C 6870-2:2006
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人光産業技術振興協会(OITDA)/財団
法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業
標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 60794-2:2002,Optical fibre cables
−Part 2: Indoor cables−Sectional specificationを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質を持つ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準審査会
は,このような技術的性質を持つ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS C 6870-2には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
C 6870-2:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ····················································································································· 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 光ファイバケーブル構成部材及び構造 ················································································· 2
3.1 光ファイバ及び一次被覆 ································································································· 2
3.2 バッファ ······················································································································ 3
3.3 補強光ファイバ ············································································································· 3
3.4 溝付きコア ··················································································································· 3
3.5 チューブ ······················································································································ 3
3.6 テープ形光ファイバ心線(リボン)構造············································································· 3
3.7 抗張力及び抗座屈体 ······································································································· 3
3.8 シース ························································································································· 3
3.9 シースマーキング ·········································································································· 3
3.10 識別 ··························································································································· 3
4. 光ファイバケーブルの試験 ································································································ 3
4.1 寸法 ···························································································································· 3
4.2 機械特性要求事項 ·········································································································· 3
4.3 耐環境特性要求事項 ······································································································· 4
4.4 伝送特性要求事項 ·········································································································· 4
4.5 燃焼特性 ······················································································································ 4
5. 包装 ······························································································································ 4
6. 品質保証 ························································································································ 4
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 5
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日本工業規格 JIS
C 6870-2:2006
光ファイバケーブル
第2部:屋内ケーブルー品種別通則
Indoor optical fiber cables−Part 2: Sectional specification
序文 この規格は,2002年に第3版として発行されたIEC 60794-2,Optical fibre cables−Part 2: Indoor cables
−Sectional specificationを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧
表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。
1. 適用範囲 この規格は,電話,データ伝送及びその周辺機器並びに伝送ネットワークに使用される屋
