C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 用語索引························································································································ 11
附属書JA(参考)ISO 13943火災安全−用語(第2版)に規定する用語及び定義 ···························· 16
附属書JB(参考)関連する用語及び定義 ················································································· 39
C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本電子
部品信頼性センター(RCJ)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格
を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格
である。
これによって,JIS C 60695-4:1999は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
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日本工業規格 JIS
C 60695-4:2010
(IEC 60695-4:2005)
耐火性試験−電気・電子−第4部−
電気・電子製品のための耐火性試験用語
Fire hazard testing-Part 4: Terminology concerning fire tests for
electrotechnical products
序文
この規格は,2005年に第3版として発行されたIEC 60695-4を基に,技術的内容及び対応国際規格の構
成を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項並びに附属書JA及び附属書JBは,対応国際規格に
はない事項である。
1
適用範囲
この規格は,電気・電子製品のための耐火性試験用語について規定する。
製品安全規格を作成するときは,JIS Z 8051及びIEC Guide 104に従って,基本的安全規格(basic safety
publication)を引用することが望ましい。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60695-4:2005,Fire hazard testing−Part 4: Terminology concerning fire tests for electrotechnical
products(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Z 8051 安全側面−規格への導入指針
注記 対応国際規格:ISO/IEC Guide 51:1999,Safety aspects−Guidelines for their inclusion in standards
(IDT)
IEC Guide 104,The preparation of safety publications and the use of basic safety publications and group safety
publications
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
注記1 ISO 13943:2008で規定する用語及び定義を,附属書JAに示す。
注記2 JIS C 60695規格群にあってこの規格で規定しない用語及び定義を,附属書JBに示す。
2
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3.1
異常発熱(abnormal heat)
通常の発熱状態を超える発熱。火災の原因となるものを含む。
3.2
急性毒性(acute toxicity)
生物に有害な効果を急激に引き起こす物質の性質。
3.3
残炎時間(afterflame time)
残炎が継続する時間の長さ。
注記 燃焼時間ともいう。
3.4
残じん(燼)時間(afterglow time)
残じん(燼)が継続する時間の長さ。
3.5
窒息性(asphyxiant)
低酸素状態によって中枢神経及び/又は心臓血管が影響を受け,意識を失い死に至る毒性。
3.6
燃焼面積(burnt area)
規定の試験条件で,燃焼又は熱分解によって材料が損壊した部分の面積。ただし,変形だけの損傷面積
は含まない。燃焼面積は,平方メートル(m2)で表す。
3.7
炭化する(char)
炭化物に変化すること。
3.8
腐食損傷(corrosion damage)
燃焼生成物の化学作用が引き起こす物理的及び/若しくは化学的損傷又は機能の障害。
3.9
腐食ターゲット(corrosion target)
規定の試験条件で,腐食損傷の程度を決定するために用いる検知物質であって,製品,部品又はそれら
を模擬する材料。
3.10
爆ごう(detonation)
超音速で広がる衝撃波によって伝ぱ(播)する爆発。
3.11
ドラフトフリー環境(draught free environment)
試験時の気流速度が,試験結果に影響を与えない環境。例えば,次による。
a) 定性的には,ろうそくの火炎が乱れない環境。
b) 定量的には,気流速度が0.1 m/sを超えない環境。
3
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3.12
着火(発火)のしやすさ(ease of ignition)
規定の試験条件で,試験片の火の着きやすさ(3.15及び3.63参照)。
3.13
有効暴露濃度50,EC50(effective exposure concentration 50)
規定の試験条件及び時間で,被試験生物の50 %に特定の影響を及ぼすことが試験結果の統計処理によっ
て得られる毒性物又はその混合物の濃度。
注記 特定の影響とは,通常は死又は行動不能を指す。有効致死暴露濃度は,LC50で表す。
3.14
暴露用量(exposure dose)
吸引する可能性がある有毒ガス又は火災流出物の量。その気体の濃度・時間曲線又は体積分率・時間曲
線を積分した面積で表す。暴露用量は,g・min・m−3又は10−6 minで表す。
3.15
暴露時間(exposure time)
試験片に着火(発火)源を当てる規定の時間。暴露時間は,秒(s)で表す(3.12及び3.63参照)。
3.16
燃焼長さ(extent of combustion)
規定の試験条件で,燃焼又は熱分解によって試験片が損傷した部分の最大長さ。ただし,変形だけの部
分を除く。
3.17
煙の減光面積(extinction area of smoke)
煙の減光係数とその煙がある空間の体積との積。
注記 煙の減光面積は,煙の総量を表す。
3.18
煙の減光係数(extinction coefficient of smoke)
煙の不透過度の自然対数を,その測定に用いた光路長で除した値。
3.19
火,火災(fire)
a) 火:煙及び/又は炎及び/又は赤熱を伴う,熱及び放出物の発散に特徴づけられる燃焼の過程。
b) 火災:時間的及び空間的に制御できずに広がる急激な燃焼。
3.20
火災障壁(fire barrier)
規定の試験条件で,火災遮断性及び断熱性を与えることができる部品。
3.21
燃焼挙動(fire behaviour)
火に接している材料,製品及び/又は構造物の物理的及び/又は化学的性質の変化又は維持。
注記 この概念は,火に対する反応及び耐火性のいずれも含む。
3.22
防火区画(fire compartment)
ある時間,火炎の広がりを防止するために,規定した耐火材料によって仕切られた,一つ以上の区画を
4
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含む閉鎖区画。
3.23
燃焼放出物(fire effluent)
燃焼又は熱分解によって生じる気体状,粒子状又はエアゾル状の放出物の全量。
3.24
燃焼放出物の減衰特性(fire effluent decay characteristics)
時間経過及び移動による燃焼放出物の物理的及び/又は化学的変化。
3.25
燃焼放出物の移動(fire effluent transport)
燃焼位置から離れていく燃焼放出物の動き。
3.26
火災危険性(fire hazard)
火災による傷害若しくは生命の喪失及び/又は財産の損傷が生じる可能性。
3.27
火炎遮断性(fire integrity)
規定の試験条件で,規定時間片面に火を当てたときに,炎及び熱せられた種々の気体の貫通又は反対側
の炎にさらされていない面での炎の発生を防止する遮へい物の能力。
3.28
火災荷重(fire load)
壁,隔壁,床及び天井を含む,ある空間に存在するすべての可燃物が完全燃焼したときに放出される総
発熱エネルギー量。火災荷重は,ジュール(J)で表す。
3.29
火災モデル(fire model)
実際の火災のある場面のシミュレートを意図する装置及び操作を含む試験室プロセス。
3.30
火災モデリング(fire modeling)
実際の火災の進展を支配する,異なった幾つかの相互に関係し合う物理現象の,数値的モデルを使用し
た記述。
3.31
難燃剤,難燃処理(fire retardant)
材料の燃焼を抑え,弱め又は遅らせるための添加剤又は処理。
3.32
火災シナリオ(fire scenario)
ある特定の場所についての実際の火災又は実規模をシミュレーションした火災における発火前から火災
終了までの,一つ以上の各段階の環境条件を含む諸条件の詳細な記述。
3.33
耐火安定性(fire stability)
規定の試験条件で,規定時間火にさらした場合に,構造材が荷重の有無にかかわらず崩壊に耐える能力。
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3.34
炎の前線(flame front)
材料表面に沿って気相で燃焼している部分の進行方向の境界。
3.35
防炎処理(flame retardant treatment)
材料の防炎性を改良する方法。
3.36
炎の広がり(flame spread)
炎の前線が伝ぱ(播)する現象。
3.37
炎の広がり速度(flame spread rate)
規定の試験条件で,炎の前線が単位時間当たり伝ぱ(播)した距離。炎の広がり速度は,m/sで表す。
3.38
炎の広がり時間(flame spread time)
規定の試験条件で,燃焼している材料上の炎の前線が規定の距離を進むか,又は規定の面積にまで広が
るのに要する時間。炎の広がり時間は,秒(s)で表す。
3.39
有炎燃焼(flaming)
炎が発生した後,炎が持続している状態。
3.40
有炎燃焼性(flammability)
規定の試験条件で,炎を伴って材料又は完成品が燃える能力。
3.41
有炎燃焼性がある(flammable)
規定の試験条件で,炎を伴って燃える能力をもつこと。
3.42
フラッシュオーバ(flash-over)
囲まれた空間内の可燃物表面すべてが,急激に炎に包まれた状態に変化する現象。
3.43
引火点(flashpoint)
規定の試験条件で,製品を加熱することによって発生した気体が,炎によって瞬間的に発火(着火)す
る最低温度。引火点は,セルシウス温度(℃)で表す。
3.44
有効濃度率,FEC(fractional effective concentration)
平均的な感受性をもつ被験者が影響を受けることが予想される刺激性物質の濃度比。
注記1 FECは概念として,行動不能,致死性又は更なる他の終点を含むすべての効果について言及
してもよい。
注記2 特定の刺激性物質を明示しない場合,FECは燃焼雰囲気中の全刺激性物質のFECの総和を表
す。
6
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3.45
有効暴露量率,FED(fractional effective dose)
平均的な感受性をもつ被験者が影響を受けることが予想される窒息性毒物の暴露量比。
注記1 FEDの概念は,行動不能,致死性又は更なる他の終点を含むすべての効果について言及する
ものである。
注記2 特定の窒息性物質を明示しない場合,FEDは燃焼雰囲気中の全窒息性毒物のFEDの総和を
表す。
3.46
火ざかりへの移行(full fire development)
火災時に可燃物がすべて炎に包まれる状態への変遷。
3.47
ガス化(gasification)
材料の部分的又は全体的な,気体への相変化。
3.48
ガス化する(gasify)
材料が部分的又は全体的に,気体に変化すること。
3.49
赤熱している(glowing)
強烈な熱によって発光している状態。
3.50
過換気(hyperventilation)
通常より過大な呼吸の速さ及び/又は深さ。
3.51
(最低)発火温度,(最低)着火温度[ignition temperature (minimum)]
規定の試験条件で,持続燃焼を開始することができる材料又は発火(着火)源の最低温度。
注記 発火(着火)には十分な量の可燃性ガス及び酸化剤(空気)が必要になり,持続燃焼には,可
燃性ガスを継続して供給する必要がある。最低発火(着火)温度とは,熱的ストレスを無限時
間にわたって加えたときに発火(着火)する温度である。個別規格で最低着火温度を規定する
ことが望ましい。
3.52
行動不能(incapacitation)
物理的に特定の行動ができない状態。例えば,火災から避難するための効果的な行動ができない状態。
3.53
大規模試験(large scale test)
一般的な試験室レベルの試験を越えるサイズの試験。
3.54
漏れ電流(leakage current)
目的以外の経路を流れる電流。
注記 IEC 60050-151:2001の151-15-49に定義している。
7
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3.55
50 %致死暴露量,LCt50(lethal exposure dose 50)
同じ空間で同じ実験条件の下に暴露された集団が吸引した場合,その50 %が死に至る毒性物質の量。
