5及び6 

この測定は,供試品の光源側のプラグだけを対象とする。供試品の両端を測定するには反転して逆に接

続する。 

タイプ6の供試品の場合,供試品を裸光ファイバ用アダプタで光パワーメータ(D)の光検出器に接続

する。 

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C 61300-3-4:2017 (IEC 61300-3-4:2012) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.4.6 

挿入法(C) 

タイプ4のプラグ対プラグ(光受動部品)の供試品又はタイプ5のプラグ対プラグ(光パッチコード)

の供試品の場合,測定用光ファイバコードを光パワーメータ(D)の光検出器とテンポラリジョイント(TJ)

からの光コードとの間に接続してP0を測定する。P1を測定する場合,供試品及び別の基準アダプタ(RA)

を追加する(図5参照)。 

図5−挿入法(C)−供試品タイプ4,5,7及び8 

タイプ7のレセプタクル対レセプタクル形供試品には,P1の測定に基準アダプタ(RA)は必要ない。 

タイプ8のレセプタクル対プラグ形供試品には,P1の測定に1個の基準アダプタ(RA)が必要である。 

5.5 

オプティカルタイムドメインリフレクトメータ(OTDR)を用いた損失測定 

5.5.1 

OTDR測定法による損失測定の概要 

OTDR測定法では,光ファイバの反射光のパワーレベルを受光装置によって測定する。OTDR測定法は,

局所的な損失部及び区間にわたる損失の,測定及び分析が可能である。局所的な損失部としては,例えば,

融着接続,光コネクタ,光減衰器などの光受動部品があり,区間にわたる損失としては,光受動部品又は

光コネクタで終端した光ファイバコードがある。 

供試品の形状に合わせて次の二つの主な測定方法を用いる(表3参照)。 

− 方法1:タイプ1,2及び3の供試品には,測定用光ファイバを供試品の片端に接続する方法(図6参

照)を適用する。 

− 方法2:タイプ4,5,6,7及び8の供試品には,測定用光ファイバを供試品の両端に接続する方法(図

7参照)を適用する。 

供試品

測定用光ファイバコード

測定用光
ファイバコード

D

D

検出器

検出器

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10 

C 61300-3-4:2017 (IEC 61300-3-4:2012) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

測定用光ファイバ

供試品

図6−方法1 測定用光ファイバを供試品の片端に接続する方法 

測定用光ファイバ

測定用光ファイバ

供試品

図7−方法2 測定用光ファイバを供試品の両端に接続する方法 

測定用光ファイバLS1及びLS2のそれぞれの長さL1及びL2は,OTDRと測定点との距離を確保し,安

定した測定条件を保つために必要である。L1及びL2の最小長は,それぞれ,OTDRの口元デッドゾーン及

び空間分解能によって決まる。L1及びL2の最大長は,OTDRの空間分解能及び測定経路損失をできるだけ

小さくすることから決まる。 

供試品の各損失点の間隔LXがOTDRの空間分解能よりも大きい場合,a及びbの測定点の損失量を別々

の結果として表示する。LXがOTDRの空間分解能よりも小さい場合,OTDRはa及びbを別々の測定点と

して区別することができず,一つの損失点として表示する。 

供試品の終端部が光コネクタプラグ又は光レセプタクルの場合は,必要に応じて基準プラグ及び基準ア

ダプタを追加し,プラグ−アダプタ−プラグの光コネクタ接続を確保する。これらによって構成する光コ

ネクタ接続部は供試品の一部とみなす。 

供試品の終端部がピッグテールの場合は,接続点が必要である。ピッグテール長は,個々の測定点を別々

に表示するためにOTDRの空間分解能よりも長くする。 

5.5.2 

両方向測定 

供試品の両端の反射係数は異なる場合があるため,OTDR測定法では,供試品及び測定用光ファイバの

組合せを維持した状態で,図7に示すa端からの測定及びb端からの測定を行う。損失は,a端からの測

定値及びb端からの測定値の平均値とする。b端からの測定を行う場合,供試品のピッグテール長が口元

デッドゾーンに比べ十分長くない場合,測定用光ファイバLS2が必要となる。 

供試品の両側の光ファイバからの反射係数の差は,片方向のOTDR測定の誤差となる。片方向の測定誤

差がプラスの場合,他方向の測定誤差はマイナスになる。両方向の読取値を平均することによって,両方

向の光ファイバからの反射係数の差による誤差を打ち消した結果を得る。 

5.5.4に示す分析方法を用いて得た,a端及びb端からのそれぞれの損失測定値,A1及びA2を用いて,式

(2)で平均損失が計算できる。 

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11 

C 61300-3-4:2017 (IEC 61300-3-4:2012) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2

