C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
6.1 適用範囲 ······················································································································ 1
6.2 引用規格 ······················································································································ 1
6.3 用語及び定義 ················································································································ 2
61 最初の検証 ···················································································································· 3
61.1 一般事項 ····················································································································· 3
61.2 検査 ··························································································································· 3
61.3 試験 ··························································································································· 4
61.4 最初の検証に関する報告 ································································································ 8
62 定期検証 ······················································································································· 9
62.1 一般事項 ····················································································································· 9
62.2 定期検証の頻度 ············································································································ 9
62.3 定期検証に関する報告 ·································································································· 10
附属書A(参考)大地又は保護導体に対する床及び壁の絶縁抵抗及び/又はインピーダンスの
測定方法 ······················································································································ 11
附属書B(参考)接地極の抵抗測定法······················································································ 13
附属書C(参考)箇条61の規定の適用に関する指針−最初の検証 ················································ 16
附属書D(参考)設定電圧降下率に対応した最大ケーブル長が求められる図表の例 ·························· 19
附属書E(参考)電気設備に再利用する電気機器に対する推奨事項 ··············································· 20
附属書F(参考)検証のための設備に関する記載事項 ································································· 21
附属書G(参考)電気設備の検査用の書式(G.2の例を参照) ····················································· 23
附属書H(参考)検証の報告書 ······························································································ 29
附属書I(参考)JIS C 60364-6-61:2006とJIS C 60364-6:2010との対応表 ······································· 31
参考文献 ···························································································································· 32
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まえがき
この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本
工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
JIS C 0364,JIS C 60364の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 60364-1 第1部:基本的原則,一般特性の評価及び用語の定義
JIS C 60364-4-41 第4-41部:安全保護−感電保護
JIS C 60364-4-42 第4-42部:安全保護−熱の影響に対する保護
JIS C 60364-4-43 第4-43部:安全保護−過電流保護
JIS C 60364-4-44 第4-44部:安全保護−妨害電圧及び電磁妨害に対する保護
JIS C 60364-5-51 第5-51部:電気機器の選定及び施工−一般事項
JIS C 60364-5-52 第5-52部:電気機器の選定及び施工−配線設備
JIS C 60364-5-53 第5-53部:電気機器の選定及び施工−断路,開閉及び制御
JIS C 60364-5-54 第5-54部:電気機器の選定及び施工−接地設備,保護導体及び保護ボンディング
導体
JIS C 60364-5-55 第5-55部:電気機器の選定及び施工−その他の機器
JIS C 60364-6 第6部:検証
JIS C 0364-7-701 第7-701部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−バス又はシャワーのある場
所
JIS C 0364-7-702 第7部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項 第702節:水泳プール及びその
他の水槽
JIS C 0364-7-703 第7-703部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−サウナヒータのある部屋及
び小屋
JIS C 0364-7-704 第7-704部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−建設現場及び解体現場にお
ける設備
JIS C 0364-7-705 第7-705部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−農業用及び園芸用施設
JIS C 0364-7-706 第7-706部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−動きを制約された導電性場
所
JIS C 0364-7-708 第7部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項 第708節:キャラバンパーク及
びキャラバンの電気設備
JIS C 0364-7-709 第7部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項 第709節:マリーナ及びレジャ
ー用舟艇
C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
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JIS C 0364-7-711 第7部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項 第711節:展示会,ショー及び
スタンド
JIS C 0364-7-712 第7-712部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−太陽光発電システム
JIS C 0364-7-713 第7部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項 第713節:家具
JIS C 0364-7-714 第7部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項 第714節:屋外照明設備
JIS C 0364-7-715 第7-715部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−特別低電圧照明設備
JIS C 0364-7-717 第7-717部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−移動形又は運搬可能形ユニ
ット
JIS C 0364-7-740 第7-740部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−催し物会場,遊園地及び広
場の建造物,娯楽装置及びブースの仮設電気設備
JIS C 0364-7-753 第7-753部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−床暖房及び天井暖房設備
C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
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白 紙
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日本工業規格 JIS
C 60364-6:2010
(IEC 60364-6:2006)
低圧電気設備−第6部:検証
Low-voltage electrical installations−Part 6: Verification
序文
この規格は,2006年に第1版として発行されたIEC 60364-6を基に,技術的内容及び対応国際規格の構
成を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
6.1
適用範囲
この規格は,電気設備の最初の検証及び定期検証に関する要求事項について規定する。
箇条61は,JIS C 60364の他の部の要求事項に適合しているかどうかを,実務上可能な限り判定するた
めの,電気設備の検査及び試験による最初の検証,並びに検証結果の報告に関する要求事項を規定する。
最初の検証は,新設設備の完成時又は既存設備の増設工事若しくは改修工事の完成時に行う。
箇条62は,設備及びその構成機器のすべてが良好な使用状態にあるかどうかを,実務上可能な限り判定
するための,電気設備の定期検証に関する要求事項及び定期検証の結果の報告に関する要求事項を規定す
る。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60364-6:2006,Low-voltage electrical installations−Part 6: Verification (IDT)
なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こと
を示す。
6.2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 60364(規格群) 低圧電気設備
注記 IEC 60364 (all parts),Low-voltage electrical installations 1) (IDT)
注1) 表題が改正された。JIS C 60364シリーズの幾つかの部は,旧表題のまま運用する。
JIS C 60364-4-41 低圧電気設備−第4-41部:安全保護−感電保護
注記 対応国際規格:IEC 60364-4-41,Low-voltage electrical installations−Part 4-41: Protection for
safety−Protection against electric shock (IDT)
JIS C 60364-4-42 建築電気設備−第4-42部:安全保護−熱の影響に対する保護
注記 対応国際規格:IEC 60364-4-42,Electrical installations of buildings−Part 4-42: Protection for
safety−Protection against thermal effects (IDT)
JIS C 60364-4-43 建築電気設備−第4-43部:安全保護−過電流保護
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C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
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注記 対応国際規格:IEC 60364-4-43,Electrical installations of buildings−Part 4-43: Protection for
safety−Protection against overcurrent (IDT)
JIS C 60364-5-51 低圧電気設備−第5-51部:電気機器の選定及び施工−一般事項
注記 対応国際規格:IEC 60364-5-51,Electrical installations of buildings−Part 5-51: Selection and
erection of electrical equipment−Common rules (IDT)
JIS C 60364-5-52 建築電気設備−第5-52部:電気機器の選定及び施工−配線設備
注記 対応国際規格:IEC 60364-5-52,Electrical installations of buildings−Part 5-52: Selection and
erection of electrical equipment−Wiring systems (IDT)
JIS C 60364-5-53 建築電気設備−第5-53部:電気機器の選定及び施工−断路,開閉及び制御
注記 対応国際規格:IEC 60364-5-53,Electrical installations of buildings−Part 5-53: Selection and
erection of electrical equipment−Isolation, switching and control (IDT)
JIS C 60364-5-54 建築電気設備−第5-54部:電気機器の選定及び施工−接地設備,保護導体及び保
護ボンディング導体
注記 対応国際規格:IEC 60364-5-54,Electrical installations of buildings−Part 5-54: Selection and
erection of electrical equipment−Earthing arrangements, protective conductors and protective
bonding conductors (IDT)
IEC 61557 (all parts),Electrical safety in low voltage distribution systems up to 1 000 V a.c. and 1500 V d.c.
