C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本電子部品信頼性センター (RCJ)
/財団法人日本工業規格協会 (JSA) から工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があ
り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
JIS C 0080には,次に示す附属書がある。
附属書A(規定) 試験装置の詳細
附属書B(規定) 構造の詳細
附属書C(規定) 試験装置の調整及び保全
附属書D(参考) 試験装置の例
附属書E(参考) 証明書の例
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目次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 2
3. 定義 ······························································································································ 2
4. 原理 ······························································································································ 2
5. 試験装置 ························································································································ 3
5.1 試験チャンバ ················································································································ 3
5.2 炉 ······························································································································· 3
5.3 試験片ホルダ及び支持枠組······························································································· 3
5.4 ガスバーナ ··················································································································· 4
5.5 光度測定装置 ················································································································ 4
5.6 測定及び記録装置 ·········································································································· 4
6. 校正及び検証 ·················································································································· 4
6.1 炉の校正 ······················································································································ 4
6.2 光学装置の検証 ············································································································· 5
6.3 チャンバの気密性の検証·································································································· 5
7. 標準材料の使用による装置の性能の検証 ·············································································· 5
7.1 試験片 ························································································································· 5
7.2 装置の準備 ··················································································································· 6
7.3 手順 ···························································································································· 6
7.4 試験結果 ······················································································································ 6
8. 試験報告書 ····················································································································· 7
附属書A(規定) 試験装置の詳細 ························································································· 8
附属書B(規定) 構造の詳細······························································································· 18
