C 60364-4-41:2010 (IEC 60364-4-41:2005)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
410.1 適用範囲 ··················································································································· 1
410.2 引用規格 ··················································································································· 1
410.3 一般要求事項 ············································································································· 2
411 保護手段:電源の自動遮断 ······························································································ 3
411.1 一般事項···················································································································· 3
411.2 基本保護のための要求事項 ···························································································· 3
411.3 故障保護のための要求事項 ···························································································· 3
411.4 TN系統 ····················································································································· 5
411.5 TT系統 ····················································································································· 6
411.6 IT系統 ······················································································································ 7
411.7 機能的特別低電圧 (FELV) ···························································································· 9
412 保護手段:二重絶縁又は強化絶縁 ···················································································· 10
412.1 一般事項 ·················································································································· 10
412.2 基本保護及び故障保護のための要求事項 ········································································· 10
413 保護手段:電気的分離 ··································································································· 12
413.1 一般事項 ·················································································································· 12
413.2 基本保護に対する要求事項··························································································· 12
413.3 故障保護に対する要求事項··························································································· 12
414 保護手段:SELV及びPELVによる特別低電圧 ·································································· 13
414.1 一般事項 ·················································································································· 13
414.2 基本保護及び故障保護に対する要求事項 ········································································· 13
414.3 SELV及びPELV用電源 ······························································································ 14
414.4 SELV及びPELV回路に対する要求事項 ········································································· 14
415 追加保護 ····················································································································· 15
415.1 追加保護:漏電遮断器 (RCDs) ····················································································· 15
415.2 追加保護:補助保護等電位ボンディング ········································································· 15
附属書A(規定)基本保護のための保護手段の要素···································································· 17
附属書B(規定)オブスタクル及びアームズリーチ外への設置 ····················································· 19
附属書C(規定)設備が熟練者又は技能者の管理又は指揮下にある場合だけに適用する保護手段 ········ 21
附属書D(参考)JIS C 60364-4-41:2006とJIS C 60364-4-41:2010との対応 ····································· 23
参考文献 ···························································································································· 25
C 60364-4-41:2010 (IEC 60364-4-41:2005)
(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本
工業規格である。
これによって,JIS C 60364-4-41:2006は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
JIS C 0364,JIS C 60364の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 60364-1 第1部:基本的原則,一般特性の評価及び用語の定義
JIS C 60364-4-41 第4-41部:安全保護−感電保護
JIS C 60364-4-42 第4-42部:安全保護−熱の影響に対する保護
JIS C 60364-4-43 第4-43部:安全保護−過電流保護
JIS C 60364-4-44 第4-44部:安全保護−妨害電圧及び電磁妨害に対する保護
JIS C 60364-5-51 第5-51部:電気機器の選定及び施工−一般事項
JIS C 60364-5-52 第5-52部:電気機器の選定及び施工−配線設備
JIS C 60364-5-53 第5-53部:電気機器の選定及び施工−断路,開閉及び制御
JIS C 60364-5-54 第5-54部:電気機器の選定及び施工−接地設備,保護導体及び保護ボンディング
導体
JIS C 60364-5-55 第5-55部:電気機器の選定及び施工−その他の機器
JIS C 60364-6 第6部:検証
JIS C 0364-7-701 第7-701部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−バス又はシャワーのある場
所
JIS C 0364-7-702 第7部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項 第702節:水泳プール及びその
他の水槽
JIS C 0364-7-703 第7-703部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−サウナヒータのある部屋及
び小屋
JIS C 0364-7-704 第7-704部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−建設現場及び解体現場にお
