C 61215-1-4:2020
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 2
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 供試体···························································································································· 2
5 表示及び文書化 ················································································································ 2
6 試験······························································································································· 2
7 合格基準························································································································· 2
8 著しい目視欠陥 ················································································································ 2
9 報告書···························································································································· 2
10 変更 ····························································································································· 2
11 試験フロー及び試験方法 ·································································································· 2
11.1 目視検査(MQT 01) ···································································································· 2
11.2 最大出力の決定(MQT 02) ··························································································· 3
11.3 絶縁試験(MQT 03) ···································································································· 3
11.4 温度係数の測定(MQT 04) ··························································································· 3
11.5 公称モジュール動作温度(NMOT)の測定(MQT 05) ······················································· 3
11.6 基準状態(STC)における性能(MQT 06) ······································································· 3
11.7 低放射照度における性能(MQT 07) ··············································································· 3
11.8 屋外暴露試験(MQT 08) ······························································································ 3
11.9 ホットスポット耐久試験(MQT 09) ··············································································· 3
11.10 紫外線前処理試験(MQT 10) ······················································································· 3
11.11 温度サイクル試験(MQT 11) ······················································································· 4
11.12 結露凍結試験(MQT 12) ····························································································· 4
11.13 高温高湿試験(MQT 13) ····························································································· 4
11.14 端子強度試験(MQT 14) ····························································································· 4
