C 60695-6-1:2006 (IEC 60695-6-1:2001)
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本電子部品信頼性センター(RCJ)
/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日
本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 60695-6-1:2001,Fire hazard testing
−Part 6-1:Smoke opacity−General guidanceを基礎として用いた。
また,令和2年6月22日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標準
化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS C 60695-6-1には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考)可視度の計算
附属書B(参考)JIS C 60695-6-30及びJIS C 60695-6-31で測定したDsと他のパラメータとの関係
附属書C(参考)3 m立方エンクロージャで測定した透過率(%)と煙減光面積Sとの関係
C 60695-6-1:2006 (IEC 60695-6-1:2001)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 2
3. 定義 ······························································································································ 2
4. 煙試験方法の概要 ············································································································ 4
5. 煙測定の原理 ·················································································································· 6
6. 静的方法及び動的方法 ······································································································ 9
7. 試験方法 ······················································································································· 11
8. データの表現 ················································································································· 13
9. データと火災危険性評価との関連性 ··················································································· 13
附属書A(参考)可視度の計算 ······························································································ 14
附属書B(参考)JIS C 60695-6-30及びJIS C 60695-6-31で測定したDsと他のパラメータとの関係 ····· 16
附属書C(参考)3 m立方エンクロージャで測定した透過率(%)と煙減光面積Sとの関係 ·············· 19
日本産業規格 JIS
C 60695-6-1:2006
(IEC 60695-6-1:2001)
耐火性試験−電気・電子−第6-1部:
煙不透過性−一般指針
Fire hazard testing-Part 6-1:Smoke opacity-General guidance
序文 この規格は,2001年に第1版として発行されたIEC 60695-6-1,Fire hazard testing−Part 6-1:Smoke
opacity−General guidanceを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本産業規
格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
火災危険はどのような電気回路においても考慮する必要がある。そして,コンポーネント,回路及び機
器の設計目標は,材料の選択と同様に,予測可能な異常使用,不調又は故障という場合であっても,火災
の可能性を小さくすることである。
電気・電子製品は最初に火災の対象となるが,煙の発生のため火災危険の一因となる。そしてその煙の
発生は,建物からの脱出,又は消火活動を妨げる視野及び/又は方向感覚の喪失の原因となるかもしれな
い。
煙の粒子は,光の吸収及び散乱のため,可視性を低下させる。その結果,出口表示,ドア及び窓を見つ
けにくくする可能性がある。可視性は,物体がもはや目に見えなくなる距離で決められることが多い。可
視性は多くの要因によって決まるが,可視性と煙の減光係数の測定値との間には,密接な関係が確立され
ている(附属書A参照)。
煙の生成物及びその光学特性は,例えば,発生熱及び火炎伝ぱのようなほかの燃焼特性と同時に測定し
てもよい。この規格は手引書としての役目を果たし,煙による光の不透過度を扱っている。
1. 適用範囲 この規格は,煙不透過性に関する次の事項について規定する。