ける設備
JIS C 0364-7-705 第7-705部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−農業用及び園芸用施設
JIS C 0364-7-706 第7-706部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−動きを制約された導電性場
所
JIS C 0364-7-708 第7部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項 第708節:キャラバンパーク及
びキャラバンの電気設備
JIS C 0364-7-709 第7部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項 第709節:マリーナ及びレジャ
ー用舟艇
C 60364-4-41:2010 (IEC 60364-4-41:2005)
(3)
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JIS C 0364-7-711 第7部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項 第711節:展示会,ショー及び
スタンド
JIS C 0364-7-712 第7-712部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−太陽光発電システム
JIS C 0364-7-713 第7部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項 第713節:家具
JIS C 0364-7-714 第7部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項 第714節:屋外照明設備
JIS C 0364-7-715 第7-715部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−特別低電圧照明設備
JIS C 0364-7-717 第7-717部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−移動形又は運搬可能形ユニ
ット
JIS C 0364-7-740 第7-740部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−催し物会場,遊園地及び広
場の建造物,娯楽装置及びブースの仮設電気設備
JIS C 0364-7-753 第7-753部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−床暖房及び天井暖房設備
C 60364-4-41:2010 (IEC 60364-4-41:2005)
(4)
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白 紙
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日本工業規格 JIS
C 60364-4-41:2010
(IEC 60364-4-41:2005)
低圧電気設備−
第4-41部:安全保護−感電保護
Low-voltage electrical installations−
Part 4-41: Protection for safety−Protection against electric shock
序文
この規格は,2005年に第5版として発行されたIEC 60364-4-41を基に,技術的内容及び対応国際規格の
構成を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
410.1 適用範囲
この規格は,人及び家畜の基本保護(直接接触保護)及び故障保護(間接接触保護)を含み,感電保護
に関する特に必要な要求事項について規定する。また,この規格は,外的影響に関してこれらの要求事項
の適用についても扱う。また,ある場合には, 追加保護の適用に対する要求事項も示す。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60364-4-41:2005,Low-voltage electrical installations−Part 4-41: Protection for safety−
Protection against electric shock (IDT)
なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こと
を示す。
410.2 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 0364-7(規格群) 低圧電気設備−第7部
注記 対応国際規格:IEC 60364-7 (all parts),Low-voltage electrical installations−Part 7 (IDT)
JIS C 8471(規格群) 電気設備用ケーブルトランキング及びダクティングシステム
注記 対応国際規格:IEC 61084 (all parts),Cable trunking and ducting systems for electrical installations
(MOD)
JIS C 60364-5-52 建築電気設備−第5-52部:電気機器の選定及び施工−配線設備1)
注記 対応国際規格:IEC 60364-5-52,Electrical installations of buildings−Part 5-52: Selection and
erection of electrical equipment−Wiring systems 1) (IDT)
注1) 新しい版は,現在検討中である。
JIS C 60364-5-54 建築電気設備−第5-54部:電気機器の選定及び施工−接地設備,保護導体及び保
護ボンディング導体
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C 60364-4-41:2010 (IEC 60364-4-41:2005)
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注記 対応国際規格:IEC 60364-5-54,Electrical installations of buildings−Part 5-54: Selection and
erection of electrical equipment−Earthing arrangements, protective conductors and protective
bonding conductors (IDT)
JIS C 60364-6 低圧電気設備−第6部:検証
注記 対応国際規格:IEC 60364-6,Low-voltage electrical installations−Part 6: Verification (IDT)
JIS C 61558-2-6 変圧器,電源装置,リアクトル及びこれに類する装置の安全性−第2-6部:一般用
安全絶縁変圧器の個別要求事項
注記 対応国際規格:IEC 61558-2-6,Safety of power transformers, power supply units and similar−Part
2: Particular requirements for safety isolating transformers for general use (MOD)
IEC 61386 (all parts),Conduit systems for cable management
410.3 一般要求事項
410.3.1 この規格では,特に指定しない限り,次の電圧の仕様を意味する。
− 交流電圧は,実効値
− 直流電圧は,リプルフリー
リプルフリーとは,一般にその直流成分の10 %以下のリプル電圧実効値と定義する。
410.3.2 保護手段は,次のいずれかによらなければならない。
− 基本保護及び故障保護のための独立した保護手段の要素の適切な組合せ
− 基本保護及び故障保護の両方を合わせた強化保護手段の要素
追加保護は,ある特殊場所において,ある条件の下での一部として示されている(JIS C 0364の対応す
る第7部参照)。
注記1 特殊な場合として,この概念によらない保護手段が使用できる(410.3.5及び410.3.6参照)。
注記2 強化保護手段の例は,強化絶縁である。
410.3.3 設備のそれぞれの部分において,一つ以上の保護手段を,外的影響の条件を考慮して適用しなけ
ればならない。
次の保護手段が一般的に使用できる。
− 電源の自動遮断(箇条411)
− 二重絶縁又は強化絶縁(箇条412)
− 一つの電気使用機器への電力供給のための電気的分離(箇条413)
− 特別低電圧(SELV及びPELV)(箇条414)
設備に適用する保護手段は,機器の選定及び施工を考慮しなければならない。
特殊設備に関しては,410.3.4〜410.3.9を参照。
注記 電気設備において最も一般的に使用される保護手段は,電源の自動遮断である。
410.3.4 特殊設備又は特殊場所に関しては,JIS C 0364の対応する第7部にある特定の保護手段を適用し
なければならない。
410.3.5 附属書Bに規定する保護手段,すなわちオブスタクル及びアームズリーチ外への設置による保護
手段は,次のいずれかの人だけが接近可能な設備において使用しなければならない。
− 熟練者又は技能者
− 熟練者又は技能者の指揮下にある人
410.3.6 附属書Cに規定する保護手段,すなわち次のものは,設備が熟練者又は技能者の指揮下にあって,
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C 60364-4-41:2010 (IEC 60364-4-41:2005)
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それらの者の許可を得ていない変更が不可能な場合にだけ適用してもよい。
− 非導電性場所
− 非接地局部的等電位ボンディング
− 一つ以上の電気使用機器への電力供給のための電気的分離
410.3.7 ある保護手段の条件が満足できない場合は,保護手段の要素が同一の安全等級で実施できるよう
に,補足的保護手段の要素を適用しなければならない。
注記 この規則の適用の例を,411.7に示す。
410.3.8 同じ設備,設備の一部分又は内部の機器に適用する異なった保護手段は,一つの保護手段の故障