2

1A

A

A

+

=

 (dB) ······································································· (2) 

詳しい情報は,IEC/TR 62316を参照。 

5.5.3 

測定手順 

次に示す手順で測定を行う。 

− 図6又は図7に示すように,OTDRを供試品のa側に接続する。 

− OTDRの測定条件を設定する。 

− a端からb端方向の損失測定を行い,OTDRの測定データを保存する。 

− 図6又は図7に示すように,OTDRを供試品のb側に接続する。 

− OTDRの測定条件を,a側接続と同一に設定する。 

− b端からa端方向の損失測定を行い,OTDRの測定データを保存する。 

5.5.4 

分析方法 

5.5.4.1 

分析方法の概要 

図8のa)及びb)に,供試品からの反射点がない場合の典型的なOTDRの光パワー測定値の軌跡を示す。 

A

(1)

(2)

(3)

(4)

(5)

(4)

A

(1)

(2) ≡ (2a)

(3) ≡ (3a)

a) 5ポイント分析 

b) 4ポイント分析 

図8−OTDRの光パワー測定値の軌跡(反射点がない場合) 

図9のa)及びb)に,供試品からの反射がある場合の典型的なOTDRの光パワー測定値の軌跡を示す。損

失測定に影響する反射ピークを避けるには,マーカとピークとの距離を適度に長くすることが望ましい。

別の方法として,個別に規定する適切な光フィルタを用いて反射を防いでもよい。 

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12 

C 61300-3-4:2017 (IEC 61300-3-4:2012) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a)  

(1) 

(2) 

(5) 

(3) 

(4) 

IEC   

(1) 

(2) ≡ (2a) 

(3) ≡ (3a) 

(4) 

a) 5ポイント分析 

b) 4ポイント分析 

図9−OTDRの光パワー測定値の軌跡(反射点がある場合) 

5.5.4.2 

5ポイント分析 

供試品前方の光ファイバの分析ポイント(1)及び(2),並びに供試品後方の光ファイバの分析ポイント(3)

及び(4)を設定する。判定位置(5)を設定する。損失Aを,ポイント(5)における供試品前方の光ファイバで

の最小二乗近似直線と供試品後方の光ファイバの最小二乗近似直線との光パワーレベル差として計算する。 

5.5.4.3 

4ポイント分析 

供試品前方の光ファイバの分析ポイント(1)及び(2),並びに供試品後方の光ファイバ分析ポイント(3)及び

(4)を設定する。損失Aを,供試品前方の光ファイバの最小二乗近似直線のポイント(2a)と供試品後方の光

ファイバの最小二乗近似直線のポイント(3a)との光パワーレベル差として計算する。 

個別に規定する事項 

次の事項を,必要に応じて製品規格などに規定する。 

− 測定方法 

− 損失の許容値 

− 光パワーメータを用いる測定方法の条件 

・ 光源の性能(種類,波長,スペクトル幅,出力光パワーなど) 

・ 光パワーメータの性能(種類,最大受光パワー,最小受光感度,直線性,波長依存性,偏光依存性

など) 

・ 光ファイバの分類 

− OTDR測定法の条件 

・ 光源の波長 

・ 測定用光ファイバの屈折率 

・ 測定領域 

・ パルス幅 

・ 平均時間 

・ 測定用光ファイバの長さ,L1,L2 

・ 供試品の光路長LX 

・ 受光装置の特性 

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C 61300-3-4:2017 (IEC 61300-3-4:2012) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

− この規格の測定方法との差異 

参考文献 JIS C 5925-1 光伝送用WDMデバイス−第1部:通則 

JIS C 6185-1 オプティカルタイムドメインリフレクトメータ(OTDR)−第1部:試験方法 

JIS C 61280-1-3 光ファイバ通信サブシステム試験方法−第1-3部:中心波長及びスペクトル

幅測定 

IEC 61300-3-29,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and 

measurement procedures−Part 3-29: Examinations and measurements−Spectral transfer 

characteristics of DWDM devices 

IEC/TR 62316,Guidance for the interpretation of OTDR backscattering traces