C 61300-2-41:2015 (IEC 61300-2-41:1998)
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 概要······························································································································· 1
1.1 適用範囲 ······················································································································ 1
1.2 試験の概要 ··················································································································· 1
1.3 引用規格 ······················································································································ 2
2 装置······························································································································· 2
2.1 方法1:調心基準プラグ及び調心スクリーニング用プラグを用いて挿入損失を測定する方法 ········· 2
2.2 方法2:光学測定機器を用いて光ファイバコア位置を測定する方法·········································· 3
3 手順······························································································································· 3
3.1 方法1:調心基準プラグ及び調心スクリーニング用プラグを用いて挿入損失を測定する方法 ········· 3
3.2 方法2:光学測定機器を用いて光ファイバコア位置を測定する方法·········································· 6
4 個別に規定する事項 ·········································································································· 9
4.1 方法1 ·························································································································· 9
4.2 方法2 ·························································································································· 9
C 61300-2-41:2015 (IEC 61300-2-41:1998)
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人光産業技術振興協会(OITDA)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
また,令和2年6月22日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標準
化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 61300の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 61300-1 第1部:通則
JIS C 61300-2-1 第2-1部:正弦波振動試験
JIS C 61300-2-2 第2-2部:繰返しかん合試験
JIS C 61300-2-4 第2-4部:光ファイバクランプ強度試験(軸方向引張り)