が他の保護手段に障害を与えるような,相互の影響があってはならない。
410.3.9 故障保護のための保護手段の要素(間接接触保護)は,次の機器については省略することができ
る。
− 建築物に取り付けられ,かつ,アームズリーチ外に設置した架空線用がいしの金属製支持物
− 鉄筋に人が接触する可能性のない架空線の鉄筋コンクリート柱
− 次のような露出導電性部分
− 寸法が小さい(約50 mm×50 mm)ため,又はそれらの配置上の理由のためつかむことができな
いもの
− 身体の一部と接触状態になり得ないようなもの
− 保護導体と接続が困難であるか又は接続の信頼性がないという条件のもの
注記 この例外規定は,例えば,ボルト,リベット,銘板及びケーブル・クリップに適用する。
− 箇条412に適合する機器を保護する金属管又は他の金属製エンクロージャ
411 保護手段:電源の自動遮断
411.1 一般事項
電源の自動遮断は,次の方法による保護手段とする。
− 基本保護は,附属書Aに従って充電部を基礎絶縁によって,又はバリア若しくはエンクロージャによ
って行う。
− 故障保護は,411.3〜411.6に従った,保護等電位ボンディング及び故障時の自動遮断によって行う。
注記1 この保護手段を適用する場合には,クラスII機器も用いることができる。
特に規定する場合には,415.1に従った定格感度電流30 mA以下の漏電遮断器による追加保護手段を実
施する。
注記2 地絡電流監視装置は保護器ではないが,電気設備における残留電流を監視するために用いる
ことができる。地絡電流監視装置は,残留電流が事前に選定した値を超過した場合に,音響
信号又は音響及び視覚信号を発する。
411.2 基本保護のための要求事項
すべての電気機器は,附属書A又は適用可能な場合は,附属書Bに示す基本保護(直接接触保護)の保
護手段の要素の一つに適合しなければならない。
411.3 故障保護のための要求事項
411.3.1 保護接地及び保護等電位ボンディング
411.3.1.1 保護接地
露出導電性部分は,411.4〜411.6に規定する各種の接地系統の特別な条件の下で保護導体に接続しなけ
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C 60364-4-41:2010 (IEC 60364-4-41:2005)
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ればならない。
同時に接近可能な露出導電性部分は,同一の接地系統に個別に,グループごとに,又はまとめて接続し
なければならない。
保護接地用導体は,JIS C 60364-5-54に適合しなければならない。
各回路は,関連の接地端子への接続に利用できる保護導体がなければならない。
411.3.1.2 保護等電位ボンディング
各建築物において,接地導体,主接地端子及び次の導電性部分は,保護等電位ボンディングに接続しな
ければならない。
− 建築物に引き込む供給設備の金属管,例えば,ガス管,水道管
− 通常の使用において接近可能な場合の構造体系統外導電性部分,金属製集中暖房及び空調設備
− 接続できることがあれば,構造体鉄筋コンクリートの鉄筋
このような導電性部分を建築物の外側から引き込む場合,それらは建築物内の引込点にできる限り接近
して接続しなければならない。
保護等電位ボンディングの導体は,JIS C 60364-5-54に適合しなければならない。
通信ケーブルのいかなる金属製遮へい体も,これらのケーブルの所有者又は管理者の要求事項を考慮し
て,保護等電位ボンディングに接続しなければならない。
411.3.2 故障時の自動遮断
411.3.2.1 411.3.2.5及び411.3.2.6によって規定する場合を除き,保護器は,その回路又は機器において,
線導体と露出導電性部分又は保護導体との間にインピーダンスを無視できる故障が発生したとき,
411.3.2.2,411.3.2.3又は411.3.2.4において要求する遮断時間内で,回路又は機器の線導体への電力供給を
自動的に遮断しなければならない。
注記1 この項で要求するよりも長い遮断時間を,公共配電系統並びにその系統に対する発電及び送
電システムでは許容する。
注記2 JIS C 0364の関連する第7部に規定する特殊設備又は特殊場所では,これより短い遮断時間
を要求することがある。
注記3 IT系統では,通常,第1故障(411.6.1参照)発生時に自動遮断は要求されない。第1故障発
生後の遮断に対する要求事項については,411.6.4参照。
411.3.2.2 表41.1に示す最大遮断時間は,32 A以下の分岐回路に適用しなければならない。
表41.1−最大遮断時間
系統
50 V<Uo≦120 V
秒
120 V<Uo≦230 V
秒
230 V<Uo≦400 V
秒
Uo>400 V
秒
交流
直流
交流
直流
交流
直流
交流
直流
TN
0.8
注記1
0.4
5
0.2
0.4
0.1
0.1
TT
0.3
注記1
0.2
0.4
0.07
0.2
0.04
0.1
TT系統において,遮断を過電流遮断器によって行い,かつ,保護等電位ボンディングを設備内のすべて
の系統外導電性部分と接続する場合,TN系統に適用する最大遮断時間を用いることができる。
Uoは,公称交流又は直流の対地電圧を示す。
注記1 遮断は,感電保護以外の理由に対して要求することがある。
注記2 遮断を漏電遮断器で行う場合は,411.4.4の注記,411.5.3の注記4及び411.6.4 b) の注記4を参照。
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C 60364-4-41:2010 (IEC 60364-4-41:2005)
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411.3.2.3 TN系統では,配電回路及び411.3.2.2に該当しない回路に対して遮断時間を5秒以下とすること
ができる。
411.3.2.4 TT系統では,配電回路及び411.3.2.2に該当しない回路に対して遮断時間を1秒以下とすること
ができる。
411.3.2.5 公称対地電圧Uoが交流50 V又は直流120 Vより大きい系統では,保護導体又は大地への故障
のときに,電源の出力電圧が5秒以内に交流50 V若しくは直流120 V以下又は0に低減する場合,411.3.2.2,
411.3.2.3又は411.3.2.4で規定する時間内での自動遮断は必要ではない。このような場合では,感電以外の
他の理由に対して要求される遮断を考慮しなければならない。
411.3.2.6 411.3.2.1に従った自動遮断が,411.3.2.2,411.3.2.3又は411.3.2.4に規定する時間内で適切に実行
できない場合,補助保護等電位ボンディングを415.2に従って施さなければならない。
411.3.3 追加保護
交流系統では,415.1に従った漏電遮断器の手段による追加保護を,次の場合に施さなければならない。
− 一般人が使用する一般的な用途の定格電流20 A以下のコンセント
注記 次のいずれかの場合を除く。
− 商業用又は工業用の場所において熟練者又は技能者の指揮下で使用するコンセント
− 特殊な機器を接続するために使用する特殊コンセント
− 屋外用で定格電流32 A以下の移動形機器
411.4 TN系統
411.4.1 TN系統では,設備を完全に接地するということは,PEN又はPE導体を大地へ確実に,かつ,効
果的に接続することに依存している。接地が商用電源又は他の電力供給設備から提供される場合,設備の
外部の必要な条件との適合性は,電力供給事業者の責任となる。
注記 条件の例には,次の事項を含む。
− PENは,複数の点で大地へ接続し,そしてPEN導体が断線する危険性を最小にするような
方法で施設する。
− RB/RE≦50/(Uo−50)
ここに,
RB: 並列接続したすべての接地極の接地抵抗 (Ω)
RE: 保護導体に接続されていない系統外導電性部分を介して1線地短絡が
生じたときの,その系統外導電性部分の大地接触抵抗の最小値 (Ω)
Uo: 公称交流対地電圧の実効値 (V)
411.4.2 電力供給系統の中性点又は中間点は,接地しなければならない。中性点若しくは中間点がない場
合又は接続できない場合は,線導体の一つを接地しなければならない。
設備の露出導電性部分は,電力供給設備の接地点に接続している設備の主接地端子へ保護導体で接続し
なければならない。
注記1 他の効果的な大地との接続点がある場合,保護導体を可能な限りその点へも接続することが
望ましい。故障時に,保護導体の電位をできるだけ大地の電位と近い状態とするために,で
きるだけ均等に配置した追加点に接地を施すことが必要となる場合がある。
高層建築物などの大規模建築物においては,保護導体の追加接地は,現実的理由で不可能
である。ただし,このような建築物では,保護導体と系統外導電性部分との間の保護等電位
ボンディングは同じ機能をもつ。
注記2 複数の建築物又は施設にわたって保護導体を布設する場合,中性線電流が分流することを考
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C 60364-4-41:2010 (IEC 60364-4-41:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
慮して,保護導体(PE又はPEN)を引込口で接地することが望ましい。
411.4.3 固定設備においては,JIS C 60364-5-54の543.4(PEN導体)の要求事項を満足する場合は,1本
の導体を保護導体及び中性線の両方として使用できる(PEN導体)。開閉装置又は断路装置をPEN導体に
挿入してはならない。
411.4.4 保護器の特性(411.4.5参照)及び回路のインピーダンスは,次の要求事項を満たさなければなら
ない。
Zs×Ia≦Uo
ここに, Zs: 次のもので構成する故障ループインピーダンス (Ω)
− 電源
− 故障点までの線導体
− 故障点と電源間との保護導体
Ia: 411.3.2.2又は411.3.2.3に規定する時間内に遮断器を自動的に動
作させ得る電流 (A)。
漏電遮断器 (RCD) を使用する場合は,この電流は,411.3.2.2
又は411.3.2.3に規定する時間で遮断する漏電遮断器の感度電流
である。
Uo: 公称交流又は直流の対地電圧 (V)
注記 漏電遮断器を用いてこの箇条を適用する場合,表41.1に従った遮断時間は,漏電遮断器の定格
感度電流より非常に大きい推定残留故障電流(代表的なものは,5 I∆n)に関係する。