−Equipment for testing, measuring or monitoring of protective measures
IEC 61557-6,Electrical safety in low voltage distribution systems up to 1 000 V a.c. and 1 500 V d.c.−
Equipment for testing, measuring or monitoring of protective measures−Part 6: Effectiveness of residual
current devices (RCD) in TT, TN and IT systems
6.3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
6.3.1
検証 (verification)
JIS C 60364(規格群)の当該要求事項に電気設備が適合することを照合するためのすべての手段。
注記 検証は,検査,試験及び報告からなる。
6.3.2
検査 (inspection)
すべての知見を用いて,電気設備に電気機器が正しく選定及び適切に施工されたことを確認するための
調査。
6.3.3
試験 (testing)
有効性が証明されている方法によって電気設備の測定の実施。
注記 試験は,適切な測定器具を使用して,検査では見つけられない値を確認することを含む。
6.3.4
報告 (reporting)
検査及び試験の結果の記録。
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6.3.5
保守 (maintenance)
電気設備及び機器がその機能を果たすことができる状態に維持又は修繕することを目的とする監視を含
むすべての技術的及び経営管理的行為の組合せ。
61 最初の検証
注記 附属書Cに箇条61の規定を適用する上での指針を示す。
61.1 一般事項
61.1.1 すべての設備は,実務上可能な限り施工中及び完成後使用者の運用開始前に検証しなければならな
い。
61.1.2 JIS C 60364-5-51(以下,第5-51部という。)の514.5(図表)によって要求される情報及び最初の
検証に必要なその他の情報は,検証の実施者がすぐに利用できるようにしなければならない。
61.1.3 最初の検証には,検証結果がJIS C 60364(規格群)の要求事項に適合していることを当該規格と
比較することによって確認しなければならない。
61.1.4 検証に当たっては,たとえ回路に欠陥があっても人又は家畜に危険を引き起こさないように,また
財産及び機器に損傷を与えないように予防手段を講じなければならない。
61.1.5 既存設備の増設及び改修については,その増設又は改修がJIS C 60364(規格群)に従っており,
また既存設備の安全性を損なわないことを検証しなければならない。
注記 再利用機器については,附属書E参照。
61.1.6 最初の検証は,検証に対して有能な熟練者が行わなければならない。
61.2 検査
61.2.1 検査は,試験に先行して,かつ,一般的に設備にエネルギーを供給する前に行わなければならない。
61.2.2 検査は,固定設備の構成要素である電気機器が,次のとおりであることを確認しなければならない。
− 当該機器規格の安全要求事項に適合している。
注記 このことは,製造業者の情報,表示又は保証書を調査することによって確認してもよい。
− JIS C 60364(規格群)及び製造業者の取扱説明書に従って,正しく選定及び施工されている。
− 安全を損なうような明白な損傷がない。
61.2.3 検査は,関連のある場合,少なくとも次の照合を含まなければならない。
a) 感電保護方法[JIS C 60364-4-41(以下,第4-41部という。)参照]
b) 防火壁の存在及び火災拡大に対するその他の予防措置,並びに熱の影響に対する保護[JIS C
60364-4-42(以下,第4-42部という。)及びJIS C 60364-5-52(以下,第5-52部という。)の箇条527
(火災の拡大を最小にするための配線設備の選定及び施工)参照]
c) 許容電流及び電圧降下に関する導体の選定[JIS C 60364-4-43(以下,第4-43部という。)並びに第5-52
部の箇条523(許容電流)及び箇条525(需要家設備における電圧降下)参照]
d) 保護器及び連続監視装置の選定及び整定[JIS C 60364-5-53(以下,第5-53部という。)参照]
e) 適切な断路装置及び開閉装置の存在,並びに適正な設置場所[第5-53部の箇条536(断路及び開閉)
参照]
f)
外的影響に応じた適切な機器及び保護手段の選定[第4-42部の箇条422(火災に対する保護手段)並
びに第5-51部の512.2(外的影響)及び第5-52部の箇条522(外的影響に関する配線設備の選定及び
施工)参照]
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g) 中性線及び保護導体の正しい識別[第5-51部の514.3(中性線及び保護導体の識別)参照]
h) 単極開閉器の線導体に対する正しい接続[第5-53部の箇条536(断路及び開閉)参照]
i)
図表,警告書又はその他これに類する文書の存在[第5-51部の514.5(図表)参照]
j)
回路,過電流保護器,開閉器,端子などの識別[第5-51部の箇条514(識別)参照]
k) 導体接続の適切さ[第5-52部の箇条526(電気的接続)参照]
l)
主及び補助等電位ボンディングを含む保護導体の存在及び適切さ[JIS C 60364-5-54(以下,第5-54
部という。)参照]
m) 運転,識別及び保守に便利な機器の接近可能性[第5-51部の箇条513(接近性)及び箇条514(識別)
参照]
検査は,特殊設備又は特殊場所に対するすべての特別な要求事項を含まなければならない。
61.3 試験
61.3.1 一般事項
この箇条に記載する試験方法は参考である。有効性が同等以上であれば他の方法を採用してもよい。
測定器及び監視装置並びに試験方法は,IEC 61557(規格群)の当該部に従って選択しなければならな
い。他の測定機器を使用する場合は,同等以上の性能及び安全性を備えなければならない。
関連のある場合,次の試験を実施しなければならない。また,できる限り次の順序で行うことが望まし
い。
a) 導体の連続性(61.3.2参照)
b) 電気設備の絶縁抵抗(61.3.3参照)
c) SELV,PELV又は電気的分離による保護(61.3.4参照)
d) 床及び壁の抵抗及び/又はインピーダンス(61.3.5参照)
e) 電源の自動遮断(61.3.6参照)
f)
追加保護(61.3.7参照)
g) 極性試験(61.3.8参照)
h) 相順試験(61.3.9参照)
i)
機能及び動作試験(61.3.10参照)
j)
電圧降下(61.3.11参照)
試験結果が要求事項に適合しない場合は,欠陥の修正後にその欠陥に関する試験及びその欠陥によって
影響を受けたと思われる先行試験を,再度実施しなければならない。
注記 試験を爆発性雰囲気である可能性がある場所で行う場合は,IEC 60079-17による適切な安全予
防措置が必要である。
61.3.2 導体の連続性
電気的連続性試験を,次のものについて行わなければならない。
a) 主及び補助等電位ボンディング導体を含む保護導体
b) 環状分岐回路の場合には,充電用導体
注記 環状分岐回路とは,電源に1か所で接続した環状の分岐回路である。
61.3.3 電気設備の絶縁抵抗
絶縁抵抗は,充電用導体と接地設備に接続されている保護導体との間で測定しなければならない。
この試験の目的のために,充電用導体を一括して束ねてもよい。
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表6A−絶縁抵抗の最小値
公称回路電圧
V
試験電圧 直流
V
絶縁抵抗
MΩ
SELV及びPELV
250
≧0.5
500以下,FELVを含む
500
≧1.0
500超過
1000
≧1.0
表6Aに示す試験電圧で測定した絶縁抵抗は,電気使用機器を切り離した状態で,各回路が表6Aに示す
値以上であればよい。
非接地保護導体と大地との間の絶縁抵抗の検証には,表6Aを適用しなければならない。
サージ保護装置又はその他の機器が,検証試験に影響を与えるおそれがある場合,又は損傷するおそれ
がある場合は,そのような機器は,絶縁抵抗試験を行う前に切り離さなければならない。