附属書C(規定) 試験装置の調整及び保全 ············································································· 20
附属書D(参考) 試験装置の例 ··························································································· 25
附属書E(参考) 証明書の例 ······························································································· 27
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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日本工業規格 JIS
C 0080 : 2001
(IEC 60695-6-30 : 1996)
環境試験方法−電気・電子−
火災危険,火災のもつ潜在的・偶発的危険の
試験方法−火災に遭った電気製品からの煙による
光の不透過度に起因する視界のさえぎりの評価
に関する指針及び試験方法:
小規模静的試験方法−
煙による光の不透過度測定−試験装置の記述
Fire hazard testing−Part 6 : Guidance and test methods on the assessment
of obscuration hazard of vision caused by smoke opacity from
electrotechnical products involved in
fires−Section 30 : Small scale static method−Determination of
smokeopacity−Description of the apparatus
序文 この規格は,1996年に第1版として発行されたIEC 60695-6-30, Part 6 : Guidance and test methods on
the assessment of obscuration hazard of vision caused by smoke opacity from electrotechnical products involved in
fires−Section 30 : Small scale static method−Determination of smoke opacity−Description of the apparatusを翻
訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格の点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,電気電子製品に用いる材料について,パイロット炎を用いるか又は用いない
で,放射熱源に対し垂直にさらした材料からの煙の特定光学密度測定における装置,校正手順及び基本的
な試験手順について規定する。試験片は規定のサイズとする。煙の光学濃度測定は、あらかじめ標準材料
によって校正調節された気圧のチャンバ中で行う。
この方法は,固体の非金属の平らな試験片にだけ適用する。例えば,絶縁電線又はケーブルのような平
らでない試験片では均一な熱流束が得られないため,この試験に適さない。
この規格は,諸材料の挙動の格付けを系統化することを目的とするものではない。
熱流束が,直接当たることによって溶融し流出してしまう材質については,再現性のある結果が得られ
ないこともあり,この試験方法は適さない。
ほとんどすべての非金属性材料は,電気製品に使用されているものも含めて熱にさらされると煙を発生
2
C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)
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する。火に関係する潜在的・偶発的危険要因の一つである煙は,人体への悪影響及び物損を引き起こし,
消防活動を阻害する要因になっている。火災時における材料又は製品からの煙による光の不透過の比率を
低めることが,結果として設備・装置の損傷を減じ,人の避難を容易にし消防活動を阻害していた要因を
軽減させることになる。
警告 試験片の熱分解又は燃焼反応によって有毒・有害な放出物が発生することがあるので適切な安全対
策を講じる。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
IEC 60695-6-30 : 1996 Fire hazard testing−Part 6 : Guidance and test methods on the assessment of
obscuration hazard of vision caused by smoke opacity from electrotechnical products involved in
fires−Section 30 : Small scale static method−Determination of smoke opacity−Description of
the apparatus (IDT)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・
追補には適用しない。
IEC 60584-1 : 1977, Thermocouples−Part 1 : Reference tables Amendment 1(1989)
IEC 60584-2 : 1982, Thermocouples−Part 2 : Tolerances
IEC 60695-1-1 : 1999, Fire hazard testing−Part 1-1 : Guidance for assessing the fire hazard of electrotechnical
products : General guidance
IEC 60695-4 : 1993, Fire hazard testing−Part 4 : Terminology concerning fire tests
ISO 1923 : 1981, Cellular plastics and rubbers−Determination of linear dimensions
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,IEC 60695-4によるほか,次による。
3.1
(煙による)光の不透過度 規定の条件で,入射光束 (I) の煙を透過した光束 (T) に対する比 (I/T)。