JIS C 61300-2-5 第2-5部:光ファイバクランプ強度試験(ねじり)
JIS C 61300-2-6 第2-6部:かん合部締結強度試験(軸方向引張り)
JIS C 61300-2-7 第2-7部:かん合部締結強度試験(曲げモーメント)
JIS C 61300-2-9 第2-9部:衝撃試験
JIS C 61300-2-11 第2-11部:光ファイバクランプ強度試験(軸方向圧縮)
JIS C 61300-2-12 第2-12部:落下衝撃試験
JIS C 61300-2-14 第2-14部:光パワー損傷のしきい値試験
JIS C 61300-2-15 第2-15部:結合部ねじり試験
JIS C 61300-2-17 第2-17部:低温試験
JIS C 61300-2-18 第2-18部:高温試験
JIS C 61300-2-19 第2-19部:高温高湿試験(定常状態)
JIS C 61300-2-21 第2-21部:混合温湿度サイクル試験
JIS C 61300-2-22 第2-22部:温度サイクル試験
JIS C 61300-2-26 第2-26部:塩水噴霧試験
JIS C 61300-2-27 第2-27部:ダスト試験(層流)
JIS C 61300-2-40 第2-40部:SM調心円筒形斜めPC端面光ファイバコネクタプラグの挿入損失スク
リーニング試験
JIS C 61300-2-41 第2-41部:SM調心円筒形直角PC端面光ファイバコネクタプラグの挿入損失スク
リーニング試験
JIS C 61300-2-44 第2-44部:光ファイバクランプ強度試験−繰返し曲げ
JIS C 61300-2-45 第2-45部:浸水試験
JIS C 61300-2-46 第2-46部:湿熱サイクル試験
C 61300-2-41:2015 (IEC 61300-2-41:1998)
(3)
JIS C 61300-2-47 第2-47部:熱衝撃試験
JIS C 61300-2-48 第2-48部:温湿度サイクル試験
JIS C 61300-3-1 第3-1部:外観検査及び機械的検査
JIS C 61300-3-2 第3-2部:シングルモード光デバイスの光損失の偏光依存性
JIS C 61300-3-3 第3-3部:挿入損失及び反射減衰量変化のモニタ方法
JIS C 61300-3-4 第3-4部:損失測定
JIS C 61300-3-6 第3-6部:反射減衰量測定
JIS C 61300-3-7 第3-7部:シングルモード光部品の光損失及び反射減衰量の波長依存性測定
JIS C 61300-3-11 第3-11部:結合力及び離脱力測定
JIS C 61300-3-15 第3-15部:球面研磨光ファイバコネクタのフェルール端面の頂点偏心量測定
JIS C 61300-3-16 第3-16部:球面研磨光ファイバコネクタのフェルール端面の曲率半径測定
JIS C 61300-3-17 第3-17部:斜め研磨光ファイバコネクタのフェルールの端面角度測定
JIS C 61300-3-20 第3-20部:波長選択性のない光ブランチングデバイスのディレクティビティ測定
JIS C 61300-3-22 第3-22部:フェルール押圧力測定
JIS C 61300-3-23 第3-23部:フェルール端面からの光ファイバ引込み量測定
JIS C 61300-3-24 第3-24部:偏波面保存光ファイバ付き光ファイバコネクタのキー位置精度測定
JIS C 61300-3-25 第3-25部:フェルール及び光ファイバ取付け直角PC端面フェルールの同心度測定
JIS C 61300-3-26 第3-26部:光ファイバとフェルール軸との角度ずれの測定
JIS C 61300-3-27 第3-27部:多心光ファイバコネクタプラグの穴位置測定
JIS C 61300-3-28 第3-28部:過渡損失測定
JIS C 61300-3-30 第3-30部:多心光ファイバコネクタ用フェルールの研磨角度及び光ファイバ位置
測定
JIS C 61300-3-31 第3-31部:光ファイバ光源の結合パワー比測定
JIS C 61300-3-32 第3-32部:光受動部品の偏波モード分散測定
JIS C 61300-3-33 第3-33部:ピンゲージを用いた割りスリーブのフェルール引抜力測定
JIS C 61300-3-34 第3-34部:ランダム接続時の挿入損失
JIS C 61300-3-36 第3-36部:光ファイバコネクタフェルールの内径及び外径の測定
JIS C 61300-3-38 第3-38部:群遅延,波長分散及び位相リップルの測定
JIS C 61300-3-40 第3-40部:偏波面保存光ファイバ付き光ファイバコネクタプラグの偏波消光比測
