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C 60721-2-9:2015 (IEC 60721-2-9:2014) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 一般事項························································································································· 1 

3.1 概要 ···························································································································· 1 

3.2 保管 ···························································································································· 2 

3.3 輸送 ···························································································································· 2 

3.4 使用状態 ······················································································································ 4 

4 衝撃及び振動のデータ ······································································································· 4 

5 方法の説明 ······················································································································ 4 

5.1 一般事項 ······················································································································ 4 

5.2 ASD包絡法 ··················································································································· 4 

5.3 正規許容限界法 ············································································································· 4 

5.4 製品の向き ··················································································································· 6 

5.5 変数の要因 ··················································································································· 7 

附属書A(参考)作業実施例 ·································································································· 8 

附属書B(参考)環境記述スペクトルの包絡線及びその平滑化手法 ··············································· 10 

C 60721-2-9:2015 (IEC 60721-2-9:2014) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人日本電子部品信頼性センター

(RCJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきと

の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 60721-2の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 60721-2-1 自然環境の条件−温度及び湿度 

JIS C 60721-2-2 自然環境の条件−降水及び風 

JIS C 60721-2-3 自然環境の条件−気圧 

JIS C 60721-2-4 自然環境の条件−日射及び温度 

JIS C 60721-2-5 第2-5部:自然環境の条件−じんあい,砂及び塩霧 

JIS C 60721-2-7 第2部:自然環境の条件−第7節:動植物系 

JIS C 60721-2-8 第2-8部:自然環境の条件−火災 

JIS C 60721-2-9 第2-9部:自然環境の条件−測定した衝撃及び振動のデータによる環境条件の規定:

保管,輸送及び使用中の条件 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 60721-2-9:2015 

(IEC 60721-2-9:2014) 

環境条件の分類−第2-9部:自然環境の条件− 

測定した衝撃及び振動のデータによる環境条件の 

規定:保管,輸送及び使用中の条件 

Classification of environmental conditions- 

Part 2-9: Environmental conditions appearing in nature- 

Measured shock and vibration data-Storage, transportation and in-use 

序文 

この規格は,2014年に第1版として発行されたIEC 60721-2-9を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

この規格は,製品が受ける環境条件を,屋内外を問わず保管,輸送又は使用中の多くの場所で取得した

測定データから,規定しようとするものである。 

適用範囲 

この規格は,製品のライフサイクルの各段階において測定したデータから,環境条件を選定するための

手段を明確にするために用いる事項について規定する。 

この規格の目的は,保管,輸送及び使用中の製品が受ける衝撃及び振動の,基本的な性質及び数値を明

確にすることである。この数値(データ)は,衝撃及び振動の厳しさの基になる値で,保管,輸送,使用

中などの製品のライフサイクルの各段階における値を示す。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60721-2-9:2014,Classification of environmental conditions−Part 2-9: Environmental conditions 

appearing in nature−Measured shock and vibration data−Storage,transportation and in-use(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

この規格では,引用規格は規定しない。 

一般事項 

3.1 

概要 

保管,輸送の荷台及び使用中の場所で測定した衝撃及び振動のデータは,基本的な正弦波からランダム

振動まで,大きく変わる場合がある。これらのデータは,正規分布することもあれば,また,しないこと

C 60721-2-9:2015 (IEC 60721-2-9:2014) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