411.4.5 TN系統では,次の保護器を故障保護(間接接触保護)用に使用することができる。
− 過電流保護器
− 漏電遮断器
注記1 漏電遮断器を故障保護用に使用する場合は,その回路をJIS C 60364-4-43に適合する過電流
保護器によってもまた保護することが望ましい。
漏電遮断器は,TN-C系統に使用してはならない。
漏電遮断器をTN-C-S系統で使用する場合は,PEN導体は,一つの負荷側で使用してはならない。保護
導体とPEN導体との接続は,漏電遮断器の電源側で行わなければならない。
注記2 漏電遮断器相互間の選択遮断が必要な場合は,JIS C 60364-5-53の535.3(漏電遮断器相互間
の選択遮断)を参照。
注記3 漏電遮断器には,次のものが使用できる。
− JIS C 8201-2-2の附属書1に規定する非時延形の反限時形及び高速形
− JIS C 8221の附属書1に規定する非時延形の反限時形及び高速形
− JIS C 8222の附属書1に規定する非時延形の反限時形及び高速形
411.5 TT系統
411.5.1 一つの保護器で共通に保護するすべての露出導電性部分は,保護導体によって同一の接地極へ接
続しなければならない。複数の保護器を直列に使用する場合は,この要求事項はそれぞれの保護器によっ
て保護するすべての露出導電性部分に個々に適用する。
電力供給設備の中性点又は中間点は,接地しなければならない。中性点若しくは中間点が利用できない
か又は接近不可能な場合は,線導体の一つを接地しなければならない。
411.5.2 一般的にTT系統においては,漏電遮断器を故障保護に使用しなければならない。他の方法とし
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C 60364-4-41:2010 (IEC 60364-4-41:2005)
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て,Zsの十分に低い値を恒久的,かつ,確実に得ることができれば,過電流保護器を故障保護用に使用し
てもよい。
注記1 漏電遮断器を故障保護用に使用する場合は,故障保護用に使用する回路をJIS C 60364-4-43
に適合する過電流保護器によってもまた保護することが望ましい。
注記2 電圧動作形保護器の使用は,この規格の範囲外である。
注記3 漏電遮断器には,次のものが使用できる。
− JIS C 8201-2-2の附属書1に規定する非時延形の反限時形及び高速形
− JIS C 8221の附属書1に規定する非時延形の反限時形及び高速形
− JIS C 8222の附属書1に規定する非時延形の反限時形及び高速形
411.5.3 漏電遮断器を故障保護用に使用する場合は,次の条件を満足しなければならない。
1) 411.3.2.2又は411.3.2.4によって要求する遮断時間
2) RA×I∆n≦50 V
ここに,
RA: 露出導電性部分に接続する保護導体の抵抗と接地極の接地抵抗との合計 (Ω)
I∆n: 漏電遮断器の定格感度電流 (mA)
注記1 故障インピーダンスが無視できない場合でも,この場合には故障保護を行うことができる。
注記2 漏電遮断器相互間の選択遮断が必要な場合は,JIS C 60364-5-53の535.3(漏電遮断器相互間
の選択遮断)を参照。
注記3 RAが分からないときは,411.5.4のZsに置き換えてもよい。
注記4 表41.1に従った遮断時間は,漏電遮断器の定格感度電流より非常に大きい推定残留故障電流
(代表的なものは,5 I∆n)に関係する。
411.5.4 過電流保護器を使用する場合は,次の条件を満たさなければならない。
Zs×Ia≦Uo
ここに,
Zs: 次のもので構成する故障ループインピーダンス (Ω)
− 電源
− 故障点までの線導体
− 露出導電性部分の保護導体
− 接地線
− 設備の接地極
− 電源の接地極
Ia: 411.3.2.2又は411.3.2.4に規定する時間内に遮断器を自動的に
動作させ得る電流 (A)
Uo: 公称交流又は直流の対地電圧 (V)
411.6 IT系統
411.6.1 IT系統では,充電部は,大地から絶縁するか,又は十分に大きいインピーダンスを介して大地へ
接続しなければならない。この接続は,系統の中性点若しくは中間点又は人為的に設けた中性点のいずれ
かで行ってもよい。人為的に設けた中性点の場合は,対地間インピーダンスが系統周波数において十分に
大きい場合は,大地へ直接接続してもよい。中性点又は中間点がない場合は,1相の線導体を高いインピ
ーダンスを介して大地へ接続してもよい。
露出導電性部分又は大地への単一故障のときの故障電流は小さく,411.6.2の条件を満たしているときは,
411.3.2に従った自動遮断は,緊急性を要しない。ただし,二つの故障が同時に起きた場合には,同時に接
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C 60364-4-41:2010 (IEC 60364-4-41:2005)
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触可能な露出導電性部分に接触する人に対する有害な病態生理学的影響の危険性を避けるための保護手段
の要素を講じなければならない。
注記 過電圧を減少させるため,又は電圧動揺を抑えるために,インピーダンス又は人為的に設けた
中性点を介して接地を施すことが必要な場合があり,これらの特性は,設備の要求事項に適合
しなければならない。
411.6.2 露出導電性部分は,個別に,グループごとに,又はまとめて接地しなければならない。
次の条件を満足しなければならない。
− 交流系統では,RA×Id≦50 V
− 直流系統では,RA×Id≦120 V
ここに, RA: 露出導電性部分に接続する保護導体の抵抗と接地極の接地抵抗との
合計 (Ω)
Id: 最初に1相の線導体と露出導電性部分との間にインピーダンスを無
視できる故障が生じたときの地絡電流 (A)。Idの値は,電気設備の漏
れ電流及び合計接地インピーダンスによって決まる。
411.6.3 IT系統では,次の連続監視装置及び保護器を用いることができる。
− 絶縁監視装置
− 漏電警報器
− 絶縁故障場所探知システム
− 過電流保護器
− 漏電遮断器
注記1 漏電遮断器を使用する場合は,容量性漏れ電流によって第1故障時に漏電遮断器が動作する
ことがある。
注記2 漏電遮断器には,次のものが使用できる。
− JIS C 8201-2-2の附属書1に規定する非時延形の反限時形及び高速形
− JIS C 8221の附属書1に規定する非時延形の反限時形及び高速形
− JIS C 8222の附属書1に規定する非時延形の反限時形及び高速形
411.6.3.1 電力供給の継続性という理由でIT系統を採用する場合は,充電部から露出導電性部分又は大地
への第1故障が発生したことを知らせる絶縁監視装置を設けなければならない。この装置は,故障が続く
限り継続する音響及び/又は視覚信号を出すものでなければならない。
音響及び視覚信号の両方がある場合は,音響信号を停止してもよい。
注記 第1故障は,できる限り速やかに取り除くことが望ましい。
411.6.3.2 第1故障発生時に電力供給を遮断するために保護器を設ける場合を除き,充電部から露出導電
性部分又は大地へ第1故障が発生したことを知らせるための,漏電警報器又は絶縁故障場所探知システム
を設けることができる。この装置は,故障が続く限り継続する音響及び/又は視覚信号を出すものでなけ
ればならない。
音響及び視覚信号の両方がある場合は,音響信号を停止できるようにしてもよいが,故障が継続してい
る間は視覚警報を継続させなければならない。
注記 第1故障は,できる限り速やかに取り除くことが望ましい。
411.6.4 第1故障の発生後,別の充電導体に発生する第2故障のときの電源を自動遮断する条件は,次に
よる。
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C 60364-4-41:2010 (IEC 60364-4-41:2005)
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a) 露出導電性部分を同じ接地系統に一括接続した保護導体によって相互に接続する場合は,TN系統と
同じ条件を適用する。また,交流系統で中性線がない場合,又は直流系統で中間線がない場合は,次
の条件を満足しなければならない。
2 IaZs≦U
又は,中性線若しくは中間線がそれぞれある場合は,
2 IaZ ʼs≦Uo
ここに,
Uo: 線導体と中性線又は中間線との間の公称交流電圧又は直流電
圧 (V)
U: 線導体間の公称交流電圧又は直流電圧 (V)
Zs: 回路の線導体及び保護導体からなる故障ループインピーダン
ス (Ω)
Z ʼs: 回路の中性線及び保護導体からなる故障ループインピーダン
ス (Ω)
Ia: TN系統に関する411.3.2.2又は411.3.2.3に示す時間内に保護
器を動作させ得る電流 (A)
注記1 TN系統に関する411.3.2.2の表41.1に規定する時間は,中性線若しくは中間線がある又はな
いIT系統に適用できる。
注記2 両方の式における係数2は,二つの故障が同時に発生し,故障が異なる回路に存在すること
を考慮している。
注記3 故障ループインピーダンスに関しては,最も厳しい場合を考慮することが望ましい。例えば,
電源における線導体上の故障と同時に当該回路の電気使用機器の中性線上に起こる他の故障
の場合である。
b) 露出導電性部分をグループごとに又は個別に接地する場合は,次の条件を適用する。
RA×Ia≦50 V
ここに, RA: 露出導電性部分に接続する保護導体の抵抗と接地極の接地抵
抗との合計 (Ω)
Ia: TT系統に関する411.3.2.2の表41.1に示す時間内又は411.3.2.4
に適合する時間内に遮断器の自動遮断を起こさせ得る電流
(A)
注記4 b) の要求事項に適合することを漏電遮断器によって行う場合,表41.1のTT系統に関して要
求される遮断時間に従うためには,適用する漏電遮断器の定格感度電流I∆nより非常に大きい
残留電流(代表的なものは,5 I∆n)を必要とする。
411.7 機能的特別低電圧 (FELV)
411.7.1 一般事項
機能的な理由で,交流50 V以下又は直流120 V以下の公称電圧を使用するが,SELV又はPELVに関連
する箇条414の要求事項のすべてを満たさない場合,かつ,SELV又はPELVを必要としない場合は,411.7.2
及び411.7.3に規定する補助的な保護手段の要素を基本保護及び故障保護を確立するために用いなければ
ならない。この保護手段の要素の組合せを,“FELV”という。