定
JIS C 61300-3-43 第3-43部:光ファイバ光源のモードトランスファファンクション測定
日本産業規格 JIS
C 61300-2-41:2015
(IEC 61300-2-41:1998)
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−
基本試験及び測定手順−第2-41部:
SM調心円筒形直角PC端面光ファイバコネクタ
プラグの挿入損失スクリーニング試験
Fiber optic interconnecting devices and passive components-Basic test
and measurement procedures-Part 2-41: Screening test of attenuation of
single mode tuned non-angled cylindrical optical fiber connector plugs
序文
この規格は,1998年に第1版として発行されたIEC 61300-2-41を基に,技術的内容及び構成を変更する
ことなく作成した日本産業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
1
概要
1.1
適用範囲
この規格は,光ファイバコネクタプラグ(以下,光コネクタプラグという。)及びその他の接続デバイス
の挿入損失において,シングルモード(Single Mode,SM)(以下,SMという。)光ファイバ用直角フィジ
カルコンタクト(Physical Contact,PC)(以下,PCという。)端面光コネクタプラグの調心に関するスクリ
ーニング試験について規定する。この試験の目的は,最適な調心を行うことによって低損失な挿入損失を
実現し,市場に流通する光コネクタプラグの相互接続性を確保することである。この規格は,両端光コネ
クタプラグ付き光ファイバコード及び片端光コネクタプラグ付き光ピッグテールに適用する。
注記1 JIS C 61300-2-40は,斜めPCを対象としており,この規格に対応するものである。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 61300-2-41:1998,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and
measurement procedures−Part 2-41: Tests−Screen testing of attenuation of single-mode tuned
non-angled optical fibre connectors(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”
ことを示す。
1.2
試験の概要
SM光ファイバ用コネクタの挿入損失は,相互の光ファイバコアの横方向の軸ずれが主な要因である。
軸ずれは,各々の光コネクタプラグのフェルール中心と光ファイバコア中心とのずれ量に関係する。
調心した光コネクタプラグは,現場でのランダム接続の挿入損失を,Lmax(個別に規定する挿入損失の
2
C 61300-2-41:2015 (IEC 61300-2-41:1998)
最大値)以下にするために適用する。これを実現するために,光コネクタプラグは,フェルール中心と光
ファイバコア中心とのずれ量を,Rmax(個別に規定する最大の軸ずれ量)以下にする必要がある。さらに,
調心した光コネクタプラグは,正しい方向に定位するための位置決めガイドキーをもつ。光コネクタプラ
グの組立ては,フェルール中心と光ファイバコア中心とのずれ方向が個別の規定値θadj(回転調整角度)
[θadj=2π/Nadj(Nadj:調心数)]以下の角度ずれ量で調心した方向と位置決めガイドキー方向とが一致する
ように調整する。調心数Nadjは,4,6又は8が望ましい。
箇条3の手順で規定するスクリーニング試験方法によって,要求性能を満足する調心した光コネクタプ
ラグを識別することができる。この試験に合格している光コネクタプラグは,相互にランダム接続した場
合の挿入損失が,Lmax以下であることを保証できる。
注記 Lmaxを個別に規定していない場合は,JIS C 5965-1で規定する挿入損失等級から決定すること
が望ましい。
SM調心円筒形直角PC端面光ファイバコネクタプラグの挿入損失スクリーニング試験について,次の二
つの方法を規定する。
− 方法1:調心基準プラグ及び調心スクリーニング用プラグを用いて挿入損失を測定する方法
