C 61300-3-26:2011 (IEC 61300-3-26:2002)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
1.1 概要 ···························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 2
3 装置······························································································································· 2
4 手順······························································································································· 3
5 個別規格に規定する事項 ···································································································· 5
附属書A(参考)光スポットの偏差による角度ずれの評価 ··························································· 6
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人光産業技術振興協会(OITDA)及
び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,
日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 61300の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 61300-1 第1部:通則
JIS C 61300-2-2 第2-2部:繰返しかん合試験
JIS C 61300-2-12 第2-12部:落下衝撃試験
JIS C 61300-2-14 第2-14部:光パワー損傷のしきい値試験
JIS C 61300-2-17 第2-17部:低温試験
JIS C 61300-2-18 第2-18部:高温試験
JIS C 61300-2-19 第2-19部:高温高湿試験(定常状態)
JIS C 61300-2-45 第2-45部:浸水試験
JIS C 61300-2-46 第2-46部:湿熱サイクル試験
JIS C 61300-2-48 第2-48部:温湿度サイクル試験
JIS C 61300-3-3 第3-3部:挿入損失及び反射減衰量変化のモニタ方法
JIS C 61300-3-4 第3-4部:損失測定
JIS C 61300-3-6 第3-6部:反射減衰量測定
JIS C 61300-3-20 第3-20部:波長選択性のない光ブランチングデバイスのディレクティビティ測定
JIS C 61300-3-26 第3-26部:光ファイバとフェルール軸との角度ずれの測定
JIS C 61300-3-28 第3-28部:過渡損失測定
JIS C 61300-3-30 第3-30部:多心光ファイバコネクタ用フェルールの研磨角度及び光ファイバ位置
測定
JIS C 61300-3-31 第3-31部:光ファイバ光源の結合パワー比測定
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日本工業規格
JIS
C 61300-3-26:2011
(IEC 61300-3-26:2002)
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−
基本試験及び測定手順−
第3-26部:光ファイバとフェルール軸との
角度ずれの測定
Fiber optic interconnecting devices and passive components-
Basic test and measurement procedures-
Part 3-26: Examinations and measurements-
Measurement of the angular misalignment between fiber and ferrule axes
序文
この規格は,2002年に第2版として発行されたIEC 61300-3-26を基に,技術的内容及び構成を変更する
ことなく作成した日本工業規格である。
1
適用範囲
この規格は,光ファイバ付き光ファイバコネクタ(以下,光コネクタという。)において,シングルモー
ド光ファイバ用の円筒状フェルールの光ファイバ軸とフェルール軸との角度ずれを測定する方法について
規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 61300-3-26:2002,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and
measurement procedures−Part 3-26: Examinations and measurements−Measurement of the
angular misalignment between fibre and ferrule axes(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