a) 煙による不透過度の光学的測定
b) 光学的煙試験方法の一般的側面
c) 試験方法について考慮する事柄
d) 煙試験データの表現
e) 危険性評価に対する光学的煙データの関連性
この規格は,IEC Guide 104によるところの基本的安全規格であり,製品規格の作成に当たっては,可
能な限り本規格を使用することが製品規格に関する原案作成委員会の責務の一つである。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
IEC 60695-6-1:2001,Fire hazard testing−Part 6-1:Smoke opacity−General guidance (IDT)
2
C 60695-6-1:2006 (IEC 60695-6-1:2001)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構
成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。
JIS C 60695-6-30 環境試験方法−電気・電子−火災危険,火災のもつ潜在的・偶発的危険の試験方法
−火災に遭った電気製品からの煙による光の不透過度に起因する視界のさえぎりの評価に関する
指針及び試験方法:小規模静的試験方法−煙による光の不透過度測定−試験装置の記述
備考 IEC 6095-6-30:1996 Fire hazard testing−Part 6: Guidance and test methods on the assessment of
obscuration hazard of vision caused by smoke opacity from electrotechnical products involved in fires
−Section 30:Small scale static method−Determination of smoke opacity−Description of the
apparatusが,この規格と一致している。
JIS C 60695-6-31 環境試験方法−電気・電子−耐火性試験−煙による光の不透過度の測定−小規模静
的試験方法−材料
備考 IEC 60695-6-31:1999 Fire hazard testing−Part 6-31: Smoke obscuration−Small−scale static test
−Materialsが,この規格と一致している。
JIS K 7242-2:1998 プラスチック−煙の発生−第2部:シングルチャンバ試験による煙の光学密度試
験方法
備考 ISO 5659-2:1994 Plastics−Smoke generation−Part 2: Determination of optical density by a
single-chamber testが,この規格と一致している。
IEC 60695-1-1:1999 Fire hazard testing−Part 1-1:Guidance for assessing the fire hazard of electrotechnical
products−General guidance
参考 JIS C 60695-1-1:2000 環境試験方法−電気・電子−耐火性試験電気製品の火災危険評価指針
−一般指針 が,IEC 60695-1-1:1995と一致している。
IEC 60695-6-2:2001 Fire hazard testing−Part 6-2:Smoke obscuration−Summary and relevance of test
method
IEC Guide 104:1997 The preparation of safty publications and the use of basic safty publications and group
safety publications
ISO/IEC 13943:2000 Fire safety−Vocabulary
ISO/TR 9122-1:1989 Toxicity testing of the effluents−Part 1:Genaral
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,ISO/IEC 13943によるほか,次による。
3.1
煙の減光係数 (extinction coefficient of smoke) 煙の不透過度を測定するために使用した光の透過長
さで除した煙の不透過度の自然対数。
3.2
煙の減光面積 (extinction area of smoke) 減光係数と煙が占めている体積との積。
備考 煙の減光面積は,煙の量の尺度である。
3.3
煙の特定光学密度 (specific optical density of smoke) 幾何学的因子を乗じた光学密度。
(ISO/IEC 13943,definition 154,modified)
備考 この場合,“特定”という用語の使い方は“単位質量当たり”を意味するのではなく,むしろ特
定の試験装置及び暴露した試験片の表面に関連する量を意味する。
幾何学的因子は,V/ALであって,Vは試験チャンバの容積,Aは試験片の暴露表面積,及び
Lは光の透過長さである。
3
C 60695-6-1:2006 (IEC 60695-6-1:2001)
3.4
煙の比減光面積 (specific extinction area of smoke) 試験片の損失質量で除した煙の減光面積。
3.5
煙の質量光学密度 (mass optical density of smoke) 因子V/Δ m Lを乗じた光学密度。
ここに V:試験チャンバの容積
Δm:試験片の損失質量
L:光の透過長さ
3.6
火災モデル (fire model) 燃焼の一つの相,それ以上の相又は相と相との転移を表したり,予測した
り又は再現したりするように意図された手順又は過程。
(ISO/IEC 13943,definition 51)
3.7