注記 この条件は例えば,当該回路がより高い電圧の回路に対して十分に絶縁されていない機器(変
圧器,リレー,リモコンスイッチ,接触器など)を含む場合に見受けられる。
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C 60364-4-41:2010 (IEC 60364-4-41:2005)
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411.7.2 基本保護に対する要求事項
基本保護は,次のいずれかによらなければならない。
− 電源の一次側回路の公称電圧に対してA.1に従った基礎絶縁
− A.2に従ったバリア又はエンクロージャ
411.7.3 故障保護に対する要求事項
FELV回路の機器の露出導電性部分は,一次回路が,411.3から411.6までに規定する電源の自動遮断に
よる保護がなされている場合は,電源の一次側回路の保護導体へ接続しなければならない。
411.7.4 電源
FELV系統の電源は,巻線間が少なくとも単純分離であるか,又は414.3に適合するかいずれかの変圧器
でなければならない。
注記 より高い電圧系統とFELV系統との間に,単巻変圧器,ポテンショメータ,半導体装置などの
ように,少なくとも単純分離がない機器によって,より高い電圧系統から電力供給するシステ
ムでは,出力側回路は,入力側回路の延長とみなし,入力側回路に適用する保護手段によって
保護することが望ましい。
411.7.5 プラグ及びコンセント
FELV系統に関するプラグ及びコンセントは,次のすべての要求事項に適合しなければならない。
− プラグは,他の電圧系統のコンセントに差し込むことができない。
− コンセントには,他の電圧系統のプラグを差し込むことができない。
− コンセントには,保護導体用接触子(接地用刃受けばね)を設ける。
412 保護手段:二重絶縁又は強化絶縁
412.1 一般事項
412.1.1 二重絶縁又は強化絶縁は,次のいずれかの保護手段である。
− 基本保護は,基礎絶縁によって行い,故障保護は,補助絶縁によって行う。
− 基本保護及び故障保護は,充電部と接触可能部分との間の強化絶縁によって行う。
注記 この保護手段は,基礎絶縁の損傷によって電気機器の接触可能部分に危険な電圧が発生するこ
との防止を目的とする。
412.1.2 二重絶縁又は強化絶縁による保護手段は,JIS C 0364の第7部に何らかの制限がない限り,すべ
ての状況で適用できる。
412.1.3 この保護手段を唯一の保護手段として使用する場合(すなわち,すべての設備又は回路全体を専
ら二重絶縁又は強化絶縁をもつ機器で構成することを意図する場合)は,当該設備又は回路が,保護手段
の効果を損なうような変更がないように,通常の使用において効果的な管理下で使用されることを検証し
なければならない。したがって,コンセントを含む回路又は使用者が許可なく機器を変更する可能性のあ
る回路には,この保護手段を適用してはならない。
412.2 基本保護及び故障保護のための要求事項
412.2.1 電気的分離
設備全体又は設備の部分に,二重絶縁又は強化絶縁を保護手段として使用する場合,電気機器は,次の
箇条のいずれかに適合しなければならない。
− 412.2.1.1
− 412.2.1.2及び412.2.2
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C 60364-4-41:2010 (IEC 60364-4-41:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
− 412.2.1.3及び412.2.2
412.2.1.1 電気機器は,次の種類のものとし,関連規格による形式試験が実施され,その表示があるもの
でなければならない。
− 二重絶縁又は強化絶縁をもつ電気機器(クラスII機器)
− 全体絶縁を施した電気機器の組立品(IEC 60439-1参照)など,クラスII機器の同等品として関連製
品規格に公表した電気機器
注記 この機器は,図記号 によって識別するIEC 60417-5172 [DB 2):2002-10]: クラスII機器を参
照。
注2) “DB”は,データベースを指す。
412.2.1.2 基礎絶縁だけをもつ電気機器は,電気設備の施工の過程で施す補助絶縁をもたなければならな
い。その補助絶縁を施した電気機器は412.2.1.1に従い,かつ,412.2.2.1から412.2.2.3までに適合する電
気機器と同等な安全性をもつことが条件である。
注記 図記号 を,エンクロージャの外側及び内側の見えやすい箇所に表示することが望ましい。
IEC 60417-5019 (DB:2002-10): 保護接地を参照。
412.2.1.3 非絶縁充電部をもつ電気機器は,電気設備の施工の過程で施す強化絶縁をもたなければならな
い。その強化絶縁を施した電気機器は412.2.1.1に従い,かつ,412.2.2.2及び412.2.2.3に適合する電気機
器と同等な安全性をもつことが条件である。この絶縁は,構造上の特徴が二重絶縁の適用を妨げる場合だ
けに認められる。
注記 エンクロージャの外側及び内側の見えやすい箇所に図記号 を表示することが望ましい。
IEC 60417-5019 (DB:2002-10): 保護接地を参照。
412.2.2 エンクロージャ
412.2.2.1 運転状態にある電気機器の基礎絶縁だけによって充電部から分離されているすべての導電性部
分は,IPXXB又はIP2X以上の保護等級のある絶縁エンクロージャ内に収めなければならない。
412.2.2.2 次の要求事項を適用しなければならない。
− 電位を伝える導電性部分が絶縁エンクロージャを貫通してはならない。
− 据付及び保守の際に,取り外す必要の可能性があるか若しくは取り外すことが起こりそうな絶縁材料
のねじ又はその他の固定手段で,それらを金属製のねじ又はその他の固定手段に交換することによっ
てエンクロージャの絶縁を損なう可能性があるものは,絶縁エンクロージャに用いてはならない。
絶縁エンクロージャを,機械的接続部又は連結部(例えば,組込機器の操作ハンドル用)が貫通しなけ
ればならない場合は,これらは故障時の感電保護の機能が損なわれないような方法で設計することが望ま
しい。
412.2.2.3 絶縁エンクロージャのふた又は扉を,工具又はかぎ(鍵)を使用しないで開けられる場合は,
ふた又は扉が開いたときに接触可能なすべての導電性部分は,その導電性部分に人が無意識に接触するこ
とを防ぐための絶縁バリア(IPXXB又はIP2X以上の保護等級のある)の背後に配置しなければならない。
この絶縁バリアは,工具又はかぎを使用しなければ取り外せないものでなければならない。
412.2.2.4 絶縁エンクロージャに囲まれた導電性部分を,保護導体へ接続してはならない。ただし,電力
供給用の回路もそのエンクロージャを貫通して配線している他の電気機器の利用のために,エンクロージ
ャを貫通して配線する必要がある保護導体の接続については実施してよい。エンクロージャの内側におい
ては,そのような導体及びこれらの端子は,それらが充電導体であるとみなして絶縁し,それらの端子に
PE端子と表示しなければならない。
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露出導電性部分及び中間部分は,当該機器用の仕様書に特に規定する場合を除き,保護導体へ接続して
はならない。
412.2.2.5 エンクロージャは,この方式で保護する機器の運転に悪影響を与えてはならない。
412.2.3 設置
412.2.3.1 412.2.1に規定する機器の設置(導体の固定,接続など)は,機器の仕様書に従って与えられる
保護を損なわないような方法で行わなければならない。
412.2.3.2 412.1.3を適用する場合を除いて,クラスII機器の電源回路は,配線の各部分及び各配線器具へ
配線して,端子留めする回路保護導体がなければならない。
注記 この要求事項は,クラスII機器の使用者によるクラスI機器への交換に注意することを意図し
ている。
412.2.4 配線設備
412.2.4.1 JIS C 60364-5-52によって設置する配線設備は,次のすべてを満たす場合,412.2の要求事項に
適合するものとみなす。
− 配線設備の定格電圧が,系統の公称電圧以上で,かつ,300 V/500 V以上である。
− 基礎絶縁の適切な機械的保護を,次の一つ以上で行う。
a) ケーブルの非金属製外装
b) JIS C 8471(規格群)に適合する非金属製トランキング若しくはダクト,又はIEC 61386(規格群)
に適合する非金属製電線管
注記1 ケーブル製品規格ではインパルス耐力の規定はないが,ケーブル配線設備の絶縁は,強化
絶縁に関する要求事項と同等以上であると考えられる。
注記2 このような配線設備は,IEC 60417-5172 (DB:2002-10) の図記号 及びIEC 60417-5019
(DB:2002-10) の図記号 によって表示しないのが望ましい。
413 保護手段:電気的分離
413.1 一般事項
413.1.1 電気的分離は,次のいずれかの保護手段である。
− 基本保護は,充電部の基礎絶縁又は附属書Aに従ったバリア及びエンクロージャによって行う。
− 故障保護は,他の回路及び大地から分離した回路の単純分離によって行う。
413.1.2 413.1.3で認める場合を除いて,この保護手段は,単純分離をもつ一つの非接地電源から供給され
る電気使用機器の一つへの電力供給に限らなければならない。
注記 この保護手段を使用する場合は,製品規格に従った基礎絶縁に適合することが特に重要である。
413.1.3 二つ以上の電気使用機器が,単純分離をもつ非接地電源から供給される場合は,C.3の要求事項
に適合しなければならない。
413.2 基本保護に対する要求事項
すべての電気機器は,附属書Aの基本保護手段の要素の一つ又は箇条412の保護手段に従っていなけれ
ばならない。
413.3 故障保護に対する要求事項
413.3.1 電気的分離による保護は,413.3.2から413.3.6までに従って保証しなければならない。
413.3.2 分離回路へは,少なくとも単純分離をもつ電源から供給しなければならず,かつ,分離回路の電
圧は,500 V以下でなければならない。
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413.3.3 分離回路の充電部を,他の回路又は大地若しくは保護導体のいかなる点へも接続してはならない。
電気的分離を確立するために,回路間に基礎絶縁を確立するように設置しなければならない。