そのような機器を切り離すことが実務上不可能な場合(例えば,サージ保護装置内蔵の固定形コンセン
トの場合)は,個々の回路の試験電圧を直流250 Vに減じてもよい。ただし,絶縁抵抗値は1MΩ以上で
なければならない。
注記1 測定目的のために,中性線を保護導体から切り離す。
注記2 TN-C系統の場合は,充電用導体とPEN導体との間を測定する。
注記3 火災の危険にさらされる場所においては,充電用導体相互間の絶縁抵抗の測定を適用するこ
とが望ましい。実際には,機器接続前の設備の施工中にこの測定を実施することが必要とな
る場合がある。
注記4 絶縁抵抗値は,一般に表6Aの値よりも極めて高い。このような極めて高い値と明白な違い
がある場合は,その理由を明らかにするために更なる調査が必要である。
61.3.4 SELV,PELV又は電気的分離による保護
回路の分離は,SELVによる保護の場合は61.3.4.1,PELVによる保護の場合は61.3.4.2,電気的分離によ
る保護の場合は61.3.4.3に従わなければならない。
61.3.4.1,61.3.4.2及び61.3.4.3で得られる絶縁抵抗値は,少なくとも表6Aに従ってそこに存在する回路
の最も高い電圧で求められている絶縁抵抗値以上でなければならない。
61.3.4.1 SELVによる保護
第4-41部の箇条414(保護手段:SELV及びPELVによる特別低電圧)による他の回路の充電部から及
び大地からの充電部の分離は,絶縁抵抗の測定によって確認しなければならない。得られた抵抗値は,表
6Aに適合しなければならない。
61.3.4.2 PELVによる保護
第4-41部の箇条414(保護手段:SELV及びPELVによる特別低電圧)による他の回路からの充電部の
分離は,絶縁抵抗の測定によって確認しなければならない。得られた抵抗値は,表6Aに適合しなければ
ならない。
61.3.4.3 電気的分離による保護
第4-41部の箇条413(保護手段:電気的分離)による他の回路の充電部から及び大地からの充電部の分
離は,絶縁抵抗の測定によって確認しなければならない。得られた抵抗値は,表6Aに適合しなければな
らない。
複数の電気使用機器を伴う電気的分離の場合は,それぞれの機器間線導体と保護ボンディング導体又は
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保護ボンディング導体に接続している露出導電性部分のいずれかとの間で,インピーダンスが無視できる
ほどの二つの故障が同時に起こる場合に,少なくとも一つの故障回路を遮断できることを,測定又は計算
のいずれかによって検証しなければならない。遮断時間は,TN系統における電源の自動遮断保護方法に
対する遮断時間によらなければならない。
61.3.5 床及び壁の絶縁抵抗及び/又はインピーダンス
第4-41部のC.1(非導電性場所)の要求事項に適合する必要がある場合は,同じ部位で少なくとも3か
所,そのうちの1か所は,その場所におけるあらゆる接近可能な露出導電性部分から約1 mの位置で測定
しなければならない。その他の2か所の測定は,それより離れた距離で行わなければならない。
絶縁床及び壁の抵抗及び/又はインピーダンスの測定は,公称周波数でその系統の対地電圧で行う。
上記の一連の測定は,その部位の仕上げ材ごとに行わなければならない。
注記 附属書Aに床及び壁の絶縁抵抗及び/又はインピーダンスの測定方法の例を示す。
61.3.6 電源の自動遮断による保護
注記 漏電遮断器が火災保護に対しても適用される場所では,電源の自動遮断による保護に関する検
証は,第4-42部に適合しているものとみなしてよい。
61.3.6.1 一般事項
電源の自動遮断による間接接触保護手段の有効性の検証は,次のような方法が有効となる。
a) TN系統の場合 第4-41部の411.4.4及び411.3.2(故障時の自動遮断)の規定に適合していることを,
次によって検証しなければならない。
1) 故障ループインピーダンスの測定(61.3.6.3参照)
注記1 定格感度電流が500 mA以下の漏電遮断器を使用している場合は,故障ループインピー
ダンスの測定は一般に不要となる。
故障ループインピーダンス又は保護導体の抵抗の計算が利用できる場合,及び設備の配置から導
体の長さ及び断面積の検証ができる場合のいずれかで,保護導体の電気的連続性(61.3.2参照)の
検証は十分である。
注記2 保護導体の抵抗測定によって適合性を検証してもよい。
2) 使用する保護器の特性及び/又は効果の検証。この検証は,次のものについて行わなければならな
い。
− 過電流保護器については,目視検査による(すなわち,遮断器の短限時引外し又は瞬時引外し設
定,ヒューズの定格電流及び種類)。
− 漏電遮断器に対する目視検査及び試験
漏電遮断器による電源の自動遮断の有効性は,IEC 61557-6(61.3.1参照)に規定する適切な試験
器を用いて第4-41部の当該要求事項との適合を確認することで検証しなければならない。
第4-41部に規定する遮断時間を検証することが望ましい。ただし,遮断時間に関する要求事項は,
次の場合には検証しなければならない。
− 再利用の漏電遮断器
− 既存の漏電遮断器を,既存設備の増設又は改修後も電源の自動遮断器として使用する場合
注記3 保護手段の有効性が漏電遮断器の負荷側の点で確認された場合は,この箇所から負荷側
の設備の保護は,保護導体の連続性の確認によって行ってもよい。
さらに,第4-41部の411.4.1の要求事項に適合していることを,施工業者と電力供給者との合意
によって確認しなければならない。
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C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) TT系統の場合 第4-41部の411.5.3の規定に適合していることを,次によって検証しなければならな
い。
1) 設備の露出導電性部分用の接地極の抵抗RAの測定(61.3.6.2参照)
注記4 RAの測定が不可能な場合は,a) 1) のように故障ループインピーダンスの測定によって
それに代えることができる。
2) 使用する保護器の特性及び/又は有効性の検証。この検証は,次のものについて行わなければなら
ない。
− 過電流保護器については,目視検査による(すなわち,遮断器の短限時引外し又は瞬時引外し設
定,ヒューズの定格電流及び種類)。
− 漏電遮断器に対する目視検査及び試験
漏電遮断器による電源の自動遮断の有効性は,IEC 61557-6(61.3.1参照)による適切な試験器を
用いて第4-41部の当該要求事項との適合を確認することで検証しなければならない。
第4-41部で要求される遮断時間を検証することが望ましい。ただし,遮断時間に関する要求事項
は,次の場合に検証しなければならない。
− 再利用の漏電遮断器
− 既存の漏電遮断器を既存の設備の増設又は改修後も電源の自動遮断器として使用する場合
注記5 保護手段の有効性が漏電遮断器の負荷側の点で確認された場合は,この箇所から負荷側
の設備の保護は,保護導体の連続性の確認によって行ってもよい。
c) IT系統の場合 第4-41部の411.6.2の規定に適合することを,線導体又は中性線における第1故障の
場合の電流Idの計算又は測定によって検証する。
注記6 測定は,すべてのパラメータが分からないため,計算が不可能な場合にだけ行う。二重故
障による危険を避けるために,この測定中は予防措置を施す。
他の回路に第2故障が起こった場合(第4-41部の411.6.4参照)に,TT系統の状態と類似した状態
が起こる場合[b) 参照]は,TT系統の場合と同様に検証を行う。
他の回路に第2故障が起こった場合(第4-41部の411.6.4参照)に,TN系統の状態と類似した状態
が起こる場合[a) 参照]は,TN系統の場合と同様に検証を行う。
注記7 故障ループインピーダンスの測定中は,できるだけ系統の中性点と保護導体とを設備の源
点で,又はこのことが無理な場合は測定点で,無視できる程度のインピーダンスで接続す
る必要がある。
61.3.6.2 接地極の抵抗測定
規定(TT系統では第4-41部の411.5.3,TN系統では第4-41部の411.4.1,またIT系統では第4-41部の
411.6.2参照)がある場合,接地極の抵抗測定はそれに適合する方法で行う。
注記1 附属書Bの方法B1は,例として,二つの補助接地極を用いる測定方法及びその適合条件を
示す。
注記2 二つの接地極を設けることが事実上不可能であるような設備の場所(例えば,市街地)の場