フラッシュオーバ (flash-over) 仕切内の可燃物の表面すべてが,急速に火に包まれた状態へ変化す
る現象。
(ISO/IEC 13943,definition 77)
専門用語集
記号
量
代表的単位
A
試験片の暴露面積
m2
D
線形吸収係数
[通常,m(メートル)当たりの光学密度とい
う。]
m-1
D'
光学密度
無次元数
Dmass
質量光学密度
m2kg-1
Ds
特定光学密度
無次元数
Dmax(又はDm) 最大特定光学密度
無次元数
I
入射光線強度
W
I/T
入射光の透過光に対する比率
無次元数
k
線形自然対数吸収係数
(通常,減光係数という。)
m-1
L
煙の中の光の透過長さ
m
Δm
試験片の質量減少
kg
m
質量減少率
kg s-1
S
煙の減光面積(煙の全量を表す。)
m2
S
減光面積の変化率
m2 s-1
t
時間
s
Δt
サンプリング時間間隔
s
T
透過光線強度
W
V
チャンバの容積
m3
V.
煙の体積流量率
m3 s-1
σf
比減光面積
m2kg-1
γ
可視度と減光係数との比例定数
無次元数
ω
可視度
m
備考1. log10に基づく量,すなわちD,D',Dmax,Dmass及びDsは類似している記号
であるが,これらは異なる量であり,また異なる単位である。
2. 特定光学密度Dsのように,用語“特定”の使い方は,単位質量当たりを示
すものではない。
4
C 60695-6-1:2006 (IEC 60695-6-1:2001)
4. 煙試験方法の概要
4.1
火災シナリオ及び火災モデル 近年,燃焼放出物の分析技術は大きく進歩した。燃焼生成物からな
る混合物の組成は,特に燃焼材料の性質,支配的温度(燃焼している時間の中で多くの時間を占める温度。
最大温度ではない。)及び換気状態,特に火面と酸素との接触の仕方に依存することが分かっている。表1
は,火災の異なる段階がどのように換気と関係するかを示す。実規模の火災とできるだけ一致させるため,
実験室規模の試験条件を表1から導くことができる。
火災は,物理現象と化学現象とが複雑に絡み合ったものである。そのため,実験室規模の装置内で実火
災のすべての様相を模擬することは困難である。火災モデルの妥当性の問題は,すべての火災試験に関連
した最も複雑な技術的問題となっている。
電気・電子製品の火災危険性評価のための一般指針は,IEC 60695-1-1による。
着火後の火災の進展の仕方は,可燃材料の物理的な配置はもちろん,環境条件によっても異なる挙動を
示す。しかし,ある区画内での火災の進展の仕方については,“温度−時間曲線”で示す場合,一般的に“三
つの段階+減衰の段階(図1参照)”であることが分かっている。
第1段階(無炎燃焼分解)は火災室の温度がほとんど上がらない,持続燃焼に先立つ火災の初期段階で
ある。発火及び煙の発生がこの段階の主な危険要因である。
第2段階(火災の進展)は発火で開始し,火災室の温度の急上昇を伴って終了する。煙の発生に加えて,
炎の伝ぱ及び熱の放出がこの段階の主な危険要因である。
第3段階(火災の最大展開)は,火災室内のすべての可燃物の表面が急速,かつ,大幅な温度上昇(フ
ラッシュオーバ)を伴って,突然の発火が部屋中で起こる程度にまで分解してしまっているときに始まる。
第3段階の終わりの時点では,可燃物及び/又は酸素の大部分を消費している。その結果,系の熱移動
特性及び物質移動特性並びに換気に依存する速度で温度が低下する。これが減衰である。
各段階で分解生成物の異なる混合物を形成し,次いでこの混合物がその段階における煙の密度に影響を
及ぼす。さらに,火災シナリオを検討する場合には,付随して起こる熱流束,利用できる酸素量及び煙の
換気設備の条件についての情報が特に必要である。
5
C 60695-6-1:2006 (IEC 60695-6-1:2001)
表 1 火災の一般分類(ISO/TR 9122-1)
火災
酸素(1)
%
比率
CO2/CO(2)
温度(1)
℃
放射照度(3)
kW/m2
第1段階
無炎燃焼分解
1)くすぶり
(自己継続)
21
適用外
<100
適用外
2)無炎燃焼(酸化)
5〜20
適用外
<500
<25
3)無炎燃焼(熱分解)
<5
適用外
<1 000
適用外
第2段階
火災の進展(有炎燃焼)
10〜15
100〜200
400〜600
20〜40
第3段階
火災の最大展開
(有炎燃焼)
1)比較的少ない換気
1〜5
<10
600〜900
40〜70
2)比較的多い換気
5〜10
<100
600〜1 200
50〜150
注(1) 区画内での一般環境条件(平均)
(2) 火炎近傍の炎流内の平均値
(3) 試験片上の放射照度(平均)
図 1 区画内における火災の種々の段階
4.2
煙の生成物に影響を与える要因
4.2.1
概要 多くの要因が煙の生成及び煙の特性に影響を与える。そのような特性をすべて記載すること
は不可能であるが,幾つかの重要な変数の影響が確認されている。
4.2.2
分解の形態 煙は燃焼によって発生する。燃焼には有炎燃焼又は無炎燃焼があり,くすぶりを伴う
こともある。そしてこれらの異なった燃焼の形態は,全く別の種類の煙を発生する可能性がある。
無炎燃焼では揮発物が温度上昇によって発生する。揮発物は冷えた空気と混ざると,明るい色の霧状の
区画温度
第1段階
無炎燃焼分解
第2段階
火災進展期
第3段階
最大展開期
減衰期
0
着火
フラッシュオーバー
時間 t
6
C 60695-6-1:2006 (IEC 60695-6-1:2001)
粒子のように見える球状小滴に凝縮する。有炎燃焼では,粒子が非常に不規則な形状の黒色カーボンの多
い煙が発生する。有炎燃焼で生じる煙粒子は,ガス相及び不完全燃焼を引き起こすほど酸素濃度が十分低
い領域において形成する。炎の中の炭素質の煙粒子は,黄色の発光体のように見える(黒体の放射のよう
に)放射エネルギーを放つ。
無炎燃焼で発生する球状小滴の粒径は一般的に1 μmぐらいであるのに対し,有炎燃焼で発生する不規
則なすす粒子の大きさはしばしばより大きいだけでなく,正確に決めることが困難であり,またその大き
さは測定技術に左右される。
