C 61300-3-24:2012 (IEC 61300-3-24:2006)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 概要······························································································································· 1
3 装置······························································································································· 2
4 手順······························································································································· 2
5 個別規格に規定する事項 ···································································································· 3
附属書A(参考)PMFのキー位置精度 ····················································································· 4
附属書B(参考)消光比の理論値及び実測値·············································································· 5
C 61300-3-24:2012 (IEC 61300-3-24:2006)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人光産業技術振興協会(OITDA)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 61300の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 61300-1 第1部:通則
JIS C 61300-2-1 第2-1部:正弦波振動試験
JIS C 61300-2-2 第2-2部:繰返しかん合試験
JIS C 61300-2-9 第2-9部:衝撃試験
JIS C 61300-2-12 第2-12部:落下衝撃試験
JIS C 61300-2-14 第2-14部:光パワー損傷のしきい値試験
JIS C 61300-2-15 第2-15部:結合部ねじり試験
JIS C 61300-2-17 第2-17部:低温試験
JIS C 61300-2-18 第2-18部:高温試験
JIS C 61300-2-19 第2-19部:高温高湿試験(定常状態)
JIS C 61300-2-21 第2-21部:混合温湿度サイクル試験
JIS C 61300-2-22 第2-22部:温度サイクル試験
JIS C 61300-2-45 第2-45部:浸水試験
JIS C 61300-2-46 第2-46部:湿熱サイクル試験
JIS C 61300-2-47 第2-47部:熱衝撃試験
JIS C 61300-2-48 第2-48部:温湿度サイクル試験
JIS C 61300-3-2 第3-2部:シングルモード光デバイスの光損失の偏光依存性
JIS C 61300-3-3 第3-3部:挿入損失及び反射減衰量変化のモニタ方法
JIS C 61300-3-4 第3-4部:損失測定
JIS C 61300-3-6 第3-6部:反射減衰量測定
JIS C 61300-3-7 第3-7部:シングルモード光部品の光損失及び反射減衰量の波長依存性測定
JIS C 61300-3-15 第3-15部:球面研磨光ファイバコネクタのフェルール端面の頂点偏心量測定
JIS C 61300-3-16 第3-16部:球面研磨光ファイバコネクタのフェルール端面の曲率半径測定
JIS C 61300-3-20 第3-20部:波長選択性のない光ブランチングデバイスのディレクティビティ測定
JIS C 61300-3-24 第3-24部:偏波面保存光ファイバ付き光ファイバコネクタのキー位置精度測定
JIS C 61300-3-26 第3-26部:光ファイバとフェルール軸との角度ずれの測定
JIS C 61300-3-27 第3-27部:多心光ファイバコネクタプラグの穴位置測定
JIS C 61300-3-28 第3-28部:過渡損失測定
C 61300-3-24:2012 (IEC 61300-3-24:2006)
(3)
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JIS C 61300-3-30 第3-30部:多心光ファイバコネクタ用フェルールの研磨角度及び光ファイバ位置
測定
JIS C 61300-3-31 第3-31部:光ファイバ光源の結合パワー比測定
JIS C 61300-3-34 第3-34部:ランダム接続時の挿入損失
JIS C 61300-3-36 第3-36部:光ファイバコネクタフェルールの内径及び外径の測定
JIS C 61300-3-43 第3-43部:光ファイバ光源のモードトランスファファンクション測定
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日本工業規格
JIS
C 61300-3-24:2012
(IEC 61300-3-24:2006)
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−
基本試験及び測定手順−
第3-24部:偏波面保存光ファイバ付き
光ファイバコネクタのキー位置精度測定
Fiber optic interconnecting devices and passive components-
Basic test and measurement procedures-
Part 3-24: Keying accuracy of optical connectors
for polarization maintaining fiber
序文
この規格は,2006年に第2版として発行されたIEC 61300-3-24を基に,技術的内容及び構成を変更する
ことなく作成した日本工業規格である。
1
適用範囲
この規格は,偏波面保存光ファイバ(PMF)付き光ファイバコネクタのキー位置精度を測定する手順に
ついて規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 61300-3-24:2006,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and
measurement procedures−Part 3-24: Examinations and measurements−Keying accuracy of
optical connectors for polarization maintaining fibre(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
概要
偏波面保存光ファイバ付き光ファイバコネクタは,接続する二つの光ファイバの偏波軸に合わせて調心
する必要があり,高消光比でのPMF接続を実現するためには,偏波面保存光ファイバ付き光ファイバコネ
クタのキー位置精度(附属書A参照)を規定しなければならない。一般的に数メートルの光ファイバでは,
PMF自体の消光比は,40 dBを超える。
光ファイバコネクタで接続したPMFは,通常,PMF自体がもつ消光比よりも小さくなる。それは,次