− 方法2:光学測定機器を用いて光ファイバコア位置を測定する方法
1.3
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 61300-3-4 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第3-4部:損失
測定
注記 対応国際規格:IEC 61300-3-4,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 3-4: Examinations and measurements−Attenuation(MOD)
2
装置
2.1
方法1:調心基準プラグ及び調心スクリーニング用プラグを用いて挿入損失を測定する方法
2.1.1
光源(S)
注記 対応国際規格に,要求事項の記載がないため,この規格でも記載しない。
2.1.2
励振器(E)
注記 対応国際規格に,要求事項の記載がないため,この規格でも記載しない。
2.1.3
光パワーメータ(D)
注記 対応国際規格に,要求事項の記載がないため,この規定でも記載しない。
2.1.4
テンポラリジョイント(TJ)
注記 対応国際規格に,要求事項の記載がないため,この規格でも記載しない。
2.1.5
調心基準プラグ(PR)
調心基準プラグは,一定値以下の軸ずれ量Rrをもっている。SM光ファイバ用としては,0.3 μm以下の
軸ずれ量Rrが望ましい。
注記 モードフィールド径の差によって発生する損失差を最小とするため,調心基準プラグ及び供試
品の光ファイバは,同じ分類を用いることが望ましい。
2.1.6
調心スクリーニング用プラグ(PA)
調心スクリーニング用プラグは,比較的大きな軸ずれ量Radjをもっている。SM光ファイバ用としては,
3
C 61300-2-41:2015 (IEC 61300-2-41:1998)
1 μm〜2 μmの軸ずれ量が望ましい。フェルール中心と光ファイバコアとの軸ずれ方向は,5度以下の小さ
な角度ずれで,ガイドキー方向と一致するものとする。
2.1.7
調心アダプタ(AA)
調心アダプタは,回転調整角度θadjによって各々切り離され,調心数Nadj方向に供試光コネクタプラグ
を結合可能とするガイドキー回転調整機構をもっている。Nadj方向の一つは,光コネクタのガイドキー方
向と一致する。二つの調心基準プラグが調心アダプタと接続する場合,全てのNadj方向において,0.1 dB
以下の小さい挿入損失が得られる。
2.1.8
基準アダプタ(RA)
基準アダプタは,二つの調心基準プラグと接続する場合,0.1 dB以下の小さい挿入損失が得られる。
注記 対応国際規格は,基準アダプタの略語を“AR”としているが,IEC 61300-3-4:2012に合わせて
“RA”とした。
2.2
方法2:光学測定機器を用いて光ファイバコア位置を測定する方法
2.2.1
可視光源(VS)
注記 対応国際規格に,要求事項の記載がないため,この規格でも記載しない。
2.2.2
精密調心機構(AF)又はV溝
精密調心機構又はV溝は,サブミクロン精度で光コネクタプラグフェルールの光ファイバコア中心を測
るために,十分な硬さ及び精度をもつものとする。精密調心機構又はV溝の軸は,顕微鏡の軸と一致する
ものとする。
2.2.3
顕微鏡装置(MS)
顕微鏡装置は,顕微鏡及び画像処理装置によって構成する。顕微鏡は,供試光コネクタプラグフェルー
ルの光ファイバコアの中心を観察するために,十分拡大できるものとする。画像処理装置は,光ファイバ
コアがディスプレイで観察できるように,顕微鏡で得られるフェルール端面の特徴を拡大する能力をもつ
ものとする。光ファイバコア中心の測定は,拡大倍率を400倍以上とすることが望ましい。さらに,画像
処理装置は,ディスプレイ上の光ファイバコア中心の位置を測る測定機能をもつものとする。
2.2.4
ディスプレイ(M)
注記 対応国際規格に,要求事項の記載がないため,この規格でも記載しない。
2.2.5
テンポラリジョイント(TJ)
注記 対応国際規格に,要求事項の記載がないため,この規格でも記載しない。
3
手順
3.1
方法1:調心基準プラグ及び調心スクリーニング用プラグを用いて挿入損失を測定する方法
光コネクタプラグフェルール及び整列スリーブの表面は,汚れのないクリーナーを用いて,試験前に清
掃する。微細な汚れでも,試験の正確さに影響を与えるため,試験中は清掃された状態を維持する。
注記 IEC/TR 62627-01にて,光コネクタの清掃方法を規定している。
挿入損失の測定方法は,JIS C 61300-3-4の挿入法(B)による。個別に規定がない場合,挿入損失の測