煙の量は,無炎燃焼より有炎燃焼の方がはるかに少ないということが木材の火災でしばしば観察される。
しかし,プラスチックでは,無炎燃焼で発生する煙の量が有炎燃焼で発生する煙の量より少ないか多いか
というようなまとまった概念はない。これらの理由によって,煙の試験は試験片での着火及び消火の時間
と同様,着火するかどうかを記録することが重要である。さらに,温度の低い煙が複合部品の背面から発
生することがある。これは,炎にさらされた表面から出る煙とは色及び組成において実質的に異なる。
試験片上の熱流束は,材料の燃え方に影響する。入射放射のより高いレベル(例えば40 kW・m-2〜50 kW・
m-2)はもちろん,低いレベル(15 kW・m-2〜25 kW・m-2)で材料から発生する煙を評価することもよい方法であ
る。このようにして,材料の発煙傾向に対する炎の成長段階の影響を評価できる。
4.2.3
換気及び燃焼環境 煙の発生量は火災シナリオによって決まるものであり,単にどの材料が燃える
かだけには依存しない。幾つかの材料では煙の生成量は,換気を制限することでかなり増加することが分
かっている。
実際の火災シナリオでの煙の発生量を決めるときに常に考慮すべきことは,燃焼速度及び燃焼にかかわ
る面積である。燃焼部分の単位要素当たりで少量の煙を発生する材料が,広い表面積にわたって急速に火
炎伝ぱする実際の火災の場合,多量の煙を発生することもある。
4.2.4
時間及び温度 煙粒子は時間がたつにつれて凝集することから,煙粒子の粒径分布も時間とともに
変化する。また,温度によって変化する性質もある。したがって,発生後時間が経過して冷えた煙の性状
は,発生して間もない熱い煙の性状とは異なることがある。これらの要素は,火災工学者が大きな建築物
中の潜在的な煙の動きを判断するために重要なものである。また,これらの要素は,発煙性試験を開発す
る場合にも考慮する必要がある。
4.2.5
煙粒子の除去機構 大きな煙粒子は,多くの機構によって除去され得る。放射熱源が燃焼ガス中に
存在する蓄積方法による試験では,煙粒子の再循環によって煙粒子の再加熱分解が起こり得る。ほかのよ
り大きな煙粒子の除去機構は,粒子の試験室内壁への付着及びかくはんファンによる作用を含む。これら
の機構は煙が火災空間を循環する実際の火災においても発生する。また,これらの効果は蓄積方法による
発煙性試験において見られるため,これらの試験においては,熱源への試験片の暴露初期段階(例えば,最
初の10分間)が煙発生率の決定に最も適切であることが認識されている。
5. 煙測定の原理 煙は霧状の粒子からなることから,煙量は質量特性(煙粒子の質量),光の不透過特性
及びこれら二つを複合したものから測定することができる([1]参照)。この規格は,視界の遮りに注目し
ており,質量測定法に関しては規定していない。光の不透過特性は,光路中の粒子の数,大きさ及び性状
の関数である。粒子が球状と考えると,煙が光を遮る度合いは,光路中に存在する粒子の断面積の合計に
関係する。これは平方メートル(m2)といった面積の単位で表す。
煙測定は,小規模,中規模又は実規模試験で行われる。煙の測定は,蓄積方法又は静的方法と呼ばれる
閉鎖系で実施することができる。また,煙の測定は動的方法と呼ばれる流動系でも実施することができる。
7
C 60695-6-1:2006 (IEC 60695-6-1:2001)
静的方法はすべて小規模試験又は中規模試験であり,動的方法はすべての規模での試験で使用できる。
5.1
ブーゲの法則(Bouguerʼs law) 光学的煙測定方法は,吸収体による単色光の減光を解説したブーゲの
法則から導かれる。
kL
e
I/T=
·················································································· (1)
)
/
)1n(
1(
T
I
/L
k=
········································································· (2)
(kの単位は,m-1のような長さの逆数である。)
ここに, T: 透過光線強度
I: 入射光線強度
L: 煙の中の光の透過長さ
k: 線形自然対数吸収係数(又は減光係数) (図2参照)
図 2 煙による光の減衰
5.2
減光面積 煙量測定の実用的な方法は,すべての煙粒子の総有効断面積を求めることである。この
面積は煙の減光面積Sとして知られている。減光面積は,光線中の煙粒子によって投影される影の総面積
と考えることができる。
減光面積は,減光係数及び煙の収容される容積に関連した次の式で表す。
kV
S=
···················································································· (3)
ここに, Vは煙の収容されるチャンバの容積である。
この式は,煙が均質の場合にだけ適用する。
図 3 減光面積
L
I
T
減光係数=kの煙
光線
煙粒子
影
8
C 60695-6-1:2006 (IEC 60695-6-1:2001)
5.3
常用対数(log10)単位 単位光路の長さ当たりの光学密度(D)の算出に,常用対数を使用する例もある。
Dは線形常用対数吸収係数と呼ばれ,k(線形自然対数吸収係数)と同様にm-1といった長さの逆数の単位を
もつ。
DL
T
/
I
10
=
··············································································· (4)
)
/
(
log
)
/1(
10
T
I
L
D=
··································································· (5)
k=Dln10 又は k=2.303D ·························································· (6)
減光面積Sは,Dから次の式によっても算出できる
DV
.