11.15 湿潤漏れ電流試験(MQT 15) ······················································································· 4
11.16 機械的静荷重試験(MQT 16) ······················································································· 4
11.17 降ひょう(雹)試験(MQT 17) ···················································································· 4
11.18 バイパスダイオード試験(MQT 18) ·············································································· 4
11.19 安定化(MQT 19) ······································································································ 4
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 6
C 61215-1-4:2020
(2)
まえがき
この規格は,産業標準化法に基づき,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本
産業規格である。これによって,JIS C 8991:2011は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置
き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 61215の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 61215-1 第1部:試験要求事項
JIS C 61215-1-1 第1-1部:結晶シリコン太陽電池(PV)モジュールの試験に関する特別要求事項
JIS C 61215-1-2 第1-2部:薄膜テルル化カドミウム(CdTe)太陽電池(PV)モジュールの試験に関
する特別要求事項
JIS C 61215-1-3 第1-3部:薄膜非晶質系シリコン太陽電池(PV)モジュールの試験に関する特別要
求事項
JIS C 61215-1-4 第1-4部:薄膜CIS系太陽電池(PV)モジュールの試験に関する特別要求事項
JIS C 61215-2 第2部:試験方法
日本産業規格 JIS
C 61215-1-4:2020
地上設置の太陽電池(PV)モジュール−
設計適格性確認及び型式認証−
第1-4部:薄膜CIS系太陽電池(PV)モジュールの
試験に関する特別要求事項
Terrestrial photovoltaic (PV) modules-
Design qualification and type approval-
Part 1-4: Special requirements for testing of thin-film Cu(In,GA)(S,Se)2
based photovoltaic (PV) modules
序文
この規格は,2016年に第1版として発行されたIEC 61215-1-4を基とし,第1版発行後に変更が決定し
た技術的内容を反映して作成した日本産業規格である。
この規格は,JIS C 61215-1:2020及びJIS C 61215-2:2020と併読する規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,JIS C 60721-2-1に定義する屋外気候群で,長期運転に適した地上設置の太陽電池(PV)モ
ジュールの設計適格性確認及び型式認証に対する要求事項について規定する。この規格は,薄膜CIS系を
ベースとした太陽電池(PV)モジュール(以下,PVモジュールという。)の全ての地上設置の平板形PV
モジュールに適用する。
この規格は,集光装置付きPVモジュールには適用しないが,1倍から3倍までの低倍率集光装置付き
PVモジュールに利用することができる。低倍率集光装置付きPVモジュールに関しては,予想される集光
設計の電流,電圧及び出力レベルで全試験を実施する。
ここで実施する一連の試験の目的は,PVモジュールの電気的及び熱的特性を決定し,かつ,費用及び
時間の制約内で可能な限り,PVモジュールが一般的な屋外の気候に長期間さらされても耐えることを確
認することである。適格性が確認されたPVモジュールの実際の期待寿命は,PVモジュールの設計,使用
環境及び運転される条件に影響を受ける。
この規格は,JIS C 61215-1:2020及びJIS C 61215-2:2020に規定された試験手順及び要求事項に対し,セ
ル技術固有の変更点について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 61215-1-4:2016,Terrestrial photovoltaic (PV) modules−Design qualification and type approval
2
C 61215-1-4:2020
−Part 1-4: Special requirements for testing of thin-film Cu(In,GA)(S,Se)2 based photovoltaic (PV)
modules(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
引用規格は,JIS C 61215-1:2020及びJIS C 61215-2:2020のこの箇条を変更なしで適用する。
3
用語及び定義
JIS C 61215-1:2020のこの箇条を変更なしで適用する。
4
供試体
JIS C 61215-1:2020のこの箇条を変更なしで適用する。