注記 ISO/IEC 13943:2000の定義110を変更している。
3.56
点火させる(light)
気相で燃焼を開始させること。
3.57
点火している(lighted)
炎が発生し,持続している間の試料の状態。
3.58
点火(lighting)
a) 炎の発生。
b) 気相で燃焼を開始させる行為。
3.59
線燃焼速度(linear burning rate)
規定の試験条件で,単位時間当たりに燃焼した長さ。線燃焼速度は,m/sで表す。
3.60
質量燃焼速度(mass burning rate)
規定の試験条件で,単位時間当たりに燃焼した材料の質量。質量燃焼速度は,kg/sで表す。
3.61
煙の質量光学密度(mass optical density of smoke)
因子を掛け合わせた光学密度[V/(∆mL)]。ここに,Vは試験チャンバの容積,∆mは試料の質量損失及び
Lは光の通過距離。
3.62
最小臨界相対湿度(minimum critical relative humidity)
規定レベルを超える漏えい電流を生じさせる相対湿度。
3.63
最短着火時間(minimum ignition time)
規定の試験条件で,試料が持続燃焼を開始するまで着火源にさらされている最短時間。
3.64
溶融滴下物(molten drips)
溶融した試験片の小さな滴下物。炎の有無にかかわらない。
3.65
真発熱量(net calorific value),燃焼熱(heat of combustion)
3.66参照。真発熱量及び燃焼熱は,J/kgで表す。
3.66
真燃焼熱(net heat of combustion)
物質が完全燃焼し,燃焼生成物がそれぞれの標準状態にあるときの発熱量から,発生した水蒸気の蒸発
熱を減じた単位質量当たりの発熱量。
8
C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記 ISO/IEC 13943:2000の定義86.3を変更している。
3.67
(煙による)光の不透過度[opacity (of smoke)]
規定の試験条件で,煙を透過した光束(T)に対する入射光束(I)の比(I/T)。
3.68
(煙の)光学密度[optical density (of smoke)]
煙による光の不透過度の常用対数[log(I/T)](3.84参照)。
3.69
予測致死毒性(predicted lethal toxic potency)
燃焼放出物の化学分析成分の既知のLCt50データを元に計算した毒性強度の値。
3.70
熱分解(pyrolysis)
熱だけの作用による試料の不可逆化学分解。
3.71
熱分解最前部(pyrolysis front)
試料表面の熱分解の境界線。
3.72
火に対する反応(reaction to fire),燃焼挙動(burning behaviour)
規定の試験条件で,火にさらした試料が熱分解し,分解生成物がその火に及ぼす影響。
3.73
実規模試験(real scale test)
寸法及び周囲の環境を最終使用状態に模した試験。
3.74
自己発熱(self-heating)
a) 試料内部の発熱反応による温度上昇。
b) 製品内部の温度上昇をもたらす,通電状態の電気・電子製品が発生する熱。
3.75
自己発火(self-ignition)
自己発熱による発火。
3.76
感覚刺激(sensory irritancy)
目及び/又は上部気道に刺激を及ぼし,痛みの感覚を引き起こす毒物の作用。これは特定のレセプタ(受
容体)への直接刺激又は毒物による組織損傷の結果によるものと考えられる。
3.77
小規模試験(small scale test)
典型的な試験台の上で行われる程度の試験。
3.78
小部品(small parts)
それぞれの面が完全に直径15 mmの円内に納まる部品,又は面の一部が直径15 mmの円より大きいも
ので,その面のどこかが直径8 mmの円より小さい部品。
9
C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記1 表面を確認して,その表面の突起及び穴の一番大きい部分の寸法が2 mm以下の場合には小
部品の判定には用いない。
注記2 小部品ではないものの例を次の左図に,小部品の例を次の右図にそれぞれ示す。
3.79
煙(smoke)
燃焼又は熱分解によって生じる気体内での固体状及び/又は液体状の浮遊粒子で,見ることのできるも
の。
3.80
煙による遮り(smoke obscuration)
煙による視界の低下。
3.81
くん焼(smouldering)
目に見える光を発生せずに,一般に温度上昇,煙及び/又は放出物を伴う緩やかな燃焼。
3.82
すす(soot)
有機物の不完全燃焼によって生成し,たい(堆)積した主に炭素である微粒子。
3.83
煙の比減光面積(specific extinction area of smoke)
煙の減光面積を試験体の質量損失で除したもの。
3.84
煙の比光学密度(specific optical density of smoke)
形状係数を乗じた光学密度。
注記1 形状係数は,V/(AL)である。ここに,Vは試験チャンバの体積,Aは試験体の暴露された表面
及びLは光の経路の長さ。
注記2 この場合の“比”という用語は“単位質量当たりの”という意味ではなく,むしろ特異な試
験装置及び試験体の暴露表面に関連する数量を意味する。
3.85
自然発火(着火)温度(spontaneous ignition temperature)
規定の試験条件で,別の発火(着火)源なしに熱だけで試料が着火する最低温度。自然発火(着火)温
度は,セルシウス温度(℃)で表す。
3.86
熱慣性(thermal inertia)
熱伝導率[W/(m・K)],密度(kg/m3)及び熱容量[J/(K・kg)]の積。
表面
直径8 mm及び15 mmの円
10
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.87
断熱材(thermal insulation)
熱伝達を妨げる材料及びその組合せ。
3.88
(規格化された)時間対温度曲線[time/temperature curve (standardized)]
規定の耐火性試験を行っている間の,時間と温度との関係。
3.89
毒物,有毒物(toxicant)
生体に有害な影響を及ぼす物質。
注記1 その作用は物理的及び/又は化学的なものである。
注記2 ISO/IEC 13943:2000の定義171を変更している。
3.90
毒性,有毒性(toxicity)
その物質がもつ生体に有害な影響[刺激,こん(昏)睡,死亡など]を及ぼす性質。
3.91
毒物危険性(toxic hazard)
毒物にさらされることによる傷害又は生命喪失の可能性。毒物の毒性強度,量,暴露度合い及び濃度に
関連して決まる。
3.92
毒性強度(toxic potency)
特定の毒性作用を起こすのに必要な毒物の量の目安。
注記1 毒性強度の値が小さいほど,毒性は高い。
注記2 ISO/IEC 13943:2000の定義169を変更している。
3.93
耐トラッキング性(tracking resistance)
規定の試験条件で,電気的な欠陥又は試料を発火させる導電路を試料の表面に形成することなく,規定
の試験電圧に耐える能力。
3.94
最終安定性低下(ultimate stability failure)
規定の耐火性試験で,(その強度を保つために)重要な試験品の構成要素の内部で,試験後すぐに破裂が
生じる変化。
3.95
視界(visibility)
規定した寸法,明度及びコントラストをもつ物体が見え,かつ,認識できる最大距離。
3.96
(混合気体中の気体の)体積分率[volume fraction (of a gas in a gas mixture)]
25 ℃及び0.1 MPaにおいて,その混合気体が占める体積に対する,その気体が単独で占める体積の比率。
注記1 通常,体積分率は,ppmで表す。しばしば誤って濃度で記述される。
注記2 ある温度T及び圧力Pにおける混合気体中の気体の濃度は,(理想気体として挙動すると仮
定すると)その体積分率にその温度T及び圧力Pにおける密度を乗じることによって求める。
11
C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.97
灯心現象(wicking)
粒子状又は繊維状の心材に可燃性液体が毛細管現象で伝ぱ(播)する現象。
4
用語索引
用語索引(五十音順)
用語
番号
対応英語(参考)
イ
異常発熱
3.1
abnormal heat
引火点
3.43
flashpoint
カ
過換気
3.50
hyperventilation
火災荷重
3.28
fire load
火災危険性
3.26
fire hazard
火災シナリオ
3.32
fire scenario
火炎遮断性
3.27
fire integrity
火災障壁
3.20
fire barrier
火災モデリング
3.30
fire modeling
火災モデル
3.29
fire model
ガス化
3.47
gasification
ガス化する
3.48
gasify
感覚刺激
3.76
sensory irritancy
キ
急性毒性
3.2
acute toxicity
(規格化された)時間対温度曲線
3.88
time/temperature curve (standardized)
ク
くん焼
3.81
smouldering
ケ
煙
3.79
smoke
煙による遮り
3.80
smoke obscuration
(煙による)光の不透過度
3.67
opacity (of smoke)
煙の減光係数
3.18
extinction coefficient of smoke
煙の減光面積
3.17
extinction area of smoke
(煙の)光学密度
3.68
optical density (of smoke)
煙の質量光学密度
3.61
mass optical density of smoke
煙の比減光面積
3.83
specific extinction area of smoke
煙の比光学密度
3.84
specific optical density of smoke
コ
行動不能
3.52
incapacitation
50 %致死暴露量,LCt50
3.55
lethal exposure dose 50
(混合気体中の気体の)体積分率
3.96
volume fraction (of a gas in a gas mixture)
サ
最終安定性低下
3.94
ultimate stability failure
最小臨界相対湿度
3.62
minimum critical relative humidity
最短着火時間
3.63
minimum ignition time
(最低)発火温度,(最低)着火温度
3.51
ignition temperature (minimum)
残炎時間
3.3
afterflame time
残じん(燼)時間
3.4
afterglow time
12
C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
用語
番号
対応英語(参考)
シ
視界
3.95
visibility
自己発火
3.75
self-ignition
自己発熱
3.74
self-heating
自然発火(着火)温度
3.85
spontaneous ignition temperature
実規模試験
3.73
real scale test
質量燃焼速度
3.60
mass burning rate
小規模試験
3.77
small scale test
小部品
3.78
small parts
真燃焼熱
3.66
net heat of combustion
真発熱量,燃焼熱
3.65
net calorific value, heat of combustion
ス
すす
3.82
soot
セ
赤熱している
3.49
glowing
線燃焼速度
3.59
linear burning rate
タ
耐火安定性
3.33
fire stability
大規模試験
3.53
large scale test
耐トラッキング性
3.93
tracking resistance
炭化する
3.7
char
断熱材
3.87
thermal insulation
チ
窒息性
3.5
asphyxiant
着火(発火)のしやすさ
3.12
ease of ignition
テ
点火
3.58
lighting
点火させる
3.56
light
点火している
3.57
lighted
ト
灯心現象
3.97
wicking
毒性,有毒性
3.90
toxicity
毒性強度
3.92
toxic potency
毒物,有毒物
3.89
toxicant
毒物危険性
3.91
toxic hazard
ドラフトフリー環境
3.11
draught free environment
ナ
難燃剤,難燃処理
3.31
fire retardant
ネ
熱慣性
3.86
thermal inertia
熱分解
3.70
pyrolysis
熱分解最前部
3.71
pyrolysis front
燃焼挙動
3.21
fire behaviour
燃焼長さ
3.16
extent of combustion
燃焼放出物
3.23
fire effluent
燃焼放出物の移動
3.25
fire effluent transport
燃焼放出物の減衰特性
3.24
fire effluent decay characteristics
燃焼面積
3.6
burnt area
ハ
爆ごう
3.10
detonation
暴露時間
3.15
exposure time
暴露用量
3.14
exposure dose
ヒ
火,火災
3.19
fire
火ざかりへの移行
3.46
full fire development
火に対する反応,燃焼挙動
3.72
reaction to fire, burning behaviour
13
C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
用語
番号
対応英語(参考)
フ
腐食損傷
3.8
corrosion damage
腐食ターゲット
3.9
corrosion target
フラッシュオーバ
3.42
flash-over
ホ
防炎処理
3.35
flame retardant treatment