3.2
(煙の)光学密度 [log (I/T)] 煙による光の不透過度の常用対数。
備考 この規格では,Dは煙の光学密度を表す。
3.3
特定光学密度 Ds 光学密度及び規定の試験方法に特有の因子を考慮に入れた,材料又は製品の試
料から発生する煙による光の不透過度の度合い。
備考 特定光学密度は,無次元数である。
4. 原理 気圧制御された試験チャンバ中に試験片を垂直に取り付け,パイロット炎を用いるか又は用い
ないで,制御した熱放射雰囲気にさらす。
発煙による光の不透過度を測定するために,光度測定系を用いる。
5. 試験装置 この装置は,着脱式フィルタを取り付けることによって特定光学密度528までを測定する
ことが可能である。また,このフィルタを外すと特定光学密度924まで測定可能である。
試験装置は,附属書Aに規定する(図A.1〜A.8)。
構造の詳細は,附属書Bに規定する。
3
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校正手順及び保全の推奨法は,附属書Cに規定する。
試験装置の例として二つを,附属書Dに示す。
5.1
試験チャンバ
5.1.1
試験チャンバは,通常0.51m3の容積で,内寸は次による。
− 幅 : 914mm ± 3mm
− 奥行き : 610mm ± 3mm
− 高さ : 914mm ± 3mm
内面は,定期的な清掃に適し,かつ,耐腐食性があるものとする。
備考 パネル構造の例:内面はエナメル処理鋼,コアパネルは断熱材料,外表面は亜鉛めっき鋼とす
る。
5.1.2
試験チャンバが閉じられたとき,チャンバは6.3による正の気圧を試験中保つものとする。水マノ
メーターは,試験チャンバの気圧測定に適したものとする。
試験チャンバ床面の開口部を覆うアルミニウムはくは,厚さ約0.04mmを使い,突然の圧力上昇時に破
裂して対応するものとする。設置前に,注意深く油脂を除去し,開口部周辺の試験チャンバの床面を清し
ょくする。
いかなる折れ目からも漏れがないようにするため,アルミニウムはくにしわが生じないよう注意深く取
り扱う。
アルミニウムはくを保護するために,ステンレス鋼製格子をアルミニウムはくの上に置くとよい。
アルミニウムはくを損傷するおそれのある溶融試料からの流出物を受けるためにステンレス鋼製受皿を
試験片ホルダの下に置くとよい。
5.1.3
安全環境規制に適合した排気系統を排煙設備につなぐ。
5.1.4
内部の温度を測定するため,奥壁内面の中央部に熱電対を固定する(附属書BのB.8参照)。
5.2
炉(放射熱源)(図A.2及び図B.1参照) 炉は,電熱素子(図A.2参照)と内径約76.2mmのセラ
ミック管で構成し,附属書BのB.1に規定するように配置する。
炉及びその支持枠組は,電熱素子と試験片表面との距離が76.2mm±1.0mmになるように配置する。
稼働時の炉の状態は,適切なシステムによって常時監視する。
炉の出力を直径38.1mmの円上での放射レベルの平均値が試験片の設置位置の中心部において規定の
25kW/m2±0.5kW/m2に保つように調節する(附属書C参照)。
5.3
試験片ホルダ及び支持枠組
5.3.1
試験片ホルダ(図A.4及び附属書BのB.2参照)は,試験片の中心が適切に炉の中心線に沿って動
けるように炉の支持枠組と一体化した支持部上にセットする。
5.3.2
試験中又は校正中を除き,炉を稼働するときは,76.2mm×76.2mmの大きさの耐火板を取り付けた
ブランク試験片ホルダを,炉の開口部の前に置く。
耐火板は,試験片ホルダの前部の縁に密着させて,ばねと保持棒で保持する。
備考 公称密度が800kg/m3〜970kg/m3で最小厚さ10mmの板が,この要求を満足している。
5.4
ガスバーナ(附属書BのB.4参照) 接炎試験中,6個の管をもつバーナは水平管の先端が試験片
ホルダの下部の開口部下端から上へ6.4mm±1.5mm(図A.4の高さN)に中心がくるように,また試験片
の表面から6.4mm±0.85mm(図A.4の距離M)離れたところに中心がくるように固定する。
使用する燃料はプロパン(純度95%以上)と空気の混合物とし,それぞれの流量は50cm3/min±5cm3/min
と500cm3/min±25cm3/minとする。流量はニードルバルブで調整し,2個の流量計で測定する。
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5.5
光度測定装置(図A.5及び附属書BのB.5参照) 光度測定装置は,層状化した煙による測定値の
変動を小さくするため,垂直に配置した光源及び光検出器から構成する。測光系は,0.000 1%〜100%の透
過率を測定するために光学密度を六つの感度範囲にわたって確実に記録できるものでなければならない。
光度計は,どの感度範囲においても最大読取値で±0.3%以内の精度をもたなければならない。検出器の
出力は記録計につなぐ。
5.5.1
光源は,白熱タングステンフィラメント電球(公称6.5V)とする。この電球は,光漏れのない箱
の中に取り付けて,試験チャンバ床にある窓によって分離する。
また,この箱は凝縮を防ぐために約50℃に加熱しておく。
この光漏れのない箱は,試験チャンバ内を垂直に透過する直径38.1mmの平行ビーム光線を出すために
必要な光学系を含まなければならない。
5.5.2
光検出器は,1nA未満の暗電流とILC(1)のS-4スペクトル感度をもつ光電子増倍管である。
光源の反対側の試験チャンバ天板にある窓によって分離されている光漏れのない箱の中に光検出器を取
り付け,光検出器上に平行光線の焦点を結ばせるために収束レンズを用いる。公称光学密度2の着脱可能
なニュートラルフィルタを光学密度の測定範囲拡大に使用する。
注(1) 国際照明協会 (International Lighting Commission)
5.6
測定及び記録装置 データレコーダは,次の記録ができるものでなければならない。
− 炉を校正するときの放射計出力電圧(6.1参照)
− 試験中の光検出器の出力電圧(5.5.2参照)
6. 校正及び検証 校正又は試験の前に,試験チャンバの後部壁パネルの温度は33℃±4Kで安定させ,
試験装置は前回の試験の残さ(渣)がないように清掃し,少なくとも空気で2分間吹き飛ばす。
6.1
炉の校正 炉は,次の手順で校正する。
バーナを取り除き炉の待機位置に放射計を取り付け,電源及びガス回路に接続する。
炉の前の所定位置にブランク試験片ホルダを置く。支持枠組の止め具までブランク試験片ホルダを動か
して,代わりに放射計を炉の前に動かして持ってくる。
次に,炉の開口部と放射計との位置関係を正確に38.1mmのゲージを用いてチェックし,必要な調整を
する。(図C.1参照)
備考 この試験は,放射熱源に対する放射計及び試験片の位置の微妙な変動に大きく影響を受ける。