の理由による。
a) PMFをフェルールに接着した後の残留応力
b) 光ファイバコネクタ接続時の偏波軸の角度ずれ
2
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b)の光ファイバコネクタ接続時の偏波軸の角度ずれによる影響を測定する場合,光ファイバコネクタの
キー位置精度及び消光比の測定は,非常に重要である(附属書B参照)。
3
装置
この規格で用いる測定系を,図1に示す。また,この測定系に必要な装置を次に示す。
a) 特性(波長,スペクトル幅など)が既知の光源S及び対応する検出器D。この測定においては,光源
Sは,ファブリペロレーザ,又はSLD(SLD:Super Luminescence Diode)などの低コヒーレンス性の
光源が適している。
b) L1及びL2の二つのレンズで形成する平行ビーム内に配列した偏光子P1,四分の一波長板及び偏光子
P2によって構成した偏光光学系。四分の一波長板は,直線偏波を円偏波へ,又は円偏波を直線偏波へ
変換する。この光学系では,光源の偏波面の違いによらず,均一な光量分布をもった直線偏波を出射
することができる。
注記 LEDのように偏光していない光源の場合,P1及び四分の一波長板は,不要である。
c) 二つのレセプタクルRe
d) 消光比測定用の検光子A
e) 計測値よりも5 dBを超える広いダイナミックレンジをもつ測定系
f)
0.1 dB/dec以上の高い直線性をもつ検出器
g) 計測値よりも5 dB以上高い消光比をもつ偏光子P2及び検光子A
S
L1
P1
P2
L2
D
シングルモード
光ファイバ
供試パッチコード
A
Re
Re
四分の一波長板
図1−キー位置精度及び消光比測定系
4
手順
4.1
レンズL2の出射面において,全ての面内角度に対して均一な直線偏波を発生させる系を,図2に示
す。
S
L1
P1
P2
L2
D
四分の一波長板
シングルモード
光ファイバ
図2−測定の準備
測定の準備は,次による。
a) 偏光子P2を取り外した状態で偏光子P1を調整し,光パワーメータでの光量を最大にする。
b) 偏光子P2を配置し,P2の全角度方向において,光パワーメータで一定の光量となるように四分の一
波長板を調整する。
3
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4.2
供試パッチコードのキー位置精度及び消光比の測定手順を,次に示す。
a) 図1に示すように供試パッチコードを二つのレセプタクル(Re)間へ設置する。
b) 光パワーメータで最小光量となるように検光子Aを調整する。
c) 光パワーメータで最小光量となるように偏光子P2を調整する。
d) 上記b)及びc)を繰り返し,光パワーメータで最小光量パワーとなるように調整する。最小光量をDmin
(dBm)とする。
e) 光パワーメータで最小光量を示した検光子Aの位置から,90度検光子を回転させる。その場合の光量
をDmax(dBm)とする。
供試パッチコードの消光比は,Dmax−Dmin(dB)によって算出する。また,供試パッチコード両端
の各プラグにおける偏波軸の角度は,それぞれ偏光子P2及び検光子Aの角度となる。
f)
キー位置精度は,図3に示すように供試パッチコード両端のプラグに対するレセプタクルのキー溝方
向と偏波軸との角度ずれ(Δ)として表すことができる。
図3−キー位置精度
5
個別規格に規定する事項
必要に応じて,次の事項を製品規格などの個別規格に規定する。
a) 光源Sのスペクトル幅又はコヒーレンス長,安定性及びピーク波長
b) 光パワーメータの波長特性
c) この規格の測定方法との差異
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附属書A
(参考)
PMFのキー位置精度
PMFの偏波軸は,応力付与部の構造を観察することで判別できる。
PMFの幾何学的な軸(進相軸及び遅相軸)とプラグのキーとの位置関係を,図A.1に示す。
光ファイバの遅相軸は,図A.1に示すように,通常,プラグのキー方向に一致する。
PMFによっては,本体に規定する手順で測定するよりも光ファイバの応力付与部の構造から幾何学的な
軸を測定する方が容易なことがある。
図A.1−PMFの幾何学的な軸
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附属書B
(参考)
消光比の理論値及び実測値
PMF自体の消光比は,長さが数メートルの場合,通常,40 dBを超える。光ファイバコネクタ付きのPMF
は,次の理由から初期値よりも低くなる。
a) 端末処理の影響 PMFではフェルール接着後,残留応力が発生し,これによって消光比が低くなる。
PMFパッチコードの消光比は,通常,25 dB〜35 dBである。2本のPMFパッチコードを接続した場
合,トータルでの消光比の最小値(ERt min)は,次の式(B.1)によって算出する。
+
−
=
−
−
10
10
min
t
2
1
10
10
log
10
ER
ER
ER
················································· (B.1)
ここで,ER1及びER2は,各PMFパッチコードのデシベル表示での消光比を示す。光ファイバの長
さによって,ERtはER1からERt minまで変動するため,トータルの消光比ERtは,固定値とならない。
b) 偏波軸の角度ずれ 光ファイバコネクタ接続点での偏波軸の角度ずれが消光比に影響する。角度ずれ
によるトータルの消光比の最小値(ERm min)は,次の式(B.2)によって算出する。
ERm min=10 log (tan2θ)······························································· (B.2)
ここで,θは,二つの偏波軸の角度ずれを示す。光ファイバの長さによってERmはER1からERm min
まで変動するため,角度ずれによるトータルの消光比ERmは,固定値とならない。
2本のパッチコードを接続した場合のトータルの消光比は,次の式(B.3)によって算出する。
+
−
=
−
−
10
10
min
min
m
min
t
10
10
log
10
ER
ER
ER
············································ (B.3)
2本のパッチコードを接続した場合の消光比の実測値と式(B.3)を用いた理論値との関係を図B.1に
示す。図B.1から,式(B.3)を用いて算出した消光比は,PMFのランダム接続時の最小値を示している
ことが分かる。
トータルの消光比は,次の式(B.4)でも表すことができる。
+
−
=
−
−
10
10
conn
fiber
10
10
log
10
ER
ER
ER
················································ (B.4)
2本のPMFを接続した場合の角度ずれに対する理論消光比を,図B.2に示す。各曲線は,角度ずれ
の関数として,初期消光比(ERfiber)が無限大(∞ dB),40 dB,30 dB及び20 dBの場合の理論値を示
す。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
40
実
測
値
(
dB
)
理論値(dB)
35
30
25
20
15
10
15
20
25
30
図B.1−消光比の理論値及び実測値
50
45
40
35
30
25
20
15
10
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
角度ずれ(度)
理
論
消
光
比
(
d
B
)
∞ dB
40 dB
30 dB
20 dB
図B.2−2本のPMFを接続した場合の角度ずれに対する理論消光比