C 60721-2-7:2006 (IEC 60721-2-7:1987)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日
本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 60721-2-7:1987,Classification of
environmental conditions−Part 2: Environmental conditions appearing in nature. Fauna and floraを基礎として用
いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実
用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,
このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登
録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS C 60721-2の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 60721-2-1
環境条件の分類 自然環境の条件−温度及び湿度
JIS C 60721-2-2
環境条件の分類 自然環境の条件−降水及び風
JIS C 60721-2-3
環境条件の分類 自然環境の条件―気圧
JIS C 60721-2-4
環境条件の分類−自然環境の条件−日射及び温度
JIS C 60721-2-5
環境条件の分類−第2−5部:自然環境の条件−じんあい,砂及び塩霧
JIS C 60721-2-7
環境条件の分類 自然環境の条件−動植物系
JIS C 60721-2-8
環境条件の分類 自然環境の条件−火災(予定)
C 60721-2-7:2006 (IEC 60721-2-7:1987)
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
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序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 目的 ······························································································································ 1
3. 一般事項 ························································································································ 1
3.1 物理的な力による劣化 ···································································································· 1
3.2 たい(堆)積物による劣化 ······························································································ 2
4. 動植物系の発生 ··············································································································· 3
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 60721-2-7:2006
(IEC 60721-2-7:1987)
環境条件の分類−第2部:
自然環境の条件−第7節:動植物系
Classification of environmental conditions-
Part 2: Environmental conditions appearing in nature-
Section 7: Fauna and flora
序文 この規格は,1987年に第1版として発行されたIEC 60721-2-7,Classification of environmental
conditions−Part 2: Environmental conditions appearing in nature. Fauna and floraを翻訳し,技術的内容及び規格
票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。
1. 適用範囲 この規格は,自然環境における動植物系(菌類を含む。)の存在及びこれらが電気・電子製
品の環境パラメータに及ぼす影響について規定する。この規格は,電気・電子製品への適用において適切
な厳しさを選ぶための情報として使用することを意図したものである。
製品適用での動植物系に関係する環境パラメータの厳しさについては,JIS C 60721-1を参照。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
IEC 60721-2-7:1987,Classification of environmental conditions−Part 2: Environmental conditions
appearing in nature. Fauna and flora (IDT)
2. 目的 この規格の目的は,製品の保管・輸送・使用時において動植物系からの影響を規定することで
ある。
3. 一般事項 製品への動植物系の影響は様々だが,次に最も重要な例を示す。
3.1
物理的な力による劣化 製品の機能は,動植物の物理的な作用に影響される。
3.1.1
劣化の原因 製品の部材は,動物系,特に,げっ歯類動物及び虫の次のような行動によって,影響
を受ける。
− 部材の虫く(喰)い
− 部材をかじる
− 部材へのく(喰)い込み
− 部材をか(噛)む
− 部材の穴あけ
備考 白あり(蟻)による深刻な損害は,この点を特にいわれている。
影響されやすい部材の中には木,紙,革,織物のような天然素材だけではなく,エラストマーを含むプ
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C 60721-2-7:2006 (IEC 60721-2-7:1987)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ラスチック系,すず(錫),鉛などの金属もある。
この他,あらゆる動物系からの作用として,次のものがある。
− 打撃又は衝突
− 押す作用
植物系からの影響,特にかびの成長及び草木から飛散したものからの影響には,次のものがある。
− 育ち過ぎ
− 押す作用
− 衝突
3.1.2
損傷の種類 上に示したものの影響は,次の損傷につながる。
− 部材・部品・ユニット・装置の破損
− 変形,へこみ
− 可動部品の故障
− 表面の劣化
− 上記機械的な劣化による電気的故障
3.2
たい(堆)積物による劣化 製品の機能は,動植物系から生じたたい(堆)積物によって影響を受
けることがある。これらの表面のたい積物は,製品に対して化学的・機械的な作用によって影響を与える。
3.2.1
劣化の原因 動物系からのたい積物,特に虫,げっ歯類動物,鳥などからのたい積物には,次の種
類がある。
− 動物自体の存在
− 巣又は定住場所
− 食物ストック
− 排せつ(泄)物,酵素など代謝による生成物
植物系からのたい積物には,次のものがある。
− 草木から分離したもの(葉,花,種子,果実など)
− バクテリア又はかび及びそれらの代謝による生成物
3.2.2
損傷の種類 上に示したものの影響として,次の損傷がある。
− 部材の劣化,腐食など
− 可動部品の故障
− 次の内容による電気的不良
− 絶縁体の導電性増加
− 絶縁不良
− 接触抵抗の増加
− 湿気又は化学物質による電解効果,経時劣化
− 吸湿・吸着
− 放熱性能の低下
備考 これらの影響による事例2件
− 電気回路の断線
− 表面の曇り(ガラス含む。)
4. 動植物系の発生 ほとんど例外なく,製品が保管・輸送・使用される場所に動植物系は存在する。
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C 60721-2-7:2006 (IEC 60721-2-7:1987)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
動物系は屋内でも屋外と同じくらいに損傷の原因となるが,植物系による損傷は主として屋外で生じる。
かび及びバクテリアは,屋内でも屋外でも発生する。
製品を損傷し得る動植物系の発生頻度は,温度及び湿度に大きく影響される。湿潤な地域は,動植物系
特に虫,かび,バクテリアなどの微生物が好む条件である。しかし,屋内の湿った部屋又は湿気を発生し
ている部屋は,げっ歯類動物,虫及び微生物に適した場所となる。
例えば,かびは0〜40 ℃の温度範囲で成長するが,最も適した温度は多くの場合22〜28 ℃である。
もし製品の表面に有機物(脂肪,オイル,ほこりなど)及び動物性・植物性のたい積物が付着すると,
かび及びバクテリアの成長に最適となる。