413.3.4 可とうケーブル及びコードは,機械的損傷を受けやすい部分の配線はすべて目視できなければな
らない。
413.3.5 分離回路には,別個の配線設備を使用することが望ましい。分離回路及び他の回路が,同じ配線
設備内にあった場合,金属製外被のない多心ケーブル又は絶縁性電線管,絶縁性ダクト若しくは絶縁性ト
ランキングに収めた絶縁電線を,次の条件で使用しなければならない。
− 定格電圧を,最高の公称電圧以上とする。
− 各回路を,過電流保護する。
413.3.6 分離回路の露出導電性部分は,他の回路の保護導体若しくは露出導電性部分又は大地のいずれに
も接続してはならない。
注記 分離回路の露出導電性部分が,故意に又は偶然に他の回路の露出導電性部分に接触するおそれ
のある場合には,感電保護は,電気的分離による保護だけではなく,他の回路の露出導電性部
分に施した保護手段の要素にも依存する。
414 保護手段:SELV及びPELVによる特別低電圧
414.1 一般事項
414.1.1 特別低電圧による保護は,次の二つの異なる特別低電圧システムのいずれかによる。
− SELV
− PELV
この保護手段は,次のことを要求する。
− 電圧バンドIの交流50 V又は直流120 V(JIS C 0366参照)の上限以下のSELV又はPELVシステム
での電圧制限
− SELV及びPELV回路以外の他のすべての回路からのSELV又はPELVシステムの保護分離,及びSELV
又はPELVシステムと他のSELV又はPELVシステムとの間の基礎絶縁
− SELVシステムだけに関しては,SELVシステムと大地との間の基礎絶縁
414.1.2 箇条414に従ったSELV又はPELVの使用は,すべての状況での保護手段とみなす。
注記 ある場合には,JIS C 0364-7(規格群)は,特別低電圧の値を交流50 V又は直流120 Vより低
い値に制限している。
414.2 基本保護及び故障保護に対する要求事項
基本保護及び故障保護は,次のすべてを満足する場合に適合しているとみなす。
− 公称電圧が,電圧バンドIの上限以下の場合
− 電力を,414.3に規定する電源の一つから供給する場合
− 414.4の条件を満たす場合
注記1 系統が,その系統と特別低電圧系統との間に少なくとも単純分離されているが,414.3のSELV
及びPELV電源に対する要求事項に適合しない機器によってより高い電圧系統から供給され
る場合は,FELVに関する要求事項を適用してもよい。411.7参照。
注記2 半導体コンバータ(IEC 60146-2参照)で発生する特別低電圧回路用の直流電圧は,整流ス
タックに供給する内部交流電圧回路を必要とする。この内部交流電圧は,物理的理由によっ
て直流電圧を超える。この内部交流回路は,この箇条の解釈においてはより高い電圧回路と
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C 60364-4-41:2010 (IEC 60364-4-41:2005)
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はみなさない。内部回路と外部のより高い電圧回路との間には,保護分離が必要である。
注記3 蓄電池をもつ直流系統では,蓄電池の充電及び浮動電圧は,蓄電池の種類によって蓄電池の
公称電圧を超える。このことは,この箇条に規定する保護手段に追加するいかなる保護手段
の要素も要求しない。充電電圧は,最大値がIEC 61201の表1に示す環境の状況に適合する
交流75 V又は直流150 V以下とすることが望ましい。
414.3 SELV及びPELV用電源
次の電源を,SELV及びPELVシステム用に使用してもよい。
414.3.1 JIS C 61558-2-6に適合する安全絶縁変圧器。
414.3.2 414.3.1に規定する安全絶縁変圧器と同等の安全等級をもつ電流源(例えば,巻線が同等の絶縁を
もつ電動発電機)。
414.3.3 電気化学的電源(例えば,蓄電池),又はより高い電圧回路から独立したその他の電源(例えば,
ディーゼル駆動発電機)。
414.3.4 電子装置で,内部故障の場合でも,出力端子の電圧が414.1.1に規定する値を超えないことを保
証する保護手段の要素を用いた適切な規格に適合するもの。ただし,充電部と接触する場合又は充電部と
露出導電性部分との間の故障の場合に,出力端子の電圧が直ちにそれらの値以下に下がる場合は,出力端
子がより高い電圧になってもよい。
注記1 この装置の例は,絶縁試験器及び絶縁監視装置を含む。
注記2 より高い電圧が出力端子に現れる場合,出力端子の電圧を内部抵抗が3 000 Ω以上の電圧計で
測定したときに414.1.1で規定する限界内の値であれば,この項に適合するとみなす。
414.3.5 安全絶縁変圧器は,電動発電機などの低圧で供給する移動形電源は,二重絶縁又は強化絶縁の使
用による保護に対する要求事項(箇条412参照)に従って,選定又は施工しなければならない。
414.4 SELV及びPELV回路に対する要求事項
414.4.1 SELV及びPELV回路は,次の特性をもたなければならない。
− 充電部と他のSELV又はPELV回路との間の基礎絶縁。
− 二重絶縁若しくは強化絶縁による,又は基礎絶縁と存在する最も高い電圧に対する保護遮へいによる
SELV又はPELVではない回路の充電部からの保護分離。
SELV回路は,充電部と大地との間に基礎絶縁をもたなければならない。
PELV回路及び/又はPELV回路によって電力供給される機器の露出導電性部分は,接地しなければな
らない。
注記1 特に保護分離は,継電器,接触子,補助スイッチなどの電気機器の充電部とより高い電圧回
路のすべての部分又はFELV回路との間に必要である。
注記2 PELV回路の接地は,大地又は電源自身内の接地した保護導体への接続によって行ってもよ
い。
414.4.2 少なくとも基礎絶縁をもつ他の回路の充電部とSELV及びPELV回路の配線設備との保護分離は,
次の対策の一つによって行うことができる。
− SELV及びPELVの各回路導体は,基礎絶縁に加え,非金属外装又は絶縁エンクロージャを施す。
− SELV及びPELVの各回路導体は,接地した金属外装又は接地した金属遮へい体によって電圧バンドI
より高い電圧の回路導体から分離する。
− 電圧バンドIより高い電圧の回路導体は,SELV及びPELV導体をそこに存在する最も高い電圧に対し
て絶縁する場合は,多心ケーブル又は導体の他のグループに含めてもよい。
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C 60364-4-41:2010 (IEC 60364-4-41:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
− 他の回路の配線設備が412.2.4.1に適合する。
− 物理的分離。
414.4.3 SELV及びPELVシステムのプラグ及びコンセントは,次の要求事項に適合しなければならない。
− プラグは,他の電圧系統のコンセントに差し込むことができない。
− コンセントには,他の電圧系統のプラグを差し込むことができない。
− SELVシステムのプラグ及びコンセントは,保護導体用接触子(接地用刃受けばね)がない。
414.4.4 SELV回路の露出導電性部分は,大地又は他の回路の保護導体若しくは露出導電性部分へ接続し
てはならない。
注記 SELV回路の露出導電性部分が,偶然に又は故意に他の回路の露出導電性部分に接触するおそ
れのある場合には,感電保護は,SELVによる保護だけではなく,他の回路の露出導電性部分
に施した保護手段の要素にも依存する。
414.4.5 公称電圧が交流25 V若しくは直流60 Vを超える場合又は機器が水に浸っている場合,SELV及
びPELV回路に対する基本保護は,次のいずれかによって施さなければならない。
− A.1に従った絶縁
− A.2に従ったバリア又はエンクロージャ
基本保護は,次のものに対して通常の乾燥状態では一般的に必要ない。
− 公称電圧が,交流25 V又は直流60 V以下の場合のSELV回路
− 公称電圧が,交流25 V又は直流60 V以下で,かつ,露出導電性部分及び/又は充電部を主接地端子
へ保護導体によって接続するPELV回路
他のすべての場合,SELV又はPELVシステムの公称電圧が交流12 V又は直流30 V以下の場合は,基本
保護は必要ない。
415 追加保護
注記 外的影響のある条件のもと及びある特殊場所(JIS C 0364の第7部参照)における,保護手段
で追加保護を規定してもよい。
415.1 追加保護:漏電遮断器 (RCDs)
415.1.1 定格感度電流が30 mA以下の漏電遮断器は,基本保護に対する保護手段の要素の故障及び/又は
故障保護に対する保護手段の要素の故障の場合,又は使用者の不注意の場合に交流系統において追加保護
用として使用してもよい。
415.1.2 この装置の使用は,単独の保護手段としては認められず,箇条411から箇条414までに規定する
保護手段の一つを適用する必要がある。
415.2 追加保護:補助保護等電位ボンディング
注記1 補助保護等電位ボンディングは,故障保護に対する追加として使用する。
注記2 補助保護等電位ボンディングを使用して,火災,機器内の熱的ストレスなどに対する保護な
ど,他の理由のために電源を遮断する必要がある。
注記3 補助保護等電位ボンディングは,設備全体,設備の一部,機器の一つ又は設置場所に関連す
る。
注記4 追加要求事項が,特殊場所(JIS C 0364の第7部参照),又は他の理由に関して必要となるこ
とがある。
415.2.1 補助保護等電位ボンディングは,固定形機器の同時に接触可能なすべての露出導電性部分及び構
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
造体鉄筋コンクリートの主筋がボンディングを実施できる場所を含めた系統外導電性部分を含めなければ
ならない。等電位ボンディングシステムは,コンセントを含むすべての機器の保護導体へ接続しなければ
ならない。
415.2.2 補助保護等電位ボンディングの有効性に関して疑わしい場合は,同時に接触可能な露出導電性部
分と系統外導電性部分との間の抵抗Rが,次の条件を満たすことを確認しなければならない。
交流系統で,
a
V
50
I
R≦
直流系統で,
a
V
120
I
R≦
ここに,
Ia: 保護器の動作電流 (A)
− 漏電遮断器に関してはI∆n
− 過電流保護器に関しては,5秒で動作する電流
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(規定)
基本保護のための保護手段の要素