もある。正規分布しない場合は,振幅が異なる正規分布のランダム波が複雑に重なった和であると仮定す

ることができる。 

実際の環境では,純粋な正弦波振動に分類できることはめったになく,通常は個々の励起機構,例えば,

回転機械,航空機エンジン及びプロペラに依存し,更にランダム振動が混合する。製品の仕様には,ラン

ダム振動試験だけを行うか,又は混合モード試験の一つを行うかを規定する。 

製品のライフサイクルの各段階における振動環境は,潜在的に,特定の状況において,高い加速度レベ

ルを生成する場合がある。一般に,これらの衝撃の振動数成分は,輸送時には0 Hz〜200 Hzの帯域を含む。

この場合,包装された製品はしっかりと輸送の荷台に固定し,“バウンス”しないと仮定する。ただし,使

用中には,これよりもはるかに高い振動数,すなわち,キロヘルツ(kHz)の範囲の振動数が存在するこ

ともある。これは実使用条件に依存する。 

次に示すプロセスは,ランダム振動環境について記載する事項であるが,それはおそらく,試験実施の

最も一般的な形態である。ランダムプロセスについての記述は,代替のプロセスとして適用されると理解

することが望ましい。ただし,衝撃応答スペクトルを算出することによって,又は加速度スペクトル密度

(以下,ASDという。)と同じプロセスを行うことによって,衝撃環境に等しく適用することができる。

また,加速度対振動数の正弦波形態のデータにも等しく適用可能である。ただし,関係する初期プロセス

によっては,このデータには特別な注意が必要な場合がある。関与する加速度は,問題の振動数における

rms値(実効値)又は離散値である。 

このプロセスで考慮が必要なその他の要因には,次の事項を含む。 

a) ランダムスペクトルの要因化 これは,試験プログラムの最終目的に依存する。例えば,堅ろう(牢)

性,認証など。 

b) 環境条件の統計的性質 

c) 製品の統計的性質 

d) 時間−ライフサイクルの各段階の概要 

この箇条では,製品の保管,輸送及び使用条件によって,望まれる一般的な特性を概観する。 

3.2 

保管 

保管中の製品は,特定の場所に長期間置かれるが,この期間中に使用することは考えない。保管場所は,

屋内では完全屋内の場合若しくは部分屋内の場合,又は屋外の場合がある。いずれの場合でも,製品は保

管中の取扱い,並びに取扱機器及び保管棚の扱い方によって,厳しい衝撃及び振動状態にさらされる可能

性がある。その結果,製品は,問題にならない程度の軽微な衝撃及び振動から,機械からの伝ぱ及び動い

ている車両の影響による中程度の衝撃及び振動,重機及びベルトコンベアの近くに置いた場合は予想より

も高い衝撃及び振動まで,様々な環境レベルにさらされる可能性がある。 

3.3 

輸送 

3.3.1 

道路輸送 

製品が道路で輸送される場合は,常に衝撃及び振動環境の影響を受ける。このような環境において,振

動の大きさ,及び振動数成分に影響を及ぼす主な要因は,次のとおりである。 

− 輸送車両の設計 

− 車両の速度 

− 路面の状態 

− 車両中の製品の位置 

− 車両の方向に対して振動測定の基準方向。一般に垂直方向が最も影響を及ぼす。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