S
303
2
=
············································································ (7)
文献中には数種類の常用対数を使用した算出方法が存在するが,通常使用されるものは無次元の光学密
度 D'=log10(I/T) である。これによって得られた煙量D' は,光の透過長さに比例したものであり,試験
装置特有の値となるため,ある試験装置で得られた結果は,ほかの試験装置で得られた結果と直接比較す
ることはできない。
5.4
光源 煙測定には,白色光及び単一レーザ光を使用する。
煙中を通過する光の減衰は光の吸収及び散乱に依存し,レーザ光の場合は特に波長にも依存するため,
異なる光源を使用した測定システムによって得られた結果を比較する場合は,注意が必要である。
5.5
比減光面積 試験片の質量減少を測定してある試験では,比減光面積σfが算出できる。
Δm
/
S
=
f
σ
·············································································· (8)
ここに,Δmは試験片の質量減少である。
σfの単位は,面積/質量となる(例 m2・kg-1)。
比減光面積σfは,小規模試験及び大規模試験の両方で得ることができる煙の基本的な測定値である。こ
れは,次に依存しない。
− 測定における光の透過長さ
− ガス流量
− さらされる製品の表面積
− 試験片の質量
比減光面積σfは,試験片の単位質量減少当たりの煙生成量を明確にするために使用する。
例えば,80 gの試験片を無炎燃焼条件で試験し,質量減少が50 g,残さが30 g,そして50 gの熱分解生
成物の揮発分による減光面積が4 m2であった場合,比減光面積σfは0.08 m2・g-1となる。また,同一試料
を有炎燃焼条件で試験し,質量減少が60 g,残さが20 g,そして燃焼生成物による減光面積が30 m2であ
った場合,比減光面積σfは0.5 m2・g-1となる。
比減光面積からは,火災による煙発生量も火災による煙発生速度も知ることはできないことを理解する
ことが重要である。これらの情報を得るためには,比減光面積σfに加え,試験片の質量減少(Δm)又は試
験片の質量減少速度(m.)のいずれか一方を知る必要がある。発生した煙による減光面積Sは,次の式による。
Δm
S
f
σ
=
·············································································· (9)
動的測定システム(6.2参照)での比減光面積は,次の式による。
=
m
/
kV
f
σ
············································································· (10)
ここに,
V: 煙の体積流速
9
C 60695-6-1:2006 (IEC 60695-6-1:2001)
m: 質量減少速度
煙発生速度(
S)は,次の式による。
=
m
S
f
σ
·················································································(11)
5.6
質量光学密度 常用対数単位を使用した場合の比減光面積(σf)に対応する量は,質量光学密度
(Dmass)と呼ばれ,比減光面積との関係は,次の式による。
/2.303
10
/ln
f
f
mass
σ
σ
=
=
D
························································· (12)
Dmassの単位は面積/質量(例 m2kg-1)となる。
静的システム(6.1参照)においては,次の式による。
L
Δm
V
D
D
/
mass
′
=
····································································· (13)
ここに, Dmass: 質量光学密度
D': 光学密度
V: チャンバ容積
Δm: 試験片の質量減少
L: 煙の中の光の透過長さ
動的システムにおける質量光学密度は,次の式による。
=
m
DV
D
/
mass
········································································ (14)
5.7
可視度 可視度(ω)とk(又はD)との比例定数(γ)が分かっている場合,可視度は煙の量(減光面積)及
び煙の収容された容積から直ちに算出できる。
)
(
S
/
V
γ
ω=
··········································································· (15)
D
.
k
ω
ω
γ
303
2
=
=
····································································· (16)
可視度の算出方法の詳細は,附属書Aに示す。また,各種試験によって各種の測定単位を用いて得られ
た煙のパラメータの関係は,附属書B及び附属書Cに示す。
6. 静的方法及び動的方法
6.1
静的方法 静的煙試験では,試験片は閉鎖されたチャンバの中で燃焼し,生成した煙は時間に従っ
て増量する。試験によっては,煙が層になることを防ぐとともに煙を均一にするためにかくはんする。
煙の量は,煙を通過する光の減衰を観測することによって測定する。煙の減光面積は,煙生成量につい
ての役立つ指標であり,また,煙の不透過度,チャンバの容積及び煙の中の光の透過長さの関数である。
S=(V/L)ln(I/T) ······································································· (17)
この式は,煙が均質である場合にだけ適用する。
JIS C 60695-6-30及びJIS K 7242-2を含め幾つかの試験では,煙量は光学密度から算出し,また試験片
の表面積の値Aに標準化できる。特定光学密度Dsは,次の式による。
[
]
)
/
(
log
)
/(
10
s
T
I
AL
V
D=
··························································· (18)
10
C 60695-6-1:2006 (IEC 60695-6-1:2001)
試験片の厚さが煙生成量に影響すると考えられる。Ds値は,異なる厚さの試験片間で直接比較すること
はできない。比較する場合は,試験片厚さは同一にする必要がある。
Ds (又はS)測定の目的は,視界の予測を可能にすることである。しかし,試験チャンバ内部の視界は,
通常,知りたいとされているものではない。知りたいとされているものは,対象としているシナリオの中
の視界を試算することである。JIS C 60695-6-30のような静的試験方法によって得られたデータに基づき,
そのような試算をすることは可能である。しかし,火災モデルを変更した場合,煙生成過程及び煙の成長
の仕方の両者が変化する可能性があるので,あくまでも単なる試算であることを認識しなければならない。
6.2
動的方法 動的システムでは,試験片からの煙は排気系の中を基準の流速で通過し,煙の不透過度
は,煙中を通過する光線の透過強度を一定の時間間隔で観測することによって測定する(図4参照)。
ある瞬間の煙生成速度(
S)は,次の式による。
=kV
S
·················································································· (19)
ここに,
V: 排気ガスの流量
S: 単位は面積/時間(例 m2s-1)
動的システムによって煙生成率は,直ちに確定される。これは,単位時間当たりの減光面積として表現
される。ASTM E1354 [2],コーンカロリーメータ又はファーニチャーカロリーメータのように,試験片の
表面積が既知の場合,煙生成速度は試験片単位面積当たりの値に標準化できる。この値は,時間の逆数で
表されることとなる[例 (m2s-1)m-2,すなわちs-1] 。
V
T
I
L
kV
S
)
/
n(
1)
/1(
=
=
······························································· (20)
図 4 動的煙測定
積算値である総煙生成量もまた,材料又は異なる燃焼時間で煙を生成するというシナリオを比較する場
合,特に注目される。総煙生成量は規定時間内に生成した減光面積として測定され,この値は,次の式に
よる。
t
S
S
d
=
················································································· (21)
ここに,
S: 総煙生成量(総減光面積)
t: 時間
データの積算を終えるまでの時間は,決めておかなければならない。コーンカロリーメータの場合は,
この時間は試験の終了までである。その単純な例を挙げると,試験片の単位面積当たりの質量減少速度が
決めておいた値(例えば,25gm-2s-1)に達したときである。実規模試験の場合は,ほかの評価基準が必要とな
L
T
減光係数=kの煙
V.