合は,61.3.6.3又は附属書Bの方法B2及び方法B3による故障ループインピーダンスの測定
は,過大な値を示す。
61.3.6.3 故障ループインピーダンスの測定
故障ループインピーダンス測定を実施する前に,電気的連続性試験を61.3.2によって行わなければなら
ない。
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C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
測定した故障ループインピーダンスは,TN系統では第4-41部の411.4.4に,また,IT系統では第4-41
部の411.6.4に適合しなければならない。
この箇条の要求事項を満足しないか又は疑わしい場合で,かつ,第4-41部の415.2(追加保護:補助保
護等電位ボンディング)に従った補助保護等電位ボンディングを施す場合は,そのボンディングの有効性
を同じ第4-41部の415.2.2によって確認しなければならない。
61.3.7 追加保護
追加保護のために適用する手段の有効性の検証は,目視検査及び試験によって行う。
追加保護のために漏電遮断器が要求される場合は,漏電遮断器による電源の自動遮断の有効性を,IEC
61557-6(61.3.1参照)による適切な試験機器を用いて第4-41部の当該要求事項に適合していることを確認
することで検証しなければならない。
注記 漏電遮断器を故障保護用及び追加保護用に設ける場合は,第4-41部の最も厳しい当該要求事項
によって試験することが望ましい。
61.3.8 極性試験
規定で中性線に単極開閉器を設置することを禁止している場合は,すべての単極開閉器が線導体にだけ
接続されていることを検証しなければならない。
61.3.9 相順の確認
多相回路の場合は,相順が維持されていることを検証しなければならない。
61.3.10
機能試験
開閉装置及び制御装置,駆動装置,制御器並びにインタロック装置のような組立品は,それらがこの規
格の当該要求事項によって適切に取り付けられ,調整及び施設されていることを確認するために,機能試
験を行わなければならない。
保護器は,必要に応じて,それらが適切に設置され,調整されていることを確認するために,機能試験
を行わなければならない。
注記 この機能試験は,当該規格によって指示される機能試験に取って代わるものではない。
61.3.11
電圧降下の検証
第5-52部の箇条525(需要家設備における電圧降下)に適合しているかを検証することを要求される場
合,次の方法によって行う。
− 電圧降下は,その回路のインピーダンス測定によって評価してもよい。
− 電圧降下は,附属書Dの例のような図表を使用することによって評価してもよい。
61.4 最初の検証に関する報告
61.4.1 新設の設備又は既存設備の増設若しくは改修の検証の完了時には,最初の報告を行わなければなら
ない。その提出書類には,検査の記録及び試験の結果とともに報告書に含まれる設備範囲の詳細を含んで
いなければならない。
工事の検証中に判明したいかなる欠陥又は手抜きも,その設備がJIS C 60364(規格群)に適合している
ことを施工業者が明言する前に修復しなければならない。
61.4.2 既存設備の改修又は増設の最初の検証の場合は,報告書に適切と思われる修繕及び改良に関する勧
告を入れてもよい。
61.4.3 最初の報告書には,次のものを含まなければならない。
− 検査の記録
− 試験した回路の記録及び試験結果
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C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
回路の細目及び試験結果の記録文書には,すべての回路を明示し,その関連保護器を含み,それぞれの
試験及び測定結果を記録しなければならない。
61.4.4 設備の安全,建設及び検証に責任をもつ者は,その仕事の発注者に対して61.4.3に規定する記録を
添えて,設備の安全に関する各自の責任を考慮した報告書を提出しなければならない。
注記1 電気設備の最初の報告書には,最初の検証と最初の定期検証との間隔に関する勧告を記述す
ることが望ましい。
注記2 最初の検証と最初の定期検証との間隔は,該当する設備規程などによって決めてもよい。
61.4.5 報告書は,検証に関する有資格者が編集して署名するか,又は認証しなければならない。
注記 設備の説明並びに最初の検証及び定期検証に使用する一覧表の,特に住居設備に適切なモデル
様式を附属書F,附属書G及び附属書Hに示す。
62 定期検証
62.1 一般事項
62.1.1 要求される場合は,すべての電気設備の定期検証を62.1.2〜62.1.6に従って実施しなければならな
い。
可能である場合は必ず,前回の定期検証の記録及び推奨事項を考慮に入れなければならない。
62.1.2 設備の詳細な調査を含む定期検査は,次のa)〜d) の事項を達成するために,必要に応じて設備を
分解せずに又は部分的に分解し,漏電遮断器が第4-41部に規定する遮断時間の要求事項に適合することを
示す検証も含めて,箇条61の中から最も適した試験及び測定によって補足して実施しなければならない。
a) 感電及びやけどの影響に対する人及び家畜の安全
b) 設備の欠陥から起こる火災及び過熱による財産の損害に対する保護
c) 安全を損なうような設備の損傷又は劣化がないことの確認
d) 危険を及ぼすおそれのある設備の欠陥及びこの規格の要求事項からのかい離の識別
前回の報告書が入手できない場合は,なお一層の調査が必要となる。
注記1 既存の設備は,その設備を設計し,施工するときに有効であったJIS C 60364(規格群)の旧
版に従って設計し,施設したものである可能性がある。このことは,必ずしも不安全である
ことを意味するものではない。
注記2 第4-41部によって,最大遮断時間との適合性を検証する場合,試験を定格感度電流IΔnの5
倍に等しい残留電流で行うことが望ましい。
62.1.3 定期検証に当たっては,回路に欠陥があっても人又は家畜に危険を引き起こさないように,また,
財産及び機器に損傷を与えないように予防手段を講じなければならない。
測定器及び監視機器並びに試験方法は,IEC 61557(規格群)の当該部に従って選択しなければならな
い。他の測定機器を使用する場合は,同等以上の性能及び安全性を備えなければならない。
62.1.4 設備又は設備のいかなる部分も,その定期検証の範囲及び結果を記録しなければならない。
62.1.5 あらゆる損傷,劣化,欠陥又は危険な状態を記録しなければならない。さらに,この規格に従った
定期検証の重要な除外部分及びその理由を記録しなければならない。
62.1.6 検証は,検証に対して有能な熟練者が行わなければならない。
62.2 定期検証の頻度
62.2.1 頻度は,次の事項を考慮して決定しなければならない。
− 設備及び機器の種類,その用途及び運転
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
− 保守の頻度及び質
− 設備が置かれている外的影響
注記1 定期検証の最大間隔は,該当する設備規程などで定めてもよい。
注記2 定期報告書は,次回の定期検証までの期間を定期検証を実施する人に推奨することが望まし
い。
注記3 間隔は,より高い危険性があったり,より短い期間が要求される次の場合を除いて,数年(例
えば,4年)がよい。
− 劣化によって感電,火災又は爆発の危険性が存在する作業所又は場所
− 高低圧両方の設備が存在する作業所又は場所
− 公共施設
− 建設現場
− 安全設備(例えば,非常用照明器具)
住居に対しては,より長い検証間隔(例えば,10年)を適用してもよい。住居の占有者が
変わったときは,電気設備の定期検証をすることが望ましい。
前回の報告書の結果及び推奨事項を入手できた場合は,これを考慮しなければならない。
注記4 前回の報告書が入手できない場合は,更なる調査が必要である。
62.2.2 通常の使用で予防保全について効果的な管理体制下にある設備の場合には,定期検証は設備及びす
べての構成機器を熟練者によって連続監視し,保守するような適切な制度に置き換えてもよい。その場合
適切な記録を保存しなければならない。
62.3 定期検証に関する報告
62.3.1 既存設備の定期検証終了時には,定期報告をしなければならない。この文書は,62.1.5に掲げるあ
らゆる欠陥を含む,検査の記録及び試験の結果とともに,報告書で扱う設備の詳細及び検証の除外部分を