防火区画
3.22
fire compartment
炎の前線
3.34
flame front
炎の広がり
3.36
flame spread
炎の広がり時間
3.38
flame spread time
炎の広がり速度
3.37
flame spread rate
モ
漏れ電流
3.54
leakage current
ユ
有炎燃焼
3.39
flaming
有炎燃焼性
3.40
flammability
有炎燃焼性がある
3.41
flammable
有効濃度率,FEC
3.44
fractional effective concentration
有効暴露濃度50,EC50
3.13
effective exposure concentration 50
有効暴露量率,FED
3.45
fractional effective dose
ヨ
溶融滴下物
3.64
molten drips
予測致死毒性
3.69
predicted lethal toxic potency
英語索引(アルファベット順)
英語(参考)
番号
用語
A
abnormal heat
3.1
異常発熱
acute toxicity
3.2
急性毒性
afterflame time
3.3
残炎時間
afterglow time
3.4
残じん(燼)時間
asphyxiant
3.5
窒息性
B
burnt area
3.6
燃焼面積
C
char
3.7
炭化する
corrosion damage
3.8
腐食損傷
corrosion target
3.9
腐食ターゲット
D
detonation
3.10
爆ごう
draught free environment
3.11
ドラフトフリー環境
E
ease of ignition
3.12
着火(発火)のしやすさ
effective exposure concentration 50, EC50
3.13
有効暴露濃度50,EC50
exposure dose
3.14
暴露用量
exposure time
3.15
暴露時間
extent of combustion
3.16
燃焼長さ
extinction area of smoke
3.17
煙の減光面積
extinction coefficient of smoke
3.18
煙の減光係数
14
C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
英語(参考)
番号
用語
F
fire
3.19
火,火災
fire barrier
3.20
火災障壁
fire behaviour
3.21
燃焼挙動
fire compartment
3.22
防火区画
fire effluent
3.23
燃焼放出物
fire effluent decay characteristics
3.24
燃焼放出物の減衰特性
fire effluent transport
3.25
燃焼放出物の移動
fire hazard
3.26
火災危険性
fire integrity
3.27
火炎遮断性
fire load
3.28
火災荷重
fire model
3.29
火災モデル
fire modeling
3.30
火災モデリング
fire retardant
3.31
難燃剤,難燃処理
fire scenario
3.32
火災シナリオ
fire stability
3.33
耐火安定性
flame front
3.34
炎の前線
flame retardant treatment
3.35
防炎処理
flame spread
3.36
炎の広がり
flame spread rate
3.37
炎の広がり速度
flame spread time
3.38
炎の広がり時間
flaming
3.39
有炎燃焼
flammability
3.40
有炎燃焼性
flammable
3.41
有炎燃焼性がある
flash-over
3.42
フラッシュオーバ
flashpoint
3.43
引火点
fractional effective concentration
3.44
有効濃度率,FEC
fractional effective dose
3.45
有効暴露量率,FED
full fire development
3.46
火ざかりへの移行
G
gasification
3.47
ガス化
gasify
3.48
ガス化する
glowing
3.49
赤熱している
H
hyperventilation
3.50
過換気
I
ignition temperature (minimum)
3.51
(最低)発火温度,(最低)着火温度
incapacitation
3.52
行動不能
L
large scale test
3.53
大規模試験
leakage current
3.54
漏れ電流
lethal exposure dose 50
3.55
50 %致死暴露量,LCt50
light
3.56
点火させる
lighted
3.57
点火している
lighting
3.58
点火
linear burning rate
3.59
線燃焼速度
M
mass burning rate
3.60
質量燃焼速度
mass optical density of smoke
3.61
煙の質量光学密度
minimum critical relative humidity
3.62
最小臨界相対湿度
minimum ignition time
3.63
最短着火時間
molten drips
3.64
溶融滴下物
N
net calorific value, heat of combustion
3.65
真発熱量,燃焼熱
net heat of combustion
3.66
真燃焼熱
15
C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
英語(参考)
番号
用語
O
opacity (of smoke)
3.67
(煙による)光の不透過度
optical density (of smoke)
3.68
(煙の)光学密度
P
predicted lethal toxic potency
3.69
予測致死毒性
pyrolysis
3.70
熱分解
pyrolysis front
3.71
熱分解最前部
R
reaction to fire, burning behaviour
3.72
火に対する反応,燃焼挙動
real scale test
3.73
実規模試験
S
self-heating
3.74
自己発熱
self-ignition
3.75
自己発火
sensory irritancy
3.76
感覚刺激
small parts
3.78
小部品
small scale test
3.77
小規模試験
smoke
3.79
煙
smoke obscuration
3.80
煙による遮り
smouldering
3.81
くん焼
soot
3.82
すす
specific extinction area of smoke
3.83
煙の比減光面積
specific optical density of smoke
3.84
煙の比光学密度
spontaneous ignition temperature
3.85
自然発火(着火)温度
T
thermal inertia
3.86
熱慣性
thermal insulation
3.87
断熱材
time/temperature curve (standardized)
3.88
(規格化された)時間対温度曲線
toxic hazard
3.91
毒物危険性
toxic potency
3.92
毒性強度
toxicant
3.89
毒物,有毒物
toxicity
3.90
毒性,有毒性
tracking resistance
3.93
耐トラッキング性
U
ultimate stability failure
3.94
最終安定性低下
V
visibility
3.95
視界
volume fraction (of a gas in a gas mixture)
3.96
(混合気体中の気体の)体積分率
W
wicking
3.97
灯心現象
16
C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(参考)
ISO 13943火災安全−用語(第2版)に規定する用語及び定義
ISO 13943:2008は,多くの火災用語を定義している。それらの用語は,IEC 60695規格群及びそれらの
国際規格の一致JISであるJIS C 60695規格群においても,使用されている。
そこで,このISO 13943:2008で定義する用語もこの規格及びJIS C 60695規格群の使用者にとって重要
であると考え,そのような使用者の便宜のために,ISO 13943:2008で定義する用語を,次に示す。
なお,ISO 13943:2008とこの規格とで用語の定義が重複する場合には,本体の細別番号を示し,用語の
説明を省略した。
ISO
13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.1
異常発熱
本体の3.1の定義による。
abnormal heat
4.2
受入基準
構築された環境(4.26)の設計の安全性を受け入れ
るかどうかを査定するための基礎を構成する判断基
準。
acceptance criteria
4.3
作動開始時間
感知機器が反応してから火災抑制システム(4.315),
煙制御システム,警報システム又はその他の火災安
全システムが十分に作動するまでの時間間隔。
activation time
4.4
実放水密度,
ADD
想定した可燃物の(4.43)水平面上に放出される水
の単位面積当たりの容積流量率。
注記1 ADDは,通常は火災(4.98)の燃焼発熱速
度(4.177)に関連して決定する。
注記2 ADDは,ISO 6182-7によって求めることが
できる。
注記3 代表的な単位は,mm/minである。
actual delivered density,
ADD
4.5
急性毒性
本体の3.2の定義による。
acute toxicity
4.6
残炎
着火源(4.189)を除去した後に持続する火炎(4.133)。 afterflame
4.7
残炎時間
本体の3.3の定義による。
afterflame time
4.8
残じん
着火源(4.189)を除去し,有炎燃焼(4.148)が終わ
った後に持続する赤熱燃焼(4.169)。
afterglow
4.9
残じん(燼)時間
本体の3.4の定義による。
afterglow time
4.10
薬剤放出口
消火液を火災(4.98)の源に散布するときに用いる
配管システムの開口部。
agent outlet
4.11
警報時間
火災(4.98)の着火(4.187)から警報が作動するま
での時間。
注記 着火(4.187,4.188)の時間は,例えば,火災
モデル(4.116)又は火災試験(4.132)の場合
には既知なこともある。又は,着火時間は火
災感知時間から想定する場合もある。着火時
間を決めた根拠は,警報時間を設定するとき
には,常に明示するのがよい。
alarm time
4.12
着火した
燃焼(4.46)していること。
alight
17
C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ISO
13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.13
アーク抵抗
規定の条件で,電気絶縁材料が電気アークの影響に
抵抗する能力。
注記 アーク抵抗は,アークの長さ,電気伝導経路
の有無及び試験片(4.322)の燃焼又は損傷に
よって決まる。
arc resistance
4.14
面積燃焼速度
規定の条件下で,単位時間当たりに燃焼した(4.28)
面積。
注記 面積燃焼速度は,m2/sで表す。
area burning rate
4.15
放火
通常は,損害を起こすことを意図して火災(4.98)
を起こす犯罪。
arson
4.16
灰
完全燃焼(4.50)によって生じる無機残さ(渣)。
ash
4.17
窒息性
本体の3.5の定義による。
asphyxiant
4.18
自動着火
着火源(4.189)なしで,自己の温度上昇によって生
ずる燃焼(4.187)。
注記1 着火(4.187,4.188)は,自己発熱(4.288,
4.289)又は外部からの加熱によって引き起
こされる。
注記2 北米では,自動着火に対応する用語として,
“spontaneous ignition”を用いる。
auto-ignition,
spontaneous ignition
4.19
自動着火温度
規定の火災試験(4.132)で,自動着火(4.18)が起
こる最低温度。
注記 自動着火温度は,セルシウス温度(℃)で表
す。
auto-ignition temperature,
spontaneous ignition
temperature
4.20
有効安全脱出時間,
ASET
人が,着火(4.187)のときから安全避難場所(4.281)
又は安全場所(4.254)へ脱出(4.82)するための有
効な行動ができなくなる状態に至るまでの算出され
た時間間隔。
注記1 着火(4.187,4.188)の時間は,例えば,火
災モデル(4.116)又は火災試験(4.132)の
場合には既知なこともある。又は,着火時
間は火災感知時間から想定する場合もあ
る。着火時間を決めた根拠は,有効安全脱
出時間を設定するときには,常に明示する
のがよい。
注記2 この定義では,行動不能(4.194)と脱出失
敗とを同じものとしている。これ以外の
ASETの判断基準も可能である。この定義に
代わる判断基準を選定する場合,そのこと
を明示するのがよい。
注記3 火災場所にいる人のASETは,その人の個
性によって異なることもある。
available safe escape time,
ASET
4.21
バックドラフト
酸素が不足して不完全燃焼(4.46)の状態にある高
温生成物が満ちた閉鎖空間に,急激に空気が流入す
ることによって引き起こされる急速な有炎燃焼
(4.148)。
backdraft
4.22
挙動シナリオ
火災(4.98)中の人の挙動の記述。
behavioural scenario
4.23
黒体
自己に加わる電磁放射を完全に吸収する物体。
black body
18
C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ISO
13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.24