− 製品自体。車両の応答性に影響を及ぼす可能性がある。 

− 車両積載物の質量 

従来,試験所では,道路輸送環境の模擬試験として正弦波振動を用いてきた。現在は,ランダム振動が

一般的であり,この規格で規定する方法にも適用する。また,試験は,大きく異なる条件を含むことがで

きるように,通常,道路輸送及び取扱いによる衝撃の双方を行う。これらの試験が要求事項となる場合は,

製品規格に規定することが必要になる。 

3.3.2 

鉄道輸送 

鉄道の環境は,サスペンションの設計に依存し,現代の鉄道ではエアサスペンションが使われている。 

ただし,特に貨物運送においては,全ての列車が現代的とは限らず,強い揺れ及び広い振動数範囲の振

動が予想される。エアサスペンションを使われている場合は,滑らかに移動するので,振動は通常は低レ

ベルであり,低振動数の振動である。列車の入替作業時の衝撃は,大きな加速度をもたらす可能性がある

が,その値は緩衝器の設計に依存する。このような環境において,振動の大きさ及び振動数成分に影響を

及ぼす主な要因は,次のとおりである。 

− 貨車のサスペンションの種類 

− 線路の状態 

− 貨車上の製品の位置 

− 緩衝器の種類及び列車入替作業時の列車速度 

3.3.3 

航空輸送 

3.3.3.1 

一般事項 

航空輸送には,ジェット機及び回転翼航空機を含むプロペラ機のいずれかの形式がある。選択する輸送

形態によって,製品が受ける環境が劇的に変わる場合がある。 

3.3.3.2 

ジェット機 

ジェット機の環境は,本来ランダム振動環境であり,衝撃及び振動の大きさ及び成分は,貨物室内での

位置に応じて変わり,振動数は2 000 Hzまで広がる場合がある。 

3.3.3.3 

プロペラ機 

プロペラ機の環境は,主に,一般的なランダム振動の上に,エンジンロータ及びブレードの通過振動数

の正弦波,並びにそれらの高調波が重なっている。これらの振動数は,航空機によって変わるが,通常は

振動数200 Hzまでの範囲が最も支配的である。この場合は,サイン オン ランダム試験が適切な場合があ

る。一般に,この環境では,回転振動源からの距離が増すにつれて正弦波成分が少なくなる場合がある。

この場合は,ランダム オン ランダム試験か,より高い振幅の個別の振動数を備えたランダム試験が適切

である。インラインプロペラ機は,非常に振動が大きくなるので,製品がこれらの振動数に敏感な場合は

避けるのがよい。 

3.3.4 

海上輸送 

海上輸送は,エンジン及びスクリュの正弦波振動,並びに海上の状態によるランダム振動の組合せの振

動環境であり,かつ,船の中の貨物室の位置及び貨物室内の位置に依存する。 

このような環境において,振動の大きさ及び振動数成分に影響を及ぼす主な要因は次のとおりである。 

− 船の大きさ 

− 船の航行速度 

− 船の貨物室の位置 

− 港湾荷役の取扱いの厳しさ 

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3.4 

使用状態 

製品のライフサイクルにおける使用状態の段階では,製品の建物内での取付方法及び位置,建物の場所,

衝撃及び振動の発生源との位置関係などの多くの要因によって影響が大幅に変わる。製品は,屋内に設置

して使用するだけではなく,製品の設計及び動作モードの範囲において,様々な状況にさらされる。製品

が出会う環境はかなりの数になる可能性がある。 

ライフサイクルのこの段階では,製品は,屋内設置であるか否かにかかわらず,異なる環境の組合せに

さら(曝)される。おそらく,一般にこの段階の間では,製品が,他のどの段階よりもはるかに広い範囲

の環境条件で正常に機能し,動作する必要がある。 

これらの環境は,製品に対してほとんど害のないものであるが,輸送の段階よりも有害な場合もある。 

全ての種類の試験水準を明確に策定し,必要な環境条件の種類を決めるためには,製品がどのように使

用されるのか,詳細な知識を必要とする。また,製品が,その保証された能力以上の環境で使用されない

ようにする必要がある。 

衝撃及び振動のデータ 

適切な加速度計及び計測機器で測定したフィールドデータは,通常,加速度対時間の形である。測定し

たデータは,多くの解析手段に適用できるように,アナログ形式又はデジタル形式で記録する。 

これらのデータは,その性質によって,次のいずれかの形式に加工する。 

− 正弦波のデータ 最大加速度対振動数 

− 衝撃のデータ 衝撃応答スペクトル 

− ランダム振動のデータ ASD対振動数 

この規格で用いる方法は,各形式のデータに適用することができる。 

方法の説明 

5.1 

一般事項 

この細分箇条では,手法を柔軟に採用可能にするために二つの方法を規定する。一つ目は単純なアプロ

ーチによる方法であり,二つ目は統計的なアプローチを利用する方法である。その他にも利用可能な方法

がある(参考文献参照)。 

なお,選択した方法は,製品規格に規定することが望ましい。 

5.2 

ASD包絡法 

ASD値の包絡線境界を導く一般的な方法は,全ての測定点のスペクトル曲線を重ね合わせて,次に各々

の振動数分解能帯域幅における最大スペクトル値をプロットする方法である。この方法では滑らかではな

い包絡線になるが,何本かの近似直線で平滑化が可能である。近似の整合性を保つため,通常,直線の傾

斜は,0,±3,又は±6 dB/octとする。 

この方法は,簡単に採用できることが主な利点である。一方,直線化は主観的に行われるため,一連の

包絡線は担当者によって異なる場合があるという欠点がある。 

これら以外の欠点は,次のとおりである。 

a) 包絡しようとするスペクトルの,振動数分解能の違いによって,異なる結果となる場合がある。 

b) 特定の振動数での包絡線が,荷台の別の場所での応答スペクトル値を含むことは保証されない。 

5.3 

正規許容限界法 

輸送荷台の構造上の応答スペクトル値について,保守的な許容限界を導くよりも確実な方法は,各々の

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

振動数分解能帯域幅において,予想されるスペクトルに対する正規許容限界を算出することである。 

正規許容限界には,正規確率変数を適用する。輸送荷台上の固定,非固定及び過渡的な動的負荷の様々

な応答スペクトル値の変動は,一般的には正規分布ではないが,スペクトル値はほぼ対数正規分布の性質

をもつ。 

したがって,次の式(1)によって対数変換を行う。 

y=log10x ·················································································· (1) 