定条件は,次による。
− 測定条件:標準環境条件下
− 光源:レーザダイオード
3.1.1
供試光コネクタプラグの挿入損失L0の測定は,調心基準プラグ及び基準アダプタを用いて,次の
式によって求める。測定系は,図1参照。
4
C 61300-2-41:2015 (IEC 61300-2-41:1998)
−
=
in
out
10
0
log
10
P
P
L
ここに,
Pin: 測定系に供試品がない状態の測定光パワー
Pout: 測定系に供試品がある状態の測定光パワー
この値は,Lmax以下でなければならない。L0がLmax以下の場合,供試光コネクタプラグは,試験に合格
とする。
注記 JIS C 61300-3-4では,測定系に供試品がない状態の測定光パワーをP0とし,測定系に供試品が
ある状態の測定光パワーをP1としているが,図2 c) 調心スクリーニング用プラグを用いたガ
イドキー方向の確認及び測定系のP0及びP1と区別するため,ここではPin及びPoutとしている。
3.1.2
供試光コネクタプラグのガイドキー方向が,調心スクリーニング用プラグのガイドキー調整方向と
一致するように,供試光コネクタプラグを調心アダプタを用いて調心スクリーニング用プラグに接続する
[図2 a)参照]。P0を測定する[図2 c)参照]。
3.1.3
次の手順を,Nが1から(Nadj−1)となるまで,(Nadj−1)回繰り返す。
− 供試光コネクタプラグを調心スクリーニング用プラグから離脱して,θadj回転する。
− 供試光コネクタプラグのガイドキー方向が,ガイドキー調整方向からθN(=N×θadj)になるように,
供試光コネクタプラグを調心スクリーニング用プラグに接続する[図2 b)参照]。
− PNを測定する[図2 c)参照]。
3.1.4
P0が,P1,...,PN,...及びPNadj‒1と比較して最大と確認できた場合,供試光コネクタプラグは試験
に合格とする。P0が最大ではない場合,供試光コネクタプラグは,試験に不合格とする。
図1−方法1:調心基準プラグ及び基準アダプタを用いる方法
b) 測定系に供試品がある状態の光パワー測定
a) 測定系に供試品がない状態の光パワー測定
S/E
TJ
PR
Pin
D
供試品
RA
Pout
D
S/E
TJ
PR
(片端光コネクタプラグ付き光ピッグテール)
被測定プラグ
片端光コネクタプラグ付き光ピッグテールの場合
供試品
RA
Pout
D
S/E
TJ
PR
(両端光コネクタプラグ付き光ファイバコード)
被測定プラグ
両端光コネクタプラグ付き光ファイバコードの場合
5
C 61300-2-41:2015 (IEC 61300-2-41:1998)
a) ガイドキー方向の一致
b) ガイドキー方向の確認
c) ガイドキー方向の確認及び測定系
図2−方法1:調心スクリーニング用プラグ及び調心アダプタを用いる方法
θN ・・・
θ1
θNadj-1
・・・
ガイドキー方向
被測定プラグのガイドキー方向
被測定プラグ
片端光コネクタプラグ付き光ピッグテールの場合
供試品
AA
D
S/E
TJ
PA
(片端光コネクタプラグ付き光ピッグテール)
被測定プラグ
P0, P1, ..., PN, ..., PNadj‒1
両端光コネクタプラグ付き光ファイバコードの場合
供試品
AA
P0, P1, ..., PN, ..., PNadj‒1
D
S/E
TJ
PA
(両端光コネクタプラグ付き光ファイバコード)
被測定プラグ
6
C 61300-2-41:2015 (IEC 61300-2-41:1998)
3.2
方法2:光学測定機器を用いて光ファイバコア位置を測定する方法
光コネクタプラグフェルール及び精密調心機構(AF)の表面は,汚れのないクリーナーを用いて,試験
前に清掃する。微細な汚れでも,試験の正確さに影響を与えるため,試験中は清掃された状態を維持する。
供試光コネクタプラグフェルールを精密調心機構に取り付ける場合,フェルールとの接触部分は精密調
心機構の表面と隙間なく接触しなければならない。フェルールと精密調心機構との接触部分は,フェルー
ルの直径の2倍を超える長さとする。
3.2.1
精密調心機構に,供試光コネクタプラグのフェルールを取り付ける(図3参照)。供試両端光コネ
クタプラグ付き光ファイバコードの反対側を可視光源(VS)に接続する。供試光コネクタプラグの光ファ
イバ端面の中心が顕微鏡を通して,ディスプレイで観察できるように明るさを調整する。ガイドキー方向
が精密調心機構であらかじめ規定した方向(ガイドキー調整方向)と一致するように,光コネクタプラグ