含んでいなければならない。定期報告書には,妥当と思われる現行の規格に適合するように設備を向上さ
せるような修繕及び改修に関する推奨を含んでもよい。
検証の実施責任者又は責任者の代行をする管理責任者は,検証を命じた人に定期報告書を提出しなけれ
ばならない。
試験結果の報告書には,箇条62に規定する試験についての結果を記録しなければならない。
62.3.2 報告書は,検証に関する有資格者が編集して署名するか,又は認証しなければならない。
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C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
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附属書A
(参考)
大地又は保護導体に対する床及び壁の
絶縁抵抗及び/又はインピーダンスの測定方法
A.1 一般事項
絶縁床及び壁のインピーダンス又は抵抗の測定は,系統の対地電圧及び公称周波数で実施するか,又は
絶縁抵抗の測定と組み合わせて同じ公称周波数の系統の対地電圧より低い電圧で実施しなければならない。
このことは,例えば,次の測定方法のいずれかによって行うことができる。
a) 交流系統
− 公称交流電圧での測定
− より低い交流電圧(最低25 V)で測定し,かつ,更に公称系統電圧が500 V以下の場合は,最低試
験電圧500 V(直流)を使用する絶縁試験による。また,公称系統電圧が500 Vを超過の場合は,
最低試験電圧1 000 V(直流)を使用する絶縁試験による。
次の電圧源を選んで使用することができる。
1) 測定箇所に存在する接地系統の電圧(対地電圧)
2) 二巻線変圧器の2次側電圧
3) 系統の公称周波数の独立電圧源
2) 及び3) の場合は,測定電圧源は測定に当たって1線を接地しなければならない。
50 V超過の電圧で測定する場合は,安全上の理由から最大出力電流を3.5 mAに制限しなければな
らない。
b) 直流系統
− 公称系統電圧が500 V以下の場合は,最低試験電圧500 V(直流)を使用する絶縁試験
− 公称系統電圧が500 V超過の場合は,最低試験電圧1 000 V(直流)を使用する絶縁試験
絶縁試験には,IEC 61557-2による測定機器を使用することが望ましい。
A.2 交流電圧による床及び壁のインピーダンスの測定のための試験方法
電流Iを電圧源の出力端子から又は線導体Lから試験電極に電流計を介して供給する。電極における電
圧UXを保護導体PEに対して,内部抵抗が1 MΩ以上の電圧計を使用して測定する。
そのとき,絶縁床のインピーダンスは:ZX=UX/I
インピーダンス確認のための測定は,無作為に選んだ必要と考えられる多くの箇所で,最低3回実施し
なければならない。
試験電極は,次の種類のいずれでもよい。いずれがよいかの結論が出ない場合は,試験電極1の使用が
基準である。
A.3 試験電極1
電極は,床に接する箇所が正三角形を形成している金属製三脚からなる(図A.1参照)。各々の支持部は
圧力を加えたとき,被試験面上に約900 mm2の面積で密着し,確実に5 000 Ω未満の抵抗となるような柔
軟な底部を備える。
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C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
測定を行う前に,被試験表面は清浄用液体で清掃する。測定中は,床の場合は約750 N,壁の場合は約
250 Nの力を三脚に加える。
単位 mm
図A.1−試験電極1
A.4 試験電極2
電極は,一辺が250 mmの正方形の金属板と,一辺が約270 mm角の湿らせて余分な水分を取り除いた
吸水性のある紙又は布とで構成する(図A.2参照)。紙は,金属板と被試験表面との間に置く。
測定中は,床の場合は約750 N,壁の場合は約250 Nの力を板に加える。
注*) 無意識な接触に対する保護を行うため電流を3.5 mAに制限する抵抗
図A.2−試験電極2
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C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
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附属書B
(参考)
接地極の抵抗測定法
B.1
方法B1−接地極の抵抗測定
一例として,接地抵抗の測定を行うとき,次のような方法を採用することができる(図B.1参照)。
接地極Tと,Tから二つの接地極の抵抗区域が重ならないような距離に配置した補助接地極T1との間に,
安定した交流電流を流す。
地中に金属棒を打ち込む第2補助接地極T2をTとT1との中間に打ち込み,TとT2との間の電圧降下を
測定する。
接地極の抵抗値は,抵抗区域が重ならなければTとT1との間を流れる電流値で,TとT2との間の電圧
値を除した値となる。
接地極の抵抗値が真値であるかを確認するために,第2補助接地極T2をTから更に6 m離した場合及び
Tに6 m近付けた場合の二つの測定を追加して行う。三つの測定値がおおむね一致する場合は,三つの読
みの平均が接地極Tの抵抗値として得られる。三つの測定値が一致しない場合には,TとT1との距離を増
して,試験を繰り返す。
記号の説明
T
:試験中の接地極,すべての他の供給電源から切り離す。
T1 :補助接地極
T2 :第2補助接地極
X :確認測定のためのT2の別の位置
Y :もう一つの確認測定のための更に別のT2の位置
図B.1−接地極の抵抗測定
B.2
方法B2−故障ループインピーダンスの測定
故障ループインピーダンスの測定は,61.3.6.3の要求事項に従って行わなければならない。
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一例として,電圧降下法による次の方法が使用できる(図B.2参照)。
注記1 この附属書に提案する方法は,電圧のベクトル特性,すなわち,実際の地絡故障時に現れる
状況を考慮していないため,故障ループインピーダンスの近似値だけを与えるものである。
ただし,当該回路のリアクタンスを無視できる場合は,近似値の程度は受け入れ可能である。
注記2 故障ループインピーダンス試験を行う前に,主接地端子と露出導電性部分との間の導通試験
を行うことが望ましい。
注記3 この方法は,適用上種々の困難があるということに留意する。
検証する回路の電圧を,可変負荷抵抗を接続している場合と,していない場合との両方で測定し,故障
ループインピーダンスを,次の式によって計算する。
R
2
1
I
U
U
Z
−
=
ここに,
Z: 故障ループインピーダンス
U1: 負荷抵抗を接続しないで測定した電圧
U2: 負荷抵抗を接続して測定した電圧
IR: 負荷抵抗を通過する電流
注記4 U1とU2との差が重要である。
図B.2−電圧降下法による故障ループインピーダンスの測定
B.3
方法B3−電流クランプを用いる接地ループ抵抗の測定
この測定方法は,図B.3に示すようなメッシュ状接地設備内に存在する接地ループで行う。
第1のクランプにループの測定電圧Uを誘導し,第2のクランプはループ内の電流Iを測定する。ルー
プ抵抗は,電流Iで電圧Uを除して算出できる。
並列抵抗値R1…Rnは一般に無視できるので,求める抵抗値は,測定したループ抵抗に等しいか又は少し
小さい。
それぞれのクランプは,計測器に単独で接続してもよく,又は一個の特殊クランプに一体化してもよい。
この方法は,TN系統に対し,及びTT系統のメッシュ状接地設備内で直接使用できる。
TT系統において,測定する未知の接地箇所だけが利用できる場合は,測定中,ループは接地極と中性線
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C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
との間を短時間接続して閉じる(いわば,TN系統)ことができる。
中性線と大地との間の電位差に起因する電流によって起こり得る危険性を避けるために,接続及び切離
しをしている間,系統は開閉器を開いておくことが望ましい。
RT
:変圧器の接地
Rx
:測定する未知の接地抵抗
R1…Rn:等電位ボンディング又はPE導体で接続されている並列接地
図B.3−電流クランプを用いる接地ループ抵抗の測定
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附属書C