内用光ファイバケーブルに対する要求事項について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
IEC 60794-2:2002,Optical fibre cables−Part 2: Indoor cables−Sectional specification (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 3666-2 電気ケーブルの燃焼時発生ガス測定試験方法−第2部:電気ケーブル材料の燃焼時にお
けるpH及び導電率による発生ガスの酸性度測定
備考 IEC 60754-2,Test on gases evolved during combustion of electric cables−Part 2: Determination of
degree of acidity of gases evolved during the combustion of materials taken from electric cables by
measuring pH and conductivityが,この規格と一致している。
JIS C 6820 光ファイバ通則
備考 IEC 60793-1-1,Optical fibres−Part 1-1: Measurement methods and test procedures−General and
guidance及びIEC 60793-2,Optical fibres−Part 2: Product specifications−Generalからの引用事
項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS C 6822 マルチモード光ファイバ構造パラメータ試験方法
JIS C 6825 シングルモード光ファイバ構造パラメータ試験方法
備考 IEC 60793-1-20,Optical fibres−Part 1-20: Measurement methods and test procedures−Fibre
geometry及びIEC 60793-1-21,Optical fibres−Part 1-21: Measurement methods and test
procedures−Coating geometryからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS C 6832 石英系マルチモード光ファイバ素線
JIS C 6833 多成分系マルチモード光ファイバ素線
2
C 6870-2:2006
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備考 IEC 60793-2,Optical fibres−Part 2: Product specificationsからの引用事項は,この規格の該当
事項と同等である。
JIS C 6835 石英系シングルモード光ファイバ素線
備考 IEC 60793-2,Optical fibres−Part 2: Product specifications及びIEC 60793-2-50,Optical fibres
−Part 2-50: Product specifications−Sectional specification for class B single-mode fibresからの引
用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS C 6838 テープ形光ファイバ心線
備考 IEC 60794-1-2,Optical fibre cables−Part 1-2: Generic specification−Basic optical cable test
procedures及びIEC 60794-3,Optical fibre cables−Part 3: Telecommunication cables−Sectional
specificationからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS C 6850 光ファイバケーブル通則
備考 IEC 60794-1-1,Optical fibre cables−Part 1-1: Generic specification−Generalからの引用事項は,
この規格の該当事項と同等である。
JIS C 6851 光ファイバケーブル特性試験方法
備考 IEC 60794-1-2,Optical fibre cables−Part 1-2: Generic specification−Basic optical cable test
proceduresからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
IEC 60189-1,Low-frequency cables and wires with PVC insulation and PVC sheath−Part 1: General test and
measuring methods
IEC 60304,Standard colours for insulation for low-frequency cables and wires
IEC 60332-1-1,Tests on electric and optical fibre cables under fire conditions−Part 1-1: Test for vertical flame
propagation for a single insulated wire or cable−Apparatus
IEC 60332-3-24,Tests on electric cables under fire conditions−Part 3-24: Test for vertical flame spread of
vertically-mounted bunched wires or cables−Category C
IEC 60754-1,Test on gases evolved during combustion of materials from cables−Part 1: Determination of the
amount of halogen acid gas
IEC 61034-1,Measurement of smoke density of cables burning under defined conditions−Part 1: Test
apparatus
IEC 61034-2,Measurement of smoke density of cables burning under defined conditions−Part 2: Test
procedure and requirements
3. 光ファイバケーブル構成部材及び構造
3.1
光ファイバ及び一次被覆 光ファイバ及びその一次被覆は,JIS C 6820及びJIS C 6832,JIS C 6833
又はJIS C 6835の要求事項を満足しなければならない。
3.2
バッファ バッファが存在する場合,バッファは,光ファイバ素線上に適切な材料によってルース
又はタイトに施す。光ファイバ素線とルースバッファとのすき間は,適切で容易に変形する材料によって
充てんされていてもよい。バッファは,容易に除去可能でなければならない。
3.3
補強光ファイバ タイトに二次被覆された光ファイバに対し,1本又は2本の非金属抗張力体を埋め
込んだ適切な材料のシースで覆うことによって,更に保護を施してもよい。
3
C 6870-2:2006
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3.4
溝付きコア 溝付きコアは,決められた数のら旋又はSZ形状の溝をコアの長手方向に付けながら,
適切な材料を押し出すことによって製造する。1本又は複数本の一次被覆光ファイバ若しくはテープ形光
ファイバ心線又は光ファイババンドルのような光学部材をそれぞれの溝の中に配置する。