黒体放射源
プランクの拡散関数で示される電磁放射を発生する
放射源。
注記 黒体放射源からの放射率(4.75)は,1である。
black-body radiant source
4.25
構成部材
構築された環境(4.26)で用いる部材。
building element
4.26
構築された環境
建築又はその他の構造物。
注記1 例えば,海洋構造物,トンネル及び橋りょ
う(梁)のような公共構造物,車両及び船
舶のような輸送手段などがある。
注記2 ISO 6707-1には,構築された環境に関連し
た概念を定義するための多くの用語及び定
義がある。
built environment
4.27
浮揚性プリューム
熱源上部の対流による上昇気流。
buoyant plume
4.28
燃焼する
自ら燃焼(4.46)すること。
burn
4.29
燃焼させる
燃焼(4.46)を起こさせること。
burn
4.30
燃焼面積
本体の3.6の定義による。
burned area
4.31
燃焼長さ
本体の3.16の定義による。
burned length
4.32
燃焼挙動
規定の試験条件下で,火に対する反応(4.273)又は
耐火性(4.121)を求めるときの,試験片(4.322)の
反応。
burning behaviour
4.33
破裂
内部又は外部からの超過圧力に起因した物体の激し
い破壊。
bursting
4.34
校正
火災モデルに関連して使用する場合は,火災モデル
の計算過程において,実験データと整合させる目的
で,モデル変数を修正するプロセス。
calibration
4.35
熱量計
燃焼熱量を計測する装置。
calorimeter
4.36
カルボキシ・ヘモグロ
ビン飽和率
血中ヘモグロビン全体に対する,吸引した一酸化炭
素との不可逆性反応によってカルボキシ・ヘモグロ
ビンに変換された血中ヘモグロビンの比。百分率で
表す。
carboxyhaemoglobin saturation
4.37
天井噴流
天井に上がってくる火災プリューム(4.118)の浮揚
力によって発生する天井付近の層状気体運動。
ceiling jet
4.38
炭化物
熱分解(4.267)又は燃焼(4.46)によって生じる炭
素の残さ(渣)。
char
4.39
炭化する
本体の3.7の定義による。
char
4.40
炭化長
炭化した部分の長さ。
注記 幾つかの規格では,炭化長は試験方法の中で
定義する。
char length
4.41
煙突効果
閉囲部分(4.77)の中に閉じ込められた対流(4.54)
によって引き起こされる熱い燃焼放出物(4.105)の
上方への運動。
注記 煙突効果によって,通常より多くの空気が火
災(4.98)に引き込まれる。
chimney effect
4.42
燃焼残さ(渣)
完全燃焼(4.50)又は不完全な燃焼(4.46)によって
生じた固形の残留物の固まりで,完全又は部分的な
溶融によって形成されるもの。
clinker
4.43
可燃性の
着火(4.186)することができ,燃焼することができ
ること。
combustible
19
C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ISO
13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.44
可燃物
燃焼(4.46)することができる物質。
combustible
4.45
可燃物荷重
火災試験(4.132)において,完全燃焼(4.50)した
と仮定した場合に,試験片(4.322)から失われる理
論的質量。
combustible load
4.46
燃焼
物質と酸化剤(4.247)との発熱反応。
注記 燃焼は,一般に火炎(4.133)及び/又は赤熱
(4.168)を伴い,燃焼放出物(4.105)を発生
する。
combustion
4.47
燃焼効率
不完全な燃焼(4.46)における完全燃焼(4.50)の理
論的発熱に対する燃焼発熱(4.176)の比。
注記1 燃焼効率は,完全燃焼が算出可能な場合に
だけ計算できる。
注記2 燃焼効率は,通常,百分率で表示し,した
がって,無次元である。
combustion efficiency
4.48
燃焼生成物
燃焼(4.46)によって発生する固体,液体及び気体。
注記 燃焼生成物には,燃焼放出物(4.105),灰
(4.16),炭化物(4.38),燃焼残さ(渣)(4.42)
及び/又はすす(4.299)を含む。
combustion product,
product of combustion
4.49
共通モード故障
複数の安全システムに対して同時に作用する,単一
の原因に起因する故障。
common mode failure
4.50
完全燃焼
すべての燃焼生成物(4.48)が完全に酸化される燃
焼(4.46)。
注記1 酸化剤(4.247)が酸素の場合に完全燃焼す
ると,すべての炭素は二酸化炭素に変化し,
かつ,すべての水素は水に変化する。
注記2 可燃物の中に炭素,水素及び酸素以外の元
素が存在する場合,それらの元素は,絶対
温度298 Kにおける標準状態において最も
安定的な生成物に変化する。
complete combustion
4.51
複合材料
二つ以上の個々の材料によって構造化された構造
体。
composite material
4.52
濃度
単位容積当たりの質量。
注記1 燃焼放出物(4.105)の濃度の代表的な単位
は,g・m−3である。
注記2 有毒ガス(4.337)の濃度は,通常,絶対温
度298 K,かつ,1気圧のときの体積分率
(4.352)で表し,代表的な単位はリットル
当たりのマイクロリットル,すなわち,
cm3/m3又は10−6である。
注記3 温度Tかつ圧力Pにおける気体の濃度は,
理想気体の体積分率に,温度Tかつ圧力P
における気体の密度を乗じて計算できる。
concentration
20
C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ISO
13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.53
濃度・時間曲線
燃焼ガス毒性の場合,時間に対する有毒ガス(4.337)
又は燃焼放出物(4.105)の濃度(4.52)の曲線。
注記1 燃焼放出物の濃度は,通常,g・m−3の単位で
測定される。
注記2 有毒ガス(4.337)の濃度は,通常,絶対温
度298 K,かつ,1気圧のときの体積分率
(4.352)によって表し,リットル当たりの
マイクロリットル,すなわち単位としては
cm3/m3又は10−6で表す。
concentration-time curve
4.54
対流
流体の移動による熱の伝達。
convection
4.55
対流熱流束
対流(4.54)による熱流束(4.173)。
convective heat flux
4.56
腐食損傷
本体の3.8の定義による。
corrosion damage
4.57
腐食ターゲット
本体の3.9の定義による。
corrosion target
4.58
臨界火災荷重
防火区画(4.102)内において,耐火障壁(4.99)又
は構造要素の崩壊を引き起こすのに十分な激しさの
火災(4.98)を起こす火災荷重(4.114)。
critical fire load
4.59
損傷面積
規定の条件において,火災(4.98)によって恒久的
に損傷を受けた表面の総面積。燃焼面積(4.30)参
照。
注記1 この用語の使用者は,対象となる損害の形
態を規定する必要がある。例えば,材料の
損失,変形,軟化,溶融挙動(4.228),炭化
物(4.38)の形成,燃焼(4.46),熱分解(4.267)
又は化学的な影響も含む。
注記2 代表的な単位は,m2である。
damaged area
4.60
損傷長さ
損傷面積(4.59)の特定方向への最大の広がり。燃
焼長さ(4.31)参照。
damaged length
4.61
その場での防御
火災(4.98)が起こっている構造体の中にいる人が,
脱出(4.82)を試みるよりも現在いる場所にとど(留)
まる人命安全戦略。
defend in place
4.62
爆燃
亜音速で伝ぱ(播)する燃焼(4.46)の波。
注記 気体状の媒体の内では,爆燃は火炎(4.133)
の一種である。
deflagration
4.63
設計密度
火災(4.98)でない状態において,スプリンクラー
から単位面積当たりの床面に放出される水の体積流
量の測定値。
design density
4.64
設計火災
設計火災シナリオ(4.65)の中で,想定する火災(4.98)
の性状の定量的な記述。
注記 典型的には,燃焼発熱速度(4.177),炎の広
がり速度(4.143),発煙速度(4.296),有毒ガ
ス(4.337)の生成速度(4.355)及び温度など
の重要な火災(4.98)の性状の時間変化を理想
化して記載したもの。
design fire
4.65
設計火災シナリオ
決定論的な火災安全工学(4.126)による解析が行わ
れる規定の火災シナリオ(4.129)。
design fire scenario
4.66
検知時間
火災(4.98)の着火(4.187)から自動又は手動のシ
ステムによる検知までの時間間隔。
detection time
21
C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ISO
13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.67
決定論的モデル
数学的表現を使用して,同じ入力データ値を用いれ
ば常に同じ結果が得られる火災モデル(4.116)。
deterministic model
4.68
爆ごう
本体の3.10の定義による。
detonation
4.69
拡散炎
別々に供給される燃料(4.161)と酸化剤(4.247)と
が混合する場所で燃焼(4.46)が起こるときの火炎
(4.133)。予混炎(4.260)参照。
diffusion flame
4.70
ドラフトフリー環境
本体の3.11の定義による。
draught-free environment
4.71
火炎の持続時間
規定の条件の下で,有炎燃焼(4.148)が持続する時
間の長さ。残炎時間(4.7)参照。
duration of flaming
4.72
有効暴露濃度50,
EC50
本体の3.13の定義による。
effective concentration 50,
EC50
4.73
有効暴露用量50,
ECt50
有効暴露濃度EC50(4.72)と暴露時間(4.90)との積。
暴露用量(4.89)参照。
注記1 燃焼放出物(4.105)の場合,代表的な単位
はg・min・m−3である。
注記2 有毒ガス(4.337)の場合,代表的な単位は,
リットル当たりのマイクロリットルと分と
の積,すなわちμL・min・L−3である。体積分
率(4.352)参照。
注記3 ECt50は,毒性強度(4.339)の数値である。
effective exposure dose 50,
ECt50
4.74
有効燃焼熱
燃焼する試験片(4.322)から規定の長さの時間に放
出される燃焼発熱(4.176)を,その試験片から同じ
時間長さの間に失われた質量で除した値。
注記1 すべての試験片が揮発性の燃焼生成物
(4.48)に変換し,かつ,すべての燃焼生成
物(4.48)が完全に酸化する場合,真燃焼熱
(4.237)と同じである。
注記2 代表的な単位は,kJ・g−1である。
effective heat of combustion
4.75
放射率
同一温度で黒体放射源(4.24)から放射されるふく
(輻)射量に対する,放射源から放射される放射量
の比。
注記 単位は無次元である。
emissivity
4.76
実験式
元素の相対的な数を示す,物質の化学式。
注記 代表的には,1種類の原子(C又はOなど)
の数は,整数で示す。ただし特定の例では,
C6H8.9O4.1N0.3Cl0.01のように示すことができる。
empirical formula
4.77
閉囲部分
構築された環境(4.26)では,1か所以上の開口部を
もつこともある境界表面によって囲まれた部分。
enclosure
4.78
きょう(筐)体
電気・電子製品では,装置の電気的及び機械的部位
を保護する外装ケース。
注記 この用語では電線ケーブルは除外する。
enclosure
4.79
実使用状態
製造業者の指示に従って使用する場合に,対象物が
その通常の使用寿命の期間中に遭遇する意図した使
用状態。
end-use condition
4.80
環境
火災(4.98)にさらされた物又は人の挙動に影響を
及ぼす可能性のある状態及び周辺情況。
environment
22
C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
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13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.81
等量比
空気に対する燃料(4.161)の比を,化学量論的混合
物(4.310)のために必要な空気に対する燃料の比で
除した値。
乏燃料型燃焼(4.162),過燃料型燃焼(4.163),化学
量論的燃焼(4.309)及び化学量論的混合物(4.310)
参照。
注記1 標準の乾燥空気は,容積比で20.95 %の酸素
を含む。実際には,燃焼環境に入ってくる
空気中の酸素の濃度(4.52)は変わるため,
標準の乾燥空気に対する等量比の換算が必
要になる。
注記2 等量比の単位は,無次元である。
equivalence ratio
4.82
脱出
安全避難所(4.281)又は安全場所(4.254)に到達す
るために取る有効な行動。
escape
4.83
避難挙動
構造物の中にいる人の,安全場所(4.254)に到達す
るための挙動。
移動挙動(4.233)及び行動前挙動(4.261)参照。
evacuation behaviour
4.84
避難時間
火災(4.98)の警告が人に伝達された時から,人が
構造物の規定の場所又はすべての場所から安全場所
(4.254)に到達するまでの時間間隔。
evaluation time
4.85
イベントツリー
一つの初期条件から開始する,一時的及び経過的な
事象の連鎖の描写。事象の木ともいう。
event tree
4.86
出口
構造物から出るために指定した部分。
exit
4.87