(参考)
箇条61の規定の適用に関する指針−最初の検証
この附属書の箇条及び条の番号は,箇条61の番号による。
箇条及び条の引用がない部分は,補足説明がないことを意味している。
C.61.2 検査
C.61.2.2 この検査は,機器の性能に悪影響を与えない目的で作成された製造業者の説明書に従って機器が
施設してあるということの確認も意図している。
C.61.2.3
b) 防火壁の存在及び火災拡大に対するその他の予防措置,並びに熱の影響に対する保護(第4-42部及び
第5-52部の箇条527)
保護は,次による。
− 防火壁の存在[第5-52部の527.1(防火区画による措置)]
密封施設については,関連の製品に対するIEC規格又はJISの形式検査に関する施工指示書に
適合していることを確認するために,密封材の施工を検証する。
この検証の後は,他の試験は不要である。
− 熱の影響に対する保護(第4-42部)
熱の影響に対する保護に関する第4-42部の規定は,通常の使用状態,すなわち,故障のない状
態に適用する。
配線設備の過電流保護は,第4-43部及び第5-53部の箇条533(過電流保護器)による。
短絡を含む故障又は過負荷による保護器の作動は,通常の使用状態とみなす。
− 火災に対する保護[第4-42部の箇条422(火災に対する保護手段)]
火災の危険性がある場所に対する第4-42部の箇条422の要求事項は,過電流保護が第4-43部
の規定に適合しているとみなす。
c) 及びd) 許容電流及び電圧降下に関する導体の選定並びに保護器及び連続監視装置の選定及び整定
材質,施設方法及び断面積を含む導体の選定,並びにそれらの施工及び保護器の整定は,この規格,
特に第4-41部,第4-43部,第5-52部,第5-53部及び第5-54部の規定に適合していることを,その
設備の設計者の計算によって検証する。
i)
図表,警告書又はその他これに類する文書の存在
第5-51部の514.5(図表)に規定する図表は,設備に複数の分電盤がある場合,特に必要である。
k) 導体接続の適切さ
この検証の目的は,締付け方法が接続する導体に対して適切か否か及び接続が正しく行われている
か否かを確認することである。
疑義がある場合は,接続箇所の抵抗を測定することが望ましい。この抵抗は,接続した導体のうち
最小断面積のものと等しい断面積をもつ長さ1 mの導体の抵抗以下であることが望ましい。
m) 運転,識別及び保守に便利な機器の接近可能性
運転者が運転装置に容易に接近可能なように,運転装置が配置してあることを検証しなければなら
ない。
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C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
非常開閉用装置については,第5-53部の536.4.2(非常開閉用装置)を参照。
機械的保守のための開路用装置については,第5-53部の536.3.2(機械的保守のための開路用装置)
を参照。
C.61.3 試験
C.61.3.2 導体の連続性
この試験は,電源の自動遮断(61.3.6参照)による保護条件の検証のために必要であり,試験に使用す
る装置が適切な表示を出す場合には,適合しているものとみなす。
注記 試験に使用する電流は,火災又は爆発の危険性の原因とならないよう十分に小さいことが望ま
しい。
C.61.3.3 電気設備の絶縁抵抗
測定は,設備を電源から切り離して実施しなければならない。
一般的に絶縁測定は,設備の源点で実施する。
測定値が表6Aに規定する値未満である場合には,設備を数グループの回路に分けてもよく,その上で
各グループの絶縁抵抗を測定しなければならない。回路中のあるグループの測定値が,表6Aに規定する
値未満である場合は,このグループの各回路の絶縁抵抗を測定しなければならない。
ある回路又は回路の一部が,すべての充電用導体を遮断する不足電圧装置(例えば,電磁接触器)によ
って遮断される場合は,これらの回路又は回路の一部の絶縁抵抗は別々に測定する。
C.61.3.4 SELV,PELV又は電気的分離による保護
C.61.3.4.3 回路の分離による保護
機器が分離された回路及びその他の回路の両方をもっている場合,必要な絶縁は,機器を当該規格の安
全要求事項に従って構築することによって得られる。
C.61.3.6 電源の自動遮断による保護
C.61.3.6.1 一般事項
第4-41部に従って,最大遮断時間の適合性を検証する場合,試験を定格感度電流IΔnの5倍に等しい残
留電流で行うことが望ましい。
C.61.3.6.3 故障ループインピーダンスの測定:温度上昇に伴う導体抵抗の増加の考察
TN系統について,故障ループインピーダンスの測定値は,室温で,かつ,小さな電流で測定するので,
第4-41部の411.4(TN系統)の要求事項に適合することを検証するために,故障による温度上昇に伴う導
体抵抗の増加を考慮して,次に記載する手順によることができる。
故障ループインピーダンスの測定値が次の式を満足するときは,第4-41部の411.4の要求事項に適合す
るものとみなす。
a
o
s
3
2
)
(
I
U
m
Z
×
≦
ここに,
Zs(m): 故障点における故障電流ループの始まりから終わりまでの
インピーダンス測定値 (Ω)
Uo: 線導体と接地された中性線との間の電圧 (V)
Ia: 第4-41部の表41.1に示す時間以内に,又は第4-41部の411.4
に示す条件に従って5秒以内に保護器を自動的に作動させ
得る電流
故障ループインピーダンスの測定値が2Uo/3Iaを超える場合は,次の手順によって故障ループインピーダ
ンスの値を求め,第4-41部の411.4との適合性のより正確な評価を行うことができる。
18
C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) 最初に,電力供給の線導体と接地した中性線との間のループインピーダンスZeを設備の源点で測定す
る。
b) 幹線の線導体及び保護導体の抵抗を測定する。
c) 分岐回路の線導体及び保護導体の抵抗を測定する。
d) a),b) 及びc) によって測定した抵抗値は,故障電流が流れた場合を考慮すると,保護器を通過する
エネルギーによると考える温度上昇によって増加する。
e) d) によって増加する抵抗値及び電力供給の線導体と接地した中性線との間のループインピーダンス
Zeを加え,故障状態下の実際のZsの値を得る。
19
C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書D
(参考)
設定電圧降下率に対応した最大ケーブル長が求められる図表の例
D.1 適切な図表の例
公称交流電圧400 V,配線の温度55 ℃における電圧降下率4 %に対する最大ケーブル長
三相系統,PVC絶縁ケーブル,銅導体
単相系統(交流230 V)に対しては,最大ケーブル長を2で除す。
アルミニウム配線に対しては,最大ケーブル長を1.6で除す。
注記 図表は,導体の許容電流に関する指針を示すことを目的としたものではない。
20
C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書E
(参考)
電気設備に再利用する電気機器に対する推奨事項
E.1
電気設備に再利用する電気機器に対する推奨事項
再利用機器とは,以前から施設されていた機器である。
再利用機器にあっては,検証時に,少なくとも次の情報を含む文書を入手することが望ましい。
− 再利用機器の種類
− 製造業者
− 当該設備の詳細
− 試験器具
− 検査結果
− 漏電遮断器の遮断時間の検証を含め,実施した試験及び試験結果
21
C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書F
(参考)
検証のための設備に関する記載事項
F.1
検証のための設備に関する記載事項
注記 特に住居設備に適している。
検証の種類:
□ 最初の検証
□ 定期検証
依頼人名及び住所:
設備所在地:
施設者名及び住所:
設備:
□ 新設
□ 改修
□ 増設
□ 既存
検査者の氏名:
施設工事に関する記載事項:
検査日時:
署名:
使用計器の記録:
種類
型式
製造番号
22
C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
電源の特性及び接地設備
該当するものに,チェック及び詳細記入
接地設備
供給者(の設備) □
需要家の接地極
□
充電用導体の数及び種類
電源の特質