炉のゲージは,試験片ホルダの位置の検査にも用いる。
放射計及びブランク試験片ホルダを,それぞれ元の位置に戻し,試験チャンバの壁の温度を33℃±4K
で安定させる。試験装置を通常の操作条件にもっていき,その後,ブランク試験片ホルダを受け止め具ま
で移動させた後,放射計を炉の前にもってくる。
試験チャンバの扉を閉じ,吸入口を開放し,排気口を閉じる。空気を放射計冷却器に供給し放射計本体
の温度を93℃±3Kに保つ。放射計の出力を監視して,出力が平衡状態に達したことを確認する。
次に必要ならば25kW/m2±0.5kW/m2の定常放射と等価との校正値に対応する定常電圧読取値になるよ
う炉を調整する。調整するときは,放射計が平衡状態に達することを確実にするため炉の調整と調整との
間に約10分間,間隔を開ける。炉が校正中なんらかの理由で扉が開いたときは,扉を閉めた後,最終の電
圧を読み取る前に熱平衡に至るまで十分な時間をとる。
校正手順の最後に,ブランク試験片ホルダを炉の前の位置に戻し,放射計冷却空気の供給を停止し,試
験チャンバから放射計を外す。
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6.2
光学装置の検証(附属書CのC.1.3参照) 光路の中に標準ニュートラルデンシティフィルタを置
くことによって,光度計の正確性と直線性を確認する(附属書CのC.1.3.2参照)。これらのフィルタは,
光学系のすべての開口部を覆っておく。また,光度計で測定した特定光学密度は,校正値の±5%以内とす
る。
備考 600nmで得られた特定光学密度の規定定格値を確認するために,これらフィルタの光透過度の
400nm〜900nmの範囲にわたりスペクトル分析によって調べる。なぜなら,この光源は広いス
ペクトル分布をもっているからである。それゆえ,このフィルタで測定された特定光学密度は
正確でないかもしれない。しかし,使用するランプのスペクトル分布が一致しているならば研
究所間のデータ比較には使用できる。
6.3
チャンバの気密性の検証 チャンバの気密性は,定期的にU形マノメータ(図A.8及び図B.9参照)
を用い,漏えい度試験を実施し検証する。試験チャンバの天板のガス採取口から圧縮空気を導入して,試
験チャンバ内圧を水頭柱約76mmまで上げる。
圧力が水頭柱50mmまで下がる時間が,ストップウオッチで測定して5分以上でなければならない。
7. 標準材料の使用による装置の性能の検証 装置の正常な動作と試験手順を照査するため二つの標準試
料を用いる。
− 無炎試験用のアルファセルロース紙(SRM 1006 標準)(備考参照)
− 有炎試験用のプラスチックシート(SRM 1007 標準)(備考参照)
備考 この二つの標準試料は,標準材料協会 (Office of Standards Reference Materials) から入手が可能
である。 [National Institute of Standards and Technology (NIST) , Gaithersburg, MD USA]
7.1
試験片 試験に先立ち,各標準材料の証明書の指示に従って調整しなければならない。その際,試
験片のすべての面は空気に接しているものとする。
試験片は,76.2mm×76.2mmとする。
各試験片の厚さは,ISO 1923の方法で測定する。6試験片以上とった1バッチの厚さのばらつきは0.1mm
未満とする。
その後,各試験片は次の要領で準備する。平板を使って,約0.04mm厚さのアルミはくの試験片の非光
沢面上に試験片を上方に置く。そして端を折り曲げるのに十分な大きさで,試験片の周り6mm〜10mmを
覆うようにする。端部の上ではくを注意深く曲げ,試験片の上面に密着させて,しわを最小にする(角の
対角の切り込みは,しわを減らすのに役立つ。)。はくの破裂を避ける。
試験面の大きさ65mm×65mmがさらされるように上面と側面とのはみ出し部分を切り落とす。試験片
をホルダに挿入後,燃焼時のかすが試験片ホルダのトラフの中にゆっくり滑り落ちるように下面のはみ出
し部分は残しておく。アルミニウムはくを切るとき試験片の面が損傷しないように注意する。挿入後,硬
い材質のもので試験片ホルダの開口部に合わせて,アルミニウムはくをそろえることが必要である。
試験片をホルダに挿入後,乾燥密度850kg/m3±100kg/m3,大きさ75mm×75mm,厚さ12.5mmの不燃性
角形断熱板で後ろから支え,その後,ばねを挿入しクリップで押さえる。
厚さ16mm以上の試験片は,厚さ調整可能なクリップを使用する。もし必要ならば,試験片ホルダの開
口部の周囲に沿ってはくを切り,試験片ホルダのトラフへ導くシュートを作る。
7.2
装置の準備 各試験に先立ち,光学装置の窓は清掃する。
備考 アルコール清浄は,適している。
光源とすべての測定装置の電源を入れ,安定化させる。
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有炎モードで試験するとき,空気とプロパンの流量比率を5.4によって調整しバーナに点火する。無炎
モードで試験するときは,バーナを取り除き,その校正したときの位置にバーナを固定する(6.1参照)。
検出器にNo.2フィルタを設置し,光度計を記録計に接続する。検出器が覆われているとき,検出器の読
みがゼロになるように調整し,検出器の覆いを取ったとき(100%透過),最小感度目盛で最大スケールに
なるように調整する。
7.3
手順 炉から放射する熱に試験片をさらす。試験片表面の平均熱量は25kW/m2±0.5kW/m2でなけれ
ばならない。
パイロットバーナを適用しないときの標準試験片は,SRM 1006を用いる。
パイロットバーナを適用するときの標準試験片は,SRM 1007を用いる。
ダンパの吸入口を開け,排出口を閉じる(附属書D参照)。試験片ホルダを置き,炉の支持枠組上部ス
ライド上で試験片をブランク試験片ホルダの隣とする。ブランク試験片ホルダを取り除き炉の前に試験片
を移動する。
光の透過率 (T) と時間を記録するためデータ記録システムを始働する。
光の透過率が減少し始めたときダンパの吸入口を閉じる。
水頭柱圧150mmを超えたとき,排出口をしばらく開けて安全なレベルになるまで圧力を下げる。試験
中,記録計の感度は読みが最大目盛の10%〜100%の範囲になるように調整する。
光の透過率が0.01%以下の場合は外部から光が入らないように観測用の窓を閉じ,光路からレンジ拡大
用フィルタを取り除き,感度の倍率レベルを100にする。また,光の透過率が0.01%を超えるとフィルタ
を再挿入する。
20分間さらした後,有炎の場合はバーナを消し,ブランク試験片ホルダが炉の前にくるように試験片ホ
ルダを移動させる。
チャンバの放出物を吸入口及び排出口を開け押し流す。光の透過率 (Tc) のレベルが定常値になるまで
観測しこの値を記録する。各試験の終わりに(パイロット炎とともに)バーナを消す。各試験終了時,二