3.5
チューブ 光ファイバがチューブの中に配置されている場合には,1本又は複数本の一次被覆光ファ
イバ又はテープ形光ファイバ心線が,1本のチューブにルース構造又はそれ以外の構造で収納され,チュ
ーブの中は充てん材で満たされていてもよい。チューブは,複合的な外装で補強してもよい。
3.6
テープ形光ファイバ心線(リボン)構造 光ファイバを,テープ形光ファイバ心線(リボン)の形
態で使用する場合の構造は,JIS C 6838の6.(材料,形状及び寸法)による。テープ形光ファイバ心線は,
一般的に2,4,8又は12心の光ファイバで構成する。テープ形光ファイバ心線の中の光ファイバは,全長
にわたって平行であり,交差してはならない。
3.7
抗張力及び抗座屈体 一般的にケーブルは,光ファイバが受渡当事者間で合意した限界値を超える
ひずみを受けることがないよう,布設及び運用条件を満足するのに十分な抗張力体及び/又は抗座屈体を
使用して設計しなければならない。
抗張力及び/又は抗座屈体は,金属又は非金属材料で,ケーブルコアの内部及び/又はシースの内側及
び/又はシース内部に位置していてもよい。
3.8
シース ケーブルコアは,保護シースによって一様に覆われていなければならない。
3.9
シースマーキング 要求がある場合には,ケーブルは,受渡当事者間で合意した方法でマーキング
を施さなければならない。
3.10 識別 採用する識別システムは,受渡当事者間の合意による。被覆光ファイバ又はバッファ付光フ
ァイバの識別には,色分け又は位置による識別のほか,リングマーキング,間けつ(歇)マーキング,ト
レーサによる方法などがある。また,ケーブル中のチューブの識別には,番号付け,色分けなどの方法が
ある。色分けによる識別には,可能な限りIEC 60304に準じた標準色を使用することが望ましい。ケーブ
ルシースは,色分けするか又はシース内の印刷によって,例えば,光ファイバ種別がコア/クラッドが
50/125 μmのマルチモード光ファイバであると分かるようにしてもよい。
4. 光ファイバケーブルの試験 関連するケーブル規格の要求に沿って試験を実施することによって,4.1
から4.5の規格要求事項を満足することを確認しなければならない。受渡当事者は,すべての試験を実施
する必要はなく,また,試験頻度は,受渡当事者間の合意によって決める。
備考 パッチコードとして使用するケーブルに対する試験は,検討中である。
4.1
寸法 光ファイバの寸法及び公差の試験方法は,JIS C 6822又はJIS C 6825による。バッファ及び
ケーブルの外径並びにシースの厚さは,IEC 60189-1に従って測定する。
4.2
機械特性要求事項
4.2.1
引張特性 JIS C 6851の5.(IEC 60794-1-2方法E1)による。
4.2.2
圧壊 JIS C 6851の7.(IEC 60794-1-2方法E3)による。
4.2.3
衝撃 JIS C 6851の8.(IEC 60794-1-2方法E4)による。
4.2.4
曲げ JIS C 6851の14.(IEC 60794-1-2方法E11)による。
4.2.5
繰返し曲げ JIS C 6851の10.(IEC 60794-1-2方法E6)による。
4.2.6
張力下での曲げ JIS C 6851の20.(IEC 60794-1-2方法E18)による。
4.2.7
低温下での曲げ JIS C 6851の14.(IEC 60794-1-2方法E11)による。
4.2.8
フレキシング JIS C 6851の12.(IEC 60794-1-2方法E8)による。
4
C 6870-2:2006
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4.2.9
ねじり JIS C 6851の11.(IEC 60794-1-2方法E7)による。
4.2.10 キンク JIS C 6851の13.(IEC 60794-1-2方法E10)による。
4.3
耐環境特性要求事項
4.3.1
温度サイクル JIS C 6851の23.(IEC 60794-1-2方法F1)による。
4.4
伝送特性要求事項 伝送特性要求事項は,受渡当事者間で合意され,JIS C 6832,JIS C 6833又は
JIS C 6835に従って確認するものとする。ケーブル伝送損失の最大値は,JIS C 6850の規定を満足しなけ
ればならない。
4.5
燃焼特性 JIS C 3666-2,IEC 60332-1-1,IEC 60332-3-24,IEC 60754-1,IEC 61034-1,若しくはIEC
61034-2によるか,又は受渡当事者間で合意したほかの試験方法による。
5. 包装 ケーブルは,リール巻き又は束取りの状態で供給され,輸送に耐える適切な保護,ケーブル両
端末の封止,及び必要な場合には,防湿処置を施さなければならない。
6. 品質保証 規格要求事項に対するケーブルの適合性は,4.の該当する項目に規定する試験を実施する
ことによって検証する。
製品がこの規格の要求事項を満足することを確実にする品質管理手順によって,品質保証体制を確立す
ることは,製造業者の責任である。購入者が,ほかの品質手順によって受入検査を行う場合には,発注時
に受渡当事者間で基本的な合意がなされているものとする。
5
C 6870-2:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS C 6820-2:2006 屋内用光ファイバケーブル
IEC 60794-2:2002,光ファイバケーブル−第2部:室内ケーブル−品種別通
則
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異
の項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
1.適用範
囲
屋内用光ファイバケーブ
ルについて規定。
IEC
60794-2
1
JISに同じ
IDT
―
―
2.引用規
格
JIS C 3666-2,JIS C 6820,
JIS C 6822,JIS C 6825,
JIS C 6832,JIS C 6833,
JIS C 6835,JIS C 6838,
JIS C 6850,JIS C 6851,
IEC 60189-1,IEC 60304,
IEC 60332-1-1,
IEC60332-3-24,
IEC 60754-1,IEC 61034-1,
IEC 61034-2
2
IEC 60189-1,IEC
60304,IEC 60332-1-1,
IEC 60332-3-24,IEC
60754-2,IEC 60793-2,
IEC 60793-1-20,IEC
60793-1-21,IEC
60794-1-1,IEC
60794-1-2,IEC
61034-1,IEC 61034-2
MOD/変更 JISからの引用事項
は,対応IEC規格の
該当事項と同等であ
る。
実質的な差異はない。
3.光ファ
イバケー
ブル構成
部材及び
構造
光ファイバ及び一次被覆,
バッファ,補強光ファイ
バ,溝付きコア,チューブ,
テープ形光ファイバ心線
構造,抗張力及び抗座屈
体,シース,シースマーキ
ング,識別
3
構造
MOD/変更
内容記述のない規定
の追加,削除及び光
ファイバ,ケーブル
シースの色コード事
例を解説に移行し
た。
色コードの事例は,位置付けが不明確
で,国内の一般化しているものと異な
るため,規定から削除した。
4.光ファ
イバケー
ブルの試
験
寸法,機械特性要求事項,
耐環境特性要求事項,伝送
特性要求事項,燃焼特性
4
JISにほぼ同じ
MOD/変更
JISは,具体的な個別
規格を引用し,規定
した。
実質的な差異はない。
2
C
X
X
X
X
:
0
0
0
0
5
C
6
8
7
0
-2
:2
0
0
6
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6
C 6870-2:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 技術的差異がない。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。