V.
I
11
C 60695-6-1:2006 (IEC 60695-6-1:2001)
ることもある。
総煙生成量は燃焼面積が分かっていれば,単位面積当たりの値として表現することができる。
一般的に閉鎖系での試験片の燃焼による煙生成量は,動的システムによる類似の燃焼試験による煙生成
量よりも少ない。これは静的システムにおいての測定は,煙の時間的変化並びにチャンバ内壁への沈着又
は内壁との相互作用による損失の影響をより受けやすいためである。
7. 試験方法
7.1
試験方法の検討 火災モデル又は評価する危険性に最も適したモデルを検討し,それらに類似した
火災モデルを対象とした試験方法を選定することが重要である(IEC 60695-6-2参照)。
試験方法の選定においては,検討している試験方法に対して,次の点を考慮するのが望ましい。
− 試験が対象製品の形状及び構成に対応し得るか。
− 試験方法が評価対象となる火災の場面を再現しているか。
− データは十分に識別でき,また,十分な分解能をもった適切な形式で得ることができるか。
これらのいずれかに適合しない場合,検討している試験方法を修正するか,又は代わりの試験方法を検
討しなければならない。
新たに試験方法を適用する場合において,現存する試験方法の適合性を評価するためのフローチャート
を図5に示す。
7.2
試験片の選定 様々な種類の試験片が試験される。製品試験において試験片は,製造された製品で
ある。模擬製品試験においては,試験片は製品を代表する一部分である。また,試験片は基礎材料(固体又
は液体)又は材料の複合体であってもよい。
試験片の種類は,発煙性試験の規模に応じて決定する。小規模試験は,材料及び小形製品,又は大形製
品を代表する試験片の試験により適している。大規模試験においては,製品そのものを試験することがで
きる。試験片を選択できるのであれば,使用状況を最も反映した試験片を選択することが望ましい。
12
C 60695-6-1:2006 (IEC 60695-6-1:2001)
図 5 煙試験方法の評価及び検討
試験を適応できる
よう修正が可能か。
試験は製品の代表的
な構造及び構成に適
応できるか。
試験の候補選択
他の試験が適用
可能であるか。
新規試験方法の
開発
試験方法の
修正
試験は評価対象
の火災段階を再
現しているか。
試験が火災段階
を再現するよう
修正が可能か。
試験方法の修正
データは十分に識別
でき,また十分な分解
能をもった適切な形
式で得られるか。
試験が元となる方
法から著しく変更
されているか。
ラウンドロビ
ン(持ち回り)
試験の実施
結果は許容でき
るか。
更なる試験方
法の修正が可
能か。
試験の適用
試験方法の修正
分解能及び形式
は改良できるか。
分解能及び形式の
修正
はい
はい
はい
はい
はい
はい
はい
はい
いいえ
いいえ
いいえ
いいえ
いいえ
いいえ
いいえ
はい
いいえ
いいえ
いいえ
はい
試験の候補選択
13
C 60695-6-1:2006 (IEC 60695-6-1:2001)
8. データの表現 現在,発煙性データの表現については多くの手法がある。異なる試験方法に基づく発
煙性データを比較することは困難であり,また,不可能な場合もある。したがって,材料又は製品の試験
結果を火災の危険性と相関付けることも困難である。
これらの問題を克服するために,発煙性データは,可能な限り煙の減光面積で報告することが望ましい。
ほかのすべての関連したパラメータも報告する。これらには,試験片の性状,試験条件及び異常挙動の
観察のすべての詳細を含める。
また,現在報告に用いられている標準化された発煙性データとしては,単位質量当たりの煙生成量及び
単位表面積当たりの煙生成量などがある。この場合,一次データ(例えば,標準化される前の)も報告し
なければならない。
9. データと火災危険性評価との関連性 製品の火災挙動の現実的評価は,実際に使用される状態での実
規模試験片を試験することによってだけ得られる。製品の最終使用を代表していない独立した個々の小規
模試験は,選択された火災モデルへの応答を示すことができるだけである。
どのような燃焼試験又は発煙性試験も,通常状況下での火災又は煙の危険性を測定することはできない。
加えて,単一の標準燃焼試験又は単一の発煙性試験での満足のいく結果でも安全性レベルを保証すると
みなすことはできない。多様な燃焼試験による結果は,火災及び煙の危険性の判定及びその後の制御に役
立つ情報を提供する。
燃焼する材料からの発煙によって引き起こされる光の不透過による危険性は,多くの要素に依存してい
る。これらには,次の要素が含まれる。
− 総発煙量
− 煙の比減光面積:すなわち,燃焼材料の単位質量減少当たりの発煙量
− 燃焼材料の質量減少速度(これは,どれだけ多くの材料が燃焼したか,またどれだけ燃えやすいかと
いうことに依存している。)
− 発煙速度(これは上記2項目の燃焼材料の単位質量減少当たりの発煙量から算出する。)
− 煙が拡散している体積
避難路の視界に関係して,次の多くのほかの要素がある。
− 発光表示のサイズ,明視度,コントラスト及び強度
− 反射物のサイズ及びコントラスト
− 外部照明の存在
また,次に示す人間の反応要素がある。
− 視力
− 暗順応