つの光学窓を清掃する。
7.4
試験結果 このチャンバの特定光学密度 (Ds) は,次による。
Ds=G [log10 (100/T) +F]
ここに,
G=V/AL
V: 試験チャンバの容積 (m3)
A: 試験片の暴露表面積 (m2)
L: 煙の中を通る光路の長さ (m)
T: 光感度検出器からの読みによる透過率
F: フィルタの光学密度
1/F: 光学系が着脱式フィルタを装着してない場合,又は着脱
式フィルタが透過率を測定中に光路にある場合は0
2/F: 着脱式フィルタが透過率を測定中に光路にない場合はフ
ィルタの既知の光学密度とする。
この場合,表A.1から得たDs値は附属書CのC.1.3.3
に示された方法によって決めた補正係数を加えるか減じ
て補正する。
最小光透過率に相当する最大特定光学密度 (Dm) を計算する。
一連の試験において,最大値Dmが最小値の1.5倍未満の場合は3試験片の平均値で表し,また,15倍
超過の場合は6試験片の平均値で表す。
計算したDm値及び厚さがNIST (NBS)(2)証明書に引用されている値と合致するか確認する。
7
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パイロット炎を消し,チャンバ内の煙が消え去った試験の終了時に算出された特定光学密度の値をDc
と表示する。
Ds (corr) =Dm−Dc
注(2) NBS : National Bureau of Standards, USA現在のNIST (National Institute of Standards and
Technology)
備考 チャンバ内部の光学装置に付着したすすや他の粒子の沈殿物を考慮に入れ補正した最大特定光
学密度Ds (corr) の値は最大特定光学密度Dmから試験の終了時の特定光学密度のDcを差し引い
て算出する。
8. 試験報告書(附属書E参照) 一連の試験において,試験報告書に次の情報を記入しなければならな
い。
− 記述
試験チャンバ:タイプ,製造社名,参考・・・・
サンプル:参考・・・・
各試験片:抜取方法,平均厚さ・・・・・
試験片の数,処理条件と厚さ
試験条件:接源方法(有炎又は無炎),試験期間,校正と操作値(炉の電源電圧,チャンバの温度)
− 主要な詳細な試験の状態と各試験片の試験中の挙動観測
− 各試験片について試験時間 (Ds=f(t))の関数としての特定光学密度 (Ds),平均値Dm,Dc及びDs (corr)
を示すカーブ
8
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附属書A(規定) 試験装置の詳細
図A.1 試験装置
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図A.2 炉の断面図
10
C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図A.3 炉及び試験片ホルダ用の支持
11
C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図A.4 試験片ホルダ及びパイロットバーナの詳細
12
C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図A.5 光度計の詳細
13
C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図A.6 放射計の詳細
14
C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注* 標準黒ペイント: 3m Co. Nextel 101-C10又は
crown : 7221と同等のもの
図A.7 銅円板熱量計
15
C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図A.8 チャンバ圧力調整及び逃がし機構
16
C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.1 透過率Tと特定光学密度Dsとの変換表(G=132の場合)
媒介変数及び透過範囲
%T
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
特定光学密度 (Ds)
倍率器:100
ND-2フィルタあり
100%〜10%透過
90
6
5
5
4
4
3
2
2
1
1
80
13
12
11
11
10
9
9
8
7
7
70
20
20
9
18
17
16
16
15
14
14
60
29
28
27
26
26
25
24
23
22
21
50
40
39
37
36
35
34
33
32
31
30
40
53
51
50
48
47
46
45
43
42
41
30
69
67
65
64
62
60
59
57
55
54
20
92
89
87
84
82
79
77
75
73
71
10
132
127
122
117
113
109
105
102
98
95
倍率器:10
ND-2フィルタあり
10%〜1%透過
90×10−2
138
137
137
136
136
135
134
134
133
133
80
145
144
143
143
142
141
141
140
139
139
70
152
152
151
150
149
148
148
147
146
146
60
161
160
159
158
158
157
156
155
154
153
50
172
171
169
168
167
166
165
164
163
162
40
185
183
182
180
179
178
177
175
174
173
30
201
199
197
196
194
192
191
189
187
186
20
224
221
219
216
214
211
209
207
205
203
10
264
259
254
249
245
241
237
234
230
227
倍率器:1
ND-2フィルタあり
1%〜0.1%透過
90×10−1
270
269
269
268
268
267
266
266
265
265
80
277
276
275
275
274
273
273
272
271
271
70
284
284
283
282
281
280
280
279
278
278
60
293
292
291
290
290
289
288
287
286
285
50
304
303
301
300
299
298
297
296
295
294
40
317
315
314
312
311
310
309
307
306
305
30
333
331
329
328
326
324
323
321
319
318
20
356
353
351
348
346
343
341
339
337