1.1
概要
この測定方法は,光ファイバが固定された光コネクタの円筒状フェルールにおいて,光ファイバ軸とフ
ェルール軸との角度ずれを測定する方法について規定する。角度ずれは,フェルール中心軸と光ファイバ
の中心軸とのなす角度δで定義する(図1参照)。
この測定方法は,フェルール中心軸に対してフェルールを回転させたとき,コアから出射されるファー
フィールド・パターンのずれを測定することによって,角度ずれを測定する。
2
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図1−ファイバのずれ角度の定義
光コネクタの角度ずれは,数10分の1°と微小である。フェルール端面から5 mmの位置では,光スポ
ット(白色光)の直径は約1 mmあり,光コネクタを回転させると,光スポットの移動量はその直径の1/100
程度(光ファイバ端面から5 mmの位置で,0.5°の光スポットの角度ずれは45 μm)となる。このような
高精度の移動量を検知するには,自動制御された測定系が必要となる。
光ファイバから出射される光スポットのずれは,フェルール軸に対する光ファイバ先端面の傾斜によっ
て影響を受ける。このずれは,スネルの法則によって説明できる。曲率半径と頂点の偏心量とから,光フ
ァイバ端面の傾斜による量を計算できる。この規格で用いる方程式に関する,より正確な幾つかの注釈及
び説明を,附属書Aに記述する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0615 製品の幾何特性仕様(GPS)−プリズムの角度及びこう配の基準値
注記 対応国際規格:ISO 2538,Geometrical Product Specifications (GPS)−Series of angles and slopes
on prisms(IDT)
3
装置
装置は,図2に示すように,次の要素で構成される。
3.1
フェルールホルダ フェルールを,精密なV溝ホルダ又は中心出し装置に置き回転する。JIS B 0615
によって,V溝の推奨角度は108°とする。
3.2
光源 光源は,白色光を用いる。
3.3
スクリーン 光ファイバからの光スポットを,スクリーンに投影する。スクリーンは,ビデオカメ
ラのCCDでもよい。スクリーンは,V溝又は中心出し装置の軸に対して垂直とする。
3.4
データ解析装置 適切なソフトウェアをもつコンピュータによって,ビデオカメラからの画像を処
理し,得られたデータを分析する。
3
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投影像を映すモニタ
データ処理用
コンピュータ
CCD
フェルールホルダ
フェルール
白色光源
ビデオカメラ
図2−測定系の設定
4
手順
角度ずれを測定する前に,曲率半径,球面頂点ずれ及び光ファイバコアに対するその位置は,供試フェ
ルールで測定する。球面ずれに対する光ファイバコアの方向を,フェルールに表示する(図3参照)。
あらかじめ決めた位置に,球面頂点ずれ−光ファイバコアの方向の表示部をもつホルダに,フェルール
を設置する。この方法で,表示部に対する角度βによって得られる光スポットの位置を求めることができ
る。
図3−球面頂点の表示部及び光ファイバコア方向を示す位置
完全に一回転するまで,90°以下のステップでフェルールを回転する。各位置で光スポットの輪郭を得
る。その外周から中心位置を推定する。
各フェルール位置での中心位置をトレースして軌跡円を作る。
光スポットの偏差角度θは,次の式によって求める。
4
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=
L
r
arctan
θ
ここに,
r: スポット中心位置をトレースした軌跡円の半径
L: フェルール先端面からスクリーンまでの距離(図4参照)
図4−測定要素
θの誤差を0.01°の幅(おおよそθの10 %程度)に収めるためには,rは1 μm以下の精度を,及びL
は0.1 mm以下の精度を必要とする。
球面頂点−光ファイバコア方向を示す表示部に関して得られた最初の像の位置から,角度βを求める。
5
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図5−基準となる直交軸系の定義
球面頂点から光ファイバコアの方向をプラス方向とするX軸をもち,光ファイバコアの中心を原点とす
る直交軸系において,θの二つの成分θx及びθyは,次の式によって求める(附属書A及び図5参照)。
()
()
[
]
β
θ
θ
cos
tan
arctan
=
x
()
()
[
]
β
θ
θ
sin
tan
arctan
=
y
光ファイバ先端面の法線とフェルール軸との角度αは,次の式によって求める(附属書A参照)。
=
R
e
arcsin
α
ここに,
e: 球面頂点の偏心
R: 研磨面の曲率半径
上記で定義された直交軸系では,ずれの角度δの二つの成分δx及びδyは,次の式によって求める。
(
)
−
−
=
n
x
x
θ
α
α
δ
sin
arcsin
()
=
n
y
y
θ
δ
sin
arcsin
ここに,
n: 光ファイバの屈折率
これらの式から,光ファイバ軸とフェルール軸との角度ずれは,次の式によって求める。
()
()
[
]
y
x
δ
δ
δ
2
2
tan
tan
arctan
+
=
5
個別規格に規定する事項
必要がある場合,次の事項を個別規格に規定する。
− 角度ずれの許容値
− 測定に要求される精度
− 光源