引込み用保護
器の特性
系統の種類
TN-C
□
TN-C-S
□
TN-S
□
TT
□
IT
□
交流
□
単相2線式(LN)
□
単相3線式(LLM) □
二相3線式(LLN)
□
三相3線式(LLL)
□
三相4線式(LLLN) □
直流
□
2極
□
3極
□
その他 □
その他 □
その他 □
公称電圧,U/Uo a)
V
公称周波数,f a)
Hz
最大推定短絡電流,
Icc b)
kA
接地ループインピーダンス,
Ze b)
Ω
注a) 質問による
b) 質問,測定又は計算による
種類:
公称定格電流
A
使用する場合,
RCDの感度
mA
代替電源(詳細一覧
表を添付)
□
需要家の接地極の詳細(該当する場合)
種類
材質
銅
鉄
その他
基礎接地極
大地埋設接地極
棒状
帯状
その他:
□
□
□
□
□
□
□
□
□
□
□
□
□
□
□
位置:
接地抵抗: Ω
注記 既存設備において,上記の情報が確認できない場合は,このことを注記することが望ましい。
接地線及び主ボンディング導体
接地線:
材質
断面積
mm2
接続の検証 □
主等電位ボンディング導体: 材質
断面積
mm2
接続の検証 □
水道及び/又はガス設備の引込みに対して □ その他の要素に対して
補助等電位ボンディング導体
浴室/シャワー:
材質
断面積
mm2
接続の検証 □
水泳プール:
材質
断面積
mm2
接続の検証 □
その他:
材質
断面積
mm2
接続の検証 □
(記入のこと)
設備の源点の断路及び保護装置
種類
極数
定格
主開閉器
V
A
ヒューズ又は
配線用遮断器
定格電流
A
定格短絡遮断容量
kA
定格限界短絡遮断容量
kA
定格使用短絡遮断容量
kA
漏電遮断器
定格電流
A
定格感度電流
mA
23
C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書G
(参考)
電気設備の検査用の書式
(G.2の例を参照)
G.1
電気設備の検査用の書式
注記 特に住居設備に適している。
A
直接接触保護
項目
適合性a)
コメント
1
充電部の絶縁
2
バリア
3
エンクロージャ
B
機器
機器
選定b)
施工a)
コメント
1
ケーブル
2
配線器具
3
電線管
4
トランキング
5
分電用機器
6
照明器具
7
加熱器
8
保護器,漏電遮断器,過
電流遮断器など
9
その他
C
識別
項目
有無
適正な設置
場所
適正な表現
コメント
1
保護器,開閉器及び端子
の表示
2
警告書
3
危険表示
4
導体の識別表示
5
断路装置
6
開閉装置
7
図表及び一覧表
注a) 該当する設備規程などに適合している場合は,Cと記入,適合していない場合は,NCと記入。
b) 該当する製品規格との適合性の明確な表示。疑義のある場合は,規格に対する適合性の証明書を
製造業者から(例えば,カタログから)得ることが必要である。
24
C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
G.2
設備の検査を実施するとき確認すべき項目の例
一般事項
□ 良好な技能及び適切な材料が使用されているか
□ 回路は分離されているか(回路相互間に中性線の相互接続がない)
□ 回路は識別されているか(線導体と同一回路の中性線及び保護導体)
□ 設置している保護器の遮断時間は適正か
□ 回路数は適切か
□ コンセントの設置数は適切か
□ すべての回路は適切に識別されているか
□ 主開閉器は適切か
□ 該当する場合,主断路装置は全充電用導体を開路できるか
□ 主接地端子は,容易に接近でき,かつ,識別表示されているか
□ 導体は適正に識別されているか
□ 適正なヒューズ又は遮断器が設置されているか
□ 全接続が確実か
□ 全設備が国家規格に従って接地されているか
□ 設備及びその他の系統外導電性部分を主等電位ボンディングで主接地設備に接続しているか
□ 補助ボンディングが,すべての浴室及びシャワー室に設けられているか
□ 全充電部が,絶縁されているか又はエンクロージャ内に収められているか
A
直接接触保護
□ 充電部の絶縁は適正か
□ バリアの妥当性及び安全性は適切か
□ エンクロージャは外的影響に対して適切な保護等級を備えているか
□ エンクロージャはケーブル引込み箇所を適正に封鎖しているか
□ エンクロージャは必要に応じて,使用しないケーブル引込み箇所を閉鎖しているか
B
機材
1
ケーブル及びコード
ケーブル及びコードの施設
□ 種類は適正か
□ 電流定格は適正か
□ 非外装ケーブルは,電線管,ダクト又はトランキングに収めることで保護されているか
□ 外装ケーブルは許容された区域に布設するか又は付加的な機械的保護を施してあるか
□ 直接日照を受ける場合に,適切な種類のケーブルとなっているか
□ 用途,例えば,埋設に対して適切に選定され施設されているか
□ 外壁面の用途に対して適切に選定され施設されているか
□ 当該規格に従った屈曲の内径となっているか
□ 適正に支持されているか
□ 電気的及び機械的に健全,かつ,適正に絶縁されているか
25
C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
□ すべての配線が張力を受けることなく,端子等に収められているか
□ 端子のエンクロージャは適切か
□ 導体が損傷した場合,容易に交換できるように施設されているか
□ 導体及び端子に過大な張力が掛からないようにケーブルが施設されているか
□ 熱的影響に対する保護はされているか
□ 同一回路の導体[第5-52部の521.6(電線管及びトランキング方式)参照]は,1本の電線管に収め
られているか
□ 導体断面積に適合する端子か;接触圧力は十分か
□ 施設方法を考慮した許容電流及び電圧降下を考慮して導体を選定しているか
□ N,PEN及びPE導体の識別表示は適切か
可とうケーブル及びコード
□ 熱による損傷に対して適切なものが選定されているか
□ 禁じられた色の線心が使われていないか
□ 接続部にケーブル接続器が使用されているか
□ 電気使用機器との終端接続が,接続箇所で張力を防止するために正しく安全に行われているか
□ つり下げにより支持する質量が適切な値以下か
保護導体
□ 保護導体があらゆる箇所及び配線器具に設けられているか
□ 可とう電線管は保護導体でボンディングされているか
□ 銅導体は規定の最小断面積以上となっているか
□ 絶縁材,スリーブ及び端末処理材は緑と黄色との組合せで表示されているか
□ 接続は健全か
□ 主及び補助ボンディング導体の太さは適切か
2
配線器具(照明器具については6を参照)
一般事項(各種の配線器具に適用)
□ 当該製品規格で要求される場合には,該当する製品規格に適合することを目視できる表示があるか
□ ボックス又はその他のエンクロージャは堅固に固定されているか
□ 埋め込みボックスの縁が,壁面以上に飛び出していないか
□ ケーブル引込み部に,ケーブル損傷の原因となる,ねじ頭などの鋭利な縁がないか
□ 非外装ケーブル及び外装を取り除いたケーブル線心が,エンクロージャの外部に露出していないか
□ 接続は適正か
□ 導体は適正に識別できるか
□ 裸保護導体に緑/黄色のスリーブが付けられているか
□ 端子は導体の素線全部を収納していて,しっかり締め付けられているか
□ 端子部における張力を予防するため,コードグリップが適正に使用されているか又はグリップがケー
ブルに取り付けられているか
□ 定格電流は適切か
□ 発生しそうな事態に対応できるか
コンセント
□ 床又は作業面上の取付け高さは適切か
26
C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
□ 極性は正しいか
□ 回路の保護導体はコンセントの接地端子に直接接続されているか
接続箱
□ 接続部は検査のために接近可能か
□ 接続部は機械的損傷に対して保護されているか
接続ユニット
□ 浴室又はシャワー使用者のアームズリーチ外にあるか
□ 適正な定格のヒューズが設けられているか
調理器用ネオンランプ付きスイッチ
□ 近づきやすくするためにすぐ横,かつ,十分低い位置にあり,ケーブルが放熱板を横切って垂れ下が
ることのないようにしてあるか
□ 調理器へのケーブルは,接続部における張力を予防するように取り付けられているか
照明制御装置
□ 単極スイッチは線導体にだけ接続されているか
□ 導体のマーキング及び色別は適正か
□ 露出金属製部分,例えば,金属製スイッチプレートは接地されているか
□ スイッチが浴室又はシャワー使用者のアームズリーチ外にあるか
電気使用機器の固定形接続(照明器具を含む)