335
10
396
391
386
381
377
373
369
366
362
359
倍率器:0.1
ND-2フィルタあり
0.1%〜0.01%透過
90×10−3
402
401
401
400
400
399
398
398
397
397
80
409
408
407
407
406
405
405
404
403
403
70
416
416
415
414
413
412
412
411
410
410
60
425
424
423
422
422
421
420
419
418
417
50
436
435
433
432
431
430
429
428
427
426
40
449
447
446
444
443
442
441
439
438
437
30
465
463
461
460
458
456
455
453
451
450
20
488
485
483
480
478
475
473
471
469
467
10
528
523
518
513
509
505
501
498
494
491
倍率器:1
ND-2フィルタなし
0.01%〜0.001%透過
90×10−4
534
533
533
532
532
531
530
530
529
529
80
541
540
539
539
538
537
537
536
535
535
70
548
548
547
546
545
544
544
543
542
542
60
557
556
555
554
554
553
552
551
550
549
50
568
567
565
564
563
562
561
560
559
558
40
581
579
578
576
575
574
573
571
570
569
30
597
595
593
592
590
588
587
585
583
582
20
620
617
615
612
610
607
605
603
601
599
10
660
655
650
645
641
637
633
630
626
623
17
C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
媒介変数及び透過範囲
%T
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
特定光学密度 (Ds)
倍率器:0.1
ND-2フィルタなし
0.001%〜0.000 1%透過
90×10−5
666
665
665
664
664
663
662
662
661
661
80
673
672
671
671
670
669
669
668
667
667
70
680
680
679
678
677
676
676
675
674
674
60
689
688
687
686
686
685
684
683
682
681
50
700
699
697
696
695
694
693
692
691
690
40
713
711
710
708
707
706
705
703
702
701
30
729
727
725
724
722
720
719
717
715
714
20
752
749
747
744
742
739
737
735
733
731
10
792
787
782
777
773
769
765
762
758
755
0*
−
924
885
861
845
832
821
812
805
798
注*
情報用
18
C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B(規定) 構造の詳細
この装置で試験した結果と合致することが実証できれば,これ以外の装置を使ってよい。
B.1 炉(図A.2参照) 炉は,セラミック管(内径76.2mm)とらせん状電熱線(約525W)の二つの主要
な部品から構成する。
炉は,外径76.2mmの開口部を備え,試験片表面に均一に熱を放射しなければならない。
炉はチャンバの前部と後部の間の中点を通る中心線に沿って,開口部が右壁面に向かい,右壁面から
305mmに位置し,炉の中心線はチャンバの床面から約195mm上とする。
炉の制御システムは,チャンバの扉を閉じた定常条件下で20分間で規定の25kW/m2±0.5kW/m2の放射
レベルに保つ。
電熱線と炉の外面の距離は38.0mm±0.5mmとする。
B.2 試験片ホルダ(図A.4参照) 試験片ホルダは,深さ35mm,厚さ0.5mmのステンレス鋼板の曲げ加
工とろう付け(又はスポット溶接)加工したものでなければならない。試験片の暴露用の開口部は65.1mm
×65.1mmとする。
0.25mm厚さのりん青銅板は試験片と厚紙とをしっかりその位置に保持する曲げばねとして使う。
ブランク試験片ホルダとする試験片ホルダは,適切な孔の支え棒によって,縁を背に不燃性断熱板を入
れたものにする。
B.3 炉及び試験片ホルダの支持(図A.3参照) 炉及び試験片ホルダの枠組は,基本的に図A.3のような
構成でなければならない。
B.4 ガスバーナ 6個のチューブは,外径3.2mm厚さ0.8mmのステンレス鋼管でなければならない。すべ
ての管は先端口1.4mmの先細にする。バーナの水平管部分は外径6.4mm厚さ0.9mmのステンレス鋼管で
なければならない。多岐管の他端はチャンバ床面の管継手に取り付ける。
二つの外側の管は水平に向き,中央の二つの管は45°下向きで二つの中間の管は垂直に下向きとする。
B.5 光学装置(図A.5参照) 4.0V±0.2Vの一定電圧でILC(1)に準拠したタングステンフィラメント電灯
(型1630,6.5V)を点灯する。
光検出器は,ILC(1)に準拠した931-V-A型とする。
図A.5に準拠して附属品を取り付ける。
下側の光学窓は煙の凝縮を最小にするために約50℃に電気加熱する。
照準光線は,チャンバ内部で光路長914mm±3mm,外径38.1mm±3.2mmとする。
注(1) 国際照明協会 (International Lighting Commission)
二つの垂直な光学台座とハウジングを3本の金属棒で一列に並べチャンバ外部の上下に7.9mm厚さの板
に固く縛り照準光線に左右対称に並べる(図A.1参照)。
19
C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
B.6 放射計(図A.6参照) 放射計は,直径38.1mm,深さ3.2mmの凹部を設け,その凹部を覆う金属は
くをろう付けした銅塊から構成される。金属はくは,黒ペイントを噴霧塗装したもので放射率0.95である。
直径0.5mmの銅線が,銅塊を貫通し,はくの中心点でろう付けする。
このアセンブリは,黄銅製のハウジングに定置されている。放射熱源にさらされている間,温度が93℃
±3Kになるようにニードル弁で調整可能な圧縮空気流量を調節し,流量計によって維持する。温度を監視
する温度計を孔の中に収納してもよい。
