C 60063:2018 (IEC 60063:2015)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 標準数列························································································································· 2
4.1 有効数字2桁の標準数列 ································································································· 2
4.2 有効数字3桁の標準数列 ································································································· 2
5 E標準数列の適用 ············································································································· 4
5.1 E標準数列と許容差との関係 ···························································································· 4
5.2 数値の記号表示による簡略化 ··························································································· 4
C 60063:2018 (IEC 60063:2015)
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。これによって,
JIS C 5063:1997は廃止され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 60063:2018
(IEC 60063:2015)
抵抗器及びコンデンサの標準数列
Preferred number series for resistors and capacitors
序文
この規格は,2015年に第3版として発行されたIEC 60063を基に,技術的内容及び構成を変更すること
なく作成した日本工業規格である。
1
適用範囲
この規格は,抵抗器の抵抗値及びコンデンサの静電容量値に対する推奨標準数列について規定する。
明確な数値分解能によるこのような数列の規定は,JIS C 5062に規定する静電容量値又は抵抗値による
コンデンサ及び抵抗器の表示及び記号化の基本的な要件となる。
注記1 この規格で規定する数列は,r10の累進的な比率に基づいている。ここで,r=3×2iにおい
て,iは0〜6の範囲の整数である(例えば,1210)。
この累進的な比率の体系は,±5 %,±10 %及び±20 %,更には関連した商習慣での,許
容差の標準化の結果として,この対応国際規格の第1版の1952年発行以前に確立されている。
1010体系に基づくISO方式(R標準数)の採用では,達成できないと考えられていた。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60063:2015,Preferred number series for resistors and capacitors(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 5062 抵抗器及びコンデンサの表示記号
注記 対応国際規格:IEC 60062,Marking codes for resistors and capacitors(MOD)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
E標準数列(E series)
10nごとに一定の数をもち,等比数列から得られ,丸められた数値の無限級数。
注記 E標準数列は,10nごとにもつ数値の個数“r(=3×2i)”によって,“Er”の形で示す。例えば,
10nごとに24個の数値をもつ標準数列を“E24”という。
2
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4
標準数列
4.1
有効数字2桁の標準数列
有効数字2桁のE24,E12,E6及びE3標準数列は,表1に規定するそれぞれの値の10n(nは正負の整
数)倍の数値になる。
表1−有効数字2桁の標準数列
E24
E12
E6
E3
10
10
10
10
11
12
12
13
15
15
15
16
18
18
20
22
22
22
22
24
27
27
30
33
33
33
36
39
39
43
47
47
47
47
51
56
56
62
68
68
68
75
82
82
91
E24標準数列は,理論的な数を有効数字2桁に丸めた値の等比数列から得る。
()n
2410
=
ν
ここに,
ν: E24標準数列の値
n: 全ての正負の整数
注記 E24標準数列における27〜47の範囲及び82の値は,厳密な数学的な規則から逸脱する。ただ
し,この対応国際規格の第1版が発行された1952年以前にこの標準数列は確立していたため,
その歴史的背景を考慮すると,この逸脱の是正は適切ではない。
E12標準数列は,E24標準数列の一つおきの値であって,同様に,一つおきに値を採ってE12標準数列
からE6標準数列になり,また,E6標準数列からE3標準数列になる。
4.2
有効数字3桁の標準数列
有効数字3桁のE192,E96及びE48標準数列は,表2に規定するそれぞれの値の10n(nは正負の整数)
倍の数値になる。
3
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表2−有効数字3桁の標準数列
E192
E96
E48
E192
E96
E48
E192
E96
E48
E192
E96
E48
100
100
100
178
178
178
316
316
316
562
562
562
101
180
320
569
102
102
182
182
324
324
576