を回転する[図4 a)参照]。画像処理装置及びディスプレイ上の画像を用いて,光ファイバコア中心の位置
Q0を測定する[図5 a)参照]。
3.2.2
次の手順を,Nが1から(Nadj−1)となるまで,(Nadj−1)回繰り返す。
− そのガイドキー方向が精密調心機構のガイドキー調整方向からθN(=N×θadj)になるように,光コネ
クタプラグをθadj回転する[図4 b)参照]。
− 画像処理装置及びディスプレイ上の画像を用いて,光ファイバコア中心の位置QNを測定する[図5 b)
参照]。
3.2.3
回転する光ファイバコア中心の位置Q0,Q1,...,QN,...及びQNadj‒1のデータを用いて,供試光コネ
クタプラグのフェルール中心位置QFを計算する[図5 c)参照]。
3.2.4
供試光コネクタプラグのフェルール中心の光ファイバコアの軸ずれ量Rを計算する[図5 c)参照]。
Rの軸ずれ量がRmaxを超える場合,供試光コネクタプラグは,試験に不合格とする。
3.2.5
光コネクタプラグの回転角度が,−πからπまでの範囲で,フェルール中心の光ファイバコア中心
の角度誤差θを計算する[図5 c)参照]。角度誤差θが±θadj/2以内の場合,光コネクタプラグは試験に合
格とする。
図3−方法2:精密調心機構(AF)及び顕微鏡装置(MS)を用いた測定系
顕微鏡装置(MS)
ディスプレイ(M)
供試品
フェルール
VS
AF
(片端光コネクタプラグ
付き光ピッグテール)
被測定プラグ
片端光コネクタプラグ付き光ピッグテールの場合
画像処理装置
顕微鏡
TJ
顕微鏡装置(MS)
ディスプレイ(M)
供試品
フェルール
VS
AF
(両端光コネクタプラグ付き
光ファイバコード)
被測定プラグ
両端光コネクタプラグ付き光ファイバコードの場合
画像処理装置
顕微鏡
7
C 61300-2-41:2015 (IEC 61300-2-41:1998)
図4−方法2:ガイドキー方向の回転調整
被測定プラグ
ガイドキー方向
θN ・・・
θ1
θNadj-1
被測定プラグのガイドキー方向
フェルール
・・・
AF
a) ガイドキー方向の一致
b) コア軸ずれ方向の確認
8
C 61300-2-41:2015 (IEC 61300-2-41:1998)
a) 光ファイバコア中心位置
b) 回転時の光ファイバコア中心位置
c) 光ファイバコアの軸ずれ量及び角度誤差
注記 対応国際規格では,回転調整角度θNadjとなっているが,3.2.5の説明に合わせてθadjとした。
図5−方法2:光学測定機器を用いて光ファイバコア位置を測定する手順
Q1, ..., QN, ..., QNadj‒1 回転時の光ファイバコア中心測定
ガイドキー方向
+
Q0
+ Q1
+ QN
+ QNadj-1
Q0 光ファイバコア中心測定
+
Q0
光ファイバコア
ガイドキー方向
θadj 回転調整角度
Rmax 個別に規定する最大の軸ずれ量
QF 得られたフェルール中心
R 得られた軸ずれ量
θ 得られた角度誤差
QN
QNadj-1
+
Q0
ガイドキー方向
+ Q1
+
+ +
QF
Rmax
R
θ
2
θadj
2
θadj
9
C 61300-2-41:2015 (IEC 61300-2-41:1998)
4
個別に規定する事項
必要に応じて,次の事項を製品規格などに規定する。
4.1
方法1
− 光源のピーク波長
− 最大の挿入損失Lmax(dB)
− 調心基準プラグの最大の軸ずれ量Rr(μm)
− 調心スクリーニング用プラグの軸ずれ量Radj(μm)
− 回転調整角度θadj(rad)又は調心数Nadj
− 前処理方法(実施する場合)
− 後処理方法(実施する場合)
− この試験方法との差異
− 合否判定基準
4.2
方法2
− 最大の軸ずれ量Rmax(μm)
− 回転調整角度θadj(rad)又は調心数Nadj
− 前処理方法(実施する場合)
− 後処理方法(実施する場合)
− この試験方法との差異
− 合否判定基準
参考文献 JIS C 5965-1 光ファイバコネクタ光学互換−第1部:シングルモード(1 310 nmゼロ分散形)
光ファイバ用光学互換標準の通則
JIS C 61300-2-40 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-40
部:SM調心円筒形斜めPC端面光ファイバコネクタプラグの挿入損失スクリーニング試験
IEC/TR 62627-01,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Part 01: Fibre optic
connector cleaning methods