B.7 熱量計(図A.7参照) 熱量計は,黒ペイントを噴霧塗装した直径38.1mmの銅円板(放射率0.95)
を用いて構成し,その銅円板上に最大径0.3mmの熱電対を固定する(図A.7参照)。
B.8 チャンバ壁面の熱電対 温度35℃の測定に適した熱電対を円板状電気絶縁性カバーとエポキシ接着
剤を用いて,熱電対のジャンクションとともにチャンバ後部の内壁中央になるように取り付ける。
B.9 試験チャンバ内圧制御装置(図A.8参照) 最初の試験中で内部の空気が暖まったり,試験片から燃
焼反応生成物を放出したとき,チャンバ内の圧力が上昇する。チャンバ内の圧力が水頭圧150mmを超え
ないように圧力逃がし弁装置を使って内部圧力を制御する(図A.8参照)。
水を満たした開口瓶とで一定長さの可とう管から適切な圧力調整器を構成する。チャンバ頂部の試料採
取口(又はマノメータ)に一端を接続する。瓶の水面100mmの下部に管の他端を挿入する。瓶はチャン
バの底面以下の高さとする。
20
C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書C(規定) 試験装置の調整及び保全
C.1 調整 次の調整は,試験結果の一貫性を保つために必要である。
C.1.1 炉の調節 試験片ホルダと炉の開口部との距離を定めるために38.1mmの鋼製型板を使用する。
C.1.2 放射計の校正(図A.6及び図A.7及び図C.1.3参照) 放射計による吸収熱線と放射計の電圧出力と
の関係を熱量計で定期的に制御する。
試験条件S1(備考参照)(90V〜95V) で定常状態で稼働している炉について,指標1における最初の比
較を次のように実施できる。
− 炉の校正時と同様に使われている放射計が,温度平衡状態で応答値R1 (mV) を示す。
− 放射計を移動し,速やかにその温度T0が室温に等しい熱量計を置く。約30秒間の温度上昇 (T1−T0) を
記録する。
− 熱量計を移動し室温まで空冷する。
時間当たりの温度上昇
dT
dT1は,時間当たりに受けたcm2当たりの熱量dt
dQ1に比例する。
dt
dT
G
dt
dQ
CU
1
1=
ここに, GCU: 銅円板の係数
出力電圧R1(単位時間当たり)の増加率をdt
dR1とし,kを熱電対の変換係数 (mV/K) としたとき,次の
式が得られる。
dt
dR
k
G
dt
dQ
CU
1
1
×
=
dT
dQ1はkW/m2で表す。
dT
dQ1,
dT
dQ2,
dT
dQ3,
dT
dQ4の四つの結果を設定値25kW/m2の上側に2個,下側に2個を打点さ
れるように炉の設定をS2,S3,S4(備考参照)と変えて,3回繰り返す。
備考 炉の調整装置によってS1は電圧又は温度のいずれでもよい。25kW/m2のS1値は,約90V〜95V
又は800℃〜1 000℃とする。
各放射熱流に対するR1,R2,R3,R4(定常状態の定数)をグラフに打点する。dt
dQe=25kW/m2を内挿して
放射計の校正値Reを求める(図C.1に例示するグラフ参照)。
21
C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図C.1 放射計の校正値の例
推奨
a) 定数Gの決定に際し必要な事項
c=ジュール/グラム・ケルビンで表される銅の比熱 (0.38J・g−1K−1)
m=グラムで表される銅円板の質量
a=円板暴露面の黒色塗膜の吸収係数(無名数)
s=cm2で表される暴露面の正味面積
GCU=cm2・ケルビン当たりのジュールで表され次の式による
(
)
1
2
−
−K
cm
J
s
a
c
m
GCU
・
・
・
・
=
b) 熱電対の校正は,少なくとも年1回は実施する。
熱量計が退色していたら塗膜をはがし表面を清掃する。円板を再塗装し再使用する前に新たに校正を実
施し適切な補正をした校正常数GCUを用いる。
C.1.3 光学装置の校正 直線応答を得るため光線が一直線になっていることが必す(須)であり,測定装
置が直線応答するものでなければならない。
C.1.3.1 光軸合せ 光学装置を最低感度範囲(T=100%実物大)に調整し,直径51mmの同心円を描いた外
径115mmの薄い乳白色円板を上部光学窓の中心上に取り付ける。
投影像が中心にくるまで光線を調整し,最大光度計の読みを得る。
光度計の電源を切り,天井にある光学系ハウジングから覆いを取り去る。搭載レンズから補正用フィル
タホルダを取り去り光束の収束を観測する。適切に焦点と光軸を合わせた光線は,光電子増倍管の円板開
口部上に小さな輝点を形成する。
この調整を行うために,レンズ取付ねじをごくわずか緩め,注意深く焦点を再び合わせる。ねじを締め
光点を再確認する。補償フィルタのホルダをレンズ取付部に再び取り付けハウジングカバーを再びかぶせ
る。光が漏れないようにすべてのねじが再び取り付けられているか確かめる。
備考 フィラメントの関係で,形は完全な円にはならないであろう。
C.1.3.2 直線性の確認 直線性の確認の正確さは,透過率がスペクトル帯の波長 (500nm〜700nm) によっ
て変わるというフィルタの透過特性に依存している。
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C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
光学装置の直線性は光学密度が既知の数種のフィルタを下部の光学窓に置いて測定して得られた光学密
度の値を記録し,既知の値と比較して評価する。
C.1.3.3 範囲拡張フィルタの確認(光学密度2.0) このフィルタの正確な透過率の確認のためには,次の
手順で進める。
− 光路にフィルタを取り付け光学装置を調整して,操作条件でチャンバを固定させる。
− 1目盛範囲で約50%の透過率を得るのに十分な厚さの白布又はティッシュで下部窓を覆う。
− 範囲スイッチを100%目盛範囲へ戻し,光路から範囲拡張フィルタを取り外す。
− 正確に読み50%を得るようにマイクロメータのノブを調整する。
− フィルタを元の位置へ戻した後,1%目盛で読みが50でなければならない。1%目盛で読みが50なら
ばフィルタの値は正確に光学密度2.0であり,変換表(附属書A表A.1)がそのまま使用できる。そ
うでなければ表C.1を用いて補正係数を決める。
備考 上記の範囲拡張フィルタの確認方法は,NBS(1)煙チャンバを用いる各国各産業界の試験方法と
必ずしも同一でない。
注(1) National Bureau of Standards, USA現在のNIST (National Institute of Standards and Technology)
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C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表C.1 DSの補正係数