− 刺激性
したがって,材料単位質量又は単位面積当たりより発生する煙を考慮するだけでは,危険性評価を行う
には十分ではない。大きな比減光面積σf又は大きな特定光学密度Ds値をもった材料は,危険性シナリオ
の中で材料の量が少ない場合及び/又は煙が拡散する容積が大きい場合,危険性が生じる可能性は低い。
また,小さい比減光面積σf又は小さな特定光学密度Ds値をもった材料は,危険性シナリオの中で材料
の量が多い場合及び/又は煙が拡散する体積が小さい場合,危険性が生じる可能性がある。
14
C 60695-6-1:2006 (IEC 60695-6-1:2001)
附属書A(参考)可視度の計算
この附属書は,本体及び附属書に関連した事柄を説明するもので,規定の一部ではない。
Jin[3]によって報告された可視度と光の不透過による煙の減光係数との関係を,図A.1に示す。図中の2
本の直線のうち,一つは発光表示(実線)のものであり,他は光反射表示(点線)のものである。可視度は減光
係数におおよそ反比例する。すなわち,ω=γ/k (γは比例定数)。しかし,実験データにはかなりの幅があ
り,可視度は,外部照明,発光表示の輝度及び光反射表示の反射のような他の要素に依存している。した
がって,この関係を使った可視度の計算は,概算としてだけ考慮すべきである。
Jinは,γにそれぞれ光反射表示については3,発光表示については8を選定している。BS DD 240 Part 1[4]
では,各々2.30及び5.76を選定している。
図A.1 可視度(ω)と減光係数(k)との関係
可視度の代表的な評価の例は,次のようになる。
厚さ10 mmの試験片をJIS C 60695-6-30の装置で試験する場合,得た特定光学密度Dsの最大値はDmax
となる。容積Vの室内で,厚さ10 mm,表面積Aをもつ試験片が同様な方法で燃焼する場合,発光表示の
可視度の最小値は計算できる。
次の式が知られている。
K(m-1)
0.2
0.3
0.5
0.7
1.0
1.5
2.0
5
7
10
15
20
ω
(m)
発光表示
輝度増大
光反射表示
反射率増大
ω=γ/κ、γ=8
ω=γ/κ、γ=3
実験データ幅
ω=γ/k,γ=8
ω=γ/k,γ=3
K(m-1)
15
C 60695-6-1:2006 (IEC 60695-6-1:2001)
)
/
(S
V
γ
=
············································································ (A.1)
また,評価のために,発光表示γ =8と仮定する。
最初に仮定シナリオの中でどれだけ多くの煙が発生するか計算することが必要となる。これは,次の式
で与えられる。
A
D
S
max
303
.2
=
····································································· (A.2)
したがって,可視度の概算値は,次の式のようになる。
[
])
303
.2
/(
8
maxA
D
V
=
ω
······························································ (A.3)
このような計算では煙は均質であると仮定しているが,実際多くの実火災では煙は浮遊する熱層を形成
する傾向にあることは注意するのがよい。煙の発生は,試験片の燃焼面積に比例して変化するとみなせる。
さらに,刺激性効果は何も考慮されていない。ある特別な調査では,目への刺激は不透過度で表した場
合,50 %〜95 %にまで低下させてしまうことが指摘されている。
したがって,Jinの報告にあるω=γ / kという単純な関係式は,比較的短い見通し距離にだけ有効である
ことに注意する必要がある。これは目標の可視度には関係するが,一方で表示の認識には表示細部の解像
度を上げる必要がある。煙の量と煙の中での認識距離との関係について,煙の多い方向へ外挿すると澄ん
だ空気状態での認識距離と一致するような,更に複雑な式が[5]で提案されている。
16
C 60695-6-1:2006 (IEC 60695-6-1:2001)
附属書B(参考)JIS C 60695-6-30及びJIS C 60695-6-31で測定したDsと
他のパラメータとの関係
この附属書は,本体及び附属書に関連した事柄を説明するもので,規定の一部ではない。
JIS C 60695-6-30及びJIS C 60695-6-31で測定した特定光学密度Dsを,ほかの方法で測定した煙の減光
面積Sに簡単な式によって変換することができる。
このような変換は,同一単位で煙の不透過度のデータを表すことに有効であるかもしれないが,そのよ
うな計算では実験間の試験条件の差は考慮していないことに注意すべきである(例えば,試験チャンバ寸
法)。
したがって,減光面積Sによって表す特定光学密度Ds測定は,異なった試験方法で測定したほかの減光
面積Sとは直接比較すべきではない。
一定の試験片の表面積では,特定光学密度Dsは煙減光面積Sに直接比例する。JIS C 60695-6-30の場合,
試験片の表面積は0.004 225 m2であり,また,Sは次の式による。
s
2)
m
73
009
0(
D
.