ここに, 

y: 対数変換したスペクトル値 

x: スペクトル値 

yにおける正規許容限界(NTL)は,信頼係数γにおいてyが取ることができる全ての値のうち,信頼の

水準βを超える割合での値と定義して,次の式(2)で表す。 

NTLy=

+CSy ··········································································· (2) 

ここに, 

: サンプル平均 

Sy: サンプル標準偏差 

C: 表1に規定する定数(正規許容係数という。) 

本来,技術的には,単位x(スペクトル値)の正規許容限界は,次の式(3)から得ることができる。 

NTLx=10NTLy ············································································ (3) 

注記 スペクトル値が対数正規分布していない場合は,別に,その他の分布に対する許容限界を求め

る統計的手法があり,特定の分布を参照することはない。 

附属書Aに,両方の方法を実施した例を示す。正規許容限界法では,95/50限界(表1の1.78)を使う

ことを推奨する。この95/50限界とは,信頼係数γが50 %で輸送荷台上の95 %(信頼の水準β)を超える

ポイントにおいて,この応答スペクトル値を満たすことを意味する。ただし,より控えめな値を用いる理

由がある場合は,他の許容限界を算出してもよい。95/50限界(表1の1.78)から95/90限界(表1の3.40)

に変更する場合は,7.8 dB程度の増加があることに留意することが望ましい。製品規格では,そのような

増加を正当化することが必要になる場合がある。 

background image

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1−正規許容係数C 

γ = 0.50 

γ = 0.75 

γ = 0.90 

β = 0.90 

β = 0.95 

β = 0.99 

β = 0.90 

β = 0.95 

β = 0.99 

β = 0.90 

β = 0.95 

β = 0.99 

1.50 

1.94 

2.76 

2.50 

3.15 

4.40 

4.26 

5.31 

7.34 

1.42 

1.83 

2.60 

2.13 

2.68 

3.73 

3.19 

3.96 

5.44 

1.38 

1.78 

2.53 

1.96 

2.46 

3.42 

2.74 

3.40 

4.67 

1.36 

1.75 

2.48 

1.86 

2.34 

3.24 

2.49 

3.09 

4.24 

1.35 

1.73 

2.46 

1.79 

2.25 

3.13 

2.33 

2.89 

3.97 

1.34 

1.72 

2.44 

1.74 

2.19 

3.04 

2.22 

2.76 

3.78 

1.33 

1.71 

2.42 

1.70 

2.14 

2.98 

2.13 

2.65 

3.64 

10 

1.32 

1.70 

2.41 

1.67 

2.10 

2.93 

2.06 

2.57 

3.53 

12 

1.32 

1.69 

2.40 

1.62 

2.05 

2.85 

1.97 

2.45 

3.37 

14 

1.31 

1.68 

2.39 

1.59 

2.01 

2.80 

1.90 

2.36 

3.26 

16 

1.31 

1.68 

2.38 

1.57 

1.98 

2.76 

1.84 

2.30 

3.17 

18 

1.30 

1.67 

2.37 

1.54 

1.95 

2.72 

1.80 

2.25 

3.11 

20 

1.30 

1.67 

2.37 

1.53 

1.93 

2.70 