注記 基本保護のための保護手段の要素は,通常状態での保護を行い,選択した保護手段の一部とし
て指定する場合に適用する。
A.1 充電部の基礎絶縁
注記 絶縁は,充電部への接触を防止することを目的とする。
充電部は,壊さなければ除去できない絶縁物で完全に覆わなければならない。
機器にあっては,絶縁は,電気機器に対する当該規定に適合しなければならない。
A.2 バリア又はエンクロージャ
注記 バリア又はエンクロージャは,充電部への接触を防止することを目的とする。
A.2.1 充電部は,保護等級IPXXB又はIP2X以上をもつエンクロージャの内部,又はバリアの背後に置か
なければならない。ただし,ソケット,ヒューズなどのように,部品の取替え中に大きな開口部が生じる
場合,又は機器の関係要求事項に従い機器が正常な機能を得るために,大きな開口部を必要とする場合に,
次の条件をすべて満たしている場合は,この限りではない。
− 人又は家畜が充電部に無意識に触れないように,適切な予防措置を施す。
− 人がその開口部を通して充電部に触れるおそれがあり,そして,故意に触れない方がよいと気付くよ
うな措置を施す。
− 開口部は,正常な機能及び部品の取替えのための要求を調整のうえ,できるだけ小さくなければなら
ない。
A.2.2 容易に接近するおそれがあるバリア又はエンクロージャの水平上面は,保護等級IPXXD又はIP4X
以上をもたなければならない。
A.2.3 バリア及びエンクロージャは,関連する外的影響を考慮し,既知の通常の使用条件において,要求
される保護等級及び充電部からの適切な分離を維持するため,所定の位置に堅固に固定し,かつ,十分な
安定性及び耐久性をもたなければならない。
A.2.4 バリアの取外し若しくはエンクロージャの開放又はエンクロージャの一部分の取外しは,次のいず
れかの場合に限り可能でなければならない。
− かぎ又は工具を使用する。
− バリア又はエンクロージャが保護する充電部の電源を遮断した後であり,また,電力供給の復旧が,
バリア又はエンクロージャを復元又は再閉鎖した後に限り可能である。
− 充電部への接触を防止するための保護等級IPXXB又はIP2X以上をもつ中間バリアがあり,中間バリ
アを取り外すのにかぎ又は工具を使用する。
A.2.5 バリアの背後又はエンクロージャの中に,開路した後も危険な電荷が残るような機器(コンデンサ
など)を設置する場合は,警告標識が必要である。アークの消滅,リレーの応答遅延などのために使用す
る小さいコンデンサは,危険とは考えない。
注記 静電荷による電圧が,電力供給遮断後5秒未満で直流120 V未満に低下する場合は,無意識の
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接触を,危険とは考えない。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B
(規定)
オブスタクル及びアームズリーチ外への設置
B.1 適用
オブスタクル及びアームズリーチ外への設置という保護手段は,基本保護だけに規定する。
これらは,故障保護のあるなしにかかわらず,熟練者又は技能者によって管理又は指揮下にある設備に
適用する。
附属書Bの基本保護手段の要素を保護手段の一つとして適用する場合の監督条件を,410.3.5に示す。
B.2 オブスタクル
注記 オブスタクルは,充電部へ無意識に接触するのを防止することが目的であるが,オブスタクル
をう(迂)回して故意に接触することを防止するものではない。
B.2.1 オブスタクルは,次のことを防止しなければならない。
− 身体が充電部に無意識の接近
− 通常の使用時に充電された機器を操作している間,充電部に無意識の接触
B.2.2 オブスタクルは,無意識に取り外せないように堅固に固定しなければならない。ただし,かぎ又は
工具を使用しないで取り外すことができてもよい。
B.3 アームズリーチ外への設置
注記 アームズリーチ外への設置による保護は,充電部に無意識に接触するのを防止することだけを
目的とする。
B.3.1 同時に接触可能な電圧の異なる部分は,アームズリーチ内にあってはならない。
注記 二つの部分の距離が2.5 m以下の場合は,同時に接触可能とみなす(図B.1参照)。
B.3.2 通常,人がいる場所が,保護等級IPXXB又はIP2X未満のオブスタクル(例えば,手すり,金網)
によって水平方向を制限する場合,アームズリーチは,そのオブスタクルから測らなければならない。
上方向のアームズリーチは,S面から2.5 mとする。この場合,保護等級IPXXB未満のオブスタクルが
中間にあっても,これを考慮しない。
注記 アームズリーチの値は,補助(例えば,工具又ははしご)なしで,素手で直接触れる場合に適
用する。
B.3.3 通常,容積の大きい又は長さの長い導電性のものを取り扱う場所において,B.3.1及びB.3.2で要求
する距離は,そのものの寸法を考慮して増加しなければならない。
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単位 m
図B.1−アームズリーチの範囲
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C 60364-4-41:2010 (IEC 60364-4-41:2005)
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附属書C
(規定)
設備が熟練者又は技能者の管理又は指揮下に
ある場合だけに適用する保護手段
注記 附属書Cの故障保護手段の要素(間接接触保護)を,保護手段の一部として適用する可能性が
ある場合の監督条件を410.3.6に示す。
C.1 非導電性場所
注記 この保護手段は,充電部の基礎絶縁が故障した場合に,異なる電位となるおそれのある部分に
同時に触れることの防止を目的とする。
C.1.1 すべての電気機器は,附属書Aに規定する基本保護に関する保護手段の要素の一つに適合しなけれ
ばならない。
C.1.2 露出導電性部分は,充電部の基礎絶縁が故障したときに異なる電位となるおそれのある場合は,次
のいずれかの部分に通常の環境のもとで人が同時に触れないように配置しなければならない。
− 二つの露出導電性部分
− 一つの露出導電性部分とすべての系統外導電性部分
C.1.3 非導電性場所においては,保護導体があってはならない。
C.1.4 その場所に絶縁性の床及び壁があり,次の措置の一つ以上を適用する場合は,C.1.2に適合する。
a) 露出導電性部分間の離隔のほか,露出導電性部分と系統外導電性部分との間の適切な離隔 二つの部
分間の距離が2.5 m以上である場合は,適切な離隔と考えてよい。また,アームズリーチの範囲外で
は,この距離を1.25 mに減らしてもよい。
b) 露出導電性部分と系統外導電性部分との間に有効なオブスタクルの挿入 オブスタクルによって距離
がa) に示す値を超える場合は,このオブスタクルは十分に有効である。このオブスタクルは,大地
又は露出導電性部分に接続してはならない。また,オブスタクルは,できる限り絶縁材料でなければ
ならない。
c) 系統外導電性部分の絶縁又は絶縁処理 絶縁は,十分な機械的強度をもち,2 000 V以上の試験電圧に
耐えるものでなければならない。漏れ電流は,通常の使用条件で1 mA以下でなければならない。
C.1.5 絶縁性の床及び壁の抵抗値は,JIS C 60364-6に規定する条件のもとで,各測定点において次のいず
れかの値以上でなければならない。
− 設備の公称電圧が500 V以下の場合には,50 kΩ
− 設備の公称電圧が500 Vを超える場合には,100 kΩ
注記 いずれの点でも抵抗が規定値未満である場合には,その床及び壁は感電保護目的に対しては系
統外導電性部分とみなす。
C.1.6 その対策は,恒久的でなければならず,また,その効果を損なう可能性があってはならない。さら
に,移動形又は携帯形機器を使用する場合の保護を保証しなければならない。
注記1 電気設備が十分に管理されていない場合,後日,別の導電性部分(例えば,移動形若しくは
携帯形のクラスI機器又は金属製水道管などの系統外導電性部分)がもち込まれ,C.1.6に適
合しなくなる可能性があることに注意することが望ましい。
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C 60364-4-41:2010 (IEC 60364-4-41:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記2 床及び壁の絶縁が,湿気によって影響を受けないことを保証することが重要である。
C.1.7 系統外導電性部分が,当該場所へ外部からの電位を引き込むことのないように予防措置を講じなけ
ればならない。
C.2 非接地局部的等電位ボンディングによる保護
注記 非接地局部的等電位ボンディングは,危険な接触電圧の発生を防止することを目的とする。
C.2.1 すべての電気機器は,附属書Aに規定する基本保護(直接接触保護)のための保護手段の要素の一
つに適合しなければならない。
C.2.2 等電位ボンディング用導体によって,すべての同時に接触可能な露出導電性部分及び系統外導電性
部分を,相互接続しなければならない。
C.2.3 局部的等電位ボンディングシステムは,大地と直接に,又は露出導電性部分若しくは系統外導電性
部分を介して電気的接触をしてはならない。
注記 この要求事項に適合することができない場合には,電源の自動遮断による保護を適用できる(箇
条411参照)。
C.2.4 特に,大地から絶縁した導電性の床が,非接地等電位ボンディングシステムに接続する場合,等電
位場所に入る人が危険な電位差にさらされないことを保証するために,予防措置を講じなければならない。
C.3 二つ以上の電気使用機器のための電力供給に関する電気的分離
注記 個別回路の電気的分離は,回路の基礎絶縁の損傷によって充電部となる可能性のある露出導電
性部分に触れて感電電流が流れることを防止することを目的とする。
C.3.1 すべての電気機器は,附属書Aに規定する基本保護のための保護手段の要素の一つに適合しなけれ
ばならない。
C.3.2 二つ以上の機器のための電力供給に関する電気的分離による保護は,413.1.2を除く箇条413のすべ
ての要求事項及び次の要求事項に従って保証しなければならない。
C.3.3 分離回路を損傷及び絶縁劣化から保護するように注意しなければならない。
C.3.4 分離回路の露出導電性部分は,絶縁した非接地の等電位ボンディング用導体によって相互接続しな
ければならない。この導体は,他の回路の保護導体若しくは露出導電性部分又はすべての系統外導電性部
分に接続してはならない。
注記 413.3.6の注記参照。