爆発
急速な酸化(4.246)又は分解反応によって発生し,
温度上昇を伴うか又は伴わない,気体の突然の膨張。
explosion
4.88
暴露表面
火災試験(4.132)で規定する加熱にさらされる試験
片(4.322)の表面。
exposed surface
4.89
暴露用量
本体の3.14の定義による。
exposure dose
4.90
暴露時間
本体の3.15の定義による。
exposure time
4.91
燃焼長さ
本体の3.16の定義による。
extent of combustion
4.92
煙の減光面積
本体の3.17の定義による。
extinction area of smoke
4.93
煙の減光係数
本体の3.18の定義による。
extinction coefficient
4.94
F係数
火災(4.98)から脱出(4.82)する能力を著しく阻害
すると予測される有毒ガス(4.337)又は刺激物(4.203
及び4.204)の最低濃度(4.52)。
有効濃度率(4.159)参照。
注記 濃度は,通常は絶対温度298 K,かつ,1気圧
のときの体積分率(4.352)として示す。その
場合の代表的な単位は,リットル当たりのマ
イクロリットル,すなわち,cm3/m3又は10−6
で表す。
F factor
23
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ISO
13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.95
フォルトツリー
通常は受け入れられないレベルの,失敗と表現する
危機的な結果を帰結とした事象の論理的な相互関係
の描写。フォールトの木ともいう。
注記 上記は,ISO 13943の定義であるが,JIS Z 8115
[ディペンダビリティ(信頼性)用語]のAN7
“フォールトの木”では,次のように規定さ
れている。
“下位アイテムのフォールトモード,外部
事象又はこれらの組合せのいずれかが,アイ
テムに与えられたフォールトモードを発生さ
せることを示す論理図。”
fault tree
4.96
火,
火災
本体の3.19の定義による。
fire
4.97
火
有効な効果が得られるように意図的に設定され,時
間及び場所を制限された,自己継続する制御された
燃焼(4.46)。
fire (controlled)
4.98
火災
有効な効果が得られるように意図的に設定されたも
のではなく,時間及び場所を制限されない,自己継
続する制御されない燃焼(4.46)。
fire (uncontrolled)
4.99
火災障壁
本体の3.20の定義による。
fire barrier
4.100
燃焼挙動
本体の3.21の定義による。
fire behaviour
4.101
火災分類
燃料(4.161)の性質に関連付けて火災(4.98)を分
類した,標準化したシステム。
例 ヨーロッパ及びオーストラリアでは,次の六つ
の分類がある。
A級:通常は有機質の固体材料を巻き込んだ火災で
あり,そこでは通常は,燃焼(4.46)が赤熱
する(4.168)燃えさしの形成で終わる。
B級:液体又は液体化する固形による火災。
C級:気体による火災。
D級:金属による火災。
E級:電気的危険を伴った火災。
F級:料理用油又は脂肪分による火災。
fire classification
4.102
防火区画
本体の3.22の定義による。
fire compartment
4.103
火災危険
火災危険性(4.112)及び火災リスク(4.124)を含む
概念。
fire danger
4.104
火災衰退
火災(4.98)が最大強度に達した後の火災の段階。
その段階では,火災の燃焼発熱速度(4.177)及び温
度は低下して行く。
fire decay
4.105
燃焼放出物
本体の3.23の定義による。
fire effluent
4.106
燃焼放出物の減衰特
性
本体の3.24の定義による。
fire-effluent decay characteristic
4.107
燃焼放出物の移動
本体の3.25の定義による。
fire-effluent transport
4.108
火災暴露
人,動物又は物体が,火災(4.98)によって引き起
こされた状態にさらされること。
fire exposure
4.109
消火
燃焼(4.46)が終了する過程。
fire extinguishment
24
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ISO
13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.110
火災ガス
燃焼生成物(4.48)の気体の部分。
燃焼放出物(4.105)参照。
注記 フランス語では,燃焼ガスは内燃機関の排気
ガスにも適用し,燃焼で生成する粒子を含む
こともある。
fire gases
4.111
火災の成長
火災の燃焼発熱速度(4.177)及び温度が増加してい
る火災(4.98)の発達段階。
fire growth
4.112
火災危険性
本体の3.26の定義による。
fire hazard
4.113
火炎遮断性
本体の3.27の定義による。
fire integrity,
integrity
4.114
火災荷重
本体の3.28の定義による。
fire load
4.115
火災荷重密度
単位床面積当たりの火災荷重(4.114)。
注記 代表的な単位はkJ・m−2である。
fire load density
4.116
火災モデル,
火災シミュレーショ
ン
火災力学及び火災の影響も含む,火災(4.98)の発
達の過程及び体系を記述する計算方法。
決定論的モデル(4.67),数値火災モデル(4.242),
物理火災モデル(4.252)及び確率モデル(4.265)参
照。
fire model,
fire simulation
4.117
防火性能
火災試験(4.132)にさらした試験片(4.322)の応答。
燃焼挙動(4.100)参照。
fire performance
4.118
火災プリューム
火(4.96)の上方にある浮揚性の気体流及びその中
で移動するすべての物質。
浮揚性プリューム(4.27)参照。
fire plume,
plume
4.119
発火点
標準化した小さな火炎(4.133)を規定の試験条件で
材料の表面に当てた後に,その材料が着火し
(4.184),規定の時間燃焼し(4.28)続けるための最
低温度。
引火点(4.154)参照。
注記1 幾つかの国では,この用語“fire point”の定
義は,火災報知器及び火災指示書を含む消
防設備を設置する場所である。
注記2 代表的な単位は,セルシウス温度(℃)で
ある。
fire point
4.120
火災伝播
炎の広がり(4.142)と燃焼放出物(4.105)との組合
せ。
fire propagation
4.121
耐火性
規定の時間,火(4.97)に耐える,又は防護を与え
ることができる試験片(4.322)の能力。
注記1 標準の火災試験(4.132)において耐火性を
判定する代表的な基準は,火炎遮断性
(4.113),耐火安定性(4.131)及び断熱材料
(4.328)である。
注記2 “耐火性がある”とは,耐火性の性能だけ
を指す。
fire resistance
4.122
難燃性(不採用用語) 難燃剤(4.123)参照。
fire retardance
4.123
難燃剤,
難燃処理
本体の3.31の定義による。
fire retardant
25
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ISO
13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.124
火災リスク
次の値の組合せ。
a) 火災(4.98)が発生する確率。
b) 火災の結果の数量化した度合い。
注記 しばしば確率a)と結果b)との積によって計算
する。
fire risk
4.125
火災リスク曲線
火災リスク(4.124)の図による表示。
注記 通常は,累積確率に対する累積結果の両対数
プロットである。
fire-risk curve
4.126
火災安全工学
規定の火災シナリオ(4.129)の解析又は火災シナリ
オの組合せにおける火災リスクの定量化に基づく,
構築された環境(4.26)の開発及び設計のための規
定の原則による工学的方法。
fire-safety engineering
4.127
火災安全管理
火災安全目標(4.128)を達成するための手順の適用
及び実施の維持。
注記 手順は,火災(4.98)防護方法,避難計画並
びにその防護及び計画を利用した訓練を含
む。
fire-safety management
4.128
火災安全目標
構築した環境(4.26)の基本的な特質に関連した火
災(4.98)に対する望ましい結果。
注記 ここでいう基本的な特質は,人命の安全,財
産の保護,機能の継続,環境(4.80)の保護及
び遺産の保存に関連する。
fire-safety objective
4.129
火災シナリオ
本体の3.32の定義による。
fire scenario
4.130
火災過酷性
火災(4.98)が損害を起こす能力。
fire severity
4.131
耐火安定性
本体の3.33の定義による。
fire stability
4.132
火災試験
火災(4.98)の挙動を測定する試験,又は対象物を
火(4.97)にさらす試験。
fire test
4.133
火炎
通常は光の放射を伴う,気相における急速,持続的
かつ亜音速の燃焼(4.46)。
flame
4.134
火炎を上げる
火炎(4.133)を生ずること。
flame
4.135
接炎時間
バーナの火炎(4.133)を試験片(4.322)に当て続け
る時間。
flame application time
4.136
炎の前線
本体の3.34の定義による。
flame front
4.137
耐炎性(不採用用語) −
flame resistance
4.138
防炎性
有炎燃焼(4.148)を遅らせ,終了させ又は防止する
材料の特性。
注記1 火炎遅延は基本材料の固有特性であった
り,又は特殊処理によって付与されたりす
る。
注記2 試験条件によって試験中に材料が呈する火
炎遅延の度合いは変動することがある。
flame retardance
4.139
防炎剤
火炎(4.133)の出現を抑制若しくは遅延するために
又は炎の広がり速度(4.143)を低下させるために,
材料に添加する薬剤又は材料を処理する方法。難燃
剤,難燃処理(4.123)参照。
注記 防炎剤を使用しても,必ずしも火災(4.96)
が抑圧される,又は燃焼(4.46)を終結すると
は限らない。
flame retardant
26
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ISO
13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.140
防炎処理
本体の3.35の定義による。
flame retardant treatment
4.141
防炎処理
防炎剤(4.139)で処理すること。
flame retarded
4.142
炎の広がり
本体の3.36の定義による。
flame spread
4.143
炎の広がり速度
本体の3.37の定義による。
flame-spread rate
4.144
炎の広がり時間
本体の3.38の定義による。
flame-spread time
4.145
防炎性(不採用用語) −
flameproof
4.146
防炎性きょう(筐)体 そのきょう(筐)体がある周りで起こる爆発(4.87)
によって生じる圧力に耐え,内部へ爆発が伝わるこ
とを防ぐことができるきょう(筐)体(4.78)。
flameproof enclosure
4.147
有炎燃焼
本体の3.39の定義による。
flaming
4.148
有炎燃焼
光の放射を伴う,気相において継続する燃焼(4.46)。 flaming combustion
4.149
有炎破片
火災(4.96)又は火災試験(3.132)において,燃焼
している対象物から炎を上げて燃焼(4.134)しなが
ら分離する破片。
flaming debris
4.150
有炎滴下物
火災(4.96)又は火災試験(3.132)において,燃焼
している対象物から炎を上げて燃焼(4.134)しなが
ら滴下する溶融物。
flaming droplet
4.151
有炎燃焼性
本体の3.40の定義による。
flammability
4.152
燃焼性限界
着火源(4.189)によって火炎(4.133)の伝ぱ(播)
が起こる範囲の,空気に対する燃料(4.161)気体の
濃度(4.52)。
下方燃焼限界(4.216)及び上方燃焼限界(4.350)参
照。
flammability limit
4.153
有炎燃焼性がある
本体の3.41の定義による。
flammable
4.154
引火点
本体の3.43の定義による。
flash point
4.155
フラッシング
試験片(4.322)の表面又は上方に繰り返し出現する
短時間の火炎(4.133)。
flashing
4.156
フラッシュオーバ
本体の3.42の定義による。
flashover
4.157
フラッシュオーバ
気体又は液状の中で,固体誘電体の表面に発生する
放電。
flashover
4.158
フーリエ変換赤外線
分光法,
FTIR
気体の試料を広帯域の赤外線パルスの照射によって
励起し,フーリエ変換数学的手法を用いて吸収スペ
クトルを得る分光分析法(4.305)。
注記 FTIRは,気体混合物の複数の構成気体の濃度
(4.52)を同時に測定することができる。した
がって,燃焼放出物(4.105)のガスの分析に
有用な方法である。
fourier transform infra-red
spectroscopy,
FTIR
4.159
有効濃度率,
FEC
本体の3.44の定義による。
fractional effective
concentration,
FEC
4.160
有効暴露量率,
FED
本体の3.45の定義による。
fractional effective dose,
FED
4.161
燃料
酸化剤(4.247)によって,発熱反応を起こすことが
できる物質。
fuel
27
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ISO