1.76 

2.21 

3.05 

25 

1.30 

1.67 

2.36 

1.50 

1.90 

2.65 

1.70 

2.13 

2.95 

30 

1.29 

1.66 

2.35 

1.48 

1.87 

2.61 

1.66 

2.08 

2.88 

35 

1.29 

1.66 

2.35 

1.46 

1.85 

2.59 

1.62 

2.04 

2.83 

40 

1.29 

1.66 

2.35 

1.44 

1.83 

2.57 

1.60 

2.01 

2.79 

50 

1.29 

1.65 

2.34 

1.43 

1.81 

2.54 

1.56 

1.96 

2.74 

∞ 

1.28 

1.64 

2.33 

1.28 

1.64 

2.33 

1.28 

1.64 

2.33 

ここに, n:サンプルスペクトルの数 
 

γ:信頼係数 

β:信頼の水準 

注記 ここでいう正規許容係数Cは,信頼係数γにおいて対数変換したスペクトル値yが取ることができる全

ての値のうち,信頼の水準βの割合で満足するように補正する係数(“計測における不確かさ”の表現で
は,“包含係数”という用語が用いられている。)のことである。 

5.2に規定するASD包絡法と同様に,滑らかではない包絡線を,何本かの近似直線によって平滑化する。

一貫性をもたせるために,これらの直線の傾斜は,通常0 dB/oct,±3 dB/oct,又は±6 dB/octとする。 

正規許容限界法には,次の利点がある。 

a) 統計的手法であるために,規定の信頼係数をもち,規定するスペクトルの一部を超える限界値が得ら

れる。 

b) ASD包絡法に比べて,振動数分解能幅の影響を受けない。 

潜在的欠点は,この方法が,輸送荷台の全ての測定点における応答スペクトル値の分布が対数正規分布

であるという仮定の影響を受けやすいことである。 

そのほかに,直線化は主観的に行われるため,一連の包絡線は担当者によって異なる場合があるという

欠点がある。 

5.4 

製品の向き 

5.4.1 

製品の向きが既知の場合 

環境条件を設定するためにどの方法を選択した場合でも,その製品を明確に規定された向きで,保管,

輸送又は使用する場合は,製品又は包装された製品の各主要直交軸において,それぞれの環境条件を設定

する手順を繰り返さなければならない。 

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5.4.2 

製品の向きが未知の場合 

製品がどのような向きで保管,輸送,又は使用されるかが明確でない場合,その条件は,利用可能な全

てのデータ及び製品の主要な直交軸を用いた単一の仕様から設定しなければならない。 

5.5 

変数の要因 

定義された製品のライフサイクルの応答スペクトルにおける変化は,最終的な環境レベルにおいて考慮

しなければならない。仮定した固有の荷台であるのか,輸送での変化があるのか,また,その製品がどこ

でどのように保管されるのか,最終的にどのように使用されるかの違いによって,結果が変わる。 

上記の手順において,主に振動振幅応答による変動及び僅かな振動数の差による変動を考慮する一方,

通常,個体ごとの応答差のばらつきを考慮する必要がある。製品のばらつきに関する正確な知見がない場

合は,次の振動数変動を推奨する。 

− 許容限界が小さい製品の場合:±5 % 

− 許容限界が大きい製品の場合:±10 % 

スペクトルピークが非常に狭く,高倍率で,製品がその最大値にさらされる場合は,この変動幅を用い

ることが望ましい。例えば,図B.1において300 Hz〜500 Hz辺りにピークがある場合は,ピークASDに

おける値を上記の値よりも広げることが望ましい。 

C 60721-2-9:2015 (IEC 60721-2-9:2014) 

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附属書A 

(参考) 