S=
································································· (B.1)
17
C 60695-6-1:2006 (IEC 60695-6-1:2001)
JIS C 60695-6-30及び JIS C 60695-6-31での特定光学密度Ds,透過率と煙減光面積Sとの関係を,表B.1
に示す。
表 B.1 JIS C 60695-6-30及びJIS C 60695-6-31による
特定光学密度Dsから他の煙パラメータへの変換
Ds
透過率
%
減光面積S
m2
450
0.04
4.38
400
0.09
3.89
350
0.22
3.41
300
0.53
2.92
250
1.28
2.43
200
3.05
1.95
150
7.31
1.46
100
17.48
0.97
75
27.03
0.73
50
41.80
0.49
30
59.26
0.29
20
70.55
0.19
15
76.98
0.15
10
83.99
0.10
5
91.65
0.05
0
100.00
0.00
図B.1は,表B.1に示す煙パラメータの視覚表示である。
18
C 60695-6-1:2006 (IEC 60695-6-1:2001)
図 B.1 JIS C 60695-6-30及びJIS C 60695-6-31による特定光学密度Dsに関係した煙パラメータ
D S
透過率(%)
S (m2)
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
0.1
0.2
0.5
1
2
5
10
20
50
100
4
3.5
3
2.5
2
1.5
1
0.5
0
透過率(%)
19
C 60695-6-1:2006 (IEC 60695-6-1:2001)
附属書C(参考)3 m立方エンクロージャで測定した透過率(%)と
煙減光面積Sとの関係
この附属書は,本体及び附属書に関連した事柄を説明するもので,規定の一部ではない。
試験片が3 m立方エンクロージャ内で燃やされ,また光透過率は入射光と透過光との比率(I/T)から計算
する。試験は静的な煙試験である。
IEC 61034-1[6]及びIEC 61034-2[7] に現在規定されている試験は,ケーブル関連に特化したこのタイプ
の試験を応用している。
3 m立方エンクロージャにおける透過率と煙減光面積Sとの変換を,表C.1に示す。
表C.1 3 m立方エンクロジャで測定した透過率(%)から煙量(煙減光面積S)への変換
透過率
%
煙量,S
m2
0.10
62.18
0.20
55.94
0.40
49.70
1.00
41.45
2.00
35.21
4.00
28.98
5.00
26.97
10.00
20.73
15.00
17.08
20.00
14.49
30.00
10.84
40.00
8.25
50.00
6.24
70.00
3.21
80.00
2.01
90.00
0.95
100.00
0.00
図C.1は,表C.1に示す煙パラメータの視覚表示である。
20
C 60695-6-1:2006 (IEC 60695-6-1:2001)
図C.1 3 m立方エンクロージャで測定した煙減光面積S(煙量)と透過率(%)との関係
透過率(%)
S (m2)
0.05
0.1
0.2
0.5
1
2
5
10
20
50
100
60
50
40
30
20
10
0
透過率(%)
21
C 60695-6-1:2006 (IEC 60695-6-1:2001)
参考文献
[1] Mulholland, G. W., Smoke production and properties. Section 2/15 in the SFPE Handbook of Fire Protection
Engineering,2nd edition, NFPA,USA(1995)
[2] ASTM E1354: Standard Test Method for Heat and Visible Smoke Release Rates for Materials and Products Using an
Oygen Consumption Calorimeter(1999)
[3] Jin, T.,Visibility through fire smoke,Journal of Fire and Flammability,9, pp 135-157, April(1978)
[4] BS DD240: Fire safety engineering in buildings, Part 1 ‒ Guide to the application of fire safety engineering
principles(1997)
[5] Webber,G.M.B.,Emergency wayfinding systems: their effectivenss in smoke,Building Research Establishment
Information Paper IP10(1997)
[6] IEC 61034-1: Measurement of smoke density of cables burning under defined conditions ‒ Part 1: Test apparatus(1997)
[7] IEC 61034-2: Measurement of smoke density of cables burning under defined conditions ‒ Part 2: Test procedure and
requirements(1997)