5
表示及び文書化
JIS C 61215-1:2020のこの箇条を変更なしで適用する。
6
試験
JIS C 61215-1:2020のこの箇条を,次の規定とともに適用する。
PVモジュールの出力を,後述の11.19に規定する特別の要求事項とともにMQT 19の手順を使って安定
させるときには,特に注意を払わなければならない。
7
合格基準
JIS C 61215-1:2020のこの箇条を,次の規定とともに適用する。
JIS C 61215-1:2020の7.2.2において,再現精度rの最大許容値は2.0 %とする。
8
著しい目視欠陥
JIS C 61215-1:2020のこの箇条を変更なしで適用する。
9
報告書
JIS C 61215-1:2020のこの箇条を変更なしで適用する。
10
変更
JIS C 61215-1:2020のこの箇条を変更なしで適用する。
11
試験フロー及び試験方法
JIS C 61215-1:2020に規定されている試験フロー及び試験方法を適用する。
11.1
目視検査(MQT 01)
JIS C 61215-2:2020のこの試験を変更なしで適用する。
3
C 61215-1-4:2020
11.2
最大出力の決定(MQT 02)
JIS C 61215-2:2020のこの試験を変更なしで適用する。
11.3
絶縁試験(MQT 03)
JIS C 61215-2:2020のこの試験を変更なしで適用する。
11.4
温度係数の測定(MQT 04)
JIS C 61215-2:2020のこの試験を変更なしで適用する。
11.5
公称モジュール動作温度(NMOT)の測定(MQT 05)
(この規格では不要なため,削除した。)
11.6
基準状態(STC)における性能(MQT 06)
JIS C 61215-2:2020のこの試験を変更なしで適用する。
11.7
低放射照度における性能(MQT 07)
JIS C 61215-2:2020のこの試験を変更なしで適用する。
11.8
屋外暴露試験(MQT 08)
JIS C 61215-2:2020のこの試験を変更なしで適用する。
11.9
ホットスポット耐久試験(MQT 09)
JIS C 61215-2:2020のこの試験を,次の規定とともに適用する。
薄膜CIS系[Cu(In, GA) (S, Se)2]PVモジュールは,光照射がない状態で長期間保管しておくと性能に変
化を示す場合がある(“暗所保管”効果)。この暗所保管効果を最小限にするためには,屋外暴露試験から
ホットスポット耐久試験までの間の時間差を2,3日以内に制限する。PVモジュールは暗所に25 ℃以下
で保管する。
11.9.1
目的
JIS C 61215-2:2020のMQT 09の項を変更なしで適用する。
11.9.2
ホットスポット効果
JIS C 61215-2:2020のMQT 09の項を変更なしで適用する。
11.9.3
セル間接続の分類
JIS C 61215-2:2020のMQT 09の項を変更なしで適用する。
11.9.4
試験装置
JIS C 61215-2:2020のMQT 09の項を変更なしで適用する。
11.9.5
手順
JIS C 61215-2:2020のMQT 09.2を全てのモノリシック集積(MLI) PVモジュールについても実施しな
ければならない。
PVモジュールがセルの相互接続のように構成されている場合には,JIS C 61215-2:2020のMQT 09.1を
適用してもよい。
11.9.6
最終測定
JIS C 61215-2:2020のMQT 09の項を変更なしで適用する。
11.9.7
要求事項
JIS C 61215-2:2020のMQT 09の項を変更なしで適用する。
11.10
紫外線前処理試験(MQT 10)
JIS C 61215-2:2020のこの試験を変更なしで適用する。
4
C 61215-1-4:2020
11.11
温度サイクル試験(MQT 11)
JIS C 61215-2:2020のこの試験を,次の規定とともに適用する。
JIS C 61215-2:2020のMQT 11に従って印加する必要のある電流は,0.1×STCにおける最大出力動作電
流と等しい値とする。
11.12
結露凍結試験(MQT 12)
JIS C 61215-2:2020のこの試験を変更なしで適用する。
11.13
高温高湿試験(MQT 13)
JIS C 61215-2:2020のこの試験を,次の規定とともに適用する。
JIS C 61215-2:2020のMQT 13は,次のいずれかの方法によって実施することができる。
− 方法A) JIS C 61215-2:2020のMQT 13を実施する。
− 方法B) JIS C 61215-2:2020のMQT 13を,順方向バイアス電圧をかけて実施する。
11.13.1 手順
手順は,次による。
a) PVモジュールの表面又は裏面の中央部近傍に適切な温度センサ(MQT 11の“試験装置の要求事項”
を参照)を取り付ける。同時に同じ種類のPVモジュールを複数台試験する場合には,1台の温度を
監視するだけで十分とする。
b) 温度監視機器を温度センサ(単数又は複数)に接続する。各PVモジュールを適切な電圧源に個別に
接続するが,この場合,PVモジュールの正極端子を電源の正極端子に接続し,負極も同様とする。
高温高湿試験中に,印加電圧はデータシートから得たSTCにおけるVmpp±5 %に設定し,電流はSTC
におけるISCの25 %未満に制限する。
c) 試験中は終始,PVモジュールの印加電圧と電流とを監視する。I/Vトレンドを記録する。電流制限値
に達する場合は,印加電圧はSTCにおけるVmpp±5 %以下にすることができる。
d) PVモジュール温度が(85±2)℃になるようにチャンバ温度を設定する。
e) 周囲温度(25 ℃以下)への冷却中は,当該指定印加電圧を維持し,PVモジュール温度が(25±5)℃
に達したときに当該電圧を切る。
11.14
端子強度試験(MQT 14)
JIS C 61215-2:2020のこの試験を変更なしで適用する。
11.15
湿潤漏れ電流試験(MQT 15)
JIS C 61215-2:2020のこの試験を変更なしで適用する。