作業実施例 

A.1 包絡曲線 

表A.1は,5本の仮想曲線,すなわち,曲線1〜曲線5に関する,10 Hz〜2 000 Hzの八つの振動数にお

けるASD値[(m/s2)2/Hz又はgn2/Hz]を記載している。太字で強調表示された数値は,この八つの振動数

の各々での5本の曲線の最大値を表しており,また,5.2に規定する包絡曲線の数値である。これらの数値

を図A.1にプロットして結び,曲線7とする。表A.1の全てのASD値を図A.1にプロットして結び,5本

の曲線(曲線1〜曲線5)とする。また,表A.1の各ASD値の右隣の次の列に,式(1)の解(5.3参照)を

記載する。 

注記 gnは,地球の重力による標準的加速度である(JIS C 60068-2-6:2010の3.12参照)。 

A.2 NTL曲線の計算 

表A.2は,八つの各振動数におけるyの値の平均値を最初の列に,また,各振動数のyの標準偏差を次

の列に記載している。次の列には,この標準偏差に,表1から選択した5本の曲線に対する95/50限界に

おけるC(1.78)を乗じた値を記載する。この計算において,正規許容係数Cは必要な統計的信頼係数と

して,他の数値を選ぶことも可能である。次に,この拡大標準偏差値にyの値の平均値を加算した値[式

(2)の解(5.3参照)]を次の列に記載する。さらに,5.3の規定に従って,正規許容限界包絡値である曲線6

を得るため,式(3)の解(x=10y)を算出し,次の列に記載する。これらの数値を図A.1にプロットして結

び,曲線6とする。図A.1で確認できるように,曲線6は,曲線1〜曲線5,及び曲線1〜曲線5の標準的

包絡曲線(A.1参照)である曲線7の上方にある。 

A.3 包絡曲線及びNTL曲線の処理 

包絡曲線及びNTL曲線は,それらを環境スペクトルレベルとして適切に使用するために,5.3の規定に

従って,追加の処理を必要とする。環境記述の包絡曲線が多くの鋭いピークをもつ場合は,この曲線の一

つの直線表示に基づいて決めることがより難しくなる。 

この厳しさは,5.5に規定する幾つかの要因判断を更に必要とする可能性がある。 

附属書Bでは,今日の最新のデジタル振動制御システムでの使用に適するASDスペクトルに到達する

ために,振動数の分割点の数を減らし平滑化するための,採用可能な一つの手法を規定する。 

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C 60721-2-9:2015 (IEC 60721-2-9:2014) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.1−ランダム振動に関する5本の仮想曲線の例 

振動

数 

Hz 

曲線1 

曲線2 

曲線3 

曲線4 

曲線5 

ASD値 

式(1)の解 

ASD値 

式(1)の解 

ASD値 

式(1)の解 

ASD値 

式(1)の解 

ASD値  式(1)の解 

10 

0.009 

−2.045 8 

0.020 

−1.699 0 

0.005 

−2.301 0 

0.070 

−1.154 9 

0.030 

−1.522 9 

20 

0.200 

−0.699 0 

0.050 

−1.301 0 

0.002 

−2.699 0 

0.500 

−0.301 0 

0.070 

−1.154 9 

50 

0.080 

−1.096 9 

0.020 

−1.699 0 

0.010 

−2.000 0 

0.003 

−2.522 9 

0.200 

−0.699 0 

100 

0.300 

−0.522 9 

1.050 

 0.021 2 

0.020 

−1.699 0 

0.070 

−1.154 9 

0.100 

−1.000 0 

200 

0.010 

−2.000 0 

0.200 

−0.699 0 

0.080 

−1.096 9 

0.060 

−1.221 8 

0.006 

−2.221 8 

500 

0.070 

−1.154 9 

0.005 

−2.301 0 

0.020 

−1.699 0 

0.100 

−1.000 0 

0.002 

−2.699 0 

1 000 

0.020 

−1.699 0 

0.007 

−2.154 9 

0.004 

−2.397 9 

0.090 

−1.045 8 

0.030 

−1.522 9 

2 000 

0.005 

−2.301 0 

0.050 

−1.301 0 

0.010 

−2.000 0 

0.002 

−2.699 0 

0.080 

−1.096 9 

表A.2−表A.1の5本の仮想曲線に対するNTL曲線6の計算,及び包絡曲線7の値 

振動数 

Hz 

NTL曲線6 

包絡曲線7 

各振動数のy

の平均値 

各振動数のy

の標準偏差 

Sy 

CSy 

(C=1.78の場合) 

式(2)の解 

NTLy 

式(3)の解 

NTLx 

(各振動数の

最大値) 

10 

−1.744 7 

0.447 0 

0.795 7 

−0.949 0 

0.112 5 

0.070 

20 

−1.231 0 

0.910 2 

1.620 1 

 0.389 1 

2.449 6 

0.500 

50 

−1.603 5 

0.722 2 

1.285 6 

−0.318 0 

0.480 8 

0.200 

100 

−0.871 1 

0.651 9 

1.160 4 

 0.289 3 

1.946 7 

1.050 

200 

−1.447 9 

0.640 1 

1.139 4 

−0.308 5 

0.491 5 

0.200 

500 

−1.770 8 

0.728 2 

1.296 2 

−0.474 5 

0.335 3 

0.100 

1 000 

−1.764 1 

0.532 2 

0.947 3 

−0.816 8 

0.152 5 

0.090 

2 000 

−1.879 6 

0.672 8 

1.197 6 

−0.682 0 

0.208 0 

0.080 

図A.1−曲線1〜曲線5,包絡曲線7,及び95/50限界でのNTL曲線6の比較 

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10 

C 60721-2-9:2015 (IEC 60721-2-9:2014) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(参考) 