− 距離L
6
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附属書A
(参考)
光スポットの偏差による角度ずれの評価
A.1 曲率半径及び球面頂点の偏心による光ファイバ傾きの算出
フェルール軸とファイバ表面中心の法線との角度は,球面頂点の偏心度に依存する。図A.1によると,
角度αは,次の式で表すことができる。
=
R
e
arcsin
α
ここに,
R: 研磨面の曲率半径
e: 球面頂点の偏心
図A.1−フェルール軸に対する光ファイバ傾きの算出
A.2 角度ずれの算出に用いる方程式
光ファイバから出射される光スポットは,光ファイバ先端面の傾斜に依存して光ファイバコアの軸から,
屈折の法則に従って屈折して出射される。
図A.2に角度ずれの算出に用いる角度を図示し定義する。簡単な三角方程式から,次の式を得る。
)
cos(
)
sin(
)
tan(
)
cos(
β
θ
θ
θ
=
x
)
sin(
)
sin(
)
tan(
)
cos(
β
θ
θ
θ
=
y
これらの方程式から次の式を得る。
[
])
cos(
)
tan(
arctan
β
θ
θ =
x
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[
])
sin(
)
tan(
arctan
β
θ
θ =
y
X軸 :球面頂点から光ファイバコアへの方向
Y軸 :光ファイバコア上でX軸と垂直方向
α
:フェルール軸と光ファイバ中心での法線との角度
β
:XY平面上のX軸を基準とした偏差点の角度位置
θ
:光ファイバから出る光スポットの偏差角度
θx
:θにおけるX軸成分
θy
:θにおけるY軸成分
δ
:ファイバとフェルール軸との角度ずれ
δx
:δにおけるX軸成分
δy
:δにおけるY軸成分
図A.2−角度ずれの方程式に用いる角度の定義
フェルール軸と光ファイバ先端面(図A.2の中の平面X)の法線とで形成される平面において,角度
α−θxで光スポットは出射され,角度α−δxで光ファイバ先端面に光が到達する。これらの角度は,スネル
の法則によって次の式となる。
n
x
x
1
)
sin(
)
sin(
=
−
−
θ
α
δ
α
ここに,
n: 光ファイバの屈折率
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この式から次の式を得る。
−
−
=
n
x
x
)
sin(
arcsin
θ
α
α
δ
Y軸成分に関しては光ファイバの傾斜に影響されないので,次の式を得る。
=
n
y
y
)
sin(
arcsin
θ
δ
これらの二つの式から,光ファイバ軸とフェルール軸との間の角度ずれを表す角度δを計算することが
できる。図A.3を参照すると,次の式を得る。
=
=
)
sin(
)
sin(
)
tan(
)
cos(
)
cos(
)
sin(
)
tan(
)
cos(
β
δ
δ
δ
β
δ
δ
δ
y
x
二つの方程式を二乗し,それぞれを加えることによって次の式が得られる。
[
]
[
]
)
(
sin
)
(
sin
)
(
cos
)
(
sin
)
(
tan
)
(
tan
)
(
cos
2
2
2
2
2
2
2
δ
β
β
δ
δ
δ
δ
=
+
=
+
y
x
[
]
)
(
tan
)
(
cos
)
(
sin
)
(
tan
)
(
tan
2
2
2
2
2
δ
δ
δ
δ
δ
=
=
+
y
x
(
))
(
tan
)
(
tan
arctan
2
2
y
x
δ
δ
δ
+
=
図A.3−軸成分に分解した角度ずれの算出
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C 61300-3-26:2011 (IEC 61300-3-26:2002)
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参考文献 JIS C 61300-1 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第1部:通
則
注記 対応国際規格:IEC 61300-1,Fibre optic interconnecting devices and passive components
−Basic test and measurement procedures−Part 1: General and guidance(IDT)
IEC 61300-3-15,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and
measurement procedures−Part 3-15: Examinations and measurements−Dome eccentricity of a
convex polished ferrule endface
IEC 61300-3-16,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and
measurement procedures−Part 3-16: Examinations and measurements−Endface radius of
spherically polished ferrules
IEC 60793-1-1,Optical fibres−Part 1-1: Measurement methods and test procedures−General and
guidance