C.3.5 すべてのコンセントは,C.3.4に従って設けた等電位ボンディングシステムに接続するための保護
導体用接触子をもつものでなければならない。
C.3.6 二重絶縁又は強化絶縁をもつ機器に使用する場合を除き,すべての可とうケーブルは,C.3.4に従
った等電位ボンディング用導体として使用するための保護導体をもつものでなければならない。
C.3.7 2か所の露出導電性部分に影響を及ぼす二つの故障が発生し,その電源を極性の異なる導体から供
給する場合,保護器は,表41.1に適合する時間内に電力供給を遮断しなければならない。
C.3.8 回路の公称電圧 (V) と配線設備の長さ (m) との積が100 000 V・mを超えず,かつ,配線設備の長
さが500 mを超えないことが望ましい。
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C 60364-4-41:2010 (IEC 60364-4-41:2005)
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附属書D
(参考)
JIS C 60364-4-41:2006とJIS C 60364-4-41:2010との対応
次の表D.1は,JIS C 60364-4-41の旧版と現在の版両方の内容であり,変更箇所を示す。
表D.1−JIS C 60364-4-41:2006とJIS C 60364-4-41:2010との対応
JIS C 60364-4-41:2006
JIS C 60364-4-41:2010
表題
建築電気設備−第4-41部:安全保護−感電保護
低圧電気設備−第4-41部:安全保護−感電保護
序文
序文
410.1 適用範囲
410.1 適用範囲
410.2 引用規格
410.2 引用規格
410.3 感電保護手段の適用
410.3.1 一般事項
410.3.2 直接接触保護手段の適用
410.3.3 間接接触保護手段の適用
410.3.4 外的影響に関連する保護手段の適用
410.3 一般要求事項
411 直接及び間接接触保護
414 保護手段:SELV及びPELVによる特別低電圧
411.1 SELV及びPELV
411.1.1
411.1.2 SELV及びPELV用電源
411.1.3 回路の構成
411.1.4 非接地回路 (SELV) の要求事項
411.1.5 接地回路 (PELV) の要求事項
414.1 一般事項
414.3 SELV及びPELV用電源
414.4 SELV及びPELV回路に対する要求事項
411.2 放出エネルギーの制限による保護(要求事項な
し)
包含しない
411.3 FELVシステム
411.3.1 一般事項
411.3.2 直接接触保護
411.3.3 間接接触保護
411.3.4 プラグ及びコンセント
411.7 機能的特別低電圧 (FELV)
411.7.1 一般事項
411.7.2 基本保護に対する要求事項
411.7.3 故障保護に対する要求事項
411.7.5 プラグ及びコンセント
412 直接接触保護
412.1 充電部の絶縁
A.1 充電部の基礎絶縁
412.2 バリア又はエンクロージャ
A.2 バリア又はエンクロージャ
412.3 オブスタクル
B.2 オブスタクル
412.4 アームズリーチ外への設置
B.3 アームズリーチ外への設置
412.5 漏電遮断器による追加保護
415.1 追加保護:漏電遮断器 (RCDs)
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C 60364-4-41:2010 (IEC 60364-4-41:2005)
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表D.1−JIS C 60364-4-41:2006とJIS C 60364-4-41:2010との対応(続き)
JIS C 60364-4-41:2006
JIS C 60364-4-41:2010
413 間接接触保護
413.1 電源の自動遮断
413.1.1 一般事項
413.1.1.1 電源の遮断
413.1.1.2 接地
413.1.2 等電位ボンディング
413.1.2.1 主等電位ボンディング
413.1.2.2 補助等電位ボンディング
413.1.3 TN系統
413.1.4 TT系統
413.1.5 IT系統
413.1.6 補助等電位ボンディング
413.1.7 設置場所の外的影響の条件に関する要求事項
411 保護手段:電源の自動遮断
411.3.2 故障時の自動遮断
411.3.1.1 保護接地
411.3.1 保護接地及び保護等電位ボンディング
411.3.1.2 保護等電位ボンディング
411.3.2.6 補助保護等電位ボンディング
411.4 TN系統
411.5 TT系統
411.6 IT系統
415.2 追加保護:補助保護等電位ボンディング(要求
事項なし)
413.2 クラスII機器又はこれと同等の絶縁
412 保護手段:二重絶縁又は強化絶縁
413.3 非導電性場所
C.1 非導電性場所
413.4 非接地局部的等電位ボンディングによる保護
C.2 非接地局部的等電位ボンディングによる保護
413.5 電気的分離
413 保護手段:電気的分離
C.3 二つ以上の電気使用機器のための電力供給に関
する電気的分離
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C 60364-4-41:2010 (IEC 60364-4-41:2005)
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参考文献
JIS C 0366 建築電気設備の電圧バンド
注記 対応国際規格:IEC 60449,Voltage bands for electrical installations of buildings (IDT)
JIS C 8201-2-2 低圧開閉装置及び制御装置−第2-2部:漏電遮断器
JIS C 8221 住宅及び類似設備用漏電遮断器−過電流保護装置なし (RCCBs)
注記 対応国際規格:IEC 61008-1,Residual current operated circuit-breakers without integral overcurrent
protection for household and similar uses (RCCBs)−Part 1: General rules (MOD)
JIS C 8222 住宅及び類似設備用漏電遮断器−過電流保護装置付き (RCBOs)
注記 対応国際規格:IEC 61009-1,Residual current operated circuit-breakers with integral overcurrent
protection for household and similar uses (RCBOs)−Part 1: General rules (MOD)
JIS C 60364-4-43 建築電気設備−第4-43部:安全保護−過電流保護
注記 対応国際規格:IEC 60364-4-43:2001,Electrical installations of buildings−Part 4-43: Protection for
safety−Protection against overcurrent (IDT)
IEC 60146-2,Semiconductor converters−Part 2: Self-commutated semiconductor converters including direct d.c.
converters
IEC 60364-5-53:2001,Electrical installations of buildings−Part 5-53: Selection and erection of electrical
equipment−Isolation, switching and control
IEC 60417-DB-12M (2002-10),Graphical symbols for use on equipment−12-month subscription to online
database comprising all graphical symbols published in IEC 60417
IEC 60439-1,Low-voltage switchgear and controlgear assemblies−Part 1: Type-tested and partially type-tested
assemblies
注記 IEC 60439-1は,2009年に廃止され,IEC 61439-1:2009に移行された。
IEC 61439-1:2009,Low-voltage switchgear and controlgear assemblies−Part 1: General rules
IEC 60529,Degrees of protection provided by enclosures (IP Code)
IEC 60664 (all parts),Insulation coordination for equipment within low-voltage systems
IEC 61201:1992,Extra-low voltage (ELV)−Limit values
IEC 61557-8,Electrical safety in low voltage distribution systems up to 1 000 V a.c. and 1 500 V d.c.−Equipment
for testing, measuring or monitoring of protective measures−Part 8: Insulation monitoring devices for IT
systems
IEC 61557-9,Electrical safety in low voltage distribution systems up to 1 000 V a.c. and 1 500 V d.c.−Equipment
for testing, measuring or monitoring of protective measures−Part 9: Equipment for insulation fault location in
IT systems
IEC 62020,Electrical accessories−Residual current monitors for household and similar uses (RCMs)