13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.162
乏燃料型燃焼
等量比(4.81)が1より小さい燃焼(4.46)。
注記1 換気が十分な火災(4.96及び4.98)では,
燃料(4.161)と空気との混合物は燃料が空
気に比べて少ない状態にあり,完全燃焼
(4.50)が起きやすい。
注記2 空気支配型燃焼ともいう。
fuel-lean combustion
4.163
過燃料型燃焼
等量比(4.81)が1より大きい燃焼(4.46)。
注記1 換気が制限された火災(4.96及び4.98)で
は,燃料(4.161)と空気との混合物は燃料
が空気に比べて多い状態にあり,比較的高
い濃度(4.52)の熱分解(4.267)生成物が
存在し,不完全燃焼ガスが発生する。
注記2 燃料支配型燃焼ともいう。
fuel-rich combustion
4.164
火盛期火災
可燃物(4.44)の全体が燃焼状態にある火災(4.98)
の状態。
fully developed fire
4.165
ガス化する
本体の3.48の定義による。
gasify
4.166
包括等量比
防火区画(4.102)による火災試験では,燃焼で失わ
れた可燃物(4.44)の質量をその区画に流入した空
気の質量で除し,この値を更に,化学量論的混合
(4.310)のために必要な空気に対する燃料の比で除
した値。
等量比(4.81)参照。
注記1 試験における測定装置に依存して,包括等
量比は,連続的に又は試験全体の平均値と
して測定する。
注記2 燃料が気体の場合には,包括等量比は,燃
料と空気との体積比に基づいて計算する。
注記3 包括等量比の単位は,無次元である。
global equivalence ratio
4.167
包括等量比
試験片に対する火災試験では,燃焼で失われた試験
片(4.322)の質量を,試験を閉囲した試験箱内で行
う場合にはその試験箱内の空気の質量で,試験を開
放した場所で行う場合にはその燃焼に流入する空気
の質量で除し,この値を更に,化学量論的混合物
(4.310)のために必要な空気に対する燃料の比で除
した値。
等量比(4.81)参照。
注記1 試験における測定装置に依存して,包括等
比は,連続的に又は試験全体の平均値とし
て測定する。
注記2 燃料が気体の場合には,包括等量比は,燃
料と空気との体積比に基づいて計算する。
注記3 包括等量比の単位は,無次元である。
global equivalence ratio
4.168
赤熱している
本体の3.49の定義による。
glowing
4.169
赤熱燃焼
火炎(4.133)は出さないが,光の放出を伴う,固体
の材料の燃焼(4.46)。
白熱光(4.193)参照。
glowing combustion
28
C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ISO
13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.170
総燃焼熱
燃焼(4.46)が完了し,発生した水分が規定の状態
で完全に凝縮した場合の,物質の燃焼熱(4.174)。
完全燃焼(4.50)参照。
gross heat of combustion
4.171
熱容量
ある対象物の温度を,1 K上昇させるために必要な
熱エネルギー。
比熱容量(4.303)参照。
注記 熱容量の単位は,J・K−1である。
heat capacity
4.172
熱流速度
単位時間当たりに移送される熱エネルギー。
注記 熱流速度の単位は,Wである。
heat flow rate
4.173
熱流束
単位面積及び単位時間当たりに,放出,伝達又は流
入する熱エネルギー量。
注記 熱流束の単位は,W・m−2である。
heat flux
4.174
燃焼熱
本体の3.65の定義による。
heat of combustion
4.175
気化熱
与えられた温度において,単位質量の材料を凝縮相
から気相に変化させるために必要な熱エネルギー。
注記 気化熱の単位は,kJ・g−1である。
heat of gasification
4.176
燃焼発熱
燃焼(4.46)によって生成する熱エネルギー。
注記 燃焼発熱の単位は,Jである。
heat release
4.177
燃焼発熱速度
燃焼(4.46)によって単位時間当たりに生成する熱
エネルギー。
注記 燃焼発熱速度の単位は,Wである。
heat release rate
4.178
燃焼発熱速度計,
燃焼発熱率計
燃焼発熱速度を測定する装置。
heat release rate calorimeter
4.179
熱応力
上昇又は下降している温度,放射熱流束(4.270)又
はこれらの要素の組合せにさらされた場合に引き起
こされる状態。
注記 この状態は,人及び物質に適用できる。物質
の場合には,通常の使用中又は外部からの影
響を受けて起きる場合に,熱応力が発生する。
heat stress
4.180
過換気
本体の3.50の定義による。
hyperventilation
4.181
IC50
対象の生物が,規定の暴露時間(4.90)及び暴露後
時間においてその50 %が行動不能(4.194)となるこ
とを,濃度に対する反応のデータから統計的に計算
した有毒ガス(4.337)又は燃焼放出物(4.105)の濃
度(4.52)。
有効暴露濃度50(4.72)参照。
注記1 燃焼放出物に関しては,代表的な単位は
g・m−3である。
注記2 有毒ガスに関しては,絶対温度298 K及び1
気圧における,リットル当たりのマイクロ
リットル,すなわち,μL/Lで表す。
IC50
4.182
着火性
規定の条件下における,試験片(4.322)の着火(4.186)
しやすさの尺度。
ignitability,
ease of ignition
4.183
着火しやすい
着火する(4.186)ことが可能なこと。
ignitable
4.184
着火する
外部からの熱源がある又はない場合に,火(4.96)
が生じること。
ignite
4.185
着火させる
燃焼(4.46)を開始すること。
点火させる(4.210)参照。
ignite
29
C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
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ISO
13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.186
着火した
燃焼(4.46)している状態になったこと。
ignited
4.187
着火
燃焼(4.46)が開始すること。
ignition
4.188
着火
持続火炎(4.320)が開始すること。
ignition
4.189
着火源
燃焼(4.46)を開始するエネルギー源。
ignition source
4.190
着火時間
規定の条件において,試験体が規定の着火源(4.189)
に暴露されてから,持続燃焼(4.319)を開始するま
での時間。
着火性(4.182)及び暴露時間(4.90)参照。
ignition time
4.191
脱出能力低減
脱出を遅延,減速又は妨害させるように起こる,脱
出(4.82)行動への自発性及び能力への影響。
impaired escape capability
4.192
載荷荷重
それ自身の質量に起因する力以外に,物体に加わる
力。
耐力基準(R)(4.215)参照。
注記 載荷加重の単位は,ニュートン(N)である。
imposed load,
superimposed load
4.193
白熱光
強く加熱される材料から発する光の放出。
赤熱(4.168)参照。
注記 燃焼(4.46)の有無にかかわらず,白熱光は,
液体又は固体の材料から発生する。
incandescence
4.194
行動不能
本体の3.52の定義による。
incapacitation
4.195
個人リスク
個人の生活様式に基づき,個人が経験する火災リス
ク(4.124)の尺度。
individual risk
4.196
不燃性(不採用用語) 有炎燃焼性(4.151)参照。
inflammability
4.197
不燃性の
(不採用用語)
有炎燃焼性がある(4.153)を参照。
inflammable
4.198
断熱性基準(I)
断熱材(4.329)の能力を査定する基準。
注記1 断熱材の火災にさらされていない側の温度
上昇によって決まる。
注記2 断熱性基準は,火災安全目標(4.128)に依
存する。
insulation criterion I
4.199
保全性基準(E)
区画部材(4.292)が,火炎(4.133)及び高温ガスの
通過を防止する能力を査定する基準。
火災遮断性(4.113)及び耐火性(4.121)参照。
integrity criterion E
4.200
中間規模火災試験
中間規模の寸法の試験片(4.322)による火災試験
(4.132)。
注記 最大寸法が1 m〜3 mの試験片による火災試
験は,通常,中間規模火災試験という。
intermediate-scale fire test
4.201
本質安全回路
規定の試験条件において,いかなるスパーク又は熱
影響があっても,空気中の有炎燃焼性(4.153)又は
可燃性の(4.43)混合物の着火を起こすことがない
電気回路。
注記 試験条件には,平常作動及び規定の故障条件
を含む。
intrinsically safe circuit
4.202
本質安全システム
危険として分類された場所で使われるすべての電気
回路が,本質安全回路(4.201)である電気組立部品
及び製品。
intrinsically safe system
30
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13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.203
刺激物
眼,鼻,口,のど及び呼吸器系統の神経感覚器官を
刺激して,生理的防御反応を伴うさまざまな程度の
不快感又は痛みを引き起こすガス又はエアロゾル。
注記 生理的防御反応には,反射性まばたき,涙,
せき(咳)及び気管支収縮を含む。
irritant
4.204
刺激物
肺の下部呼吸器系統の神経感覚器官を刺激して,呼
吸の不快感をもたらすガス又はエアロゾル。
注記 呼吸の不快感には,呼吸困難及び呼吸回数の
増加がある。重症の場合には,肺炎又は肺水
しゅ(腫)(致命的なこともある)が暴露後数
時間たって起きることもある。
irritant
4.205
大規模火災試験
大寸法の試験片(4.322)について実施し,通常の試
験チャンバ内では実施できない規模の火災試験
(4.132)。
注記 最大寸法が3 m以上の試験片について実施す
る火災試験は,通常,大規模火災試験という。
large-scale fire test
4.206
横方向火炎伝播
炎の前線(4.136)の横方向への進行。
lateral spread of flame
4.207
致死濃度50,
LC50
対象の生物が,規定の暴露時間(4.90)及び暴露後
時間においてその50 %が死に至ることを,濃度に対
する反応のデータから統計的に計算した有毒ガス
(4.337)又は燃焼放出物(4.105)の濃度(4.52)。
有効暴露濃度50(4.72)参照。
注記1 燃焼放出物に関しては,代表的な単位は
g・m−3である。
注記2 有毒ガスに関しては,絶対温度298 K及び1
気圧における,リットル当たりのマイクロ
リットル,すなわち,μL/Lで表す。
lethal concentration 50,
LC50
4.208
50 %致死暴露量,
LCt50
本体の3.55の定義による。
lethal exposure dose 50,
LCt50
4.209
50 %致死暴露時間,
L50
有毒ガス(4.337)又は燃焼放出物(4.105)のある濃
度(4.52)において,対象の生物の50 %を死に至ら
しめる暴露時間(4.90)
lethal exposure time 50,
L50
4.210
点火させる
本体の3.56の定義による。
light
4.211
点火する
有炎燃焼(4.148)を開始すること。
light
4.212
点火
本体の3.58の定義による。
lighting
4.213
着炎
有炎燃焼(4.148)を開始すること。
lighting
4.214
線燃焼速度
本体の3.59の定義による。
linear burning rate
4.215
耐力基準(R),
耐荷能力
火(4.96)に暴露されたときに,構成部材(4.25)又
は構造が,加わっている荷重を支持する能力。
注記 欧州連合内では,耐力基準(R)よりも耐荷能
力(load-bearing capacity)のほうが好まれる。
耐荷能力は,欧州における火災試験,建築業
界及び欧州の規格で使用される。
load-bearing criterion R,
load-bearing capacity
4.216
下方燃焼限界,
LFL
着火源(4.189)があっても,それ以下では火炎(4.133)
の伝ぱ(播)が起きない,空気に対する燃料(4.161)
の最低濃度(4.52)。
注記 濃度は,通常は定義された温度及び圧力にお
ける体積分率(4.352)として,百分率で表す。
lower flammability limit
31
C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
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ISO
13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.217
最低実測悪影響レベ
ル,
LOAEL
適切に保持した対象検体に比べて,ある化学品に暴
露された同種の対象検体に,統計学的に又は生物学
的に悪影響の頻度又は厳しさの有意な増加が認めら
れる化学品の最少の暴露用量(4.89)。
lowest observed adverse effect
level
4.218
質量燃焼速度
本体の3.60の定義による。
mass burning rate
4.219
質量燃焼速度計
質量燃焼速度(4.218)を測定する装置。
mass calorimeter
4.220
質量充てん(填)濃度 閉鎖系の試験装置では,燃焼箱内に置いた試験片
(4.322)の質量を,燃焼箱内の体積で除した値。
注記 代表的な単位は,g・m−3である。
mass charge concentration