環境記述スペクトルの包絡線及びその平滑化手法 

B.1 

オリジナルデータ 

図B.1は,室内実験における構造物応答データから算出した95/50限界の条件におけるNTL包絡線を表

している。附属書Aでは,NTLの手法において少ない振動数による数本の曲線から導いたのに対して,こ

こでは,実際のデータにおいてどのように作用するかについて,必要な検証を考慮している。 

図B.1−95/50限界の条件におけるNTL包絡線 

B.2 

オクターブ単位での平均化 

B.1におけるデータは1,1/3,1/6又は1/12オクターブ単位で平均化を行うことができる。データから

1/3オクターブにて平均化を行うことが,折点の実質数及び全体の形状を保持するために最適な妥協点で

あることを示している。 

B.3 

平均化法 

ランダム振動の平均化は,ASD値に基づいて行う。折点は,1/3オクターブで平均化したときの帯域幅

の中心振動数とする。ASD値における平均化法には,数種類の手法が存在するが,そのうち二つの手法を

次のとおり記載する。 

a) 平均化する帯域幅内の最大値をとる。 

振動数(Hz) 

g

n

2

/H

z)

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11 

C 60721-2-9:2015 (IEC 60721-2-9:2014) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 平均化する帯域幅内の平均値をとる。 

図B.2によって,b) の方法を用いた1/3オクターブ包絡線の加速度実効値は,元のデータにとても近い

ことが分かる。 

図B.2−95/50限界の条件におけるNTL包絡線(1/3オクターブで平均化したデータを含む) 

B.4 

標準傾斜曲線 

標準的な傾斜線を用いて1/3オクターブ包絡線を適用することは,より有効である可能性がある。図B.3

は,−24,−12,0,12,24のような12 dB/octの倍数となるような曲線で作成している。ダイナミックレ

ンジ(最大値と最小値との比)がより小さい場合の曲線は,適宜3又は6 dB/octの倍数を選択することも

可能である。選択した値は,環境記述に記録する。 

振動数(Hz) 

g

n

2

/H

1/3オクターブ平均化 

g

n

2

/H

z)

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12 

C 60721-2-9:2015 (IEC 60721-2-9:2014) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図B.3−標準的な傾斜線を用いた1/3オクターブの平均化したデータ 

B.5 

包絡曲線とNTL曲線との比較 

B.5.1 

図B.4は5.2における包絡曲線と5.3における様々なレベルでのNTL曲線との比較を表している。

信頼係数γの値が増加するに従って,加速度実効値によって表される全体的な振動エネルギー水準が大き

く増加している様子がはっきりと観察することができる。 

B.5.2 

想定される輸送手段から得られるデータと図B.4とを比較したとき,振動エネルギー水準及びダ

イナミックレンジの観点から見て,かけ離れたデータになると考えられる。ただし,特定のパラメータを

選択する場合の動作及びその効果から,この手法は明らかに有効である。 

B.5.3 

次のa) 〜e) は,図B.4における曲線の描画に用いる条件であり,製品規格には最低限記載するこ

とが望ましい。 

a) 包絡曲線又はNTL曲線 

b) NTL曲線を用いた場合は,β(信頼の水準)及びγ(信頼係数)の値 例えば,90/50など。 

c) 曲線のオクターブ平均化に使用した値 1/3オクターブが望ましい。 

d) 平均化を行う手法 平均化する帯域幅内における平均値又は最大値のいずれかを選択する。 

e) 標準傾斜線の適用の有無 適用する場合は,使用した変数を記載する。 

振動数(Hz) 

g

n

2

/H

z)

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13 

C 60721-2-9:2015 (IEC 60721-2-9:2014) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図B.4−正規許容係数Cの増大に伴う各曲線の比較 

参考文献 JIS C 60068-2(規格群) 環境試験方法−電気・電子−第2部:自然環境の条件 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2 (all parts), Environmental testing−Part 2: Tests 

JIS C 60068-2-6:2010 環境試験方法−電気・電子−第2-6部:正弦波振動試験方法(試験記号:

Fc) 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-6:2007,Environmental testing−Part 2-6: Tests−Test Fc: 

Vibration (sinusoidal)(IDT) 

JIS C 60721-1 環境条件の分類−第1部:環境パラメータ及びその厳しさ 

注記 対応国際規格:IEC 60721-1,Classification of environmental conditions−Part 1: 

Environmental parameters and their severities(IDT) 

JIS C 60721-3 環境条件の分類−第3部:環境パラメータとその厳しさのグループ別分類の規

格群 

注記 対応国際規格:IEC 60721-3,Classification of environmental conditions−Part 3: 

Classification of groups of environmental parameters and their severities 

Dynamic Environmental Criteria,NASA Technical Handbook NASA-HDBK-7005,13 March 2001