透過値
フィルタの光学密度
補正値
31
2.21
+27
32
2.19
+25
33
2.18
+24
34
2.17
+22
35
2.16
+20
36
2.14
+19
37
2.13
+17
38
2.12
+15
39
2.11
+14
40
2.10
+13
41
2.09
+11
42
2.08
+10
43
2.07
+8
44
2.06
+7
45
2.05
+6
46
2.04
+5
47
2.03
+3
48
2.02
+2
49
2.01
+1
50
2.00
0
51
1.99
−1
52
1.98
−3
53
1.97
−4
54
1.965
−5
55
1.96
−6
56
1.95
−7
57
1.94
−8
58
1.935
−9
59
1.93
−10
60
1.92
−11
61
1.91
−12
62
1.905
−13
63
1.90
−14
64
1.90
−14
65
1.89
−15
66
1.88
−16
67
1.87
−17
68
1.865
−18
69
1.86
−19
70
1.85
−20
C.2 装置の保全
C.2.1 試験チャンバ チャンバ内壁を定期的に非研磨性パッドで清掃する。
C.2.2 ガスバーナ 残さで管がふさがれて,径が0.30mm〜0.35mmで長さ約90mmの硬い鋼線(例えば,
ばね線)でバーナ管の小孔を清掃する。
バーナを取り除いたとき,可能な限りすぐにバーナのオリフィスに鋼線を挿入し,次にバーナを使用す
るときまで鋼線を挿入したままにしておくとよい。残さ又は付着物が除去できないとき,バーナ取扱上適
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C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
切な予防措置をとり,バーナを適切な溶液槽に完全に浸してもよい。
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C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書D(参考) 試験装置の例
図D.1 例1
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C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図D.2 例2
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C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書E(参考) 証明書の例
E.1 証明及び校正
E.1.1 放射計
− C.1.2との適合性
− 他の方法
− 放射計校正日
− 93.3℃で得られた空気流れ
− 炉の校正日
− 炉/放射計との距離
E.1.2 光学装置
− チャンバ入口における光源の光度の光輪の直径
− 整列
− 元のフィルタを使用した場合の直線性
− 光の漏れ
− フィルタを使用したときの光密度の測定
E.1.3 チャンバ気密性
− 漏れ率の証明6.3との整合性
− 水が76mmと50mmになる時間
− 他の手順
− 各種の接続に使う材料
E.1.4 試験片ホルダ
− 形式,厚さ及び試験片固定板の比重
E.1.5 バーナ
− 試験片ホルダを考慮した各バーナの方位の確認
− 使用ガス
− プロパンとブタンの流量計との実証(流れと漏れ率)
E.1.6 試験片
厚さの測定
− 測定箇所
− 使用マイクロメータの圧力との表面
(ISO 1923参照)
E.1.7 他の特徴又は問題
E.2 試験成績書
− 標準試験片
− 試験 n°
− 装置
− 日
− 研究所
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C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
E.2.1 試験前の読みと測定
E.2.1.1 環境
− 室温 ℃
− 相対湿度 %
E.2.1.2 試験装置
− チャンバの表面条件
− チャンバの漏れ率
t0
mmH2O
t5
mmH2O
− 抵抗器と炉の開きとの距離 mm
− 炉の開きと試験片との距離 mm
− 炉の電圧 V
− ヒータがひずんでないことの証明
− 放射計の読み mV
− 熱流 kW/m2
− チャンバの圧力 mmH2O
− チャンバの温度 ℃
E.2.1.3 炎とバーナによる熱暴露
− ガスバーナの条件(バーナの管の清掃)
− 水平パイロット炎における試験片ホルダ下端からの距離 mm
試験片表面からの距離 mm
− 炎の寸法 mm
− プロパンの流量率 cm3/min
− 空気の流量率 cm3/min
E.2.1.4 試験片
条件
− 温度 ℃
− 相対湿度 %
− 期間 時間
E.2.2 試験後の読みと測定
− 室温 ℃
− 試験片の後部の温度 ℃
E.2.3 結果
− 試験の有効性
(試験片の挙動)
− 試験片の質量
− 質量減少
− 最小透過 %
− 最大特定光学密度 Dm=
− 光線の数値 % 等価Dc=
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C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
− Ds(補正値)=Dm−Dc=
− カーブDs=f (t)
− フィルタの特定光学密度の補正値
環境試験及び分類JIS原案作成耐火性試験委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
鈴 木 俊 雄
財団法人電気安全環境研究所
(幹事)
乾 泰 夫
帝人化成株式会社
八 田 敏 正
日立電線株式会社
森 田 修 司
宇部興産株式会社
吉 田 公 一
社団法人日本船舶品質管理協会
(委員)
八 田 勲
工業技術院標準部
橋 本 進
財団法人日本規格協会
山 田 隆
財団法人日本品質保証機構
香 月 比呂子
通商産業省製品評価技術センター
斎 藤 俊 樹
資源エネルギー庁公益事業部
高 橋 公 平
スガ試験機株式会社
坂 東 憲 雄
タツタ電線株式会社
柿 本 光 敏
元シャープ株式会社
日 部 恒
元株式会社日立製作所
萩 原 壽 夫
社団法人電線総合技術研究センター
斎 藤 武 雄
株式会社アフティ
酒 井 昌 利
日本プラスティック工業連盟
柴 田 和 男
社団法人日本電機工業会
関 谷 洋 紀
株式会社東芝
高 杉 和 徳
株式会社東芝
中 島 久 男
日本コロムビア株式会社
中 村 典 生
財団法人電気安全環境研究所
岡 田 美津雄
古河電気工業株式会社
松 木 明
財団法人日本電子部品信頼性センター
(事務局)
喜多川 忍
財団法人日本電子部品信頼性センター