4.221
質量充てん(填)濃度 開放系の試験装置では,試験片(4.322)の質量を試
験装置を通過した空気の体積で除した値。
注記1 この定義は,質量が空気の流れの中に均一
に拡散すると仮定している。
注記2 代表的な単位は,g・m−3である。
mass charge concentration
4.222
質量喪失濃度
閉鎖系の試験装置では,燃焼(4.46)によって失わ
れた試験片(4.322)の質量を,試験箱内の体積で除
した値。
注記 代表的な単位は,g・m−3である。
mass loss concentration
4.223
質量喪失濃度
開放系の試験装置では,燃焼(4.46)によって失わ
れた試験片(4.322)の質量を,試験装置を通過した
空気の体積で除した値。
注記1 この定義は,質量が空気の流れの中に均一
に拡散すると仮定している。
注記2 代表的な単位は,g・m−3である。
mass loss concentration
4.224
質量喪失速度
規定の試験条件で,単位時間に失われる試験片
(4.322)の質量。
注記 代表的な単位は,g・s−1である。
mass loss rate
4.225
煙の質量光学密度
本体の3.61の定義による。
mass optical density of smoke
4.226
脱出手段
構築された環境(4.26)から安全場所(4.254)へ,
人が安全に移動する経路として用意した構造的手
段。
means of escape
4.227
機械的応答
構成部材(4.25)の火(4.96)による変形,強度及び
耐荷能力(4.215)の変化,並びに火災暴露(4.108)
による材料のい(萎)縮,膨張,はく(剥)離又は
分離による構成部材の開口の尺度。
mechanical response
4.228
溶融挙動
熱の影響によって,材料の液化に伴う現象。
注記 溶融挙動は,変形及び滴下を含むが,炎の発
生の有無は,定義には含まない。
melting behaviour
4.229
最小臨界相対湿度
本体の3.62の定義による。
minimum critical relative
humidity
4.230
最低検知限界,
MDL
理論的に測定可能な最も低い濃度(4.52)。
minimum detection limit,
MDL
4.231
最低着火温度,
着火点
規定の試験条件で,持続燃焼(4.319)を開始できる
温度。
注記1 最低着火温度とは,無限の長さの時間熱応
力を加えることを意味する。
注記2 代表的な単位は,セルシウス温度(℃)で
ある。
minimum ignition temperature,
ignition point
32
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13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.232
溶融滴下物
本体の3.64の定義による。
molten drip
4.233
移動挙動
構築された環境(4.26)の中にいる人が,退去を開
始してから安全場所(4.254)又は安全避難場所
(4.281)に到達することを可能にする挙動。
movement behaviour
4.234
移動時間
構築された環境(4.26)の中にいる人が,出口に向
かい,そこを通過し,安全場所(4.254)に移動する
ために必要な時間。
movement time
4.235
こん(昏)睡状態
意識の低下及び/又は身体能力の低下を引き起こす
中枢神経系の機能低下。
注記 極端な場合には,意識不明及び死に至ること
もある。
narcosis
4.236
麻酔性薬物
こん(昏)睡状態(4.235)を引き起こす毒物(4.341)。 narcotic
4.237
真燃焼熱
本体の3.66の定義による。
net heat of combustion
4.238
悪影響が観察できな
いレベル,
NOAEL
暴露された母集団と適切な比較標準との間に,悪影
響の頻度又は強度の増加が統計学的に又は生物学的
に観察されない化学薬品の暴露用量(4.89)。
注記 この用量において,悪影響とはみなされない
影響が起こることがある。
no observed adverse effect level,
NOAEL
4.239
不燃性の
規定の条件で,燃焼(4.46)することがないこと。 non-combustible
4.240
不発炎性の
規定の条件で,火炎(4.133)を上げて燃える能力が
ないこと。
non-flammable
4.241
理論収率
化学量論的収率(4.311)参照。
notional yield
4.242
数値火災モデル
火災(4.98)の発展を支配する相互に関連した異な
る複数の現象の数学的な表示。
numerical fire model
4.243
煙の遮へい(蔽)性
煙を通り抜けることに起因する光の強度低下。
煙の減光面積(4.92),煙の減光係数(4.93),(煙に
よる)光の不透過度(4.244),(煙の)光学密度
(4.245),煙の比減光面積(4.302)及び煙の比光学
密度(4.304)参照。
注記1 実際には,煙の遮へい(蔽)性は,百分率
で表す透過率(4.347)として測定する。
注記2 煙の遮へい(蔽)性は,視界(4.351)の低
下を引き起こす。
obscuration by smoke
4.244
(煙による)光の不透
過度
本体の3.67の定義による。
opacity of smoke
4.245
(煙の)光学密度
本体の3.68の定義による。
optical density of smoke
4.246
酸化
物質内の酸素又は電気的に陰性の元素の割合が増加
する化学反応。
注記 化学においてこの用語は,広義には原子,分
子又はイオンからの電子の喪失に関する過程
を意味する。
oxidation
4.247
酸化剤
酸化(4.246)を起こす能力をもった物質。
注記 燃焼(4.46)は酸化である。
oxidizing agent
4.248
酸素消費原理
燃焼(4.46)するときに,消費される酸素の質量と
燃焼発熱(4.176)との間に比例関係があるという原
理。
注記 酸素消費原理の指数として,一般的に13.1 kJ・
g−1を用いる。
oxygen consumption principle
33
C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
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ISO
13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.249
酸素指数,
OI
規定の試験条件で,材料が有炎燃焼(4.148)を継続
できる,23 ℃±2 ℃における酸素及び窒素の混合物
中の最少酸素体積分率。
注記 通常は,百分率で表す。
oxygen index,
OI
4.250
性能準拠設計
規定の目標及び受入基準(4.2)を達成することを目
指した設計。
performance-based design
4.251
段階的避難
構築された環境(4.26)の異なる場所から,管理し
た順序で避難が行われる過程。
注記 最大の危険に直面している場所から,初めに
避難が行われる。
例 多層階の構造物では,通常,最初に避難が行わ
れる場所は火災(4.98)が起こっている階層,そ
の直上の階層,その直下の階層及びすべての地
下の階層である。
phased evacuation
4.252
物理火災モデル
火災(4.98)のある過程の表現を意図した装置,環
境(4.80)及び火災試験(4.132)手順を含む試験過
程。
physical fire model
4.253
口火着火
火炎(4.133),スパーク,電気アーク又は赤熱して
いる(4.168)ワイヤによる,可燃性の(4.43)ガス
又は蒸気の着火(4.187)。
piloted ignition
4.254
安全場所
危険がなく,火災(4.98)からの脅威なしで自由に
動くことができる場所。
安全避難場所(4.281)参照。
注記 建築物の火災(4.98)の場合には,代表的に
は建築物の外部の場所をいう。
place of safety
4.255
暴露後時間
暴露時間(4.90)の後の時間であって,その期間内
に暴露の影響を査定する時間。
post-exposure time
4.256
ppm(不採用用語)
濃度(4.52),体積分率(4.352)及び体積ppm(4.257)
参照。
ppm
4.257
体積ppm
(不採用用語)
濃度(4.52),体積分率(4.352)及びppm(4.256)
参照。
ppm by volume
4.258
予測LC50
規定の暴露時間(4.90)及び暴露後時間(4.255)内
で,燃焼(4.46)雰囲気における化学分析データに
基づいて,燃焼した(4.28)試験片(4.322)からの
燃焼放出物(4.105)の濃度(4.52)が,有効暴露量
率(FED)(4.160)の値を1とするLC50(4.207)の
値。
注記 代表的な単位は,g・m−3である。
predicted LC50
4.259
予測致死毒性
本体の3.69の定義による。
predicted toxic potency
4.260
予混炎
燃料(4.161)と酸化剤(4.247)との良好な混合物の
中で起きる燃焼(4.46)の火炎(4.133)。
拡散炎(4.69)参照。
pre-mixed flame
4.261
行動前挙動
行動前時間(4.262)における人の挙動。
認知挙動(4.275)及び反応挙動(4.279)参照。
pre-movement behaviour
4.262
行動前時間
火災(4.98)の警報又は兆候が発信された後,人が
出口(4.86)に向かって行動を開始するまでの時間。
pre-movement time
4.263
事前水散布
前進する炎の前線(4.136)の経路にある燃料(4.161)
の表面に,水をかけること。
pre-wetting
34
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ISO
13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.264
第一次標準
関連する測定装置の校正の経路をたどることができ
る絶対的な標準。
primary standard
4.265
確率モデル
一つの事象から他の移行及びその移行の発現確率を
支配する数学的規則に基づいて,事象及び状態の一
連の経緯として火災現象を扱う火災モデル(4.116)。
注記 移行の例として,着火(4.187)及び持続燃焼
(4.319)がある。
probabilistic model
4.266
進行するくん焼
有炎燃焼(4.148)を伴わない自己伝ぱ(播)性の発
熱を伴う酸化(4.246)。
注記 赤熱(4.168)を伴うこともある。
progressive smouldering
4.267
熱分解
本体の3.70の定義による。
pyrolysis
4.268
熱分解最前部
本体の3.71の定義による。
pyrolysis front
4.269
自燃性材料
空気と接触すると,自動着火(4.18)する材料。
pyrophoric material
4.270
放射熱流束
熱放射の形で放出,伝ぱ(播)又は受け入れられた
単位面積当たりの力。
注記 代表的な単位は,kW・m−2である。
radiant heat flux
4.271
放射伝熱
電磁ふく(輻)射による熱の伝達。
radiative heat transfer
4.272
放射計
放射熱流束(4.270)を電気信号に変換する機器。
radiometer
4.273
火に対する反応
本体の3.72の定義による。
reaction to fire
4.274
実規模火災試験
本体の3.73の定義による。
real-scale fire test
4.275
認知挙動
火災(4.98)の警報又は兆候が伝えられた時から,
反応行動を取り始めるまでの時間内の,人の挙動。
行動前挙動(4.261)及び反応挙動(4.279)参照。
recognition behaviour
4.276
参照火災シナリオ
構築された環境(4.26)における火災(4.98)のある
現象の再現を意図した火災試験(4.132)の基礎とし
て用いる火災シナリオ(4.129)。
reference fire scenario
4.277
必要放水密度,
RDD
火(4.96)の燃焼発熱速度(4.177)を規定した低い
レベルまで減衰させるために,燃焼する燃料の水平
面に放水する水の単位面積当たりの容積流量速度。
注記 代表的な単位は,mm・min−1である。
required delivered density,
RDD
4.278
必要安全脱出時間,
RSET
人が,着火(4.187及び4.188)の時から,そのいる
場所から安全避難所(4.281)又は安全場所(4.254)
へ移動するために必要な時間。
有効安全脱出時間(4.20)及び避難時間(4.84)参照。
required safe escape time,
RSET
4.279
反応挙動
人が火災(4.98)の警報又は兆候を認知してから,
避難に先立って起こす挙動。
行動前挙動(4.261)及び認知挙動(4.275)参照。
response behaviour
4.280
リスク受入れ
受入基準(4.2)の遵守又はその基準を修正する明確
な判断に基づき,火災リスク(4.124)の予測される
レベルを受け入れる判断。
risk acceptance
4.281
安全避難場所
火災(4.98)の影響による直接の危険性のない一時
的な避難場所。
safe refuge
4.282
焦がす
熱によって限定的な炭化を引き起こして,材料の表
面を変化させること。
scorch
4.283
選別試験
標準化した試験方法に従って,試験片(4.322)があ
る特定の性質を示すか否かを確認するために用いる
予備的試験。
screening test
35
C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ISO
13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.284
第二次標準
第一次標準(4.264)まで追跡可能な校正を行った標
準機器。
secondary standard
4.285
自己消火する
外的要因に影響されずに燃焼(4.46)を終えること。 self-extinguish
4.286
自己消火性