11.16
機械的静荷重試験(MQT 16)
JIS C 61215-2:2020のこの試験を変更なしで適用する。
11.17
降ひょう(雹)試験(MQT 17)
JIS C 61215-2:2020のこの試験を変更なしで適用する。
11.18
バイパスダイオード試験(MQT 18)
JIS C 61215-2:2020のこの試験を変更なしで適用する。
11.19
安定化(MQT 19)
JIS C 61215-2:2020のこの試験を,次の規定とともに適用する。
11.19.2 安定化の基準
JIS C 61215-2:2020のMQT 19による安定化の基準として,x=0.02を使用する。
温度によって活性化されたプロセスがJIS C 61215-2:2020のMQT 06の測定に影響することがないよう
5
C 61215-1-4:2020
に,いかなる種類の保管も25 ℃未満としなければならない。
11.19.3 光照射安定化法
JIS C 61215-2:2020のこの試験を変更なしで適用する。
11.19.4 その他の安定化法
JIS C 61215-2:2020のこの試験を変更なしで適用する。
11.19.5 初期安定化(MQT 19.1)
初期安定化を全PVモジュールについて実施する。
光照射を用いてMQT 19の要求事項を満たすには,各回少なくとも10 kWh/m2の照射を最低2回必要と
する。この前処理後に全供試PVモジュールのSTCにおける出力の測定を行う(JIS C 61215-2:2020のMQT
06)。
安定化を屋外で実施する場合には,一般的にPVモジュール温度に制限は適用しない。屋外安定化は,
少なくともPVモジュール1台にJIS C 61215-2:2020のMQT 19の妥当性確認手順に従った屋内安定化方
法を使って,立証しなければならない。
屋外での光照射安定化の確認中,放射照度が500 W/m2を超えている間に観察された最低及び最高PVモ
ジュール温度を,全PVモジュールの最低及び最高許容PVモジュール温度とする。PVモジュール温度が
これらの範囲外になる場合は,新しい当該PVモジュールの温度範囲を再確認しなければならない。
出力の測定は,最短30分から最長60分までの冷却時間の後に実施しなければならない。
JIS C 61215-2:2020のMQT 19に従って,妥当性確認を行った代替手順を使用することができる。
11.19.6 最終安定化(MQT 19.2)
JIS C 61215-1:2020の7.2.2に規定するゲートNo.2の要求事項を満たすことを証明するために,試験シー
ケンスの後で全PVモジュールについて最終安定化を行う。
光照射を用いてMQT 19要求事項を満たすには,各回少なくとも10 kWh/m2の照射を最低2回必要とす
る。
安定化を屋外で実施する場合には,一般的にPVモジュール温度に制限は適用しない。屋外安定化は,
少なくともPVモジュール1台にJIS C 61215-2:2020のMQT 19の妥当性確認手順に従った屋内安定化方
法を使って,立証しなければならない。
屋外での光照射安定化の確認中,放射照度が500 W/m2を超えている間に観察された最低及び最高PVモ
ジュール温度を,全PVモジュールの最低及び最高許容PVモジュール温度とする。PVモジュール温度が
これらの範囲外になる場合は,新しい当該PVモジュール温度範囲を再確認しなければならない。
出力の測定は,最短30分から最長60分までの冷却時間の後に実施しなければならない。
JIS C 61215-2:2020のMQT 19に従って,妥当性確認を行った代替手順を使用することができる。
6
C 61215-1-4:2020
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS C 61215-1-4:2020 地上設置の太陽電池(PV)モジュール−設計適格性確認
及び型式認証−第1-4部:薄膜CIS系太陽電池(PV)モジュールの試験に関する
特別要求事項
IEC 61215-1-4:2016,Terrestrial photovoltaic (PV) modules−Design qualification and
type approval−Part 1-4: Special requirements for testing of thin-film Cu(In,GA)(S,Se)2
based photovoltaic (PV) modules
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
11.5 公称モ
ジュール動
作
温
度
(NMOT)の
測定(MQT
05)
項目を削除した。
11.5
NMOTの測定方法を規
定している。
削除
NMOTに関わる試験であるため削
除した。
このJISを作成する段階において
IEC 61215-1-4 Ed.1の改訂審議が
行われ,NMOT関連項目の削除に
ついて方針が固まった。そのため,
IEC 61215-1-4 Ed.1改訂前ではあ
るが,今後の整合を考え,先行し
てこの規格からも削除した。
11.6 基準状
態(STC)に
おける性能
(MQT 06)
NMOTにおける性
能を削除した。
11.6
NMOTにおける性能を
要求している。
削除
NMOTに関わる要求であるため削
除した。
同上
11.19.2
安
定化の基準
MQT 06に変更し
た。
11.19.2
MQT 06.1が参照され
ている。
変更
NMOTに関わる試験であり,その
項目が削除されていることから,
MQT 06に変更した。
同上
11.19.5
初
期安定化
(MQT 19.1)
同上
11.19.5
同上
変更
同上
同上
2
C
6
1
2
1
5
-1
-4
:
2
0
2
0
7
C 61215-1-4:2020
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 61215-1-4:2016,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
2
C
6
1
2
1
5
-1
-4
:
2
0
2
0