□ 製造業者の推奨事項に従った施設となっているか
□ 直接接触保護は適切か
3
電線管
一般事項
□ 当該製品規格で要求される場合は,該当する製品規格に適合していることを目視できる表示があるか
□ 堅固に固定され,隠ぺいの必要な場所では適切な位置に隠ぺいされているか,機械的損傷を受けるお
それがある場合は,適切に保護されているか
□ 容易に引込みができるケーブル数を超えていないか
□ ケーブルを引くための適切なボックスがあるか
□ ケーブルが損傷を受けないような屈曲半径となっているか
□ 外的影響に対して保護等級は適切か
金属製電線管
□ 主接地端子に接続されているか
□ 線導体及び中性線が同一電線管内に収められているか
□ 湿気及び腐食に対して適切な電線管となっているか
金属製可とう電線管
□ 分離した保護導体を設けているか
□ 適切に支持され,かつ,端末処理されているか
硬質非金属製電線管
□ 伸縮に対する対策は十分か
□ ボックス及び取付け金具が,予想される温度の場所につり下げられている照明器具の質量に対して適
切か
27
C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
□ 保護導体が配線されているか
4
トランキング
一般事項
□ 当該製品規格で要求される場合は,該当する製品規格に適合していることを目視できる表示があるか
□ 堅固に固定され,機械的損傷を受けるおそれがある場合は,適切に保護されているか
□ 水の浸入による損傷を受けないような選定,施工及び布設経路となっているか
□ 垂直布設に対するケーブル支持がなされているか
□ 外的影響に対する適切な保護等級及び施設場所となっているか
金属製トランキング−追加要求事項
□ 線及び中性線ケーブルが同一トランキングに収められているか
□ 湿気及び腐食に対して保護されているか
□ 適正に接地されているか
□ 接続は機械的に堅固で,かつ,取り付けられた連結部品で適切な電気的連続性があるか
5
分電用機器
□ 当該製品規格で要求される場合は,該当する製品規格に適合していることを目視できる表示があるか
□ 目的に対して適切なものが取り付けてあるか
□ 堅固に取り付けられ,かつ,適切にラベル表示されているか
□ 開閉装置の非導電性部分は保護導体接続部で取り除かれ,必要な場合,接続後に修復されているか
□ 適切に接地されているか
□ 発生しそうな事態に対応できるか,すなわち,予見される環境に対して適切か
□ 適正なIP定格が適用されているか
□ 該当する場合,主断路装置は全充電用導体を開路できるか
□ 浴室又はシャワーを通常使用する人が使用中に触れないようになっているか
□ 断路,機械的保守,非常及び機能開閉に対する要求に適合しているか
□ すべての接続が堅固か
□ ケーブルが適正に端末処理され,かつ,識別表示されているか
□ ケーブル引込み部に,ケーブル損傷の原因となるねじの頭などの鋭利な縁がないか
□ すべてのカバー及び機器があるべき位置に,かつ,堅固に設置されているか
□ 適切な通路及び作業スペースがあるか
□ エンクロージャは,適切な機械的保護,また,適用する場合は,火災保護がされているか
□ 直接接触保護は適切か
□ 機器の接続は適正か
□ 保護器(過電流保護)の選定及び整定は適切か
□ 保護器は各回路ごとに取り付けてあるか
□ 配線は分電盤内で適正に固定されているか
6
照明器具
照明箇所
□ 適切な配線器具又は器具内で適正に端末処理されているか
□ 多灯つり下げ器具として設計されたものを除き,コードは一本となっているか
□ 可とう支持装置が使用されているか
28
C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
□ 点滅用電線は識別できるか
□ ローゼット上部の天井の穴は,火災波及防止のために修復されているか
□ つり下げ質量に対して適切か
□ 適切に配置されているか
□ 非常照明は適切か
7
暖房器具
□ 該当する製品規格に適合していることを目視できる表示があるか
□ クラスⅡ絶縁又は保護導体に接続されているか
8
保護器
□ 当該製品規格で要求される場合は,該当する製品規格に適合していることを目視できる表示があるか
□ 必要な場合,漏電遮断器が設けられているか
□ 漏電遮断器相互間の動作協調が考慮されているか
9
その他
C
識別
ラベル表示
□ 警告書
□ 危険表示
□ 導体の識別表示
□ 断路装置
□ 開閉装置
□ 図表及び一覧表
□ 保護器
29
C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書H
(参考)
検証の報告書
表H.1−回路の詳細及び試験結果一覧表のモデル書式
分電盤に関する情報(1)
種類:
用途:
製造業者:
定格電圧Un:
V
定格電流In:
A
周波数:
Hz
保護等級IP:
分電盤の短絡耐量Icc:
kA
分電盤の主電源(6)
保護器:
種類:
定格In:
A
短絡容量:
kA
RCD:
mA
Icp:
kA(2)
Zs:
Ω
CSA 電源条件
断面積:L= mm2,
PE= mm2
回路詳細
試験結果
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
回路
番号
供給先
室名
負荷
箇所数
機能
(5)
負荷
容量
kW
(8)
ケーブル/
電線
回路保護
回路の特性
絶縁抵抗
MΩ
漏電遮断器
接触
電圧
(7)
極性
試験
(3)
PEの
導通性
備考
(国家
規格
等)
種類 断面積
L/PE
mm2
In(A)
種類
Zs
Ω
Ip(A)
In
A
Idn
mA
Td
(3)
(4)
ヒュ
ーズ
配線用
遮断器
L-N L-PE N-PE L1-PE L2-PE L3-PE
2
C
6
0
3
6
4
-6
:
2
0
1
0
(I
E
C
6
0
3
6
4
-6
:
2
0
0
6
)
30
C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表H.1−回路の詳細及び試験結果一覧表のモデル書式(続き)
注記
(1) 聞取りによる(製造業者,銘板又は技術文書)。
(2) 測定又は計算による。
(3) 適応の場合はCを,又は不適応の場合はNCと記入。
(4) 適合する場合,定格感度電流に対する接触電圧及び引外
し時間を含む完全な試験を実施しなければならない。
(5) 適切な機能記号を記入(当該箇所を参照)。
(6) 分電盤を設備の源点に直接接続していない場合にだけ
完全に記述する。
(7) 補助等電位ボンディングが第4-41部の411.3.2.6に従っ
て設備してある場合にだけ必要。
(8) 容易に識別できる接続負荷を記録。
略語
L
線導体
Td
試験引外し時間
Zs
故障ループインピーダンス
CSA 断面積
Icp
分電盤の主母線における推定短絡電流,実効値
Ip
需要家供給線の終端における短絡電流測定値
コンセント回路にあっては,それぞれのコンセント
で測定し,最悪のものだけを記録しなければならな
い。
Icc
機器の短絡電流耐量
機能記号(項目4用)
C
調理
W/H
湯沸し
S/O
コンセント
S/H
蓄熱式暖房
UFH
床暖房
Li
照明
H
暖房
HP
ヒートポンプ
2
C
6
0
3
6
4
-6
:
2
0
1
0
(I
E
C
6
0
3
6
4
-6
:
2
0
0
6
)
31
C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書I
(参考)
JIS C 60364-6-61:2006とJIS C 60364-6:2010との対応表
IEC 60364-6にはあるが,このJISでは省略する。
32
C 60364-6:2010 (IEC 60364-6:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考文献
IEC 60079-17,Explosive atmospheres−Part 17: Electrical installations inspection and maintenance
IEC 61557-2,Electrical safety in low voltage distribution systems up to 1 000 V a.c. and 1 500 V d.c.−Equipment
for testing, measuring or monitoring of protective measures−Part 2: Insulation resistance
EN 60238,Edison screw lampholders