(不採用用語)
−
self-extinguishibility
4.287
自己消火性のある
(不採用用語)
−
self-extinguishing
4.288
自己発熱
本体の3.74の定義による。
self-heating
4.289
自己加熱
電気技術製品の中の温度上昇をもたらす,その製品
自身が使用するエネルギーによって発生する熱。
self-heating
4.290
自己着火温度
(不採用用語)
自動着火温度(4.19)参照。
self-ignition temperature
4.291
自己伝ぱ(播)火炎
外部のエネルギー源をすべて除去した後の,炎の前
線(4.136)の伝ぱ(播)。
self-propagation flame
4.292
区画部材
片側から反対側への火(4.97)又は火災(4.98)の広
がりに抵抗することを意図した物理的仕切り。
separating element
4.293
小規模試験
本体の3.77の定義による。
small-scale fire test
4.294
煙
本体の3.79の定義による。
smoke
4.295
発煙
火(4.96)又は火災試験(4.132)において発生する
煙(4.294)の量。
smoke production
4.296
発煙速度
単位時間に,火(4.96)又は火災試験(4.132)にお
いて発生する煙(4.294)の量。
注記1 測定場所における煙(4.294)の通過体積流
量に,煙の減光係数(4.93)を乗じて算出す
る。
注記2 代用的な単位は,m2・s−1である。
smoke production rate
4.297
くん焼燃焼
本体の3.81の定義による。
smouldering combustion
4.298
社会リスク
すべての影響される人及びその集団が結果として経
験する火災リスク(4.124)。
societal risk
4.299
すす
本体の3.82の定義による。
soot
4.300
スパーク
熱力学では,白熱する粒子。
spark
4.301
スパーク
電気的には,二つの導電体の気体中において起こる
せん(閃)光を伴う放電。
spark
4.302
煙の比減光面積
本体の3.83の定義による。
specific extinction area of smoke
4.303
比熱容量
単位質量当たりの熱容量。
注記 比熱容量の単位は,J・g−1・K−1である。
specific heat capacity
4.304
煙の比光学密度
本体の3.84の定義による。
specific optical density of smoke
4.305
分光分析法
対象物質の化学成分並びにその原子,分子及びイオ
ンの物理的特性を,光学スペクトルによって求める
分析方法。
spectroscopy
4.306
スプリンクラ作動面
積
スプリンクラが作動して消火水を供給するように設
計した面積。
sprinkler activation area
4.307
スプリンクラ作動速
度
スプリンクラから放出する水の,単位面積及び単位
時間当たりの体積流量。
注記1 水平面に対するスプリンクラ密度(4.308)
で表すこともある。
注記2 代用的な単位は,mm・min−1である。
sprinkler application rate surface
density
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C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ISO
13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.308
スプリンクラ密度
スプリンクラ作動速度(4.307)参照。
sprinkler density,
discharge density
4.309
化学量論的燃焼
等量比(4.81)が1である燃焼(4.46)。
stoichiometric combustion
4.310
化学量論的混合物
規定の化学反応式に従った比をもつ化学反応物質の
混合物。
stoichiometric mixture
4.311
化学量論的収率
化学量論的燃焼(4.309)による燃焼生成物(4.48)
の収率。
stoichiometric yield
4.312
下地材
実際の使用において,表面材のすぐ下に当てる材料
又はその代表。
substrate
4.313
過刺激物
(不採用用語)
−
super-irritant
4.314
過毒性物
(不採用用語)
−
super-toxivant
4.315
火災抑制システム
炎の広がり(4.142),燃焼発熱(4.176)又は発煙
(4.295)を安定させ,減少させ又は終わらせるよう
に設計したシステム。
suppression system
4.316
表面燃焼
材料の表面に限定した燃焼(4.46)。
surface burn
4.317
表面フラッシュ
材料の基礎に着火することなく,その表面上に発生
する一時的火炎(4.345)の動き。
surface flash
4.318
表面の炎の広がり
着火(4.187)した場所から,液体又は固体の表面に
沿って伝わる炎の広がり(4.142)。
surface spread of flame
4.319
持続燃焼
規定の時間以上,試験片(4.322)が燃焼(4.46)す
ること。
持続火炎(4.320)参照。
注記 規定の時間は,試験方法の規格で規定する。
sustained combustion
4.320
持続火炎
規定の時間以上,試験片(4.322)の表面又はその上
方に火炎(4.133)が持続すること。
表面フラッシュ(4.317)及び一時的火炎(4.345)参
照。
注記 規定の時間は,試験方法の規格で規定する。
sustained flame
4.321
温度時間曲線
標準耐火性(4.121)試験において規定した,時間に
沿った温度の曲線。
temperature-time curve
4.322
試験片
測定又は評価の対象となる物。
test specimen
4.323
熱伝導率
物体内を伝わる熱の指標。
注記1 熱が物体の周囲と出入りしない場合,熱伝
導は次の式で表す。
(Q×d) / (A×t×θ)
ここに,Qはある時間t間に,面積Aにわた
って厚さdの材料を伝わった熱,θはその材
料の両面間の温度差。
注記2 代表的な単位は,W・m−1・K−1である。
thermal conductivity
4.324
熱分解
熱又は高温が,対象物の化学的構成の変化を引き起
こす過程。
注記 熱分解は,熱損傷(4.325)とは異なる。
thermal decomposition
37
C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ISO
13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.325
熱損傷
熱又は高温が,対象物の特性を悪化させる過程。
注記1 特性とは,例えば,物理的,化学的又は電
気的特性を指す。
注記2 熱損傷は,熱分解(4.324)とは異なる。
thermal degradation
4.326
熱拡散率
熱伝導率(4.323)を,物質の密度及び比熱容量(4.303)
で除した値。
注記1 固体内部の熱伝導の計算に使用する。
注記2 代表的な単位は,m2・s−1である。
thermal diffusivity
4.327
熱慣性
本体の3.86の定義による。
thermal inertia
4.328
断熱材
熱を規定の場所に封じ込めるために使用する材料。 thermal insulation material
4.329
断熱材
本体の3.87の定義による。
thermal insulation
4.330
熱放射
電磁波による熱エネルギーの伝達。
thermal radiation
4.331
熱応答
加えられた熱流束(4.173)によって生じる物体内の
温度分布。
thermal response
4.332
熱的に厚い固体の挙
動
固体の一つの面に熱流束(4.173)を加えたときに,
反対の表面の温度上昇が無視できる程度であるこ
と。
注記 この挙動は,暴露時間(4.90),熱流束の大き
さ及び固体の材料物性に依存する。
thermally thick solid behaviour
4.333
熱的に薄い固体の挙
動
固体の一つの面に熱流束(4.173)を加えたときに,
固体内のその面に垂直な方向の温度こう(勾)配が
無視できる程度であること。
注記 この挙動は,暴露時間(4.90),熱流束の大き
さ及び固体の材料物性に依存する。
thermally thin solid behaviour
4.334
総熱流束
対流熱流束(4.55)と放射熱流束(4.270)との和。 total heat flux
4.335
総熱流束計
総熱流束(4.334)を測定する機器。
total heat flux meter
4.336
毒性の
有毒であること。
注記 有毒な物質は,生物に刺激,こん睡状態,死
などの悪影響を及ぼす。
toxic
4.337
有毒ガス
毒性の(4.336)気体。
注記 燃焼放出物の場合には,毒性ガスはその中の
一つのガス成分又はガス成分の混合物を指
す。
toxic gas
4.338
毒物危険性
本体の3.91の定義による。
toxic hazard
4.339
毒性強度
本体の3.92の定義による。
toxic potency
4.340
毒性リスク
次の二つの積。
− ある行動又は状態において予想される毒物危険
性(4.338)が実際に起こる可能性。
− 毒物危険性(4.338)が起こることによって生じ
ると予想される損害の程度又は結果。
注記 毒性リスクは,火災リスク(4.124)の一部で
ある。
toxic risk
4.341
毒物,
有毒物
本体の3.89の定義による。
toxicant
4.342
毒性,
有毒性
本体の3.90の定義による。
toxicity
38
C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ISO
13943
の番号
用語
定義
対応英語
(参考)
4.343
トラッキング
電気的な圧力及び汚損によって生じる,絶縁材料内
部及び/又は表面で起こる電気伝導経路の継続的な
形成。
tracking,
act tracking
4.344
耐トラッキング性
本体の3.93の定義による。
tracking resistance
4.345
一時的火炎
規定の短時間に,試験片(4.322)の表面又は上方に
発生する火炎(4.133)。
表面フラッシュ(4.317)及び持続火炎(4.320)参照。
注記 幾つかの規格では,短時間は4秒と規定して
いる。
transient flame
4.346
一時的着火
着火源(4.189)を取り去った後で,一時的火炎が生
じること。
着火(4.187及び4.188)及びフラッシング(4.155)
参照。
transient ignition
4.347
透過率
規定の条件で,煙(4.294)に入射する光の量に対す
る透過した後の光の量の比。
煙の遮へい(蔽)性(4.243)参照。
注記1 煙の光透過率は,煙による光の不透過度
(4.244)と同意である。
注記2 煙の透過率は,無次元であり,百分率で表
すことが多い。
transmittance
4.348
移動距離
隔壁,仕切り及び設置物を考慮して,人が構築され
た環境(4.26)のある場所から至近の出口に至るま
での距離。
travel distance
4.349
最終安定性低下
本体の3.94の定義による。
ultimate stability failure
4.350
上方燃焼限界,
UFL
着火源(4.189)があっても,それ以上では火炎(4.133)
の伝ぱ(播)が起きない,空気に対する燃料(4.161)
の最高濃度(4.52)。
注記 濃度は,通常は定義した温度及び圧力におけ
る体積分率(4.352)として,百分率で表す。
upper flammability limit
4.351
視界
本体の3.95の定義による。
visibility
4.352
(混合気体中の気体
の)体積分率
本体の3.96の定義による。
volume fraction
4.353
体積収率
絶対温度298 K及び1気圧における燃焼放出物
(4.105)の成分の体積を,その体積の生成に関係し
た試験片(4.322)の喪失質量で除した値。
注記 代表的な単位は,m3・g−1である。
volume yield
4.354
灯心現象
本体の3.97の定義による。
wicking
4.355
生成速度,
収率
燃焼(4.46)中に生成される燃焼生成物(4.48)の質
量を,試験片(4.322)の喪失質量で除した値。
注記 生成速度又は収率は,無次元である。
yield
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C 60695-4:2010 (IEC 60695-4:2005)
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附属書JB
(参考)
関連する用語及び定義
この附属書は,対応国際規格及び附属書JAには記述がないが,他のJIS C 60695規格群にある用語及び
定義を,使用者の便宜のために付加したものである。
JB.1
貫通孔(burn-through)
試験炎によって,板状試験片に生じた孔。
JB.2
発火源(ignition source)
燃焼を開始させるエネルギー源(JIS C 60695-5-2の3.8参照)。
JB.3
肺刺激性(pulmonary irritancy)
下部気道に及ぼす毒性の作用であって,呼吸不調を引き起こすことがある刺激性(例えば,呼吸困難,
呼吸数の増加など)。激しい場合には,暴露時間後に肺炎又は肺水しゅ(腫)を引き起こし,死亡に至る場
合もある。
参考文献 JIS C 60695-5-2:1999 環境試験方法−電気・電子−耐火性試験:燃焼放出物による腐食損傷の
評価−試験方法の選択及び適用の指針
注記 対応国際規格:IEC 60695-5-2:1994,Fire hazard testing−Part 5: Assessment of potential
corrosion damage by fire effluents−Section 2: Guidance on the selection and use of test
methods(IDT)
ISO 13943:2008,Fire safety−Vocabulary