576
104
184
328
583
105
105
105
187
187
187
332
332
332
590
590
590
106
189
336
597
107
107
191
191
340
340
604
604
109
193
344
612
110
110
110
196
196
196
348
348
348
619
619
619
111
198
352
626
113
113
200
200
357
357
634
634
114
203
361
642
115
115
115
205
205
205
365
365
365
649
649
649
117
208
370
657
118
118
210
210
374
374
665
665
120
213
379
673
121
121
121
215
215
215
383
383
383
681
681
681
123
218
388
690
124
124
221
221
392
392
698
698
126
223
397
706
127
127
127
226
226
226
402
402
402
715
715
715
129
229
407
723
130
130
232
232
412
412
732
732
132
234
417
741
133
133
133
237
237
237
422
422
422
750
750
750
135
240
427
759
137
137
243
243
432
432
768
768
138
246
437
777
140
140
140
249
249
249
442
442
442
787
787
787
142
252
448
796
143
143
255
255
453
453
806
806
145
258
459
816
147
147
147
261
261
261
464
464
464
825
825
825
149
264
470
835
150
150
267
267
475
475
845
845
152
271
481
856
154
154
154
274
274
274
487
487
487
866
866
866
156
277
493
876
158
158
280
280
499
499
887
887
160
284
505
898
162
162
162
287
287
287
511
511
511
909
909
909
164
291
517
920
165
165
294
294
523
523
931
931
167
298
530
942
169
169
169
301
301
301
536
536
536
953
953
953
172
305
542
965
174
174
309
309
549
549
976
976
176
312
556
988
4
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
E192標準数列は,理論的な数を有効数字3桁に丸めた値の等比数列である。
(
)n
19210
=
ν
ここに,
ν: E192標準数列の値
n: 全ての正負の整数
E96標準数列は,E192標準数列の一つおきの値であって,同様に,E48標準数列は,E96標準数列の一
つおきの値となる。
5
E標準数列の適用
5.1
E標準数列と許容差との関係
抵抗値及び静電容量値の公称値の範囲は,通常,ある公称値の許容差範囲の値が,隣同士の公称値の許
容差範囲とあまり重ならないように設定される。このことから,許容差と公称値との間に,一定の関係が
あることが推測できる。
対称形許容差をもつ部品の許容差に対して推奨するE標準数列の割当てを表3に示す。
表3−許容差及び推奨するE標準数列
許容差
%
E標準数列
±20よりも広い
E3
±20
E6
±10
E12
±5
E24
±2
E48
±1
E96
±1よりも狭い
E192
抵抗器の場合は,表3に示す関係をそのまま適用する。
一方,静電容量値の公称値に有効数字2桁を超えて使うことが一般的でないコンデンサの場合には,E48
標準数列又はそれ以上のE標準数列は,一般に適用していない。したがって,最も狭い許容差±1 %にも
E24標準数列の値を用いるのが慣例となっている。
同じような根拠は,非対称の許容差をもつ部品に適用してもよい。
注記 ±1 %よりも非常に狭い許容差の使用は,10ごとにさらに192個以上の数値をもつ,例えば,
384個の数値をもつ仮想級数の定義を提案することが必要になる。ただし,有効数字3桁によ
る数値の定義は,このようなより大きな標準数列の体系に対して十分精密ではない。さらに,
現在確立及び実用化している記号表示方法では,有効数字3桁までの対応となっている。これ
らが,有効数字3桁を超える数値を用いることの制限事項となっている。
5.2
数値の記号表示による簡略化
有効数字2桁及び3桁の値に対してJIS C 5062で規定する記号表示方法がある。これらの記号表示方法
でも,許容差の表示ができる。
多くの場合,部品上で表示に利用できるスペースは,許容差の情報を追加するのには十分でない。この
ような場合,表3に示す標準数列と許容差との関係を逆転して,表示記号の文字数が可能であるE標準数
列を用い,更に許容差を次のように決定するのが,一般的な方法になっている。
5
C 60063:2018 (IEC 60063:2015)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
− 3文字での記号表示は,有効数字2桁で値を表すため,E24までのE標準数列,すなわち,±5 %より
も狭くない許容差に対応している。
− 4文字での記号表示は,有効数字3桁で値を表すため,E48以上のE標準数列,すなわち,±2 %又は
より狭い許容差に対応している。
この指針自体が曖昧である可能性があり,一般的ではないことが上記の説明から明らかである。例えば,
E96標準数列と許容差±1 %との組合せに対してE24標準数列と許容差±5 %との組合せのように,あらか
じめ決まっている選択肢との区分の根拠になるだけである。したがって,それぞれ部品の正確かつ適切な
文書及び仕様書によって変わってくる。
参考文献 JIS Z 8601 標準数
注記 対応国際規格:ISO 3,Preferred numbers−Series of preferred numbers(MOD)